JP2019023504A - 無段変速機用ベルト - Google Patents

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山崎 正典
Masanori Yamazaki
正典 山崎
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Abstract

【課題】無段変速機用ベルトにおいて、エレメントをより脱落しにくくする。
【解決手段】無段変速機用ベルトは、リング2と複数のエレメント3A,3Bとを備えている。各エレメント3A,3Bは、リング2の径方向に向かって開口する開口部34と、開口部34の両縁部のうちの片側から開口部34へ向けて突設されたフック部33A,33Bとを有する。また、無段変速機用ベルトは、フック部33A,33Bがリング2に係止された状態でリング2の周方向に配列された複数のエレメント3A,3Bからなり、フック部33A,33Bが異なる突出方向となるように配置された少なくとも二つのエレメント3A,3Bを含むエレメント集合体30を複数備えている。夫々のエレメント集合体30は、隣合うエレメント3A,3B同士が互いに接合されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、リングに複数のエレメントが取り付けられて構成される無段変速機用ベルトに関するものである。
一般に、ベルト式無段変速機用のベルトは、リングと、このリングの周方向に配列された複数のエレメントとを備えて構成される。このような無段変速機用ベルトでは、エレメント間の隙間(エンドプレー)が過度に増加しないように構成されている。
エレメントには、リングに係止されるフック部が形成される。各エレメントは、このフック部がリングに係止された状態でリングに組み付けられる。
各エレメントの幅方向の両側にフック部が形成される場合、各エレメントが二つのフック部でリングに係止されることから、エレメントがリングから脱落しにくくなる。
一方、このような二つのフック部を持つエレメントをリングに組み付ける場合、二つのフック部の間にリングを進入させることになるため、組付作業が難しくなる。
そこで、各エレメントの幅方向の片側のみにフック部を形成することでエレメントの組付性を確保しつつ、隣合うエレメントのフック部の突出方向を交互に異ならせることでエレメントの脱落を抑制するようにした構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2015/177372号
ところで、例えば車両に搭載された無段変速機では、急ブレーキ等の車両の急減速によりベルトへの入力トルクが急激に増大すると、リングが瞬間的に伸びることからエレメント間のエンドプレーが広がる場合がある。
エンドプレーが広がった場合、個々のエレメントが独立して動くことから、特許文献1に記載されているように幅方向の片側のみにフック部を持つエレメントは、リングから脱落しやすくなる。
本発明は、上述のような課題に鑑み創案されたものであり、エレメントをより脱落しにくくすることができるようにした無段変速機用ベルトを提供することを目的の一つとする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の無段変速機用ベルトは、リングと、前記リングの径方向に向かって開口する開口部および前記開口部の両縁部のうちの片側から前記開口部へ向けて突設されたフック部を有する複数のエレメントと、を備えた無段変速機用ベルトであって、前記フック部が前記リングに係止された状態で前記リングの周方向に配列された複数の前記エレメントからなり、前記フック部が異なる突出方向となるように配置された少なくとも二つの前記エレメントを含むエレメント集合体を複数備え、夫々の前記エレメント集合体は、隣合う前記エレメント同士が互いに接合されていることを特徴としている。
なお、「隣合う前記エレメント同士が互いに接合されている」状態とは、隣合うエレメント同士が力学的な力や化学的な力によって繋がっている状態である。ここでいう「接合」には、接着,溶接,圧着,圧入等によるものが含まれる。
(2)前記エレメント集合体で隣合う前記エレメントは、互いに対向する対向面の一方に突設された第1凸部と他方に凹設された第1凹部とを有することが好ましい。この場合、前記エレメント集合体は、隣合う前記エレメント同士が前記第1凸部を前記第1凹部に圧入された状態で接合されていることが好ましい。
(3)隣合う前記エレメント集合体は、互いに対向する対向面の一方に突設された第2凸部と他方に凹設された第2凹部とを有し、前記第2凸部の径が前記第2凹部の径よりも小さいことが好ましい。
