JP2019016682A - チップled - Google Patents

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【課題】複数のスルーホールが所定の配列状態で形成されているガラスエポキシ基板上に複数のLEDチップをボンディングし、樹脂封止後、前記スルーホールの部分をダイシングして個々のLEDに分割してチップLEDを製造する方法において、液状樹脂を用いてチップLEDを樹脂封止し、樹脂厚の均一性の良いチップLEDを製造する方法と、これによって製造したチップLEDを提案する。【解決手段】樹脂封止工程の前に、前記ガラスエポキシ基板の、前記LEDチップが搭載される側の表面における前記スルーホールの開口部をダム状構造体によって塞ぐ工程と、前記樹脂封止を液状樹脂によって行う工程と、前記液状樹脂による樹脂封止工程後、前記ダム状構造体を超えている余分な前記液状樹脂を前記ダム状構造体に沿って掻き取る工程と、前記液状樹脂が硬化した後、前記スルーホールの上の前記ダム状構造体をダイシングすることにより個々のLEDに分割する工程を備えている。【選択図】図7

Description

本発明は発光ダイオード(LED)に関するものであり、特に、液状樹脂を用いて、樹脂封止したチップLEDの構造と製法に関するものである。
チップLEDは生産性に優れており、かつ安価に作れるLEDである。チップLEDはスタンレー電気株式会社によって提案され(特許文献1)、LED生産の主流方式の一つになっている。
これは、カラスエポキシ基板にLEDチップを多数個、多数列にダイボンドおよびワイヤボンドし、トランスファーモールドで同時に多数個を一括樹脂封止し、ダイシングによって個々のLEDに分割する製造方式である。
特開昭62−112333号公報 特開2007−332259号公報
チップLEDは一般的にトランスファーモールドで樹脂封止している。LED用のトランスファーモールド樹脂は、ほとんどがエポキシ樹脂である。シリコーン樹脂の提案(特許文献2)もあるが、高価で実用的ではない。
一方、青色発光のLEDをエポキシ樹脂で封止した場合、青色LEDの短波長光で樹脂が劣化し、光の透過率が下がる問題が発生する。また、白色LEDも蛍光体を含む樹脂で青色発光のチップを覆って白色にしているので、青色LEDと同じ問題を抱えている。
この問題を解決するためには、短波長で劣化し難いシリコーン樹脂で封止する必要がある。
トランスファーモールド用シリコーン樹脂は実用的でないため、これを解決する方法は、液状シリコーン樹脂を使用することである。
液状樹脂をチップLEDに使用するには、主に2つの課題がある。図1を参考に説明する。
1つはスルーホールへの樹脂の流れ込みの問題である。
チップLEDの基板は一般的にガラスエポキシの基板1を使用する。1つの基板に数千個のチップLEDを組み立てる。LEDチップ4をボンディングする面とはんだ付け面が表と裏の関係なので、表と裏を電気的につなぐスルーホール2が形成されている。
トランスファーモールドの場合は金型でスルーホール2に樹脂が流れ込まないようにするが、液状樹脂を使用する場合、この対策が必要である。
2つ目は、樹脂厚の均一性の問題である。
液状樹脂を使用する場合、ガラスエポキシ基板1の外側に樹脂止め枠5を設け、その中に液状樹脂6を流し込み樹脂硬化させる。この場合、樹脂の表面張力の関係で、どうしても樹脂止め枠5近くの樹脂厚が図1図示のように厚くなり、樹脂止め枠5から離れた部分の樹脂厚が薄くなる。これによって、樹脂厚の均一性の良いチップLEDを製造することが難しいという問題がある。
この発明は、複数のスルーホールが所定の配列状態で形成されているガラスエポキシ基板上に複数のLEDチップをボンディングし、樹脂封止後、前記スルーホールの部分をダイシングして個々のLEDに分割してチップLEDを製造する方法において、液状樹脂を用いてチップLEDを樹脂封止し、樹脂厚の均一性の良いチップLEDを製造する方法と、これによって製造したチップLEDを提案することを目的にしている。
