以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態における自動販売機10の外観を例示する概略図である。
自動販売機10は、利用者に対して複数の商品を販売可能な自動販売装置を構成する。例えば、自動販売機10は、飲み物、食べ物、タバコ、日用品、又は雑誌などの商品を販売する。
本実施形態の自動販売機10は、会社の福利厚生の一環として会社の敷地内に配置され、会社員に対してコンビニエンスストアで販売されているような多数の商品を提供する。そして自動販売機10は、会社員の生活習慣、例えば、朝食を取らずに出勤するような生活習慣、又は、残業が多く時間を有効活用できないような生活習慣を改善させるために、就業時間よりも早く出勤した会社員に対しては無料又は割引価格で商品を提供可能にする。
自動販売機10は、商品ディスプレイ1と、R/W部2と、商品選択ボタン3と、硬貨投入口4と、紙幣挿入口5と、返却レバー6と、つり銭口7と、商品取出口8と、を備える。
商品ディスプレイ1には、互いに異なる複数の商品が配置される。例えば、飲み物、おにぎり、パン、お菓子及びヨーグルトなどの互いに異なる属性ごとに複数の商品が商品ディスプレイ1に配置される。本実施形態では、各商品の周囲の特定箇所に商品を識別するための番号が付されている。
R/W部2は、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)又はBluetooth(登録商標)などの通信技術を用いて、非接触近距離通信により通信相手と情報の読み書きを行う。例えば、R/W部2と通信相手との距離が10cm以内になると、非接触近距離通信が行われる。R/W部2は、自動販売機10の利用者が携帯する記憶媒体又は携帯端末などの通信相手から、あらかじめ定められた情報を読み取る。また、R/W部2は、記憶媒体又は携帯端末に対して利用者に関する情報を書き込むことも可能である。
上述の記憶媒体としては、例えば、交通機関から提供される交通機関カード、金融機関から提供されるキャッシュカード、又は社員カードなどのICカードが挙げられる。また、携帯端末としては、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、利用者の活動量を測定する活動量計又は利用者の心拍を測定する心拍数計などの携帯可能な測定器、或いは、測定器の機能を有する腕時計などが挙げられる。ここで、活動量計は、利用者の活動量を測定する目的に特化した専用の装置に限定されない。すなわち、活動量計は、スマートフォンなどの他の目的を達成するために用いられる装置において、利用者の活動量を測定する一機能によって実現されてもよい。
商品選択ボタン3は、商品ディスプレイ1に配置された商品ごとに、その商品を購入可能にする選択ボタンが備えられている。例えば、選択ボタンの各々には、商品ディスプレイ1の各商品に付された番号と同一の番号が付されている。
硬貨投入口4は、商品ディスプレイ1の商品を購入するために利用者により硬貨が投入される投入口である。
紙幣挿入口5は、商品ディスプレイ1の商品を購入するために利用者により紙幣が挿入される挿入口である。
返却レバー6は、金銭が返却されるよう利用者によって操作されるレバーである。
つり銭口7は、利用者が返却レバー6を回すことで、つり銭が利用者に返却される返却口である。
商品取出口8は、商品選択ボタン3によって選択された商品を取り出すための取出口である。
図2は、本実施形態における自動販売システム100の構成例を示す図である。
自動販売システム100は、利用者を特定して商品を販売可能にする自動販売機10と、利用者の個人認証に必要となる識別情報を有する携帯可能な活動量計20と、利用者の購入商品及び利用者の健康管理情報を管理する管理サーバ30と、を備える。
自動販売機10は、活動量計20の識別情報を読み取ると、その識別情報を用いて管理サーバ30にアクセスし、管理サーバ30に記憶された情報を用いて、商品ディスプレイ1に設置された商品のうち提供可能な商品を選定する。
自動販売機10は、通信部21と、商品提供制御部22と、金銭処理部23と、商品報知部24と、商品選択部25と、商品処理部26と、制御部27と、を備える。本実施形態では、通信部21及び商品提供制御部22がR/W部2に備えられており、R/W部2に対して活動量計20がかざされる。
通信部21は、活動量計20及び管理サーバ30の双方と通信を行う。通信部21は、活動量計20から利用者の識別情報を読み取り、読み取った識別情報を管理サーバ30に送信する。本実施形態では、活動量計20には個体を識別可能な個体情報、例えばシリアル番号が貼付されており、通信部21は、活動量計20に貼付された個体情報を識別情報として活動量計20から読み取る。
そして通信部21は、活動量計20の識別情報を管理サーバ30に送信した後に管理サーバ30から利用者の認証結果を受信する。さらに通信部21は、管理サーバ30から、利用者の購入資格に関する購入資格情報を受信する。ここにいう購入資格情報は、利用者が特定の条件で商品を購入できる資格を有しているか否かを判定するために用いられる。
上述の購入資格情報には、利用者の購入資格の有無、又は、その判定に必要な情報が示されている。購入資格の有無については、例えば、福利厚生を受けるための会員登録の有無、購入時間帯、又は、購入回数などの条件に基づいて判定が行われる。あるいは、利用者の性別、年齢、身長又は役職などの属性情報に基づいて購入資格の判定を行うようにしてもよい。
さらに通信部21は、管理サーバ30から、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たしているか否かを判定するための判定情報を受信する。健康管理情報は、利用者の健康管理に用いられる情報である。健康管理情報としては、例えば、利用者の生体情報、利用者の健康診断結果、利用者の喫食情報、又は、管理サーバ30に利用者の生体情報又は喫食情報が記録されるときなどに付与されるポイント数などが挙げられる。ポイント数は、利用者の健康管理に対する意識の度合いと相関のある指標であり、例えば、生体情報の測定、及び、スマートフォンなどによる喫食情報のアップなどを頻繁に行っている人に対して報奨を与えるために用いられる。
