JP2019019613A - アンカーボルト締結構造およびアンカーボルト締結方法 - Google Patents

アンカーボルト締結構造およびアンカーボルト締結方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造において、被締結物の振動を抑えつつ、締結部の信頼性向上が可能なアンカーボルト締結構造を提供する。
【解決手段】
アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造であって、基礎に固定されたアンカーボルトと、アンカーボルト通し穴を有し、前記アンカーボルト通し穴に前記アンカーボルトが挿通されて前記基礎上に配置された被締結物と、前記アンカーボルトに螺嵌され、前記被締結物を前記基礎上に固定するナットと、を備え、前記アンカーボルト、前記被締結物、前記ナットのいずれよりも融点の低い金属が前記アンカーボルトと前記アンカーボルト通し穴の間隙に充填されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造およびアンカーボルト締結方法に係り、特に、振動が発生する被締結物の固定に適用して有効な技術に関する。
軸流ファンや圧縮機などの産業機器の原価低減への要請が高まり、軽量化を通じた原価低減が推進されている。通常、軽量化により機器の剛性が低下すると、機器の固有振動数は低下する。低下した固有振動数が機器の運転周波数と一致すると共振が発生し、機器の性能不全や破損が生じる可能性が高まる。そのため、機器の固有振動数を維持しつつ、軽量化を進めることが重要となる。
機器の固有振動数は、構造物(機器)自体の剛性のみならず、基礎に対する締結部材(アンカーボルト)の締結部の剛性にも大きく依存する。そのため、基礎とアンカーボルトとの間の締結構造における剛性を向上させることにより、機器の固有振動数を増大させる事が可能である。本発明は、いわゆる箱抜き形式により施工した、機器と基礎の間のアンカーボルト締結構造を対象とする。
箱抜き形式によるアンカーボルトの施工では、被締結物(機器の取り付け金具等)に設けられたアンカーボルト通し穴にアンカーボルトを挿入した状態で、被締結物及びアンカーボルトの仮固定を行う。被締結物の据え付け調整の後、アンカーボルト下部が埋没するようにグラウトを注入することで、基礎を敷設すると同時に、基礎に対しアンカーボルトを固定する。最後に、アンカーボルトにナットを取り付け、被締結物を基礎に対し固定する。
施工時の位置ずれを考慮し、被締結物に設けられたアンカーボルトの通し穴は、一般的にアンカーボルトの径よりも大幅に大きく加工される。その結果、アンカーボルト側面と、アンカーボルト通し穴内面の間にはクリアランスが存在する。また、ナット座面圧力の分散を目的に被締結物とナットの間に座金が用いられるケースや、ナットの緩み止めを目的にダブルナットが採用されるケースもある。
締結部の締結特性を向上させる方策として、アンカーボルト側面とアンカーボルト通し穴の間のクリアランスを充填剤により埋める手法が提案されている。例えば、特許文献1の構造においては、クリアランス部及びナット座面部に合成樹脂を材料とする充填剤を充填し、各部材間を接着することで、ナットの緩みを抑制している。
また、特許文献2には、ボルトと車体フレーム(被締結部材)との間に、ボルトより剛性の弱い金属、例えばAl−Mn系アルミ合金で構成された充填材が装着され、ボルトとナットとを締めつけると、充填材が変形してボルトと車体フレームとの隙間が埋められる自動車構造材の締結構造が開示されている。
特開平8−232939号公報 特開平7−269530号公報
アンカーボルト締結部の水平方向剛性を向上させるための方策として、締結部が水平方向に荷重を受けた際の力の支点をナット座面に近づけ、アンカーボルトの受ける曲げモーメントを低下させることが考えられる。従来構造では、アンカーボルトまたはナットに対し水平方向に力が加わると、基礎上面とアンカーボルトとの間の接合部が力の支点となる。ナット座面と力の支点は被締結物の板厚分だけ距離が離れているため、アンカーボルトに作用する曲げモーメントは大きくなり、アンカーボルト締結部の水平方向剛性は低くなる。
上記特許文献1のように、アンカーボルト側面とアンカーボルト通し穴内面の間のクリアランス部に充填剤を充填すると、力の支点が充填剤上面とアンカーボルト側面の接合部へと変わる。その結果、力の支点がナットの座面に近づき、アンカーボルトの受ける曲げモーメントが低下するため、曲げ剛性の向上が期待できる。
