JP2019094374A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形体 - Google Patents

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淳一 三井
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辰典 正木
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由紀 田窪
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Abstract

【課題】厚み依存性が小さくて、高い反射率を有する優れた反射板を構成することができる熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂組成物であって、融点が270〜350℃の熱可塑性樹脂と、白色顔料とを含む。白色顔料は、酸化チタン、硫化亜鉛から選ばれる第1の白色顔料と、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、鉛白から選ばれる第2の白色顔料とを含む。熱可塑性樹脂組成物中における第1および第2の白色顔料の合計含有量は、10〜50質量%である。第1の白色顔料と第2の白色顔料との質量比率は、(第1の白色顔料)/(第2の白色顔料)=90/10〜40/60である。【選択図】なし

Description

本発明は熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形体に関し、特に熱可塑性樹脂と白色顔料とを含有する熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形体に関する。
発光ダイオード(LED)は、低消費電力、長寿命であることから、新しい照明光源や表示素子として、需要が急速に拡大しており、大型化、ハイパワー化が進んでいる。
LEDにおけるハウジングを兼ねた反射板を構成する樹脂材料には、光を効率的に利用するために、優れた反射率が求められている。例えば、もっとも発光効率が優れ、広く使われている白色LEDの発光においては、LEDの青色光と、その光で蛍光体が発する補色の黄色光とを組み合わせるため、反射板には、青色光、特に440〜460nmの波長の光の反射率が、最重要視されている。
LED反射板を構成する樹脂材料として、屈折率の高い酸化チタンなどの白色顔料を含有させたポリアミド樹脂組成物やポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が知られており、その高反射率、加工性などの面から広く使われている。近年は、LEDパッケージの小型化、薄型化が進んでおり、いかに薄い反射板で、効率よく光を反射できるかという点が求められている。また、LED反射板は、その構造上厚肉部と薄肉部が存在するが、薄肉部の方が反射率が低いため、LEDパッケージ全体として輝度のムラができやすい問題があった。
しかしながら、反射板用の樹脂材料としては、薄さの影響というものが、これまで全く考慮されてこなかった。例えば特許文献1では、2種類の白色顔料を使用することにより耐熱変色性を向上させる技術が開示されているが、材料の薄さについては、まったく触れられていない。
国際公開第2014/129364号
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために、厚み依存性が小さくて、高い反射率を有する優れた反射板を構成することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とし、さらに、輝度のムラが少ないLEDパッケージを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の構成を有する熱可塑性樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
[1]熱可塑性樹脂組成物であって、
融点が270〜350℃の熱可塑性樹脂と、白色顔料とを含み、
白色顔料が、
酸化チタン、硫化亜鉛から選ばれる第1の白色顔料と、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、鉛白から選ばれる第2の白色顔料とを含み、
前記熱可塑性樹脂組成物中における第1および第2の白色顔料の合計含有量が10〜50質量%であり、
第1の白色顔料と第2の白色顔料との質量比率が、(第1の白色顔料)/(第2の白色顔料)=90/10〜40/60であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
[2]熱可塑性樹脂がポリアミドおよび/またはポリエステルであることを特徴とする[1]の熱可塑性樹脂組成物。
[3]さらに、強化材を、樹脂組成物中に1〜50質量%含有することを特徴とする[1]または[2]の熱可塑性樹脂組成物。
[4]さらに、マグネシウム化合物を、樹脂組成物中に0.05〜10質量%含有することを特徴とする[1]から[3]までのいずれかの熱可塑性樹脂組成物。
[5]マグネシウム化合物が酸化マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウムであることを特徴とする[4]の熱可塑性樹脂組成物。