上述の判定情報は、利用者が健康管理に対して意欲的であるか否かを判定するために用いられる。本実施形態の判定情報には、健康管理情報に対する判定結果が示されている。なお、判定情報は、健康管理の判定に必要となる情報であってもよく、例えば、管理サーバ30に記憶された健康管理情報とその健康管理情報に関する閾値とが判定情報として用いられてもよい。
通信部21は、管理サーバ30から受信した購入資格情報、及び健康管理に関する判定情報を商品提供制御部22に出力する。
商品提供制御部22は、通信部21を用いて活動量計20の識別情報を取得すると、その識別情報を管理サーバ30に送信するよう通信部21に指示する。
商品提供制御部22は、通信部21からの購入資格情報に基づいて、商品ディスプレイ1に配置された商品のうち、健康な生活を送るために必要な栄養を摂取するための商品の一群である基本商品群の提供を許可する。基本商品群は、所定の商品の一群である第1商品群である。基本商品群としては、例えば、サンドイッチ、及び、おにぎりなどが選定される。
また、商品提供制御部22は、通信部21からの健康管理に関する判定情報に基づいて、基本商品群とは異なる付加商品群の販売を許可する。付加商品群は、例えば、利用者が喜ぶような特定の商品の一群である第2商品群である。付加商品群としては、例えば、お菓子、ジュース、日用品、基本商品群に比べて高価な商品、又は基本商品群に比べて栄養素が高い商品などが選定される。
本実施形態の商品提供制御部22は、基本商品群及び付加商品群の双方について優遇価格での提供を許可する。優遇価格は、会社により通常価格の一部又は全部が負担された価格である。なお、商品提供制御部22は、基本商品群を割引価格で販売し、付加商品群を基本商品群よりも安い価格又は無料での提供を許可するものであってもよい。
金銭処理部23は、利用者により硬貨投入口4に投入された硬貨の金額と、利用者により紙幣挿入口5に挿入された紙幣の金額とを特定する。金銭処理部23は、商品ディスプレイ1に配置された商品のうち、特定した金額以下に設定された価格の商品について販売を許可する。なお、金銭処理部23で特定された金額以下の商品を特定する処理は、商品処理部26により実行されてもよい。
金銭処理部23は、商品ディスプレイ1に配置された商品の価格を示す価格テーブルを保持する。価格テーブルには、商品ディスプレイ1に配置された商品ごとに通常価格、及び優遇価格が互いに対応付けて格納されている。本実施形態では、全ての商品の優遇価格がゼロに設定されている。なお、価格テーブルには、商品ディスプレイ1に配置された各商品に対して、一律の割引料又は一律の割引率が設定されていてもよい。
商品報知部24は、商品ディスプレイ1に配置された商品のうち、商品提供制御部22で許可された商品群、又は金銭処理部23で販売が許可された商品を報知する。例えば、商品報知部24は、商品提供制御部22により上述の基本商品群の提供が許可された場合には、基本商品群が提供可能であることを報知する。一方、商品報知部24は、商品提供制御部22により上述の付加商品群の提供が許可された場合には、商品ディスプレイ1に配置された商品のうち、少なくとも付加商品群が提供可能であることを報知する。
商品報知部24は、商品が提供可能であることを報知するために、商品選択ボタン3に配置された複数の選択ボタンのうち、提供可能な商品群に属する各商品の選択ボタンを点灯させる。あるいは、商品ディスプレイ1に配置された各商品の近傍に商品ランプを設けて、提供可能な商品に対応する商品ランプを商品報知部24が点灯させるようにしてもよい。または、商品選択ボタン3に表示画面を設けて、提供可能な商品の番号又は名称をその表示画面に表示するようにしてもよい。
商品選択部25は、提供可能な商品の選択ボタンの中から、利用者によって押下された選択ボタンを検出し、検出した選択ボタンに対応する商品を特定する。
商品処理部26は、商品選択部25で特定された商品を、商品ディスプレイ1又は自動販売機10の内部に形成された保管場所から、商品選択部25で特定された商品を搬出する処理を実行する。これにより、商品選択部25で特定された商品が商品取出口8に搬出される。保管場所は、例えば、商品が納入されるケースなどである。また、商品処理部26は、商品選択部25で特定された商品を示す購入情報を生成し、管理サーバ30に送信することを、制御部27を介して通信部21に指示する。
制御部27は、中央演算処理装置と記憶装置と入力インターフェースとこれらを相互に接続するバスとで構成される。制御部27は、記憶装置に記憶された制御プログラムを読み出して中央演算処理装置に実行させることにより、入力インターフェースを介して自動販売機10の各部を制御する。なお、制御部27以外の各部に代えて、制御部27を構成する中央演算処理装置が、通信部21、商品提供制御部22、金銭処理部23、商品報知部24、商品選択部25、及び商品処理部26などの機能を実行してもよい。
制御部27は、基本商品群又は付加商品群の提供が許可された場合には、商品報知部24を用いて商品提供制御部22で許可された商品群を報知する。そして制御部27は、商品処理部26を用いて商品選択部25で特定された商品を商品ディスプレイ1から商品取出口8へ搬出する。また、制御部27は、商品選択部25で特定された商品を示す販売情報を、R/W部2を介して管理サーバ30に送信する。
図3は、本実施形態における管理サーバ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
管理サーバ30は、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段を構成する。管理サーバ30は、通信部31と、ユーザ認証管理部32と、ユーザ健康情報管理部33と、購入資格管理部34と、商品群選定部35と、ユーザ購入情報管理部36と、商品情報管理部37と、記憶部38と、制御部39と、を備える。
通信部31は、ネットワークを介して自動販売機10及び活動量計20の双方と通信を行う。
通信部31は、自動販売機10から活動量計20の識別情報を受信し、活動量計20にて測定された測定情報を受信する。その後、通信部31は、上述の購入資格情報及び健康管理に関する判定情報を自動販売機10に送信する。
