JPWO2008015929A1 - メタボリック・シンドロームの評価方法、メタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体、ならびにメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法 - Google Patents

メタボリック・シンドロームの評価方法、メタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体、ならびにメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法 Download PDF

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Abstract

血液中のアミノ酸の濃度を利用してメタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるメタボリック・シンドロームの評価方法、メタボリック・シンドローム装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体などを提供することを課題とする。本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法は、評価対象から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定し、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価する。

Description

本発明は、血液(血漿)中のアミノ酸濃度を利用したメタボリック・シンドロームの評価方法ならびにメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体に関するものである。
本発明は、メタボリック・シンドロームを予防させる又はメタボリック・シンドロームの状態を改善させる物質を探索するメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法に関するものである。
近年、高脂肪食・運動不足を背景とした生活習慣により、肥満・インシュリン抵抗性を基盤とした高血糖・高血圧・高脂血症を複数併せた症状を保有する人が増加しており、こうした症状は経年的に動脈硬化症を発症し、最終的に心筋梗塞などの心血管障害や脳梗塞などの脳血管障害に至る人が増加し、現在緊急の医療保険の課題として注目を集めている。
メタボリック・シンドロームは、高血糖・高血圧・高脂血症を複数併せた症状を保有し、心血管障害や脳血管障害のリスクが高い人を指すもので、肥満による内臓脂肪の蓄積が、高血圧、糖尿病、高脂血症をひきおこし、動脈硬化を進行させることから、メタボリック・シンドロームは内臓脂肪症候群とも呼ばれる。内臓脂肪に伴う高インスリン血症や、脂肪組織から分泌されるアディポサイトカインのバランスがくずれることが原因と考えられている。内臓脂肪が多いと、高血圧、糖尿病、高脂血症などの程度は軽くても、心筋梗塞や脳梗塞のリスクは急激に増大する。
2005年4月第102回日本内科学会総会に於いて、日本内科学会など関連8学会合同(日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本内科学会の8学会)による日本人に対するメタボリック・シンドロームの診断基準(非特許文献1参照)が策定された。その診断基準の内容は、ウエスト(腹囲)が男性で85cm、女性で90cm以上、を共通項目とし、さらに以下の3項目のうち、2項目以上当てはまる場合を、メタボリック・シンドロームと判定するものである。また以下の3項目のうち、1項目のみ当てはまる場合を、メタボリック・シンドロームの予備群と見做す。
1.最高血圧が130mmHg以上か、最低血圧が85mmHg以上。
2.空腹時の血糖値が110mg/dL以上。
3.中性脂肪が150mg/dL以上、またはHDL−コレステロールが40mg/dL未満。
2006年5月に厚生労働省が発表した、2004年「国民健康・栄養調査の結果概要」によると、メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)やその予備群は、40〜74歳では3分の1の約2000万人にも達し、強く疑われる者の割合は、男性25.7%、女性10.0%、予備群と考えられる者の割合は、男性26.0%、女性9.6%であった。結果を総合すると、メタボリック・シンドロームが強く疑われる又は予備群と考えられる人の割合は、40〜74歳男性の2人に1人、女性の5人に1人、と高率であった。
メタボリック・シンドロームの診断基準に関して、現在の診断基準を再度評価し直し、より適切な臨床上の有用な診断基準に高めるべきであるという臨床上のニーズも存在する(非特許文献2参照)。再評価の中で指摘されているのは、現在世界的に公表されているメタボリック・シンドロームの診断基準であるWHOによる基準(WHO)(非特許文献3参照)と米国National Cholesterol Education Programによる基準(NCEP)(非特許文献4参照)の間の基準項目に一部不一致があること、現在の診断基準が背後にある病因を十分反映していないこと、心血管障害や脳血管障害のリスクファクターとして個別の疾患(糖尿病、高血圧症、高脂血症)のリスクファクターと比べて優位性を言うにはまだ不十分であること、メタボリック・シンドロームの治療方針を策定する場合に個別の疾患の治療方針との相違が未確立であること、などである。
こうした観点からメタボリック・シンドロームの背景にある病因を反映した、リスクファクターとしてより適切なバイオマーカーの探索が進められている。現在、バイオマーカーとして、炎症性の因子である高感度CRP(C−reactive protein;hs−CRP)(非特許文献5参照)、脂肪細胞の分泌因子であるアデイポカイン群から、アディポネクチン(非特許文献6参照)、レジスチン(非特許文献7参照)、レプチン、レプチン/アディポネクチン比(非特許文献8参照)、またはその他の生化学因子としてALT(非特許文献9参照)、アルブミン尿(非特許文献10参照)、尿酸(非特許文献11参照)、LDLコレステロール(非特許文献12参照)などが現在候補として研究されている。
これらのバイオマーカーは、メタボリック・シンドロームと相関して変動することが判明しているが、非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの判別性に関しては、まだ評価されていないか、または十分な判別性能をもつに至っていない。例えば、高感度CRPは、メタボリック・シンドロームの診断項目である腹囲、HDLコレステロール、中性脂肪の対数値、空腹時の血糖値、収縮期血圧、拡張期血圧と統計的に有意な相関(Spearman偏相関係数で各々、0.22,−0.15,0.12,0.03,0.05,0.01)を示す(非特許文献13参照)が、十分な判別性能をもつに至っていない。また肥満や糖尿病においてアミノ酸が変動することは知られている(非特許文献14、非特許文献15参照)が、当時はメタボリック・シンドロームの概念は無く、メタボリック・シンドロームの判別を行うものではない。
メタボリック・シンドロームが進展し糖尿病・高血圧などに至ると治療が長引くことが多く、患者の生活の質の低下はむろんのこと、前述のように国民医療費の増大につながる。従って健康診断等で簡便かつ精度高く行える診断方法と、それに基づく適正な保健指導・医療といった予防・治療方法の確立が強く求められている。
アミノ酸の代謝は内臓脂肪の蓄積に由来するインシュリン抵抗性により、末梢組織で影響を受け、メタボリック・シンドロームの形成過程に重要な糖代謝、脂質代謝、炎症反応、レドックス調節機構と強く連関していると考えられる。そのため、メタボリック・シンドロームでの末梢血等で特異的に変動するアミノ酸が発見され、さらに変動アミノ酸の濃度パラメーターを用いた指標式が創出できれば、メタボリック・シンドロームの背景にある代謝変化を反映した簡便かつ鋭敏な検査法として広く適用可能である。血中のアミノ酸を用いて病態を診断する方法は、特許文献1および特許文献2に記載されている指標が存在する(特許文献2は未公開特許であるので従来技術ではない。)が、そこでの臨床の診断対象は、特許文献1ではC型肝炎の非肝炎と肝炎の判別を目的とする指標であり、特許文献2では健常者と潰瘍性大腸炎患者の判別と健常者とクローン病患者の判別を目的とする指標である。
メタボリック・シンドローム診断基準検討委員会,日本内科学会雑誌,94,794,2005. Diabetes care, Karn, R. Buse, J. Ferrannini, E. and Stern, M. 28, 2289(2005). Report of a WHO Consultation. Geneva, World Health Org., 1999. Executive summary of the Third Report of the National Cholesterol Education Program(NCEP) Expert Panel on Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults (Adult Treatment Panel III), JAMA 285, 2486(2001). Frohlich, M,,Imhof, A., Berg, G. et al.,Diabetea Care 23, 1835(2000). Langenberg, C., Bergstrom, J., et al., Diabetes Care 29, 1363(2006). MedStar Research Institute, US20060099608. Mojiminiyi, OA., Abdella, NA., et al., Int. J. Obesity,Jun. 6(2006). Kazumi, T., Kawaguchi, A., Horm Metab Res. 38, 119−24(2006). Bonnet, F., Marre, M., et al., J Hypertens. 24,1157 (2006). Kawamoto R, Tomita H, Oka Y, Ohtsuka N., Intern Med.,45,605(2006). Gazi, I., Tsimihodimos, V., et al., Metabolism, 55, 885(2006). Choi, EY., Park, EH., et al., Metabolism, 55, 415(2006). Felig, P., Marliss, E., et al., New Engl. J. Med. 281,811(1969). Felig, P., Marliss, E., et al., Diabetes, 19, 727(1979). 国際公開第2004/052191号パンフレット 国際出願番号PCT/JP2006/304398
しかしながら、これまでメタボリック・シンドロームの状態での末梢血のアミノ酸代謝パターンに関する報告は無く、肥満または糖尿病でのアミノ酸の変化に限られているという問題点があった。また、非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群判別による診断方法への応用についての報告は皆無であるという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、血液中のアミノ酸濃度を利用してメタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるメタボリック・シンドロームの評価方法、ならびにメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該メタボリック・シンドロームの評価方法を用いることで、メタボリック・シンドロームを予防させる又はメタボリック・シンドロームの状態を改善させる物質を効率よく探索することができるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、血液中のアミノ酸濃度によるメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームの2群判別に有用なアミノ酸変数(2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸変数)を同定すると共に、アミノ酸変数を用いる相関式(指標式)とメタボリック・シンドロームを対象とした病態進行とに有意な相関があることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下を包含する。
すなわち、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる請求項1に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、評価対象から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価する濃度値基準評価ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項2に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項1に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項3に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項2に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する濃度値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項4に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項3に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記濃度値基準判別ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは前記非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項5に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項1に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項6に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項5に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項7に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項6に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記判別値基準評価ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項8に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項7に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項9に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項8に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項10に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項9に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記多変量判別式は数式1であることを特徴とする。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかる請求項11に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項8に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項12に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法は、請求項11に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法において、前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明はメタボリック・シンドローム評価装置に関するものであり、本発明にかかる請求項13に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価装置であって、前記制御手段は、アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項14に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項13に記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出手段は、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項15に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項14に記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記判別値基準評価手段は、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項16に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項15に記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出手段は、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項17に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項16に記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項18に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項17に記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記多変量判別式は数式1であることを特徴とする。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかる請求項19に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項16に記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項20に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項19に記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項21に記載のメタボリック・シンドローム評価装置は、請求項13から20のいずれか1つに記載のメタボリック・シンドローム評価装置において、前記制御手段は、前記アミノ酸濃度データと前記メタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む前記記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、前記記憶手段で記憶する前記多変量判別式を作成する多変量判別式作成手段をさらに備え、前記多変量判別式作成手段は、前記メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、前記多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する候補多変量判別式作成手段と、前記候補多変量判別式作成手段で作成した前記候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証する候補多変量判別式検証手段と、前記候補多変量判別式検証手段での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて前記候補多変量判別式の変数を選択することで、前記候補多変量判別式を作成する際に用いる前記メタボリック・シンドローム状態情報に含まれる前記アミノ酸濃度データの組み合わせを選択する変数選択手段と、をさらに備え、前記候補多変量判別式作成手段、前記候補多変量判別式検証手段および前記変数選択手段を繰り返し実行して蓄積した前記検証結果に基づいて、複数の前記候補多変量判別式の中から前記多変量判別式として採用する前記候補多変量判別式を選出することで、前記多変量判別式を作成することを特徴とする。