[6]さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤と、硫黄系酸化防止剤と、光安定剤との少なくともいずれか一つを、樹脂組成物中に樹脂組成物中にそれぞれ0.01〜5質量%含有することを特徴とする[1]から[5]までのいずれかの熱可塑性樹脂組成物。
[7]ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホスホナイトと硫黄系酸化防止剤とを含むことを特徴とする[6]の熱可塑性樹脂組成物。
[8]上記[1]から[7]までのいずれかの熱可塑性樹脂組成物を成形したものであることを特徴とする反射板。
[9]上記[8]の反射板を備えることを特徴とするLEDパッケージ。
[10]上記[9]のLEDパッケージを備えた照明装置または画像表示装置であることを特徴とするLED発光装置。
本発明によれば、厚み依存性が小さくて、高い反射板を構成することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた反射板は、小型で高輝度のLEDパッケージおよびそれを用いた照明装置、画像表示装置などに使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)および白色顔料(B)を含有する。
本発明において、熱可塑性樹脂(A)は、融点が270℃〜350℃であることが必要である。熱可塑性樹脂(A)の融点が270℃以上であることにより、耐熱性を有し、最高温度が260℃程度となるリフローはんだ工程に耐えることができる。一方、熱可塑性樹脂の融点が350℃を超えると、溶融加工時の変色を抑えることが難しく、高い反射率を実現するのが困難となる。
熱可塑性樹脂(A)は、ポリアミドおよび/またはポリエステルから選ばれることが好ましい。具体的な熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、脂環族ポリアミド、芳香族/脂環族ポリエステル、およびそれらの共重合体が挙げられる。
脂肪族ポリアミドの具体例としては、ポリアミド46などが挙げられる。
半芳香族ポリアミドの具体例としては、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とから構成されるポリアミドが挙げられる。その具体例として、ポリアミド4I(I:イソフタル酸)、ポリアミド6I、ポリアミド7T(T:テレフタル酸)、ポリアミド8T、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミド11T、ポリアミド12Tなどが挙げられる。
脂環族ポリアミドの具体例として、ポリアミド6C(C:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、ポリアミド7C、ポリアミド8C、ポリアミド9C、ポリアミド10C、ポリアミド11C、ポリアミド12Cなどが挙げられる。
さらに、ポリアミド共重合体としては、例えばジアミンの炭素数が6の場合、PA6T/6、PA6T/12、PA6T/66、PA6T/610、PA6T/612、PA6T/6I、PA6T/6I/66、PA6T/M5T(M5:メチルペンタジアミン)、PA6T/TM6T(TM6:2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン)、PA6T/MMCT(MMC:4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))などが挙げられる。
芳香族/脂環族ポリエステルの具体例としては、PCT(ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)やPCTA(ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート・イソフタレート)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)として、上記のように、これらポリアミドおよび/またはポリエステルを単独で使用してもよいし、共重合体を使用してもよい。あるいは2種類以上の混合物を使用してもよい。
本発明において、ポリアミドとしては、工業的な汎用性が高いことから、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T、およびそれらの共重合体が好適な例として挙げられる。さらに、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T、およびそれらの共重合体は、耐熱変色性、低吸水率の観点からさらに好ましく、中でもポリアミド10Tおよびその共重合体が特に好ましい。
ポリアミドは、芳香族ジカルボン酸成分および脂肪族ジアミン成分を主体とすることが好ましい。なお、「主体とする」とは、ジカルボン酸成分、ジアミン成分において、それぞれ、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミン成分を60モル%以上であることをいい、好ましくは、70モル%以上、より好ましくは80モル%以上であることをいう。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が挙げられ、中でも、テレフタル酸が好ましい。本発明においては、芳香族ジカルボン酸成分におけるテレフタル酸の含有量が、60モル%以上であることが必要であり、90モル%以上であることが好ましい。テレフタル酸の含有量が60モル%未満であると、ポリアミドは、融点が低下したり、結晶性が低くなったりすることがある。
