以下、実施の形態が、図面を参照しながら、説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示す図である。
図2(a)は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示すx−z図(2A断面図)である。
図2(b)は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示すx−y図(2B断面図)である。
実施の形態1における電池1000は、第1絶縁体110と、第1電極層511と、第1対極層521と、を備える。
第1対極層521は、第1電極層511の対極である。
第1絶縁体110は、第1電解質部分301と、第2電解質部分302と、第1折曲部分210と、を有する。
第1折曲部分210は、第1電解質部分301と第2電解質部分302との間に、位置する。
第1電極層511は、第1電解質部分301に接して、配置される。
第1対極層521は、第2電解質部分302に接して、配置される。
第1絶縁体110が第1折曲部分210において折り曲げられている。これにより、第1電極層511と第1対極層521とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を高めることができる。すなわち、第1折曲部分210により互いに連結される第1電解質部分301と第2電解質部分302とに、それぞれ、第1電極層511と第1対極層521とを、配置することができる。これにより、第1電解質部分301に配置される第1電極層511と第2電解質部分302に配置される第1対極層521との位置関係を、第1折曲部分210により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各層(例えば、第1電極層511と第1対極層521)の接合の強度を、第1絶縁体110により、高めることができる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第1折曲部分210が位置する側面を、第1折曲部分210により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第1折曲部分210が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第1折曲部分210により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第1折曲部分210により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第1電極層511に含まれる電極材料、第1対極層521に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第1折曲部分210により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
図3は、第1絶縁体110の一例の概略構成を示す図である。
図3(a)は、第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−z図(3A断面図)である。
図3(b)は、第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−y図(上面図)である。
図3に示されるように、第1絶縁体110は、例えば、絶縁性の基材(例えば、基板)に、第1電解質部分301と第2電解質部分302とが設けられることで、構成されてもよい。第1絶縁体110は、例えば、長尺のシート状の部材として、構成されてもよい。
なお、第1絶縁体110の基材は、例えば、絶縁性材料(例えば、ガラスファイバー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、紙、など)で形成されたシート(例えば、多孔質シート、不織布、メッシュシート、など)であってもよい。
第1絶縁体110の基材の厚みは、1〜100μmであってもよく、もしくは、1〜30μmであってもよい。
第1電解質部分301と第2電解質部分302とは、電解質材料が基材に設けられることで、形成される部分である。基材は、例えば、複数の細孔を有する多孔質の基材であってもよい。このとき、基材の複数の細孔に電解質材料が含侵されることで、第1電解質部分301と第2電解質部分302とが形成されてもよい(図中の部分SE1)。
なお、第1電解質部分301と第2電解質部分302とを構成する電解質材料としては、一般に公知の電池用の電解質が用いられうる。例えば、電解質材料は、固体電解質であってもよい。固体電解質としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。なお、第1電解質部分301と第2電解質部分302とは、電解質材料に加えて、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、を含有してもよい。
第1電解質部分301と第2電解質部分302との厚みは、5〜150μmであってもよく、もしくは、5〜50μmであってもよい。
なお、電解質材料は、基材の細孔の内部だけでなく、基材の表面(例えば、基材の表裏2つの主面の表面)にも、設けられてもよい(図中の部分SE2)。これにより、基材の表面に、電解質材料を露出させることができる。このため、電極層と対極層との間における電解質材料の金属イオン(例えば、リチウムイオン)の伝搬の機能を高めることができる。
なお、第1電解質部分301と第2電解質部分302とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第1電解質部分301と第2電解質部分302との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第1折曲領域710となる。第1折曲部分210は、第1折曲領域710が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第1電解質部分301と第2電解質部分302とは、図3に示されるように、基材の端部(第1絶縁体110の端部)にまで、設けられてもよい。これにより、より多量の電解質材料を、基材に配置することができる。
図4は、第1絶縁体110の一例の概略構成を示す図である。
図4(a)は、第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−z図(4A断面図)である。
図4(b)は、第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−y図(上面図)である。
第1電解質部分301と第2電解質部分302とは、図4に示されるように、基材の端部には、設けられなくてもよい。言い換えれば、基材の端部(第1絶縁体110の端部)には、電解質材料が設けられない部分(図中の部分SE3)が、設けられてもよい。
以上の構成によれば、電解質材料が、第1電解質部分301または第2電解質部分302から、第1絶縁体110の端部に加わる応力により脱落または崩落することを、抑制できる。
また、以上の構成によれば、基材の端部(第1絶縁体110の端部)に電解質部分が形成されていないことで、電解質材料が設けられない部分が折れ曲がる場合であっても、電解質部分に接して形成される電極層および対極層以外に、電解質材料の金属イオン(例えば、リチウムイオン)が伝搬することを、防ぐことができる。例えば、後述される図5の構成において、第2電解質部分302の周囲に電解質材料が設けられない部分が配置される構成であれば、第2電解質部分302が第2対極層522および第3電解質部分303(または、第1電極層511および第1電解質部分301)に直接接触することを、防ぐことができる。これにより、第2電解質部分302における電解質材料の金属イオン(例えば、リチウムイオン)が、第2対極層522および第3電解質部分303(または、第1電極層511および第1電解質部分301)に伝搬することを、防ぐことができる。
第1電解質部分301と第2電解質部分302とは、例えば、電解質材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料が基材の上に塗工かつ乾燥されることで、作製されうる。もしくは、第1電解質部分301と第2電解質部分302とは、粉体状の電解質材料が直接多孔質基材に含侵させられる方法、または、気相法(例えば、蒸着プロセス、スパッタプロセス、など)によっても、作製されうる。
なお、図1および図2に示されるように、実施の形態1における電池1000は、第1集電体610をさらに備えてもよい。
第1集電体610は、第1電極層511と第1対極層521との間に、第1電極層511と第1対極層521とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第1電極層511を含む発電要素と、第1対極層521を含む発電要素とを、第1集電体610を介して、直列接続で積層することができる。
図5は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示す斜視図である。
図6は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示すx−z図(断面図)である。
実施の形態1における電池1100は、上述の実施の形態1における電池1000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態1における電池1100においては、第1絶縁体110は、第3電解質部分303と、第2折曲部分220と、を有する。
第2折曲部分220は、第2電解質部分302と第3電解質部分303との間に、位置する。
第1絶縁体110が第2折曲部分220において折り曲げられている。これにより、第2電解質部分302と第3電解質部分303とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第2電解質部分302および第3電解質部分303(すなわち、第1絶縁体110の一部の領域であり、かつ、第2折曲部分220により連結している2つの領域)に、それぞれ、対極層と電極層とを、配置することができる。これにより、第2電解質部分302および第3電解質部分303にそれぞれ配置される対極層と電極層との位置関係を、第2折曲部分220により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。したがって、例えば、第1絶縁体110を用いて積層型電池が構成される場合には、電池を構成する2つの電池セル(素電池)を、第1絶縁体110により、互いに、連結することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各層(または、各素電池)の接合の強度を、第1絶縁体110により、高めることができる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
なお、図5および図6に示されるように、実施の形態1における電池1100は、第2電極層512と、第2対極層522と、をさらに備えてもよい。
第2対極層522は、第1電極層511および第2電極層512の対極である。
第2電極層512は、第2電解質部分302に接して、配置される。
第2対極層522は、第3電解質部分303に接して、配置される。
第1絶縁体110が第2折曲部分220において折り曲げられている。これにより、第2電極層512と第2対極層522とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第2折曲部分220により互いに連結される第2電解質部分302と第3電解質部分303とに、それぞれ、第2電極層512と第2対極層522とを、配置することができる。これにより、第2電解質部分302に配置される第2電極層512と第3電解質部分303に配置される第2対極層522との位置関係を、第2折曲部分220により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第2電極層512と第2対極層522)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第2折曲部分220が位置する側面を、第2折曲部分220により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第2折曲部分220が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第2折曲部分220により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第2折曲部分220により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第2電極層512に含まれる電極材料、第2対極層522に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第2折曲部分220により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、図5および図6に示されるように、実施の形態1における電池1100は、第2集電体620をさらに備えてもよい。
第2集電体620は、第2電極層512と第2対極層522との間に、第2電極層512と第2対極層522とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第2電極層512と第1対極層521とを含む発電要素(第1発電要素501)と、他の発電要素(例えば、第1電極層511または第2対極層522を備える発電要素)とを、第1集電体610と第2集電体620とを介して、直列接続で積層することができる。
図7は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示す斜視図である。
図8は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示すx−z図(断面図)である。
実施の形態1における電池1200は、上述の実施の形態1における電池1100の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態1における電池1200は、第3電極層513と、第3対極層523と、をさらに備える。
第3対極層523は、第1電極層511および第2電極層512および第3電極層513の対極である。
第1絶縁体110は、第4電解質部分304と、第3折曲部分230と、を有する。
第3折曲部分230は、第3電解質部分303と第4電解質部分304との間に、位置する。
第3電極層513は、第3電解質部分303に接して、配置される。
第3対極層523は、第4電解質部分304に接して、配置される。