代替的に、通信部31は、自動販売機10を介することなく活動量計20から直接、活動量計20自身の識別情報を受信する。例えば、自動販売機10とは異なる通信装置によって活動量計20の識別情報及び測定情報が管理サーバ30に送信される。そして通信部31は、自動販売機10とは異なる通信装置から活動量計20の識別情報及び測定情報を受信する。
ユーザ認証管理部32は、通信部31で受信された識別情報を用いて、活動量計20の利用者を特定する。ユーザ認証管理部32は、通信部31からの識別情報を取得すると、その識別情報に基づいて、記憶部38に記憶された認証テーブルを参照し、自動販売機10の利用者を認証する個人認証処理を行う。認証テーブルには、例えば、活動量計20の識別情報ごとに活動量計20の利用者を特定するための利用者特定情報(例えば利用者ID)が対応付けられている。
ユーザ認証管理部32は、通信部31からの識別情報が認証テーブルに存在する場合には、識別情報に対応付けられた利用者特定情報を取得するとともに、利用者の認証が成功した旨を示す認証結果を生成する。一方、ユーザ認証管理部32は、通信部31からの識別情報が認証テーブルに存在しない場合には、認証が失敗した旨を示す認証結果を生成する。ユーザ認証管理部32は、認証結果を自動販売機10に送信するよう通信部31に指示する。
ユーザ健康情報管理部33は、通信部31により受信された測定情報を取得すると、その測定情報を記憶部38に記憶された健康管理テーブルに蓄積する。
上述の健康管理テーブルには、例えば、利用者の歩数、活動量、血圧、体重、及び体脂肪などの少なくとも1つの指標を示す生体情報が健康管理情報として利用者特定情報ごとに対応付けられており、各指標の測定値が時系列に格納される。また、健康管理テーブルには、利用者の性別、年齢、身長、及び役職などの属性情報についても利用者特定情報ごとに格納されている。
本実施形態のユーザ健康情報管理部33は、ユーザ認証管理部32により利用者特定情報が取得されると、その利用者特定情報に関連付けて通信部31からの測定情報を記憶部38の健康管理テーブルに格納する。
購入資格管理部34は、ユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に基づいて、記憶部38に記憶された優遇管理テーブルを参照し、活動量計20の利用者が無料で商品を取得できるか否かを判定する。優遇管理テーブルには、会員登録の有無、購入可能時間帯、及び累積購入金額などの優遇条件が利用者特定情報ごとに対応付けて格納されている。
上述の購入可能時間帯は、例えば、利用者の生活習慣が改善されるよう、午前6時から午前8時までの期間帯に設定される。購入可能時間帯は、利用者の属性情報又は測定情報に応じてひとりずつ変更してもよいし、全員同一の時間帯に設定してもよい。累積購入金額は、1日、1週間、又は1ヶ月などの所定の期間内に自動販売機10にて無料で取得した商品の通常価格を累積した金額である。また、優遇管理テーブルに格納される優遇条件には、累積購入金額の代わりに、無料で取得した商品の累積個数、又は、割引価格で取得した商品の差額(優遇された価格)が設定されていてもよい。
例えば、購入資格管理部34は、ユーザ認証管理部32により利用者特定情報が取得されると、その利用者特定情報に対応付けられた優遇条件に基づいて、活動量計20の利用者が無料で商品の提供を受けるための購入資格を有しているか否かを判定する。
購入資格管理部34は、利用者が購入資格を有していると判定した場合には、その旨を示す購入資格情報を生成し、利用者が購入資格を有していないと判定した場合には、その旨を示す購入資格情報を生成する。購入資格管理部34は、生成した購入資格情報を自動販売機10に送付するよう通信部31に指示する。
商品群選定部35は、健康管理情報を用いて自動販売機10により提供される商品群を選定する。商品群選定部35は、ユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に基づいて、健康管理テーブルを参照し、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。
例えば、商品群選定部35は、ユーザ認証管理部32により利用者特定情報が取得されると、その利用者特定情報に対応付けられた健康管理情報のうち少なくとも利用者の活動量が所定の健康閾値を超えているか否かを判定する。
そして、商品群選定部35は、健康管理情報に含まれる最新又は過去の情報と、所定の健康閾値との比較結果(大小関係)に基づいて、所定の条件を満たすか否かを判定する。ここにいう最新の情報とは、健康管理テーブルに格納されている測定情報のうち最も新しい情報のことを指し、過去の情報とは、最新の情報よりも前に測定された測定情報のことを指す。
健康管理の判定に1日の活動量を示す指標が用いられる場合は、例えば、最新の活動量に基づき推定された現在の日付の活動量を最新の情報とし、現在の日付よりも前の日の測定情報に基づき算出された1日の活動量を過去の情報としてもよい。
上述の健康閾値は、利用者の健康維持に必要とされる数値に設定される。健康閾値としては、例えば、利用者の健康管理情報に格納された過去の情報に関する平均値、頻出値、又は中央値などが用いられる。あるいは、健康閾値は、利用者の目標消費エネルギーに基づき算出される値であってもよい。ここにいう目標消費エネルギーは、例えば、利用者の体重に関する測定値及び目標値を所定の演算式又は所定のマップに適用して算出される。
または、商品群選定部35は、利用者の健康管理情報に含まれる過去の情報のみを用いて所定の条件を満たすか否かを判定してもよく、健康管理情報に含まれる最新の情報と過去の情報との比較結果に基づいて所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。
商品群選定部35は、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすと判定した場合には、上述の付加商品群を選定し、基本商品群及び付加商品群を示す判定情報を生成する。一方、商品群選定部35は、健康管理情報が所定の条件を満たさないと判定した場合には、基本商品群を選定し、基本商品群を示す判定情報を生成する。商品群選定部35は、生成した判定情報を自動販売機10に送信するよう通信部31に指示する。
ユーザ購入情報管理部36は、自動販売機10を利用して利用者が購入した商品を示す購入情報を管理する。