(4)前記エレメント集合体は、隣合う前記エレメントにおいて互いに対向する対向面同士が接着されていることが好ましい。
(5)このような無段変速機用ベルトの製造方法としては、前記フック部を前記リングに係止させて夫々の前記エレメントを前記リングに組み付ける組付ステップと、前記組付ステップで組み付けられた前記エレメントのうち、前記リングの周方向に配列された少なくとも二つの前記エレメントを含むエレメント集合体を形成する集合ステップと、を備え、前記組付ステップでは、前記エレメント集合体に含まれる前記エレメントの前記フック部が異なる突出方向となるように複数の前記エレメントを配置し、前記集合ステップでは、前記エレメント集合体において隣合う前記エレメント同士を互いに接合するという構成をとることができる。
(6)この場合、前記集合ステップでは、前記エレメント集合体において隣合う前記エレメント同士を圧入により互いに接合することが好ましい。
本発明の無段変速機用ベルトによれば、エレメント集合体において隣合うエレメント同士が互いに接合されるため、エレメントをより脱落しにくくすることができる。
本発明の一実施形態に係る無段変速機用ベルトが適用されたバリエータの概略図である。 (a),(b)は、図1の無段変速機用ベルトに適用された二種類のエレメントをそれぞれ示す図である(各図とも、左側が正面図であり、右側が側面図である)。 図1の無段変速機用ベルトに適用されたエレメント集合体の斜視図である。 図1の無段変速機用ベルトの製造方法を説明するための図であり、(a)〜(d)が組付ステップを示し、(e)及び(f)が集合ステップを示している。 (a)は、変形例に係るエレメント集合体の側面図であり、(b)はその斜視図である。
以下、図面を参照して実施形態としての無段変速機用ベルトについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
以下の説明では、「無段変速機用ベルト」を「ベルト」と略称する。
[1.構成]
本実施形態に係るベルト1は、図1に示すバリエータ10に適用されている。このバリエータ10は、例えば車両に搭載された無段変速機内に設けられており、エンジンの動力伝達経路に介装されている。
バリエータ10は、ベルト1のほかに、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12を備えて構成される。プライマリプーリ11は、駆動側のプーリであり、トルクコンバータを介してエンジンの出力軸に連結される。一方、セカンダリプーリ12は、従動側のプーリであり、減速機構や差動機構等を介して駆動輪に連結される。
本実施形態のベルト1は、プライマリプーリ11の回転力をセカンダリプーリ12に伝達する機能を持つ。ベルト1は、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ12とに巻き掛けられている。
プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の夫々は、互いに対向する固定シーブと可動シーブとを有する。各プーリ11,12の固定シーブと可動シーブとの間には、ベルト1が配置されるV字状の溝が形成される。
バリエータ10は、各プーリ11,12の可動シーブを固定シーブに対して移動させることで、プライマリプーリ11に対するベルト1の巻掛半径R1と、セカンダリプーリ12に対するベルト1の巻掛半径R2とを共に変化させる。これにより、変速比が変更される。
ベルト1は、環状のリング2と、リング2に取り付けられた複数のエレメント3とを有する。なお、図1では、個々のエレメント3を見やすくするために、エレメント3を他の部材に対して大きく示している。
リング2は、例えばいわゆる積層リングであって、金属で無端状に形成された複数の帯体を重ね合わせて構成されている。リング2は、ベルト1の巻掛半径R1,R2に応じて湾曲しうるように、適度な柔軟性を持つ。
エレメント3は、例えば金属で形成された薄い板片である。エレメント3は、リング2の周方向に配列される。
以下、エレメント3に関する説明では、エレメント3がリング2に組み付けられた状態でリング2の周方向と一致する方向を「厚さ方向」とし、リング2の径方向と一致する方向を「高さ方向」とする。
また、「高さ方向」のうち、リング2の径方向の外方向と一致する方向を「上方向」とし、これの逆方向を「下方向」とする。さらに、厚さ方向及び高さ方向の何れとも直交する方向を「幅方向」とする。なお、エレメント3の幅方向は、リング2の幅方向と同一である。
