JP2019023618A - 横駆動変換器を備える圧電ジャイロスコープ - Google Patents

横駆動変換器を備える圧電ジャイロスコープ Download PDF

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Abstract

【課題】駆動力が十分で信号対雑音比が大きい圧電回転型ジャイロスコープを提供する。【解決手段】懸架構造体は、デバイス面外またはデバイス面内の振動運動を検出するように構成された圧電変換器構造体でコーティングされた懸架部731、732、733、734を備える。微小電気機械ジャイロスコープは、また、第1取付ポイント761で第1慣性マス711に、第2取付ポイント762で第2慣性マス712に取り付けられた同期ばね76を含む同期構造体も備える。同期ばね76は、懸架された慣性マス711、712のデバイス面外の振動運動を検出するように構成された圧電変換器構造体でコーティングされている。【選択図】図7

Description

本開示は、微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープに関し、特に、圧電駆動により1以上の慣性マスを回転運動させるか、または、圧電手段により1以上の慣性マスの回転運動を検出するMEMSジャイロスコープに関する。
MEMSジャイロスコープは、コリオリ効果を用いて角速度を測定する。振動型MEMSジャイロスコープでは、慣性マスを作動駆動力によって揺動運動させる。本開示では、この揺動を「駆動振動」と呼ぶ。駆動振動は、直線的でも回転的でもよいが、本開示では、回転的な場合にのみ着目する。図1は、z軸を軸として回転振動する慣性マス111の概略図である。駆動振動は、実線黒矢印で示されている。作動駆動力は、例えば、静電容量型、磁気型、または、圧電型の駆動変換器を用いて生成することができる。本開示では、作動力が圧電的に生成される場合にのみ着目する。
駆動振動する慣性マスを含むジャイロスコープが、副軸(主軸とは非平行)を軸とした角回転速度Ωを受けると、慣性マスは、コリオリ力とトルクを伴うコリオリ効果の影響を受ける。コリオリ力とトルクは、角回転速度ベクトル、慣性マス速度ベクトル、および、角速度ベクトルの大きさおよび方向によって決まる。直線駆動振動する慣性マスは、振動コリオリ力を受けるであろう。回転駆動振動する慣性マスは、振動コリオリトルクを受けるであろう。この力またはトルクは、主軸に垂直な副軸を軸として、慣性マスを振動させる。本開示では、副軸に沿った、または、副軸を軸とした振動を「センサ振動」と呼ぶ。
図1において、x軸を軸とした角回転速度Ωは、白色矢印で示されており、その結果生じるy軸を軸としたセンサ振動は、灰色矢印で示されている。角回転速度Ωを測定するために、容量型、圧電型、または、ピエゾ抵抗型の変換器を用いてセンサ振動を測定してもよい。その結果得られる電気信号をセンサ信号と呼んでもよい。本開示では、圧電変換器を用いてセンサ振動を測定する場合にのみ着目する。
回転振動する単一の圧電作動型慣性マスを備えるジャイロスコープは、外部回転振動から生じる乱れの影響を受けやすい。また、これらジャイロスコープは、慣性マスおよび懸架部から固定ベースへの機械結合により、音響損失を被る可能性もある。なぜなら、たとえ固定ベースであっても有限の質量があり、ある程度動くと考えられるからである。これらの課題は、2つの慣性マスを含むジャイロスコープを用いることにより、回避できるであろう。2つの慣性マスは、同期振動するように互いに機械結合されてもよい。
2つの慣性マスは、逆位相振動させることができる。本開示において、「同期逆位相振動」とは、振動サイクル中のある時点において、第1軸を軸として第1マスが時計回りに回転する場合に、第1軸と平行な第2軸を軸として第2マスが反時計回りに等角速度で回転する振動を意味する。第1マスが第1軸を軸とした時計回り回転から反時計回り回転に変化すると、第2マスは、第2軸を軸とした反時計回り回転から時計回り回転に変化する。逆位相振動では、2つの慣性マスによって固定ベースにかけられるトルクは等しいけれども向きが逆であり、たとえ、固定ベースに有限な質量があるか、または、固定ベースが完全に固定されたものではないとしても、回転振動が固定ベースに結合されないよう互いに打ち消し合うであろう。また、外部回転振動の各慣性マスへの影響は等しく、差動方式でセンサ変換器を読み取ることにより、センサ信号ではこの影響を打ち消すことができる。
図2aは、xy平面に垂直なz軸を軸として異なる2方向に振動する2つの慣性マス211および212を備えるジャイロスコープの概略図である。これらのマスが反対方向に回転する第2振動段階では、矢印が逆になる。xy平面は、慣性マスの初期停止位置を定義する。本開示では、xy平面をデバイス面と呼ぶ。本開示では、この面に垂直なz軸を軸とした振動を面内振動、または、デバイス面内振動と呼ぶ。図2bは、同一の慣性マス211および212が、デバイス面内にあるy軸を軸として異なる2方向に振動するジャイロスコープの概略図である。回転の程度は大幅に誇張されている。これらは、y軸を軸として振動するので、マス211および212は、デバイス面から逸脱して回転する。本開示では、この振動モードを面外振動、または、デバイス面外振動と呼ぶ。
図2aおよび図2bにおいて、2つの慣性マスは、横同期バネ26によって互いに結合されている。適切に構成された同期ばねにより、慣性マス211および212のうち一方のみを駆動変換器(図示せず)で駆動振動させることで、十分に、もう一方の慣性マスを振動数が同じで逆位相の駆動振動にすることができる。しかしながら、慣性マス211および212を、2つの別個の駆動変換器で駆動振動させることも可能である。両方の慣性マスで生じるであろうセンサ振動は、慣性マス211および212のいずれか一方に接続されたセンサ変換器を介して、または、それぞれがどちらかのマスに接続された2以上のセンサ変換器を介して読み取ることができる。
図2aおよび図2bに示すように、圧電駆動型MEMSジャイロスコープにおける慣性マスは、縦長形状でもよい。これらは、x方向に縦長で、その長さはy方向の横幅よりも長い。
用語「縦」および「横」は、本開示全体を通して、図示されたx方向およびy方向のことをそれぞれ指すために用いられる。ある物体の縦方向の測定値を「長さ」と称してもよいし、ある物体の横方向の測定値を「幅」と称してもよい。しかしながら、同期ばね26は、横方向(y方向)を向いているので、その横方向の測定値をその「長さ」と称し、その縦方向の測定値を「幅」と称してもよい。用語「鉛直」は、z方向のことを指すために用いられ、これに対応する測定値を「厚み」と称する。
圧電駆動またはセンサ型慣性マスを組み立てる方法の1つとして、慣性マスが懸架される1または複数のアンカーポイントを少なくとも一部取り囲むように慣性マスを成形する。すなわち、慣性マスの形状は、開フレーム状または閉フレーム状でもよく、懸架構造体を、中央に位置するアンカーポイントと慣性マスの内側端の固定ポイントとの間に設けてもよい。
国際公開第2011/136972号は、中央アンカーポイントから慣性マスを懸架する懸架部に圧電変換器が配置された圧電ジャイロスコープを開示している。
圧電駆動センサ型ジャイロスコープでは、ある技術課題に直面することが多い。1つは、振動を駆動する変換器は、作動力を十分に生成できるようにかなり大きくなければならず、振動を検知する変換器は、信号対雑音比が大きい信号を生成できるようにかなり大きくなければならないことである。また、駆動振動運動はセンサ振動運動と完全に直交しない可能性があり、駆動動作誤差成分がセンサ信号に入り込むかもしれない。駆動振動の振幅は、通常、センサ振動の振幅よりもかなり大きいため、これは深刻な問題になり得る。さらなる課題は、圧電変換器の曲げモードでは、変換器の全長にわたって均一な曲率を示さない可能性があり、駆動力とセンサ信号の両方が小さくなり得ることである。
静電駆動センサ型ジャイロスコープと比較し、たとえ、静電型ジャイロスコープが、高バイアス電圧が必要で、より大きな表面を消費し、かつ、外部振動にあまり反応しないために利点にもかかわらず高周波動作を非実用的にする、動作周波数に反比例する容量性出力信号を生成するとしても、これらの課題は圧電回転型ジャイロスコープの開発を妨げてきた。
本開示の目的は、上記課題を克服する装置を提供することである。
本開示の目的は、独立請求項に記載されたものによって特徴づけられた構成により実現される。本開示の好適な実施の形態は、従属請求項に開示される。
本開示は、2つの慣性マスをつなぎ合わせてそれらの逆位相振動運動を同期させる横同期ばね上に配置された圧電変換器によりジャイロスコープにおける慣性マスの面内振動を駆動するという概念に基づく。
本開示で述べる構成の利点は、センサ変換器でコーティングされた懸架部と機械的に平行な横同期ばねが、センサ振動モードに対して高い可撓性を有すると保証されることである。このモードでは、横同期ばねが、ねじり変形を受ける。センサモードの振動エネルギーはほとんど全て、センサ変換器でコーティングされた懸架部に残ったままであり、センサ信号が強化される。
本開示で述べる構成の他の利点は、もし製造時の不良により横同期ばねに駆動変換器のずれがあれば、駆動変換器は、センサ振動モードでもまだ振動を発生させないことである。線形のずれから生じる振動は、どの変換器でも検知されない方向である。したがって、この構成を有するジャイロスコープでは、ずれにより、センサ信号に非常に小さな直交成分がある。
本開示で述べる構成の他の利点は、懸架部を全て検知専用にすることができ、駆動変換部をデバイス内のすでに存在する構成要素に組み込むことができることである。したがって、さらなるデバイス面積を少しも消費しない。
以下、本開示について、好適な実施の形態により図面を参照しながら詳述する。
図1は、回転振動する慣性マスの図である。 図2aは、回転振動する2つの慣性マスを有するジャイロスコープの図である。 図2bは、回転振動する2つの慣性マスを有するジャイロスコープの図である。 図3は、面外変換器でコーティングされた懸架部の図である。 図4は、面内変換器でコーティングされた懸架部の図である。 図5は、フレーム形状の慣性マスと両側懸架部とを有するジャイロスコープの図である。 図6は、フレーム形状の慣性マスと片側懸架部とを有するジャイロスコープの図である。 図7は、実施の形態1に係るジャイロスコープの図である。 図8は、実施の形態2に係るジャイロスコープの図である。 図9は、実施の形態3に係るジャイロスコープの図である。 図10は、実施の形態4に係るジャイロスコープの図である。 図11は、実施の形態5に係るジャイロスコープの図である。 図12は、実施の形態6に係るジャイロスコープの図である。 図13は、実施の形態7に係るジャイロスコープの図である。 図14aは、面外振動における片側懸架部の曲げの図である。 図14bは、面外振動における両側懸架部の曲げの図である。 図15aは、たわみ部の図である。 図15bは、たわみ部の図である。 図15cは、たわみ部の図である。 図15dは、たわみ部の図である。 図16は、面外振動における両側懸架部の曲げの図である。 図17は、面外振動における片側懸架部の曲げの図である。
