JP2019019170A - 緩衝器用潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、酸化安定性及び熱安定性に優れる緩衝器用潤滑油組成物を提供すること。【解決手段】潤滑油基油と、アミン系酸化防止剤と、脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体と、脂肪酸アミドと、を含有し、組成物全量基準で、アミン系酸化防止剤の含有量C(A)、エステルの含有量C(B)、共重合体の含有量C(C)、及び脂肪酸アミドの含有量C(D)が、0.1≦C(A)≦0.5、0.1≦C(B)≦1.0、0.1≦C(C)≦2.0、0.02≦C(D)≦0.5、1.0≦C(C)/C(B)≦5.0、及び1.0≦C(B)/C(D)≦5.0で表される条件を満たし、100℃動粘度が2.0〜3.5mm2/sである、緩衝器用潤滑油組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、緩衝器用潤滑油組成物に関する。
緩衝器は乗用車の車体とタイヤとの間に設置され、路面凹凸による車体の振動、急加速又は急ブレーキの際に発生する揺れ等を緩衝する働きを担っている。そのため、緩衝器に用いられる潤滑油組成物には、緩衝器における摺動を伴う部位(ピストンロッド、オイルシール及びピストンバンドとシリンダーとの摺動部位等)において、潤滑性、摩擦防止剤、熱・酸化防止性等の潤滑剤としての特性が要求される。
緩衝器用潤滑油組成物は、潤滑油基油に各種添加剤を配合したものが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2009−013380号公報 特開2013−199535号公報
ところで、緩衝器用潤滑油組成物においては、操縦安定性の向上の観点から、動き出す前の摩擦力(静摩擦力)を向上させつつ、乗り心地の向上の観点から、動き出してからの摩擦力(動摩擦力)を低減させることが求められている。しかし、従来の潤滑油組成物を緩衝器に適用すると、動摩擦力を低減することができたとしても、静摩擦力も連動して低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、酸化安定性及び熱安定性に優れる緩衝器用潤滑油組成物を提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者らは、潤滑油基油に特定の添加剤を加えることによって、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができることを見出した。さらに、特定の添加剤成分の含有量比を調整することによって、酸化安定性及び熱安定性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[3]に示す潤滑油組成物、下記[4]に示す組成物の使用(応用)、並びに、下記[5]に示す組成物の製造のための使用(応用)を提供する。
[1]潤滑油基油と、アミン系酸化防止剤と、脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体と、脂肪酸アミドと、を含有する、緩衝器用潤滑油組成物であって、組成物全量を基準とする、前記アミン系酸化防止剤の含有量C(A)(単位:質量%)、前記エステルの含有量C(B)(単位:質量%)、前記共重合体の含有量C(C)(単位:質量%)、及び前記脂肪酸アミドの含有量C(D)(単位:質量%)が、下記式(1)〜(6):
0.1≦C(A)≦0.5 (1)
0.1≦C(B)≦1.0 (2)
0.1≦C(C)≦2.0 (3)
0.02≦C(D)≦0.5 (4)
1.0≦C(C)/C(B)≦5.0 (5)
1.0≦C(B)/C(D)≦5.0 (6)
で表される条件を満たし、100℃における動粘度が2.0〜3.5mm/sである、緩衝器用潤滑油組成物。
[2]エステルが部分エステルである、[1]に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
[3]フェノール系酸化防止剤をさらに含有し、フェノール系酸化防止剤の含有量が、組成物全量を基準として、0.1質量%未満である、[1]又は[2]に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
[4]組成物の、緩衝器に用いられる潤滑油としての使用(応用)であって、組成物が、潤滑油基油と、アミン系酸化防止剤と、脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体と、脂肪酸アミドと、を含有し、組成物全量を基準とする、前記アミン系酸化防止剤の含有量C(A)(単位:質量%)、前記エステルの含有量C(B)(単位:質量%)、前記共重合体の含有量C(C)(単位:質量%)、及び前記脂肪酸アミドの含有量C(D)(単位:質量%)が、下記式(1)〜(6):
0.1≦C(A)≦0.5 (1)
0.1≦C(B)≦1.0 (2)
0.1≦C(C)≦2.0 (3)
0.02≦C(D)≦0.5 (4)
1.0≦C(C)/C(B)≦5.0 (5)
1.0≦C(B)/C(D)≦5.0 (6)
で表される条件を満たし、100℃における動粘度が2.0〜3.5mm/sである、使用(応用)。
[5]組成物の、緩衝器に用いられる潤滑油の製造のための使用(応用)であって、組成物が、潤滑油基油と、アミン系酸化防止剤と、脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体と、脂肪酸アミドと、を含有し、組成物全量を基準とする、前記アミン系酸化防止剤の含有量C(A)(単位:質量%)、前記エステルの含有量C(B)(単位:質量%)、前記共重合体の含有量C(C)(単位:質量%)、及び前記脂肪酸アミドの含有量C(D)(単位:質量%)が、下記式(1)〜(6):