図2(a),(b)に示すように、本実施形態のエレメント3は、互いに形状が異なる第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとの二種類がある。
これらの第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとは、後述するフック部33A,33Bの突出方向が互いに異なる(逆である)点と、凹部36A,36Bの各径d1,d2が異なる点とを除いて同様に構成されている。
まず、第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとに共通の構成について説明する。
各エレメント3は、高さ方向及び幅方向に広がる略台形状の本体部31と、本体部31から上方に向けて柱状に延出された一対の柱部32,32と、柱部32の夫々に形成された凸部(第1凸部,第2凸部)35とを有する。
本体部31の側面(幅方向の端面)は、ベルト1がプーリ11,12に巻き掛けられた状態で各プーリ11,12のシーブ面に接するフランク面31aとして機能する。また、本体部31の頂面(上方を向く面)は、エレメント3がリング2に組み付けられた状態でリング2を内周側から支持するサドル面31bとして機能する。
また、本実施形態の本体部31は、リング2の中心側に向かって先細り形状となるように、厚さ方向の寸法が下方にいくほど次第に縮小されている。
一対の柱部32,32は、幅方向に互いに離隔して設けられる。これらの柱部32,32の間の距離は、リング2の幅寸法よりも僅かに長くされる。
柱部32,32の間には、上方に向かって開口する開口部(凹所)34が形成される。すなわち、エレメント3は、リング2に組み付けられた状態でリング2の径方向の外方に向かって開口する開口部34を有する。
開口部34は、エレメント3をリング2に組み付けるための部位である。開口部34の両縁部は、柱部32,32によって形成される。
なお、本実施形態のエレメント3がリング2に組み付けられた状態で、本体部31はリング2の内周側に位置し、一対の柱部32,32はリング2の幅方向の両側に位置する。
凸部35は、隣合うエレメント3同士を係合させるための部位である。凸部35は、エレメント3の厚さ方向に突設されている。
以下、エレメント3について、凸部35が突設された面を「正面」とし、正面と逆側の面を「背面」とする。本実施形態の凸部35は、エレメント3の正面視で(突出方向から見て)円形状である。
次に、第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとで異なる構成について説明する。
図2(a)に示すように、第1エレメント3Aは、正面視で左側に位置する柱部32から開口部34へ向けて幅方向に突設された第1フック部(フック部)33Aを有する。すなわち、第1フック部33Aは、第1エレメント3Aの正面視で開口部34内の左側に設けられている。
一方、図2(b)に示すように、第2エレメント3Bは、正面視で右側に位置する柱部32から開口部34へ向けて幅方向に突設された第2フック部(フック部)33Bを有する。すなわち、第2フック部33Bは、第2エレメント3Bの正面視で開口部34内の右側に設けられている。
これらのフック部33A,33Bは、エレメント3A,3Bをリング2に係止するための部位である。言い換えると、エレメント3A,3Bは、フック部33A,33Bがリング2に係止された状態でリング2に組み付けられる。
なお、本実施形態のエレメント3A,3Bがリング2に組み付けられた状態で、それぞれのフック部33A,33Bはリング2の外周側に位置する。
また、図2(a)に示すように、本実施形態の第1エレメント3Aは、厚さ方向に見たときに凸部35と重なる位置に形成された第1凹部36Aを有する。第1凹部36Aは、第1エレメント3Aの各柱部32の背面に凹設されている。第1凹部36Aは、第1エレメント3Aの背面視で円形状である。
第1凹部36Aの内径d1は、凸部35の外径Dよりも若干小さくされている。言い換えると、第1凹部36Aは、凸部35が圧入されうる大きさとされている。
本実施形態の第1エレメント3Aは、幅方向の両側を左右とすると、第1フック部33Aを除いて左右対称な形状である。つまり、第1エレメント3Aの左右の凸部35及び第1凹部36Aの各位置は、左右の柱部32において等しくされている。
また、図2(b)に示すように、本実施形態の第2エレメント3Bは、厚さ方向に見たときに凸部35と重なる位置に形成された第2凹部36Bを有する。第2凹部36Bは、第2エレメント3Bの各柱部32の背面に凹設されている。第2凹部36Bは、第2エレメント3Bの背面視で円形状である。
