JPWO2009054351A1 - 生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

血液中のアミノ酸の濃度を利用して生体状態を精度よく評価することができる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体を提供することを課題とする。本発明は、アミノ酸の濃度値に関する予め取得したアミノ酸濃度データおよび生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、アミノ酸の濃度値および生体状態を表す数値を変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成し、作成したベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態を評価する。

Description

本発明は、血液(血漿)中のアミノ酸濃度を利用した生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体に関するものである。
ここで、本明細書において、「生体状態」とは、健康状態(健常)や各種病態を含む概念である。
最近のゲノム解析の進展とポストゲノム時代の新しい技術(遺伝子発現解析、プロテオーム解析、代謝物を解析するメタボローム解析など)により、生体状態が健康か病態であるかに関する診断法として遺伝子発現やプロテオームやメタボロームなど多様な方法が用いられ、診断に有効なバイオマーカーの探索が行われている。
代謝物濃度は、生体内の様々な代謝的要因が加わった結果生じている動的な平衡状態を反映したものであるため、生体状態の変化は代謝物濃度の変化を誘導すると考えられる。逆に、代謝物濃度の変化を観測すれば、生体状態の変化(生体状態が健康か病態か)の評価を行うことが可能である。
これまで、血中の代謝物であるアミノ酸濃度の変化による病態の評価法の例として、フィッシャー比(分岐鎖アミノ酸の和と芳香族アミノ酸の和の比:“(Leu+Ile+Val)/(Phe+Tyr)”)が、肝硬変により減少することが知られている(非特許文献1)。フィッシャー比による評価法のように、代謝物濃度は複数の代謝物の相互に相関した変化により変動するため、複数の代謝物濃度を変数に用いる多変量の評価法は生体状態の評価に適している。
代謝物濃度により生体状態を評価する技術としては、フィッシャー比以外にも特許文献1や特許文献2や特許文献3などが知られている。特許文献1では、代謝物などのデータに基づく、ニューロンのモデルであるニューラル・ネットワークによる評価法が記載されている。具体的には、心臓病や歯科用アマルガム症候群などの患者や健常人の血液学的データをトレーニング・データとして用いてニューラル・ネットワークによる評価モデルを作成し、作成した評価モデルに対し新たな評価対象者の血液学的データを用いて当該評価対象者の心臓病や歯科用アマルガム症候群などの病状を予測する。また、特許文献2では、アミノ酸を含む血液中の複数の代謝物濃度を変数として、これらの変数と生体状態の指標データとの相関性を解析することにより、多変数から構成される複数の分数式による相関式を作成する方法が記載されている。具体的には、複数のアミノ酸を変数とする複数の分数式からなる相関式であって肝線維化の病態を判定する評価指標を作成する。また、特許文献3では、アミノ酸を含む血液中の複数の代謝物濃度を変数として、これらの変数の組み合わせからなる生体状態の指標データを評価対象とする多変量解析による評価法が記載されている。多変量解析による評価法の選定には、評価関数検証手段と、変数の組み合わせを選択する変数選択手段とを用いる。具体的には、複数のアミノ酸を変数とする多変量解析による評価関数であって潰瘍性大腸炎またはクローン病の病態を判定するものを作成している。このように、特許文献2および特許文献3では、生体状態の評価に血中のアミノ酸濃度を用いることにより判別性を示す生体状態の評価指標が得られること、を記述している。
ベイジアンネットワーク(以下、BNと略記する場合がある。)法を医療診断に用いる技術としては、非特許文献2や非特許文献3や非特許文献4などが知られている。これらは、診断サポートや医療教育を目的に、医療診断に関しての確率論的決定支援システムを提供することを記載している。非特許文献2、3では、循環器系やリンパ腫などの100を超える多様な疾患を対象に、被診断者の症状や測定データや疾患履歴などを変数として用い、医療専門家の知識をベースにBN構造を構築している。また、非特許文献4では、16種類に及ぶ肝臓障害を出力とする肝臓病の診断支援を目的に、肝臓病領域で医師が通常行う問診や測定データからなる93に及ぶ変数を用いて、医療専門家の知識をベースにBN構造を構築し、BNの予測性の検証にはleave−one−out法を用いている。
J. E. Fischer, et al., Surgery, 78, 276, 1975 Wiegerinck, WAJJ. And Braak ter E., 1998, PROMEDAS, a prototype decision support system for medical diagnosis. PROMEDASのホームページで紹介されているPDFファイル:http://www.promedas.nl/doc/promedasv1.pdf Onisko A, et al., Research Report, CBMI−99−27, 1, 1999 米国特許第5687716号明細書 国際公開第2004/052191号パンフレット 国際公開第2006/098192号パンフレット
しかしながら、従来技術では、代謝物を用いて生体状態の評価法を作成する段階で、生体状態と代謝物などの複数の変数との間の定性的な因果関係や依存関係を積極的に考慮したものではなく、生体状態と代謝物などの変数の間の生物学的知見を反映したものではない、という問題点がある。
また、従来技術では、変数データの分布の正規性や変数間の線形関係を仮定した場合、変数データの多様な分布や依存関係を反映しきれない、という問題点がある。
また、BN法による生体状態の評価法では評価に必要な変数と重要でない変数とを区別してBN構造を構築することが評価性能の向上を図る上で重要であるが、従来技術のBN法による生体状態の評価法ではこの点が十分考慮されていないという問題点がある。また、生体状態は血漿中のアミノ酸などの代謝物濃度の変化と相関して変化すると考えられるので、BN法の変数として血漿中のアミノ酸などを取り入れれば生体状態のより詳細な評価が可能になるが、従来技術のBN法による生体状態の評価法ではそれが考慮されていないという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、血漿中のアミノ酸濃度を利用して生体状態を精度よく評価することができる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる生体状態評価装置は、制御手段を備え、評価対象の生体状態を評価する生体状態評価装置であって、前記制御手段は、アミノ酸の濃度値に関する予め取得したアミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成手段と、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価装置は、前記に記載の生体状態評価装置において、前記制御手段は、前記アミノ酸濃度データを構成する各々の前記アミノ酸の前記濃度値の中から、前記ベイジアンネットワーク法を実行する際に前記変数として採用するものを、所定の手法により選択する変数選択手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価装置は、前記に記載の生体状態評価装置において、前記所定の手法は、多変量解析手法、またはベイジアンネットワーク構造の探索手法であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価装置は、前記に記載の生体状態評価装置において、前記ベイジアンネットワークモデルは、前記変数として、前記アミノ酸の前記濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の前記数値および/または生体指標の前記数値、および/または、前記生体状態を表す前記数値と依存関係を持つ前記生体代謝物の前記数値および/または前記生体指標の前記数値をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価装置は、前記に記載の生体状態評価装置において、前記生体代謝物は、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンのうちの少なくとも1つであり、前記生体指標は、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴のうちの少なくとも1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価装置は、前記に記載の生体状態評価装置において、前記生体状態評価手段は、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態が健康または病態であるか否かを判別する生体状態判別手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価装置は、前記に記載の生体状態評価装置において、前記生体状態は、耐糖能異常の状態であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価装置は、前記に記載の生体状態評価装置において、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した前記評価対象から採取した血液から測定したものであり、前記制御手段は、前記生体状態評価手段での評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記耐糖能異常を予防させる又は前記耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する判定手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は生体状態評価方法に関するものであり、本発明にかかる生体状態評価方法は、制御手段を備えた情報処理装置で実行する、評価対象の生体状態を評価する生体状態評価方法であって、前記制御手段で、アミノ酸の濃度値に関する予め取得したアミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成ステップと、前記モデル作成ステップで作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価方法は、前記に記載の生体状態評価方法において、前記制御手段で、前記アミノ酸濃度データを構成する各々の前記アミノ酸の前記濃度値の中から、前記ベイジアンネットワーク法を実行する際に前記変数として採用するものを、所定の手法により選択する変数選択ステップをさらに実行することを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価方法は、前記に記載の生体状態評価方法において、前記所定の手法は、多変量解析手法、またはベイジアンネットワーク構造の探索手法であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価方法は、前記に記載の生体状態評価方法において、前記ベイジアンネットワークモデルは、前記変数として、前記アミノ酸の前記濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の前記数値および/または生体指標の前記数値、および/または、前記生体状態を表す前記数値と依存関係を持つ前記生体代謝物の前記数値および/または前記生体指標の前記数値をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価方法は、前記に記載の生体状態評価方法において、前記生体代謝物は、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンのうちの少なくとも1つであり、前記生体指標は、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴のうちの少なくとも1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価方法は、前記に記載の生体状態評価方法において、前記生体状態評価ステップは、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態が健康または病態であるか否かを判別する生体状態判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価方法は、前記に記載の生体状態評価方法において、前記生体状態は、耐糖能異常の状態であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価方法は、前記に記載の生体状態評価方法において、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した前記評価対象から採取した血液から測定したものであり、前記制御手段で、前記生体状態評価ステップでの評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記耐糖能異常を予防させる又は前記耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する判定ステップをさらに実行することを特徴とする。