0.1≦C(A)≦0.5 (1)
0.1≦C(B)≦1.0 (2)
0.1≦C(C)≦2.0 (3)
0.02≦C(D)≦0.5 (4)
1.0≦C(C)/C(B)≦5.0 (5)
1.0≦C(B)/C(D)≦5.0 (6)
で表される条件を満たし、100℃における動粘度が2.0〜3.5mm/sである、使用(応用)。
本明細書における40℃及び100℃における動粘度並びに粘度指数は、それぞれJIS K2283:2000「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準拠して測定される値を意味する。
本発明によれば、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、酸化安定性及び熱安定性に優れる緩衝器用潤滑油組成物を提供することを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、潤滑油基油と、アミン系酸化防止剤と、脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体と、脂肪酸アミドと、を含有する。
<潤滑油基油>
本実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油を含有する。潤滑油基油は、特に制限されずに、通常の潤滑油に使用される基油を使用することができる。具体的には、鉱油系基油、合成系基油、又は両者の混合物が挙げられる。
鉱油系基油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、又は芳香族系の原油の蒸留により得られる灯油留分;灯油留分からの抽出操作等により得られるノルマルパラフィン;及びパラフィン系、ナフテン系、又は芳香族系の原油の蒸留により得られる潤滑油留分、あるいは潤滑油脱ろう工程により得られる、スラックワックス等のワックス及び/又はガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる、フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等の合成ワックスを原料とし、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、水素化異性化、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を1つ又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、ノルマルパラフィン系基油、イソパラフィン系基油、芳香族系基油が挙げられる。これらの鉱油系基油は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。また、後述の合成系基油の1種以上と任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
合成系基油としては、例えば、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。これらのうち、合成系基油はポリα−オレフィンが好ましい。これらの合成系基油は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。また、前述の合成系基油の1種以上と任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
潤滑油基油の40℃における動粘度は、特に制限されないが、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上、さらに好ましくは4mm/s以上である。また、好ましくは20mm/s以下、より好ましくは15mm/s以下、さらに好ましくは10mm/s以下である。40℃における動粘度が上記の範囲内であると、潤滑油基油の適正な粘性を確保でき、実使用温度域において良好な油膜が得られる傾向にある。
潤滑油基油の100℃における動粘度は、特に制限されないが、好ましくは0.1mm/s以上、より好ましくは0.5mm/s以上、さらに好ましくは1mm/s以上である。また、好ましくは8mm/s以下、より好ましくは5mm/s以下、さらに好ましくは3mm/s以下である。100℃における動粘度が上記の範囲内であると、潤滑油基油の適正な粘性を確保でき、実使用温度域において良好な油膜が得られる傾向にある。
潤滑油基油の粘度指数は、特に制限されないが、好ましくは60以上、より好ましくは80以上、さらに好ましくは90以上である。粘度指数が上記の範囲内であると、外部の温度に対して粘度の安定性が確保されるため、使用時における外部の温度変化に対しても安定的に油膜を形成できる傾向にある。潤滑油基油の粘度指数の上限は、特に制限されないが、例えば、150以下であってよい。
潤滑油基油の流動点は、特に制限されないが、−20℃以下、−30℃以下又は−40℃以下であってよい。
潤滑油基油の引火点は、特に制限されないが、130℃以上、140℃以上又は150℃以上であってよい。
<潤滑油用添加剤>
[酸化防止剤]
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤を含有する。アミン系酸化防止剤は、特に制限されずに、通常の潤滑油に使用される添加剤を使用することができる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、下記一般式(A)で表される(p,p’)−アルキル化ジフェニルアミン、下記一般式(B)で表されるアルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。これらのアミン系酸化防止剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
