JP2019022252A - 回転異常判定装置、モータシステム、画像形成装置及び回転異常判定方法 - Google Patents

回転異常判定装置、モータシステム、画像形成装置及び回転異常判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの回転異常を迅速に検出して、スリップ現象の抑制等に貢献する。【解決手段】制御部が、目標速度を示す情報に基づいてモータの回転を制御し、変動検出部が、目標速度を示す情報が一定の目標速度を示すものであり、且つ、モータが目標速度に到達した後である定速期間において、モータを流れるモータ電流値の変動量を検出する。そして、判定部が、変動量が所定レベル以上である場合に、モータに回転異常が発生したと判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、回転異常判定装置、モータシステム、画像形成装置及び回転異常判定方法に関する。
今日において、コピー機能を備えたコピー装置、スキャナ機能を備えたスキャナ装置の他、コピー機能及びスキャナ機能等の画像形成機能を1台の装置に備えた複合機(MFP:Multifunction Peripheral)等の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置において、例えば電子写真の定着ユニットの搬送ローラと用紙との間の摩擦力が低下すると、用紙上を搬送ローラが空回りする、いわゆるスリップ現象が生ずる。このスリップ現象が生ずると、用紙の搬送量が低下し又は用紙の搬送が停止し、印刷ズレ等の画像異常及び紙詰まり(JAM)等の不都合を生ずる。
特許文献1(特開2010−266694号公報)には、定着ユニットの温度に基づいてスリップ現象の有無を判別する加熱装置が開示されている。この加熱装置は、温度測定部で測定された第1の温度と、第1の温度を測定した時間より所定時間経過後に測定された第2の温度から温度差傾きの変化率を算出し、算出した変化率が所定値を超えた場合に、スリップ現象が生じていると判断する。
しかし、特許文献1の加熱装置は、温度の変化率を算出してスリップ現象の発生の有無を検出しているため、検出結果を得るまでに例えば数十秒等の時間を要する問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、モータの回転異常を迅速に検出して、スリップ現象の抑制等に貢献できるような回転異常判定装置、モータシステム、画像形成装置及び回転異常判定方法の提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、目標速度を示す情報に基づいてモータの回転を制御する制御部と、目標速度を示す情報が一定の目標速度を示すものであり、且つモータが目標速度に到達した後である定速期間において、モータを流れるモータ電流値の変動量を検出する変動検出部と、変動量が所定レベル以上である場合に、モータに回転異常が発生したと判定する判定部と、を有する。
本発明によれば、モータの回転異常を迅速に検出して、スリップ現象の抑制等に貢献できるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態のMFPの横断面図である。 図2は、第1の実施の形態のMFPのADF及びスキャナ機構の横断面図である。 図3は、第1の実施の形態のMFPハードウェア構成図である。 図4は、第1の実施の形態のMFPにおけるモータの回転制御系のハードウェア構成図である。 図5は、第1の実施の形態のMFPの制御装置の機能ブロック図である。 図6は、第1の実施の形態のMFPにおいて、用紙の搬送が正常に行われている場合における各パラメータの波形を示す図である。 図7は、第1の実施の形態のMFPにおいて、スリップ現象により用紙の搬送異常が生じた場合における各パラメータの波形を示す図である。 図8は、第1の実施の形態のMFPにおけるスリップ検知動作の大まかな流れを示すフローチャートである。 図9は、第1の実施の形態のMFPにおける、負荷トルクを用いたスリップ検知動作を説明するためのフローチャートである。 図10は、第2の実施の形態のMFPにおける、負荷トルクを用いたスリップ検知動作を説明するためのフローチャートである。 図11は、第3の実施の形態のMFPにおけるモータの回転制御系のハードウェア構成図である。 図12は、第3の実施の形態のMFPにおける、位置偏差を用いたスリップ検知動作を説明するためのフローチャートである。
(適用例)
以下、一例として複合機(MFP:Multifunction Peripheral)を適用例とした実施の形態の説明をする。MFPは、1台の装置で、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能及びファクシミリ通信機能等の複数の画像形成機能を備えた電子機器である。なお、MFPを適用例として説明を行うが、MFP以外であっても、例えばプリンタ装置、スキャナ装置又はコピー装置等の画像形成装置の他、モータを用いた機器であれば、どのような機器でも適用可能であり、いずれの場合でも後述の効果を得ることができる。
(第1の実施の形態)
(MFPの構成)
まず、図1に、第1の実施の形態のMFPを横から見た状態の図を示す。この図1は、MFPの本体を透視した状態の図となっている。この図1に示すように、MFPは、読み取り装置1及び本体2を有している。読み取り装置1は、自動原稿給送機構(ADF:Auto Document Feeder)3、及び、スキャナ機構4を有している。
本体2内には、タンデム方式の作像部5、作像部5に給紙部13から搬送路6を介して記録紙を供給するレジストローラ7、光書き込み装置8、定着搬送部9、及び、両面トレイ10を有している。作像部5には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応する4本の感光体ドラム11が並設されている。各感光体ドラム11の周囲には、帯電器、現像器12、転写器、クリーナ、及び、除電器を含む作像要素が配置されている。また、転写器と感光体ドラム11との間には、両者のニップに挟持された状態で駆動ローラと従動ローラとの間に張架された中間転写ベルト14が設けられている。
このように構成されたタンデム方式のMFPでは、YMCKの各色に対応する感光体ドラム11に光書き込みを行い、現像器12で各色のトナー毎に現像し、例えばY,M,C,Kの順で中間転写ベルト14上に1次転写する。そして、1次転写により4色が重畳したフルカラーの画像を記録紙に2次転写した後、定着して排紙する。これにより、フルカラーの画像を記録紙上に形成する。
