しかしながら、現在の炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との鑑別診断及びクローン病と潰瘍性大腸炎との鑑別診断のいずれも、高度な医学的知識が必要とされ、専門医の判断が必要になり、確定診断に至るまでには現状では時間がかかる、という問題点がある。また、クローン病のCDAIや潰瘍性大腸炎のCAIは、病勢診断指標として用いられているが、主観的な項目を含んだ情報を基に算出した指標であり、1週間の健康状態を毎日記録しなければならないといったように利便性が悪い、という問題点があった。また、現在提案されている診断マーカーは、病勢を定量的に評価することができないという問題点がある。なお、特許文献1から4で公開されているマーカーでは、そもそも病勢診断が出来ない。さらに、これまで、アミノ酸の濃度に着目してIBD発症の有無を診断する技術の開発は、行われておらず実用化されていないという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、血液中のアミノ酸の濃度を利用して炎症性腸疾患の状態を精度よく評価することができるIBDの評価方法、ならびにアミノ酸情報処理装置、アミノ酸情報処理方法、アミノ酸情報処理システム、アミノ酸情報処理プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討した結果、炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別、クローン病と非クローン病との2群判別、クローン病の活動期と緩解期との2群判別、潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別、潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別、クローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別、活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別のそれぞれについて有用なアミノ酸(具体的には、炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸、クローン病と非クローン病との2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸、クローン病の活動期と緩解期との2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸、潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸、潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸、クローン病と潰瘍性大腸炎との2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸、活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群間で統計的有意差をもって変動するアミノ酸)を同定すると共に、さらに同定したアミノ酸の濃度を変数として含む多変量判別式(指標式、相関式)が炎症性腸疾患の状態(具体的には、病勢、炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別、クローン病と非クローン病との2群判別、クローン病の活動期と緩解期との2群判別、潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別、潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別、クローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別、活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別)に有意な相関があることを見出し、本発明を完成するに至った。
換言すると、本発明者らは、臨床ニーズを考慮した診断目標として、健康人群と炎症性腸疾患群(クローン病・潰瘍性大腸炎)の2群判別、クローン病と潰瘍性大腸炎の2群判別、活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎の2群判別、クローン病の活動期とクローン病の緩解期の2群判別、潰瘍性大腸炎の活動期と潰瘍性大腸炎の緩解期の2群判別、を対象に指標を算出した。また、健康人の血漿中アミノ酸濃度と炎症性腸疾患患者の血漿中アミノ酸濃度の差異に注目し、血漿アミノ酸濃度測定によって炎症性腸疾患患者を簡便且つ高精度で評価する指標を開発した。また、炎症性腸疾患の活動期の血漿中アミノ酸濃度と炎症性腸疾患の緩解期の血漿中アミノ酸濃度の差異に注目し、血漿アミノ酸濃度測定によって炎症性腸疾患患者の病勢を客観的且つ高精度で評価する指標を開発した。血漿中アミノ酸であれば、安価・高速・簡便に測定することができ、指標として普及する可能性が高く、炎症性腸疾患を客観的に評価することができる。
すなわち、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるIBDの評価方法は、評価対象から採取した血液からアミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につき炎症性腸疾患の状態を評価する濃度値基準評価ステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき前記炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別する濃度値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の前記状態を評価することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき前記クローン病または非クローン病であるか否かを判別する、または前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき前記潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する濃度値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別する濃度値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準判別ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき前記クローン病の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する、または前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるUrea,Gln,Thr,Asn,Pro,Ala,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記アミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する、または前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値および前記アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または非クローン病であるか否かを判別する、または前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記多変量判別式は、前記判別値基準判別ステップで前記クローン病または前記非クローン病であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを前記変数とすること、前記判別値基準判別ステップで前記潰瘍性大腸炎または前記非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記測定ステップは、前記評価対象から採取した複数の前記血液から、前記アミノ酸濃度データを当該血液ごとに測定し、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の複数の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した複数の前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の病勢を評価する判別値基準病勢評価ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記判別値算出ステップは、前記判別値基準判別ステップで前記クローン病の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価ステップで前記クローン病の前記病勢を評価する場合には、前記測定ステップで測定した前記評価対象の1つ又は複数の前記アミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの前記濃度値およびGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記多変量判別式に基づいて1つ又は複数の前記判別値を算出すること、前記判別値基準判別ステップで前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価ステップで前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する場合には、前記測定ステップで測定した前記評価対象の1つ又は複数の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの前記濃度値およびTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記多変量判別式に基づいて1つ又は複数の前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記多変量判別式は、前記判別値基準判別ステップで前記クローン病の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価ステップで前記クローン病の前記病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを前記変数とすること、前記判別値基準判別ステップで前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価ステップで前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する濃度値基準判別ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準判別ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準判別ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、前記評価対象につき活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準判別ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、前記評価対象につき前記活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記濃度値基準評価ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データおよび前記アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの前記濃度値およびCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを前記変数として含む予め設定した前記多変量判別式に基づいて前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記判別値基準判別ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記判別値算出ステップは、前記測定ステップで測定した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの前記濃度値およびTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記多変量判別式に基づいて前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるIBDの評価方法は、前記のIBDの評価方法において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明はアミノ酸情報処理装置に関するものであり、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につき炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置であって、前記制御手段は、アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記炎症性腸疾患または前記非炎症性腸疾患であるか否かを判別する判別値基準判別手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または非クローン病であるか否か、または潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置であって、前記制御手段は、アミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する、またはアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記非クローン病であるか否かを判別する、または前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記潰瘍性大腸炎または前記非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記多変量判別式は、前記判別値基準判別手段で前記クローン病または前記非クローン病であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを前記変数とすること、前記判別値基準判別手段で前記潰瘍性大腸炎または前記非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置であって、前記制御手段は、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する判別値基準判別手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を評価するアミノ酸情報処理装置であって、前記制御手段は、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象の複数のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した複数の前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する判別値基準病勢評価手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記判別値算出手段は、前記判別値基準判別手段で前記クローン病の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価手段で前記クローン病の前記病勢を評価する場合には、Gln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記多変量判別式および1つ又は複数の前記アミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて1つ又は複数の前記判別値を算出すること、前記判別値基準判別手段で前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価手段で前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する場合には、Tau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記多変量判別式および1つ又は複数の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて1つ又は複数の前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記多変量判別式は、前記判別値基準判別手段で前記クローン病の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価手段で前記クローン病の前記病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを前記変数とすること、前記判別値基準判別手段で前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する場合または前記判別値基準病勢評価手段で前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置であって、前記制御手段は、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記判別値算出手段は、Cys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記多変量判別式および前記アミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの前記濃度値およびに基づいて、当該多変量判別式の値である前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを前記変数として含む、またはそれを構成する前記分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを前記変数として含み且つそれを構成する前記分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記判別値基準判別手段は、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記判別値算出手段は、Tau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記多変量判別式および前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて前記判別値を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置は、前記のアミノ酸情報処理装置において、前記多変量判別式は、1つの分数式または複数の前記分数式の和で表され、それを構成する前記分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを前記変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを前記変数とすることを特徴とする。
また、本発明はアミノ酸情報処理方法に関するものであり、本発明にかかるアミノ酸情報処理方法は、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置で実行する、評価対象につき炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別するアミノ酸情報処理方法であって、前記制御手段で、アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記炎症性腸疾患または前記非炎症性腸疾患であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理方法は、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置で実行する、評価対象につきクローン病または非クローン病であるか否か、または潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理方法であって、前記制御手段で、アミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する、またはアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記非クローン病であるか否かを判別する、または前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記潰瘍性大腸炎または前記非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理方法は、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置で実行する、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別するアミノ酸情報処理方法であって、前記制御手段で、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理方法は、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置で実行する、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を評価するアミノ酸情報処理方法であって、前記制御手段で、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象の複数のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した複数の前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する判別値基準病勢評価ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理方法は、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置で実行する、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理方法であって、前記制御手段で、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理方法は、前記のアミノ酸情報処理方法において、前記判別値基準判別ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明はアミノ酸情報処理システムに関するものであり、本発明にかかるアミノ酸情報処理システムは、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につき炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたアミノ酸情報処理システムであって、前記情報通信端末装置は、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記アミノ酸情報処理装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、前記アミノ酸情報処理装置から送信された前記炎症性腸疾患または前記非炎症性腸疾患であるか否かに関する前記評価対象の判別結果を受信する判別結果受信手段とを備え、前記アミノ酸情報処理装置の前記制御手段は、前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、前記アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記炎症性腸疾患または前記非炎症性腸疾患であるか否かを判別する判別値基準判別手段と、前記判別値基準判別手段での前記評価対象の前記判別結果を前記情報通信端末装置へ送信する判別結果送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理システムは、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または非クローン病であるか否か、または潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたアミノ酸情報処理システムであって、前記情報通信端末装置は、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記アミノ酸情報処理装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、前記アミノ酸情報処理装置から送信された前記クローン病または前記非クローン病であるか否か、または前記潰瘍性大腸炎または前記非潰瘍性大腸炎であるか否かに関する前記評価対象の判別結果を受信する判別結果受信手段とを備え、前記アミノ酸情報処理装置の前記制御手段は、前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、前記アミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する、または前記アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記非クローン病であるか否かを判別する、または前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記潰瘍性大腸炎または前記非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別手段と、前記判別値基準判別手段での前記評価対象の前記判別結果を前記情報通信端末装置へ送信する判別結果送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理システムは、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたアミノ酸情報処理システムであって、前記情報通信端末装置は、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記アミノ酸情報処理装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、前記アミノ酸情報処理装置から送信された前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かに関する前記評価対象の判別結果を受信する判別結果受信手段とを備え、前記アミノ酸情報処理装置の前記制御手段は、前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する判別値基準判別手段と、前記判別値基準判別手段での前記評価対象の前記判別結果を前記情報通信端末装置へ送信する判別結果送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理システムは、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を評価するアミノ酸情報処理装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象の複数のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたアミノ酸情報処理システムであって、前記情報通信端末装置は、前記評価対象の複数の前記アミノ酸濃度データを前記アミノ酸情報処理装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、