しかしながら、特許文献1のように、アンカーボルト側面とアンカーボルト通し穴の間のクリアランスに樹脂系材料を充填する場合、アンカーボルトやナットといった金属を材料とする締結部材と比べて充填剤の剛性は大幅に低いため、アンカーボルト締結部における水平方向剛性の大幅な向上は見込めない。
また、上記特許文献2の締結構造においても、ボルトと車体フレーム(被締結部材)との間に装着される充填材にAl−Mn系アルミ合金のようなボルトより剛性の弱い金属を用いるとしており、特許文献1と同様に、アンカーボルト締結部における水平方向剛性の大幅な向上は期待できない。
そこで、本発明の目的は、アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造において、被締結物の振動を抑えつつ、締結部の信頼性向上が可能なアンカーボルト締結構造を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、アンカーボルトとナットを用いて被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結方法において、被締結物の振動を抑えつつ、締結部の信頼性向上が可能なアンカーボルト締結方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造であって、基礎に固定されたアンカーボルトと、アンカーボルト通し穴を有し、前記アンカーボルト通し穴に前記アンカーボルトが挿通されて前記基礎上に配置された被締結物と、前記アンカーボルトに螺嵌され、前記被締結物を前記基礎上に固定するナットと、を備え、前記アンカーボルト、前記被締結物、前記ナットのいずれよりも融点の低い金属が前記アンカーボルトと前記アンカーボルト通し穴の間隙に充填されていることを特徴とする。
また、本発明は、アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造であって、基礎に固定されたアンカーボルトと、アンカーボルト通し穴を有し、前記アンカーボルト通し穴に前記アンカーボルトが挿通されて前記基礎上に配置された被締結物と、前記アンカーボルトに螺嵌され、前記被締結物を前記基礎上に固定するナットと、を備え、前記アンカーボルト通し穴内に前記アンカーボルトを支持する板材を有することを特徴とする。
また、本発明は、(a)被締結物の開口を基礎に固定されたアンカーボルトに挿入し、前記被締結物を前記基礎上に配置する工程と、(b)前記アンカーボルト、前記被締結物、ナットのいずれよりも融点の低い金属材料を前記アンカーボルトと前記開口の間隙に充填する工程と、(c)前記アンカーボルトに前記ナットを螺嵌し、前記被締結物を前記基礎上に固定する工程、を含むアンカーボルト締結方法である。
本発明によれば、アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造において、被締結物の振動を抑えつつ、締結部の信頼性向上が可能なアンカーボルト締結構造を実現できる。
また、アンカーボルトとナットを用いて被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結方法において、被締結物の振動を抑えつつ、締結部の信頼性向上が可能なアンカーボルト締結方法を実現できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係る軸流ファンの全体概要を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係るアンカーボルト締結構造の断面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において、同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1および図5,図6を参照して、実施例1のアンカーボルト締結構造およびアンカーボルト締結方法について説明する。図1は本実施例のアンカーボルト締結構造を示す断面図であり、図5は本発明の対象となる被締結部材の例を示す斜視図である。なお、本実施例では、被締結部材の例として図5に示す軸流ファンを用いて説明する。図6は本発明の代表的なアンカーボルト締結方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施例のアンカーボルト締結構造100は、主要な構成として、アンカーボルト101、ナット102、被締結物103、基礎104、充填剤105を備えている。アンカーボルト101は、グラウトを材料とする基礎104表面に対し鉛直に施設され、アンカーボルト101の下部を基礎104に埋没させることにより、固定されている。