Figure 2019019170
一般式(A)において、RA1及びRA2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示す。RA1及びRA2としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜8である。RA1及びRA2は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 2019019170
一般式(B)において、RB1は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。RB1としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜18である。
アミン系酸化防止剤の含有量C(A)は、下記式(1)で表される条件を満たす。
0.1≦C(A)≦0.5 (1)
式(1)中、C(A)は、組成物全量を基準としたときのアミン系酸化防止剤の含有量(単位:質量%)を示す。
C(A)は、潤滑油組成物の酸化安定性及び熱安定性の観点から、0.1以上、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上であり、また、0.5以下、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.4以下である。
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤に加えて、組成物全量基準として、0.1質量%未満のフェノール系酸化防止剤をさらに含有していてもよい。フェノール系酸化防止剤は、特に制限されずに、通常の潤滑油に使用される添加剤を使用することができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、下記一般式(C)で表されるヒンダードフェノール等が挙げられる。これらのフェノール系酸化防止剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
Figure 2019019170
式(C)中、RC1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は下記式(D)で表される基を示し、RC2及びRC3は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示す。RC1としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6である。
Figure 2019019170
式(D)中、RD1は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、RD2は炭素数1〜20のアルキル基を示す。RD1としてのアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2である。RD2としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜18、より好ましくは6〜12である。
フェノール系酸化防止剤を含有する場合の含有量は、組成物全量基準として、0.1質量%未満、好ましくは0.09質量%以下である。
[脂肪酸と多価アルコールとのエステル]
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、脂肪酸と多価アルコールとから構成されるエステル(以下、単に「エステル」という場合がある。)を含有する。当該エステルを緩衝器用潤滑油組成物に含有することによって、摺動部位における動摩擦力を低減させることが可能となる。
エステルを構成する脂肪酸は、例えば、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸であってもよい。アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは8〜24、より好ましくは10〜20である。これらの脂肪酸は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
エステルを構成する多価アルコールは、例えば、炭素数2〜8の2〜6価の脂肪族アルコールであってもよい。多価アルコールの炭素数は、好ましくは2〜6、より好ましくは3〜5である。多価アルコールの価数は、好ましくは2〜4価、より好ましくは3価又は4価である。これらの多価アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビタン、グリセロール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
エステルとしては、例えば、オレイン酸とソルビタン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの部分エステル、すなわち、ソルビタンモノオレート、グリセロールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエート等が挙げられる。これらのエステルは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
エステルは、多価アルコールの水酸基の一部がエステル化されていない部分エステルであっても、多価アルコールの水酸基の全部がエステル化されている完全エステルであってもよい。エステルは、摩擦特性の観点から、部分エステルであることが好ましい。