前記アミノ酸情報処理装置から送信された前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記病勢に関する前記評価対象の評価結果を受信する評価結果受信手段とを備え、前記アミノ酸情報処理装置の前記制御手段は、前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の複数の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の複数の前記アミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した複数の前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する判別値基準病勢評価手段と、前記判別値基準病勢評価手段での前記評価対象の前記評価結果を前記情報通信端末装置へ送信する評価結果送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理システムは、制御手段と記憶手段とを備え評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理装置と、アミノ酸の濃度値に関する前記評価対象のアミノ酸濃度データを提供する情報通信端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたアミノ酸情報処理システムであって、前記情報通信端末装置は、前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを前記アミノ酸情報処理装置へ送信するアミノ酸濃度データ送信手段と、前記アミノ酸情報処理装置から送信された前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎であるか否かに関する前記評価対象の判別結果を受信する判別結果受信手段とを備え、前記アミノ酸情報処理装置の前記制御手段は、前記情報通信端末装置から送信された前記評価対象の前記アミノ酸濃度データを受信するアミノ酸濃度データ受信手段と、前記アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸濃度データ受信手段で受信した前記評価対象の前記アミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出手段と、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別手段と、前記判別値基準判別手段での前記評価対象の前記判別結果を前記情報通信端末装置へ送信する判別結果送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理システムは、前記のアミノ酸情報処理システムにおいて、前記判別結果は、活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かに関するものであり、前記判別値基準判別手段は、前記判別値算出手段で算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明はアミノ酸情報処理プログラムに関するものであり、本発明にかかるアミノ酸情報処理プログラムは、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置に実行させる、評価対象につき炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別するアミノ酸情報処理プログラムであって、前記制御手段に、アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記炎症性腸疾患または前記非炎症性腸疾患であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理プログラムは、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置に実行させる、評価対象につきクローン病または非クローン病であるか否か、または潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理プログラムであって、前記制御手段に、アミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する、またはアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを前記変数として含む前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの前記濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記非クローン病であるか否かを判別する、または前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記潰瘍性大腸炎または前記非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理プログラムは、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置に実行させる、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別するアミノ酸情報処理プログラムであって、前記制御手段に、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記活動期または前記緩解期であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理プログラムは、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置に実行させる、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を評価するアミノ酸情報処理プログラムであって、前記制御手段に、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象の複数のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した複数の前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎の前記病勢を評価する判別値基準病勢評価ステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理プログラムは、制御手段と記憶手段とを備えた情報処理装置に実行させる、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するアミノ酸情報処理プログラムであって、前記制御手段に、アミノ酸の濃度を変数とする前記記憶手段で記憶した多変量判別式および前記アミノ酸の濃度値に関する予め取得した前記評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する判別値算出ステップと、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき前記クローン病または前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する判別値基準判別ステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ酸情報処理プログラムは、前記のアミノ酸情報処理プログラムにおいて、前記判別値基準判別ステップは、前記判別値算出ステップで算出した前記判別値に基づいて前記評価対象につき活動期の前記クローン病または前記活動期の前記潰瘍性大腸炎であるか否かを判別することを特徴とする。
また、本発明は記録媒体に関するものであり、本発明にかかるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記のいずれか1つのアミノ酸情報処理プログラムを記録したことを特徴とする。
本発明によれば、評価対象から採取した血液からアミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定し、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき炎症性腸疾患の状態を評価するので、血液中のアミノ酸の濃度を利用して炎症性腸疾患の状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうち炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につき炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別するので、炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを変数とするので、炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の状態を評価するので、血液中のアミノ酸の濃度を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の状態を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきクローン病または非クローン病であるか否かを判別する、または測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちクローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してクローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきクローン病の活動期または緩解期であるか否かを判別する、または測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるUrea,Gln,Thr,Asn,Pro,Ala,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出、または測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきクローン病または非クローン病であるか否かを判別、または算出した判別値に基づいて評価対象につき潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、クローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、多変量判別式は、クローン病または非クローン病であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを変数とする、潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むこと、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを変数とするので、クローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別するので、多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を評価するので、多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、クローン病の活動期または緩解期であるか否かを判別する場合またはクローン病の病勢を評価する場合には、測定した評価対象の1つ又は複数のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて1つ又は複数の判別値を算出、潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別する場合または潰瘍性大腸炎の病勢を評価する場合には、測定した評価対象の1つ又は複数のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて1つ又は複数の判別値を算出するので、クローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。また、クローン病または潰瘍性大腸炎の病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、多変量判別式は、クローン病の活動期または緩解期であるか否かを判別する場合またはクローン病の病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とする、潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別する場合または潰瘍性大腸炎の病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするので、クローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。また、クローン病または潰瘍性大腸炎の病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢をさらに精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度を利用してクローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうちクローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してクローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度を利用して活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、血液中のアミノ酸の濃度のうち活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、クローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含む、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを変数とするので、クローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につき活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につき活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含む、またはロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを変数とするので、活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別をさらに精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、まず、情報通信端末装置は、評価対象のアミノ酸濃度データをアミノ酸情報処理装置へ送信する。そして、アミノ酸情報処理装置は、情報通信端末装置から送信された評価対象のアミノ酸濃度データを受信し、アミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む記憶手段で記憶した多変量判別式および受信した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につき炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別し、その評価対象の判別結果を情報通信端末装置へ送信する。そして、情報通信端末装置は、アミノ酸情報処理装置から送信された炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かに関する評価対象の判別結果を受信する。これにより、炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して炎症性腸疾患と非炎症性腸疾患との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、まず、情報通信端末装置は、評価対象のアミノ酸濃度データをアミノ酸情報処理装置へ送信する。そして、アミノ酸情報処理装置は、情報通信端末装置から送信された評価対象のアミノ酸濃度データを受信し、アミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む記憶手段で記憶した多変量判別式および受信した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出、または測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきクローン病または非クローン病であるか否かを判別、または算出した判別値に基づいて評価対象につき潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別し、その評価対象の判別結果を情報通信端末装置へ送信する。そして、情報通信端末装置は、アミノ酸情報処理装置から送信されたクローン病または非クローン病であるか否かまたは潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かに関する評価対象の判別結果を受信する。これにより、クローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病と非クローン病との2群判別または潰瘍性大腸炎と非潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、まず、情報通信端末装置は、評価対象のアミノ酸濃度データをアミノ酸情報処理装置へ送信する。そして、アミノ酸情報処理装置は、情報通信端末装置から送信された評価対象のアミノ酸濃度データを受信し、アミノ酸の濃度を変数とする記憶手段で記憶した多変量判別式および受信した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別し、その評価対象の判別結果を情報通信端末装置へ送信する。そして、情報通信端末装置は、アミノ酸情報処理装置から送信されたクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かに関する評価対象の判別結果を受信する。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、まず、情報通信端末装置は、評価対象の複数のアミノ酸濃度データをアミノ酸情報処理装置へ送信する。そして、アミノ酸情報処理装置は、情報通信端末装置から送信された評価対象の複数のアミノ酸濃度データを受信し、アミノ酸の濃度を変数とする記憶手段で記憶した多変量判別式および受信した評価対象の複数のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を評価し、その評価対象の評価結果を情報通信端末装置へ送信する。そして、情報通信端末装置は、アミノ酸情報処理装置から送信されたクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢に関する評価対象の評価結果を受信する。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病または潰瘍性大腸炎の病勢を精度よく評価することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、まず、情報通信端末装置は、評価対象のアミノ酸濃度データをアミノ酸情報処理装置へ送信する。そして、アミノ酸情報処理装置は、情報通信端末装置から送信された評価対象のアミノ酸濃度データを受信し、アミノ酸の濃度を変数とする記憶手段で記憶した多変量判別式および受信した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別し、その評価対象の判別結果を情報通信端末装置へ送信する。そして、情報通信端末装置は、アミノ酸情報処理装置から送信されたクローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かに関する評価対象の判別結果を受信する。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してクローン病と潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、判別結果は、活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かに関するものであり、算出した判別値に基づいて評価対象につき活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かを判別するので、多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎との2群判別を精度よく行うことができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、当該記録媒体に記録されたアミノ酸情報処理プログラムをコンピュータに読み取らせて実行することで、コンピュータにアミノ酸情報処理プログラムを実行させるので、アミノ酸情報処理プログラムと同様の効果を得ることができるという効果を奏する。
なお、本発明は、炎症性腸疾患の状態を評価する際(具体的には、炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別する際、クローン病の状態を評価する際(クローン病または非クローン病であるか否かを判別する際、クローン病の活動期または緩解期であるか否かを判別する際、クローン病の病勢を評価する際)、潰瘍性大腸炎の状態を評価する際(潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する際、潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別する際、潰瘍性大腸炎の病勢を評価する際)、クローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する際(活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する際))、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物の濃度やタンパク質の発現量、被験者の年齢・性別などをさらに用いてもかまわない。また、本発明は、炎症性腸疾患の状態を評価する際(具体的には、炎症性腸疾患または非炎症性腸疾患であるか否かを判別する際、クローン病の状態を評価する際(クローン病または非クローン病であるか否かを判別する際、クローン病の活動期または緩解期であるか否かを判別する際、クローン病の病勢を評価する際)、潰瘍性大腸炎の状態を評価する際(潰瘍性大腸炎または非潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する際、潰瘍性大腸炎の活動期または緩解期であるか否かを判別する際、潰瘍性大腸炎の病勢を評価する際)、クローン病または潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する際(活動期のクローン病または活動期の潰瘍性大腸炎であるか否かを判別する際))、多変量判別式における変数として、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物の濃度やタンパク質の発現量、被験者の年齢・性別などをさらに用いてもかまわない。
以下に、本発明のIBDの評価方法の実施の形態(第1実施形態)、ならびにアミノ酸情報処理装置、アミノ酸情報処理方法、アミノ酸情報処理システム、アミノ酸情報処理プログラムおよび記録媒体の実施の形態(第2実施形態)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[第1実施形態]
[1−1.本発明の概要]
ここでは、本発明にかかるIBDの評価方法の概要について図1を参照して説明する。図1は本発明の基本原理を示す原理構成図である。
まず、本発明では、評価対象(例えば動物やヒトなど個体)から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する(ステップS−11)。ここで、血中アミノ酸濃度の分析は次のように行った。採血した血液サンプルを、ヘパリン処理したチューブに採取し、採取した血液サンプルを遠心することにより血液から血漿を分離した。全ての血漿サンプルは、アミノ酸濃度の測定時まで−70℃で凍結保存した。アミノ酸濃度測定時には、スルホサリチル酸を添加し3%濃度調整により除蛋白処理を行い、測定には、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機を使用した。なお、アミノ酸濃度の単位は、例えばモル濃度や重量濃度、これらの濃度に任意の定数を加減乗除することで得られるものでもよい。
つぎに、本発明では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきIBDの状態を評価する(ステップS−12)。
以上、本発明によれば、評価対象から採取した血液からアミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定し、測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきIBDの状態を評価する。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してIBDの状態を精度よく評価することができる。