角回転を受けているジャイロスコープにおいて、各慣性マスの動きは、駆動振動とセンサ振動の組み合わせである。駆動振動が面内であれば、センサ振動は面外であり、逆の場合も同じである。
可動慣性マスに機械接続され、マスが動くと曲がるフレキシブル構造体は、原則、駆動圧電力を慣性マスに伝達するため、またその逆で、慣性マスの動きを圧電検知するためにも用いることができる。圧電変換器は、フレキシブル構造体を電極層および圧電層でコーティングすることにより、フレキシブル構造体の表面に形成することができ、電圧源または電流源に接続することで駆動動作させるか、またその逆に、電圧計または電流計に接続することでセンサ動作させることができる。同一の圧電変換器を、駆動変換器として用いることがあっても、センサ変換器として用いることがあってもよい。本開示では、前者の場合「駆動モード」で、後者の場合「センサモード」で変換器は動作すると言える。
実際には、圧電駆動変換器の面積は、十分強い駆動力を生成するために、ある下限値よりも大きくなければならない。しかしながら、コリオリ力によって引き起こされるセンサ振動の振幅は弱いため、サイズの検討は、ジャイロスコープセンサ変換器にとってよりいっそう重要なことである。センサ振動を検出するには比較的大きな変換器の面積が必要である。変換器の面積を増加させる方法の1つとして、大きいが可撓性を有する懸架部を用いて慣性マスを固定ベースから懸架し、かつ、これらの懸架部に圧電変換器を作成しておく。
本開示において、「固定」物とは、MEMSジャイロスコープ構造体よりかなり大きな質量を有する物体か、あるいは、より大きな構造体にしっかりと取り付けられ、少なくともMEMSジャイロスコープからの力ではこの構造体に対していずれの方向にもほぼ動けない物体のことを意味する。用語「アンカーポイント」は、懸架部などの一部可動物が固定物に取り付けられる固定物領域を指すために用いられる。懸架部の一端がアンカーポイントに取り付けられ、他端が可動慣性マスに取り付けられてもよい。
本開示で述べるシリコン製MEMSの場合、「懸架」物とは、シリコン梁のみを用いて固定ベースに取り付けられた物体のことを意味する。これらの梁のうち少なくともいくつかは可撓性を有するため、物体は回転振動を受けることができる。慣性マスのサイズに対して適切な大きさであれば、細長いシリコン梁に、慣性マスの動きによって曲がるまたはねじれるのに十分な可撓性をもたせることができる。このような可撓性を有する梁をばねと呼んでもよい。圧電型ジャイロスコープにおいて、ばねは、取り付けられた慣性マスの動きによって、および/または、ばね上部に配置された圧電変換器によって曲がるよう十分な可撓性を有するべきである。
本開示において、用語「懸架部」は、慣性マスを固定ベースに取り付ける梁に対する一般用語として用いられる。この用語は、可撓性を有する大きさの梁だけでなく、どの方向にも有意な可撓性を示さない大きさの梁もカバーする。つまり、懸架部は可撓性を有するものもあれば、可撓性を有さないものもある。上部に圧電変換器を有する懸架部はそれぞれ、可撓性を有する。弾性特性が異なるいくつかの懸架部、または、弾性特性が異なる懸架部セットは、互いに直列に取り付けられてもよい。したがって、一鎖またはツリー状の連結懸架部を形成する。用語「懸架構造体」は、アンカーポイントから慣性マスまでそのまま延在する単一懸架部、または、アンカーポイントから慣性マスまで延在する一鎖またはツリー状の構造体を共に形成する、複数の懸架部および任意の中間体を備えるシステムに対する一般用語として用いられる。
用語「ばね」は、懸架部を指してもよいが、懸架構造体の一部ではない可撓性を有するシリコン梁を指してもよい。具体的には、用語「ばね」は、振動をガイドする、2つの慣性マスをつなぎ合わせる同期構造体の一部を形成するシリコン梁を指してもよい。同期構造体は、アンカーポイントに接続されていても接続されていなくてもよい。
図3は、面外曲げ用に構成された曲げ圧電変換器の3つの断面図を示している。変換器は、圧電材料の層と、シリコン梁31上に堆積させた2つの電極層とを含む。変換器は、xy平面において、縦長形状である。変換器は、下部電極層34と、圧電材料層32と、上部電極層33とを含む。これらの層34、32、33は、共に圧電変換器を形成する。シリコン梁31は、電極に駆動電圧を印加すると、xy平面外に曲がる。それとは逆に、外力によって懸架部31がxy平面外に曲げられる場合は、電極層33および34からセンサ電圧信号を読み取ることができる。
図4は、面内曲げ用の曲げ圧電変換器の3つの断面図を示している。この変換器は、シリコン梁41と、一方が圧電材料層42の上側にあって一方が下側にある(この場合、上下はz軸方向を指す)第1電極層の組441および442とを含む。これらの電極は、図示するとおり、第2電極層431および432とそれぞれ組になる。層441、42、431は、共に第1圧電変換器を形成し、層442、42、432は、共に第2圧電変換器を形成する。
2つの変換器に極性が逆の駆動電圧を印加すると、平均y軸ひずみはゼロになり、変換器はxy平面外に曲がることはない。しかしながら、2つの変換器は、逆方向のひずみをxy平面において生成し、それによってシリコン梁41はxy平面内で曲がる。変換器をセンサ変換器として用いる場合、面内曲げは、2つの変換器間に電圧差を発生させるが、面外曲げは発生させない。
本開示では、図3および図4における図面規約を用いて、それぞれ面外曲げ用変換器および面内曲げ用変換器を説明する。つまり、懸架部上の単一矩形を用いて面外変換器を示し、懸架部上の色が逆の2つの平行な矩形を用いて面内変換器を示す。これら2つの平行な矩形は、上述したように、構造が事実上2つの変換器を備える分離構成であるにもかかわらず、単数で単一「面内変換器」と称する。
黒色および白色は、面外変換器の極性を示す。白色面外変換器と黒色面外変換器の両方が同じ図に描かれている場合、それぞれの上部電極と下部電極の間に極性が逆の電圧を印加すると、これらの変換器は慣性マスを正反対の面外方向に作動させる。逆に、これらの変換器を正反対の面外方向に曲げると、それぞれの上部電極および下部電極から逆電圧を読み取ることができる。面内変換器の場合、2つの平行な矩形の並びは極性を示し、(図から分かるように)上部が白色矩形の変換器の極性は、(同じ図から分かるように)上部が黒色矩形の変換器の極性と逆である。
窒化アルミニウム(AlN)層でもよい圧電層(32、42)の厚みは、通常、せいぜい数マイクロメータである。シリコン梁(31、41)の厚みは、例えば、50μmでもよい。
本開示で述べる圧電変換器をセンサモードで用いる場合、変換器の静電容量が、通常は数pFになる、増幅器入力静電容量と外部接続静電容量の総量に等しいとき、最も良い信号対雑音比を実現できる。変換器の静電容量は、その面積と圧電層の厚みとによって決まる。つまり、もし圧電層が厚さ0.8μmのAlN層であるならば、アスペクト比(2〜20、好ましくは、5〜10)および厚み(20〜50μm)が実用的な範囲の慣性マスを用いて一般的なMEMS共振周波数(20〜50kHz)で変換器の静電容量を2〜5pFの範囲にするために、xy平面における変換器のアスペクト比(つまり、x方向の長さをy方向の幅で割ったもの)は、10〜30の範囲、好ましくは、15〜25の範囲であるべきである。厚さ0.8μmのAlN層で5pFの静電容量を実現するのに必要なxy平面における変換器の面積は、およそ0.05mmである。この面積は、例えば、1000μm×50μmの寸法で取得してもよい。したがって、本開示で述べる圧電変換器、および、それらでコーティングされる懸架部は、アスペクト比が10〜30、好ましくは、15〜25の範囲の縦長形状である。
駆動変換器として用いられ、同期ばね上に配置された、本開示のこれら圧電変換器は、最低印加電圧で必要駆動力またはトルクを生成できるよう十分な大きさであるべきである。実現可能な面積の制限値は、製造能力およびジャイロスコープにおけるその他構成要素の面積要件によってもたらされる。駆動変換器でコーティングされたばねは、センサ変換器でコーティングされた懸架部の面外回転用と実質的に同じばね定数を各慣性マスの面内回転用に有するべきである。
例えば、センサ変換器でコーティングされた懸架部が、幅50μm、厚さ30μm、長さ1000μmであって、最も狭い面内変換器が幅15μmであり、かつ、同期ばねの厚みがセンサ変換器を有する懸架部の厚みと等しければ、駆動変換器でコーティングされた同期ばねの長さは、150μmであるべきである。これは、下記図7に図示するように、直線構造の慣性マスの間の空間とぴったり合う。しかしながら、変換器は、たった0.23pFの低静電容量であるため、励振には比較的大きな電圧が必要になる。
より実用的な解決策は、変換器の幅をより大きく、例えば、30μmにすることである。そして、同期ばねの長さは、所望のばね定数を実現するために、1200μmであるべきである。この長さのばねは、図8に図示するように、蛇行形状に折り曲げると慣性マスの間の空間に適合できる。そうすると、変換器の静電容量は3.6pFであり、先の例で必要とされた電圧の25%で動作する。なぜなら、電圧は、変換器の静電容量または面積の平方根の逆数として大きさが増減するからである。
また、駆動変換器に最適な寸法は、センサ変換器でコーティングされた懸架部の厚みと幅にも依存する。上記の例における懸架部が、代わりに幅100μmだとすれば、駆動ばねの幅と長さの組み合わせは、幅15μm長さ75μmから幅38μm長さ1200μmまでである。例示された懸架部が、代わりに厚さ50μmだとすれば、同期ばねの寸法は、幅15μm長さ54μmから幅42μm長さ1200μmまでである。また、厚さ50μmで幅100μmだとすれば、同期ばねの寸法は、幅15μm長さ27μmから幅53μm長さ1200μmの範囲である。
慣性マスのサイズおよび寸法は、より自由に選択してもよい。なぜなら、本開示で示されるように、マスが大きければ、複数の懸架部をマスに取り付けることができるからである。本開示で図示される慣性マスも縦長形状であるが、それらのアスペクト比は、変換器および懸架部のアスペクト比より小さくてもよい。慣性マスは、アンカーポイントの両側に2つの縦方向端を有してもよい。これらの縦方向端は、縦方向の長さだけx方向に分離されている。また、慣性マスは、アンカーポイントの両側に、横幅だけy方向に分離された2つの横側面を有してもよい。しかしながら、いくつかの実施の形態において、慣性マスは非対称でもよいので、アンカーポイントの片側に1つの横側面を有するだけで、もう一方の側は開口部となる。