第2凹部36Bの内径d2は、凸部35の外径Dよりも僅かに大きくされている。言い換えると、第2凹部36Bは、凸部35が小さな遊びを持った状態で嵌り込むような大きさとされている。
本実施形態の第2エレメント3Bは、幅方向の両側を左右とすると、第2フック部33Bを除いて左右対称な形状である。つまり、第2エレメント3Bの左右の凸部35及び第2凹部36Bの各位置は、左右の柱部32において等しくされている。
なお、ここでいう凸部35の外径Dとは、凸部35が正面視でなす円形の直径である。また、ここでいう第1凹部36Aの内径d1と第2凹部36Bの内径d2とは、第1凹部36A及び第2凹部36Bが背面視でなす円形の直径である。
本実施形態では、第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとがリング2の周方向に沿って交互に配置される。つまり、第1フック部33Aと第2フック部33Bとは、リング2の周方向に沿って交互に配置される。
このようにエレメント3A,3Bが交互に配置された状態で、隣合う二つのエレメント3A,3Bにおいて互いに対向する対向面は、第1エレメント3Aの正面及び第2エレメント3Bの背面であるか、第1エレメント3Aの背面及び第2エレメント3Bの正面である。
図3に示すように、本実施形態では、第1エレメント3Aと、この第1エレメント3Aの背面側に隣接して配置された第2エレメント3Bとが接合されている。以下、この一体化された一つの第1エレメント3Aと一つの第2エレメント3Bとの集合体をエレメント集合体30という。エレメント集合体30は、第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとが相対的に揺動不可能となるように互いに結合されたものである。
本実施形態のエレメント集合体30を構成する第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとは、第2エレメント3Bの凸部(第1凸部)35が第1凹部36Aに圧入された状態で接合されている。
エレメント集合体30は、互いに突出方向が異なる第1フック部33Aと第2フック部33Bとを有している。エレメント集合体30は、このように開口部34内の両側に突設された二つのフック部33A,33Bにより、リング2をその幅方向の両側から係止する。
ベルト1は、リング2の周方向に配列された複数のエレメント集合体30を備えている。本実施形態では、各エレメント集合体30が二つのエレメント3A,3Bで構成されていることから、ベルト1には、エレメント3の総数の半分のエレメント集合体30が設けられている。
エレメント集合体30は、リング2の周方向の全長にわたって設けられる。隣合うエレメント集合体30の間の隙間(エンドプレー)は、過度に増加しないように構成されている。
本実施形態では、隣合う二つのエレメント集合体30において互いに対向する対向面が、第1エレメント3Aの正面及び第2エレメント3Bの背面である。つまり、隣合うエレメント集合体30同士は、第1エレメント3Aの凸部(第2凸部)35が第2凹部36に遊びを持った状態で嵌り込むことにより、厚さ方向の揺動がある程度許容されたうえで互いに係合した状態に保持されている。
[2.製造方法]
図4(a)〜(f)を参照して、上述したベルト1の製造方法について説明する。
ベルト1は、リング2にエレメント3A,3Bの夫々が組み付けられる工程(組付ステップ)と、隣合うエレメント3A,3B同士が互いに接合されることでエレメント集合体30が形成される工程(集合ステップ)とを経て製造される。本実施形態では、組付ステップの後に集合ステップが実施される場合について説明する。
なお、ここではリング2に一つの第2エレメント3Bを組み付けた後に一つの第1エレメント3Aを組み付ける場合を示すが、各エレメント3A,3Bの組み付け順序は特に限定されない。
例えば、上述した順序とは逆に、リング2に一つの第1エレメント3Aを組み付けた後に一つの第2エレメント3Bを組み付けてもよい。あるいは、リング2に複数の第2エレメント3Bを組み付けた後にこれらの第2エレメント3Bの相互間に第1エレメント3Aを挟み入れるようにして第1エレメント3Aを組み付けてもよい。
図4(a)に示すように、本実施形態では、まず第2エレメント3Bがリング2に組み付けられる。具体的には、第2フック部33Bがリング2の外周側から内周側に向かって斜めに突出した向きとなるように第2エレメント3Bがリング2に対して傾けられた状態で、リング2が第2エレメント3Bの開口部34に進入するように両者が近づけられる。そして、第2フック部33Bがリング2に係止されて、第2エレメント3Bがリング2に組み付けられる。