なお、ステップS−12を実行する前に、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去してもよい。これにより、IBDの状態をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してIBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。具体的には、Tau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちIBDと非IBDとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してIBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDの状態を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDの状態を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。これにより、IBDと非IBDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを変数とするものでもよい。これにより、IBDと非IBDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきCDの状態を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してCDの状態を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してCDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。具体的には、Tau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDと非CDとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してCDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。具体的には、Gln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDの活動期と緩解期との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−11で、評価対象から採取した複数の血液からアミノ酸濃度データを当該血液ごとに測定した場合、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データに基づいて評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してCDの病勢を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。具体的には、Gln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDの病勢の評価に有用なアミノ酸の濃度を利用してCDの病勢を精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきCDの状態を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの状態を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。これにより、CDと非CDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDと非CDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、CDの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−11で、評価対象から採取した複数の血液からアミノ酸濃度データを当該血液ごとに測定した場合、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値に基づいて、評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。これにより、CDの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢を精度よく評価することができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきUCの状態を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してUCの状態を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してUCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。具体的には、Tau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちUCと非UCとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してUCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるUrea,Gln,Thr,Asn,Pro,Ala,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。具体的には、Urea,Gln,Thr,Asn,Pro,Ala,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちUCの活動期と緩解期との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−11で、評価対象から採取した複数の血液からアミノ酸濃度データを当該血液ごとに測定した場合、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データに基づいて評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してUCの病勢を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。具体的には、Tau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちUCの病勢の評価に有用なアミノ酸の濃度を利用してUCの病勢を精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきUCの状態を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの状態を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。これにより、UCと非UCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを変数とするものでもよい。これにより、UCと非UCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、UCの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。これにより、UCの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−11で、評価対象から採取した複数の血液からアミノ酸濃度データを当該血液ごとに測定した場合、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢を精度よく評価することができる。また、ステップS−11で測定した評価対象の複数のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。これにより、UCの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢を精度よく評価することができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。これにより、UCの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用してCDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。具体的には、Cys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDとUCとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用してCDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値に基づいて、評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。具体的には、Tau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうち活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。これにより、CDとUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを変数とするものでもよい。これにより、CDとUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−12では、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−11で測定した評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。これにより、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを変数とするものでもよい。これにより、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
ここで、上述した多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号に記載の方法や、本出願人による国際出願である国際公開第2006/098192号に記載の方法(後述する第2実施形態に記載の多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をIBDの状態の評価に好適に用いることができる。
また、分数式とは、当該分数式の分子がアミノ酸A,B,C,・・・の和で表わされ、且つ当該分数式の分母がアミノ酸a,b,c,・・・の和で表わされるものである。また、分数式には、このような構成の分数式α,β,γ,・・・の和(例えばα+βのようなもの)も含まれる。また、分数式には、分割された分数式も含まれる。なお、分子や分母に用いられるアミノ酸にはそれぞれ適当な係数がついてもかまわない。また、分子や分母に用いられるアミノ酸は重複してもかまわない。また、各分数式に適当な係数がついてもかまわない。また、各変数の係数の値や定数項の値は、実数であればかまわない。分数式で、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせは、目的変数との相関の正負の符号は概して逆転するが、それらの相関性は保たれるので、判別性では同等と見なせるので、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせも、包含するものである。
また、多変量判別式とは、一般に多変量解析で用いられる式の形式を意味し、例えば重回帰式、多重ロジスティック回帰式、線形判別関数、マハラノビス距離、正準判別関数、サポートベクターマシン、決定木、ニューラルネットなどを包含する。また、異なる形式の多変量判別式の和で示されるような式も含まれる。また、重回帰式、多重ロジスティック回帰式、正準判別関数においては各変数に係数および定数項が付加されるが、この場合の係数および定数項は、好ましくは実数であること、より好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の99%信頼区間の範囲に属する値、さらに好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の95%信頼区間の範囲に属する値であればかまわない。また、各係数の値、及びその信頼区間は、それを実数倍したものでもよく、定数項の値、及びその信頼区間は、それに任意の実定数を加減乗除したものでもよい。
また、本発明は、IBDの状態を評価する際、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物の濃度やタンパク質の発現量、被験者の年齢・性別などをさらに用いてもかまわない。また、本発明は、IBDの状態を評価する際、多変量判別式における変数として、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物の濃度やタンパク質の発現量、被験者の年齢・性別などをさらに用いてもかまわない。
[1−2.第1実施形態にかかるIBDの評価方法]
ここでは、第1実施形態にかかるIBDの評価方法について図2を参照して説明する。図2は、第1実施形態にかかるIBDの評価方法の一例を示すフローチャートである。
まず、動物やヒトなどの個体から採取した血液から、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを測定する(ステップSA−11)。なお、アミノ酸の濃度値の測定は、上述した方法で行う。
つぎに、ステップSA−11で測定した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去する(ステップSA−12)。
つぎに、ステップSA−12で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データや、アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、個体につき、下記11.〜19.に示す2群判別や病勢評価のいずれか1つを行う(ステップSA−13)。
11.IBDまたは非IBDであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別する。
12.CDまたは非CDであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDまたは非CDであるか否かを判別する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDまたは非CDであるか否かを判別する。
13.CDの活動期または緩解期であるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別する。
14.CDの病勢の評価
ステップSA−11で同一個体から例えば異なる日に採取した複数の血液からアミノ酸濃度データを当該血液ごとに測定した場合、欠損値や外れ値などのデータが除去された個体の複数のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを当該アミノ段濃度データごとに比較することで個体につきCDの病勢を評価する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体の複数のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを当該判別値ごとに比較することで個体につきCDの病勢を評価する。
15.UCまたは非UCであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきUCまたは非UCであるか否かを判別する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきUCまたは非UCであるか否かを判別する。
16.UCの活動期または緩解期であるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるUrea,Gln,Thr,Asn,Pro,Ala,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別する。
17.UCの病勢の評価
ステップSA−11で同一個体から例えば異なる時に採取した複数の血液からアミノ酸濃度データを当該血液ごとに測定した場合、欠損値や外れ値などのデータが除去された個体の複数のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを当該アミノ段濃度データごとに比較することで個体につきUCの病勢を評価する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体の複数のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを当該判別値ごとに比較することで個体につきUCの病勢を評価する。
18.CDまたはUCであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDまたはUCであるか否かを判別する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDまたはUCであるか否かを判別する。
19.活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別する、もしくは欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別する。
[1−3.第1実施形態のまとめ、およびその他の実施形態]
以上、詳細に説明したように、第1実施形態にかかるIBDの評価方法によれば、(1)個体から採取した血液からアミノ酸濃度データを測定し、(2)測定した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去し、(3)欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データや、アミノ酸の濃度を変数とする予め設定した多変量判別式に基づいて、個体につき、上記11.〜19.に示す2群判別や病勢評価のいずれか1つを行う。これにより、血液中のアミノ酸の濃度のうちIBDと非IBDとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用又はIBDと非IBDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、IBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDと非CDとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用又はCDと非CDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、CDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDの活動期と緩解期との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用又はCDの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、CDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDの病勢の評価に有用なアミノ酸の濃度を利用又はCDの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、CDの病勢を精度よく評価することができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうちUCと非UCとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用又はUCと非UCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、UCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうちUCの活動期と緩解期との2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用又はUCの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、UCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうちUCの病勢の評価に有用なアミノ酸の濃度を利用又はUCの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、UCの病勢を精度よく評価することができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうちCDとUCとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用又はCDとUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、CDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、血液中のアミノ酸の濃度のうち活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に有用なアミノ酸の濃度を利用又は活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。
なお、ステップSA−13において上記11.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを変数とするものでもよい。これにより、IBDと非IBDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップSA−13において上記12.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDと非CDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップSA−13において上記13.に示す2群判別または上記14.に示す病勢評価を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。また、CDの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップSA−13において上記15.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを変数とするものでもよい。これにより、UCと非UCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップSA−13において上記16.に示す2群判別または上記17.に示す病勢評価を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。これにより、UCの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。また、UCの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップSA−13において上記18.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを変数とするものでもよい。これにより、CDとUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップSA−13において上記19.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを変数とするものでもよい。これにより、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
ここで、上述した多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号に記載の方法や、本出願人による国際出願である国際公開第2006/098192号に記載の方法(後述する第2実施形態に記載の多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をIBDの状態の評価に好適に用いることができる。
[第2実施形態]
[2−1.本発明の概要]
ここでは、本発明にかかるアミノ酸情報処理装置を包含するIBD評価装置、本発明にかかるアミノ酸情報処理方法を包含するIBD評価方法、本発明にかかるアミノ酸情報処理システムを包含するIBD評価システム、本発明にかかるアミノ酸情報処理プログラムを包含するIBD評価プログラム、および本発明にかかる記録媒体を包含する記録媒体の概要について、図3を参照して説明する。図3は本発明の基本原理を示す原理構成図である。
まず、本発明は、制御部で、アミノ酸の濃度を変数とする記憶部で記憶した多変量判別式およびアミノ酸の濃度値に関する予め取得した評価対象(例えば動物やヒトなど個体)のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する(ステップS−21)。
つぎに、本発明は、制御部で、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDの状態を評価する(ステップS−22)。
以上、本発明によれば、アミノ酸の濃度を変数とする記憶部で記憶した多変量判別式およびアミノ酸の濃度値に関する予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDの状態を評価する。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDの状態を精度よく評価することができる。
なお、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−21では、評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別してもよい。これにより、IBDと非IBDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを変数とするものでもよい。これにより、IBDと非IBDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきCDの状態を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの状態を精度よく評価することができる。また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−21では、評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDまたは非CDであるか否かを判別してもよい。これにより、CDと非CDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDと非CDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−21では、評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、CDの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、評価対象のアミノ酸濃度データを予め複数取得した場合、ステップS−21では、評価対象の複数のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢を精度よく評価することができる。また、ステップS−21では、評価対象の複数のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDの病勢を評価してもよい。これにより、CDの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢を精度よく評価することができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきUCの状態を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの状態を精度よく評価することができる。また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−21では、評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきUCまたは非UCであるか否かを判別してもよい。これにより、UCと非UCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを変数とするものでもよい。これにより、UCと非UCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−21では、評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別してもよい。これにより、UCの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。これにより、UCの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、評価対象のアミノ酸濃度データを予め複数取得した場合、ステップS−21では、評価対象の複数のアミノ酸濃度データおよびアミノ酸の濃度を変数とする多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢を精度よく評価することができる。また、ステップS−21では、評価対象の複数のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した複数の判別値に基づいて評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきUCの病勢を評価してもよい。これにより、UCの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢を精度よく評価することができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Arg,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。これにより、UCの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−21では、評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につきCDまたはUCであるか否かを判別してもよい。これにより、CDとUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを変数とするものでもよい。これにより、CDとUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。これにより、多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、ステップS−21では、評価対象のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値およびアミノ酸の濃度を変数としTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、ステップS−22では、ステップS−21で算出した判別値に基づいて評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。具体的には、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別してもよい。これにより、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。なお、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを変数とするものでもよい。これにより、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
