この発明の第1の局面による販売支援システムは、顧客によって使用される顧客用装置と、商品の販売者によって使用される販売者用装置とを備え、販売者の業務を支援する販売支援システムであって、顧客用装置および販売者用装置は、同一店舗に設置されており、顧客用装置は、顧客の生活に関する生活情報の入力を受け付ける入力手段と、顧客のヘモグロビン濃度を含む、顧客の生体状態を反映した値を測定する測定手段と、入力手段によって受け付けられた生活情報および測定手段によって測定された値に基づいて取得され、顧客の健康の維持または改善の方法を示唆するための維持改善情報を出力する第1出力手段とを備え、販売支援システムは、入力手段によって受け付けられた生活情報および測定手段によって測定された値に基づいて、顧客が健康を維持または改善させるために摂取すべき成分を含む複数の健康食品または医薬品を取得する商品情報取得手段を備え、販売者用装置は、顧客が健康を維持または改善させるために購入すべき商品の販売者による選定を支援するための商品選定支援情報として、商品情報取得手段によって取得された複数の健康食品または医薬品を出力する第2出力手段を備えている。
この発明の第1の局面による販売支援システムでは、上記のように構成することにより、顧客によって入力された生活情報に基づいて決定され、かつ、販売者用装置によって出力された商品選定支援情報を、販売者が閲覧することができる。これにより、販売者は、商品選定支援情報に基づいて、顧客に合った商品を選定し、その商品を顧客に勧めることが容易となる。一方、顧客は、顧客自身の生活情報に基づく商品選定支援情報に基づいて商品を販売者から勧められれば、納得してその商品を購入することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態の販売支援システムの構成について説明する。
第1実施形態では、図1に示すように、販売支援システム1は、薬剤師の業務を支援するシステムであり、顧客用装置10と薬剤師用装置20とを備えている。顧客用装置10と薬剤師用装置20とは、LAN(Local Area Network)ケーブル30によって接続されている。顧客用装置10は、顧客によって使用される装置であり、薬局の入口付近や健康食品が陳列される棚の横などに配置される。また、顧客用装置10の正面の上部には、顧客に健康食品に関する情報などを表示するとともに、性別、年齢、身長、および体重などの基本情報と、仕事の内容、睡眠時間、および食事内容などの顧客の生活に関する生活情報などを入力するためのタッチパネル式ディスプレイ(以下、タッチパネル)11が設けられている。また、顧客用装置10のタッチパネル11の左下の部分には、顧客のヘモグロビン濃度(生体情報)を測定するための測定部12が設けられている。この測定部12には、顧客の左手中指を挿入するための挿入部12aが設けられている。また、測定部12は、顧客の血液を採取することなく、血管の透過画像を撮影することによりヘモグロビン濃度を測定するように構成されている。なお、このヘモグロビン濃度の測定方法としては、たとえば、特開平8−140961号公報に開示されている従来の測定方法を用いる。また、顧客用装置10の正面の中央部には、対人センサ13が配置されている。この対人センサ13は、顧客用装置10の正面に顧客が立つと、それを検知する光反射式センサである。対人センサ13によって顧客が顧客用装置10の正面に立ったことが検知されると、タッチパネル11は操作可能な状態になる。また、対人センサ13の下方には、顧客の健康状態や顧客が摂取すべき成分の情報などを印刷するためのプリンタ14およびレポート取り出し口14aが設けられている。また、レポート取り出し口14aの右側には、顧客のID(会員番号)、健康状態、生活情報および摂取している健康食品などの履歴を記録するIDカード(図示せず)に記録された情報を読み取るためのID読取部15が設けられている。このID読取部15には、IDカードを挿入するための挿入口15aが設けられている。このIDカードは、クレジットカードの機能を有し、顧客が商品を購入した場合には、ID読取部15がIDカードを読み取ることによって、決済が完了するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、顧客用装置10の内部には、図2に示すように、LANケーブル30と接続される入出力インターフェイス16が設けられている。また、これらのタッチパネル11、測定部12、対人センサ13、プリンタ14、ID読取部15および入出力インターフェイス16には、制御部17が接続されている。
この制御部17は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)17aとメモリ17bとを含む。このメモリ17bは、解析パラメータDB(データベース)17cと、入力・測定結果格納DB17dと、アドバイスデータDB17eとを含んでいる。解析パラメータDB17cには、生活情報および生体情報に基づいて顧客の健康状態を解析するために使用されるパラメータが格納されている。また、入力・測定結果格納DB17dには、顧客により入力された情報(基本情報および生活情報)および測定部12により測定された顧客のヘモグロビン濃度が格納されるとともに、ヘモグロビン濃度の測定結果の履歴が格納されている。また、アドバイスデータDB17eには、測定されたヘモグロビン濃度と、入力された生活情報とに対応した顧客に対する複数の助言(アドバイス)データが格納されている。この複数のアドバイスデータには、栄養に関する顧客へのアドバイス、運動に関する顧客へのアドバイス、生活リズムに関する顧客へのアドバイス、顧客に不足している成分の情報(顧客が摂取すべき成分の情報)、および総合的なアドバイスなどの、顧客の健康の維持または改善を示唆するための情報が含まれる。
また、第1実施形態では、薬剤師用装置20(図1参照)は、医薬品や健康食品を販売する薬剤師によって使用される装置であり、薬局の事務所内やレジの横などに、薬剤師用装置20のタッチパネル式ディスプレイ(以下、タッチパネル)21(図1参照)の表示が顧客に見えないように配置される。また、薬剤師用装置20には、図1に示すように、顧客のID(会員番号)やキーワードを入力するためのキーボード22が接続されている。なお、薬剤師用装置20にバーコードリーダ(図示せず)を接続し、バーコードリーダによって、IDカード(図示せず)から顧客のIDを読み取るように薬剤師用装置20を構成してもよい。また、薬剤師用装置20の内部には、図2に示すように、LANケーブル30と接続される入出力インターフェイス23が設けられている。また、これらのタッチパネル21、キーボード22および入出力インターフェイス23には、制御部24が接続されている。