ユーザ購入情報管理部36は、自動販売機10から通信部31を介して購入情報を取得すると、その購入情報を記憶部38に記憶された喫食管理テーブルに格納する。喫食管理テーブルには、例えば、利用者の喫食情報として購入商品及びその栄養情報が利用者特定情報ごとに対応付けて格納されている。栄養情報としては、例えば、商品のカロリー、糖類、及び塩分などの栄養成分が挙げられる。
本実施形態のユーザ購入情報管理部36は、通信部31から購入情報を取得すると、その購入情報に示された商品を、ユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に関連付けて記憶部38の喫食管理テーブルに格納する。
なお、ユーザ購入情報管理部36は、喫食管理テーブルには、自動販売機10で購入した商品だけでなく、他の場所で購入した商品の喫食情報が格納されてもよい。このような場合には、例えばパソコン又はスマートフォンなどの情報処理装置を用いて利用者が喫食情報を入力し、その喫食情報が利用者特定情報と共に情報処理装置から管理サーバ30に送信される。
商品情報管理部37は、自動販売機10で販売される商品の各々の栄養情報を管理する。
商品情報管理部37は、通信部31から購入情報を取得すると、その購入情報に基づいて、記憶部38に記憶された商品情報テーブルを参照し、購入情報に示された商品の栄養情報を特定する。商品情報テーブルには、自動販売機10で販売される商品ごとに、その商品の納入業者によって作成された栄養情報が格納されている。
商品情報管理部37は、商品情報テーブルから購入情報に示された商品の栄養情報を特定すると、その栄養情報を、ユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に関連付けて記憶部38の喫食管理テーブルに格納する。
記憶部38は、上述のような認証テーブル、優遇管理テーブル、健康管理テーブル、喫食管理テーブル、及び商品情報テーブルを記憶する。記憶部38に記憶される情報は、制御部39により制御される。
制御部39は、中央演算処理装置と入力インターフェースとこれらを相互に接続するバスとで構成される。制御部39は、記憶部38に記憶された制御プログラムを読み出して中央演算処理装置に実行させることにより、入力インターフェースを介して管理サーバ30の各部を制御する。
制御部39は、通信部31を介して自動販売機10から活動量計20の識別情報を受信すると、ユーザ認証管理部32を用いて利用者を特定する認証処理を行い、その認証結果を、通信部31を介して自動販売機10に送信する。制御部39は、ユーザ認証管理部32により利用者特定情報が取得された場合、すなわち利用者が特定された場合には、通信部31を介して自動販売機10から活動量計20の測定情報を受信して記憶部38に健康管理情報として記録する。
そして、制御部39は、購入資格管理部34を用いて利用者が優遇価格での購入資格が有るか否かを判定し、その判定結果を自動販売機10に送信する。さらに制御部39は、商品群選定部35を用いて利用者の健康管理情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、その判定結果として判定結果に応じた商品群を示す判定情報を自動販売機10に送信する。
このように、自動販売機10は、管理サーバ30に記憶された情報を参照し、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすときには、基本商品群とは異なる付加商品群を提供可能にすることができる。なお、自動販売機10は、管理サーバ30の機能を実行してもよい。
図4は、自動販売機10と管理サーバ30との間で実行される無料提供許可処理に関する制御シーケンスの一例を示す図である。
自動販売機10のR/W部2に対して利用者が活動量計20をかざすと(101)、R/W部2は、利用者の識別情報として活動量計20のシリアル番号を読み取り(102)、読み取ったシリアル番号を管理サーバ30に送信する。
管理サーバ30は、R/W部2から活動量計20のシリアル番号を受信すると、シリアル番号を用いて利用者を特定する認証処理を行い(103)、その認証結果をR/W部2に送信する。
R/W部2は、管理サーバ30から認証結果を受信すると、その認証結果が利用者の認証の成功を示しているか否かを判定する(104)。すなわち、R/W部2は、活動量計20の識別情報に基づいて活動量計20の利用者を特定する。
そして、利用者が特定されなかった場合、すなわち、図3に示したユーザ認証管理部32で利用者特定情報が得られなかった場合には、R/W部2は、活動量計20の利用者に対して販売できない旨を音声で通知し(115)、無料提供許可処理に関する制御シーケンスを終了する。
一方、利用者が特定された場合には、R/W部2は、活動量計20のアップロード処理を実行することにより、活動量計20で測定された利用者の測定情報を管理サーバ30に送信する(105)。なお、活動量計20は、例えば、加速度センサなどで構成され、加速度センサの検出値、又は検出値により特定される歩数に基づいて利用者の活動量を算出する。
管理サーバ30は、R/W部2から活動量計20の測定情報を受信すると、無料提供判定処理を実行することにより、利用者に対して無料提供可能であるか否かを判定する(106)。無料提供判定処理の詳細については図6を参照して後述する。管理サーバ30は、無料提供判定処理の判定結果を購入資格情報としてR/W部2に送信する。
管理サーバ30は、R/W部2に購入資格情報を送信すると、次に健康管理判定処理を実行するとこにより、管理サーバ30の記憶部38に記憶されている健康管理情報が所定の条件を満足するか否かを判定する(108)。健康管理判定処理の詳細については図7を参照して後述する。管理サーバ30は、健康管理判定処理の判定結果を健康管理に関する判定情報としてR/W部2に送信する。
R/W部2は、管理サーバ30から無料提供判定処理の判定結果を受信すると、その判定結果が利用者に対して無料提供可能である旨を示しているか否かを判定する(107)。すなわち、R/W部2は、利用者が優遇価格での購入資格(優遇資格)を有しているか否かを判定する。
