I.定義
本明細書で使用されるとき、「神経変性疾患」という表現は、脳、脊髄又は他の神経組織における異常なタンパク質の蓄積、細胞での局在又は異常なタンパク質の折り畳みの存在を指し、ニューロンの死又は機能的損傷が原因となって生じる。神経変性疾患のいくつかの症例では、遺伝的に定義された異常性が疾患の発生に寄与する。神経変性疾患には、たとえば、脳変性疾患(たとえば、アルツハイマー病、パーキンソン病、進行性核上麻痺及びハンチントン病)、及び脊髄変性疾患/運動ニューロン変性疾患、たとえば、筋委縮性側索硬化症及び脊髄性筋委縮症が挙げられる。たとえば、Formanら、Nat.Med.10(2004),1055−63を参照のこと。
「TDP−43タンパク質症」は、43kDaのTAR(トランス活性化反応性)DNA結合タンパク質に関連する疾病の不均質な群として知られる神経系疾患、特に神経変性疾患を指す。TDP−43タンパク質症は、TDP−43が、ユビキチン陽性の封入体を伴い(FTLD−U)、運動ニューロンの疾患を伴う又は伴わない前頭側頭葉変性を、筋委縮性側索硬化症(ALS)、嗜銀性顆粒痴呆、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、グアムのALS/パーキンソン型認知症複合、大脳皮質基底核変性症、レビー小体認知症、ハンチントン病、レビー小体病、運動ニューロン病、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭認知症、ユビキチン陽性の封入体を伴った前頭側頭葉変性症、海馬硬化症、封入体ミオパシー、封入体筋炎、パーキンソン病、パーキンソン病認知症、Kii半島におけるパーキンソン/認知症複合、ピック病、マシャド・ジョセフ病等と機構的に関係付ける疾患タンパク質であるという事実を特徴とする。その全体が参照によって本明細書に組み入れられる、たとえば、Lagier−Tourenneら、Hum.Mol.Gen.19(2010),R46−64を参照のこと。
正常な生理的条件下では、TDP−43は主として核に局在する。しかしながら、異常な細胞質のTDP−43封入体を持つニューロンでは核のTDP−43のかなりの喪失が認められる。TDP−43は疾患特異的な生化学的特徴:病理学的に変化したTDP−43を示す。TDP−43タンパク質症は、病的なTDP−43が脳のアミロイド沈着の特徴を欠くニューロン及びグリアの封入体を形成するので、タンパク質の誤った折り畳みが脳のアミロイドーシスをもたらす他の神経変性疾患とははっきり異なる。その全体が参照によって本明細書に組み入れられる、たとえば、Neumannら、Arch.Neurol.64(2007),1388−1394を参照のこと。
本明細書で使用されるとき、「病的なTDP−43」という用語は、細胞外の、細胞質の、神経の及び核の封入体を指し、「TDP−43封入体」とも呼ばれ、タンパク質が線維様の凝集塊を形成する。具体的には、病的なTDP−43は、過剰にリン酸化され、ユビキチン化され、及びN末端が切り詰められ、それによって、およそ45kDaでの高い分子量、ならびにおよそ25kDaのC末端断片と共に移動するTDP−43の異常種を生成することが発見されている。それぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる、たとえば、Neumannら、Science、314(2006),130−133及びAraiら、Biochem.Biophys.Res.Commun.351(2006),602−611を参照のこと。さらに、TDP−43は、沈着されたTDP−43のカルボキシル末端領域にて複数のリン酸化部位を示すことが発見されており、リン酸化がTDP−43の高いオリゴマー化及び線維形成を招くことが示唆されている。たとえば、Hasegawaら、Annals of Neurology、64(2008),60−70を参照にこと。
TDP−43封入体の形成は、封入体を持つ細胞における正常な拡散した核のTDP−43を完全に欠如したTDP−43の細胞内分布の変化が伴う。冒された皮質灰白質、ならびに脊髄におけるこの病的特徴の存在及び程度は、TDP−43陽性封入体の密度と大まかに一致する。たとえば、Neumannら、J.Neuropath.Exp.Neurol.66(2007),177−183を参照のこと。FTLD−Uにおけるユビキチン化封入体(UBI)の組成は様々なFTLD−U症例の間での、UBIの少量の不均一な分布及びそれらの非アミロイド生成性を特徴とする。従って、TDP−43は、ニューロン細胞質の封入体(NCI)、変性神経突起、及びニューロン細胞内の封入体(NII)を含むFTLD−Uにおける特徴的なユビキチン免疫反応性病変を検出するための特異的な且つ感受性のマーカーである。
本明細書で使用されるとき、「TARDBP」、「43kDaのトランス活性化反応性DNA結合タンパク質」、「43kDaのトランス活性反応性DNA結合タンパク質」、「43kDaのTAR−DNA結合タンパク質」、「TDP−43」という用語はTDP−43の天然の形態を指すのに、相互交換可能に使用される。「TDP−43」はまた、全体的にTDP−43の全ての種類及び形態を指すのにも使用される。「TDP−43」はまた、たとえば、TDP−43のリン酸化された形態及びTDP−43のユビキチン関連の凝集体又はTDP−43の凝集体を含むTDP−43の他の配座異性体を一般に特定するのにも使用される。
ヒトTDP−43のアミノ酸配列は当該技術で既知である。その全体が参照によって本明細書に組み入れられる、たとえば、Strausbergら、TARDBP protein(Homo sapiens)GenBank Pubmed:AAH71657
version GI:47939520を参照のこと。一実施形態によれば、天然のヒトTDP−43のアミノ酸配列は
MSEYIRVTEDENDEPIEIPSEDDGTVLLSTVTAQFPGACGLRYRNPVSQCMRGVRLVEGILHAPDAGWGNLVYVVNYPKDNKRKMDETDASSAVKVKRAVQKTSDLIVLGLPWKTTEQDLKEYFSTFGEVLMVQVKKDLKTGHSKGFGFVRFTEYETQVKVMSQRHMIDGRWCDCKLPNSKQSQDEPLRSRKVFVGRCTEDMTEDELREFFSQYGDVMDVFIPKPFRAFAFVTFADDQIAQSLCGEDLIIKGISVHISNAEPKHNSNRQLERSGRFGGNPGGFGNQGGFGNSRGGGAGLGNNQGSNMGGGMNFGAFSINPAMMAAAQAALQSSWGMMGMLASQQNQSGPSGNNQNQGNMQREPNQAFGSGNNSYSGSNSGAAIGWGSASNAGSGSGFNGGFGSSMDSKSSGWGM(配列番号94)である。
本明細書で使用されるとき、「抗体」(単数)又は「抗体」(複数)という用語は、完全に無傷の抗体、及びFab、Fab’、F(ab)2、及び他の抗体断片を指すことを意図する。完全に無傷の抗体には、たとえば、マウスモノクローナル抗体のようなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体及びヒト化抗体が挙げられるが、これらに限定されない。抗体の種々の形態を、標準の組換えDNA法を用いて作出することができる(Winter and Milstein, Nature 349 (1991), 293-99)。たとえば、動物抗体に由来する抗原結合ドメインがヒトの定常ドメインに接続される「キメラ」抗体を構築することができる(組換えDNA技術を用いて重鎖のヒンジ領域及び定常領域及び/又は軽鎖の定常領域のすべて又は一部をヒト免疫グロブリン軽鎖又は重鎖の相当する領域で置き換えられている元々非ヒト哺乳類に由来する抗体)(たとえば、米国特許第4,816,567号; Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 81 (1984),
6851-6855を参照)。キメラ抗体は、ヒトの臨床治療で使用される場合、動物抗体によ
って誘発される免疫原性の応答を軽減する。
加えて、組換え「ヒト化」抗体を合成することができる。ヒト化抗体は、組換えDNA技術を用いて抗原結合に必要とされないアミノ酸の一部又はすべてをヒト免疫グロブリン軽鎖又は重鎖の相当する領域のアミノ酸で置換している元々非ヒト哺乳類に由来する抗体である。すなわち、それらは、その中に特異的な抗原結合に関与する領域が挿入されているほとんどがヒト免疫グロブリンの配列を含むキメラである(たとえば、国際特許出願公開番号WO94/04679を参照)。所望の抗原で動物を免疫し、対応する抗体を単離し、特異的な抗原結合に関与する可変領域の配列の部分を取り出す。次いで、抗原結合領域を欠失させたヒト抗体遺伝子の適当な部分に動物由来の抗原結合領域をクローニングする。ヒト化抗体はヒト治療法での使用のために抗体における非相同(種間)配列の使用を出来るだけ減らし、望ましくない免疫応答を誘発しにくい。霊長類化抗体を同様に作出することができる。
本発明の追加の実施形態はヒト抗体と同様にこれらヒト抗体の使用に関する。一実施形態では、ヒト抗体はヒトのB細胞又は他の免疫細胞に由来し、一般に本明細書では「完全ヒト抗体」と呼ばれる。従って、本発明は、以下に定義されるような別個且つ固有の特徴を有する抗体を産生する、不死化されたヒトB記憶リンパ球及びB細胞を包含する。或いは、ヒト抗体は、1以上のヒト免疫グロブリン導入遺伝子を抱くトランスジェニック動物のような非ヒト動物にて産生させることができる。そのような動物は米国特許第5,569,825号に記載されているようにハイブリドーマを作製するための脾細胞の供給源として使用することができる。
本発明の抗体の抗原結合断片は、単鎖Fv断片、F(ab’)断片、F(ab)断片及びF(ab’)2断片であることができる。追加の実施形態では、抗原結合断片は、1以上の抗体可変ドメイン又は断片又はその変異体、たとえば、1以上のCDR又は1以上のCDSの誘導体によってTDP−43を認識するTDP−43結合断片である。特定の実施形態では、以下に、抗体又はその断片はヒトIgGアイソタイプ抗体である。或いは、抗体はキメラヒト/マウス抗体又はマウス化抗体であり、後者は動物における診断法及び研究に特に有用である。
抗体断片、一価抗体及び単一ドメイン抗体を本発明の方法及び組成物にて使用することもできる。一価抗体は、第2の重鎖のFc(又は幹)領域に結合する重鎖/軽鎖の二量体を含む。「Fab領域」は、全体として重鎖及び軽鎖のY分岐部分を含み、まとめて(凝集して)抗体活性を呈することが示されている配列に大まかに同等である又は類似する鎖の部分を指す。Fabタンパク質には、会合が特定の抗原又は抗原ファミリーと特異的に反応することが可能である限り、共有会合であろうと非共有会合であろうと、重鎖1本と軽鎖1本の会合体(一般にFab’として知られる)、ならびに抗体Yの2つの分岐断片に対応する四量体(一般にF(ab)2として知られる)が含まれる。
本発明のTDP−43抗体はTDP−43、TDP−43のエピトープ、及びTDP−43の種々の立体構造及びそのエピトープと特異的に結合する。たとえば、天然のTDP−43、完全長及び切り詰められたTDP−43、及び病的なTDP−43と特異的に結合する抗体が、本明細書で開示される。本明細書で使用されるとき、「特異的に結合する」、「選択的に結合する」又は「優先的に結合する」又は一層さらに一般的には「TDP−43と結合する」又は「TDP−43結合性の」抗体への参照は、他の異なるタンパク質よりも優先的にTDP−43と結合する抗体を指す。本明細書で使用されるとき、TDP−43配座異性体と「特異的に結合する」又は「選択的に結合する」抗体は少なくとも1つの他のTDP−43配座異性体に結合しない。たとえば、完全長TDP−43と選択的に結合する抗体、ならびに核TDP−43よりも細胞質TDP−43と選択的に結合する抗体が本明細書で開示される。
「a」又は「an」を伴う実体という用語は1以上のその実体を指すことが留意されるべきであり、たとえば「抗体」(an antibody)は1以上の抗体を表すように理解される。したがって、「a」(「an」)、「1以上」及び「少なくとも1」という
用語は本明細書では相互交換可能に使用することができる。
本明細書で使用されるとき、「ポリペプチド」という用語は「ポリペプチド」という用語と相互交換可能に使用され、単一のポリペプチド/タンパク質、ならびに複数のポリペプチド/タンパク質を包含し、2以上のアミノ酸の鎖(単数)又は鎖(複数)を指し、生成物の特定の長さを指さない。従って、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」又は2以上のアミノ酸の鎖(単数)又は鎖(複数)を指すように使用される他の用語は、「ポリペプチド」の定義の範囲内に含まれ、「ポリペプチド」という用語はこれらの用語のいずれかの代わりに又はそれらと相互交換可能に使用される。
本明細書で使用されるとき、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語はまた、既知の保護基/保護基、タンパク分解切断、又は天然に存在しないアミノ酸若しくは他の化学部分による修飾によるグリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、誘導体化を含むが、これらに限定されないポリペプチドの伸長後修飾の生成物も指す。ポリペプチドは天然の生物資源に由来することができ、組換え技術によって作出することができるが、必ずしも特定の核酸配列から翻訳される必要はない。本発明のポリペプチドは化学合成を含む任意の方法にて生成することができる。
本発明のポリペプチドは約3以上、5以上、10以上、20以上、25以上、50以上、75以上、100以上、200以上、500以上、1,000以上、又は2,000以上のアミノ酸のサイズである。ポリペプチドは、定義された三次構造を有することができるが、それらは必ずしもそのような構造を有するわけではない。定義された三次構造を持つポリペプチドは、本明細書では折り畳まれたと呼ぶことができ、定義された三次構造を持たず、むしろ多数のことなる立体構造に適応することができるポリペプチドは本明細書では折り畳まれないと呼ばれ得る。本明細書で使用されるとき、糖タンパク質という用語は、アミノ酸残基、たとえば、セリン残基又はアスパラギン残基の酸素含有又は窒素含有の側鎖を介してタンパク質に連結される少なくとも1つの炭水化物部分に結合するポリペプチドを指す。
本明細書で使用されるとき、「単離された」ポリペプチド又はその断片、変異体若しくは誘導体は、その天然環境にはないポリペプチドを指す。特定のレベルの精製は必要とされない。たとえば、単離されたポリペプチドはその未処理の又は天然の環境から取り出すことができる。宿主細胞にて発現された組換えで産生されたポリペプチド及びタンパク質は本発明の目的では単離されたと見なすことができ、好適な技法によって分離され、分画され、又は部分的に若しくは実質的に精製されている天然の又は組換えのポリペプチドも同様である。
前述のポリペプチドの断片又は変異体、及びその組み合わせでもまた、本発明のポリペプチドとして含まれる。「断片」、「変異体」、「誘導体」及び「類似体」という用語には、本発明の抗体又はTDP−43結合ポリペプチドを指す場合、対応する参照抗体又はTDP−43結合分子の抗原結合特性の少なくとも一部を保持するポリペプチドが含まれる。抗原結合抗体の断片のようなTDP−43結合ポリペプチドの断片には、本明細書で開示される追加の抗体断片に加えてタンパク分解断片、ならびに欠失断片が含まれる。抗体(抗原結合抗体の断片を含む)及びアミノ酸の置換、欠失又は挿入による変化したアミノ酸配列を持つポリペプチドのようなTDP−43結合分子の変異体。変異体は天然に又は非天然に生じることができる。当該技術で既知の変異誘発法を用いて天然に存在しない変異体を作出することができる。変異体ポリペプチドは保存的な又は保存的ではないアミノ酸の置換、欠失又は付加を含むことができる。TDP−43に特異的な結合分子の誘導体、たとえば、抗体及び他のTDP−43に特異的な結合分子は、参照ポリペプチドに見られない変化した又は追加の特徴を示すように変化させられているポリペプチドである。TDP−43に特異的な結合分子の誘導体の例には融合タンパク質が挙げられる。変異体ポリペプチドは「ポリペプチド類似体」とも呼ぶことができる。本明細書で使用されるとき、TDP−43に特異的な結合分子の「誘導体」又はその断片は側鎖官能基の反応によって化学的に誘導体化された1以上の残基を有する主題のポリペプチドを指す。「誘導体」として挙げられるのはまた、20の標準アミノ酸の1以上の天然に存在するアミノ酸誘導体を含有するそれらペプチドである。たとえば、いくつかの実施形態によれば、4−ヒドロキシプロリンをプロリンに替えて置き替えることができ、3−メチルヒスチジンをヒスチジンに替えて置き替えることができ、ホモセリンをセリンに替えて置き替えることができ、オルニチンをリジンに替えて置き替えることができる。
本明細書で使用されるとき、「ポリヌクレオチド」又は「核酸」という用語は単一の核酸ならびに複数の核酸を包含し、単離された核酸分子又は構築物、たとえば、メッセンジャーRNA(mRNA)又はプラスミドDNA(pDNA)を含む。ポリヌクレオチドは、従来のホスホジエステル結合又は従来ではない結合(たとえば、ペプチド核酸(PNA)で見られるようなアミド結合)を含むことができる。
「ポリ核酸」という用語はポリヌクレオチドに存在する1以上の核酸断片、たとえば、DNA又はRNAの断片も指すことができる。「単離された」核酸又はポリヌクレオチドによって天然の環境から取り出されている核酸分子、DNA又はRNAが意図される。たとえば、ベクターに含有される抗体の重鎖又は軽鎖の可変ドメインをコードする組換えポリヌクレオチドは本発明の目的では単離されたと見なされる。単離されたポリヌクレオチドのさらなる例には、非相同性の宿主細胞にて維持される組換えポリヌクレオチド又は溶液中の(部分的に又は実質的に)精製されたポリヌクレオチドが挙げられる。単離されたRNA分子には、本発明の生体内の又は試験管内のRNA転写物が挙げられる。本発明に係る単離されたポリヌクレオチド又は核酸はさらに、合成で作出されたそのような分子をさらに含む。加えてポリヌクレオチド又は核酸は、本発明のTDP−43特異的な結合ポリペプチドをコードする配列と操作可能に会合された、たとえば、プロモータ、リボソーム結合部位又は転写ターミネータのような調節要素であることができ、又はそれを含むことができる。
本明細書で使用されるとき、「コーディング領域」は、アミノ酸に翻訳されるコドンから成る核酸の部分である。「停止コドン」(TAG、TGA、又はTAA)はアミノ酸に翻訳されないが、それはコーディング領域の一部と見なされるが、隣接する配列、たとえば、プロモータ、リボソーム結合部位、転写ターミネータ、イントロン等はコーディング領域の一部ではない。本発明の2以上のコーディング領域が、単一ポリヌクレオチド構築物、たとえば、単一のベクターに存在することができ、又は別々のポリヌクレオチド構築物、たとえば、別々の(異なる)ベクターに存在することができる。さらに、ベクターは単一のコーディング領域を含有することができ、又は2以上のコーディング領域を含むことができ、たとえば、単一のベクターが免疫グロブリン重鎖可変領域と免疫グロブリン軽鎖可変領域を別々にコードすることができる。加えて、本発明の核酸を含むベクターは、抗体又はその断片、変異体若しくは誘導体を含むTDP−43結合ポリペプチドをコードする核酸に融合された又は融合されない1以上の非相同コーディング領域を任意でコードすることができる。非相同のコーディング領域には、限定しないで、分泌シグナルペプチド又は非相同の機能的ドメインのような特殊化された要素又はモチーフが挙げられる。
特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド又は核酸はDNAである。ポリペプチドをコードする核酸を含むポリヌクレオチドは任意で、1以上のコーディング領域に操作可能に結合させたプロモータ及び/又は他の転写若しくは翻訳の制御要素を含む。たとえばポリペプチドのような遺伝子産物のためのコーディング領域が、調節配列の影響又は制御のもとで遺伝子産物を発現させるような方法で1以上の調節配列に結合される場合、操作可能な結合が存在する。2つのDNA断片(たとえば、ポリペプチドコーディング領域とそれに結合したプロモータ)は、プロモータ機能の誘導が所望の遺伝子産物をコードするmRNAの転写を生じるのであれば、及び当該2つのDNA断片の間の結合が発現調節配列の遺伝子産物の発現を指向する能力を妨害しない又はDNA鋳型の転写される能力を妨げないのであれば、「操作可能に結合され」又は「操作可能に連結される」。従って、プロモータ領域は、ポリペプチドをコードする核酸と、プロモータがその核酸の転写を達成することが可能であるならば、操作可能に結合することができる。プロモータは、所定の細胞でのみDNAの実質的な転写を指示する細胞特異的なプロモータであり得る。プロモータは構成的であることもでき、又は調節可能であることもできる。本発明の核酸に任意で操作可能に連結される他の転写制御要素には、たとえば、エンハンサ、オペレータ、リプレッサ及び転写終結シグナルが挙げられ、細胞特異的な転写を指示するようにポリヌクレオチドに操作可能に結合することができる。好適なプロモータ及び他の転写制御領域の例は、本明細書で開示されており、さもなければ、当該技術で既知である。
本発明のポリヌクレオチドの発現を制御するのに使用することができる種々の転写制御領域が当該技術で既知である。これらには、限定しないで、サイトメガロウイルスのプロモータ及びエンハンサの断片(イントロンAと併せた最初期プロモータ)、サルウイルス40(早期プロモータ)及びレトロウイルス(たとえば、ラウス肉腫ウイルス)を含むが、これらに限定されない脊椎動物で機能する転写制御領域が挙げられる。他の転写制御領域には、たとえば、アクチン、熱ショックタンパク質、ウシ成長ホルモン及びウサギβ−グロビンのような脊椎動物遺伝子に由来するもの、並びに真核細胞にて遺伝子の発現を制御することが可能である他の配列が挙げられるが、これらに限定されない。追加の好適な転写制御領域には、組織特異的なプロモータ及びエンハンサ、並びにリンホカイン誘導性のプロモータ(たとえば、インターフェロン又はインターロイキンによって誘導可能なプロモータ)が挙げられる。
同様に、種々の好適な翻訳制御要素は当業者に既知である。これらには、リボソーム結合部位、翻訳開始コドン及び停止コドン、及びピコルナウイルスに由来する要素(特に内部リボソーム侵入部位、又はCITE配列とも呼ばれるIRES)が挙げられるが、これらに限定されない。
他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド又は核酸はRNA、たとえば、メッセンジャーRNA(mRNA)の形態である。
本発明のポリヌクレオチド及び核酸のコーディング配列は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの分泌を指示する、たとえば、分泌ペプチド又はシグナルペプチドをコードする追加の非相同のコーディング配列に結合することができる。シグナル仮説によれば、哺乳類細胞によって分泌されるタンパク質は、成長しているタンパク質鎖の粗面小胞体を横切る排出輸送がいったん開始されると成熟タンパク質から切断されるシグナルペプチド又は分泌リーダー配列を有する。当業者は、脊椎動物細胞から分泌されるポリペプチドは、ポリペプチドのN末端に融合されたシグナルペプチドを一般に有し、それが「完全長」のポリペプチドから切断されてポリペプチドの分泌された形態又は「成熟」形態を生じることを知っている。ある特定の実施形態では、天然のシグナルペプチド、たとえば、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖のシグナルペプチドが使用され、又は操作可能に結合されるポリペプチドの分泌を指示する能力を保持しているその配列の機能的な誘導体が使用される。或いは、非相同性の哺乳類のシグナルペプチド又はその機能的誘導体を使用することができる。たとえば、天然のシグナルペプチド配列は、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、マウスβ−グロビン、又は好まれる宿主細胞の分泌されたタンパク質に由来するシグナル配列によって置換することができる。
特に述べない限り、「疾病」及び「疾患」という用語は本明細書では相互交換可能に使用される。
「結合分子」は本明細書で使用されるとき主として、抗体(TRP−43結合抗体の断片又は誘導体を含む)に関するが、ホルモン、受容体、リガンド、主要組織適合複合体(MHC)分子、熱ショックタンパク質(HSP)のようなシャペロン、カドヘリン、インテグリン、C型レクチン及び免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのメンバーのような細胞/細胞接着分子を含むが、これらに限定されないTDP−43を特異的に認識する他のタンパク質及びポリペプチドを指すこともできる。TDP−43を特異的に認識するこれらポリペプチドの断片、変異体及び誘導体も本発明によって包含される。明瞭さのみのために且つ本発明の範囲を制限することなく、以下の実施形態のほとんどは、TDP−43を特異的に認識する本発明の分子及び組成物の一実施形態を表す抗体(抗体の断片及び誘導体を含む)に関して論じられる。
「抗体」及び「免疫グロブリン」という用語は本明細書では相互交換可能に使用される。抗体又は免疫グロブリンは、少なくとも重鎖の可変ドメインを含む、普通、少なくとも重鎖及び軽鎖の可変ドメインを含むTDP−43結合分子である。脊椎動物系の基本的な免疫グロブリンの構造はよく理解されている;たとえば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2版、1988)を参照のこと。以下でさらに詳細に論じるように、「免疫グロブリン」という用語は、生化学的に識別することができる種々の広いクラスのポリペプチドを含む。当該技術で一般に理解されているように、重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ又はイプシロン(γ、μ、α、δ、ε)として、および、それらの間での幾つかのサブクラス(たとえば、γ1〜γ4)で分類される。それは、抗体の「クラス」をそれぞれIgG、IgM、IgA、IgG又はIgEとして決定するこの鎖の性質である。免疫グロブリンのサブクラス(アイソタイプ)、たとえば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1等はよく性状分析されており、本発明の抗体に組み入れられ、又は修飾されてこれらの抗体の機能又は他の特性を改変することができる機能的な特殊化を付与することが知られている。本発明の抗体のクラス及びアイソタイプの改変型は開示を考慮して当業者に容易に認識され、本発明の範囲内である。さらに、免疫グロブリンのクラスが本発明の範囲に包含されるが、簡潔さ及び例示の目的で、以下の考察は一般に免疫グロブリン分子のIgGクラスに向けられる。IgGに関して、標準の免疫グロブリン分子は、およそ23,000ダルトンの分子量の2つの同一の軽鎖ポリペプチドと53,000〜70,000ダルトンの分子量の2つの重鎖ポリペプチドを含む。4つの鎖は通常、「Y」構造にてジスルフィド結合によって連結され、その際、軽鎖は、「Y」の入口で始まって可変領域に連続する重鎖を囲む。
軽鎖ポリペプチドはカッパ又はラムダ(κ、λ)のいずれかに分類される。各重鎖ポリペプチドのクラスはカッパ又はラムダの軽鎖に結合することができる。一般に、軽鎖と重鎖のポリペプチドは互いに共有結合し、2つの重鎖ポリペプチドの「尾」の部分は、互いに共有ジスルフィド結合によって、又は免疫グロブリンがハイブリドーマ、B細胞又は遺伝子操作された宿主細胞のいずれかによって生成される場合、非共有結合によって結合される。重鎖ポリペプチドでは、アミノ酸配列は、Y構造の分岐した端のN末端から各重鎖ポリペプチドの底でのC末端に伸びる。
軽鎖ポリペプチド及び重鎖ポリペプチドは双方とも、構造的な且つ機能的な相同性の領域を含有する。「定常」及び「可変」という用語は機能に関して使用される。この点で、軽鎖(VL)領域及び重鎖(VH)領域双方の可変ドメインは抗原の認識と特異性を決定することが十分に理解されるであろう。逆に、軽鎖(CL)及び重鎖(CH1、CH2又はCH3)の定常ドメインは、たとえば、分泌、経胎盤移行性、Fc受容体結合、補体結合等のような重要な生物学的特性を付与する。慣例により、抗体の抗原結合部位又はアミノ末端から離れるにつれて、定常ドメインの番号付けは大きくなる。重鎖及び軽鎖のポリペプチドのN末端は可変領域であり、C末端部分が定常領域であり;CH3及びCLのドメインは実際、それぞれ、重鎖及び軽鎖のC末端を含む。
上記で示したように、可変領域は抗体が抗原上のエピトープを選択的に認識し、特異的に結合するのを可能にする。すなわち、抗体のVLドメイン、VHドメイン、又は相補性決定領域(CDR)のサブセットが組み合わさって、三次元の抗原結合部位を定義する可変領域を形成する。この4元の抗体構造が、抗体のY構造の各腕の末端にて存在する抗原結合部位を形成する。完全な抗体の抗原結合部位はVH鎖及びVL鎖それぞれの3つのCDRによって規定される。TDP−43に特異的に結合できるようにする十分な免疫グロブリン構造を含有するいかなる抗体(抗体の断片、誘導体及び変異体を含む)も、本明細書では相互交換可能に「結合断片」又は「免疫特異的断片」と呼ばれ、一般にTDP−43を特異的に認識する抗体と呼ぶことができる。
天然に存在する抗体では、抗体は、各抗原結合部位に存在する、「相補性決定領域」又は「CDR」と呼ばれることが多い6つの超可変領域を含む。CDRは、抗原が水性環境にてその三次元構造を取るとき、抗原結合部位を形成する短い、非連続のアミノ酸の配列である。CDRには、CDRよりも内部分子配列の多様性が少ない、4つの相対的に保存された「フレームワーク」領域又は「FR」が隣接する。フレームワーク領域は、主にβシート構造を取り、CDRはβシート構造を接続するループを形成し、場合によってはβシート構造の一部を形成する。従って、フレームワーク領域は、鎖内非共有相互作用によって正しい配向でのCDRの位置決めを提供する足場を形成するように作用する。共同して位置決めされた重鎖及び軽鎖のCDRによって形成された抗原結合ドメインは、免疫反応性抗原のエピトープに相補性の表面を規定する。この相補性の表面が、同族エピトープへの抗体の非共有結合を促進する。それぞれCDR及びフレームワーク領域を含むアミノ酸は、当該技術で既知の方法を用いて所与の重鎖及び軽鎖の可変領域について容易に特定し、定義することができる。その全体が参照によって本明細書に組み入れられる”Sequences of Proteins of Immunological Interest,”Kabat,E.ら、U.S. Department of Health and Human Services,(1983);並びにChothia及びLesk,J.Mol.Biol.,196(1987),901−917を参照のこと。
当該技術で使用され、受け入れられている用語の定義が2以上ある場合、本明細書で使用されるような用語の定義が、明瞭に逆に述べられない限り、そのような意味すべてを含むように意図される。具体例は、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチド双方の可変領域内に見い出される非連続の抗原結合部位を記載するための「相補性決定領域」(「CDR」)という用語の使用である。この特定の領域は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる、Kabatら、U.S.Dept.of Health and Human Services,”Sequences of Proteins of Immunological Interest”(1983)並びにChothia及びLesk,J.Mol.Biol.,196(1987),901−917によって記載されており、定義には互いに対して比較した場合のアミノ酸残基の重なり合い又はサブセットが含まれる。それにもかかわらず、抗体のCDR又はその変異体を指すいずれの定義の適用も、本明細書で使用されるとき、用語CDRの範囲内であることが意図される。上記で引用された文献のそれぞれにて定義されたようなCDRを包含する適当なアミノ酸残基を図1にて示す。特定のCDRを包含する正確な残基番号は、CDRの配列及びサイズに応じて変化する。抗体の可変領域配列を提供された当業者はどの残基がヒトIgG抗体の特定の超可変領域又はCDRを構成するのかを日常的に決定することができる。
Kabatらはまた、任意の抗体に適用できる可変ドメイン配列についての番号付け方式を定義した。当業者は、配列自体を超える実験データを頼ることなく、「Kabatの番号付け」のこの方式を明瞭に可変ドメインの配列に割り当てることができる。本明細書で使用されるとき、「Kabatの番号付け」は、Kabatら、U.S.Dept.of Health and Human Services,”Sequence of
Proteins of Immunological Interest”(1983)によって示された番号付け方式を指す。特定されない限り、本発明の抗体又は抗原結合断片、変異体若しくは誘導体における特定のアミノ酸残基の位置の番号付けへの参照は、Kabat番号付け方式に従うが、それは理論的なものであり、本発明のあらゆる抗体に同等に適用され得るわけではない。たとえば、第1のCDR(すなわち、CDR1)の位置に応じて、以後のCDRはいずれかの方向に移動し得る。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はモノクローナル抗体である。追加の実施形態では、本発明の抗体はポリクローナル抗体ではない。いくつかの実施形態によれば、本発明の抗体は二価又は多重特異性の抗体である。他の実施形態では、本発明の抗体はポリクローナル抗体である。さらなる実施形態では、本発明の組成物はモノクローナル抗体を含有する。追加の実施形態では、本発明の本発明の組成物はポリクローナル抗体を含有しない。
追加の実施形態では、抗体は、ヒト(たとえば、完全なヒト及び/又は完璧なヒト抗体)抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、マウス化抗体又はキメラ抗体である。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、単鎖抗体、エピトープ結合断片、たとえば、Fab、Fab’及びF(ab’)2、Fd、Fv単鎖Fv(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、VL又はVHドメインいずれかを含む断片、Fab発現ライブラリによって産生される断片、又は抗イディオタイプ(抗Id)抗体(たとえば、図1で提供される可変ドメインを含有する抗体及び本明細書で開示される他の抗体に対する抗Id抗体を含む)である。ScFv分子は当該技術で既知であり、たとえば、米国特許第5,892,019号に記載されている。本発明の抗体は、任意の型(たとえば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(たとえば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又は免疫グロブリン分子のサブクラスであり得る。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はIgG1である。他の実施形態では、本発明の抗体はIgG3である。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、5価構造を含有するIgM又はその誘導体ではない。さらに詳しくは、本発明の特定の適用、特に治療用途に関連するものでは、IgMはその5価構造及び親和性成熟の欠如の結果として非特異的な交差反応性及び非常に低い親和性を示すことが多いので、IgMはIgG及び他の2価の抗体又は相当する結合分子よりもあまり望ましくない。
特定の実施形態では、本発明の抗体はポリクローナル抗体ではなく、すなわち、それは血漿免疫グロブリン試料から得た混合物であることではなく、1つの特定の抗体種から実質的に成る。
一実施形態によれば、本発明の抗体はヒトのTDP−43を特異的に認識し、ヒトから単離される「完全に」ヒトのモノクローナル抗体である。ファージディスプレイライブラリ又は異種マウスを用いて特定される単鎖抗体断片(scFv)に由来するもののような他のヒトのモノクローナル抗体と比べて、本発明の完全にヒトのモノクローナル抗体は、(i)動物代理ではなくヒトの免疫応答を用いて得られること、すなわち、ヒト生体におけるその適切な構造での天然の内因性TDP−43に対する応答にて抗体が生成されること、(ii)その個人を保護していること又はTDP−43の存在について少なくとも意義があること、及び(iii)抗体がヒト起源であるという事実によって自己抗原に対する自己反応性のリスクを低減していることを特徴とする。
従って、「完全ヒト抗体」又は「ヒトモノクローナル自己抗体」という用語が「ヒト抗体」、「ヒトモノクローナル抗体」等の用語を包含するが、これらの用語は、ヒト起源である、すなわち、B細胞又はそのハイブリドーマのようなヒト抗体産生細胞又はヒト記憶B細胞のようなヒト抗体産生細胞から直接クローニングされた又はそれに由来するDNAのような核酸を含有する細胞に由来するTDP−43結合分子を示すのに本明細書で使用される。抗体が完全ヒト抗体の1以上のアミノ酸の置換又は他の変化を含有して、たとえば、結合特性を改善する場合、抗体は本開示の目的では「完全ヒト抗体」と見なされる。任意で、本発明の完全ヒト抗体又は他の抗体のフレームワーク領域は、改変され、又は改変されていて、たとえば、MRC Centre for Protein Engineering(英国、ケンブリッジ)によって主催されたVbase(http://vbase.mrc−cpe.cam.ac.uk/)にて利用可能な配列のようなヒトの生殖細胞系列の可変領域配列の一部に一致する。そのような改変は、とりわけ、たとえば、PCRプライマーから生じ得るもののようなクローニング人為結果から生じる生殖細胞系列の配列の逸脱を減らす又は排除するのに有用であることができる。
ヒトの免疫グロブリンライブラリ又は1以上のヒトについてのトランスジェニック動物に由来する抗体は一般に本明細書ではヒト抗体又は「ヒト様抗体」と呼ばれる。そのような免疫グロブリンは以下で記載するように内因性のヒト免疫グロブリンに対応しない。たとえば、米国特許第5,939,598号を参照のこと。たとえば、通常、ファージディスプレイから単離される合成抗体及び半合成抗体のようなヒト様抗体の重鎖及び軽鎖の対合は、元々のヒトB細胞で存在するような元々の対合を必ずしも反映するものではない。従って、組換え発現ライブラリから得られるFab及びscFv断片は人工的であると見なすことができ、その人工的な組成の結果として免疫原性及び安定性の効果を提示し得る。それに反して、本発明の完全ヒト抗体は、選択されたヒト対象から単離された親和性成熟した抗体であり、抗体は人における寛容を特徴としている。
本明細書で使用されるとき、「マウス化抗体」又は「マウス化免疫グロブリン」は、本発明のヒト抗体又は他の抗体の1以上のCDR;と、たとえば、マウス抗体に基づくアミノ酸の置換及び/又は欠失及び/又は挿入を含有するヒトのフレームワークを含む抗体を指す。この場合、CDRを提供するヒト又は他の免疫グロブリンは「親」又は「受容体」と呼ばれ、フレームワークの変化を提供するマウス抗体は「供与体」と呼ばれる。定常領域は存在する必要はないが、存在するのであれば、それらは普通、マウス抗体の定常領域と実質的に同一であり、すなわち、少なくとも約85〜90%又は少なくとも約95%、約97%、約98%又は約99%以上マウスの定常領域の対応する配列と同一である。従って、いくつかの実施形態では、完全なマウス化されたヒト重鎖又は軽鎖免疫グロブリンは、マウス定常領域、1以上のヒトCDR及び多数の「マウス化」アミノ酸置換を有する実質的にヒトのフレームワークを含有する。通常、「マウス化された抗体」は、マウス化された軽鎖及び/又はマウス化された重鎖を含む抗体である。たとえば、キメラ抗体の可変領域全体は非マウスであるのでマウス化された抗体は典型的なキメラ抗体を含まない。「マウス化」の過程によって「マウス化」されている改変された抗体は、CDRを提供する親抗体と同様の抗原に結合し、普通、親抗体と比べてマウスにて免疫原性が低い。
