JPH11266884A - 複合体特異的抗体、その製造方法及び使用 - Google Patents

複合体特異的抗体、その製造方法及び使用

Info

Publication number
JPH11266884A
JPH11266884A JP10376651A JP37665198A JPH11266884A JP H11266884 A JPH11266884 A JP H11266884A JP 10376651 A JP10376651 A JP 10376651A JP 37665198 A JP37665198 A JP 37665198A JP H11266884 A JPH11266884 A JP H11266884A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
complex
psa
act
library
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10376651A
Other languages
English (en)
Inventor
Gregory P Dr Winter
ピー.ウィンター グレゴリー
Walter C Mahoney
シー.マハニー ウォルター
Jaymie R Dr Sawyer
アール.ソウヤー ジェイミー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roche Diagnostics Corp
Original Assignee
Boehringer Mannheim Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Boehringer Mannheim Corp filed Critical Boehringer Mannheim Corp
Publication of JPH11266884A publication Critical patent/JPH11266884A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/40Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against enzymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57484Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer involving compounds serving as markers for tumor, cancer, neoplasia, e.g. cellular determinants, receptors, heat shock/stress proteins, A-protein, oligosaccharides, metabolites

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の抗体の殆どは遊離のPSA及び複合化
したPSAを区別するものではなく、PSA−ACT複
合体に特異的な抗体は得られていない。 【解決手段】 抗原複合体に対するモノクローナル抗体
を調製するためにナイーブな抗体ライブラリーを利用す
る方法を提供する。特に、PSA−ACT複合体(抗キ
モトリプシンに複合化した前立腺特異抗原)に対し、そ
の複合体の遊離のサブユニットに対するのとは異なり、
特異性を示す抗体を製造する方法を提供する。これらの
方法により製造された抗体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗原複合体に対し
て特異的な抗体を製造する方法に関する。本発明はま
た、前立腺特異抗原/抗キモトリプシン(PSA−AC
T)複合体に特異的な抗体の製造方法、及びそのような
複合体特異的抗体の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】前立腺特異抗原(PSA)は、主にヒト
前立腺中で発現されるカリクレイン様セリンプロテアー
ゼである。これはヒト精液中のゲル形成タンパク質のタ
ンパク質分解を担っている。前立腺癌は男性にとって肺
癌に次いで二番目に致死率の高い癌であるので、一定の
年代の男性についての早期発見のための何らかの種類の
スクリーニングが提案されなければならないと考えられ
る。スクリーニング試験としてPSAを使用できること
は、Yang ProsCheckポリクローナルアッ
セイ(Stameyら、(1994)Cancer 7
4:1665)により測定して、癌血清の不存在下で
は、BPH組織(前立腺の良性過形成)1グラムあたり
PSAが約0.3ng/ml上昇するが、前立腺癌は癌
1グラムあたり血清PSAを約3.5ng/ml上昇さ
せるという観察に基づいている。従って、感度の高い正
確なPSAアッセイの開発は公衆に利益をもたらす。
【0003】PSAの血清濃度の測定は、前立腺癌を有
する患者を監視するのに広く使用されているが、PSA
血清濃度の上昇は良性の前立腺過形成(BPH)におい
て、及び前立腺の手術による外傷の二次的症候にも報告
されている。血流中では、PSAのタンパク質分解活性
は、α−1−アンチキモトリプシン(ACT)、タンパ
ク質−C阻害剤(PCI)、α−2−マクログロブリン
(AMG)、インター−α−トリプシンインヒビター阻
害剤等の数種類の細胞外血清プロテアーゼ阻害剤、及び
妊娠領域タンパク質(PZP)と不可逆的な複合体が形
成されることにより阻害される(Zhouら、(199
3)Clin.Chem.39/12:2483−24
91;Christensson A.ら、(199
0)Eur.J.Biochem.194:755−7
63;Stenmanら、(1991)Cancer
Res.51:222−226)。血液中の主要なPS
A阻害剤は、血清中のPSAの正常な濃度より過剰な濃
度で存在する肝臓由来のACT及びAMGである。
【0004】血清中のPSAの優勢な免疫検出形態はA
CTと複合化しているが(Liljaら、(1991)
Clin.Chem.37:1618−1625;St
enman UHら、(1991)Cancer Re
s.51:222−226)、大過剰の阻害剤の存在に
かかわらず、PSAは遊離の非複合化形態でも存在す
る。Stameyら((1994)Cancer 7
4:1665)によれば、前立腺癌患者の血清中で4種
の異なる商業的なアッセイ(下記に挙げる)により認識
される全てのPSAの平均で88〜98%がACTに複
合化しているが、BPHにおいては、90〜95キロダ
ルトンの複合化形態は全PSAの約73〜84%を示
す。
【0005】抗PSA抗体が記載されている(例えば、
Stenman UHら、Cancer Res.5
1:222−226(1991);Lilja H.
ら、Clin.Chem.37:1618−25(19
91);Leinonen J.ら、Clin.Che
m.39:2098−2103(1993);Chri
stensson A.J.Urol.150:100
−5(1993);Petterssonら、(199
5)Clin,Chem.41/10:1480−14
88を参照)。PSAは大きい分子ではないが(分子量
34,000ダルトン)、多数のエピトープが見られ
る。市販品として利用できる抗PSA抗体の殆どのもの
は、遊離のPSA分子に対して製造されたものであっ
た。ACTに結合したとき、PSA分子上の一定の部位
がブロックされ得るので、遊離のPSAに特異的なアッ
セイを設定することを意図するのではない場合は、これ
らの部位に対して反応する抗体を選択しないことが重要
である。PSAの為の市販のアッセイとしては、Hyb
ritech(San Diego,CA)からのHy
britech Tandem−E及びTandem−
R PSAアッセイキット、Yang ProsChe
ck(Yang Labs,Bellevue,W
A)、Abbott IMx(Abbott labo
ratories,Abbott Park,IL)及
びCiba−Corning自動化化学ルミネセンスシ
ステムPSA(Ciba−Corning,East
Walpole,MA)が挙げられる。現在使用されて
いる多くのPSAキットの主要な問題の1つは、使用さ
れる抗PSA抗体に関するものである。これらのキット
で使用される抗PSA抗体は、PSA−ACT複合体及
び遊離のPSAの両者についてのアフィニティにおいて
互いに異なるだけではなく、それらの抗体はまたこれら
の2種の形態のPSAと異なるアフィニティで反応し得
る。これらの種々の市販のアッセイはPSA測定におい
て不一致を示すことが報告されている(Zhouら、
(1993);Stameyら、(1994)Canc
er 74:1665)。例えば、Stameyら、
((1994)Cancer 74:1662−166
6)によれば、Ciba−Corning ACSアッ
セイは、遊離PSAについてHybritechアッセ
イよりも4倍高い値を示した。市販の試験システム間の
PSA測定のこれらの不一致は、試薬抗体によるPSA
の多数の形態の認識が異なることによるとされた(Zh
ouら、1993)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】既存の市販のアッセイ
は一般に、遊離PSA抗原に対する抗体を使用して遊離
のPSAを捕獲し、その後ACT特異抗体を添加して捕
獲されたPSAのどれだけがACTに複合化しているか
を調べようとするものである。このアッセイフォーマッ
トは複合化していないPSAを洗い流すことができな
い。現在のアッセイは、抗ACT抗体の添加に先立ち、
中間の洗浄ステップを必要とする。これは、アッセイを
完了するのに必要な時間をさらに付加し、装置からのス
ループットを減少させる。中間の洗浄を実施することが
できない装置もあり、連続的なサンドイッチELISA
は容易には行えない。
【0007】これまでに記載された抗体の殆どのものは
PSA部分を認識して結合し、遊離のPSA及び複合化
したPSAを区別しない。例えば、Wuら((199
5)Journal of Clinical Lab
oratory Analysis9:252−26
0)は種々の市販のモノクローナル抗PSA抗体を試験
し、それらが遊離のPSA及びPSA−ACT複合体の
両者に結合することを見出した。これらの抗体は全PS
Aのアッセイには役立ち得るが、PSA−ACT複合体
のみの量を測定するためには適当でない。Liljaら
は、米国特許第5,501,983号において、遊離P
SA及びPSA複合体を測定する非競合的なイムノアッ
セイを記載している。抗PSAモノクローナル抗体は、
Balb/cマウスをPSAで免疫化してハイブリドー
マを製造する従来法によって製造されたものである。エ
ピトープ特異性により特徴づけられる3種のモノクロー
ナル抗体のうち、1種のみが遊離PSA及びPSA−A
CTの両者を認識した。以前に記載された抗PSA複合
体抗体は複合体中のACTを認識するが、特にPSA/
ACT複合体に特異的ではない。ACTはカテプシンG
(Heidtmann及びHavemann(199
3)Clin.Chem.39:869−874)、キ
モトリプシン及びDNAとも複合体を形成する。従っ
て、そのようなPSA−ACT複合体非特異的抗体を使
用するPSAアッセイにおいては、他の種類のACT複
合体が血漿中に存在し得ることから、増加した吸光度の
読取りをPSA−ACTのみのせいにすることはできな
い。Petterssonらは、5種のPSA−ACT
アッセイにおいて重大な困難が観察され、これらはいず
れも血清中のPSA−ACTの濃度をひどく過大評価
し、そしてPSA濃度が低い程、これに比例してそのよ
うな傾向を示すものであり、これはACTあるいはカテ
プシンG複合化ACTの固相に対する非特異的吸着によ
るものであったことを報告している(Petterss
onら、(1995)Clin.Chem.41/1
0:1480−1488)。Petterssonは、
PSA−ACTの測定における非特異的で可変的な干渉