この制御部24は、図4に示すように、CPU24aとメモリ24bとを含む。このメモリ24bは、飲み合わせDB24cと、詳細アドバイスDB24dと、お客様経過DB24eと、商品情報DB24fと、お勧め成分DB24gとを含んでいる。飲み合わせDB24cには、薬剤師が顧客に勧めようとする健康食品と、他の医薬品および健康食品との相性に関する情報(飲み合わせデータ)が複数格納されている。また、詳細アドバイスDB24dには、薬剤師が顧客に対して健康の維持または改善の方法を助言するための薬剤師に対するアドバイスデータが複数格納されている。この薬剤師用装置20の詳細アドバイスDB24dに格納された薬剤師に対するアドバイスデータは、図3に示した制御部17のアドバイスデータDB17eに格納された顧客に対するアドバイスデータよりも詳細な情報を含んでいる。また、お客様経過DB24eには、ヘモグロビン濃度の測定結果およびその履歴と、後述する顧客の健康状態の解析結果と、過去に同一の顧客に勧めた健康食品のデータとが格納されている。また、商品情報DB24fには、薬剤師が顧客に勧める健康食品に関する情報が格納されている。この健康食品には、法律の規制により、薬剤師でなければ勧めることができない健康食品が含まれている。また、お勧め成分DB24gには、お勧め成分データ(顧客が健康の維持または改善のために摂取すべき成分の情報)が複数格納されている。
また、第1実施形態では、図2に示すように、入出力インターフェイス16、LANケーブル30および入出力インターフェイス23によって、顧客用装置10から薬剤師用装置20に、顧客の生体情報(ヘモグロビン濃度の測定結果)、生活情報(性別、年齢、身長、体重、食生活、仕事の内容、睡眠時間など)、および、顧客の健康状態の解析結果などが送信される。
次に、図1〜図3および図5〜図11を参照して、第1実施形態による販売支援システム1の顧客用装置10の制御部17によって実行される処理フローについて説明する。まず、図5に示したステップS1において、顧客が顧客用装置10の前に立ち、IDカードを挿入口15aに挿入するか、タッチパネル11を用いてIDを入力すると、処理が開始される。なお、IDカードを用いて処理を開始させた場合、IDカードに記憶されているID(会員番号)がID読取部15によって読み取られる。次に、ステップS2において、顧客によって基本情報が入力される。顧客がこの基本情報を入力する際には、図6に示すように、顧客用装置10(図1参照)のタッチパネル11に、顧客の性別、年齢、身長および体重などの基本情報を入力するための基本情報入力画面40が表示される。そして、顧客は、タッチパネル11の基本情報入力画面40の所定の部分に指で触れることにより基本情報を入力した後、基本情報入力画面40の右下の「次へ」ボタン40aに触れる。これにより、基本情報の入力が終了する。その後、図5に示したステップS3において、顧客によって生活リズムが入力される。顧客がこの生活リズムを入力する際には、図7に示す仕事内容入力画面41および図示しない睡眠時間入力画面がタッチパネル11に表示される。この場合、顧客は、まず、図7に示した仕事内容入力画面41において、顧客の仕事内容および勤務時間などの生活リズムを入力した後、仕事内容入力画面41の右下の「次へ」ボタン41aに触れる。これにより、生活リズムの入力が終了する。そして、顧客は、図示しない睡眠時間入力画面において、睡眠時間を入力する。その後、図5に示したステップS4において、顧客によって食事内容が入力される。顧客がこの食事内容の入力を行う際には、図8に示すように、顧客用装置10のタッチパネル11に食事内容入力画面42が表示される。そして、顧客は、タッチパネル11の食事内容入力画面42において食事内容を入力した後、食事内容入力画面42の右下の「次へ」ボタン42aに触れる。これにより、食事内容の入力が終了する。その後、図5に示したステップS5において、ステップS2〜S4で入力された基本情報、生活リズムおよび食事内容が入力・測定結果格納DB17d(図3参照)に格納される。
次に、図5に示したステップS6において、顧客は、ヘモグロビン濃度を測定部12により測定する。このヘモグロビン濃度の測定を行う際には、まず、図9に示すように、顧客用装置10のタッチパネル11に、測定画面43が表示される。そして、顧客は、この測定画面43の指示にしたがって、図1に示した顧客用装置10の測定部12の挿入部12aに左手中指を挿入するとともに、図9に示したタッチパネル11の測定画面43の「スタート」ボタン43aに指で触れる。これにより、図1に示した顧客用装置10の測定部12により、顧客のヘモグロビン濃度が測定される。その後、図5に示したステップS7において、測定部12(図2参照)からヘモグロビン濃度の測定結果が制御部17により受信される。そして、図5に示したステップS8において、制御部17により受信された測定結果は、メモリ17bの入力・測定結果格納DB17d(図3参照)に格納される。 その後、ステップS9において、ステップS2からS4で入力された基本情報、生活リズムおよび食事内容の入力データと、ステップS6で測定されたヘモグロビン濃度の測定結果とが、入力・測定結果格納DB17dから読み込まれる。そして、ステップS10において、解析パラメータが、メモリ17bの解析パラメータDB17cから読み込まれる。
その後、ステップS11において、ステップS9で読み込まれた入力データおよび測定結果と、ステップS10で読み込まれた解析パラメータとに基づいて、たとえばベイジアンネットワークなどの解析アルゴリズムにより、顧客の健康状態の解析が行われる。この結果、入力データおよび測定結果に基づく解析結果が決定される。この解析結果は、アドバイスデータDB17eに記憶されている複数のアドバイスデータから1つのアドバイスデータを特定するためのデータ(コード)である。具体的には、この解析結果は、アルファベットや数値などで表されており、アドバイスデータDB17eに記憶されている複数のアドバイスデータのうちの1つのデータに対応付けられている。また、解析結果は、お勧め成分DB24gに記憶されている複数のお勧め成分データのうちの1つのデータに対応付けられている。また、この解析結果は、詳細アドバイスDB24dに記憶されている複数の薬剤師に対するアドバイスデータのうちの1つのデータに対応付けられている。また、この解析結果は、飲み合わせDB24cに記憶されている複数の飲み合わせデータのうちの1つのデータに対応付けられている。そして、ステップS12において、ステップS11で決定された顧客の健康状態の解析結果に対応するアドバイスデータがメモリ17bのアドバイスデータDB17eから選択され、読み込まれる。