本明細書で使用されるとき、「重鎖部分」という用語には、免疫グロブリンの重鎖に由来するアミノ酸配列が含まれる。重鎖部分を含むポリペプチドは、CH1ドメイン、ヒンジ(たとえば、上部、中部及び/又は下部のヒンジ領域)ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン又はその変異体若しくは断片の少なくとも1つを含む。たとえば、本発明の結合ポリペプチドは、可変領域又は可変領域の部分(たとえば、1以上のCDR、たとえば、VHCDR3)を単独で、又はCH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部、及びCH2ドメインを含むポリペプチド鎖との組み合わせで含むポリペプチド;CH1ドメイン及びCH3ドメインを含むポリペプチド鎖;CH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部、及びCH3ドメインを含むポリペプチド鎖、又はCH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むポリペプチド鎖を含むことができる。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、可変領域又は可変領域の部分(たとえば、1以上のCDRs、たとえば、VHCDR3)とCH3ドメイン含むポリペプチド鎖とを含む。さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドは、CH2ドメインの少なくとも一部を欠く(たとえば、CH2ドメインのすべて又は一部)。本明細書で述べられるように、及び当業者によって十分に理解されるように、上記の重鎖ポリペプチドドメイン(たとえば、重鎖部分)は、それらが天然に存在する免疫グロブリン分子とはアミノ酸配列で異なるように修飾することができる。従って、本発明は本発明の重鎖部分の断片、変異体及び誘導体を含むポリペプチドを包含する。
いくつかの実施形態によれば、抗体のポリペプチド鎖の1本の重鎖部分(抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)は、抗体の第2のポリペプチド鎖のそれらと同一である。代わりの実施形態では、抗体のポリペプチド鎖の1本の重鎖部分(抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)は、抗体の第2のポリペプチド鎖のそれらとは異なる。従って、本発明の抗体の各モノマー成分は異なる標的結合部位を含むことができ、たとえば、二重特異性の抗体又は二特異性抗体を形成することができる。
単鎖抗体を含む本発明の抗体断片は、可変領域又は可変領域の一部(たとえば、1以上のCDR、たとえば、VHCDR3又はVLCDR3)を単独で、又は以下:ヒンジ領域、CH1、CH2及びCH3ドメインの全体又は一部と組み合わせて含むことができる。本発明によって包含されるのはまた、可変領域とヒンジ領域、CH1、CH2及びCH3ドメインの任意の組み合わせを含むTDP−43結合断片である。本発明の抗体(その免疫特異的な断片を含む)は鳥類及び哺乳類を含む任意の動物起源に由来することができる。一実施形態では、抗体は、ヒト、マウス、ロバ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ラマ、ウマ又はニワトリの抗体である。別の実施形態では、可変領域は、(例えばサメからの)コンドリクトイド(condricthoid)起源であり得る。
別の実施形態では、本明細書で開示される抗体は、scFvのような単鎖ポリペプチドで構成され、考えられる生体内での治療及び診断の応用のために細胞内(生体内)で発現されるものである。
本明細書で開示される診断法及び治療法で使用するための結合ポリペプチドの重鎖部分又は軽鎖部分は異なる免疫グロブリン分子に由来することができる。たとえば、ポリペプチド重鎖部分はIgG1分子に由来するCH1ドメインとIgG3分子に由来するヒンジ領域を含むことができる。別の例では、重鎖部分は部分的にはIgG1分子に由来し、部分的にはIgG3分子に由来するヒンジ領域を含むことができる。別の例では、重鎖部分は部分的にはIgG1分子に由来し、部分的にはIgG4分子に由来するキメラヒンジを含むことができる。
本明細書で使用されるとき、「軽鎖部分」という用語には、免疫グロブリン軽鎖に由来するアミノ酸配列が含まれる。一実施形態では、軽鎖部分は少なくとも1つのVL又はCLドメインを含む。本明細書で使用されるとき、「軽鎖部分」には免疫グロブリン軽鎖に由来するアミノ酸配列が含まれる。軽鎖部分を含むポリペプチドは、少なくとも軽鎖可変領域又は可変領域の一部(たとえば、1以上のCDR、たとえば、VLCDR3)を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖部分にはCH1ドメインが含まれる。別の実施形態では、軽鎖部分はVL又はCLドメインの少なくとも一方を含む。これらの軽鎖部分の断片、変異体及び誘導体を含むポリペプチドも本発明によって包含される。
抗体のためのペプチド又はポリペプチドのエピトープの最小サイズは約4〜5のアミノ酸であると考えられる。ペプチド又はポリペプチドのエピトープは、少なくとも7、少なくとも9又は少なくとも約15〜約30の間のアミノ酸を含有することができる。CDRは抗原性のペプチド又はポリペプチドを三次元形態で認識することができるので、エピトープを構成するアミノ酸は連続する必要はなく、場合によっては、同一ペプチド鎖になくてもよい。一実施形態によれば、本発明の抗体によって認識されるペプチド又はポリペプチドのエピトープは、TDP−43の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25の連続する又は連続しないアミノ酸の配列を含有する。追加の実施形態では、本発明の抗体によって認識されるペプチド又はポリペプチドのエピトープは、TDP−43の約5〜約30の間、約10〜約30の間又は約15〜約30の間の連続する又は連続しないアミノ酸を含有する。
「特異的に結合すること」及び「特異的に認識すること」という用語は、本明細書では相互交換可能に使用され、無作為で無関係なエピトープ又は抗原に結合するよりもさらに容易にエピトープ又は抗原に結合する結合分子(たとえば、抗体のようなポリペプチド)を一般に指す。当該技術で理解されるように、抗体は、非連続性エピトープの線形部分に対応するアミノ酸残基を含む又はそれから成る単離されたポリペプチドに特異的に結合し、又はそれを特異的に認識する。「特異性」という用語は特定のエピトープ又は抗原に特定の抗体が結合する相対的な親和性を特性づけるのに本明細書で使用される。たとえば、抗体「A」は所与のエピトープに対して抗体「B」よりも高い特異性を有すると考えることができ、又は抗体「A」は、関連するエピトープ「D」について有するよりも高い特異性でエピトープ「C」に結合すると言うことができる。たとえば、抗体「A」は所与のエピトープに対して抗体「B」よりも高い特異性を有すると考えることができ、又は抗体「A」は、関連するエピトープ「D」について有するよりも高い特異性でエピトープ「C」に結合すると言うことができる。同様に、抗体「A」は所与の抗原に対して抗体「B」よりも高い特異性を有すると考えることができ、又は抗体「A」は、関連する抗原「D」について有するよりも高い特異性で抗原「C」に結合すると言うことができる。
存在する場合、抗体の抗原との、「免疫的な結合特性」という用語又は他の結合特性は、その文法的形態のすべてにおいて、抗体の特異性、親和性、交差反応性、又は他の結合特性を指す。
「優先的に結合すること」は、結合分子、たとえば、抗体が、関連する、類似の、相同の、又は類似のエピトープ又は抗原に結合するよりもさらに容易にエピトープ又は抗原に特異的に結合することを意味する。従って、所与のエピトープ又は抗原に「優先的に結合する」抗体は、そのエピトープ又は抗原に、関連するエピトープ又は抗原よりも(そのような抗体はその関連するエピトープ又は抗原に交差反応することができるが)結合する可能性が高い。
非限定例の目的で、結合分子、たとえば、抗体は、第2のエピトープ又は抗原に対する抗体の解離定数(KD)よりも低いKDで第1のエピトープ又は抗原に結合するのであれば、前記第1のエピトープ又は抗原に優先的に結合すると見なすことができる。別の非限定例では、抗体は、第2のエピトープ又は抗原に対する抗体のKDよりも少なくとも一桁小さい親和性で第1のエピトープ又は抗原と結合するのであれば、第1の抗原に優先的と結合すると見なすことができる。別の非限定例では、抗体は、第2のエピトープ又は抗原に対する抗体のKDよりも少なくとも二桁小さい親和性で第1のエピトープ又は抗原と結合するのであれば、第1のエピトープ又は抗原を優先的に結合すると見なすことができる。
別の非限定例では、結合分子、たとえば、抗体は、第2のエピトープ又は抗原に対する抗体のオフ速度(k(off))よりも小さい(k(off))で第1のエピトープ又は抗原と結合するのであれば、第1のエピトープ又は抗原を優先的に結合すると見なすことができる。別の非限定例では、抗体は、第2のエピトープ又は抗原に対する(k(off))よりも少なくとも一桁小さい親和性で第1のエピトープと結合するのであれば、第1の抗原に優先的と結合すると見なすことができる。別の非限定例では、抗体は、第2のエピトープ又は抗原に対する(k(off))よりも少なくとも二桁小さい親和性で第1のエピトープ又は抗原と結合するのであれば、第1のエピトープ又は抗原を優先的に結合すると見なすことができる。
一実施形態によれば、TDP−43結合分子(たとえば、抗体の抗原結合性の断片又は変異体又はその誘導体を含む抗体)は、5×10−2秒−1、10−2秒−1、5×l0−3秒−1又はl0−3秒−1以下のオフ速度(k(off))でTDP−43又はその断片若しくは変異体と結合する。別の実施形態では、TDP−43結合分子は、5×10−4秒−1、10−4秒−1、5×10−5秒−1、又は10−5秒−1、5×10−6秒−1、10−6秒−1、5×10−7秒−1又は10−7秒−1以下のオフ速度(k(off))でTDP−43又はその断片若しくは変異体と結合する。
別の実施形態によれば、TDP−43結合分子(たとえば、抗体の抗原結合性の断片又は変異体又はその誘導体を含む抗体)は、103M−1秒−1、5×103M−1秒−1、104M−1秒−1又は5×104M−1秒−1以上のon速度(k(on))でTDP−43又はその断片若しくは変異体に結合する。別の実施形態では、本発明のTDP−43結合分子は、105M−1秒−1、5×105M−1秒−1、106M−1秒−1、又は5×106M−1秒−1又は107M−1秒−1以上のon速度(k(on))でTDP−43又はその断片若しくは変異体に結合する。
本発明はまた、TDP−43との結合について本発明の1以上のTDP−43結合分子と競合するTDP−43結合分子も包含する。本発明の目的で、TDP−43結合分子(たとえば、抗体)は、それが、参照抗体のエピトープ又は抗原への結合をある程度阻害する程度に所与のエピトープ又は抗原に優先的に結合するのであれば、参照TDP−43結合分子(たとえば、抗体)のそのエピトープ又は抗原への結合を競合的に阻害すると言われる。競合阻害は、当該技術で既知の方法、たとえば、競合ELISAアッセイによって測定することができる。一実施形態によれば、TDP−43結合分子(たとえば、抗体)は所与のエピトープ又は抗原への参照TDP−43結合分子(たとえば、抗体)の結合を少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%又は少なくとも50%競合的に阻害する。
本明細書で使用されるとき、「親和性」という用語は、個々のエピトープ又は抗原のTDP−43結合分子(たとえば、その断片、変異体又は誘導体を含む抗体)への結合の強さの尺度を指す。たとえば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2版(1988)、27〜28ページを参照のこと。本明細書で使用されるとき、「結合活性」という用語は、免疫グロブリンの集団と抗原の間での複合体の全体的な安定性、すなわち、免疫グロブリン混合物の抗原との機能的な結合強度を指す。たとえば、Harlowの29−34ページを参照のこと。結合活性は、特異的なエピトープ又は抗原との集団における個々の免疫グロブリン分子の親和性と免疫グロブリン及び抗原の価数の双方に関連する。たとえば、二価のモノクローナル抗体と、ポリマーのような高度に反復するエピトープ構造を持つ抗原との間での相互作用は高い結合活性の1つであろう。抗原に対する抗体の親和性又は結合活性は、好適な方法;たとえば、Berzofskyら、”Antibody−Antigen Interactions”In Fundamental Immunology,Paul,W.E.編、Raven Press New York,N.Y.(1984),Kuby,Janis Immunology,W.H.Freeman and Company New York,N.Y.(1992)を参照、及び本明細書で記載される方法用いて実験的に決定することができる。抗原に対する抗体の親和性を測定する一般的な技法には、ELISA、RIA及び表面プラスモン共鳴が挙げられる。特定の抗体/抗原相互作用の測定された親和性は異なる条件下、たとえば、塩濃度、pHで測定されれば、変化し得る。従って、親和性及び他の抗原結合パラメータ、たとえば、KD、IC50の測定は好ましくは、抗体及び抗原の標準化された溶液及び標準化された緩衝液で行う。
本発明のTDP−43結合分子(たとえば、抗体の抗原結合性の断片又は変異体又はその誘導体を含む抗体)は、その交差反応性の点でも記載され、特定される。本明細書で使用されるとき、「交差反応性」という用語は、1つの抗原に特異的なTDP−43結合分子(たとえば、抗体)の第2の異なる抗原と反応する能力を指し;多くの場合2つの異なる抗原性物質の間での同系性の程度を反映する尺度である。
たとえば、ある特定の抗体は、それらが、参照のエピトープ又は抗原に対して少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、及び少なくとも50%の同一性(本明細書で記載される方法又はさもなければ当該技術で既知の方法を用いて算出されるとして)を持つ関連するが、同一ではないエピトープ又は抗原、たとえば、エピトープと結合するという点で、ある程度の交差反応性を有する。抗体は、それがエピトープ又は抗原の他の類似体、オルソログ又はホモログと結合しないのであれば、特定のエピトープに対して「高度に特異的」であると考えられる。一実施形態によれば、TDP−43結合分子(たとえば、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体を含む抗体)は、参照のエピトープ又は抗原に対して95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、及び50%未満の同一性(本明細書で記載される方法又はさもなければ当該技術で既知の方法を用いて算出されるとして)を持つエピトープと生理的な条件下で結合しない。
本発明のたとえば、抗体(抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体を含む)のようなTDP−43結合分子は、TDP−43への結合親和性という点でも記載することができる。一実施形態によれば、TDP−43結合分子(たとえば、その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む抗体)の結合親和性は、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×10−4M、10−4M、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10−7M、5×10−8M、10−8M、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13 M、5×10−14M、10−14M、5×10−15M、又は10−15M未満の解離定数又はKdを有するものを含む。
種々の免疫グロブリンクラスの定常領域のサブユニット構造及び三次元構造は周知である。本明細書で使用されるとき、「VHドメイン」という用語には、免疫グロブリン重鎖のアミノ末端可変ドメインが含まれ、「CH1ドメイン」という用語には、免疫グロブリン重鎖の第1(最もアミノ末端)の定常領域が含まれる。CH1ドメインはVHドメインに隣接し、免疫グロブリン重鎖分子のヒンジ領域に対してアミノ末端である。
本明細書で使用されるとき、「CH2ドメイン」という用語には、たとえば、従来の番号付けスキームを用いて抗体のほぼ残基244〜残基360(残基244〜360、Kabat番号付け方式;及び残基231〜340、EU番号付け方式、Kabat EAら、op.citを参照)に伸びる重鎖分子の部分が含まれる。CH2ドメインは別のドメインと密接に対合しないという点で独特である。むしろ、2つのN−結合分岐糖鎖が、無傷の天然のIgG分子の2つのCH2ドメインの間に割り込む。CH3ドメインが、CH2ドメインからIgG分子のC末端に伸び、約108の残基を含むこともよく記録されている。
本明細書で使用されるとき、「ヒンジ領域」という用語には、CH1ドメインをCH2ドメインに接続する重鎖分子の部分が含まれる。このヒンジ領域は約25の残基を含み、柔軟性なので、2つのN末端抗原結合領域が独立して移動するのを可能にする。ヒンジ領域は、3つの異なるドメイン、すなわち上部、中部及び下部のドメインにさらに分割することができる;Rouxら、J.Immunol.161(1998),4083を参照のこと。
本明細書で使用されるとき、「ジスルフィド結合」という用語には、2つのイオウ原子の間で形成される共有結合が含まれる。アミノ酸システインは、第2のチオール基とのジスルフィド結合又は架橋を形成することができるチオール基を含む。ほとんどの天然に存在するIgG分子では、CH1とCL領域はジスルフィド結合によって連結され、2つの重鎖は、Kabat番号付け方式を用いた239及び242(EU番号付け方式では226位又は229位)に対応する位置で2つのジスルフィド結合によって連結される。
本明細書で使用されるとき、「連結される」、「融合される」又は「融合」という用語は相互交換可能に使用される。これらの用語は、化学的抱合及び組換え手段を含む任意の手段を用いて2以上の要素又は成分を一緒に連結することを指す。「インフレーム融合」は、元々のオープンリーディングフレーム(ORF)の正確な翻訳リーディングフレームを維持する方法で2以上のポリヌクレオチドのORFを連結して連続するさらに長いORFを形成することを指す。従って、組換え融合タンパク質は、元々のORF(断片が正常では実際にはそのように連結されない)によってコードされるポリペプチドに相当する2以上の断片を含有する単一のタンパク質である。こうしてリーディングフレームが融合した断片全体にわたって連続にされるが、たとえば、インフレームのリンカー配列によって断片を物理的に又は空間的に分離することができる。たとえば、免疫グロブリン可変領域のCDRをコードするポリヌクレオチドをインフレームで融合することができるが、「融合された」CDRが連続するポリペプチドの一部として同時翻訳される限り、少なくとも1つの免疫グロブリンのフレームワーク領域又は追加のCDR領域をコードするポリヌクレオチドによって分離することができる。
「発現」という用語は本明細書で使用されるとき、遺伝子が生体化学物質、たとえば、RNA又はポリペプチドを産出する過程を指す。過程には、限定しないで、遺伝子のノックダウン、ならびに遺伝子の一過性の発現及び安定な発現の双方を含む、いかなる細胞内での遺伝子の機能的存在の発現も含まれる。それには、限定しないで、遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)、小分子ヘアピンRNA(shRNA)、小分子干渉RNA(siRNA)又は他のRNA産物への転写、及びそのようなmRNAのポリペプチドへの翻訳が含まれる。最終的な所望の産物が生体化学物質であれば、発現にはその生体化学物質及び任意の前駆物質の創生が含まれる。遺伝子の発現は「遺伝子産物」を作出する。本明細書で使用されるとき、遺伝子産物は、核酸、たとえば、遺伝子の転写によって作出されるメッセンジャーRNA、又は転写物から翻訳されるポリペプチドのいずれかであり得る。本明細書で記載される遺伝子産物にはさらに、転写後修飾、たとえば、ポリアデニル化を伴う核酸、又は翻訳後修飾、たとえば、メチル化、グリコシル化、脂質の付加、他のタンパク質サブユニットとの会合、タンパク分解切断等を伴うポリペプチドが含まれる。
本明細書で使用されるとき、「試料」という用語は対象又は患者から得られる生体物質を指す。一実施形態では、試料は、血液、脳脊髄液(「CSF」)又は尿を含む。別の実施形態では、試料は、全血、血漿、血液試料から濃縮されたB細胞、又は培養された細胞(たとえば、対象からのB細胞)を含む。別の実施形態では、本発明の試料は、神経組織を含む生検試料又は組織試料を含む。さらなる実施形態では、本発明の試料は、全細胞又は細胞の溶解物を含む。血液試料及びCSF試料を含む本発明の試料は当該技術で既知の方法を用いて採取することができる。
本明細書で使用されるとき、「治療する」又は「治療」という用語は、治療上の処置及び予防的な又は保護的な対策を指し、その際、目的は認知症の発症のような望ましくない生理的変化又は疾病を防ぐこと又は遅らせる(減らす)ことである。有益な又は望ましい臨床的な結果には、検出可能であろうとなかろうと、症状の緩和、疾患の程度の低下、疾患の安定化した(すなわち、悪化しない)状態、疾患の進行の遅延又は遅れ、疾患の状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的であれ、全体的であれ)が挙げられるが、これらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けない場合に予想される生存に比べて延長する生存も意味することができる。治療の必要なものには、状態又は疾病をすでに持つものと同様に状態又は疾病を有する傾向にあるもの又は状態又は疾病の兆候が予防されるべきであるものが含まれる。
「対象」又は「個体」又は「動物」又は「患者」又は「哺乳類」は、診断、予後診断、予防又は治療が望まれる対象、特に哺乳類対象、たとえば、ヒト患者を意味する。
II.抗体
TDP−43と選択的に結合する抗体が本発明によって包含される。本明細書で使用されるとき、抗体(単数)又は抗体(複数)という用語は、完全抗体、ならびにこれら完全抗体のTDP−43結合性の抗体の断片及び変異体及び誘導体又はTDP−43と結合する抗体断片を包含する。一実施形態では、本発明の抗体は、実施例及び本明細書のどこかで開示される抗体の構造特性(たとえば、配列)、免疫結合特性(たとえば、IC50又はエピトープ結合)及び/又は生物特性のうちの少なくとも1、2、3、4、5、またそれ以上を示す。
いくつかの実施形態によれば、本発明の抗体は完全ヒト抗体である。本発明はまた、完全ヒト抗体の断片、変異体及び誘導体も包含する。実施例にて開示されるように、本明細書で開示される完全ヒト抗体は健常な対象の試料のプールから得た。潜在的興味のある抗体をクラス及び軽鎖サブクラスの決定のために分析し、選択したB細胞培養物からのメッセージをRT−PCRによって転写し、組換え産生にために発現ベクターにクローニングし、組み合わせた。添付の実施例を参照のこと。次いで完全ヒト抗体を組換えによってHEK293細胞にて発現させ、その後、完全長のTDP−43、切り詰めたTDP−43及びTDP−43の修飾した形態に対するそれらの結合特異性に基づいて性状分析した(図2、4〜7、10及び11)。この性状分析は、TDP−43に高度に特異的であり、TDP−43タンパク質内の異なるエピトープを認識するヒト抗体が初めてクローニングされていることを確認した。
従って、一実施形態によれば、本発明は一般にTDP−43を特異的に認識する抗体に関する。さらなる実施形態では、本発明はTDP−43を特異的に認識するヒト抗体を対象とする。その上さらなる実施形態では、本発明はTDP−43を特異的に認識する総体ヒト抗体を対象とする。追加の実施形態では、本発明は、本発明のTDP−43と結合する無傷のヒト抗体(完全ヒト抗体を含む)のTDP−43と結合する断片、変異体又は誘導体を包含する。別の実施形態では、本発明の抗体は、ウエスタンブロットにて完全長の、切り詰めた又は病的なヒトTDP−43を特異的に認識する。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、ウエスタンブロットにて完全長の又は病的なTDP−43と選択的に結合する。別の実施形態では、本発明の抗体は、ELISAにて完全長の、切り詰めた又は病的なヒトTDP−43を特異的に認識する。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、ELISAにて完全長の又は病的なTDP−43と選択的に結合する。別の実施形態では、本発明の抗体は、免疫組織化学にて完全長の、切り詰めた又は病的なヒトTDP−43を特異的に認識する。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、免疫組織化学にて完全長の又は病的なTDP−43と選択的に結合する。別の実施形態では、本発明の抗体は、海馬の免疫組織化学にて完全長の、切り詰めた又は病的なヒトTDP−43の任意の組み合わせを特異的に認識する。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、海馬の免疫組織化学にて完全長の又は病的なTDP−43と選択的に結合する。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、ヒトFTLD-U海馬の免疫組織化学にて核のTDP−43、細胞質のTD
P−43、軸索のTDP−43、又は神経突起のTDP−43のうちの1以上と選択的に結合する。別の実施形態では、本発明の抗体は、ヒトFTLD-U海馬の免疫組織化学に
おける海馬顆粒細胞にて細胞質のTDP−43及び神経突起のTDP−43のうちの1以上と選択的に結合する。一実施形態によれば、本発明の抗体は病的なヒトTDP−43を特異的に認識する。
別の実施形態では、本発明は、NI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメインを有する参照抗体と同じTDP−43のエピトープに特異的に結合する抗体(その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)を包含する。さらなる実施形態では、抗体(その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)は、NI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される参照抗体と同じTDP−43のエピトープに特異的に結合する。
別の実施形態では、本発明は、QYGDVMDVFIP(配列番号123);AAIGWGSASNA(配列番号124);DMTEDELREFF(配列番号125)、EDENDEP(配列番号126)、VQVKKDL(配列番号127)、KEYFSTF(配列番号128)、IIKGISV(配列番号315)、NQSGPSG(配列番号316)、FNGGFGS(配列番号317)、FGNSRGGGAGL(配列番号318)、SNAGSGSGFNG(配列番号319)、QLERSGRFGGN(配列番号320)、EIPSEDD(配列番号321)、FNGGFGSSMDS(配列番号322)及びSINPAMMAAAQAALQSSWGMMGMLASQ(配列番号323)から選択されるTDP−43のポリペプチド配列に特異的に結合する抗体(その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)を包含する。別の実施形態では、本発明は、TDP−43ポリペプチドFGNSRGGGAGL(配列番号318)及びSNAGSGSGFNG(配列番号319)に特異的に結合する抗体(その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)を包含する。別の実施形態では、本発明は、TDP−43ポリペプチドSINPAMMAAAQAALQSSWGMMGMLASQ(配列番号323)に特異的に結合するが、SINPGGGAAAQAALQSSWGMMGMLASQ(配列番号314)には特異的に結合しない抗体(その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)を包含する。
さらなる実施形態では、本発明は、NI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメインを有する参照抗体によるTDP−43への結合を競合的に阻害する抗体(その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)を包含する。
さらなる実施形態では、抗体(その抗原結合性の断片、変異体又は誘導体を含む)は、NI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される参照抗体によるTDP−43への結合を競合的に阻害する。
実施例にて示されるように、本発明はTDP−43の異なる部分及びエピトープに結合する抗体を包含する。いくつかの実施形態によれば、本発明の抗体はTDP−43の線形エピトープと結合する。他の実施形態によれば、本発明の抗体はTDP−43の立体配座エピトープに結合する。追加の実施形態では、本発明の抗体は、TDP−43ドメインI(配列番号94のアミノ酸残基2〜106)、TDP−43ドメインII(ア配列番号94のミノ酸残基99〜204)、TDP−43ドメインIII(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)、及びTDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)から成る群から選択されるTDP−43のドメインと選択的に結合する。別の実施形態では、抗TDP−43抗体はTDP−43の切り詰められた形態を認識しない。追加の実施形態では、本発明はTDP−43のN末端1〜259断片を認識する抗TDP−43抗体を提供する。さらなる実施形態では、抗TDP−43抗体は病的なTDP−43と選択的に結合する。さらなる実施形態では、抗TDP−43抗体はTDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)と特異的に結合するが、A321G、M322G及びM323Gの置換を含むTDP−43ドメインIVと特異的に結合しない。
本発明は、異なるTDP−43特異性を有するヒト抗TDP−43抗体を包含するので、それは診断目的又は治療目的に特に有用である。本発明はまたNI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される参照抗体に存在するものから選択されるアミノ酸配列を有する抗原結合ドメインを含む抗体も対象とする。
実施例及び図面は、図1A〜1K及び3A〜3Rに示され、表2に列記されるアミノ酸配列のいずれか1つを含むVH及び/又はVLの可変領域の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)をその結合ドメインにて含有することを特徴とするTDP−43結合分子を開示する。これらの可変領域をコードする対応するヌクレオチド配列を表3で示す。VH及び/又はVLの領域の上記アミノ酸配列のCDRの例となる組を図1A〜1K及び3A〜3Rに示す。しかしながら、当業者によって理解されるように、TDP−43と特異的に結合するが、CDR2及びCDR3の場合、1、2、3又はそれ以上のアミノ酸によって図1A〜1K及び3A〜3Rにて示すものとはアミノ酸配列が異なる追加の又は代わりのCDRを使用することができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号3〜5、7〜9、11〜13、15〜17、19〜21、23〜25、28〜30、32〜34、37〜39、42〜44、46〜48、50〜52、54〜56、58〜60、62〜64、66〜68、70〜72、74〜76、79〜81、84〜86、88〜93、131〜133、135〜137、139〜141、143〜145、147〜149、152〜154、156〜158、160〜162、164〜166、168〜170、172〜174、176〜178、180〜182、184〜186、188〜190、192〜194、196〜198、200〜202、204〜206、208〜210、212〜214、216〜218、220〜222、224〜226、228〜230、232〜234、236〜238、240〜242、244〜246、248〜250、252〜254、256〜258、260〜262、264〜266、268〜270、272〜274及び326〜328から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る少なくとも1つのCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号3〜5、7〜9、11〜13、15〜17、19〜21、23〜25、28〜30、32〜34、37〜39、42〜44、46〜48、50〜52、54〜56、58〜60、62〜64、66〜68、70〜72、74〜76、79〜81、84〜86、88〜93、131〜133、135〜137、139〜141、143〜145、147〜149、152〜154、156〜158、160〜162、164〜166、168〜170、172〜174、176〜178、180〜182、184〜186、188〜190、192〜194、196〜198、200〜202、204〜206、208〜210、212〜214、216〜218、220〜222、224〜226、228〜230、232〜234、236〜238、240〜242、244〜246、248〜250、252〜254、256〜258、260〜262、264〜266、268〜270、272〜274及び326〜328から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る1、2、3、4、5又は6のCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号3〜5及び7〜9、11〜13及び15〜17、19〜21及び23〜25、28〜30及び32〜34、37〜39及び42〜44、46〜48及び50〜52、54〜56及び58〜60、62〜64及び66〜68、70〜72及び74〜76、79〜81及び84〜86、88〜93、131〜133及び135〜137、139〜141及び143〜145、147〜149及び152〜154、156〜158及び160〜162、164〜166及び168〜170、172〜174及び176〜178、180〜182及び184〜186、188〜190及び192〜194、196〜198及び200〜202、204〜206及び208〜210、212〜214及び216〜218、220〜222及び224〜226、228〜230及び232〜234、236〜238及び240〜242、244〜246及び248〜250、252〜254及び256〜258、260〜262及び264〜266、268〜270及び272〜274、並びに147〜149及び326〜328から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る1、2、3、4、5又は6のCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号3〜5、11〜13、19〜21、28〜30、37〜39、46〜48、54〜56、62〜64、70〜72、79〜81、88〜90、131〜133、139〜141、147〜149、156〜158、164〜166、172〜174、180〜182、188〜190、196〜198、204〜206、212〜214、220〜222、228〜230、236〜238、244〜246、252〜254、260〜262、及び268〜270から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る1、2又は3のVHCDRを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号7〜9、15〜17、23〜25、32〜34、42〜44、50〜52、58〜60、66〜68、74〜76、84〜86、91〜93、135〜137、143〜145、152〜154、160〜162、168〜170、176〜178、184〜186、192〜194、200〜202、208〜210、216〜218、224〜226、232〜234、240〜242、248〜250、256〜258、264〜266、272〜274及び326〜328から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る1、2又は3のVLCDRを含む。
一実施形態によれば、本発明の抗体は、配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260、若しくは268のVHCDR1;配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261、若しくは269のVHCDR2;又は配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262、若しくは270のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含む。別の実施形態によれば、抗体は、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272若しくは326のVLCDR1;配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273若しくは327のVLCDR2;又は配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274若しくは328のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260、若しくは268のVHCDR1;配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261、若しくは269のVHCDR2;又は配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262、若しくは270のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含み、さらに、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272若しくは326のVLCDR1;配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273若しくは327のVLCDR2;又は配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274若しくは328のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