被締結物103は、例えば軸流ファンの脚部に設けられる取り付け金具(固定金具)等である。また、グラウト(grout)とは、建設工事等において空洞、空隙、隙間などを埋めるために注入する流動性の液体を指し、例えばセメントやモルタル、ガラス材、合成樹脂などである。
アンカーボルト101の上部には雄ネジ部106が設けられており、雄ネジ部106は基礎104より突出している。被締結物103にはアンカーボルト通し穴107が設けられ、被締結物103はアンカーボルト101がアンカーボルト通し穴107の内側を貫通して配置されるよう、基礎104上に設置される。被締結物103は、アンカーボルトの雄ネジ部106に取り付けられた(螺合された)ナット102により、基礎104に対し締結・固定される。
アンカーボルト101の側面とアンカーボルト通し穴107の内面の間には、充填剤105が充填されている。なお、アンカーボルト101やナット102、被締結物103などの他の締結用部材の溶融を防ぐため、充填剤105の材質は、被締結物103やナット102より融点の低い材料とする必要がある。また、締結部の剛性を大きく向上させるためには、充填剤105の材料として、アンカーボルト101や被締結物103といった他の締結部材と剛性差の小さいものを用いることが必須であるため、アルミニウムや鉛等を主成分とする金属材料を用いる。
なお、充填剤105がアンカーボルト通し穴107より溢れ出てしまうと、ナット102により被締結物103を締結することが困難となる。そのため、充填剤105はアンカーボルト通し穴107上部に空隙部108が残るよう充填するのが好適である。
アンカーボルト101と充填剤105、充填剤105とアンカーボルト通し穴107内面との接触面は接合状態にあり、アンカーボルト101またはナット102に対し水平方向に力が付与されると、アンカーボルト101と充填剤105の接合部が力の支点となる。従来構造と比べて、力の支点と作用点が近づくことで、アンカーボルト101にかかる曲げモーメントが小さくなり、アンカーボルト締結部の水平方向剛性が向上する。また、アンカーボルト101と充填剤105が接合されることにより、アンカーボルト締結部の鉛直方向剛性も向上する。
充填剤105は、アンカーボルト101に対する被締結物103の配置を仮決めした後、溶融させた充填剤105をアンカーボルト101と被締結物103の間(アンカーボルト101の側面とアンカーボルト通し穴107の内面の間)に流し込むことで充填する。
充填剤105が固化した後、ナット102を締め被締結物103を固定する。このような手順を取ることにより、アンカーボルト101がアンカーボルト通し穴107に対し大きく偏心している場合でも、支障なく施工する事が可能となる。なお、被締結物103とナット102の間に座金を挟んだ構造としてもよく、ナット102をダブルナットとしてもよい。(本実施例の変形例については、後述する他の実施例で詳しく説明する。)
本発明の対象となる被締結部材の例として、図5に軸流ファン1の全体概要を示す。軸流ファン1の用途としては、例えば産業プラント内の吸排気やトンネル工事現場等の吸排気、ビル空調のための送風機などが挙げられる。軸流ファン1は、ケーシング内で羽根車(ブレード)が高速で回転するため、騒音と共に振動が発生する。軸流ファン1は、その構造や重量、基礎104への固定状態により一意的に決定される固有振動数を有しており、軸流ファン1の稼働時に発生する振動の周波数(運転周波数)がこの固有振動数と一致した場合、共振作用により軸流ファン1の振動(振幅)が増幅され、軸流ファン1に故障や破損が生じる恐れがある。
そこで、本実施例では、図5に示すように、上述したアンカーボルト締結構造100により軸流ファン1を基礎104に締結・固定する。従来のアンカーボルト締結構造では、アンカーボルトまたはナットに対し水平方向に力が付与されると、基礎上面とアンカーボルトとの間の接合部が力の支点となる。荷重点と支点の間の間隔が被締結物の板厚分だけ離れているため、アンカーボルトに作用する曲げモーメントは大きくなり、アンカーボルト締結部の水平方向剛性は低くなる。