そして、ステップS13において、ステップS12で読み込まれたアドバイスデータの表示が行われる。具体的には、図10に示すように、タッチパネル11に、顧客の健康の維持または改善を示唆するための情報を示した解析結果表示画面44が表示される。この解析結果表示画面44では、左上に栄養、運動および生活リズムに対する顧客のセルフメディケーション(自己治療)度が表示される。また、セルフメディケーション度の下方には、栄養、運動および生活リズムに関する総合結果がグラフによって表示される。このグラフの下方には、顧客の健康状態を改善させるために摂取すべき成分(あなたに不足している成分)が表示される。また、解析結果表示画面44の右側には、栄養、運動および生活リズムに関するアドバイスが個別に表示される。また、解析結果表示画面44の下側には、栄養、運動および生活リズムに関する総合アドバイスが表示される。この総合アドバイスの下方には、「印刷」ボタン44aおよび「送信」ボタン44bが配置されている。
そして、ステップS14において、顧客が「印刷」ボタン44aに触れると、ステップS15において、レポート50(図11参照)が印刷される。この印刷されたレポート50は、レポート取り出し口14a(図1参照)から排出される。このレポート50の上部には、顧客の会員番号、年齢、性別および測定日が記載されている。また、レポート50の中央部から上側の部分には、図10に示した解析結果表示画面44と同様の項目が印刷されている。また、レポート50の下部には、「最近のおすすめ成分」、「おすすめのお野菜」および「おすすめレシピ」などの「お役立ち情報」が印刷されている。また、「お役立ち情報」の下方には、レポート50に関する注意事項が記載されている。
また、ステップS16において、顧客が「送信」ボタン44bに触れると、ステップS17において、ID(会員番号)、ステップS5で入力・測定結果DB17dに格納された入力データ(基本情報、生活リズム、食事内容)、ステップS8で入力・測定結果DB17dに格納された測定結果およびステップS11で決定された解析結果が、LANケーブル30(図1参照)を介して、薬剤師用装置20(図1参照)に送信される。
次に、図1、図4および図12〜図15を参照して、第1実施形態による販売支援システム1の薬剤師用装置20の処理フローについて説明する。この処理は、顧客用装置10から上記のデータが送信されることによって開始する。
まず、図12のステップS21において、入力データ(基本情報、生活リズム、食事内容)、測定結果、および解析結果がLANケーブル30(図1参照)を介して顧客用装置10(図1参照)から受信される。その後、ステップS22において、受信された入力データ、測定結果および解析結果は、メモリ24bのお客様経過DB24eに格納される。そして、ステップS23において、顧客から教えてもらったIDがキーボード22(図1参照)を用いて薬剤師によって入力される。そして、ステップS24において、入力されたIDに対応する測定結果(測定結果の履歴を含む)および解析結果が、お客様経過DB24e(図4参照)から読み込まれる。その後、ステップS25において、ステップS24で読み込まれた解析結果に対応するお勧め成分データが、お勧め成分DB24g(図4参照)に記憶されている複数のお勧め成分データから選択され、読み込まれる。そして、ステップS26において、ステップS24で読み込まれた解析結果に対応する薬剤師に対するアドバイスデータが、詳細アドバイスDB24d(図4参照)に記憶されている複数の薬剤師に対するアドバイスデータから選択され、読み込まれる。その後、ステップS27において、ステップS24で読み込まれた解析結果に対応する飲み合わせデータが、飲み合わせDB24c(図4参照)に記憶されている複数の飲み合わせデータから選択され、読み込まれる。そして、図12に示したステップS28において、ステップS24〜S27で読み込まれたデータが、タッチパネル21のお勧め情報画面60(図13参照)に表示される。このお勧め情報画面60の左上の部分には、顧客のID(会員番号)が表示される。また、お勧め情報画面60の左側には、栄養、運動および生活リズムに関する総合結果が表示される。また、お勧め情報画面60の右側の上部には、過去履歴が表示される。なお、この過去履歴の欄には、同一の会員番号の顧客が以前に販売支援システム1を利用している場合には、同一の会員番号の顧客に前回お勧めした健康食品が表示される。この過去履歴の右側には、顧客の履歴を入力する画像を表示するための「履歴入力」ボタン60aが表示されている。また、過去履歴の下方には、ステップS26で読み込まれた薬剤師に対するアドバイスデータ(画面60上では、「お勧め方のアドバイス」と表示されている)、ステップS25で読み込まれたお勧め成分データ(画面60上では、「お勧め成分」と表示されている)およびステップS27で読み込まれた飲み合わせデータ(画面60上では、「飲み合わせ情報」と表示されている)が表示される。お勧め成分の欄には、1番目から3番目にお勧めの成分が表示される。また、飲み合わせ情報の欄には、お勧め成分と、他の医薬品および健康食品などとを飲み合わせた場合のお勧めする商品の効果の低下や効果の促進、副作用などに関する情報が表示される。また、これらのお勧め方のアドバイス、お勧め成分および飲み合わせ情報の欄には、より詳細な情報を取得するための「検索」ボタン60b〜60dがそれぞれ設けられている。
このような情報画面60が表示されることによって、薬剤師は、「お勧め方アドバイス」に表示された情報から、顧客に対して健康の維持または改善のためにどのような助言を行うかを決定することができる。また、薬剤師は、「お勧め成分」に表示された情報から、顧客が健康を維持または改善させるために購入すべき商品として、この欄に表示されている成分を含む商品を選定し、その商品を顧客に勧めることができる。