そして、R/W部2は、判定結果が利用者に対して無料提供可能である旨を示す場合には、管理サーバ30からの健康管理判定処理の判定結果を受信し、この判定結果が利用者の健康管理が良好である旨を示しているか否かを判定する(109)。すなわち、R/W部2は、管理サーバ30の記憶部38に記憶された健康管理情報を参照し、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。
そして、健康管理判定処理の判定結果が利用者の健康管理が良好である旨を示す場合には、R/W部2は、自動販売機10の商品ディスプレイ1に配置された商品のうち、基本商品群G1及び付加商品群G2の無料提供を許可する(110)。
一方、判定結果が利用者の健康管理が良好でない旨を示す場合には、R/W部2は、基本商品群G1の無料提供を許可する(120)。そしてR/W部2は、無料提供を許可した商品群を制御部27に通知する。
制御部27は、R/W部2にて許可された商品群に属する各商品に対応する選択ボタンを点灯させる(203)。なお、制御部27は、基本商品群G1及び付加商品群G2の選択ボタンを点灯させるときには、基本商品群G1と付加商品群G2との違いを識別できるようにしてもよい。例えば、制御部27は、基本商品群G1の選択ボタンを青色に点灯させ、付加商品群G2の選択ボタンを赤色に点灯させる。これにより、利用者に対して付加商品群G2が選択可能になったことを認識させることが可能になる。
次に、無料提供判定処理(106)において活動量計20の利用者に対して無料提供できないと判定された場合について簡単に説明する。
R/W部2は、無料提供判定処理の判定結果が利用者に無料提供可能でない旨を示す場合には(107)、利用者の現金の投入を待つよう制御部27に指示する。例えば、制御部27は、利用者に対して現金の投入を促す旨を音声で通知させたり、自動販売機10に設けられた所定の表示画面にその旨を表示させたりしてもよい。
そして、自動販売機10の硬貨投入口4又は紙幣挿入口5に現金が投入されると(201)、制御部27は、利用者の投入金額で購入可能な商品の販売を許可する(202)。
一方、制御部27は、上述のとおり、R/W部2で提供が許可された商品群の通知を受けると、その商品群のうち、利用者の投入金額で購入可能な商品の選択ボタンを点灯させる(203)。すなわち、制御部27は、R/W部2で提供が許可された商品群と利用者の投入金額で購入可能な商品とが重複する商品の選択ボタンを点灯させる。
このように、管理サーバ30は、利用者の健康管理情報を用いて利用者が健康の維持増進に努めているか否かを判定し、自動販売機10は、その健康の維持増進に努めている利用者に対して基本商品群G1とは異なる付加商品群G2についても無料提供を許可する。これにより、利用者は普段無料で購入できない商品を選択することが可能になるので、利用者に対して得をしたような気分を与えたり、嬉しいと感じさせたりすることができる。そのため、利用者の健康管理に対する関心が高まりやすくなるので、利用者の健康の維持又は増進を図ることができる。
なお、図4では利用者の健康管理が良好であると判定された場合にR/W部2が基本商品群G1及び付加商品群G2の双方の販売を許可する例について説明したが、付加商品群G2だけ販売を許可するようにしてもよい。このような場合であっても、利用者は、普段購入できない商品を入手できるようになるので、ご褒美を与えられた気分になり、嬉しいと感じやすくなる。それゆえ、利用者の健康管理に対する関心を高めることができる。
また、図4では利用者の認証が成功した場合に活動量計20のアップロード処理を実行する例(105)について説明したが、測定情報を送信するのに時間を要する場合にはアップロード処理の実行を省略してもよい。
図5は、自動販売機10と管理サーバ30との間で実行される商品搬出処理に関する制御シーケンスの一例を示す図である。
制御部27は、自動販売機10の商品選択ボタン3のうち、図4に示したように提供可能な商品の選択ボタンを点灯させると(203)、利用者により選択ボタンが押されるまで待機する。
そして点灯中の選択ボタンのいずれか一つが利用者によって押されると(301)、制御部27は、その選択ボタンに対応する商品を特定し(302)、商品ディスプレイ1の中から特定した商品を商品取出口8へ搬出する(303)。そして、制御部27は、特定した商品を示す購入情報を生成し、R/W部2を介して販売情報を管理サーバ30に送信する。
管理サーバ30は、自動販売機10の制御部27から購入情報を受信すると、その購入情報を喫食管理テーブルのうちユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に関連付けて記憶する(401)。
さらに管理サーバ30は、受信した購入情報に基づいて、商品情報テーブルを参照し、購入情報に示された商品に対応付けられた栄養情報を取得し(402)、その栄養情報を喫食管理テーブルに格納する(403)。
このように、管理サーバ30は、自動販売機10にて利用者が購入した商品を示す購入情報と、購入した商品の栄養情報とを管理する。これにより、利用者の喫食情報が蓄積されるので、利用者の健康状態を管理することができる。
図6は、図4に示した無料提供判定処理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS61において管理サーバ30の購入資格管理部34は、ユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に基づいて、記憶部38に記憶された優遇管理テーブルを参照する。そして購入資格管理部34は、その利用者特定情報に対応付けられた会員登録の有無を示す登録情報、購入可能時間及び累積購入金額を取得する。
ステップS62において購入資格管理部34は、取得した登録情報に基づいて利用者に購入資格が有るか否かを判定する。
ステップS66において購入資格管理部34は、利用者に購入資格が無い場合には、利用者に対して商品を無料提供ができないと判定し、その旨を示す判定結果を購入資格情報として自動販売機10に送信する。
ステップS63において購入資格管理部34は、利用者に購入資格が有る場合には、現在の時刻を取得し、その現在の時刻が購入可能時間内にあるか否かを判定する。そして購入資格管理部34は、現在の時刻が購入可能時間内にない場合には、ステップS66の処理に進む。