芳香族ジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、炭素数が3〜20である脂肪族ジアミンが挙げられ、中でも、1,6−ヘキサンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンが好ましい。本発明においては、脂肪族ジアミン成分において、最も含有量の多い脂肪族ジアミンの含有量が、60モル%以上であることが好ましく、75モル%以上であることがより好ましい。最も含有量の多い脂肪族ジアミンの含有量が60モル%未満であると、熱可塑性樹脂(A)は、融点が低下したり、結晶性が低くなったりすることがある。
脂肪族ジアミン成分以外のジアミン成分としては、例えば、1,4−フェニレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミンが挙げられる。
本発明において、ポリアミドは、モノカルボン酸成分を構成成分とすることが好ましい。モノカルボン酸を含有することにより、ポリアミドは、末端の遊離アミノ基量を低く保つことが可能となり、熱を受けた際の、熱劣化や酸化劣化によるポリアミドの分解や変色が抑えられ、また末端が疎水性であるため低吸水性とすることができる。その結果、得られる反射板において反射率の低下が抑制できる効果がある。
モノカルボン酸成分の含有量は、ポリアミドを構成する全モノマー成分に対して0.3〜4.0モル%であることが好ましく、0.3〜3.0モル%であることがより好ましく、0.3〜2.8モル%であることがさらに好ましく、0.8〜2.8モル%であることが特に好ましい。上記範囲内でモノカルボン酸成分を含有することにより、ポリアミドは、重合時の分子量分布を小さくでき、熱を受けた際の熱劣化や酸化劣化による分解や変色が抑えられ、成形加工時の離型性の向上がみられ、成形加工時においてガスの発生量を抑制することができる。また上記範囲内でモノカルボン酸成分を含有することにより、成形体は、リフロー工程でのブリスター発生を抑えることができる。一方、ポリアミドは、モノカルボン酸成分の含有量が上記範囲を超えると、機械的特性が低下することがある。なお、本発明において、モノカルボン酸の含有量は、ポリアミド中のモノカルボン酸の残基、すなわち、モノカルボン酸から末端の水酸基が脱離したものが占める割合をいう。
本発明において、熱可塑性樹脂(A)は、メルトフローレート(MFR)が1〜200g/10分であることが好ましく、10〜150g/10分であることがより好ましく、40〜130g/10分であることがさらに好ましい。MFRは、成形流動性の指標とすることができ、MFRの値が高いほど流動性が高いことを示す。熱可塑性樹脂(A)のMFRが200g/10分を超えると、得られる樹脂組成物の機械的特性が低下する場合がある。熱可塑性樹脂(A)のMFRが1g/10分未満であると、流動性が著しく低く、溶融加工できない場合があったり、溶融加工時のせん断発熱により着色し、成形体の反射率が低下したりする場合があったりする。
熱可塑性樹脂(A)は、従来から知られている加熱重合法や溶液重合法の方法を用いて製造することができる。中でも、工業的に有利である点から、加熱重合法が好ましく用いられる。熱可塑性樹脂ド(A)の重合は、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガスを重合釜中に封入して、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。それにより、重合中の熱可塑性樹脂の酸化劣化による変色が抑えられると同時に、重合以後の工程における変色も抑えられる効果がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含有される白色顔料(B)は、屈折率2.3以上の第1の白色顔料(B1)と、屈折率2.3未満の第2の白色顔料(B2)とを含んだ、少なくとも2種以上の白色顔料にて構成される。理由は不明であるが、屈折率2.3以上の第1の白色顔料(B1)と、屈折率2.3未満の第2の白色顔料(B2)との両者を含むことによって、本発明の樹脂組成物によって形成される成形体が薄肉である場合にも、良好な反射率を呈することができる。
屈折率2.3以上の白色顔料(B1)としては、例えば、酸化チタン、硫化亜鉛(閃亜鉛鉱)が挙げられ、中でも、酸化チタンが好ましい。酸化チタンは、屈折率が高く光安定性が良好なルチル型が好ましい。酸化チタンの粒子径は、0.05〜2.0μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmであることがより好ましい。
屈折率2.3未満の白色顔料(B2)としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、鉛白が挙げられ、中でも、酸化亜鉛が好ましい。酸化亜鉛としては、天然に産出するものでも合成品でもよいが、純度の高い合成品が好ましい。酸化亜鉛の粒径は、0.1〜1.0μmであることが好ましい。
硫酸バリウムとしては、天然に産出するものでも合成品でもよく、前者としては重晶石(バライト)が好ましく、後者としては沈降性硫酸バリウムが挙げられる。硫酸バリウムの粒径は、0.005〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましい。