第1絶縁体110が第3折曲部分230において折り曲げられている。これにより、第3電極層513と第3対極層523とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第3折曲部分230により互いに連結される第3電解質部分303と第4電解質部分304とに、それぞれ、第3電極層513と第3対極層523とを、配置することができる。これにより、第3電解質部分303に配置される第3電極層513と第4電解質部分304に配置される第3対極層523との位置関係を、第3折曲部分230により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第3電極層513と第3対極層523)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第3折曲部分230が位置する側面を、第3折曲部分230により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第3折曲部分230が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第3折曲部分230により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第3折曲部分230により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第3電極層513に含まれる電極材料、第3対極層523に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第3折曲部分230により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、図7および図8に示されるように、実施の形態1における電池1200は、第3集電体630をさらに備えてもよい。
第3集電体630は、第3電極層513と第3対極層523との間に、第3電極層513と第3対極層523とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第1絶縁体110を用いて、積層型電池を構成することができる。すなわち、第2電極層512と第1対極層521とを含む第1発電要素501と、第3電極層513と第2対極層522とを含む第2発電要素502とを、第2集電体620を介して、直列接続で積層することができる。すなわち、第1発電要素501と第2発電要素502の各構成部材との位置関係を、第1絶縁体110の各折曲部分により強固に維持しながら、第1発電要素501と第2発電要素502との直列接続により電池電圧を高めることができる。
なお、第3電解質部分303と第4電解質部分304とは、電解質材料が基材に設けられることで、形成される部分である。第1電解質部分301と第2電解質部分302と第3電解質部分303と第4電解質部分304の構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、第2電解質部分302と第3電解質部分303とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第2電解質部分302と第3電解質部分303との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第2折曲領域720となる。第2折曲部分220は、第2折曲領域720が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第3電解質部分303と第4電解質部分304とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第3電解質部分303と第4電解質部分304との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第3折曲領域730となる。第3折曲部分230は、第3折曲領域730が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第1折曲部分210と第2折曲部分220と第3折曲部分230の構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630とは、導電性を有する部材である。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630とは、例えば、導電性を有する薄膜であってもよい。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630とを構成する材料としては、例えば、金属(SUS、Al、Cu、など)が用いられうる。また、第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630とにおいて、電極層が配置される主面の材質は、対極層が配置される主面の材質と、異なってもよい。すなわち、第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630としては、多層構造の金属箔が用いられてもよい。これにより、固体電池の信頼性と軽量化とを両立できる。また、電極層または対極層に接する部分に、集電体層(例えば、導電性材料を含む層)を備えてもよい。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630の厚みは、例えば、5〜100μmであってもよい。
第1発電要素501と第2発電要素502とは、例えば、充電および放電の特性を有する発電部(例えば、二次電池)である。例えば、第1発電要素501と第2発電要素502とは、単電池セルであってもよい。
なお、第2電解質部分302と第3電解質部分303とは、固体電解質を含んでもよい。すなわち、第1発電要素501と第2発電要素502とは、全固体電池であってもよい。
第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513とは、電極材料(例えば、活物質)を含む層である。
第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523とは、対極材料(例えば、活物質)を含む層である。対極材料は、電極材料の対極を構成する材料である。
また、図7および図8に示されるように、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513とは、それぞれ、第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630よりも狭い範囲に、形成されてもよい。
また、図7および図8に示されるように、第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523とは、それぞれ、第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630よりも狭い範囲に、形成されてもよい。
また、図7および図8に示されるように、第1電解質部分301と第2電解質部分302と第3電解質部分303と第4電解質部分304とは、それぞれ、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513よりも広い範囲に、かつ、第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523よりも広い範囲に、形成されてもよい。これにより、各電極層と各対極層との直接接触による短絡を防止できる。
また、図7および図8に示されるように、第2電解質部分302は、第1集電体610と第2集電体620よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第1集電体610と第2集電体620との短絡を、第2電解質部分302により、防止できる。
また、図7および図8に示されるように、第3電解質部分303は、第2集電体620と第3集電体630よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第2集電体620と第3集電体630との短絡を、第3電解質部分303により、防止できる。
なお、第2電解質部分302と第3電解質部分303の形成範囲は、第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630と同じ範囲であってもよい。もしくは、第2電解質部分302と第3電解質部分303の形成範囲は、第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630よりも狭い範囲であってもよい。
なお、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513は負極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は負極活物質である。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630はバイポーラ集電体(すなわち、正極層に接する主面と、負極層に接する主面と、を有する集電体)である。第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523は正極活物質層である。対極材料は正極活物質である。このとき、第1電解質部分301(例えば、第1電解質部分301の主面のうちの第1電極層511が配置されない主面)に接して、正極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該正極活物質層に接して、正極集電体が配置されてもよい。また、第4電解質部分304(例えば、第4電解質部分304の主面のうちの第3対極層523が配置されない主面)に接して、負極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該負極活物質層に接して、負極集電体が配置されてもよい。
もしくは、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513は正極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は正極活物質である。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630はバイポーラ集電体である。第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523は負極活物質層である。対極材料は負極活物質である。このとき、第1電解質部分301(例えば、第1電解質部分301の主面のうちの第1電極層511が配置されない主面)に接して、負極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該負極活物質層に接して、負極集電体が配置されてもよい。また、第4電解質部分304(例えば、第4電解質部分304の主面のうちの第3対極層523が配置されない主面)に接して、正極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該正極活物質層に接して、正極集電体が配置されてもよい。
正極活物質層に含有される正極活物質としては、公知の正極活物質(例えば、コバルト酸リチウム、LiNO、など)が用いられうる。正極活物質の材料としては、LiまたはMgなどのイオンを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
また、正極活物質層の含有材料としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。正極活物質の表面は、固体電解質でコートされていてもよい。また、正極活物質層の含有材料としては、導電材(例えば、アセチレンブラックなど)、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
これら正極活物質層の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を正極集電体面上に塗工乾燥して正極活物質層が作製されうる。正極活物質層の密度を高めるために、乾燥後にプレスしておいてもよい。このようにして作製される正極活物質層の厚みは、例えば、5〜300μmである。
正極集電体としては、金属箔(例えば、SUS箔、Al箔)、など、が用いられうる。
負極活物質層に含有される負極活物質としては、公知の負極活物質(例えば、グラファイト、など)が用いられうる。負極活物質の材料としては、LiまたはMgなどのイオンを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
また、負極活物質層の含有材料としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。また、負極活物質層の含有材料としては、導電材(例えば、アセチレンブラックなど)、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
これら負極活物質層の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を負極集電体上に塗工乾燥して負極活物質層が作製されうる。負極活物質層の密度を高めるために、負極板をプレスしておいてもよい。このようにして作製される負極活物質層の厚みは、例えば、5〜300μmである。
負極集電体としては、金属箔(例えば、SUS箔、Cu箔)、など、が用いられうる。
正極活物質層と負極活物質層との形成範囲は、同じであってもよい。もしくは、正極活物質層の形成範囲よりも、負極活物質層の形成範囲を、大きくしてもよい。これにより、例えば、リチウム析出(または、マグネシウム析出)による電池の信頼性低下を防止することができる。
図9は、実施の形態1における電池1300の概略構成を示すx−z図(断面図)である。
図10は、実施の形態1における電池1400の概略構成を示すx−z図(断面図)である。
図11は、実施の形態1における電池1500の概略構成を示すx−z図(断面図)である。
第1折曲部分210は、第1張出部分211を有してもよい。
第1張出部分211は、図9と図10に示されるような、第2電解質部分302よりも第2電極層512が配置される側に張り出す部分(第1折曲部分210の一部)である。
以上の構成によれば、第1電解質部分301と第2電解質部分302とに挟まれる構成部材(例えば、第1電極層511、第1対極層521、第1集電体610、など)の側面を第1折曲部分210により覆いながら、第2電解質部分302よりも第2電極層512が配置される側に位置する構成部材(例えば、第2電極層512、第2対極層522、第2集電体620、など)の側面を、第1折曲部分210の第1張出部分211により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第1電解質部分301と第2電解質部分302とに挟まれる構成部材の側面および第2電解質部分302よりも第2電極層512が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第1折曲部分210により、防ぐことができる。
また、第2折曲部分220は、第2張出部分221と第2張出部分222とのうちの少なくとも一方を有してもよい。
第2張出部分221は、図9と図11に示されるような、第2電解質部分302よりも第1対極層521が配置される側に張り出す部分(第2折曲部分220の一部)である。
以上の構成によれば、第2電解質部分302と第3電解質部分303とに挟まれる構成部材(例えば、第2電極層512、第2対極層522、第2集電体620、など)の側面を第2折曲部分220により覆いながら、第2電解質部分302よりも第1対極層521が配置される側に位置する構成部材(例えば、第1電極層511、第1対極層521、第1集電体610、など)の側面を、第2折曲部分220の第2張出部分221により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第2電解質部分302と第3電解質部分303とに挟まれる構成部材の側面および第2電解質部分302よりも第1対極層521が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第2張出部分221により、防ぐことができる。
第2張出部分222は、図9と図10に示されるような、第3電解質部分303よりも第3電極層513が配置される側に張り出す部分(第2折曲部分220の一部)である。