図4(b)に示すように、第2エレメント3Bがリング2に組み付けられた状態では、第2フック部33Bがリング2に係止されていることから、リング2からの第2エレメント3Bの脱落が抑制される。
次いで、リング2に組み付けられた第2エレメント3Bの正面側〔図4(c)では手前側〕に、第1エレメント3Aが組み付けられる。つまり、ここでは、隣合うエレメント3A,3Bのフック部33A,33Bがリング2の幅方向に関して互いに異なる(逆向きの)突出方向となるように、二つのエレメント3A,3Bがリング2の周方向に配置される。
図4(c),(d)に示すように、リング2に対する第1エレメント3Aの組み付け手順は、上述した第2エレメント3Bの組み付け手順と同様である。すなわち、第1フック部33Aがリング2の外側から内側に向かって斜めに突出した向きとなるように第1エレメント3Aがリング2に対して傾けられた状態で、リング2が第1エレメント3Aの開口部34に進入するように両者が近づけられる。そして、第1フック部33Aがリング2に係止されて、第1エレメント3Aがリング2に組み付けられる。
図4(d)に示すように、第1エレメント3Aがリング2に組み付けられた状態では、第1フック部33Aがリング2に係止されていることから、リング2からの第1エレメント3Aの脱落が抑制される。
図4(e)に示すように、リング2に組み付けられた第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとは、リング2の周方向に配列される。これらの第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとは、第1エレメント3Aの背面と第2エレメント3Bの正面とが互いに対向するように近づけられる。
そして、第2エレメント3Bの凸部35が第1凹部36Aに圧入されることにより、隣合う第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとが接合される。これによって、図4(f)に示すように、一つのエレメント集合体30が形成される。
その後、上述した手順が繰り返されることで、複数のエレメント集合体30が形成されてリング2の周方向に配列される。そして、リング2の周方向の全長にわたってエレメント集合体30が配置されたら、ベルト1が完成する。
[3.作用,効果]
(1)上述したベルト1は、リング2の周方向に配列された複数のエレメント3からなるエレメント集合体30を複数備えている。各エレメント集合体30は、フック部33A,33Bが異なる突出方向となるように配置された二つのエレメント3A,3Bを含み、隣合うエレメント3A,3B同士が互いに接合されている。このため、ベルト1によれば、エレメント集合体30に含まれる個々のエレメント3A,3Bをリング2から脱落しにくくすることができる。
つまり、エレメント集合体30は、突出方向が互いに異なる二つのフック部33A,33Bによりリング2に係止されることから、第1フック部33Aのみ又は第2フック部33Bのみでリング2に係止される場合よりも、リング2から脱落しにくい。
さらに、エレメント集合体30では、隣合うエレメント3A,3B同士が互いに接合されていることから、第1フック部33A及び第2フック部33Bの相対位置が固定されている。このため、これらのフック部33A,33Bにより個々のエレメント3A,3Bをより確実にリング2に係止しておくことができる。
したがって、たとえベルト1に対する入力トルクが急激に増大したとしても、エレメント集合体30において隣合うエレメント3A,3B間のエンドプレーが広がることや個々のエレメント3A,3Bが独立して動くことを防止することができる。このため、エレメント3A,3Bがリング2から脱落することを抑制することができる。
また、各エレメント3A,3Bは開口部34の両縁部のうちの片側から突設されたフック部33A,33Bを有するため、各エレメント3A,3Bの組付性を確保することができる。つまり、各エレメント3の開口部34の両縁部のうちの片側にはフック部を設けないことで、開口部34にリング2を進入させやすくすることができる。このため、各エレメント3の組付作業が容易になる。
また、ベルト1では、隣接するエレメント集合体30同士は接合されないことから、隣合うエレメント集合体30の厚さ方向の相対的な揺動が許容される。このため、エレメント集合体30をリング2の周方向に沿ってより適切に配列することができる。よって、ベルト1の柔軟性を確保することができる。
