JP2019023052A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車幅方向でオフセット配置されたサイドメンバとアンダリインフォースとがキック部材によって連結された構造における荷重吸収性能の向上を図る。【解決手段】サイドメンバ1とキック部材3との結合部分に、これらサイドメンバ1およびキック部材3に亘って結合される補強部材4を配設する。この補強部材4に、略水平方向に沿って延びるプレート部41を備えさせ、該プレート部41に、その板厚方向の上側に向けて突出するビード46を設ける。このビード46の平面視形状を、車両前突時にサイドメンバ1とキック部材3との結合部分に作用する横曲げ方向の曲げモーメントによる当該横曲げ方向に向けて凸となるように湾曲された形状にする。これにより、ビード46が横曲げに対する抵抗として機能することになり、前記結合部分の横曲げを抑制することができ、座屈を抑制することで車両前突時における荷重吸収性能を高めることができる。【選択図】図2

Description

本発明は車体前部構造に係る。特に、本発明は、車幅方向でオフセット配置されたサイドメンバとアンダリインフォースとがキック部材によって連結された車体前部構造の改良に関する。
従来、車体前部構造として、特許文献1に開示されているように、サイドメンバとアンダリインフォース(この特許文献1ではエクステンションメンバと称している)との結合部分に、ダッシュパネルの下側部の傾斜面に沿って屈曲したキックアップ部を設けた構造が知られている。これにより、車両前突時にサイドメンバに入力された衝突荷重を、キックアップ部およびアンダリインフォースを経由させてその周辺の骨格部材に分散させるようにしている。
特開2014−4943号公報
サイドメンバとアンダリインフォースとを連結するキック部材(特許文献1のキックアップ部に相当)は、サイドメンバの座屈荷重よりも高い耐力を有し、車両前突時に変形せず、キャビンの変形を防止し且つ衝突荷重(衝突エネルギ)をサイドメンバに吸収させるといった機能を有する。
ところで、車体前部構造として、サイドメンバとアンダリインフォースとが車幅方向でオフセット配置されたものがある。例えば図12(サイドメンバa、アンダリインフォースbおよびキック部材cの結合部分を示す平面図;この図12では、車幅方向の左側に配設されたサイドメンバa、アンダリインフォースbおよびキック部材cの結合部分を示している)に示すように、車幅方向におけるサイドメンバaの配設位置に対してアンダリインフォースbの配設位置を外側にオフセットさせたものである(図12に一点鎖線で示すサイドメンバaおよびアンダリインフォースbそれぞれの中心線を参照)。この場合、サイドメンバaとアンダリインフォースbとを連結するキック部材cとしては、車体後方に向かって外側に傾斜する配設状態となる。なお、図12におけるeはバンパリインフォースであり、fはフロアクロスメンバである。
このような構造において、車両前突時にサイドメンバaに衝突荷重が入力された場合には、サイドメンバaとキック部材cとの結合部に横曲げ方向(水平方向に沿う曲げ方向)の曲げモーメントが作用することになり、キック部材cに十分な曲げ耐力がない場合、図13に示すように、この結合部において車幅方向外側への折れ曲がりが発生してしまう可能性がある(図13の矢印を参照)。この折れ曲がりが発生する状況では、それに起因する座屈が発生してしまい、十分な荷重吸収性能が得られない可能性がある。このため、サイドメンバaとアンダリインフォースbとが車幅方向でオフセット配置されたものにあっては、車体前部の荷重吸収性能を高めるための改良の余地があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車幅方向でオフセット配置されたサイドメンバとアンダリインフォースとがキック部材によって連結された構造に対し、車両前突時における荷重吸収性能を高めることが可能な車体前部構造を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車体前部において車体前後方向に沿って延びるサイドメンバと該サイドメンバよりも後側に配設され且つ車体前後方向に沿って延びるアンダリインフォースとが、車幅方向でオフセット配置され且つキック部材によって連結された車体前部構造を前提とする。そして、この車体前部構造は、前記サイドメンバと前記キック部材との結合部分に、これらサイドメンバおよびキック部材に亘って結合される補強部材が配設され、該補強部材は、車体上下方向に対して交差する方向に沿って延びるプレート部を備え、該プレート部には、その板厚方向の一方側に向けて突出するビードが設けられており、該ビードの平面視形状は、車両前突時に前記サイドメンバと前記キック部材との結合部分に作用する横曲げ方向の曲げモーメントによる当該横曲げ方向に向けて凸となるように湾曲された形状とされていることを特徴とする。