また、本発明は生体状態評価システムに関するものであり、本発明にかかる生体状態評価システムは、制御手段を備え評価対象の生体状態を評価する生体状態評価装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成された生体状態評価システムであって、前記情報通信端末装置は、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記生体状態評価装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、前記生体状態評価装置から送信された前記生体状態に関する前記評価対象の評価結果を受信する評価結果受信手段とを備え、前記生体状態評価装置の前記制御手段は、前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、予め取得した前記アミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成手段と、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価手段と、前記生体状態評価手段での前記評価結果を前記情報通信端末装置へ送信する評価結果送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価システムは、前記に記載の生体状態評価システムにおいて、前記生体状態評価装置の前記制御手段は、前記アミノ酸濃度データを構成する各々の前記アミノ酸の前記濃度値の中から、前記ベイジアンネットワーク法を実行する際に前記変数として採用するものを、所定の手法により選択する変数選択手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価システムは、前記に記載の生体状態評価システムにおいて、前記所定の手法は、多変量解析手法、またはベイジアンネットワーク構造の探索手法であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価システムは、前記に記載の生体状態評価システムにおいて、前記ベイジアンネットワークモデルは、前記変数として、前記アミノ酸の前記濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の前記数値および/または生体指標の前記数値、および/または、前記生体状態を表す前記数値と依存関係を持つ前記生体代謝物の前記数値および/または前記生体指標の前記数値をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価システムは、前記に記載の生体状態評価システムにおいて、前記生体代謝物は、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンのうちの少なくとも1つであり、前記生体指標は、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴のうちの少なくとも1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価システムは、前記に記載の生体状態評価システムにおいて、前記生体状態評価手段は、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態が健康または病態であるか否かを判別する生体状態判別手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価システムは、前記に記載の生体状態評価システムにおいて、前記生体状態は、耐糖能異常の状態であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価システムは、前記に記載の生体状態評価システムにおいて、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した前記評価対象から採取した血液から測定したものであり、前記生体状態評価装置の前記制御手段は、前記生体状態評価手段での評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記耐糖能異常を予防させる又は前記耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する判定手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は生体状態評価プログラムに関するものであり、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、制御手段を備えた情報処理装置に実行させる、評価対象の生体状態を評価する生体状態評価プログラムであって、前記制御手段に、アミノ酸の濃度値に関する予め取得したアミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成ステップと、前記モデル作成ステップで作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価ステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、前記に記載の生体状態評価プログラムにおいて、前記制御手段に、前記アミノ酸濃度データを構成する各々の前記アミノ酸の前記濃度値の中から、前記ベイジアンネットワーク法を実行する際に前記変数として採用するものを、所定の手法により選択する変数選択ステップをさらに実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、前記に記載の生体状態評価プログラムにおいて、前記所定の手法は、多変量解析手法、またはベイジアンネットワーク構造の探索手法であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、前記に記載の生体状態評価プログラムにおいて、前記ベイジアンネットワークモデルは、前記変数として、前記アミノ酸の前記濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の前記数値および/または生体指標の前記数値、および/または、前記生体状態を表す前記数値と依存関係を持つ前記生体代謝物の前記数値および/または前記生体指標の前記数値をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、前記に記載の生体状態評価プログラムにおいて、前記生体代謝物は、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンのうちの少なくとも1つであり、前記生体指標は、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴のうちの少なくとも1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、前記に記載の生体状態評価プログラムにおいて、前記生体状態評価ステップは、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態が健康または病態であるか否かを判別する生体状態判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、前記に記載の生体状態評価プログラムにおいて、前記生体状態は、耐糖能異常の状態であることを特徴とする。
また、本発明にかかる生体状態評価プログラムは、前記に記載の生体状態評価プログラムにおいて、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した前記評価対象から採取した血液から測定したものであり、前記制御手段に、前記生体状態評価ステップでの評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記耐糖能異常を予防させる又は前記耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する判定ステップをさらに実行させることを特徴とする。
また、本発明は記録媒体に関するものであり、本発明にかかる記録媒体は、前記のいずれか1つに記載の生体状態評価プログラムを記録したことを特徴とする。
本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データおよび生体状態を表す数値に関する生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、アミノ酸の濃度値および生体状態を表す数値を変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成し、作成したベイジアンネットワークモデルおよび評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態を評価するので、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、生体状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、アミノ酸濃度データを構成する各々のアミノ酸の濃度値の中から、ベイジアンネットワーク法を実行する際に変数として採用するものを、所定の手法により選択するので、生体状態と有意な依存関係がある血漿中のアミノ酸を選択することができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、所定の手法は、多変量解析手法、またはベイジアンネットワーク構造の探索手法であるので、既存の手法を利用して、生体状態と有意な依存関係がある血漿中のアミノ酸を効率よく選択することができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、ベイジアンネットワークモデルは、変数として、アミノ酸の濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の数値および/または生体指標の数値、および/または、生体状態を表す数値と依存関係を持つ生体代謝物の数値および/または生体指標の数値をさらに含むので、アミノ酸や生体状態と有意な依存関係を持つ様々な変数を取り入れることができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、生体代謝物は、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンのうちの少なくとも1つであり、生体指標は、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴のうちの少なくとも1つであるので、容易に収集可能な変数を取り入れることができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、作成したベイジアンネットワークモデルおよび評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態が健康または病態であるか否かを判別するので、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、生体状態が健康または病態であるかの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、生体状態は、耐糖能異常の状態であるので、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、耐糖能異常の状態の評価(具体的には耐糖能異常または正常であるかの2群判別)を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システムおよび生体状態評価プログラムによれば、評価対象のアミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した評価対象から採取した血液から測定したものであり、評価結果に基づいて、所望の物質群が、耐糖能異常を予防させる又は耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定するので、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して行われた耐糖能異常の状態の評価(具体的には耐糖能異常または正常であるかの2群判別)の結果を利用して、耐糖能異常の予防・改善物質を精度よく探索することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる記録媒体によれば、当該記録媒体に記録された生体状態評価プログラムをコンピュータに読み取らせて実行することでコンピュータに生体状態評価プログラムを実行させるので、生体状態評価プログラムと同様の効果を得ることができるという効果を奏する。