一実施形態によれば、本発明の抗体は、配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260、又は268のVHCDR1;配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261、又は269のVHCDR2;及び配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262、又は270のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含む。別の実施形態によれば、抗体は、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272又は326のVLCDR1;配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273又は327のVLCDR2;及び配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274又は328のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260、又は268のVHCDR1;配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261、又は269のVHCDR2;及び配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262、又は270のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含み、さらに、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272又は326のVLCDR1;配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273又は327のVLCDR2;及び配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274又は328のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号3のVHCDR1、配列番号4のVHCDR2、及び配列番号5のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号7のVLCDR1、配列番号8のVLCDR2、及び配列番号9のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号11のVHCDR1、配列番号12のVHCDR2、及び配列番号13のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号15のVLCDR1、配列番号16のVLCDR2、及び配列番号17のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号19のVHCDR1、配列番号20のVHCDR2、及び配列番号21のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号23のVLCDR1、配列番号24のVLCDR2、及び配列番号25のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号28のVHCDR1、配列番号29のVHCDR2、及び配列番号30のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号32のVLCDR1、配列番号33のVLCDR2、及び配列番号34のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号37のVHCDR1、配列番号38のVHCDR2、及び配列番号39のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号42のVLCDR1、配列番号43のVLCDR2、及び配列番号44のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号46のVHCDR1、配列番号47のVHCDR2、及び配列番号48のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号50のVLCDR1、配列番号51のVLCDR2、及び配列番号52のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号54のVHCDR1、配列番号55のVHCDR2、及び配列番号56のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号58のVLCDR1、配列番号59のVLCDR2、及び配列番号60のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号62のVHCDR1、配列番号63のVHCDR2、及び配列番号64のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号66のVLCDR1、配列番号67のVLCDR2、及び配列番号68のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号70のVHCDR1、配列番号71のVHCDR2、及び配列番号72のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号74のVLCDR1、配列番号75のVLCDR2、及び配列番号76のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号79のVHCDR1、配列番号80のVHCDR2、及び配列番号81のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号84のVLCDR1、配列番号85のVLCDR2、及び配列番号86のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号88のVHCDR1、配列番号89のVHCDR2、及び配列番号90のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号91のVLCDR1、配列番号92のVLCDR2、及び配列番号93のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号131のVHCDR1、配列番号132のVHCDR2、及び配列番号133のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号135のVLCDR1、配列番号136のVLCDR2、及び配列番号137のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号147のVHCDR1、配列番号148のVHCDR2、及び配列番号149のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号152のVLCDR1、配列番号153のVLCDR2、及び配列番号154のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号147のVHCDR1、配列番号148のVHCDR2、及び配列番号149のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号326のVLCDR1、配列番号327のVLCDR2、及び配列番号328のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号156のVHCDR1、配列番号157のVHCDR2、及び配列番号158のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号160のVLCDR1、配列番号161のVLCDR2、及び配列番号162のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号164のVHCDR1、配列番号165のVHCDR2、及び配列番号166のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号168のVLCDR1、配列番号169のVLCDR2、及び配列番号170のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号172のVHCDR1、配列番号173のVHCDR2、及び配列番号174のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号176のVLCDR1、配列番号177のVLCDR2、及び配列番号178のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号180のVHCDR1、配列番号181のVHCDR2、及び配列番号182のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号184のVLCDR1、配列番号185のVLCDR2、及び配列番号186のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号188のVHCDR1、配列番号189のVHCDR2、及び配列番号190のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号192のVLCDR1、配列番号193のVLCDR2、及び配列番号194のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号196のVHCDR1、配列番号197のVHCDR2、及び配列番号198のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号200のVLCDR1、配列番号201のVLCDR2、及び配列番号202のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号204のVHCDR1、配列番号205のVHCDR2、及び配列番号206のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号208のVLCDR1、配列番号209のVLCDR2、及び配列番号210のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号212のVHCDR1、配列番号213のVHCDR2、及び配列番号214のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号216のVLCDR1、配列番号217のVLCDR2、及び配列番号218のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号220のVHCDR1、配列番号221のVHCDR2、及び配列番号222のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号224のVLCDR1、配列番号225のVLCDR2、及び配列番号226のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号228のVHCDR1、配列番号229のVHCDR2、及び配列番号230のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号232のVLCDR1、配列番号233のVLCDR2、及び配列番号234のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号236のVHCDR1、配列番号237のVHCDR2、及び配列番号238のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号240のVLCDR1、配列番号241のVLCDR2、及び配列番号242のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号244のVHCDR1、配列番号245のVHCDR2、及び配列番号246のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号248のVLCDR1、配列番号249のVLCDR2、及び配列番号250のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号252のVHCDR1、配列番号253のVHCDR2、及び配列番号254のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号256のVLCDR1、配列番号257のVLCDR2、及び配列番号258のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号260のVHCDR1、配列番号261のVHCDR2、及び配列番号262のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号264のVLCDR1、配列番号265のVLCDR2、及び配列番号266のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号268のVHCDR1、配列番号269のVHCDR2、及び配列番号270のVHCDR3を含む重鎖可変領域を含むことができ、さらに配列番号272のVLCDR1、配列番号273のVLCDR2、及び配列番号274のVLCDR3を含む軽鎖可変領域を含むことができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、図1A〜1K及び3A〜3Rに描かれるようなVH及び/又はVL領域のアミノ酸配列を含む抗体である。
別の実施形態では、本発明の抗体は、ヒトB細胞に存在する重鎖及び軽鎖の同族の対合の保存を特徴とする。
一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号1、10、18、26、35、45、53、61、69、77、87、130、138、146、155、163、171、179、187、195、203、211、219、227、235、243、251、259、及び267から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る重鎖可変領域(VH)を含む。一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号6、14、22、31、40、49、57、65、73、82、122、134、142、150、151、159、167、175、183、191、199、207、215、223、231、239、247、255、263、及び271から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る軽鎖可変領域(VL)を含む。一実施形態では、本発明の抗体は、配列番号1、10、18、26、35、45、53、61、69、77、87、130、138、146、155、163、171、179、187、195、203、211、219、227、235、243、251、259、及び267から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る重鎖可変領域(VH)を含み、さらに配列番号6、14、22、31、40、49、57、65、73、82、122、134、142、150、151、159、167、175、183、191、199、207、215、223、231、239、247、255、263、及び271から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む又はそれから成る軽鎖可変領域(VL)を含む。特定の実施形態では、抗体は、配列番号1のVH及び配列番号6のVL;又は配列番号10のVH及び配列番号14のVL;又は配列番号18のVH及び配列番号22のVL;又は配列番号26のVH及び配列番号31のVL;又は配列番号35のVH及び配列番号40のVL、又は配列番号45のVH及び配列番号49のVL;又は配列番号53のVH及び配列番号57のVL;又は配列番号61のVH及び配列番号65のVL;又は配列番号69のVH及び配列番号73のVL;又は配列番号77のVH及び配列番号82のVL、又は配列番号87のVH及び配列番号122のVL、又は配列番号130のVH及び配列番号134のVL、又は配列番号138のVH及び配列番号142のVL、又は配列番号146のVH及び配列番号150のVL、又は配列番号146のVH及び配列番号151のVL、又は配列番号155のVH及び配列番号159のVL、又は配列番号163のVH及び配列番号167のVL、又は配列番号171のVH及び配列番号175のVL、又は配列番号179のVH及び配列番号183のVL、又は配列番号187のVH及び配列番号191のVL、又は配列番号195のVH及び配列番号199のVL、又は配列番号203のVH及び配列番号207のVL、又は配列番号211のVH及び配列番号215のVL、又は配列番号219のVH及び配列番号223のVL、又は配列番号227のVH及び配列番号231のVL、又は配列番号235のVH及び配列番号239のVL、又は配列番号243のVH及び配列番号247のVL、又は配列番号のVH:251及び配列番号255のVL、又は配列番号のVH:259及び配列番号263のVL、又は配列番号267のVH及び配列番号271のVLを含む。
或いは、本発明のTDP−43結合分子は、TDP−43への結合について、図1A〜1K及び3A〜3Rに描かれるようなVH及び/又はVL領域を有する少なくとも1つの抗体と競合する抗体(抗体の抗原結合性の断片又はその誘導体又は変異体を含む)のようなポリペプチドである。これらの抗体は特に治療応用については、ヒト抗体でもあり得る。或いは、動物における診断方法及び有効性や安全性の試験に特に有用であるマウス抗体、マウス化抗体又はマウス/ヒトのキメラ抗体である。
本明細書で論じられるように、完全ヒト抗体のTDP−43エピトープは、抗体がヒトの免疫応答の結果として当初生成されたという事実のために診断及び治療の応用について特に適切である。従って、本発明のヒトの完全ヒト抗体は、特に生理学的に関連する、及び、たとえば、マウスのモノクローナル抗体及びファージディスプレイライブラリの試験管内のスクリーニングに由来する抗体の生成のための従来の免疫及び他の抗体スクリーニング工程を用いて達成できない又はあまり免疫原性ではないエピトープを認識する。従って、本発明はまた一般に、TDP−43への特異的な結合について本発明のヒトモノクローナル抗体と競合する抗TDP−43抗体及び他のTDP−43結合分子に拡張する。一実施形態によれば、抗体又は他のTDP−43結合分子は、TDP−43との結合について図1A〜1K及び3A〜3Rにて開示される可変ドメインを含有する抗体と競合する。別の実施形態では、抗体又は他のTDP−43結合分子は、TDP−43との結合について、NI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される参照抗体と競合する。
本発明はまた、本発明のヒトモノクローナル抗体と同じTDP−43のエピトープに結合する抗TDP−43抗体及び他のTDP−43結合分子を包含する。一実施形態によれば、抗体(TDP−43結合性の抗体の断片及びその変異体又は誘導体を含む)又は他のTDP−43結合分子は、図1A〜1K及び3A〜3Rにて開示される可変ドメインを含有する抗体と同じTDP−43のエピトープに結合する。別の実施形態では、抗体(TDP−43結合性の抗体の断片及びその変異体又は誘導体を含む)又は他のTDP−43結合分子は、NI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される参照抗体と同じTDP−43のエピトープに結合する。
別の実施形態では、本発明は、QYGDVMDVFIP(配列番号123);AAIGWGSASNA(配列番号124);DMTEDELREFF(配列番号125)、EDENDEP(配列番号126)、VQVKKDL(配列番号127)、KEYFSTF(配列番号128)、IIKGISV(配列番号315)、NQSGPSG(配列番号316)、FNGGFGS(配列番号317)、FGNSRGGGAGL(配列番号318)、SNAGSGSGFNG(配列番号319)、QLERSGRFGGN(配列番号320)、EIPSEDD(配列番号321)、FNGGFGSSMDS(配列番号322)及びSINPAMMAAAQAALQSSWGMMGMLASQ(配列番号323)から選択されるTDP−43ポリペプチドに特異的に結合する抗体(抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体を含む)を包含する。別の実施形態では、本発明は、TDP−43ポリペプチドFGNSRGGGAGL(配列番号318)及びSNAGSGSGFNG(配列番号319)に特異的に結合する抗体(抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体を含む)を包含する。別の実施形態では、本発明は、TDP−43ポリペプチドSINPAMMAAAQAALQSSWGMMGMLASQ(配列番号323)に特異的に結合するが、SINPGGGAAAQAALQSSWGMMGMLASQ(配列番号314)に特異的に結合しない抗体(抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体を含む)を包含する。
抗体間の競合は、試験されている免疫グロブリンがTDP−43のような共通の抗原への参照抗体の特異的な結合を阻害するアッセイによって測定される。たとえば、固相の直接又は間接の放射性免疫アッセイ(RIA)、固相の直接又は間接の酵素免疫アッセイ(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ;Stahliら、Methods in Enz
ymology、9(1983),242−253;solid phase direct biotin−avidin EIA;Kirklandら、J.Immunol.137(1986),3614−3619,及びCheungら、Virology、176(1990),546−552を参照のこと;固相直接標識アッセイ、固相直接標
識サンドイッチアッセイ;Harlow及びLane,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(1988)を参照のこと;125Iを用いた固相直接標識RIA;Morelら、Mo
lec.Immunol.25(1988),7−15及びMoldenhauerら、Scand.J.Immunol.32(1990),77−82を参照;のような多数の種類の競合結合アッセイが当該技術で既知であり、抗原への結合について競合する2つの化合物の能力を調べるために日常的に適用し、改変することができる。通常、そのようなアッセイには、そのいずれかを運ぶ固相表面又は細胞に結合した精製TDP−43又はその会合体、未標識の試験免疫グロブリン及び標識された参照免疫グロブリン、たとえば、本発明のヒトモノクローナル抗体が含まれる。競合阻害は、試験免疫グロブリンの存在下で固相表面又は細胞に結合した標識の量を決定することによって測定される。普通、試験免疫グロブリンは過剰に存在する。一実施形態では、競合結合アッセイは添付の実施例におけるELISAアッセイについて記載されるような条件下で実施される。競合アッセイによって特定される抗体(競合する抗体)には、参照抗体と同一のエピトープに結合する抗体、及び参照抗体が結合するエピトープに立体障害が生じるのに十分近い隣接エピトープに結合する抗体が挙げられる。普通、競合する抗体が過剰に存在する場合、それは、共通する抗原への参照抗体の特異的な結合を少なくとも50%又は75%阻害するであろう。従って、本発明はさらに、抗体がNI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5から成る群から選択される参照抗体によるTDP−43への結合を競合して阻害する抗体(たとえば、抗体の抗原結合性断片)を対象とする。
本発明はまた、本明細書で記載される抗体分子(たとえば、VH領域及び/又はVL領域)の変異体(誘導体を含む)を含む、それから本質的に成る、又は成る抗体を提供し、その抗体はTDP−43ポリペプチド又はその断片又は変異体に免疫特異的に結合する。たとえば、アミノ酸置換を生じる部位特異的変異誘発及びPCRが介在する変異誘発を含む当該技術で既知の常法を用いて本発明の分子をコードするヌクレオチド配列に変異を導入することができる。好ましくは、変異体(誘導体を含む)は、参照のVH領域、VHCDR1、VHCDR2、VHCDR3、VL領域、VLCDR1、VLCDR2、又はVLCDR3に対して50未満のアミノ酸置換、40未満のアミノ酸置換、30未満のアミノ酸置換、25未満のアミノ酸置換、20未満のアミノ酸置換、15未満のアミノ酸置換、10未満のアミノ酸置換、5未満のアミノ酸置換、4未満のアミノ酸置換、3未満のアミノ酸置換、又は2未満のアミノ酸置換をコードする。
一実施形態によれば、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)含む、それから本質的に成る、又は成る単離されたポリペプチドを提供し、その際、重鎖可変領域のVH−CDRの少なくとも1つ又は重鎖可変領域のVH−CDRの少なくとも2つは、本明細書で開示される抗体に由来する参照重鎖VH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%,85%,90%,95%,96%,97%,98%又は99%同一である。或いは、VHのVH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3領域は、本明細書で開示される抗体に由来する参照重鎖VH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%,85%,90%,95%,96%,97%,98%又は99%同一である。従って、この実施形態によれば、本発明の重鎖可変領域は、図1A〜1K及び3A〜3Rに示される群に関連するVH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3のポリペプチド配列を有する。図1A〜1K及び3A〜3RはKabat方式によって定義されたVH−CDRを示すが、他のCDRの定義、たとえば、Chothia方式によって定義されるVH−CDRも本発明に含められ、図1A〜1K及び3A〜3Rにて提示されるデータを用いて当業者が容易に特定することができる。一実施形態では、参照VH−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260、又は268であり;参照VH−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261、又は269であり;参照VH−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262、又は270である。
別の実施形態では、本発明は、VH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3領域が図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるVH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3の群と同一であるポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。一実施形態では、VH−CDR1のアミノ酸配列は配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260、又は268であり;参照VH−CDR2のアミノ酸配列は配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261、又は269であり;参照VH−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262、又は270である。
別の実施形態では、本発明は、任意のVH−CDRの1つにおける1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のアミノ酸置換を除いて、VH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3領域が図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるVH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3の群と同一であるポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的である。一実施形態では、VH−CDR1のアミノ酸配列は配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260、又は268であり;参照VH−CDR2のアミノ酸配列は配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261、又は269であり;参照VH−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262、又は270である。
別の実施形態では、本発明は、軽鎖可変領域のVL-CDRの少なくとも1つ又は軽鎖
可変領域のVL-CDRの少なくとも2つが、本明細書で開示される抗体に由来する参照
軽鎖VL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%,85%,90%,95%,96%,97%,98%又は99%同一である免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。或いは、VLのVL−CDR1、VL−CDR2及びVL−CDR3領域は、本明細書で開示される抗体に由来する参照軽鎖VL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%,85%,90%,95%,96%,97%,98%又は99%同一である。従って、この実施形態によれば、本発明の軽鎖可変領域は、図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるポリペプチドに関連するVL−CDR1、VL−CDR2及びVL−CDR3のポリペプチド配列を有する。図1A〜1K及び3A〜3RはKabat方式によって定義されたVL−CDRを示すが、他のCDRの定義、たとえば、Chothia方式によって定義されるVL−CDRも本発明に含められる。一実施形態では、参照VL−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272又は326であり;参照VL−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273又は327;であり;参照VL−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274又は328である。
別の実施形態では、本発明は、VL−CDR1、VL−CDR2及びVL−CDR3領域が図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるVL−CDR1、VL−CDR2及びVL−CDR3の群と同一であるポリペプチド配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。一実施形態では、VL−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272又は326であり;VL−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273又は327;であり;VL−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274又は328である。
別の実施形態では、本発明は、任意のVL−CDRの1つにおける1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のアミノ酸置換を除いて、VH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3領域が図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるVH−CDR1、VH−CDR2及びVH−CDR3の群と同一であるポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的である。一実施形態では、VL−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272又は326であり;VL−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273又は327;であり;VL−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274又は328である。
一実施形態によれば、本発明は、本明細書で開示される抗体に由来する参照重鎖可変領域(VH)のアミノ酸配列と少なくとも80%,85%,90%,95%,96%,97%,98%又は99%同一である免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。従って、この実施形態によれば、本発明の重鎖可変領域は図1A〜1K及び3A〜3Rに示される重鎖可変領域に関連するポリペプチド配列を有する。一実施形態では、参照重鎖可変領域(VH)のアミノ酸配列は、配列番号1、10、18、26、35、45、53、61、69、77、87、130、138、146、155、163、171、179、187、195、203、211、219、227、235、243、251、259、又は267である。
別の実施形態では、本発明は、図1A〜1K及び3A〜3Rに示される参照重鎖可変領域と同一である免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。一実施形態では、参照重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号1、10、18、26、35、45、53、61、69、77、87、130、138、146、155、163、171、179、187、195、203、211、219、227、235、243、251、259、又は267である。
別の実施形態では、本発明は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアミノ酸置換を除いて、図1A〜1K及び3A〜3Rに示される参照重鎖可変領域(VH)の配列と同一である免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的である。一実施形態では、参照重鎖可変領域配列のアミノ酸配列は、配列番号1、10、18、26、35、45、53、61、69、77、87、130、138、146、155、163、171、179、187、195、203、211、219、227、235、243、251、259、又は267である。
一実施形態によれば、本発明は、本明細書で開示される抗体に由来する参照軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列と少なくとも80%,85%,90%,95%,96%,97%,98%又は99%同一である免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。従って、この実施形態によれば、本発明の軽鎖可変領域は図1A〜1K及び3A〜3Rに示される軽鎖可変領域に関連するポリペプチド配列を有する。一実施形態では、参照軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列は、配列番号6、14、22、31、40、49、57、65、73、82、122、134、142、150、151、159、167、175、183、191、199、207、215、223、231、239、247、255、263、及び271である。
別の実施形態では、本発明は、図1A〜1K及び3A〜3Rに示される参照軽鎖可変領域と同一である免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。一実施形態では、参照軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号6、14、22、31、40、49、57、65、73、82、122、134、142、150、151、159、167、175、183、191、199、207、215、223、231、239、247、255、263、及び271である。
別の実施形態では、本発明は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアミノ酸置換を除いて、図1A〜1K及び3A〜3Rに示される参照軽鎖可変領域(VL)の配列と同一である免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)を含む、それから本質的に成る又は成る単離されたポリペプチドを提供する。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的である。一実施形態では、参照軽鎖可変領域配列のアミノ酸配列は、配列番号6、14、22、31、40、49、57、65、73、82、122、134、142、150、151、159、167、175、183、191、199、207、215、223、231、239、247、255、263、及び271である。
免疫グロブリン又はそれをコードする核酸(たとえば、cDNA)をさらに修飾することができる。従って、さらなる実施形態では、本発明の方法は、キメラ抗体、マウス化抗体、単鎖抗体、Fab断片、二重特異性抗体、標識抗体又はそれらのいずれか1つの類似体を作出するステップのいずれか1つを含む。対応する方法は当該技術で既知であり、たとえば、Harlow及びLane”Antibodies,A Laboratory
Manual”,CSH Press,Cold Spring Harbor(1988)に記載されている。前記抗体の誘導体が、たとえば、ファージディスプレイ法によって得られる場合、BIAcoreシステムで採用されるような表面プラスモン共鳴を用いて、本明細書で記載される抗体のいずれか1つと同じエピトープに結合するファージ抗体の効率性を高めることができる(Schier, Human Antibodies Hybridomas 7 (1996), 97-105; Malmborg, J. Immunol. Methods 183 (1995), 7-13))。キメラ抗体の作出は、たとえば、国際出願公開番号WO89/09622に記載されている。ヒト化抗体を作出する方法は、たとえば、欧州出願EP−A10239400及び国際出願WO90/07861に記載されている。本発明に従って利用される抗体のさらなる供給源はいわゆる異種抗体である。マウスにおけるヒト様抗体のような異種抗体の作出の一般的な原理は国際出願公開番号WO91/10741、WO94/02602、WO96/34096及びWO96/33735に記載されている。上で論じられたように、本発明の抗体は、たとえば、Fv、Fab及びF(ab)2、並びに単鎖を含む、完全抗体に加えて種々の形態で存在することができる。たとえば、国際出願公開番号WO88/09344を参照のこと。