以上の構成によれば、第2電解質部分302と第3電解質部分303とに挟まれる構成部材(例えば、第2電極層512、第2対極層522、第2集電体620、など)の側面を第2折曲部分220により覆いながら、第3電解質部分303よりも第3電極層513が配置される側に位置する構成部材(例えば、第3電極層513、第3対極層523、第3集電体630、など)の側面を、第2折曲部分220の第2張出部分222により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第3電解質部分303よりも第3電極層513が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第2折曲部分220により、防ぐことができる。
また、第3折曲部分230は、第3張出部分231を有してもよい。
第3張出部分231は、図9と図11に示されるような、第3電解質部分303よりも第2対極層522が配置される側に張り出す部分(第3折曲部分230の一部)である。
以上の構成によれば、第3電解質部分303と第4電解質部分304とに挟まれる構成部材(例えば、第3電極層513、第3対極層523、第3集電体630、など)の側面を第3折曲部分230により覆いながら、第3電解質部分303よりも第2対極層522が配置される側に位置する構成部材(例えば、第2電極層512、第2対極層522、第2集電体620、など)の側面を、第3折曲部分230の第3張出部分231により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第3電解質部分303と第4電解質部分304とに挟まれる構成部材の側面および第3電解質部分303よりも第2対極層522が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第3折曲部分230により、防ぐことができる。
なお、図9と図10と図11に示されるように、第1折曲部分210と第3折曲部分230とは、互いに、接触してもよい。
以上の構成によれば、第1電解質部分301と第2電解質部分302とに挟まれる構成部材(例えば、第1電極層511、第1対極層521、第1集電体610、など)の側面を第1折曲部分210により覆いながら、かつ、第3電解質部分303と第4電解質部分304とに挟まれる構成部材(例えば、第3電極層513、第3対極層523、第3集電体630、など)の側面を第3折曲部分230により覆いながら、第2電解質部分302と第3電解質部分303とに挟まれる構成部材(例えば、第2電極層512、第2対極層522、第2集電体620、など)の側面を、第1折曲部分210と第3折曲部分230のうちの少なくとも一方により、覆うことができる。言い換えれば、第2電解質部分302と第3電解質部分303とに挟まれる構成部材の側面のうち、第2折曲部分220により覆われる側面とは異なる側面を、第1折曲部分210と第3折曲部分230のうちの少なくとも一方により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第1電解質部分301と第4電解質部分304とに挟まれる構成部材の側面とが、互いに接触することを、第1折曲部分210および第3折曲部分230により、防ぐことができる。また、電池の側面の一部が第1折曲部分210および第3折曲部分230により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第2電極層512に含まれる電極材料、第2対極層522に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第1折曲部分210および第3折曲部分230により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分(例えば、第1発電要素501または第3発電要素503、など)または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、図9に示されるように、第1張出部分211と第3張出部分231とが接触することで、第1折曲部分210と第3折曲部分230とは、互いに、接触してもよい。
もしくは、図10に示されるように、第1張出部分211と第3折曲部分230とが接触することで、第1折曲部分210と第3折曲部分230とは、互いに、接触してもよい。
もしくは、図11に示されるように、第1折曲部分210と第3張出部分231とが接触することで、第1折曲部分210と第3折曲部分230とは、互いに、接触してもよい。
なお、本開示において、「所定の層と所定の別の層とが、互いに対向して、位置する」とは、例えば、「各層の積層方向から見た場合に、所定の層の主面の一部(または、主面の全領域)が、所定の別の層の主面の一部(または、主面の全領域)と重なるように、位置する」ことを意味する。
また、本開示において、「所定の層と所定の別の層とが、互いに対向して、位置する構成」は、「互いに対向する所定の層の主面と所定の別の層と主面の間に、別の部材(例えば、別の材料からなる層)が配置されている構成」も、包含する。
また、本開示においては、第1発電要素501と第2発電要素502と第3発電要素503の少なくとも1つは、複数の単電池セルが積層されて成る積層電池であってもよい。
なお、実施の形態1における電池の製造方法は、後述の実施の形態5として、説明される。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2が説明される。上述の実施の形態1と重複する説明は、適宜、省略される。
図12は、実施の形態2における電池2000の概略構成を示す斜視図である。
図13は、実施の形態2における電池2000の概略構成を示すx−z図(12A断面図)である。
図14は、実施の形態2における電池2000の概略構成を示すy−z図(12B断面図)である。
なお、図12(および、図15などの他の同様の斜視図)においては、図面の複雑化を避けるため、電極層と対極層と集電体の図示は、省略されている。
実施の形態2における電池2000は、上述の実施の形態1における電池1000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池2000は、第2絶縁体120と、第2電極層512と、第4電極層514と、第4対極層524と、第5対極層525と、をさらに備える。
第4対極層524と第5対極層525とは、第1電極層511および第4電極層514の対極である。
第2絶縁体120は、第5電解質部分305と、第6電解質部分306と、第4折曲部分240と、を有する。
第4折曲部分240は、第5電解質部分305と第6電解質部分306との間に、位置する。
第2電極層512は、第2電解質部分302に接して、配置される。
第5対極層525は、第6電解質部分306に接して、配置される。
第5電解質部分305は、第1電解質部分301と第2電解質部分302との間に、配置される。
第4電極層514は、第5電解質部分305に接して、第1対極層521と対向する位置に、配置される。
第4対極層524は、第5電解質部分305に接して、第1電極層511と対向する位置に、配置される。
第2絶縁体120が第4折曲部分240において折り曲げられている。これにより、第2電極層512と第5対極層525とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第4折曲部分240により互いに連結される第5電解質部分305と第6電解質部分306とに、それぞれ、第4電極層514と第5対極層525とを、配置することができる。これにより、第5電解質部分305に配置される第4電極層514と第6電解質部分306に配置される第5対極層525との位置関係を、第4折曲部分240により(言い換えれば、1つの構成部材である第2絶縁体120により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第4電極層514と第5対極層525)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第4折曲部分240が位置する側面を、第4折曲部分240により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第4折曲部分240が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第4折曲部分240により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第4折曲部分240により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第2電極層512または第4電極層514に含まれる電極材料、第1対極層521または第5対極層525に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第4折曲部分240により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態2における電池2000は、図13と図14に示されるように、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、をさらに備えてもよい。
第1集電体610は、第1電極層511と第4対極層524との間に、第1電極層511と第4対極層524とに接して、配置される。
第2集電体620は、第4電極層514と第1対極層521との間に、第4電極層514と第1対極層521とに接して、配置される。
第3集電体630は、第2電極層512と第5対極層525との間に、第2電極層512と第5対極層525とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第1絶縁体110と第2絶縁体120とを用いて、積層型電池を構成することができる。すなわち、第4電極層514と第4対極層524とを含む第1発電要素501と、第2電極層512と第1対極層521とを含む第2発電要素502とを、第2集電体620を介して、直列接続で積層することができる。すなわち、第1発電要素501と第2発電要素502の各構成部材との位置関係を、第1絶縁体110および第2絶縁体120の各折曲部分により強固に維持しながら、第1発電要素501と第2発電要素502との直列接続により電池電圧を高めることができる。
図15は、実施の形態2における電池2100の概略構成を示す斜視図である。
図16は、実施の形態2における電池2100の概略構成を示すx−z図(15A断面図)である。
図17は、実施の形態2における電池2100の概略構成を示すy−z図(15B断面図)である。
実施の形態2における電池2100は、上述の実施の形態2における電池2000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池2100は、第5電極層515と、第2対極層522と、をさらに備える。
第2対極層522は、第1電極層511および第2電極層512および第4電極層514および第5電極層515の対極である。
第1絶縁体110は、第2折曲部分220と、第3電解質部分303と、を有する。
第2折曲部分220は、第2電解質部分302と第3電解質部分303との間に、位置する。
第5電極層515は、第6電解質部分306に接して、配置される。
第2対極層522は、第3電解質部分303に接して、配置される。
第1絶縁体110が第2折曲部分220において折り曲げられている。これにより、第5電極層515と第2対極層522とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第2折曲部分220により互いに連結される第2電解質部分302と第3電解質部分303とに、それぞれ、第2電極層512と第2対極層522とを、配置することができる。これにより、第2電解質部分302に配置される第2電極層512と第3電解質部分303に配置される第2対極層522との位置関係を、第2折曲部分220により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第2電極層512と第2対極層522)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第2折曲部分220が位置する側面を、第2折曲部分220により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第2折曲部分220が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第2折曲部分220により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第2折曲部分220により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第2電極層512または第5電極層515に含まれる電極材料、第2対極層522または第5対極層525に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第2折曲部分220により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態2における電池2100は、図16と図17に示されるように、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、第4集電体640と、をさらに備えてもよい。
第4集電体640は、第5電極層515と第2対極層522との間に、第5電極層515と第2対極層522とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第1絶縁体110と第2絶縁体120とを用いて、積層型電池を構成することができる。すなわち、第2電極層512と第1対極層521とを含む第2発電要素502と、第5電極層515と第5対極層525とを含む第3発電要素503とを、第3集電体630を介して、直列接続で積層することができる。すなわち、第1発電要素501と第2発電要素502と第3発電要素503の各構成部材との位置関係を、第1絶縁体110および第2絶縁体120の各折曲部分により強固に維持しながら、第1発電要素501と第2発電要素502と第3発電要素503との直列接続により電池電圧を高めることができる。
図18は、実施の形態2における電池2200の概略構成を示す斜視図である。
図19は、実施の形態2における電池2200の概略構成を示すx−z図(18A断面図)である。
図20は、実施の形態2における電池2200の概略構成を示すy−z図(18B断面図)である。
実施の形態2における電池2200は、上述の実施の形態2における電池2100の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池2200は、第3電極層513と、第6対極層526と、をさらに備える。
第6対極層526は、第1電極層511および第2電極層512および第3電極層513および第4電極層514および第5電極層515の対極である。
第2絶縁体120は、第7電解質部分307と、第5折曲部分250と、を有する。
第5折曲部分250は、第6電解質部分306と第7電解質部分307との間に、位置する。
第3電極層513は、第3電解質部分303に接して、配置される。
第6対極層526は、第7電解質部分307に接して、配置される。