エステルの製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の製造方法であってよい。
エステルの含有量C(B)は、下記式(2)で表される条件を満たす。
0.1≦C(B)≦1.0 (2)
式(2)中、C(B)は、組成物全量を基準としたときのエステルの含有量(単位:質量%)を示す。
C(B)は、潤滑油組成物の酸化安定性、摩擦特性(特に、動摩擦係数)及び熱安定性の観点から、0.1以上、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上である。また、潤滑油組成物の摩擦特性(特に、静摩擦係数)の観点から、1.0以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下である。
[α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体]
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体とから構成される共重合体(以下、単に「共重合体」という場合がある。)を含有する。当該共重合体を緩衝器用潤滑油組成物に含有させることによって、摺動部位における静摩擦力(μs)を高めることが可能となる。
α−オレフィンは、特に制限されないが、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは炭素数12〜16のα−オレフィンである。α−オレフィンは、直鎖状又は分岐状であってもよい。このようなα−オレフィンを用いることによって、非極性基油と良好な相溶性を有する共重合体を得ることができる。なお、スチレン類はα−オレフィンに包含されない。
α−オレフィンとしては、例えば、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
重合性不飽和結合を有するエステル単量体は、重合性不飽和結合とエステル結合とを有する化合物であれば特に制限されないが、好ましくはα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステルである。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステルは、少なくとも一方のカルボキシ基のα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合(すなわち、炭素−炭素二重結合)を形成している不飽和ジカルボン酸のジエステル体である。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸は、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等のように、両方のカルボキシ基についてα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合を形成しており、かつα,β−エチレン性不飽和結合が主鎖中に存在する化合物であってよい。また、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸は、グルタコン酸等のように、一方のカルボキシ基のみについてα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合を形成している化合物であってもよく、イタコン酸等のように、α,β−エチレン性不飽和結合を側鎖に有している化合物であってもよい。
共重合体は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。また、共重合体の構造及び製造方法は、特に制限されるものではなく、それぞれ公知の構造及び製造方法であってよい。
共重合体の重量平均分子量は、好ましくは5000以上、より好ましくは7000以上、さらに好ましくは9000以上である。共重合体の重量平均分子量は、好ましくは20000以下、より好ましくは17000以下、さらに好ましくは14000以下である。
共重合体の含有量C(C)は、下記式(3)で表される条件を満たす。
0.1≦C(C)≦2.0 (3)
式(3)中、C(C)は、組成物全量を基準としたときの共重合体の含有量(単位:質量%)を示す。
C(C)は、潤滑油組成物の摩擦特性(特に、静摩擦係数)の観点から、0.1以上、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上であり、また、2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。
[脂肪酸アミド]
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、脂肪酸アミドを含有する。脂肪酸アミドは、例えば、脂肪酸と下記一般式(E)で表されるポリアルキレンポリアミンとから構成される脂肪酸アミドであってもよい。
N−(RE1−NH)−H (E)
式(E)中、RE1は、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、mは、2〜6の整数を示す。
脂肪酸アミドを構成する脂肪酸は、例えば、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸であってもよい。アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは8〜24、より好ましくは10〜20である。これらの脂肪酸は単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