は、特に臨床上重要な〈10μg/mlのPSA濃度で
BPHと前立腺癌との識別能を害することになるであろ
うことを認めている。遊離及び複合化した形態の両方に
反応するさらに別のPSA抗体は両形態と等モルでの結
合を示さず、すなわち抗体は、(Pettersson
ら、(1995)Clin.Chem.41/10:1
486において抗体2E9により例示されるように)P
SAの異なる形態について異なるアフィニティを有し従
って異なるPSAの形態の正確な測定が得られない可能
性がある。大部分のPSAがACTと複合化している血
清中でPSAを測定する場合、ポリクローナル抗体を使
用するアッセイはシグナルを失うことが見出されている
(Stamey,T.ら(1994)Cancer7
4:1662−1666参照)。
【0008】PSA−ACT複合体に特異的に指向する
抗体を生成するこれまでの試みを妨げていた別の因子
は、PSA−ACTが抗原として使用されるアッセイ条
件である。今まで、PSA/ACT複合体に対する抗体
を生成する試みは、pH7.4のPBSバッファー中で
室温での抗体スクリーニングアッセイの種々の段階にお
いてPSA/ACT複合体を使用することに依存しよう
とするものであった。これらの条件は、in vitr
oでのPSA−ACT複合体の安定性には好ましいもの
ではない(Petterssonら、(1995)Cl
in.Chem41/10:1480−1488)。本
発明は、先行技術の限界を克服し、得るのが困難な複合
体特異的抗体を単離するための手段を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、2以上のサブ
ユニットを含む抗原複合体に特異的な抗体を得るための
方法を提供する。抗原複合体が第一のサブユニットと第
二のサブユニットを含む1つの態様においては、前記方
法は以下a)〜f): a)組換複製ベクター粒子により提示された抗体のライ
ブラリーを作成し、 b)ライブラリーを複合体と接触させ、複合体に結合す
るベクター粒子を回収することにより、抗原複合体のみ
に特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリー
から選択し、 c)ライブラリーを第一のサブユニットと接触させ、非
結合粒子を回収することにより、第一のサブユニットの
みに特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリ
ーから除去し、 d)ライブラリーを第二のサブユニットと接触させ、非
結合粒子を回収することにより、第二のサブユニットの
みに特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリ
ーから除去し、 e)段階b)、c)及びd)に従って処理した後に、ラ
イブラリー中に存在する粒子をクローンとして複製し、 f)複合体には結合するが、第一あるいは第二のサブユ
ニットのみには結合しない抗体を発現する、段階e)の
後に得られた複製粒子のクローンを選択する、の段階を
含む。段階d)の後に残ったライブラリーは、さらにベ
クター粒子を抗原複合体と接触させ、複合体と結合する
ベクター粒子を回収することにより、複合体のみに特異
的な抗体を提示するベクター粒子について濃縮すること
ができる。
【0010】組換え複製ベクター粒子は、ライブラリー
発現及びポリペプチド提示に適した任意のベクター粒子
/生物とすることができる。ある態様においては、ベク
ター粒子は糸状ファージである。上記方法において使用
される抗体ライブラリーは、大きいV領域レパートリー
を有し、少なくとも10個のメンバーにより提示され
るナイーブ抗体ライブラリーであることが好ましい。
【0011】抗体は、インタクトな抗体あるいは任意の
形態の抗体断片としてライブラリーにより提示されるも
のとすることができる。1つの態様においては、ライブ
ラリーによって提示される抗体は、単鎖可変領域(sc
Fv)である。段階f)における抗体に結合する複合体
を発現する複製粒子クローンの選択と単離の後に、選択
された粒子により提示される重鎖及び軽鎖可変領域はさ
らに、別のポリペプチド鎖上に発現させ、再度組み合わ
せてて複合体に結合する可変領域を形成することができ
る。抗原複合体は、in vitroでの複合体の安定
性に好都合な条件下で製造し、ライブラリーと接触する
ことが好ましい。
【0012】本発明の1つの具体的な形態は、前記の態
様に従って複合体に対する抗体を得る方法であって、第
一のサブユニットが前立腺特異抗原であり、第二のサブ
ユニットが抗キモトリプシンであり、すなわち複合体が
PSA−ACTである前記方法である。この特定の方法
においては、抗体ライブラリーは、好ましくはナイーブ
なヒト抗体ライブラリーである。PSA−ACT抗原複
合体に対する抗体を単離するために、複合体は好ましく
は4℃及びpH 6.0で調製しライブラリーと接触さ
せる。
【0013】また、前記方法によって調製された抗体も
本発明により提供される。1つの態様においては、抗原
複合体に特異的な抗体を発現し提示するために選択され
たベクター粒子から重鎖及び軽鎖可変領域遺伝子を単離
し、抗体誘導体を組換えにより製造するのに使用する。
ベクター粒子から単離したVH及びVL遺伝子を発現す
る抗体誘導体は、Fab断片、インタクトな抗体、融合
抗体及びキメラ抗体からなる群から選択された形態の抗
体とすることができる。
【0014】前記の方法により製造される特定の複合体
特異的抗体は、前立腺特異抗原(PSA)と抗キモトリ
プシン(ACT)間に形成された複合体に、PSAある
いはACT単独に対するアフィニティの少くとも10倍
高いアフィニティで結合する抗体である。好ましくは、
前記抗体はPSAあるいはACT単独に対するアフィニ
ティの少なくとも10倍高いアフィニティでPSA−
ACT複合体に結合する。他の好ましい態様において
は、PSA−ACTに特異的な抗体は、他のセリンプロ
テアーゼ及びACT、特にキモトリプシンとACT間の
複合体に対するアフィニティよりも少なくとも10倍高
いアフィニティで複合体に結合する。
【0015】本発明は、PSA−ACTに対するヒトs
cFv抗体を提供する。別の態様においては、PSA−
ACT抗体の重鎖及び軽鎖可変領域が、別のポリペプチ
ド鎖上に存在する。本発明は、特に以下のPSA−AC
T抗体:ITA2(配列番号2に示したアミノ酸配列に
より特定される)、ITA3(配列番号5により特定さ
れる)、ITA7(配列番号8により特定される)、B
IOA8(配列番号11により特定される)、及びBI
OC7(配列番号14により特定される)を提供する。
また、重鎖及び軽鎖可変領域あるいは相補性決定領域
(CDR)が以下の抗体、ITA2、ITA3、ITA
7、BIOA8あるいはBIOC7の1つから誘導され
たPSA−ACT抗体も本発明により提供される。
【0016】本発明のさらに別の形態は、サンプル中の
PSA及びACT間の複合体の存在またはその量を測定
するために、PSAあるいはACT単独に対するアフィ
ニティの少くとも10倍高いアフィニティでPSA−A
CT複合体に結合する上記の抗体を使用する方法であ
る。該方法は、PSA−ACT複合体が前記抗体に結合
できる条件下で抗体とサンプルを含む反応混合物を調製
し、反応混合物中で抗体に結合したPSAまたはACT
の存在または量を測定することを含む。例えば血清サン
プルのような患者から得られたサンプル中のPSA及び
ACT間の複合体の量を測定するこの方法は、患者にお
ける前立腺の良性及び悪性の状態を区別する方法に適用
することができ、その場合複合体の量は状態の非悪性度
に関連付けられる。別の態様においては、患者における
前立腺の良性及び悪性の状態を区別する方法が提供さ
れ、該方法においては患者から得たサンプル中の全PS
A量を測定し、そのサンプル中のPSA及びACT間の
複合体の量を前記態様に従って測定し、全PSAに対す
る複合体の比率を状態の非悪性度と関連付ける。
【0017】
【発明の実施の形態】参考文献 本発明の実施には、特に明記しない限り、当分野の通常
の技術の範囲内である分子生物学等の慣用の技術を使用
する。そのような技術は文献中に充分に説明されてい
る。例えば、分子クローニング:実験室マニュアル,
(J.Sambrookら、Cold Spring
Harbor Laboratory,Cold Sp
ring Harbor,N.Y.,1989);分子
生物学における現在のプロトコル(F.Ausubel
ら編、1987及び改定版);必須分子生物学(T.B
rown編、IRL Press 1991);遺伝子
発現技術(Goeddel編、Academic Pr
ess 1991);真核生物遺伝子のクローニング及
び分析法(A.Bothwellら編、Bartlet
t Publ.1990);遺伝子伝達及び発現(M.
Kriegler,Stockton Press 1
990);組換えDNA方法論II(R.Wu編、Ac
ademic Press 1995);PCR:実用
的なアプローチ(M.McPhersonら、IRL
Press at Oxford Universit
y Press 1991);生化学者のための細胞培
養(R.Adams編、Elsevier Scien
ce Publishers 1990);哺乳動物細
胞のための遺伝子伝達ベクター(J.Miller &
M.Calos編、1987);哺乳動物細胞のバイ
オテクノロジー(M.Butler編、1991);動
物細胞培養(J.Pollardら編、HumanaP
ress 1990);動物細胞培養(R.Fresh
ney編、IRLPress 1987);フローサイ
トメトリー及びソーティング(M.Melamedら
編、Wiley−Liss 1990);シリーズ酵素
学における方法(Academic Press, I
nc.);免疫細胞化学における技術,Bullock
& P.Petrusz編、Academic Pr
ess1982,1983,1985,1989);実
験免疫学のハンドブック,(D.Weir & C.B
lackwell編);細胞及び分子免疫学(A.Ab
basら、W.B.Saunders.Co.199
1,1994);免疫学における現在のプロトコル
(J.Coliganら編、1991);及びシリーズ
免疫学の年間総説;シリーズ免疫学の進歩;オリゴヌク
レオチド合成(M.Gait編、1984)等を参照。
【0018】本発明の方法において使用し得る、ヒト抗
体についてのファージ及びファージミド提示ライブラリ
ーの製造、合成抗体、コドン突然変異誘発、単鎖Fv設
計及び生産等について記載するその他の文献としては、
抗体エンジニアリング、第2版(C.Borrebae
ck編、Oxford University Pre
ss,1995):Marks,J.Dら、(199
1)J.Mol.Biol.222:581−597;
Griffiths,ADら、(1993)EMBO
J.12:725;Griffiths,A.D.ら、
(1994)EMBO J.13:3245−3460
等がある。種々のイムノアッセイフォーマットのプロト
コールを示した別の文献としては、イムノアッセイ
(E.P.Diamandis及びT.K.Chris
topoulos編、AcademicPress,I
nc.,1996)がある。
【0019】上記の項に引用した参考文献は、本発明の
実施において使用される技術をこれらの引用文献が教示
する範囲において、参考としてここに組み入れる。さら
に本出願において引用された特許、発行された出願及び
その他の刊行物等のその他の参考文献も参考としてここ
に組み入れる。
【0020】定義 本発明の「複合体」あるいは「抗原複合体」は、共有結
合によりあるいは非共有結合的に結合した少なくとも2
のサブユニットからなる。PSA/ACTは、2つのサ
ブユニット、PSA及びACTからなる例示的な複合体
として本明細書で記載するが、3以上のサブユニットを
含む複合体も本発明の方法に包含される。複合体及び複
合体を形成するサブユニットは、分子の大きさ、構造あ
るいは組成的特徴により制限されない。抗原複合体の
「サブユニット」は、タンパク質、ペプチド、脂質、
糖、共因子、ホルモン、毒素、医薬、あるいは植物もし