第2絶縁体120が第5折曲部分250において折り曲げられている。これにより、第3電極層513と第6対極層526とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第5折曲部分250により互いに連結される第6電解質部分306と第7電解質部分307とに、それぞれ、第5電極層515と第6対極層526とを、配置することができる。これにより、第6電解質部分306に配置される第5電極層515と第7電解質部分307に配置される第6対極層526との位置関係を、第5折曲部分250により(言い換えれば、1つの構成部材である第2絶縁体120により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第5電極層515と第6対極層526)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第5折曲部分250が位置する側面を、第5折曲部分250により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第5折曲部分250が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第5折曲部分250により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第5折曲部分250により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第3電極層513または第5電極層515に含まれる電極材料、第2対極層522または第6対極層526に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第5折曲部分250により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態2における電池2200は、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、第4集電体640と、第5集電体650と、をさらに備えてもよい。
第5集電体650は、第3電極層513と第6対極層526との間に、第3電極層513と第6対極層526とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第1絶縁体110と第2絶縁体120とを用いて、積層型電池を構成することができる。すなわち、第5電極層515と第5対極層525とを含む第3発電要素503と、第3電極層513と第2対極層522とを含む第4発電要素504とを、第4集電体640を介して、直列接続で積層することができる。すなわち、第1発電要素501と第2発電要素502と第3発電要素503と第4発電要素504の各構成部材との位置関係を、第1絶縁体110および第2絶縁体120の各折曲部分により強固に維持しながら、第1発電要素501と第2発電要素502と第3発電要素503と第4発電要素504との直列接続により電池電圧を高めることができる。
図21は、実施の形態2における電池2300の概略構成を示す斜視図である。
図22は、実施の形態2における電池2300の概略構成を示すx−z図(21A断面図)である。
図23は、実施の形態2における電池2300の概略構成を示すy−z図(21B断面図)である。
実施の形態2における電池2300は、上述の実施の形態2における電池2200の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池2300は、第6電極層516と、第3対極層523と、をさらに備える。
第3対極層523は、第1電極層511および第2電極層512および第3電極層513および第4電極層514および第5電極層515および第6電極層516の対極である。
第1絶縁体110は、第3折曲部分230と、第4電解質部分304と、を有する。
第3折曲部分230は、第3電解質部分303と第4電解質部分304との間に、位置する。
第6電極層516は、第7電解質部分307に接して、配置される。
第3対極層523は、第4電解質部分304に接して、配置される。
第1絶縁体110が第3折曲部分230において折り曲げられている。これにより、第6電極層516と第3対極層523とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第3折曲部分230により互いに連結される第3電解質部分303と第4電解質部分304とに、それぞれ、第3電極層513と第3対極層523とを、配置することができる。これにより、第3電解質部分303に配置される第3電極層513と第4電解質部分304に配置される第3対極層523との位置関係を、第3折曲部分230により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第3電極層513と第3対極層523)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第3折曲部分230が位置する側面を、第3折曲部分230により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第3折曲部分230が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第3折曲部分230により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第3折曲部分230により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第3電極層513または第6電極層516に含まれる電極材料、第3対極層523または第6対極層526に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第3折曲部分230により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態2における電池2300は、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、第4集電体640と、第5集電体650と、第6集電体660と、をさらに備えてもよい。
第6集電体660は、第6電極層516と第3対極層523との間に、第6電極層516と第3対極層523とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第1絶縁体110と第2絶縁体120とを用いて、積層型電池を構成することができる。すなわち、第3電極層513と第2対極層522とを含む第4発電要素504と、第6電極層516と第6対極層526とを含む第5発電要素505とを、第5集電体650を介して、直列接続で積層することができる。すなわち、第1発電要素501と第2発電要素502と第3発電要素503と第4発電要素504と第5発電要素505の各構成部材との位置関係を、第1絶縁体110および第2絶縁体120の各折曲部分により強固に維持しながら、第1発電要素501と第2発電要素502と第3発電要素503と第4発電要素504と第5発電要素505との直列接続により電池電圧を高めることができる。
なお、第5電解質部分305と第6電解質部分306と第7電解質部分307とは、第2絶縁体120の基材に、電解質材料が設けられることで、形成される部分である。第1電解質部分301から第7電解質部分307のそれぞれの構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1電解質部分301から第7電解質部分307は、それぞれ、第1電極層511から第6電極層516よりも広い範囲に、かつ、第1対極層521から第6対極層526のいずれよりも広い範囲に、形成されてもよい。これにより、各電極層と各対極層との直接接触による短絡を防止できる。
なお、第5電解質部分305と第6電解質部分306とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第5電解質部分305と第6電解質部分306との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第4折曲領域740となる。第4折曲部分240は、第4折曲領域740が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第6電解質部分306と第7電解質部分307とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第6電解質部分306と第7電解質部分307との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第5折曲領域750となる。第5折曲部分250は、第5折曲領域750が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第1折曲部分210から第6折曲部分260のそれぞれの構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、第5電解質部分305は、第1集電体610と第2集電体620よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第1集電体610と第2集電体620との短絡を、第5電解質部分305により、防止できる。
なお、第2電解質部分302は、第2集電体620と第3集電体630よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第2集電体620と第3集電体630との短絡を、第2電解質部分302により、防止できる。
また、第6電解質部分306は、第3集電体630と第4集電体640よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第3集電体630と第4集電体640との短絡を、第6電解質部分306により、防止できる。
また、第3電解質部分303は、第4集電体640と第5集電体650よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第4集電体640と第5集電体650との短絡を、第3電解質部分303により、防止できる。
また、第7電解質部分307は、第5集電体650と第6集電体660よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第5集電体650と第6集電体660との短絡を、第7電解質部分307により、防止できる。
また、第4電極層514と第5電極層515と第6電極層516は、電極材料(例えば、活物質)を含む層である。第1電極層511から第6電極層516のそれぞれの構成(例えば、厚み、形成面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1電極層511から第6電極層516は、それぞれ、第1集電体610から第6集電体660のいずれよりも狭い範囲に、形成されてもよい。
また、第4対極層524と第5対極層525と第6対極層526は、対極材料(例えば、活物質)を含む層である。対極材料は、電極材料の対極を構成する材料である。第1対極層521から第6対極層526のそれぞれの構成(例えば、各層の厚み、形成面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1対極層521から第6対極層526は、それぞれ、第1集電体610から第6集電体660のいずれよりも狭い範囲に、形成されてもよい。
また、第4集電体640と第5集電体650と第6集電体660は、導電性を有する部材である。第1集電体610から第6集電体660のそれぞれの構成(例えば、各層の厚み、形成面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第3発電要素503と第4発電要素504と第5発電要素505とは、例えば、充電および放電の特性を有する発電部(例えば、二次電池)である。例えば、第3発電要素503と第4発電要素504と第5発電要素505とは、単電池セルであってもよい。
なお、第3発電要素503と第4発電要素504と第5発電要素505とは、固体電解質を含んでもよい。すなわち、第3発電要素503と第4発電要素504と第5発電要素505とは、全固体電池であってもよい。
なお、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513と第4電極層514と第5電極層515と第6電極層516は負極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は負極活物質である。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630と第4集電体640と第5集電体650と第6集電体660はバイポーラ集電体である。第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523と第4対極層524と第5対極層525と第6対極層526は正極活物質層である。対極材料は正極活物質である。このとき、第1電解質部分301(例えば、第1電解質部分301の主面のうちの第1電極層511が配置されない主面)に接して、正極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該正極活物質層に接して、正極集電体が配置されてもよい。また、第4電解質部分304(例えば、第4電解質部分304の主面のうちの第3対極層523が配置されない主面)に接して、負極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該負極活物質層に接して、負極集電体が配置されてもよい。
もしくは、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513と第4電極層514と第5電極層515と第6電極層516は正極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は正極活物質である。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630と第4集電体640と第5集電体650と第6集電体660はバイポーラ集電体である。第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523と第4対極層524と第5対極層525と第6対極層526は負極活物質層である。対極材料は負極活物質である。このとき、第1電解質部分301(例えば、第1電解質部分301の主面のうちの第1電極層511が配置されない主面)に接して、負極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該負極活物質層に接して、負極集電体が配置されてもよい。また、第4電解質部分304(例えば、第4電解質部分304の主面のうちの第3対極層523が配置されない主面)に接して、正極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該正極活物質層に接して、正極集電体が配置されてもよい。
図24は、実施の形態2における電池2400の概略構成を示すy−z図(断面図)である。
図25は、実施の形態2における電池2500の概略構成を示すy−z図(断面図)である。
図26は、実施の形態2における電池2600の概略構成を示すy−z図(断面図)である。
なお、第4折曲部分240は、第4張出部分241と第4張出部分242とのうちの少なくとも一方を有してもよい。
第4張出部分241は、図24と図26に示されるような、第5電解質部分305よりも第4対極層524が配置される側に張り出す部分(第4折曲部分240の一部)である。