(2)上述したエレメント集合体30では、第2エレメント3Bの凸部35が第1凹部36Aに圧入された状態で、隣合う第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとが互いに接合されている。
このように、エレメント集合体30において隣合うエレメント3A,3B同士を圧入により接合すれば、接着材等を用いなくてもエレメント3同士を接合することができることから、接着剤等を用いる場合と比べて材料コストを低減することができる。
(3)上述したベルト1において隣合うエレメント集合体30では、第1エレメント3Aの正面に突設された凸部35の外径Dが、第1エレメント3Aの正面に対向する第2エレメント3Bの背面に凹設された第2凹部36Bの内径d2よりも僅かに小さくされている。
このように、隣合うエレメント集合体30において対向する対向面の一方の凸部35の径を他方の凹部36Bの径よりも僅かに小さくすることで、隣合うエレメント集合体30同士を小さな遊びが確保された状態で係止することができる。
これにより、隣合うエレメント集合体30の厚さ方向の相対的な揺動がある程度だけ許容されるため、隣合うエレメント集合体30間のエンドプレーを過度に増加しない程度に確保することができる。よって、エレメント集合体30をリング2の周方向に沿ってより適切に配列することができるため、ベルト1の柔軟性をより確保しやすくすることができる。
(4)上述したベルト1の製造方法によれば、第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとの夫々がリング2に組み付けられてから、これらの第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとが互いに接合されることでエレメント集合体30が形成される。
このように、第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとを互いに接合するよりも前に、これらの第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとを個々にリング2に組み付けておくことで、各エレメント3の組付性を確保することができる。
[4.変形例]
本発明は、上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、エレメント集合体30において隣合うエレメント3A,3B同士が凸部35を凹部36Aに圧入された状態で接合されている場合を例示したが、エレメント集合体30において隣合うエレメント3A,3B同士を接合する手法は圧入に限定されない。
例えば、エレメント集合体30において隣合うエレメント3同士は、接着により接合されてもよい。つまり、上述した第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとは、第1エレメント3Aの背面と第2エレメント3Bの正面とが接着されてもよい。
なお、ここでいう「接着」には、例えば、粘着性を持つ材料(接着剤,粘着テープ等)を適用しうる。また、接着のほかに、溶接による接合を適用してもよい。
このように隣合うエレメント3同士が接着または溶接により接合される場合、第2エレメント3Bの凸部35を第1凹部36Aに圧入させなくてもよいことから、これらの凸部35及び凸部36Aを省略可能である。このため、製造コストの削減に寄与することができる。
また、上述した圧入と接着と溶接とのうちの複数を併用してもよい。つまり、エレメント集合体30において隣合うエレメント3同士が、複数の接合方法により接合されてもよい。
上述したエレメント3の形状は一例である。上述した実施形態では、各エレメント3の本体部31が先細り形状である場合を示したが、これに代えて、エレメント集合体30において隣合うエレメント3同士の本体部31の間に隙間が形成されないように、各本体部31の形状を設定してもよい。
また、エレメント3の開口部34は、リング2に組み付けられた状態でリング2の径方向の内方に向かって開口してもよい。
上述した凸部35及び凹部36A,36Bの位置,個数,形状は何れも一例である。上述した凸部35及び凹部36A,36Bの径に代えて、第1エレメント3Aの凸部の外径を第2エレメント3Bの凸部の外径よりも小さくするとともに、第1エレメント3A及び第2エレメント3Bの各凹部の内径を第2エレメント3Bの凸部が圧入されうる大きさとしてもよい。
