JP2019023260A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体、反射板 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体、反射板 Download PDF

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淳一 三井
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敬亮 西田
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Yasuo Kamikawa
泰生 上川
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Abstract

【課題】優れた耐熱性、機械的特性を有し、かつ、優れた反射率を有し、短期的・長期的な熱履歴を受けても高い反射率を維持することができる熱可塑性樹脂組成物の提供。【解決手段】融点270℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、白色顔料(B)と、疎水性シリカ(C)とを含有し、(A)〜(C)の合計に対する(C)の含有量が0.02〜10質量%である熱可塑性樹脂組成物。熱可塑性樹脂(A)が、半芳香族ポリアミドである前記熱可塑性樹脂組成物。前記熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体であり、反射板である前記成形体。前記反射板を備えるLEDパッケージ及び、前記LEDパッケージを備える照明装置。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、およびそれからなる成形体、反射板に関するものである。
発光ダイオード(LED)は、低消費電力、長寿命であることから、新しい照明光源や表示素子として、需要が急速に拡大しており、大型化、ハイパワー化が進んでいる。LEDにおけるハウジングを備えた反射板は、光を効率的に利用するため、優れた反射率が求められている。中でも、最も発光効率が優れ、広く使われている白色LEDにおいては、LEDの青色光と、その光で蛍光体が発する補色の黄色光とを組み合わせるため、青色光、特に440〜460nmの波長の光における優れた反射率が求められている。
LED反射板を構成する樹脂材料としては、酸化チタン等の白色顔料を含有させたポリアミドやポリエステル等の熱可塑性樹脂が知られている。LED反射板は、製造する際の溶融加工時およびLEDパッケージを製造するための実装工程時に、高熱に短期間曝され、LED点灯使用時にLED素子の発する光と熱に長期間曝される。そのため、前記樹脂材料には、耐熱性が高く、製造時や使用時に熱変色を起こさずに、高い反射率を維持することが求められている。
また、前記樹脂材料には、反射板として用いるため、優れた機械的特性も求められている。
特許文献1〜3には、特定の酸化防止剤を特定量配合した樹脂組成物をLED反射板に用いることが開示されている。
国際公開第2017/002824号パンフレット 特表2014−520190号公報 国際公開第2016/002192号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜3のLED反射板は、反射率が不十分であったり、短期的・長期的な熱履歴を受けると、高い反射率を維持することができないことがあった。
本発明は、上記課題を解決するものであって、優れた耐熱性、機械的特性を有し、かつ、優れた反射率を有し、短期的・長期的な熱履歴を受けても高い反射率を維持することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂と白色顔料に、特定のシリカ粉末を含有することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)融点270℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、白色顔料(B)と、疎水性シリカ(C)とを含有し、(A)〜(C)の合計に対する(C)の含有量が0.02〜10質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(2)熱可塑性樹脂(A)が、半芳香族ポリアミドであることを特徴とする(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(3)さらに、酸化防止剤(D)を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(4)さらに、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択される1種以上のマグネシウム化合物(E)を含有することを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
(6)反射板であることを特徴とする(5)に記載の成形体。
(7)(6)に記載の反射板を備えることを特徴とするLEDパッケージ。
本発明によれば、優れた耐熱性、機械的特性を有し、かつ、優れた反射率を有し、短期的・長期的な熱履歴を受けても高い反射率を維持することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。本発明の樹脂組成物は、LED反射板として好適に用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、融点が270℃以上の熱可塑性樹脂(A)、白色顔料(B)と疎水性シリカ(C)とを含有する。
本発明において、熱可塑性樹脂(A)は、融点が270℃以上であることが必要であり、300℃以上であることがより好ましい。熱可塑性樹脂(A)は、融点が270℃以上であることにより、耐熱性が向上し、最高温度が260℃程度となるリフロー工程により耐えることができる。
熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリアミドやポリエステルが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、テレフタル酸を含有するジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するグリコール成分との重縮合物であるシクロヘキサンジメチレンテレフタレートが挙げられる。ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の含有量は80モル%以上であることが好ましく、グリコール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量も80モル%以上であることが好ましい。中でも、工業的な汎用性が高く、高耐熱性で低吸水率であることから、テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールのみからなる重縮合物が好ましい。ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートは、SKケミカル社、イーストマンケミカルから入手することができる。
ポリエステルの重量平均分子量は、40000〜90000であることが好ましく、55000〜85000であることがより好ましい。ポリエステルの重量平均分子量が40000未満であると、得られる成形体の機械的特性が不良となることがある。一方、ポリエステルの重量平均分子量が90000を超えると、溶融加工時の流動性が低下し、成形性が不良になることがある。なお、重量平均分子量は、溶媒としてクロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(体積比95/5)溶液を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン標準サンプルの換算値である。
ポリアミドとしては、例えば、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、脂環族ポリアミド、およびそれらの共重合体が挙げられる。脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド46が挙げられる。半芳香族ポリアミドとは、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とから構成されるポリアミドである。半芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド4T(T:テレフタル酸)、ポリアミド4I(I:イソフタル酸)、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド7T、ポリアミド7I、ポリアミド8T、ポリアミド8I、ポリアミド9T、ポリアミド9I、ポリアミド10T、ポリアミド10I、ポリアミド11T、ポリアミド11I,ポリアミド12T、ポリアミド12Iが挙げられる。脂環族ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6C(C:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、ポリアミド7C、ポリアミド8C、ポリアミド9C、ポリアミド10C、ポリアミド11C、ポリアミド12Cが挙げられる。共重合体としては、例えば、ポリアミド6T/6、ポリアミド6T/11 、ポリアミド6T/12、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T/610、ポリアミド611、ポリアミド6T/612、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6T/6I/66、ポリアミド6T/M5T(M5:メチルペンタジアミン)、ポリアミド6T/TM6T(TM6:2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン)、ポリアミド6T/MMCT(MMC:4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))、ポリアミド6T/10T、ポリアミド9T/M9T(M9:2−メチル−1,8−オクタンジアミン)、ポリアミド9T/10T 、ポリアミド10T/12T 、ポリアミド10T/11 が挙げられる。中でも、工業的な汎用性が高いことから、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T、およびそれらの共重合体が好ましく、高耐熱性で低吸水率であることから、ポリアミド9T/M9T、ポリアミド10T、およびそれらの共重合体がより好ましく、耐リフロー性に特に優れることから、ポリアミド10Tおよびその共重合体がさらに好ましい。
本発明において、ポリアミドは、モノカルボン酸成分を構成成分とすることが好ましい。モノカルボン酸を含有することにより、ポリアミドは、末端の遊離アミノ基量を低く保つことが可能となり、熱を受けた際の、熱劣化や酸化劣化によるポリアミドの分解や変色が抑制することができる。その結果、得られる反射板の反射率の低下を抑制することができ、LEDパッケージの輝度・光度の低下を抑制することができる。