一方、本実施例のアンカーボルト締結構造100において、アンカーボルト101は、アンカーボルト101側面と被締結物103に設けたアンカーボルト通し穴107の内面との間に充填された剛性の高い金属材料(充填剤105)によって支持される。アンカーボルト101またはナット102に対し水平方向に力が付与されると、力の支点は充填剤105上面とアンカーボルト101側面の接合部となり、力の作用点と支点は従来構造よりもナット102の座面側に近づくため、アンカーボルト101に作用する曲げモーメントは小さくなり、水平方向剛性が向上する。
以上の原理により、本実施例のアンカーボルト締結構造100では従来構造と比べて被締結物(軸流ファン1)の固有振動数が増大し、振動信頼性が向上する。
図6を用いて、上述したアンカーボルト締結構造100による代表的なアンカーボルト締結方法を説明する。
先ず、被締結物103の開口(軸流ファン1の取り付け金具のアンカーボルト通し穴107)を基礎104に固定されたアンカーボルト101へ挿入し、被締結物103(軸流ファン1)を基礎104上へ配置する。(ステップS1)
次に、被締結物103の開口(軸流ファン1の取り付け金具のアンカーボルト通し穴107)とアンカーボルト101の間隙に充填剤105(他の締結部材よりも融点が低い金属材料)を注入する。(ステップS2)
続いて、アンカーボルト101にナット102を螺嵌(らかん)し、被締結物103(軸流ファン1)を基礎104に締結・固定する。(ステップS3)
以上の各ステップを経ることで、被締結物103(軸流ファン1)の振動を抑えつつ、締結部の信頼性を向上することができる。
なお、本実施例のアンカーボルト締結構造100は、上記した軸流ファン以外にも、例えば産業用の圧縮機や軸流ポンプなど、箱抜き形式により施工したアンカーボルト締結部に対して汎用的に適用することができる。
図2を参照して、実施例2のアンカーボルト締結構造について説明する。図2は本実施例のアンカーボルト締結構造200を示す断面図であり、図1のアンカーボルト通し穴107の形状を変更した変形例である。
本実施例のアンカーボルト締結構造200は、図2に示すように、アンカーボルト通し穴107に関し、ナット102座面付近のアンカーボルト通し穴上部201(小径部)の穴径が、基礎104上面付近のアンカーボルト通し穴下部202(大径部)の径より小さくなる構造としている点において、実施例1のアンカーボルト締結構造100とは異なる。
図2のように、被締結物103のアンカーボルト通し穴をアンカーボルト通し穴上部201(小径部)とアンカーボルト通し穴下部202(大径部)の二段構造にすることで、充填剤105が被締結物103と上下方向にかみ合うようになり、充填剤105と被締結物103との接合部のみならず、充填剤105自体の剛性がアンカーボルト締結部における鉛直方向剛性の向上に寄与する。
その結果、実施例1(図1)のアンカーボルト締結構造100のようにアンカーボルト通し穴107の穴径を一定とした場合に比べて、鉛直方向剛性をさらに向上させる効果を見込むことができる。
図3を参照して、実施例3のアンカーボルト締結構造について説明する。図3は本実施例のアンカーボルト締結構造300を示す断面図であり、図1のアンカーボルト通し穴107の形状を変更した変形例である。
本実施例のアンカーボルト締結構造300は、図3に示すように、アンカーボルト通し穴107に関し、ナット102座面付近のアンカーボルト通し穴上部301(大径部)の穴径が、基礎104上面付近のアンカーボルト通し穴下部302(小径部)の穴径より大きくなる構造としている点において、実施例1のアンカーボルト締結構造100とは異なる。
図3のように、被締結物103のアンカーボルト通し穴をアンカーボルト通し穴上部301(大径部)とアンカーボルト通し穴下部302(小径部)の二段構造にすることで、実施例2(図2)の形状(構造)と同様に、充填剤105自体の剛性がアンカーボルト締結部における鉛直方向剛性の向上に寄与する。
その結果、実施例1(図1)のアンカーボルト締結構造100のようにアンカーボルト通し穴107の穴径を一定とした場合に比べて、鉛直方向剛性をさらに向上させる効果を見込むことができる。
図4を参照して、実施例4のアンカーボルト締結構造について説明する。図4は本実施例のアンカーボルト締結構造400を示す断面図であり、図1の基礎104におけるアンカーボルト101挿入部(結合部)を凹形状へと変更した変形例である。