この特定事項により、車両前突時には、サイドメンバとアンダリインフォースとが車幅方向でオフセット配置されてキック部材によって連結されていることで、サイドメンバとキック部材との結合部分には横曲げ方向の曲げモーメントが作用することになる。本解決手段では、サイドメンバおよびキック部材に亘って結合される補強部材のプレート部にビードを設け、該ビードの平面視形状を、前記横曲げ方向の曲げモーメントによる当該横曲げ方向に向けて凸となるように湾曲された形状としている。これにより、前記補強部材のビードが前記横曲げに対する抵抗として機能することになり、サイドメンバとキック部材との結合部分の横曲げが抑制されることになる。このため、この横曲げに起因する座屈を抑制することができ、車両前突時における荷重吸収性能を高めることができる。
本発明では、サイドメンバとアンダリインフォースとが車幅方向でオフセット配置され且つキック部材によって連結された車体前部構造に対し、サイドメンバおよびキック部材に亘って結合される補強部材を配設し、該補強部材において車体上下方向に対して交差する方向に沿って延びるプレート部にビードを設け、該ビードの平面視形状を、車両前突時にサイドメンバとキック部材との結合部分に作用する横曲げ方向の曲げモーメントによる当該横曲げ方向に向けて凸となるように湾曲された形状としている。これにより、車両前突時に、補強部材のビードが横曲げに対する抵抗として機能することになって、サイドメンバとキック部材との結合部分の横曲げを抑制することができ、座屈を抑制することで荷重吸収性能を高めることができる。
サイドメンバ、アンダリインフォースおよびキック部材の結合部分を示す側面図である。 サイドメンバ、アンダリインフォースおよびキック部材の結合部分を示す平面図である。 補強部材の斜視図である。 図3におけるIV−IV線に沿った断面図である。 サイドメンバ、補強部材およびキック部材の結合作業を説明するための図である。 図1におけるVI−VI線に沿った断面図である。 補強部材に曲げモーメントを作用させた実験の結果を示し、図7(a)は実施形態に係る補強部材を、図7(b)は比較例に係る補強部材をそれぞれ示す図である。 変形例1における補強部材の斜視図である。 変形例2における補強部材の平面図である。 図9におけるX−X線に沿った断面図である。 変形例3における補強部材の斜視図である。 従来技術におけるサイドメンバ、アンダリインフォースおよびキック部材の結合部分を示す平面図である。 従来技術における車両前突時の各部材の変形状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る車体前部構造を構成するサイドメンバ(フロントサイドメンバ)1、アンダリインフォース2およびキック部材3の結合部分を示す側面図である。より具体的には、車幅方向の左側に配設されたサイドメンバ1、アンダリインフォース2およびキック部材3の結合部分を車幅方向の外側から見た図である。また、図2は、サイドメンバ1、アンダリインフォース2およびキック部材3の結合部分を示す平面図であり、サイドメンバ1およびキック部材3の一部を仮想線で示す図である。より具体的には、車幅方向の左側に配設されたサイドメンバ1、アンダリインフォース2およびキック部材3の結合部分の平面図である。これらの図における、矢印Rrは車体後方を、矢印INは車幅方向内側を、矢印UPは車体上方をそれぞれ示している。
−サイドメンバ−
前記サイドメンバ1は、車体のエンジンコンパートメントに対し、その車幅方向両側の下部において車体前後方向に沿って延びる左右一対の車体骨格部材である(図1および図2では左右一対のサイドメンバ1のうち車幅方向の左側に配設されたサイドメンバ1のみを示している)。このサイドメンバ1は複数の板材が溶接されることにより矩形状の閉断面構造で構成されている。このため、このサイドメンバ1は、図5にも示すように、底板部11、左右一対の縦壁部12,13、天板部14を備えている。