以上の構成によれば、第5電解質部分305と第6電解質部分306とに挟まれる構成部材の側面を第4折曲部分240により覆いながら、第5電解質部分305よりも第4対極層524が配置される側に位置する構成部材の側面を、第4折曲部分240の第4張出部分241により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第5電解質部分305と第6電解質部分306とに挟まれる構成部材の側面および第5電解質部分305よりも第4対極層524が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第4折曲部分240により、防ぐことができる。
第4張出部分242は、図24と図25に示されるような、第6電解質部分306よりも第5電極層515が配置される側に張り出す部分(第4折曲部分240の一部)である。
以上の構成によれば、第5電解質部分305と第6電解質部分306とに挟まれる構成部材の側面を第4折曲部分240により覆いながら、第6電解質部分306よりも第5電極層515が配置される側に位置する構成部材の側面を、第4折曲部分240の第4張出部分242により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第5電解質部分305と第6電解質部分306とに挟まれる構成部材の側面および第6電解質部分306よりも第5電極層515が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第4折曲部分240により、防ぐことができる。
なお、第5折曲部分250は、第5張出部分251と第5張出部分252とのうちの少なくとも一方を有してもよい。
第5張出部分251は、図24と図26に示されるような、第6電解質部分306よりも第5対極層525が配置される側に張り出す部分(第5折曲部分250の一部)である。
また、以上の構成によれば、第6電解質部分306と第7電解質部分307とに挟まれる構成部材の側面を第5折曲部分250により覆いながら、第6電解質部分306よりも第5対極層525が配置される側に位置する構成部材の側面を、第5折曲部分250の第5張出部分251により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第6電解質部分306と第7電解質部分307とに挟まれる構成部材の側面および第6電解質部分306よりも第5対極層525が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第5折曲部分250により、防ぐことができる。
第5張出部分252は、図24と図25に示されるような、第7電解質部分307よりも第6電極層516が配置される側に張り出す部分(第5折曲部分250の一部)である。
また、以上の構成によれば、第6電解質部分306と第7電解質部分307とに挟まれる構成部材の側面を第5折曲部分250により覆いながら、第7電解質部分307よりも第6電極層516が配置される側に位置する構成部材の側面を、第5折曲部分250の第5張出部分252により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第6電解質部分306と第7電解質部分307とに挟まれる構成部材の側面および第6電解質部分306よりも第5対極層525が配置される側に位置する構成部材の側面が、互いに接触することを、第5折曲部分250により、防ぐことができる。
図27は、実施の形態2における電池2410の概略構成を示すy−z図(断面図)である。
図28は、実施の形態2における電池2510の概略構成を示すy−z図(断面図)である。
図29は、実施の形態2における電池2610の概略構成を示すy−z図(断面図)である。
図27と図28と図29とに示されるように、第2絶縁体120は、第7電解質部分307と連結される第6折曲部分260を有してもよい。
このとき、図27と図28と図29とに示されるように、第4折曲部分240と第6折曲部分260とは、互いに、接触してもよい。
以上の構成によれば、第5電解質部分305と第6電解質部分306とに挟まれる構成部材の側面を第4折曲部分240により覆いながら、第6電解質部分306と第7電解質部分307とに挟まれる構成部材の側面を、第4折曲部分240と第6折曲部分260のうちの少なくとも一方により、覆うことができる。言い換えれば、第6電解質部分306と第7電解質部分307とに挟まれる構成部材の側面のうち、第5折曲部分250により覆われる側面とは異なる側面を、第4折曲部分240と第6折曲部分260のうちの少なくとも一方により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第5電解質部分305と第7電解質部分307とに挟まれる構成部材の側面とが、互いに接触することを、第4折曲部分240および第6折曲部分260により、防ぐことができる。また、電池の側面の一部が第4折曲部分240および第6折曲部分260により覆われることで、電池の構成部材の一部が崩落した場合であっても、第4折曲部分240および第6折曲部分260により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、図27と図29に示されるように、第6折曲部分260は、第6張出部分261を有してもよい。
第6張出部分261は、図27と図29に示されるような、第7電解質部分307よりも第6対極層526が配置される側に張り出す部分(第6折曲部分260の一部)である。
なお、図27に示されるように、第4張出部分242と第6張出部分261とが接触することで、第4折曲部分240と第6折曲部分260とは、互いに、接触してもよい。
もしくは、図28に示されるように、第4張出部分242と第6折曲部分260とが接触することで、第4折曲部分240と第6折曲部分260とは、互いに、接触してもよい。
もしくは、図29に示されるように、第4折曲部分240と第6張出部分261とが接触することで、第4折曲部分240と第6折曲部分260とは、互いに、接触してもよい。
なお、実施の形態2における電池の製造方法は、後述の実施の形態5として、説明される。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3が説明される。上述の実施の形態1または2と重複する説明は、適宜、省略される。
図30は、実施の形態3における電池3000の概略構成を示す図である。
図30(a)は、実施の形態3における電池3000の概略構成を示すx−z図(30A断面図)である。
図30(b)は、実施の形態3における電池3000の概略構成を示すx−y図(30B断面図)である。
実施の形態3における電池3000は、上述の実施の形態1における電池1000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態3における電池3000においては、第1絶縁体110は、第3電解質部分303と、第2折曲部分220と、を有する。
第2折曲部分220は、第2電解質部分302と第3電解質部分303との間に、位置する。
第1絶縁体110が第2折曲部分220において折り曲げられている。これにより、第2電解質部分302と第3電解質部分303とは、互いに対向して、位置する。
実施の形態3における電池3000は、第2電極層512をさらに備える。
第2電解質部分302は、第1表面領域411と、第1裏面領域421と、を有する。
第1裏面領域421は、第1表面領域411の裏面に位置する領域である。
第1対極層521は、第1表面領域411に接して、配置される。
第3電解質部分303は、第2表面領域412と、第2裏面領域422と、を有する。
第2裏面領域422は、第2表面領域412の裏面に位置する領域である。
第2電極層512は、第2表面領域412に接して、配置される。
第1絶縁体110が第2折曲部分220において折り曲げられている。これにより、第1裏面領域421と第2裏面領域422とは、互いに対向して、位置する。
第1裏面領域421と第2裏面領域422とは、互いに、接触する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第2電解質部分302および第3電解質部分303(すなわち、第1絶縁体110の一部の領域であり、かつ、第2折曲部分220により連結している2つの領域)に、それぞれ、第1対極層521と第2電極層512とを、配置することができる。これにより、第1表面領域411に配置される第1対極層521と第2表面領域412に配置される第2電極層512との位置関係を、第2折曲部分220により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。したがって、例えば、第1絶縁体110を用いて積層型電池が構成される場合には、電池を構成する2つの電池セル(素電池)を、第1絶縁体110により、互いに、連結することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各層(または、各素電池)の接合の強度を、第1絶縁体110により、高めることができる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第1折曲部分210が位置する側面を、第1折曲部分210により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第1折曲部分210が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第1折曲部分210により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第1折曲部分210により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第1電極層511に含まれる電極材料、第1対極層521に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第1折曲部分210により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態3における電池3000は、第2対極層522をさらに備えてもよい。
第2対極層522は、第1電極層511および第2電極層512の対極である。
第1絶縁体110は、第4電解質部分304と、第3折曲部分230と、を有してもよい。
第3折曲部分230は、第3電解質部分303と第4電解質部分304との間に、位置する。
第2対極層522は、第4電解質部分304に接して、配置される。
第1絶縁体110が第3折曲部分230において折り曲げられている。これにより、第2電極層512と第2対極層522とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第3折曲部分230により互いに連結される第3電解質部分303と第4電解質部分304とに、それぞれ、第2電極層512と第2対極層522とを、配置することができる。これにより、第3電解質部分303に配置される第2電極層512と第4電解質部分304に配置される第2対極層522との位置関係を、第3折曲部分230により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第2電極層512と第2対極層522)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第3折曲部分230が位置する側面を、第3折曲部分230により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第3折曲部分230が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第3折曲部分230により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第3折曲部分230により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第2電極層512に含まれる電極材料、第2対極層522に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第3折曲部分230により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態3における電池3000は、第1集電体610と、第2集電体620と、をさらに備えてもよい。
第1集電体610は、第1電極層511と第1対極層521との間に、第1電極層511と第1対極層521とに接して、配置される。
第2集電体620は、第2電極層512と第2対極層522との間に、第2電極層512と第2対極層522とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第2電極層512と第1対極層521とを含む発電要素(第1発電要素501)と、他の発電要素(例えば、第1電極層511または第2対極層522を備える発電要素)とを、第1集電体610と第2集電体620とを介して、直列接続で積層することができる。
図31は、実施の形態3における電池3100の概略構成を示すx−z図(断面図)である。
実施の形態3における電池3100は、上述の実施の形態3における電池3000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態3における電池3100は、第3電極層513と、第3対極層523と、をさらに備える。
第3対極層523は、第1電極層511および第2電極層512および第3電極層513の対極である。
第1絶縁体110は、第5電解質部分305と、第6電解質部分306と、第4折曲部分240と、第5折曲部分250と、を有する。
第4折曲部分240は、第4電解質部分304と第5電解質部分305との間に、位置する。
第5折曲部分250は、第5電解質部分305と第6電解質部分306との間に、位置する。
第4電解質部分304は、第3表面領域413と、第3裏面領域423と、を有する。
第3裏面領域423は、第3表面領域413の裏面に位置する領域である。
第2対極層522は、第3表面領域413に接して、配置される。
第5電解質部分305は、第4表面領域414と、第4裏面領域424と、を有する。
第4裏面領域424は、第4表面領域414の裏面に位置する領域である。
第1絶縁体110が第4折曲部分240において折り曲げられている。これにより、第3裏面領域423と第4裏面領域424とは、互いに対向して、位置する。
第3裏面領域423と第4裏面領域424とは、互いに、接触する。
第3電極層513は、第4表面領域414に接して、配置される。
第3対極層523は、第6電解質部分306に接して、配置される。
第1絶縁体110が第5折曲部分250において折り曲げられている。これにより、第3電極層513と第3対極層523とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第4折曲部分240により互いに連結される第4電解質部分304と第5電解質部分305とに、それぞれ、第3電極層513と第2対極層522とを、配置することができる。これにより、第4電解質部分304に配置される第2対極層522と第5電解質部分305に配置される第3電極層513との位置関係を、第4折曲部分240により(言い換えれば、1つの構成部材である第1絶縁体110により)、強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(例えば、第3電極層513と第2対極層522)が位置ずれまたは分離することを防止できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第5折曲部分250が位置する側面を、第5折曲部分250により、覆うことができる。これにより、電池外部に存在しうる部材(例えば、別の電池、など)と、第5折曲部分250が位置する電池の側面とが、互いに接触することを、第5折曲部分250により、防ぐことができる。したがって、電池同士の接触による短絡を抑制できる。また、電池と電池外部に存在しうる部材との接触による電池の側面の部分的な破壊を抑制できる。また、電池の側面の一部が第5折曲部分250により覆われることで、電池の構成部材(例えば、第3電極層513に含まれる電極材料、第3対極層523に含まれる対極材料、など)の一部が崩落した場合であっても、第5折曲部分250により、当該崩落した構成部材が、電池内部の別の単電池セル部分または電池外部に移動することを抑制できる。したがって、電池の構成部材の崩落による、電池内部の短絡を抑制できる。これらにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態3における電池3100は、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、をさらに備えてもよい。