本実施例のアンカーボルト締結構造400は、図4に示すように、基礎104に凹部401が設けられている点において、実施例1のアンカーボルト締結構造100とは異なる。凹部401は、その外郭(外周部)がアンカーボルト通し穴107の外周の外側にあるよう施工する。つまり、凹部401の開口径がアンカーボルト通し穴107の穴径よりも大きくなるように凹部401を設ける。基礎104に凹部401を設けたことにより、充填剤105は被締結物103直下にも導入される。充填剤105は被締結物103と上下方向にかみ合った形状(構造)となり、充填剤105と被締結物103との接合部のみならず、充填剤105自体の剛性がアンカーボルト締結部における鉛直方向剛性の向上に寄与する。
その結果、実施例1(図1)のアンカーボルト締結構造100のように基礎104に凹部401を設けない構造に比べて、鉛直方向剛性をさらに大きく向上させることができる。
図7を参照して、実施例5のアンカーボルト締結構造について説明する。図7は本実施例のアンカーボルト締結構造700を示す断面図であり、図1のアンカーボルト締結構造100に座金701を適用した変形例である。
本実施例のアンカーボルト締結構造700は、図7に示すように、ナット102と被締結物103の間に座金701が設けられている点において、実施例1のアンカーボルト締結構造100とは異なる。本実施例のように、ナット102と被締結物103の間に座金701を介在させることで、ナット102と被締結物103との間の実効的な接触面積が増え、アンカーボルト101にナット102を螺嵌(らかん)する際の締め付け効果を上げることができる。また、アンカーボルト締結構造700の固定後のナット102の緩み止めの効果も期待できる。
その結果、実施例1(図1)のアンカーボルト締結構造100のように座金701を設けない構造に比べて、アンカーボルト締結部の信頼性をさらに向上させることができる。
図8を参照して、実施例6のアンカーボルト締結構造について説明する。図8は本実施例のアンカーボルト締結構造800を示す断面図であり、図1のアンカーボルト締結構造100にメタルシール801を適用した変形例である。
本実施例のアンカーボルト締結構造800は、図8に示すように、被締結物103と基礎104の間にメタルシール801が設けられている点において、実施例1のアンカーボルト締結構造100とは異なる。本実施例のように、被締結物103と基礎104の間にメタルシール801を設けることで、アンカーボルト101とアンカーボルト通し穴107の間隙に充填剤105を注入した際に、被締結物103と基礎104との境界部分の隙間に充填剤105が漏れ出すのを抑制することができる。
その結果、アンカーボルト101とアンカーボルト通し穴107の間隙に所望の量の充填剤105を確実に注入することができ、アンカーボルト締結部の信頼性をさらに向上させることができる。
図9を参照して、実施例7のアンカーボルト締結構造について説明する。図9は本実施例のアンカーボルト締結構造900を示す断面図であり、図1のアンカーボルト締結構造100の充填剤105に替えて、板材901を適用した変形例である。
本実施例のアンカーボルト締結構造900は、図9に示すように、アンカーボルト101とアンカーボルト通し穴107の間隙に充填剤105を充填する代わりに、鉄材やステンレス鋼等の剛性の高い金属材料からなる板材901をアンカーボルト101とアンカーボルト通し穴107の間隙に設けている点において、実施例1のアンカーボルト締結構造100とは異なる。本実施例のように、充填剤105に替えて、アンカーボルト101とアンカーボルト通し穴107の間隙に高剛性の板材901を設けることで、アンカーボルト通し穴107内においてアンカーボルト101が板材901により支持されるため、充填剤105を充填した場合と同様の効果が期待できる。
従って、実施例1のアンカーボルト締結構造100と同様に、被締結物103(軸流ファン1)の振動を抑えつつ、締結部の信頼性を向上することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…軸流ファン
100,200,300,400,700,800,900:アンカーボルト締結構造
101:アンカーボルト
102:ナット
103:被締結物(機器の取付け金具等)
104:基礎
105:充填剤
106:アンカーボルトの雄ネジ部
107:アンカーボルト通し穴
108:空隙部
201:アンカーボルト通し穴上部(小径部)
202:アンカーボルト通し穴下部(大径部)
301:アンカーボルト通し穴上部(大径部)
