JP2019024323A - 乾燥海苔製造システム - Google Patents

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【課題】所望の重量(品質)を有する乾燥海苔を安定して製造することができる乾燥海苔製造システムの提供。【解決手段】調合装置7で濃度を調整した海苔原料を抄製装置8で抄製して海苔生地を形成し、形成された海苔生地を乾燥装置10で乾燥して乾燥海苔を製造する乾燥海苔製造システム1において、抄製装置8で抄製される海苔原料の濃度を計測するとともに、その海苔原料から形成された海苔生地が乾燥した乾燥海苔の重量を計測し、計測された海苔原料の濃度とそれに対応する乾燥海苔の重量との関係(濃度・重量関係)を求め、設定された乾燥海苔の重量に対応する海苔原料の濃度を濃度・重量関係を用いて求め、その海苔原料の濃度になるように調合装置7を制御する乾燥海苔製造システム1。【選択図】図1

Description

本発明は、乾燥海苔を製造する乾燥海苔製造システムに関するものである。
従来より、収穫した海苔原藻から矩形薄板状の乾燥海苔を製造するために乾燥海苔製造システムが用いられている。
この乾燥海苔製造システムでは、主に次のようにして乾燥海苔を製造している。
まず、調合装置を用いて海苔原藻と水とを混合した海苔原料を所定の濃度に調製する。
次に、抄製装置を用いて海苔簀の上に海苔原料を吐出して矩形板状の海苔生地を形成する。
次に、乾燥装置を用いて海苔生地を海苔簀ごと乾燥させて乾燥海苔を製造する。
次に、剥離装置を用いて海苔簀から乾燥海苔を剥離する。
最後に、選別装置を用いて乾燥海苔の重量等を測定して所定範囲の重量等(品質)を有する乾燥海苔を選別する。
このように、従来においては、調合装置を用いて海苔原料の濃度を調整することによって所定範囲の重量を有する乾燥海苔を製造していた(たとえば、特許文献1参照。)。
特公平1−48749号公報
ところが、乾燥海苔は、海苔原料を乾燥装置で乾燥させることによって製造されるために、気温や湿度などの影響を受けて乾燥装置における乾燥状態が日によって異なり、最終的に製造される乾燥海苔の重量に変動(ばらつき)が生じてしまう。
そのため、上記従来の乾燥海苔製造システムでは、過去の経験等に基づいて調合装置における海苔原料の濃度を調整しても、実際の乾燥状態によって製造される乾燥海苔の重量にばらつきが生じてしまい、所望の重量ひいては所望の品質の乾燥海苔を安定して製造することが困難であった。
そこで、請求項1に係る本発明では、調合装置で濃度を調整した海苔原料を抄製装置で抄製して海苔生地を形成し、形成された海苔生地を乾燥装置で乾燥して乾燥海苔を製造する乾燥海苔製造システムにおいて、抄製装置で抄製される海苔原料の濃度を計測するとともに、その海苔原料から形成された海苔生地が乾燥した乾燥海苔の重量を計測し、計測された海苔原料の濃度とそれに対応する乾燥海苔の重量との関係(濃度・重量関係)を求め、設定された乾燥海苔の重量に対応する海苔原料の濃度を濃度・重量関係を用いて求め、その海苔原料の濃度になるように調合装置を制御することにした。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記乾燥装置の乾燥開始時間から所定時間内に乾燥された乾燥海苔について前記濃度・重量関係を求めることにした。
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記所定時間は前記乾燥装置の内部が乾燥すべき海苔生地で満たされるまでの時間であることにした。
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、本発明では、調合装置で濃度を調整した海苔原料を抄製装置で抄製して海苔生地を形成し、形成された海苔生地を乾燥装置で乾燥して乾燥海苔を製造する乾燥海苔製造システムにおいて、抄製装置で抄製される海苔原料の濃度を計測するとともに、その海苔原料から形成された海苔生地が乾燥した乾燥海苔の重量を計測し、計測された海苔原料の濃度とそれに対応する乾燥海苔の重量との関係(濃度・重量関係)を求め、設定された乾燥海苔の重量に対応する海苔原料の濃度を濃度・重量関係を用いて求め、その海苔原料の濃度になるように調合装置を制御することにしているために、海苔生地の実際の乾燥状態に対応した海苔原料の濃度の調整を行うことができ、所望の重量(品質)を有する乾燥海苔を安定して製造することができる。