モノカルボン酸成分の含有量は、ポリアミドを構成する全モノマー成分に対して0.3〜4.0モル%であることが好ましく、0.3〜3.0モル%であることがより好ましく、0.3〜2.5モル%であることがさらに好ましく、0.8〜2.5モル%であることが特に好ましい。モノカルボン酸成分の含有量を0.3〜4.0モル%とすることにより、ポリアミドは、熱を受けた際の、熱劣化や酸化劣化によるポリアミドの分解や変色を抑制することができ、重合時の分子量分布を小さくすることができる。また、成形加工時の離型性が向上し、ガスの発生量を抑制することができる。一方、モノカルボン酸成分の含有量が4.0モル%を超えるポリアミドを用いることにより、得られる成形体の機械的特性が低下することがある。なお、本発明において、モノカルボン酸の含有量は、ポリアミド中のモノカルボン酸の残基、すなわち、モノカルボン酸から末端の水酸基が脱離したものが占める割合をいう。
本発明において、モノカルボン酸成分の分子量は、140以上であることが好ましく、170以上であることがより好ましい。分子量が140以上であるモノカルボン酸成分を用いることにより、熱を受けた際の、熱劣化や酸化劣化による分解や変色を抑制することができる。また、成形加工時の離型性が向上し、ガスの発生量を抑制することができ、さらには、流動性を向上させることができる。
モノカルボン酸成分としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸が挙げられ、中でも、脂肪族モノカルボン酸が好ましい。分子量が140以上の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、ステアリン酸が好ましい。分子量が140以上の脂環族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチルシクロヘキサンカルボン酸、4−へキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−ラウリルシクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。分子量が140以上の芳香族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチル安息香酸、4−へキシル安息香酸、4−ラウリル安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸およびそれらの誘導体が挙げられる。モノカルボン酸成分は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。また、分子量が140以上のモノカルボン酸と分子量が140未満のモノカルボン酸を併用してもよい。なお、本発明において、モノカルボン酸の分子量は、原料のモノカルボン酸の分子量を指す。
本発明において、ポリアミドは、メルトフローレート(MFR)が1〜200g/10分であることが好ましく、10〜150g/10分であることがより好ましく、20〜100g/10分であることがさらに好ましい。MFRは、流動性の指標とすることができ、MFRの値が高いほど流動性が高いことを示す。ポリアミドのMFRが200g/10分を超えると、得られる成形体の機械的特性が低下することがあり、ポリアミドのMFRが1g/10分未満であると、流動性が低下し、成形不良が生じることがある。
ポリアミドは、従来から知られている加熱重合法や溶液重合法の方法を用いて製造することができる。中でも、工業的に有利である点から、加熱重合法が好ましく用いられる。ポリアミドの重合は、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガスを重合釜中に封入して、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。それにより、重合中のポリアミドの酸化劣化による変色が抑制できると同時に、重合以後の工程における変色も抑制する効果がある。
ポリアミドの製造において、重合の効率を高めるため重合触媒を用いてもよい。重合触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらの塩が挙げられ、重合触媒の添加量は、通常、ジカルボン酸成分とジアミン成分の総モルに対して、2モル%以下であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(A)の含有量は、(A)〜(C)の合計に対して、50〜75質量%とすることが好ましく、50 〜65質量%とすることがより好ましい。(A)の含有量が50質量%未満であると、流動性が低下し、成形不良が生じることがある。一方、(A)の含有量が75質量%を超えると、組成物中の白色顔料の割合が減り、樹脂の割合が増えるため、短期的及び長期的な加熱による樹脂の熱変色が生じやすく、反射率が低下することがある。
熱可塑性樹脂(A)は、ペレット形状や粉末形状で製造することができるが、粉末形状のものを用いた方が好ましい。粉末形状の場合、粉末の中に平均粒子径100μm未満の粒子を10質量%以上含まれることが好ましい。
白色顔料(B)としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミナが挙げられる。中でも、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムが好ましく、酸化チタンがより好ましい。
酸化チタンは、屈折率が高く光安定性が良好なルチル型が好ましい。酸化チタンの平均粒子径は、0.05〜2.0μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmであることがより好ましい。硫酸バリウムとしては、天然に産出するものでも合成品でもよく、前者としては、例えば、重晶石(バライト)が挙げられ、後者としては、例えば、沈降性硫酸バリウムが挙げられる。硫酸バリウムの平均粒子径は、0.005〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましい。炭酸カルシウムとしては、例えば、方解石(カルサイト)、霰石(アラゴナイト)、天然炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム)、合成炭酸カルシウム(沈降炭酸カルシウム)が挙げられ、中でも、方解石、霰石が好ましい。炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