当該技術で既知の従来の技法を用いて、たとえば、アミノ酸の欠失、挿入、置換、付加及び/又は組換え及び/又は当該技術で既知の他の修飾を単独で又は組み合わせで用いて、本発明の抗体又はその対応する免疫グロブリン鎖をさらに修飾することができる。免疫グロブリンのアミノ酸配列をコードする核酸配列にそのような修飾を導入する方法は当業者に周知であり;たとえば、Sambrook,Molecular Cloning A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1989)N.Y.及びAusubel,Current Protocols in Molecular Biology,Green Publishing Associates and Wiley Interscience,N.Y.(1994)を参照のこと。本発明の抗体の修飾には、アセチル化、ヒドロキシル化、メチル化、アミド化及び糖部分又は脂質部分、補因子等の結合を含む、側鎖の修飾、主鎖の修飾、及びN−末端やC−末端の修飾を含む、1以上の構成アミノ酸における化学的な及び/又は酵素的な誘導体化が挙げられる。同様に、本発明は、カルボキシ末端での免疫刺激リガンドのような非相同分子に融合されたアミノ末端での抗体のようなTDP−43結合ポリペプチドを含むキメラタンパク質(すなわち、融合タンパク質)の作出を包含する。対応する技術的な詳細については、たとえば、国際出願公開番号WO00/30680を参照のこと。
さらに、本発明は、TDP−43と特異的に結合するペプチド及びポリペプチドを包含する。たとえば、重鎖CDR3(HCDR3)は程度の大きい変異性及び抗原/抗体相互作用への優勢な関与を有する領域であることが認められることが多いので、言及される抗体のいずれか1つの可変領域のCDR3領域、特に重鎖のCDR3を含有すること。そのようなペプチド及びポリペプチドは、容易に合成、あるいは組換え手段によって作出し、本発明のTDP−43結合分子を作出することができる。そのような方法は当業者に既知である。ペプチドは、たとえば、市販されている自動ペプチド合成機を用いて合成することができる。ペプチドを発現するDNAを発現ベクターに組み入れ、発現ベクターで細胞を形質転換してペプチドを作出することによる組み換え技術よってもペプチドを作出することができる。従って、本発明は、本明細書で記載されるTDP−43結合分子の1以上の特性を提示する抗体(たとえば、抗体のTDP−43結合断片)のようなTDP−43結合分子に関する。たとえば、そのような抗体及び結合分子は、たとえば、本明細書で記載されるようなELISA又はウエスタンブロット及び免疫組織化学によってその結合特異性及び親和性について調べることができる。たとえば、実施例を参照のこと。実施例2で開示されるように、NI−205.3F10、NI−205.51C1、NI−205.21G2、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.87E7、NI−205.21G1、NI−205.68G5、NI−205.20A1、NI205.41D1、NI205.29E11、NI205.9E12、NI205.98H6、NI205.10D3、NI205.44B2、NI205.38H2、NI205.36D5、NI205.58E11、NI205.14H5、NI205.31D2、NI205.8F8、NI205.31C11、NI205.8C10、NI205.10H7、NI205.1A9、NI205.14W3、及びNI205.19G5の50%効果濃度(EC50)は、ヒトTDP−43について直接ELISAによって、中程度以下のナノモルEC50(0.18〜17.2nM)での高い親和性でヒトTDP−43と結合することが判定された。
不死化したB細胞又はB記憶細胞の培養物から直接免疫グロブリンを得ることの代替として、その後の発現及び/又は遺伝子操作のための再構成された重鎖及び軽鎖の遺伝子座の供給源として不死化した細胞を使用することができる。再構成された抗体遺伝子を適当なmRNAから逆転写してcDNAを作出することができる。所望であれば、重鎖定常領域を異なるアイソタイプに交換する又は完全に排除することができる。可変領域を接続して単鎖Fv領域をコードすることができる。複数のFv領域を接続して1を超える標的への結合能力を付与することができ、又はキメラの重鎖及び軽鎖の組み合わせを採用することができる。遺伝子素材がいったん利用可能になれば、所望の標的と結合する能力を保持する類似体の設計は容易である。抗体の可変領域をクローニングし、組換え抗体を生成する方法は当該技術で既知であり、たとえば、Gillilandら、Tissue Antigens、47(1996),1−20;Doeneckeら、Leukemia、11(1997),1787−1792に記載されている。
いったん適当な遺伝子素材が得られ、望まれる場合類似体をコードするように修飾されると、最低、重鎖及び軽鎖の可変領域をコードするものを含むコーディング配列を、標準の組換え宿主細胞で形質移入することができるベクターに含有される発現系に挿入することができる。種々のそのような宿主細胞を使用することができるが、効率的な処理には、哺乳類細胞が考慮され得る。この目的に有用な哺乳類の細胞株には、CHO細胞、HEK293細胞又はNSO細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
次いで、宿主細胞の増殖及びコーディング配列の発現に適当な培養条件下で修飾された組換え宿主を培養することによって抗体又は類似体の産生に着手する。次いで培養物から抗体を単離することによってそれを回収する。得られた抗体が培地に分泌されるようにシグナルペプチドを含むように発現系が設計されるが、細胞内の産生も可能である。
上記によれば、本発明はまた、本発明の抗体又は同等の結合分子をコードするポリヌクレオチドにも関する。一実施形態では、ポリヌクレオチドは上述の抗体の免疫グロブリン鎖の少なくとも可変領域をコードする。通常、ポリヌクレオチドにコードされる前記可変領域は前記抗体の可変領域のVH及び/又はVLの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む。
当業者は、上述の可変ドメインを有する抗体の可変ドメインを所望の特異性及び生物学的機能の他のポリペプチド又は抗体の構築に使用できることを容易に十分に理解するであろう。従って、本発明はまた、上述の可変ドメインの少なくとも1つのCDRを含み、且つ添付の実施例で記載される抗体と実質的に同一の又は類似する結合特性を有利に有するポリペプチド及び抗体も包含する。当該技術で一般に理解されるように、CDR内での又はKabatによって定義されたCDRと部分的に重複する超可変ループ(Chothia and
Lesk, J. Mol. Biol. 196 (1987), 901-917)内でのアミノ酸置換を行うことに
よって結合親和性を高めることができる;たとえば、Riechmannら、Nature、332(1988),323−327を参照のこと。従って、本発明はまた、言及されたCDRの1以上が1以上の又は2以下のアミノ酸置換を含む抗体にも関する。一実施形態では、本発明の抗体は、免疫グロブリン鎖の一方又は双方にて、図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるような可変領域の2又は3すべてのCDRを含む。
本発明の抗体(抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体を含む)は、1以上のエフェクター機能に介在する定常領域を含むことができる。たとえば、抗体定常領域への補体のC1成分の結合は補体系を活性化することができる。補体の活性化は細胞病原体のオプソニン化及び溶解において重要である。補体の活性化はまた、炎症反応を刺激し、自己免疫性の過敏症にも関与することができる。さらに、抗体はFc領域を介して種々の細胞上の受容体に結合し、Fc受容体は、細胞上でのFc受容体(FcR)に結合する抗体のFc領域における部位に結合する。IgG(ガンマ受容体)、IgE(イプシロン受容体)、IgA(アルファ受容体)及びIgM(ミュー受容体)を含む抗体の様々なクラスに特異的である多数のFc受容体がある。細胞表面におけるFc受容体への抗体の結合は、抗体で覆われた粒子の貪食及び破壊、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体コーティング標的細胞の溶解(抗体依存性細胞介在性の細胞傷害性又はADCCと呼ばれる)、炎症メディエータの放出、免疫グロブリンの胎盤移行及び免疫グロブリン産生の制御を含む多数の重要で多様な生物反応を引き起こす。
従って、本発明のある特定の実施形態には、ほぼ同一の免疫原性のすべてを含んだ未変化の抗体と比べた場合、たとえば、低下したエフェクター機能、非共有性に二量体化する能力の低下、TDP−43の会合及び沈着の部位で局在化する高い能力、血清半減期の低下、又は血清半減期の増加のような所望の生化学的な特性を提供するように定常領域ドメインの1以上の分画が置換され、欠失され、又はさもなければ変化させられている抗体(抗体の抗原結合性断片、その変異体又は誘導体を含む)が含まれる。たとえば、本明細書で記載される診断法及び治療法で使用するための特定の抗体は、免疫グロブリン重鎖に類似するポリペプチド鎖を含むが、1以上の重鎖ドメインの少なくとも一部を欠くドメイン欠失抗体である。たとえば、特定の実施形態では、本発明の抗体はCH2ドメインのすべて又は一部のような修飾された抗体の定常領域の完全なドメインを失くしている。他の実施形態では、たとえば、診断法及び治療法で有用な本発明の抗体は、定常領域、たとえば、グリコシル化を排除するように変化させる、本明細書の他ではグリコシル化されていない又は「agly」抗体と呼ばれるIgG重鎖定常領域を有する。そのような「agly」抗体は、酵素的に調製することができ、又は、たとえば、定常領域のコンセンサスグリコシル化部位を操作することを含む当該技術で既知の他の技法によって調製することができる。理論によって束縛されるものではないが、「agly」抗体は生体内で改善された安全性及び安定性を有することができると考えられている。所望のエフェクター機能を有するグリコシル化されていない抗体を作出する方法は、たとえば、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる国際出願公開番号WO2005/018572にて見出される。
本明細書で記載される抗原結合性の抗体の断片及び変異体を含む特定の抗体では、当該技術で既知の技法を用いてエフェクター機能を低下させるようにFc部分を変異させることができる。たとえば、定常領域ドメインの(点突然変異又は他の手段を介した)欠失又は不活化は、循環している修飾抗体のFc受容体結合を低下させることができ、それによってTDP−43の局在を高めることができる。他の場合では、本発明と整合性のある定常領域の修飾は補体結合を抑えるので、血清半減期及び抱合される細胞毒素の非特異的会合を低下させる。定常領域のさらに他の修飾を用いて、高い抗原特異性又は抗体柔軟性により高い局在性を可能にするジスルフィド結合又はオリゴ糖部分を修飾する。たとえば、得られた生理的特性、生体利用効率、及びTDP−43の局在、生体分布及び血清半減期のような修飾の他の生化学的な効果は、当該技術で既知の技法を用いて日常的に測定することができる。
特定の実施形態では、例として、Fcγ受容体、LRP又はThy1受容体を介した又は危害を加えることなく抗体が生細胞に運ばれるのを可能にすると言われる「スーパー抗体法」による抗体の受容体介在性のエンドサイトーシスを高めることによって抗体の細胞取り込みを高めるように、代わりのタンパク質配列について本発明の抗体のFc部分を変異させる又は交換する(Muller, S., et al., Expert Opin. Biol. Ther. (2005), 237-241)。たとえば、抗体結合領域と細胞表面受容体の同族タンパク質との、又は
TDP−43ならびに細胞表面受容体に結合する特異的な配列を持つ二重特異性又は多重特異性の抗体との融合タンパク質の生成は、当該技術で既知の技法を用いて操作することができる。
本明細書で記載される抗原結合性の抗体の断片及び変異体を含む特定の抗体では、脳血管関門の浸透を高めるように、代わりのタンパク質配列についてFc部分を変異させる又は交換することができ、または抗体を化学的に修飾することができる。
本発明の抗体(たとえば、抗体の抗原結合断片、及びその変異体又は誘導体)の修飾された形態は、当該技術で既知の技法を用いてすべてを含んだ前駆体又は親抗体から作製することができる。例となる技法は本明細書でさらに詳細に論じられる。本明細書で記載される抗原結合抗体断片及び変異体含む本発明の抗体は、当該技術で既知の技法を用いて日常的に作製する又は製造することができる。ある特定の実施形態では、抗体(抗体断片及び変異体含む)は「組換えで作出される」、すなわち、組換えDNA技術を用いて作出される。抗体を作製するための例となる技法は本明細書の他のどこかでさらに詳細に議論される。
本発明の抗体(抗体の抗原結合断片、及びその変異体又は誘導体を含む)にはまた、たとえば、共有結合が同族エピトープに抗体が特異的に結合するのを妨げないように抗体に任意の種類の分子を共有結合することによって修飾される誘導体も含まれる。たとえば、しかし、限定するものではなく、抗体の誘導体には、たとえば、既知の保護基/保護基、タンパク分解切断、細胞リガンド又は他のタンパク質への結合等によるグリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、誘導体化によって修飾されている抗体が含まれる。多数の化学修飾のいずれをも、特異的な化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成を含むが、これらに限定されない既知の技法によって実施することができる。さらに、誘導体は1以上の非標準のアミノ酸を含有することができる。
特定の実施形態では、本発明のTDP−43結合分子は、治療される動物、たとえば、ヒトにおいて有害な免疫応答を誘発しない抗体(抗原結合断片、その変異体又は誘導体を含む)のようなポリペプチドである。ある特定の実施形態では、本発明の結合分子、たとえば、抗体(抗体の抗原結合断片)は、患者、たとえば、ヒト患者に由来し、それらが由来する同一種、たとえば、ヒトにて実質的に使用されるので、有害な免疫応答の発生を緩和し、できるだけ抑える。
脱免疫化を用いて抗体の免疫原性を低下させることができる。本明細書で使用されるとき、「脱免疫化」という用語には、T細胞エピトープを修飾する抗体の変化が含まれる;たとえば、国際出願公開番号WO98/52976及びWO00/34317を参照のこと。たとえば、出発抗体のVH及びVLの配列を解析し、各V領域からのヒトT細胞エピトープの「マップ」は、相補性決定領域(CDR)及び配列内の他の重要な残基に関連してエピトープの位置を示す。最終抗体の活性を変化させるリスクの低い代わりのアミノ酸置換を特定するために、T細胞エピトープのマップからの個々のT細胞エピトープを解析する。アミノ酸置換の組み合わせを含む代わりのVH及びVLの配列の範囲を設計し、その後、本明細書で開示される診断法及び治療法で使用するために、これらの配列を様々な結合ポリペプチド、たとえば、その免疫特異的な断片を含むTDP−43特異的な抗体に組み入れ、次いで機能について調べる。通常12〜24の間の変異体抗体が生成され、調べられる。次いで、修飾されたV及びヒトのC領域を含む完全な重鎖及び軽鎖の遺伝子を発現ベクターにクローニングし、すべてを含む抗体の産生のために、その後のプラスミドを細胞株に導入する。次いで適当な生化学的アッセイ及び生物学的アッセイにて抗体を比較し、最適な変異体を特定する。
ハイブリドーマの使用、組換え技術及びファージディスプレイ技術、又はそれらの組み合わせを含む当該技術で既知の多種多様な技法を用いてモノクローナル抗体を調製することができる。たとえば、当該技術で既知の及び、たとえば、それぞれその全体が参照によって本明細書に組み入れられるHarlowら、Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2版(1988);Hammerlingら、in:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas Elsevier,N.Y.,563−681(1981)にて教示されるものを含むハイブリドーマ法を用いてモノクローナル抗体を作出することができる。「モノクローナル抗体」という用語は本明細書で使用されるとき、ハイブリドーマ技術を介して作出される抗体に限定されない。「モノクローナル抗体」という用語は、真核クローン、原核クローン又はファージクローンを含む単一の単離されたクローンに由来する抗体を指すのであって、それが作出された方法を指すものではない。従って、「モノクローナル抗体」という用語はハイブリドーマ技術を介して作出される抗体に限定されない。ある特定の実施形態では、本発明の抗体は、本明細書で記載されるように、エプステイン・バーウイルスによる形質転換を介して不死化されているヒトB細胞に由来する。明瞭化のために、「モノクローナル抗体」という用語は本明細書で使用されるとき、宿主生物の血漿から単離することができる内因性の抗体を包含しない。
周知のハイブリドーマ工程(Kohler et al., Nature 256 (1975), 495)では、
哺乳類由来の相対的に短命の、又は死すべき運命のリンパ球、たとえば、本明細書で記載されるようなヒト対象に由来するB細胞を不死の腫瘍細胞株(たとえば、骨髄腫細胞株)と融合し、こうしてハイブリッド細胞又は「ハイブリドーマ」を作出し、それは、不死であると共にB細胞の遺伝的にコードされた抗体を産生することが可能である。得られたハイブリッドは、選抜、希釈、及び単一抗体の形成のための特定の遺伝子を含む各個々の株による再増殖によって分離される。選抜されたハイブリドーマは抗体を産生し、それは、所望の抗原に対して、及び純粋な遺伝的起源を参照して均質であり、「モノクローナル」と称される。
こうして調製されたハイブリドーマを、融合しなかった親の骨髄腫細胞の増殖及び生存を阻害する1以上の物質を含有する好適な培養培地において播種し、増殖させる。ハイブリドーマを形成し、選抜し、増殖させるための試薬、細胞株及び方法は当該技術で既知である。一般に、所望の抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてハイブリドーマ細胞が増殖している培養培地をアッセイする。ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、たとえば、本明細書で記載されるような免疫沈降、放射性免疫アッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)のような試験管内のアッセイによって測定される。所望の特異性、親和性及び/又は活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を特定した後、クローンを限界希釈法によってさらにクローニングし、常法によって増殖させることができる;たとえば、Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,pp.59−103(1986)を参照のこと。ハイブリドーマのサブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、たとえば、プロテインA、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析又はアフィニティクロマトグラフィのような従来の精製手順によって培養培地、腹水又は血清から分離することができることがさらに十分に理解されるであろう。
別の実施形態では、顕微操作及び単離されたバリアブル遺伝子によってリンパ球を選択する。たとえば、免疫された哺乳類又は天然の免疫哺乳類、たとえば、ヒトから末梢血単核細胞を単離し、試験管内で約7日間培養することができる。次いで、スクリーニング基準を満たす特定のIgGについてPBMC培養をスクリーニングし、陽性ウェルから細胞を単離する。FACSによって又は補体介在性の溶血プラークアッセイにてそれを特定することによって個々のIg産生B細胞を単離することができる。Ig産生B細胞を試験管に顕微操作することができ、たとえば、RT−PCRを用いてVH及びVL遺伝子を増幅することができる。VH及びVL遺伝子を抗体発現ベクターにクローニングし、発現のために細胞(たとえば、真核細胞又は原核細胞)に形質移入することができる。
或いは、当該技術で既知の技法を用いて又はそれを日常的に改変して、抗体産生細胞株を選抜し、培養することができる。そのような技法は種々の実験室マニュアル及び基本的な出版物に記載されている。この点で、以下に記載されるような本発明での使用に好適な技法は、補足も含めてその全体が参照によって本明細書に組み入れられるCurrent
Protocols in Immunology,Coliganら編、Green
Publishing Associates and Wiley−Interscience,John Wiley and Sons,New York(1991)に記載されている。
特定の抗原及び/又はエピトープを認識する抗体断片は当該技術で既知の技法を用いて生成することができる。たとえば、Fab及びF(ab’)2の断片は、組換えで作出することができ、又はパパイン(Fab断片を作出するために)又はペプシン(F(ab’)2断片を作出するために)のような酵素を用いて免疫グロブリン分子をタンパク分解切断することによって作出することができる。F(ab’)2断片は、可変領域、軽鎖定常領域及び重鎖のCH1ドメインを含有する。そのような断片は、たとえば、放射性同位元素のような検出試薬に免疫グロブリンの免疫特異的な部分を結合させることを含む免疫診断手順で使用するのに十分である。
本明細書で記載されるもののような完全ヒト抗体は、ヒト患者の治療上の処置に特に望ましい。本発明のヒト抗体は、たとえば、その年齢のために疾病、たとえば、筋委縮性側索硬化症及び/又は前頭側頭葉変性症を発症するリスクを疑うことができる高齢の健常対象、又は疾病があるが、著しく安定な疾患経過にある患者から単離される。しかしながら、高齢の健常な及び症状のない対象がそれぞれ、より若年の対象よりも定期的に保護的な抗TDP−43抗体を発現させていることを予期するのは良識的ではあるが、後者も同様に供給源として本発明のヒト抗体を得るために使用することができる。免疫系及び免疫応答機能が老年成人よりも効率的であるので、このことは、TDP−43タンパク質症の家族性形態を発現する素養のある若年患者については特に真実である。
本発明の抗体は、特に、本明細書に記載されるような化学合成又は組換え発現法を含む、抗体の合成についての当該技術で既知の方法によって作出することができる。
一実施形態では、本発明の抗体、又はその抗原結合性の断片、変異体又は誘導体は、1以上のドメインが部分的に又は全体的に欠失している合成定常領域を含む(「ドメイン欠失抗体」)。ある特定の実施形態では、適合する修飾抗体はCH2ドメイン全体が取り除かれているドメイン欠失の構築物又は変異体(ΔCH2構築物)を含む。他の実施形態については、欠失ドメインに短い接続ペプチドを置換し、可変領域の動きの柔軟性及び自由を提供することができる。当業者は、そのような構築物が抗体の異化速度におけるCH2ドメインの調節特性のために価値があり得ることを十分に理解するであろう。ドメイン欠失構築物は、IgG1ヒト定常ドメインをコードするベクターを用いて導出することができる;たとえば、国際出願WO02/060955及びWO02/096948A2を参照のこと。このベクターは、CH2ドメインを欠失し、IgG1定常領域を欠失したドメインを発現する合成ベクターを提供するように操作される。
ある特定の実施形態では、本発明の抗体(抗原結合断片、その変異体又は誘導体を含む)は低分子化抗体(minibody)である。低分子化抗体は、当該技術で既知の方法を用いて作製することができる;たとえば、米国特許第5,837,821号又は国際出願公開番号WO94/09817を参照のこと。
一実施形態では、本発明の抗体(たとえば、抗体の抗原結合断片、その変異体又は誘導体)は、単量体サブユニット間の会合が可能である限り、2、3の又はさらに単一のアミノ酸の欠失又は置換を有する免疫グロブリンの重鎖を含む。たとえば、CH2ドメインの選択された領域での単一アミノ酸の変異はFc結合を実質的に低減するのに十分であり、それによってTDP−43の局在を高めることができる。同様に、調節されるエフェクター機能(たとえば、補体結合)を制御する1以上の定常領域ドメインのその部分を単に欠失することが望ましくあり得る。定常領域のそのような部分的な欠失が、対象の定常領域ドメインの関連する他の望ましい機能をそのままにしながら、抗体の選択された特性(血清半減期)を改善することができる。さらに、上で暗に示したように、開示される抗体の定常領域は、得られる構築物の特性を向上させる1以上のアミノ酸の変異又は置換を介して合成され得る。この点で、修飾抗体の構造及び免疫原性特性を実質的に維持しながら、保存された結合部位(たとえば、Fc結合)によって提供される活性を妨害することが可能であり得る。さらに他の実施形態は、定常領域への1以上のアミノ酸の付加を含んでエフェクター機能のような所望の特性を向上させ、又は細胞毒素若しくは糖の結合を提供する。そのような実施形態では、選択された定常領域ドメインに由来する特定の配列を挿入する又は複製することが望ましくあり得る。
本発明はまた、本明細書で記載される抗体(たとえば、VH領域及び/又はVL領域)の変異体(誘導体を含む)を含む、それから本質的に成る、又は成る抗体を提供し、抗体(抗体断片を含む)はTDP−43に免疫特異的に結合する。結果的にアミノ酸の置換を生じる部位特異的変異誘発及びPCRが介在する変異誘発を含むが、これらに限定されない、当業者に既知の標準の技法を用いて抗体をコードするヌクレオチド配列に変異を導入することができる。一実施形態では、変異体(誘導体を含む)は、参照のVH領域、VH−CDR1、VH−CDR2、VH−CDR3、VL領域、VL−CDR1、VL−CDR2、又はVL−CDR3に対して50未満のアミノ酸置換、40未満のアミノ酸置換、30未満のアミノ酸置換、25未満のアミノ酸置換、20未満のアミノ酸置換、15未満のアミノ酸置換、10未満のアミノ酸置換、5未満のアミノ酸置換、4未満のアミノ酸置換、3未満のアミノ酸置換、又は2未満のアミノ酸置換をコードする。「保存的なアミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の電荷を持つ側鎖を有するアミノ酸残基によって置き換えられるものである。類似の電荷を持つ側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を持つアミノ酸(たとえば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を持つアミノ酸(たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、電荷のない極性側鎖を持つアミノ酸(たとえば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を持つアミノ酸(たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐の側鎖を持つアミノ酸(たとえば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を持つアミノ酸(たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。或いは、変異は、たとえば、飽和変異誘発によってコーディング配列のすべて又は一部に沿って無作為に導入することができ、得られた変異体を生物活性についてスクリーニングして活性(たとえば、TDP−43と結合する活性)を保持する変異体を特定することができる。
たとえば、抗体のフレームワーク領域のみに又はCDR領域のみに変異を導入することが可能である。導入された変異は、サイレント又は中性のミスセンス変異であることができ、たとえば、抗原に結合する抗体の能力に影響を有さない又はほとんど有さず、実際、一部のそのような変異は何であれ、アミノ酸配列を変化させることはない。この種の変異はコドン使用頻度を最適化する又はハイブリドーマの抗体産生を改善するのに有用であり得る。或いは、中性ではないミスセンス変異は抗原に結合する抗体の能力を変化させることができる。ほとんどのサイレント又は中性のミスセンス変異はフレームワーク領域にあると思われるが、これが絶対的な要件ではないとはいえ、中性ではないミスセンス変異はCDRにあると思われる。当業者は、たとえば、抗原結合活性における改善又は抗体特異性における変化を含む所望の特性について変化した分子を設計し、調べることができる。変異誘発に続いて、所望の特性を提示するタンパク質を日常的に発現させることができ、当該技術で既知の日常的に改変している技法を用いて、コードされたタンパク質の機能及び/又は生物活性(たとえば、TDP−43の少なくとも1つのエピトープに免疫特異的に結合する能力)を測定することができる。
本発明のTDP−43抗体は、TDP−43タンパク質症の生体内又は試験管内のモデルを用いて性状分析することができる。技量のある熟練者は、たとえば、実施例5に記載されるTDP−43タンパク質症の動物モデルのいずれか1つの限定されないTDP−43タンパク質症のマウスモデルにて性状分析することができることを容易に理解する。Wegorzewskaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.106(2009),18809−14;Gurneyら、Science、264(1994),1772−75;Shanら、Neuropharmacol.Letters、458(2009),70−74;Wilsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.106(2010),3858−63;Duchen及びStrich,J.Neurol.Neurosurg.Psychiatry、31(1968),535−42;Dennis及びCitron,Neuroscience、185(2009),745−50;Swarupら、Brain、134(2011),2610−2626;Igazら、J.Clin.Invest.121(2):726−38(2011);Caccamoら、Am.J.Pathol.180(1):293−302(2012),Cannonら、Acta.Neuropathol.123(6):807−23(2012),Custerら、Hum Mol.Genet.19(9):174
1−55(2010);並びにTatomら、Mol.Ther.17(2009),607−613。
技量のある熟練者は、TDP−43タンパク質症の実験モデルが予防状況にて使用され得ること又は治療状況にて使用され得ることを理解する。予防状況では、TDP−43タンパク質症又はその症状の発症に先立って動物の投与が始まる。予防状況では、TDP−43タンパク質症又はその症状の発症を防ぐ、減らす又は遅らせるその能力について本発明の抗TDP−43抗体が評価される。治療状況では、TDP−43タンパク質症又はその症状の発症後に動物の投与が始まる。治療状況では、TDP−43タンパク質症又はその症状を治療する、軽減する又は緩和するその能力について本発明の抗TDP−43抗体が評価される。TDP−43タンパク質症の症状には、実験対象物のニューロン、脳、脊髄、脳脊髄液又は血清における病的TDP−43沈着の蓄積、病的TDP−43の分布、リン酸化されたTDP−43又は不溶性TDP−43の分画が挙げられるが、これらに限定されない。技量のある熟練者は、TDP−43タンパク質症の動物モデルにおける陽性の予防又は治療に転帰は、特定の抗TDP−43抗体が実験的モデル生物以外の対象にて予防目的又は治療目的で使用されることができ、たとえば、それを必要とするヒト対象にてTDP−43タンパク質症を治療するためにそれを使用することができることを示すことを理解する。
一実施形態では、本発明の抗TDP−43抗体は、TDP−43タンパク質症のマウスモデル及び相当する対照の野生型マウスに投与することができる。投与される抗体は本発明のマウス化抗体又は本発明のヒト−マウスキメラ抗体である。当該技術で既知の手段、たとえば、腹腔内、頭蓋内、筋肉内、静脈内、皮下、経口、及びエアゾールの投与によって抗TDP−43抗体を投与することができる。実験動物に1、2、3、4、5回以上抗TDP−43抗体又はPBSのような対照組成物を与えることができる。一実施形態では、実験動物は、1又は2回用量の抗TDP−43抗体を投与されるであろう。別の実施形態では、数週間又は数カ月にわたって抗TDP−43抗体が動物に慢性的に投与される。技量のある熟練者は、実験目的に適合する投与計画、たとえば、急性試験用の投与計画、慢性試験用の投与計画、毒性試験用の投与計画、予防試験又は治療試験のための投与計画を容易に設計することができる。たとえば、血清、血液、脳脊髄液、脳組織などであるが、それらに限定されない、実験動物の特定の組織区分における抗TDP−43抗体の存在は、当該技術で周知の方法を用いて立証することができる。一実施形態では、本発明の抗TDP−43抗体は脳血管関門を貫通することが可能である。別の実施形態では、本発明の抗TDP−43抗体はニューロンに侵入することが可能である。技量のある熟練者は、抗TDP−43抗体の用量及び投与回数を調整することによって、実験動物にて所望の抗TDP−43抗体の濃度を維持することができることを理解する。TDP−43タンパク質症モデルにおける本発明の抗TDP−43抗体の効果は治療された動物及び対照動物におけるTDP−43のレベル、生化学的な特性又は分布を比較することによって評価することができる。一実施形態では、本発明の抗体は動物モデルの脳又は脊髄におけるTDP−43封入体のレベル、量又は濃度を下げることが可能である。抗体は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、70%、90%、またはそれ以上、TDP−43封入体のレベル、量又は濃度を下げることができる。別の実施形態では、本発明の抗体は、動物モデルの脳又は脊髄におけるTDP−43封入体陽性のニューロンの数及び頻度を、たとえば、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、70%、90%、またはそれ以上減らすことができる。本発明の抗体の効果は、抗体投与に続くTDP−43の分布及び生化学特性を調べることによっても評価することができる。一実施形態では、本発明の抗体は、動物モデルの脳又は脊髄における細胞質TDP−43タンパク質の量又は濃度をたとえば、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、70%、90%、またはそれ以上減らすことができる。別の実施形態では、本発明の抗体は、動物モデルの脳又は脊髄における神経突起のTDP−43タンパク質の量又は濃度をたとえば、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、70%、90%、またはそれ以上減らすことができる。さらなる実施形態では、本発明の抗体は、動物モデルの脳又は脊髄におけるリン酸化されたTDP−43タンパク質の量又は濃度をたとえば、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、70%、90%、またはそれ以上減らすことができる。リン酸化されたTDP−43は、たとえば、p403/p404及びp409/p410のような病的にリン酸化されたTDP−43に特異的な抗体を用いて検出することができる。Hasegawaら、Ann.Neurol,64(1):60−70(2008)。本発明の抗体は、動物モデルの血液、血清又は脳脊髄液におけるTDP−43の濃度を、例えば少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、70%、90%、またはそれ以上変化させることができ、たとえば、減らす又は増やすことができる。一実施形態では、増減%は、治療前に存在したレベル、数、頻度、量又は濃度に比べて又は未治療の対象/対照治療された対象に存在するレベル、数、頻度、量又は濃度に比べて相対的である。
一実施形態では、本発明の抗体は対象におけるTDP−43タンパク質症の少なくとも1つの症状の発症を防ぐ又は遅らせることができる。一実施形態では、本発明の抗体は対象におけるTDP−43タンパク質症の少なくとも1つの症状を軽減する又は排除することができる。症状は、病的なTDP−43の沈着、リン酸化されたTDP−43の沈着又は不溶性TDP−43の沈着の形成であり得る。症状はまた、血清、血液、尿又は脳脊髄液におけるTDP−43の存在又は高い濃度若しくは量であることができ、その際、高い濃度又は量は健常対象と比較される。症状は、神経症状、たとえば、変化した条件付け味覚嫌悪、変化した文脈上の恐怖条件付け、記憶の損傷、運動機能の喪失であり得る。一実施形態では、記憶の損傷は2試行Y迷路試験を用いて評価される。一実施形態では、少なくとも1つの症状が少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、50%、70%、又は90%軽減される。別の実施形態では、2試行Y迷路試験の比率が対照の対象よりも抗体治療された対象で有意に高い。特定の実施形態では、2試行Y迷路試験の比率が少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%又は90%高められる。別の実施形態では、2試行Y迷路試験の比率が少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、10倍又は20倍高い。本発明はまた、治療上有効な量の本明細書で記載される抗TDP−43抗体を投与することを含む、それを必要とする対象にてTDP−43タンパク質症の少なくとも1つの症状の発症を予防する又は遅らせる方法も提供する。本発明はさらに、治療上有効な量の本明細書で記載される抗TDP−43抗体を投与することを含む、それを必要とする対象にてTDP−43タンパク質症の少なくとも1つの症状を軽減する又は排除する方法を提供する。一実施形態では、対象は、トランスジェニックマウスのような、しかし、これらに限定されない実験生物である。一実施形態では、対象はヒトである。
III.抗体をコードするポリヌクレオチド