第1集電体610は、第1電極層511と第1対極層521との間に、第1電極層511と第1対極層521とに接して、配置される。
第2集電体620は、第2電極層512と第2対極層522との間に、第2電極層512と第2対極層522とに接して、配置される。
第3集電体630は、第3電極層513と第3対極層523との間に、第3電極層513と第3対極層523とに接して、配置される。
以上の構成によれば、第1絶縁体110を用いて、積層型電池を構成することができる。すなわち、第2電極層512と第1対極層521とを含む第1発電要素501と、第3電極層513と第2対極層522とを含む第2発電要素502とを、第2集電体620を介して、直列接続で積層することができる。すなわち、第1発電要素501と第2発電要素502の各構成部材との位置関係を、第1絶縁体110の各折曲部分により強固に維持しながら、第1発電要素501と第2発電要素502との直列接続により電池電圧を高めることができる。
なお、図31に示されるように、第2折曲部分220と第4折曲部分240の長さは、第1折曲部分210と第3折曲部分230と第5折曲部分250の長さよりも、短くてもよい。もしくは、第2折曲部分220と第4折曲部分240の長さは、第1折曲部分210と第3折曲部分230と第5折曲部分250の長さと、同じか、もしくは、長くてもよい。
なお、第2電解質部分302と第3電解質部分303との構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第4電解質部分304と第5電解質部分305との構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、図31に示されるように、第2電解質部分302と第3電解質部分303とのうちの少なくとも一方(例えば、両方)は、第1集電体610と第2集電体620よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第1集電体610と第2集電体620との短絡を、第2電解質部分302と第3電解質部分303とのうちの少なくとも一方により、防止できる。
また、図31に示されるように、第4電解質部分304と第5電解質部分305とのうちの少なくとも一方(例えば、両方)は、第2集電体620と第3集電体630よりも広い範囲に、配置されてもよい。これにより、第2集電体620と第3集電体630との短絡を、第4電解質部分304と第5電解質部分305とのうちの少なくとも一方により、防止できる。
図32は、実施の形態3における電池3200の概略構成を示す断面図である。
実施の形態3においては、図32に示されるように、4つ以上の発電要素が積層されて、電池が構成されてもよい。
図32に示される電池3200においては、第3集電体630の上に、さらに3つ目以降の発電要素が積層される。複数の発電要素(単電池)が直列に接続されたバイポーラ電池であれば、例えば、高電圧を得ることができる。
実施の形態3における電池を構成する発電要素の積層数は、例えば、2〜200個であってもよい。発電要素の積層数を調整することで、電池の用途(電子機器、電気器具装置、電気車輌、定置蓄電池、など)に応じた出力の調整を実現できる。
図33は、実施の形態3における電池3300の概略構成を示す断面図である。
実施の形態3においては、図33に示されるように、複数の折曲部分(例えば、第1折曲部分210と第3折曲部分230と第5折曲部分250)は、互いに接合されるように、折り曲げ接合されてもよい。これにより、複数の折曲部分を壁状に一体化することができる。このため、複数の発電要素が直列接続された構造を、より強固に保持することができる。
なお、実施の形態3における電池の製造方法は、後述の実施の形態5として、説明される。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4が説明される。上述の実施の形態1から3のいずれかと重複する説明は、適宜、省略される。
図34は、実施の形態4における電池4000の概略構成を示す斜視図である。
図35は、実施の形態4における電池4000の概略構成を示すx−z図(34A断面図)である。
図36は、実施の形態4における電池4000の概略構成を示すy−z図(34B断面図)である。
実施の形態4における電池4000は、上述の実施の形態3における電池3000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態4における電池4000は、第2絶縁体120と、第2対極層522と、第3電極層513と、第3対極層523と、をさらに備える。
第2対極層522と第3対極層523は、第1電極層511および第2電極層512および第3電極層513の対極である。
第2絶縁体120は、第4電解質部分304と、第5電解質部分305と、第6電解質部分306と、第3折曲部分230と、第4折曲部分240と、を有する。
第3折曲部分230は、第4電解質部分304と第5電解質部分305との間に、位置する。
第4折曲部分240は、第5電解質部分305と第6電解質部分306との間に、位置する。
第4電解質部分304は、第3表面領域413と、第3裏面領域423と、を有する。
第3裏面領域423は、第3表面領域413の裏面に位置する領域である。
第5電解質部分305は、第4表面領域414と、第4裏面領域424と、を有する。
第4裏面領域424は、第4表面領域414の裏面に位置する領域である。
第2絶縁体120が第3折曲部分230において折り曲げられている。これにより、第3裏面領域423と第4裏面領域424とは、互いに、対向して位置する。
第4電解質部分304と第5電解質部分305とは、第1電解質部分301と第2電解質部分302との間に、配置される。
第2対極層522は、第3表面領域413に接して、第1電極層511と対向する位置に、配置される。
第3電極層513は、第4表面領域414に接して、第1対極層521と対向する位置に、配置される。
第3対極層523は、第6電解質部分306に接して、配置される。
第2絶縁体120が第4折曲部分240において折り曲げられている。これにより、第2電極層512と第3対極層523とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第4折曲部分240により互いに連結される第5電解質部分305と第6電解質部分306とに、それぞれ、第3電極層513と第3対極層523とを、配置することができる。さらに、第4電解質部分304および第5電解質部分305(すなわち、第2絶縁体120の一部の領域であり、かつ、第3折曲部分230により連結している2つの領域)に、それぞれ、第2対極層522と第3電極層513とを、配置することができる。これにより、それぞれの電極層と対極層とを、互いに、第1折曲部分210から第4折曲部分240のそれぞれにより、強固に連結させることができる。このため、第1発電要素501(すなわち、第3電極層513と第2対極層522とを含む発電要素)と第2発電要素502(すなわち、第2電極層512と第1対極層521とを含む発電要素)とを強固に連結させながら、これらの発電要素が直列接続されてなる電池を実現できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第4折曲部分240が位置する側面(第1折曲部分210が位置する側面とは異なる電池の側面)を、第4折曲部分240により、覆うことができる。これにより、第1折曲部分210と第4折曲部分240とにより、より多くの電池側面を覆うことができる。このため、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態4における電池4000においては、第3裏面領域423と第4裏面領域424とは、互いに、接していてもよい。
なお、実施の形態4における電池4000は、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、をさらに備えてもよい。
第1集電体610は、第1電極層511と第2対極層522の間に、第1電極層511と第2対極層522とに接して、配置される。
第2集電体620は、第3電極層513と第1対極層521の間に、第3電極層513と第1対極層521とに接して、配置される。
第3集電体630は、第2電極層512と第3対極層523の間に、第2電極層512と第3対極層523とに接して、配置される。
以上の構成によれば、それぞれの発電要素を、それぞれの集電体を介して、互いに、直列接続で積層することができる。
図37は、実施の形態4における電池4100の概略構成を示す斜視図である。
図38は、実施の形態4における電池4100の概略構成を示すx−z図(37A断面図)である。
図39は、実施の形態4における電池4100の概略構成を示すy−z図(37B断面図)である。
実施の形態4における電池4100は、上述の実施の形態4における電池4000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態4における電池4100は、第3絶縁体130と、第4電極層514と、第4対極層524と、第5電極層515と、第5対極層525と、を備える。
第4対極層524と第5対極層525は、第1電極層511および第2電極層512および第3電極層513および第4電極層514および第5電極層515の対極である。
第3絶縁体130は、第7電解質部分307と、第8電解質部分308と、第9電解質部分309と、第5折曲部分250と、第6折曲部分260と、を有する。
第5折曲部分250は、第7電解質部分307と第8電解質部分308との間に、位置する。
第6折曲部分260は、第8電解質部分308と第9電解質部分309との間に、位置する。
第7電解質部分307は、第5表面領域415と、第5裏面領域425と、を有する。
第5裏面領域425は、第5表面領域415の裏面に位置する領域である。
第8電解質部分308は、第6表面領域416と、第6裏面領域426と、を有する。
第6裏面領域426は、第6表面領域416の裏面に位置する領域である。
第3絶縁体130が第5折曲部分250において折り曲げられている。これにより、第5裏面領域425と第6裏面領域426とは、互いに、対向して位置する。
第7電解質部分307と第8電解質部分308とは、第5電解質部分305と第2電解質部分302との間に、配置される。
第4電極層514は、第6電解質部分306に接して、配置される。
第4対極層524は、第5表面領域415に接して、第3電極層513と対向する位置に、配置される。
第5電極層515は、第6表面領域416に接して、第1対極層521と対向する位置に、配置される。
第5対極層525は、第9電解質部分309に接して、配置される。
第3絶縁体130が第6折曲部分260において折り曲げられている。これにより、第4電極層514と第5対極層525とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第6折曲部分260により互いに連結される第8電解質部分308と第9電解質部分309とに、それぞれ、第5電極層515と第5対極層525とを、配置することができる。さらに、第7電解質部分307および第8電解質部分308(すなわち、第3絶縁体130の一部の領域であり、かつ、第5折曲部分250により連結している2つの領域)に、それぞれ、第4対極層524と第5電極層515とを、配置することができる。これにより、それぞれの電極層と対極層とを、互いに、第1折曲部分210から第6折曲部分260のそれぞれにより、強固に連結させることができる。このため、第1発電要素501(すなわち、第3電極層513と第2対極層522とを含む発電要素)と第2発電要素502(すなわち、第5電極層515と第4対極層524とを含む発電要素)と第3発電要素503(すなわち、第2電極層512と第1対極層521とを含む発電要素)と第4発電要素504(すなわち、第4電極層514と第3対極層523とを含む発電要素)とを強固に連結させながら、これらの発電要素が直列接続されてなる電池を実現できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第6折曲部分260が位置する側面(第1折曲部分210と第4折曲部分240とが位置する側面とは異なる電池の側面)を、第6折曲部分260により、覆うことができる。これにより、第1折曲部分210と第4折曲部分240と第6折曲部分260とにより、より多くの電池側面を覆うことができる。このため、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態4における電池4100においては、第5裏面領域425と第6裏面領域426とは、互いに、接していてもよい。
なお、実施の形態4における電池4100は、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、第4集電体640と、第5集電体650と、をさらに備える。
第1集電体610は、第1電極層511と第2対極層522の間に、第1電極層511と第2対極層522とに接して、配置される。
第2集電体620は、第3電極層513と第4対極層524の間に、第3電極層513と第4対極層524とに接して、配置される。
第3集電体630は、第5電極層515と第1対極層521の間に、第5電極層515と第1対極層521とに接して、配置される。
第4集電体640は、第2電極層512と第3対極層523の間に、第2電極層512と第3対極層523とに接して、配置される。
第5集電体650は、第4電極層514と第5対極層525の間に、第4電極層514と第5対極層525とに接して、配置される。
以上の構成によれば、それぞれの発電要素を、それぞれの集電体を介して、互いに、直列接続で積層することができる。
図40は、実施の形態4における電池4200の概略構成を示す斜視図である。
図41は、実施の形態4における電池4200の概略構成を示すx−z図(40A断面図)である。
図42は、実施の形態4における電池4200の概略構成を示すy−z図(40B断面図)である。
実施の形態4における電池4200は、上述の実施の形態4における電池4100の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態4における電池4200は、第4絶縁体140と、第6電極層516と、第6対極層526と、第7電極層517と、第7対極層527と、を備える。
第6対極層526と第7対極層527は、第1電極層511および第2電極層512および第3電極層513および第4電極層514および第5電極層515および第6電極層516および第7電極層517の対極である。
第4絶縁体140は、第10電解質部分310と、第11電解質部分311と、第12電解質部分312と、第7折曲部分270と、第8折曲部分280と、を有する。