本発明の概要を示す図である。 本システムの全体構成の一例を示す図である。 本システムの全体構成の他の一例を示す図である。 本システムの生体状態評価装置100の構成の一例を示すブロック図である。 利用者情報ファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。 生体状態情報ファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。 BNモデルファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。 評価結果ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。 本システムのクライアント装置200の構成の一例を示すブロック図である。 本システムのデータベース装置400の構成の一例を示すブロック図である。 本システムで行う生体状態評価サービス処理の一例を示すフローチャートである。 生体状態評価装置100で行う生体状態評価処理の一例を示すフローチャートである。 実施例1で作成したBN構造を示す図である。 正常と耐糖能異常の2群間のアミノ酸変数の分布を示す箱ひげ図である。 実施例2で作成したBN構造を示す図である。 実施例3で作成したBN構造を示す図である。 2群間の判別性能を評価するためのROC曲線を示す図である。 実施例3で作成したBN構造を示す図である。 実施例4で作成したBN構造を示す図である。 2群間の判別性能を評価するためのROC曲線を示す図である。
符号の説明
100 生体状態評価装置
102 制御部
102a 要求解釈部
102b 閲覧処理部
102c 認証処理部
102d 電子メール生成部
102e Webページ生成部
102f 受信部
102g BNモデル作成部
102h 生体状態評価部
102h1 生体状態判別部
102i 変数選択部
102j 判定部
102k 送信部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 利用者情報ファイル
106b 生体状態情報ファイル
106c BNモデルファイル
106d 評価結果ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 クライアント装置(情報通信端末装置)
300 ネットワーク
400 データベース装置
以下に、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[1.本発明の概要]
ここでは、本発明の概要について、図1を参照して説明する。図1は本発明の概要を示す図である。
まず、本発明は、制御部で、アミノ酸の濃度値に関する予め取得したトレーニング用のアミノ酸濃度データおよび生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいて、アミノ酸の濃度値および生体状態を表す数値を変数としてBN法を実行することにより、アミノ酸の濃度値および生体状態を表す数値を変数として含むBNモデルを作成する(ステップS−1)。
ここで、ステップS−1において、トレーニング用のアミノ酸濃度データは、検体(例えば動物やヒトなどの個体)から採取した血液サンプルから測定した。血中アミノ酸濃度の分析は次のように行った。採血した血液サンプルを、ヘパリン処理したチューブに採取し、採取した血液サンプルを遠心することにより血液から血漿を分離した。全ての血漿サンプルは、アミノ酸濃度の測定時まで−70℃で凍結保存した。アミノ酸濃度測定時には、スルホサリチル酸を添加し3%濃度調整により除蛋白処理を行い、測定には、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機を使用した。なお、アミノ酸濃度の単位は、例えばモル濃度や重量濃度、これらの濃度に任意の定数を加減乗除することで得られるものでもよい。
つぎに、本発明は、制御部で、ステップS−1で作成したBNモデルおよび予め取得した評価対象(例えば動物やヒトなどの個体)のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態を評価する(ステップS−2)。
以上、本発明によれば、予め取得したトレーニング用のアミノ酸濃度データおよび生体状態データに基づいてBN法を実行することにより、アミノ酸の濃度値および生体状態を表す数値を変数として含むBNモデルを作成し、作成したBNモデルおよび予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態を評価する。
換言すると、本発明は、生体状態を評価する(例えば生体状態が健康か又はある病態であるかを判別する)ための変量(変数)として血漿中のアミノ酸濃度を用い且つ評価方法としてBN法を用いることによりBNモデルを作成し、作成したBNモデルに基づいて、新たなサンプルの生体状態を評価する。本発明は、BNモデルに含まれる変数として、血漿中のアミノ酸濃度および生体状態を表す生体状態変数を含む。本発明は、アミノ酸や生体状態などの複数の確率変数の間の定性的な因果関係または依存関係を表現するグラフ構造を探索し、各確率変数の間の定量的な依存関係を示す条件付き確率を求める。本発明は、生体状態やアミノ酸などの変数の間の因果関係や依存関係を考慮し、これら関係について、複数の変数が互いに関連付けられたネットワークで表現する。
これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、生体状態を精度よく評価することができる。なお、本発明では、変数値の分布の正規性や変数間の線形関係などを前提にしなくてもよい。また、本発明では、条件付き確率に関して、連続変数に対して正規分布を仮定してもよく、正規分布を仮定しなくてもよい。具体的には、本発明では、条件付き確率の算出において、正規性を仮定しないN分割した汎用性のある非正規の確率分布を用いてもよい。
また、本発明によれば、アミノ酸濃度データを構成する各々のアミノ酸の濃度値の中から、BN法を実行する際に変数として採用するものを、所定の手法により選択してもよい。これにより、生体状態と有意な依存関係がある血漿中のアミノ酸を選択することができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができる。つまり、BNによる生体状態の評価性能を向上させることができる。
また、本発明によれば、所定の手法は、例えば、多変量解析手法やベイジアンネットワーク構造の探索手法などでもよい。これにより、既存の手法を利用して、生体状態と有意な依存関係がある血漿中のアミノ酸を効率よく選択することができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができる。
例えば、BNのノードには、国際公開第2006/098192号パンフレットに記載の、変数選択による多変量解析の評価式に現われる変数を用いてもよい。具体的には、BNのノードには、ステップワイズ法によるロジスティック回帰式に現われる変数を選んでもよい。これにより、BNによる生体状態の評価性能をより向上させることができる。
また、例えば網羅的な探索法やgreedy algorithmであるK2法などの手法を用いて候補変数を含むグラフ構造を探索することにより、変数間の定性的な因果関係や依存関係を反映したBNのネットワーク構造であってその構造で決まる評価指標(例えばAIC(Akaike Information Criterion)、BIC(Bayesian Information Criterion)、MDL(Minimum Description Length)など)が最適なものを得て、得た最適なネットワーク構造に含まれる変数を選択してもよい。これにより、BNによる生体状態の評価性能をより向上させることができる。
また、本発明によれば、BNモデルは、変数として、例えば、アミノ酸の濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の数値や生体指標の数値、生体状態を表す数値と依存関係を持つ生体代謝物の数値や生体指標の数値などをさらに含んでもよい。これにより、アミノ酸や生体状態と有意な依存関係を持つ様々な変数を取り入れることができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができる。なお、本発明によれば、生体代謝物は、例えば、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンなどでもよく、生体指標は、例えば、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴などでもよく、BNモデルの変数としてこれらを組み合わせて含んでもよい。これにより、容易に収集可能な変数を取り入れることができ、結果として、生体状態をさらに精度よく評価することができる。ここで、BNモデルに含まれる変数は、連続変数でも離散変数でもよい。
また、本発明によれば、作成したBNモデルおよび予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態が健康または病態であるか否かを判別してもよい。これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、生体状態が健康または病態であるかの2群判別を精度よく行うことができる。ここで、生体状態を例えば健康または病態に区分する場合は、生体状態変数を離散型の変数(例えば健康“0”および病態“1”)としてもよい。
また、本発明によれば、生体状態は、例えば、耐糖能異常の状態でもよい。これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、耐糖能異常の状態の評価(具体的には耐糖能異常または正常であるかの2群判別)を精度よく行うことができる。なお、本発明では、BN法の変数として、血漿中のアミノ酸濃度を表すアミノ酸濃度変数および生体状態(耐糖能異常の状態)を表す生体状態変数を含む。なお、生体状態変数は、離散型の変数でもよく、具体的には健常“0”および耐糖能異常“1”の値をとる変数でもよい。また、BN法の変数としては、アミノ酸濃度変数や生体状態変数以外にも、耐糖能異常と依存関係を持つ空腹時血糖値(FPG)や、アミノ酸濃度分布の性差を表現するための性別変数(男性“1”、女性“2”)などを含めてもよい。
ここで、本発明における生体状態の評価の一例として、生活習慣病との関連で最近注目されている耐糖能異常の状態の評価について述べる。
厚生労働省が平成14年に行った糖尿病実態調査によると、全国において、「糖尿病が強く疑われる人(HbA1Cが6.1%以上の人、または現在糖尿病の治療を受けている人)」は約740万人、そして「糖尿病の可能性を否定できない人(HbA1Cが5.6%以上且つ6.1%未満で現在糖尿病治療を受けていない人)」は約880万人であり、合計約1,620万人に達した。つまり、成人の6人に1人が糖尿病かその予備群と推定された。この調査により、「21世紀の国民病」と呼ばれるようになった糖尿病の実態が解明され、国民の健康と医療に関して大きな問題となっている。
糖尿病の予備群である耐糖能異常では、将来の糖尿病への進展による糖尿病性合併症の発症や、動脈硬化による心血管障害のリスクが高くなっている。近年、高脂肪食や運動不足を背景とした生活習慣により、肥満、インシュリン抵抗性を基盤とした高血糖、高血圧、高脂血症を複数併せたメタボリック・シンドロームの症状を保有する人が増加している。こうした症状は、経年的に動脈硬化症を発症し最終的に心筋梗塞などの心血管障害や脳梗塞などの脳血管障害に至る人を増加させるとして、現在、緊急の医療保険の課題として注目を集めている。糖尿病もメタボリック・シンドロームも共に生活習慣に起因するものであり、両者は強く相関している。