302:アンカーボルト通し穴下部(小径部)
401:凹部(基礎凹部)
701:座金
801:メタルシール
901:板材

Claims (12)

  1. アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造であって、
    基礎に固定されたアンカーボルトと、
    アンカーボルト通し穴を有し、前記アンカーボルト通し穴に前記アンカーボルトが挿通されて前記基礎上に配置された被締結物と、
    前記アンカーボルトに螺嵌され、前記被締結物を前記基礎上に固定するナットと、を備え、
    前記アンカーボルト、前記被締結物、前記ナットのいずれよりも融点の低い金属が前記アンカーボルトと前記アンカーボルト通し穴の間隙に充填されていることを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  2. 請求項1に記載のアンカーボルト締結構造であって、
    前記金属と前記ナットの間に空隙部を有することを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  3. 請求項1または2に記載のアンカーボルト締結構造であって、
    前記アンカーボルト通し穴は、大径部と小径部を有し、
    前記小径部が前記大径部よりも前記ナット側であることを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  4. 請求項1または2に記載のアンカーボルト締結構造であって、
    前記アンカーボルト通し穴は、大径部と小径部を有し、
    前記大径部が前記小径部よりも前記ナット側であることを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  5. 請求項1または2に記載のアンカーボルト締結構造であって、
    前記基礎の前記アンカーボルトとの結合部に、開口径が前記アンカーボルト通し穴の穴径よりも大きな凹部を有し、
    前記凹部に前記金属が充填されていることを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のアンカーボルト締結構造であって、
    前記ナットと前記被締結物の間に座金を有することを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のアンカーボルト締結構造であって、
    前記被締結物と前記基礎の間にメタルシールを有することを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のアンカーボルト締結構造であって、
    前記金属は、アルミニウムまたは鉛を主成分とすることを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  9. アンカーボルトとナットにより被締結物を基礎に固定するアンカーボルト締結構造であって、
    基礎に固定されたアンカーボルトと、
    アンカーボルト通し穴を有し、前記アンカーボルト通し穴に前記アンカーボルトが挿通されて前記基礎上に配置された被締結物と、
    前記アンカーボルトに螺嵌され、前記被締結物を前記基礎上に固定するナットと、を備え、
    前記アンカーボルト通し穴内に前記アンカーボルトを支持する板材を有することを特徴とするアンカーボルト締結構造。
  10. 以下の工程を含むアンカーボルト締結方法;
    (a)被締結物の開口を基礎に固定されたアンカーボルトに挿入し、前記被締結物を前記基礎上に配置する工程と、
    (b)前記アンカーボルト、前記被締結物、ナットのいずれよりも融点の低い金属材料を前記アンカーボルトと前記開口の間隙に充填する工程と、
    (c)前記アンカーボルトに前記ナットを螺嵌し、前記被締結物を前記基礎上に固定する工程。
  11. 請求項10に記載のアンカーボルト締結方法であって、
    前記(b)工程において、前記金属材料と前記ナットの間に空隙部を形成するように前記金属材料を充填することを特徴とするアンカーボルト締結方法。
  12. 請求項10または11に記載のアンカーボルト締結方法であって、
    前記金属材料は、アルミニウムまたは鉛を主成分とすることを特徴とするアンカーボルト締結方法。
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