ここで、上述した多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号に記載の方法や、本出願人による国際出願である国際公開第2006/098192号に記載の方法(後述する多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をIBDの状態の評価に好適に用いることができる。
また、分数式とは、当該分数式の分子がアミノ酸A,B,C,・・・の和で表わされ、且つ当該分数式の分母がアミノ酸a,b,c,・・・の和で表わされるものである。また、分数式には、このような構成の分数式α,β,γ,・・・の和(例えばα+βのようなもの)も含まれる。また、分数式には、分割された分数式も含まれる。なお、分子や分母に用いられるアミノ酸にはそれぞれ適当な係数がついてもかまわない。また、分子や分母に用いられるアミノ酸は重複してもかまわない。また、各分数式に適当な係数がついてもかまわない。また、各変数の係数の値や定数項の値は、実数であればかまわない。分数式で、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせは、目的変数との相関の正負の符号は概して逆転するが、それらの相関性は保たれるので、判別性では同等と見なせるので、分子の変数と分母の変数を入れ替えた組み合わせも、包含するものである。
また、多変量判別式とは、一般に多変量解析で用いられる式の形式を意味し、例えば重回帰式、多重ロジスティック回帰式、線形判別関数、マハラノビス距離、正準判別関数、サポートベクターマシン、決定木、ニューラルネットなどを包含する。また、異なる形式の多変量判別式の和で示されるような式も含まれる。また、重回帰式、多重ロジスティック回帰式、正準判別関数においては各変数に係数および定数項が付加されるが、この場合の係数および定数項は、好ましくは実数であること、より好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の99%信頼区間の範囲に属する値、さらに好ましくはデータから判別を行うために得られた係数および定数項の95%信頼区間の範囲に属する値であればかまわない。また、各係数の値、及びその信頼区間は、それを実数倍したものでもよく、定数項の値、及びその信頼区間は、それに任意の実定数を加減乗除したものでもよい。
また、本発明は、IBDの状態を評価する際、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物の濃度やタンパク質の発現量、被験者の年齢・性別などをさらに用いてもかまわない。また、本発明は、IBDの状態を評価する際、多変量判別式における変数として、アミノ酸の濃度以外に、その他の代謝物の濃度やタンパク質の発現量、被験者の年齢・性別などをさらに用いてもかまわない。
ここで、多変量判別式作成処理(工程1〜工程4)の概要について詳細に説明する。
まず、本発明は、制御部で、アミノ酸濃度データとIBDの状態を表す指標に関するIBD状態指標データとを含む記憶部で記憶したIBD状態情報から所定の式作成手法に基づいて、多変量判別式の候補である候補多変量判別式(例えば、y=a1x1+a2x2+・・・+anxn、y:IBD状態指標データ、xi:アミノ酸濃度データ、ai:定数、i=1,2,・・・,n)を作成する(工程1)。なお、事前に、IBD状態情報から欠損値や外れ値などを持つデータを除去してもよい。
なお、工程1において、IBD状態情報から、複数の異なる式作成手法(主成分分析や判別分析、サポートベクターマシン、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、k−means法、クラスター解析、決定木などの多変量解析に関するものを含む。)を併用して複数の候補多変量判別式を作成してもよい。具体的には、多数の健康者およびIBD患者から得た血液を分析して得たアミノ酸濃度データおよびIBD状態指標データから構成される多変量データであるIBD状態情報に対して、複数の異なるアルゴリズムを利用して複数群の候補多変量判別式を同時並行的に作成してもよい。例えば、異なるアルゴリズムを利用して判別分析およびロジスティック回帰分析を同時に行い、2つの異なる候補多変量判別式を作成してもよい。また、主成分分析を行って作成した候補多変量判別式を利用してIBD状態情報を変換し、変換したIBD状態情報に対して判別分析を行うことで候補多変量判別式を作成してもよい。これにより、最終的に、診断条件に合った適切な多変量判別式を作成することができる。
ここで、主成分分析を用いて作成した候補多変量判別式は、全てのアミノ酸濃度データの分散を最大にするような各アミノ酸変数からなる一次式である。また、判別分析を用いて作成した候補多変量判別式は、各群内の分散の和の全てのアミノ酸濃度データの分散に対する比を最小にするような各アミノ酸変数からなる高次式(指数や対数を含む)である。また、サポートベクターマシンを用いて作成した候補多変量判別式は、群間の境界を最大にするような各アミノ酸変数からなる高次式(カーネル関数を含む)である。また、重回帰分析を用いて作成した候補多変量判別式は、全てのアミノ酸濃度データからの距離の和を最小にするような各アミノ酸変数からなる高次式である。ロジスティック回帰分析を用いて作成した候補多変量判別式は、尤度を最大にするような各アミノ酸変数からなる一次式を指数とする自然対数を項に持つ分数式である。また、k−means法とは、各アミノ酸濃度データのk個近傍を探索し、近傍点の属する群の中で一番多いものをそのデータの所属群と定義し、入力されたアミノ酸濃度データの属する群と定義された群とが最も合致するようなアミノ酸変数を選択する手法である。また、クラスター解析とは、全てのアミノ酸濃度データの中で最も近い距離にある点同士をクラスタリング(群化)する手法である。また、決定木とは、アミノ酸変数に序列をつけて、序列が上位であるアミノ酸変数の取りうるパターンからアミノ酸濃度データの群を予測する手法である。
多変量判別式作成処理の説明に戻り、本発明は、制御部で、工程1で作成した候補多変量判別式を、所定の検証手法に基づいて検証(相互検証)する(工程2)。候補多変量判別式の検証は、工程1で作成した各候補多変量判別式に対して行う。
なお、工程2において、ブートストラップ法やホールドアウト法、リープワンアウト法などのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の判別率や感度、特異性、情報量基準などのうち少なくとも1つに関して検証してもよい。これにより、IBD状態情報や診断条件を考慮した予測性または堅牢性の高い候補多変量判別式を作成することができる。
ここで、判別率とは、全入力データの中で、本発明で評価したIBDの状態が正しい割合である。また、感度とは、入力データに記載されたIBDの状態が罹病になっているものの中で、本発明で評価したIBDの状態が正しい割合である。また、特異性とは、入力データに記載されたIBDの状態が健康になっているものの中で、本発明で評価したIBDの状態が正しい割合である。また、情報量基準とは、工程1で作成した候補多変量判別式のアミノ酸変数の数と、本発明で評価したIBDの状態および入力データに記載されたIBDの状態の差異と、を足し合わせたものである。また、予測性とは、候補多変量判別式の検証を繰り返すことで得られた判別率や感度、特異性を平均したものである。また、堅牢性とは、候補多変量判別式の検証を繰り返すことで得られた判別率や感度、特異性の分散である。
多変量判別式作成処理の説明に戻り、本発明は、制御部で、工程2での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるIBD状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択する(工程3)。アミノ酸変数の選択は、工程1で作成した各候補多変量判別式に対して行う。これにより、候補多変量判別式のアミノ酸変数を適切に選択することができる。そして、工程3で選択したアミノ酸濃度データを含むIBD状態情報を用いて再び工程1を実行する。
なお、工程3において、工程2での検証結果からステップワイズ法、ベストパス法、近傍探索法、遺伝的アルゴリズムのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式のアミノ酸変数を選択してもよい。
ここで、ベストパス法とは、候補多変量判別式に含まれるアミノ酸変数を1つずつ順次減らしていき、候補多変量判別式が与える評価指標を最適化することでアミノ酸変数を選択する方法である。
多変量判別式作成処理の説明に戻り、本発明は、制御部で、上述した工程1、工程2および工程3を繰り返し実行し、これにより蓄積した検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで、多変量判別式を作成する(工程4)。なお、候補多変量判別式の選出には、例えば、同じ式作成手法で作成した候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合と、すべての候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合とがある。
以上、説明したように、多変量判別式作成処理では、IBD状態情報に基づいて、候補多変量判別式の作成、候補多変量判別式の検証および候補多変量判別式の変数の選択に関する処理を一連の流れで体系化(システム化)して実行することにより、IBDの状態の評価に最適な多変量判別式を作成することができる。
[2−2.システム構成]
ここでは、第2実施形態にかかるIBD評価システム(以下では本システムと記す場合がある。)の構成について、図4から図20を参照して説明する。なお、本システムはあくまでも一例であり、本発明はこれに限定されない。
まず、本システムの全体構成について図4および図5を参照して説明する。図4は本システムの全体構成の一例を示す図である。また、図5は本システムの全体構成の他の一例を示す図である。本システムは、図4に示すように、評価対象につきIBDの状態を評価するIBD評価装置100と、アミノ酸の濃度値に関する評価対象のアミノ酸濃度データを提供するクライアント装置200(本発明の情報通信端末装置に相当)とを、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されている。
なお、本システムは、図5に示すように、IBD評価装置100やクライアント装置200の他に、IBD評価装置100で多変量判別式を作成する際に用いるIBD状態情報やIBDの状態を評価するために用いる多変量判別式などを格納したデータベース装置400を、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されてもよい。これにより、ネットワーク300を介して、IBD評価装置100からクライアント装置200やデータベース装置400へ、あるいはクライアント装置200やデータベース装置400からIBD評価装置100へ、IBDの状態に関する情報などが提供される。ここで、IBDの状態に関する情報とは、ヒトを含む生物のIBDの状態に関する特定の項目について測定した値に関する情報である。また、IBDの状態に関する情報は、IBD評価装置100やクライアント装置200や他の装置(例えば各種の計測装置等)で生成され、主にデータベース装置400に蓄積される。
つぎに、本システムのIBD評価装置100の構成について図6から図18を参照して説明する。図6は、本システムのIBD評価装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
IBD評価装置100は、当該IBD評価装置を統括的に制御するCPU等の制御部102と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して当該IBD評価装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部104と、各種のデータベースやテーブルやファイルなどを格納する記憶部106と、入力装置112や出力装置114に接続する入出力インターフェース部108と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。ここで、IBD評価装置100は、各種の分析装置(例えばアミノ酸アナライザー等)と同一筐体で構成されてもよい。また、IBD評価装置100の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。例えば、処理の一部をCGI(Common Gateway Interface)を用いて実現してもよい。
記憶部106は、ストレージ手段であり、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。記憶部106は、図示の如く、利用者情報ファイル106aと、アミノ酸濃度データファイル106bと、IBD状態情報ファイル106cと、指定IBD状態情報ファイル106dと、多変量判別式関連情報データベース106eと、判別値ファイル106fと、評価結果ファイル106gと、を格納する。
利用者情報ファイル106aは、利用者に関する利用者情報を格納する。図7は、利用者情報ファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。利用者情報ファイル106aに格納される情報は、図7に示すように、利用者を一意に識別するための利用者IDと、利用者が正当な者であるか否かの認証を行うための利用者パスワードと、利用者の氏名と、利用者の所属する所属先を一意に識別するための所属先IDと、利用者の所属する所属先の部門を一意に識別するための部門IDと、部門名と、利用者の電子メールアドレスと、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、アミノ酸濃度データファイル106bは、アミノ酸の濃度値に関するアミノ酸濃度データを格納する。図8は、アミノ酸濃度データファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。アミノ酸濃度データファイル106bに格納される情報は、図8に示すように、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、アミノ酸濃度データとを相互に関連付けて構成されている。ここで、図8では、アミノ酸濃度データを数値、すなわち連続尺度として扱っているが、アミノ酸濃度データは名義尺度や順序尺度でもよい。なお、名義尺度や順序尺度の場合は、それぞれの状態に対して任意の数値を与えることで解析してもよい。また、アミノ酸濃度データに、他の生体情報(性差、年齢、喫煙の有無、心電図の波形を数値化したもの、酵素濃度、遺伝子発現量、アミノ酸以外の代謝物の濃度など)を組み合わせてもよい。
図6に戻り、IBD状態情報ファイル106cは、多変量判別式を作成する際に用いるIBD状態情報を格納する。図9は、IBD状態情報ファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。IBD状態情報ファイル106cに格納される情報は、図9に示すように、個体番号と、IBDの状態を表す指標(指標T1、指標T2、指標T3・・・)に関するIBD状態指標データ(T)と、アミノ酸濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。ここで、図9では、IBD状態指標データおよびアミノ酸濃度データを数値(すなわち連続尺度)として扱っているが、IBD状態指標データおよびアミノ酸濃度データは名義尺度や順序尺度でもよい。なお、名義尺度や順序尺度の場合は、それぞれの状態に対して任意の数値を与えることで解析してもよい。また、IBD状態指標データは、IBDの状態のマーカーとなる既知の単一の状態指標であり、数値データを用いてもよい。
図6に戻り、指定IBD状態情報ファイル106dは、後述するIBD状態情報指定部102gで指定したIBD状態情報を格納する。図10は、指定IBD状態情報ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。指定IBD状態情報ファイル106dに格納される情報は、図10に示すように、個体番号と、指定したIBD状態指標データと、指定したアミノ酸濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、多変量判別式関連情報データベース106eは、後述する候補多変量判別式作成部102h1で作成した候補多変量判別式を格納する候補多変量判別式ファイル106e1と、後述する候補多変量判別式検証部102h2での検証結果を格納する検証結果ファイル106e2と、後述する変数選択部102h3で選択したアミノ酸濃度データの組み合わせを含むIBD状態情報を格納する選択IBD状態情報ファイル106e3と、後述する多変量判別式作成部102hで作成した多変量判別式を格納する多変量判別式ファイル106e4と、で構成される。
候補多変量判別式ファイル106e1は、後述する候補多変量判別式作成部102h1で作成した候補多変量判別式を格納する。図11は、候補多変量判別式ファイル106e1に格納される情報の一例を示す図である。候補多変量判別式ファイル106e1に格納される情報は、図11に示すように、ランクと、候補多変量判別式(図11では、F1(Gly,Leu,Phe,・・・)やF2(Gly,Leu,Phe,・・・)、F3(Gly,Leu,Phe,・・・)など)とを相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、検証結果ファイル106e2は、後述する候補多変量判別式検証部102h2での検証結果を格納する。図12は、検証結果ファイル106e2に格納される情報の一例を示す図である。検証結果ファイル106e2に格納される情報は、図12に示すように、ランクと、候補多変量判別式(図12では、Fk(Gly,Leu,Phe,・・・)やFm(Gly,Leu,Phe,・・・)、Fl(Gly,Leu,Phe,・・・)など)と、各候補多変量判別式の検証結果(例えば各候補多変量判別式の評価値)と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、選択IBD状態情報ファイル106e3は、後述する変数選択部102h3で選択した変数に対応するアミノ酸濃度データの組み合わせを含むIBD状態情報を格納する。図13は、選択IBD状態情報ファイル106e3に格納される情報の一例を示す図である。選択IBD状態情報ファイル106e3に格納される情報は、図13に示すように、個体番号と、後述するIBD状態情報指定部102gで指定したIBD状態指標データと、後述する変数選択部102h3で選択したアミノ酸濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、多変量判別式ファイル106e4は、後述する多変量判別式作成部102hで作成した多変量判別式を格納する。図14は、多変量判別式ファイル106e4に格納される情報の一例を示す図である。多変量判別式ファイル106e4に格納される情報は、図14に示すように、ランクと、多変量判別式(図14では、Fp(Phe,・・・)やFp(Gly,Leu,Phe)、Fk(Gly,Leu,Phe,・・・)など)と、各式作成手法に対応する閾値と、各多変量判別式の検証結果(例えば各多変量判別式の評価値)と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、判別値ファイル106fは、後述する判別値算出部102iで算出した判別値を格納する。図15は、判別値ファイル106fに格納される情報の一例を示す図である。判別値ファイル106fに格納される情報は、図15に示すように、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、ランク(多変量判別式を一意に識別するための番号)と、判別値と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、評価結果ファイル106gは、後述する判別値基準評価部102jでの評価結果(具体的には、後述する判別値基準判別部102j1での判別結果や、後述する判別値基準病勢評価部102j2での評価結果)を格納する。図16は、評価結果ファイル106gに格納される情報の一例を示す図である。評価結果ファイル106gに格納される情報は、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、予め取得した評価対象のアミノ酸濃度データと、多変量判別式で算出した判別値と、IBD(CDやUC)の状態に関する評価結果(具体的には、IBDまたは非IBDであるか否かに関する判別結果、CDまたは非CDであるか否かに関する判別結果、CDの活動期または緩解期であるか否かに関する判別結果、CDの病勢に関する評価結果、UCまたは非UCであるか否かに関する判別結果、UCの活動期または緩解期であるか否かに関する判別結果、UCの病勢に関する評価結果、CDまたはUCであるか否かに関する判別結果、活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かに関する判別結果)と、を相互に関連付けて構成されている。
図6に戻り、記憶部106には、上述した情報以外にその他情報として、Webサイトをクライアント装置200に提供するための各種のWebデータや、CGIプログラム等が記録されている。Webデータとしては後述する各種のWebページを表示するためのデータ等があり、これらデータは例えばHTMLやXMLで記述されたテキストファイルとして形成されている。また、Webデータを作成するための部品用のファイルや作業用のファイルやその他一時的なファイル等も記憶部106に記憶される。記憶部106には、必要に応じて、クライアント装置200に送信するための音声をWAVE形式やAIFF形式の如き音声ファイルで格納したり、静止画や動画をJPEG形式やMPEG2形式の如き画像ファイルで格納したりすることができる。
通信インターフェース部104は、IBD評価装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
入出力インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114に接続する。ここで、出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。)。入力装置112には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、図示の如く、大別して、要求解釈部102aと閲覧処理部102bと認証処理部102cと電子メール生成部102dとWebページ生成部102eと受信部102fとIBD状態情報指定部102gと多変量判別式作成部102hと判別値算出部102iと判別値基準評価部102jと結果出力部102kと送信部102mとを備えている。制御部102は、データベース装置400から送信されたIBD状態情報やクライアント装置200から送信されたアミノ酸濃度データに対して、欠損値のあるデータの除去・外れ値の多いデータの除去・欠損値のあるデータの多い変数の除去などのデータ処理も行う。
要求解釈部102aは、クライアント装置200やデータベース装置400からの要求内容を解釈し、その解釈結果に応じて制御部102の各部に処理を受け渡す。閲覧処理部102bは、クライアント装置200からの各種画面の閲覧要求を受けて、これら画面のWebデータの生成や送信を行なう。認証処理部102cは、クライアント装置200やデータベース装置400からの認証要求を受けて、認証判断を行う。電子メール生成部102dは、各種の情報を含んだ電子メールを生成する。Webページ生成部102eは、利用者がクライアント装置200で閲覧するWebページを生成する。
受信部102fは、クライアント装置200やデータベース装置400から送信された情報(具体的には、アミノ酸濃度データやIBD状態情報、多変量判別式など)を、ネットワーク300を介して受信する。IBD状態情報指定部102gは、多変量判別式を作成するにあたり、対象とするIBD状態指標データおよびアミノ酸濃度データを指定する。
多変量判別式作成部102hは、受信部102fで受信したIBD状態情報やIBD状態情報指定部102gで指定したIBD状態情報に基づいて多変量判別式を作成する。具体的には、多変量判別式作成部102hは、IBD状態情報から、候補多変量判別式作成部102h1、候補多変量判別式検証部102h2および変数選択部102h3を繰り返し実行させることにより蓄積された検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで、多変量判別式を作成する。
なお、多変量判別式が予め記憶部106の所定の記憶領域に格納されている場合には、多変量判別式作成部102hは、記憶部106から所望の多変量判別式を選択することで、多変量判別式を作成してもよい。また、多変量判別式作成部102hは、多変量判別式を予め格納した他のコンピュータ装置(例えばデータベース装置400)から所望の多変量判別式を選択しダウンロードすることで、多変量判別式を作成してもよい。
ここで、多変量判別式作成部102hの構成について図17を参照して説明する。図17は、多変量判別式作成部102hの構成を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1と、候補多変量判別式検証部102h2と、変数選択部102h3と、をさらに備えている。候補多変量判別式作成部102h1は、IBD状態情報から所定の式作成手法に基づいて多変量判別式の候補である候補多変量判別式を作成する。なお、候補多変量判別式作成部102h1は、IBD状態情報から、複数の異なる式作成手法を併用して複数の候補多変量判別式を作成してもよい。候補多変量判別式検証部102h2は、候補多変量判別式作成部102h1で作成した候補多変量判別式を所定の検証手法に基づいて検証する。なお、候補多変量判別式検証部102h2は、ブートストラップ法、ホールドアウト法、リープワンアウト法のうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の判別率、感度、特異性、情報量基準のうち少なくとも1つに関して検証してもよい。変数選択部102h3は、候補多変量判別式検証部102h2での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるIBD状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択する。なお、変数選択部102h3は、検証結果からステップワイズ法、ベストパス法、近傍探索法、遺伝的アルゴリズムのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の変数を選択してもよい。