(ADF及びスキャナ機構の構成)
図2は、ADF3及びスキャナ機構4の横断面図である。スキャナ機構4は、上面に原稿を載置するコンタクトガラス15を備えている。また、スキャナ機構4は、原稿露光用の光源16及び第1反射ミラー17を備えた第1キャリッジ18と、第2反射ミラー19及び第3反射ミラー20を備えた第2キャリッジ24とを備えている。また、スキャナ機構4は、第3反射ミラー20で反射された光を、光電変換素子21の受光領域上に結像させるためのレンズユニット22を備えている。また、スキャナ機構4は、読み取り光学系等による各種の歪み補正用の基準白板23、及び、シートスルー読取用スリット24を備えている。スキャナ機構4は、光源16からの照射光で照明した原稿からの反射光を、光電変換素子21で受光して電気信号(画像データ)に変換して出力する。
ADF3は、コンタクトガラス15に対して開閉可能となるように、図示しないヒンジ部材等を介して本体2に接続されている。ADF3は、複数枚の原稿からなる原稿束27を載置可能な原稿トレイ28を備えている。また、このADF3は、原稿トレイ28に載置された原稿束27から原稿を1枚ずつ分離して、シートスルー読取用スリット25へ向けて自動給送する給送ローラ29を含む分離給送部も備えている。
(原稿の読み取り動作)
このような読み取り装置1は、コンタクトガラス15上に載置した原稿の読み取りを行うスキャンモード、及び、ADF3により自動給送される原稿の読み取りを行うシートスルーモードを有している。なお、スキャンモード又はシートスルーモードによる画像読み取り前に、点灯された光源16によって基準白板23を照明し、反射光による画像を光電変換素子21で読み取る。そして、その1ライン分の画像データの各画素のレベルが均一なレベルになるように、シェーディング補正用データを生成して記憶する。記憶されシェーディング補正用データは、以下に説明するスキャンモード又はシートスルーモードで読み取られた画像データのシェーディング補正に用いられる。
スキャンモード時には、第1キャリッジ18及び第2キャリッジ24が、図示しないステッピングモータによって、矢印A方向(副走査方向)に移動して原稿を走査する。このとき、コンタクトガラス15から光電変換素子21の受光領域までの光路長を一定に維持するために、第2キャリッジ24は、第1キャリッジ18の1/2の速度で移動する。
同時に、コンタクトガラス15上に載置された原稿の下面である画像面が、第1キャリッジ18の光源16によって照明(露光)される。すると、その画像面からの反射光が、第1キャリッジ18の第1反射ミラー17、第2キャリッジ24の第2反射ミラー19及び第3反射ミラー20によって順次反射される。そして、第3反射ミラー20による反射光束が、レンズユニット22によって集束され、光電変換素子21の受光領域上に結像される。光電変換素子21は、1ライン毎に受光した光を光電変換して画像データを生成する。画像データは、デジタル化され、ゲイン調整が施されて出力される。画像の読み取りが完了した原稿は、図示しない排出口に排出される。
シートスルーモードの時には、第1キャリッジ18及び第2キャリッジ24が、シートスルー読取用スリット25の下側へ移動して停止する。その後、ADF3の原稿トレイ28上に載置された原稿束27の最下位の原稿から順次、給送ローラ29によって矢印B方向(副走査方向)へ自動給送され、シートスルー読取用スリット25の位置を原稿が通過する際に、その原稿の走査が行われる。
この際、自動給送される原稿の下面(画像面)が第1キャリッジ18の光源16によって照明される。すると、その画像面からの反射光が、第1キャリッジ18の第1反射ミラー17、第2キャリッジ24の第2反射ミラー19及び第3反射ミラー20によって順次反射される。そして、第3反射ミラー20による反射光束が、レンズユニット22によって集束され、光電変換素子21の受光領域上に結像される。光電変換素子21は、1ライン毎に受光した光を光電変換して画像データを生成する。画像データは、デジタル化され、ゲイン調整が施されて出力される。画像の読み取りが完了した原稿は、図示しない排紙口に排紙される。
(MFPのハードウェア構成)
次に、図3に、MFPのハードウェア構成を示す。この図3に示すように、MFPは、制御装置41、ROM42、RAM43、HDD(ハードディスクドライブ)44、及びフラッシュメモリ45を備える。また、MFPは、FAXモデム46、操作パネル47、エンジン48、ADF49(図1及び図2に示すADF3に相当)、接続インタフェース(接続I/F)50、画像読み取り部52、及びインターネット等のネットワーク40を介して有線通信又は無線通信を行う通信I/F51を有している。CPU41〜画像読み取り部52は、システムバス18を介して相互に接続されている。
制御装置41は、MFPの動作を統括的に制御する。制御装置41は、RAM43をワークエリア(作業領域)としてROM42又はHDD44等の記憶部に記憶された画像処理プログラムを実行することで、MFP全体の動作を制御し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等の各種機能を実現する。
エンジン48は、コピー機能、スキャナ機能、及びプリンタ機能等を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。エンジン48は、例えば原稿又は名刺等の文字及び画像をスキャンして読み取るスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ等を備えている。FAXモデム46は、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信機能を備えている。
ここで、第1の実施の形態のMFPのHDD44等の記憶部に記憶された画像処理プログラムには、スリップ現象を検知する回転異常検出プログラムが組み込まれている。スリップ現象は、モータに回転駆動される搬送ローラと、搬送される用紙との間の摩擦力が低下することで、用紙上を搬送ローラが空回りする現象である。制御装置41は、回転異常検出プログラムを実行することで、スリップ発生の有無を検知する。