くは動物ソースからの任意の化合物とすることができ
る。サブユニットは、任意の形態で相互に作用するか結
合して複合体を形成できるものである。
【0021】in vitroでの精製抗原複合体の安
定性に影響を与える条件としては、温度、pH、バッフ
ァーの種類、塩条件、各サブユニットの濃度、共因子及
びプロテアーゼ阻害剤の存在等がある。本発明の複合体
特異的抗体を単離する方法においては、抗原複合体をi
n vitroで使用する場合(例えば抗体ライブラリ
ー選択及びスクリーニングアッセイにおいて)は、アッ
セイの他の成分の安定性に悪影響を及ぼすことなく複合
体の安定性に適し、またはこれを最大にするような条件
下に置くことが好ましい。例えば、PSA−ACT複合
体に対する抗体を製造する特定の例においては、抗原複
合体のin vitroでの安定性に適し、しかもアッ
セイにおけるファージ粒子の安定性と機能に適合するp
Hと温度の条件に抗原複合体を維持する。抗原複合体
は、少なくとも選択とスクリーニングアッセイのそれぞ
れの間in vitroで安定であることが好ましい。
複合体の安定性に好適な条件は抗原によって変化する
が、例えば種々のパラメーターを一つずつ、そして組合
せて体系的に変化させ、複合体の量を経時的に測定する
ことにより当業者により容易に決定することができる。
【0022】本出願を通じて使用される用語「抗体」
は、インタクトな抗体分子のみならず、所望の結合特異
性を有する少なくとも1の可変領域あるいは部分を含む
任意の分子をも包含するものとして定義される。可変領
域は、典型的にはV−V対を含むが、その代わりに
抗体あるいはT細胞受容体からの可変鎖の他の組合せか
ら構成されるものでもよい。結合特異性が保持される限
り、可変領域断片、天然もしくは合成の変異体、融合分
子、キメラ、モザイク、及びヒト化変異体が包含され
る。可変領域は、限定するものではないが、インタクト
な抗体分子及び抗体断片(例えばFab、F(ab’)
、Fd及びFv及びその他の抗原結合断片)を含む任
意の適当な形態で提示される。特に好ましい構築物の例
として、単一のV−V対がフレキシブルなペプチド
リンカー配列により結合され、ポリペプチドが単一の可
変領域の三次元コンフォメーションに折り畳まれるよう
な形態で単一のポリペプチドを形成する単鎖可変領域ポ
リペプチド(scFv)、及び二つのV−V部位を
有するポリペプチドダイマーであるジアボディが挙げら
れる。「scFv」及び「sFv」はいずれも単鎖可変
領域ポリペプチドをいい、本明細書では互換的に使用さ
れる。キメラ抗体は、ヒトC領域に結合した異なる種
(最も多くの場合超歯類)からの免疫グロブリンV領域
からなる。モザイク抗体は、ヒト化V領域(通常ヒト骨
格上にグラフトされた齧歯類CDR)及びヒトC領域か
らなる。抗体融合分子は、典型的には抗体の標的抗原複
合体への結合を阻害しない部位で非抗体物質に融合した
抗体の前記の形態の任意のものを含む。非抗体物質は、
エピトープ標識(例えば、c−mycペプチド、インフ
ルエンザウイルスヘマグルチニン(HA))、結合対の
メンバー(例えばアビジン)、酵素(例えば西洋ワサビ
ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラ
クトシダーゼ)、切断可能な配列(例えばホスファチジ
ルイノシトール−グリカンあるいはPIG配列)のよう
な標識、あるいはその他の任意の適した物質とすること
ができる。これらの種々の形態の抗体の構築について
は、例えば、抗体エンジニアリング、第2版(C.Bo
rrebaeck編、Oxford Universi
ty Press,1995)及びイムノアッセイ
(E.P.Diamandis及びT.K.Chris
topoulos編、AcademicPress,I
nc.,1996)を参照。
【0023】「ナイーブな」抗体ライブラリーは、単一
の免疫原に対する抗体が優勢でない哺乳動物から生成さ
れたライブラリーである。ナイーブな抗体ライブラリー
は、自己反応性B細胞クローンの欠失につながる、免疫
グロブリンレパートリーに対する選択圧力と体細胞突然
変異を排除あるいは最小限にするように調製される。抗
体ライブラリーは、抗原により特異的に免疫化あるいは
チャレンジされていない哺乳動物から製造された場合に
「ナイーブな」ライブラリーとみなされる。抗体ライブ
ラリーは十分に大きくて多様なV領域レパートリーを含
むことが好ましい。V領域レパートリーは、少なくとも
10個の異なるメンバー、より好ましくは少なくとも
10個、さらに好ましくは少なくとも1010個のメ
ンバーを含む。
【0024】本明細書で使用する「組換え複製粒子」
は、ファージ、細菌、酵母、昆虫細胞、あるいは哺乳動
物細胞とすることができる。好ましくは、組換え複製粒
子は、M13あるいはfdファージのような糸状ファー
ジである。ベクターが糸状ファージである場合、抗体断
片は、ファージのマイナーコートタンパク質(遺伝子I
IIタンパク質)あるいはメジャーコートタンパク質に
融合することができる。「ファージミド」は、ファージ
複製起点を有するプラスミドである。
【0025】好ましい態様の詳細な説明 本発明は、2以上のサブユニットからなる抗原複合体に
特異的な抗体を得る方法を提供する。該方法は、大きい
ナイーブ抗体ライブラリーのスクリーニング、また複合
体の安定性に適した条件下での種々のスクリーニング段
階における抗原複合体の使用による。大きいナイーブ抗
体レパートリーで開始することにより、動物の免疫化あ
るいは免疫化動物から得た抗体ライブラリーを使用する
通常の方法を使用すると得るのが困難な抗体が単離され
る確率がこの方法により高められる。特にこの方法によ
って、「自己抗原」及び小胞体内腔の抗原に対する抗体
を得ることに関連する問題が解決される。動物は通常自
己抗原に対する抗体を生成せず、その自己抗原を動物に
ワクチンとして接種してもクローン欠失及び自己免疫寛
容につながるアネルギーのために通常はその抗原に特異
的な抗体を生成しない。
【0026】本発明の方法は、PSA/ACTあるいは
トロンビン/抗トロンビンのような酵素/酵素阻害剤複
合体を含む任意の抗原複合体に特異的な抗体を生成する
のに使用することができる。ある態様においては、本発
明の方法は、サブユニットとして前立腺特異抗原(PS
A)及び抗キモトリプシン(ACT)からなる複合体に
特異的な抗体を生成するのに使用される。本明細書にお
いてはこの複合体をPSA−ACTまたはPSA/AC
Tと略記する。
【0027】また、本明細書に開示する方法により調製
された抗原複合体に対する抗体が提供される。複合体特
異的抗体は、例えば、イムノアッセイ、診断、免疫療
法、アフィニティクロマトグラフィー、抗原複合体スク
リーニングあるいは検出、単離及び精製等において多く
の用途を有する。
【0028】2つのサブユニットを含む例示的な抗原複
合体においては、前記方法は以下の、 a)組換複製ベクター粒子により提示された抗体のライ
ブラリーを作成し、 b)ライブラリーを複合体と接触させ、複合体に結合す
るベクター粒子を回収することにより、抗原複合体のみ
に特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリー
から選択し、 c)ライブラリーを第一のサブユニットと接触させ、非
結合粒子を回収することにより、第一のサブユニットの
みに特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリ
ーから除去し、 d)ライブラリーを第二のサブユニットと接触させ、非
結合粒子を回収することにより、第二のサブユニットの
みに特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリ
ーから除去し、 e)段階b)、c)及びd)に従って処理した後に、ラ
イブラリー中に存在する粒子をクローンとして複製し、 f)複合体には結合するが、第一あるいは第二のサブユ
ニットのみには結合しない抗体を発現する、段階e)の
後に得られた複製粒子のクローンを選択する、段階を含
む。
【0029】免疫化されていないドナーからの大きいヒ
ト抗体ライブラリー(ナイーブライブラリー)の構築に
ついては、本明細書の実施例1及びGriffith
s,A.D.ら、(1994)EMBO J,13:3
245−3260,Vaughan,T.J.ら、(1
996)Nature Biotechnology1
4(3):309−314、及びWO93/11236
(Griffithsら)を参照。これらはいずれも参
考としてここに組み入れる。ナイーブなライブラリーは
免疫化されていない哺乳動物から調製される。ヒト免疫
グロブリンのVH及びVL遺伝子の多様なライブラリー
は、免疫グロブリン遺伝子のポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)増幅を使用して非免疫化ドナーの末梢血リンパ球
(PBL)から製造するのが最も便利である。好ましく
は、ライブラリーは少なくとも2の非免疫化個体、より
好ましくは少なくとも20のドナー、さらに好ましくは
50以上のドナーからの免疫グロブリン配列プールから
調製される。プールに寄与するドナーの数をより大きく
すると、V領域遺伝子の提示と抗原特異性がより大きく
なる。
【0030】H鎖及びL鎖、またはFabあるいはsc
Fvのような抗体断片の非常に多様な合成レパートリー
は、例えば細菌におけるレパートリーの組換えによるV
遺伝子セグメントのバンクから完全にin vitro
で生成できる。ある態様においては、ライブラリーによ
り提示された抗体は単鎖可変領域断片すなわちscFv
である。scFv断片をコードする遺伝子を生成するた
め、PCR及び糸状ファージのような複製ベクター粒子
の表面上の提示についてクローン化した組合せライブラ
リーを使用して、VH及びVL遺伝子をランダムに組み
合わせることができる。例えば生殖細胞系V領域のin
vitroでの再配列及びVH及びVLのランダムな
組合せによって、作成された合成ライブラリーは抗原結
合レパートリーの多様性をさらに高める。CDRループ
のランダム配列も作成できる。合成抗体、scFv、ヒ
ト化抗体の製造方法及びコドンに基づいた突然変異誘発
による抗体結合部位の操作方法は当分野において記載さ
れており、例えば抗体エンジニアリング,Borreb
aeck C.(編)1995,Griffiths
ら、1994、上出、Marksら、1991、上出を
参照。
【0031】配列において非常に多様なV領域レパート
リーを有する「大きな」抗体ライブラリーを使用するこ
とが望ましい。ライブラリーは好ましくは少なくとも1
個、より好ましくは少なくとも10個、さらに好
ましくは1010個以上の異なるメンバーを提示するも
のとする。
【0032】抗体ライブラリーは、任意の種、但し好ま
しくは齧歯動物、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ブタ、
ウシ、ヒト等の哺乳動物からの免疫グロブリン遺伝子を
使用して構築することができる。複合体特異的抗体につ
いて、血清またはその他のヒトの体液のようなヒトサン
プルを含む診断的使用が予定される場合は、抗体は、ヒ
トサンプルの他の成分と望ましくない種間交差反応性を
最小限にするようにヒトあるいはヒト化抗体であること
が好ましい。そのような場合、ヒトまたはヒト化抗体ラ
イブラリーをスクリーニングすることが好ましい。同様
に、ヒト、ヒト化あるいはキメラヒト抗体ライブラリー
を使用して、ヒトにおける治療的用途が予定される複合
体抗体を単離することが好ましい。あるいは、スクリー
ニングの際に複合体特異的抗体をコードすることが判明
した非ヒト抗体ライブラリーからの免疫グロブリン遺伝
子をベクター粒子から単離し、ヒト化、キメラあるいは
モザイクである第二世代の誘導体を製造するのに使用す
ることができる。
【0033】PSA−ACTに対する抗体を単離するた
めに本明細書で使用するGriffin.1 scFv
ファージミドライブラリーは、ランダムなVH−VL2
量体の生殖細胞系重鎖及び軽鎖可変領域遺伝子から作成
されるライブラリーであり、約1013個の組合せのレ
パートリーを生成する。Griffiths,A.D.