炭酸カルシウムとしては、例えば、方解石(カルサイト)、霰石(アラゴナイト)、天然炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム)、合成炭酸カルシウム(沈降炭酸カルシウム)が挙げられ、中でも、方解石、霰石が好ましい。炭酸カルシウムの粒子径は、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
白色顔料(B)は、中性化のためや、光触媒作用等の低減のためや、熱可塑性樹脂(A)との濡れ性改善のために、表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;ステアリン酸等の有機酸またはそれらの金属塩;ポリオール;シランカップリング剤;チタンカップリング剤が挙げられる。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、白色顔料(B1)と白色顔料(B2)の合計量で10〜50質量%を含有することが必要である。15〜45質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。含有量が10質量%未満であると、熱可塑性樹脂組成物は、反射率が低下してしまう。一方、50質量%を超えると、熱可塑性樹脂組成物の反射率に優れる反面、成形する際に、熱可塑性樹脂(A)との溶融混練が困難となったり、成形性が損なわれたりする。また得られる成形体は機械的特性が不十分となる。
(B1)と(B2)の質量比率((B1)/(B2))は、90/10〜40/60であることが必要で、90/10〜50/50であることが好ましい。(B1)と(B2)の合計に対する(B1)の質量比率が90質量%を超える場合と、40質量%未満の場合とは、いずれも下記の厚み依存性が大きくなってしまう。
本発明における厚み依存性とは、下記の式で表されるものである。
厚み依存性
=(厚み0.5mmの成形体の反射率)/(厚み0.1mmの成形体の反射率)
成形体はその肉厚が薄い方が反射率が低くなる傾向にあり、上記の厚み依存性は、その値が1.000を超えるものと予想されるが、1.000に近い方が、成形体の厚みが薄くなっても、そのことが反射率に影響しにくいことを意味する。よって、厚み依存性の値は、1.015未満であることが好ましく、1.012以下であることがより好ましく、1.010以下であることがいっそう好ましい。
本発明の成形体は、強化材(C)を含有してもよい。強化材(C)として、例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、セラミックス繊維、ワラストナイト、セピオライト、アタパルジャイトなどの繊維状強化材や;タルク、粘土鉱物などの板状強化材や;シリカ、アルミナ、ガラスビーズなどの粒状強化材が挙げられる。中でも、機械的強度の向上の観点から、繊維状強化材が好ましく、高い反射率を保持する点で、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ワラストナイト、セピオライト、アタパルジャイトが好ましく、ガラス繊維とチタン酸カリウム繊維との併用や、ガラス繊維とワラストナイトとの併用が好ましい。
ガラス繊維は、シランカップリング剤で表面処理されたものであることが好ましい。また、シランカップリング剤が分散した集束剤により表面処理されたものでもよい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系のものが挙げられる。なかでも、熱可塑性樹脂(A)とガラス繊維との密着効果を得やすいことから、アミノシラン系のものが好ましい。
強化材(C)が繊維状強化材である場合に、その繊維長は、0.01〜7mmであることが好ましく、0.02〜5mmであることがより好ましい。また、繊維径は1〜20μmであることが好ましく、2〜13μmであることがより好ましい。繊維長が0.01〜7mmであり、繊維径が1〜20μmである繊維状の強化材(C)は、成形性に悪影響を及ぼすことなく、効率よく成形体を補強することができる。
熱可塑性樹脂組成物における強化材(C)の含有量は、1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、4〜20質量%であることがさらに好ましい。強化材(C)は、含有量が1質量%未満であると、機械的強度向上効果が得られない場合がある。一方、50質量%を超えると、溶融混練時の作業性が低下したり、樹脂組成物のペレットを得ることが難しくなる場合があり、また、得られる成形体は、機械的強度の補強効率が低下したり、強化材が成形表面に浮き出ることにより、反射率が低下したりする場合がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱変色性の向上の観点から、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択される1種以上のマグネシウム化合物(D)を含有してもよい。マグネシウム化合物(D)を含有することにより、熱可塑性樹脂組成物は、熱を受けた際の変色および反射率の低下が抑えられる。
マグネシウム化合物(D)の平均粒径は、特に制限はないが、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