また、一例ではあるが、スリップ発生を検知した場合、制御装置41は、エンジン48及び画像読み取り部52等を停止制御する。また、制御装置41は、操作パネル47を介して、MFPのメンテナンスを促すメッセージを表示制御する。これにより、スリップ現象が生じている状態でコピー等の画像形成動作を行い、印刷ズレ等の画像異常及び紙詰まり(JAM)等が生ずる不都合を防止できる。なお、制御装置41は、図示しないスピーカ部を介して所定の警告音又は音声メッセージ等を出力制御してもよい。
(要部のハードウェア構成)
図4は、第1の実施の形態のMFPにおける用紙の搬送ローラの回転駆動系のハードウェア構成図である。この図4に示すように回転駆動系は、制御装置41、記憶部、モータ61、モータドライバ62、位置/速度信号発生部63、及び、電流信号発生部64を有している。モータ61は、搬送ローラを回転駆動する。モータドライバ62は、制御装置41の制御に応じてモータ61を回転制御するための制御電圧を生成してモータ61に供給する。
位置/速度信号発生部63は、例えば周波数発生器(FG:Frequency Generator)又はロータリーエンコーダ等で形成され、モータ61の現在の回転位置及び回転速度を示す位置/速度信号を出力する。電流信号発生部64は、モータ61に供給されているモータ電流の電流値を示す電流信号(回転駆動信号の一例)を生成する。例えば。モータ61が三相ブラシレスモータである場合、電流供給ラインに、直列にシャント抵抗を挿入接続し、このシャント抵抗間電圧を、現在、モータ61に供給されている電流値として推定する。この電流信号は、後述するスリップ判定部74に供給される。
記憶部は、図3に示すROM42〜フラッシュメモリ45のいずれかに相当する。記憶部には、上述の回転異常検出プログラムが組み込まれた画像処理プログラムが記憶されている。制御装置41は、回転異常検出プログラムを実行することで、以下に説明する各機能を実現し、モータ61の回転異常の有無(スリップ現象の有無)を判別する。
すなわち、制御装置41は、回転異常検出プログラムを実行することで、図5に示すように、目標速度発生部71、目標位置発生部72、位置/速度制御部73、スリップ判定部74、マスク領域指示部75、及び、スリップ制御部76の各機能を実現する。
目標速度発生部71は、図示しない上位装置側から供給されるモータ61の回転方向を示す方向信号、及び、例えばシステムクロック等のパルス信号に基づいて、モータ61の目標とする回転速度を示す目標速度信号を生成し、これを位置/速度制御部73に供給する。同様に、目標位置発生部72は、図示しない上位装置側から供給されるモータ61の回転方向を示す方向信号、及び、例えばシステムクロック等のパルス信号に基づいて、モータ61の目標とする回転位置を示す目標位置信号を、位置/速度制御部73に供給する。
位置/速度制御部73には、上述の目標速度信号及び目標位置信号の他、図4に示した位置/速度信号発生部63で検出されたモータ61の現在の回転位置及び現在の回転速度を示す検出位置/速度信号が供給される(フィードバック制御)。位置/速度制御部73は、目標速度信号、目標位置信号及び位置/速度信号に基づいて、モータ61の位置偏差及び速度偏差をゼロとする制御電圧を算出し、算出した制御電圧をパルス幅変調信号(PWM信号:(回転駆動信号の一例))として、図4に示すモータドライバ62に供給する。また、位置/速度制御部73は、このPWM信号の他、モータ61の回転方向を示す回転方向信号、及び、ブレーキ信号をモータドライバ62に供給する。
なお、この他の例としては、例えば位置/速度制御部73が、正負の符号が付加されている256ビットの制御電圧を生成し、この制御電圧をPWM信号として、図4に示すモータドライバ62に供給してもよい。
マスク領域指示部75には、モータ61の目標速度信号が、目標速度発生部71から供給される。マスク領域指示部75は、定速期間検出部の一例であり、モータ61の目標速度信号に基づいて、スリップ判定を行う期間を示すマスク領域指示信号を形成してスリップ判定部74に供給する。スリップ判定部74には、マスク領域指示部75からのマスク領域指示信号、位置/速度信号発生部63で検出されたモータ61の現在の回転速度を示す位置/速度信号、及び、位置/速度制御部73で算出された制御電圧値が供給される。詳しくは後述するが、スリップ判定部74は、変動検出部及び判定部の一例であり、マスク領域指示信号によって示される定速期間において、モータ電流値及び制御電圧値に基づいて、モータ61におけるスリップ現象の発生の有無を判定する。スリップ制御部76は、スリップ判定部74で、モータ61にスリップ現象が発生していると判定された際に、所定の報知制御及び所定箇所の駆動停止制御等を行う。具体的には、スリップ制御部76は、スリップ判定部74で、モータ61にスリップ現象が発生していると判定された際に、位置/速度制御部73に対してブレーキ信号の送信指示を行う。この送信指示に基づいて、位置/速度制御部73から送信されるブレーキ信号により、駆動停止制御が行われる。
なお、図5に示した目標速度発生部71〜スリップ制御部76の各機能のうち、一部又は全部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
また、各機能を実現する回転異常検出プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリ等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、回転異常検出プログラムは、インターネット等のネットワーク経由でインストールするかたちで提供してもよい。また、回転異常検出プログラムは、携帯端末内のROM等に予め組み込んで提供してもよい。
(スリップ現象非発生時のパラメータ波形)
次に、図6に、スリップ現象の非発生時における各部のパラメータ波形を示す。このうち、図6(a)は、目標速度発生部71で生成されるモータ61の目標速度のパラメータ波形を示す図である。この図6(a)に示すパラメータ波形において、モータ61の回転開始時には、目標速度となるまでの間は、徐々に回転速度が上がるパラメータ波形となり、目標速度に到達後は、目標速度を維持することで得られるフラットなパラメータ波形となり、モータ61の回転停止時には、目標速度から徐々に回転速度が下がるパラメータ波形となる。