白色顔料は、中性化や、光触媒作用の低減や、熱可塑性樹脂(A)との濡れ性改善のために、表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、ステアリン酸等の有機酸またはそれらの金属塩、ポリオール、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。
白色原料(B)の含有量は、(A)〜(C)の合計に対して、20〜45質量%とすることが好ましく、30〜45質量%とすることがより好ましい。(B)の含有量が25質量%未満であると、組成物中の樹脂の割合が増えるため、短期的及び長期的な加熱による樹脂の熱変色により、反射率が低下することがある。一方、(B)の含有量が45質量%を超えると、流動性が低下し、成形不良が生じることがある。
本発明においては、疎水性シリカ粉末(C)を用いることが必要である。疎水性シリカとは、シリカに対して10倍量の常温の水を加えて攪拌した場合に、系がスラリー状にならないシリカのことをいう。疎水性シリカを用いることにより、熱可塑性樹脂(A)と疎水シリカを混合した際に粉末流動性が向上するため、原料をドライブレンドする際の混ざり具合を細かく、均一とすることができ、押出機内での溶融樹脂にかかる剪断熱を下げることができる。また、熱可塑性樹脂の周囲に疎水性シリカが付着することにより、混練時の熱可塑性樹脂への付着水分が少なくなり、混練機の供給口付近でのブリッジの発生や、混練押出機のスクリューの食い込み不良を抑制することができる。さらに、混練押出機の吐出量を高くすることができ、生産性が向上する。吐出量を高くすることができれば、混錬押出機内での樹脂の滞留時間が少なくなり、樹脂の熱変色を抑制することができる。その結果、得られる反射板の反射率を向上させることができる。
疎水性シリカ粉末(C)としては、例えば、富士シリシア化学社製の「サイロホービック」シリーズ(100、200、603、704等)、日本アエロジル社製の「AEROSIL」シリーズ(RY50、R504、R711、R812、R972、R202等)、東ソー・シリカ社製の「NIPSIL」シリーズ(SS50A、SS50F、SS70、SS178等)、トクヤマ社製の「レトロシール」シリーズ(MT−10、MT−10C、DM−10、DM−10C、HM−20L、PM−20L、KS−20S等)が挙げられる。
本発明に用いる疎水性シリカ粉末(C)の平均粒子径は、20μm以下であることが好ましく、中でも、5μm以下であることが好ましい。
疎水性シリカ粉末(C)の含有量は、(A)〜(C)の合計に対して、0.02〜10質量%とすることが必要で、0.1〜5質量%とすることが好ましく、0.5〜3質量%とすることがより好ましい。(C)の含有量が0.02質量%未満であると、混練押出機の吐出量を高くすることができず、得られる反射板の反射率が向上しないので好ましくない。一方、(C)の含有量が10質量%を超えると、得られる成形体の機械的特性が低下するばかりか、流動性が低下し、成形不良が生じやすくなるので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、さらに酸化防止剤(D)を含有してもよい。
酸化防止剤(D)としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、トリアジン系化合物、硫黄系化合物、ホスフィン酸塩が挙げられ、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系化合物が好ましい。酸化防止剤は、単独で用いてもよいし、同じ種類の酸化防止剤や異なる種類の酸化防止剤を併用してもよい。
リン系酸化防止剤は、無機化合物でも有機化合物でもよく、例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン等の無機リン酸塩、トリフェニルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジt−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニリレンジフォスファイトが挙げられる。中でも、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジt−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニリレンジフォスファイトが好ましい。市販のリン系酸化防止剤としては、例えば、アデカ社製アデカスタブPEP−8、PEP−36、PEP−4C、クラリアント社製ホスタノックスP−EPQが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイドが挙げられる。中でも、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイドが好ましい。市販のヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、アデカ社製アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80、AO−330、チバスペシャリティケミカル社製イルガノックス245、259、565、1010、1035、1076、1098、1222、1330、1425、1520、3114、5057、住友化学工業社製スミライザーBHT−R、MDP−S、BBM−S、WX−R、NW、BP−76、BP−101、GA−80、GM、GS、サイアナミド社製サイアノックスCY−1790、SОNGWОN社製SОNGNОX1290が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール、ジドデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル3,4’−チオジプロピオネート、2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ]メチル]−1,3−プロパンジイルエステル挙げられる。中でも、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。市販の硫黄系酸化防止剤としては、例えば、住友化学工業社製スミライザーTP−Dが挙げられる。