ここで、図12に示したステップS28において、薬剤師は、図13に示したお勧め情報画面60に表示された情報(たとえば、お勧め成分)に基づいて顧客にお勧めする商品(たとえば、健康食品)を勧めてもよいし、お勧め成分を含む健康食品などについてより詳細な情報を取得してもよい。たとえば、薬剤師がお勧め成分を含む健康食品をさらに検索する場合には、お勧め成分の「検索」ボタン60cに触れることにより、薬剤師用装置20の処理は、図12に示したステップS29に進む。このステップS29では、図14に示すような商品検索画面61が表示される。この商品検索画面61の中央部には、お勧め成分を含む数種類(図14の例では、15種類)の健康食品がスクロール可能に表示されている。薬剤師は、ここに表示された商品から適切な商品を選定し、それを顧客に勧めてもよい。また、商品検索画面61の左側の上部には、キーワード検索(商品情報検索)を行うための検索欄61aが設けられている。
この商品検索画面61の検索欄61aにキーワードが入力されると、図12に示したステップS30において、薬剤師用装置20は、商品情報の検索を行う。たとえば、検索欄61aに、「貧血」、「ダイエット」および「アレルギー」などのキーワードが入力されると、お勧め成分を含み、かつ、貧血、ダイエットおよびアレルギーなどに効果がある健康食品が、商品情報DB24f(図4参照)から読み込まれる。そして、ステップS31において、薬剤師用装置20は、タッチパネル21の中央部に、商品情報DB24f(図4参照)から読み込まれた健康食品に関する情報を表示する。
また、図12に示したステップS28で表示されたお勧め情報画面60(図13参照)に基づいて顧客に商品を勧めた後、顧客の経過状況(履歴)を保存する場合には、薬剤師は、お勧め情報画面60の過去履歴の「履歴入力」ボタン60aに指で触れる。これにより、薬剤師用装置20の処理は、ステップS32に進む。図12に示したステップS32では、薬剤師用装置20は、図15に示すように、タッチパネル21に、履歴詳細画面62を表示する。この履歴詳細画面62の上部には、顧客の生活リズムや、お勧めまたは購入した商品などの経過状況を入力するための履歴入力欄62aが設けられているので、薬剤師は、顧客の経過状況を閲覧することができる。また、履歴詳細画面62の下部の右側には、過去の履歴を含むアドバイスデータなどを表示するための複数のボタンが配置されている。この複数のボタンの左側には、顧客が摂取している成分の量をグラフ化して表示するグラフ表示部62bが配置されている。ステップS32において入力された顧客の経過状況は、ステップS33において、お客様経過DB24eに格納される。
第1実施形態では、上記のように、薬剤師用装置20に、顧客用装置10のタッチパネル11によって入力された生活情報と、測定部12によって測定されたヘモグロビン濃度(生体情報)とに基づいて、顧客が健康を維持または改善させるために購入すべき商品の薬剤師による選定を支援するための情報(商品情報DB24fおよびお勧め成分DB24gに格納された情報)を取得する制御部24を設けるとともに、制御部24によって取得された顧客が購入すべき商品の薬剤師による選定を支援するための情報を表示するタッチパネル21を設けることによって、顧客によって入力された生活情報および測定された生体情報に基づいて決定され、かつ、薬剤師用装置20のタッチパネル21に表示された顧客が購入すべき商品の薬剤師による選定を支援するための情報を、薬剤師が閲覧することができる。したがって、薬剤師は、顧客が購入すべき商品の薬剤師による選定を支援するための情報に基づいて、顧客に合った商品を選定し、その商品を顧客に勧めることが容易となる。一方、顧客は、顧客自身の生活情報および生体情報に基づいて、商品を薬剤師から勧められれば、納得してその商品を購入することができる。
また、第1実施形態では、顧客用装置10に、測定されたヘモグロビン濃度(生体情報)と、入力された生活情報とに対応した顧客に対するアドバイスデータを取得する制御部17を設けるとともに、制御部17によって取得されたアドバイスデータを表示または印刷することが可能なように構成することによって、顧客は、表示または印刷されたアドバイスデータを参考にして、薬剤師から勧められた商品を購入するか否かを決定することができる。これにより、顧客は、単に薬剤師から商品を勧められた場合とは異なり、なぜその商品が顧客にとって必要なのかを十分に理解することができるので、納得してその商品を購入することができる。
また、第1実施形態では、薬剤師が顧客に対して健康の維持または改善の方法を助言するために用いられる薬剤師に対するアドバイスデータを取得する制御部24を設けるとともに、薬剤師用装置20のタッチパネル21を、制御部24によって取得された薬剤師に対するアドバイスデータを表示するように構成することによって、薬剤師は、表示された薬剤師に対するアドバイスデータに基づいて、顧客に対して健康の維持または改善のためにどのような助言を行うかを決定することができる。
(第2実施形態)
図16〜図20を参照して、本発明の第2実施形態の販売支援システムの構成について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、複数の顧客用装置と複数の薬剤使用装置とが1台のサーバに接続されるとともに、複数の顧客用装置から収集したデータを1台のサーバで管理する。
第2実施形態では、図16に示すように、販売支援システム1aは、薬剤師の業務を支援するシステムであり、顧客用装置10aと、他の顧客用装置10bと、薬剤師用装置20aと、他の薬剤師用装置20bと、1台のサーバ70とを備えている。なお、販売支援システム1aは、他の顧客用装置10bおよび他の薬剤師用装置20bを複数備えているが、図面の簡略化のため、第2実施形態では、1つの顧客用装置10bおよび1つの薬剤師用装置20bのみを図示している。顧客用装置10aおよび10bと、薬剤師用装置20aおよび20bとは、LANケーブル30およびハブ31によってサーバ70に接続されている。また、第2実施形態では、顧客用装置10aおよび薬剤師用装置20aは、所定の薬局に設置されるとともに、他の顧客用装置10bおよび他の薬剤師用装置20bは、上記所定の薬局と同一のグループ企業に属する他の薬局に設置される。そして、サーバ70は、上記グループ企業を統括する本社や各種のデータを集約して取り扱うデータセンターなどに設置される。これにより、グループ企業に属する薬局に設置される全ての顧客用装置10aおよび10bから収集したデータを1台のサーバ70で管理することが可能となる。なお、顧客用装置10aと10bと、および、薬剤師用20aと20bとは、それぞれ同じ構成である。また、上記第1実施形態と同じ符号で示されているものには、上記第1実施形態と同じ機能を有するものを使用することができる。