図5は、中央に懸架された2フレーム形状の慣性マス511および512を有するジャイロスコープを示している。各慣性マス511、512は、固定アンカーポイント521、522が位置する中央開口部を有する。この場合、各慣性マス511、512は、アンカーポイント521、522から懸架部の組531+532、533+534によって懸架されている。各懸架部531〜534の一端は、第1取付ポイント541〜544でアンカーポイント521、522に取り付けられ、他端は、第2取付ポイント551〜554で慣性マス511、512に取り付けられる。懸架部531〜534は、面内および/または面外振動を生成できる圧電変換器で少なくとも部分的にコーティングされてもよい。電気接触は、例えば、アンカーポイント521および522を介して、または、この目的に特化した別個のゆるいばねを介して、これらの変換器に引き込まれてもよい。懸架部531〜534の幅および長さによって、比較的大きな変換器を懸架部の表面に製造することができる。同期ばね56は、2つの慣性マス511および512を互いに結合する。同期ばね56の第1端は、第1取付ポイント561で慣性マス511に取り付けられ、同期ばね56の第2端は、第2取付ポイント562で慣性マス512に取り付けられる。図6も、中央に懸架された2フレーム形状の慣性マス611および612を有するジャイロスコープを示している。このジャイロスコープでは、各慣性マス611、612は、1つのより長い懸架部631、632だけから懸架されている。同期ばね66は、2つの慣性マス611および612を互いに結合する。
図5および図6に図示されたジャイロスコープでは、いずれの懸架部(531〜534および631〜632)も、慣性マスを第1運動(面内回転でも面外回転でもよい)させること専用、または、ジャイロスコープが角回転を受けた場合に生じる第2運動(第1運動が面内回転であれば面外回転、また、第1運動が面外回転であれば面内回転)を検知すること専用にすることができる。各懸架部は、意図した運動をさせるか、意図した運動を検出するのに適した圧電変換器を懸架部に作成しておくことによって、その機能目的に特化させることができる。
一方の慣性マスの形状がもう一方の慣性マスの形状と異なるジャイロスコープ、または、一方の慣性マスをアンカーポイントから懸架する懸架構造体の形状がもう一方の慣性マスをアンカーポイントから懸架する懸架構造体の形状と異なるジャイロスコープを作成することができる。しかしながら、これらの形状が異なる場合、慣性マスが同じ共振周波数を確実に得ることはかなり複雑な実用上の課題である。
ジャイロスコープの両側で対称なマスおよび懸架部の形状により、共振振動を等しくすることが非常に容易になる。したがって、通常、圧電型ジャイロスコープにおける懸架部は全て並列に配列される。つまり、理論上は、懸架部531および532を図5の縦x方向に向けたまま、懸架部533および534を横y方向に向けることも可能であるが、これは、実用上、実行可能な選択肢ではない。なぜなら、2つのマス511および512の共振モードは、配列が変わると同じではなくなるからである。
全ての懸架部が同じ方向に配列されている場合、それらは、駆動変換器が作動すると同じ駆動振動を受け、また、ジャイロスコープが角回転を受けると同じセンサ振動を受ける。面外駆動変換器でコーティングされた懸架部は、例えば、面内センサ変換器でコーティングされた同じシステム内の他の懸架部と同じ面内振動を受ける。
懸架部が、厚みと幅が一定値のまま全長にわたって等しい正四角柱形状の場合にのみ、駆動振動によって懸架部に生じる変形は、センサ振動によって同じ懸架部に生じる変形と完全に直交する。しかしながら、完全なる正四角柱は、製作公差があるため実現するのが難しい。懸架部は、側壁が上面および底面に対して厳密には直交でないわずかに傾いた外形となることが多い。このような懸架部の駆動振動モードおよびセンサ振動モードは、この場合、完全には直交しない。他の潜在的な誤差原因は、センサ変換器は、その懸架部の中心軸と完全に一致しなくてもよいということにある。それにより、駆動振動にもわずかに反応する。
面内駆動変換器でコーティングされた懸架部は、例えば、完全な正四角柱形状でなければ、慣性マスを、意図した面内振動にするだけでなく、同時に、面外振動させる可能性がある。この面外振動の振幅は、面内振動と比べて小さいと考えられるが、一定の小さな面外成分はシリアスになり得る。なぜなら、駆動振動振幅は、通常、例えば自動車の場合で0.1度/秒から300度/秒までの範囲と考えられる実際の角回転速度において、連成センサ振動振幅よりも数桁大きいからである。ジャイロスコープの振幅比は、2×Ω/ωであり、ここで、Ωは回転速度、ωは共振の角振動数である。このように、センサ振動振幅範囲は、駆動振動振幅の2×10−8〜6×10−5倍である。実際には、ずれは10−4以下にすることが望ましい。なぜなら、残りのずれは電気的手段で補償することができるからである。比率10−4は、エッチングされた懸架部における垂直角度の傾き、および、懸架部における変換器のずれのため、製造制御によって実現するのは不可能でないにしろ非常に難しい。
つまり、完全な直交性からのずれにより、駆動振動から検出センサ信号への直接結合が生成され、これは、センサ振動による非常に小さな結合信号を完全にマスクしてしまうと考えられる。直接結合駆動振動から生じるセンサ信号成分は、駆動振動と同位相であるが、角回転から生じるセンサ信号は、駆動振動に対して90度の位相シフトを示す。直接結合駆動振動から生じるセンサ信号成分は、直交成分と呼ばれる。位相感知検出により、角回転によって生じる真のセンサ信号は、(複数の)センサ変換器で測定された信号からフィルタリングすることができる。しかしながら、直接結合駆動振動によるセンサ信号成分がかなり大きければ、増幅器のオーバーロードを引き起こし、位相感知検出における位相誤差により全体信号から同位相信号を分離することが不完全になるかもしれない。したがって、直接結合信号はできるだけ小さくすることが望ましい。
センサ変換器および駆動変換器が、図5〜図6に図示された構成で懸架部531〜534および631〜632上に配置される場合、駆動振動がセンサ信号へ結合するのを避けることは難しい。例えば、駆動振動が面内振動である場合、面外振動で曲がらないために、駆動変換器でコーティングされた懸架部は、横方向に非常に薄くて縦方向に短いものでなくてはならない。しかしながら、非常に小さな面積で面内変換器を製造することは難しく、高インピーダンスレベルの小さな変換器では、変換器で発生できる駆動力の大きさが制限される。
しかしながら、同期ばね56および66を、それらが取り付けられた慣性マスの面内運動駆動用に特化させることができれば、これらの課題を回避することができる。図5および図6に示すように、同期ばね56および66は横方向を向いている。同期ばねの大きさが十分に大きければ、2つのマスを駆動するのに十分な表面積を有する圧電変換器を同期ばね上に作成することができて、同期ばねが曲がることにより、2つの慣性マスを逆位相面内駆動振動させることができる。
慣性マスにおけるコリオリ力により引き起こされる逆位相面外センサ振動によって、同期ばね56および66にはらせん状のねじりが生じる。これらのばねのうちねじりモードばねは、面外ばね531〜534および631〜632とそれぞれ平行である。56または66のねじりモードばね定数は、懸架部531〜534または631〜632の面外ばね総定数と比べて小さくなるように容易に設計できる。これにより、ねじり同期ばね56および66は、慣性マスの面外振動に基本的には影響しないこと、また、面外振動エネルギーのほんの一部しか同期ばね56または66に含まれないことが保証される。
従来のジャイロスコープでは、同期ばね56または66の面内曲げモードばね定数を、懸架部531〜534または631〜632の面内ばね定数と比べて小さくするので、同期ばねは慣性マスの面内振動に影響を及ぼさない。
本開示は、デバイス面を定義し、1以上の第1アンカーポイントと、1以上の第2アンカーポイントとを含む基板と、第1慣性マスと、第2慣性マスとを備える微小電気機械ジャイロスコープについて述べている。前記第1慣性マスは、前記デバイス面内および前記デバイス面外の両方において前記第1慣性マスが回転振動できるように構成された第1懸架構造体によって前記1以上の第1アンカーポイントから懸架される。前記第2慣性マスは、前記デバイス面内および前記デバイス面外の両方において前記第2慣性マスが回転振動できるように構成された第2懸架構造体によって前記1以上の第2アンカーポイントから懸架される。
前記第1懸架構造体および前記第2懸架構造体のうち少なくとも一方の懸架構造体は、当該懸架構造体が取り付けられた前記慣性マスによって前記デバイス面外の振動運動を検出するように構成された圧電変換器構造体でコーティングされた1以上の懸架部を含む。
また、当該ジャイロスコープは、第1取付ポイントで前記第1慣性マスに、第2取付ポイントで前記第2慣性マスに取り付けられる同期ばねを含む同期構造体も備える。前記同期ばねは、前記デバイス面内において前記第1慣性マスおよび前記第2慣性マスを逆位相駆動振動させるように構成された圧電変換器構造体でコーティングされている。
本開示で定義したような懸架構造体は、アンカーポイントと慣性マスの間に位置するシリコン体である。懸架構造体は、常にシリコン単体であるが、懸架構造体の様々な領域は、長さ、幅、および/または、厚さについて互いに異なるように形成することができる。
(実施の形態1)
図7は、実施の形態1に係るジャイロスコープを示している。ジャイロスコープは、第1アンカーポイント721と第2アンカーポイント722とを備える。第1慣性マス711は、第1アンカーポイント721から反対縦方向に延在する2つの懸架部731および732を含む第1懸架構造体により、第1アンカーポイント721から懸架されている。第2慣性マス712は、第2アンカーポイント722から反対縦方向に延在する2つの懸架部733および734を含む第2懸架構造体により、第2アンカーポイント722から懸架されている。各懸架構造体における2つの正反対懸架部は、異なる極性の面外変換部で覆われており、慣性マスによってデバイス面外の振動運動を検出するように構成されている。
また、ジャイロスコープは、コーティングされた同期ばねが、ジャイロスコープの横対称軸と一致した直線ばね76である同期構造体を備える。ばね76は、第1取付ポイント761で第1慣性マス711に取り付けられ、第2取付ポイント762で第2慣性マス712に取り付けられる。これらの取付ポイントは、各慣性マスの端に位置する。あるいは、図7に図示されるように、取付ポイント761および762は、慣性マス711および712に形成された小さなくぼみ771および772に位置してもよい。第1取付ポイント761は、第1慣性マス711の第1くぼみ771に置かれてもよく、第2取付ポイント762は、第2慣性マス712の第2くぼみ772に置かれてもよい。同期ばね76は、一部が第1くぼみ771内に、一部が第2くぼみ772内に置かれてもよい。つまり、同期ばね76の一端は第1くぼみ771内、他端は第2くぼみ772内にあり、同期ばねの真ん中部分は、第1慣性マス711と第2慣性マス712の間の開口領域にある。くぼみ771および772は、この開口領域の幅を大きくすることなく、より長い同期ばね76を使いやすくする。したがって、ジャイロスコープの面積を増加させることなく、より大きな駆動力を慣性マスに与えることができる。