特に、前記乾燥装置の乾燥開始時間から所定時間内に乾燥された乾燥海苔について前記濃度・重量関係を求めることにした場合や、前記所定時間を前記乾燥装置の内部が乾燥すべき海苔生地で満たされるまでの時間とした場合には、乾燥海苔製造システムの稼働の初期段階で濃度・重量関係を求めることができ、その後の長時間にわたって所望の重量(品質)を有する乾燥海苔を安定して製造することができる。
乾燥海苔製造システムを示す説明図。 海苔製造装置を示す説明図。 乾燥装置の運転状態を示す説明図。
以下に、本発明に係る乾燥海苔製造システムの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、乾燥海苔製造システム1は、概ね、前処理装置2と海苔製造装置3と後処理装置4とに分けられる。この乾燥海苔製造システム1は、コンピュータ(CPU)やメモリやインターフェイスなどから構成される制御装置を有しており、制御プログラムに基づいて制御装置で制御されている。
前処理装置2は、主に貯留装置5と細断装置6と調合装置7を有している。
貯留装置5は、収穫した海苔原藻を海水とともに一時的に貯留しておくための装置である。
細断装置6は、海苔原藻を真水と混合させるとともに、海苔原藻を細断するための装置である。
調合装置7は、細断した海苔原藻と真水とで海苔原料を生成するとともに、海苔原藻と真水との混合比率(海苔原料の濃度)を設定された濃度に調製するための装置である。
この前処理装置2では、収穫した海苔原藻を貯留装置5、細断装置6、調合装置7の順で処理することによって、収穫した海苔原藻を用いて所定濃度の海苔原料を生成している。生成された海苔原料は、海苔製造装置3に供給される。
海苔製造装置3は、主に抄製装置8と脱水装置9と乾燥装置10と剥離装置11を有している。
抄製装置8は、海苔原料を海苔簀の上に吐出するとともに海苔簀で抄いて海苔簀上に多量に水分を含んだ矩形薄板状の海苔生地を形成する装置である。この抄製装置8には、前処理装置2から供給され海苔簀上に吐出する海苔原料の実際の濃度を海苔原料の光の透過度に基づいて測定する濃度測定器12が設けられている。
脱水装置9は、海苔簀上で多量の水分を含んだ海苔生地にスポンジ等の吸水具を押圧して脱水を行って海苔生地を形成する装置である。
乾燥装置10は、水分を含んだ海苔生地を海苔簀ごと乾燥空気に所定時間晒して海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する装置である。
剥離装置11は、海苔簀から乾燥海苔を剥離する装置である。
この海苔製造装置3では、前処理装置2から供給された海苔原料を抄製装置8、脱水装置9、乾燥装置10、剥離装置11の順で処理することによって、所定濃度の原料から所定重量の乾燥海苔を製造している。製造された乾燥海苔は、後処理装置4に搬送される。
後処理装置4は、主に選別装置13と結束装置14を有している。
選別装置13は、海苔製造装置3で製造された乾燥海苔の品質(たとえば、形状や表面の光沢や含水率や重量など)に基づいて選別する装置である。この選別装置13には、海苔製造装置3で製造された乾燥海苔の実際の重量を測定する重量測定器15が設けられている。
結束装置14は、選別装置13で選別された乾燥海苔を所定の枚数毎に結束する装置である。
この後処理装置4では、海苔製造装置3で製造された乾燥海苔を選別して出荷できる形態にしている。
乾燥海苔製造システム1は、以上に説明したように構成しており、前処理装置2(貯留装置5、細断装置6、調合装置7)と海苔製造装置3(抄製装置8、脱水装置9、乾燥装置10、剥離装置11)と後処理装置4(選別装置13、結束装置14)とを用いて連続して処理することで、収穫した海苔原藻から出荷する乾燥海苔を連続して製造することができる。