また、本発明はメタボリック・シンドローム評価方法に関するものであり、本発明にかかる請求項22に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置で実行する、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価方法であって、前記制御手段で、アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項23に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項22に記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項24に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項23に記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記判別値基準評価ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項25に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項24に記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項26に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項25に記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項27に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項26に記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記多変量判別式は数式1であることを特徴とする。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかる請求項28に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項25に記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項29に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項28に記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかる請求項30に記載のメタボリック・シンドローム評価方法は、請求項22から29のいずれか1つに記載のメタボリック・シンドローム評価方法において、前記制御手段で、前記アミノ酸濃度データと前記メタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む前記記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、前記記憶手段で記憶する前記多変量判別式を作成する多変量判別式作成ステップをさらに実行し、前記多変量判別式作成ステップは、前記メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、前記多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する候補多変量判別式作成ステップと、前記候補多変量判別式作成ステップで作成した前記候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証する候補多変量判別式検証ステップと、前記候補多変量判別式検証ステップでの検証結果から所定の変数選択手法に基づいて前記候補多変量判別式の変数を選択することで、前記候補多変量判別式を作成する際に用いる前記メタボリック・シンドローム状態情報に含まれる前記アミノ酸濃度データの組み合わせを選択する変数選択ステップと、をさらに含み、前記候補多変量判別式作成ステップ、前記候補多変量判別式検証ステップおよび前記変数選択ステップを繰り返し実行して蓄積した前記検証結果に基づいて、複数の前記候補多変量判別式の中から前記多変量判別式として採用する前記候補多変量判別式を選出することで、前記多変量判別式を作成することを特徴とする。
また、本発明はメタボリック・シンドローム評価システムに関するものであり、本発明にかかる請求項31に記載のメタボリック・シンドローム評価システムは、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたメタボリック・シンドローム評価システムであって、前記情報通信端末装置は、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記メタボリック・シンドローム評価装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、前記メタボリック・シンドローム評価装置から送信された前記メタボリック・シンドロームの状態に関する前記評価対象の評価結果を受信する評価結果受信手段とを備え、前記メタボリック・シンドローム評価装置の前記制御手段は、前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価手段と、前記判別値基準評価手段での前記評価対象の前記評価結果を前記情報通信端末装置へ送信する評価結果送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出手段は、前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記判別値基準評価手段は、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出手段は、前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記多変量判別式は数式1であることを特徴とする。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価システムにおいて、前記メタボリック・シンドローム評価装置の前記制御手段は、前記アミノ酸濃度データと前記メタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む前記記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、前記記憶手段で記憶する前記多変量判別式を作成する多変量判別式作成手段をさらに備え、前記多変量判別式作成手段は、前記メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、前記多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する候補多変量判別式作成手段と、前記候補多変量判別式作成手段で作成した前記候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証する候補多変量判別式検証手段と、前記候補多変量判別式検証手段での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて前記候補多変量判別式の変数を選択することで、前記候補多変量判別式を作成する際に用いる前記メタボリック・シンドローム状態情報に含まれる前記アミノ酸濃度データの組み合わせを選択する変数選択手段と、をさらに備え、前記候補多変量判別式作成手段、前記候補多変量判別式検証手段および前記変数選択手段を繰り返し実行して蓄積した前記検証結果に基づいて、複数の前記候補多変量判別式の中から前記多変量判別式として採用する前記候補多変量判別式を選出することで、前記多変量判別式を作成することを特徴とする。
また、本発明はメタボリック・シンドローム評価プログラムに関するものであり、本発明にかかる請求項32に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムは、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置に実行させる、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価プログラムであって、前記制御手段に、アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価ステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記判別値基準評価ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記多変量判別式は数式1であることを特徴とする。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価プログラムは、前記に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムにおいて、前記制御手段に、前記アミノ酸濃度データと前記メタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む前記記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、前記記憶手段で記憶する前記多変量判別式を作成する多変量判別式作成ステップをさらに実行させ、前記多変量判別式作成ステップは、前記メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、前記多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する候補多変量判別式作成ステップと、前記候補多変量判別式作成ステップで作成した前記候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証する候補多変量判別式検証ステップと、前記候補多変量判別式検証ステップでの検証結果から所定の変数選択手法に基づいて前記候補多変量判別式の変数を選択することで、前記候補多変量判別式を作成する際に用いる前記メタボリック・シンドローム状態情報に含まれる前記アミノ酸濃度データの組み合わせを選択する変数選択ステップと、をさらに含み、前記候補多変量判別式作成ステップ、前記候補多変量判別式検証ステップおよび前記変数選択ステップを繰り返し実行して蓄積した前記検証結果に基づいて、複数の前記候補多変量判別式の中から前記多変量判別式として採用する前記候補多変量判別式を選出することで、前記多変量判別式を作成することを特徴とする。
また、本発明は記録媒体に関するものであり、本発明にかかる請求項33に記載の記録媒体は、請求項32を含む前記のいずれか1つに記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムを記録したことを特徴とする。
また、本発明はメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法に関するものであり、本発明にかかる請求項34に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、メタボリック・シンドロームを予防させる又は前記メタボリック・シンドロームの状態を改善させる1つ又は複数の物質から成る物質群を探索するメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法であって、所望の前記物質群が投与された評価対象から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定した前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する濃度値基準評価ステップと、前記濃度値基準評価ステップでの評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記メタボリック・シンドロームを予防させる又は前記メタボリック・シンドロームの状態を改善させるものであるか否かを判定する判定ステップと、を実行することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する濃度値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記濃度値基準判別ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは前記非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記判別値基準評価ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記多変量判別式は数式1であることを特徴とする。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであることを特徴とする。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、前記に記載のメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすることを特徴とする。
本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、評価対象から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定し、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価するので、血液中のアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームの状態と関連するアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価するので、アミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、多変量判別式は数式1であるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、アミノ酸の濃度値に関する予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価するので、アミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、多変量判別式は数式1であるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法およびメタボリック・シンドローム評価プログラムによれば、アミノ酸濃度データとメタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、記憶手段で記憶する多変量判別式を作成する。具体的には、(1)メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成し、(2)作成した候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証し、(3)(2)での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択し、(4)(1)、(2)および(3)を繰り返し実行して蓄積した検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで、多変量判別式を作成する。これにより、メタボリック・シンドロームの状態の評価に最適な多変量判別式(具体的にはメタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式(より具体的には、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式))を作成することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、まず、情報通信端末装置は、評価対象のアミノ酸濃度データをメタボリック・シンドローム評価装置へ送信する。そして、メタボリック・シンドローム評価装置は、情報通信端末装置から送信された評価対象のアミノ酸濃度データを受信し、受信した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価し、その評価対象の評価結果を情報通信端末装置へ送信する。そして、情報通信端末装置は、メタボリック・シンドローム評価装置から送信されたメタボリック・シンドロームの状態に関する評価対象の評価結果を受信する。これにより、アミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、受信した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、受信した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、多変量判別式は数式1であるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価システムによれば、アミノ酸濃度データとメタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、記憶手段で記憶する多変量判別式を作成する。具体的には、(1)メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成し、(2)作成した候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証し、(3)(2)での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択し、(4)(1)、(2)および(3)を繰り返し実行して蓄積した検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで、多変量判別式を作成する。これにより、メタボリック・シンドロームの状態の評価に最適な多変量判別式(具体的にはメタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式(より具体的には、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式))を作成することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる記録媒体によれば、当該記録媒体に記録されたメタボリック・シンドローム評価プログラムをコンピュータに読み取らせて実行することでコンピュータにメタボリック・シンドローム評価プログラムを実行させるので、メタボリック・シンドローム評価プログラムと同様の効果を得ることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、所望の物質群が投与された評価対象から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定し、測定したアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価し、その評価結果に基づいて、所望の物質群が、メタボリック・シンドロームを予防させる又はメタボリック・シンドロームの状態を改善させるものであるか否かを判定するので、血液中のアミノ酸の濃度を利用してメタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるメタボリック・シンドロームの評価方法を用いて、メタボリック・シンドロームを予防させる又はメタボリック・シンドロームの状態を改善させる物質を精度よく探索することができるという効果を奏する。また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、メタボリック・シンドロームでの典型的なアミノ酸濃度変動パターンの情報やメタボリック・シンドロームに対応する多変量判別式を利用することで、メタボリック・シンドロームの状態を一部反映した既存の動物モデルや、臨床で早期に有効な薬物を選択することが可能になる。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームの状態と関連するアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価するので、アミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出するので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、多変量判別式は数式1であるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであるので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするので、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
なお、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。また、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、多変量判別式における変数として、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。また、メタボリック・シンドロームは、上述したように、インシュリン抵抗性をベースにした高脂血症、高血圧、高血糖の症状を含有することから、本発明は、これらの評価や判別にも有効である。