図7のジャイロスコープは、横対称軸aと、縦対称軸aとを有する。同期ばね76は、横対称軸上に置かれてもよい。
交流駆動電圧が、同期ばね76上の圧電変換器構造体に印加される場合、ばねが横断縦方向に沿って曲がると、慣性マス711および712は逆位相振動する。図7に示される静止位置において横対称軸aと縦対称軸aとの交点に置かれる同期ばね76の中点は、変換器によってばねが曲がると、横対称軸の左右へ交互に移動する。これにより、慣性マス711および712は、上記図2aに図示した逆位相モードでデバイス面内回転する。
第1懸架構造体および第2懸架構造体は、同期ばね76よりも、面内曲げに対してはるかに高い可撓性を有することが好ましい。この場合、面内振動に対するばねおよび懸架部のシステム全体の剛性は、基本的に、同期ばね76によって決まり、ばね76上の圧電変換器により発生したトルクは、懸架構造体からのばね力によって弱められることはない。したがって、同じ印加電圧で、より大きな駆動振動振幅に達することができる。これらの考察は、以下全ての実施の形態にも当てはまる。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係るジャイロスコープを示している。ジャイロスコープは、第1アンカーポイント821と第2アンカーポイント822とを備える。第1慣性マス811は、第1アンカーポイント821から縦方向に延在する1つの懸架部831を含む第1懸架構造体により、第1アンカーポイント821から懸架されている。第2慣性マス812は、第2アンカーポイント821から縦方向に延在する1つの懸架部832を含む第2懸架構造体により、第2アンカーポイント822から懸架されている。懸架部831および832は、異なる極性の面外変換部で覆われており、デバイス面外の振動運動を検出するように構成されている。
また、ジャイロスコープは、コーティングされた同期ばねが蛇行ばね86である同期構造体を備える。蛇行同期ばねは、第1取付ポイント861で第1慣性マス811に取り付けられ、第2取付ポイント862で第2慣性マス812に取り付けられる。これらの取付ポイントは、各慣性マスの端に位置する。あるいは、実施の形態1で述べたように、取付ポイント861および762は、くぼみ871および872に位置してもよい。上述したように、このより長い蛇行形状の同期ばねをコーティングしている駆動変換器は、図7に図示した直線同期ばね上の駆動変換器よりも低い作動電圧で作動させることができる。
図8のジャイロスコープは、横対称軸aと、縦対称軸aとを有する。横対称軸に対する蛇行同期ばねの最適位置は、ばねの寸法と蛇行間隔によって決まる。蛇行同期ばね86の動作原理は、曲げ動作がほんの少し複雑だが、実施の形態1で述べた直線同期ばね76の動作原理と同じである。ばね86により、慣性マス811および812は、上記図2aに図示した逆位相モードでデバイス面内回転する。
図5のような両側懸架構造体を有するジャイロスコープの実施の形態1における直線同期ばね76は、図7に図示された。図6のような片側懸架構造体を有するジャイロスコープにおける蛇行同期ばね86は、図8に図示された。しかしながら、実施の形態1および実施の形態2で示された同期ばね形状のうちどちらかをいずれかのタイプの懸架構造体と組み合わせることができ、これらの形状のうちどちらかを本開示で示される以下全ての実施の形態で用いることができる。不必要な重複を避けるため、以降の図では直線ばねのみを図示する。また、面内方向に所望の可撓性を、面外方向により高い可撓性を示すことができる別の同期ばね形状を用いることもできる。
(実施の形態3)
本開示で示される全ての実施の形態において、各懸架構造体は、全体として、その慣性マスがデバイス面内およびデバイス面外の両方で回転振動できるのに十分な可撓性を有する。懸架構造体は、十分な可撓性を確保することによって両方向に回転振動できるように構成される。しかしながら、ある方向(面内または面外)の可撓性は、懸架構造体の一部だけに位置してもよい。例えば、懸架構造体の第1部分は、面外曲げに対して可撓性を有してもよいが、同じ懸架構造体の第2部分は、面外曲げに対して可撓性がなくてもよい。この場合、懸架構造体において生じる面外変形は、第1部分だけに起こる。第2部分は、第1部分の剛体拡張部として面外運動に沿って動くが、何らかの面外曲げを起こすとは限らない。同じ状況は、面内曲げでもあり得る。そして、懸架構造体の第1部分および第2部分の役割は、第1部分は曲がらないが第2部分は曲がるように逆になってもよい。つまり、懸架構造体は、全ての部分において必ずしも均一な面内および面外可撓性を有する必要なく慣性マスが回転振動できるように構成することができる。懸架構造体のある部分に面内可撓性を作成しておき、他の部分に面外可撓性を作成しておくことができる。
先の実施の形態で示したように、慣性マスを駆動振動させる面内駆動変換器が同期構造体に配置される場合、懸架構造体をセンサ振動の測定専用に設計することができ、もはや懸架構造体のデザインは駆動変換器の要件によって制限されない。つまり、駆動変換器が同期構造体に配置される場合は、新たな懸架構造配列を用いることができる。そうは言うものの、これは、面内振動における懸架構造体の可撓性を無視できることを意味するわけではない。各懸架構造体は、慣性マスの面内振動に柔軟に合わせる部分をいくつか含んでおかなければならない。さもなければ、駆動振動は懸架構造体によって妨げられるであろう。
先の実施の形態では、面内可撓性は、面外振動を検出する変換部を含む懸架部によってもたらされた。側壁と上面および底面との間の厳密な直交性からの小さなずれがこれら懸架部にあるならば、または、変換部が懸架部の中心線からわずかにずれているならば、変換器は、面外振動による所望の信号に加えて、面内振動による不要な信号を生成すると考えられる。ジャイロスコープでは、この不要な信号を直交信号と呼ぶ。なぜなら、この信号は、コリオリ力によって生じる所望の信号に対して90度位相シフトしているからである。以下に示す実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、および、実施の形態6では、面内可撓性と面外センサとを懸架構造体の異なる部分に分けることができる連結懸架部について述べる。
本開示において、可撓性特性が互いに異なる懸架構造体の領域は、別個の懸架部を構成すると理解される。つまり、懸架構造体は、間に中間体を任意で有する直列または並列接続された複数の懸架部を備えてもよい。懸架構造体は、互いに接続された一連の懸架部だけ、または、アンカーポイントから慣性マスに向けて枝分かれする数連の懸架部を備えてもよい。
懸架構造体は、縦対称軸と縦対称軸に直交する第1方向の両方に直交する第2方向よりも第1方向に可撓性がかなり低い懸架部を有する第1懸架部セットを備えてもよい。この第1セットの懸架部は、第1方向よりも第2方向に可撓性がかなり低い第2懸架部セットの懸架部と連結させてもよい。つまり、第1懸架部セットと第2懸架部セットとは、互いに直交してジャイロスコープの縦対称軸に直交する方向に可撓性を示してもよい。
実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、および、実施の形態6では、先の実施の形態で述べた同期構造体のうちいずれかを利用する微小電気機械ジャイロスコープについて述べる。これらのジャイロスコープにおいて、少なくとも1つの懸架構造体は、第1懸架部セットの面内ばね定数が面外ばね定数より小さく構成されるように配列された1以上の第1懸架部を含む第1懸架部セットを備える。当該懸架構造体は、さらに、当該懸架構造体が取り付けられた慣性マスによってデバイス面外の振動運動を検出するように構成された圧電変換器構造体でコーティングされた1以上の第2懸架部を含む第2懸架部セットを備え、第2懸架部セットの面外ばね定数は面内ばね定数より小さく構成される。第1懸架部セットおよび第2懸架部セットは、前記少なくとも1つの懸架構造体内で連結される。
本開示において、用語「連結」は、以下の意味をもつ。まず第1懸架部のいずれかを横断してから(既に横断した第1懸架部を横切って戻る必要なく)第2懸架部のいずれかを横断することにより少なくとも1つのアンカーポイントから慣性マスまで懸架構造体を横断することが可能であれば、1以上の第1懸架部からなるセットは、1以上の第2懸架部からなるセットと連結されている。この順番は入れ替えてもよく、その場合、第2懸架部がアンカーポイントのより近くに配置されて、先に第2懸架部を横断し、続いて第1懸架部のいずれかを横断する。中間体は、第1懸架部と第2懸架部との間に位置して横断されてもよい。
つまり、各セットの懸架部ごとに、少なくとも1つのアンカーポイントから、その懸架部と他方のセットのいずれかの懸架部とを備える慣性マスまでの(1つの懸架部を往復しない)経路が存在するのであれば、懸架部の第1セットは懸架部の第2セットと連結されている。第1セットにも第2セットにも属さない中間体は、第1懸架部と第2懸架部の間を接続してもよい。中間体は、下記で詳述するように、特に、懸架構造体を複数の並列構造体に容易に分岐させることができる。
つまり、第1懸架部がアンカーポイントにより近い場合、懸架構造体は、第1端がアンカーポイントに接続された1以上の第1懸架部を備えてもよい。これら第1懸架部の第2端は、1以上の第2懸架部の第1端に接続されてもよい。これら第2懸架部の第2端は、慣性マスに接続されてもよい。あるいは、連結構造体は上述したとおりであるが、第1懸架部の第2端が中間体に接続され、第2懸架部の第1端が同じ中間体に接続されてもよい。中間体は、第2懸架部の数を第1懸架部の数よりも多くすることができる分岐構造でもよい。
図9は、参照符号911、912、921、922、96、961、962、971、および、972が、図7の711、712、721、722、76、761、762、771、および、772と同じ構成要素を示しているジャイロスコープの図である。同期ばね96は、実施の形態1で述べたように動作し、実施の形態2で述べた蛇行同期ばねで置き換えてもよい。
第1慣性マス911の懸架構造体について詳述する。第2慣性マス912の懸架構造体は、必ずしも第2慣性マス912の懸架構造体と同一である必要はないが、一般的に、本開示における全ての図で示されている対称配列が、両方の慣性マスが確実に同じ共振モードになる最も簡単な方法である。