マグネシウム化合物(D)として、熱可塑性樹脂(A)との密着性、および分散性を向上させるために、表面処理を施したものを使用してもよい。表面処理剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシランなどのシランカップリング剤;チタンカップリング剤;シリコーン化合物;ポリオール化合物などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物におけるマグネシウム化合物(D)の含有量は、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜3質量%であることがさらに好ましい。マグネシウム化合物(D)は、含有量が0.05質量%未満では、熱変色の抑制効果が小さい。また10質量%を超えると、熱可塑性樹脂組成物製造時の溶融混練が困難となったり、成形性が損なわれたりすることがある。また得られる成形体の機械的特性が不十分となることがある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱変色性の向上の観点から、熱安定剤および/または光安定剤を含有してもよい。
熱安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイドが挙げられる。中でも、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイドが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。市販のヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、アデカ社製アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80、AO−330、BASF社製イルガノックス245、259、565、1010、1035、1076、1098、1222、1330、1425、1520、3114、5057、住友化学工業社製スミライザーBHT−R、MDP−S、BBM−S、WX−R、NW、BP−76、BP−101、GA−80、GM、GS、サイアナミド社製サイアノックスCY−1790が挙げられる。
リン系酸化防止剤は、無機化合物でも有機化合物でもよく、例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン等の無機リン酸塩;トリフェニルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニリレンジホスファイト等のホスファイト;テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト等のホスホナイトが挙げられる。中でも、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニリレンジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイトが好ましく、長期加熱後の反射率が高くなることから、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンージーホスホナイトがより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。市販のリン系酸化防止剤としては、例えば、アデカ社製アデカスタブPEP−8、PEP−36、PEP−4C、クラリアント社製ホスタノックスP−EPQが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール、ジドデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル3,4’−チオジプロピオネート、2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ]メチル]−1,3−プロパンジイルエステル挙げられる。中でも、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。市販の硫黄系酸化防止剤としては、例えば、住友化学工業社製スミライザーTP−D、MB、アデカ社製アデカスタブAO−412S、AO−503が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化合物(HALS)、ヒンダードフェノール系化合物が挙げられる。中でも、半芳香族ポリアミドとの親和性や耐熱性が高いことからヒンダードアミン系化合物が好ましい。市販の光安定剤としては、例えば、クラリアントジャパン社製ナイロスタブS−EED、共同薬品社製バイオソーブ04、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製チヌビン622、765、Cytec社製サイアソーブUV−3346、旭電化工業社製アデカスタブLA−57、BASF社製チマソーブ119、944が挙げられる。
なかでも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤と、硫黄系酸化防止剤と、光安定剤との少なくともいずれか一つを含有することが好ましく、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤とホスホナイトと硫黄系酸化防止剤との三者を用いることで、長期加熱後の反射率の低下を著しく低減することができる。