抗体、又は抗原結合断片、その変異体又は誘導体をコードするポリヌクレオチドは未修飾のRNA若しくはDNA又は修飾されたRNA若しくはDNAであり得るポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドで構成され得る。たとえば、抗体、又は抗原結合断片、その変異体又は誘導体をコードするポリヌクレオチドは、一本鎖及び二本鎖のDNA、一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるDNA、一本鎖及び二本鎖のRNA、一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるRNA、一本鎖、又はさらに通常では、二本鎖であり得る若しくは一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であり得るDNA及びRNAを含むハイブリッド分子で構成され得る。加えて、抗体、又は抗原結合断片、その変異体又は誘導体をコードするポリヌクレオチドは、RNA又はDNA又はRNAとDNAの双方を含む三本鎖領域で構成され得る。抗体(抗体の抗原結合断片、その変異体又は誘導体を含む)をコードするポリヌクレオチドは、安定性又は他の理由のために修飾された1以上の塩基又は修飾されたDNA又はRNAの主鎖も含有することができる。「修飾された」塩基には、たとえば、トリチル化塩基及びイノシンのような通常ではない塩基が含まれる。種々の修飾をDNA及びRNAに対して行うことができるので、「ポリヌクレオチド」は、化学的に、酵素的に又は代謝的に修飾された形態を含む。
免疫グロブリン(免疫グロブリンの重鎖部分又は軽鎖部分)に由来する非天然の変異体をコードする単離されたポリヌクレオチドは、1以上のアミノ酸の置換、付加又は欠失がコードされたタンパク質に導入されるように、免疫グロブリンをコードするヌクレオチド配列に1以上のヌクレオチドの置換、付加又は欠失を導入することによって創ることができる。変異は、たとえば、部位特異的変異誘発及びPCRが介在する変異誘発のような常法によって導入することができる。一実施形態では、必須ではない1以上のアミノ酸残基の位置にて保存的なアミノ酸の置換を行う。
RNAは、たとえば、グアニジニウムイソチオシアネート抽出及び沈殿、その後の遠心又はクロマトグラフィのような常法によって元々のB細胞、ハイブリドーマ細胞又は他の形質転換細胞から単離することができる。所望であれば、mRNAは、たとえば、オリゴdTセルロース上でのクロマトグラフィのような常法を用いて全RNAから単離することができる。好適な技法は当該技術ではよく知られている。一実施形態では、抗体の軽鎖及び重鎖をコードするcDNAは、既知の方法に従って逆転写酵素及びDNAポリメラーゼを用いて同時に又は別々に作製することができる。定常領域のコンセンサスプライマーによって又は公開された重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列に基づくさらに特異的なプライマーによってPCRを開始することができる。上で論じたように、PCRを用いて抗体の軽鎖及び重鎖をコードするDNAクローンを単離することができる。この場合、コンセンサスプライマー、又はたとえば、ヒト定常領域のプローブのようなさらに大きな相同プローブによってライブラリをスクリーニングすることができる。
DNA、通常、プラスミドDNAは、当該技術で既知の方法を用いて細胞から単離することができ、たとえば、組換えDNA法に関連する前述の文献にて詳細に示された標準の既知の技法に従って、制限マッピングされ、配列決定される。当然、DNAは、単離工程又はその後の解析の間の任意の時点で本発明に従って合成であり得る。
一実施形態では、本発明は、免疫グロブリンの重鎖可変領域(VH)をコードする核酸を含む、それから本質的に成る、又は成る単離されたポリヌクレオチドを提供するが、その際、重鎖可変領域のCDRの少なくとも1つ又は重鎖可変領域のVH−CDRの少なくとも2つは、本明細書で開示される参照重鎖 VH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%又は99%同一である。あるいは、VHのVH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3の領域は、本明細書で開示される参照重鎖 VH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%又は99%同一である。従って、この実施形態によれば、本発明の重鎖可変領域は、図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるポリペプチドに関連するVH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3のポリペプチド配列を有する。一実施形態では、参照VH−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260又は268であり;参照VH−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261又は269であり;参照VH−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262又は270である。一実施形態では、本発明は、免疫グロブリンの重鎖可変領域(VH)をコードする核酸を含む、それから本質的に成る、又は成る単離されたポリヌクレオチドを提供するが、その際、VH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3の領域は、VH−CDRの任意の1つにおける1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアミノ酸置換を除いて、図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるVH−CDR1、VH−CDR2又はVH−CDR3の群のポリペプチド配列を有する。特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的である。一実施形態では、VH−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号3、11、19、28、37、46、54、62、70、79、88、131、139、147、156、164、172、180、188、196、204、212、220、228、236、244、252、260又は268であり;VH−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号4、12、20、29、38、47、55、63、71、80、89、132、140、148、157、165、173、181、189、197、205、213、221、229、237、245、253、261又は269であり;VH−CDR3のアミノ酸配列は、配列番号5、13、21、30、39、48、56、64、72、81、90、133、141、149、158、166、174、182、190、198、206、214、222、230、238、246、254、262又は270である。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリンの軽鎖可変領域(VL)をコードする核酸を含む、それから本質的に成る、又は成る単離されたポリヌクレオチドを提供するが、その際、軽鎖可変領域のVL−CDRの少なくとも1つ又は軽鎖可変領域のVL−CDRの少なくとも2つは、本明細書で開示される参照軽鎖 VL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%又は99%同一である。あるいは、VLのVL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3の領域は、本明細書で開示される参照軽鎖VL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%又は99%同一である。従って、この実施形態によれば、本発明の軽鎖可変領域は、図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるポリペプチドに関連するVL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3のポリペプチド配列を有する。一実施形態では、参照VL−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272又は326であり;参照VL−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273又は327であり;参照VL−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274又は328である。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリンの重鎖可変領域(VL)をコードする核酸を含む、それから本質的に成る、又は成る単離されたポリヌクレオチドを提供するが、その際、VL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3の領域は、VL−CDRの任意の1つにおける1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアミノ酸置換を除いて、図1A〜1K及び3A〜3Rに示されるVL−CDR1、VL−CDR2又はVL−CDR3の群のポリペプチド配列を有する。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的である。一実施形態では、VL−CDR1のアミノ酸配列は、配列番号7、15、23、32、42、50、58、66、74、84、91、135、143、152、160、168、176、184、192、200、208、216、224、232、240、248、256、264、272又は326であり;VL−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号8、16、24、33、43、51、59、67、75、85、92、136、144、153、161、169、177、185、193、201、209、217、225、233、241、249、257、265、273又は327であり;VL−CDR2のアミノ酸配列は、配列番号9、17、25、34、44、52、60、68、76、86、93、137、145、154、162、170、178、186、194、202、210、218、226、234、242、250、258、266、274又は328である。
当該技術で知られるように、2つのポリペプチド間又は2つのポリヌクレオチド間の「配列同一性」は、一方のポリペプチド又はポリヌクレオチドのアミノ酸配列又は核酸配列を第2のポリペプチド又はポリヌクレオチドの配列と比較することによって決定される。本明細書で考察する場合、特定のポリペプチドが別のポリペプチドと少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%同一であるかどうかは、たとえば、BESTFITプログラム(ウィスコンシン州53711、サイエンス通り575、University Research Park、Unix(登録商標),Genetics Computer Groupのためのウィスコンシン配列解析パッケージ、バージョン8)に限定されない当該技術で既知の方法及びコンピュータプログラム/ソフトウエアを用いて決定することができる。BESTFITは、Smith及びWatermanのAdvances in Applied Mathematics、2(1981),482−489のローカル相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の相同性の最良の断片を見つけ出す。BESTFIT又は他の配列配置プログラムを用いて特定の配列が本発明に係る参照配列と、たとえば、95%同一であるかどうかを判定する場合、パラメータは当然、同一性の比率が参照ポリペプチド配列の完全長にわたって算出され、参照配列におけるアミノ酸の総数の5%までの相同性におけるギャップが許されるように設定される。
本発明の一実施形態では、ポリヌクレオチドは、表3に列記されるTDP−43に結合する抗体のVH又はVLの領域のポリヌクレオチド配列を有する核酸を含む、それから本質的に成る、又は成る。この点で、当業者は、軽鎖及び/又は重鎖の少なくとも可変ドメインをコードするポリヌクレオチドは免疫グロブリン鎖の双方の又は一方だけの可変ドメインをコードすることができることを容易に十分に理解するであろう。
一実施形態では、本発明は、参照重鎖VHと少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%、又は99%又は95%同一である免疫グロブリン重鎖可変領域をコードする核酸を含む、それから本質的に成る、又は成る単離されたポリヌクレオチドを提供する。一実施形態では、参照の重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号1、10、18、26、35、45、53、61、69、77、87、130、138、146、155、163、171、179、187、195、203、211、219、227、235、243、251、259、又は267である。
一実施形態では、本発明は、参照軽鎖VLと少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%、又は99%又は95%同一である免疫グロブリン軽鎖可変領域をコードする核酸を含む、それから本質的に成る、又は成る単離されたポリヌクレオチドを提供する。一実施形態では、参照軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号6、14、22、31、40、49、57、65、73、82、122、134、142、150、151、159、167、175、183、191、199、207、215、223、231、239、247、255、263、又は271である。
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドの断片も含む。好ましくは、ポリヌクレオチドはTDP−43と結合するポリペプチドをコードする。さらに、本明細書で記載されるような融合ポリヌクレオチド、Fab断片及び他の誘導体をコードするポリヌクレオチドも本発明によって包含される。
当該技術で既知の適当な方法によってポリヌクレオチドを作出する又は製造することができる。たとえば、抗体のヌクレオチド配列が知られているのであれば、たとえば、Kutmeierら、BioTechniques、17(1994),242に記載されるような化学的に合成されたオリゴヌクレオチドから抗体をコードするポリヌクレオチドを組み立てることができ、それには手短に、抗体をコードする配列の一部を含有する重複するオリゴヌクレオチドの合成、それらオリゴヌクレオチドのアニーリングと連結、次いで連結されたオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅が関与する。
或いは、抗体(抗体の抗原結合性の断片又はその誘導体又は変異体を含む)は、好適な供給源に由来する核酸から生成することができる。特定の抗体をコードする核酸を含有するクローンが利用可能ではないが、抗体の配列が知られている場合、抗体をコードする核酸は、化学的に合成することができ、又は配列の3’及び5’末端にハイブリッド形成する合成プライマーを用いたPCR増幅によって若しくは特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いてクローニングして、たとえば、抗体をコードするcDNAライブラリからcDNAを特定することによって、好適な供給源(たとえば、抗体を発現するように選抜されたハイブリドーマのようなTDP−43に特異的な抗体を発現している組織又は細胞から生成される抗体cDNAライブラリ又はcDNAライブラリ、又はそれから単離される核酸、好ましくはポリA+RNA)から得ることができる。次いで当該技術で既知の方法を用いて、PCRによって生成される増幅された核酸を複製可能なクローニングベクターにクローニングすることができる。
抗体、又は抗原結合断片、その変異体又は誘導体のヌクレオチド配列及び相当するアミノ酸配列がいったん決定されると、ヌクレオチド配列の操作についての当該技術で既知の方法、たとえば、組換えDNA法、部位特異的変異誘発、PCR等(たとえば、その内容が全体として参照によって本明細書に組み入れられるSambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版、Cold
Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.(1990)及びAusubelら編、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,NY(1998)に記載された技法を参照のこと)用いてそのヌクレオチド配列を操作し、異なるアミノ酸配列を有する抗体を生成することができ、たとえば、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を創ることができる。
IV.抗体ポリペプチドの発現
本発明の抗体(抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体を含む)を提供するための単離された遺伝素材の操作に続いて、抗体をコードするポリヌクレオチドは通常、所望の量の抗体を産生するのに使用することができる宿主細胞への導入のために発現ベクターに挿入される。抗体、又はその断片、誘導体又は類似体、たとえば、標的分子に結合する抗体の重鎖又は軽鎖の組換え発現が本明細書で記載される。本発明の抗体又は抗体の重鎖若しくは軽鎖又はその一部(好ましくは重鎖又は軽鎖の可変ドメインを含有する)をコードするポリヌクレオチドがいったん得られると、当該技術で既知の技法を用いた組換えDNA法によって抗体産生にためのベクターを作出することができる。従って、抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドを発現させることによってタンパク質を調製する方法が本明細書で記載される。当業者に既知の方法を用いて抗体をコードする配列及び適当な転写及び翻訳の制御シグナルを含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、たとえば、試験管内の組換えDNA法、合成法、及び生体内の遺伝子組換えが挙げられる。こうして本発明は、プロモータに操作可能に連結された本発明の抗体又はその重鎖若しくは軽鎖、又は重鎖若しくは軽鎖の可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む複製可能なベクターを提供する。そのようなベクターは、抗体の定常領域をコードするヌクレオチド配列(たとえば、国際出願公開番号WO86/05807及び米国特許第5,122,464号を参照)を含むことができ、抗体の可変ドメインは、重鎖又は軽鎖全体を発現するために、そのようなベクターにクローニングすることができる。
「ベクター」又は「発現ベクター」という用語は、宿主細胞に所望の遺伝子を導入し、そこではそれを発現させるための媒体として本発明に従って使用されるベクターを意味するように本明細書で使用される。当該技術で知られるように、そのようなベクターは、プラスミド、ファージ、ウイルス及びレトロウイルスから成る群から容易に選択することができる。一般に、本発明に適合するベクターは、選抜マーカー、所望の遺伝子のクローニングを円滑にする制限部位及び真核細胞又は原核細胞に侵入し及び/又はそこで複製する能力を含むであろう。本発明の目的のために多数の発現ベクター系を採用することができる。たとえば、ベクターのクラスの1つは、たとえば、ウシパピローマウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(RSV、MMTV又はMOMLV)又はSV40ウイルスのような動物ウイルスに由来するDNA要素を利用する。他には内部リボソーム結合部位を持つポリシストロン系の使用が関与する。さらに、形質移入された宿主細胞の選抜を可能にする1以上のマーカーを導入することによって染色体にDNAを統合している細胞を選抜することができる。マーカーは、栄養要求性の宿主に対して原栄養性、殺生物剤耐性(たとえば、抗生剤)又は銅のような重金属に対する耐性を提供する。選抜可能なマーカーは、発現されるDNA配列に直接連結することができるか、又は同時形質転換によって同一細胞に導入することができる。mRNAの最適な合成のために追加の要素が必要とされ得る。これらの要素には、シグナル配列、スプライスシグナルと同様に転写プロモータ、エンハンサ及び終結シグナルを挙げることができる。
特定の実施形態では、上で論じたように重鎖及び軽鎖定常領域をコードする配列(たとえば、ヒトの重鎖又は軽鎖定常領域の遺伝子)と共に、クローニングされた可変領域の遺伝子を発現ベクターに挿入する。一実施形態では、米国特許第6,159,730号にて開示されるNEOSPLAと呼ばれるBiogen IDEC社の所有権のある発現ベクターを用いてこれが達成される。このベクターは、サイトメガロウイルスのプロモータ/エンハンサ、マウスのβグロビン主要プロモータ、SV40の複製開始点、ウシ成長ホルモンのポリアデニル化配列、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼのエクソン1とエクソン2、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子及びリーダー配列を含有する。このベクターは、可変領域遺伝子及び定常領域遺伝子の組み入れ、CHO細胞での形質移入、その後のG418含有培地での選抜及びメソトレキセート増幅の際、抗体の非常に高いレベルの発現を生じることが見い出されている。当然、真核細胞における発現を引き出すことができる、いかなる発現ベクターをも本発明で使用することができる。好適なベクターの例には、プラスミドpcDNA3、pHCMV/Zeo、pCR3.1、pEF1/His、pIND/GS、pRc/HCMV2、pSV40/Zeo2、pTRACER−HCMV、pUB6/V5−His、pVAX1、及びpZeoSV2(カリフォルニア州、サンディエゴのInvitrogenから入手可能)、及びプラスミドpCI(ウィスコンシン州、マジソンのPromegaから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、好適に高いレベルの免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖を発現するものについて多数の形質転換細胞をスクリーニングすることは、たとえば、ロボット系によって実施することができる日常の実験である。ベクター系はまた、それぞれその全体が参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第5,736,137号及び同第5,658,570号にて教示されている。この系は高い発現レベル、たとえば、30pg/細胞/日超を提供する。他の例となるベクター系はたとえば、米国特許第6,413,777号にて開示されている。
他の実施形態では、本発明の抗体(たとえば、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体)は、米国特許出願公開番号2003−0157641A1にて開示され、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるポリシストロン構築物を用いて発現することができる。これらの発現系では、抗体の重鎖及び軽鎖のような複数の当該遺伝子産物が単一のポリシストロン構築物から作出され得る。これらの系は内部リボソーム侵入部位(IRES)を有利に用いて相対的に高いレベルの抗体を提供する。適合するIRES配列は、本明細書に組み入れられる米国特許第6,193,980号にて開示されている。当業者は、そのような発現系を用いて本出願で開示される、すべての抗体を効果的に作出することができることを十分に理解するであろう。
さらに一般的には、抗体の単量体サブユニットをコードするベクター又はDNA配列がいったん調製されると、発現ベクターを適切な宿主細胞に導入することができる。プラスミドの宿主細胞への導入は、当業者に既知の種々の技法によって達成することができる。これらには、たとえば、Fugene又はリポフェクトアミンを用いたリポ形質移入、原形質融合、リン酸カルシウム沈殿、エンベロープDNAとの細胞融合、微量注入、及び無傷のウイルスによる感染を含む形質移入が挙げられるが、これらに限定されない。通常、宿主へのプラスミドの導入は、当該技術で既知の常法、たとえば、リン酸カルシウム共沈殿を介する。発現構築物を抱く宿主細胞を軽鎖及び重鎖の産生に適する条件下で増殖させ、重鎖及び/又は軽鎖のタンパク質合成についてアッセイする。非限定の例となるアッセイ法には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射性免疫アッセイ(RIA)又は蛍光活性化細胞ソーター解析(FACS)及び免疫組織化学が挙げられる。
発現ベクターを従来の技法によって宿主細胞に移し、次いで、形質移入された細胞を従来に技法によって培養して本明細書で記載される方法で使用するための抗体を作出する。従って、本発明には、非相同のプロモータに操作可能に連結された本発明の抗体又はその重鎖若しくは軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞が含まれる。二本鎖抗体の発現のための特定の実施形態では、以下に詳述されるように、免疫グロブリン分子全体を発現するための宿主細胞にて重鎖及び軽鎖の双方をコードするベクターを同時発現させることができる。
本発明の2つの発現ベクターによって宿主細胞に同時形質移入することができ、第1のベクターは重鎖由来のポリペプチドをコードし、第2のベクターは軽鎖由来のポリペプチドをコードする。2つのベクターは重鎖と軽鎖のポリペプチドの同等の発現を可能にする同一の選択可能なマーカーを含有することができる。或いは、重鎖と軽鎖のポリペプチド双方をコードする単一のベクターを使用することができる。そのような状況では、過剰な毒性の遊離の重鎖を回避するために重鎖の前に軽鎖を有利に置く;Proudfoot,Nature、322(1986),52;Kohler,Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77(1980),2197を参照のこと。重鎖及び軽鎖のコーディング配列はcDNA又はゲノムDNAを含むことができる。
本明細書で使用されるとき、「宿主細胞」は、組換えDNA法を用いて構築され、少なくとも1以上の遺伝子をコードするベクターを抱く細胞を指す。組換え宿主からの抗体の単離についての工程の記載では、「細胞」及び「細胞培養物」という用語は相互交換可能に使用されて、明瞭に特定されない限り、抗体の供給源を示す。言い換えれば、「細胞」からのポリペプチドの回収は、全細胞の遠心から又は培地及び浮遊細胞の双方を含有する培養物からのいずれかを意味する。
種々の宿主/発現ベクター系を利用して本明細書で記載される方法で使用するための抗体を発現させることができる。そのような宿主/発現ベクター系は、それによって当該コーディング配列が作出され、その後精製される媒体を表すが、適当なヌクレオチドコーディング配列で形質転換される又は形質移入される場合、その場で本発明の抗体を発現することができる細胞も表す。これらには、抗体のコーディング配列を含有する組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNAの発現ベクターで形質転換された細菌(たとえば、E.coli,B.subtilis);抗体のコーディング配列を含有する組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(たとえば、Saccharomyces,Pichia);抗体のコーディング配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(たとえば、バキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系;抗体のコーディング配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(たとえば、カリフラワーモザイクウイルスCaMV、タバコモザイクウイルスTMV)を感染させた、又は抗体のコーディング配列を含有する組換えプラスミド発現ベクター(たとえば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;又は、哺乳類細胞のゲノムに由来する(たとえば、メタロチオネインプロモータ)又は哺乳類ウイルス(たとえば、アデノウイルス後期プロモータ、ワクシニアウイルス7.5Kプロモータ)に由来するプロモータを含有する組換え発現構築物を抱く哺乳類細胞系(たとえば、COS、CHO、NSO、BLK、293、3T3細胞)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、特に全長組換え抗体の発現用の大腸菌細胞のような細菌細胞、及び真核細胞を組換え抗体の発現に使用する。たとえば、ヒトのサイトメガロウイルスに由来する主要最初期遺伝子プロモータ要素のようなベクターと併せたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳類細胞は、抗体のための有効な発現系である。たとえば、Foeckingら、Gene、45(1986),101;Cockettら、Bio/Technology、8(1990),2を参照のこと。
本発明のTDP−43結合分子のタンパク質発現に使用される宿主細胞株には、たとえば、哺乳類起源の細胞が含まれ;当業者は、その中で発現される所望の遺伝子産物に最適である特定の宿主細胞を決定する能力を有する。例となる宿主細胞株には、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)、DG44及びDUXB11(チャイニーズハムスター卵巣株、DHFRマイナス)、HELA(ヒト子宮頸癌)、CVI(サル腎臓株)、COS(SV40のT抗原を持つCVIの誘導体)、VERY、BHK(幼若ハムスター腎臓)、MDCK、WI38、R1610(チャイニーズハムスター線維芽細胞)BALBC/3T3(マウス線維芽細胞)、HAK(ハムスター腎臓株)、SP2/O(マウス骨髄腫)、P3x63−Ag3.653(マウス骨髄腫)、BFA−1c1BPT(ウシ内皮細胞)、RAJI(ヒトリンパ球)及び293(ヒト腎臓)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、宿主細胞株はCHO細胞又は293細胞である。宿主細胞株は容易に入手可能であり、通常、米国組織培養コレクション(American Tissue Culture Collection)のような商業的サービス又は公開された文献から入手可能である。
加えて、挿入された配列の発現を調節する又は所望の特定の方式で遺伝子産物を修飾し、処理する宿主細胞の株を選択することができる。タンパク質産物のそのような修飾(たとえば、グリコシル化)及び処理(たとえば、切断)はタンパク質の機能に重要であり得る。異なる宿主細胞はタンパク質及び遺伝子産物の翻訳後の処理及び修飾について特徴的で特異的なメカニズムを有する。適当な細胞株又は宿主系を選択して発現される異種タンパク質の正しい修飾及び処理を確実にする。この目的で、一次転写物の適正なプロセッシング、遺伝子産物のグリコシル化及びリン酸化についての細胞機構を持つ真核宿主細胞を使用することができる。
長期にわたる、組換えタンパク質の高い収率、好適な発現が好まれる。たとえば、抗体を安定して発現する細胞株を操作することができる。ウイルスの複製開始点を含有する発現ベクターを用いるのではなく、適当な発現制御要素(たとえば、プロモータ、エンハンサ、転写ターミネータ、ポリアデニル化部位等)によって制御されたDNAと選抜可能なマーカーによって宿主細胞を形質転換することができる。異種DNAの導入に続いて、操作した細胞を強化培地で1〜2日間培養し、次いで選抜培地に交換する。組換えプラスミドにおける選抜可能なマーカーは、選抜に対する耐性を付与し、細胞がその染色体にプラスミドを統合し、順にクローニングし、細胞株に増殖させる巣状物を形成するように増殖するのを可能にする。この方法を有利に用いて安定に抗体を発現する細胞株を操作することができる。
以下を含むが、これに限定されない多数の選抜系を本発明に従って使用することができ:単純性ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(Wigler et al., Cell 11 (1977),
223)、ヒポキサンチン/グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48 (1992), 202))及びアデノシンホ
スホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al., Cell 22 (1980), 817)は、それぞれ、tk細胞、hgprt細胞又はaprt細胞にて採用することができる。また、以下の遺伝子、メソトレキセートに対する耐性を付与するdhfr(Wigler et al., Natl.
Acad. Sci. USA 77 (1980), 357; O'Hare et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78 (1981), 1527); ミコフェノール酸に対する耐性を付与するgpt(Mulligan & Berg, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78 (1981), 2072); アミノグリコシドG418に対する耐性を付与するneo(Goldspiel et al., Clinical Pharmacy 12 (1993), 488-505; Wu and Wu, Biotherapy 3 (1991), 87-95; Tolstoshev, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32 (1993), 573-596; Mulligan, Science
260 (1993), 926-932; and Morgan and Anderson, Ann. Rev. Biochem. 62
(1993), 191-217; TIB TECH 11 (1993), 155-215); 及びハイグロマイシンに
対する耐性を付与するhygro,(Santerre et al., Gene 30 (1984), 147)に
ついての選抜の基礎として抗代謝体耐性を使用することができる。使用することができる組換えDNA法の当該技術で既知である方法は、それぞれそ全体が参照によって本明細書に組み入れられる、Ausubelら(編),Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,NY(1993);Kriegler,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,NY(1990);並びにin Chapters 12及び13, Dracopoliら、(編),Current Protocols in Human Genetics,John Wiley & Sons,NY(1994);Colberre−Garapinら、J.Mol.Biol.150:1(1981)に記載されている。
たとえば、ベクターの増幅によるものを含む当該技術で既知の技法を用いて抗体の発現レベルを高めることができる;たとえば、Bebbington及びHentschel,The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning,Academic Press,New York,Vol.3.(1987)を参照のこと。抗体を発現するベクター系におけるマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞の培養物に存在する阻害剤のレベルの上昇はマーカー遺伝子のコピー数を高めるであろう。増幅された領域が抗体遺伝子と関係するので、抗体の産生も高まるであろう;Crouseら、Mol.Cell.Biol.3(1983),257を参照のこと。
試験管内の生産は大量の所望のポリペプチドを提供するように規模拡大を可能にする。組織培養条件下での哺乳類細胞培養の技法は当該技術で既知であり、それには、たとえば、気泡ポンプ反応器若しくは連続撹拌反応器における均質浮遊培養、又はたとえば、中空繊維、マイクロカプセル、若しくはアガロースマイクロビーズ若しくはセラミックカートリッジにおける不動化された若しくは捕捉された細胞の培養が挙げられる。必要に応じて及び/又は所望であれば、ポリペプチドの溶液を、たとえば、合成ヒンジ領域ポリペプチドの優先的な生合成の後での、又は本明細書で記載されるHICクロマトグラフィステップに先立って又はそれに続いての慣行のクロマトグラフィ法、たとえば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィ、DEAEセルロース上でのクロマトグラフィ又は(免疫)アフィニティクロマトグラフィによって精製することができる。
本発明の抗体(抗体の抗原結合性の断片又はその誘導体又は変異体を含む)をコードする遺伝子を細菌又は昆虫又は酵母又は植物細胞のような非哺乳類細胞でも発現させることができる。核酸を容易に取り込む細菌には、Escherichia coli又はSalmonellaの株のような腸内細菌;Bacillus subtilisのようなBacillaceae;Pneumococcus;Streptococcus,及びHaemophilus influenzaeのメンバーが挙げられる。細菌で発現させる場合、非相同のポリペプチドは通常封入体の一部になることがさらに十分に理解されるであろう。非相同のポリペプチドは、単離され、精製され、次いで機能分子に組立てられなければならない。抗体の四価形態が所望される場合、サブユニットは四価抗体に自己集合するであろう;たとえば、国際出願公開番号WO02/096948を参照のこと。
細菌の系では、発現される抗体の用途に応じて多数の発現ベクターが有利に選択される。たとえば、大量のそのようなタンパク質が生産されるべきである場合、抗体の医薬組成物の生成については、容易に精製される融合タンパク質産物の高レベルの発現を指示するベクターが望ましくあり得る。そのようなベクターには、融合タンパク質が生産されるように抗体のコーディング配列を個々のベクターにてインフレームでlacZコーディング領域に連結することができる大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther et al., EMBO
J. 2 (1983), 1791);pINベクター(Inouye & Inouye, Nucleic Acids Res. 13 (1985), 3101-3109; Van Heeke & Schuster, J. Biol. Chem. 24 (1989), 5503-5509)等が挙げられるが、これらに限定されない。pGEXベクターを用い
てグルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク質として異種ポリペプチドを発現させることができる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオン/アガロースビーズのマトリクスへの吸着及び結合、その後の遊離のグルタチオンの存在下での溶出によって溶解細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子産物がGST部分から放出され得るようにトロンビン又は因子Xaプロテアーゼの切断部位を含めるように設計される。