図示されたジャイロスコープにおいて、第1懸架部セットは1つの第1懸架部9311を備え、第2懸架部セットは1つの第2懸架部9321を備える。第1懸架部セットおよび第2懸架部セットは、Uターン型中間体981を介して並列に連結されて、第1懸架部9311は、第1縦軸に沿ってアンカーポイントから中間体まで第1縦方向に延在し、第2懸架部9321は、第2縦軸に沿って中間体から慣性マスまで反対縦方向に延在する。
第1懸架部9311はとても薄いので、面内曲げに対して可撓性が高い。慣性マスが振動すると、面内曲げがまずこの懸架部に起きる。第2懸架部9321は、面外変換部でコーティングされている。第1懸架部9311の厚みは、第2懸架部の厚みと等しくてもよい。しかしながら、U字形中間体により、第1懸架部9311を第2懸架部9321より短くすることができる。図9のように、長さの差が大きければ、第1懸架部9311は、第2懸架部9321よりも面外曲げに対して剛性がかなり高くなるため、面外曲げは、まず第2懸架部9321に起きる。注意すべきは、第1懸架部9311を短くすると、面内可撓性も低くなることである。この懸架部の最適な長さは、所望の面内および面外可撓性次第であり、慣性マスの大きさと懸架構造体のその他の部分の可撓性特性とに依存する。
中間体981は、L字のような形状のUターン型中間体であり、それによって、懸架構造体を横断するパスは180度方向転換できる。中間体981を構成する部分は、図9に図示するように、アスペクト比が比較的小さい。これにより、面内曲げおよび面外曲げの両方に対して剛性が高くなる。第1懸架部9311の一端はアンカーポイント921に取り付けられて、他端はL字状中間体981に取り付けられる。第2懸架部9321の一端は中間体981に取り付けられて、他端は慣性マス911に取り付けられる。したがって、第1懸架部と第2懸架部は、2つの平行な縦軸に沿って反対縦方向に延在する。
懸架部の第1セットと第2セットの懸架部間で得られる可撓性特性の違いを定量化するために、各セットは直列および並列接続された懸架部を備えてもよい。本開示では、各懸架部セットはまとめて扱われるので、各懸架部セットは、1つの面内ばね定数と1つの面外ばね定数とによって特徴づけられる。任意の懸架部セットにおける各懸架部のばね定数と懸架構造体の形状が分かっている場合には、そのセットの組み合わせばね定数を算出することができる。
本開示において、用語「面内ばね定数」とは、(1)垂直軸を軸とした慣性マスの回転角度と(2)懸架構造体における任意の懸架部セットが慣性マスに作用する復元力との間の比例定数のことを指す。つまり、逆に、用語「面外ばね定数」とは、(1)横軸を軸とした慣性マスの回転角度と(2)懸架構造体における任意の懸架部セットが慣性マスに作用する復元力との間の比例定数のことを指す。
回転軸まわりを回転振動する慣性マスの共振周波数fは、
であり、ここで、kは、回転運動に対するばね定数、Lは、回転軸に対する慣性マスの慣性モーメントである。横対称軸(面外回転軸)に対する慣性マスの慣性モーメントは、垂直対称軸(面内回転軸)に対する慣性モーメントに等しい。面内共振周波数および面外共振周波数は同等かほぼ同等であることが好ましいので、面内振動に対する懸架構造体のばね定数は、面外振動に対する懸架構造体のばね定数と同等かほぼ同等であることが好ましい。
上述したように、懸架構造体が、懸架部の第2セットと(任意で中間体を介して)連結された懸架部の第1セットを備える場合、懸架構造体全体の面内ばね定数は、面内曲げにおいてはるかに高い可撓性を有するように構成された懸架部の第1セットによって決定されることが好ましい。逆に、懸架構造体全体の面外ばね定数は、面外曲げにおいてはるかに高い可撓性を有するように構成された懸架部の第2セットによって決定されることが好ましい。懸架部の第1セットの面外ばね定数(kOP1)を、懸架部の第2セットの面外ばね定数(kOP2)と懸架部の第1セットの面内ばね定数(kIP1)よりもかなり大きくするによってこの状況を得てもよい。逆に、懸架部の第2セットの面内ばね定数(kIP2)は、懸架部の第1セットの面内ばね定数(kIP1)と懸架部の第2セットの面外ばね定数(kOP2)よりもかなり大きくてもよい。
駆動振動は面内振動として、センサ振動は面外振動として実行されるとすると、センサ信号における直交成分の大幅な削減は、kIP2/kIP1=3〜10の範囲内にあるばね定数比率ですでに達成されていると考えられる。しかしながら、ばね定数比率kIP2/kIP1をできるだけさらに大きく10〜100の範囲にして、直交成分を最小限に抑えるほうが好ましいと考えられる。
下記に示す実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7にも適用される上記の例を継続すると、kOP1/kOP2=2〜10の場合にセンサ信号の著しい増加が達成されると考えられる。なぜなら、これで、懸架部の第1セットにおける結合エネルギーの損失を防ぐからである。ばね定数比率kOP1/kOP2をさらに増加させても、センサ信号はあまり改善されない。なぜなら、比率kOP1/kOP2=10ですでに十分、信号振幅は最大値の95%以内になっているからである。いくつかの場合では、比率kOP1/kOP2=1とすることは実現可能かもしれないが、大きいkIP2/kIP1−比率程度直交信号を削減するという利益をとるだけである。両比率が最大になるように満たさなければならない設計上の制約により、このよりシンプルな選択肢のほうが好ましい場合もあると考えられる。
梁形状懸架部の回転ばね定数は、ab/Lに比例する。ここで、aは、面内振動の場合は懸架部の幅で、面外振動の場合は懸架部の厚み、bは、面内振動の場合は懸架部の厚みで、面外振動の場合は懸架部の幅、Lは、懸架部の長さである。W/W=8およびL/L=64(WおよびWは第1懸架部および第2懸架部の幅、LおよびLはそれらの長さ)という設計例は、両方の比率kIP2/kIP1およびkOP1/kOP2が8に等しくなり、両方の要件を満たした、現実的な設計である。
(実施の形態4)
図10は、参照符号1011、1012、1021、1022、および、106が、図7の711、712、721、722、および、76と同じ構成要素を示しているジャイロスコープの図である。同期ばね106は、実施の形態1で述べたように動作し、実施の形態2で述べた蛇行同期ばねで置き換えてもよい。
実施の形態3と同様に、第1慣性マス1011の懸架構造体について詳述する。
図示されたジャイロスコープにおいて、第1懸架部セットは、1つの第1懸架部10311を備え、第2懸架部セットは、2つの第2懸架部10321および10322を備え、第1懸架部セットと第2懸架部セットとは、ダブルUターン型中間体1081を介して並列に連結されて、第1懸架部10311は、アンカーポイント1021から中間体1081まで第1縦軸に沿って第1縦方向に延在し、第2懸架部10321および10322の両方は、中間体1081から慣性マス1011まで第2縦軸および第3縦軸に沿って反対縦方向に延在している。
実施の形態3と同様に、第1懸架部10311はとても薄い。2つの第2懸架部10321および10322は、面外変換部でコーティングされている。第1懸架部10311の厚みは、第2懸架部10321および10322の厚みと等しくてもよい。T字形状の中間体により、第1懸架部10311は第2懸架部10321および10322より短くなる。図10のように、長さの差が大きければ、第1懸架部10311は、第2懸架部10321および10322よりも面外曲げに対して剛性がかなり高くなるため、面外曲げは、まず第2懸架部に起きる。実施の形態3と同様に、この懸架部の最適な長さは、所望の面内および面外可撓性次第であり、慣性マスの大きさと懸架構造体のその他の部分の可撓性特性とに依存する。直交信号の低減は、第2懸架部と第1懸架部の幅の比率によってだけでは決まらず、2つの第2懸架部の間隔と第1懸架部の幅の比率によっても決まる。これにより、面内ばね定数間の高比率の実現が非常に容易になる。慣性マス1011は、アンカーポイントに向けて(しかしながら、アンカーポイントまでではない)2つの第2懸架部10321および10322間で縦方向に延在する凸部1091を任意で備えてもよい。
中間体1081は、T字のような形状のダブルUターン型中間体であり、それによって、懸架構造体を横断するパスが2つの異なる方向に180度方向転換できる。実施の形態3と同様に、中間体1081を構成する部分はアスペクト比が比較的小さく、そのため、面内曲げおよび面外曲げの両方に対して剛性が高くなる。第1懸架部10311の一端はアンカーポイント1021に取り付けられて、他端はT字形状中間体1081のベースに取り付けられる。第2懸架部10321および10322は、一端をT字形状中間体1081の対向上端の一方に取り付け、他端を慣性マス1011に取り付ける。
(実施の形態5)
図11は、参照符号1111、1112、1181、1182、1191、1192、および、116が、図10の1011、1012、1081、1082、1091、1092、および、106と同じ構成要素を示しているジャイロスコープの図である。同期ばね116は、実施の形態1で述べたように動作し、実施の形態2で述べた蛇行同期ばねで置き換えてもよい。
実施の形態3および4と同様に、第1慣性マス1111の懸架構造体について詳述する。
図示されたジャイロスコープにおいて、第1懸架部セットは、2つの第1懸架部11311および11312を備え、第2懸架部セットは、1つの第2懸架部11321を備え、第1懸架部セットと第2懸架部セットとは、ダブルUターン型中間体1181を介して並列に連結される。2つの第1懸架部11311および11312は、2つの別個の第1アンカーポイント1121および1122から中間体1181まで第1縦軸および第2縦軸に沿って同一縦方向に延在する。第2懸架部11321は、第3縦軸に沿って中間体1181から慣性マス1111まで反対縦方向に延在する。第1縦軸および第2縦軸は、第3縦軸から等距離で第3縦軸の両側に位置する。
第2懸架部11321は、とても薄く、実施の形態3および実施の形態4における第1懸架部9311および10311と同じ機能を果たす。2つの第1懸架部11311および11312は、面外変換部でコーティングされている。第1懸架部11311および11312の厚みは、第2懸架部11321および11322の厚みと等しくてもよい。T字形状のダブルUターン型中間体1181により、第2懸架部11321は第1懸架部11311および11312より短くなる。図11において、第2懸架部11321の一端は、第1アンカーポイント1121および1122の間で慣性マス1111から突出している追加剛体懸架部1191に取り付けられ、第2懸架部11321の他端は、T字状中間体1181のベースに取り付けられる。中間体1181と同様に、追加剛体懸架部1191は、第1懸架部11311および11312よりも面外曲げに対してはるかに高い剛性を有するようx方向に十分短くすべきである。懸架構造体は、追加剛体懸架部1191を有することなく構成されてもよいが、この場合は、慣性マス1111までずっと延在するように第2懸架部11321はより長くなければならない。