図1は、本発明の基本原理を示す原理構成図である。 図2は、第1実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、本発明の基本原理を示す原理構成図である。 図4は、本システムの全体構成の一例を示す図である。 図5は、本システムの全体構成の他の一例を示す図である。 図6は、本システムのメタボリック・シンドローム評価装置100の構成の一例を示すブロック図である。 図7は、利用者情報ファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。 図8は、アミノ酸濃度データファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。 図9は、メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。 図10は、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。 図11は、候補多変量判別式ファイル106e1に格納される情報の一例を示す図である。 図12は、検証結果ファイル106e2に格納される情報の一例を示す図である。 図13は、選択メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106e3に格納される情報の一例を示す図である。 図14は、多変量判別式ファイル106e4に格納される情報の一例を示す図である。 図15は、判別値ファイル106fに格納される情報の一例を示す図である。 図16は、評価結果ファイル106gに格納される情報の一例を示す図である。 図17は、多変量判別式作成部102hの構成を示すブロック図である。 図18は、判別値基準評価部102jの構成を示すブロック図である。 図19は、本システムのクライアント装置200の構成の一例を示すブロック図である。 図20は、本システムのデータベース装置400の構成の一例を示すブロック図である。 図21は、本システムで行うメタボリック・シンドローム評価サービス処理の一例を示すフローチャートである。 図22は、本システムのメタボリック・シンドローム評価装置100で行う多変量判別式作成処理の一例を示すフローチャートである。 図23は、本発明の基本原理を示す原理構成図である。 図24は、第3実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法の一例を示すフローチャートである。 図25は、非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群間のアミノ酸変数の分布を示す箱ひげ図である。 図26は、2群間の診断性能を評価するためのROC曲線を示す図である。 図27は、2群間の診断性能を評価するためのROC曲線を示す図である。 図28は、2群判別のカットオフ値、感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率、効率を示す図である。 図29は、2群間の診断性能を評価するためのROC曲線のAUCの一覧を示す図である。 図30は、2群間の診断性能を評価するためのROC曲線のAUCの一覧を示す図である。 図31は、2群間の診断性能を評価するためのROC曲線のAUCの一覧を示す図である。 図32は、2群間の診断性能を評価するためのROC曲線のAUCの一覧を示す図である。 図33は、図31における各ランクの指標式の具体例を示す図である。 図34は、図32における各ランクの指標式の具体例を示す図である。 図35は、2群間の診断性能を評価するためのエラー率の一覧を示す図である。 図36は、2群間の診断性能を評価するためのエラー率の一覧を示す図である。 図37は、図35における各ランクの指標式の具体例を示す図である。 図38は、図36における各ランクの指標式の具体例を示す図である。
符号の説明
100 メタボリック・シンドローム評価装置
102 制御部
102a 要求解釈部
102b 閲覧処理部
102c 認証処理部
102d 電子メール生成部
102e Webページ生成部
102f 受信部
102g メタボリック・シンドローム状態情報指定部
102h 多変量判別式作成部
102h1 候補多変量判別式作成部
102h2 候補多変量判別式検証部
102h3 変数選択部
102i 判別値算出部
102j 判別値基準評価部
102j1 判別値基準判別部
102k 結果出力部
102m 送信部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 利用者情報ファイル
106b アミノ酸濃度データファイル
106c メタボリック・シンドローム状態情報ファイル
106d 指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル
106e 多変量判別式関連情報データベース
106e1 候補多変量判別式ファイル
106e2 検証結果ファイル
106e3 選択メタボリック・シンドローム状態情報ファイル
106e4 多変量判別式ファイル
106f 判別値ファイル
106g 評価結果ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 クライアント装置(情報通信端末装置)
300 ネットワーク
400 データベース装置
以下に、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法の実施の形態(第1実施形態)、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体の実施の形態(第2実施形態)、ならびに本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法の実施の形態(第3実施形態)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[第1実施形態]
[1−1.本発明の概要]
ここでは、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法の概要について図1を参照して説明する。図1は本発明の基本原理を示す原理構成図である。
まず、本発明では、評価対象(例えば動物やヒトなどの個体)から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する(ステップS−11)。ここで、血中アミノ酸濃度の分析は次のように行った。採血した血液サンプルを、ヘパリン処理したチューブに採取し、採取した血液サンプルを遠心することにより血液から血漿を分離した。全ての血漿サンプルは、アミノ酸濃度の測定時まで−70℃で凍結保存した。アミノ酸濃度測定時には、スルホサリチル酸を添加し3%濃度調整により除蛋白処理を行い、測定には、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機を使用した。なお、アミノ酸濃度の単位は、例えばモル濃度や重量濃度、これらの濃度に任意の定数を加減乗除することで得られるものでもよい。
つぎに、本発明では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価する(ステップS−12)。
以上、本発明によれば、評価対象から採取した血液からアミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定し、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価する。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
ここで、ステップS−12を実行する前に、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームの状態をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームの状態と関連するアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。具体的には、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。具体的には、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価してもよい。これにより、アミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
なお、上記した各多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開WO2004/052191号パンフレットに記載の方法や、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(後述する第2実施形態に記載の多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をメタボリック・シンドロームの状態の評価に好適に用いることができる。
また、分数式とは、当該分数式の分子がアミノ酸A,B,C,・・・の和で表わされ及び/又は当該分数式の分母がアミノ酸a,b,c,・・・の和で表わされるものである。また、分数式には、このような構成の分数式α,β,γ,・・・の和(例えばα+βのようなもの)も含まれる。また、分数式には、分割された分数式も含まれる。なお、分子や分母に用いられるアミノ酸にはそれぞれ適当な係数がついてもかまわない。また、分子や分母に用いられるアミノ酸は重複してもかまわない。また、各分数式に適当な係数がついてもかまわない。また、各変数の係数の値や定数項の値は、実数であればかまわない。
具体的には、分数式は、下記のA群〜D群のアミノ酸濃度の組み合わせで、望ましくは「分数式において、分子が(A群、B群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)、分母が(C群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)を持ち、計2〜8個のアミノ酸濃度の変数を含む単一の分数式もしくは複数の分数式で示されるもの」であり、より望ましくは「分数式において、分子が(B群から1個以上の変数+A群から0〜1個の変数+D群から0〜2個の変数)、分母が(C群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)を持ち、計4〜8個のアミノ酸濃度を含む複数の分数式で示されるもの」である。ここで、分数式で、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせは、目的変数との相関の正負の符号は概して逆転するが、それらの相関性は保たれるので、判別性では同等と見なせるので、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせも、包含するものである。
A群:Leu,Ile,Val
B群:Ala,Glu,Asp,Tyr,Trp,Thr
C群:Gly,Ser
D群:A群,B群,C群に含まれないアミノ酸またはアミノ酸代謝物
また、多変量判別式とは、一般に多変量解析で用いられる式の形式を意味し、例えば重回帰式、多重ロジスティック回帰式、線形判別関数、マハラノビス距離、正準判別関数、サポートベクターマシン、決定木などを包含する。また、異なる形式の多変量判別式の和で示されるような式も含まれる。また、重回帰式、多重ロジスティック回帰式、正準判別関数においては各変数に係数および定数項が付加されるが、この場合の係数および定数項は、好ましくは実数であること、より好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の99%信頼区間の範囲に属する値、さらに好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の95%信頼区間の範囲に属する値であればかまわない。また、各係数の値、及びその信頼区間は、それを実数倍したものでもよく、定数項の値、及びその信頼区間は、それに任意の実定数を加減乗除したものでもよい。
そして、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。また、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、多変量判別式における変数として、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。
[1−2.第1実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法]
ここでは、第1実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法について図2を参照して説明する。図2は、第1実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法の一例を示すフローチャートである。
まず、動物やヒトなどの個体から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する(ステップSA−11)。なお、アミノ酸の濃度値の測定は、上述した方法で行う。
つぎに、ステップSA−11で測定した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去する(ステップSA−12)。
つぎに、ステップSA−12で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する(ステップSA−13)。
[1−3.第1実施形態のまとめ、およびその他の実施形態]
以上、詳細に説明したように、第1実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法によれば、(1)個体から採取した血液からアミノ酸濃度データを測定し、(2)測定した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去し、(3)欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
ここで、ステップSA−13において、ステップSA−12で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値に基づいて、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップSA−13において、ステップSA−12で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップSA−13において、ステップSA−12で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップSA−13において、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、ステップSA−13において、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
なお、上記した各多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開WO2004/052191号パンフレットに記載の方法や、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(後述する第2実施形態に記載の多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をメタボリック・シンドロームの状態の評価に好適に用いることができる。
[第2実施形態]
[2−1.本発明の概要]
ここでは、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体の概要について、図3を参照して説明する。図3は本発明の基本原理を示す原理構成図である。
まず、本発明は、制御部で、アミノ酸の濃度値に関する予め取得した評価対象(例えば動物やヒトなどの個体)のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数する記憶部で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する(ステップS−21)。
つぎに、本発明は、制御部で、ステップS−21で算出した判別値に基づいて、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価する(ステップS−22)。
以上、本発明によれば、アミノ酸の濃度値に関する予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数する記憶部で記憶した多変量判別式に基づいて判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価する。これにより、アミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
ここで、ステップS−21では、予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて判別値を算出してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−21では、予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて判別値を算出してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−21において、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、ステップS−21において、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
なお、上記した各多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開WO2004/052191号パンフレットに記載の方法や、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(後述する多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をメタボリック・シンドロームの状態の評価に好適に用いることができる。
また、分数式とは、当該分数式の分子がアミノ酸A,B,C,・・・の和で表わされ及び/又は当該分数式の分母がアミノ酸a,b,c,・・・の和で表わされるものである。また、分数式には、このような構成の分数式α,β,γ,・・・の和(例えばα+βのようなもの)も含まれる。また、分数式には、分割された分数式も含まれる。なお、分子や分母に用いられるアミノ酸にはそれぞれ適当な係数がついてもかまわない。また、分子や分母に用いられるアミノ酸は重複してもかまわない。また、各分数式に適当な係数がついてもかまわない。また、各変数の係数の値や定数項の値は、実数であればかまわない。
具体的には、分数式は、下記のA群〜D群のアミノ酸濃度の組み合わせで、望ましくは「分数式において、分子が(A群、B群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)、分母が(C群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)を持ち、計2〜8個のアミノ酸濃度の変数を含む単一の分数式もしくは複数の分数式で示されるもの」であり、より望ましくは「分数式において、分子が(B群から1個以上の変数+A群から0〜1個の変数+D群から0〜2個の変数)、分母が(C群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)を持ち、計4〜8個のアミノ酸濃度を含む複数の分数式で示されるもの」である。ここで、分数式で、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせは、目的変数との相関の正負の符号は概して逆転するが、それらの相関性は保たれるので、判別性では同等と見なせるので、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせも、包含するものである。
A群:Leu,Ile,Val
B群:Ala,Glu,Asp,Tyr,Trp,Thr
C群:Gly,Ser
D群:A群,B群,C群に含まれないアミノ酸またはアミノ酸代謝物
また、多変量判別式とは、一般に多変量解析で用いられる式の形式を意味し、例えば重回帰式、多重ロジスティック回帰式、線形判別関数、マハラノビス距離、正準判別関数、サポートベクターマシン、決定木などを包含する。また、異なる形式の多変量判別式の和で示されるような式も含まれる。また、重回帰式、多重ロジスティック回帰式、正準判別関数においては各変数に係数および定数項が付加されるが、この場合の係数および定数項は、好ましくは実数であること、より好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の99%信頼区間の範囲に属する値、さらに好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の95%信頼区間の範囲に属する値であればかまわない。また、各係数の値、及びその信頼区間は、それを実数倍したものでもよく、定数項の値、及びその信頼区間は、それに任意の実定数を加減乗除したものでもよい。
そして、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。また、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、多変量判別式における変数として、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。