アミノ酸の代謝は、内臓脂肪の蓄積に由来するインシュリン抵抗性により末梢組織で影響を受け、糖代謝、脂質代謝、炎症反応、レドックス調節機構と強く連関していると考えられる。そのため、耐糖能異常での末梢血等で特異的に変動するアミノ酸が発見されれば、耐糖能異常の背景にある代謝変化を反映した簡便かつ鋭敏な検査法として広く適用可能である。
しかし、これまで耐糖能異常の状態での末梢血のアミノ酸代謝パターンに関する報告は無く、肥満または糖尿病でのアミノ酸の変化に限られている(文献「Felig, P., Marliss, E., et al., New Engl. J. Med. 281,811(1969).」や文献「Felig, P., Marliss, E., et al., Diabetes, 19, 727(1970)」参照)。
そこで、本発明では、例えば、耐糖能異常の状態の評価(具体的には、耐糖能異常とされる群と正常とされる群との2群判別)を行うことができる。これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、耐糖能異常の状態の評価(具体的には耐糖能異常または正常であるかの2群判別)を精度よく行うことができる。なお、本明細書では、経口糖負荷試験(OGTT)によるOGTT・2時間値が140mg/dl以上の、1997年米国糖尿病学会の区分で言う耐糖能異常および糖尿病を併せて耐糖能異常と称す。また、耐糖能異常では、インシュリン抵抗性をベースにした高血糖およびこれに付随する心血管障害リスクの症状を含有することから、本発明は、これらの判別にも有効である。
また、本発明によれば、評価対象のアミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した評価対象から採取した血液から測定したものでもよく、また、ステップS−2での評価結果に基づいて、所望の物質群が、耐糖能異常を予防させる又は耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定してもよい。これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して行われた耐糖能異常の状態の評価(具体的には耐糖能異常または正常であるかの2群判別)の結果を利用して、耐糖能異常の予防・改善物質を精度よく探索することができる。
ここで、BNとは、複数の確率変数の間の定性的な因果関係または依存関係をグラフ構造によって表し且つ各確率変数の間の定量的な依存関係を条件付き確率で表した確率モデルである(文献「Jensen, F. And Nielsen, T., Bayesian Networks and Decision Graphs, Springer, 2007.」参照)。従って、BNモデルは、当該モデルの表現に必要な複数の変数と、その間の定性的な依存関係を表現するグラフ構造と、その間の定量的な依存関係を表現する条件付き確率と、の集合によって定義される。
BNモデルのグラフ構造では、変数をノードとして図示すると共に、変数間の依存関係を、向きを持つ有向リンクで図示する。なお、有向リンクは、ノード間を結ぶ矢印の線分であり、エッジまたはアークとも呼ばれる。全体のグラフ構造は、あるノードから出発して矢印のリンクを通るパスを繋いだ時、元のノードに戻ることが許されない非循環有向グラフで表される。また、有向リンクA→Bがある時、有向リンクの根元のノードAを親ノード、矢印の先のノードBを子ノード、と呼ぶ。また、有向リンクA→Bがある時、変数Bの確率分布は、変数Aの値に依存し、条件付き確率P(B|A)で表現される。なお、ノードAがノードBの親ノードであることから変数AをP(B)と表してもよく、条件付き確率P(B|A)をP(B|P(B))で表現してもよく、親ノードが複数ある場合は全ての親ノードをP(B)で表してもよい。例えば生体状態が健康か病態かに依存して血漿中のアミノ酸濃度が変動する場合、この依存関係を、健康か病態かを表す生体状態変数Aを親ノードとし且つ変動するアミノ酸濃度を表すアミノ酸変数Bを子ノードとするグラフで定性的に表現することができる。
条件付き確率は、サンプルデータに基づいて算定される。BNモデルの全体のグラフ構造に含まれるノードを{X,X,・・・,X}とすると、あるノードXとその親ノードP(X)の間の依存関係は、条件付き確率P(X|P(X))で定量的に表され、全ての確率変数の同時確率分布P(X,X,・・・,X)は、P(X,X,・・・,X)=Πj=1,2,・・・,nP(X|P(X))で表される。健康か病態かを表す生体状態変数の確率推論は、BNモデルに含まれるアミノ酸濃度を表すアミノ酸変数や他の変数の値が決まると、BN構造に基づいて確率推論アルゴリズムにより推論される。確率推論アルゴリズムとしては、厳密計算を行うものやサンプリング法、Loopy belief propagation法,ジャンクションツリー法などを用いることができる。
[2.システム構成]
ここでは、生体状態評価システム(以下では本システムと記す場合がある。)の構成について、図2から図10を参照して説明する。なお、本システムはあくまでも一例であり、本発明はこれに限定されない。
まず、本システムの全体構成について図2および図3を参照して説明する。図2は本システムの全体構成の一例を示す図である。また、図3は本システムの全体構成の他の一例を示す図である。本システムは、図2に示すように、評価対象の生体状態を評価する生体状態評価装置100と、評価対象のアミノ酸濃度データを提供するクライアント装置200(本発明の情報通信端末装置に相当)とを、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されている。
なお、本システムは、図3に示すように、生体状態評価装置100やクライアント装置200の他に、生体状態評価装置100でBNモデルを作成する際に用いるトレーニング用のアミノ酸濃度データおよび生体状態データなどを格納したデータベース装置400を、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されてもよい。これにより、ネットワーク300を介して、生体状態評価装置100からクライアント装置200やデータベース装置400へ、あるいはクライアント装置200やデータベース装置400から生体状態評価装置100へ、生体状態に関する情報などが提供される。ここで、生体状態に関する情報とは、ヒトを含む生物の生態状態に関する特定の項目について測定した値に関する情報である。また、生体状態に関する情報は、生体状態評価装置100やクライアント装置200や他の装置(例えば各種の計測装置等)で生成され、主にデータベース装置400に蓄積される。
つぎに、本システムの生体状態評価装置100の構成について図4から図8を参照して説明する。図4は、本システムの生体状態評価装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
生体状態評価装置100は、当該生体状態評価装置を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部102と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して当該生体状態評価装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部104と、各種のデータベースやテーブルやファイルなどを格納する記憶部106と、入力装置112や出力装置114に接続する入出力インターフェース部108と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。ここで、生体状態評価装置100は、各種の分析装置(例えばアミノ酸アナライザー等)と同一筐体で構成されてもよい。また、生体状態評価装置100の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。例えば、処理の一部をCGI(Common Gateway Interface)を用いて実現してもよい。
記憶部106は、ストレージ手段であり、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。記憶部106は、図示の如く、利用者情報ファイル106aと、生体状態情報ファイル106bと、BNモデルファイル106cと、評価結果ファイル106dと、を格納する。
利用者情報ファイル106aは、利用者に関する利用者情報を格納する。図5は、利用者情報ファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。利用者情報ファイル106aに格納される情報は、図5に示すように、利用者を一意に識別するための利用者IDと、利用者が正当な者であるか否かの認証を行うための利用者パスワードと、利用者の氏名と、利用者の所属する所属先を一意に識別するための所属先IDと、利用者の所属する所属先の部門を一意に識別するための部門IDと、部門名と、利用者の電子メールアドレスと、を相互に関連付けて構成されている。
図4に戻り、生体状態情報ファイル106bは、BNモデルを作成する際に用いる生体状態情報を格納する。図6は、生体状態情報ファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。生体状態情報ファイル106bに格納される情報は、図6に示すように、個体番号と、生態状態を表す指標(指標T1、指標T2、指標T3・・・)に関する生体状態指標データ(T)と、アミノ酸濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。ここで、図6では、生体状態指標データおよびアミノ酸濃度データを数値(すなわち連続尺度)として扱っているが、生体状態指標データおよびアミノ酸濃度データは名義尺度や順序尺度でもよい。なお、名義尺度や順序尺度の場合は、それぞれの状態に対して任意の数値を与えることで解析してもよい。また、生体状態指標データは、生体状態のマーカーとなる既知の単一の状態指標であり、数値データを用いてもよい。また、アミノ酸濃度データや生体状態指標データ以外に、他の生体代謝物(例えば、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモン等)や生体指標(例えば、血糖値、血圧値、性別、年齢、肝疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴等)などを組み合わせてもよい。
図4に戻り、BNモデルファイル106cは、後述するBNモデル作成部102gで作成したBNモデルを格納する。図7は、BNモデルファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。BNモデルファイル106cに格納される情報は、図7に示すように、BNのノードに対応する変数(BNモデルの表現に必要な変数)と、その間の定性的な依存関係を表現するグラフ構造(ノードおよびエッジを含むグラフ構造)と、その間の定量的な依存関係を表現する条件付き確率と、を相互に関連付けて構成されている。
図4に戻り、評価結果ファイル106dは、後述する生体状態評価部102hでの評価結果(具体的には、後述する生体状態判別部102h1での判別結果)を格納する。図8は、評価結果ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。評価結果ファイル106dに格納される情報は、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データと、生体状態に関する評価結果(具体的には、生体状態が健康または病態であるか否かに関する判別結果)と、を相互に関連付けて構成されている。
図4に戻り、記憶部106には、上述した情報以外にその他情報として、Webサイトをクライアント装置200に提供するための各種のWebデータや、CGIプログラム等が記録されている。Webデータとしては後述する各種のWebページを表示するためのデータ等があり、これらデータは例えばHTMLやXMLで記述されたテキストファイルとして形成されている。また、Webデータを作成するための部品用のファイルや作業用のファイルやその他一時的なファイル等も記憶部106に記憶される。記憶部106には、必要に応じて、クライアント装置200に送信するための音声をWAVE形式やAIFF形式の如き音声ファイルで格納したり、静止画や動画をJPEG形式やMPEG2形式の如き画像ファイルで格納したりすることができる。
通信インターフェース部104は、生体状態評価装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