中間体1181は、T字のような形状のダブルUターン型中間体であり、それによって、懸架構造体を横断するパスが2つの異なる方向に180度方向転換できる。実施の形態3および実施の形態4と同様に、中間体1181を構成する部分はアスペクト比が比較的小さく、そのため、面内曲げおよび面外曲げの両方に対して剛性が高くなる。第1懸架部11311および11312の一端は、第1アンカーポイント1121および1122にそれぞれ取り付けられ、各第1懸架部の他端はT字状中間体1181の対向上端の一方に取り付けられる。
(実施の形態6)
図12は、参照符号1211、1212、1291、1292、および、126が、図11の1111、1112、1191、1192、および、116と同じ構成要素を示しているジャイロスコープの図である。同期ばね116は、実施の形態1で述べたように動作し、実施の形態2で述べた蛇行同期ばねで置き換えてもよい。
先の実施の形態と同様に、第1慣性マス1211の懸架構造体について詳述する。
図示されたジャイロスコープにおいて、第1懸架部セットは2つの第1懸架部12311および12312を備え、第2懸架部セットは2つの第2懸架部12321および12322を備える。第1懸架部セットと第2懸架部セットとは、第1アンカーポイント1221を取り囲むフレーム状ベース12811を有するダブルUターン型中間体1281を介して並列に連結される。2つの第1懸架部12311および12312は、第1アンカーポイント1221から中間体1281のフレーム状ベース12811まで、第1縦軸に沿って反対縦方向に延在している。2つの第2懸架部12321および12322は、中間体1281から慣性マス1211まで、第2縦軸および第3縦軸に沿って延在している。第2縦軸および第3縦軸は、第1縦軸から等距離で第1縦軸の両側に位置する。
先の実施の形態と同様に、第1懸架部12311および12312は、とても薄く、実施の形態3および実施の形態4における第1懸架部9311および10311と同じ機能を果たす。2つの第2懸架部12321および12322は、面外変換部でコーティングされている。第1懸架部12311および12312の厚みは、第2懸架部12321および12322の厚みと等しくてもよい。T字形状のダブルUターン型中間体1281により、第1懸架部12311および12312は第2懸架部12321および12322より短くなる。
中間体1181は、第1アンカーポイント1221の周囲で第1懸架部12311および12312の両側配列を容易にするフレーム状ベース12811を有する、T字のような形状のダブルUターン型中間体である。この両側配列により、懸架構造体は、図9および図10に示された第1懸架部の片側配列よりもしっかりと第1アンカーポイント1221から構造的に支持される。いくつかの場合では、懸架構造体と慣性マスの重量が1つの懸架部ではなく2つの懸架部に分配されるので、第1懸架部12311および12312を片側配列よりも両側配列で薄く、かつ、長くすることができ、曲げモードによって面内および面外両方向の懸架部の剛性は高くなる。
先の実施の形態と同様に、中間体1281によって、懸架構造体を横断するパスは2つの異なる方向に180度方向転換でき、中間体は、面内曲げと面外曲げの両方に対して剛性が高い。第2懸架部12321および12322の一端はそれぞれ、T字状中間体1281の対向上端の一方に取り付けられ、第2懸架部12321および12322の他端はそれぞれ、慣性マス1211に取り付けられる。
(実施の形態7)
2つの慣性マスの間に同期バネを1つだけ備える先の実施の形態に示された同期構造体では、共通モード振動を抑制するには不十分かもしれない。この望ましくない振動モードでは、両方の慣性マスが同位相で振動する。たとえ駆動運動が逆位相振動であっても、時に共通モード振動が外部乱れによって引き起こされることがある。共通モード振動の発生を防ぐために、さらなる部分を同期構造体に追加してもよい。
図13は、参照符号1311、1312、1321、1322、13311、13312、13321、13322、および、136が、図10の1011、1012、1021、1022、10311、10312、10321、10322、および、106と同じ構成要素を示しているジャイロスコープの図である。つまり、同期構造体は、慣性マス1311および1312の間に同期ばね136を含む。図10の同期ばねと同様に、同期ばね126は、面内変換器でコーティングされており、この面内変換器は、図13において、先の実施の形態と同じ駆動機能を果たす。
しかしながら、同期ばね136の他に、同期構造体は、共通モード振動を抑制するばねシステムも備える。このばねシステムは、第1慣性マス1311と第2慣性マス1312の間にある第3アンカーポイント1323と、第3アンカーポイント1323から第1横バー1391まで延在している第1縦ばね1381と、第1横バー1391から第1慣性マス1311まで延在している第2縦ばね1382と、第1横バー1391から第2慣性マス1312まで延在している第3縦ばね1383とを備える。また、ばねシステムは、第1慣性マス1311と第2慣性マス1312との間にある第4アンカーポイント1324と、第4アンカーポイント1324から第2横バー1392まで延在している第4縦ばね1384と、第2横バー1392から第1慣性マス1311まで延在している第5縦ばね1385と、第2横バー1392から第2慣性マス1312まで延在している第6縦ばね1386とを備えてもよい。
ばねシステムは、慣性マスの一方の縦方向端にのみ、または、両端に別の同期構造体を備えてもよい。図13には、後者の場合を図示する。図13に示す同期構造体は、先の実施の形態のいずれにも実装することができる。
第2縦ばね1382は第3アンカーポイント1323と反対の慣性マス1311側に、第3縦ばね1383は第3アンカーポイント1323と反対の慣性マス1312側に、第5縦ばね1385は第4アンカーポイント1324と反対の慣性マス1311側に、第6縦ばね1386は第4アンカーポイント1324と反対の慣性マス1312側に取り付けられてもよい。これは、図13に図示されている。あるいは、第2縦ばね1382は慣性マスの縦対称線により近づけて慣性マス1311に、第3縦ばね1383は慣性マスの縦対称線により近づけて慣性マス1312に、第5縦ばね1385は慣性マスの縦対称線により近づけて慣性マス1311に、第6縦ばね1386は慣性マスの縦対称線により近づけて慣性マス1312に取り付けられてもよい。
図13に示すように、ばね1381〜1386および横バー1391〜1392は、一方向に薄い。アスペクト比が大きいほど、共通モードの抑制は効率的になる。また、高アスペクト比が好ましい。なぜなら、アスペクト比が大きいと、所望振動モードの総ばね定数に同期があまり影響しないからである。ばねと横バーのアスペクト比は、8〜12の範囲が好ましいと考えられるが、3.4のアスペクト比でも、10%以上ばね定数を変更することなく共通モード振動を大幅に抑制する。
縦ばね1381〜1386は、面内曲げおよびx軸まわりのねじりに対して可撓性を有してもよいが、面外曲げに対しては可撓性を有さない。横バー1391〜1392は、全ての曲げおよびねじりモードに対して可撓性を有さなくてもよいが、面内曲げに対してはいくらか可撓性が与えられてもよい。面内曲げに対する可撓性は、特に、ばね1382〜1383および1385〜1386の取付ポイントが各慣性マスの縦中心線上にない場合に必要と考えられる。また、横バーにおける可撓性は、面内ばね動作の線形性も改善すると考えられる。
(補完的な実施の形態)
慣性マスに接続された懸架部の曲げモードは、慣性マスの共振周波数と、懸架部の寸法および上部で変換器に印加される電圧と、懸架部が振動慣性マスにどのように取り付けられているかとによって決まる。共振振動では、どの懸架部の曲げモードも、懸架部上の変換器を駆動用に用いているかセンサ用に用いているかにかかわらず、同じである。慣性マスは、懸架部を、その共振振動に対応する曲げモードにする。
つまり、駆動変換器の機械的作動、および、共振慣性マスから生じる力は、必ず共に作用して、懸架部を共に曲げるけれども、慣性マスが共振振動すると、共振慣性マスから生じる力は作動駆動力よりはるかに大きくなる。曲げモードは、共振運動に順応しなければならない。
懸架部の曲げが、慣性マスの動きによって左右されると、懸架部の曲げモードは、懸架部の全長にわたって必ずしも均一な曲率を示さない。
面外振動の図6における懸架部631の場合について、図14aで説明する。慣性マス611が、y軸を軸とした面外回転を受けると、懸架部631は曲がる。第2取付ポイント651での可撓性を有さない取り付けにより、懸架部の外側端はガイド端として動く。これにより、懸架部631は、図14aに示すように、懸架部の表面応力の符号逆転、つまり、取付ポイント641と取付ポイント651の間の対応変換器の両側で電荷の符号逆転が生じるS形状となる。図14aにおける符号は、両側それぞれの懸架部にわたる表面応力の符号を表す。懸架部の上面が変換部でコーティングされている場合、符号は、変換部の両側それぞれにおける電荷の符号を表すこともできる。図示された曲げモードは、最適なものではない。なぜなら、各センサ電極において符号が逆の電荷が互いに打ち消し合うとセンサ電圧信号は低下し、信号対雑音比が低下するからである。図14bは、面外振動の図5における懸架部531の場合について、同じ課題を示している。どちらの配列でも、面内振動において同じ課題が発生する。
可撓性を有さない取り付け、および、S状曲げは、外力と懸架部の変位との関係を非線形にするため、曲げは、単一のばね定数では特徴付けられない。駆動変換器、および、共振で発生した高振幅振動の場合、振幅が大きくなると、非線形性により振動の共振周波数は低下する。また、非線形性により、エネルギー損失が増加して実効Q値は低下する。なぜなら、振動エネルギーの一部がより大きな調和振動数へ不可逆変換されるからである。また、S状曲げモードによってもばね定数値は大きくなり、より大きな慣性マスが必要になる場合もあると考えられる。
これらの課題を軽減するためには、できる限り純回転に近づけた回転モードで振動するように慣性マスを設定することが有益となり得る。純回転では、純曲げモーメントのみが慣性マスに取り付けられた懸架部にかかり、懸架部は均一な曲率で曲がる。
図7のように、1つのアンカーポイントまたは中間体から2つの懸架部が反対方向に延在する両側配列を含む懸架構造体では、懸架部を慣性マスに取り付ける取付ポイントにたわみ部を作成しておくことによって、これら懸架部の曲げモードを改善することができる。たわみ部781〜784は、図7に列挙されている。