ここで、多変量判別式作成処理(工程1〜工程4)の概要について詳細に説明する。
まず、本発明は、制御部で、アミノ酸濃度データとメタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む記憶部で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、多変量判別式の候補である候補多変量判別式(例えば、y=a11+a22+・・・+ann、y:メタボリック・シンドローム状態指標データ、xi:アミノ酸濃度データ、ai:定数、i=1,2,・・・,n)を作成する(工程1)。なお、事前に、メタボリック・シンドローム状態情報から欠損値や外れ値などを持つデータを除去してもよい。
なお、工程1において、メタボリック・シンドローム状態情報から、複数の異なる式作成手法(主成分分析や判別分析、サポートベクターマシン、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、k−means法、クラスター解析、決定木などの多変量解析に関するものを含む。)を併用して複数の候補多変量判別式を作成してもよい。具体的には、多数の健常群およびメタボリック・シンドローム群から得た血液を分析して得たアミノ酸濃度データおよびメタボリック・シンドローム状態指標データから構成される多変量データであるメタボリック・シンドローム状態情報に対して、複数の異なるアルゴリズムを利用して複数群の候補多変量判別式を同時並行的に作成してもよい。例えば、異なるアルゴリズムを利用して判別分析およびロジスティック回帰分析を同時に行い、2つの異なる候補多変量判別式を作成してもよい。また、主成分分析を行って作成した候補多変量判別式を利用してメタボリック・シンドローム状態情報を変換し、変換したメタボリック・シンドローム状態情報に対して判別分析を行うことで候補多変量判別式を作成してもよい。これにより、最終的に、診断条件に合った適切な多変量判別式を作成することができる。
ここで、主成分分析を用いて作成した候補多変量判別式は、全てのアミノ酸濃度データの分散を最大にするような各アミノ酸変数からなる一次式である。また、判別分析を用いて作成した候補多変量判別式は、各群内の分散の和の全てのアミノ酸濃度データの分散に対する比を最小にするような各アミノ酸変数からなる高次式(指数や対数を含む)である。また、サポートベクターマシンを用いて作成した候補多変量判別式は、群間の境界を最大にするような各アミノ酸変数からなる高次式(カーネル関数を含む)である。また、重回帰分析を用いて作成した候補多変量判別式は、全てのアミノ酸濃度データからの距離の和を最小にするような各アミノ酸変数からなる高次式である。ロジスティック回帰分析を用いて作成した候補多変量判別式は、尤度を最大にするような各アミノ酸変数からなる一次式を指数とする自然対数を項に持つ分数式である。また、k−means法とは、各アミノ酸濃度データのk個近傍を探索し、近傍点の属する群の中で一番多いものをそのデータの所属群と定義し、入力されたアミノ酸濃度データの属する群と定義された群とが最も合致するようなアミノ酸変数を選択する手法である。また、クラスター解析とは、全てのアミノ酸濃度データの中で最も近い距離にある点同士をクラスタリング(群化)する手法である。また、決定木とは、アミノ酸変数に序列をつけて、序列が上位であるアミノ酸変数の取りうるパターンからアミノ酸濃度データの群を予測する手法である。
多変量判別式作成処理の説明に戻り、本発明は、制御部で、工程1で作成した候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証(相互検証)する(工程2)。候補多変量判別式の検証は、工程1で作成した各候補多変量判別式に対して行う。
なお、工程2において、ブートストラップ法やホールドアウト法、リーブワンアウト法などのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の判別率や感度、特異性、情報量基準などのうち少なくとも1つに関して検証してもよい。これにより、メタボリック・シンドローム状態情報や診断条件を考慮した予測性または堅牢性の高い候補多変量判別式を作成することができる。
ここで、判別率とは、全入力データの中で、本発明で評価したメタボリック・シンドロームの状態が正しい割合である。また、感度とは、入力データに記載されたメタボリック・シンドロームの状態になっているものの中で、本発明で評価したメタボリック・シンドロームの状態が正しい割合である。また、特異性とは、入力データに記載されたメタボリック・シンドロームの状態が健常になっているものの中で、本発明で評価したメタボリック・シンドロームの状態が正しい割合である。また、情報量基準とは、工程1で作成した候補多変量判別式のアミノ酸変数の数と、本発明で評価したメタボリック・シンドロームの状態および入力データに記載されたメタボリック・シンドロームの状態の差異と、を足し合わせたものである。また、予測性とは、候補多変量判別式の検証を繰り返すことで得られた判別率や感度、特異性を平均したものである。また、堅牢性とは、候補多変量判別式の検証を繰り返すことで得られた判別率や感度、特異性の分散である。
多変量判別式作成処理の説明に戻り、本発明は、制御部で、工程2での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択する(工程3)。アミノ酸変数の選択は、工程1で作成した各候補多変量判別式に対して行う。これにより、候補多変量判別式のアミノ酸変数を適切に選択することができる。そして、工程3で選択したアミノ酸濃度データを含むメタボリック・シンドローム状態情報を用いて再び工程1を実行する。
なお、工程3において、工程2での検証結果からステップワイズ法、ベストパス法、近傍探索法、遺伝的アルゴリズムのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式のアミノ酸変数を選択してもよい。
ここで、ベストパス法とは、候補多変量判別式に含まれるアミノ酸変数を1つずつ順次減らしていき、候補多変量判別式が与える評価指標を最適化することでアミノ酸変数を選択する方法である。
多変量判別式作成処理の説明に戻り、本発明は、制御部で、上述した工程1、工程2および工程3を繰り返し実行し、これにより蓄積した検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで、多変量判別式を作成する(工程4)。なお、候補多変量判別式の選出には、例えば、同じ式作成手法で作成した候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合と、すべての候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合とがある。
以上、説明したように、多変量判別式作成処理では、メタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、候補多変量判別式の作成、候補多変量判別式の検証および候補多変量判別式の変数の選択に関する処理を一連の流れで体系化(システム化)して実行することにより、メタボリック・シンドロームの状態の評価に最適な多変量判別式を作成することができる。換言すると、多変量判別式作成処理では、アミノ酸濃度を多変量の統計解析に用い、最適でロバストな変数の組を選択するために変数選択法とクロスバリデーションとを組み合わせて、診断性能の高い多変量判別式を抽出する。多変量判別式としては、ロジスティック回帰、線形判別、サポートベクターマシン、マハラノビス距離法、重回帰分析、クラスター解析などを用いることができる。
[2−2.システム構成]
ここでは、第2実施形態にかかるメタボリック・シンドローム評価システム(以下では本システムと記す場合がある。)の構成について、図4から図20を参照して説明する。なお、本システムはあくまでも一例であり、本発明はこれに限定されない。
まず、本システムの全体構成について図4および図5を参照して説明する。図4は本システムの全体構成の一例を示す図である。また、図5は本システムの全体構成の他の一例を示す図である。本システムは、図4に示すように、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価装置100と、アミノ酸の濃度値に関する評価対象のアミノ酸濃度データを提供するクライアント装置200(本発明の情報通信端末装置に相当)とを、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されている。
なお、本システムは、図5に示すように、メタボリック・シンドローム評価装置100やクライアント装置200の他に、メタボリック・シンドローム評価装置100で多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報やメタボリック・シンドロームの状態を評価するために用いる多変量判別式などを格納したデータベース装置400を、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されてもよい。これにより、ネットワーク300を介して、メタボリック・シンドローム評価装置100からクライアント装置200やデータベース装置400へ、あるいはクライアント装置200やデータベース装置400からメタボリック・シンドローム評価装置100へ、メタボリック・シンドロームの状態に関する情報などが提供される。ここで、メタボリック・シンドロームの状態に関する情報とは、ヒトを含む生物のメタボリック・シンドロームの状態に関する特定の項目について測定した値に関する情報である。また、メタボリック・シンドロームの状態に関する情報は、メタボリック・シンドローム評価装置100やクライアント装置200や他の装置(例えば各種の計測装置等)で生成され、主にデータベース装置400に蓄積される。
つぎに、本システムのメタボリック・シンドローム評価装置100の構成について図6から図18を参照して説明する。図6は、本システムのメタボリック・シンドローム評価装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
メタボリック・シンドローム評価装置100は、当該メタボリック・シンドローム評価装置を統括的に制御するCPU等の制御部102と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して当該メタボリック・シンドローム評価装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部104と、各種のデータベースやテーブルやファイルなどを格納する記憶部106と、入力装置112や出力装置114に接続する入出力インターフェース部108と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。ここで、メタボリック・シンドローム評価装置100は、各種の分析装置(例えばアミノ酸アナライザー等)と同一筐体で構成されてもよい。また、メタボリック・シンドローム評価装置100の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。例えば、処理の一部をCGI(Common Gateway Interface)を用いて実現してもよい。
記憶部106は、ストレージ手段であり、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。記憶部106は、図示の如く、利用者情報ファイル106aと、アミノ酸濃度データファイル106bと、メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106cと、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dと、多変量判別式関連情報データベース106eと、判別値ファイル106fと、評価結果ファイル106gと、を格納する。
利用者情報ファイル106aは、利用者に関する利用者情報を格納する。図7は、利用者情報ファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。利用者情報ファイル106aに格納される情報は、図7に示すように、利用者を一意に識別するための利用者IDと、利用者が正当な者であるか否かの認証を行うための利用者パスワードと、利用者の氏名と、利用者の所属する所属先を一意に識別するための所属先IDと、利用者の所属する所属先の部門を一意に識別するための部門IDと、部門名と、利用者の電子メールアドレスと、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、アミノ酸濃度データファイル106bは、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを格納する。図8は、アミノ酸濃度データファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。アミノ酸濃度データファイル106bに格納される情報は、図8に示すように、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、アミノ酸濃度データとを相互に関連付けて構成されている。ここで、図8では、アミノ酸濃度データを数値、すなわち連続尺度として扱っているが、アミノ酸濃度データは名義尺度や順序尺度でもよい。なお、名義尺度や順序尺度の場合は、それぞれの状態に対して任意の数値を与えることで解析してもよい。また、アミノ酸濃度データに、他の生体情報(性差、年齢、身長、体重、BMI指数、腹囲、インスリン抵抗性指数、尿酸値、血糖値、中性脂肪、体脂肪率、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、収縮期血圧、拡張期血圧、ヘモグロビンA1c、動脈硬化指数、喫煙の有無、心電図の波形を数値化したもの、酵素濃度、遺伝子発現量、アミノ酸以外の代謝物の濃度など)を組み合わせてもよい。
図6に戻り、メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106cは、多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報を格納する。図9は、メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106cに格納される情報は、図9に示すように、個体番号と、メタボリック・シンドロームの状態を表す指標(指標T1、指標T2、指標T3・・・)に関するメタボリック・シンドローム状態指標データ(T)と、アミノ酸濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。ここで、図9では、メタボリック・シンドローム状態指標データおよびアミノ酸濃度データを数値(すなわち連続尺度)として扱っているが、メタボリック・シンドローム状態指標データおよびアミノ酸濃度データは名義尺度や順序尺度でもよい。なお、名義尺度や順序尺度の場合は、それぞれの状態に対して任意の数値を与えることで解析してもよい。また、メタボリック・シンドローム状態指標データは、メタボリック・シンドロームの状態のマーカーとなる既知の単一の状態指標であり、数値データを用いてもよい。
図6に戻り、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dは、後述するメタボリック・シンドローム状態情報指定部102gで指定したメタボリック・シンドローム状態情報を格納する。図10は、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dに格納される情報は、図10に示すように、個体番号と、指定したメタボリック・シンドローム状態指標データと、指定したアミノ酸濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、多変量判別式関連情報データベース106eは、後述する候補多変量判別式作成部102h1で作成した候補多変量判別式を格納する候補多変量判別式ファイル106e1と、後述する候補多変量判別式検証部102h2での検証結果を格納する検証結果ファイル106e2と、後述する変数選択部102h3で選択したアミノ酸濃度データの組み合わせを含むメタボリック・シンドローム状態情報を格納する選択メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106e3と、後述する多変量判別式作成部102hで作成した多変量判別式を格納する多変量判別式ファイル106e4と、で構成される。
候補多変量判別式ファイル106e1は、後述する候補多変量判別式作成部102h1で作成した候補多変量判別式を格納する。図11は、候補多変量判別式ファイル106e1に格納される情報の一例を示す図である。候補多変量判別式ファイル106e1に格納される情報は、図11に示すように、ランクと、候補多変量判別式(図11では、F1(Gly,Leu,Phe,・・・)やF2(Gly,Leu,Phe,・・・)、F3(Gly,Leu,Phe,・・・)など)とを相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、検証結果ファイル106e2は、後述する候補多変量判別式検証部102h2での検証結果を格納する。図12は、検証結果ファイル106e2に格納される情報の一例を示す図である。検証結果ファイル106e2に格納される情報は、図12に示すように、ランクと、候補多変量判別式(図12では、Fk(Gly,Leu,Phe,・・・)やFm(Gly,Leu,Phe,・・・)、Fl(Gly,Leu,Phe,・・・)など)と、各候補多変量判別式の検証結果(例えば各候補多変量判別式の評価値)と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、選択メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106e3は、後述する変数選択部102h3で選択した変数に対応するアミノ酸濃度データの組み合わせを含むメタボリック・シンドローム状態情報を格納する。図13は、選択メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106e3に格納される情報の一例を示す図である。選択メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106e3に格納される情報は、図13に示すように、個体番号と、後述するメタボリック・シンドローム状態情報指定部102gで指定したメタボリック・シンドローム状態指標データと、後述する変数選択部102h3で選択したアミノ酸濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、多変量判別式ファイル106e4は、後述する多変量判別式作成部102hで作成した多変量判別式を格納する。図14は、多変量判別式ファイル106e4に格納される情報の一例を示す図である。多変量判別式ファイル106e4に格納される情報は、図14に示すように、ランクと、多変量判別式(図14では、Fp(Phe,・・・)やFp(Gly,Leu,Phe)、Fk(Gly,Leu,Phe,・・・)など)と、各式作成手法に対応する閾値と、各多変量判別式の検証結果(例えば各多変量判別式の評価値)と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、判別値ファイル106fは、後述する判別値算出部102iで算出した判別値を格納する。図15は、判別値ファイル106fに格納される情報の一例を示す図である。判別値ファイル106fに格納される情報は、図15に示すように、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、ランク(多変量判別式を一意に識別するための番号)と、判別値と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、評価結果ファイル106gは、後述する判別値基準評価部102jでの評価結果(具体的には、後述する判別値基準判別部102j1での判別結果)を格納する。図16は、評価結果ファイル106gに格納される情報の一例を示す図である。評価結果ファイル106gに格納される情報は、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データと、多変量判別式で算出した判別値と、メタボリック・シンドロームの状態に関する評価結果(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かに関する判別結果)と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、記憶部106には、上述した情報以外にその他情報として、Webサイトをクライアント装置200に提供するための各種のWebデータや、CGIプログラム等が記録されている。Webデータとしては後述する各種のWebページを表示するためのデータ等があり、これらデータは例えばHTMLやXMLで記述されたテキストファイルとして形成されている。また、Webデータを作成するための部品用のファイルや作業用のファイルやその他一時的なファイル等も記憶部106に記憶される。記憶部106には、必要に応じて、クライアント装置200に送信するための音声をWAVE形式やAIFF形式の如き音声ファイルで格納したり、静止画や動画をJPEG形式やMPEG2形式の如き画像ファイルで格納したりすることができる。
通信インターフェース部104は、メタボリック・シンドローム評価装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