脂肪酸アミドを構成する一般式(E)で表されるポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、テトラプロピレンペンタミン、ヘキサブチレンヘプタミン等が挙げられる。これらのポリアルキレンポリアミンは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸アミドは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。また、脂肪酸アミドの製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の製造方法であってよい。
脂肪酸アミドの含有量C(D)は、下記式(4)で表される条件を満たす。
0.02≦C(D)≦0.5 (4)
式(4)中、C(D)は、組成物全量を基準としたときの脂肪酸アミドの含有量(単位:質量%)を示す。
C(D)は、潤滑油組成物の酸化安定性、摩擦特性及び熱安定性の観点から、0.02以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上である。また、潤滑油組成物のスラッジ抑制の観点から、0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下である。
エステルの含有量C(B)及び共重合体の含有量C(C)は、下記式(5)で表される条件を満たす。
1.0≦C(C)/C(B)≦5.0 (5)
式(5)中、C(B)及びC(C)は、組成物全量を基準としたときのエステル及び共重合体の含有量(単位:質量%)を示す。
C(C)/C(B)は、潤滑油組成物の摩擦特性の観点から、1.0以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上である。また、潤滑油組成物の酸化安定性及び摩擦特性(静摩擦係数)の観点から、5.0以下、好ましくは4.5以下、より好ましく4.0以下である。
エステルの含有量C(B)及び脂肪酸アミドの含有量C(D)は、下記式(6)で表される条件を満たす。
1.0≦C(B)/C(D)≦5.0 (6)
式(6)中、C(B)及びC(D)は、組成物全量を基準としたときのエステル及び脂肪酸アミドの含有量(単位:質量%)を示す。
C(B)/C(D)は、潤滑油組成物の酸化安定性、摩擦特性及び熱安定性の観点から、1.0以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であり、また、5.0以下、好ましくは4.5以下、より好ましく4.0以下である。
[摩耗防止剤]
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、摩耗防止剤をさらに含有していてもよい。摩耗防止剤は、特に制限されずに、通常の潤滑油に使用される添加剤を使用することができる。
摩耗防止剤としては、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の摩耗防止剤(極圧剤)等が使用でき、具体的には、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類(中性リン酸エステル、酸性リン酸エステル)、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属(亜鉛)塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。これらのうち、摩耗防止剤は、亜鉛ジチオリン酸エステル(ZnDTP)、中性リン酸エステル及び酸性リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
摩耗防止剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量を基準として、例えば、0.1〜2.0質量%とすることができる。
[粘度指数向上剤]
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、粘度指数向上剤をさらに含有していてもよい。粘度指数向上剤は、特に制限されずに、通常の潤滑油に使用される添加剤を使用することができる。
粘度指数向上剤は、上述のα−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体以外の、非分散型又は分散型のエステル基含有粘度指数向上剤を意味する。例えば、非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤、非分散型又は分散型オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体系粘度指数向上剤、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系粘度指数向上剤及びこれらの混合物等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及びアクリレートを意味する。これらのうち、粘度指数向上剤は、好ましくは非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤であり、より好ましくは非分散型又は分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤である。
粘度指数向上剤としては、その他に、非分散型若しくは分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体、ポリアルキルスチレン等を挙げられる。
粘度指数向上剤の含有量は、所定の動粘度に調整することができるのであれば、特に制限されないが、例えば、0.1〜10.0質量%であってもよい。