ステップS64において購入資格管理部34は、現在の時刻が購入可能時間内にある場合には、次に累積購入金額が上限額以下であるか否かを判定する。購入資格管理部34は、累積購入金額が上限額を上回る場合には、ステップS66の処理に進む。なお、累積購入金額に関する上限額は、例えば、1日あたり数百円に設定される。
ステップS65において購入資格管理部34は、累積購入金額が上限額以下である場合には、利用者に対して商品を無料提供できると判定し、その旨を示す判定結果を購入資格情報として自動販売機10に送信する。
ステップS65又はS66の処理が終了すると、購入資格管理部34は、無料提供判定処理を終了させ、メインルーチンに戻る。
このように、無料提供判定処理において購入資格管理部34は、優遇管理テーブルを参照し、利用者に購入資格が有るか否かを判定し、その判定結果を自動販売機10に送信する。これにより、無料提供可能な時間帯を制限することができるとともに、特定の利用者だけに過剰に商品が無料提供されるという事態を回避することができる。
なお、図6では購入資格管理部34がステップS62乃至S64の全ての処理を実行する例について説明したが、自動販売機10を配置する会社側の事情に合わせて、ステップS62乃至S64の処理のうち少なくとも一つの処理を実行するようにしてもよい。また、ステップS62乃至S64の処理の順番は適宜変更してもよい。
図7は、図4に示した健康管理判定処理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS81において商品群選定部35は、ユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に基づいて、記憶部38に記憶された健康管理テーブルを参照する。そして商品群選定部35は、その利用者特定情報に対応付けられた最新の活動量を用いて1日の活動量を推定する。
ステップS82において商品群選定部35は、推定した利用者の活動量が第1健康閾値Th1を上回るか否かを判定する。例えば、第1健康閾値Th1は、1日の活動量の平均値に設定され、この1日の活動量の平均値は利用者の過去の活動量に基づいて算出される。
ステップS86において商品群選定部35は、利用者の活動量が第1健康閾値Th1以下である場合には、利用者が健康管理に努めていないと判断し、基本商品群G1を示す判定情報を自動販売機10に送信する。すなわち、商品群選定部35は、利用者の活動量が第1健康閾値Th1以下である場合には、健康管理情報が所定の条件を満たさないと判定する。
なお、商品群選定部35は、利用者の活動量が第1健康閾値Th1に対して小さくなるほど、所定の活動量ごとに基本商品群G1の中からカロリーの高い商品を順番に除外するようにしてもよい。これにより、利用者の摂取カロリーが過多になるのを抑制することがえきる。
ステップS83において商品群選定部35は、利用者の活動量が第1健康閾値Th1を上回る場合には、ユーザ認証管理部32で取得された利用者特定情報に基づいて、記憶部38に記憶された喫食管理テーブルを参照する。そして商品群選定部35は、その利用者特定情報に対応付けられた各商品の栄養情報を特定し、例えば、これらの栄養情報に示されたカロリーから1日で摂取されるカロリーの総量を摂取カロリーとして算出する。
ステップS84において商品群選定部35は、算出した摂取カロリーが第2健康閾値Th2を下回るか否かを判定する。第2健康閾値Th2は、例えば、利用者の過去の摂取カロリーの平均値に設定される。そして商品群選定部35は、摂取カロリーが第2健康閾値Th2以上である場合には、ステップS86の処理に進む。
なお、商品群選定部35は、利用者の活動量と第1健康閾値Th1との差分に応じて第2健康閾値Th2を変更するようにしてもよい。例えば、商品群選定部35は、第1健康閾値Th1に対して利用者の活動量が多いほど、第2健康閾値Th2を大きくする。これにより、利用者の活動量が多ければ消費カロリーが大きくなるので、その分だけ摂取カロリーの条件を緩和することができる。したがって、商品群選定部35は、生体情報と喫食情報とを組み合わせることにより、利用者の健康を考慮した商品群を的確に提供することが可能になる。
ステップS85において商品群選定部35は、算出した摂取カロリーが第2健康閾値Th2を下回る場合には、利用者が健康管理に努めていると判断し、基本商品群G1に加えて付加商品群G2を示す判定情報を自動販売機10に送信する。すなわち、商品群選定部35は、摂取カロリーが第2健康閾値Th2を下回る場合には、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすと判定する。
ステップS85又はS86の処理が終了すると、商品群選定部35は、健康管理判定処理を終了させ、メインルーチンに戻る。
このように、健康管理判定処理において商品群選定部35が、健康管理情報として利用者の活動量及び摂取カロリーを用いることにより、利用者が健康管理に努めているか否かを判定することができる。そして、利用者が健康管理に努めていると判定された場合には商品群選定部35が、付加商品群G2の無料提供を許可するための判定情報を自動販売機10に送信する。これにより、利用者は、付加商品群G2を無料で取得できるようになるので、ご褒美を与えられた気分になり、健康管理に対するモチベーションを高めることができる。
なお、図7のステップS85では、摂取カロリーが第2健康閾値Th2を下回る場合に商品群選定部35が基本商品群G1に加えて付加商品群G2を示す判定情報を自動販売機10に送信する例について説明した。しかしながら、商品群選定部35は、付加商品群G2のみを示す判定情報を自動販売機10に送信するものであってもよい。この場合であっても、ご褒美を受けたという印象を利用者に対して与えることができる。
また、図7では健康管理情報として利用者の活動量及び摂取カロリーの2つの指標を用いる例につて説明したが、いずれか一方の指標だけが用いられてもよい。また、利用者の喫食情報として摂取カロリーを用いたが、糖分及び塩分などの少なくとも1つの栄養素を用いるようにしてもよい。