ら、(1994)EMBO J.13:3245−32
60に記載されたライブラリーからのV領域をscFv
にサブクローン化し、組み込んでGriffin.1
scFvライブラリーを作成した。
【0034】抗体ライブラリースクリーニング及び選択
戦略 複合体特異的抗体のスクリーニングと単離の一般的なス
キームを以下に記載する。実施例は、この方法をさらに
詳細に記載するものである。ここでは便宜的に、例とし
てファージ提示ライブラリーを使用する抗体ライブラリ
ーを記載する。しかし、抗体ライブラリーはファージ上
に提示されなければならないことはなく、その他の適当
なポリペプチド提示系を使用して提示できることは理解
されなければならない。
【0035】ナイーブな抗体ライブラリーを、抗原複合
体に結合する抗体についてスクリーニングする。スクリ
ーニング戦略は、a)複合体特異的抗体について選択す
るための正の選択、及びb)複合体を構成する遊離のサ
ブユニットに対する抗体を除去するための負の選択すな
わち「減算」の両者の組合せを使用する。選択は最初に
正の選択を行い、その後負の選択を行うことが好まし
い。減算の回の後、再度正の選択を行うのが好ましい
が、任意である。選択の各種類を数回行うことが推奨さ
れ、好ましくは少なくとも2〜3回行う。選択の各回に
おいてパンニング(panning)と増幅(増殖)を
行う。ファージライブラリーの場合は、抗原複合体に結
合する正に選択されたファージを溶出し、ファージを細
菌宿主においてクローンとして増幅する。選択と増殖を
繰り返すことにより、少数の抗原結合物が選択される。
【0036】パンニング及び増幅段階は当分野で知られ
たものであり、下記の実施例中で例示する。選択は固
相、可溶相、あるいは両者の組合せにおいて行うことが
できる。選択工程を実施するのに適した固相マトリック
スとしては、試験管(例えば免疫チューブ)及びプラス
チックプレートが挙げられる。抗原複合体の製造は各抗
原の化学的、物理的、及び生物学的特性により異なる。
複合体は、一般的には、スクリーニング及びイムノアッ
セイの条件と適合する溶液中で、in vitroでの
複合体の安定性に適した条件下で製造される。
【0037】正に選択されたベクター粒子の単離と抗体
配列 選択工程の最後に、抗原複合体に結合する抗体の発現に
ついて選択されたベクター粒子を、粒子を増殖させるこ
とにより複製する。その後所望の特異性を有する抗体を
コードする配列をベクター粒子から単離し、抗体あるい
は抗体断片の抗原結合能を保持する細菌、真核生物細胞
あるいはその他の適した発現系中に可溶性抗体として発
現させるためにサブクローン化する。例えば、ファージ
ミドクローンから単離された抗体配列を使用して細菌を
形質転換し、細菌ペリプラスム中で可溶性抗体を生成す
ることができる。可溶性抗体はその後、抗原複合体に対
する特異的結合について試験する。
【0038】配列決定を行い、複合体特異的抗体、特に
V領域をコードする配列を分析することができる。選択
されたベクター粒子によって提示されるVH及びVLを
別のポリペプチド鎖上に発現させ、再び組み合わせて複
合体に結合するV領域を形成することができる。単離さ
れた配列はさらに部位指向性突然変異誘発及び/または
その他の組換え技術により配列を修飾して、抗体の結合
アフィニティを改善し、突然変異(例えばアンバー変
異)を修正し、抗体の誘導体を生成して特定の用途のた
めの抗体を特別にあつらえることができる。例えば、F
ab、Fd、scFv抗体断片、インタクトな抗体、融
合、キメラ、モザイク、あるいはヒト化抗体を、選択さ
れたベクター粒子から単離された抗体配列からさらに生
成することができる。
【0039】PSA−ACT複合体特異的抗体の製造 PSA−ACT複合体に対する抗体を製造する本発明の
方法においてベクター提示技術を使用することにより、
動物免疫に伴う多くの問題が回避される。合成ヒト単鎖
Fv断片のライブラリー(Griffin.1 scF
vファージミドライブラリー)を、免疫チューブ上に被
覆した固相PSA/ACT複合体、さらにビオチン化P
SA/ACT複合体(リシン残基あるいは炭水化物を介
してビオチン化した)及びストレプトアビジン被覆磁気
粒子を使用して選択した。各選択戦略は、PSAまたは
ACTのみに結合するファージの選択されたライブラリ
ーを枯渇させることを使用するものであった。さらに選
択は特に、in vitroでのPSA/ACT複合体
の安定性に適した4℃及びpH 6で実施した。スクリ
ーニングにおいてこれらの大きいナイーブな抗体ライブ
ラリーを使用すること及びin vitroで4℃及び
pH 6においてPSA−ACT複合体を使用すること
は、別の物質に複合化したACTと交差反応しないPS
A/ACT抗体の本発明の単離を可能とするために大き
な役割を果たしたものと思われる。
【0040】PSA−ACT複合体は、35℃未満、好
ましくは4℃で、そして6.0〜7.4のpH、好まし
くは6.0のpHで好ましく製造され、貯蔵され、使用
される。また、100〜1000倍モル過剰の天然の
(native)ACTを添加することにより複合体の
安定性が高められ得るが、本発明方法において必要であ
るという訳ではない。本発明のPSA−ACT複合体特
異的抗体を単離する方法においては、マイクロタイター
プレート及びチューブの被覆、インキュベーション、及
び洗浄段階を含む全てのスクリーニング段階を4℃及び
pH 6で行った。本発明の方法において使用されるP
SA及びACTは、例えばChristensson
A.ら、(1990)Eur.J.Biochem.1
94:755−763に記載されるように製造すること
ができる。
【0041】本発明は、前立腺特異抗原(PSA)と抗
キモトリプシン(ACT)間に形成された複合体に結合
する抗体であってPSA及びACT単独に対しては結合
を全くあるいは有意には示さない抗体を提供する。好ま
しい態様においては、抗体はヒト抗体あるいはヒトV領
域配列を含むものである。
【0042】好ましくは、前記抗体は、PSAまたはA
CT単独に対するアフィニティよりも少なくとも5倍、
好ましくは10〜10倍、さらに好ましくは少なくと
も10倍高いアフィニティで複合体に結合するもので
ある。ある態様においては、抗体はPSAまたはACT
単独に対するアフィニティよりも少なくとも10倍高い
アフィニティでPSA−ACTに結合する。別の態様に
おいては、抗体は別のセリンプロテアーゼとACTとの
複合体に対するアフィニティよりも少なくとも10倍高
いアフィニティで前記複合体に結合する。特定の態様に
おいては、抗体はキモトリプシンとACTとの複合体
(CT−ACT)に対するアフィニティよりも少なくと
も10倍高いアフィニティでPSA−ACTに結合す
る。高アフィニティの、好ましくは10 nM未満の複
合体抗体が望ましい。
【0043】以下のPSA−ACTに対する抗体、IT
A2、ITA3、ITA7、BIOA8及びBIOC7
は、前記方法を使用して選択されたファージ粒子から得
たものである。これらのscFv抗体のそれぞれのヌク
レオチド及びアミノ酸配列(VH−リンカー−VL)は
下記の配列表に、ITA2(配列番号1〜3)、ITA
3(配列番号4〜6)、ITA7(配列番号7〜9)、
BIOA8(配列番号10〜12)、及びBIOC7
(配列番号13〜15)として示す。各抗体についての
配列は、DNAヌクレオチド配列、アミノ酸配列及びD
NA相補鎖配列の順で示す。
【0044】PSA−ACT複合体に対する抗体の用途 本発明の方法によって製造されたPSA/ACT複合体
に対する抗体は、特に診断用途において、サンプル中の
PSA/ACT複合体の存在及び量を測定する用途を有
する。PSA−ACT複合体特異的抗体が利用できるこ
とにより、対象の抗原のみを捕獲することができ、患者
サンプル中のPSA−ACT複合体を測定するためのよ
り正確で、感度が高く、より迅速な診断アッセイの開発
が可能になる。
【0045】診断を受ける個体は、PSA/ACTのレ
ベルが正常、良性あるいは非疾患状態におけるものより
も上昇している疾患状態に罹患していることが疑われる
患者とすることができる。アメリカ癌協会及びアメリカ
泌尿器協会の両方が、50才を越える全ての男性が、初
期の前立腺癌を検出するため、DRE及び血清PSA試
験からなる毎年の検査を受けることを推奨している。P
SAの血清濃度を測定することは、前立腺腫瘍の早期検
出(スクリーニング)、及び前立腺癌を有する患者の管
理、例えば放射線療法及び化学療法の間に患者を監視し
て、前立腺切除術の成功を調べること、転移を発見する
ことに有用であり、手術後非常に早期に癌の再発を検出
することを可能とする。化学療法の後に前立腺癌からの
回復を監視するためには、治療の前及び治療中の様々な
時点及び治療後に血清PSAレベルを知ることが有用で
ある。前立腺癌に関する男性のスクリーニングについて
は、直腸指診と併せてPSAレベルの毎年の測定を行う
ことにより前立腺癌の早期検出の割合を改善することが
好ましい。
【0046】本発明のPSA−ACT抗体を使用するP
SA診断アッセイは、0〜20ng/mlのレベル間の
ような低濃度範囲並びに4μg/mlまで、さらにそれ
以上のPSA濃度でPSA−ACTを検出する感度を一
般に有する。
【0047】このように本発明は、本発明の方法により
製造されたPSA−ACT複合体特異的抗体を使用す
る、サンプル中のPSA及びACT間の複合体の存在ま
たは量を測定するための方法を提供する。該方法は、前
記抗体及びサンプルを含む反応混合物をPSA−ACT
複合体が抗体に結合することができる条件下で調製し、
反応混合物中の抗体に結合したPSAまたはACTの存
在または量を測定することを含む。サンプルは、典型的
には、体液、可溶化組織サンプルのような液体サンプル
であるが、これに限定されるものではない。体液の例と
しては、血清、血漿、精漿、精液等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0048】PSA−ACT複合体の測定を行うのに適
したイムノアッセイ(競合的なもの及び非競合的なも
の)の種々の形態が当業者によく知られており、例えば
Diamandisら、(1996),Immunoa
ssay、上出に記載されている。好ましいアッセイ
は、低いバックグラウンド、一貫した再現可能な結果を
与え、効率的で実施が容易なものである。好ましくはア
ッセイはサンドイッチ形式のELISAアッセイで、自
動化あるいは半自動化できるものである。本発明の抗体
を使用するPSA−ACT複合体のアッセイの好ましい
方法は、Boehringer Mannheim C
orporationから入手できる、自動化されたE
LECSYS(登録商標)イムノアッセイシステムを使
用するものである。Elecsys(登録商標)イムノ
アッセイシステムは電気化学発光(ECL)検出に基づ
き、ルテニウム(II)−トリス(ビピリジル)複合体
をECL標識として使用するものである。簡単に説明す
ると、この系は以下の原理により働く。常磁性微粒子を
ストレプトアビジンで被覆する。ビオチン標識された抗
体とルテニウム標識された抗体(本発明のPSAアッセ
イにおいては、これらの標識抗体は抗PSA抗体であ
る)をサンプル被検体、例えばPSA−ACTとインキ
ュベートする。免疫複合体は、高いビオチン結合能を有
するストレプトアビジン被覆微粒子により捕獲される。
ECL測定セルの内部で、結合した免疫複合体を有する
微粒子は電極上に均一に堆積し、非結合成分はインキュ
ベートの後に一回の洗浄段階により洗い流される。電極
に電圧を印加し、その間、ECL標識は光として測定で
きる光子を放出し、これにより結合サンプル被検体を定
量する。ECL反応が終了すると、磁気微粒子は電極表
面から放出され、洗い流される。電極表面を完全に清浄
にすればセルは次の測定に使用できる。イムノアッセイ
は自動化及びコンピューター化し、Elecsys 1
010またはより大きい能力の2010システム機上で
行うことができる。この系は、殆どのElecsys
(登録商標)イムノアッセイのインキュベーション時間
がわずかに9〜18分であり、患者の診断について迅速
な結果を与える。このElecsys(登録商標)シス
テムは現在、甲状腺機能亢進及び甲状腺機能低下のスク
リーニングにおける甲状腺刺激ホルモン(TSH)の血
清濃度、hCG不妊症アッセイ、及び急性心筋虚血症を
有する患者における危険を調べる際のトロポニンT及び
CK−MB(CARDIACT(登録商標)アッセイ)
の測定において臨床的に使用されている。
【0049】PSA−ACT診断アッセイは、上記した
ようにPSA−ACT抗体のビオチン標識及びルテニウ
ム標識されたものを使用した非競合的なサンドイッチア
ッセイとしてElecsys(登録商標)システムにお
いて行うことができる。測定されたECL光シグナルの
量は、結合した患者のPSA−ACTの量に直接関連付
けられる。あるいは、患者サンプルからのPSA−AC
Tを、固定された抗複合体抗体上の抗体結合部位につい
てECL標識PSA−ACTと競合させることにより、
アッセイを競合的なフォーマットで行うことができる。
競合的なフォーマットにおいては、測定されたECLシ
グナルはPSA−ACTの量と逆比例する関係にある。
【0050】本発明のPSA−ACT抗体は、pH
6.0及びpH7.4でPSA−ACTに結合すること
ができる。複合体抗体は、必要に応じて各種の標識及び
酵素マーカーに結合させ、検出を容易にし、抗体が結合
した抗原を定量することが可能となる。抗体を種々の標
識に結合させる方法は当分野で知られている。
【0051】前記の態様に従って患者から得られたサン
プル中のPSA及びACT間の複合体の量を測定し、そ
の複合体の量を状態の非悪性度と関連付けることによっ
て、患者における前立腺の良性と悪性の状態を区別する