この場合も、上述した実施形態と同様に、第1エレメント3Aと第2エレメント3Bとを圧入により接合することができるとともに、隣合うエレメント集合体30同士は遊びを持った状態に係止しておくことができる。このため、上述した実施形態のものと同様の作用,効果を得ることができる。
さらに、上述した実施形態では、エレメント集合体30が二種類のエレメント3A,3Bの両方を含んで構成される場合について説明したが、エレメント集合体の構成はこれに限定されない。
エレメント集合体は、フック部が異なる突出方向となるように配置された複数のエレメントを含んでいればよく、例えば図5(a),(b)に示すように、上述したエレメント集合体30に代えて、同一形状の二つのエレメント3′,3′を互いに接合してなるエレメント集合体30′が適用されてもよい。なお、図5(a),(b)では、上述した実施形態で説明した要素と同一または対応する要素に同一の符号を付している。
エレメント集合体30′は、具体的には、上述した本体部31,柱部32,第1フック部33A及び開口部34を有する二つの同一形状のエレメント3′,3′を、その背面同士が対向するように配置したうえで接合したものである。
このように構成されたエレメント集合体30′では、二つのエレメント3′,3′の第1フック部33A,33Aが互いに異なる(逆向きの)突出方向となって配置される。このため、このエレメント集合体30′を適用した場合も、上述した実施形態のものと同様の作用,効果を得ることができる。
なお、エレメント集合体に含まれるエレメントは三つ以上であってもよい。ただし、ベルト1の柔軟性を確保するうえでは、各エレメント集合体に含まれるエレメントの個数を極力少なくする、あるいは各エレメントの厚さ方向の寸法を極力小さくすることが好ましい。
上述したベルト1の製造方法は一例である。上述した実施形態では、複数のエレメント3A,3Bがリング2に組み付けられた後、隣合うエレメント3A,3B同士が接合されることでエレメント集合体30が形成される場合について説明したが、これとは逆に、隣合うように配置されたエレメント3A,3B同士を接合した後、これらの一体化されたエレメント3A,3Bの集合体をリング2に組み付けてもよい。
なお、ベルト1が適用される無段変速機は、上述したような車両に搭載されるものに限定されない。
1 ベルト(無段変速機用ベルト)
2 リング
3,3′ エレメント
3A 第1エレメント
3B 第2エレメント
10 バリエータ
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
30,30′ エレメント集合体
31 本体部
31a フランク面
31b サドル面
32 柱部
33A 第1フック部(フック部)
33B 第2フック部(フック部)
34 開口部
35 凸部(第1凸部,第2凸部)
36A 第1凹部
36B 第2凹部
R1,R2 巻掛半径
D,d1,d2 径

Claims (4)

  1. リングと、前記リングの径方向に向かって開口する開口部および前記開口部の両縁部のうちの片側から前記開口部へ向けて突設されたフック部を有する複数のエレメントと、を備えた無段変速機用ベルトであって、
    前記フック部が前記リングに係止された状態で前記リングの周方向に配列された複数の前記エレメントからなり、前記フック部が異なる突出方向となるように配置された少なくとも二つの前記エレメントを含むエレメント集合体を複数備え、
    夫々の前記エレメント集合体は、隣合う前記エレメント同士が互いに接合されている
    ことを特徴とする無段変速機用ベルト。
  2. 請求項1において、
    前記エレメント集合体で隣合う前記エレメントは、互いに対向する対向面の一方に突設された第1凸部と他方に凹設された第1凹部とを有し、
    前記エレメント集合体は、隣合う前記エレメント同士が前記第1凸部を前記第1凹部に圧入された状態で接合されている
    ことを特徴とする無段変速機用ベルト。
  3. 請求項1又は2において、
    隣合う前記エレメント集合体は、互いに対向する対向面の一方に突設された第2凸部と他方に凹設された第2凹部とを有し、
    前記第2凸部の径が前記第2凹部の径よりも小さい
    ことを特徴とする無段変速機用ベルト。
  4. 請求項1〜3の何れか一項において、
    前記エレメント集合体は、隣合う前記エレメントにおいて互いに対向する対向面同士が接着されている
    ことを特徴とする無段変速機用ベルト。
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