ジャイロスコープの一例は、少なくとも1つのアンカーポイントを有する基板と、第1縦方向端および第2縦方向端を有する慣性マスとを備えてもよい。少なくとも1つのアンカーポイントから中間体のフレーム形状部分まで反対縦方向に延在する2つの第1懸架部を含む懸架構造体により、慣性マスは少なくとも1つのアンカーポイントから懸架されてもよい。各第1懸架部は、第1取付ポイントからそのアンカーポイントまで、および、第2取付ポイントから中間体のフレーム形状部分まで取り付けられてもよい。1以上の第1懸架部は、慣性マスにおける振動回転運動を駆動または検出するように構成された圧電変換器構造体でコーティングされてもよく、これらコーティングされた懸架部は、第2取付ポイントから中間体までたわみ部を用いて取り付けられてもよい。
用語「たわみ部」は、曲げまたはねじりによって、慣性マスと懸架部の間に作用する曲げモーメントを吸収できるよう十分な可撓性を有するエッチングシリコン構造体のことを指す。例えば、図7のたわみ部781〜784は、懸架部731〜734と慣性マス711および712の間の曲げモーメントをほぼゼロに削減すると考えられる。したがって、たわみ部は、表面応力の符号逆転、つまり、電荷の符号逆転を取り除くことにより、センサ変換器の両側間の電荷分布差を低減する。
z方向のたわみ部の高さは、Zと規定される。この高さは、慣性マスおよび懸架部の厚みと等しくてもよい。いくつかの実際の構成におけるこれらの高さは、約50μmである。
ここで、Yは、y方向のたわみ部の長さを示す。図15aは、たわみ部の3つの例を示している。たわみ部1561は、慣性マス1511における中央開口部の幅に架かっている。たわみ部1562は、慣性マス1512における中央開口部の幅の半分に架かっている。たわみ部1563は、長さYが、慣性マス1513における中央開口部の幅の半分以上である蛇行形状である。取付ポイント付近における慣性マスの中央開口部の幅は、例えば、慣性マス1511、1512、1513の幅の30〜70%でもよい。Xは、可撓性ばねのx方向の幅である。図15aに示されたたわみ部はいずれも、本開示における実施の形態で用いることができる。
たわみ部の厚みZにより、xy面外並進運動に対するたわみ部の剛性が高くなる。幅Xが狭いことにより、たわみ部は、慣性マスの面内曲げが懸架部に伝達される場合には、xy平面において曲がり、慣性マスの面外曲げが懸架部に伝達される場合には、y軸を軸としてらせん状にねじれる。
つまり、たわみ部は、マス面外並進運動に対しては剛性が高いが、マス面内曲げに対しては可撓性を有し、たわみ部の縦方向と平行な軸を軸としたらせん状のねじれに対しても可撓性を有する。
/Xアスペクト比およびY/Xアスペクト比によって、どの程度までたわみ部が取付ポイントで曲げモーメントを吸収できるのか決定される。アスペクト比が大きいと曲げやすく、かつ、ねじれやすくなるが、Xは、製造し易いように、また、曲げやねじれの際に生じる機械的ひずみにたわみ部が耐えられるように十分大きいままでなければならない。したがって、アスペクト比には、最適な下限値および上限値がある。
図15aにおける蛇行たわみ部1563の場合、関連アスペクト比を、Z/XおよびΣY/Xと算出してもよい。ただし、ΣY=Y51+Y52+Y53…は、y方向における蛇行たわみ部の全要素の長さの合計である。
/Xアスペクト比を高さ/幅アスペクト比と呼んでもよい。また、Y/Xアスペクト比およびΣY/Xアスペクト比を長さ/幅アスペクト比と呼んでもよい。
高さ/幅アスペクト比および長さ/幅アスペクト比が2に等しい場合、第2取付ポイントにおける曲げモーメントの一部吸収が実現されると考えられる。高さ/幅アスペクト比および長さ/幅アスペクト比が4より大きい場合、曲げモーメントのほぼ完全な吸収が実現されると考えられる。高さ/幅アスペクト比は、製造可能性または応力耐久性を落とすことなく、最大10まで大きくすることができる。長さ/幅アスペクト比にはこのような製造制限値または強度制限値はないが、総ばね係数に影響を与えないように、たわみ部の長さは懸架部の長さよりもかなり小さくなければならない。10より大きな高さ/幅アスペクト比は、第2取付ポイントにおいて曲げモーメントを全て吸収するが、製造可能性は劣り、応力耐久性も弱くなって、歩留まり損失および耐衝撃性の低下の原因となるかもしれない。
たわみ部における曲げ運動およびねじり運動の仕組みは、たわみ部の寸法、および、第2取付ポイントの寸法次第である。これは、図15aにおけるたわみ部1561が描かれた図15b〜15dに概略的に示されている。この場合、たわみ部1561は、z方向に慣性マスと同じ厚さなので、たわみ部1561は慣性マス1511に1581から1582までおよび1571から1572まで取り付けられる。159は、懸架部1531の端における任意の薄いシリコンブリッジである。また、薄いブリッジを用いずに、懸架部1531を幅全体にわたってたわみ部に取り付けることもできる。
図15cは、xy平面で見た、慣性マスが面内回転を受けた場合のたわみ部1561の曲げを概略的に示している。第2取付ポイントの幅は、明瞭性をよくするために拡大されており、同じ理由で、図15cで示された回転角も、慣性マスがMEMS共振器で通常取得する角度よりかなり大きい。たわみ部1561は、動く慣性マスにポイント1571〜1572および1581〜1582で取り付けられたままであるが、曲げモーメントが慣性マスから第2取付ポイント1551〜1552へ懸架部1531に向かって伝わらないように途中で曲がっている。
図15dは、図15bと同じ角度から見た、慣性マスがy軸を軸とした時計回りの面外回転を受けた場合のたわみ部1561の曲げを概略的に示している。たわみ部1561は、y軸を軸としたらせん状のねじりとなるので、上端と下端はx軸上で異なる方向に動く。たわみ部1561の両端において、たわみ部の上側コーナー1571、1581は、下側コーナー1572、1582と一直線のままである。図15dで示された回転角は、慣性マスがMEMS共振器で通常取得する回転角より大きい。たわみ部1561は、曲げモーメントが慣性マスから懸架部1531へ伝わらないように途中で曲がっている。懸架部1531は、図15aにおける面内変換器を用いて示されているが、回転モードを意図したものの場合には、懸架部1531は面外変換器でコーティングされるであろう。
たわみ部におけるらせん状のねじれの技術的効果は、図16に示される。明瞭性の理由により、たわみ部1661、1662は黒点でのみ示され、たわみ部と懸架部の両方がz方向に慣性マス161と同程度の厚さがあるとしても、懸架部1631、1632は比較的薄く描かれている。たわみ部1661、1662におけるらせん状のねじれにより、懸架部1631および1632は、懸架部の全長にわたって同じ方向に湾曲している形状となる。
その結果、懸架部の表面応力、つまり、変換器の両側それぞれの蓄積電荷は、懸架部の全長にわたって同じ符号となる。これにより、慣性マスをより効率的に駆動させることができ、逆に、単純化された変換器形状を用いてより強いセンサ信号をセンサモードで検出することができる。変換器は、長さの大部分で懸架部の曲げモードと強く結合しており、懸架部振動は、変位が大きくても線形である。線形性は、機械的損失または振動周波数の変化を増加させることなく、慣性マスの振動振幅の増加を促進する。
つまり、たわみ部により得られる利点は、懸架部の長さに沿った符号逆転を示さない変換器電荷分布、ばね定数が小さい懸架部曲げモード、そして、それらによる任意の共振周波数での共振器の小型化および圧電変換器の高容量化などである。ジャイロスコープにおけるこれらの有益性により、小さな運動抵抗、高結合係数、振動の信頼できる高速スタートアップ、および、センサ電圧信号の高信号対雑音比が容易になる。また、たわみ部は、懸架部の縦方向(図16のx方向)に可撓性を有するため、懸架部における応力解放も容易にする。それにより、共振部の線形性は大幅に改善される。
慣性マス161がz軸を軸とした面内回転になる場合、同じ表面応力、電荷分布、応力解放、および、線形性の考察が図16の共振器および懸架部に適用される。
図16で図示されるように、変換部の電荷密度は、示された曲げモードにおいて第2取付ポイント1651付近より第1取付ポイント1641近くの方が高くてもよい。つまり、懸架部1631は、第2取付ポイント1651近くより第1取付ポイント1641近くの方が大きい曲率で曲がってもよい。このため、例えば、第1取付ポイントにより近い端から懸架部の長さの50〜70%をカバーするように懸架部1631上の変換器を短くすることは有益だと考えられる。つまり、コーティングされた少なくとも1つの懸架部上の圧電変換器構造体は、第1取付ポイントから、第1取付ポイントからの距離が懸架部の長さの50〜70%に相当するポイントまで懸架部に沿って延在してもよい。
慣性マスと架構造体の組み合わせ有効重心が、(面外振動の場合)慣性マスの回転軸か、(面外振動の場合)慣性マスの回転軸と交差する横線のどちらかと一致する、または、少なくともほぼ一致すれば、さらなる有益性を得ることができる。
懸架構造体においてコーティングされた懸架部の横幅と鉛直高さが一定で、かつ、懸架構造体形状によりコーティングされた懸架部を横対称軸aに対してほぼ対称に配置できるのであれば、コーティングされた懸架部のどちらか一方の端から、慣性マスの有効重心を通る横線までの縦方向間隔は、例えば、コーティングされた懸架部の長さの0.4〜0.6倍または0.49〜0.51倍でもよい。慣性マスの回転軸が重心と一致する場合、このような懸架部は、全長にわたって一定の曲げモーメントを受ける。図8〜図13における面外変換器でコーティングされた懸架部は全て、この種の懸架部である。しかしながら、この最適化は、図7に示したコーティングされた懸架部には適用できない。用語「有効重心」とは、慣性マスおよび懸架構造体は共に動くという事実のことを指し、懸架構造体の重さは、慣性マスの重さに比べて無視できるものではないと考えられる。しかしながら、懸架構造体の一端は、アンカーポイントに固定されているので、懸架構造体の一部だけが可動質量成分を振動運動に与える。回転軸まわりのバランス回転には、懸架構造体と慣性マスの組み合わせ有効重心が回転軸上、または、少なくとも回転軸近くにあることが必要である。有効重心は、物理モデルで算出されなければならない。
まず、用語「有効」は、懸架構造体によって全可動質量に与えられる追加質量は、曲げ程度に応じて変動するという事実のことを指す。図17は、図6における懸架部631の面外曲げを示している。懸架部631の動きにより共振器に加えられる可動重量は、懸架部が慣性マスに取り付けられる第2取付ポイント651に位置する有効質量としてモデル化されてもよい。この計算補正は、部分的に動く懸架部の運動エネルギーと、慣性マスの可撓性による追加運動エネルギーとにより可動になる追加質量を考慮している。