熱安定剤および光安定剤の含有量は、それぞれ0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがさらに好ましい。熱安定剤および光安定剤の含有量がそれぞれ0.01〜5質量%であることにより、樹脂組成物は、光および熱を受けた際の変色および反射率の低下が抑えられる。各々の含有量が0.01質量部未満であると、溶融混練時、成形時、実装時の耐熱変色性および耐光変色性の効果が小さく、5質量部を超えると、成形時に金型が汚れやすく、成形不良が発生する場合がある。特に、白色顔料として酸化チタンを用いる場合は、酸化チタンが光分解を促進する場合があるので、光安定剤を含有することが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法としては、熱可塑性樹脂(A)、白色顔料(B)、および必要に応じて添加される強化材(C)やマグネシウム化合物(D)やその他添加剤などを配合して、溶融混練する方法が好ましい。
溶融混練法としては、ブラベンダー等のバッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ヘリカルローター、ロール、一軸押出機、二軸押出機等を用いる方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物を溶融混練で製造する際には、白色顔料(B)および必要に応じて添加される強化材(C)を、複数回に分けて熱可塑性樹脂(A)に供給することが好ましい。熱可塑性樹脂(A)と白色顔料(B)の溶融混練時に、白色顔料(B)あるいは強化材(C)を一度に熱可塑性樹脂(A)に添加すると、樹脂組成物は、温度が一時的に急激に低下するために、粘度が急上昇し、さらには大きなせん断がかかることとなる。その結果、樹脂組成物は、実温度が装置の設定温度よりも高温になり、有機成分が分解したり熱変色したりするおそれがある。
白色顔料(B)あるいは強化材(C)を複数回に分けて熱可塑性樹脂(A)に供給する方法としては、例えば、溶融混練機として連続式の二軸押出機を使用する場合は、トップフィーダーとサイドフィーダーとの2か所に分けて、白色顔料(B)および必要に応じて強化材(C)を供給する方法が挙げられ、溶融混練機としてバッチ式のミキサーを使用する場合は、複数回に分けて供給する方法が挙げられる。
白色顔料(B)および必要に応じて強化材(C)を複数回に分けて熱可塑性樹脂(A)に供給することにより、樹脂組成物の実温度の過度な上昇を抑え、溶融混練中の熱劣化、酸化劣化による変色を抑制することができ、また樹脂組成物から得られた成形体においても、熱劣化、酸化劣化による変色を抑制することができる。
熱可塑性樹脂組成物を様々な形状に加工する方法としては、溶融混合物をストランド状に押出しペレット形状にする方法や、溶融混合物をホットカット、アンダーウォーターカットしてペレット形状にする方法や、シート状に押出しカッティングする方法や、ブロック状に押出し粉砕してパウダー形状にする方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物を成形して成形体を製造する方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、焼結成形法が挙げられる。なかでも、機械的特性や成形性の向上効果が大きいことから、射出成形法が好ましい。
射出成形機としては、特に限定されず、例えば、スクリューインライン式射出成形機やプランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダー内で加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物は、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、加熱溶融のために熱可塑性樹脂(A)の融点(Tm)以上であることが好ましく、(Tm+50℃)未満であることがより好ましい。
樹脂組成物は結晶化速度が高いため、成形時の金型温度は、特に限定される必要はない。しかし、成形時の金型温度を150〜230℃の間に設定すると、成形時の結晶化が特に進行しやすく、結晶化度の高い熱可塑性樹脂組成物を含有する成形体が得られ、ひいては長期信頼性に優れた成形体が得られるので好ましい。
なお、樹脂組成物の加熱溶融時には、十分に乾燥された樹脂組成物ペレットを用いることが好ましい。含有する水分量が多いと、射出成形機のシリンダー内で樹脂が発泡して、最適な成形体を得ることが困難となることがある。射出成形に用いる樹脂組成物ペレットの水分率は、0.3質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましい。
溶融混練時は、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガスを、機台の原料供給部から加熱部までの全体に封入して、不活性ガス雰囲気下で溶融混練することが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱変色性に優れ、長期信頼性に優れ、このためLED反射板に好適である。この反射板を備えるLEDパッケージは、優れた輝度および光度を発揮し、LED照明装置や液晶ディスプレイのバックライトなどのLED発光装置に好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.測定方法
熱可塑性樹脂組成物(A)および成形体の特性は、以下の方法により測定、評価した。
(1)融点