入出力インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114に接続する。ここで、出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。)。入力装置112には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、図示の如く、大別して、要求解釈部102aと閲覧処理部102bと認証処理部102cと電子メール生成部102dとWebページ生成部102eと受信部102fとメタボリック・シンドローム状態情報指定部102gと多変量判別式作成部102hと判別値算出部102iと判別値基準評価部102jと結果出力部102kと送信部102mとを備えている。制御部102は、データベース装置400から送信されたメタボリック・シンドローム状態情報やクライアント装置200から送信されたアミノ酸濃度データに対して、欠損値のあるデータの除去・外れ値の多いデータの除去・欠損値のあるデータの多い変数の除去などのデータ処理も行う。
要求解釈部102aは、クライアント装置200やデータベース装置400からの要求内容を解釈し、その解釈結果に応じて制御部102の各部に処理を受け渡す。閲覧処理部102bは、クライアント装置200からの各種画面の閲覧要求を受けて、これら画面のWebデータの生成や送信を行なう。認証処理部102cは、クライアント装置200やデータベース装置400からの認証要求を受けて、認証判断を行う。電子メール生成部102dは、各種の情報を含んだ電子メールを生成する。Webページ生成部102eは、利用者がクライアント装置200で閲覧するWebページを生成する。
受信部102fは、クライアント装置200やデータベース装置400から送信された情報(具体的には、アミノ酸濃度データやメタボリック・シンドローム状態情報、多変量判別式など)を、ネットワーク300を介して受信する。メタボリック・シンドローム状態情報指定部102gは、多変量判別式を作成するにあたり、対象とするメタボリック・シンドローム状態指標データおよびアミノ酸濃度データを指定する。
多変量判別式作成部102hは、受信部102fで受信したメタボリック・シンドローム状態情報やメタボリック・シンドローム状態情報指定部102gで指定したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて多変量判別式を作成する。具体的には、多変量判別式作成部102hは、メタボリック・シンドローム状態情報から、候補多変量判別式作成部102h1、候補多変量判別式検証部102h2および変数選択部102h3を繰り返し実行させることにより蓄積された検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで、多変量判別式を作成する。
なお、多変量判別式が予め記憶部106の所定の記憶領域に格納されている場合には、多変量判別式作成部102hは、記憶部106から所望の多変量判別式を選択することで、多変量判別式を作成してもよい。また、多変量判別式作成部102hは、多変量判別式を予め格納した他のコンピュータ装置(例えばデータベース装置400)から所望の多変量判別式を選択しダウンロードすることで、多変量判別式を作成してもよい。
ここで、多変量判別式作成部102hの構成について図17を参照して説明する。図17は、多変量判別式作成部102hの構成を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1と、候補多変量判別式検証部102h2と、変数選択部102h3と、をさらに備えている。候補多変量判別式作成部102h1は、メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する。なお、候補多変量判別式作成部102h1は、メタボリック・シンドローム状態情報から、複数の異なる式作成手法を併用して複数の候補多変量判別式を作成してもよい。候補多変量判別式検証部102h2は、候補多変量判別式作成部102h1で作成した候補多変量判別式を所定の検証手法に基づいて検証する。なお、候補多変量判別式検証部102h2は、ブートストラップ法、ホールドアウト法、リーブワンアウト法のうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の判別率、感度、特異性、情報量基準のうち少なくとも1つに関して検証してもよい。変数選択部102h3は、候補多変量判別式検証部102h2での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択する。なお、変数選択部102h3は、検証結果からステップワイズ法、ベストパス法、近傍探索法、遺伝的アルゴリズムのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の変数を選択してもよい。
図6に戻り、判別値算出部102iは、多変量判別式作成部102hで作成した多変量判別式(例えば、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つ又は2つを変数として含むもの)、および受信部102fで受信した評価対象のアミノ酸濃度データ(例えば、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つ又は2つの濃度値)に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する。
ここで、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。
判別値基準評価部102jは、判別値算出部102iで算出した判別値に基づいて評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価する。判別値基準評価部102jは、判別値基準判別部102j1をさらに備えている。ここで、判別値基準評価部102jの構成について図18を参照して説明する。図18は、判別値基準評価部102jの構成を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。判別値基準判別部102j1は、判別値に基づいて評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する。具体的には、判別値基準判別部102j1は、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する。
図6に戻り、結果出力部102kは、制御部102の各処理部での処理結果(判別値基準評価部102jでの評価結果(具体的には判別値基準判別部102j1での判別結果)を含む)等を出力装置114に出力する。
送信部102mは、評価対象のアミノ酸濃度データの送信元のクライアント装置200に対して評価結果を送信したり、データベース装置400に対して、メタボリック・シンドローム評価装置100で作成した多変量判別式や評価結果を送信したりする。
つぎに、本システムのクライアント装置200の構成について図19を参照して説明する。図19は、本システムのクライアント装置200の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
クライアント装置200は、制御部210とROM220とHD230とRAM240と入力装置250と出力装置260と入出力IF270と通信IF280とで構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
制御部210は、Webブラウザ211、電子メーラ212、受信部213、送信部214を備えている。Webブラウザ211は、Webデータを解釈し、解釈したWebデータを後述するモニタ261に表示するブラウズ処理を行う。なお、Webブラウザ211には、ストリーム映像の受信・表示・フィードバック等を行う機能を備えたストリームプレイヤ等の各種のソフトウェアをプラグインしてもよい。電子メーラ212は、所定の通信規約(例えば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やPOP3(Post Office Protocol version 3)等)に従って電子メールの送受信を行う。受信部213は、通信IF280を介して、メタボリック・シンドローム評価装置100から送信された評価結果などの各種情報を受信する。送信部214は、通信IF280を介して、評価対象のアミノ酸濃度データなどの各種情報をメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する。
入力装置250はキーボードやマウスやマイク等である。なお、後述するモニタ261もマウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。出力装置260は、通信IF280を介して受信した情報を出力する出力手段であり、モニタ(家庭用テレビを含む)261およびプリンタ262を含む。この他、出力装置260にスピーカ等を設けてもよい。入出力IFは入力装置250や出力装置260に接続する。
通信IF280は、クライアント装置200とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)とを通信可能に接続する。換言すると、クライアント装置200は、モデムやTAやルータなどの通信装置および電話回線を介して、または専用線を介してネットワーク300に接続される。これにより、クライアント装置200は、所定の通信規約に従ってメタボリック・シンドローム評価装置100にアクセスすることができる。
ここで、プリンタ・モニタ・イメージスキャナ等の周辺装置を必要に応じて接続した情報処理装置(例えば、既知のパーソナルコンピュータ・ワークステーション・家庭用ゲーム装置・インターネットTV・PHS端末・携帯端末・移動体通信端末・PDA等の情報処理端末など)に、Webデータのブラウジング機能や電子メール機能を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより、クライアント装置200を実現してもよい。
また、クライアント装置200の制御部210は、制御部210で行う処理の全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈して実行するプログラムで実現してもよい。ROM220またはHD230には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。当該コンピュータプログラムは、RAM240にロードされることで実行され、CPUと協働して制御部210を構成する。また、当該コンピュータプログラムは、クライアント装置200と任意のネットワークを介して接続されるアプリケーションプログラムサーバに記録されてもよく、クライアント装置200は、必要に応じてその全部または一部をダウンロードしてもよい。また、制御部210で行う処理の全部または任意の一部を、ワイヤードロジック等によるハードウェアで実現してもよい。
つぎに、本システムのネットワーク300について図4、図5を参照して説明する。ネットワーク300は、メタボリック・シンドローム評価装置100とクライアント装置200とデータベース装置400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやイントラネットやLAN(有線/無線の双方を含む)等である。なお、ネットワーク300は、VANや、パソコン通信網や、公衆電話網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、専用回線網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、CATV網や、携帯回線交換網または携帯パケット交換網(IMT2000方式、GSM方式またはPDC/PDC−P方式等を含む)や、無線呼出網や、Bluetooth(登録商標)等の局所無線網や、PHS網や、衛星通信網(CS、BSまたはISDB等を含む)等でもよい。
つぎに、本システムのデータベース装置400の構成について図20を参照して説明する。図20は、本システムのデータベース装置400の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
データベース装置400は、メタボリック・シンドローム評価装置100または当該データベース装置で多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報や、メタボリック・シンドローム評価装置100で作成した多変量判別式、メタボリック・シンドローム評価装置100での評価結果などを格納する機能を有する。図20に示すように、データベース装置400は、当該データベース装置を統括的に制御するCPU等の制御部402と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回路を介して当該データベース装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部404と、各種のデータベースやテーブルやファイル(例えばWebページ用ファイル)などを格納する記憶部406と、入力装置412や出力装置414に接続する入出力インターフェース部408と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
記憶部406は、ストレージ手段であり、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置や、フレキシブルディスクや、光ディスク等を用いることができる。記憶部406には、各種処理に用いる各種プログラム等を格納する。通信インターフェース部404は、データベース装置400とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部404は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。入出力インターフェース部408は、入力装置412や出力装置414に接続する。ここで、出力装置414には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下で、出力装置414をモニタ414として記載する場合がある。)。また、入力装置412には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部402は、OS(Operating System)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部402は、図示の如く、大別して、要求解釈部402aと閲覧処理部402bと認証処理部402cと電子メール生成部402dとWebページ生成部402eと送信部402fとを備えている。
要求解釈部402aは、メタボリック・シンドローム評価装置100からの要求内容を解釈し、その解釈結果に応じて制御部402の各部に処理を受け渡す。閲覧処理部402bは、メタボリック・シンドローム評価装置100からの各種画面の閲覧要求を受けて、これら画面のWebデータの生成や送信を行う。認証処理部402cは、メタボリック・シンドローム評価装置100からの認証要求を受けて、認証判断を行う。電子メール生成部402dは、各種の情報を含んだ電子メールを生成する。Webページ生成部402eは、利用者がクライアント装置200で閲覧するWebページを生成する。送信部402fは、メタボリック・シンドローム状態情報や多変量判別式などの各種情報を、メタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する。
[2−3.本システムの処理]
ここでは、以上のように構成された本システムで行われるメタボリック・シンドローム評価サービス処理の一例を、図21を参照して説明する。図21は、メタボリック・シンドローム評価サービス処理の一例を示すフローチャートである。
なお、本処理で用いるアミノ酸濃度データは、個体から予め採取した血液を分析して得たアミノ酸の濃度値に関するものである。ここで、血液中のアミノ酸の分析方法について簡単に説明する。まず、採血した血液サンプルを、ヘパリン処理したチューブに採取し、その後、当該チューブに対して遠心分離を行うことで血漿を分離する。なお、分離したすべての血漿サンプルは、アミノ酸濃度の測定時まで−70℃で凍結保存する。そして、アミノ酸濃度の測定時に、血漿サンプルに対してスルホサリチル酸を添加し、3%濃度調整により除蛋白処理を行う。なお、アミノ酸濃度の測定には、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機を使用した。
まず、Webブラウザ211を表示した画面上で利用者が入力装置250を介してメタボリック・シンドローム評価装置100が提供するWebサイトのアドレス(URLなど)を指定すると、クライアント装置200はメタボリック・シンドローム評価装置100へアクセスする。具体的には、利用者がクライアント装置200のWebブラウザ211の画面更新を指示すると、Webブラウザ211は、メタボリック・シンドローム評価装置100が提供するWebサイトのアドレスを所定の通信規約でメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信することで、アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求を、当該アドレスに基づくルーティングでメタボリック・シンドローム評価装置100へ行う。
つぎに、メタボリック・シンドローム評価装置100は、要求解釈部102aで、クライアント装置200からの送信を受け、当該送信の内容を解析し、解析結果に応じて制御部102の各部に処理を移す。具体的には、送信の内容がアミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求であった場合、メタボリック・シンドローム評価装置100は、主として閲覧処理部102bで、記憶部106の所定の記憶領域に格納されている当該Webページを表示するためのWebデータを取得し、取得したWebデータをクライアント装置200へ送信する。より具体的には、利用者からアミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求があった場合、メタボリック・シンドローム評価装置100は、まず、制御部102で、利用者IDや利用者パスワードの入力を利用者に対して求める。そして、利用者IDやパスワードが入力されると、メタボリック・シンドローム評価装置100は、認証処理部102cで、入力された利用者IDやパスワードと利用者情報ファイル106aに格納されている利用者IDや利用者パスワードとの認証判断を行う。そして、メタボリック・シンドローム評価装置100は、認証可の場合にのみ、閲覧処理部102bで、アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページを表示するためのWebデータをクライアント装置200へ送信する。なお、クライアント装置200の特定は、クライアント装置200から送信要求と共に送信されたIPアドレスで行う。
つぎに、クライアント装置200は、メタボリック・シンドローム評価装置100から送信されたWebデータ(アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページを表示するためのもの)を受信部213で受信し、受信したWebデータをWebブラウザ211で解釈し、モニタ261にアミノ酸濃度データ送信画面を表示する。
つぎに、モニタ261に表示されたアミノ酸濃度データ送信画面に対し利用者が入力装置250を介して個体のアミノ酸濃度データなどを入力・選択すると、クライアント装置200は、送信部214で、入力情報や選択事項を特定するための識別子をメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信することで、評価対象の個体のアミノ酸濃度データをメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する(ステップSA−21)。なお、ステップSA−21におけるアミノ酸濃度データの送信は、FTP等の既存のファイル転送技術等により実現してもよい。
つぎに、メタボリック・シンドローム評価装置100は、要求解釈部102aで、クライアント装置200から送信された識別子を解釈することによりクライアント装置200の要求内容を解釈し、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つ又は2つを変数として含むメタボリック・シンドローム評価用(具体的には、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別用)の多変量判別式の送信要求をデータベース装置400へ行う。
つぎに、データベース装置400は、要求解釈部402aで、メタボリック・シンドローム評価装置100からの送信要求を解釈し、記憶部406の所定の記憶領域に格納した、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つ又は2つを変数として含む多変量判別式(例えばアップデートされた最新のもの)をメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する(ステップSA−22)。
ここで、ステップSA−22において、メタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、ステップSA−22において、メタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。