方法に本発明のPSA−ACT抗体を使用できる。ある
いは、患者サンプル中の全PSAの量とPSA−ACT
複合体の量を測定し、複合体の全PSAに対する比率を
決定する。全PSA量を測定するためには、アッセイで
1種以上のPSA抗体を使用することができる。患者か
ら得るサンプルは、典型的には血清である。PSA−A
CT複合体に対して特異的な本発明の抗体及び遊離PS
Aのみを検出する既存の抗体が利用できることにより、
遊離PSA、ACT複合PSA及び全PSAのこれらの
値を容易に決定することができる。そしてこれらの値
を、参照範囲あるいはカリブレーター(calibra
tor)と比較して悪性あるいは非悪性の診断を行い、
前立腺疾患の進行を調べることができる。
【0052】PSAは、前立腺癌が存在しない場合、年
齢及び腺の大きさに従って増加する(Babaian
RJら、(1992)J.Urol.147:837−
840)。従って、カリブレーターあるいはPSA−A
CT参照範囲を確立して血清PSA測定の疾患状態に対
するより正確な相関関係を与えることは有用である。P
SA−ACTと遊離のものについての年齢に特異的な参
照値により、前立腺癌の診断の感度と特異性が向上す
る。これらの参照値は、連続的なものであるか、年齢間
隔が非常に接近している場合、最も有用なものとなる。
年齢に特異的な参照範囲は、前立腺癌の臨床的証拠を示
さない40〜80才の年齢の群のランダムに選択された
健康な男性について確立されたものであることが好まし
い。また、PSA−ACT参照値は前立腺癌の大きさの
増加に基づいて設定してもよい。PSAの「正常な」レ
ベルは4.0ng/mlとみなされるが、このレベルは
血清PSAレベルの年齢差を考慮していない。従って、
本発明の方法により測定されたPSA−ACTの量ある
いは複合体の全PSAに対する比率の値は、有意な解釈
をするために参照値と比較する。
【0053】最後に、患者の血清サンプル中の少くとも
PSA−ACT複合体を定量するために、本発明のPS
A−ACT複合体抗体を、それのみ、あるいは遊離のP
SAに対する1種以上の抗体と組み合わせて含む、前立
腺癌のための診断アッセイキットが提供される。
【0054】
【実施例】[実施例1]実施例1は、PSA−ACT複
合体に特異的なscFv抗体のスクリーニング及び単離
について記載する。
【0055】戦略:抗キモトリプシンに複合化した前立
腺特異抗原(PSA−ACT)の検出により前立腺癌診
断のための感度の高いフォーマットが提供され得る。前
記複合体は温度及びpHに対する感受性を有するので、
複合体特異的抗体の同定において動物の免疫化よりファ
ージ提示ライブラリーを使用することがより生産的であ
る。また、ファージ提示法により、複合体特異的プール
からのいずれかのサブユニットに結合する断片の減算が
可能となる。複合化PSAに対して特異的であることに
加えて、これらの抗体は、PSAに複合化し、キモトリ
プシンのような他のセリンプロテアーゼには複合化して
いない場合にのみACTを認識する必要がある。ここで
は2種の異なるスクリーニング方法を使用して抗PSA
−ACT結合sFvを単離した。
【0056】材料:遊離のPSA及びPSA/ACT複
合体は、Scripps Laboratories
(San Diego,CA)から得た。遊離のACT
は、Boehringer Ingelheim Bi
oproducts(Heidleberg,Germ
any)及びServa(Crescent Chem
ical Co.,(販売者)Hauppauge,N
Y)から購入した。ファージ増幅及び増殖は、大腸菌サ
プレッサー株TG−1(K12,Δ(lac−pr
o),supE,thi,hsdD5/F’tra D
36,pro A,lac I,lac ZD
MI5)(Gibson,T.J.(1984)博士論
文、University of Cambridg
e,UK)で行った。sFvの生成は、TG−1及び非
サプレッサー株HB2151(K12.ara,Δ(l
ac−pro),thi/F’pro A,la
c I,lac ZΔM15)(Carter,P
ら、(1985)Nucleic Acids Res
earch.13:4431−4443)において行っ
た。ファージレスキューは、ヘルパーファージM13
KO7(Pharmacia)を用いて行った。全ての
細胞増殖に2XTY培地(16gトリプトン、10g酵
母エキス及び5g NaCl/リットル)を使用した。
全ての結合反応は、本明細書でAB−6と称する酢酸バ
ッファー(10 mM NaOAC,150 mM N
aCl,pH 6.0)中で4℃で行った。選択のため
のインキュベートは特に記載しない限り上下ターンテー
ブル上で行った。
【0057】1.1 Griffn.1抗体ライブラリ
ーの構築 本明細書でGriffn.1 scFvファージミドラ
イブラリーと称する大きいナイーブなヒトファージ提示
sFvライブラリーを、PSA−ACT複合体に特異的
に結合する抗体断片を単離するために使用した。どのよ
うな理論、モデルまたはメカニズムにも拘束されようと
するものではないが、可能性のあるエピトープはこの複
合体についてのみ存在する配座エピトープ(confo
rmational epitope)であろう。
【0058】Griffn.1ライブラリーは、lox
ライブラリーベクター(Griffiths,ADら、
(1994)Isolation of high a
ffinity human antibodies
directly fromlarge synthe
tic repertoires,EMBO J,1
3,3245−3260)からの重鎖及び軽鎖可変領域
をファージミドベクターpHEN2中に再クローン化す
ることにより構築されたscFvファージミドライブラ
リーである(Marks JDら、(1991)Byp
assingimmunization.Human
antibodies from V−gene li
braries displayed on phag
e,JMol Biol,222:581−97)(図
5参照)。
【0059】カッパ及びラムダ軽鎖可変領域は、プライ
マー:5’GAGTCATTCTCGACTTGCGG
CCGCACGTTTGATTTCCASCTTGGT
CCC(配列番号16)または5’GAGTCATTC
TCGACTTGCGGCCGCACCTAGGACG
GTCAGCTTGGTCCC(配列番号17)及びF
dPCRback:5’GCGATGGTTGTTGT
CATTGTCGGC(配列番号18)を使用してfd
DOG−2loxVk及びVLファージ構築物からPC
R増幅した。
【0060】PCR断片を精製し、ApaL1及びNo
t1で消化した。その後ゲル精製した断片をベクターp
HEN2にいくつかのアリコートで連結させた。そして
DNAを連結混合物から精製し、水に再懸濁し、大腸菌
TG1にエレクトロポレーションにより導入した。それ
ぞれ3.5x10及び1.67x10のVk−pH
EN2またはVL−pHEN2ライブラリーのプールを
得た。
【0061】重鎖可変領域は、プライマー:LMB3
(5’CAG GAA ACA GCT ATG A
C)(配列番号19)及びCH1.LIBSEQ(5’
GGTGCTCTTGGAGGAGGGTGC)(配列
番号20)を使用してpUC19−2loxVHベクタ
ーからPCR増幅した。
【0062】PCR断片を精製し、Sfi1またはNc
o1及びXho1で消化した。その後ゲル精製した断片
をベクターVk−pHEN2またはVL−pHEN2に
連結させた。DNAを連結混合物から精製し、水に再懸
濁し、これを用いて大腸菌TG1への数百回のエレクト
ロポレーションを行って、2x10の全ライブラリー
サイズを得た。
【0063】scFv断片は、タグとしてC末端に融合
した小c−mycペプチドを含み(図5参照)、西洋ワ
サビ・ペルオキシダーゼ(HRP)に結合させた抗−c
−mycモノクローナル抗体を使用した可溶性scFv
断片の検出を容易なものとしている。
【0064】1.2 選択戦略 1.2A免疫チューブでの固相選択 免疫チューブのパンニング(pannning)、ファ
ージ提示選択の標準的方法はMarksら(1991)
に記載されたようにして行ったが、但し、インキュベー
トは4℃で行い、PBSの代わりに酢酸バッファーAB
−6(10 mM NaOAC,150 mM NaC
l,pH 6.0)を使用した。Griffin.1ラ
イブラリーからの1x1013のファージから開始し、
25μg/ml PSA/ACT(AB−6中)で一晩
被覆したNunc Maxysorb Immuno試
験管(Fisher)上で二回のパンニングを行い、そ
の後2%粉乳/AB−6(MP/AB−6)で少くとも
1時間ブロックした。選択されたファージをTG−1に
おいて増幅し、ヘルパーファージM13 KO7(Ph
armacia)でレスキューし、ファージ粒子をPE
G−沈降により精製した(下記のファージ調製の項を参
照)。
【0065】複合体特異的エピトープではなくPSAま
たはACTに結合したファージを除去するため、選択に
先立ち、「ファージ減算」を含めてさらに2回のパンニ
ングを行った。2つの免疫チューブを50μg/mlの
ACT(PSA/ACTを含まない)で一晩被覆し、2
つを25μg/mlの遊離PSAで、1つを25μg/
mlのPSA/ACTで被覆した。2回目の選択で得た
ファージ(1x1013)を最初のACT被覆免疫チュ
ーブに加え、30分間ローターで回転させ、その後2番
目のACT−被覆チューブに移してさらに30分間ロー
ターで回転させ、その後30分間静置した。溶液中に残
るファージをPSA−被覆チューブに移し、30分間ロ
ーターで回転させ、2番目のACT−被覆チューブに6
0分間入れた(30分間ローターで回転、30分間静
置)。最後に、ファージをPSA/ACT被覆チューブ
に添加し、60分インキュベートした(30分間ロータ
ーで回転、30分間静置)。その後、PSA/ACTチ
ューブを前と同様に洗浄し、ファージをTEA(100
mMのトリエチルアミン)で溶出し、中和し、TG1で
増幅した。
【0066】(後にPSAがプラスチックによく付着し
なかったことが判った場合は、この材料について、次項
に記載するように50 nMのビオチン化PSA及び5
00μlのストレプトアビジンビーズを使用して2回の
可溶性減算を行い、続いて再度、PSA/ACT被覆さ
れた免疫チューブで正の選択を全部で6回行った。)
【0067】1.2B.ビオチン化材料での選択 プラスチックへの付着が、存在し得る複合体特異的エピ
トープを不明確にしてしまうのに十分な程度にPSA/
ACTを改変してしまう可能性があるので、可溶性相に
おける選択を含ませることとし、この選択においてはフ
ァージライブラリーをビオチン化−PSA/ACT(B
io−PSA/ACT)とインキュベートし、結合物質
を磁気ストレプトアビジン被覆粒子上に回収した(Ha
wkins,R.E.ら、(1992)J.Mol.B
iol.226:889−896)。2種のPSA/A
CTビオチン化を行ったが、一つは1:3の使用(ch
allenge)割合でNH−基を介するものであり
(PSA−ACT−BI(XOSu))、他方は1:2
50の使用割合で炭水化物基を介するものであり(PS
A−ACT(ox)−Bi(HZ))、これらは選択に
おいてそれぞれ50nMのプールとして使用した。プー
ルしたビオチン化物質により3回の可溶性相選択を行っ
た。
【0068】最初の回では、ライブラリー(1x10
13ファージ)を5mlのMP/AB−6中の100
nM Bio−PSA/ACTと共に4℃で回転させな
がら1時間インキュベートした。Bio−PSA/AC
Tに結合したファージを、予め2% MP/AB−6で
ブロックしておいた1.5mlのストレプトアビジン磁
気ダイナビーズM−280(Dynal,Oslo N
orway)上に15分間集めた。ビーズをAB−6で
15回洗浄し、3回毎に洗浄液に2%粉乳を含めた。ビ
ースからファージを1mlの100mM TEAで溶出
し(室温で10分間回転)、0.5mlのトリス−HC
l(pH7.4)で中和した。ビーズはまた0.5ml
のトリス−HCl(pH7.4)でも中和し、0.75
mlの溶出されたファージとともに9mlのTG−1細
菌を感染させるのに使用した。2回目の選択物は300
μlのアビジン磁気ビーズ(CPG,Lincoln
Park,N.J.)上に回収し、選択にストレプトア
ビジン結合物が持ち込まれることを回避した。3回目は
300μlのストレプトアビジン磁気ビーズ上に回収し
た。
【0069】いずれかのサブユニットに結合したファー
ジ提示sFvの減算を可能とするために、遊離のPSA
及び遊離のACTを、やはり炭水化物及びNH基の両
方でそれぞれビオチン化し(PSA−Bi(XOS
u)、PSA−Bi(HZ)、ACT−BI(XOS
u)及びACT−BI(HZ))、それぞれ50nMの
反応混合物として使用した。その後の選択の減算の回に
おいては、ファージを最初に5mlのMP/AB−6中
の100nM bio−PSAと4℃で1時間インキュ
ベートし、結合ファージを2x0.5mlストレプトア
ビジン磁気ビース上に回収し(15分間)、捨てた。そ
の後残ったファージに100nM bio−ACTを加
え、4℃で1時間インキュベートした。結合したファー
ジを2x0.5mlストレプトアビジン磁気ビースで再
度除去し、捨てた。残ったファージをbio−ACT/
PSAに結合させ(100nM、1時間、4℃)、スト
レプトアビジンビース上に集め、溶出し、増幅した。P
SAとACTの順序は減算の二回目の回においては交代
させた。
【0070】1.3 選択されたレパートリーのスクリ
ーニング 選択の各回の後、PBSの代わりにAB−6バッファー
を使用したことを除いてGriffiths,A.D.