図6に戻り、判別値算出部102iは、多変量判別式作成部102hで作成した多変量判別式および受信部102fで受信した評価対象のアミノ酸濃度データに基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出する。
判別値基準評価部102jは、判別値算出部102iで算出した判別値に基づいて評価対象につきIBDの状態を評価する。判別値基準評価部102jは、判別値基準判別部102j1と判別値基準病勢評価部102j2とをさらに備えている。ここで、判別値基準評価部102jの構成について図18を参照して説明する。図18は、判別値基準評価部102jの構成を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。判別値基準判別部102j1は、判別値に基づいて評価対象につき、例えば、IBDまたは非IBDであるか否か、CDまたは非CDであるか否か、CDの活動期または緩解期であるか否か、UCまたは非UCであるか否か、UCの活動期または緩解期であるか否か、CDまたはUCであるか否か、活動期のCDまたは活動期のUCであるか否か、などを判別する。具体的には、判別値基準判別部102j1は、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、評価対象につき、例えば、IBDまたは非IBDであるか否か、CDまたは非CDであるか否か、CDの活動期または緩解期であるか否か、UCまたは非UCであるか否か、UCの活動期または緩解期であるか否か、CDまたはUCであるか否か、活動期のCDまたは活動期のUCであるか否か、などを判別する。判別値基準病勢評価部102j2は、複数の判別値に基づいて評価対象につき、例えば、CDの病勢、UCの病勢などを評価する。具体的には、判別値基準病勢評価部102j2は、判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを当該判別値ごとに比較することで、評価対象につき、例えば、CDの病勢、UCの病勢などを評価する。
図6に戻り、結果出力部102kは、制御部102の各処理部での処理結果(判別値基準評価部102jでの評価結果(具体的には判別値基準判別部102j1での判別結果や、判別値基準病勢評価部102j2での評価結果)を含む)等を出力装置114に出力する。
送信部102mは、評価対象のアミノ酸濃度データの送信元のクライアント装置200に対して評価結果を送信したり、データベース装置400に対して、IBD評価装置100で作成した多変量判別式や評価結果を送信したりする。
つぎに、本システムのクライアント装置200の構成について図19を参照して説明する。図19は、本システムのクライアント装置200の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
クライアント装置200は、制御部210とROM220とHD230とRAM240と入力装置250と出力装置260と入出力IF270と通信IF280とで構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
制御部210は、Webブラウザ211、電子メーラ212、受信部213、送信部214を備えている。Webブラウザ211は、Webデータを解釈し、解釈したWebデータを後述するモニタ261に表示するブラウズ処理を行う。なお、Webブラウザ211には、ストリーム映像の受信・表示・フィードバック等を行う機能を備えたストリームプレイヤ等の各種のソフトウェアをプラグインしてもよい。電子メーラ212は、所定の通信規約(例えば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やPOP3(Post Office Protocol version 3)等)に従って電子メールの送受信を行う。受信部213は、通信IF280を介して、IBD評価装置100から送信された評価結果などの各種情報を受信する。送信部214は、通信IF280を介して、評価対象のアミノ酸濃度データなどの各種情報をIBD評価装置100へ送信する。
入力装置250はキーボードやマウスやマイク等である。なお、後述するモニタ261もマウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。出力装置260は、通信IF280を介して受信した情報を出力する出力手段であり、モニタ(家庭用テレビを含む)261およびプリンタ262を含む。この他、出力装置260にスピーカ等を設けてもよい。入出力IFは入力装置250や出力装置260に接続する。
通信IF280は、クライアント装置200とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)とを通信可能に接続する。換言すると、クライアント装置200は、モデムやTAやルータなどの通信装置および電話回線を介して、または専用線を介してネットワーク300に接続される。これにより、クライアント装置200は、所定の通信規約に従ってIBD評価装置100にアクセスすることができる。
ここで、プリンタ・モニタ・イメージスキャナ等の周辺装置を必要に応じて接続した情報処理装置(例えば、既知のパーソナルコンピュータ・ワークステーション・家庭用ゲーム装置・インターネットTV・PHS端末・携帯端末・移動体通信端末・PDA等の情報処理端末など)に、Webデータのブラウジング機能や電子メール機能を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより、クライアント装置200を実現してもよい。
また、クライアント装置200の制御部210は、制御部210で行う処理の全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈して実行するプログラムで実現してもよい。ROM220またはHD230には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。当該コンピュータプログラムは、RAM240にロードされることで実行され、CPUと協働して制御部210を構成する。また、当該コンピュータプログラムは、クライアント装置200と任意のネットワークを介して接続されるアプリケーションプログラムサーバに記録されてもよく、クライアント装置200は、必要に応じてその全部または一部をダウンロードしてもよい。また、制御部210で行う処理の全部または任意の一部を、ワイヤードロジック等によるハードウェアで実現してもよい。
つぎに、本システムのネットワーク300について図4、図5を参照して説明する。ネットワーク300は、IBD評価装置100とクライアント装置200とデータベース装置400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやイントラネットやLAN(有線/無線の双方を含む)等である。なお、ネットワーク300は、VANや、パソコン通信網や、公衆電話網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、専用回線網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、CATV網や、携帯回線交換網または携帯パケット交換網(IMT2000方式、GSM(登録商標)方式またはPDC/PDC−P方式等を含む)や、無線呼出網や、Bluetooth(登録商標)等の局所無線網や、PHS網や、衛星通信網(CS、BSまたはISDB等を含む)等でもよい。
つぎに、本システムのデータベース装置400の構成について図20を参照して説明する。図20は、本システムのデータベース装置400の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
データベース装置400は、IBD評価装置100または当該データベース装置で多変量判別式を作成する際に用いるIBD状態情報や、IBD評価装置100で作成した多変量判別式、IBD評価装置100での評価結果などを格納する機能を有する。図20に示すように、データベース装置400は、当該データベース装置を統括的に制御するCPU等の制御部402と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回路を介して当該データベース装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部404と、各種のデータベースやテーブルやファイル(例えばWebページ用ファイル)などを格納する記憶部406と、入力装置412や出力装置414に接続する入出力インターフェース部408と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
記憶部406は、ストレージ手段であり、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置や、フレキシブルディスクや、光ディスク等を用いることができる。記憶部406には、各種処理に用いる各種プログラム等を格納する。通信インターフェース部404は、データベース装置400とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部404は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。入出力インターフェース部408は、入力装置412や出力装置414に接続する。ここで、出力装置414には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下で、出力装置414をモニタ414として記載する場合がある。)。また、入力装置412には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部402は、OS(Operating System)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部402は、図示の如く、大別して、要求解釈部402aと閲覧処理部402bと認証処理部402cと電子メール生成部402dとWebページ生成部402eと送信部402fとを備えている。
要求解釈部402aは、IBD評価装置100からの要求内容を解釈し、その解釈結果に応じて制御部402の各部に処理を受け渡す。閲覧処理部402bは、IBD評価装置100からの各種画面の閲覧要求を受けて、これら画面のWebデータの生成や送信を行う。認証処理部402cは、IBD評価装置100からの認証要求を受けて、認証判断を行う。電子メール生成部402dは、各種の情報を含んだ電子メールを生成する。Webページ生成部402eは、利用者がクライアント装置200で閲覧するWebページを生成する。送信部402fは、IBD状態情報や多変量判別式などの各種情報を、IBD評価装置100へ送信する。
[2−3.本システムの処理]
ここでは、以上のように構成された本システムで行われるIBD評価サービス処理の一例を、図21を参照して説明する。図21は、IBD評価サービス処理の一例を示すフローチャートである。
なお、本処理で用いるアミノ酸濃度データは、個体から予め採取した血液を分析して得たアミノ酸の濃度値に関するものである。ここで、血液中のアミノ酸の分析方法について簡単に説明する。まず、採血した血液サンプルを、ヘパリン処理したチューブに採取し、その後、当該チューブに対して遠心分離を行うことで血漿を分離する。なお、分離したすべての血漿サンプルは、アミノ酸濃度の測定時まで−70℃で凍結保存する。そして、アミノ酸濃度の測定時に、血漿サンプルに対してスルホサリチル酸を添加し、3%濃度調整により除蛋白処理を行う。なお、アミノ酸濃度の測定には、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機を使用した。
まず、Webブラウザ211を表示した画面上で利用者が入力装置250を介してIBD評価装置100が提供するWebサイトのアドレス(URLなど)を指定すると、クライアント装置200はIBD評価装置100へアクセスする。具体的には、利用者がクライアント装置200のWebブラウザ211の画面更新を指示すると、Webブラウザ211は、IBD評価装置100が提供するWebサイトのアドレスを所定の通信規約でIBD評価装置100へ送信することで、アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求を、当該アドレスに基づくルーティングでIBD評価装置100へ行う。
つぎに、IBD評価装置100は、要求解釈部102aで、クライアント装置200からの送信を受け、当該送信の内容を解析し、解析結果に応じて制御部102の各部に処理を移す。具体的には、送信の内容がアミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求であった場合、IBD評価装置100は、主として閲覧処理部102bで、記憶部106の所定の記憶領域に格納されている当該Webページを表示するためのWebデータを取得し、取得したWebデータをクライアント装置200へ送信する。より具体的には、利用者からアミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページの送信要求があった場合、IBD評価装置100は、まず、制御部102で、利用者IDや利用者パスワードの入力を利用者に対して求める。そして、利用者IDやパスワードが入力されると、IBD評価装置100は、認証処理部102cで、入力された利用者IDやパスワードと利用者情報ファイル106aに格納されている利用者IDや利用者パスワードとの認証判断を行う。そして、IBD評価装置100は、認証可の場合にのみ、閲覧処理部102bで、アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページを表示するためのWebデータをクライアント装置200へ送信する。なお、クライアント装置200の特定は、クライアント装置200から送信要求と共に送信されたIPアドレスで行う。
つぎに、クライアント装置200は、IBD評価装置100から送信されたWebデータ(アミノ酸濃度データ送信画面に対応するWebページを表示するためのもの)を受信部213で受信し、受信したWebデータをWebブラウザ211で解釈し、モニタ261にアミノ酸濃度データ送信画面を表示する。
つぎに、モニタ261に表示されたアミノ酸濃度データ送信画面に対し利用者が入力装置250を介して個体のアミノ酸濃度データなどを入力・選択すると、クライアント装置200は、送信部214で、入力情報や選択事項を特定するための識別子をIBD評価装置100へ送信することで、評価対象の個体のアミノ酸濃度データをIBD評価装置100へ送信する(ステップSA−21)。なお、ステップSA−21におけるアミノ酸濃度データの送信は、FTP等の既存のファイル転送技術等により実現してもよい。
つぎに、IBD評価装置100は、要求解釈部102aで、クライアント装置200から送信された識別子を解釈することによりクライアント装置200の要求内容を解釈し、IBD評価用(具体的には、例えば、IBDと非IBDとの2群判別用、CDと非CDとの2群判別用、CDの活動期と緩解期との2群判別用、CDの病勢の評価用、UCと非UCとの2群判別用、UCの活動期と緩解期との2群判別用、UCの病勢の評価用、CDとUCとの2群判別用、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別用など)の多変量判別式の送信要求をデータベース装置400へ行う。
つぎに、データベース装置400は、要求解釈部402aで、IBD評価装置100からの送信要求を解釈し、記憶部406の所定の記憶領域に格納した多変量判別式(例えばアップデートされた最新のもの)をIBD評価装置100へ送信する(ステップSA−22)。
ここで、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でIBDまたは非IBDであるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でCDまたは非CDであるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でCDの活動期または緩解期であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でCDの病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でUCまたは非UCであるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でUCの活動期または緩解期であるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でUCの病勢を評価する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26でCDまたはUCであるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを変数とするものでもよい。
また、ステップSA−22において、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、後述するステップSA−26で活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別する場合には、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、IBD評価装置100へ送信する多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを変数とするものでもよい。
図21の説明に戻り、IBD評価装置100は、受信部102fで、クライアント装置200から送信された個体のアミノ酸濃度データおよびデータベース装置400から送信された多変量判別式を受信し、受信したアミノ酸濃度データをアミノ酸濃度データファイル106bの所定の記憶領域に格納すると共に、受信した多変量判別式を多変量判別式ファイル106e4の所定の記憶領域に格納する(ステップSA−23)。
つぎに、IBD評価装置100は、制御部102で、ステップSA−23で受信した個体のアミノ酸濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去する(ステップSA−24)。
つぎに、IBD評価装置100は、判別値算出部102iで、ステップSA−24で欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データおよびステップSA−23で受信した多変量判別式に基づいて判別値を算出し(ステップSA−25)、判別値基準判別部102j1や判別値基準病勢評価部102j2で、ステップSA−25で算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき下記21.〜29.に示す2群判別や病勢評価のいずれか1つを行い、その判別結果や評価結果を評価結果ファイル106gの所定の記憶領域に格納する(ステップSA−26)。
21.IBDまたは非IBDであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびTau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Ala,Cit,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきIBDまたは非IBDであるか否かを判別する。
22.CDまたは非CDであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびTau,Thr,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDまたは非CDであるか否かを判別する。
23.CDの活動期または緩解期であるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDの活動期または緩解期であるか否かを判別する。
24.CDの病勢の評価
クライアント装置200から個体のアミノ酸濃度データを複数受信した場合、欠損値や外れ値などのデータが除去された個体の複数のアミノ酸濃度データに含まれるGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを当該判別値ごとに比較することで、個体につきCDの病勢を評価する。
25.UCまたは非UCであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つの濃度値およびTau,Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Cys,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきUCまたは非UCであるか否かを判別する。
26.UCの活動期または緩解期であるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきUCの活動期または緩解期であるか否かを判別する。
27.UCの病勢の評価
クライアント装置200から個体のアミノ酸濃度データを複数受信した場合、欠損値や外れ値などのデータが除去された個体の複数のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つの濃度値およびTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を当該アミノ酸濃度データごとに算出し、算出した複数の判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを当該判別値ごとに比較することで、個体につきUCの病勢を評価する。
28.CDまたはUCであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つの濃度値およびCys,ABA,Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につきCDまたはUCであるか否かを判別する。
29.活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かの判別
欠損値や外れ値などのデータが除去された個体のアミノ酸濃度データに含まれるTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つの濃度値およびTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含む予め設定した多変量判別式に基づいて、当該多変量判別式の値である判別値を算出し、算出した判別値と予め設定された閾値(カットオフ値)とを比較することで、個体につき活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かを判別する。
図21の説明に戻り、IBD評価装置100は、送信部102mで、ステップSA−26で得た判別結果(具体的には、例えば、IBDまたは非IBDであるか否かに関する判別結果、CDまたは非CDであるか否かに関する判別結果、CDの活動期または緩解期であるか否かに関する判別結果、CDの病勢に関する評価結果、UCまたは非UCであるか否かに関する判別結果、UCの活動期または緩解期であるか否かに関する判別結果、UCの病勢に関する評価結果、CDまたはUCであるか否かに関する判別結果、活動期のCDまたは活動期のUCであるか否かに関する判別結果、など)を、アミノ酸濃度データの送信元のクライアント装置200とデータベース装置400とへ送信する(ステップSA−27)。具体的には、まず、IBD評価装置100は、Webページ生成部102eで、判別結果を表示するためのWebページを作成し、作成したWebページに対応するWebデータを記憶部106の所定の記憶領域に格納する。ついで、利用者がクライアント装置200のWebブラウザ211に入力装置250を介して所定のURLを入力し上述した認証を経た後、クライアント装置200は、当該Webページの閲覧要求をIBD評価装置100へ送信する。ついで、IBD評価装置100は、閲覧処理部102bで、クライアント装置200から送信された閲覧要求を解釈し、判別結果を表示するためのWebページに対応するWebデータを記憶部106の所定の記憶領域から読み出す。そして、IBD評価装置100は、送信部102mで、読み出したWebデータをクライアント装置200へ送信すると共に、当該Webデータ又は判別結果をデータベース装置400へ送信する。
ここで、ステップSA−27において、IBD評価装置100は、制御部102で、判別結果を電子メールで利用者のクライアント装置200へ通知してもよい。具体的には、まず、IBD評価装置100は、電子メール生成部102dで、利用者IDなどを基にして利用者情報ファイル106aに格納されている利用者情報を送信タイミングに従って参照し、利用者の電子メールアドレスを取得する。ついで、IBD評価装置100は、電子メール生成部102dで、取得した電子メールアドレスを宛て先とし利用者の氏名および判別結果を含む電子メールに関するデータを生成する。ついで、IBD評価装置100は、送信部102mで、生成した当該データを利用者のクライアント装置200へ送信する。
また、ステップSA−27において、IBD評価装置100は、FTP等の既存のファイル転送技術等で、判別結果を利用者のクライアント装置200へ送信してもよい。
図21の説明に戻り、データベース装置400は、制御部402で、IBD評価装置100から送信された判別結果またはWebデータを受信し、受信した判別結果またはWebデータを記憶部406の所定の記憶領域に保存(蓄積)する(ステップSA−28)。
また、クライアント装置200は、受信部213で、IBD評価装置100から送信されたWebデータを受信し、受信したWebデータをWebブラウザ211で解釈し、個体の判別結果が記されたWebページの画面をモニタ261に表示する(ステップSA−29)。なお、判別結果がIBD評価装置100から電子メールで送信された場合には、クライアント装置200は、電子メーラ212の公知の機能で、IBD評価装置100から送信された電子メールを任意のタイミングで受信し、受信した電子メールをモニタ261に表示する。
以上により、利用者は、モニタ261に表示されたWebページを閲覧することで、例えば、IBDと非IBDとの2群判別に関する個体の判別結果、CDと非CDとの2群判別に関する個体の判別結果、CDの活動期と緩解期との2群判別に関する個体の判別結果、CDの病勢に関する個体の評価結果、UCと非UCとの2群判別に関する個体の判別結果、UCの活動期と緩解期との2群判別に関する個体の判別結果、UCの病勢に関する個体の評価結果、CDとUCとの2群判別に関する個体の判別結果、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に関する個体の判別結果、などを確認することができる。なお、利用者は、モニタ261に表示されたWebページの表示内容をプリンタ262で印刷してもよい。
また、判別結果がIBD評価装置100から電子メールで送信された場合には、利用者は、モニタ261に表示された電子メールを閲覧することで、IBDと非IBDとの2群判別に関する個体の判別結果、CDと非CDとの2群判別に関する個体の判別結果、CDの活動期と緩解期との2群判別に関する個体の判別結果、CDの病勢に関する個体の評価結果、UCと非UCとの2群判別に関する個体の判別結果、UCの活動期と緩解期との2群判別に関する個体の判別結果、UCの病勢に関する個体の評価結果、CDとUCとの2群判別に関する個体の判別結果、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に関する個体の判別結果、を確認することができる。利用者は、モニタ261に表示された電子メールの表示内容をプリンタ262で印刷してもよい。