第7折曲部分270は、第10電解質部分310と第11電解質部分311との間に、位置する。
第8折曲部分280は、第11電解質部分311と第12電解質部分312との間に、位置する。
第10電解質部分310は、第7表面領域417と、第7裏面領域427と、を有する。
第7裏面領域427は、第7表面領域417の裏面に位置する領域である。
第11電解質部分311は、第8表面領域418と、第8裏面領域428と、を有する。
第8裏面領域428は、第8表面領域418の裏面に位置する領域である。
第4絶縁体140が第7折曲部分270において折り曲げられている。これにより、第7裏面領域427と第8裏面領域428とは、互いに、対向して位置する。
第10電解質部分310と第11電解質部分311とは、第8電解質部分308と第2電解質部分302との間に、配置される。
第6電極層516は、第9電解質部分309に接して、配置される。
第6対極層526は、第7表面領域417に接して、第5電極層515と対向する位置に、配置される。
第7電極層517は、第8表面領域418に接して、第1対極層521と対向する位置に、配置される。
第7対極層527は、第12電解質部分312に接して、配置される。
第4絶縁体140が第8折曲部分280において折り曲げられている。これにより、第6電極層516と第7対極層527とは、互いに対向して、位置する。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第8折曲部分280により互いに連結される第11電解質部分311と第12電解質部分312とに、それぞれ、第6電極層516と第7対極層527とを、配置することができる。さらに、第10電解質部分310および第11電解質部分311(すなわち、第4絶縁体140の一部の領域であり、かつ、第7折曲部分270により連結している2つの領域)に、それぞれ、第4対極層524と第5電極層515とを、配置することができる。これにより、それぞれの電極層と対極層とを、互いに、第1折曲部分210から第8折曲部分280のそれぞれにより、強固に連結させることができる。このため、第1発電要素501(すなわち、第3電極層513と第2対極層522とを含む発電要素)と第2発電要素502(すなわち、第5電極層515と第4対極層524とを含む発電要素)と第3発電要素503(すなわち、第6電極層516と第6対極層526とを含む発電要素)と第4発電要素504(すなわち、第2電極層512と第1対極層521とを含む発電要素)と第5発電要素505(すなわち、第4電極層514と第3対極層523とを含む発電要素)と第6発電要素506(すなわち、第6電極層516と第5対極層525とを含む発電要素)とを強固に連結させながら、これらの発電要素が直列接続されてなる電池を実現できる。
また、以上の構成によれば、電池の側面のうち、第8折曲部分280が位置する側面(第1折曲部分210と第4折曲部分240と第6折曲部分260とが位置する側面とは異なる電池の側面)を、第8折曲部分280により、覆うことができる。これにより、第1折曲部分210と第4折曲部分240と第6折曲部分260と第8折曲部分280とにより、より多くの電池側面を覆うことができる。このため、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態4における電池4200においては、第7裏面領域427と第8裏面領域428とは、互いに、接していてもよい。
なお、実施の形態4における電池4200は、第1集電体610と、第2集電体620と、第3集電体630と、第4集電体640と、第5集電体650と、第6集電体660と、第7集電体670と、をさらに備えてもよい。
第1集電体610は、第1電極層511と第2対極層522の間に、第1電極層511と第2対極層522とに接して、配置される。
第2集電体620は、第3電極層513と第4対極層524の間に、第3電極層513と第4対極層524とに接して、配置される。
第3集電体630は、第5電極層515と第6対極層526の間に、第5電極層515と第6対極層526とに接して、配置される。
第4集電体640は、第7電極層517と第1対極層521の間に、第7電極層517と第1対極層521とに接して、配置される。
第5集電体650は、第2電極層512と第3対極層523の間に、第2電極層512と第3対極層523とに接して、配置される。
第6集電体660は、第4電極層514と第5対極層525の間に、第4電極層514と第5対極層525とに接して、配置される。
第7集電体670は、第6電極層516と第7対極層527の間に、第6電極層516と第7対極層527とに接して、配置される。
以上の構成によれば、それぞれの発電要素を、それぞれの集電体を介して、互いに、直列接続で積層することができる。
なお、第4電解質部分304と第5電解質部分305と第6電解質部分306とは、第2絶縁体120の基材に、電解質材料が設けられることで、形成される部分である。
なお、第7電解質部分307と第8電解質部分308と第9電解質部分309とは、第3絶縁体130の基材に、電解質材料が設けられることで、形成される部分である。
なお、第10電解質部分310と第11電解質部分311と第12電解質部分312とは、第4絶縁体140の基材に、電解質材料が設けられることで、形成される部分である。
なお、第1電解質部分301から第12電解質部分312のそれぞれの構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1電解質部分301から第12電解質部分312は、それぞれ、第1電極層511から第7電極層517のいずれよりも広い範囲に、かつ、第1対極層521から第7対極層527のいずれよりも広い範囲に、形成されてもよい。これにより、各電極層と各対極層との直接接触による短絡を防止できる。
なお、第7電解質部分307と第8電解質部分308とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第7電解質部分307と第8電解質部分308との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第5折曲領域750となる。第5折曲部分250は、第5折曲領域750が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第8電解質部分308と第9電解質部分309とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第8電解質部分308と第9電解質部分309との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第6折曲領域760となる。第6折曲部分260は、第6折曲領域760が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第10電解質部分310と第11電解質部分311とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第10電解質部分310と第11電解質部分311との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第7折曲領域770となる。第7折曲部分270は、第7折曲領域770が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第11電解質部分311と第12電解質部分312とは、互いに、所定の間隔を空けて、島状に配置されてもよい。このとき、第11電解質部分311と第12電解質部分312との間に位置する基材の部分(電解質材料が配置されない部分)は、第8折曲領域780となる。第8折曲部分280は、第8折曲領域780が折り曲げられることで形成される部分である。
なお、第1折曲部分210から第8折曲部分280のそれぞれの構成(例えば、厚み、面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、第7電極層517は、電極材料(例えば、活物質)を含む層である。第1電極層511から第7電極層517のそれぞれの構成(例えば、厚み、形成面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1電極層511から第7電極層517は、それぞれ、第1集電体610から第7集電体670のいずれよりも狭い範囲に、形成されてもよい。
なお、第7対極層527は、電極材料(例えば、活物質)を含む層である。第1対極層521から第7対極層527のそれぞれの構成(例えば、厚み、形成面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1対極層521から第7対極層527は、それぞれ、第1集電体610から第7集電体670のいずれよりも狭い範囲に、形成されてもよい。
また、第7集電体670は、導電性を有する部材である。第1集電体610から第7集電体670のそれぞれの構成(例えば、各層の厚み、形成面積、形状、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第6発電要素506は、例えば、充電および放電の特性を有する発電部(例えば、二次電池)である。例えば、第6発電要素506は、単電池セルであってもよい。
なお、第6発電要素506は、固体電解質を含んでもよい。すなわち、第6発電要素506は、全固体電池であってもよい。
なお、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513と第4電極層514と第5電極層515と第6電極層516と第7電極層517は負極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は負極活物質である。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630と第4集電体640と第5集電体650と第6集電体660と第7集電体670はバイポーラ集電体である。第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523と第4対極層524と第5対極層525と第6対極層526と第7対極層527は正極活物質層である。対極材料は正極活物質である。このとき、第1電解質部分301(例えば、第1電解質部分301の主面のうちの第1電極層511が配置されない主面)に接して、正極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該正極活物質層に接して、正極集電体が配置されてもよい。また、第12電解質部分312(例えば、第12電解質部分312の主面のうちの第7対極層527が配置されない主面)に接して、負極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該負極活物質層に接して、負極集電体が配置されてもよい。
もしくは、第1電極層511と第2電極層512と第3電極層513と第4電極層514と第5電極層515と第6電極層516と第7電極層517は正極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は正極活物質である。第1集電体610と第2集電体620と第3集電体630と第4集電体640と第5集電体650と第6集電体660と第7集電体670はバイポーラ集電体である。第1対極層521と第2対極層522と第3対極層523と第4対極層524と第5対極層525と第6対極層526と第7対極層527は負極活物質層である。対極材料は負極活物質である。このとき、第1電解質部分301(例えば、第1電解質部分301の主面のうちの第1電極層511が配置されない主面)に接して、負極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該負極活物質層に接して、負極集電体が配置されてもよい。また、第12電解質部分312(例えば、第12電解質部分312の主面のうちの第7対極層527が配置されない主面)に接して、正極活物質層が配置されてもよい。さらに、当該正極活物質層に接して、正極集電体が配置されてもよい。
なお、実施の形態4における電池の製造方法は、後述の実施の形態5として、説明される。
なお、実施の形態1から4においては、積層電池の側面(例えば、各絶縁部分よりも外側の部分)の一部(または、全部)は、各絶縁部分とは異なる絶縁材料(例えば、封止材)で被覆されてもよい。これにより、直列接続された発電要素を、より強固に封止することができる。このとき、封止材は、例えば、防湿性のラミネートシートであってもよい。これにより、発電要素が水分によって劣化することを、封止材によって、防止できる。また、積層電池は、封止ケースに内包されてもよい。封止ケースとしては、一般に公知の電池用ケース(例えば、ラミネート袋、金属缶、樹脂ケース、など)が用いられうる。
また、実施の形態1から4における電池は、一対の外部電極をさらに備えてもよい。一対の外部電極は、積層電池の全体が封止材により封止される場合には、積層電池の上下面(または、側面)の外側に突出してもよい。外部電極の一方は、例えば、積層電池の一方の端に位置する集電体に接続されてもよい。このとき、外部電極のもう一方は、例えば、積層電池のもう一方の端に位置する集電体に接続されてもよい。これにより、一対の外部電極に接続される負荷への放電、および、一対の外部電極に接続される充電装置により電池(各発電要素)の充電が可能となる。
(実施の形態5)
以下、実施の形態5が説明される。上述の実施の形態1から4のいずれかと重複する説明は、適宜、省略される。
図43は、実施の形態5における電池製造装置5000の概略構成を示す図である。
実施の形態5における電池製造装置5000は、電極層形成部810と、対極層形成部820と、絶縁体折曲部830と、集電体形成部840と、を備える。
電極層形成部810は、各絶縁体に、各電極層を形成する。各電極層の形成位置は、上述の実施の形態1から4のいずれかにおいて説明された位置である。
対極層形成部820は、各絶縁体に、各対極層を形成する。各対極層の形成位置は、上述の実施の形態1から4のいずれかにおいて説明された位置である。
絶縁体折曲部830は、各絶縁体(すなわち、各折曲領域)を折り曲げる。絶縁体折曲部830は、各折曲領域を折り曲げることで、各折曲部分を形成する。
集電体形成部840は、集電体を形成する。各集電体の形成位置は、上述の実施の形態1から4のいずれかにおいて説明された位置である。
図44は、実施の形態5における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
実施の形態5における電池製造方法は、実施の形態5における電池製造装置を用いた電池製造方法である。例えば、実施の形態5における電池製造方法は、実施の形態5における電池製造装置において実行される電池製造方法である。
実施の形態5における電池製造方法は、第1絶縁体準備工程S1101と、集電体形成工程S1200と、折曲領域折曲工程S1300と、を包含する。
第1絶縁体準備工程S1101は、電極層形成部810と対極層形成部820とにより、第1絶縁体110に、各電極層と各対極層を形成する工程である。
集電体形成工程S1200は、集電体形成部840により、各集電体を形成する工程である。
折曲領域折曲工程S1300は、絶縁体折曲部830により、各折曲領域を折り曲げる工程である。
以下に、実施の形態5における電池製造方法の具体的な一例が、説明される。
図45は、実施の形態5における第1絶縁体110の一例の概略構成を示す図である。
図45(a)は、実施の形態5における第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−z図(45A断面図)である。
図45(b)は、実施の形態5における第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−y図(上面図)である。