入出力インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114に接続する。ここで、出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。)。入力装置112には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、図示の如く、大別して、要求解釈部102aと閲覧処理部102bと認証処理部102cと電子メール生成部102dとWebページ生成部102eと受信部102fとBNモデル作成部102gと生態状態評価部102hと変数選択部102iと判定部102jと送信部102kとを備えている。制御部102は、データベース装置400から送信された生体状態情報やクライアント装置200から送信されたアミノ酸濃度データに対して、欠損値のあるデータの除去・外れ値の多いデータの除去・欠損値のあるデータの多い変数の除去などのデータ処理も行う。
要求解釈部102aは、クライアント装置200やデータベース装置400からの要求内容を解釈し、その解釈結果に応じて制御部102の各部に処理を受け渡す。閲覧処理部102bは、クライアント装置200からの各種画面の閲覧要求を受けて、これら画面のWebデータの生成や送信を行なう。認証処理部102cは、クライアント装置200やデータベース装置400からの認証要求を受けて、認証判断を行う。電子メール生成部102dは、各種の情報を含んだ電子メールを生成する。Webページ生成部102eは、利用者がクライアント装置200で閲覧するWebページを生成する。
受信部102fは、クライアント装置200やデータベース装置400から送信された情報(具体的には、評価対象のアミノ酸濃度データやBNモデル作成用の生体状態情報など)を、ネットワーク300を介して受信する。
BN作成部102gは、受信部102fで受信したBNモデル作成用の生体状態情報に基づいてBN法を実行することにより、アミノ酸の濃度値および生体状態を表す数値を変数として含むBNモデルを作成する。
生体状態評価部102hは、BNモデル作成部102gで作成したBNモデルおよび受信部102fで受信した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態(例えば耐糖能異常の状態)を評価する。生体状態評価部102hは、生体状態判別部102h1をさらに備えている。生体状態判別部102h1は、BNモデル作成部102gで作成したBNモデルおよび受信部102fで受信した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象の生体状態が健康または病態であるか否か(例えば正常または耐糖能異常であるか否か)を判別する。
変数選択部102iは、アミノ酸濃度データを構成する各々のアミノ酸の濃度値の中から、BN法を実行する際に変数として採用するものを、所定の手法により選択する。なお、所定の手法は、例えば、多変量解析手法やベイジアンネットワーク構造の探索手法などでもよい。
判定部102jは、評価対象のアミノ酸濃度データが、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した評価対象から採取した血液から測定したものである場合、生体状態評価部102hでの評価結果に基づいて、当該所望の物質群が、耐糖能異常を予防させる又は耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する。
送信部102kは、制御部102の各処理部での処理結果(生体状態評価部102hでの評価結果(具体的には生体状態判別部102h1での判別結果)や、判定部102jでの判定結果など)等を、データベース装置400や評価対象のアミノ酸濃度データの送信元のクライアント装置200に対して送信する。
つぎに、本システムのクライアント装置200の構成について図9を参照して説明する。図9は、本システムのクライアント装置200の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
クライアント装置200は、制御部210とROM220とHD230とRAM240と入力装置250と出力装置260と入出力IF270と通信IF280とで構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
制御部210は、Webブラウザ211、電子メーラ212、受信部213、送信部214を備えている。Webブラウザ211は、Webデータを解釈し、解釈したWebデータを後述するモニタ261に表示するブラウズ処理を行う。なお、Webブラウザ211には、ストリーム映像の受信・表示・フィードバック等を行う機能を備えたストリームプレイヤ等の各種のソフトウェアをプラグインしてもよい。電子メーラ212は、所定の通信規約(例えば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やPOP3(Post Office Protocol version 3)等)に従って電子メールの送受信を行う。受信部213は、通信IF280を介して、生体状態評価装置100から送信された評価結果などの各種情報を受信する。送信部214は、通信IF280を介して、評価対象のアミノ酸濃度データなどの各種情報を生体状態評価装置100へ送信する。
入力装置250はキーボードやマウスやマイク等である。なお、後述するモニタ261もマウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。出力装置260は、通信IF280を介して受信した情報を出力する出力手段であり、モニタ(家庭用テレビを含む)261およびプリンタ262を含む。この他、出力装置260にスピーカ等を設けてもよい。入出力IFは入力装置250や出力装置260に接続する。
通信IF280は、クライアント装置200とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)とを通信可能に接続する。換言すると、クライアント装置200は、モデムやTAやルータなどの通信装置および電話回線を介して、または専用線を介してネットワーク300に接続される。これにより、クライアント装置200は、所定の通信規約に従って生体状態評価装置100にアクセスすることができる。
ここで、プリンタ・モニタ・イメージスキャナ等の周辺装置を必要に応じて接続した情報処理装置(例えば、既知のパーソナルコンピュータ・ワークステーション・家庭用ゲーム装置・インターネットTV・PHS端末・携帯端末・移動体通信端末・PDA等の情報処理端末など)に、Webデータのブラウジング機能や電子メール機能を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより、クライアント装置200を実現してもよい。
また、クライアント装置200の制御部210は、制御部210で行う処理の全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈して実行するプログラムで実現してもよい。ROM220またはHD230には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。当該コンピュータプログラムは、RAM240にロードされることで実行され、CPUと協働して制御部210を構成する。また、当該コンピュータプログラムは、クライアント装置200と任意のネットワークを介して接続されるアプリケーションプログラムサーバに記録されてもよく、クライアント装置200は、必要に応じてその全部または一部をダウンロードしてもよい。また、制御部210で行う処理の全部または任意の一部を、ワイヤードロジック等によるハードウェアで実現してもよい。
つぎに、本システムのネットワーク300について図2、図3を参照して説明する。ネットワーク300は、生体状態評価装置100とクライアント装置200とデータベース装置400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやイントラネットやLAN(有線/無線の双方を含む)等である。なお、ネットワーク300は、VANや、パソコン通信網や、公衆電話網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、専用回線網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、CATV網や、携帯回線交換網または携帯パケット交換網(IMT2000方式、GSM方式またはPDC/PDC−P方式等を含む)や、無線呼出網や、Bluetooth(登録商標)等の局所無線網や、PHS網や、衛星通信網(CS、BSまたはISDB等を含む)等でもよい。
つぎに、本システムのデータベース装置400の構成について図10を参照して説明する。図10は、本システムのデータベース装置400の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
データベース装置400は、生体状態評価装置100でBNモデルを作成する際に用いる生体状態情報や、生体状態評価装置100で作成したBNモデル、生態状態評価装置100での評価結果や判定結果などを格納する機能を有する。図10に示すように、データベース装置400は、当該データベース装置を統括的に制御するCPU等の制御部402と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回路を介して当該データベース装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部404と、各種のデータベースやテーブルやファイル(例えばWebページ用ファイル)などを格納する記憶部406と、入力装置412や出力装置414に接続する入出力インターフェース部408と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
記憶部406は、ストレージ手段であり、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置や、フレキシブルディスクや、光ディスク等を用いることができる。記憶部406には、各種処理に用いる各種プログラム等を格納する。通信インターフェース部404は、データベース装置400とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部404は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。入出力インターフェース部408は、入力装置412や出力装置414に接続する。ここで、出力装置414には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下で、出力装置414をモニタ414として記載する場合がある。)。また、入力装置412には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部402は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部402は、図示の如く、大別して、要求解釈部402aと閲覧処理部402bと認証処理部402cと電子メール生成部402dとWebページ生成部402eと送信部402fとを備えている。
要求解釈部402aは、生体状態評価装置100からの要求内容を解釈し、その解釈結果に応じて制御部402の各部に処理を受け渡す。閲覧処理部402bは、生体状態評価装置100からの各種画面の閲覧要求を受けて、これら画面のWebデータの生成や送信を行う。認証処理部402cは、生体状態評価装置100からの認証要求を受けて、認証判断を行う。電子メール生成部402dは、各種の情報を含んだ電子メールを生成する。Webページ生成部402eは、利用者がクライアント装置200で閲覧するWebページを生成する。送信部402fは、生体状態情報などの各種情報を、生体状態評価装置100へ送信する。
[3.本システムの処理]
つぎに、以上のように構成された本システムで行われる処理の一例を、図11、図12を参照して説明する。
[3−1.生体状態評価サービス処理]
ここでは、本システムで行われる生体状態評価サービス処理の一例を、図11を参照して説明する。図11は、生体状態評価サービス処理の一例を示すフローチャートである。
なお、本処理で用いる評価対象のアミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群が事前に投与された評価対象(例えば動物やヒトなどの個体)から採取した血液を分析して得た。また、本処理では、耐糖能異常の状態を評価すると共に、耐糖能異常の予防・改善物質を探索する。