これにて、IBD評価サービス処理の説明を終了する。
[2−4.第2実施形態のまとめ、およびその他の実施形態]
以上、詳細に説明したように、IBD評価システムによれば、クライアント装置200は個体のアミノ酸濃度データをIBD評価装置100へ送信し、データベース装置400はIBD評価装置100からの要求を受けて、多変量判別式(例えば、IBDと非IBDとの2群判別用の多変量判別式、CDと非CDとの2群判別用の多変量判別式、CDの活動期と緩解期との2群判別用の多変量判別式、CDの病勢評価用の多変量判別式、UCと非UCとの2群判別用の多変量判別式、UCの活動期と緩解期との2群判別用の多変量判別式、UCの病勢評価用の多変量判別式、CDとUCとの2群判別用の多変量判別式、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別用の多変量判別式、のいずれか1つ)を、IBD評価装置100へ送信する。そして、IBD評価装置100は、クライアント装置200からアミノ酸濃度データを受信すると共にデータベース装置400から多変量判別式を受信し、受信したアミノ酸濃度データおよび多変量判別式に基づいて判別値を算出し、算出した判別値と予め設定した閾値とを比較することで個体につき、上記21.〜29.に示す2群判別や病勢評価のいずれか1つを行い、この判別結果や評価結果をクライアント装置200やデータベース装置400へ送信し、クライアント装置200はIBD評価装置100から送信された判別結果や評価結果を受信して表示し、データベース装置400はIBD評価装置100から送信された判別結果や評価結果を受信して格納する。これにより、IBDと非IBDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、CDと非CDとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別を精度よく行うことができる。また、CDの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、CDの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢を精度よく評価することができる。また、UCと非UCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、UCの活動期と緩解期との2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別を精度よく行うことができる。また、UCの病勢の評価に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢を精度よく評価することができる。また、CDとUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別を精度よく行うことができる。また、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別を精度よく行うことができる。
なお、IBD評価システムによれば、ステップSA−26において上記21.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Leu,Tyr,His,Ile,Thrを変数とするものでもよい。これにより、IBDと非IBDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してIBDと非IBDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、IBD評価システムによれば、ステップSA−26において上記22.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Thr,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Glu,Pro,Glyのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Val,Leu,Tyr,Pro,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDと非CDとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDと非CDとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、IBD評価システムによれば、ステップSA−26において上記23.に示す2群判別または上記24.に示す病勢評価を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にGln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Trp,Lys,Ser,Tau,Ileを変数とするものでもよい。これにより、CDの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。また、CDの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、IBD評価システムによれば、ステップSA−26において上記25.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にUrea,Asn,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にTau,Cysのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Tau,Tyr,Leu,His,Ala,Ileを変数とするものでもよい。これにより、UCと非UCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCと非UCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、IBD評価システムによれば、ステップSA−26において上記26.に示す2群判別または上記27.に示す病勢評価を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Urea,Thr,Asn,Pro,Gln,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、His,Tyr,Val,Met,Leu,Argを変数とするものでもよい。これにより、UCの活動期と緩解期との2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの活動期と緩解期との2群判別をさらに精度よく行うことができる。また、UCの病勢の評価に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してUCの病勢をさらに精度よく評価することができる。
また、IBD評価システムによれば、ステップSA−26において上記28.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含む、またはそれを構成する分数式の分子にThr,Pro,Gly,Met,Ile,Ornのうち少なくとも1つを変数として含み且つそれを構成する分数式の分母にCys,ABAのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Pro,Ile,Trp,Tau,Valを変数とするものでもよい。これにより、CDとUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用してCDとUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
また、IBD評価システムによれば、ステップSA−26において上記29.に示す2群判別を行う場合、多変量判別式は、1つの分数式または複数の分数式の和で表され、それを構成する分数式の分子および/または分母にTau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileのうち少なくとも1つを変数として含むものでもよい。また、多変量判別式は、ロジスティック回帰式、線形判別式、重回帰式、サポートベクターマシンで作成された式、マハラノビス距離法で作成された式、正準判別分析で作成された式、決定木で作成された式のいずれか1つであり、Met,Tau,Trp,Tyr,Orn,Pheを変数とするものでもよい。これにより、活動期のCDと活動期のUCとの2群判別に特に有用な多変量判別式で得られる判別値を利用して活動期のCDと活動期のUCとの2群判別をさらに精度よく行うことができる。
ここで、上述した多変量判別式は、本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号に記載の方法や、本出願人による国際出願である国際公開第2006/098192号に記載の方法(後述する多変量判別式作成処理)で作成することができる。これら方法で得られた多変量判別式であれば、入力データとしてのアミノ酸濃度データにおけるアミノ酸濃度の単位に因らず、当該多変量判別式をIBDの状態の評価に好適に用いることができる。
また、本発明は、上述した第2実施形態以外にも、特許請求の範囲の書類に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。例えば、上述した第2実施形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種の登録データおよび検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、IBD評価装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。また、IBD評価装置100の各部または各装置が備える処理機能(特に制御部102にて行なわれる各処理機能)については、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて、その全部または任意の一部を実現することができ、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することもできる。
ここで、「プログラム」とは任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は、必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものを含む。なお、プログラムは、記録媒体に記録されており、必要に応じてIBD評価装置100に機械的に読み取られる。記録媒体に記録されたプログラムを各装置で読み取るための具体的な構成や読み取り手順や読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
また、「記録媒体」とは任意の「可搬用の物理媒体」や任意の「固定用の物理媒体」や「通信媒体」を含むものとする。なお、「可搬用の物理媒体」とはフレキシブルディスクや光磁気ディスクやROMやEPROMやEEPROMやCD−ROMやMOやDVD等である。「固定用の物理媒体」とは各種コンピュータシステムに内蔵されるROMやRAMやHD等である。「通信媒体」とは、LANやWANやインターネット等のネットワークを介してプログラムを送信する場合における通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持するものである。
最後に、IBD評価装置100で行う多変量判別式作成処理の一例について図22を参照して詳細に説明する。図22は多変量判別式作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、当該多変量判別式作成処理は、IBD状態情報を管理するデータベース装置400で行ってもよい。
なお、本説明では、IBD評価装置100は、データベース装置400から事前に取得したIBD状態情報を、IBD状態情報ファイル106cの所定の記憶領域に格納しているものとする。また、IBD評価装置100は、IBD状態情報指定部102gで事前に指定したIBD状態指標データおよびアミノ酸濃度データを含むIBD状態情報を、指定IBD状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納しているものとする。
まず、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、指定IBD状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているIBD状態情報から所定の式作成手法に基づいて候補多変量判別式を作成し、作成した候補多変量判別式を候補多変量判別式ファイル106e1の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−21)。具体的には、まず、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、複数の異なる式作成手法(主成分分析や判別分析、サポートベクターマシン、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、k−means法、クラスター解析、決定木などの多変量解析に関するものを含む。)の中から所望のものを1つ選択し、選択した式作成手法に基づいて、作成する候補多変量判別式の形(式の形)を決定する。つぎに、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、肝線維化状態情報に基づいて、選択した式選択手法に対応する種々(例えば平均や分散など)の計算を実行する。つぎに、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式作成部102h1で、計算結果および決定した候補多変量判別式のパラメータを決定する。これにより、選択した式作成手法に基づいて候補多変量判別式が作成される。なお、複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を同時並行(並列)的に作成する場合は、選択した式作成手法ごとに上記の処理を並行して実行すればよい。また、複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を直列的に作成する場合は、例えば、主成分分析を行って作成した候補多変量判別式を利用してIBD状態情報を変換し、変換したIBD状態情報に対して判別分析を行うことで候補多変量判別式を作成してもよい。
つぎに、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式検証部102h2で、ステップSB−21で作成した候補多変量判別式を所定の検証手法に基づいて検証(相互検証)し、検証結果を検証結果ファイル106e2の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−22)。具体的には、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式検証部102h2で、指定IBD状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているIBD状態情報に基づいて候補多変量判別式を検証する際に用いる検証用データを作成し、作成した検証用データに基づいて候補多変量判別式を検証する。なお、ステップSB−21で複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を複数作成した場合には、多変量判別式作成部102hは、候補多変量判別式検証部102h2で、各式作成手法に対応する候補多変量判別式ごとに所定の検証手法に基づいて検証する。ここで、ステップSB−22において、ブートストラップ法やホールドアウト法、リープワンアウト法などのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の判別率や感度、特異性、情報量基準などのうち少なくとも1つに関して検証してもよい。これにより、IBD状態情報や診断条件を考慮した予測性または堅牢性の高い候補指標式を選択することができる。
つぎに、多変量判別式作成部102hは、変数選択部102h3で、ステップSB−22での検証結果から所定の変数選択手法に基づいて、候補多変量判別式の変数を選択することで、候補多変量判別式を作成する際に用いるIBD状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせを選択し、選択したアミノ酸濃度データの組み合わせを含むIBD状態情報を選択IBD状態情報ファイル106e3の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−23)。なお、ステップSB−21で複数の異なる式作成手法を併用して候補多変量判別式を複数作成し、ステップSB−22で各式作成手法に対応する候補多変量判別式ごとに所定の検証手法に基づいて検証した場合には、ステップSB−23において、多変量判別式作成部102hは、変数選択部102h3で、ステップSB−22での検証結果に対応する候補多変量判別式ごとに所定の変数選択手法に基づいて候補多変量判別式の変数を選択する。ここで、ステップSB−23において、検証結果からステップワイズ法、ベストパス法、近傍探索法、遺伝的アルゴリズムのうち少なくとも1つに基づいて候補多変量判別式の変数を選択してもよい。なお、ベストパス法とは、候補多変量判別式に含まれる変数を1つずつ順次減らしていき、候補多変量判別式が与える評価指標を最適化することで変数を選択する方法である。また、ステップSB−23において、多変量判別式作成部102hは、変数選択部102h3で、指定IBD状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているIBD状態情報に基づいてアミノ酸濃度データの組み合わせを選択してもよい。
つぎに、多変量判別式作成部102hは、指定IBD状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているIBD状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの全ての組み合わせが終了したか否かを判定し、判定結果が「終了」であった場合(ステップSB−24:Yes)には次のステップ(ステップSB−25)へ進み、判定結果が「終了」でなかった場合(ステップSB−24:No)にはステップSB−21へ戻る。なお、多変量判別式作成部102hは、予め設定した回数が終了したか否かを判定し、判定結果が「終了」であった場合には(ステップSB−24:Yes)次のステップ(ステップSB−25)へ進み、判定結果が「終了」でなかった場合(ステップSB−24:No)にはステップSB−21へ戻ってもよい。また、多変量判別式作成部102hは、ステップSB−23で選択したアミノ酸濃度データの組み合わせが、指定IBD状態情報ファイル106dの所定の記憶領域に格納されているIBD状態情報に含まれるアミノ酸濃度データの組み合わせまたは前回のステップSB−23で選択したアミノ酸濃度データの組み合わせと同じであるか否かを判定し、判定結果が「同じ」であった場合(ステップSB−24:Yes)には次のステップ(ステップSB−25)へ進み、判定結果が「同じ」でなかった場合(ステップSB−24:No)にはステップSB−21へ戻ってもよい。また、多変量判別式作成部102hは、検証結果が具体的には各候補多変量判別式に関する評価値である場合には、当該評価値と各式作成手法に対応する所定の閾値との比較結果に基づいて、ステップSB−25へ進むかステップSB−21へ戻るかを判定してもよい。
ついで、多変量判別式作成部102hは、検証結果に基づいて、複数の候補多変量判別式の中から多変量判別式として採用する候補多変量判別式を選出することで多変量判別式を決定し、決定した多変量判別式(選出した候補多変量判別式)を多変量判別式ファイル106e4の所定の記憶領域に格納する(ステップSB−25)。ここで、ステップSB−25において、例えば、同じ式作成手法で作成した候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合と、すべての候補多変量判別式の中から最適なものを選出する場合とがある。
これにて、多変量判別式作成処理の説明を終了する。
95名の健康人群の血液サンプルおよび炎症性腸疾患と判定された190名の炎症性腸疾患群の血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。図23に、各群(1:健康人群、2:炎症性腸疾患群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。なお、図23において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
健康人群と炎症性腸疾患群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。健康人群に比べて炎症性腸疾患群では、Tau,Glu,Cys,が有意に増加し(有意差確率P<0.05)、またUrea,Asn,Gln,Ala,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Tau,Glu,Cys,Urea,Asn,Gln,Ala,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが、健康人群と炎症性腸疾患群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例1の血液サンプルに基づいて、実施例1の炎症性腸疾患群を、さらに、95名のクローン病と判定されたクローン病群と、95名の潰瘍性大腸炎と判定された潰瘍性大腸炎群と、に分けた。図24に、各群(1:健康人群、2:クローン病群、3:潰瘍性大腸炎群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。なお、図24において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
まず、健康人群とクローン病群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。健康人群に比べてクローン病群では、Tau,Glu,Pro,Glyが有意に増加し(有意差確率P<0.05)、またUrea,Asn,Gln,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Tau,Urea,Asn,Glu,Gln,Pro,Gly,ABA,Val,Cys,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが、健康人群とクローン病群の2群間の判別能を持つことが判明した。
つぎに、健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。健康人群に比べて潰瘍性大腸炎群では、Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが有意に減少した(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Urea,Asn,Gln,Ala,Cit,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが、健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
つぎに、クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。クローン病群に比べて潰瘍性大腸炎群では、Pro,Gly,Met,Ornが有意に減少した(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Pro,Gly,Met,Ornが、クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例1の血液サンプルに基づいて、実施例2のクローン病群を、さらに50名の緩解期のクローン病群と26名の活動期のクローン病群とに分け、実施例2の潰瘍性大腸炎群を、さらに46名の緩解期の潰瘍性大腸炎群と24名の活動期の潰瘍性大腸炎群とに分けた。図25に、各群(1:緩解期のクローン病群、2:活動期のクローン病群、3:緩解期の潰瘍性大腸炎群、4:活動期の潰瘍性大腸炎群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。なお、図25において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
まず、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。活動期のクローン病群に比べて活動期の潰瘍性腸疾患群では、Gly,Metが有意に減少し(有意差確率P<0.05)、アミノ酸変数Gly,Metが、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。緩解期のクローン病群に比べて活動期のクローン病群では、Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argが有意に減少した(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argが、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群間の判別能を持つことが判明した。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。緩解期の潰瘍性大腸炎群に比べて活動期の潰瘍性大腸炎群では、Urea,Gln,Ala,Val,His,Trpが有意に減少した(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Urea,Gln,Ala,Val,His,Trpが、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例1で用いたサンプルデータを用いた。本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号に記載の方法を用いて、まず、健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式11が得られた。
指標式11:(Orn)/(Val) + (Tau+Cys)/(Trp+His)
指標式11による健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別に関して、ROC曲線(図26)のAUCによる評価を行い、0.948±0.012(95%信頼区間は0.924〜0.972)が得られた。また指標式11による健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別のカットオフ値について、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が1.75となり、感度82%、特異度96%、正診率87%が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式11と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図27および図28に示す。
つぎに、健康人群とクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式12が得られた。
指標式12:(Orn)/(Val) + (Tau+Cys)/(His+Trp)