特に、海苔製造装置3では、海苔簀の搬送経路上に抄製装置8、脱水装置9、乾燥装置10、剥離装置11を配置して、連続して海苔原料から乾燥海苔を製造することができるようになっている。
具体的には、図2に示すように、海苔製造装置3は、筐体(前側筐体16及び後側筐体17)の内部に海苔簀を搬送するための搬送機構18を設けている。搬送機構18は、左右に並べた複数枚の海苔簀を着脱自在に取付けた簀枠を搬送するものであり、前側筐体16に設けた無端状の前側搬送機構19と後側筐体17に設けた無端状の後側搬送機構20とを連動させて駆動するようになっている。
この搬送機構18は、前側搬送機構19の上部側において前側搬送機構19で左右に並べた複数枚の海苔簀を支持する簀枠を前方から後方に向けて搬送した後に、簀枠を前側搬送機構19の上部後端部から後側搬送機構20の上部前端部に受渡し、後側搬送機構20の上部側において簀枠を前方から後方に向けて搬送した後に後側搬送機構20の下部側において後方から前方に向けて搬送し、その後、簀枠を後側搬送機構20の下部前端部から前側搬送機構19の下部後端部に受渡し、前側搬送機構19の下部側において簀枠を後方から前方に向けて搬送するようにしている。これにより、搬送機構18は、前側搬送機構19の上部前方から上部後方、後側搬送機構20の上部前方から上部後方、同じく後側搬送機構20の下部後方から下部前方、前側搬送機構19の下部後方から下部前方に通じる簀枠(海苔簀)の搬送経路を形成している。
そして、海苔製造装置3は、搬送機構18による簀枠の搬送経路に沿って抄製装置8、脱水装置9、乾燥装置10、剥離装置11を順に配置している。ここで、乾燥装置10は、後側筐体17の内側下部に乾燥空気発生機21を配置しており、乾燥空気発生機21で発生した乾燥空気(所定温度及び所定湿度の温風)の熱によって各海苔簀に抄製された海苔生地を強制的に乾燥させて乾燥海苔とするようにしている。
この海苔製造装置3では、搬送機構18によって海苔簀を搬送経路に沿って連続して搬送していき、抄製装置8によって各海苔簀の上面に海苔原料を所定形状に抄製し、その後、脱水装置9によって海苔生地の脱水を行い、その後、乾燥装置10によって海苔生地を強制的に乾燥させて乾燥海苔とし、その後、剥離装置11によって各海苔簀から乾燥海苔を剥離して回収し、その後、各海苔簀を再び抄製装置8に搬送し、これにより、海苔原料から乾燥海苔を連続して製造するようにしている。回収された乾燥海苔は、後処理装置4へと搬送される。
このように、海苔製造装置3では、抄製装置8で抄製された海苔生地が順序良く連続して搬送機構18で乾燥装置10に搬送されて乾燥されることになるために、図3に示すように、海苔原料を抄製装置8に供給(供給開始)して抄製装置8で抄製を開始(抄製開始)した後の所定期間(乾燥装置10の初期運転時)においては、乾燥装置10の内部の搬送経路の上流側だけに海苔生地が存在している状態となっており、乾燥装置10の内部に存在する海苔生地の枚数(量)、すなわち、乾燥装置10で乾燥すべき海苔生地の枚数(量)が徐々に増加する。一方、抄製装置8で抄製を終了(抄製終了)した後の所定期間(乾燥装置10の終期運転時)においては、乾燥装置10の内部の搬送経路の下流側だけに海苔生地が存在している状態となっており、乾燥装置10の内部に存在する海苔生地の枚数(量)、すなわち、乾燥装置10で乾燥すべき海苔生地の枚数(量)が徐々に低下する。なお、抄製装置8で抄製を開始した後の所定期間(乾燥装置10の初期運転時)が経過した後から抄製装置8で抄製を終了した後の所定期間(乾燥装置10の終期運転時)までの間(乾燥装置10の通常運転時)においては、乾燥装置10の内部の搬送経路の全てに海苔生地が存在している状態(乾燥装置10の内部が乾燥すべき海苔生地で充填されている状態)となっており、乾燥装置10の内部に存在する海苔生地の枚数(量)、すなわち、乾燥装置10で乾燥すべき海苔生地の枚数(量)が一定(最大)となっている。
乾燥海苔製造システム1では、上記のように調合装置7で濃度を調整した海苔原料を抄製装置8で抄製して海苔生地を形成し、形成された海苔生地を乾燥装置10で乾燥して乾燥海苔を連続して製造する。