ら、(1994)EMBO J.13:3245−32
60に記載されたようにして、ライブラリーからのファ
ージ混合物をポリクローナルファージELISAによっ
てスクリーニングした。Falcon9312の96−
ウェルFlexマイクロアッセイプレートをAB−6中
の10μg/mlのPSA/ACT、遊離PSAまたは
遊離ACTで一晩被覆した。結合ファージをHRP/抗
−m13結合体(Pharmacia製)で検出した。
【0071】選択の種々の回の後のファージ提示抗体の
多様性を、コロニーPCR(Gussow,D.& C
lackson.(1989)T.Nucleic A
cids Research.17:4000)、その
後のBSTN I消化及びゲル上での分析によって判定
した。
【0072】1.4 クローンのスクリーニング及び配
列決定。 選択されたレパートリーからの単一のアンピシリン(a
mp)耐性コロニーを、PSA/ACT結合ファージ
(Clackson,T.ら、(1991)Natur
e 352:624−628;Griffiths,
A.D.ら、(1994)EMBO J.13:324
5−3260)または可溶性sFv(Marks,J.
D.ら、(1991)J.Mol.Biol.222:
581−597)の産生についてスクリーニングした。
Immulon 4Plates(Dynatech)
を5〜10μg/mlの抗原で被覆した。ファージ結合
をポリクローナルファージでの場合と同様に検出した。
sFvの結合は、C−末端Mycペプチドタグ(Mun
ro S.及びPelham,H.R.B.,(198
6)Cell.46:291−300)を認識するHR
P−結合マウスmAB9E10(Boehringer
Mannheim)により検出した。PSA結合をア
ッセイするために、Costar 3590の高結合マ
イクロタイタープレートを2〜5μg/mlの抗原で被
覆した。PSA/ACT、ACT及びPSAに結合する
ファージELISA結合についてクローンを比較した。
【0073】抗原の奇形の可能性を説明するため、免疫
プレートをPSA/ACTで被覆することに加えて、r
eacti−結合ストレプトアビジン被覆ポリスチレン
マイクロタイタープレート(Pierce)及びbio
−PSA/ACTまたはbio−Fabの反応混合物を
使用してELISAをファージ及び可溶性sFvの両方
について行い、複合体を捕獲した。プレートを合計で1
0μg/ml(各誘導体の5μg/ml)のBio−P
SA/ACTまたはbio−ACTまたはBio−PS
Aのいずれかで一晩被覆した。プレートは5μg/ml
のbio−Fabの混合物でも被覆した。その後、非修
飾PSA/ACTを1μg/mlで加え、インキュベー
トを少くとも90分間継続した。ファージまたは可溶性
sFvは先に記載したように検出した。
【0074】クローンはPCR(Gussow,D.及
びClackson.(1989)T.Nucleic
Acids Research.17:4000)に
よりスクリーニングし、制限酵素BSTN1(制限消化
パターンが分析されている)によりフィンガープリント
して種々のクローンを同定した(Clackson,
T.ら、(1991)Nature.352:624−
628)。プライマーLMB3及びFdSeqを使用し
てMarks,J.Dら、(1991)J.Mol.B
iol.222:581−597に記載されたようにし
て挿入物を増幅した。種々の制限消化パターンを有する
クローンの例を選択し、配列決定した。配列決定用鋳型
は、Qiagenプラスミドmidiキットにより調製
し、ABIPrism Dye Terminator
Cycle Sequencing Ready R
eaction Kitを使用してamplitaq
FS(ABI/Perkin Elmer)で配列決定
した。
【0075】1.5ファージの調製 選択されたクローンの大規模のファージの調製を本質的
にライブラリーレスキューと同様に行った。12mlの
2XTY/100μg/ml Amp/1%.グルコー
スに各クローンを接種し、培養物を37℃でOD600
=0.5〜0.7まで増殖させ、ヘルパーファージを加
えた。振盪せずに37℃で30分置いた後、感染細胞を
ペレット化し(3000gで10分間)、100μg/
ml Amp及び25μg/mlカナマイシンを含む5
0ml 2XTY中に再懸濁した。ファージを30℃で
一晩増殖させた。40mlの一晩培養物を3300gで
30分間遠心分離し、上清に1/5容量のPEG/Na
Cl(20% PEG6000,2.5M NaCl)
を加え、混合し、氷上に少くとも1時間置いた。その後
ファージを3,300gで30分間ペレット化し、上清
を取り除き、ペレットを2mlのPBS中に再懸濁し
た。エッペンドルフマイクロ遠心機で最高速度での10
分間の遠心分離により残っている細菌の破片の大部分を
除去した。
【0076】1.6 sFv発現及び精製 選択されたクローンからプラスミドDNAを調製し(Q
iagenキット)、非サプレッサー株HB2151に
形質転換した。TG−1またはHB2151中の個々の
クローンを使用して2XTY/Amp/0.1%グルコ
ース中の500mlの培養物を接種した。対数期の途中
で、可溶性sFvの発現を1mM IPTGで一晩30
℃で誘導した(lacZプロモーターの制御下のsF
v)。Sawyer,J.R.及びBlattner,
F.R.,(1991)Protein Engine
ering 4:947−953の方法に従い、リゾチ
ームは使用せずに、冷却浸透圧ショックにより5mlの
細胞から、IPTG誘導後の可溶性sFvを含むと考え
られる細胞周辺(periplasmic)フラクショ
ンを調製した。HISでタグ付けしたsFvをNTA−
Agarose(Qiagen)上で精製した。
【0077】[結果]予想されたように、両方のスクリ
ーニング戦略から得たポリクローナルファージは選択の
各回を経るに従ってPSA/ACTに対する増加したE
LISA結合を示した。ACTのみへの結合は、減算の
後では、より低いELISAシグナルを示すようであっ
た。PSA結合は検出されなかった。
【0078】各クローンからのファージを、3種類のE
LISA(すなわち、免疫プレート上に固定されたPS
A/ACT、ストレプトアビジン被覆プレート上のビオ
チン化PSA/ACT、及びビオチン化Fabにより提
示されたPSA/ACTを使用するもの)に、方法にお
いて記載したように使用した。一般に、多くのクローン
がうまく機能した。可溶相からの候補は免疫プレート上
でうまくアッセイされ、一方、免疫チューブで選択され
たファージは、ストレプトアビジン−ビオチン提示物質
あるいはbio−Fab提示抗原を同様に結合した。
【0079】その後、有望な候補を比較ELISAに使
用し、これにおいてはファージをPSA/ACT、AC
T及びPSAに対する結合についてアッセイした。AC
TよりもPSA/ACTに対して少くとも4倍より大き
い結合を示したクローンについてさらに分析した。
【0080】抗PSAビオチン化FabによってもPS
A結合が見られなかった場合は、PSAの固定化につい
て調べた。このアッセイについてはCostarプレー
トのみが適当であるようである。プラスチック上にPS
Aを固定するという問題のため、免疫チューブ選択レパ
ートリーからのPSA結合物の可溶性減算を2回さらに
行った。
【0081】各クローンをさらに分析した。ELISA
シグナル強度及び複合体特異性(PSA/ACT対AC
T)を増幅挿入物のBSTN1フィンガープリント(制
限消化パターン)と比較し、候補の範囲を狭めた。免疫
チューブ選択(IT)、(3種のフィンガープリントパ
ターンを示す)からの4つの候補、及び可溶相選択(B
IO)(2つのフィンガープリントパターン)からの4
つを最初に特性付けした。配列分析の後、5つのクロー
ン(表1参照)をさらに特性付けした。同じフィンガー
プリントを有するクローンは全て同じ配列を有してい
た。配列データも、各選択により種々のヒトサブクラス
からV領域が得られたことを実証した(表1)。
【0082】
【表1】 選択された各単鎖抗体の完全配列をKabat(”Se
quences ofProteins of Imm
unological Interest”)に挙げら
れたヒト可変領域重鎖配列及び軽鎖配列と比較して、フ
ァージ提示抗体断片の選択されたプールにいくつの異な
るサブクラスが示されるかを判定した。
【0083】5つのクローンのそれぞれについてさらに
大規模なスケールのファージ調製(50ml)を行っ
た。これらを希釈試験において使用し、候補のそれぞれ
の結合プロフィールを確認した。図1は、ストレプトア
ビジン被覆プレート上に提示されたbio−PSA/A
CTとbio−ACTに対するファージの結合を示す棒
グラフである。5μg/mlのビオチン化PSA/AC
T及びビオチン化ACTを、reacti−結合ストレ
プトアビジン被覆ポリスチレンマイクロタイタープレー
ト(Pierce)の分離された半分の上にそれぞれ固
定した。各ファージ調製物(6x1010〜1x10
11ファージ/ml)を三倍連続希釈し、プレートの各
半分に加えた。ファージは少くとも90分間結合させ
た。プレートを洗浄し、ファージを抗m13−HRP結
合体とABTS基質で検出した。シグナル(吸光度)は
405nmで読み取った。各ファージの調製物につい
て、全部で4種の希釈物(未希釈のものと3種の三倍連
続希釈物)を図1に示す(図1〜4に示したアッセイの
各々において、結合シグナル(吸光度)は405nmで
読み取り、全部で4種の希釈物(未希釈のものと3種の
三倍連続希釈物)が示されている)。図1の結果は、P
SA/ACTに対する結合がACTに対する結合よりも
有意に高いことを示している。
【0084】さらに、Costar High Bin
ding E.I.A.Plate上で遊離のPSAに
対する結合についてファージをアッセイした(図2)。
図2は、PSA/ACTとPSAに対するファージの結
合を示す。Costar High Binding
E.I.A.プレートは、該プレートの片面をPSA/
ACTで一晩被覆し、該プレートの他方の面をPSA
で、各抗原2.5μg/mlにて被覆した。各ファージ
調製物(6x1010〜1x1011ファージ/ml)
を三倍連続希釈し、プレートの各面に加えた。ファージ
は少くとも90分間結合させた。プレートを洗浄し、フ
ァージを抗m13−HRP結合体(1:5000)とA
BTS基質で検出した。PSA固定化についての対照と
して、2種のビオチン化抗−PSA Fab(ビオチ
ン.MAB〈PSA〉M10−Fab及びビオチン.M
AB〈PSA〉PR1−Fab)の混合物を1:150
から開始する連続希釈において使用した。Bio−Fa
b結合は、ストレプトアビジン−HRP結合体(Pie
rce)(1:4000)で検出した。
【0085】PSAの固定化を確認するため、PSA及
びPSA/ACTの両者に結合する2種のビオチン化抗
−PSA Fab(ビオチン.MAB〈PSA〉M10
−Fab及びビオチン.MAB〈PSA〉PR1−Fa
b)の混合物を対照として使用した。Fab結合は、ス
トレプトアビジン−HRP結合体で検出した。両方のF
abは高い親和性で複合体に結合することが知られてい
るが、データは明らかにPSA結合がFab混合物で検
出可能であり、選択したクローンが低い交差反応性を示
すことを示した。
【0086】sFv発現のIPTG誘導の後、各候補ク
ローンから細胞周辺フラクションを調製し、比較ELI
SAに使用した。図3は、PSA/ACTとACTに対
するsFv結合を示す棒グラフである。Immulon
4 Flat−Bottom Immunoassa
yプレートの1/2の上に5μg/mlの各抗原を固定
した。60〜140μg/mlでのsFv調製物を三倍
連続希釈し、プレートの各半分に加えた。sFv結合
は、抗−Cmyc 9E10−HRP結合体とABTS
基質で検出した。図3のデータから、予想どおりに、さ
れるように複合体特異的結合が抽出物を希釈するに従っ
て減少し、一方ACT結合はかなり一貫したバックグラ
ウンドレベルを示すようであることが示された。それに
加えて、免疫チューブ選択から単離された候補(ITA
2及びITA3)はストレプトアビジンプレート上に提
示されたビオチン化抗原を認識し、その他の選択からの
候補は固定されたPSA/ACTに結合することが判
る。
【0087】遊離のサブユニット(PSAまたはAC
T)上に存在しないエピトープを認識する選択された複
合体特異的ファージ提示抗体を入手したので、各抗体に
ついて、PAS/ACTと、他のセリンプロテアーゼ
(特にキモトリプシン)に複合化したACTとを区別す
る能力についてアッセイした。キモトリプシン−ACT
(CT/ACT)は、CT/ACTと交差反応するMA