[消泡剤]
本実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、消泡剤をさらに含有していてもよい。消泡剤は、特に制限されずに、通常の潤滑油に使用される添加剤を使用することができる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が100〜1000000mm/sのハロゲン化アルキル基を有していてもよいシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコールとのエステル等が挙げられる。
消泡剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量を基準として、例えば、0.1〜100質量ppmとすることができる。
一実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、その目的に応じて、一般的に使用されている任意の潤滑油用添加剤をさらに含有することができる。このような添加剤としては、例えば、金属系清浄剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤等を挙げることができる。
金属系清浄剤としては、例えば、スルホネート系清浄剤、サリチレート系清浄剤、フェネート系清浄剤等が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属との正塩、塩基性塩、過塩基性塩のいずれをも配合することができる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン、アゾール誘導体等が挙げられる。
これらのその他の潤滑油用添加剤を潤滑油組成物に含有する場合、それぞれの含有量は、組成物全量を基準として、0.01〜20質量%であってもよい。
本実施形態に係る潤滑油組成物の100℃における動粘度は、2.0〜3.5mm/sである。100℃における動粘度は、好ましくは2.5mm/s以上、より好ましくは3.0mm/s以上であり、好ましくは3.4mm/s以下、より好ましくは3.3mm/s以下である。100℃における動粘度が上記の範囲内であると、潤滑油組成物の適正な粘性を確保でき、実使用温度域において良好な油膜が得られる傾向にある。
本発明によれば、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、酸化安定性及び熱安定性に優れる潤滑油組成物が提供される。このような潤滑油組成物を緩衝器に適用することによって、より優れた操縦安定性及び乗り心地を得ることができる。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[潤滑油組成物の調製]
(実施例1〜18及び比較例1〜12)
表1、表2及び表3に示すように、実施例1〜18及び比較例1〜12の潤滑油組成物をそれぞれ調製した。なお、潤滑油組成物の調製の際には、その100℃における動粘度が、3.1〜3.3mm/sの範囲内になるように主に粘度指数向上剤の含有量を調整した。得られた潤滑油組成物について、粘度特性、酸化安定性、摩擦特性、熱安定性等を検討し、その結果を表1、表2及び表3に併記した。
表1、表2及び表3に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
<潤滑油基油>
X−1:水素化精製鉱油(GpII、40℃動粘度:7.71mm/s、100℃動粘度:2.254mm/s、粘度指数:99、流動点:−42℃、引火点:162℃)
X−2:水素化精製鉱油(GpII、40℃動粘度:8.854mm/s、100℃動粘度:2.464mm/s、粘度指数:100、流動点:−42.5℃、引火点:168℃)
X−3:ワックス異性化基油(GpIII、40℃動粘度:9.072mm/s、100℃動粘度:2.621mm/s、粘度指数:127)
X−4:ポリα−オレフィン(GpIV、40℃動粘度:5mm/s、100℃動粘度:1.7mm/s、粘度指数:91、流動点:−66℃、引火点:157℃)
<潤滑油用添加剤>
[酸化防止剤]
A−1:アミン系酸化防止剤:BASF社製、IRGANOX L57(モノブチルフェニルモノオクチルフェニルアミン(窒素含有量:4.5%))
A−2:アミン系酸化防止剤:川口化学工業株式会社製、アンテージPA(N−フェニル−1−ナフチルアミン)
A−3:フェノール系酸化防止剤:BASF社製、IRGANOX L135(ヒンダードフェノール(含有量:98.8%))
[脂肪酸と多価アルコールとのエステル]
B−1:花王株式会社製、エキセパールPE−MO(ペンタエリスリトールモノオレエート)
B−2:株式会社ADEKA製、キクルーブFM−210(グリセロールモノオレエート)
[α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体]
C−1:ケッチェンルブ KL2700(α−オレフィンとアクリル酸エステルとの共重合体、40℃動粘度:11000mm/s、100℃動粘度:700mm/s、粘度指数:255、流動点:−10℃、引火点:270℃、重量平均分子量:9600)
C−2:ルーブリゾール社製、Lubrizol VL1200H(α−オレフィンとマレイン酸エステルとの共重合体、100℃動粘度:200mm/s、密度(15℃):0.940、重量平均分子量:13600)
[脂肪酸アミド]
D−1:オロナイト社製、OLOA340D(イソステアリン酸とテトラエチレンペンタミンとの反応物(窒素含有量:6.2質量%))
[摩耗防止剤]
E−1:ZnDTP(亜鉛ジチオリン酸アルキルエステル、アルキル:Pri/C8)、オロナイト社製、OLOA269R(亜鉛含有量:9.0質量%、リン含有量:7.4質量%、硫黄含有量:15質量%)