本実施形態におけるサイドメンバ1は、その後端部分において、車幅方向の内側に位置する縦壁部13が車体後方に向かって車幅方向の内側に傾斜している。サイドメンバ1の後端部分の構造としてはこれに限定されるものではない。また、このサイドメンバ1の前端部には、図示しないバンパリインフォースが結合されている。このため、車両前突時には、このバンパリインフォースに入力された衝突荷重が、該バンパリインフォースからサイドメンバ1に伝達されることになる。
−アンダリインフォース−
前記アンダリインフォース2は、前記サイドメンバ1よりも後側に配設され、且つこのサイドメンバ1の配設高さ位置よりも所定寸法だけ下側に配設された車体骨格部材である。より具体的に、このアンダリインフォース2は、車幅方向両側の下部(例えば図1に仮想線で示すフロアパネル5の下部)において車体前後方向に沿って延びる左右一対の車体骨格部材である(図1および図2では左右一対のアンダリインフォース2のうち車幅方向の左側に配設されたアンダリインフォース2のみを示している)。このアンダリインフォース2は、上方に開放された所謂ハット型断面を有している。このため、このアンダリインフォース2は、水平方向に延びる底板部21、この底板部21の両側端(車幅方向の両側端)から上方に延びる一対の縦壁部22,23、各縦壁部22,23の上端から水平方向に延びるフランジ部24,25を備えている。そして、このフランジ部24,25がフロアパネル5の下面に溶接されることで、アンダリインフォース2はフロアパネル5との間で閉断面構造を構成している。なお、フロアパネル5の車幅方向の両外側には閉断面構造で成る図示しないロッカが結合されている。
前記サイドメンバ1とアンダリインフォース2とは、車幅方向でオフセットして配置されている。具体的には、図2に示すように、車幅方向におけるサイドメンバ1の配設位置に対してアンダリインフォース2の配設位置が所定寸法だけ外側にオフセットされている。
−キック部材−
また、前記サイドメンバ1とアンダリインフォース2とは、前記キック部材3によって連結されている。前述したように、アンダリインフォース2は、サイドメンバ1の配設高さ位置よりも所定寸法だけ下側に配設され、且つサイドメンバ1の配設位置に対して車幅方向の外側にオフセットして配置されているため、このサイドメンバ1の後端とアンダリインフォース2の前端とを連結するキック部材3は、車体後方に向かって下側且つ車幅方向外側に向かうように傾斜配置されている。
具体的に、このキック部材3は、上方に開放された所謂ハット型断面を有している。つまり、このキック部材3は、図5にも示すように、水平方向に延びる底板部31、この底板部31の両側端(車幅方向の両側端)から上方に延びる一対の縦壁部32,33、各縦壁部32,33の上端から水平方向に延びるフランジ部34,35を備えている。
そして、このキック部材3の前端部分における各縦壁部32a,33aの内面がサイドメンバ1の後端部の各縦壁部12,13の外面に重ね合わされて溶接されている。また、このキック部材3の後端部分における各縦壁部32b,33bの外面がアンダリインフォース2の前端部の各縦壁部22,23の内面に重ね合わされて溶接されている。なお、キック部材3の後端部分における各縦壁部32b,33bの内面がアンダリインフォース2の前端部の各縦壁部22,23の外面に重ね合わされて溶接される構造としてもよい。
このようにして、前記サイドメンバ1の後端部とアンダリインフォース2の前端部とがキック部材3によって連結されている。
−補強部材−
本実施形態の特徴は、前記サイドメンバ1と前記キック部材3との結合部分に配設されて、これらサイドメンバ1およびキック部材3に亘って結合される補強部材4の構造にある。以下、この補強部材4の構造について具体的に説明する。
図3は、補強部材4の斜視図である。図4は、図3におけるIV−IV線に沿った断面図である。図5は、サイドメンバ1、補強部材4およびキック部材3の結合作業を説明するための図である。図6は、図1におけるVI−VI線に沿った断面図である。