ここで、例えば、ヒトに投与可能な既存の薬物・アミノ酸・食品・サプリメントを適宜組み合わせたもの(例えば、耐糖能異常の諸症状の改善に効果があること知られている薬物・サプリメント・抗肥満薬などを適宜組み合わせたもの)を、所定の期間(例えば1日から12ヶ月の範囲)にわたり、所定量ずつ所定の頻度・タイミング(例えば1日3回・食後)で、所定の投与方法(例えば経口投与)により投与してもよい。ここで、投与方法や用量、剤形は、病状に応じて適宜組み合わせてもよい。なお、剤形は、公知の技術に基づいて決めてもよい。また、用量は、特に定めは無いが、例えば有効成分として1ugから100gを含有した形態で与えてもよい。
また、血液中のアミノ酸の濃度値の測定は次のように行ってもよい。まず、採取した血液サンプルを、ヘパリン処理したチューブに入れる。つぎに、血液サンプルが入れられたチューブを遠心分離機にかけることで、血漿を分離する。つぎに、分離した血漿サンプルを、アミノ酸濃度の測定時まで、−70℃で凍結保存する。つぎに、凍結保存した血漿サンプルを解凍し、解凍した血漿サンプルにスルホサリチル酸を添加して3%濃度に調整することで、除蛋白処理を行う。つぎに、除蛋白処理が行われた血漿サンプルを、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機にかけることで、各種アミノ酸の濃度値を測定する。
まず、利用者が、Webブラウザ211を表示した画面上で入力装置250を介して生体状態評価装置100が提供するWebサイトのアドレス(URLなど)を指定すると、クライアント装置200は生体状態評価装置100へアクセスする。具体的には、利用者がクライアント装置200のWebブラウザ211の画面更新を指示すると、Webブラウザ211は、生体状態評価装置100が提供するWebサイトのアドレスを所定の通信規約で生体状態評価装置100へ送信することで、アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求を、当該アドレスに基づくルーティングで生体状態評価装置100へ行う。
つぎに、生体状態評価装置100は、要求解釈部102aで、クライアント装置200からの送信を受け、当該送信の内容を解析し、解析結果に応じて制御部102の各部に処理を移す。具体的には、送信の内容がアミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求であった場合、生体状態評価装置100は、主として閲覧処理部102bで、記憶部106の所定の記憶領域に格納されている当該Webページを表示するためのWebデータを取得し、取得したWebデータをクライアント装置200へ送信する。より具体的には、利用者からアミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求があった場合、生体状態評価装置100は、まず、制御部102で、利用者IDや利用者パスワードの入力を利用者に対して求める。そして、利用者IDやパスワードが入力されると、生体状態評価装置100は、認証処理部102cで、入力された利用者IDやパスワードと利用者情報ファイル106aに格納されている利用者IDや利用者パスワードとの認証判断を行う。そして、生体状態評価装置100は、認証可の場合にのみ、閲覧処理部102bで、アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページを表示するためのWebデータをクライアント装置200へ送信する。なお、クライアント装置200の特定は、クライアント装置200から送信要求と共に送信されたIPアドレスで行う。
つぎに、クライアント装置200は、生体状態評価装置100から送信されたWebデータ(アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページを表示するためのもの)を受信部213で受信し、受信したWebデータをWebブラウザ211で解釈し、モニタ261にアミノ酸濃度データ送信画面を表示する。
つぎに、モニタ261に表示されたアミノ酸濃度データ送信画面に対し利用者が入力装置250を介して評価対象のアミノ酸濃度データなどを入力・選択すると、クライアント装置200は、送信部214で、入力情報や選択事項を特定するための識別子を生体状態評価装置100へ送信することで、評価対象のアミノ酸濃度データを生体状態評価装置100へ送信する(ステップSA−1)。なお、ステップSA−1におけるアミノ酸濃度データの送信は、FTP等の既存のファイル転送技術等により実現してもよい。
つぎに、生体状態評価装置100は、要求解釈部102aで、クライアント装置200から送信された識別子を解釈することによりクライアント装置200の要求内容を解釈し、BNモデル作成用の生体状態情報の送信要求をデータベース装置400へ行う。
つぎに、データベース装置400は、要求解釈部402aで、生体状態評価装置100からの送信要求を解釈し、記憶部406の所定の記憶領域に格納したBNモデル作成用の生体状態情報(例えばアップデートされた最新の生体状態情報)を、生体状態評価装置100へ送信する(ステップSA−2)。
つぎに、生体状態評価装置100は、受信部102fで、クライアント装置200から送信された評価対象のアミノ酸濃度データおよびデータベース装置400から送信されたBNモデル作成用の生体状態情報を受信する(ステップSA−3)。
つぎに、生体状態評価装置100は、制御部102で、後述する[3−2.生体状態評価処理]を実行する(ステップSA−4)。
つぎに、生体状態評価装置100は、判定部102jで、ステップSA−4での評価結果(耐糖能異常の状態に関する評価結果)に基づいて、事前に評価対象に投与した所望の物質群が、耐糖能異常を予防させる又は耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する(ステップSA−5)。そして、ステップSA−5での判定結果が「予防させる又は改善させる」というものであった場合、評価対象に投与した所望の物質群が、耐糖能異常を予防させる又は耐糖能異常の状態を改善させるものとして探索される。ここで、耐糖能異常を予防させる又は改善させる物質群を探索するとは、耐糖能異常の予防・改善に有効な新規物質を見出すことのみならず、公知物質の耐糖能異常の予防・改善用途を新規に見出すことや、耐糖能異常の予防・改善に有効性を期待できる既存の薬剤・サプリメント等を組み合わせた新規組成物を見出すことや、上記した適切な用法・用量・組み合わせを見出し、それをキットとすることや、食事・運動等も含めた予防・治療メニューを提示することや、当該予防・治療メニューの効果をモニタリングし、必要に応じて個人ごとにメニューの変更を提示すること等が含まれる。
つぎに、生体状態評価装置100は、送信部102kで、ステップSA−4での評価結果およびステップSA−5での判定結果を、評価対象のアミノ酸濃度データの送信元のクライアント装置200とデータベース装置400とへ送信する(ステップSA−6)。具体的には、まず、生体状態評価装置100は、Webページ生成部102eで、評価結果および判定結果を表示するためのWebページを作成し、作成したWebページに対応するWebデータを記憶部106の所定の記憶領域に格納する。ついで、利用者がクライアント装置200のWebブラウザ211に入力装置250を介して所定のURLを入力し上述した認証を経た後、クライアント装置200は、当該Webページの閲覧要求を生体状態評価装置100へ送信する。ついで、生体状態評価装置100は、閲覧処理部102bで、クライアント装置200から送信された閲覧要求を解釈し、評価結果および判定結果を表示するためのWebページに対応するWebデータを記憶部106の所定の記憶領域から読み出す。そして、生体状態評価装置100は、送信部102mで、読み出したWebデータをクライアント装置200へ送信すると共に、当該Webデータ又は評価結果および判定結果をデータベース装置400へ送信する。
ここで、ステップSA−6において、生体状態評価装置100は、制御部102で、評価結果および判定結果を電子メールで利用者のクライアント装置200へ通知してもよい。具体的には、まず、生体状態評価装置100は、電子メール生成部102dで、利用者IDなどを基にして利用者情報ファイル106aに格納されている利用者情報を送信タイミングに従って参照し、利用者の電子メールアドレスを取得する。ついで、生体状態評価装置100は、電子メール生成部102dで、取得した電子メールアドレスを宛て先とし利用者の氏名ならびに評価結果および判定結果を含む電子メールに関するデータを生成する。ついで、生体状態評価装置100は、送信部102mで、生成した当該データを利用者のクライアント装置200へ送信する。
また、ステップSA−6において、生体状態評価装置100は、FTP等の既存のファイル転送技術等で、判別結果を利用者のクライアント装置200へ送信してもよい。
図11の説明に戻り、データベース装置400は、制御部402で、生体状態評価装置100から送信された評価結果および判定結果、またはWebデータを受信し、受信した評価結果および判定結果、またはWebデータを記憶部406の所定の記憶領域に保存(蓄積)する(ステップSA−7)。
また、クライアント装置200は、受信部213で、生体状態評価装置100から送信されたWebデータを受信し、受信したWebデータをWebブラウザ211で解釈し、評価対象の評価結果および判定結果が記されたWebページの画面をモニタ261に表示する(ステップSA−8)。なお、評価結果および判定結果が生体状態評価装置100から電子メールで送信された場合には、クライアント装置200は、電子メーラ212の公知の機能で、生体状態評価装置100から送信された電子メールを任意のタイミングで受信し、受信した電子メールをモニタ261に表示する。
以上により、利用者は、モニタ261に表示されたWebページを閲覧することで、耐糖能異常の状態に関する評価結果、および評価対象に投与した所望の物質群が耐糖能異常を予防させる又は耐糖能異常を改善させるものであるか否かに関する判定結果を確認することができる。なお、利用者は、モニタ261に表示されたWebページの表示内容をプリンタ262で印刷してもよい。
また、評価結果および判定結果が生体状態評価装置100から電子メールで送信された場合には、利用者は、モニタ261に表示された電子メールを閲覧することで、評価結果および判定結果を確認することができる。利用者は、モニタ261に表示された電子メールの表示内容をプリンタ262で印刷してもよい。
これにて、生体状態評価サービス処理の説明を終了する。
[3−2.生体状態評価処理]
ここでは、生体状態評価装置100で行われる生態状態評価処理の一例について図12を参照して詳細に説明する。図12は、生体状態評価装置100で行われる生体状態評価処理の一例を示すフローチャートである。
まず、生体状態評価装置100は、制御部102で、ステップSA−3で受信した生体状態情報の中から、BNモデルの作成の際に用いる個体(サンプル)群を選択する(ステップSB−1)。
つぎに、生体状態評価装置100は、制御部102で、ステップSB−1で選択した個体に関する生体状態情報から、BNモデルの作成において好ましくないデータ(欠損値のあるデータや外れ値の多いデータなど)の除去する(ステップSB−2)。
つぎに、生体状態評価装置100は、変数選択部102iで、ステップSB−2で前記好ましくないデータが除去された生体状態情報に含まれるアミノ酸濃度データを構成する各々のアミノ酸の濃度値の中から、BN法を実行する際に変数として採用するものを、所定の手法により選択する(ステップSB−3)。
ここで、ステップSB−3において、変数選択部102iは、多変量解析手法により、BN法を実行する際に変数として採用するアミノ酸を選択してもよい。具体的には、変数選択部102iは、国際公開第2006/098192号パンフレットに記載の方法で作成した評価式に現われるアミノ酸変数を選択してもよい。具体的には、変数選択部102iは、ステップワイズ法で作成したロジスティック回帰式に現われるアミノ酸変数を選んでもよい。
また、ステップSB−3において、変数選択部102iは、BN構造の探索手法により、BN法を実行する際に変数として採用するアミノ酸を選択してもよい。具体的には、例えば網羅的な探索法やgreedy algorithmであるK2法などの手法を用いて候補変数を含むグラフ構造を探索することにより、変数間の定性的な因果関係や依存関係を反映したBNのネットワーク構造であってその構造で決まる評価指標(例えばAIC(Akaike Information Criterion)、BIC(Bayesian Information Criterion)、MDL(Minimum Description Length)など)が最適なものを得て、得た最適なネットワーク構造に含まれるアミノ酸変数を選択してもよい。
つぎに、生体状態評価装置100は、BNモデル作成部102gで、ステップSB−3で選択したアミノ酸の濃度値を含む生体状態情報に基づいてBN法を実行することにより、ステップSB−3で選択したアミノ酸の濃度値および生体状態を表す数値を変数として含むBNモデルを作成する(ステップSB−4)。