b〈PSA−ACT〉M−4.6.374−IGG(対
照として)とともにBoehringer Mannh
eim,Germanyから入手した。単鎖発現を選択
したクローンにおいて誘導した。NTA−樹脂上での精
製の後、sFvを競合的ELISAにおいても使用し
た。sFv調製物の希釈物(60〜140μg/ml)
を、PSA/ACT及びCT/ACTに対する結合につ
いてimmulonプレート上で比較した(図4)。こ
のアッセイにおいては(図4)、各抗原(PSA/AC
TまたはCT/ACT(キモトリプシン−抗キモトリプ
シン))の5μg/mlをImmulon 4 Fla
t−Bottom Immunoassayプレートの
1/2の上に固定した。60〜140μg/mlのsF
v調製物を三倍連続希釈し、プレートの各部分に加え
た。sFv結合は抗−c−myc 9E10−HRP結
合体とABTS基質とで検出した。クローンはPSA/
ACTに対して高度に特異的な結合を示した。交差反応
性の低いレベルは、対照抗体によって示されたものと同
様であった。
【0088】最後に、単離された抗体断片は、pH7.
4でPSA/ACTを結合することができる。結果は、
PSA/ACT複合体に対する抗体の単離にファージ提
示抗体法が成功裏に使用されることを示している。PS
AあるいはACTだけに結合するファージの選択ライブ
ラリーを枯渇させるのに使用した戦略は有効であった。
ファージ上に提示された抗体断片とペリプラスム中に可
溶性sFvとして発現された抗体断片は同じ複合体特異
性を示した。プラスチックへの付着は、アッセイに致命
的なようにはPSA/ACT複合体を変化させることは
ないようである。全ての選択されたsFv候補は、ポリ
スチレン上に固定されたPSA/ACT、ストレプトア
ビジン上に提示されたビオチン化PSA/ACT、ある
いは明らかに非オーバーラップエピトープに結合するは
ずの非複合体特異的Fabにより提示される非修飾PS
A/ACTに結合する。
【0089】[実施例2] サブクローニングと突然変異誘発 一般に、単鎖抗体は安定性のレベル及び凝集する傾向に
おいて異なっている。選択されたsFvからの可変領域
を、より大きい免疫グロブリン(IG)誘導体の発現の
ためにベクターにサブクローン化する。本発明において
単離されたsFvクローンをFab断片または無傷の免
疫グロブリンへと変換できるベクターは、そのようなも
のがアッセイフォーマットに必要であるならば利用可能
である。免疫グロブリン誘導体の融合タンパク質は、当
分野において知られた方法を使用して容易に調製するこ
とができる。配列決定によりITA7クローンが内部ア
ンバー変異を有することが判った。これらの抗体断片の
発現を最大にするために、これらのアンバーコドンは指
向的な突然変異誘発により修復される。
【0090】[実施例3] 結合の特性化 エピトープマッピングを行い、本発明の抗PSA/AC
T抗体を、従来記載の複合体結合を示す他の抗体と比較
して、いくつの非オーバーラップ複合体特異的エピトー
プが本発明のクローンパネルにより同定されるかを見
る。エピトープマッピングは、競合的イムノアッセイに
より、すなわち例えばImmunoassay(E.
P.Diamandis及びT.K.Christop
oulos編、Academic Press,In
c.,1996)、231−232及び549ページに
記載されているように行う。
【0091】ファージにより平衡及び動力学的離脱速度
が成功裏に測定されている(Hawkins,R.
E.,ら、(1992)J.Mol.Biol.22
6:889−896)。各sFvの精製モノマーについ
ての表面プラズモン共鳴(BIAcore)によりアフ
ィニティの研究を行う。また、Scatchard分析
に平衡透析を使用することができる。これらの方法は記
載されている。
【0092】[実施例4] 機能的アッセイ 本発明のPSA/ACT複合体抗体を、患者サンプル中
のPSA/ACT複合体を検出する能力について、例え
ばELISAにより分析する。イムノアッセイのための
種々の可能性のある形態が当分野において記載されてい
る。Elecsys(登録商標)システムイムノアッセ
イの原理は前記した。Elecsys(登録商標)シス
テムを使用する診断イムノアッセイの1つのフォーマッ
トにおいては、PSA−ACT抗体を磁気粒子上に固定
する。測定対象のPSA−ACTを含む患者サンプル
を、抗体被覆磁気粒子に加える。さらに標識PSA−A
CT複合体を加えて、抗体結合部位に対して患者PSA
−ACTと競合させる。インキュベートの後、サンプル
を洗浄済みの測定セルに移し、前に記載したようにPS
A−ACT複合体の量を測定する。結合複合体の濃度/
量は、測定された光の出力に逆比例する。結果を現在市
販されているアッセイと比較する。
【配列表】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1:PSA−ACT複合体 配列番号2:PSA−ACT複合体 配列番号3:PSA−ACT複合体 配列番号4:PSA=ACT複合体 配列番号5:PSA−ACT複合体 配列番号6:PSA−ACT複合体 配列番号7:PSA−ACT複合体 配列番号7:NはTである 配列番号8:PSA−ACT複合体 配列番号9:PSA−ACT複合体 配列番号10:PSA−ACT複合体 配列番号11:PSA−ACT複合体 配列番号12:PSA−ACT複合体 配列番号13:PSA−ACT複合体 配列番号14:PSA−ACT複合体 配列番号15:PSA−ACT複合体 配列番号16:PSA−ACT複合体 配列番号17:PSA−ACT複合体 配列番号18:PSA−ACT複合体 配列番号19:PSA−ACT複合体 配列番号20:PSA−ACT複合体 配列番号21:PSA−ACT複合体 配列番号22:PSA−ACT複合体 配列番号23:PSA−ACT複合体 配列番号24:PSA−ACT複合体 配列番号25:PSA−ACT複合体 配列番号26:PSA−ACT複合体
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1に記載した、ストレプトアビ
ジン被覆プレート上に提示されたbio−PSA/AC
T及びbio−ACTに対するファージ結合を示す棒グ
ラフである。
【図2】図2は、実施例1に記載した、PSA/ACT
及びPSAに対するファージ結合を示す棒グラフであ
る。
【図3】図3は、実施例1に記載した、PSA/ACT
及びACTに対するsFv結合を示す棒グラフである。
【図4】図4は、実施例1に記載した、PSA/ACT
及びCT/ACTに対するsFv結合を示す棒グラフで
ある。
【図5】図5は、実施例1に記載した、Griffi
n.1ライブラリーのscFv断片を構築するのに使用
したファージミドベクターpHEN2の構造を示す。
【図6】図6は、LMB3からfdSeq 1部位まで
のpHEN2ファージミドベクター内の関連配列を示す
(DNA:配列番号21、アミノ酸配列:配列番号22
〜26)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォルター シー.マハニー アメリカ合衆国 94510−2523 カリフォ ルニア州,ベネシア, ウェスト エイチ ストリート 794 (72)発明者 ジェイミー アール.ソウヤー アメリカ合衆国 85224 アリゾナ州, チャンドラー,ウェスト テンプル 2715

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一のサブユニットと第二のサブユニッ
    トを含む抗原複合体に対して特異的な抗体を得る方法で
    あって、以下a)〜f): a)組換え複製ベクター粒子により提示された抗体のラ
    イブラリーを作成し、 b)ライブラリーを複合体と接触させ、複合体に結合す
    るベクター粒子を回収することにより、抗原複合体のみ
    に特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリー
    から選択し、 c)ライブラリーを第一のサブユニットと接触させ、非
    結合粒子を回収することにより、第一のサブユニットの
    みに特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリ
    ーから除去し、 d)ライブラリーを第二のサブユニットと接触させ、非
    結合粒子を回収することにより、第二のサブユニットの
    みに特異的な抗体を提示するベクター粒子をライブラリ
    ーから除去し、 e)段階b)、c)及びd)に従って処理した後に、ラ
    イブラリー中に存在する粒子をクローンとして複製し、 f)複合体には結合するが、第一あるいは第二のサブユ
    ニットのみには結合しない抗体を提示する、段階e)の
    後に得られた複製粒子のクローンを選択する、段階を含
    む方法。
  2. 【請求項2】 抗体のライブラリーがナイーブなライブ
    ラリーである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 抗体のライブラリーが、少なくとも10
    個のメンバーの免疫グロブリンV領域レパートリーを
    含む請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ライブラリーにより提示される抗体が単
    鎖可変領域である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ベクター粒子を複合体と接触させ、複合
    体と結合するベクター粒子を回収することにより、複合
    体のみに特異的な抗体を提示するベクター粒子につい
    て、段階f)の後に残ったライブラリーを濃縮すること
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 段階d)で選択された粒子により提示さ
    れた重鎖及び軽鎖可変領域を別のポリペプチド鎖上に発
    現させ、再度組み合わせて複合体に結合する可変領域を
    形成する段階をさらに含む請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 in vitroでの複合体の安定性に
    好適な条件下で抗原複合体を調製し、ライブラリーと接
    触させる請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 組換え複製ベクター粒子が糸状ファージ
    である請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 第一のサブユニットが前立腺特異抗原で
    あり、第二のサブユニットが抗キモトリプシンである請
    求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 抗体のライブラリーがナイーブなヒト
    抗体ライブラリーである請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 4℃及びpH 6.0で抗原複合体を
    調製し、ライブラリーと接触させる請求項9に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 PSA−ACTに結合する、請求項1
    に記載の方法により製造された抗体。
  13. 【請求項13】 請求項1の段階f)において選択され
    た粒子から単離された重鎖及び軽鎖可変領域遺伝子を発
    現するように組換えにより製造された抗体であって、P
    SA−ACTに結合する抗体。
  14. 【請求項14】 Fab断片、インタクトな抗体、融合
    抗体及びキメラ抗体からなる抗体の群から選択される請
    求項13に記載の抗体。
  15. 【請求項15】 前立腺特異抗原(PSA)あるいは抗
    キモトリプシン(ACT)単独に対するアフィニティよ
    りも少なくとも10倍高いアフィニティでPSA及びA
    CT間に形成された複合体に結合する抗体。
  16. 【請求項16】 PSAあるいはACT単独に対するア
    フィニティよりも少なくとも10倍高いアフィニティ
    で複合体に結合する請求項15に記載の抗体。
  17. 【請求項17】 他のセリンプロテアーゼ及びACT間
    の複合体に対するアフィニティよりも少なくとも10倍
    高いアフィニティで複合体に結合する請求項15に記載
    の抗体。
  18. 【請求項18】 キモトリプシン及びACT間の複合体
    に対するアフィニティよりも少なくとも10倍高いアフ
    ィニティで複合体に結合する請求項15に記載の抗体。