原核生物に加えて、真核微生物も使用することができる。一般的なパン製造の酵母であるSaccharomyces cerevisiaeが真核微生物の間では最も一般に使用されるが、多数の他の株、たとえば、Pichia pastorisが一般に利用可能である。Saccharomycesにおける発現のためには、たとえば、プラスミドYRp7(Stinchcomb et al., Nature 282 (1979), 39; Kingsman et al.,
Gene 7 (1979), 141; Tschemper et al., Gene 10 (1980), 157)が一般に
使用される。このプラスミドは、トリプトファンの中で増殖する能力を欠く変異株、たとえば、ATCC番号44076又はPEP4−1(Jones, Genetics 85 (1977), 12
)のための選抜マーカーを提供するTRP1遺伝子をすでに含有している。次いで、酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてのtrp1損傷の存在はトリプトファンの非存在下での増殖によって形質転換を検出するための効果的な環境を提供する。
昆虫の系では、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)が通常、異種遺伝子を発現させるためのベクターとして使用される。ウイルスはSpodoptera frugiperda細胞にて増殖する。抗体のコーディング配列をウイルスの非必須領域(たとえば、ポリヘドリン遺伝子)に個々にクローニングし、AcNPVプロモータ(たとえば、ポリヘドリンプロモータ)の制御のもとに置くことができる。
本発明の抗体がいったん組換えで発現されると、たとえば、クロマトグラフィ(たとえば、イオン交換、アフィニティ、特にプロテインA及びサイズカラムクロマトグラフィ後の特異的な抗原に対する親和性)、遠心、差次的溶解性、たとえば、硫安沈殿を含む当該技術の標準的な手順に従って、又はタンパク質の精製のための他の標準的な技法によって本発明の全長抗体、その二量体、個々の軽鎖及び重鎖、又は他の免疫グロブリン形態を精製することができる;たとえば、Scopes,”Protein Purification”,Springer Verlag,N.Y.(1982)を参照のこと。或いは、本発明の抗体の親和性を高める別の方法が、米国特許公開番号2002−0123057A1にて開示されている。
V.融合タンパク質及び複合体
ある特定の実施形態では、抗体ポリペプチドは正常では抗体に伴わないアミノ酸配列又は1以上の部分を含む。例となる修飾は以下でさらに詳しく記載される。たとえば、本発明の単鎖fv抗体断片は柔軟なリンカー配列を含むことができ、又は官能性部分(たとえば、PEG、薬剤、毒素、又は蛍光、放射線、酵素、核磁気、重金属等)を付加するように修飾することができる。
本発明の抗体ポリペプチドは、融合タンパク質を含む、それから本質的に成る、又は成ることができる。融合タンパク質は、たとえば、少なくとも1つの標的結合部位、及び少なくとも1つの非相同部分、すなわち、天然では実際に連結されない部分を伴った免疫グロブリンのTDP−43結合ドメインを含むキメラ分子である。アミノ酸配列は、融合ポリペプチドで一緒になる別々のタンパク質で正常では存在することができ、又は正常では同一のタンパク質に存在することができるが、融合ポリペプチドでは新しい配置に置かれ得る。融合タンパク質は、たとえば、化学合成によって、又はペプチド領域が所望の関係でコードされるポリヌクレオチドを創り、翻訳することによって創ることができる。
「非相同の」という用語は、ポリヌクレオチド又はポリペプチドに適用されるとき、ポリヌクレオチド又はポリペプチドが比較される実体の他の部分のそれとは異なる実体に由来することを意味する。たとえば、本明細書で使用されるとき、抗体、又は抗原結合断片、その変異体又は類似体に融合される「非相同のポリペプチド」は、同一種の非免疫グロブリンポリペプチド又は異なる種の免疫グロブリンポリペプチド若しくは非免疫グロブリンポリペプチドに由来する。
本明細書の他でさらに詳細に論じるように、本発明の抗体(たとえば、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体)又は抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体はさらに、N末端若しくはC末端にて非相同のポリペプチドに組換えで融合することができ、又はポリペプチド若しくは他の組成物に化学的に複合体化することができる(共有結合及び非共有結合の複合体化を含む)。たとえば、検出アッセイにて標識として有用な分子及び、たとえば、非相同のポリペプチド、薬剤、放射性核種、若しくは毒素のようなエフェクター分子に抗体を組換えで融合する又は複合体化することができる;たとえば、国際出願公開番号WO92/08495;WO91/14438;WO89/12624;米国特許第5,314,995号;及び欧州特許出願番号EP0396387を参照のこと。
本発明の抗体(たとえば、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体)は、ペプチド結合又は修飾されたペプチド結合、すなわち、ペプチド同配体によって互いに連結されたアミノ酸によって構成されることができ、20の遺伝子がコードするアミノ酸以外のアミノ酸を含有することができる。たとえば、翻訳後処理のような天然の過程によって又は当該技術で既知の化学修飾法によって抗体を修飾することができる。そのような修飾は、教科書にて及びさらに詳細な研究論文にて同様に多数の研究文献にて十分に記載されている。修飾は抗体のペプチド主鎖、アミノ酸側鎖、及びアミノ末端又はカルボキシ末端、又は糖類のような部分を含むどこでも生じ得る。同一種の修飾は所与の抗体の幾つかの部位にて同一程度で又は様々な程度で存在することができることが十分に理解されるであろう。また、所与の抗体が多数の種類の修飾を含有することができる。たとえば、ユビキチン化の結果として抗体を分岐させることができ、分岐を伴って又は伴わずに環状であることができる。環状の、分岐した及び分岐した環状の抗体は、翻訳後の天然の過程の結果生じ得る、又は合成方法によって作製することができる。修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有架橋の形成、システインの形成、ピログルタミンの形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカーの形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化、タンパク分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、たとえば、アルギニン化のような転移RNAが介在するタンパク質へのアミノ酸の付加、及びユビキチン化が挙げられる;たとえば、Proteins−Structure And Molecular Properties,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York、第2版(1993);Posttranslational Covalent Modification Of Proteins,B.C.Johnson編、Academic Press,New York,pgs.1−12(1983);Seifterら、Meth.Enzymol.182(1990),626−646;Rattanら、Ann.NY Acad.Sci.663(1992),48−62)を参照のこと。
本発明はまた、抗体又は抗原結合断片、その変異体又は誘導体、及び非相同のポリペプチドを含む融合タンパク質も提供する。一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、本発明の抗体のVH領域の1以上のアミノ酸配列、又は本発明の抗体若しくはその断片若しくは変異体のVL領域の1以上のアミノ酸配列、及び非相同のポリペプチド配列を有するポリペプチドを含む、それから本質的に成る、又は成る。別の実施形態では、本明細書で開示される診断法及び治療法で使用するための融合タンパク質は、本発明の抗体若しくはその断片、変異体若しくは誘導体のVH−CDRの1、2、3のアミノ酸配列、又は本発明の抗体若しくはその断片、変異体若しくは誘導体のVL−CDRの1、2、3のアミノ酸配列、及び非相同のポリペプチド配列を有するポリペプチドを含む、それから本質的に成る、又は成る。一実施形態では、融合タンパク質は、本発明の抗体若しくはその断片、誘導体若しくは変異体のVH−CDR3のアミノ酸配列、及び非相同のポリペプチド配列を有するポリペプチドを含み、その融合タンパク質はTDP−43に特異的に結合する。別の実施形態では、融合タンパク質は、本発明の抗体の少なくとも1つのVH領域のアミノ酸配列及び本発明の抗体若しくはその断片、誘導体若しくは変異体の少なくとも1つのVL領域のアミノ酸配列、及び非相同のポリペプチド配列を有するポリペプチドを含む。一実施形態では、融合タンパク質のVH及びVL領域は、TDP−43に特異的に結合する単一源の抗体(又はscFv又はFab断片)に対応する。さらに別の実施形態では、本明細書で開示される診断法及び治療法で使用するための融合タンパク質は、抗体のVH−CDRの1、2、3のアミノ酸配列及び抗体又はその断片又は変異体のVL−CDRの1、2、3のアミノ酸配列、及び非相同のポリペプチド配列を有するポリペプチドを含む。一実施形態では、VH−CDR又はVL−CDRの2、3、4、5、6以上が本発明の単一源の抗体(又はscFv又はFab断片)に対応する。これらの融合タンパク質をコードする核酸分子も本発明によって包含される。
文献にて報告された例となる融合タンパク質には、T細胞受容体(Gascoigne et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84 (1987), 2936-2940; CD4 (Capon et al.,
Nature 337 (1989), 525-531; Traunecker et al., Nature 339 (1989), 68-70; Zettmeissl et al., DNA Cell. Biol. USA 9 (1990), 347-353; and Byrn et al., Nature 344 (1990), 667-670); L−セレクチン(ホーミング受容体)(Watson et al., J. Cell. Biol. 110 (1990), 2221-2229; and Watson et
al., Nature 349 (1991), 164-167); CD44 (Aruffo et al., Cell 61 (1990), 1303-1313);CD28及びB7(Linsley et al., J. Exp. Med. 173 (1991),721-730); CTLA−4(Lisley et al., J. Exp. Med. 174 (1991), 561-569);CD22(Stamenkovic et al., Cell 66 (1991), 1133-1144);TNF受容体(Ashkenazi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991), 10535-10539; Lesslauer et al., Eur. J. Immunol. 27 (1991), 2883-2886; and Peppel et al., J. Exp. Med. 174 (1991), 1483-1489 (1991);及びIgE受容体a (Ridgway and Gorman, J. Cell. Biol. 115 (1991), Abstract No. 1448)の融合が挙げられる。
本明細書の他で論じられるように、本発明の抗体(たとえば、無傷の抗体及び、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体)は、ポリペプチドの生体内での半減期を高めるために、又は当該技術で既知の方法を用いた免疫アッセイで使用するために非相同のポリペプチドと融合することができる。たとえば、一実施形態では、PEGを本発明の抗体に複合体化させて生体内での半減期を高めることができる;たとえば、Leongら、Cytokine、16(2001),106−119;Adv.in Drug Deliv.Rev.54(2002),531;又はWeirら、Biochem.Soc.Transactions、30(2002),512を参照のこと。
さらに、本発明の抗体(たとえば、無傷の抗体及び、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体)は、その精製又は検出を円滑にするペプチドのようなマーカー配列に融合することができる。特定の実施形態では、マーカーのアミノ酸配列は、pQEベクター(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, Calif., 91311)で提供されるタグのようなヘキサ−ヒスチジンペプチド(HIS)であり、とりわけ、その多くは市販されている。Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86(1989),821−824にて考察されたように、たとえば、ヒスチジンは融合タンパク質の好都合な精製を提供する。精製に有用な他のペプチドタグには、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する「HA」タグ(Wilson et al., Cell 37 (1984), 767)及び「flag」タグが挙げられるが、これらに限定されない。
融合タンパク質は、当該技術で周知の方法を用いて調製することができる;たとえば、米国特許第5,116,964号及び同第5,225,538号を参照のこと。融合が行われる正確な部位を経験的に選択して融合タンパク質の分泌特性又は結合特性を最適化することができる。次いで融合タンパク質をコードするDNAを発現のために宿主細胞に形質移入する。
本発明の抗体は、非複合体化形態で使用するか、たとえば、分子の治療特性を改善し、標的の検出を円滑にし、又は患者の画像診断若しくは治療のために、種々の分子の少なくとも1つに複合体化することができる。本発明の抗体(たとえば、無傷の抗体及び、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体)は、精製が実施される場合、精製の前又は後で標識する又は複合体化することができる。特に、本発明の抗体は、治療剤、プロドラッグ、ペプチド、タンパク質、酵素、ウイルス、脂質、生物反応調節剤、医薬剤又はPEGに複合体化することができる。
従来の抗体を含む免疫毒素である複合体は当該技術で広く記載されている。従来のカップリング技術によって毒素を抗体に結合することができ、又はタンパク質の毒素部分を含有する免疫毒素は融合タンパク質として作出することができる。本発明の抗体を対応する方法で用いてそのような免疫毒素を得ることができる。そのような免疫毒素の例示説明はByers,Seminars Cell.Biol.2(1991),59−70及びFanger,Immunol.Today、12(1991),51−54によって記載されたものである。
複合体化される選択された剤に応じて様々な技法を用いて複合体を組み立てることもできることを当業者は十分に理解するであろう。たとえば、ビオチンとの複合体は、たとえば、TDP−43結合ポリペプチドを、ビオチンN−ヒドロキシスクシンイミドエステルのようなビオチンの活性化エステルと反応させることによって調製される。同様に、蛍光マーカーとの複合体は、カップリング剤、たとえば、本明細書で列記されたものの存在下で、又はイソチオシアネート若しくはフルオレセインイソチオシアネートとの反応によって調製することができる。本発明の複合体は類似の方法で調製される。
本発明はさらに診断剤又は治療剤に複合体化された本発明の抗体(たとえば、無傷の抗体及び、抗体の抗原結合性の断片及びその変異体又は誘導体)を包含する。抗体を診断上用いて、たとえば、神経疾患の存在を明らかにし、神経疾患に罹るリスクを示し、臨床試験手順の一部として神経疾患、すなわち、TDP−43タンパク質症の発症又は進行をモニターして、たとえば、所与の治療計画及び/又は予防計画の有効性を判定することができる。抗体、抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体を検出可能な物質に結合させることによって検出を円滑にすることができる。検出可能な物質の例には、種々の酵素、補欠基、蛍光物質、発光物質、生体発光物質、放射性物質、種々のポジトロン放出断層撮影を用いたポジトロン放出金属、及び非放射性の常磁性の金属イオンが挙げられる;たとえば、本発明に係る診断として使用するために抗体に複合体化することができる金属イオンについては米国特許第4,741,900号を参照のこと。好適な酵素の例には、西洋ワサビのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼが挙げられ;好適な補欠基複合体の例には、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられ;好適な蛍光物質の例にはウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル又はフィコエリスリンが挙げられ;発光物質の例にはルミノールが挙げられ;生体発光物質の例にはルシフェラーゼ、ルシフェリン及びエクオリンが挙げられ;放射性物質の例には125I、131I、111In又は99Tcが挙げられる。
抗体、抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体はまた、化学発光化合物にそれを結合させることによって検出可能に標識することもできる。次いで化学発光のタグを付けた抗体の存在は、化学反応の経過の間に生じる発光を検出することによって判定される。特に有用な化学発光標識化合物の例にはルミノール、イソルミノール、セロマティックアクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩及びシュウ酸エステルである。
抗体、抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体を検出可能に標識することができる方法の1つは、それを酵素に連結し、連結した生成物を酵素免疫アッセイ(EIA)にて用いることによるものである(Voller, A., "The Enzyme Linked Immunosorbent Assay (ELISA)" Microbiological Associates Quarterly Publication, Walkersville, Md., Diagnostic Horizons 2 (1978), 1-7); Voller et al., J. Clin. Pathol. 31 (1978), 507-520; Butler, Meth. Enzymol. 73 (1981), 482-523; Maggio, E. (ed.), Enzyme Immunoassay, CRC Press, Boca Raton, Fla., (1980); Ishikawa, E. et al., (eds.), Enzyme Immunoassay, Kgaku Shoin, Tokyo (1981))。抗体に結合する酵素は、たとえば、分光光度計、蛍光測定又は視覚的な手段によって検出することができる化学部分を生じるような方法で、適当な基質、好ましくは発色性基質と反応するであろう。抗体を検出可能に標識するのに使用することができる酵素には、リンゴ酸脱水素酵素、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコール脱水素酵素、α−グリセロリン酸脱水素酵素、チロースリン酸イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、グルコアミラーゼ及びアセチルコリンエステラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、酵素に対する発色性基質を用いる比色法によって検出を達成することができる。類似して調製した標準との比較において基質の酵素反応の程度を視覚的に比較することによっても検出を達成することができる。
種々の他の免疫アッセイのいずれを用いても検出を達成することができる。たとえば、抗体、又は抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体を放射性標識することによって、放射性免疫アッセイ(RIA)の使用を介して抗体を検出することが可能である(たとえば、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるWeintraub, B., Principles of
Radioimmunoassays, Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques, The Endocrine Society, (March, 1986)を参照)。ガンマカウンタ、シンチレーションカウンタ又はオートラジオグラフィを含むが、それらに限定されない手段によって放射性同位元素を検出することができる。
抗体、又は抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体はまた、たとえば、152Euのような蛍光放出金属、又はランタニドシリーズの他のものによって検出可能に標識することもできる。これらの金属は、たとえば、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)又はジエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のような金属キレート剤を用いて抗体に連結することができる。
抗体、又は抗原結合性の断片、その変異体又は誘導体に種々の部分を複合体化させる技法は当該技術で既知である;たとえば、Arnonら、”Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies
And Cancer Therapy, Reisfeldら、(編),pp.243−56(Alan R.Liss,Inc.(1985);Hellstromら、”Antibodies For Drug Delivery”,in Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinsonら、(編),Marcel Dekker,Inc.,pp.623−53(1987);Thorpe,”Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review”,in Monoclonal Antibodies”84:Biological And Clinical Applications,Pincheraら、(編),pp.475−506(1985);”Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwinら、(編),Academic Press pp.303−16(1985),及びThorpeら、”The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates”,Immunol.Rev.62(1982),119−158を参照のこと。
言及したように、特定の実施形態では、結合分子、たとえば、結合ポリペプチド、たとえば、抗体又は、その免疫特異的な断片の安定性又は有効性を高める部分を複合体化することができる。たとえば、一実施形態では、PEGを本発明の結合分子に複合体化して生体内での半減期を高めることができる;Leongら、Cytokine、16(2001),106;Adv.in Drug Deliv.Rev.54 (2002),531;又はWeirら、Biochem.Soc.Transactions、30(2002),512。
VI.組成物及び使用方法
本発明は、前述のTDP−43結合分子、たとえば、本発明の抗体、又は抗原結合性の断片、又はその変異体又は誘導体、又は本発明のポリヌクレオチド、ベクター又は細胞を含む組成物に関する。本発明の組成物はさらに薬学上許容可能な担体も含むことができる。その上、本発明の医薬組成物はさらに医薬組成物の用途に応じてインターロイキン又はインターフェロンのような剤を含むことができる。たとえば、TDP−43タンパク質症の治療での使用のために、追加の剤は、有機小分子、抗TDP−43抗体及びそれらの組み合わせから成る群から選択することができる。従って、特定の実施形態では、本発明は、TDP−43タンパク質症の予防的処置及び治療的処置のための医薬組成物若しくは診断用組成物を調製するための、対象におけるTDP−43タンパク質症の進行若しくはTDP−43タンパク質症の治療に対する応答をモニターするための、又はTDP−43タンパク質症を発症する対象のリスクを判定するための、TDP−43結合分子、たとえば、本発明の抗体若しくはその抗原結合断片の使用、又はその1つの実質的に同一の結合特異性を有する結合分子の使用、本発明のベクター又は細胞の使用に関する。
従って、一実施形態では、本発明は、それぞれ、脳及び中枢神経系におけるTDP−43の異常な蓄積及び/又は沈着を特徴とする神経疾病を治療する方法に関するものであり、方法は、それを必要とする対象に治療上有効な量の、本発明の前述のTDP−43結合分子、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター又は細胞を投与することを含む。「TDP−43タンパク質症」という用語には、嗜銀性顆粒痴呆、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、グアムのALS/パーキンソン型認知症複合体、大脳皮質基底核変性症、レビー小体認知症、ハンチントン病、レビー小体病、運動ニューロン病、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭認知症、ユビキチン陽性の封入体を伴った前頭側頭葉変性症、海馬硬化症、封入体ミオパシー、封入体筋炎、パーキンソン病、パーキンソン病認知症、Kii半島におけるパーキンソン/認知症複合体、及びピック病のようなTDP−43タンパク質症、並びに他の運動障害、神経変性疾患及び中枢神経系(CNS)の疾患が一般に挙げられるが、これらに限定されない。特に述べられない限り、用語、神経変性、神経性又は神経精神病的は、本明細書では相互交換可能に使用される。
本発明の治療アプローチの特定の利点は、本発明の抗体が、ALS及び/又はFTLDの兆候のない健常なヒト対象からのB細胞又はB記憶細胞に由来するので、ある特定の確率で、臨床的に明瞭なTDP−43タンパク質症を防ぐことができ、臨床的に明瞭な疾患を発生するリスクを減らすことができ、又は臨床的に明瞭な疾患の発症を遅らせることができるという事実にある。通常、本発明の抗体はまた、体細胞成熟、すなわち、抗体の可変領域の体細胞変異による標的TDP−43分子への高親和性結合における標的特異性及び有効性に関する最適化を上手く経ている。
たとえば、ヒトにおけるそのような細胞が自己免疫反応又はアレルギー反応という意味で関連する又は他の生理的なタンパク質又は細胞構造によって活性化されていないという知識は、これが臨床試験フェーズを上手く乗り切る相当に高い機会を意味するので、医学的な重要性が大きい。言わば、少なくとも1人のヒト対象にて予防的又は治療上の抗体の前臨床及び臨床開発の前に有効性、受容性及び認容性がすでに明らかにされている。従って、本発明のヒト抗TDP−43抗体は、治療剤としてのその標的構造特異的な効率性と副作用の低い確率の双方が成功の臨床的確率を有意に高めることが期待され得る。
本発明はまた、本発明の上述の成分、たとえば、抗TDP−43抗体、その結合断片、誘導体又は変異体、ポリヌクレオチド、ベクター又は細胞の1以上が充填された1以上の容器を含むそれぞれ医薬上及び診断上のパック又はキットも提供する。そのような容器には、医薬製品又は生物製品の製造、使用又は販売を規制する政府当局によって規定された形態の通知書が関連付けられ得るが、通知書はヒトへの投与についての製造、使用又は販売の当局による認可を反映する。加えて又は代わりに、キットは適当な診断アッセイで使用するための試薬及び/又は指示書を含む。本発明の組成物、たとえば、キットは当然、TDP−43の存在が伴う疾病のリスク評価、診断、予防及び治療に特に好適であり、神経変性疾患、TDP−43タンパク質症、嗜銀性顆粒痴呆、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、グアムのALS/パーキンソン型認知症複合体、大脳皮質基底核変性症、レビー小体認知症、ハンチントン病、レビー小体病、運動ニューロン病、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭認知症、ユビキチン陽性の封入体を伴った前頭側頭葉変性症、海馬硬化症、封入体ミオパシー、封入体筋炎、パーキンソン病、パーキンソン病認知症、Kii半島におけるパーキンソン/認知症複合体、及びピック病の治療に特に適用可能である。
特定の実施形態では、本発明の組成物は無菌の水溶液の形態である。別の実施形態では、本発明の組成物の1以上の成分は凍結乾燥されている。追加の実施形態では、本発明の組成物は血清を含有しない。さらなる実施形態では、本発明の組成物に含有される1以上の抗体は組換えで作出される。別の実施形態では、本発明の組成物の抗体の集団は組成物における免疫グロブリン集団の少なくとも10%を構成する。
本発明の医薬組成物は、当該技術で既知の方法に従って製剤化される;たとえば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2000)by the University of Sciences in Philadelphia,ISBN0−683−306472を参照のこと。好適な医薬担体の例は当該技術で既知であり、それには、リン酸緩衝化生理食塩水、水、油/水エマルジョンのようなエマルジョン、種々の種類の湿潤剤、無菌の溶液等が挙げられる。そのような担体を含む組成物は既知の従来の方法によって製剤化することができる。これらの医薬組成物を好適な用量で対象に投与することができる。好適な組成物の投与は、様々な方法によって、たとえば、静脈内の、腹腔内の、皮下の、筋肉内の、局所の又は皮内の投与によって達成することができる。たとえば、鼻内スプレー製剤のようなエアゾール製剤は保存剤及び等張剤と共に活性剤の精製された水溶液又は他の溶液を含む。そのような製剤は鼻粘膜に適合するpH及び等張状態に調整される。直腸投与又は膣投与のための製剤は、好適な担体を伴った座薬として提示することができる。
さらに詳しくは、注射用途に好適な医薬組成物は、無菌の水溶液(水溶性の場合)又は分散液及び無菌の注射用の溶液又は分散液の即時の調製のための無菌の粉末を含む。そのような場合、組成物は無菌でなければならないし、容易なシリンジ操作性が存在する程度に流体であるべきである。それは、製造及び保存の条件下で安定であるべきであり、好ましくは細菌や真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されるであろう。担体は、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)及びその好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であることができる。たとえば、レシチンのようなコーティングの使用によって、分散液の場合、必要とされる粒度の維持によって及び界面活性剤の使用によって、適正な流動性を維持することができる。
さらに、本発明は、本発明の薬剤を投与するために頭蓋骨に小さな穴を開ける現在の(幸運なことに、多くは行われない)標準手順を含むが、態様の1つでは、本発明の結合分子、特に抗体又は抗体に基づく薬剤は脳血管関門を横切ることができ、それは静脈内投与又は経口投与を可能にする。
主治医及び臨床因子によって投与計画が決定されるであろう。医学技術で知られるように、いかなる各人の患者に対する投与量も、患者の大きさ、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、性別、投与の時間及び経路、全身状態、及び同時に投与される他の薬剤を含む多数の要因に左右される。典型的な用量は、0.001〜1000μg(又はこの範囲での発現のための又は発現の阻害のための核酸の)の範囲であり得るが、特に前述の要因を考慮して、この経験的な範囲を下回る又は上回る用量が想定される。一般に、投与量は、宿主体重について、たとえば、約0.0001〜100mg/kg、及びさらに普通には0.01〜5mg/kg(たとえば、0.02mg/kg、0.25mg/kg、0.5mg/kg、0.75mg/kg、1mg/kg、2mg/kg等)の範囲であり得る。たとえば、投与量は、1mg/kg体重又は10mg/kg体重、又は1〜10mg/kgの範囲内、又は少なくとも1mg/kgであり得る。上記範囲内の中間用量も本発明の範囲内であることも意図される。そのような用量が毎日、隔日で、毎週、又は経験的な分析によって決定された任意の他のスケジュールに従って対象に投与され得る。例となる治療は、長期間にわたる、たとえば、少なくとも6ヵ月にわたる複数投与量での投与を伴う。追加の例となる治療計画は、2週間に1回又は1ヵ月に1回又は3〜6ヵ月に1回の投与を伴う。例となる投与スケジュールには、毎日の1〜10mg/kg又は15mg/kg、隔日での30mg/kg又は毎週の60mg/kgが含まれる。いくつかの方法では、異なる結合特性を持つ2以上のモノクローナル抗体が同時に投与され、その場合、投与される各抗体の投与量は示された範囲内に入る。定期的な評価によって進展をモニターすることができる。
非経口投与用の調製物には無菌の水性又は非水性の溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油及びオレイン酸エチルのような注射用の有機エステルである。水性担体には、水、生理食塩水及び緩衝化媒体を含むアルコール性/水性の溶液、エマルジョン又は懸濁液が挙げられる。非経口媒体には、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸加リンガー溶液、又は不揮発性油が挙げられる。静脈内媒体には、流体及び栄養補充剤、電解質補充剤(たとえば、リンガーのデキストロースに基づくもの)等が含まれる。保存剤及び、たとえば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性気体等のような他の添加剤も存在することができる。その上、本発明の医薬組成物は、さらに、医薬組成物の用途に応じて、たとえば、ドーパミン又は精神薬理剤のような剤を含むことができる。
その上、本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、たとえば、本発明の組成物が受動免疫のための抗TDP−43抗体又はその結合断片、誘導体又は変異体を含むのであれば、ワクチンとして製剤化することができる。本発明のヒト抗TDP−43抗体又は同等のTDP−43結合分子が、たとえば、筋委縮性側索硬化症(ALS)、嗜銀性顆粒痴呆、アルツハイマー病、グアムのALS/パーキンソン型認知症複合体、大脳皮質基底核変性症、レビー小体認知症、ハンチントン病、レビー小体病、運動ニューロン病、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭認知症、ユビキチン陽性の封入体を伴った前頭側頭葉変性症、海馬硬化症、封入体ミオパシー、封入体筋炎、パーキンソン病、パーキンソン病認知症、Kii半島におけるパーキンソン/認知症複合体、ピック病、マシャド・ジョセフ病等のようなTDP−43タンパク質症の予防又は改善にワクチンとして特に有用であることを期待するのは良識的である。
一実施形態では、本発明の抗体の組換えFab(rFab)及び単鎖断片(scFv)を使用することは有益であり得、それは、細胞膜をさらに容易に貫通し得る。たとえば、先行してオンラインで公開されたRobertら、Protein Eng.Des.Sel.(2008)Oct.16;S1741−0134は、AβのN末端におけるエピ
トープを認識するモノクローナル抗体WO−2のキメラ組換えFab(rFab)及び単鎖断片(scFv)の使用を記載している。操作された断片は、(i)アミロイドの線維化を防ぎ、(ii)事前に形成されたAβ1〜42小線維をバラバラにし、(iii)IgG全長分子と同様に効率的に試験管内でAβ1〜42が介在する神経毒性を阻害することができた。エフェクター機能を欠く小型Fab及びscFvの操作された抗体形式を使用することの認識される利点には、脳血管関門のさらに効率的な通過及び炎症性の副反応を誘発するリスクを最小にするることが挙げられる。その上、scFv及び単一ドメイン抗体は完全長抗体の結合特異性保持することに加えて、その標的の折り畳み、相互作用、修飾又は細胞内の局在の変化の可能性を伴って、単一遺伝子として及び哺乳類細胞にて細胞内で細胞内抗体として発現することができる;たとえば、概説については、Miller及びMesser,Molecular Therapy、12(2005),394−401を参照のこと。
異なったアプローチでは、Mullerら、Expert Opin.Biol.Ther.(2005),237−241は、技術基盤、いわゆる「スーパー抗体技術」を記載しているが、それは、細胞を損傷することなく、抗体が細胞に出入りするのを可能にすると言われている。そのような細胞に浸透する抗体は診断及び治療に新しい窓を開けている。「TransMabs」という用語はこれらの抗体に対する新語である。
さらなる実施形態では、TDP−43タンパク質症を治療するのに有用な他の神経保護剤の同時投与又は逐次投与が望ましくあり得る。一実施形態では、追加の剤が本発明の医薬組成物に含まれる。対象を治療するのに使用することができる神経保護剤の例には、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、グルタミン酸作動性受容体拮抗剤、キナーゼ阻害剤、HDAC阻害剤、抗炎症剤、ジバルプロエクスナトリウム又はその任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物に付随して使用することができる他の神経保護剤の例は当該技術に記載されている;たとえば、国際出願公開番号WO2007/011907を参照のこと。一実施形態では、追加の剤はドーパミン又はドーパミン受容体アゴニストである。
治療上有効な用量又は量は、症状又は状態を改善するのに十分な有効成分の量を指す。そのような化合物の治療有効性及び毒性は、細胞培養又は実験動物における標準の薬学手順、たとえば、ED50(集団の50%で治療上有効である用量)及びLD50(集団の50%で致死である用量)によって決定することができる。治療効果と毒性効果の用量比が治療指標であり、LD50/ED50の比として表すことができる。一実施形態では、ALS及び/又はFTLD又は他のTDP−43タンパク質症の症例にて組成物の治療剤は、正常な行動及び/又は認知特性を回復する又は保存するのに十分な量で存在する。
前述のことから、本発明が、上述のようなTDP−43タンパク質症、特に筋委縮性側索硬化症及び/又は前頭側頭葉変性症の診断及び/又は治療のために、上述の抗体の少なくとも1つのCDRを含むTDP−43結合分子の使用を包含することは明らかである。一実施形態では、前記結合分子は本発明の抗体又はその免疫グロブリン鎖である。加えて、本発明は上文で記載された言及された抗体のいずれかの抗イディオタイプ抗体に関する。抗イディオタイプ抗体は、抗原結合部位の近傍の抗体可変領域に位置する独特の抗原性ペプチド配列に結合する抗体又は他の結合分子であり、たとえば、対象の試料にて抗TDP−43抗体を検出するのに有用である。