また、利用者の生体情報として活動量を用いたが、活動量に代えて、又は加えて、歩数、体重、及び血圧などの少なくとも1つの指標を用いるようにしてもよい。例えば、利用者の生体情報として体重及び血圧などの指標を用いる場合には、商品群選定部35は、利用者の体重が所定の閾値を下回り、かつ、利用者の血圧が特定の閾値を下回るときには、所定の条件を満たすと判定し、利用者の長期的な努力をしていると判断する。あるいは、商品群選定部35は、2つの指標のうち少なくとも一つの測定値が閾値を下回るときに利用者の長期的な努力をしていると判断してもよい。このように、商品群選定部35は、体重及び血圧などの各指標と、これに対応する閾値との比較結果に基づいて、所定の条件を満たすか否かを判定する。これにより、利用者の長期的な努力の程度を判定することが可能になる。
さらに、図7では生体情報及び喫食情報に含まれる特定のパラメータについて日単位の数値を用いる例について説明したが、週単位の数値、又は月単位の数値などを用いてもよいし、利用者の購入時点の日付における利用者の起床時から購入時までの数値を用いてもよい。
また、商品群選定部35は、健康管理情報に含まれる生体情報又は喫食情報に応じて付加商品群G2に属する商品を変更するようにしてもよい。例えば、商品群選定部35は、ステップS82に示した利用者の活動量が第1健康閾値Th1に対して大きくなるほど、段階的に付加商品群G2に属する商品の数を増加させる。あるいは、商品群選定部35は、ステップS84に示した摂取カロリーが第2健康閾値Th2に対して小さくなるほど、段階的にカロリーの高い商品を付加商品群G2に追加するようにしてもよい。
また、健康管理情報には、利用者の性別、年齢、役職及び身長のうち少なくとも1つを含む属性情報が含まれてもよい。そして商品群選定部35は、利用者の属性情報又は利用者の購入時間帯に応じて基本商品群G1に属する商品を変更するようにしてもよい。
例えば、商品群選定部35は、利用者の年齢が高くなるほど、塩分の低い商品を基本商品群G1に加える。あるいは、商品群選定部35は、午前中は糖分の多い商品を基本商品群G1に追加し、正午から深夜にかけて追加した商品を基本商品群G1から減らすようにしてもよい。
また、この例ではステップS81及びS82の各処理を実行した後にステップS83及びS84の各処理を実行したが、ステップS81及びS82の各処理よりもステップS83及びS84の各処理を先に実行するようにしてもよい。
なお、上述の商品群選定部35の処理については自動販売機10の商品提供制御部22で実行してもよい。この場合、商品提供制御部22は、活動量計20から過去の健康管理情報及び最新の健康管理情報を直接取得し、これらの大小関係に基づいて商品の提供の可否を判定するようにしてもよい。すなわち、商品提供制御部22は、活動量計20の記憶手段に記憶された最新の情報と過去の情報との比較結果に基づいて所定の条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
本発明の実施形態によれば、自動販売機10は、互いに異なる複数の商品を販売可能な自動販売装置を構成する。
この自動販売機10は、図4に示したように、利用者が携帯する記憶媒体又は携帯端末を構成する活動量計20から識別情報を読み取り、読み取られた識別情報に基づいて利用者を特定する特定手段(102及び104)に相当するR/W部2を備える。そして自動販売機10は、利用者の購入資格に関する購入資格情報に基づいて、販売可能な複数の商品のうち所定の商品の一群である基本商品群G1の提供を許可する第1許可手段(120)に相当するR/W部2を備える。
さらに自動販売機10は、利用者の健康管理に用いられる健康管理情報が所定の条件を満たすときには、基本商品群G1とは異なる付加商品群G2の提供を許可する第2許可手段(110)に相当するR/W部2を備える。そして自動販売機10は、付加商品群G2の提供が許可された場合には少なくとも付加商品群G2が提供可能であることを報知する報知手段(203)に相当する制御部27を備える。
このように、利用者の健康管理情報に応じて利用者に報知される提供可能な商品が変えられるので、例えば、健康の増進に努めている利用者に対しては利用者が嬉しくなるような特定の商品を提供することが可能になる。これにより、利用者の健康管理に対する意欲を高めることができる。
一方、健康の維持に努めていない利用者に対しては、基本商品群G1を付加商品群G2よりもカロリーが低い商品にすることで、付加商品群G2に属する商品を購入する場合に比べて利用者の摂取カロリーを制限することが可能になる。このため、利用者の摂取カロリーが過多になるのを抑制することができる。
このため、利用者による栄養の過剰摂取を抑制しつつ、利用者の健康管理に対する意欲を高めることができるので、利用者の健康の維持又は増進を図ることができる。
また、本実施形態によれば、付加商品群G2には、基本商品群G1に属する商品の属性とは異なる商品が含まれる。例えば、基本商品群G1が飲み物及びパンにより構成され、付加商品群G2がお菓子又は日用品により構成されるような場合においては、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすときに付加商品群G2の提供が許可される。これにより、所定の条件を満たさないときに比べて利用者に対して得をした気分を与えやすくなるので、利用者の健康管理に対する意欲を高めることができる。
また、本実施形態によれば、R/W部2は、図4に示したように、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすときには、付加商品群G2を無料又は割引で提供することを許可する。これにより、魅力的な付加商品群G2の販売価格が安くなるので、利用者に対してさらに得をした気分を与えやすくなり、利用者の健康管理に対する意欲をより高めることができる。
また、本実施形態によれば、活動量計20は、利用者の健康管理情報として活動量を測定し、R/W部2は、利用者の活動量が所定の条件を満たすときには、基本商品群G1及び付加商品群G2の提供を許可する。
活動量計20は利用者により携帯される計測器であるため、活動量計20を用いることにより、利用者の日々の活動状況を把握することが可能になる。さらに活動量は、血圧、体重、及び体脂肪などの指標に比べてジョギングなどの利用者の短期的な努力を直接的に活動量に反映することができる。
そのため、利用者が健康維持のために自己の運動量を増やしたときには、利用者の活動量が所定の条件を満たしやすくなる。このため、利用者の健康に対する意識が高い状況では、利用者の選択肢が基本商品群G1から付加商品群G2まで広がる機会が増えるので、利用者は健康維持に対する努力が報われた気分になる。したがって、利用者の健康の維持又は増進を図ることができる。