[1]
複数のスルーホールが所定の配列状態で形成されているガラスエポキシ基板上に複数のLEDチップをボンディングし、樹脂封止後、前記スルーホールの部分をダイシングして個々のLEDに分割してチップLEDを製造する方法であって、
前記樹脂封止工程の前に、前記ガラスエポキシ基板の、前記LEDチップが搭載される側の表面における前記スルーホールの開口部をダム状構造体によって塞ぐ工程、
前記樹脂封止を液状樹脂によって行う工程、
前記液状樹脂による樹脂封止工程後、前記ダム状構造体を超えている余分な前記液状樹脂を前記ダム状構造体に沿って掻き取る工程、
前記液状樹脂が硬化した後、前記スルーホールの上の前記ダム状構造体をダイシングすることにより個々のLEDに分割する工程
を備えているチップLEDの製造方法。
[2]
前記ダム状構造体がドライフィルムレジストによって形成されている[1]のチップLEDの製造方法。
[3]
チップLEDにおける封止樹脂のカラスエポキシ基板上にボンディングされているLEDチップの側から見た2辺又は4辺が、前記LEDチップからの発光を遮る構造体で囲まれているチップLED。
[4]
前記封止樹脂の厚さが前記構造体の高さによって規定される均一な厚さである[3]のチップLED。
[5]
前記構造体がドライフィルムレジストによって形成されている[3]又は[4]のチップLED。
この発明によれば、複数のスルーホールが所定の配列状態で形成されているガラスエポキシ基板上に複数のLEDチップをボンディングし、樹脂封止後、前記スルーホールの部分をダイシングして個々のLEDに分割してチップLEDを製造する方法において、液状樹脂を用いてチップLEDを樹脂封止し、樹脂厚の均一性の良いチップLEDを製造する方法と、これによって製造したチップLEDを提供することができる。
また、樹脂厚の均一性が良く、チップLEDにおける封止樹脂のカラスエポキシ基板上にボンディングされている前記LEDチップの側から見た2辺又は4辺の方向への前記LEDチップからの発光が遮断されているチップLEDを提供することができる。
従来のチップLEDの製造方法で封止用の液状樹脂を注入した後の状態の一例を表す概略断面図。 本発明のチップLEDの製造方法において、カラスエポキシ基板に形成されているスルーホールの一方側がダム状構造体によって塞がれた状態の一例を表す概略断面図。 図2図示の工程の後に樹脂止め枠を設置して液状樹脂の注入が行われた状態の一例を表す概略断面図。 図2図示の工程の後に樹脂止め枠を設置しないで液状樹脂の注入が行われた状態の一例を表す概略断面図。 (a)はカラスエポキシ基板上にボンディングされたLEDチップの側から見て2辺がダム状構造体で囲まれていて液状樹脂の注入が行われた状態の一例を表す平面図、(b)はダム状構造体を超えている余分な液状樹脂をスキージでダム状構造体に沿って掻き取る状態の一例を説明する概略断面図。 (a)はカラスエポキシ基板上にボンディングされたLEDチップの側から見て4辺がダム状構造体で囲まれていて液状樹脂の注入が行われた状態の一例を表す平面図、(b)は図6(a)の樹脂封止後の概略断面図。 (a)、(b)は、本発明の製造方法で製造した本発明のチップLEDを発光面から見た概略構造の一例を表すものであって、(a)は封止樹脂の2辺がダム状構造体で囲まれた構造、(b)は封止樹脂の4辺がダム状構造体で囲まれた構造であり、(c)は本発明の製造方法で製造した本発明のチップLEDの金属パターンを含む概略断面図。 (a)は従来のチップLEDの発光方向を説明する概略図、(b)は本発明の製造方法で製造した本発明のチップLEDの発光方向を説明する概略図。
この実施形態のチップLEDは、複数のスルーホールが所定の配列状態で形成されているガラスエポキシ基板上に複数のLEDチップをボンディングし、樹脂封止後、前記スルーホールの部分をダイシングして個々のLEDに分割して製造されるものである。
このような製造工程で製造されるチップLEDは従来から知られているが、この実施形態のチップLEDは以下の点で従来の製造工程で製造される従来のチップLEDと相違している。