酸化防止剤(D)の含有量は、(A)〜(C)の合計100質量部に対して、0.05〜5.0質量部とすることが好ましく、0.2〜5.0質量部とすることがより好ましい。(D)の含有量が0.05質量部未満であると、溶融混練時、成形時、実装時の耐熱変色性の効果が小さくなることがある。一方、(D)の含有量が5.0質量部を超えると、成形時に金型が汚れやすく、成形不良が生じることがある。
本発明の熱樹脂性樹脂組成物には、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択される1種以上のマグネシウム化合物(E)を含有してもよい。マグネシウム化合物(E)を含有することにより、熱を受けた際の変色および反射率の低下を抑制することができる。
マグネシウム化合物(E)の平均粒子径は、特に制限はないが、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
マグネシウム化合物(E)として、熱可塑性樹脂(A)との密着性や分散性を向上させるため、シランカップリング剤またはシランカップリング剤が分散した集束剤で表面処理を施したものを用いることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系のものが挙げられ、熱可塑性樹脂(A)とガラス繊維との密着効果が高いことから、アミノシラン系のものが好ましい。
マグネシウム化合物(E)の含有量は、(A)〜(C)の合計100質量部に対して、0.05〜10.0質量部とすることが好ましく、0.2〜5.0質量部とすることがより好ましく、0.5〜3.0質量部とすることがさらに好ましい。(E)の含有量が0.2質量部未満であると、熱変色の抑制効果が小さくなることがある。一方、(E)の含有量が10.0質量部を超えると、樹脂組成物の溶融混練が困難となったり、成形性が低下することがあり、また得られる成形体の機械的特性が不十分となることがある。
本発明の熱樹脂性樹脂組成物には、強化材を含有してもよい。強化材としては、例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、セラミックス繊維、ワラストナイト、セピオライト、アタパルジャイト等の繊維状強化材や、タルク、粘土鉱物等の板状強化材や、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ等の粒状強化材が挙げられる。中でも、機械的強度が向上しやすいことから、繊維状強化材が好ましく、高い反射率が得られやすいことから、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ワラストナイト、セピオライト、アタパルジャイトが好ましく、ガラス繊維とチタン酸カリウム繊維、ガラス繊維とワラストナイトの併用がより好ましい。
ガラス繊維は、熱可塑性樹脂(A)との密着性や分散性を向上させるため、シランカップリング剤またはシランカップリング剤が分散した集束剤で表面処理を施したものを用いることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系のものが挙げられ、熱可塑性樹脂(A)とガラス繊維との密着効果が高いことから、アミノシラン系のものが好ましい。
強化材の繊維長は、0.1〜7mmであることが好ましく、0.5〜6mmであることがより好ましい。また、繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜13μmであることがより好ましい。繊維長が0.1〜7mmであり、繊維径が3〜20μmである強化材を用いることにより、成形性に悪影響を及ぼすことなく、効率よく樹脂組成物を補強することができる。
強化材の含有量は、(A)〜(C)の合計100質量部に対して、2〜70質量部とすることが好ましく、15〜60質量部とすることがより好ましく、20〜40質量部とすることがさらに好ましい。強化材の含有量が2質量部未満であると、得られる成形体の機械的強度が向上しないことがある。一方、強化材の含有量が70質量部を超えると、機械的強度の補強効率が低下したり、溶融混練時の作業性が低下したり、樹脂組成物のペレットを得ることが難しくなることがある。また、強化材が成形表面に浮き出ることにより、反射率が低下することがある。
本発明の樹脂組成物を成形することによって、本発明の反射板等の成形体を製造することができる。成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法が挙げられ、中でも、射出成形法が好ましい。射出成形機としては、特に限定されないが、例えば、スクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダー内で加熱溶融された樹脂組成物は、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、樹脂組成物の融点以上であることが好ましく、(融点+100℃)未満とすることがより好ましい。なお、樹脂組成物の加熱溶融時には、十分に乾燥された樹脂組成物を用いることが好ましい。樹脂組成物は、水分率が高いと、射出成形機のシリンダー内で発泡し、最適な成形体を得ることが困難となることがある。射出成形に用いる樹脂組成物の水分率は、0.3質量%未満とすることが好ましく、0.1質量%未満とすることがより好ましい。