図6(b)は、モータ61の目標回転位置から、現在の回転位置を減算処理することで算出される「位置偏差」のパラメータ波形を示す図である(位置偏差=目標回転位置−検出回転位置)。位置偏差は、目標回転位置と検出回転位置との差であり、位置偏差の値を「0」とするようにモータ61の回転制御が行われる。このため、回転開始時においては、モータ61の回転速度を目標速度とするに際して、図6(b)に示すように正極性の位置偏差の値が徐々に大きくなり、ピークを境に徐々に0レベルに収束する三角形状のパラメータ波形が現れる。
モータ61の回転速度が目標速度に到達した後は、上述の回転制御により回転速度が目標速度に維持されるため、「位置偏差」のパラメータ波形は、図6(b)に示すように0レベルで一定のフラットな波形となる。また、モータ61の回転停止時には、モータ61の回転速度が目標速度から「速度0」となるまでの間に、徐々に位置偏差の値が負方向に大きくなるが、負極性のピークを境に徐々に0レベルに収束する。このため、回転停止時の「位置偏差」のパラメータ波形としては、図6(b)に示すように、負極性の位置偏差の値が徐々に大きくなり、ピークを境に徐々に0レベルに収束する三角形状のパラメータ波形が現れる。
図6(c)は、目標回転速度で回転制御するためにモータ61に供給する制御電圧値のパラメータ波形を示す図である。図6(c)において、回転開始時には、大きな回転トルクを必要とするため急峻に立ち上がる大きな値の制御電圧をモータ61に供給する。この後、徐々に値を小さくした制御電圧をモータ61に供給して回転速度を調整し、回転速度が目標とする回転速度となった際の制御電圧を維持する。これにより、回転速度が目標とする回転速度となった後は、制御電圧のパラメータ波形は、略々フラットな形状のパラメータ波形となる。回転停止時には、モータ61に対する制御電圧を停止することで、制御電圧のパラメータ波形は、値が徐々に0レベルとなるパラメータ波形となる。
図6(d)は、モータ61を流れているモータ電流の電流値のパラメータ波形を示す図である。図6(d)において、回転開始時には、大きな回転トルクを必要とするため急峻に立ち上がる大きな値のモータ電流がモータ61を流れる。この後、モータ61を流れる電流が、徐々に小さくなるように制御され、回転速度が目標とする回転速度となった際の電流値が維持される。これにより、回転速度が目標とする回転速度となった後は、モータ電流のパラメータ波形は、略々フラットな形状のパラメータ波形となる。回転停止時には、モータ61に対するモータ電流の供給を停止することで、モータ電流のパラメータ波形は、値が徐々に0レベルとなるパラメータ波形となる。
(スリップ現象発生時のパラメータ波形)
次に、図7に、スリップ現象発生時における各部のパラメータ波形を示す。図7(a)〜図7(d)は、図6(a)〜図6(d)に対応したパラメータ波形である。すなわち、図7(a)は、スリップ現象発生時におけるモータ61の目標速度のパラメータ波形、図7(b)は、スリップ現象発生時におけるモータ61の位置偏差のパラメータ波形、図7(c)は、スリップ現象発生時におけるモータ61の制御電圧のパラメータ波形、図7(d)は、スリップ現象発生時におけるモータ61のモータ電流のパラメータ波形である。
スリップ現象発生時における各部のパラメータ波形である図7(a)〜図7(d)と、スリップ現象非発生時における各部のパラメータ波形である図6(a)〜図6(d)とを見比べてわかるように、スリップ現象が発生すると、このスリップ現象が発生したタイミングで、負方向に突出する三角形状のパラメータ波形が現れる。
すなわち、図7(a)〜図7(d)に点線で示す期間t2が、スリップ現象が発生した期間を示している。スリップ現象が発生すると、用紙と搬送ローラとの間の摩擦力の低下により、モータ61に掛かっている負荷トルクが急低下する。そして、負荷トルクの低下により、モータ61が大きく回転して距離が進み過ぎた状態となる。これにより、スリップ現象が発生した図7(b)の期間t2において、位置偏差のパラメータ波形に、値が負の方向に突出した三角形状のパラメータ波形が現れる。また、スリップ現象が発生した図7(c)の期間t2において、制御電圧のパラメータ波形に、制御電圧が低下して負方向に突出した三角形状のパラメータ波形が現れる。また、スリップ現象が発生した図7(d)の期間t2において、モータ電流のパラメータ波形に、モータ電流が減少し、負方向に突出した三角形状のパラメータ波形が現れる。
搬送ローラの回転位置によっては、用紙との間の摩擦力が元に戻る。このため、搬送ローラと用紙との間の摩擦力が元に戻ったタイミングで、モータ61に掛かる負荷トルクも元に戻り、用紙の搬送系が、スリップ現象が生じている異常状態から正常状態に復帰する。スリップ現象が発生すると、用紙の巻き込み(JAM)等の搬送エラーが多発するおそれがある。このため、第1の実施の形態のMFPは、以下に説明するようにスリップ現象を検出し、利用者に対して警告の報知制御を行い、又は、スリップ現象の回避制御を行っている。
(スリップ現象の検知動作)
図8のフローチャートに、第1の実施の形態のMFPにおけるスリップ現象の検知動作の大まかな流れを示す。図4に示す制御装置41は、記憶部に記憶されている回転異常検出プログラムに基づいて、この図8のフローチャートの各処理を実行する。
具体的には、第1の実施の形態のMFPにおいては、図7(a)〜図7(d)に一点鎖線で示す期間t1の期間に相当する定速領域において、スリップ現象の検知を行うようになっている。このため、図8のフローチャートのステップS1では、スリップ現象の検知処理の前処理として、図5に示すマスク領域指示部75が、現在のモータ61の回転速度は、図7(a)〜図7(d)に示す期間t1に相当する定速領域に相当する回転速度であるか否かを判別する。
すなわち、図7(a)〜図7(d)で説明したように、モータ61の回転開始時には、目標回転速度まで徐々に制御電圧が供給される(図7(c)参照)。このため、モータの回転速度が徐々に速くなり、図7(b)に示すように、正方向に突出した三角形状の位相偏差のパラメータ波形が現れる。反対に、モータ61の回転停止時には、制御電圧の供給が停止し(図7(c)参照)、モータ61の回転速度が徐々に低くなって回転停止となる(図7(a)参照)。このため、回転停止時には、図7(b)に示すように、負方向に突出した三角形状の位相偏差のパラメータ波形が現れる。
このように、回転開始時(加速領域)及び回転停止時(減速領域)に現れる三角形状のパラメータ波形を、スリップ現象が原因で現れたパラメータ波形と区別するのは困難である。このため、マスク領域指示部75は、モータ61が定速で回転している期間に相当する定速領域(図7の期間t1)を検出し、スリップ判定部74は、この定速領域でスリップ現象の検知動作を行う。これにより、モータ61の加減速時にスリップ判定が行われ、誤検知が生ずる不都合を防止できる。