これらの図に示すように、補強部材4は、サイドメンバ1およびキック部材3に亘って結合された状態で略水平方向(車体上下方向に対して交差する方向)に沿って延びるプレート部41、該プレート部41の幅方向の両側縁から上方に延びる垂直フランジ部42,43、該垂直フランジ部42,43の後端部分(車体前後方向の後端部分)に連続して設けられた傾斜フランジ部44,45を備えている。この傾斜フランジ部44,45は、垂直フランジ部42,43の後端部分に連続し、車体後方に向かって下側に傾斜するように配設されている。
この補強部材4は、その前側部分がサイドメンバ1の内部に挿入されて該サイドメンバ1の内面に溶接される。また、補強部材4の後側部分はキック部材3の内側に挿入されて該キック部材3に溶接される。このため、補強部材4の前側部分はサイドメンバ結合領域4Aとなっており、補強部材4の後側部分はキック部材結合領域4Bとなっている。従って、前記プレート部41および各垂直フランジ部42,43にあっても、その前側部分がサイドメンバ結合領域41a,42a,43aとなっており、後側部分がキック部材結合領域41b,42b,43bとなっている。
前述したように、前記サイドメンバ1の後端部分における車幅方向の外側に位置する縦壁部12は車体前後方向に沿って延びているのに対し、車幅方向の内側に位置する縦壁部13は車体後方に向かって車幅方向の内側に傾斜している。このため、補強部材4のプレート部41におけるサイドメンバ結合領域41aの外縁形状としては、前記サイドメンバ1の後端部分の形状に対応するように、車幅方向の外側の外縁が車体前後方向に沿って延びているのに対し、車幅方向の内側の外縁が車体後方に向かって車幅方向の内側に傾斜している。これに伴い、補強部材4における車幅方向の外側に位置する垂直フランジ部42におけるサイドメンバ結合領域42aは車体前後方向に沿って延びているのに対し、車幅方向の内側に位置する垂直フランジ部43におけるサイドメンバ結合領域43aは車体後方に向かって車幅方向の内側に傾斜している。
そして、図5および図6に示すように、補強部材4のプレート部41におけるサイドメンバ結合領域41aの下面がサイドメンバ1の底板部11の上面に重ね合わされると共に、補強部材4の各垂直フランジ部42,43におけるサイドメンバ結合領域42a,43aの外面がサイドメンバ1の各縦壁部12,13の内面に重ね合わされ、これら重ね合わせ部分が溶接されることによって、補強部材4のサイドメンバ結合領域4A(プレート部41および各垂直フランジ部42,43の各サイドメンバ結合領域41a,42a,43a)がサイドメンバ1に結合されている。
一方、前述したように、キック部材3は、車体後方に向かって車幅方向外側に向かうように傾斜配置されている。このため、補強部材4のプレート部41におけるキック部材結合領域41bの外縁形状としては、前記キック部材3の形状に対応するように、車体後方に向かって車幅方向外側に向かうように傾斜している。これに伴い、補強部材4の各垂直フランジ部42,43におけるキック部材結合領域42b,43bも車体後方に向かって車幅方向外側に向かうように傾斜している。
そして、図1および図2に示すように、補強部材4の傾斜フランジ部44,45の下面にキック部材3のフランジ部34,35の上面が重ね合わされると共に、補強部材4の各垂直フランジ部42,43におけるキック部材結合領域42b,43bの外面にキック部材3の各縦壁部32,33(前端部分における各縦壁部32a,33a)の内面が重ね合わされ、これら重ね合わせ部分が溶接されることによって、補強部材4のキック部材結合領域4B(各垂直フランジ部42,43の各キック部材結合領域42b,43bおよび傾斜フランジ部44,45)がキック部材3に結合されている。
そして、この補強部材4の特徴としては、前記プレート部41に形成されたビード46,46,46にある。このビード46,46,46は、前記プレート部41の一部分が板厚方向の上側に向けて突出される(プレス成形等によって上側に曲げ加工される)ことで構成されている。本実施形態では、前記プレート部41における車幅方向に亘る3箇所にビード46,46,46が設けられている。また、プレート部41におけるビード46,46,46の形成領域は、このプレート部41におけるサイドメンバ結合領域41aからキック部材結合領域41bに跨る領域となっている。