指標式12による健康人群とクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図29)のAUCによる評価を行い、0.970±0.010(95%信頼区間は0.950〜0.989)が得られた。また指標式12による健康人群とクローン病群の2群判別のカットオフ値について、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が1.02となり、感度87%、特異度97%、正診率92%が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式12と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図30および図31に示す。
つぎに、健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式13が得られた。
指標式13:(Tau)/(ABA+Asn+Tyr) + (Cys)/(His)
指標式13による健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図32)のAUCによる評価を行い、0.945±0.015(95%信頼区間は0.915〜0.976)が得られた。また指標式13による健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別のカットオフ値について、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が0.794となり、感度83%、特異度96%、正診率89%が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式13と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図33および図34に示す。
つぎに、クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式14が得られた。
指標式14:(Tau)/(Ser) + (Pro+Orn)/(Cys+Trp)
指標式14によるクローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図35)のAUCによる評価を行い、0.737±0.037(95%信頼区間は0.664〜0.809)が得られた。また指標式14によるクローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別のカットオフ値について、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が3.171となり、感度73%、特異度69%、正診率71%が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式14と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図36および図37に示す。
つぎに、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式15が得られた。
指標式15:(Met+Orn)/(Trp) + (Tau+Ser)/(Arg)
指標式15による活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図38)のAUCによる評価を行い、0.905±0.041(95%信頼区間は0.824〜0.987)が得られた。また指標式15による活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別のカットオフ値について、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が4.669となり、感度92%、特異度77%、正診率84%が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式15と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図39および図40に示す。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式16が得られた。
指標式16:(Gly)/(Lys) + (Ser+Tau+Met)/(His)
指標式16による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図41)のAUCによる評価を行い、0.922±0.030(95%信頼区間は0.864〜0.981)が得られた。また指標式16による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別のカットオフ値について、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が5.102となり、感度96%、特異度69%、正診率87%が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式16と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図42および図43に示す。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式17が得られた。
指標式17:(Orn)/(Glu+Trp+His)
指標式17による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図44)のAUCによる評価を行い、0.699±0.067(95%信頼区間は0.568〜0.830)が得られた。また指標式17による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別のカットオフ値について、最適なカットオフ値を求めると、カットオフ値が0.351となり、感度78%、特異度50%、正診率67%が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式17と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図45および図46に示す。
実施例1で用いたサンプルデータを用いた。本出願人による国際出願である国際公開第2006/098192号に記載の方法(多変量判別式の探索方法)を用いて、まず、健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式21が得られた。
指標式21:1.29777 + 0.00433×Tau − 0.00007×Urea + 0.01967×Cys − 0.01055×Tyr − 0.00479×His − 0.00736×Trp
指標式21による健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別に関して、ROC曲線(図47)のAUCによる評価を行い、0.931±0.019(95%信頼区間は0.894〜0.968)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式21と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図48および図49に示す。また、図48、図49に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式22が得られた。
指標式22:1/(1+exp(−x))
ただし、x=0.81765 + 0.11415×Tau + 0.06468×Glu + 0.01166×Gly − 0.04213×Leu − 0.03070×His − 0.12380×Trp
指標式22による健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別に関して、ROC曲線(図50)のAUCによる評価を行い、0.953±0.016(95%信頼区間は0.923〜0.983)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式22と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図51および図52に示す。また図51、図52に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群とクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式23が得られた。
指標式23:1.10711 + 0.00426×Tau + 0.01052×Glu + 0.00120×Gly − 0.00247×Val − 0.00955×Tyr − 0.01140×Trp
指標式23による健康人群とクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図53)のAUCによる評価を行い、0.933±0.019(95%信頼区間は0.896〜0.970)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式23と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図54および図55に示す。また、図54、図55に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群とクローン病群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式24が得られた。
指標式24:1/(1+exp(−x))
ただし、x=0.81765 + 0.11415×Tau + 0.06468×Glu + 0.01166×Gly − 0.04213×Leu − 0.03070×His − 0.12380×Trp
指標式24による健康人群とクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図56)のAUCによる評価を行い、0.952±0.016(95%信頼区間は0.920〜0.984)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式24と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図57および図58に示す。また図57、図58に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式25が得られた。
指標式25:1.13409 + 0.00968×Tau − 0.01219×Asn + 0.01651×Cys − 0.01445×His − 0.00759×Trp + 0.00134×Lys
指標式25による健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図59)のAUCによる評価を行い、0.945±0.017(95%信頼区間は0.911〜0.979)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式25と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図60および図61に示す。また、図60、図61に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式26が得られた。
指標式26:1/(1+exp(−x))
ただし、x=4.79691 + 0.13819×Tau − 0.13423×Asn + 0.17057×Cys − 0.08246×Tyr − 0.14999×His + 0.02202×Lys
指標式26による健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図62)のAUCによる評価を行い、0.942±0.018(95%信頼区間は0.907〜0.977)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式26と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図63および図64に示す。また、図63、図64に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式27が得られた。
指標式27:−0.01486 + 0.00202×Tau − 0.00062×Thr + 0.00149×Pro + 0.00135×Gly − 0.00704×Trp + 0.00366×Orn
指標式27によるクローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図65)のAUCによる評価を行い、0.735±0.036(95%信頼区間は0.664〜0.806)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式27と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図66および図67に示す。また、図66、図67に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式28が得られた。
指標式28:1/(1+exp(−x))
ただし、x=−2.46344 + 0.01083×Tau − 0.00327×Thr + 0.00661×Pro + 0.00657×Gly − 0.03267×Trp + 0.01720×Orn
指標式28によるクローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図68)のAUCによる評価を行い、0.733±0.036(95%信頼区間は0.662〜0.804)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式28と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図69および図70に示す。また、図69、図70に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式29が得られた。
指標式29:0.32986 + 0.00251×Tau + 0.00509×Ser + 0.00146×Ala − 0.02369×Cys + 0.01191×Phe − 0.01056×Arg
指標式29による活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図71)のAUCによる評価を行い、0.907±0.044(95%信頼区間は0.822〜0.992)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式29と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図72および図73に示す。また、図72、図73に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式30が得られた。
指標式30:1/(1+exp(−x))
ただし、x=−3.43602 + 0.02849×Tau + 0.04618×Ser − 0.18815×Cys + 0.11767×Phe + 0.06761×Orn − 0.08874×Arg
指標式30による活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図74)のAUCによる評価を行い、0.914±0.042(95%信頼区間は0.832〜0.996)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式30と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図75および図76に示す。また、図75、図76に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式31が得られた。
指標式31:1.44828 + 0.00339×Tau + 0.00228×Gly + 0.00557×Leu − 0.02025×His − 0.01369×Trp − 0.00306×Lys
指標式31による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図77)のAUCによる評価を行い、0.942±0.033(95%信頼区間は0.877〜0.993)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式31と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図78および図79に示す。また、図78、図79に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式32が得られた。
指標式32:1/(1+exp(−x))
ただし、x=8.98649 + 0.03455×Tau + 0.02334×Gly + 0.02746×Val − 0.18880×His − 0.11074×Trp − 0.03571×Lys
指標式32による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図80)のAUCによる評価を行い、0.945±0.032(95%信頼区間は0.882〜0.993)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式32と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図81および図82に示す。また、図81、図82に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式33が得られた。
指標式33:2.64681 + 0.00056×Tau − 0.00013×Urea − 0.00749×Glu − 0.00154×Gln + 0.00794×Cit − 0.01301×His
指標式33による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図83)のAUCによる評価を行い、0.866±0.051(95%信頼区間は0.766〜0.966)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式33と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図84および図85に示す。また、図84、図85に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式34が得られた。
指標式34:1/(1+exp(−x))
ただし、x=13.05911 − 0.00096×Urea − 0.04677×Glu − 0.00985×Gln + 0.05012×Cit + 0.04204×Tyr − 0.09780×His
指標式34による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図86)のAUCによる評価を行い、0.867±0.051(95%信頼区間は0.768〜0.966)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式34と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図87および図88に示す。また、図87、図88に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
実施例1で測定したサンプルの内、同一人でかつ採血日が異なるデータを用いて、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に有用な実施例4で得られた指標式16の値の経時変化を既存の活動指数であるCDAIの値の経時変化と比較することで、指標式16の評価を行った(図89)。なお、図89において、左側からの点線は、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別における指標式16の基準値を示すものであり、右側からの点線は、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別におけるCDAIの基準値を示すものである。
CDAIの値が2番目の採血日から3番目の採血日にかけて、基準値である150を下回り緩解期水準に推移しているのに対して、指標式16の値も基準値である5.102を下回り緩解期水準に推移しており、指標式16が同一患者におけるクローン病の病勢のモニタリングとしても有用な指標であることが判明した。
実施例1で測定したサンプルの内、同一人でかつ採血日が異なるデータを用いて、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に有用な実施例5で得られた指標式33と同等な指標式33’の値の経時変化を既存の活動指数であるCAIの値の経時変化と比較することで、指標式33’の評価を行った(図90)。なお、指標式33’における定数および係数の値は、あくまでも一例であり、これに限定されるわけではない。また、図90において、左側からの点線は、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別における指標式33’の基準値を示すものであり、右側からの点線は、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別におけるCAIの基準値を示すものである。
指標式33’:2.4267 − 0.011723×His − 0.0010018×Gln − 0.0001328×Urea − 0.0056998×Glu
CAIの値が1番目の採血日から2番目の採血日にかけて、基準値である5を下回り緩解期水準に推移しているのに対して、指標式33’の値も基準値である5.562を下回り緩解期水準に推移しており、指標式33’が同一患者における潰瘍性大腸炎の病勢のモニタリングとしても有用な指標であることが判明した。
炎症性腸疾患と判定された409名の炎症性腸疾患群の血液サンプルと炎症性腸疾患群に対して性別と年齢をマッチングした409名の健康人群の血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。図91に、各群(1:健康人群、2:炎症性腸疾患群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。なお、図91において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
健康人群と炎症性腸疾患群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。健康人群に比べて炎症性腸疾患群では、Tau,Pro,Cysが有意に増加し(有意差確率P<0.05)、またUrea,Asn,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysが有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Tau,Pro,Cys,Urea,Asn,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysが、健康人群と炎症性腸疾患群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例8の血液サンプルに基づいたクローン病と判定された152名のクローン病群の血液サンプルとクローン病群に対して性別と年齢をマッチングした152名の健康人群の血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。図92に、各群(1:健康人群、2:クローン病群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。なお、図92において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
健康人群とクローン病群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。健康人群に比べてクローン病群では、Tau,Thr,Pro,Glyが有意に増加し(有意差確率P<0.05)、またUrea,Asn,ABA,Val,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Tau,Thr,Pro,Gly,Urea,Asn,ABA,Val,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lysが、健康人群とクローン病群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例8の血液サンプルに基づいた潰瘍性大腸炎と判定された257名の潰瘍性大腸炎群の血液サンプルと潰瘍性大腸炎群に対して性別と年齢をマッチングした257名の健康人群の血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。図93に、各群(1:健康人群、2:潰瘍性大腸炎病群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。なお、図93において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。健康人群に比べて潰瘍性大腸炎群では、Tau,Cysが有意に増加し(有意差確率P<0.05)、またUrea,Asn,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysが有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Tau,Cys,Urea,Asn,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Ile,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Orn,Lysが、健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例8の血液サンプルに基づいて、クローン病と判定された152名のクローン病群の血液サンプルと潰瘍性大腸炎群と判定された152名の潰瘍性大腸炎群の血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法により血中アミノ酸濃度を測定した。図94に、各群(1:クローン病群、2:潰瘍性大腸炎病群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。なお、図94において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。潰瘍性大腸炎群に比べてクローン病群では、Thr,Pro,Gly,ABA,Met,Ile,Ornが有意に増加し(有意差確率P<0.05)、またABA,Cysが有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Thr,Pro,Gly,Met,Ile,Orn,ABA,Cysが、クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例8の血液サンプルに基づいて、実施例9のクローン病群を、さらに緩解期のクローン病群と活動期のクローン病群とに分け、実施例10の潰瘍性大腸炎群を、さらに緩解期の潰瘍性大腸炎群と活動期の潰瘍性大腸炎群とに分けた。図95に、各群(1:緩解期のクローン病群、2:活動期のクローン病群、3:緩解期の潰瘍性大腸炎群、4:活動期の潰瘍性大腸炎群)のアミノ酸変数の分布に関する箱ひげ図を示す。それぞれの各群の例数は緩解期のクローン病群82名、活動期のクローン病群34名、緩解期の潰瘍性大腸炎114名、活動期の潰瘍性大腸炎60名である。なお、図95において、縦軸はアミノ酸濃度を示し、その単位はnmol/mLであり、図中のABAはα−ABA(α−アミノ酪酸)を、またCysはCystineを表す。