モータ61が定速で回転しているか否かの判別(定速領域であるか否かの判別)は、「目標速度が定速であり」、「モータ61の現在の回転速度が目標速度に到達しているか否か」、又は、「モータ61の現在の回転速度に変動が生じているか否か」を判別することで行う。
目標速度を用いて判別を行う場合、マスク領域指示部75は、位置/速度信号発生部63で検出されたモータの現在の回転速度が、目標速度発生部71で指定された目標速度となっている間、上述の定速領域であることを示すマスク領域指示情報をスリップ判定部74に供給する。後述するように、スリップ判定部74は、マスク領域指示情報が供給されている間に、スリップ判定を行う。
検出速度を用いて判別を行う場合、マスク領域指示部75は、位置/速度信号発生部63で検出されたモータ61の現在の回転速度の変動の有無を判別する。モータ61の現在の回転速度が変動しているということは、図7(a)を用いて説明したモータ61の回転開始時又は回転停止時であることを意味する。このため、マスク領域指示部75は、モータ61の現在の回転速度が変動している間は、上述のマスク領域指示情報をスリップ判定部74に供給しない。
これに対して、モータ61の現在の回転速度が略々一定であるということは、現在、図7(a)の期間t1の定速領域でモータ61が回転していることを意味する。このため、マスク領域指示部75は、モータ61の現在の回転速度が略々一定であると判別している際、上述のマスク領域指示情報をスリップ判定部74に供給する。後述するように、スリップ判定部74は、マスク領域指示情報が供給されている間に、スリップ判定を行う。
次に、図8のフローチャートにおいて、モータ61が、現在、定速領域で回転中であることが判別されると(ステップS1:Yes)、ステップS2に処理が進む。ステップS2では、スリップ判定部74が、後述する負荷トルクに基づくスリップ検知処理を行う。ステップS3では、スリップ判定部74が、スリップ検知処理が終了したか否かを判別する。ステップS3において、スリップ判定部74が、スリップ検知処理が終了したと判別すると、この図8のフローチャートに示す全処理が終了となる。
(スリップ現象の検知動作の詳細)
次に、図8のフローチャートのステップS2におけるスリップ現象の検知動作を詳細に説明する。図9は、スリップ現象の詳細な検知動作の流れを示すフローチャートである。この図9のフローチャートは、図8のフローチャートのステップS1において、モータ61が、現在、上述の定速領域で回転中であることが判別されることで処理がスタートとなる。ステップS11では、スリップ判定部74が、モータ61の負荷トルクは、所定の閾値よりも大きいか否かを判別する。
具体的には、スリップ判定部74は、図7(d)に示すモータ電流値に基づいて、モータ61の現在の負荷トルクを検出する。すなわち、上述の定速領域でスリップ現象が発生すると、モータ61に掛かるトルクが急激に減少してモータ61が高速回転を始める。この高速回転にブレーキを掛けるべく、モータ61を反対方向に回転させる負極性のモータ電流がモータ61に供給される。これにより、モータ電流値は、図7(d)の時刻t2に示すように負方向に大きな値となる。
スリップ判定部74は、このようなに負方向に大きな値となったモータ電流値が所定の閾値よりも負方向に大きい場合(=モータ電流値が閾値よりも小さな値の場合、ステップS11:Yes)、処理をステップS12に進め、スリップ現象の検証処理に移行する。
なお、この例では、スリップ判定部74は、モータ電流値に基づいて、モータ61の現在の負荷トルクを検出することとしたが、図7(c)に示す制御電圧値に基づいて、モータ61の現在の負荷トルクを検出してもよい。スリップ現象が発生すると、図7(c)の期間t2に示すように、制御電圧値も負方向に大きな値となる。このため、この制御電圧値と所定の閾値とを比較し、制御電圧値が所定の閾値よりも負方向に大きい場合(=制御電圧値が閾値よりも小さな値の場合)、スリップ判定部74は、以下に説明するスリップ現象の検証処理に移行する。
次に、マスク領域指示部75は、ステップS12において、現在のモータ電流値は、所定時間前のモータ電流値よりも低い値であるか否かを判別する。すなわち、このステップS12では、モータ電流値が閾値以下となった時点(ステップS11:Yes)からモータ電流値の下降が継続しているか否かを判別している。
現在のモータ電流値が、所定時間前のモータ電流値よりも高い値となったということは(ステップS12:No)、モータ電流値の下降が終了したことを意味する。このため、スリップ判定部74は、ステップS16に処理を進め、モータ電流値が閾値以下となった際に出力するフラグ情報(flag)を「0」に変更する。また、スリップ判定部74は、ステップS16において、モータ電流値が閾値以下となっている連続時間をカウントしたカウント値を「0msec」にリセットし、ステップS11に処理を戻す。
一方、ステップS12において、現在のモータ電流値は、所定時間前のモータ電流値よりも低い値であると判別した場合(ステップS12:Yes)、ステップS13に処理が進む。ステップS13では、スリップ判定部74が、モータ電流値が閾値以下となった際に出力するフラグ情報(flag)を「1」に変更する。また、スリップ判定部74は、ステップS13において、モータ電流値が閾値以下となっている連続時間のカウントを開始する。
ステップS14では、スリップ判定部74が、モータ電流値が閾値以下となってから経過した連続時間(count)が、所定時間(Fsec)を経過したか否かを判別する(count≧Fsec)。モータ電流値が閾値以下となってから経過した連続時間が所定時間を経過していないということは(ステップS14:No)、スリップ現象ではなく、ノイズ等による一時的なモータ電流の落ち込みである可能性が高い。このため、スリップ判定部74は、ステップS11に処理を戻し、この連続時間の監視を継続する。モータ電流値が閾値以下となってから経過した連続時間が所定時間を経過した場合は(ステップS14:Yes)、ステップS15に処理を進め、「スリップ現象が発生している」と判別して、図9のフローチャートに示すスリップ検知処理を終了する。