本発明の反射板は、優れた耐熱性、機械的特性を有し、かつ、優れた反射率を有し、短期的・長期的な熱履歴を受けても高い反射率を維持することができるので、LED反射板として好適に用いることができる。反射板はLEDパッケージに好適に用いることができ、LEDパッケージは、LED照明装置に好適に用いることができる。
また、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体は、自動車部品、電気電子部品等の広範な用途にも用いることができる。自動車部品としては、例えば、ランプリフレクタ−、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプソケットの電装系部品が挙げられる。電気電子部品としては、例えば、コネクタ、スイッチ、センサー、コンデンサ、ジャック、リレー、コイルボビン、抵抗器、各種筐体が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.評価方法
熱可塑性樹脂組成物の物性測定は、以下の方法によりおこなった。
(1)融点
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7型)用い、昇温速度20℃/分で360℃まで昇温した後、360℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温し、さらに25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
(2)最大吐出量
混練機の供給口付近でのブリッジや、スクリューの食い込み不良が発生せず、かつ、操業時のスクリューに掛かるトルク値が用いる混練押出機の許容トルクに達しない吐出量を、最大吐出量とした。
(3)反射率(初期)
熱可塑性樹脂組成物を十分に乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製 J35−AD)を用いて、シリンダー温度(融点+15℃)、金型温度(融点−175℃)、成形サイクル25秒の条件で射出成形し、20mm×20mm×0.5mmの成形体を作製した。
得られた成形体を試験片として用いて、分光測色計(コニカミノルタ社製 CM−3600d)により、D65光源、10°視野にて460nmの波長における反射率を求めた。
(4)反射率(短期加熱後)
(3)で試験片として用いた成形体とは別に、(3)で得られた成形体を、熱風乾燥器中にて、170℃、5時間処理をおこなった。その後、(3)と同様に460nmの波長における反射率を求めた。
(5)反射率(長期加熱後)
(3)で試験片として用いた成形体とは別に、(3)で得られた成形体を、熱風乾燥器中にて、120℃、1000時間処理をおこなった。その後、(3)と同様に460nmの波長における反射率を求めた。
(6)耐リフロー性
(3)で試験片として用いた成形体とは別に、(3)で得られた成形体を、85℃×85%RHにて168時間吸湿処理をおこない、続いて、赤外線加熱式のリフロー炉中にて、150℃で1分間加熱し、100℃/分の速度で265℃まで昇温し、10秒間保持した。その後、処理した成形体について、ブリスター(水ぶくれ)の発生および溶融の有無を観察した。
○:溶融しておらず、ブリスターも発生していなかった。
△:ブリスターが発生していた。
×:溶融していた。
(7)機械的特性
熱可塑性樹脂組成物を十分に乾燥した後、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて、シリンダー温度(融点+15℃)、金型温度(融点−175℃)、成形サイクル25秒の条件で射出成形し、ダンベル片を作製した。
得られたダンベル片を用いて、ISO178に準拠して曲げ強度と曲げ弾性率を測定した。
(8)流動性(メルトフローレート、MFR)
JIS K7210に従い、(融点+15℃)の温度、1.2kgfの荷重で測定した。
2.原料
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)熱可塑性樹脂(A)
・熱可塑性樹脂(A−1):
ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.70kgと、モノカルボン酸成分としてステアリン酸(STA)0.32kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.98kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=48.5:49.6:1.9(原料モノマーの官能基の当量比率は、TPA:DDA:STA=49.0:50.0:1.0)であった。
続いて、得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、熱可塑性樹脂(A−1)を作製した。
熱可塑性樹脂(A−1)の融点は、315℃であった。
・熱可塑性樹脂(A−2):
ジカルボン酸として粉末状のテレフタル酸3.73kgと、モノカルボン酸成分として安息香酸0.11kgと、ジアミン成分として1,9−ノナンジアミン3.08kgおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミン0.54kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム7.3gと、水2.52kgとを、加熱混合反応装置に入れ、窒素置換した。さらに、80℃で0.5時間、毎分28回転で撹拌した後、230℃に昇温した。その後、230℃で3時間加熱し、反応物を得た。
続いて、得られた反応物を粉砕した後、乾燥機中で、窒素気流下、220℃で5時間加熱し重合し、熱可塑性樹脂(A―2)の粉末を得た。
熱可塑性樹脂(A−2)の融点は、305℃であった。