つぎに、メタボリック・シンドローム評価装置100は、受信部102fで、クライアント装置200から送信された個体のアミノ酸濃度データおよびデータベース装置400から送信された多変量判別式を受信し、受信したアミノ酸濃度データをアミノ酸濃度データファイル106bの所定の記憶領域に格納すると共に、受信した多変量判別式を多変量判別式ファイル106e4の所定の記憶領域に格納する(ステップSA−23)。
つぎに、メタボリック・シンドローム評価装置100は、制御部102で、ステップSA−23で受信した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去する(ステップSA−24)。
つぎに、メタボリック・シンドローム評価装置100は、判別値算出部102iで、ステップSA−24で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つ又は2つの濃度値、およびステップSA−23で受信した多変量判別式に基づいて、判別値を算出する(ステップSA−25)。
つぎに、メタボリック・シンドローム評価装置100は、判別値基準判別部102j1で、ステップSA−25で算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別し、その判別結果を評価結果ファイル106gの所定の記憶領域に格納する(ステップSA−26)。
つぎに、メタボリック・シンドローム評価装置100は、送信部102mで、ステップSA−26で得た判別結果(メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かに関する判別結果)を、アミノ酸濃度データの送信元のクライアント装置200とデータベース装置400とへ送信する(ステップSA−27)。具体的には、まず、メタボリック・シンドローム評価装置100は、Webページ生成部102eで、判別結果を表示するためのWebページを作成し、作成したWebページに対応するWebデータを記憶部106の所定の記憶領域に格納する。ついで、利用者がクライアント装置200のWebブラウザ211に入力装置250を介して所定のURLを入力し上述した認証を経た後、クライアント装置200は、当該Webページの閲覧要求をメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する。ついで、メタボリック・シンドローム評価装置100は、閲覧処理部102bで、クライアント装置200から送信された閲覧要求を解釈し、判別結果を表示するためのWebページに対応するWebデータを記憶部106の所定の記憶領域から読み出す。そして、メタボリック・シンドローム評価装置100は、送信部102mで、読み出したWebデータをクライアント装置200へ送信すると共に、当該Webデータ又は判別結果をデータベース装置400へ送信する。
ここで、ステップSA−27において、メタボリック・シンドローム評価装置100は、制御部102で、判別結果を電子メールで利用者のクライアント装置200へ通知してもよい。具体的には、まず、メタボリック・シンドローム評価装置100は、電子メール生成部102dで、利用者IDなどを基にして利用者情報ファイル106aに格納されている利用者情報を送信タイミングに従って参照し、利用者の電子メールアドレスを取得する。ついで、メタボリック・シンドローム評価装置100は、電子メール生成部102dで、取得した電子メールアドレスを宛て先とし利用者の氏名および判別結果を含む電子メールに関するデータを生成する。ついで、メタボリック・シンドローム評価装置100は、送信部102mで、生成した当該データを利用者のクライアント装置200へ送信する。
また、ステップSA−27において、メタボリック・シンドローム評価装置100は、FTP等の既存のファイル転送技術等で、判別結果を利用者のクライアント装置200へ送信してもよい。
図21の説明に戻り、データベース装置400は、制御部402で、メタボリック・シンドローム評価装置100から送信された判別結果またはWebデータを受信し、受信した判別結果またはWebデータを記憶部406の所定の記憶領域に保存(蓄積)する(ステップSA−28)。
また、クライアント装置200は、受信部213で、メタボリック・シンドローム評価装置100から送信されたWebデータを受信し、受信したWebデータをWebブラウザ211で解釈し、個体の判別結果が記されたWebページの画面をモニタ261に表示する(ステップSA−29)。なお、判別結果がメタボリック・シンドローム評価装置100から電子メールで送信された場合には、クライアント装置200は、電子メーラ212の公知の機能で、メタボリック・シンドローム評価装置100から送信された電子メールを任意のタイミングで受信し、受信した電子メールをモニタ261に表示する。
以上により、利用者は、モニタ261に表示されたWebページを閲覧することで、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に関する個体の判別結果を確認することができる。なお、利用者は、モニタ261に表示されたWebページの表示内容をプリンタ262で印刷してもよい。
また、判別結果がメタボリック・シンドローム評価装置100から電子メールで送信された場合には、利用者は、モニタ261に表示された電子メールを閲覧することで、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に関する個体の判別結果を確認することができる。利用者は、モニタ261に表示された電子メールの表示内容をプリンタ262で印刷してもよい。
これにて、メタボリック・シンドローム評価サービス処理の説明を終了する。
[2−4.第2実施形態のまとめ、およびその他の実施形態]
以上、詳細に説明したように、メタボリック・シンドローム評価システムによれば、クライアント装置200は個体のアミノ酸濃度データをメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信し、データベース装置400はメタボリック・シンドローム評価装置100からの要求を受けて、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別用の多変量判別式をメタボリック・シンドローム評価装置100へ送信する。そして、メタボリック・シンドローム評価装置100は、(1)クライアント装置200からアミノ酸濃度データを受信すると共にデータベース装置400から多変量判別式を受信し、(2)受信した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などデータを除去し、(3)欠損値や外れ値などのデータが除去されたアミノ酸濃度データおよび受信した多変量判別式に基づいて判別値を算出し、(4)算出した判別値と予め設定した閾値とを比較することで個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別し、(5)この判別結果をクライアント装置200やデータベース装置400へ送信する。そして、クライアント装置200はメタボリック・シンドローム評価装置100から送信された判別結果を受信して表示し、データベース装置400はメタボリック・シンドローム評価装置100から送信された判別結果を受信して格納する。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
ここで、メタボリック・シンドローム評価システムによれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、メタボリック・シンドローム評価システムによれば、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
なお、上記した各多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開WO2004/052191号パンフレットに記載の方法や、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(後述する多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をメタボリック・シンドロームの状態の評価に好適に用いることができる。
また、本発明にかかるメタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体は、上述した第2実施形態以外にも、特許請求の範囲の書類に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。例えば、上述した第2実施形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種の登録データおよび検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、メタボリック・シンドローム評価装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。また、メタボリック・シンドローム評価装置100の各部または各装置が備える処理機能(特に制御部102にて行なわれる各処理機能)については、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて、その全部または任意の一部を実現することができ、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することもできる。
ここで、「プログラム」とは任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は、必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものを含む。なお、プログラムは、記録媒体に記録されており、必要に応じてメタボリック・シンドローム評価装置100に機械的に読み取られる。記録媒体に記録されたプログラムを各装置で読み取るための具体的な構成や読み取り手順や読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
また、「記録媒体」とは任意の「可搬用の物理媒体」や任意の「固定用の物理媒体」や「通信媒体」を含むものとする。なお、「可搬用の物理媒体」とはフレキシブルディスクや光磁気ディスクやROMやEPROMやEEPROMやCD−ROMやMOやDVD等である。「固定用の物理媒体」とは各種コンピュータシステムに内蔵されるROMやRAMやHD等である。「通信媒体」とは、LANやWANやインターネット等のネットワークを介してプログラムを送信する場合における通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持するものである。
最後に、メタボリック・シンドローム評価装置100で行う多変量判別式作成処理の一例について図22を参照して詳細に説明する。図22は多変量判別式作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、当該多変量判別式作成処理は、メタボリック・シンドローム状態情報を管理するデータベース装置400で行ってもよい。
なお、本説明では、メタボリック・シンドローム評価装置100は、データベース装置400から事前に取得したメタボリック・シンドローム状態情報を、メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106cの所定の記憶領域に格納しているものとする。また、メタボリック・シンドローム評価装置100は、メタボリック・シンドローム状態情報指定部102gで事前に指定したメタボリック・シンドローム状態指標データおよびアミノ酸濃度データを含むメタボリック・シンドローム状態情報を、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納しているものとする。
まず、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているメタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて候補多変量判別式を作成し、作成した候補多変量判別式を候補多変量判別式ファイル106e1の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−21)。具体的には、まず、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、複数の異なる式作成手法(主成分分析や判別分析、サポートベクターマシン、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、k−means法、クラスター解析、決定木などの多変量解析に関するものを含む。)の中から所望のものを1つ選択し、選択した式作成手法に基づいて、作成する候補多変量判別式の形(式の形)を決定する。つぎに、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、メタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、選択した式選択手法に対応する種々(例えば平均や分散など)の計算を実行する。つぎに、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、計算結果および決定した候補多変量判別式のパラメータを決定する。これにより、選択した式作成手法に基づいて候補多変量判別式が作成される。なお、複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を同時並行(並列)的に作成する場合は、選択した式作成手法ごとに上記の処理を並行して実行すればよい。また、複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を直列的に作成する場合は、例えば、主成分分析を行って作成した候補多変量判別式を利用してメタボリック・シンドローム状態情報を変換し、変換したメタボリック・シンドローム状態情報に対して判別分析を行うことで候補多変量判別式を作成してもよい。
つぎに、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式検証部102h2で、ステップSB−21で作成した候補多変量判別式を所定の検証手法に基づいて検証(相互検証)し、検証結果を検証結果ファイル106e2の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−22)。具体的には、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式検証部102h2で、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて候補多変量判別式を検証する際に用いる検証用データを作成し、作成した検証用データに基づいて候補多変量判別式を検証する。なお、ステップSB−21で複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を複数作成した場合には、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式検証部102h2で、各式作成手法に対応する候補多変量判別式ごとに所定の検証手法に基づいて検証する。ここで、ステップSB−22において、ブートストラップ法やホールドアウト法、リーブワンアウト法などのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の判別率や感度、特異性、情報量基準などのうち少なくとも1つに関して検証してもよい。これにより、メタボリック・シンドローム状態情報や診断条件を考慮した予測性または堅牢性の高い候補指標式を選択することができる。
つぎに、多変量判別式作成部102hは、変数選択部102h3で、ステップSB−22での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて、候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるメタボリック・シンドローム状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択し、選択したアミノ酸濃度データの組み合わせを含むメタボリック・シンドローム状態情報を選択メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106e3の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−23)。なお、ステップSB−21で複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を複数作成し、ステップSB−22で各式作成手法に対応する候補多変量判別式ごとに所定の検証手法に基づいて検証した場合には、ステップSB−23において、多変量判別式作成部102hは、変数選択部102h3で、ステップSB−22での検証結果に対応する候補多変量判別式ごとに所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択する。ここで、ステップSB−23において、検証結果からステップワイズ法、ベストパス法、近傍探索法、遺伝的アルゴリズムのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の変数を選択してもよい。なお、ベストパス法とは、候補多変量判別式に含まれる変数を1つずつ順次減らしていき、候補多変量判別式が与える評価指標を最適化することで変数を選択する方法である。また、ステップSB−23において、多変量判別式作成部102hは、変数選択部102h3で、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているメタボリック・シンドローム状態情報に基づいてアミノ酸濃度データの組み合わせを選択してもよい。
つぎに、多変量判別式作成部102hは、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているメタボリック・シンドローム状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの全ての組み合わせが終了したか否かを判定し、判定結果が「終了」であった場合(ステップSB−24:Yes)には次のステップ(ステップSB−25)へ進み、判定結果が「終了」でなかった場合(ステップSB−24:No)にはステップSB−21へ戻る。なお、多変量判別式作成部102hは、予め設定した回数が終了したか否かを判定し、判定結果が「終了」であった場合には(ステップSB−24:Yes)次のステップ(ステップSB−25)へ進み、判定結果が「終了」でなかった場合(ステップSB−24:No)にはステップSB−21へ戻ってもよい。また、多変量判別式作成部102hは、ステップSB−23で選択したアミノ酸濃度データの組み合わせが、指定メタボリック・シンドローム状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているメタボリック・シンドローム状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせまたは前回のステップSB−23で選択したアミノ酸濃度データの組み合わせと同じであるか否かを判定し、判定結果が「同じ」であった場合(ステップSB−24:Yes)には次のステップ(ステップSB−25)へ進み、判定結果が「同じ」でなかった場合(ステップSB−24:No)にはステップSB−21へ戻ってもよい。また、多変量判別式作成部102hは、検証結果が具体的には各候補多変量判別式に関する評価値である場合には、当該評価値と各式作成手法に対応する所定の閾値との比較結果に基づいて、ステップSB−25へ進むかステップSB−21へ戻るかを判定してもよい。
ついで、多変量判別式作成部102hは、検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで多変量判別式を決定し、決定した多変量判別式(選出した候補多変量判別式)を多変量判別式ファイル106e4の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−25)。ここで、ステップSB−25において、例えば、同じ式作成手法で作成した候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合と、すべての候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合とがある。
これにて、多変量判別式作成処理の説明を終了する。
[第3実施形態]
[3−1.本発明の概要]
ここでは、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法の概要について図23を参照して説明する。図23は本発明の基本原理を示す原理構成図である。
まず、1つまたは複数の物質から成る所望の物質群を、評価対象(例えば動物やヒトなどの個体)に投与する(ステップS−31)。例えば、ヒトに投与可能な既存の薬物・アミノ酸・食品・サプリメントを適宜組み合わせたもの(例えば、メタボリック・シンドロームの諸症状の改善に効果があること知られている薬物・サプリメント・抗肥満薬などを適宜組み合わせたもの)を、所定の期間(例えば1日から12ヶ月の範囲)にわたり、所定量ずつ所定の頻度・タイミング(例えば1日3回・食後)で、所定の投与方法(例えば経口投与)により投与してもよい。ここで、投与方法や用量、剤形は、病状に応じて適宜組み合わせてもよい。なお、剤形は、公知の技術に基づいて決めてもよい。また、用量は、特に定めは無いが、例えば有効成分として1ugから100gを含有した形態で与えてもよい。