スリップ判定部74は、このようにしてスリップ現象の発生の有無を判定すると、スリップ現象の発生の有無を示すスリップ発生情報を、図5に示すスリップ制御部76に供給する。スリップ現象が発生している場合、今後、MFPにスリップ現象による用紙の巻き込み(JAM)等の不都合が生ずるおそれがある。このため、スリップ制御部76は、スリップ現象の発生をMFPの利用者に報知制御する。
すなわち、一例ではあるが、スリップ制御部76は、スリップ現象が発生しているため、メンテナンスマンによる修理が必要である旨のメッセージを操作パネル47に表示制御する。また、図示しないスピーカ部を介して、スリップ現象が発生していることを示す警告音を発生制御する。このような報知制御は、両方併用してもよいし、いずれか一方を行ってもよい。
また、制御装置41は、スリップ現象を検出すると、このような報知制御と共に、MFPのメンテナンスで修理が行われるまでの間、モータ61の回転速度を通常よりも低速に制御する。モータ61の回転速度を低速制御すると、搬送ローラと用紙との間の摩擦力が大きくなるため、スリップ現象を回避可能とすることができる。このため、MFPの修理が行われるまでの間、MFPを継続して使用可能とすることができる。
(第1の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態のMFPは、モータ61の定速回転時において、モータ電流値が所定時間以上、所定以下の値となった際に、スリップ現象が発生したと判定する。これにより、モータ61の定速回転時におけるモータ電流値を判定するだけのため、瞬時にスリップ現象の発生の有無を判定できる。
また、このようなスリップ現象の発生の有無の判定は、モータ61の回転開始時及び回転停止時を避けて、モータ61の定速回転時(定速領域)で判定する。これにより、スリップ現象の検出精度の向上を図ることができる。
また、スリップ現象を検出すると、所定の報知制御と共に、MFPのメンテナンスで修理が行われるまでの間、モータ61の回転速度を通常よりも低速に制御する。これにより、搬送ローラと用紙との間の摩擦力を大きくすることができ、スリップ現象を回避可能とすることができる。このため、MFPの修理が行われるまでの間、MFPを継続して使用可能とすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態のMFPを説明する。上述の第1の実施の形態は、モータ電流値が所定以下の値となった時間が、所定時間以上連続した際に、スリップ現象が発生したと判定する例であった。これに対して、第2の実施の形態のMFPは、所定以下の値となったモータ電流値が、所定時間以内に元の電流値に戻った際に、スリップ現象が発生したと判定する例である。なお、上述の第1の実施の形態と以下に説明する第2の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、以下、両者の差異の説明のみ行い、重複説明は省略する。
図10のフローチャートに、第2の実施の形態のMFPにおけるスリップ判定動作の流れを示す。この図10のフローチャートは、図8のフローチャートのステップS1において、上述の定速領域でモータ61が回転駆動していると判別されることでスタートとなる。第2の実施の形態においては、スリップ判定部74は、図7(d)の期間t2に示すように、モータ電流値が、定速回転時のモータ電流値よりも低い電流値となった場合に、スリップ現象の検証中であることを示す「1」のフラグ情報をHDD44等の記憶部に記憶する。このため、ステップS21では、図5に示すスリップ判定部74が、記憶部に記憶されているフラグ情報が「1」であるか否かを判別することで、現在、スリップ現象の検証中であるか否かを判別する。
記憶部に記憶されているフラグ情報が「1」である場合(ステップS21:Yes)、現在、スリップ現象の検証中であること意味する。このため、処理は、ステップS24に進む。これに対して、記憶部に記憶されているフラグ情報が「1」ではない場合(「0」のフラグ情報が記憶されている場合、ステップS21:No)、これは、現在、定速回転時のモータ電流値でモータ61が回転駆動されており、モータ電流値が、定速回転時のモータ電流値よりも低くなってはいないことを意味している。このため、処理がステップS22に進む。
ステップS22では、スリップ判定部74が、現在のモータ電流値が、前回、検出したモータ電流値よりも低い値となっているか否かを判別する。すなわち、このステップS22では、スリップ判定部74が、図4に示す位置/速度信号発生部63で検出されるモータ電流値を、例えば数msec毎に取得し、現在のモータ電流値と、前に取得したモータ電流値とを比較する。現在のモータ電流値が、前に取得したモータ電流値よりも低い値となっていないということは、現在、モータ61は定速回転時のモータ電流値で正常に回転駆動されていることを意味するため、処理がステップS21に戻る。これに対して、現在のモータ電流値が、前に取得したモータ電流値よりも低い値となった場合、スリップ判定部74は、スリップ現象の検証動作に移行して、ステップS23に処理を進める。
ステップS23では、スリップ判定部74が、現在、スリップ現象の検証中であることを示す「1」のフラグ情報をHDD44等の記憶部に記憶する。また、ステップS23では、スリップ判定部74が、現在のモータ電流値を最小電流値としてHDD44等の記憶部に記憶してステップS21に処理を戻す。ステップS21に処理が戻ると、この例の場合、記憶部に記憶されているフラグ情報が「1」であるため(ステップS21:Yes)、スリップ判定部74は、ステップS24に処理を進める。
ステップS24では、スリップ判定部74が、現在のモータ電流値は、前に最小電流値として記憶部に記憶したモータ電流値よりも低い値であるか否かを判別する。すなわち、このステップS24では、スリップ判定部74が、時間経過と共にモータ電流値が低い値になっているか否か(電流値が減少中であるか否か)を判別する。現在のモータ電流値が、前に最小電流値として記憶部に記憶したモータ電流値よりも低い値である場合(ステップS24:Yes)、スリップ判定部74は、ステップS25に処理を進め、記憶部に記憶している最小電流値を、現在のモータ電流値に更新してステップS21に処理を戻す。モータ電流値が徐々に減少している間、ステップS21→ステップS24→ステップS25→ステップS21のルーチンが繰り返し実行される。
次に、スリップ現象が生ずると、短時間で、搬送ローラと用紙との間の摩擦力が戻る。搬送ローラと用紙との間の摩擦力が戻ると、図7(d)の期間t2に示すように、減少していたモータ電流値が徐々に定速回転時のモータ電流値に戻る。このモータ電流値が戻ることで、ステップS24において、前に最小電流値として記憶部に記憶したモータ電流値よりも、現在のモータ電流値の方が高い値を示すようになり(ステップS24:No)、処理がステップS26に移行する。