ついで、生体状態評価装置100は、生体状態評価部102hで、ステップSB−4で作成したBNモデルおよび評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該評価対象につき、生体状態(例えば耐糖能異常の状態)を評価し、その評価結果を評価結果ファイル106dの所定の記憶領域に格納する(ステップSB−5)。具体的には、生体状態評価装置100は、生体状態判別部102h1で、ステップSB−4で作成したBNモデルおよび評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該評価対象の生体状態が健康または病態であるか否か(例えば、評価対象が耐糖能異常または正常であるか否か)を判別し、その判別結果を評価結果ファイル106dの所定の記憶領域に格納する。
これにて、生体状態評価処理の説明を終了する。
[4.本実施形態のまとめ、及びその他の実施形態]
以上、詳細に説明したように、本システムによれば、クライアント装置200は評価対象のアミノ酸濃度データを生体状態評価装置100へ送信し、データベース装置400は生体状態評価装置100からの要求を受けて、BNモデル作成用の生体状態情報を生体状態評価装置100へ送信する。そして、生体状態評価装置100は、クライアント装置200から評価対象のアミノ酸濃度データを受信すると共にデータベース装置400からBNモデル作成用の生体状態情報を受信し、受信した生体状態情報に基づいてBNモデルを作成し、作成したBNモデルと受信したアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき耐糖能異常の状態を評価し(評価対象が正常または耐糖能異常であるか否かを判別し)、この評価結果(判別結果)に基づいて、事前に評価対象に投与された物質群が耐糖能異常を予防または改善させるものであるか否かを判定し、評価結果および当該判定結果をクライアント装置200やデータベース装置400へ送信する。そして、クライアント装置200は生体状態評価装置100から送信された評価結果および判定結果を受信して表示し、データベース装置400は生体状態評価装置100から送信された評価結果および判定結果を受信して格納する。これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、耐糖能異常を精度よく評価することができる。
ここで、本システムによれば、アミノ酸濃度データを構成する各々のアミノ酸の濃度値の中から、BN法を実行する際に変数として採用するものを、所定の手法により選択してもよい。これにより、耐糖能異常と有意な依存関係がある血漿中のアミノ酸を選択することができ、結果として、耐糖能異常をさらに精度よく評価することができる。つまり、BNによる耐糖能異常の評価性能を向上させることができる。
また、本システムによれば、所定の手法は、例えば、多変量解析手法やベイジアンネットワーク構造の探索手法などでもよい。これにより、既存の手法を利用して、耐糖能異常と有意な依存関係がある血漿中のアミノ酸を効率よく選択することができ、結果として、耐糖能異常をさらに精度よく評価することができる。
また、本システムによれば、作成したBNモデルおよび評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき、耐糖能異常または正常であるか否かを判別してもよい。これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して、耐糖能異常または正常であるかの2群判別を精度よく行うことができる。
また、本システムによれば、評価対象のアミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した評価対象から採取した血液から測定したものでもよく、また、ステップSA−4での評価結果に基づいて、所望の物質群が、耐糖能異常を予防させる又は耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定してもよい。これにより、血漿中のアミノ酸濃度を変数として含むBNモデルを利用して行われた耐糖能異常の状態の評価(具体的には耐糖能異常または正常であるかの2群判別)の結果を利用して、耐糖能異常の予防・改善物質を精度よく探索することができる。
また、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体は、上述した実施形態以外にも、請求の範囲の書類に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。例えば、上述した実施形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種の登録データおよび検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、生体状態評価装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。また、生体状態評価装置100の各部または各装置が備える処理機能(特に制御部102にて行なわれる各処理機能)については、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて、その全部または任意の一部を実現することができ、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することもできる。
ここで、「プログラム」とは任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は、必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものを含む。なお、プログラムは、記録媒体に記録されており、必要に応じて生体状態評価装置100に機械的に読み取られる。記録媒体に記録されたプログラムを各装置で読み取るための具体的な構成や読み取り手順や読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
また、「記録媒体」とは任意の「可搬用の物理媒体」や任意の「固定用の物理媒体」や「通信媒体」を含むものとする。なお、「可搬用の物理媒体」とはフレキシブルディスクや光磁気ディスクやROMやEPROMやEEPROMやCD−ROMやMOやDVD等である。「固定用の物理媒体」とは各種コンピュータシステムに内蔵されるROMやRAMやHD等である。「通信媒体」とは、LANやWANやインターネット等のネットワークを介してプログラムを送信する場合における通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持するものである。
人間ドック受診者205例を、日本内科学会関連8学会合同診断基準に基づき非メタボリックシンドローム群(173例)とメタボリックシンドローム群(32例)に分け、それぞれの血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。尚、205例には高血圧、糖尿病などの疾患について治療中の者は含まれない。非メタボリックシンドロームとメタボリックシンドロームの2群間の判別性能を最大化する指標を、国際公開第2006/098192号パンフレットに記載の多変量判別式の探索方法を用いて探索した。多変量判別式探索の1例としてステップワイズ法によるロジスティック解析を用いた場合、指標式としてAla,Glyから構成されるロジスティック回帰式(アミノ酸変数Ala,Glyの数係数と定数項は順に、0.013±0.003,−0.029±0.008,−0.540±1.890)が得られた。この指標式による2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.798(95%信頼区間は0.726〜0.870)が得られた。
次に、上記のように得られたAla,Glyを変数にもち、かつ非メタボリックシンドロームとメタボリックシンドロームの2状態を表す状態変数MS(非メタボリックシンドローム:0、メタボリックシンドローム:1)をもつBNを作成した(図13参照)。図13中の2つのノードnAla,nGlyは変数Ala,Glyを離散化した離散型変数を表し、ノードMSは非メタボリックシンドロームとメタボリックシンドロームの2状態を表す状態変数を表す。上記と同じサンプルデータを用いて条件付き確率表を算定した。図13のBN法によるベイズ(Bayes)の定理に基づいて、各サンプルのAla,Glyに対して状態変数MSの推定確率を求めた。状態変数の値がMS=1である確率Pr(MS=1|Ala,Gly)を指標とする2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.826(95%信頼区間は0.762〜0.889)が得られた。これにより、BN法による推定確率Pr(MS=1|Ala,Gly)が、上記のロジスティック回帰式よりも判別性能が高く有用な指標であることが判明した。
人間ドックの経口糖負荷試験(OGTT)受診者の中から、空腹時血糖値(FPG)が110mg/dl未満の者304例に対して、前述の診断基準に基づき、OGTT・2時間後の血糖値により、正常群(140mg/dl未満、248例)と耐糖能異常群(140mg/dl以上、56例)に分け、それぞれの血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。なお、304例には、高血圧や高脂血症などの疾患について治療中の者は含まれない。正常と耐糖能異常の2群間のアミノ酸変数の分布を箱ひげ図を図14に示す。なお、図14において、横軸は正常群“0”および耐糖能異常群“1”を表し、ABAはα−amino butylic acidを、CysはCystineを、CitはCitrullineを表す。また、2群間の判別を目的に2群間のWelchのt検定を実施した。正常群に比べて耐糖能異常群では、Glu,Ile,Val,Leu,Phe,Aspが有意に増加し(有意確率P<0.05)、また、Gly,Serが有意に減少し、アミノ酸変数Glu,Gly,Ser,Ile,Val,Leu,Phe,Aspが2群間の判別能を持つことが判明した。
正常と耐糖能異常の2群判別性能を最大化する指標を、国際公開第2006/098192号パンフレットに記載の多変量判別式の探索方法を用いて探索した。多変量判別式探索の1例としてステップワイズ法によるロジスティック解析を用いた場合、指標式としてGlu,Glyから構成されるロジスティック回帰式(アミノ酸変数Glu,Glyの数係数と定数項は順に、0.039±0.010,−0.013±0.005,−0.788±1.187)が得られた。この指標式による2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.755(95%信頼区間は0.688〜0.823)が得られた。
次に、上記のように得られたGlu,Glyを変数にもち、かつ正常と耐糖能異常の2状態を表す状態変数IGT01(正常:0、耐糖能異常:1)をもつBNを作成した(図15)。図15中の2つのノードnGlu,nGlyは変数Glu,Gluを離散化した離散型変数を表し、ノードIGT01は正常と耐糖能異常の2状態を表す状態変数を表す。上記と同じサンプルデータを用いて条件付き確率表を算定した。図15のBN法によるベイズ(Bayes)の定理に基づいて、各サンプルのGlu,Glyに対して状態変数IGT01の推定確率を求めた。状態変数の値がIGT01=1である確率Pr(IGT01=1|Glu,Gly)を指標とする2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.757(95%信頼区間は0.689〜0.826)が得られた。これにより、BN法による推定確率Pr(IGT01=1|Glu,Gly)が、上記のロジスティック回帰式と同等もしくは同等以上に判別性能が高く有用な指標であることが判明した。
実施例2で用いたサンプルデータを用いた。実施例2で用いた変数Glu,Gly,IGT01(正常:0、耐糖能異常:1)に加えて、性別変数Sex(男性“1”および女性“2”の2状態をとるノードSexで表す。)と空腹時血糖値変数FPG(FPGを離散化して表現したノードnFPGで表す。)をもつBNを作成した(図16)。図16では、図15に加えて、性別とアミノ酸変数との間の依存関係ならびに空腹時血糖値とIGT01およびアミノ酸変数との間の依存関係が新たに考慮されている。また、比較のために5変数{Glu,Gly,IGT01,FPG,Sex}を変数にもつロジスティック回帰解析も行った。図16のBN法によるベイズ(Bayes)の定理に基づいて、状態変数IGT01の推定確率を求めた。状態変数の値がIGT01=1である確率Pr(IGT01=1|Glu,Gly,FPG,Sex)を指標とする2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.859(95%信頼区間は0.806〜0.912)が得られた。一方、ロジスティック回帰で2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.772(95%信頼区間は0.707〜0.838)が得られた。これにより、BN法による推定確率Pr(IGT01=1|Glu,Gly,FPG,Sex)が、上記のロジスティック回帰式に比べ同等以上に判別性能が高く有用な指標であることが判明した。図17に両者のROC曲線の比較を示す。