つぎに、ステップS−31で物質群が投与された評価対象から血液を採取する(ステップS−32)。
つぎに、ステップS−32で採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する(ステップS−33)。ここで、血液中のアミノ酸の濃度値の測定は次のように行ってもよい。まず、採取した血液サンプルを、ヘパリン処理したチューブに入れる。つぎに、血液サンプルが入れられたチューブを遠心分離機にかけることで、血漿を分離する。つぎに、分離した血漿サンプルを、アミノ酸濃度の測定時まで、−70℃で凍結保存する。つぎに、凍結保存した血漿サンプルを解凍し、解凍した血漿サンプルにスルホサリチル酸を添加して3%濃度に調整することで、除蛋白処理を行った。つぎに、除蛋白処理が行われた血漿サンプルを、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機にかけることで、各種アミノ酸の濃度値を測定する。
つぎに、ステップS−33で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価する(ステップS−34)。
つぎに、ステップS−34での評価結果に基づいて、ステップS−31で投与した物質群が、メタボリック・シンドロームを予防させるまたはメタボリック・シンドロームの状態を改善させるものであるか否かを判定する(ステップS−35)。
そして、ステップS−35での判定結果が「予防させるまたは改善させる」というものであった場合、ステップS−31で投与した物質群が、メタボリック・シンドロームを予防させるまたはメタボリック・シンドロームの状態を改善させるものとして探索される。
以上、本発明によれば、所望の物質群を評価対象に投与し、当該物質群が投与された評価対象から血液を採取し、採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定し、測定したアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価し、その評価結果に基づいて、所望の物質群が、メタボリック・シンドロームを予防させる又はメタボリック・シンドロームの状態を改善させるものであるか否かを判定する。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してメタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができるメタボリック・シンドロームの評価方法を用いて、メタボリック・シンドロームを予防させる又はメタボリック・シンドロームの状態を改善させる物質を精度よく探索することができる。
ここで、ステップS−34を実行する前に、アミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームの状態をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップS−34では、ステップS−33で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームの状態と関連するアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
また、ステップS−34では、ステップS−33で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。具体的には、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−34では、ステップS−33で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。具体的には、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−34では、ステップS−33で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて、評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価してもよい。これにより、アミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
また、ステップS−34では、ステップS−33で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値、およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームの状態と有意な相関がある多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームの状態を精度よく評価することができる。
また、ステップS−34では、算出した判別値に基づいて、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−34では、ステップS−33で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値に基づいて、評価対象につきメタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
なお、上記した各多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開WO2004/052191号パンフレットに記載の方法や、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(上述した第2実施形態に記載の多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をメタボリック・シンドロームの状態の評価に好適に用いることができる。
また、分数式とは、当該分数式の分子がアミノ酸A,B,C,・・・の和で表わされ及び/又は当該分数式の分母がアミノ酸a,b,c,・・・の和で表わされるものである。また、分数式には、このような構成の分数式α,β,γ,・・・の和(例えばα+βのようなもの)も含まれる。また、分数式には、分割された分数式も含まれる。なお、分子や分母に用いられるアミノ酸にはそれぞれ適当な係数がついてもかまわない。また、分子や分母に用いられるアミノ酸は重複してもかまわない。また、各分数式に適当な係数がついてもかまわない。また、各変数の係数の値や定数項の値は、実数であればかまわない。
具体的には、分数式は、下記のA群〜D群のアミノ酸濃度の組み合わせで、望ましくは「分数式において、分子が(A群、B群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)、分母が(C群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)を持ち、計2〜8個のアミノ酸濃度の変数を含む単一の分数式もしくは複数の分数式で示されるもの」であり、より望ましくは「分数式において、分子が(B群から1個以上の変数+A群から0〜1個の変数+D群から0〜2個の変数)、分母が(C群から1個以上の変数+D群から0〜2個の変数)を持ち、計4〜8個のアミノ酸濃度を含む複数の分数式で示されるもの」である。ここで、分数式で、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせは、目的変数との相関の正負の符号は概して逆転するが、それらの相関性は保たれるので、判別性では同等と見なせるので、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせも、包含するものである。
A群:Leu,Ile,Val
B群:Ala,Glu,Asp,Tyr,Trp,Thr
C群:Gly,Ser
D群:A群,B群,C群に含まれないアミノ酸またはアミノ酸代謝物
また、多変量判別式とは、一般に多変量解析で用いられる式の形式を意味し、例えば重回帰式、多重ロジスティック回帰式、線形判別関数、マハラノビス距離、正準判別関数、サポートベクターマシン、決定木などを包含する。また、異なる形式の多変量判別式の和で示されるような式も含まれる。また、重回帰式、多重ロジスティック回帰式、正準判別関数においては各変数に係数および定数項が付加されるが、この場合の係数および定数項は、好ましくは実数であること、より好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の99%信頼区間の範囲に属する値、さらに好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の95%信頼区間の範囲に属する値であればかまわない。また、各係数の値、及びその信頼区間は、それを実数倍したものでもよく、定数項の値、及びその信頼区間は、それに任意の実定数を加減乗除したものでもよい。
そして、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。また、本発明は、メタボリック・シンドロームの状態を評価する際(具体的には、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する際)、多変量判別式における変数として、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物(生体代謝物)の濃度や、タンパク質の発現量、被験者の年齢・性別、生体指標などをさらに用いてもかまわない。
[3−2.第3実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法の一例]
ここでは、第3実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法の一例について図24を参照して説明する。図24は第3実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法の一例を示すフローチャートである。
まず、1つまたは複数の物質から成る所望の物質群を、例えばメタボリック・シンドロームの動物やヒトなどの個体に投与する(ステップSA−31)。
つぎに、ステップS−31で物質群が投与された個体から血液を採取する(ステップSA−32)。
つぎに、ステップS−32で採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する(ステップSA−33)。なお、アミノ酸の濃度値の測定は、上述した方法で行う。
つぎに、ステップS−33で測定した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去する(ステップSA−34)。
つぎに、ステップS−34で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する(ステップSA−35)。
つぎに、ステップSA−35での判別結果に基づいて、ステップSA−31で投与した物質群が、メタボリック・シンドロームを予防させるまたはメタボリック・シンドロームの状態を改善させるものであるか否かを判定する(ステップSA−36)。
そして、ステップSA−36での判定結果が「予防させるまたは改善させる」であった場合、ステップSA−31で投与した物質群が、メタボリック・シンドロームを予防させるまたはメタボリック・シンドロームの状態を改善させるものとして探索される。なお、本探索方法によって探索された物質として、例えばVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのアミノ酸群が挙げられる。
[3−3.第3実施形態のまとめ、およびその他の実施形態]
以上、詳細に説明したように、第3実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法によれば、(1)所望の物質群を個体に投与し、(2)(1)で物質群が投与された個体から血液を採取し、(3)(2)で採取した血液からアミノ酸濃度データを測定し、(4)測定した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去し、(5)欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別し、(6)(5)での判別結果に基づいて、(1)で投与した物質群が、メタボリック・シンドロームを予防させるまたはメタボリック・シンドロームの状態を改善させるものであるか否かを判別する。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができるメタボリック・シンドロームの評価方法を用いて、メタボリック・シンドロームを予防させる又はメタボリック・シンドロームの状態を改善させる物質を精度よく探索することができる。
ここで、ステップSA−35において、ステップSA−34で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値に基づいて、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちメタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップSA−35において、ステップSA−34で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップSA−35において、ステップSA−34で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの濃度値およびVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを変数として含む多変量判別式に基づいて、判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき、メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別してもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップSA−35において、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含むもの、またはそれを構成する分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。具体的には、多変量判別式は数式1でもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
また、ステップSA−35において、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つでもよい。具体的には、多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを変数とするものでもよい。これにより、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、メタボリック・シンドロームと非メタボリック・シンドロームとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
なお、上記した各多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開WO2004/052191号パンフレットに記載の方法や、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(後述する第2実施形態に記載の多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をメタボリック・シンドロームの状態の評価に好適に用いることができる。
また、第3実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを含むアミノ酸群の濃度値や上記した各多変量判別式の判別値を正常化させる物質を、上述した第1実施形態のメタボリック・シンドロームの評価方法や第2実施形態のメタボリック・シンドローム評価装置を用いて選択するができる。
また、第3実施形態にかかるメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法において、「予防・改善物質を探索する」とは、メタボリック・シンドロームの予防・改善に有効な新規物質を見出すことのみならず、公知物質のメタボリック・シンドロームの予防・改善用途を新規に見出すことや、メタボリック・シンドロームの予防・改善に有効性を期待できる既存の薬剤・サプリメント等を組み合わせた新規組成物を見出すことや、上記した適切な用法・用量・組み合わせを見出し、それをキットとすることや、食事・運動等も含めた予防・治療メニューを提示することや、当該予防・治療メニューの効果をモニタリングし、必要に応じて個人ごとにメニューの変更を提示すること等が含まれる。
人間ドック受診者205例を前述の日本内科学会関連8学会合同診断基準に基づき非メタボリック・シンドローム群(173例)とメタボリック・シンドローム群(32例)に分け、それぞれの血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。尚、205例には高血圧、糖尿病などの疾患について治療中の者は含まれない。図25に、非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群間のアミノ酸変数の分布を箱ひげ図(横軸は、非メタボリック・シンドローム群:1、メタボリック・シンドローム群:2、図中のABAはα−ABAを、またCysはCystineを表す)を示す。また、2群間の判別を目的に2群間のt検定を実施した。
非メタボリック・シンドローム群に比べてメタボリック・シンドローム群では、Val,Tyr,Trp,Glu,Ala,Aspが有意に増加し(有意差確率P<0.05)、またGly,Serが有意に減少し、アミノ酸変数Val,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Serが2群間の判別能を持つことが判明した。また、分岐鎖アミノ酸であるValは、Leu,Ileと各々Pearson相関係数r=0.867,0.797を持ち、またLeuとIleの間にもPearson相関係数r=0.869を持ち、3変数Val,Leu,Ileは同等の2群間の判別能を持つことが判明した。またThrは、下記の実施例4,5に示すように判別能に優れた表記の多変量判別式において、頻度高く出現し(実施例4では、100/100回、また実施例5では95/100回出現する)多変量判別式中で貢献度の高い変数であることが判明した。
実施例1で用いたサンプルデータを用いた。本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号パンフレットに記載の方法を用いて、非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群間の判別性能を最大化する多変量判別式を鋭意探索し、同等の性能を持つ指標式1で記載される複数の多変量判別式(具体的には、指標式1は、単一又は複数の分数式の和からなる多変量判別式であって、その分数式の分子にはVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrから少なくとも1個のアミノ酸変数を含み且つその分数式の分母にはGly,Serから少なくとも1個のアミノ酸変数を含むもの)の中の1例として、指標式2(Thr)/(Ser) + (Glu+Ala)/(Gly)が得られた。
指標式2による2群間の診断性能を2群判別に関して、ROC曲線(図26参照)のAUCによる評価を行い、0.824±0.0.038(95%信頼区間は0.751〜0.898)が得られた。
実施例1で用いたサンプルデータを用いた。非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群判別性能を最大化する指標を、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(多変量判別式の探索方法)を用いて鋭意探索した。多変量判別式の探索方法としては、ロジスティック回帰、線形判別、サポートベクターマシン、マハラノビス距離法などによる多変量判別式を用いることが出来る。
多変量判別式を鋭意探索し、ほぼ同等の判別能を持つ指標式3で記載される複数の多変量判別式(具体的には、指標式3は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrから少なくとも1個のアミノ酸変数を含むもの(例えばロジスティック回帰、線形判別、サポートベクターマシン、マハラノビス距離法などの少なくとも1つ))の中の1例として、Glu,Gly,Ala,Thr,Serから構成される指標式4(例えばロジスティック回帰、線形判別、サポートベクターマシン、マハラノビス距離法などの少なくとも1つ)を得た。1例としてロジスティック解析による場合、指標式4としてGlu,Gly,Ala,Thr,Serから構成されるロジスティック回帰式(アミノ酸変数Glu,Gly,Ala,Thr,Serの数係数と定数項は順に、0.020±0.013,−0.028±0.009,0.011±0.004,0.023±0.012,−0.029±0.017,−1.043±2.283)が得られた。