また、第2実施形態では、顧客用装置10aは、図17に示すように、タッチパネル11と、対人センサ13と、プリンタ14と、ID読取部15と、LANケーブル30に接続される入出力インターフェイス16と、制御部17fとが設けられている。また、タッチパネル11、対人センサ13、プリンタ14、ID読取部15および入出力インターフェイス16は、制御部17fに接続されている。
また、第2実施形態では、顧客用装置10aの入出力インターフェイス16に、顧客の生体情報を測定するためのヘモグロビン濃度測定装置80、体脂肪計81、血流計82および血圧計83が接続されるとともに、ヘモグロビン濃度、体脂肪率、血流量および血圧値の測定結果が送信されるように構成されている。また、図18に示すように、顧客用装置10aの制御部17fは、CPU17aとメモリ17gとを含む。
また、第2実施形態では、図17に示すように、薬剤師用装置20aは、タッチパネル21と、キーボード22と、LANケーブル30に接続される入出力インターフェイス23と、制御部24hと、入出力インターフェイス23に接続されるバーコードリーダ25が設けられている。また、タッチパネル21、キーボード22および入出力インターフェイス23は、制御部24hに接続されている。また、薬剤師用装置20aの制御部24hは、図19に示すように、CPU24aとメモリ24iとを含む。
また、第2実施形態では、図17に示すように、サーバ70には、タッチパネル式ディスプレイ(以下、タッチパネル)71およびキーボード72が設けられている。また、サーバ70の内部には、LANケーブル30と接続される入出力インターフェイス73が設けられている。また、これらのタッチパネル71、キーボード72および入出力インターフェイス73には、制御部74が接続されている。この制御部74は、図20に示すように、CPU74aとメモリ74bとを含む。このメモリ74bは、解析パラメータDB74cと、入力・測定結果格納DB74dと、アドバイスデータDB74eと、飲み合わせDB74fと、詳細アドバイスDB74gと、お客様経過DB74hと、お勧め成分DB74iと、IDカードDB74jとを含んでいる。
次に、第2実施形態による販売支援システム1aの処理フローについて説明する。ここでは、まず、図6〜図10、図16、図21、図22および図25〜図28を参照して、第2実施形態による販売支援システム1aの顧客用装置10aの制御部17fによって実行される処理フローについて説明する。まず、図21に示したステップS41〜S44の処理は、図5に示した第1実施形態のステップS1〜S4の処理と同様である。すなわち、図21に示したステップS41において、顧客が顧客用装置10aの前に立つと、タッチパネル11に図26に示した表示画面91が表示される。そして、図25に示したIDカード90を挿入口15aに挿入するか、タッチパネル11に表示された表示画面91の下の「初めての方はこちら」ボタン91aに触れると、処理が開始される。なお、IDカード90を用いて処理を開始させた場合、IDカード90に印刷されているバーコード90aに含まれているID(会員番号)がID読取部15によって読み取られる。また、ID(会員番号)が読み取られると、タッチパネル11に図27に示した表示画面92が表示され、表示画面92の上の「基本情報を更新する」ボタン92aに触れると、ステップS42に進む。次に、ステップS42において、顧客によって基本情報が入力される。顧客がこの基本情報を入力する際には、図6に示したように、顧客用装置10a(図16参照)のタッチパネル11に、顧客の性別、年齢、身長および体重などの基本情報を入力するための基本情報入力画面40が表示される。そして、顧客は、タッチパネル11の基本情報入力画面40の所定の部分に指で触れることにより基本情報を入力した後、基本情報入力画面40の右下の「次へ」ボタン40aに触れる。ただし、このとき、顧客の名前や住所など顧客を特定することができる情報は入力されない。これにより、基本情報の入力が終了する。その後、図21に示したステップS43において、顧客によって生活リズムが入力される。顧客がこの生活リズムを入力する際には、図7に示した仕事内容入力画面41および図示しない睡眠時間入力画面がタッチパネル11に表示される。この場合、顧客は、まず、図7に示した仕事内容入力画面41において、顧客の仕事内容および勤務時間などの生活リズムを入力した後、仕事内容入力画面41の右下の「次へ」ボタン41aに触れる。これにより、生活リズムの入力が終了する。そして、顧客は、図示しない睡眠時間入力画面において、睡眠時間を入力する。その後、ステップS44において、顧客によって食事内容が入力される。顧客がこの食事内容の入力を行う際には、図8に示すように、顧客用装置10aのタッチパネル11に食事内容入力画面42が表示される。そして、顧客は、タッチパネル11の食事内容入力画面42において食事内容を入力した後、食事内容入力画面42の右下の「次へ」ボタン42aに触れる。これにより、食事内容の入力が終了する。なお、ステップS41において、タッチパネル11に図27に示した表示画面92が表示されたときに、表示画面92の下の「基本情報を更新しない」ボタン92bに触れると、基本情報入力画面40および仕事内容入力画面41が表示されずに、食事内容入力画面42が表示される。
その後、第2実施形態では、上述した第1実施形態と異なり、図21に示したステップS45において、顧客の生活に関連する情報として、顧客が感じている症状(不定愁訴)に関する複数の質問がタッチパネル11に表示され、顧客は、不定愁訴に関する複数の質問の回答を入力する。なお、顧客が感じている症状(不定愁訴)に関する質問としては、「手足や腰が冷える」「すぐ眠くなる」などが挙げられる。そして、ステップS46において、ステップS41〜S45で入力された顧客のID、基本情報、生活リズム、食事内容および不定愁訴がサーバ70(図16参照)に送信される。また、ステップS46において、今回の解析を示す識別番号が決定され、その識別番号がサーバ70に送信される。