図46は、集電体形成工程S1200と折曲領域折曲工程S1300の一例を示す図である。
第1絶縁体準備工程S1101が実行されることで、図45に示される第1絶縁体110に、図46に示されるように、各電極層と各対極層とが形成される。このとき、各電極層と各対極層とは、第1絶縁体110の両面に、形成される。
電極層形成部810は、例えば、塗工材料(すなわち、各電極層を構成する電極材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、予め準備された第1絶縁体110の主面に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、各電極層における材料の密度を高めることができる。
対極層形成部820は、例えば、塗工材料(すなわち、各対極層を構成する対極材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、予め準備された第1絶縁体110の主面に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、各対極層における材料の密度を高めることができる。
集電体形成工程S1200が実行されることで、図46に示されるように、各電極層と各対極層との間に、各集電体が形成される。
集電体形成部840は、例えば、予め準備された集電体となる部材(例えば、集電体板)を、所定の大きさに加工してもよい。その後、加工された集電体板を、各電極層と各対極層との間に、配置してもよい。
折曲領域折曲工程S1300が実行されることで、図46に示されるように、各折曲領域が折り曲げられる。これにより、各電極層と各対極層とは、互いに対向して、配置される。さらに、各折曲領域が折り曲げられることで、各折曲部分が形成される。
絶縁体折曲部830は、例えば、第1折曲用部材910と第2折曲用部材920と第3折曲用部材930(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)を備えてもよい。このとき、絶縁体折曲部830は、各折曲領域に各折曲用部材を当てて、第1絶縁体110と折曲用部材とのうちの少なくとも一方を移動させることで、各折曲領域を折り曲げてもよい。
以上の構成によれば、簡便な折り畳みプロセスで、バイポーラ構造の電極が積層された積層電池を作製できる。すなわち、各発電要素が直列に積層された積層電池を、簡便な工程により、作製することができる。これにより、個別に分離された複数のバイポーラ構造の電極を積層するプロセスを用いる場合と比較して、各構成部材の位置ずれを抑制しながら、簡便かつ低コストに、直列構造の積層電池を作製できる。
以上の実施の形態5における電池製造方法の具体的な一例によれば、上述の実施の形態1における電池を作製することができる。
以下に、実施の形態5における電池製造方法の具体的な別の一例が、説明される。
図47は、実施の形態5における第1絶縁体110の一例の概略構成を示す図である。
図47(a)は、実施の形態5における第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−z図(47A断面図)である。
図47(b)は、実施の形態5における第1絶縁体110の一例の概略構成を示すx−y図(上面図)である。
図48は、集電体形成工程S1200と折曲領域折曲工程S1300の一例を示す図である。
第1絶縁体準備工程S1101が実行されることで、図47に示される第1絶縁体110に、図48に示されるように、各電極層と各対極層とが形成される。このとき、各電極層と各対極層とは、第1絶縁体110の片面のみに、形成される。
集電体形成工程S1200が実行されることで、図48に示されるように、各電極層と各対極層との間に、各集電体が形成される。
折曲領域折曲工程S1300が実行されることで、図48に示されるように、各折曲領域が折り曲げられる。これにより、各電極層と各対極層とは、互いに対向して、配置される。さらに、各折曲領域が折り曲げられることで、各折曲部分が形成される。さらに、第1裏面領域421と第2裏面領域422とが、互いに対向して、かつ、互いに接触して、配置される。
以上の構成によれば、簡便な片面成膜のプロセスで、バイポーラ構造の電極が積層された積層電池を作製できる。すなわち、各発電要素が直列に積層された積層電池を、簡便な工程により、作製することができる。これにより、個別に分離された複数のバイポーラ構造の電極を積層するプロセスを用いる場合と比較して、各構成部材の位置ずれを抑制しながら、簡便かつ低コストに、直列構造の積層電池を作製できる。
以上の実施の形態5における電池製造方法の具体的な一例によれば、上述の実施の形態3における電池を作製することができる。
図49は、実施の形態5における電池製造装置5100の概略構成を示す図である。
実施の形態5における電池製造装置5100は、上述の実施の形態5における電池製造装置5000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態5における電池製造装置5100は、積層部850を備える。
積層部850は、各絶縁体どうしを積層する。各絶縁体の積層位置は、上述の実施の形態2または4において説明された位置である。
図50は、実施の形態5における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図50に示される電池製造方法は、上述の図44に示される電池製造方法の工程に加えて、下記の工程をさらに備える。
すなわち、図50に示される電池製造方法は、第2絶縁体準備工程S1102と、積層工程S2000と、をさらに包含する。
第2絶縁体準備工程S1102は、電極層形成部810と対極層形成部820とにより、第2絶縁体120に、各電極層と各対極層を形成する工程である。なお、各電極層と各対極層の形成方法は、第1絶縁体準備工程S1101における形成方法と、同じであってもよい。
積層工程S2000は、積層部850により、第1絶縁体110と第2絶縁体120とを積層する工程である。
図51は、積層工程S2000と折曲領域折曲工程S1300の一例を示すx−y図(上面図)である。
上述の図50に示される電池製造方法が実施されることにより、第1絶縁体110と第2絶縁体120とが積層される。例えば、図51の(a)と(b)に示されるように、第1絶縁体110と第2絶縁体120とが直交するように配置されて積層される。その後、図51の(c)〜(j)に示されるように、第1絶縁体110と第2絶縁体120の各折曲部分が、交互に、折り畳まれる。
以上の実施の形態5における電池製造方法によれば、上述の実施の形態2における電池を作製することができる。
なお、図51に示されるように、各部材の形状(および、電極層と対極層と電解質部分の形成範囲)は、正方形であってもよい。
図52は、第1絶縁体110と第2絶縁体120の積層の一例を示すx−y図(上面図)である。
図52に示されるように、各部材の形状(および、電極層と対極層と電解質部分の形成範囲)は、長方形であってもよい。このように、各部材の形状を正方形ではない形状(例えば、長方形などの矩形)とすることで、これらが積層されて成る積層電池の形状を任意に設計できる。
図52(a)に示される第1絶縁体110と第2絶縁体120とは、図52(b)に示されるように、積層されてもよい。
図53は、実施の形態5における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図53に示される電池製造方法は、上述の図50に示される電池製造方法の工程に加えて、下記の工程をさらに備える。
すなわち、図53に示される電池製造方法は、第3絶縁体準備工程S1103と、第4絶縁体準備工程S1104と、をさらに包含する。
第3絶縁体準備工程S1103は、電極層形成部810と対極層形成部820とにより、第3絶縁体130に、各電極層と各対極層を形成する工程である。なお、各電極層と各対極層の形成方法は、第1絶縁体準備工程S1101における形成方法と、同じであってもよい。
第4絶縁体準備工程S1104は、電極層形成部810と対極層形成部820とにより、第4絶縁体140に、各電極層と各対極層を形成する工程である。なお、各電極層と各対極層の形成方法は、第1絶縁体準備工程S1101における形成方法と、同じであってもよい。
このとき、積層工程S2000においては、積層部850により、第1絶縁体110と第2絶縁体120と第3絶縁体130と第4絶縁体140とが積層される。
以上の実施の形態5における電池製造方法によれば、上述の実施の形態4における電池を作製することができる。
図54は、実施の形態5における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図54に示される電池製造方法は、上述の図53に示される電池製造方法と、下記の点で異なる。
すなわち、図54に示される電池製造方法においては、積層工程S2000は、折曲領域折曲工程S1300の後に、実行される。
図55は、積層工程S2000の一例を示す図である。
図55に示されるように、2個の櫛形構造の電極ストリップ(第1絶縁体110および第2絶縁体120)を図55(a)に示される上下関係で、かつ、例えば、180度ずらした向き(もしくは、90度ずらした向き)で、互いに差し込んでもよい。これにより、図55(b)に示される積層構造が得られる。差し込みのための各集電体の移動は、例えば、上述の折曲用部材(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)を用いて、実現されてもよい。それぞれ個別の部材である2個の電極ストリップを用いることにより、1つの電極ストリップあたりのバイポーラ電極の必要数を減らすことができる。これにより、製造プロセスをより容易にできる。また、積層電池の強度を向上できる。例えば、積層電池の側面からの機械的衝撃に対する強度を、より向上させることができる。
以上の構成によれば、簡便な折り畳みプロセスと積層プロセス(差し込みプロセス)により、バイポーラ構造の電極が積層された積層電池を作製できる。すなわち、長い電極ストリップを直交させて交互に折り畳む方法と比較して、差し込みプロセスを用いることで、プロセスタクトを短くできる。このため、プロセスタクトを短くするための高速の折り畳みが不要にできる。これにより、高速の折り畳み時の折り畳み位置ずれを抑制できる。また、折り畳み対象の電池部材の損傷を抑制できる。
図56は、実施の形態5における電池製造装置5200の概略構成を示す図である。
実施の形態5における電池製造装置5200は、上述の実施の形態5における電池製造装置5100の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態5における電池製造装置5200は、折曲部分加工部860を備える。折曲部分加工部860は、各折曲部分を加工する。
折曲部分加工部860は、例えば、張出部分形成用部材(例えば、プレス板、ローラー、など)を備えてもよい。このとき、折曲部分加工部860は、各折曲部分に張出部分形成用部材を押し当てることで、各張出部分を形成してもよい。例えば、折曲部分加工部860は、各張出部分を互いに接触させることで、複数の絶縁部分を壁状に一体化してもよい。これにより、複数の折曲部分を壁状に一体化することができる。このため、複数の発電要素が直列接続された構造を、より強固に保持することができる。
もしくは、折曲部分加工部860は、例えば、各折曲部分を収縮させてもよい。これにより、折曲部分を収縮させることで、折曲部分による電池の構成部材の間の接合を、より強固にすることができる。
図57は、折曲部分の収縮の一例を示す図である。
折曲部分加工部860は、例えば、折曲部分収縮用部材(例えば、加熱装置、など)を備えてもよい。また、各折曲部分は、熱収縮材料を含んでいてもよい。このとき、折曲部分加工部860は、加熱装置により、図57(a)に示される各折曲部分を加熱して、熱収縮材料を収縮させてもよい。これにより、各折曲部分は、図57(b)に示されるように、熱収縮されてもよい。
もしくは、折曲部分加工部860は、例えば、折曲部分を除去してもよい。これにより、電池の体積エネルギー密度および重量エネルギー密度を、より向上させることができる。
図58は、折曲部分の除去の一例を示す図である。
折曲部分加工部860は、例えば、各折曲部分の折曲工程の後などにおいて、各折曲部分の一部(または、全ての折曲部分)を、除去(例えば、切断)してもよい。例えば、図58(a)に示される折曲部分の一部を切断することで、図58(b)に示される構成が作製される。
なお、実施の形態5においては、電極層形成部810と対極層形成部820は、それぞれ、例えば、塗工材料(例えば、電極材料、対極材料、など)を吐出する吐出機構(例えば、吐出口)、吐出機構に塗工材料を供給する供給機構(例えば、タンクおよび供給管)、塗工対象などを移動させる移動機構(例えば、ローラー)、加圧圧迫するプレス機構(例えば、プレス台およびシリンダ)、など、を備えてもよい。これらの機構については、一般に公知の装置および部材が、適宜、用いられうる。
なお、実施の形態5においては、絶縁体折曲部830は、例えば、折曲対象を折り曲げる折曲機構(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)、折曲対象などを移動させる移動機構(例えば、ローラー)、など、を備えてもよい。これらの機構については、一般に公知の装置および部材が、適宜、用いられうる。
なお、実施の形態5においては、集電体形成部840は、例えば、集電体を移動させる移動機構(例えば、ローラー)、集電体の位置を調整する調整機構、など、を備えてもよい。これらの機構については、一般に公知の装置および部材が、適宜、用いられうる。
なお、実施の形態5においては、積層部850は、例えば、積層対象(例えば、絶縁体)などを移動させる移動機構(例えば、ローラー)、積層対象の位置を調整する調整機構、など、を備えてもよい。これらの機構については、一般に公知の装置および部材が、適宜、用いられうる。
なお、実施の形態5における電池製造装置は、制御部800を、さらに備えてもよい。制御部800は、電極層形成部810と対極層形成部820と絶縁体折曲部830と集電体形成部840と積層部850と折曲部分加工部860の動作を制御する。
制御部800は、例えば、プロセッサとメモリとにより、構成されてもよい。当該プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro−Processing Unit)などであってもよい。このとき、当該プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、本開示で示される制御方法(電池製造方法)を実行してもよい。
なお、実施の形態5における電池製造方法においては、電極層と対極層と電解質部分とは、塗工工法だけでなく、他の工法(例えば、順次積層、貼り合わせ、転写、など)、または、塗工工法と他の工法との組合せ工法、などにより、形成されてもよい。
なお、実施の形態5における電池製造方法においては、各絶縁部分の折曲工程の後などにおいて、プレス機などにより、各発電要素を加圧プレスしてもよい。これにより、高充填密度化および密着性の強化が実現できる。すなわち、各層の積層方向において、加圧圧迫することにより、各層が緻密となり、かつ、互いに良好な接合状態とすることができる。また、積層加圧を実施する場合は、各層の面積と厚みが均一であってもよい。これにより、各層にかかる圧力が一定となり、緻密に充填されつつ、かつ、均一に密着することが可能となる。本開示の電池であれば、各層の厚みと面積とが実質的に均一とすることができる。このため、各単位電池の電池特性を均一にすることができる。これにより、安定的に高容量化された直列型の積層電池を実現できる。