E−2:酸性リン酸エステル、SC有機化学株式会社製、Chelex H−8(ビス(2−エチルヘキシル)亜ホスホン酸エステル)
E−3:中性リン酸エステル、大八化学工業株式会社製、TCP(トリクレジルリン酸エステル)
[粘度指数向上剤]
F−1:ポリメタクリレート、エボニック・ローマックス社製、Viscoplex12−419(重量平均分子量:100000)
[消泡剤]
G−1:ポリアルキルハロアルキルシロキサン(100%)、東レ・ダウコーニング株式会社製、FS 1265 300CS、25℃動粘度:270〜330mm/s、比重(25℃):1.22〜1.32、屈折率(25℃):1.378〜1.383)
[無灰分散剤]
H−1:ポリブテンコハク酸イミド(オロナイト社製、OLOA1200、窒素含有量:2.1%、塩基価:50mgKOH/g)
各成分の各元素含有量は、ICP元素分析法によって求めた。
(1)粘度特性
JIS K2283:2000「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準拠し、各潤滑油組成物の100℃動粘度を測定した。
(2)酸化安定性
ASTM D 2272に準拠し、各潤滑油組成物について、RBOT試験(Rotating Bomb Oxidation Test:回転ボンベ式酸化安定性試験)を行い、RBOT寿命を測定した。本試験においては、RBOT寿命が長い(例えば、600分以上)ほど、酸化安定性に優れていることを意味する。
(3)摩擦特性
各潤滑油組成物について、以下の測定条件で、バウデン試験(バウデン式往復動摩擦試験)を行い、測定10回目の動き出しにおける静摩擦係数(μs)及び測定10回目の動摩擦係数(μd)を測定した。測定10回目の動き出しにおける静摩擦係数(μs)が高い(例えば、0.13以上)ほど、操縦安定性に優れていることを意味する。なお、静摩擦係数(μs)が高すぎる(例えば、0.15超)と、操舵感が固くなる傾向にあるので、静摩擦係数(μs)は、特定範囲(例えば、0.13以上0.15以下)にあることが好ましい。また、測定10回目の動摩擦係数(μd)が低い(例えば、0.08以下)ほど、乗り心地に優れていることを意味する。なお、動摩擦係数(μd)が低すぎる(例えば、0.06未満)と、安定感が失われる傾向にあるので、動摩擦係数(μd)は、特定範囲(例えば、0.06以上0.08以下)にあることが好ましい。
テストピース:SUJ−2球/クロムメッキ板
荷重:9.8N
すべり速度:4mm/s(ストローク:10mm)
油温:80℃
測定回数:20回目
(4)熱安定性
ビーカーに100mL採取した潤滑油組成物を、空気恒温槽において、150℃で48時間加熱した。加熱後の潤滑油組成物について、色相及びスラッジの有無を評価した。色相は、ASTM D156に準拠して評価した。色相は、数値が小さい(例えば、5.0以下)ほど、熱安定性に優れていることを意味する。また、スラッジの有無は、目視で評価した。
Figure 2019019170
Figure 2019019170
Figure 2019019170
表1、表2及び表3に示すとおり、実施例1〜18の潤滑油組成物は、粘度特性、酸化安定性、摩擦特性、及び熱安定性において、比較例1〜12の潤滑油組成物に比べて優れていた。また、脂肪酸アミドを用いた実施例16の潤滑油組成物は、無灰分散剤としてコハク酸イミドを用いた比較例11の潤滑油組成物に比べて、酸化安定性及び摩擦特性において、優れていた。さらに、脂肪酸アミドの含有量C(D)に対する脂肪酸と多価アルコールとのエステルの含有量C(B)の比(C(B)/C(D))を調整することによって、さらに酸化安定性及び熱安定性をより改善できることが判明した。これらの結果から、本発明の緩衝器用潤滑油組成物が、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、酸化安定性及び熱安定性に優れることが確認された。

Claims (3)

  1. 潤滑油基油と、
    アミン系酸化防止剤と、
    脂肪酸と多価アルコールとのエステルと、
    α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体と、
    脂肪酸アミドと、
    を含有する、緩衝器用潤滑油組成物であって、
    組成物全量を基準とする、前記アミン系酸化防止剤の含有量C(A)(単位:質量%)、前記エステルの含有量C(B)(単位:質量%)、前記共重合体の含有量C(C)(単位:質量%)、及び前記脂肪酸アミドの含有量C(D)(単位:質量%)が、下記式(1)〜(6):
    0.1≦C(A)≦0.5 (1)
    0.1≦C(B)≦1.0 (2)
    0.1≦C(C)≦2.0 (3)
    0.02≦C(D)≦0.5 (4)
    1.0≦C(C)/C(B)≦5.0 (5)
    1.0≦C(B)/C(D)≦5.0 (6)
    で表される条件を満たし、
    100℃における動粘度が2.0〜3.5mm/sである、
    緩衝器用潤滑油組成物。
  2. 前記エステルが部分エステルである、
    請求項1に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
  3. フェノール系酸化防止剤をさらに含有し、
    前記フェノール系酸化防止剤の含有量が、組成物全量を基準として、0.1質量%未満である、
    請求項1又は2に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
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