次に、図21に示したステップS47において、ヘモグロビン測定装置80、体脂肪計81、血流計82および血圧計83による測定を顧客に促す画面をタッチパネル11に順次表示するとともに、顧客は、それらの画面にしたがってヘモグロビン濃度、体脂肪率、血流量および血圧値を、ヘモグロビン測定装置80(図16参照)、体脂肪計81、血流計82および血圧計83によりそれぞれ測定する。なお、ヘモグロビン濃度の測定を行う際には、まず、図9に示したように、顧客用装置10aのタッチパネル11に、測定画面43が表示される。そして、顧客は、この測定画面43の指示にしたがって、顧客用装置10aのヘモグロビン測定装置80の挿入部(図示せず)に左手中指を挿入するとともに、図9に示したタッチパネル11の測定画面43の「スタート」ボタン43aに指で触れる。これにより、ヘモグロビン測定装置80により、顧客のヘモグロビン濃度が測定される。なお、体脂肪率、血流量および血圧値の測定も、ヘモグロビン濃度の測定と同様、タッチパネル11の測定画面の指示にしたがって順次行われる。その後、図21に示したステップS48において、ヘモグロビン測定装置80、体脂肪計81、血流計82および血圧計83からヘモグロビン濃度、体脂肪率、血流量および血圧値の測定結果が、制御部17fにより受信される。そして、図21に示したステップS49において、制御部17fにより受信された測定結果が、サーバ70に送信される。
その後、ステップS50において、サーバ70からアドバイスデータを受信したか否かが判断される。そして、ステップS50において、サーバ70からアドバイスデータを受信していないと判断された場合には、この判断が繰り返される。その後、ステップS50において、サーバ70からアドバイスデータを受信したと判断された場合には、ステップS51において、受信したアドバイスデータの表示が行われる。具体的には、図10に示すように、タッチパネル11に、顧客の健康の維持または改善を示唆するための情報を示した上記した第1実施形態と同様の解析結果表示画面44が表示される。
そして、ステップS52において、顧客が図10に示した解析結果画面44の「印刷」ボタン44aに触れると、ステップS53において、レポート50a(図22参照)が印刷される。この印刷されたレポート50aは、レポート取り出し口14a(図16参照)から排出される。ここで、この図16に示した第2実施形態によるレポート50aでは、図11に示した第1実施形態によるレポート50と異なり、会員番号の代わりに識別番号が印字され、その下側に、ステップS46で決定された今回の解析を示す識別番号を含むバーコード50bが表示されている。なお、この第2実施形態のレポート50aのその他の部分には、図11に示した第1実施形態によるレポート50と同様の情報が印刷されている。
次に、図16、図20、図21および図28を参照して、第2実施形態による販売支援システム1aのサーバ70の処理フローについて説明する。この処理は、顧客用装置10aからステップS41〜S45(図21参照)で入力された顧客のID、基本情報、生活リズム、食事内容、不定愁訴、および、ステップS46で決定された識別番号が送信されることによって開始する。なお、この処理は、1組の顧客用装置10aおよび薬剤師用装置20aに対する処理であり、他の顧客用装置10bまたは薬剤師用装置20bから入力データの送信があれば、顧客用装置10bおよび薬剤師用装置20bに対する処理は、この処理と並行して実行される。
まず、ステップS54において、入力データ(顧客のID、基本情報、生活リズム、食事内容および不定愁訴)および識別番号がLANケーブル30(図16参照)およびハブ31を介して顧客用装置10a(図16参照)から受信されることにより、サーバ70での処理が開始される。そして、ステップS55において、受信された入力データは、サーバ70(図20参照)のメモリ74bの入力・測定結果格納DB74dおよびお客様経過DB74hに識別番号と対応付けて格納される。そして、ステップS56において、顧客用装置10aから測定結果を受信したか否かが判断される。ステップS56において、顧客用装置10aから測定結果を受信していないと判断された場合には、この判断が繰り返される。そして、ステップS56において、顧客用装置10aから測定結果を受信したと判断された場合には、ステップS57において、受信した測定結果が識別番号と対応付けてサーバ70のメモリ74bの入力・測定結果格納DB74dおよびお客様経過DB74hに格納される。
そして、ステップS58において、ステップS41〜S45で入力された顧客のID、基本情報、生活リズム、食事内容および不定愁訴の入力データと、ステップS47で測定された測定結果(測定結果の履歴を含む)とが、メモリ74bの入力・測定結果格納DB74d(図20参照)から読み込まれる。その後、ステップS59において、解析パラメータが、メモリ74bの解析パラメータDB74cから読み込まれる。そして、ステップS60において、ステップS58で読み込まれた入力データおよび測定結果と、ステップS59で読み込まれた解析パラメータとに基づいて、たとえばベイジアンネットワークなどの解析アルゴリズムにより、顧客の健康状態の解析が行われる。この結果、入力データおよび測定結果に基づく解析結果が決定される。この解析結果は、アドバイスデータDB74e(図20参照)に記憶されている複数のアドバイスデータから1つのアドバイスデータを特定するためのデータ(コード)である。具体的には、この解析結果は、アルファベットや数値などで表されており、アドバイスデータDB74eに記憶されている複数のアドバイスデータのうちの1つのデータに対応付けられている。また、解析結果は、お勧め成分DB74i(図20参照)に記憶されている複数のお勧め成分データのうちの1つのデータに対応付けられている。また、この解析結果は、詳細アドバイスDB74g(図20参照)に記憶されている複数の薬剤師に対するアドバイスデータのうちの1つのデータに対応付けられている。また、この解析結果は、飲み合わせDB74f(図20参照)に記憶されている複数の飲み合わせデータのうちの1つのデータに対応付けられている。また、この解析結果は、ステップS54で受信した識別番号と対応付けられる。
そして、ステップS61において、ステップS60で決定された顧客の健康状態の解析結果に対応するアドバイスデータがアドバイスデータDB74e(図20参照)から選択され、読み込まれる。その後、ステップS62において、ステップS61で読み込まれたアドバイスデータが顧客用装置10aに送信される。そして、ステップS63において、薬剤師用装置20aからデータの送信を要求するデータを受信したか否かが判断される。なお、データの送信を要求するデータには、薬剤師用装置20aに入力された今回の解析を示す識別番号が含まれている。この識別番号は、ステップS64〜S67で、入力データ、測定結果、薬剤師に対するアドバイスデータ、お勧め成分データおよび飲み合わせデータを識別するために用いられる。そして、ステップS63において、薬剤師用装置20aからデータの送信を要求するデータを受信していないと判断された場合には、この判断が繰り返される。その後、ステップS63において、薬剤師用装置20aからデータの送信を要求するデータを受信したと判断された場合には、ステップS64において、薬剤師用装置20aから送信された識別番号に対応する入力データおよび測定結果(測定結果の履歴を含む)がお客様経過DB74h(図20参照)から読み込まれる。