  19. 【請求項19】 ヒト抗体である請求項15に記載の抗
    体。
  20. 【請求項20】 単鎖可変領域である請求項15に記載
    の抗体。
  21. 【請求項21】 重鎖及び軽鎖可変領域が別のポリペプ
    チド鎖上に存在する請求項15に記載の抗体。
  22. 【請求項22】 ITA2、ITA3、ITA7、BI
    OA8、及びBIOC7からなる抗体の群から選択され
    た抗体の重鎖及び軽鎖可変領域を有する請求項15に記
    載の抗体。
  23. 【請求項23】 PSA−ACT複合体に対する結合に
    おいて請求項15に記載の抗体と競合する請求項15に
    記載の抗体。
  24. 【請求項24】 ITA2、ITA3、ITA7、BI
    OA8、及びBIOC7からなる抗体の群から選択され
    た抗体の重鎖及び軽鎖相補性決定領域(CDR)を有す
    る請求項15に記載の抗体。
  25. 【請求項25】 選択された抗体が、配列番号2のアミ
    ノ酸配列を有するITA2である請求項15に記載の抗
    体。
  26. 【請求項26】 選択された抗体が、配列番号5のアミ
    ノ酸配列を有するITA3である請求項15に記載の抗
    体。
  27. 【請求項27】 選択された抗体が、配列番号8のアミ
    ノ酸配列を有するITA7である請求項15に記載の抗
    体。
  28. 【請求項28】 選択された抗体が、配列番号11のア
    ミノ酸配列を有するBIOA8である請求項15に記載
    の抗体。
  29. 【請求項29】 選択された抗体が、配列番号14のア
    ミノ酸配列を有するBIOC7である請求項15に記載
    の抗体。
  30. 【請求項30】 サンプル中のPSA及びACT間の複
    合体の存在またはその量を測定するための請求項15に
    記載の抗体を使用する方法であって、PSA−ACT複
    合体が抗体に結合できる条件下で該抗体とサンプルを含
    む反応混合物を調製し、反応混合物中で抗体に結合した
    PSAまたはACTの存在またはその量を測定すること
    を含む方法。
  31. 【請求項31】 患者における前立腺の良性及び悪性の
    状態を区別する方法であって、患者から得たサンプル中
    のPSA及びACT間の複合体の量を請求項30に記載
    の方法により測定し、該複合体の量を状態の非悪性度と
    関連付けることを含む方法。
  32. 【請求項32】 サンプルが血清サンプルである請求項
    31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 患者における前立腺の良性及び悪性の
    状態を区別する方法であって、患者から得たサンプル中
    の全PSA量を測定し、そのサンプル中のPSA及びA
    CT間の複合体の量を請求項30に記載の方法により測
    定し、全PSAに対する複合体の比率を状態の非悪性度
    と関連付けることを含む方法。
JP10376651A 1997-12-03 1998-12-03 複合体特異的抗体、その製造方法及び使用 Pending JPH11266884A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US6742897P 1997-12-03 1997-12-03
US60/067428 1997-12-03

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11266884A true JPH11266884A (ja) 1999-10-05

Family

ID=22075916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10376651A Pending JPH11266884A (ja) 1997-12-03 1998-12-03 複合体特異的抗体、その製造方法及び使用

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0934953A2 (ja)
JP (1) JPH11266884A (ja)
CA (1) CA2253633A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510796A (ja) * 2006-11-30 2010-04-08 アストラゼネカ アクチボラグ インターロイキン−6とインターロイキン−6受容体との複合体に特異的な抗体
JP2015505665A (ja) * 2011-10-28 2015-02-26 バイオジェン アイデック インターナショナル ニューロサイエンス ゲーエムベーハー Tdp−43に特異的な結合分子
WO2021235509A1 (ja) * 2020-05-20 2021-11-25 中外製薬株式会社 抗原結合分子

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6057098A (en) 1997-04-04 2000-05-02 Biosite Diagnostics, Inc. Polyvalent display libraries
US6794132B2 (en) 1999-10-02 2004-09-21 Biosite, Inc. Human antibodies
US7135287B1 (en) 1999-10-02 2006-11-14 Biosite, Inc. Human antibodies
US6680209B1 (en) 1999-12-06 2004-01-20 Biosite, Incorporated Human antibodies as diagnostic reagents
SE0000597D0 (sv) * 2000-02-24 2000-02-24 Active Biotech Ab Novel antibody
US7943129B2 (en) 2000-05-26 2011-05-17 National Research Council Of Canada Single-domain brain-targeting antibody fragments derived from llama antibodies
AU2001268855A1 (en) 2000-05-26 2001-12-03 National Research Council Of Canada Single-domain antigen-binding antibody fragments derived from llama antibodies
US7601351B1 (en) 2002-06-26 2009-10-13 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies against protective antigen
EP1539235A2 (en) 2002-07-01 2005-06-15 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that specifically bind to reg iv
WO2006049498A1 (en) * 2004-11-05 2006-05-11 Modiquest B.V. Means and methods for isolating and/or identifying a target molecule
EP2098536A1 (en) 2008-03-05 2009-09-09 4-Antibody AG Isolation and identification of antigen- or ligand-specific binding proteins
CN106198989B (zh) * 2016-06-29 2018-02-16 丹娜(天津)生物科技有限公司 检测前列腺特异抗原与α1‑抗糜蛋白酶复合物的试剂盒
EP3805388A4 (en) * 2018-05-30 2021-08-18 Cognano, Inc. METHOD OF OBTAINING ANTIBODY, METHOD OF IDENTIFYING ANTIBODY, METHOD OF PRODUCING ANTIBODY AND ANTIBODY

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510796A (ja) * 2006-11-30 2010-04-08 アストラゼネカ アクチボラグ インターロイキン−6とインターロイキン−6受容体との複合体に特異的な抗体
JP2015505665A (ja) * 2011-10-28 2015-02-26 バイオジェン アイデック インターナショナル ニューロサイエンス ゲーエムベーハー Tdp−43に特異的な結合分子
JP2017205118A (ja) * 2011-10-28 2017-11-24 バイオジェン インターナショナル ニューロサイエンス ゲーエムベーハー Tdp−43に特異的な結合分子
JP2019022500A (ja) * 2011-10-28 2019-02-14 バイオジェン インターナショナル ニューロサイエンス ゲーエムベーハー Tdp−43に特異的な結合分子
US10259866B2 (en) 2011-10-28 2019-04-16 Biogen International Neuroscience Gmbh TDP-43 specific binding molecules
US11091540B2 (en) 2011-10-28 2021-08-17 Biogen International Neuroscience Gmbh TDP-43 specific binding molecules
WO2021235509A1 (ja) * 2020-05-20 2021-11-25 中外製薬株式会社 抗原結合分子

Also Published As

Publication number Publication date
EP0934953A2 (en) 1999-08-11
CA2253633A1 (en) 1999-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7304911B2 (ja) 体細胞変異遺伝子によりコードされるhla拘束性エピトープ
JP4729701B2 (ja) 小さな分析物のための非競合的な免疫アッセイ法
JP3386815B2 (ja) 潰瘍性結腸炎、原発性硬化性胆管炎、および1型自己免疫性肝炎のための区別的アッセイ
AU2009256482B2 (en) Detection of cannabis use
US7056679B2 (en) Target specific screening and its use for identifying target binders
JPH11266884A (ja) 複合体特異的抗体、その製造方法及び使用
JP2008513536A (ja) プロガストリンに対するモノクローナル抗体
JP2010516747A (ja) IgEを主成分とする新規試薬の製造方法
US8802382B2 (en) Cobalamin assay
US6642007B1 (en) Assays for measurement of type II collagen fragments in urine
JPH07506727A (ja) 凝集アッセイ用試薬
Li et al. Selection of rabbit single-chain Fv fragments against the herbicide atrazine using a new phage display system
JP2005500826A (ja) ヘベイン結合性モノクローナル抗体
Kramer et al. Antibodies for biosensors
JP2001515921A (ja) テストステロンと結合するモノクローナル抗体
CN116514985A (zh) 一种抗前列腺特异性抗原的纳米抗体及其应用
Dillon Antibody-based biosensor assays for the detection of zilpaterol and markers for prostate cancer
JP5610378B2 (ja) 抗体を選別するためのベクター
CN117402252A (zh) 抗cd20抗体的单克隆抗体及其应用
Ayyar Generation and optimisation of novel recombinant antibodies for improved cardiac diagnostics