そして、これらビード46,46,46の平面視形状は、車幅方向の外側に向けて凸となるように円弧状(例えば約1/6円弧状)に湾曲された形状となっている。これらビード46,46,46の円弧の形状としては、その円弧の長さが、車幅方向の外側に位置するビード46ほど長く設定されている。これに限らず、全てのビード46,46,46の円弧の長さが同一に設定されていてもよいし、車幅方向の外側に位置するビード46ほど円弧の長さが短く設定されていてもよい。また、これらビード46,46,46の円弧形状は、例えば、このビード46,46,46が設けられていないと仮定した場合に、車両前突時において補強部材4に作用する横曲げ方向(水平方向に沿って外側に向かう曲げ方向)の曲げモーメントによる該補強部材4の折れ曲がり点を中心とする円弧形状に設定されている。この補強部材4の折れ曲がり点は、実験またはシミュレーションによって求められる。なお、このビード46,46,46の円弧形状はこれに限定されるものではなく、後述するようにビード46,46,46が前記横曲げに対する抵抗として機能する円弧形状に設定されておればよい。
図12および図13を用いて前述したように、車両前突時にサイドメンバ1(図12ではサイドメンバa)に衝突荷重が入力された場合には、サイドメンバ1とキック部材3との結合部に横曲げ方向の曲げモーメントが作用することになる。このため、前記ビード46,46,46の平面視形状は、車両前突時にサイドメンバ1とキック部材3との結合部分に作用する横曲げ方向の曲げモーメントによる当該横曲げ方向に向けて凸となるように湾曲された形状となっている。この横曲げ方向の曲げモーメントによって補強部材4が屈曲する(曲げモーメントの方向に曲がる)ためには、各ビード46,46,46の延長方向(円弧の長さ方向)に沿って各ビード46,46,46を圧縮変形させる必要があるため、これらビード46,46,46が前記横曲げに対する抵抗として機能することになる。
−車両前突時−
次に、車両前突時について説明する。車両前突時には、前記バンパリインフォースに入力された衝突荷重が、該バンパリインフォースからサイドメンバ1に伝達される。本実施形態における車体前部構造では、車幅方向におけるサイドメンバ1の配設位置に対してアンダリインフォース2の配設位置が所定寸法だけ外側にオフセットされており、キック部材3としては、車体後方に向かって外側に傾斜する配設状態となっている。このため、車両前突時にサイドメンバ1に衝突荷重が入力された場合には、サイドメンバ1とキック部材3との結合部に横曲げ方向の曲げモーメントが作用することになり、この結合部において車幅方向外側への折れ曲がりが発生してしまう可能性がある(図2の矢印を参照)。本実施形態では、前述したように、サイドメンバ1およびキック部材3に亘って結合される補強部材4のプレート部41にビード46,46,46を設け、これらビード46,46,46の平面視形状を、前記横曲げ方向の曲げモーメントによる当該横曲げ方向に向けて凸となるように湾曲された形状としている。このため、各ビード46,46,46が前記横曲げに対する抵抗として機能することになり、前記曲げモーメントによって補強部材4自体が曲がってしまうことを抑制でき、これにより、サイドメンバ1とキック部材3との結合部分の横曲げが抑制されることになる。このため、この横曲げに起因する座屈を抑制することができ、車両前突時における荷重吸収性能を十分に発揮させることができる。
−実験例−
次に、前記の効果を確認するために行った実験例について説明する。この実験例では、前記実施形態に係る補強部材4、つまり、プレート部41に複数のビード46,46,46を設けた補強部材4と、前記ビードを設けていない補強部材とに対し、同一の曲げモーメントを作用させ、その際の変形量を比較するものとした。
図7(a)は曲げモーメントを作用させた後の前記実施形態に係る補強部材4を示している。また、図7(b)は曲げモーメントを作用させた後の前記比較例に係る補強部材dを示している。これらの比較を容易にするため、図7(a)では、比較例に係る補強部材dの変形後の外縁形状を仮想線で示している。
これらの図から明らかなように、比較例に係る補強部材dの変形量に比べて前記実施形態に係る補強部材4の変形量は30%程度削減されている。これにより、前記実施形態に係る補強部材4にあっては、変形量が大幅に削減でき、前記の効果(横曲げに起因する座屈を抑制して車両前突時における荷重吸収性能を高めること)が発揮されることが確認できた。