その後、ステップS65において、薬剤師用装置20aから送信された識別番号と対応する解析結果に対応する薬剤師に対するアドバイスデータが、詳細アドバイスDB74g(図20参照)に記憶されている複数の薬剤師に対するアドバイスデータから選択され、読み込まれる。そして、ステップS66において、薬剤師用装置20aから送信された識別番号と対応する解析結果に対応するお勧め成分データが、お勧め成分DB74i(図20参照)に記憶されている複数のお勧め成分データから選択され、読み込まれる。その後、ステップS67において、薬剤師用装置20aから送信された識別番号と対応する解析結果に対応する飲み合わせデータが、飲み合わせDB74f(図20参照)に記憶されている複数の飲み合わせデータから選択され、読み込まれる。次に、ステップS68において、データにID(会員番号)が含まれているか否かが判断される。そして、データにID(会員番号)が含まれていると判断された場合には、ステップS69において、図28に示すように、ID(会員番号)と識別番号との関連付けが行われてIDカードDB74jに格納される。また、ステップS68において、受信したデータにID(会員番号)が含まれていないと判断された場合には、ステップS70に進む。そして、ステップS70において、ステップS64〜S67で読み込まれたデータが、薬剤師用装置20aに送信される。
次に、図13、図16、図21、図22および図25を参照して、第2実施形態による販売支援システム1aの薬剤師用装置20aの処理フローについて説明する。
まず、ステップS71において、薬剤師が上記の識別番号またはID(会員番号)を薬剤師用装置20aに入力することにより、薬剤師用装置20aの処理フローが開始される。なお、識別番号の入力は、キーボード22(図16参照)を用いて行ってもよいし、ステップS53で印刷されたレポート50aに印字されたバーコード50b(図22参照)を、バーコードリーダ25で読み取ることによって行ってもよい。また、ID(会員番号)の入力は、IDカード90に印字されたバーコード90a(図25参照)を、バーコードリーダ25で読み取ることによって行う。そして、ステップS72において、サーバ70に対してデータの送信を要求するデータを送信する。なお、データの送信を要求するデータには、ステップS71で入力された識別番号も含まれている。その後、ステップS73において、ステップS64〜S67で読み込まれたデータをサーバ70から受信したか否かが判断される。そして、ステップS74において、ステップS64〜S67で読み込まれたデータをサーバ70から受信していないと判断された場合には、この判断が繰り返される。
その後、ステップS73において、ステップS64〜S67で読み込まれたデータを受信したと判断された場合には、ステップS74において、ステップS73で受信したデータが、図13に示した第1実施形態のお勧め情報画面60(図13参照)と同様の画面に表示される。
このような情報画面60が表示されることによって、薬剤師は、「お勧め方アドバイス」に表示された情報から、顧客に対して健康の維持または改善のためにどのような助言するかを決定することができる。また、薬剤師は、「お勧め成分」に表示された情報から、顧客が健康を維持または改善させるために購入すべき商品として、この欄に表示されている成分を含む商品を選定し、その商品を顧客に勧めることができる。
第2実施形態では、上記のように、顧客用装置10aとサーバ70とをLANケーブル30およびハブ31により接続するとともに、薬剤師用装置20aとサーバ70とをLANケーブル30およびハブ31により接続することによって、顧客用装置10aにおいて顧客により入力された生活情報および測定された生体情報に基づいてサーバ70の制御部74により決定された顧客が健康を維持または改善させるために購入すべき商品の薬剤師による選定を支援するための情報(お勧め成分DB74iに格納された情報)を、サーバ70から薬剤師用装置20aに送信して、容易に、薬剤師用装置20aのタッチパネル21に表示することができる。これにより、薬剤師は、薬剤師用装置20aのタッチパネル21に表示された顧客が購入すべき商品の薬剤師による選定を支援するための情報を閲覧することができる。したがって、薬剤師は、顧客が購入すべき商品の薬剤師による選定を支援するための情報に基づいて、顧客に合った商品を選定し、その商品を顧客に勧めることが容易となる。一方、顧客は、顧客自身の生活情報および生体情報に基づいて商品を薬剤師から勧められれば、納得してその商品を購入することができる。
また、第2実施形態では、サーバ70を複数の顧客用装置10aおよび10bと、その複数の顧客用装置10aおよび10bにそれぞれ対応する複数の薬剤師用装置20aおよび20bとに通信可能に接続することによって、グループ企業に属する薬局に設置されている全ての顧客用装置10aおよび10bから収集した生活情報を1台のサーバ70で管理することができる。
また、第2実施形態では、サーバ70に、顧客が健康を維持または改善させるために購入すべき商品に関する情報(お勧め成分DB74iに格納された情報)を格納するメモリ74bを設けることによって、顧客用装置10aから受信した生活情報および測定された生体情報に基づいて、他の装置と通信することなく、お勧め成分DB74iから所定のお勧め成分を選択することができるので、高速な処理ができる。
また、第2実施形態では、薬剤師は、レポート50aに印字されたバーコード50bまたはIDカード90に印字されたバーコード90aを読み取るだけで、お勧め情報画面60を表示することができるので、処理が簡単であるとともに、顧客の名前や住所などを特定するための個人データを薬剤師が入手することがないので、個人データの管理が不要となる。