また、アミノ酸変数の効果を見るために、5変数からアミノ酸変数を除いた3変数{IGT01,FPG,Sex}を変数にもつBN構造(図18)について、状態変数IGT01の推定確率を求めた。状態変数の値がIGT01=1である確率を指標とする2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.689(95%信頼区間は0.617〜0.761)が得られた。これにより、アミノ酸変数を加えた図16に比べ大きく減少し、アミノ酸変数の寄与が大きいことを示した。このことは、アミノ酸変数を、BNによる生体状態の評価法に用いることの有用性を示している。
実施例2で用いたサンプルデータを用いた。また、候補変数として、実施例3の図4で用いた5変数{Glu,Gly,IGT01,FPG,Sex}に加えて、アミノ酸変数{Val,ILe,Tyr,Orn,Pro,Trp,Lys,Leu,Asn,His,Tau,Ala,Thr,Phe,Met,Ser,Gln,Cys,Arg,Cit,ABA}およびその他の変数としての年齢{Age}を採用した。変数間の有意な依存関係をもつBN構造の探索には、市販のソフトウェア“BayoNet(産業技術総合研究所開発:http://staff.aist.go.jp/y.motomura/bayonet/indexJ.html)”を用いた。また、当該ソフトウェアにおいて、BN構造の探索にはGreedy Searchを指定し、情報量基準にはAICを指定した。BN構造の探索により得られた最適なBN構造を図19に示す。ここで、候補変数として考慮したが図19に表示されない変数は、図19のBN構造とは分離したネットワークを形成するものであり、除外された。図19では、アミノ酸変数として{Glu,Gly,Ala,Thr,Phe,Met,Ser,Gln}をノードとして持ち、その他の変数として{IGT01,Sex,FPG}をノードとして持つ。なお、連続変数のアミノ酸変数と空腹時血糖値FPGは、離散化した変数へ変換して用いた。
図19のBN法によるベイズ(Bayes)の定理に基づいて、状態変数IGT01の推定確率を求めた。状態変数の値がIGT01=1である確率Pr(IGT01=1|Glu,Gly,Ala,Thr,Phe,Met,Ser,Gln,FPG,Sex)を指標とする2群の診断性能(判別性能)をROC曲線のAUCで評価したところ、0.842(95%信頼区間は0.784〜0.900)が得られた。これにより、BN法による推定確率Pr(IGT01=1|Glu,Gly,Ala,Thr,Phe,Met,Ser,Gln,FPG,Sex)が、判別性能が高く有用な指標であることが判明した。図20に、図19に表現されるBNに対するROC曲線を示す。
以上のように、本発明にかかる生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラムおよび記録媒体は、産業上の多くの分野、特に医薬品や食品、医療などの分野で広く実施することができ、特に、生体状態の進行予測や疾病リスク予測やプロテオームやメタボローム解析などを行うバイオインフォマティクス分野において極めて有用である。

Claims (19)

  1. 制御手段を備え、評価対象の生体状態を評価する生体状態評価装置であって、
    前記制御手段は、
    アミノ酸の濃度値に関する予め取得したアミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成手段と、
    前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価手段と
    を備えたこと
    を特徴とする生体状態評価装置。
  2. 前記制御手段は、前記アミノ酸濃度データを構成する各々の前記アミノ酸の前記濃度値の中から、前記ベイジアンネットワーク法を実行する際に前記変数として採用するものを、所定の手法により選択する変数選択手段をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載の生体状態評価装置。
  3. 前記所定の手法は、多変量解析手法、またはベイジアンネットワーク構造の探索手法であること
    を特徴とする請求項2に記載の生体状態評価装置。
  4. 前記ベイジアンネットワークモデルは、前記変数として、前記アミノ酸の前記濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の前記数値および/または生体指標の前記数値、および/または、前記生体状態を表す前記数値と依存関係を持つ前記生体代謝物の前記数値および/または前記生体指標の前記数値をさらに含むこと
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の生体状態評価装置。
  5. 前記生体代謝物は、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンのうちの少なくとも1つであり、
    前記生体指標は、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴のうちの少なくとも1つであること
    を特徴とする請求項4に記載の生体状態評価装置。
  6. 前記生体状態評価手段は、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態が健康または病態であるか否かを判別する生体状態判別手段をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の生体状態評価装置。
  7. 前記生体状態は、耐糖能異常の状態であること
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の生体状態評価装置。
  8. 前記評価対象の前記アミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した前記評価対象から採取した血液から測定したものであり、
    前記制御手段は、前記生体状態評価手段での評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記耐糖能異常を予防させる又は前記耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する判定手段をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項7に記載の生体状態評価装置。
  9. 制御手段を備えた情報処理装置で実行する、評価対象の生体状態を評価する生体状態評価方法であって、
    前記制御手段で、
    アミノ酸の濃度値に関する予め取得したアミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成ステップと、
    前記モデル作成ステップで作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価ステップと
    を実行すること
    を特徴とする生体状態評価方法。
  10. 前記制御手段で、前記アミノ酸濃度データを構成する各々の前記アミノ酸の前記濃度値の中から、前記ベイジアンネットワーク法を実行する際に前記変数として採用するものを、所定の手法により選択する変数選択ステップをさらに実行すること
    を特徴とする請求項9に記載の生体状態評価方法。
  11. 前記所定の手法は、多変量解析手法、またはベイジアンネットワーク構造の探索手法であること
    を特徴とする請求項10に記載の生体状態評価方法。
  12. 前記ベイジアンネットワークモデルは、前記変数として、前記アミノ酸の前記濃度値と依存関係を持つ生体代謝物の前記数値および/または生体指標の前記数値、および/または、前記生体状態を表す前記数値と依存関係を持つ前記生体代謝物の前記数値および/または前記生体指標の前記数値をさらに含むこと
    を特徴とする請求項9から11のいずれか1つに記載の生体状態評価方法。
  13. 前記生体代謝物は、糖類、脂質、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモンのうちの少なくとも1つであり、
    前記生体指標は、血糖、血圧、性別、年齢、疾患指標、食習慣、飲酒習慣、運動習慣、肥満度、疾患歴のうちの少なくとも1つであること
    を特徴とする請求項12に記載の生体状態評価方法。
  14. 前記生体状態評価ステップは、前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態が健康または病態であるか否かを判別する生体状態判別ステップをさらに含むこと
    を特徴とする請求項9から13のいずれか1つに記載の生体状態評価方法。
  15. 前記生体状態は、耐糖能異常の状態であること
    を特徴とする請求項9から14のいずれか1つに記載の生体状態評価方法。
  16. 前記評価対象の前記アミノ酸濃度データは、1つ又は複数の物質から成る所望の物質群を投与した前記評価対象から採取した血液から測定したものであり、
    前記制御手段で、前記生体状態評価ステップでの評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記耐糖能異常を予防させる又は前記耐糖能異常の状態を改善させるものであるか否かを判定する判定ステップをさらに実行すること
    を特徴とする請求項15に記載の生体状態評価方法。
  17. 制御手段を備え評価対象の生体状態を評価する生体状態評価装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成された生体状態評価システムであって、
    前記情報通信端末装置は、
    前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記生体状態評価装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、
    前記生体状態評価装置から送信された前記生体状態に関する前記評価対象の評価結果を受信する評価結果受信手段と
    を備え、
    前記生体状態評価装置の前記制御手段は、
    前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、
    予め取得した前記アミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成手段と、
    前記モデル作成手段で作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価手段と、
    前記生体状態評価手段での前記評価結果を前記情報通信端末装置へ送信する評価結果送信手段と、
    を備えたこと
    を特徴とする生体状態評価システム。
  18. 制御手段を備えた情報処理装置に実行させる、評価対象の生体状態を評価する生体状態評価プログラムであって、
    前記制御手段に、
    アミノ酸の濃度値に関する予め取得したアミノ酸濃度データおよび前記生体状態を表す数値に関する予め取得した生体状態データに基づいてベイジアンネットワーク法を実行することにより、前記アミノ酸の前記濃度値および前記生体状態を表す前記数値を前記変数として含むベイジアンネットワークモデルを作成するモデル作成ステップと、
    前記モデル作成ステップで作成した前記ベイジアンネットワークモデルおよび予め取得した評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象の前記生体状態を評価する生体状態評価ステップと
    を実行させること
    を特徴とする生体状態評価プログラム。
  19. 請求項18に記載の生体状態評価プログラムを記録したこと
    を特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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