(変形例1)
次に、補強部材4の変形例1について説明する。本変形例は補強部材4のプレート部41に設けられているビード46の個数が前記実施形態のものと異なっている。その他の構造は、前記実施形態のものと同様であるので、ここではビード46の個数についてのみ説明する。
図8は、本変形例における補強部材4の斜視図である。この図8に示すように、本変形例に係る補強部材4は、プレート部41に設けられているビード46,46の個数が2個(前記実施形態のものは3個)となっている。
本変形例の構造によっても、前記実施形態の場合と同様に、各ビード46,46が前記横曲げに対する抵抗として機能することになり、前記曲げモーメントによって補強部材4自体が曲がってしまうことを抑制でき、これにより、サイドメンバ1とキック部材3との結合部分の横曲げが抑制されることになる。その結果、この横曲げに起因する座屈を抑制することができ、車両前突時における荷重吸収性能を十分に発揮させることができる。
また、本変形例のようにビード46の個数を削減した場合、各ビード46を大型にできる等、その形状の設計の自由度が大きくなる。このため、横曲げに対する抵抗として機能するビード46の形状の最適化を図ることが可能である。
前記実施形態ではビード46の個数を3個とし、本変形例ではビード46の個数を2個としたが、本発明にあっては、ビード46の個数は特に限定されるものではなく、1個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(変形例2)
次に、補強部材4の変形例2について説明する。本変形例は補強部材4のプレート部41に設けられているビード46の形状が前記実施形態のものと異なっている。その他の構造は、前記実施形態のものと同様であるので、ここではビード46の形状についてのみ説明する。
図9は、本変形例における補強部材4の平面図である。また、図10は、図9におけるX−X線に沿った断面図である。
これらの図に示すように、本変形例に係る補強部材4のビード46は、大型のビード46aの内部に複数(本変形例では2個)の小型のビード46b,46bを設けた構造となっている。この小型のビード46b,46bの個数は2個に限られるものではなく、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
具体的に、大型のビード46aは、プレート部41の中央部分が板厚方向の上側に向けて突出されることで構成されている。これに対し、小型のビード46b,46bは、前記大型のビード46aの内部において、板厚方向の下側に向けて突出されることで構成されている。そして、これら大型のビード46aおよび小型のビード46b,46bは、共にその平面視形状が、車幅方向の外側に向けて凸となるように円弧状に湾曲された形状となっている。これらビード46a,46b,46bもプレス成形等によって曲げ加工されることで構成されている。
本変形例の構造によっても、前記実施形態の場合と同様に、各ビード46a,46b,46bが前記横曲げに対する抵抗として機能することになり、前記曲げモーメントによって補強部材4自体が曲がってしまうことを抑制でき、これにより、サイドメンバ1とキック部材3との結合部分の横曲げが抑制されることになる。その結果、この横曲げに起因する座屈を抑制することができ、車両前突時における荷重吸収性能を十分に発揮させることができる。
(変形例3)
次に、補強部材4の変形例3について説明する。本変形例も補強部材4のプレート部41に設けられているビード46の形状が前記実施形態のものと異なっている。その他の構造は、前記実施形態のものと同様であるので、ここではビード46の形状についてのみ説明する。
図11は、本変形例における補強部材4の斜視図である。この図に示すように、本実施形態におけるビード46c,46dも、前記プレート部41の一部分が板厚方向の上側に向けて突出されることで構成されている。また、本実施形態では、前記プレート部41の2箇所にビード46c,46dが設けられている。
そして、本変形例では、これらビード46c,46dの平面視形状として、一方のビード46c(車幅方向の外側に位置するビード46c)にあっては、前記実施形態のものと同様に、車幅方向の外側に向けて凸となるように円弧状(例えば1/6円弧状)に湾曲された形状となっている。これに対し、他方のビード46d(車幅方向の内側に位置するビード46d)にあっては、車体前後方向に沿って直線状に延びた形状となっている。