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7型)用い、昇温速度20℃/分で360℃まで昇温した後、360℃で5分間保持し、続いて降温速度20℃/分で25℃まで降温し、さらに25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを、融点(Tm)とした。
(2)反射率(初期)
後述の実施例、比較例で得られた成形体Iおよび成形体IIを用いて、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製 U−4000)により、460nmの波長における反射率を求め、初期反射率とした。100%標準合わせは、酸化アルミニウムの白板を用いた。なお、研磨していない面について測定した。
(3)反射率(短期加熱後反射率)
後述の実施例、比較例で得られた成形体Iを、熱風乾燥器中にて、170℃、5時間処理したのちに、上記の(2)と同様に460nmの波長における反射率を求め、短期加熱後反射率とした。
(4)反射率(長期加熱後反射率)
後述の実施例、比較例で得られた成形体Iを、熱風乾燥器中にて、120℃、3000時間処理したのちに、上記の(2)と同様に460nmの波長における反射率を求め、長期加熱後反射率とした。
長期加熱後反射率は、75%以上である場合を「合格」とした。なお、長期加熱後反射率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
(5)反射率の厚み依存性
下記式に従って、反射率の厚み依存性を計算した。
厚み依存性=(成形体Iの反射率)/(成形体IIの反射率)
厚み依存性が1.015未満である場合を「合格」とした。
(6)耐リフロー性
後述の実施例、比較例で得られた成形体Iを、温度85℃、相対湿度85%の条件で1週間(168時間)吸湿処理を行った後、赤外線加熱式のリフロー炉中にて、150℃で1分間加熱し、そして100℃/分の速度で265℃まで昇温し、10秒間保持した。
試験片について、ブリスター(水ぶくれ)の発生、溶融の有無などを観察し、以下の基準で評価した。
○:ブリスターの発生、溶融などの外観変化がない
△:ブリスターが発生した
×:溶融した
(7)機械的特性
後述の実施例、比較例で得られた樹脂組成物のペレットを、射出成形機(ファナック社製 S2000i−100B型)を用いて、シリンダー温度(融点+15℃)、金型温度130℃、窒素封入なしの条件で射出成形し、試験片(ダンベル片)を作製した。
得られた試験片を用いて、ISO178に準拠して曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
2.原料
下記の実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)熱可塑性樹脂(A)
・ポリアミド(A−1):ポリアミド10T(ユニチカ社製 XecoT XN300)融点315℃
・ポリアミド(A−2):ポリアミド6T/6(BASF製ULTRAMID TKR4351E)融点288℃
・ポリアミド(A−3):ポリアミド66(ユニチカ社製 A125J)融点260℃
・ポリエステル(A−4):PCT(SK Chemical社製 PURATAN 0502)融点285℃
(2)白色顔料(B1)
・B1−1:酸化チタン(石原産業社製 タイペークPC−3)、平均粒径0.21μm
・B1−2:硫化亜鉛(サハトレーベン製 サクトリスHD−S)、平均粒径0.30μm
(3)白色顔料(B2)
・B2−1:酸化亜鉛(堺化学工業社製 酸化亜鉛2種)、平均粒径0.60μm
・B2−2:硫酸バリウム(堺化学工業社製 バリファインBF−20)、平均粒径0.03μm
(4)強化材(C)
・C−1:ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製 03JAFT692)、平均繊維径10μm、平均繊維長3mm
・C−2:ウォラストナイト(NYCO社製 NYGLOS 4W)、平均繊維径4.5μm、平均繊維長50μm
(5)マグネシウム化合物(D)
・D−1:酸化マグネシウム(協和化学工業社製 キョーワマグ MF150)、平均粒径0.72μm
(6)熱安定剤/光安定剤(E)
・E−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤
3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン(アデカ社製 アデカスタブAO−80)
・E−2:リン系酸化防止剤(ホスホナイト)
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンージ−ホスホナイト(クラリアント社製 ホスタノックスP−EPQ)
・E−3:硫黄系酸化防止剤
ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製 スミライザー TP−D)
・E−4:リン系酸化防止剤(ホスファイト)
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(アデカ社製 アデカスタブPEP−36)
実施例1