ステップS26では、スリップ判定部74が、現在のモータ電流値が前のモータ電流値よりも高い値となったタイミングで、タイマからの計時情報に基づいて、現在のモータ電流値が前のモータ電流値よりも高い値となってから経過した連続時間である「経過時間」のカウントを開始する。
ここで、スリップ現象が生じた際に、減少したモータ電流値が、減少のピーク(図7(d)の期間t2におけるマイナスパラメータ波形の頂点)から元の定速回転時のモータ電流値に戻るまでの時間は略々一定の時間となる。このため、第2の実施の形態においては、モータ電流値が、減少のピークから元の定速回転時のモータ電流値に戻る時間(設定時間)が予め計測されてスリップ判定部74に設定されている。スリップ判定部74は、ステップS26において、上述の経過時間と設定時間とを比較することで、減少したモータ電流値が、設定時間内に元の定速回転時のモータ電流値に戻ったか否かを判別する。
経過時間が設定時間を超過したということは(ステップS26:No)、減少したモータ電流値が、設定時間内に元の定速回転時のモータ電流値に戻らなかったことを意味し、モータ電流値の変動は、例えばスパイクノイズ等の瞬間的な値の変動である可能性が高い。このため、スリップ判定部74は、ステップS27に処理を進め、上述の経過時間のカウント値を「0」に戻すと共に、スリップ現象の検証期間であることを示すフラグ情報も「0」に戻す。そして、再度、ステップS21から処理を実行する。
これに対して、経過時間が設定時間内である場合(ステップS26:Yes)、スリップ判定部74は、処理をステップS28に進め、現在のモータ電流値が、元の定速回転時のモータ電流値に戻ったか否かを判別する。現在のモータ電流値が、元の定速回転時のモータ電流値に戻っていないということは(ステップS28:No)、まだ設定時間内であることを意味するため、スリップ判定部74は、ステップS29に処理を進め、引き続き上述の経過時間のカウントを継続し、再度、ステップS21から処理を実行する。
一方、設定時間内に(ステップS26:Yes)に、現在のモータ電流値が元の定速回転時のモータ電流値に戻った場合(ステップS28:Yes)、スリップ判定部74は、ステップS30に処理を進め、スリップ現象が発生していると判定する。これにより、図10のフローチャートに示す全処理が終了する。
(第2の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第2の実施の形態のMFPは、所定以下の値となったモータ電流値が、所定時間以内に元の電流値に戻った際に、スリップ現象が発生したと判定する。これにより、モータ61の定速回転時におけるモータ電流値を判定するだけのため、瞬時にスリップ現象の発生の有無を判定できる等、上述の第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態のMFPを説明する。上述の各実施の形態は、モータ電流値に基づいてスリップ現象の発生の有無を判定する例であった。これに対して、以下に説明する第3の実施の形態のMFPは、位置偏差(目標回転位置−検出回転位置)を用いてスリップ現象の発生の有無を判定する例である。なお、上述の各実施の形態と以下に説明する第3の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、以下、両者の差異の説明のみ行い、重複説明は省略する。
図11は、第3の実施の形態のMFPにおけるモータの回転制御系のハードウェア構成図である。この図11と図4を見比べてわかるように、第3の実施の形態のMFPの場合、位置偏差を用いてスリップ現象の発生の有無を判定するため、スリップ現象の検知動作においては、図11に示すように電流信号発生部64を省略することができる。
図12に、第3の実施の形態のMFPにおけるスリップ判定動作のフローチャートを示す。この図12のフローチャートは、図8のフローチャートのステップS1において、上述の定速領域(マスク領域)でモータ61が回転駆動していると判別されることでスタートとなる。現在、モータ61が定速領域(マスク領域)以外で回転駆動されている場合、スリップ現象の検知処理は行わないため、スリップ判定部74は、ステップS41を介してステップS47に処理を進め、「0」のフラグ情報を記憶部に記憶する。また、ステップS47は、閾値以上の位置偏差の値が連続する時間のカウント値を「0」にリセットして、ステップS41に処理を戻す。
モータ61が上述の定速領域(マスク領域)で回転駆動されている場合、スリップ判定部74は、ステップS42において、位置偏差の値が閾値以上であるか否かを判別する。位置偏差の値が閾値以上であるということは、モータ61の回転位置が目標位置から大きくズレていることを意味している。このため、スリップ現象が発生している可能性があるため、スリップ現象の検証を開始すべく、ステップS43に処理を進める。位置偏差の値が閾値以上と検出された直後は、フラグ情報は「0」である。このため、ステップS43で、現在、フラグ情報は「1」であるか否かの判別を行うと、判別結果が「No」となるため、スリップ判定部74は、ステップS48でフラグ情報を「1」に変更し、スリップ現象の検知動作を開始する。
スリップ現象の検知動作を開始すると、スリップ判定部74は、ステップS44において、タイマからの計時情報に基づき、位置偏差の値が閾値以上となってから経過した連続時間のカウントを開始する。そして、スリップ判定部74は、ステップS45において、位置偏差の値が閾値以上となってから経過した連続時間が、所定時間以上となったか否かを判別する。位置偏差の値が閾値以上となってから経過した連続時間が、所定時間未満の場合は(ステップS45:No)、ステップS41に処理を戻す。これに対して、位置偏差の値が閾値以上となってから経過した連続時間が、所定時間を経過した場合は(ステップS45:Yes)、ステップS46において、スリップ現象が発生したと判定し、図12のフローチャートの全処理を終了する。
(第3の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第3の実施の形態のMFPは、位置偏差の値が閾値以上となってから経過した連続時間が、所定時間以上となった際に、スリップ現象が発生したと判定する。これにより、モータ61の定速回転時における位置偏差を判定するだけのため、瞬時にスリップ現象の発生の有無を判定できる等、上述の各実施の形態と同じ効果を得ることができる。