本変形例の構造にあっては、円弧状のビード46cは、前記実施形態の場合と同様に横曲げに対する抵抗として機能することになる。また、直線状に延びた形状のビード46dは、前記横曲げに対する抵抗としての機能をある程度発揮するだけでなく、補強部材4の車体前後方向に沿う荷重に対する抵抗として機能し、補強部材4の剛性の向上に寄与している。
なお、車幅方向の外側に位置するビードを車体前後方向に沿って直線状に延びた形状とし、車幅方向の内側に位置するビードを車幅方向の外側に向けて凸となるように円弧状に湾曲させた形状としてもよい。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態および前記各変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態および前記各変形例では、補強部材4の前側部分をサイドメンバ1の内部に挿入して、この補強部材4の外面をサイドメンバ1の内面に溶接する構造としていた。本発明はこれに限らず、補強部材4の前側部分をサイドメンバ1の外面に重ね合わせ、この補強部材4の内面をサイドメンバ1の外面に溶接する構造としてもよい。
また、前記実施形態および前記各変形例では、車幅方向におけるサイドメンバ1の配設位置に対してアンダリインフォース2の配設位置が所定寸法だけ外側(車幅方向の外側)にオフセットした構造に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、車幅方向におけるサイドメンバ1の配設位置に対してアンダリインフォース2の配設位置が所定寸法だけ内側(車幅方向の中央側)にオフセットした構造に対しても適用が可能である。この場合、車両前突時にサイドメンバ1に衝突荷重が入力された際に、サイドメンバ1とキック部材3との結合部に横曲げ方向の曲げモーメントが作用して、この結合部において車幅方向内側への折れ曲がりが発生してしまう可能性がある状況にあっては、前記ビード46の平面視形状としては、車幅方向内側に向けて凸となるように湾曲された形状とされる。
また、前記実施形態、前記変形例1および前記変形例3では、ビード46,46c,46dを、プレート部41の板厚方向の上側に向けて突出させることで構成していた。本発明はこれに限らず、ビード46,46c,46dを、プレート部41の板厚方向の下側に向けて突出させることで構成するようにしてもよい。また、前記変形例2では、大型のビード46aをプレート部41の板厚方向の上側に向けて突出させることで構成し、小型のビード46bをプレート部41の板厚方向の下側に向けて突出させることで構成するようにしていたが、大型のビード46aをプレート部41の板厚方向の下側に向けて突出させることで構成し、小型のビード46bをプレート部41の板厚方向の上側に向けて突出させることで構成するようにしてもよい。
本発明は、車幅方向でオフセット配置されたサイドメンバとアンダリインフォースとがキック部材によって連結された車体前部構造に適用可能である。
1 サイドメンバ
2 アンダリインフォース
3 キック部材
4 補強部材
41 プレート部
46 ビード

Claims (1)

  1. 車体前部において車体前後方向に沿って延びるサイドメンバと該サイドメンバよりも後側に配設され且つ車体前後方向に沿って延びるアンダリインフォースとが、車幅方向でオフセット配置され且つキック部材によって連結された車体前部構造において、
    前記サイドメンバと前記キック部材との結合部分に、これらサイドメンバおよびキック部材に亘って結合される補強部材が配設され、該補強部材は、車体上下方向に対して交差する方向に沿って延びるプレート部を備え、該プレート部には、その板厚方向の一方側に向けて突出するビードが設けられており、該ビードの平面視形状は、車両前突時に前記サイドメンバと前記キック部材との結合部分に作用する横曲げ方向の曲げモーメントによる当該横曲げ方向に向けて凸となるように湾曲された形状とされていることを特徴とする車体前部構造。
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