別の実施形態では、本発明は、本発明の上述のTDP−43結合分子、抗体、抗原結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター又は細胞のいずれか1つと、任意で、免疫又は核酸に基づく診断法で従来使用される試薬のような検出に好適な手段を含む診断用組成物に関する。本発明の抗体は、たとえば、それらが液相で利用できる又は固相担体に結合できる免疫アッセイでの使用に適する。本発明の抗体を利用することができる免疫アッセイの例は直接方式又は間接方式での競合免疫アッセイ及び非競合免疫アッセイである。そのような免疫アッセイの例は、放射性免疫アッセイ(RIA)、サンドイッチ(免疫測定アッセイ)、フローサイトメトリー及びウエスタンブロットアッセイである。本発明の抗原及び抗体を多数の異なる担体に結合させてそれに特異的に結合した細胞を単離するのに使用することができる。既知の担体の例には、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然の及び修飾されたセルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、及び磁鉄鉱が挙げられる。担体の性質は本発明の目的では、可溶性であっても不溶性であってもよい。当業者に既知の多数の標識及び標識方法がある。本発明で使用することができる標識の種類の例には、酵素、放射性同位元素、コロイド状金属、蛍光化合物、化学発光化合物、及び生物発光化合物が挙げられる;上記で論じた実施形態も参照のこと。
さらなる実施形態によって、血液試料、リンパ試料又は他の体液試料であり得る体液試料を試験個体から入手し、抗体/抗原の複合体の形成を可能にする条件下で本発明の抗体に体液試料を接触させることによって個体における疾病を診断する方法にて、TDP−43結合分子、特に本発明の抗体を使用することもできる。次いでそのような複合体のレベルを当該技術で既知の方法によって決定し、対照試料で形成されるよりも有意に高いレベルは試験個体における疾患を示している。同様に、本発明の抗体によって結合される特異的な抗原も使用することができる。従って、本発明は、結合分子、たとえば、本発明の抗体又はその抗原結合断片を含む生体内での免疫アッセイに関する。
この文脈で、本発明はまた、この目的で特に設計された手段にも関する。たとえば、抗体に基づくアレイを使用することができ、それには、たとえば、TDP−43を特異的に認識する本発明の抗体又は同等の抗原結合分子が負荷される。マイクロアレイ免疫アッセイの設計はKusnezowら、Mol.Cell Proteomics、5(2006),1681−1696に要約されている。従って、本発明はまた、本発明に従って特定されるTDP−43結合分子が負荷されたマイクロアレイにも関する。
一実施形態では、本発明は、対象においてTDP−43タンパク質症を診断する方法に関するものであり、該方法は、
(a)本発明の抗体、そのTDP−43結合断片又はそのいずれかの実質的に同一の結合特異性を有するTDP−43結合断片によって診断される対象からの試料にてTDP−43のレベルを評価することと;
(b)1以上の対照の対象におけるTDP−43のレベルを示す参照標準とTDP−43のレベルを比較することを含み、
TDP−43のレベルと参照標準との間での差異又は類似性は対象がTDP−43タンパク質症に罹っていることを示す。
診断される対象は、疾患について無症候性又は前臨床であり得る。一実施形態では、対照の対象はTDP−43タンパク質症、たとえば、ALS又はFTLDを有し、TDP−43のレベルと参照標準との間での類似性は、診断される対象がTDP−43タンパク質症を有することを示す。代わりに又は加えて、第2の対照として、対照の対象はTDP−43タンパク質症を有しておらず、TDP−43のレベルと参照標準との間での差異は、診断される対象がTDP−43タンパク質症を有することを示す。診断される対象及び対照の対象は年齢を合わせる。分析される試料は、TDP−43を含有すると疑われる体液、たとえば、血液、CSF又は尿の試料であり得る。
TDP−43のレベルは、たとえば、ウエスタンブロット、免疫沈降、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射性免疫アッセイ(RIA)、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)、二次元ゲル電気泳動、質量分光分析(MS)、マトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型MS(MALDI-TOF)、表面増強レーザー脱離イオン化飛
行時間型(SELDI−TOF)、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、高速タンパク質液体クロマトグラフィ(FPLC)、多次元液体クロマトグラフィ(LC)とその後の直列質量分光分析(MS/MS)及びレーザーデンシトメトリーから選択される1以上の技法によってTDP−43を解析することを含む当該技術で既知の好適な方法によって評価することができる。一実施形態では、TDP−43の前記生体内画像化は、ポジトロン放出断層撮影(PET)、単一光子放出型断層撮影(SPECT)、近赤外線(NIR)光学画像撮影又は磁気共鳴画像撮影(MRI)を含む。
本発明に従って適合させることができる抗体及び関連する手段を用いて、TDP−43タンパク質症の進行をモニターするために、たとえば、AD、パーキンソン病、ALS、ハンチントン病、レビー小体認知症、又はFTLDのような神経変性疾患を診断し、TDP−43タンパク質症の治療をモニターする方法は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる国際出願公開番号WO2010/111587及びWO2007/011907にも記載されている。これらの方法は、記載されているように、しかし、本発明のTDP−43に特異的な抗体、結合断片、誘導体又は変異体と共に適用することができる。
これらの及び他の実施形態が開示され、本発明の説明及び実施例によって包含される。本発明に従って採用される材料、方法、使用及び化合物のいずれに関する文献も、たとえば、電子装置を用いて公の図書館及びデータベースから検索される。たとえば、全米バイオテクノロジー情報センター及び/又は国立衛生研究所の国立医学図書館が主催する公的なデータベース「Medline」を利用することができる。欧州分子生物学研究所(EMBL)の一部である欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)のもののようなさらなるデータベース及びウエブアドレスが当業者に既知であり、インターネットの検索エンジンを用いて入手することもできる。バイオテクノロジーにおける特許情報の概説及び遡及的検索に及び現在の認識に有用な特許情報の関連する起源の検索はBerks,TIBTECH、12(1994),352−364にて提供される。
上記の開示は一般に本発明を説明する。特に述べられない限り、本明細書で使用される用語は、2000年に改訂され、2003年に再印刷されたオックスフォード大学出版の生化学及び分子生物学のオックスフォード辞書ISBN0198506732で提供されるような定義が与えられる。本明細書の本文全体を通して幾つかの文書が引用される。完全な文献引用が、クレームの直前の本明細書の最後に見つけることができる。引用された文献(本出願全体を通して引用されたような文献参照、発行された特許、公開された特許出願及び製造元の仕様、指示書等)すべての内容は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるが、引用された文書が本発明に関して実際に従来技術であるという了解はない。
説明のみの目的で提供され、本発明の範囲を限定することを意図するものではない以下の具体的な実施例を参照することによってさらに完全な理解を得ることができる。
材料及び方法
本明細書で採用されるもののような従来の方法の詳細な記載は引用された文献にて見つけることができる。以下で特に指示されない限り、TDP−43に特異的なB細胞の特定及び当該特異性を示すTDP−43抗体の分子クローニング並びにそれらの組換え発現及び機能的な性状分析は、それぞれその全体が参照によって本明細書に組み入れられるWO2008/081008として公開された国際出願PCT/EP2008/000053の実施例及び補足の方法の項で記載されたように実施されているし、実施することができる。
ヒトTDP−43抗体のスクリーニング
ELISA
96穴ハーフエリアマイクロプレート(Corning)を炭酸ELISA緩衝液(pH9.6)中のそれぞれ5μg/ml及び3.3μg/mlの濃度での
(a)組換えの完全長Hisタグ付きのヒトTDP−43(米国、Biogen Idec)又は
(b)残基409と410でリン酸化修飾したTDP−43のC末端ドメインの残基390〜414から成る合成ペプチド(Shafer−N,DK)のいずれかによって4℃にて一晩コーティングした。
プレートをPBS/Tween(pH7.6)で洗浄し、2%BSA(スイス、ブックスのSigma)を含有するPBS/Tによって室温にて1時間、非特異的な結合部位をブロックした。記憶B細胞の培養プレートからB細胞調整培地をELISAプレートに移し、室温にて1時間インキュベートした。ELISAプレートをPBS/Tで洗浄し、次いで西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)を抱合した抗ヒト免疫グロブリンポリクローナル抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)と共にインキュベートした。PBS/Tによる洗浄の後、標準の比色アッセイにおけるHRP活性の測定によってヒト抗体の結合を測定した。
MSD
それぞれアミノ酸1〜259、260〜277及び350〜366(英国、Abcam
plc)に対応するTDP−43タンパク質の断片の混合物で標準の96穴10−スポットMULTI−SPOTプレート(米国、Meso Scale Discovery)をコーティングした。10μg/mlの各ペプチドを用い、PBSにて調製した。3%BSAを含有するPBS/Tによって室温にて1時間、非特異的な結合部位をブロックし、その後、B細胞調整培地と共に室温にて1時間インキュベートした。プレートをPBS/Tで洗浄し、次いでSULFO−タグと複合体化した抗ヒトポリクローナル抗体(米国、Mesoscale Discovery)と共にインキュベートした。PBS/Tによる洗浄の後、SECTORイメージャー6000、米国、Mesoscale Discovery)を用いた電気化学発光測定によって結合抗体を検出した。
ヒトTDP−43抗体の分子クローニング
健常なヒト対象から記憶B細胞を含有する試料を得た。選択した記憶B細胞の培養物の生きているB細胞を回収し、mRNAを単離し、逆転写酵素(米国、Clontech)によってcDNAを調製した。次いでネストPCR法を用いて免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の配列を得た。
ヒト免疫グロブリンの生殖系列のレパートリーの配列ファミリーすべてを表すプライマーの組み合わせをリーダーペプチド、V断片及びJ断片の増幅に用いる。5’末端でリーダーペプチド特異的なプライマー及び3’末端で定常領域特異的なプライマーを用いて1回目の増幅を行う(Smith et al., Nat Protoc. 4 (2009), 372-384)。重鎖及びカッパ軽鎖については、5’末端でV断片特異的なプライマー及び3’末端でJ断片特異的なプライマーを用いて2回目の増幅を行う。ラムダ軽鎖については、5’末端でV断片特異的なプライマー及び3’末端でC領域特異的なプライマーを用いて2回目の増幅を行う(Marks et al., Mol. Biol. 222 (1991), 581-597; de Haard et al., J. Biol. Chem. 26 (1999), 18218-18230)。
所望の特異性を持つ抗体クローンの特定は、完全抗体の組換え発現の際、ELISAでの再スクリーニングによって行う。ヒトの完全IgG1抗体又はキメラIgG2a抗体の組換え発現は、5’末端でリーダーペプチドをコードする配列及び3’末端で適当な定常ドメインをコードする配列を持つ可変領域の配列を完全にする発現ベクターへの「正しい読み取りフレーム」中の可変重鎖及び軽鎖の配列の挿入の際に達成される。その目的で、プライマーは、可変重鎖及び軽鎖の配列の抗体発現ベクターへのクローニングを円滑にするように設計された制限部位を含有した。重鎖免疫グロブリンは、シグナルペプチドとヒト免疫グロブリンガンマ1又はマウス免疫グロブリンガンマ2aの定常領域を持つ重鎖発現ベクターにフレーム内の免疫グロブリン重鎖RT−PCR産物を挿入することによって発現される。カッパ軽鎖免疫グロブリンは、シグナルペプチドとヒトのカッパ軽鎖免疫グロブリンの定常領域を提供する軽鎖発現ベクターにフレーム内のカッパ軽鎖RT−PCR産物を挿入することによって発現される。ラムダ軽鎖免疫グロブリンは、シグナルペプチドとヒト又はマウスのラムダ軽鎖免疫グロブリンの定常領域を提供するラムダ軽鎖発現ベクターにフレーム内のラムダ軽鎖RT−PCR産物を挿入することによって発現される。
機能的な組換えモノクローナル抗体は、Ig−重鎖発現ベクターとカッパ又はラムダIg−軽鎖発現ベクターのHEK293細胞又はCHO細胞(又はヒト又はマウス起源の他の適当なレシピエント細胞株)への同時形質移入によって得られる。ヒト組換えモノクローナル抗体はその後、標準のプロテインAカラム精製を用いて調整培地から精製される。ヒト組換えモノクローナル抗体は一時的に又は安定的に形質移入された細胞を用いて限定されない量で作出することができる。ヒト組換えモノクローナル抗体を産生する細胞株は、Ig発現ベクターを直接用いることによって又は異なる発現ベクターにIg可変領域を再クローニングすることによって確立することができる。F(ab)、F(ab)2及びscFvのような誘導体もこれらのIg可変領域から生成することができる。
Hisタグを付けたTDP−43の精製及び性状分析
6×His−タグを付けたTDP−43(pCGB026)のための発現ベクターを、pRSET A発現ベクター(Invitrogen)にTDP−43配列をクローニングすることによって生成した。pCGB026によってBL21Star(DE3)pLysS大腸菌細胞(Invitrogen)を形質転換した。LBブロスを含有する1Lの振盪フラスコにておよそ1ODまで37℃で増殖させた後、IPTGを0.5mMまで加え、細胞を18℃で一晩増殖させた。低速遠心によって細胞をペレットにし、上清を捨て、細胞ペレットを−20℃での保存のために凍結した。
細胞ペレットを室温に平衡化し、プロテアーゼ阻害剤(PI)(最終濃度、PI:1mMのPMSF,5μM、のぺプスタチンA,1mMのベンズアミド,10μMのベスタチン,10μMのE64,20μMのリューペプチン,1.5μMのアプロチニン)を含有する50mlの50mMのTris−HCl、pH7.5,20mMイミダゾール、150mMのNaClに再懸濁させた。大きな粒子を粉砕するために5分間ホモジネートした後、Microfluidizer(Microfluidics,Inc.)を用いて高圧下で細胞を粉砕した。細胞溶解物を4℃にて10,000rpmで30分間遠心した。2mMのMgCl2、完全にEDTAを含まないPI錠剤(Roche)、100μg/mLのリゾチーム、5U/mLのDNA分解酵素(Thermo Scientific)を含有する5mLのB−PER溶液(Thermo Scientific)に不溶性のHisタグの付いたTDP−43を再懸濁し、室温で15分間インキュベートした。追加のB−PER/2mMのMgCl2/PI錠剤の溶液を最終容積50mLに加え、混合物を10,000rpmにて10分間遠心した。単離されたペレットを20mLの50mMのTris−HCl、pH7.5,20mMイミダゾール、150mMのNaCl、PI緩衝液で2回洗浄し、その後10,000rpmにて10分間遠心した。単離されたペレットを次いでPIを含有する8M尿素、20mMリン酸ナトリウム、pH7.8に再懸濁し、その後ホモジネートし、10,000rpmにて10分間遠心した。
上清を単離し、0.45μmのフィルターで濾過し、PIを伴った8M尿素、20mMリン酸ナトリウム、pH7.8、0.5MのNaClにて平衡化されたNi−NTA樹脂(Invitrogen)4mLと混ぜ合わせ、4℃で揺らしながらインキュベートした。貫流分画を回収し、10カラム体積の8M尿素、20mMリン酸ナトリウム、pH5.3、0.5MのNaClによって樹脂を洗浄した。0.5カラム体積の分画で8M尿素、20mMリン酸ナトリウム、pH4、0.5M塩化ナトリウムによってHisタグの付いたTDP−43を溶出した。ピーク分画をプールし、UV分光計を用いてタンパク質濃度を測定した。精製された総収量は培養物のL当たり約8mgだった。
精製したタンパク質のSDS−PAGE解析は、約47kDaでの主要バンドを示し(データは提供せず)、46.5kDaの予想分子量と矛盾しなかった。精製したタンパク質の完全なままの質量分光分析は、46538Daでの主要ピークを示し、46529.9Daの予想質量と矛盾しなかった。精製したタンパク質に結合するTDP−43に対する既知の市販の抗体の能力をELISAによって測定した。アミノ酸205〜222を認識するマウスのモノクローナル抗体(Zhang, H.-X. et al., 2008, Neuroscience Lett., 434, 170-74)及びそれぞれアミノ酸Ala−260及びGly−400の周辺の配列を認識するウサギのポリクローナル抗体A260及びG400は、すべて精製したHisタグの付いたTSP−43に結合した(データは提供せず)。
ヒトTDP−43ドメインの組換え発現
ヒトのTDP−43ドメインのコーディング配列を完全長cDNA配列(Q13148,TARDBP_HUMAN)からPCRによって増幅し、発現ベクターpRSET−A(米国、Invitrogen)にクローニングした。4つの発現ベクター(His−huTDP−43ドメインI、His−huTDP−43ドメインII、His−huTDP−43ドメインIII及びHis−huTDP−43ドメインIV)はそれぞれ4つのTDP−43ドメイン:N−末端ドメイン(配列番号94のアミノ酸残基2〜106)、RNA結合ドメイン1(配列番号94のアミノ酸残基99〜204)、RNA結合ドメイン2(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)及びGlycine−リッチドメイン(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)をコードしている。T7プロモータの制御下でTDP−43ドメインをコードするcDNAを含むDNA構築物を用いて、たとえば、BL21(DE3)(米国、New England Biolabs)のような適当な大腸菌株を形質転換し、0.5mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加によって15mLの細胞培養物の発現を誘導した。37℃での4時間のインキュベート後、細胞を回収し、1mLの100mMのKCl、50mMのHEPES、2mMのEGTA、1mMのMgCl2、1mMのジチオスレイトール、0.1mMのPMSF、10%グリセロール及び0.1mg/mlのリゾチーム、pH7.5に再浮遊し、その後超音波処理した。4℃にて9000rpmで45分間の遠心の後、可溶性分画及び不溶性分画を回収した。同様に、対照の大腸菌から9000gの上清を回収した。必要であれば(TDP−43ドメインIV)、1mLの8M尿素、20mMのTris、200mMのKCl及び1mMのβ−メルカプトエタノールにて不溶性分画を可溶化した。可溶性分画及び可溶化分画をNi−NTA Superflowカラム(米国、Qiagen)に負荷し、His−TDP−43ドメインを製造元のプロトコールに従って精製した。組換えタンパク質の純度の等級をSDS−PAGE及びクマシー染色によって推定した。精製したタンパク質の濃度は280nmの吸収測定によって決定した。
直接ELISA
96穴マイクロプレート(Corning)を、炭酸ELISAコーティング緩衝液(pH9.6)にてそれぞれ6.6μg/ml又は3.3μg/mlの濃度に希釈されたヒト完全長TDP−43、TDP−43ドメインI(配列番号94のアミノ酸残基2〜106)、TDP−43ドメインII(配列番号94のアミノ酸残基99〜204)、TDP−43ドメインIII(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)、TDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)又はTDP−43のドメインのC末端の残基390〜414(配列番号94を参照)を占め、残基409/410にてリン酸化の修飾を持つ合成ペプチド(Schafer−N、DK)によって4℃にて一晩コーティングした。2%BSA(スイス、ブックスのSigma)を含有するPBS/Tによって室温にて1時間、非特異的な結合部位をブロックした。抗体を室温にて1時間インキュベートした。HRと複合体化されたロバ抗ヒトIgGγ特異抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)又はHRPと複合体化されたヤギ抗マウスIgG(H+L)特異的二次抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)のいずれかを用いて結合を測定し、その後、標準の比色アッセイにてHRPの活性を測定した。
ウエスタンブロット解析
組換えのヒト完全長TDP−43、TDP−43ドメインI(配列番号94のアミノ酸残基2〜106)、TDP−43ドメインII(配列番号94のアミノ酸残基99〜204)、TDP−43ドメインIII(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)、TDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)のそれぞれ300ngをSDS-PAGE(NuPAGE、12%Bis−Tris Gel;スイスバ
ーゼルのInvitrogen)によって分離し、その後、ニトロセルロース膜に電気ブロットした。2%BSA(スイス、ブックスのSigma)を含有するPBS/Tによって室温にて1時間、非特異的な結合部位をブロックした。ブロットを一次抗体(10nM)と共に一晩インキュベートし、その後、HRPと複合体化されたロバ抗ヒトIgGγ特異的二次抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)又はHRPと複合体化されたヤギ抗マウスIgG(H+L)特異的二次抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)のいずれかと共にインキュベートした。ECL及びImageQuant350検出(スイス、オテルフィンゲンのGE Healthcare)によってブロットを発色させた。
2試行Y迷路試験
抗体で処理したTDP−43タンパク質症のマウスモデルにおける作業記憶の改善は、2試行Y迷路試験を用いて調べることができる(たとえば、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるPennanen, Genes Brain Behav. 5 (2006), 369-79)。迷路
の3つのアームは長さ22cm、幅5cm及び深さ15cmである。迷路を取り囲む黒色カーテン上に白黒の抽象的なヒントがある。実験は暗相の間、6ルクスの周囲の光レベルで実施される。各実験は訓練期間と観察期間を含む。訓練期間の間、マウスは3つのアームのうち2つ(出発アーム及び第2のアーム)に割り振られ、4分間自由に探索できるが、第3のアーム(新規のアーム)にアクセスすることはできない。次いでマウスを迷路から取り出し、1.5〜5分間、保持ケージに閉じ込める一方で、70%アルコールで迷路を十分に清掃し、嗅覚のヒントを除去する。次いで観察のためにマウスを迷路に戻し、4分間3つのアームすべてにアクセス可能にする。各アームに入った順、入った回数、各アームで費やした時間を記録する。それから、他の2つのアーム(出発アーム及び第2のアーム)で費やした時間の平均に対する新規の第3のアームで費やした時間の比を算出し、タウオパシーのマウスモデル及び相当する野生型マウスにおける異なる処理群の間で比較する。齧歯類は通常、以前訪れたものに戻るよりも迷路の新しいアームを探索することを好む。抗体の効果は、その疾病に関連する作業記憶の損傷のために無処理のマウスの非弁別行動と比べた処理したTDP−43タンパク質症モデルマウスによるこの嗜好を取り戻すことに関してモニターすることができる。従って、1に近い比は損傷された作業記憶を示す。高い比ほど、さらに良好な作業記憶を示す。TDP−43タンパク質症モデルマウスにおける損傷された作業記憶は、ヒトTDP−43の過剰発現から生じるTDP−43の病理によると考えられる。従って、抗TDP−43抗体で処置したマウスで見られる対照マウスよりも有意に高い比は、抗TDP−43抗体がTDP−43の病理に対して治療効果を有することを示すであろう。
ポール試験
マウスが最も活発である暗相の始まりでマウスを調べる。ポールは登るのを円滑にするように布で覆われた長さ50cm及び幅1cmの木製の棒で構成される。ポールの基はマウスのホームケージの中に置かれる。マウスをポールの上端に載せ、下方を向く時間及びホームケージに降りてくる時間を30分間隔で5試行にわたって記録する。最良の成績の試行を解析する。
高架式十字迷路試験
マウスが最も活発である暗相の始まりでマウスを調べる。試験は薄明かり(40ルクス)で行う。高架式十字迷路は2つの開放アームと2つの閉鎖アーム(アームの長さ:30cm、幅:5cm)から成る。開放アームは小さな1cmの縁を有し、閉鎖アームには15cmの壁が接する。試験の開始時、マウスを開放アームに面して高架式十字迷路の中央に置く。マウスが5分間迷路を探索する間、ビデオで追跡する。開放アーム及び閉鎖アームで費やした時間及びカバーされる距離を測定し、解析する。
実施例1:ELISA及びウエスタンブロットによるヒトTDP−43抗体の結合の解析直接ELISA
96穴のマイクロプレート(Corning)を、配列番号94のTDP−43アミノ酸残基2〜106(TDP−43ドメインI)、配列番号94の残基99〜204(TDP−43ドメインII)、配列番号94の残基183〜273(TDP−43ドメインIII)、配列番号94の残基258〜414(TDP−43ドメインIV)、配列番号94の残基2−414(完全長TDP−43)及び配列番号94の残基409/410にてリン酸化の修飾を持つ残基390〜414(を参照)を含有する合成ポリペプチドを含むポリペプチドでコーティングした。6.6μg/ml(組換えTDP−43及びTDP−43断片)又は3.3μg/ml(合成ペプチド)の等しいコーティング濃度でポリペプチドをELISAプレートにコーティングした。ヒト由来の抗体の結合を直接ELISAによって測定した。
抗体NI−205.51C1(図2A)及びNI−205.3F10(図2C)はTDP−43ドメインIII(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)に特異的に結合した。抗体NI−205.8A2(図2D)、NI−205.15F12(図2E)、NI−205.25F3(図2G)及びNI−205.21G1(図2I)は、TDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)に特異的に結合した。抗体NI−205.87E7(図2H)はTDP−43ドメインI(配列番号94のアミノ酸残基2〜106)に特異的に結合した。抗体NI−205.21G2(図2B)及びNI−205.113C4(図2F)は、TDP−43ドメインII(配列番号94のアミノ酸残基99〜204)に特異的に結合した。ヒト由来のTDP−43に特異的な抗体はすべて完全長のTDP−43を特異的に認識した。異なるTDP−43ドメインのコーティングの効率性を制御するために、完全長TDP−43及び特異的なTDP−43ドメインに結合する市販の抗体:Ab50930(英国、Abcam)、TDP−43ドメイン−1;TARDBPモノクローナル抗体(M01)、クローン2E2−D3(台湾、Abnova)、TDP−43ドメインIII、及びAb82695(米国、Abcam)、TDP−43ドメインIVを使用した。対照抗体は完全長TDP−43及びその特異的TDP−43ドメインに結合した。
ウエスタンブロットによる異なるTDP−43ドメインへの結合
組換えの完全長TDP−43、TDP−43ドメインI(配列番号94のアミノ酸残基2〜106)、TDP−43ドメインII(配列番号94のアミノ酸残基99〜204)、TDP−43ドメインIII(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)、TDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)をSDS−PAGEによって分離した。市販の TDP−43特異抗体TARDBP(M01)、クローン2E2−D3(台湾のAbnova)をヒトTDP−43検出の陽性対照として使用した一方で、抗ヒトIgGのFcγ特異抗体を陰性対照として使用した。ヒト由来の抗体の特異的なTDP−43ドメインへの結合はウエスタンブロット解析によって測定した。
ウエスタンブロットは、抗体:(a)NI−205.51C1及びNI−205.3F10抗体がTDP−43ドメインIII(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)に特異的に結合し;(b)NI−205.8A2及びNI−205.21G1がTDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)に特異的に結合し;(c)NI−205.21G2がTDP−43ドメインII(配列番号94のアミノ酸残基99〜204)を特異的に認識し;(d)NI−205.51C1、NI−205.3F10、NI−205.8A2、NI−205.21G1、NI−205.21G2がTDP−43のドメインに加えてヒト完全長TDP−43認識し;及び(e)ヒト由来の抗体NI−205.25F3、NI−205.15F12及びNI−205.87E7が完全長TDP−43を認識したが、特定のTDP−43ドメインと結合するとは思われないことを示した。(データは提供せず)。さらに、ホスホ−TDP−43のC末端ペプチドを優先的に又は専ら結合する(実施例2を参照)抗体NI−205.68G5及びNI−205.20A1は組換えの完全長TDP−43又はその断片を認識するとは思われなかった(データは提供せず)。
実施例2:ヒトTDP−43結合抗体のEC50の決定
50%効果濃度(EC50)の決定
ヒトTDP−43に対するヒト由来のTDP−43特異抗体の50%効果濃度(EC50)を決定し、標的特異性を評価するために、炭酸ELISAコーティング緩衝液(pH9.6)にて5μg/mlの濃度に希釈した組換え完全長のTDP−43(米国、Biogen Idec、大腸菌抽出物)及びBSA(スイス、ブックスのSigma)によって96穴マイクロプレートを4℃にて一晩コーティングした。或いは、炭酸ELISAコーティング緩衝液(pH9.6)にて3.3μg/mlの濃度に希釈した残基409/410にてリン酸化の修飾を持つTDP−43のC末端ドメインの残基390〜414に相当する合成ペプチド(Schafer−N,DK)及びBSA(スイス、ブックスのSigma)によって96穴ハーフエリアマイクロプレートを4℃にて一晩コーティングした。2%BSA(スイス、ブックスのSigma)を含有するPBSによって室温にて1時間、非特異的な結合部位をブロックした。TDP−43特異抗体を指示された濃度に希釈し、室温にて1時間インキュベートした。HRPと複合体化されたロバ抗ヒトIgGγ特異的二次抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)を用い、その後、標準の比色アッセイにてHRPの活性を測定することによって結合を測定した。EC50値はGraphPad Prism(米国、サンディエゴ)を用いた非線形回帰によって推定した。
表4に開示するように、NI−205.51C1及びNI−205.21G2はそれぞれ180pM及び240pMの、ナノモルより低いのEC50での高親和性でヒトTDP−43に結合する。これらの抗体については、ホスホ-TDP−43のC末端ペプチドへ
の結合は認められなかった。抗体NI−205.3F10、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.113C4、NI−205.25F3、及びNI−205.87E7はヒトTDP−43に結合したが、ホスホ-TDP−43のC末端ペ
プチドには結合しなかった。これらの抗体のヒトTDP−43タンパク質に対するEC50値は1〜18nMの範囲だった。NI−205.21G1は4.1nMのEC50で完全長TDP−43に結合し、49.5MのEC50での、より低い親和性でホスホ-TD
P−43のC末端ペプチドを認識した。抗体NI−205.68G5及びNI−205.20A1はそれぞれ、16.9及び15.8nMのEC50でホスホ-TDP−43のC
末端ペプチドへの優先的な又は専らの結合を示し、TDP−43の409位でのセリン及び/又は410位でのセリンのリン酸化がNI−205.68G5及びNI−205.20A1による結合に必要とされることを示唆している。
実施例3:合成ペプチドによるエピトープのマッピング(PepSpotting)
重なり合うペプチドの走査を用いて、ヒト由来のTDP−43特異抗体によって認識されるヒトTDP−43タンパク質の中でのエピトープをマッピングした。まとめてヒトTDP−43(Q13148,TARDBP_HUMAN)の配列全体を表す11アミノ酸が重なり合う配列の101の直鎖15量体を伴ったPepscan膜(PepSpots,ドイツ、ベルリンのJPT Peptide Technologies)。ニトロセルロース膜上でペプチドのスポットを作り、次いでメタノール中で5分間活性化し、その後、TBSにて10分間室温で洗浄した。Roti(登録商標)−Block(ドイツ、カールスルーエのCarl Roth GmbH Co.KG)によって室温にて2時間、非特異的な結合部位をブロックした。ヒト由来のTDP−43特異抗体(1μg/ml)をRoti(登録商標)−Blockにて室温で3時間インキュベートした。HRP抱合のロバ抗ヒトIgGγ特異的な二次抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)を用いて一次抗体の結合を測定した。ECL及びImageQuant350検出(スイス、オテルフィンゲンのGE Healthcare)によってブロットを発色させた。
表4は、PepSpotを用いて特定された様々なヒト由来のTDP−43特異抗体について特定された結合エピトープを要約する。
実施例4:ヒト脊髄及び脳の組織におけるTDP−43の病的な形態に対するヒト組換えTDP−43抗体の結合
TDP−43抗体結合の能力の検証のために、ヒトALS患者又はヒトFTLD患者の脊髄及び脳の切片を使用した。TDP−43病態に対する抗体の結合を免疫組織化学染色によって評価した。ヒト組換えTDP−43抗体の結合はヒトFTLD−TDP−43症例の組織(10人の患者症例、7人の対照症例)にて特徴付けた。免疫組織化学は、5μmのパラフィン包埋切片にて実施し、EDTAに基づいたエピトープ検索の使用を含み、その後、、それ以外は標準の、DAB(Pierce)を伴ったEliteABCキット(Vector Laboratories)による免疫ペルオキシダーゼ手順を実施した。以下の一次抗体を使用した:陽性対照としてヒトTDP−43に対して産生させたマウスモノクローナル抗体2E2−D3(Abnova);ここ/上記で記載される組換えヒトTDP−43抗体NI205.3F10、NI205.51C1、NI205.21G2、NI205.8A2、NI205.15F12、NI205.25F3、NI205.87E7、NI205.21G1、NI205.68G5、NI205.20A1。ヘマトキシリンで切片を対比染色して細胞核を示した。
抗体NI205.8A2、NI205.3F10、NI205.21G2、及びNI205.21G1は、核のTDP−43よりも細胞質のTDP−43(すなわち、TDP−43の病的な形態)に優先的に結合した。それに対して、市販の陽性対照抗体2E2(台湾のAbnova)は核と細胞質双方のTDP−43に結合することが認められた。興味深いことに、抗体NI205.21G1の結合はリン酸化されたTDP−43を認識する対照抗体で認められた結合に匹敵すると思われる非常に特異的な結合を示した(図11E及びH)。
実施例5:TDP−43抗体の生体内での検証
TDP−43抗体の前臨床の検証のための実験をTDP−43タンパク質症のマウスモデルにて実施する。末梢注射又は浸透圧ミニポンプを介した脳室内注入によってヒトTDP−43抗体を投与する。血液及びCSF試料の分析、及び体重、一般的な臨床的印象、及び、たとえば、オープンフィールド、Y−迷路、高架式十字迷路、新規の目的認識、握力、足握力持久力、ポール試験、挑戦的なビームウォーク、ロータロッド又はさもなければ当該技術で既知のものを介して見られるような運動及び認知の損傷の兆候の分析によって治療効果をモニターする。
治療試験の完了の際、採取した血液及びCSFにおけるTDP−43のレベルの変化を測定し、生理的な及び病的なTDP−43の脳及び脊髄の含量についての定量的な免疫組織化学法及び生化学法、及び一般的な神経病理によって脳及び脊髄を評価する。
本発明の抗体及び他のTDP−43結合分子を検証するのに有用な前臨床モデルには、Wegorzewskaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.106(2009),18809−14によって記載されたようなTDP−43−A315Tマウスモデルが挙げられる。A315TマウスはTDP−43タンパク質症のトランスジェニックモデルであり、マウスの表現型がALS及びユビキチン凝集を伴う前頭側頭葉変性症(FTLD−U)双方の特徴を示す。
さらなる好適なモデルには、Gurneyら、Science、264(1994),1772−75によって記載されたようなB6.Cg−Tg(SOD1*G93A)1Gur/Jマウスモデル系が挙げられる。このマウス系統は、ヒトのスーパーオキシドジスムターゼ1のG93A変異形態を発現し、運動ニューロンの疾患の兆候を発生し、その後、進行して6〜8ヵ月以内に死亡する。これらのマウスは、運動ニューロンの細胞質へのTDP−43の特徴的な再分布及びTDP−43の免疫反応性の封入体の発生を示すので、TDP−43を標的とする薬学的介入を研究するのに好適なモデルである。たとえば、Shanら、Neuropharmacol.Letters、458(2009),70−74を参照のこと。
TDP−43抗体を検証するさらなる実験をWilsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.106(2010),3858−63によって記載されたようなTDP43WTマウスモデル系にて実施する。このマウス系統は野生型のヒトTDP−43を発現し、皮質及び脊髄の運動ニューロンの変性及びALSの痙攣性四肢麻痺の追想を発生する。FTLDに特徴的な皮質及び皮質下の非運動性ニューロンの用量依存性の変性もこのマウス系統で認められる。冒された脊髄及び脳の領域におけるニューロンは、双方ともALS/FTLDの患者で見られるようにユビキチン化され、リン酸化されている核及び細胞質のTDP−43の凝集体の蓄積を示す。