指標式4による2群の診断性能を2群判別に関して、ROC曲線(図27参照)のAUCによる評価を行い、0.823±0.036(95%信頼区間は0.753〜0.893)が得られ診断性能が高く有用な指標であることが判明した。また指標式4による2群判別のカットオフ値(ロジスティック解析から得られる確率をロジット変換した変数についてカットオフ値を求めた)について、有症率を0.5とした場合、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が−1.507となり、感度81%、特異度75%、陽性適中率76%、陰性適中率80%、効率78%が得られ(図28参照)、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。
また上記と同じデータを用い、Glu,Gly,Ala,Thr,Serから構成される指標式4の他の例として、線形判別、サポートベクターマシン法、マハラノビス距離法による多変量判別式を評価したところ順に、線形判別ではROC曲線のAUC=0.819±0.035(95%信頼区間は0.750〜0.889)、サポートベクターマシン法ではエラー率=15.6%、マハラノビス距離法ではエラー率=24.4%、が得られ同様に診断性能が高く有用な指標であることが判明した。
実施例1で用いたサンプルデータを用いた。本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号パンフレットに記載の方法を用いて、非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群間の判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標式が得られた。指標式による2群間の診断性能を2群判別に関して、ROC曲線のAUCの一覧を図29および図30に示す。
実施例1で用いたサンプルデータを用いた。非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群判別性能を最大化する指標を、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(多変量判別式の探索方法)を用いて、ロジスティック解析により探索し、同等の性能を持つ複数の指標式が得られた。指標式による2群間の診断性能を2群判別に関して、ROC曲線のAUCの一覧を図31および図32に示す。また、図31および図32における各ランクの指標式について、その具体例を図33および図34に示す。
実施例1で用いたサンプルデータを用いた。非メタボリック・シンドロームとメタボリック・シンドロームの2群判別性能を最大化する指標を、本出願人による国際出願である国際出願番号PCT/JP2006/304398に記載の方法(多変量判別式の探索方法)を用いて、線形判別により探索し、同等の性能を持つ複数の指標式が得られた。指標式による2群間の診断性能を2群判別に関して、エラー率(%)の一覧を図35および図36に示す。また、図35および図36における各ランクの指標式について、その具体例を図37および図38に示す。
以上のように、本発明にかかるメタボリック・シンドロームの評価方法、メタボリック・シンドローム評価装置、メタボリック・シンドローム評価方法、メタボリック・シンドローム評価システム、メタボリック・シンドローム評価プログラムおよび記録媒体、ならびにメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法は、産業上の多くの分野、特に医薬品や食品、医療などの分野で広く実施することができ、特に、病態予測や疾病リスク予測やプロテオームやメタボローム解析などを行うバイオインフォマティクス分野において極めて有用である。

Claims (34)

  1. 評価対象から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につき、メタボリック・シンドロームの状態を評価する濃度値基準評価ステップと
    を実行することを特徴とするメタボリック・シンドロームの評価方法。
  2. 前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価すること
    を特徴とする請求項1に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  3. 前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する濃度値基準判別ステップをさらに含むこと
    を特徴とする請求項2に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  4. 前記濃度値基準判別ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは前記非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別すること
    を特徴とする請求項3に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  5. 前記濃度値基準評価ステップは、
    前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、
    前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価ステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  6. 前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、
    前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出すること
    を特徴とする請求項5に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  7. 前記判別値基準評価ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別ステップをさらに含むこと
    を特徴とする請求項6に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  8. 前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、
    前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出すること
    を特徴とする請求項7に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  9. 前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと
    を特徴とする請求項8に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  10. 前記多変量判別式は数式1であること
    Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
    を特徴とする請求項9に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  11. 前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであること
    を特徴とする請求項8に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  12. 前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすること
    を特徴とする請求項11に記載のメタボリック・シンドロームの評価方法。
  13. 制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価装置であって、
    前記制御手段は、
    アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、
    前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価手段と
    を備えたこと
    を特徴とするメタボリック・シンドローム評価装置。
  14. 前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、
    前記判別値算出手段は、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出すること
    を特徴とする請求項13に記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  15. 前記判別値基準評価手段は、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別手段をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項14に記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  16. 前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、
    前記判別値算出手段は、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出すること
    を特徴とする請求項15に記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  17. 前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと
    を特徴とする請求項16に記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  18. 前記多変量判別式は数式1であること
    Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
    を特徴とする請求項17に記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  19. 前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであること
    を特徴とする請求項16に記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  20. 前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすること
    を特徴とする請求項19に記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  21. 前記制御手段は、
    前記アミノ酸濃度データと前記メタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む前記記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、前記記憶手段で記憶する前記多変量判別式を作成する多変量判別式作成手段
    をさらに備え、
    前記多変量判別式作成手段は、
    前記メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、前記多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する候補多変量判別式作成手段と、
    前記候補多変量判別式作成手段で作成した前記候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証する候補多変量判別式検証手段と、
    前記候補多変量判別式検証手段での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて前記候補多変量判別式の変数を選択することで、前記候補多変量判別式を作成する際に用いる前記メタボリック・シンドローム状態情報に含まれる前記アミノ酸濃度データの組み合わせを選択する変数選択手段と、
    をさらに備え、前記候補多変量判別式作成手段、前記候補多変量判別式検証手段および前記変数選択手段を繰り返し実行して蓄積した前記検証結果に基づいて、複数の前記候補多変量判別式の中から前記多変量判別式として採用する前記候補多変量判別式を選出することで、前記多変量判別式を作成すること
    を特徴とする請求項13から20のいずれか1つに記載のメタボリック・シンドローム評価装置。
  22. 制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置で実行する、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価方法であって、
    前記制御手段で、
    アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、
    前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価ステップと
    を実行すること
    を特徴とするメタボリック・シンドローム評価方法。
  23. 前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むものであり、
    前記判別値算出ステップは、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出すること
    を特徴とする請求項22に記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  24. 前記判別値基準評価ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームまたは非メタボリック・シンドロームであるか否かを判別する判別値基準判別ステップをさらに含むこと
    を特徴とする請求項23に記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  25. 前記多変量判別式は、Val,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つを前記変数として含むものであり、
    前記判別値算出ステップは、予め取得した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Gly,Ser,Thrのうち少なくとも2つの前記濃度値および前記多変量判別式に基づいて、前記判別値を算出すること
    を特徴とする請求項24に記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  26. 前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にGly,Serのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にVal,Leu,Ile,Tyr,Trp,Glu,Ala,Asp,Thrのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと
    を特徴とする請求項25に記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  27. 前記多変量判別式は数式1であること
    Thr/Ser + (Glu+Ala)/Gly ・・・(数式1)
    を特徴とする請求項26に記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  28. 前記多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであること
    を特徴とする請求項25に記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  29. 前記多変量判別式は、Glu,Gly,Ala,Thr,Serを前記変数とすること
    を特徴とする請求項28に記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  30. 前記制御手段で、
    前記アミノ酸濃度データと前記メタボリック・シンドロームの状態を表す指標に関するメタボリック・シンドローム状態指標データとを含む前記記憶手段で記憶したメタボリック・シンドローム状態情報に基づいて、前記記憶手段で記憶する前記多変量判別式を作成する多変量判別式作成ステップ
    をさらに実行し、
    前記多変量判別式作成ステップは、
    前記メタボリック・シンドローム状態情報から所定の式作成手法に基づいて、前記多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する候補多変量判別式作成ステップと、
    前記候補多変量判別式作成ステップで作成した前記候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証する候補多変量判別式検証ステップと、
    前記候補多変量判別式検証ステップでの検証結果から所定の変数選択手法に基づいて前記候補多変量判別式の変数を選択することで、前記候補多変量判別式を作成する際に用いる前記メタボリック・シンドローム状態情報に含まれる前記アミノ酸濃度データの組み合わせを選択する変数選択ステップと、
    をさらに含み、前記候補多変量判別式作成ステップ、前記候補多変量判別式検証ステップおよび前記変数選択ステップを繰り返し実行して蓄積した前記検証結果に基づいて、複数の前記候補多変量判別式の中から前記多変量判別式として採用する前記候補多変量判別式を選出することで、前記多変量判別式を作成すること
    を特徴とする請求項22から29のいずれか1つに記載のメタボリック・シンドローム評価方法。
  31. 制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたメタボリック・シンドローム評価システムであって、
    前記情報通信端末装置は、
    前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記メタボリック・シンドローム評価装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、
    前記メタボリック・シンドローム評価装置から送信された前記メタボリック・シンドロームの状態に関する前記評価対象の評価結果を受信する評価結果受信手段と
    を備え、
    前記メタボリック・シンドローム評価装置の前記制御手段は、
    前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、
    前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、
    前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価手段と、
    前記判別値基準評価手段での前記評価対象の前記評価結果を前記情報通信端末装置へ送信する評価結果送信手段と、
    を備えたこと
    を特徴とするメタボリック・シンドローム評価システム。
  32. 制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置に実行させる、評価対象につきメタボリック・シンドロームの状態を評価するメタボリック・シンドローム評価プログラムであって、
    前記制御手段に、
    アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、
    前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する判別値基準評価ステップと
    を実行させること
    を特徴とするメタボリック・シンドローム評価プログラム。
  33. 請求項32に記載のメタボリック・シンドローム評価プログラムを記録したこと
    を特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  34. メタボリック・シンドロームを予防させる又は前記メタボリック・シンドロームの状態を改善させる1つ又は複数の物質から成る物質群を探索するメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法であって、
    所望の前記物質群が投与された評価対象から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定した前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につき、前記メタボリック・シンドロームの状態を評価する濃度値基準評価ステップと、
    前記濃度値基準評価ステップでの評価結果に基づいて、前記所望の前記物質群が、前記メタボリック・シンドロームを予防させる又は前記メタボリック・シンドロームの状態を改善させるものであるか否かを判定する判定ステップと、
    を実行することを特徴とするメタボリック・シンドロームの予防・改善物質の探索方法。
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