・熱可塑性樹脂(A−3):ポリアミド66、ユニチカ社製 A125J、融点265℃
(2)白色顔料(B)
・B−1:酸化チタン、石原産業社製 タイペークPC−3、平均粒子径0.21μm
・B−2:酸化亜鉛、堺化学工業社製 酸化亜鉛2種、平均粒子径0.60μm
(3)シリカ(C)
・C−1:疎水性シリカ、富士シリシア社製 サイロホービック100、不定形状、平均粒子径2.7μm
・C−2:疎水性シリカ、ダイセルエボニック社製 アエロジルR202、不定形状、平均粒子径14nm
・C−3:親水性シリカ、富士シリシア社製 サイリシア310P、不定形状、平均粒子径2.7μm
・C−4:親水性シリカ、富士シリシア社製 サイロスフェアC1504、真球状、平均粒子径4.0μm
(4)酸化防止剤(D)
・D−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、2、2’―エチリデンビス(4,6―ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノール)、SONGWON社製 SONGNOX1290
・D−2:リン系酸化防止剤、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−(ビフェニレンージーフォスフォナイト)、クラリアント社製 ホスタノックスP−EPQ
(4)マグネシウム化合物(E)
・D−1:酸化マグネシウム、協和化学工業社製 キョーワマグMF150、平均粒子径0.72μm
・D−2:水酸化マグネシウム、協和化学工業社製 キスマ 5P、平均粒径0.78μm
実施例1
熱可塑性樹脂(A−1)62.5質量部、白色顔料(B−1)7.0質量部、シリカ(C−1)0.5質量部、酸化防止剤(D−1)0.2質量部、酸化防止剤(D−2)0.5質量部、マグネシウム化合物(E−1)2.0質量部をドライブレンドし、ロスインウェイト式連続定量供給装置を用いて計量し、スクリュー径48mm、L/D54の同方向二軸押出機(東芝機械社製 TEM48SS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。定量供給装置、押出機の主供給口およびサイドフィーダーから窒素ガスを導通し、酸素濃度が1%以下となるように維持した。途中、サイドフィーダーより白色顔料(B−1)30.0質量部を供給し、さらに混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、(融点−5℃)〜(融点+15℃)、スクリュー回転数400rpm、吐出量は表1に示した最大吐出量により作製した。
実施例2〜10、比較例1〜12
樹脂組成物の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなって樹脂組成物のペレットを得た。
実施例1〜10、比較例1〜12について各種評価をおこなった。その結果を表1に示す。
実施例1〜10の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の種類と、白色顔料の種類と含有量とが同じで、疎水性シリカを含有しない比較例の樹脂組成物と対比して、混錬時の最大吐出量がいずれも高く、初期反射率、短期加熱後反射率、長期加熱後反射率がいずれも高かった。具体的には、実施例1、6、7、10の樹脂組成物と比較例1の樹脂組成物、実施例2の樹脂組成物と比較例2の樹脂組成物、実施例3と比較例3の組成物、実施例4と比較例4の組成物、実施例5と比較例5の組成物、実施例8の樹脂組成物と比較例6の樹脂組成物、実施例9の樹脂組成物と比較例7の樹脂組成物とをそれぞれ対比すると、実施例の方が比較例よりも、混錬時の最大吐出量がいずれも高く、初期反射率、短期加熱後反射率、長期加熱後反射率がいずれも高かった。
また、実施例1〜10の樹脂組成物は、いずれも耐リフローはんだ性が優れていた。
比較例8の樹脂組成物は、疎水性シリカ粉末の含有量が0.02質量部未満であったため、実施例1と対比して、最大吐出量が低く、初期反射率、短期加熱後反射率、長期加熱後反射率がいずれも低かった。
比較例9の樹脂組成物は、疎水性シリカ粉末の含有量が10質量部を超えていたため、実施例1と対比して、曲げ強度が低かった。
比較例10、11の樹脂組成物は、親水性のシリカ粉末を含有していたため、実施例1と対比して、最大吐出量が低く、初期反射率、短期加熱後反射率、長期加熱後反射率がいずれも低かった。
比較例12の樹脂組成物は、融点が270℃未満のポリアミドを用いたため、耐リフローはんだ性が不良であった。

Claims (8)

  1. 融点270℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、白色顔料(B)と、疎水性シリカ(C)とを含有し、(A)〜(C)の合計に対する(C)の含有量が0.02〜10質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂(A)が、半芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. さらに、酸化防止剤(D)を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. さらに、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択される1種以上のマグネシウム化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
  6. 反射板であることを特徴とする請求項5に記載の成形体。
  7. 請求項6に記載の反射板を備えることを特徴とするLEDパッケージ。
  8. 請求項7に記載のLEDパッケージを備えることを特徴とする照明装置。
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