TDP−43抗体を検証するさらなる実験をDuchen及びStrich,J.Neurol.Neurosurg.Psychiatry、31(1968),535−42によって記載されたような運動ニューロン疾患の独立したモデル、Wobblerマウスモデル(B6.B‐Vps54wr/J,Jackson Laboratoriesから入手可能)にて実施する。このマウスモデルは、散発性ALSを連想する広範な細胞内のユビキチン封入体及びTDP−43の異常な細胞質分布を示すことが報告された。たとえば、Dennis及びCitron,Neuroscience、185(2009),745−50を参照のこと。
TDP−43抗体を検証するさらなる実験を、内因性プロモータの制御下でヒトのゲノムTDP−43_G348Cを過剰発現する最近性状分析されたTDP−43_G348Cトランスジェニックマウスにて実施する。Swarupら、Brain、134(2011),2610−2626を参照のこと。
TDP−43抗体を検証するさらなる実験を、TDP−43、たとえば、TDP−43のC末端の切り詰めのようなTDP−43の変異体、患者集団で見られるTDP−43の変異、又はTDP−43の核の局在のような細胞の局在に影響する変異体を発現する又は過剰発現するトランスジェニック細胞株及びトランスジェニック動物を含むモデル系で実施する。TDP−43モデル系、たとえば、TDP−43抗体を検証するための細胞株及び動物モデルにはさらに、異なる遺伝子の発現における変化を生じる、実証されたTDP−43の上方調節又は蓄積を伴う系、たとえば、プログラニュリンの下方調節を伴うWobblerマウス及びモデルが挙げられる。一実施形態では、TDP−43抗体を検証する実験は、前脳にて核の局在シグナルを欠損するヒトTDP−43を発現するマウス(Igaz et al., J Clin Invest. 121(2):726-38 (2011));ニューロンにてTDP−
43の25kDaのC末端断片を選択的に発現するトランスジェニックマウス(Caccamo
et al., Am J Pathol. 180(1):293-302 (2012));前脳にて野生型のヒトTDP−43(hTDP−43)を条件付きで発現するトランスジェニックマウス(Cannon et
al., Acta Neuropathol. 123(6):807-23 (2012));及びヒトVCP/p97の野
生型及び疾患を生じる型の普遍的な発現を伴うトランスジェニックマウス(Custer et al., Hum Mol Genet. 19(9):1741-55 (2010))にて実施される。別の実施形態では
、TDP−43抗体を検証する実験は、野生型TDP−43、核局在シグナルを欠損するTDP−43、又は配列番号94の残基220〜414を含むTDP−43の切り詰められたC末端断片をコードするAAVベクターで形質移入されたマウスで実施される。Tatomら、Mol.Ther.17(2009),607−613。
慢性有効性試験:本明細書で開示されるヒト抗TDP−43抗体の医薬効果を評価するために、TDP−43_G348Cトランスジェニックマウス(Swarup et al., Brain 134 (2011), 2610-2626)を、ヒト抗TDP−43抗体又は媒体対照の10mg/kgのi.p.注射によって16〜24週間の期間、毎週処理する。12週の処理の後、尾静脈採血によって血液試料を採取する。ELISAによって血清の抗TDP−43抗体のレベルを測定する。12週及び22週の処理の後、オープンフィールド試験、Y迷路試験、高架式十字迷路試験、新規の目的認識試験、握力試験、足握力持久力(PAGE)試験、ポール試験、挑戦的なビームウォーク試験、又はロータロッド試験を用いて神経行動及び認知/運動行動を評価する。抗体処理動物と対照動物の神経行動及び認知/運動行動の試験成績を比較する。抗体処理動物の改善された成績は、抗TDP−43抗体の治療有効性を示す。
急性有効性試験:50mg/kgまでの抗TDP−43抗体又は媒体対照の1〜4回のi.p.注射によって1週間の範囲内でTDP−43_G348Cトランスジェニックマウス(Swarup et al., Brain 134 (2011), 2610-2626)を処理する。処理の終了時、尾静脈採血によって血液試料を採取する。ELISAによって血清の抗TDP−43抗体のレベルを測定する。1週間の処理期間の終了時、オープンフィールド試験、Y迷路試験、高架式十字迷路試験、新規の目的認識試験、握力試験、足握力持久力(PAGE)試験、ポール試験、挑戦的なビームウォーク試験、又はロータロッド試験を用いて神経行動及び認知/運動行動を評価する。抗体処理動物と対照動物の神経行動及び認知/運動行動の試験成績を比較する。抗体処理動物の改善された成績は、抗TDP−43抗体の治療有効性を示す。
実施例6:直接ELISAによるヒト抗TDP−43抗体の結合親和性(EC50)の測定
ヒトTDP−43に対するヒト由来のTDP−43特異抗体の50%効果濃度(EC50)及びその標的特異性を実質的に上記実施例2に記載されたように測定した。手短には、炭酸ELISAコーティング緩衝液(pH9.6)にて5μg/mlの濃度に希釈した組換え完全長のTDP−43(米国、Biogen Idec、大腸菌抽出物)及びBSA(スイス、ブックスのSigma)によって96穴マイクロプレートを4℃にて一晩コーティングした。或いは、炭酸ELISAコーティング緩衝液(pH9.6)にて3.3μg/mlの濃度に希釈した残基409/410にてリン酸化の修飾を持つTDP−43のC末端ドメインの残基390〜414に相当する合成ペプチド(Schafer−N,DK)及びBSA(スイス、ブックスのSigma)によって96穴ハーフエリアマイクロプレートを4℃にて一晩コーティングした。2%BSA(スイス、ブックスのSigma)を含有するPBSによって室温にて1時間、非特異的な結合部位をブロックした。ヒトTDP−43特異抗体を指示された濃度に希釈し、室温にて1時間インキュベートした。HRPと複合体化されたロバ抗ヒトIgGγ特異的二次抗体(米国、Jackson ImmunoResearch)を用い、その後、標準の比色アッセイにてHRPの活性を測定することによって結合を測定した。EC50値はGraphPad Prismソフトウエア(米国、サンディエゴ)を用いた非線形回帰によって推定した。41D1、21G1、31D2及び8F8の抗体で得られた例となる滴定曲線を図4に示す。
表6で開示されるように、抗体NI−205.41D1(図4A及びE)、NI−205.51C1及びNI.205−21G2はそれぞれ、60pM、180pM及び240pMのナノモル以下のEC50での高親和性でヒトTDP−43に結合した。ホスホ-T
DP−43C末端ペプチドへの結合は認められなかった。抗体NI−205.1A9、NI−205.3F10、NI−205.14W3、NI−205.98H6、NI−205.44B2、NI−205.9E12A、NI−205.8A2、NI−205.15F12、NI−205.10D3、NI−205.38H2、NI−205.29E11、NI−205.9E12D、NI−205.31C11、NI−205.113C4、NI−205.25.25F3、NI−205.10H7、NI−205.8C10、及びNI−205.87E7は、ナノモルのEC50でヒトTDP−43に結合したが、ホスホ-TDP−43C末端ペプチドには結合しなかった。これらの抗体についてのEC5
0値は1〜18nMの範囲であった(表6を参照)。抗体NI−205.21G1(図4B及びF)は4.1nMのEC50で完全長のTDP−43に結合し、49.5nMのEC50での低親和性でホスホ-TDP−43C末端ペプチドを認識した。抗体NI−20
5.31D2(図4C及びG)、NI−205.14H5、NI−205.36D5、NI−205.19G5及びNI−205.68G5は、0.7〜17nMの範囲であるEC50値でホスホ-TDP−43C末端ペプチドに優先的に結合することを示した(表6
を参照)。対照的に、抗体NI−205.8F8、NI−205.8F8(図4D及びH)及びNI−205.20A1は、それぞれ5nM、7nM及び16nMのナノモルEC50での高親和性でヒトのホスホ-TDP−43C末端ペプチドに専ら結合したというこ
とは、セリン409及び/又はセリン410のリン酸化が結合に必要とされるという考えに矛盾しなかった。
実施例7:ELISA及びウエスタンブロットによるヒトTDP43抗体の結合解析
直接ELISA
実施例1に記載したように直接ELISAを実質的に実施した。手短には、アミノ酸2〜106(ドメインI)、99〜204(ドメインII)、183〜273(ドメインIII)、258〜414(ドメインIV)及び完全長TDP−43(2−414)を含むTDP−43(配列番号94)の断片を6.6μg/mlの等しいコーティング濃度でELISAプレートにコーティングした。ヒト由来の抗体の結合を直接ELISAによって測定した。得られた結果の例を図5に示す。抗体NI−205.41D1(図5A)、NI−205.14W3(図5C)、NI−205.44B2(図5E)、NI−205.10D3(図5G)、及びNI−205.10H7(図5L)は、TDP−43ドメインIV(aa258〜414)に特異的に結合した。抗体NI−NI−205.98H6(図5D)は、TDP−43ドメインIII(aa183〜273)に特異的に結合した。抗体NI−205.1A9(図5B)、NI−205.38H2(図5H)、及びNI−205.31C11(図5K)は、TDP−43ドメインII(aa99〜204)を特異的に認識したが、抗体NI−205.9E12A(図5F)、NI−205.29E11(図5I)、NI−205.9E12D(図5J)、及びNI−205.8C10(図5M)は、TDP−43ドメインI(aa2〜106)に結合した。ヒト由来のTDP−43特異抗体はすべて完全長のヒトTDP−43を認識した。異なる組換えTDP−43ドメインのコーティング効率性を制御するために、完全長TDP−43及び特定のTDP−43ドメインに結合する市販の抗体用いた:(Fig.5W):i)Ab50930(英国、Abcam)、TDP−43ドメインI;ii)TARDBPモノクローナル抗体(M01)、クローン2E2−D3(台湾のAbnova,Abnova23435)、TDP−43ドメインIII及びiii)Ab82695(英国、Abcam),TDP−43ドメインIV。対照抗体は完全長TDP−43及びその特定のTDP−43ドメインに結合した。
ウエスタンブロットによる異なるTDP−43ドメインへの結合
組換えの完全長TDP−43、TDP−43ドメインI(配列番号94のアミノ酸残基2〜106)、TDP−43ドメインII(配列番号94のアミノ酸残基99〜204)、TDP−43ドメインIII(配列番号94のアミノ酸残基183〜273)、TDP−43ドメインIV(配列番号94のアミノ酸残基258〜414)をSDS−PAGEによって分離した。ヒト由来の抗体の特定のTDP−43ドメインへの結合をウエスタンブロット解析によって測定した。
得られた結果の例を図6に示す。抗体NI−205.41D1(図6A)、NI−205.14W3(図6F)、NI−205.8A2(図6H)、NI−205.15F12(図6I)、NI−205.10D3(図6J)、NI−205.10H7(図.6L)及びNI−205.21G1(図6M)は、TDP−43ドメインIV(aa258〜414)に特異的に結合した。抗体NI−205.51C1(図6B)、NI−205.3F10(図6E)及びNI−205.98H6は、TDP−43ドメインIII(aa183〜273)に特異的に結合したが、抗体NI−205.21G2(図6C)、NI−205.1A9(図6D)及びNI−205.31C11(図6K)は、TDP−43ドメインII(99〜204aa)を特異的に認識した。これら13のヒト由来のTDP−43に特異的な抗体は完全長のヒトTDP−43も認識した。抗体NI−205.10D3(図6J)のみが、追加の非特異的なシグナル、最も高い可能性として大腸菌由来のタンパク質混入物を認識した。ホスホ-TDP−43C末端ペプチドに対する優先的な又は
排他的な結合を示す2つの抗体であるNI−205.68G5(図6N)及びNI−205.20A1(図6O)は完全長TDP−43又はその断片を認識しなかった。市販のTDP−43に特異的な抗体2E2−D3(台湾、AbnovaのAbnova23435)(図6P)をヒトTDP−43の検出の陽性対照として用いたのに対して、抗ヒトIgGγ特異的な抗体(図6Q)を陰性対照として用いた。
ヒト由来の抗体NI−205.44B2、NI−205.9E12A、NI−205.38H2、NI−205.29E11、NI−205.9E12D、NI−205.113C4、NI−205.25F3、NI−205.8C10及びNI−205.87E7は完全長TDP−43を認識したが、特定のTDP−43断片を特定しなかった(データは示さず)。
実施例8:合成ペプチドによるエピトープのマッピング(PepSpotting)
ヒトTDP−43のタンパク質配列を網羅する個々のペプチド間で11のアミノ酸が重なり合う101の直鎖15量体のペプチドを伴ったPepscan膜(PepSpots,ドイツ、ベルリンのJPT Peptide Technologies)を用いてヒトTDP−43タンパク質の範囲内でヒトに由来するTDP−43に特異的な抗体によって認識されるエピトープをマッピングした。Pepscanマッピングは実質的に実施例3に記載されたように実施した。手短には、ニトロセルロース膜上でペプチドのスポットを作り、次いでメタノール中で5分間活性化し、その後、TBSにて10分間室温で洗浄した。表7はPepSpotを用いて特定された異なるヒト由来のTDP−43に特異的な抗体についての結合エピトープを要約する。
ELISAによるNI−205.41D1結合エピトープの決定
10μg/mlの等しいコーティング濃度で完全長TDP−43(2〜414)及びアミノ酸258〜414(ドメインIV)、258〜384、258〜375、258〜362、258〜353、258〜319、317〜414及び340〜414を含むTDP−43C末端断片をELISAプレートにコーティングした。特定のTDP−43へのNI−205.41D1抗体の結合は直接ELISAによって測定した。得られたデータの例を図7Aに示す。NI−205.41D1は、断片258〜319及び340〜414を除いてすべての組換え断片に結合し、NI−205.41D1の結合エピトープはTDP−43のC末端領域317〜353にあることを示した。NI−205.41D1は完全長TDP−43に結合した。
10μg/mlの等しいコーティング濃度で、完全長TDP−43(2〜414)、配列番号94の残基258〜414を含む野生型TDP−43ドメインIV(TDP−43の258〜414)及び残基321でのAからGへの置換、残基322でのMからGへの置換、及び残基323でのMからGへの置換を持っている変異体TDP−43ドメインIV(TDP−43の258〜414 AMM321GGG)をELISAプレートにコーティングした。特定のTDP−43ドメインIV変異体へのNI−205.41D1抗体の結合を直接ELISAによって測定した(図7B)。NI−205.41D1は完全長TDP−43及び野生型TDP−43ドメインIVに結合したが、変異体TDP−43ドメインIVに結合しなかった。これは変異した残基の1以上がヒトTDP−43へのNI−205.41D1の結合に必須であることを示している。異なる組換えTDP−43種のコーティング効率性を制御するために、完全長TDP−43と結合する市販の抗体12892−1−APを用いた。
10μg/mlの等しいコーティング濃度で、配列番号94の残基316〜353(TDP−43の316〜353)、316〜343(TDP−43の316〜343)及び316〜333(TDP−43の316〜333)を含む合成のビオチン化ペプチドをストレプトアビジンコーティングしたプレートにコーティングした。特定のTDP−43のC末端ペプチドへのNI−205.41D1抗体の結合を直接ELISAによって測定した(図7C)。NI−205.41D1は、ペプチドTDP−43の316〜353及びTDP−43の316〜343に結合したが、ペプチドTDP−43の316〜333には結合しなかった。この結果は、TDP−43のC末端領域での配列番号94の残基334〜343がNI−205.41D1抗体のヒトTDP−43への結合に関与するという考えと一致する。我々の結果は、抗体NI−205.41D1の結合エピトープが配列番号94の残基317〜343の間で不連続であり、2つの独立した結合領域:配列番号94の残基321〜323を含む第1のもの及び配列番号94の残基334〜343を含む第2のものによって形成されるという理解に一致する。
実施例9:ヒト由来のTDP−43特異抗体は天然のTDP−43と相互作用する
純粋な完全長のTDP−43タンパク質は凝集する天然の傾向を有する。従って、標準の精製条件下ではほんのわずかな量の完全長のTDP−43しか回収されなかった。従って、我々は、天然のタンパク質構造を保存しながらタンパク質の凝集を防ぐことが知られるKSCN及びアルギニン、穏やかなカオトロピック剤を用いて大量の機能的な6×His−SUMOタグを付けた完全長のヒトTDP−43を大腸菌から単離するための組換え発現及び精製の戦略を開発した。
プラスミド:完全長のTDP−43(配列番号94の1〜414)及びその切り詰め残基、配列番号94の101〜265及び残基220〜414を標準の手順を用いて増幅し、改変pET19−b(Novagen)ベクターにサブクローニングし、増幅されたポリヌクレオチドにコードされたタンパク質のN末端での6×His及びSUMOのタグを生じた。6×His/SUMOタグ付きの組換えポリペプチドの模式図を図8Bに示す。
タンパク質の発現及び精製:6×His/SUMOタグ付きTDP−43発現プラスミドでBL21(DE3)Star大腸菌(Invitrogen)を形質転換した。37℃にてOD600が1になるまで細菌培養物を増殖させ、18℃にて16時間、1mMのIPTGによって誘導した。ペレットにした後、プロテアーゼ阻害剤を伴った精製緩衝液(40mMのHEPES(pH7.5)、1.5MのKSCN、及び1mMのトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、1mMのPMSF、5μMのぺプスタチン、1mMのベンズアミド、10μMのベスタチン、10μMのE−64、20μMのリューペプチン、1.5μMのアプロチニン)にてマイクロ流動化によって細胞を溶解した。適正に折り畳まれた完全長のTDP−43、TDP−43(101−265)及びTDP−43(220−414)を生成するために、結合用及び洗浄用の精製緩衝液を用い、製造元の指示書に従って6×His/SUMOタグ付き融合タンパク質をNi−NTAアガロース樹脂(Qiagen)にて精製した。250mMのイミダゾールを含有する同じ緩衝液でNi−NTA樹脂から、結合したタンパク質を溶出し、製造元の指示書に従い、精製緩衝液用いて分取用S200サイズ排除カラム(GE Healthcare)にてさらに精製した。単量体TDP−43タンパク質を含有する分画をプールし、40mMのHEPES(pH7.5)、400mMのアルギニン、1mMのTCEPを含有する緩衝液にて透析によって再形成した。同じ精製緩衝液を用いるが、1.5MのKSCNを0.5MのKClに置き換えることによって緩衝液の組成を変更して6×His−SUMO−TDP43(101−265)をさらに精製した。折り畳まれていない6×His−TDP43を調製するために、プロテアーゼ阻害剤を伴ったトリス/イミダゾール緩衝液(50mMのTris(pH7.5)、20mMのイミダゾール、150mMのNaCl)にてマイクロ流動化によって細胞を溶解した。プロテアーゼ阻害剤を含有する以下の緩衝液:2mMのMgCl2を含有するB−PER緩衝液(Pierce)、その後トリス/イミダゾール緩衝液によって不溶性ペレットを順に洗浄した。次に洗浄したペレットを8Mの尿素、20mMのリン酸ナトリウム(pH7.8)にて可溶化した。次いで製造元の指示書に従って、変性、洗浄及び溶出の条件を用いてNi−NTAアガロース樹脂にて尿素可溶化物質を精製した。常法(Laue, T. et al.. (1992) in Analytical Ultracentrifugation in Biochemistry and Polymer Science (Harding, S. E., ed) Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK)にて沈降係数及び分散係数(図8C)の決定並びにSDS−PAGE分離(図8A)を実施した。
捕捉ELISA:PBS緩衝液(137mMのNaCl、8.05mMのNa2HPO4、1.5mMのKH2PO4、2.7mMのKCl、pH7.4)にて1μg/mlの濃度に希釈した抗6×Hisマウスモノクローナル抗体(Clontech)によって96穴プレート(Thermo Fisher Scientific)を4℃にて一晩コーティングした。1%BSA(Sigma)及び0.05%Tween−20(Fisher Scientific)を含有するPBSによって室温で1時間、非特異的な結合部位をブロックした。1%のBSA、300mMのアルギニン及び0.1%のPEG5000、pH7.5を含有するPBS緩衝液にて室温で1時間、1.7μMの濃度での6×His−SUMO−TDP43タンパク質を抗体コーティングのプレートに結合させた。プレートを本発明のヒト抗体と共に室温で1時間インキュベートし、3倍連続希釈で滴定し、その後、1%BSAを含有するPBSTにおけるHRPと複合体化した抗ヒトIgGFcγ(Jackson ImmunoResearch)を加えた。標準の比色アッセイにてHRPの活性を測定した。Softmax proソフトウエア(Molecular Devices)での4パラメータ対数曲線適合を用いてEC50値を算出した。
RNA結合アッセイ:蛍光偏光を用いてRNAに対するTDP−43構築物の平衡結合親和性を測定した。5‘TYETM蛍光色素分子で標識したRNA基質、特定のRNA(TYETM− UGUGUGUGUGUG)(配列番号312)及びRNA対照(TYETM−UUUUUUUUUUUU)(配列番号313)(Integrated DNA
Technologies)を5nMの濃度で、示したようなインキュベート緩衝液にてTDP−43(0〜20nMの最終濃度)と共に25℃で30分間インキュベートした。645nmの励起及び665nmの放射にて96穴プレート形式での各濃度のTDP−43について、プレートリーダー蛍光計Envision(PerkinElmer)によって蛍光偏光を測定した。Sigmaplot(Systat Software社)を用いた密接な結合のための二次方程式(Morrison方程式)を用いてKdsを算出した。RNA/TDP−43結合の定比性を決定するために、合計100nMのRNA濃度(以前決定したKd値よりも>7×高い)について同じ配列の95nMの標識していないRNAの添加と共に、同じ蛍光偏光の実験設定を用いた。定比性は、一方を部分的に結合した状態のデータ点を用いて適合させ、他方を完全に結合した状態のデータ点を用いて適合させた2本の直線の切片を測定することによって算出した。
組換え完全長のTDP−43は400mMのアルギニンを含有する緩衝液中での沈殿分析(図8C)によって単量体だった。凝集が低いアルギニン濃度で見られたので、単量体の天然のTDP−43が所望の場合は、最低300mMのアルギニンを維持した。アルギニンがTDP−43の活性に有害に影響しないことと一致して、我々の組換え完全長のTDP−43は、一般的な非特異的な配列(UUUUUUUUUUUU(配列番号313)に対するよりも少なくとも30倍高い親和性で、以前確立した特異的な配列(UGUGUGUGUGUG(配列番号312)のRNAに結合する(図9)。
我々はまた、凝集に介在することが分かっているC末端ドメイン(アミノ酸残基265〜414)を取り除いた配列番号94のアミノ酸残基101〜265を含むTDP−43の6×His/SUMOタグを付けた断片を精製した。カオトロピック剤の存在下又は非存在下で精製した6×His/SUMOタグを付けた101〜265の切り詰めTDP−43断片は、使用した非常に異なる分析法にもかかわらず、以前報告されたKD(約14nM)に非常に類似した特異的RNA配列への結合親和性を維持した(図9)。Kou、Nucleic Acids Res.2009,37:1799−808を参照のこと。RNA/TDP−43の定比性が精製戦略にもかかわらず同様であった。このことは2つの調製物の間で変性したタンパク質集団には有意差がなかったことを示している(図9)。合わせて、これらのデータは精製された組換えの純粋な完全長のTDP−43は天然の折り畳み状態であったことを示した。
我々は、天然のTDP−43がELISAプレートの表面に直接吸着することなく不動化された捕捉ELISAを用いて、本明細書で提供されるヒト由来のTDP−43特異抗体の適正に折り畳まれた6×His/SUMOタグを付けたTDP−43に対する結合親和性を測定した。これは、その後TDP−43を捕捉する抗6×His抗体を不動化することによって達成した。折り畳まれた6×His/SUMOタグを付けた完全長のヒトTDP−43による抗6×Hisタグへの結合は、TDP−43の単量体状態を確保する300mMのアルギニン濃度で達成した。この不動化ステップの後、TDP−43の凝集に妨害されることなく、いつもの緩衝液にてヒト抗体による結合を調べた。生成された滴定曲線の例を図10に示す。表8は、この捕捉ELISAによる折り畳まれた完全長の6×His/SUMOタグを付けたTDP−43又はTDP−43の凝集傾向にあるC末端領域を含有する6×His/SUMOタグを付けた切り詰め構築物(配列番号94の残基220〜414)に対する親和性(EC50[nM])を要約する。
実施例10:FTLD−U症例及び対照の海馬組織におけるTDP−43へのヒト由来のTDP−43抗体の結合の評価
ヒトの皮質、海馬及び脊髄のFTLD−U及び対照の組織をIDIBAPS Biobank(バルセロナのBanc de Teixits Neurologics)から入手した。免疫組織化学を、EDTAに基づいたエピトープ検索を用いて5μmのパラフィン包埋切片にて実施し、その後、それ以外では標準のDAB(Pierce)を伴ったEliteABCキット(Vector Laboratories)による免疫組織化学手順を実施した。50nM濃度での本発明のヒトTDP−43抗体を用いて免疫組織化学を実施した。ヒトTDP−43に対するマウスモノクローナル抗体2E2(Abnova)、TDP−43 p409/p410に対して作ったウサギポリクローナル抗体p409/p410(CosmoBio)、及びTDP−43 p409/p410に対して作った対して作ったウサギポリクローナル抗体p409/p410(CosmoBio)を用いて対照染色を行った。
TDP−43の天然の形態及び病的形態を認識する本明細書で記載されるヒト由来の抗TDP−43抗体の能力をヒトFTLD−U症例(10)及び対照(7)の海馬組織における免疫組織化学実験によって特徴付けた。TDP−43は細胞質に出入りする主として核のタンパク質である。病的な状態では、それは核及び特に細胞質に蓄積され、病理は通常、細胞での局在;NCI−ニューロンの細胞質での封入体、NII−ニューロンの細胞内の封入体及びジストロフィ性神経突起病理に基づいて特徴付けられ/分類される(概説Mackenzie et al., Lancet Neurology, 9: 995−1007 (2010))。FTLD−U及びALSの患者の組織では、タンパク質はまた、リン酸化されることも見出されている。本明細書で開示される抗体のヒトTDP−43結合の特徴を死後の症例を診断するのに一般に使われる市販の抗体と比較した。2E2−D3対照抗体(aa205〜222にマッピングされたエピトープ;Zhang et al., Neurosci. Lett., 434:170−174 (2008))は海馬の錐体ニューロン(図11A)及び顆粒細胞(図11B)同様にジストロフィ性神経突起(図11C)における核及び細胞質のTDP−43の蓄積を認識した。対照症例の組織では、2E2−D3は主として核のTDP−43を認識した。リン酸化特異抗体p403/p404(CNGGFGS(p)S(p)MDSK(配列番号324)に対して作った; Hasegawa et al., Ann Neurol, 64(1):60-70 (2008))は、錐体細胞にお
ける細胞質のTDP−43(図11D)、顆粒細胞における核及び細胞質の蓄積(図11E)、並びにジストロフィ性神経突起におけるTDP−43(図11F)を認識した。第2のリン酸化特異抗体p409/p410(CMDSKS(p)S(p)GWGM(配列番号325)に対して作った; Hasegawa et al., Ann Neurol, 64(1):60-70 (2008))は、錐体細胞(図11G)、顆粒細胞(図11H)並びにジストロフィ性神経突起(図11I)における核及び細胞質でのTDP−43の蓄積に結合した。
本明細書で記載されるヒト由来の抗TDP−43抗体は、TDP−43の核、細胞質及び神経突起の形態への結合を含む様々な染色パターンを示した。本明細書で記載されるヒト由来の抗TDP−43抗体のうちの幾つかは、健常個体に由来する対照症例組織での染色に比べてTDP−43の病的形態に特異的に結合した(図11及び表9)。たとえば、抗体NI−205.68G5、NI−205.14W3、NI−205.21G1及びNI−205.41D1は、病的形態、すなわち、神経突起のTDP−43、及び海馬顆粒細胞の核及び細胞質のTDP−43に選択的に結合した。抗体NI−205.14W3、NI−205.21G1及びNI−205.41D1は、対照症例組織に結合することなく、FTLD-U患者におけるTDP−43の病的形態に特異的に結合した(FTLD-U患者組織(図11Y)及び対照症例組織(図11Z)におけるNI−205.41D1染色と比較のこと)。
抗体NI−205.10D3は主として核のTDP−43に結合したが(図11J)、NI−205.8C10は細胞質及び軸索におけるTDP−43に結合した(図11K)。分析した対照の抗TDP−43抗体とは異なって、本明細書で報告されるヒト抗TDP−43抗体は核TDP−43ではなく細胞質TDP−43に主として結合した。主として細胞質TDP−43に結合した抗体には (図11L)NI−205.15F12、(図11M)NI−205.8A2、(図11N)NI−205.3F10、(図11O)NI−205.21G2、(図11P)NI−205.8F8、(図11Q)NI−205.31C11、(図11R)NI−205.36D5、(図11S)NI−205.31D2、(図11T)NI−205.10H7、及び(図11U)NI−205.14H5が挙げられる。抗体(図11V)NI−205.68G5、(図11W)NI−205.14W3、(図11X)NI−205.21G1及び(図11Y)NI−205.41D1は、神経突起のTDP−43及び海馬顆粒細胞の核及び細胞質に蓄積しているTDP−43に結合した。
変性させた組換えTDP−43及び残基S409及びS410にてリン酸化されたTDP−43ペプチド390〜414を用いたヒト抗TDP−43抗体の選抜によって、ヒトTDP−43の天然のエピトープ及び疾患関連のエピトープのほとんどを網羅する抗体の生成を生じた。本明細書で開示されるヒト抗TDP−43抗体はTDP−43の新しい及び興味深いエピトープを特定し、TDP−43タンパク質症の疾患過程に特異的な新規の構造情報を提供する。たとえば、NI−205.14W3、NI−205.21G1及びNI−205.41D1は高い親和性でTDP−43に結合し、対照症例に比べてFTLD−U組織でTDP−43の病的形態に特異的だった。これら3つの抗体は、免疫組織化学にて類似する病的TDP−43に特異的な染色パターンを有した一方で、それらは、TDP−43の凝集傾向があるC末端領域における異なるエピトープを認識した:NI−41D1はTDP−43のC末端部分の不連続エピトープに結合し、NI−21G1はTDP−43のリン酸化傾向領域に結合した。さらに、抗体NI−205.14H5及びNI−205.31D2は、残基S409及びS410の一方又は双方でリン酸化されたTDP−43に対して高い親和性を有し、免疫組織化学で細胞質のTDP−43を特異的に染色した。さらに、NI−205.21G2及びNI−205.51C1はTDP−43に対して高い親和性を示し、予想されるカスパーゼ切断部位に対してN末端側のエピトープに結合し、NI−205.51C1はRNA認識モチーフ2(RRM2)に結合した。NI−205.10D3は、FTLD−U及び対照の症例の組織双方における核TDP−43を特異的に染色し、そのことは、それがTDP−43の内因性の/天然の形態に結合することを示唆している。
実施例11:急性脳透過性の試験
1日目と4日目に30mg/kgの抗ヒトTDP−43抗体又は等量のPBSをTDP−43_G348Cトランスジェニックマウス(Swarup et al., Brain 134 (2011),
2610-2626)に腹腔内注射する。5日目に麻酔下にて1単位/mlのヘパリンを含有するPBSでマウスを潅流する。血液、脳及び脊髄を分析のために採取する。脳の右半球を−80℃で凍結し、脳の左半球及び脊髄を10%中性ホルマリンにて4℃で2日間後固定し、その後、パラフィンブロックに包埋し、切片にする。血漿はアリコートで−80℃にて保存する。
脳タンパク質の抽出:標準の実験法を用いて脳のタンパク質分画を抽出し、たとえば、凍結した右半球を秤量し、50mMのNaCl、0.2%のジエチルアミン、プロテアーゼ阻害剤(Roche Diagnostics社)及びホスファターゼ阻害剤(Roche Diagnostics社)を含有する溶液の5体積(5mL/g湿組織)にてホモジネートする。次いで試料をポリカーボネート管に移し、さらに5体積のホモジネート溶液を加え、氷上で30分間保つ。次いで4℃にて100,000gで30分間の遠心の後、可溶性分画を回収する。この可溶性分画をヒトIgGアッセイに使用する。ペレットをプロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤と共に3体積のPBSに再懸濁する。4℃にて16,000gで30分間の遠心の後、さらなる不溶性TDP−43の抽出のために上清及びペレットを別々に−80℃で保存する。
標準の実験法を用いて脳タンパク質抽出物にてヒト抗体及びTDP−43を検出し、定量する。たとえば、ヒトIgG特異的なサンドイッチELISA:50mMの炭酸ELISAコーティング緩衝液(pH9.6)における2μg/mlのヤギ抗ヒトIgGFab(Jackson)を捕捉抗体として使用する。ハーフエリア96穴マイクロプレートを30μl/ウェルの捕捉抗体で4℃にて一晩コーティングする。0.1%Tween20を含有するPBSでプレートを4回洗浄し、その後、2%BSAを含有する50μl/ウェルのPBSと共に室温で1時間インキュベートする。2%BSA及び0.1%Tween20を含有するPBSで脳抽出物の可溶性分画、血漿試料及びヒト抗体標準を希釈する。30μlの希釈した試料を各ウェルに加え、室温で1時間インキュベートする。次いで0.1%Tween20を含有する200μlのPBSでプレートを洗浄し、その後HRPと複合体化したロバ抗ヒトFcγ(Jackson,2%BSA及び0.1%Tween20を含有するPBSにて1:10,000に希釈した)と共に室温で1時間インキュベートする。次いで0.1%Tween20を含有する200μlのPBSでプレートを4回洗浄し、その後20μl/ウェルのTMB(10mMのクエン酸溶液で1:20、pH=4.1)を加える。次いで10μlのH2SO4を加えることによって反応を止める。対照抗体の連続希釈から抗体の標準曲線を得る。標準に従って血漿及び脳試料における抗体の濃度を算出する。次いで脳のヒトIgGレベルを新鮮な脳組織のグラム当たりの抗体のμgに換算する。
投与されたヒト抗TDP−43抗体のニューロンへの浸透は、ヒト抗TDP−43抗体で処置した動物及び対照動物から得た脳の組織切片の免疫組織化学的染色によって検出される。たとえば、浮遊性の組織切片をTris−Triton、pH7.4(50mMのTris、150mMもNaCl、0.05%のTritonX−100)で洗浄し、1%H2O2/PBSにて30分間インキュベートし、Tris−Triton中の2%正常ヤギ及びウマ血清を含有するブロッキング溶液と共に及び追加の0.2%TritonX−100と共に室温で1時間インキュベートする。次いで切片を100rpmで撹拌しながら、ブロッキング溶液中1:200のビオチン化ロバ抗ヒトIgG(H+L)(Jackson Immunoresearch Labs,709−065−149)と共に4℃にて16時間インキュベートしてニューロンのヒトIgGを検出する。組織に結合したビオチン化抗体は、Vectastain Elite ABCキット(Vector Laboratories,PK6100,1:100)を用いたペルオキシダーゼ発色反応によって視覚化される。氷冷PBSによって酵素反応を止め、切片をPBSで3回洗浄する。次いで切片をガラススライドに載せ、一晩風乾した後、ヘマラム溶液(Carl
Roth GmbH + Co. T865.1)によって対比染色する。脱水ステップの後、スライドをカバーグラスで覆い、その後、Olympus dotSlide 2.1視覚顕微鏡システムで走査する。抗体処置した動物で見られるが、対照動物では見られないニューロンの抗ヒトTDP−43染色は、ヒト抗TDP−43抗体がニューロンに侵入することを示す。
実施例12:抗TDP−43抗体による慢性試験
10mg/kg、3mg/kgの抗体溶液又は等量のPBS対照をTDP−43_G348Cトランスジェニックマウス(Swarup et al., Brain 134 (2011), 2610-2626)に腹腔内注射する。各処置群は20〜25匹のマウスを有する。処置は週1回で26週間実施する。或いは、処理は週2回で13週間実施する。2週間ごとに体重をモニターする。処置の終了時、麻酔下でマウスを潅流する。脳、脊髄及び血液を採取する。脳半分及び脊髄を10%ホルマリンにて3日間後固定し、その後パラフィンブロックに包埋する。これらの組織ブロックから切り出した4〜6μm厚さの切片を免疫組織化学的検討に使用する。脳の他の半分を秤量し、生化学分析のために−80℃で深く凍結する。
薬剤の効果は、免疫組織化学を用いて、抗体処理した動物及び対照動物におけるTDP−43の病的形態のレベル及び分布を含む、TDP−43のレベル及び分布を比較することによって評価される。抗体処置した動物及び対照動物から得られる組織試料を、抗TDP−43抗体、たとえば、TDP−43の病的形態に特異的な抗TDP−43抗体によって、標準の組織法を用いて染色する。一実施形態では、組織化学分析で使用される抗体は動物に投与される抗体と同じである。別の実施形態では、組織化学分析で使用される抗体は動物に投与される抗体と異なる。本明細書で開示されるヒト抗TDP−43抗体の治療効果は、対照動物に比べた抗体処置動物におけるTDP−43の病的形態のレベルの低下又は非存在によって示される。
薬剤の効果はまた、ELISA又はウエスタンブロットを用いて、抗体処置した動物及び対照動物におけるTDP−43の病的形態のレベルを含む、TDP−43のレベルを比較することによって評価される。本明細書で開示されるヒト抗TDP−43抗体の治療効果は、対照動物に比べた抗体処置動物におけるTDP−43の病的形態のレベルの低下又は非存在によって示される。
本発明は、本発明の個々の態様の単一の説明として意図される記載された特定の実施形態によって範囲が限定されることはなく、機能的に同等である組成物又は方法は本発明の範囲内にある。実際、本明細書で示され、記載されたものに加えて本発明の種々の改変が、前述の記載及び添付の図面から当業者に明らかになるであろう。そのような改変は添付のクレームの範囲内に入るように意図される。