また、第2実施形態では、上記のように、ID(会員番号)と識別番号とを関連付けて格納するIDカードDB74jを設けることによって、薬剤師用装置20aのバーコードリーダ25を用いてIDカード90に印字されたバーコード90aを読み取ることによりID(会員番号)を取得することができるので、その取得したID(会員番号)に対応する識別番号のデータを各データベースから読み出すことができる。これにより、ID(会員番号)に対応する過去履歴を容易に表示することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、顧客の生体情報として、ヘモグロビン濃度を用いるとともに、上記第2実施形態では、顧客の生体情報として、ヘモグロビン濃度、体脂肪率、血流量および血圧値を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、生体情報として、ヘモグロビン濃度、体脂肪率、血流量および血圧値以外の血糖値、体温および脈拍などを用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、顧客用装置において、入力データ、測定データおよび解析パラメータに基づいて顧客の健康状態を解析する解析アルゴリズムとして、ベイジアンネットワークを用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、ベイジアンネットワーク以外の解析アルゴリズムを用いて顧客の健康状態を解析するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、販売支援システムを薬局に設置した例を示したが、本発明はこれに限らず、販売支援システムをコンビニエンスストア、スポーツジム、病院またはスーパーマーケットなどに設置してもよい。コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売支援システムを用いる場合には、薬剤師用装置は店員用装置になり、スポーツジムで販売支援システムを用いる場合には、薬剤師用装置はインストラクター用装置になり、病院で販売支援システムを用いる場合には、薬剤師用装置は医師用装置になる。この場合、健康食品以外の野菜などの食品や医薬品や健康器具などの商品を販売するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、販売者として、薬剤師が健康食品を勧める例について説明したが、本発明はこれに限らず、病院の医師などが健康食品を勧めてもよい。
また、上記第1実施形態では、薬剤師用装置において、健康食品を検索する例を示したが、本発明はこれに限らず、健康食品以外に、野菜などの食品や医薬品を検索してもよい。
また、上記第1実施形態では、入力データ(性別、年齢、身長、体重、食生活、仕事の内容、睡眠時間など)および測定結果に基づいて決定された解析結果からお勧め成分データを決定する処理を、薬剤師用装置で行うとともに、第2実施形態では、サーバで行う例について説明したが、本発明はこれ限らず、入力データおよび測定結果に基づいて決定された解析結果からお勧め成分データを決定する処理を、顧客用装置で行ってもよい。
また、上記第1実施形態では、入力データ(性別、年齢、身長、体重、食生活、仕事の内容、睡眠時間など)および測定結果に基づいて解析結果を決定する処理を、顧客用装置で行うとともに、第2実施形態では、サーバで行う例を示したが、本発明はこれに限らず、入力データおよび測定結果に基づいて解析結果を決定する処理を、薬剤師用装置で行ってもよい。この場合、顧客用装置は、薬剤師用装置から解析結果を受信するとともに、その解析結果に基づいてアドバイスデータDBからアドバイスデータを選択してもよいし、解析結果に基づいて薬剤師用装置により選択されたお勧め成分を薬剤師用装置から受信してもよい。
また、上記第1実施形態では、顧客用装置は、測定データである生体情報(ヘモグロビン濃度、体脂肪率、血流量および血圧値)および入力データである生活情報(性別、年齢、身長、体重、食生活、仕事の内容、睡眠時間など)に基づいて顧客の健康状態を解析した例を示したが、本発明はこれに限らず、生活情報のみに基づいて顧客の健康状態を解析してもよい。
また、上記第1実施形態では、薬剤師用装置の商品検索画面において薬剤師が顧客に勧める健康食品を検索(抽出)する例を示したが、本発明はこれに限らず、測定データおよび解析結果をもとに顧客に勧める健康食品を自動的に検索(抽出)して表示させてもよい。
また、上記第1実施形態では、新規の顧客が販売支援システムを使用する場合についての例を示したので、図13に示したお勧め情報画面60では過去履歴が表示されないとともに、図15に示した履歴詳細画面62では解析結果のグラフに前回および前々回の履歴が表示されていないが、顧客が販売支援システムを以前に利用している場合には、図12に示したステップS24において、顧客の過去の測定データ、解析結果および顧客にお勧めした健康食品の情報などがお客様経過DB24eから読み込まれる。そして、図23および図24に示すように、お勧め情報画面70(図23参照)では、過去履歴の欄に、前回顧客にお勧めした健康食品が表示されるとともに、履歴詳細画面72(図24参照)では、前々回、前回および今回の解析結果がグラフ化した状態で表示される。これにより、顧客の健康状態の経時変化を把握することができる。
また、上記第1実施形態では、お勧め成分を含む健康食品について検索を行った例を示したが、本発明はこれに限らず、薬剤師に対するアドバイスや飲み合わせ情報の検索を行ってもよい。この場合には、図13に示した「検索」ボタン60bまたは60dを用いて検索画面を表示させて検索を行えばよい。
また、上記第2実施形態では、複数の顧客用装置から収集したデータを1台のサーバで管理するとともに、薬剤師用装置の処理フローを、ステップS72(図21参照)において、ステップS71で受信したデータをタッチパネル21に表示して終了するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、複数の顧客用装置から収集したデータを1台のサーバで管理する場合にも、薬剤師用装置の処理フローを、ステップS72において、ステップS71で受信したデータをタッチパネル21に表示した後、上記第1実施形態のステップS29〜S33に対応するステップを設けてもよい。具体的には、お勧め成分を含む健康食品をさらに検索してもよいし、商品情報の検索を行ってもよい。この場合、上記第1実施形態の商品情報DB24fに対応する商品情報DBを、サーバの制御部に設ければよい。