まず、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。活動期の潰瘍性大腸炎群に比べて活動期のクローン病群では、Tau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileが有意に増加し(有意差確率P<0.05)、アミノ酸変数Tau,Thr,Ser,Gly,Met,Ileが、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。緩解期のクローン病群に比べて活動期のクローン病群では、Gln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argが有意に減少した(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Gln,Cit,Val,Leu,His,Trp,Lys,Argが、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群間の判別能を持つことが判明した。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別を目的に2群間のT検定を実施した。緩解期の潰瘍性大腸炎群に比べて活動期の潰瘍性大腸炎群では、Urea,Thr,Asn,Gln,Pro,Ala,Cit,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argが有意に減少した(有意差確率P<0.05)。これにより、アミノ酸変数Urea,Thr,Asn,Gln,Pro,Ala,ABA,Val,Met,Leu,Tyr,Phe,His,Trp,Lys,Argが、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群間の判別能を持つことが判明した。
実施例8で用いたサンプルデータを用いた。本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号に記載の方法を用いて、まず、健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式35が得られた。
指標式35:(Tau)/(Tyr) + (Thr+Arg)/(Cit+His)
指標式35による健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別に関して、ROC曲線(図96)のAUCによる評価を行い、0.903±0.011(95%信頼区間は0.881〜0.925)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式35と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図97および図98に示す。
実施例9で用いたサンプルデータを用いた。健康人群とクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式36が得られた。
指標式36:(Tau)/(Tyr) + (Pro+Orn+Arg)/(Val)
指標式36による健康人群とクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図99)のAUCによる評価を行い、0.933±0.015(95%信頼区間は0.904〜0.962)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式36と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図100、図101および図102に示す。
実施例10で用いたサンプルデータを用いた。健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式37が得られた。
指標式37:(Tau)/(Tyr) + (Thr)/(Cit+His)
指標式37による健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図103)のAUCによる評価を行い、0.894±0.014(95%信頼区間は0.866〜0.922)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式37と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図104、図105および図106に示す。
実施例8で用いたサンプルデータを用いた。クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式38が得られた。
指標式38:(Met+Ile)/(Val+Trp+ABA)
指標式38によるクローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図107)のAUCによる評価を行い、0.705±0.027(95%信頼区間は0.651〜0.759)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式38と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図108および図109に示す。
つぎに、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式39が得られた。
指標式39:(Thr)/(Val) + (Met+Tyr)/(ABA+Trp)
指標式39による活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図110)のAUCによる評価を行い、0.825±0.048(95%信頼区間は0.731〜0.919)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式39と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図111、図112および図113に示す。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式40が得られた。
指標式40:(Tau)/(Gln) + (Ser+Ile)/(Trp+His)
指標式40による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図114)のAUCによる評価を行い、0.867±0.042(95%信頼区間は0.785〜0.949)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式40と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図115、図116および図117に示す。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式41が得られた。
指標式41:(Orn)/(Trp+His)
指標式41による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図118)のAUCによる評価を行い、0.689±0.044(95%信頼区間は0.603〜0.775)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式41と同等の判別性能を有する分数式は複数得られた。それらを図119、図120および図121に示す。
実施例8で用いたサンプルデータを用いた。本出願人による国際出願である国際公開第2006/098192号に記載の方法(多変量判別式の探索方法)を用いて、まず、健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式42が得られた。
指標式42: 0.8206 + 0.0061×Tau + 0.0021×Thr + 0.0176×Ile − 0.0111×Leu − 0.0085×Tyr − 0.0031×His
指標式42による健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別に関して、ROC曲線(図122)のAUCによる評価を行い、0.916±0.010(95%信頼区間は0.896〜0.936)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式42と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図123および図124に示す。また、図123、図124に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式43が得られた。
指標式43:1/(1+exp(−x))
ただし、x=0.3249 + 0.1049×Tau + 0.0102×Pro − 0.0254×Val + 0.2065×Ile − 0.0994×Leu − 0.0612×Tyr
指標式43による健康人群と炎症性腸疾患群の2群判別に関して、ROC曲線(図125)のAUCによる評価を行い、0.930±0.009(95%信頼区間は0.912〜0.948)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式43と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図126および図127に示す。また、図126、図127に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
実施例9で用いたサンプルデータを用いた。健康人群とクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式44が得られた。
指標式44: 0.9579 + 0.0040×Tau + 0.0022×Pro − 0.0046×Val + 0.0212×Ile − 0.0082×Leu − 0.0078×Tyr
指標式44による健康人群とクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図128)のAUCによる評価を行い、0.945±0.014(95%信頼区間は0.918〜0.972)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式44と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図129、図130、図131および図132に示す。また、図129、図130、図131、図132に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群とクローン病群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式45が得られた。
指標式45:1/(1+exp(−x))
ただし、x=2.4178 + 0.1251×Tau + 0.0182×Pro − 0.0534×Val + 0.2866×Ile − 0.1248×Leu − 0.0544×His
指標式45による健康人群とクローン病群に関して、ROC曲線(図133)のAUCによる評価を行い、0.963±0.011(95%信頼区間は0.941〜0.985)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式45と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図134、図135、図136および図137に示す。また、図134、図135、図136、図137に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
実施例10で用いたサンプルデータを用いた。健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式46が得られた。
指標式46:0.7029 + 0.0097×Tau − 0.0004×Ala + 0.0207×Ile − 0.0126×Leu − 0.0054×Tyr − 0.0022×His
指標式46による健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図138)のAUCによる評価を行い、0.910±0.025(95%信頼区間は0.846〜0.942)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式46と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図139、図140、図141および図142に示す。また、図139、図140、図141、図142に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式47が得られた。
指標式47:1/(1+exp(−x))
ただし、x=1.1801 + 0.0964×Tau − 0.0012×ABA + 0.1498×Ile − 0.0898×Leu − 0.0541×Tyr − 0.0309×His
指標式47による健康人群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図143)のAUCによる評価を行い、0.911±0.021(95%信頼区間は0.869〜0.953)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式47と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図144、図145、図146および図147に示す。また、図144、図145、図146、図147に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
実施例11で用いたサンプルデータを用いた。クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式48が得られた。
指標式48: 0.0880 + 0.0011×Tau + 0.0001×Ala + 0.0151×Ile − 0.0071×Leu − 0.0020×Tyr + 0.0020×His
指標式48によるクローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図148)のAUCによる評価を行い、0.718±0.027(95%信頼区間は0.665〜0.771)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式48と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図149および図150に示す。また、図149、図150に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、クローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式49が得られた。
指標式49:1/(1+exp(−x))
ただし、x=−0.1542 + 0.0121×Glu − 0.0536×ABA + 0.0505×Ile − 0.0171×Leu − 0.0015×Tyr − 0.0177×Trp
指標式49によるクローン病群と潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図151)のAUCによる評価を行い、0.678±0.028(95%信頼区間は0.623〜0.733)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式49と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図152および図153に示す。また、図152、図153に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
実施例8で用いたサンプルデータを用いた。活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式50が得られた。
指標式50: −0.0123 + 0.0024×Tau + 0.0040×Thr − 0.0119×ABA + 0.0128×Met + 0.0064×Tyr − 0.0160×Trp
指標式50による活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図154)のAUCによる評価を行い、0.836±0.047(95%信頼区間は0.744〜0.928)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式50と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図155、図156、図157および図158に示す。また、図155、図156、図157、図158に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式51が得られた。
指標式51:1/(1+exp(−x))
ただし、x=−3.5145 + 0.0229×Tau − 0.0715×ABA + 0.1245×Met + 0.0271×Tyr − 0.1170×Trp + 0.0521×Orn
指標式51による活動期のクローン病群と活動期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図159)のAUCによる評価を行い、0.843±0.046(95%信頼区間は0.753〜0.933)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式51と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図160、図161、図162および図163に示す。また、図160、図161、図162、図163に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式52が得られた。
指標式52:0.7603 + 0.0026×Tau + 0.0042×Ser + 0.0120×Ile − 0.0104×His − 0.0147×Trp − 0.0026×Lys
指標式52による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図164)のAUCによる評価を行い、0.897±0.037(95%信頼区間は0.824〜0.970)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式52と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図165、図166、図167および図168に示す。また、図165、図166、図167、図168に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式53が得られた。
指標式53:1/(1+exp(−x))
ただし、x=2.1059 + 0.0194×Tau + 0.0394×Ser + 0.1120×Ile − 0.0992×His − 0.1170×Trp − 0.0216×Lys
指標式53による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に関して、ROC曲線(図169)のAUCによる評価を行い、0.898±0.037(95%信頼区間は0.825〜0.971)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式53と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図170、図171、図172および図173に示す。また、図170、図171、図172、図173に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標を線形判別解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式54が得られた。
指標式54: 1.7238 − 0.0031×Val − 0.0106×Met + 0.0040×Leu − 0.0033×Tyr − 0.0121×His + 0.0015×Arg
指標式54による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図174)のAUCによる評価を行い、0.812±0.037(95%信頼区間は0.740〜0.884)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式54と同等の判別性能を有する線形判別式は複数得られた。それらを図175、図176、図177および図178に示す。また、図175、図176、図177、図178に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
つぎに、活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別性能を最大化する指標をロジスティック回帰解析により鋭意探索し、同等の性能を持つ複数の指標の中に指標式55が得られた。
指標式55:1/(1+exp(−x))
ただし、x=7.8348 − 0.0197×Val − 0.0744×Met + 0.0256×Leu − 0.0173×Tyr − 0.0770×His + 0.0088×Arg
指標式55による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に関して、ROC曲線(図179)のAUCによる評価を行い、0.813±0.037(95%信頼区間は0.741〜0.885)が得られ、診断性能が高く有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式55と同等の判別性能を有するロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図180、図181、図182および図183に示す。また、図180、図181、図182、図183に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
実施例8で測定したサンプルの内、同一患者でかつ採血日が異なるデータを用いて、線形判別分析による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に有用な実施例21で得られた指標式52と同等な指標式52’の値の活動期から緩解期への経時変化を比較することで、指標式52’の評価を行った(図184)。図184における線で結ばれているサンプルは同一患者であることを示す。活動期群と緩解期群の2群間の判別を目的に2群間の対応のあるT検定を実施した。活動期群に比べて緩解期群では、指標式が有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。指標式52’が同一患者におけるクローン病の病勢のモニタリングとしても有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式52’と同様に活動期群に比べて緩解期群で有意に減少していた(有意差確率P<0.05)線形判別式は複数得られた。それらを図185、図186、図187および図188に示す。また、図185、図186、図187、図188に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
指標式52’:0.7603 + 0.0026×Tau + 0.0042×Ser + 0.0120×Ile − 0.0104×His − 0.0147×Trp − 0.0026×Lys
つぎに、実施例8で測定したサンプルの内、同一患者でかつ採血日が異なるデータを用いて、ロジスティック回帰分析による活動期のクローン病群と緩解期のクローン病群の2群判別に有用な実施例21で得られた指標式53と同等な指標式53’の値の活動期から緩解期への経時変化を比較することで、指標式53’の評価を行った(図189)。図189における線で結ばれているサンプルは同一患者であることを示す。活動期群と緩解期群の2群間の判別を目的に2群間の対応のあるT検定を実施した。活動期群に比べて緩解期群では、指標式が有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。指標式53’が同一患者におけるクローン病の病勢のモニタリングとしても有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式53’と同様に活動期群に比べて緩解期群で有意に減少していた(有意差確率P<0.05)ロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図190、図191、図192および図193に示す。また、図190、図191、図192、図193に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
指標式53’:1/(1+exp(−x))
ただし、x=5.5692 − 0.106×His − 0.1283×Trp − 0.0193×Lys + 0.0201×Tau + 0.134×Ile
実施例8で測定したサンプルの内、同一患者でかつ採血日が異なるデータを用いて、線形判別分析による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に有用な実施例21で得られた指標式54と同等な指標式54’の値の活動期から緩解期への経時変化を比較することで、指標式54’の評価を行った(図194)。図194における線で結ばれているサンプルは同一患者であることを示す。活動期群と緩解期群の2群間の判別を目的に2群間の対応のあるT検定を実施した。活動期群に比べて緩解期群では、指標式が有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。指標式54’が同一患者における潰瘍性大腸炎の病勢のモニタリングとしても有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式54’と同様に活動期群に比べて緩解期群で有意に減少していた(有意差確率P<0.05)線形判別式は複数得られた。それらを図195、図196、図197および図198に示す。また、図195、図196、図197、図198に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
指標式54’:1.52561 + 0.01450×Cit − 0.00423×Val − 0.01341×Met + 0.01245×Ile − 0.00764×His − 0.01173×Trp
つぎに、実施例8で測定したサンプルの内、同一患者でかつ採血日が異なるデータを用いて、ロジスティック回帰分析による活動期の潰瘍性大腸炎群と緩解期の潰瘍性大腸炎群の2群判別に有用な実施例21で得られた指標式55と同等な指標式55’の値の活動期から緩解期への経時変化を比較することで、指標式55’の評価を行った(図199)。図199における線で結ばれているサンプルは同一患者であることを示す。活動期群と緩解期群の2群間の判別を目的に2群間の対応のあるT検定を実施した。活動期群に比べて緩解期群では、指標式が有意に減少していた(有意差確率P<0.05)。指標式55’が同一患者におけるクローン病の病勢のモニタリングとしても有用な指標であることが判明した。なお、このほかに指標式55’と同様に活動期群に比べて緩解期群で有意に減少していた(有意差確率P<0.05)ロジスティック回帰式は複数得られた。それらのxを図200、図201、図202および図203に示す。また、図200、図201、図202、図203に示す式は、定数の加算や定数倍のような線形変換やロジット変換のような単調増加もしくは単調減少の変換したものでもよい。
指標式55’:1/(1+exp(−x))
ただし、x=7.1113 − 0.0564×His − 0.0796×Trp − 0.0208×Val − 0.1037×Met + 0.0635×Ile + 0.1045×Cit