また、次に、用語「有効」は、慣性マスは、縦方向に完全に曲がらないというわけではないという事実のことも指し、曲げ程度によって決まる追加重量成分を算出して、特に、面外振動においてこの可撓性を考慮する必要があると考えられる。例えば、図17に示した慣性マスでは、慣性マスの第2縦方向端692に近い(そして、懸架部が慣性マスに取り付けられる第2取付ポイント651から遠い)慣性マスの一部611は、慣性マスが振動すると、慣性マスの縦対称線からわずかに離れて曲がってもよい。この曲げによって共振器に加えられる可動重量は、第2縦方向端692に位置する有効質量としてモデル化されてもよい。
コーティングされた懸架部631上の第2取付ポイントで慣性マス611によって与えられる並進力がゼロか、ほとんどゼロの場合、曲げモードは、ほぼ純回転として特徴付けることができる。慣性マス611は、共振振動しながら、第2取付ポイント651で曲げモーメントのみを懸架部631に与える。この運動により、懸架部631は放物線状に曲げられる。なぜなら、懸架部631の局所曲率半径は、局所曲げモーメントに比例し、懸架部が第1取付ポイント641では固定されて第2取付ポイント651では曲げモーメントによってのみ回転させられる場合、局所曲げモーメントは、懸架部631の長さにわたって一定だからである。そして、強いセンサ信号を懸架部631上のセンサ変換器から読み取ることができる。なぜなら、図17に示すように、電荷蓄積は全長にわたって均一だからである。
同じ効果は、図9〜図13に示した連結懸架部などのより複雑な懸架構造体における有効重心の位置に影響を及ぼす。慣性マスと懸架構造体の組み合わせ有効重心が、慣性マスの回転軸上(面外回転)か、または、回転軸に交差する横線上(面内回転)にあれば、慣性マスは、懸架構造体が慣性マスに取り付けられる取付ポイントで純曲げモーメントを懸架構造体に与える。この純曲げモーメント負荷は、与えられた曲げモーメントに対して可撓性を有する懸架部に懸架構造体内で伝達される。この曲げモードにおいて曲がらない懸架部および中間体は、曲げモーメントに影響を及ぼさないであろう。
有効重心(ECOG)が回転軸(RA)からずれることによって、共振器は外部の乱れに一層反応しやすくなる。慣性マスの回転軸は、面外曲げにおいて、横方向、つまり、y軸と平行である。縦方向間隔(以下、ECOG−RA間隔と称する)は、この場合、有効重心を通る横線から回転軸(RA)までで測定できる。共振器が面内振動する場合、慣性マスの回転軸は、z軸と平行である。この場合、ECOG−RA間隔は、共振器の有効重心(ECOG)を通る横線から、慣性マスの回転軸(RA)を通る横線までで測定できる。
ECOG−RA間隔がゼロではなく、面外共振器が外部直線振動にさらされているならば、慣性マスはその回転軸を軸としたトルクを受けるであろう。差動モードで別の共振器に結合されたジャイロスコープに共振器を用いるならば、トルクは、両方の慣性マスを同じ方向にそれぞれの回転軸を軸として回転させ、2つの変換器内の直線振動衝撃によって生じる出力信号の乱れは、互いに打ち消し合うであろう。しかしながら、信号が大きすぎると、入力増幅器の共通モード性能をオーバーロードするかもしれない。例えば、製作公差による、変換器のどんな非対称性によっても、ジャイロスコープの出力信号として増幅された差分信号が生じる。一方、ECOG−RA間隔がゼロではなく、同じジャイロスコープが縦軸を軸とした外部回転振動にさらされるならば、トルクは2つの慣性マスを反対方向に回転させ、出力信号の乱れを互いに足し合う。この場合、コリオリ力により、乱れを出力信号から分離することはできない。
妨害トルクを引き起こすECOG−RA間隔は最小化することが好ましいが、製作公差による制約により、必ずしもちょうどゼロにできるとは限らない。さらに、上述したように、面外振動の有効重心は、面内振動の有効重心と完全には一致しない可能性があるので、ECOG−RA間隔は、面内振動と面外振動を同時に受けるように構成された慣性マスの両方の回転モードに対してゼロにすることはできないと考えられる。

Claims (12)

  1. デバイス面を定義し、1以上の第1アンカーポイントと、1以上の第2アンカーポイントとを含む基板と、
    第1慣性マスと、第2慣性マスとを備える微小電気機械ジャイロスコープであって、前記第1慣性マスは、前記デバイス面内および前記デバイス面外の両方において前記第1慣性マスが回転振動できるように構成された第1懸架構造体によって前記1以上の第1アンカーポイントから懸架され、前記第2慣性マスは、前記デバイス面内および前記デバイス面外の両方において前記第2慣性マスが回転振動できるように構成された第2懸架構造体によって前記1以上の第2アンカーポイントから懸架され、
    前記第1懸架構造体および前記第2懸架構造体のうち少なくとも一方の懸架構造体は、懸架された前記慣性マスの前記デバイス面外の振動運動を検出するように構成された圧電変換器構造体でコーティングされた1以上の懸架部を含み、
    第1取付ポイントで前記第1慣性マスに、第2取付ポイントで前記第2慣性マスに取り付けられた同期ばねを含む同期構造体をさらに備える微小電気機械ジャイロスコープであって、
    前記同期ばねは、前記デバイス面内において前記第1慣性マスおよび前記第2慣性マスを逆位相駆動振動させるように構成された圧電変換器構造体でコーティングされている
    微小電気機械ジャイロスコープ。
  2. コーティングされた前記同期ばねは、前記ジャイロスコープの横対称軸と一致した直線ばねである
    請求項1に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  3. コーティングされた前記同期ばねは、蛇行ばねである
    請求項1に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  4. 前記第1懸架構造体および前記第2懸架構造体は、前記同期ばねよりも、面内曲げに対してはるかに高い可撓性を有する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  5. 前記第1取付ポイントは、前記第1慣性マスの第1くぼみに置かれ、前記第2取付ポイントは、前記第2慣性マスの第2くぼみに置かれ、前記同期ばねは、一部が前記第1くぼみ内に、一部が前記第2くぼみ内に置かれる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  6. 前記第1懸架構造体および前記第2懸架構造体のうち少なくとも一方の懸架構造体は、
    第1懸架部セットの面内ばね定数が当該第1懸架部セットの面外ばね定数より小さく構成されるように配列された1以上の第1懸架部を含む第1懸架部セットと、
    前記懸架構造体が取り付けられた前記慣性マスによって前記デバイス面外の振動運動を検出するように構成された圧電変換器構造体でコーティングされた1以上の第2懸架部を含む第2懸架部セットとを備え、前記第2懸架部セットの面外ばね定数は、前記第2懸架部セットの面内ばね定数より小さく構成され、
    前記第1懸架部セットおよび前記第2懸架部セットは、前記少なくとも一方の懸架構造体内で連結される
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  7. 前記第2懸架部セットの面内ばね定数を前記第1懸架部セットの面内ばね定数で割った比率は、3〜10の範囲内である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  8. 前記第1懸架部セットは、1つの第1懸架部を含み、前記第2懸架部セットは、1つの第2懸架部を含み、前記第1懸架部セットと前記第2懸架部セットとは、Uターン型中間体を介して並列に連結されて、前記第1懸架部は、前記アンカーポイントから前記中間体まで第1縦軸に沿って第1縦方向に延在し、前記第2懸架部は、前記中間体から前記慣性マスまで第2縦軸に沿って反対縦方向に延在する
    請求項6〜7のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  9. 前記第1懸架部セットは、1つの第1懸架部を含み、前記第2懸架部セットは、2つの第2懸架部を含み、前記第1懸架部セットと前記第2懸架部セットとは、ダブルUターン型中間体を介して並列に連結されて、前記第1懸架部は、前記アンカーポイントから前記中間体まで第1縦軸に沿って第1縦方向に延在し、前記2つの第2懸架部は、前記中間体から前記慣性マスまで第2縦軸および第3縦軸に沿って反対縦方向に延在する
    請求項6〜7のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  10. 前記第1懸架部セットは、2つの第1懸架部を含み、前記第2懸架部セットは、1つの第2懸架部を含み、前記第1懸架部セットと前記第2懸架部セットとは、ダブルUターン型中間体を介して並列に連結されて、前記2つの第1懸架部は、2つの別個の第1アンカーポイントから前記中間体まで第1縦軸および第2縦軸に沿って同一縦方向に延在し、前記第2懸架部は、前記中間体から前記慣性マスまで第3縦軸に沿って反対縦方向に延在し、前記第1縦軸および前記第2縦軸は、前記第3縦軸から等距離で前記第3縦軸の両側に位置する
    請求項6〜7のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  11. 前記第1懸架部セットは、2つの第1懸架部を含み、前記第2懸架部セットは、2つの第2懸架部を含み、前記第1懸架部セットと前記第2懸架部セットとは、第1アンカーポイントを取り囲むフレーム状ベースを有するダブルUターン型中間体を介して並列に連結されて、前記2つの第1懸架部は、前記第1アンカーポイントから前記中間体の前記フレーム状ベースまで第1縦軸に沿って反対縦方向に延在し、前記2つの第2懸架部は、前記中間体から前記慣性マスまで第2縦軸および第3縦軸に沿って延在し、前記第2縦軸および前記第3縦軸は、前記第1縦軸から等距離で前記第1縦軸の両側に位置する
    請求項6〜7のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  12. 前記同期構造体は、前記第1慣性マスと前記第2慣性マスの間にある第3アンカーポイントと、前記第3アンカーポイントから第1横バーまで延在している第1縦ばねと、前記第1横バーから前記第1慣性マスまで延在している第2縦ばねと、前記第1横バーから前記第2慣性マスまで延在している第3縦ばねとを含むばねシステムをさらに備える
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
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