熱可塑性樹脂(A−1)62.8質量部、白色顔料(B1−1)25質量部、白色顔料(B2−1)10質量部、マグネシウム化合物(D−1)2質量部、安定剤(E−1)0.2質量部をドライブレンドし、ロスインウェイト式連続定量供給装置(クボタ社製 CE−W−1型)を用いて計量し、スクリュー径26mm、L/D50の同方向二軸押出機(東芝機械社製 TEM26SS型)の主供給口に供給して、溶融混練を行った。定量供給装置、押出機の主供給口およびサイドフィーダーから窒素ガスを導通し、酸素濃度が1%以下となるように維持した。溶融混練物をダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカットして、樹脂組成物のペレットを得た。運転条件として、押出機のバレル温度設定は(融点−5〜+15)℃、スクリュー回転数は250rpm、吐出量は25kg/hとした。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製 J35−AD)を用い、この成形機の原料供給部に窒素ガスを導通して酸素濃度が1%以下となるように窒素封入した。そして、シリンダー温度(融点+15)℃、金型温度140℃、成形サイクル25秒の条件で、20mm×20mm×0.6mmtの成形体を作製した。得られた成形体の片面を研磨紙(#600および#2000)にて研磨し、0.5mmtおよび0.1mmtの厚みに調整し、それぞれ成形体I、成形体IIとした。
実施例2〜17、比較例1〜6
実施例1と比べて、樹脂組成物の組成を表1に示すように変更した。それ以外は実施例1と同様の操作をおこなった。
作製した成形体を用いて各種評価試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
Figure 2019094374

Figure 2019094374
実施例1〜17の成形体は、初期反射率が高く、耐リフローはんだ性にも優れるものであり、さらに、反射率の厚み依存性が小さく、肉薄形状においても高い反射率を有していた。
実施例1、3、4および比較例1の対比から、ポリアミド10Tを用いた方が反射率が高く、反射率の厚み依存性も小さかった。また、ポリエステル樹脂よりもポリアミド樹脂を用いた方が機械的特性に優れていた。
実施例1〜17の対比から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用すると、反射率が高く、耐熱変色性に優れ、特に長期加熱後反射率が高かった。また、硫黄系酸化防止剤を併用すると耐熱変色性に優れ、特に長期加熱後反射率が高かった。
比較例1は、融点が270℃未満のポリアミドを用いたため、耐リフロー性評価試験において溶融し、耐リフローはんだ性が劣っていた。
比較例2は、白色顔料の含有量が10質量%未満であったため、反射率が低いものであった。
比較例3は、白色顔料の含有量が50質量%を超えていたため、成形性が悪く、また曲げ強度が低いものであった。
比較例4は、白色顔料を単独で用いたため、厚肉での反射率は高いものの、それに比べて薄肉での反射率が低く、厚み依存性が大きかった。
比較例5は白色顔料(B−2)に対する白色顔料(B−1)の質量比率が高すぎたため、また比較例6は白色顔料(B−2)に対する白色顔料(B−1)の質量比率が低すぎたため、いずれも厚肉に比べて薄肉の反射率が低く、厚み依存性が大きかった。

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂組成物であって、
    融点が270〜350℃の熱可塑性樹脂と、白色顔料とを含み、
    白色顔料が、
    酸化チタン、硫化亜鉛から選ばれる第1の白色顔料と、
    酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、鉛白から選ばれる第2の白色顔料とを含み、
    前記熱可塑性樹脂組成物中における第1および第2の白色顔料の合計含有量が10〜50質量%であり、
    第1の白色顔料と第2の白色顔料との質量比率が、(第1の白色顔料)/(第2の白色顔料)=90/10〜40/60であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂がポリアミドおよび/またはポリエステルであることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. さらに、強化材を、樹脂組成物中に1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. さらに、マグネシウム化合物を、樹脂組成物中に0.05〜10質量%含有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. マグネシウム化合物が酸化マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤と、硫黄系酸化防止剤と、光安定剤との少なくともいずれか一つを、樹脂組成物中にそれぞれ0.01〜5質量%含有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホスホナイトと硫黄系酸化防止剤とを含むことを特徴とする請求項6記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形したものであることを特徴とする反射板。
  9. 請求項8に記載の反射板を備えることを特徴とするLEDパッケージ。
  10. 請求項9に記載のLEDパッケージを備えた照明装置または画像表示装置であることを特徴とするLED発光装置。
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