最後に、上述の各実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態に対する種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。
また、上述の制御装置41としては、ソフトウェアによって各機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ、及び、各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)又は回路モジュールなどのハードウェアを含むものとする。
また、上述の各実施の形態は、情報処理技術分野における通常の知識を有した技術者であれば、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)及び、従来の回路モジュールを接続して構成した装置によって実施することが可能である。
また、上述の各実施の形態に記載された各機能は、それぞれ、一又は複数の処理回路(Circuit)によって実現することが可能である。なお、「処理回路」とは、ソフトウェアによって各機能を実行するようプログラムされたプロセッサ、各機能を実行するように設計されたASIC及び回路モジュール等のハードウェアを含むものとする。
このような各実施の形態及び各実施の形態の変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 MFPの読み取り装置
2 MFPの本体
41 制御装置
44 HDD
47 操作パネル
48 エンジン
52 画像読み取り部
61 モータ
62 モータドライバ
63 位置/速度信号発生部
64 電流信号発生部
71 目標速度発生部
72 目標位置発生部
73 位置/速度制御部
74 スリップ判定部
75 マスク領域指示部
76 スリップ制御部
特開2010−266694号公報

Claims (10)

  1. 目標速度を示す情報に基づいてモータの回転を制御する制御部と、
    前記目標速度を示す情報が一定の目標速度を示すものであり、且つ前記モータが前記目標速度に到達した後である定速期間において、前記モータを流れるモータ電流値の変動量を検出する変動検出部と、
    前記変動量が所定レベル以上である場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定する判定部と、
    を有する回転異常判定装置。
  2. 目標速度を示す情報に基づいてモータの回転を制御する制御部と、
    前記目標速度を示す情報が一定の目標速度を示すものであり、且つ前記モータが前記目標速度に到達した後である定速期間において、前記モータの位置偏差の変動量を検出する変動検出部と、
    前記変動量が所定レベル以上である場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定する判定部と、
    を有する回転異常判定装置。
  3. 前記判定部は、所定レベル以上の変動が所定回数以上連続した場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の回転異常判定装置。
  4. 前記判定部は、前記変動検出部が所定レベル以上の変動を検出し、前記モータの定速回転時におけるレベルに戻るまでに要する時間が所定時間内であった場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の回転異常判定装置。
  5. モータと、
    請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の回転異常判定装置と、
    前記回転異常判定装置により、前記モータに回転異常が発生したと判定された際に、前記モータに回転異常が発生していることを示す所定の報知制御を行う報知制御部と
    を有するモータシステム。
  6. 前記回転異常判定装置により、前記モータに回転異常が発生したと判定された際に、前記モータの回転速度を、通常よりも低速に制御する回転制御部を、さらに備えること
    を特徴とする請求項5に記載のモータシステム。
  7. モータ及び画像形成機能を備えた画像形成装置であって、
    請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の回転異常判定装置と、
    前記回転異常判定装置により、前記モータに回転異常が発生したと判定された際に、前記モータに回転異常が発生していることを示す所定の報知制御を行う報知制御部と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記回転異常判定装置により、前記モータに回転異常が発生したと判定された際に、前記モータの回転速度を、通常よりも低速に制御する回転制御部を、さらに備えること
    を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 制御部が、目標速度を示す情報に基づいてモータの回転を制御する制御ステップと、
    変動検出部が、前記目標速度を示す情報が一定の目標速度を示すものであり、且つ前記モータが前記目標速度に到達した後である定速期間において、前記モータを流れるモータ電流値の変動量を検出する変動検出ステップと、
    判定部が、前記変動量が所定レベル以上である場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定する判定ステップと、
    を有する回転異常判定方法。
  10. 制御部が、目標速度を示す情報に基づいてモータの回転を制御する制御ステップと、
    変動検出部が、前記目標速度を示す情報が一定の目標速度を示すものであり、且つ前記モータが前記目標速度に到達した後である定速期間において、前記モータの位置偏差の変動量を検出する変動検出ステップと、
    判定部が、前記変動量が所定レベル以上である場合に、前記モータに回転異常が発生したと判定する判定ステップと、
    を有する回転異常判定方法。
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