この乾燥海苔製造システム1には、調合装置7から抄製装置8に供給する海苔原料の濃度をオペレーターが設定する濃度設定手段と、乾燥装置10で乾燥された乾燥海苔の重量をオペレーターが設定する重量設定手段とが制御装置に接続されており、制御装置が濃度設定手段で設定された濃度となるように調合装置7を制御する濃度制御モードと、制御装置が重量設定手段で設定された重量となるように調合装置7を制御する重量制御モードとを有している。そして、乾燥海苔製造システム1は、運転開始直後には濃度制御モードで運転し、その後、重量制御モードに変更して運転するようにしている。
すなわち、乾燥海苔製造システム1は、乾燥装置10の乾燥開始時間から所定時間内(たとえば、初期運転時間:乾燥装置10での乾燥開始から乾燥装置10の内部が乾燥すべき海苔生地で満たされるまでの時間)において、濃度設定手段で設定された濃度となるように調合装置7を制御し(濃度制御モード)、抄製装置8で抄製される海苔原料の実際の濃度を濃度測定器12で計測し記憶するとともに、その海苔原料から形成された海苔生地が乾燥した乾燥海苔の実際の重量を重量測定器15で計測し記憶する。なお、この所定時間内において乾燥海苔製造システム1は、装置構成上のばらつきによって実際に抄製装置8に供給される海苔原料の濃度にばらつきが生じることもあり、また、オペレーターによって設定された海苔原藻の濃度に基づいて所定の範囲で自動的にばらつかせた濃度に調合装置7を制御してもよい。
そして、乾燥海苔製造システム1は、計測(記憶)された海苔原料の濃度とそれに対応する乾燥海苔の重量との関係(濃度・重量関係:たとえば近似式等)を求め、乾燥装置10の乾燥開始時間から所定時間経過後に、オペレーターによって設定された乾燥海苔の重量に対応する海苔原料の濃度を濃度・重量関係を用いて求め、その海苔原料の濃度になるように調合装置7を制御する(重量制御モード)ようにしている。
これにより、上記乾燥海苔製造システム1では、海苔生地の実際の乾燥状態に対応した海苔原料の濃度の調整を行うことができ、所望の重量(品質)を有する乾燥海苔を安定して製造することができる。
そして、乾燥装置10の乾燥開始時間から所定時間内に乾燥された乾燥海苔について濃度・重量関係を求めることにした場合や、特に、所定時間を乾燥装置10の内部が乾燥すべき海苔生地で満たされるまでの時間とした場合には、乾燥海苔製造システム1の稼働の初期段階で濃度・重量関係を求めることができ、その後の長時間にわたって所望の重量(品質)を有する乾燥海苔を安定して製造することができるようになる。
1 乾燥海苔製造システム 2 前処理装置
3 海苔製造装置 4 後処理装置
5 貯留装置 6 細断装置
7 調合装置 8 抄製装置
9 脱水装置 10 乾燥装置
11 剥離装置 12 濃度測定器
13 選別装置 14 結束装置
15 重量測定器 16 前側筐体
17 後側筐体 18 搬送機構
19 前側搬送機構 20 後側搬送機構
21 乾燥空気発生機

Claims (3)

  1. 調合装置で濃度を調整した海苔原料を抄製装置で抄製して海苔生地を形成し、形成された海苔生地を乾燥装置で乾燥して乾燥海苔を製造する乾燥海苔製造システムにおいて、
    抄製装置で抄製される海苔原料の濃度を計測するとともに、その海苔原料から形成された海苔生地が乾燥した乾燥海苔の重量を計測し、計測された海苔原料の濃度とそれに対応する乾燥海苔の重量との関係(濃度・重量関係)を求め、設定された乾燥海苔の重量に対応する海苔原料の濃度を濃度・重量関係を用いて求め、その海苔原料の濃度になるように調合装置を制御することを特徴とする乾燥海苔製造システム。
  2. 前記乾燥装置の乾燥開始時間から所定時間内に乾燥された乾燥海苔について前記濃度・重量関係を求めることを特徴とする請求項1に記載の乾燥海苔製造システム。
  3. 前記所定時間は前記乾燥装置の内部が乾燥すべき海苔生地で満たされるまでの時間であることを特徴とする請求項2に記載の乾燥海苔製造システム。
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