また、本実施形態によれば、管理サーバ30は、図7のステップS82及びS85で述べたように、利用者の活動量が第1健康閾値Th1を上回る場合には、利用者の活動量が所定の条件を満たすと判定する。一方、管理サーバ30は、図7のステップS82及びS86で述べたように、利用者の活動量が第1健康閾値Th1以下である場合には、利用者の活動量が所定の条件を満たさないと判定する。
すなわち、管理サーバ30は、利用者の健康管理情報と、利用者の健康維持に必要とされる健康閾値との比較結果に基づいて、所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段を構成する。
例えば、利用者の活動量が第1健康閾値Th1を上回るときに利用者は付加商品群G2の商品を取得することができるものの、利用者の活動量が第1健康閾値Th1以下であるときには、付加商品群G2の商品を取得することができない。このため、利用者の活動量によっては摂取カロリーが過多になるおそれのある商品の提供を制限することが可能になるので、利用者の摂取カロリーが過多になるのを回避することができる。
また、本実施形態によれば、管理サーバ30は、利用者の健康管理情報を記憶する記憶手段に相当する記憶部38を備える。さらに管理サーバ30は、記憶部38に記憶された過去の健康管理情報を参照し、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段に相当する商品群選定部35を備える。なお、判定手段は、図2に示した商品提供制御部22により構成されてもよい。
このように、健康管理の判定において利用者の過去の健康管理情報を用いることにより、利用者の継続的な健康状態の推移を考慮することが可能になるので、利用者の生活習慣の改善を図ることができる。
また、本実施形態によれば、商品群選定部35は、図7のステップS82で述べたように、記憶部38に記憶された最新の活動量と、過去の活動量に基づき定められた第1健康閾値Th1とを比較する。商品群選定部35は、図7のステップS85及びS86で述べたように、その比較結果に基づいて、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。
すなわち、商品群選定部35は、記憶部38における最新の健康管理情報と過去の健康管理情報との比較結果に基づいて、健康管理情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。このように、最新の健康管理情報に対して過去の健康管理情報を比較対象とすることにより、継続的な生活習慣の改善を促すことができる。
また、本実施形態によれば、商品群選定部35は、図3で述べたように、利用者の体重が目標値に達するように計算された目標消費エネルギーと、記憶部38に記憶された利用者の活動量とに基づいて、利用者の健康管理情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。これにより、利用者の体重を維持することができ、利用者の健康の維持を図ることができる。
また、本実施形態によれば、管理サーバ30の購入資格管理部34は、利用者の会員登録の有無、購入時間、及び購入金額の総額のうち少なくとも1つに基づいて、利用者に購入資格があるか否かを判定する。
そして利用者に購入資格があるときには、R/W部2は、基本商品群G1の提供を無料又は割引価格により許可するとともに、付加商品群G2の提供を無料又は割引価格により許可する。これにより、基本商品群G1に加えて付加商品群G2を購入することができるようになるので、利用者は健康管理に対する意欲を高めることができる。
また、本実施形態によれば、健康管理情報は、利用者の活動量、歩数、体重、血圧、及び体脂肪のうち少なくとも1つの指標を含む生体情報と、利用者の摂取カロリーを含む喫食情報とのうち少なくとも1つを含む。これにより、利用者の健康状態を把握することができる。
また、本実施形態によれば、商品群選定部35は、上述の生体情報又は喫食情報に応じて付加商品群G2に属する商品を変更するようにしてもよい。これにより、利用者の生体情報又は喫食情報に応じて付加商品群G2に属する商品を利用者の健康を害さないような商品に選定することができるので、利用者の健康の維持又は増進を図ることができる。
また、本実施形態によれば、商品群選定部35は、利用者の属性情報又は利用者の購入時間帯に応じて基本商品群G1に属する商品を変更するようにしてもよい。これにより、購入資格のある全ての利用者に対して生活習慣の改善を図ることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述の実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、図4では、利用者に優遇提供の資格がない場合に利用者が自動販売機10に現金を投入したが(201)、電子マネーにより決済を行うようにしてもよい。このような場合に、利用者に対して無料提供ができないと判定されると(107)、制御部27は、R/W部2から提供可能な商品群の通知を受け、その商品群の選択ボタンを点灯させるとともに(203)、商品を無料提供できない旨を音声で通知する。この通知に伴い利用者は、点灯中の選択ボタンのいずれか一つの選択ボタンを押した後、電子決済サービス情報が記憶されたICカードをR/W部2にかざすことにより、制御部27は、一般的な電子決済処理を実行する。このように、利用者に優遇提供についての資格がない場合であっても、商品群の選定を行い、利用者に選択された商品について電子マネーで決済を行うことが可能となる。
また、基本商品群G1及び付加商品群G2を報知することは、商品ランプを点灯させることだけでなく、表示画面に商品の番号又は名称などを表示することも含む。
また、生体情報としては、例えば、全身及び全身の各部位ごとの脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、内臓脂肪量、内臓脂肪レベル、内臓脂肪面積、皮下脂肪量、基礎代謝量、骨量、体水分率、BMI、細胞内液量、細胞外液量などの生体指標が含まれてもよい。