1)図2に示す如く、使用するガラスエポキシ基板1のLEDチップ4が搭載される側の表面のスルーホール2の開口部がダム状構造体3によって塞がれている。
2)図3及び、図4に示す如く、LEDチップ4の封止に液状樹脂6が使われている。
3)図5(b)に示す如く、ダム状構造体3の厚さ(高さ)を利用して、ダム状構造体3を超えている余分な液状樹脂をスキージ8でダム状構造体3に沿って掻き取ることにより、封止樹脂厚をコントロールできる。
(実施の形態1)
この実施の形態のチップLED製造に使用するガラスエポキシ基板1には、従来のチップLED製造に使用されていたガラスエポキシ基板1と同じように、表と裏を電気的につなぐスルーホール2が形成されている。
そして、カラスエポキシ基板1に形成されているスルーホール2の一方の側(図2では上側)がダム状構造体3によって塞がれている。
ダム状構造体3は、後述するように、液状樹脂6を用いて樹脂封止を行う際に、スルーホール2に液状樹脂6が流れ込まないようにする、いわば、ダムの役割を果たす構造物である。また、チップLED製造後は、チップLEDにおける封止樹脂のカラスエポキシ基板上にボンディングされているLEDチップ4の側から見た2辺又は4辺の方向へのLEDチップ4からの発光を遮断する役割を果たす構造物である。
ダム状構造体3は、スルーホール2が形成されたガラスエポキシ基板1にドライフィルムをラミネートし、フォトリソグラフィ法によって、スルーホール2の一方の側(図2では上側)を塞ぐ形態で形成することができる。
ダム状構造体3の高さは、ドライフィルムの厚さで決まる。これがほぼ最終製品の封止樹脂の厚みとなるので、必要な樹脂厚でドライフィルム厚を決めればよい。
例えば、チップ厚が50μであれば、80〜150μ厚のドライフィルムを使用する。
上述したように、ドライフィルムでガラスエポキシ基板1に形成されているスルーホール2の一方の側(図2では上側)を塞いだ後、レジストの硬化を行い、ボンディング用メッキを施して、ガラスエポキシ基板1を用いたLED用組立て基板を準備する。
このようにドライフィルムレジストで構成するダム状構造体3は、図5(a)に示す如く、カラスエポキシ基板1上にボンディングされたLEDチップ4の側から見て2辺がダム状構造体3で囲まれるように形成することができる。
また、図6(a)に示す如く、カラスエポキシ基板1上にボンディングされたLEDチップ4の側から見て4辺がダム状構造体3で囲まれるようにダム状構造体3を形成することもできる。
引き続いて、ガラスエポキシ基板1にLEDチップ4をダイボンドとワイヤボンドする。
フリップチップを使用するときはフェイスダウンボンディングを行えばよい。
ボンディング後、樹脂封止を行うが、この実施形態では、液状樹脂を使用する。
チップボンディング済みのカラスエポキシ基板1の裏側にブルーシート7を貼り付け、図3図示のように、カラスエポキシ基板1の4方を囲む樹脂止め枠5を設置する。引き続き、図3図示のように、樹脂止め枠5で囲んだ中に、ダム状構造体3の高さを超える程度に液状樹脂6を流し込む。液状樹脂6の脱泡は必要に応じて流し込む前か後に行う。
スルーホール2は、図2図示のように、上側がダム状構造体3によって塞がれているので、液状樹脂6がスルーホール2に流れ込むことはない。
その後、樹脂止め枠5を外し、図5(b)図示のごとく、スキージ8でダム状構造体3を超えた余分な液状樹脂6を掻き取る。
なお、カラスエポキシ基板1の4方を囲む樹脂止め枠5を用いないこともできる。図4は、樹脂止め枠5を設置しないで液状樹脂6の注入が行われた状態の一例を表す概略断面図である。
この場合でも、スルーホール2は、図2図示のように、上側がダム状構造体3によって塞がれているので、液状樹脂6がスルーホール2に流れ込むことはない。
そして、この場合も、スキージ8でダム状構造体3を超えた余分な液状樹脂6を掻き取る。
このようにして、ダム状構造体3を超えている余分な液状樹脂6をスキージ8でダム状構造体3に沿って掻き取る工程を行うことで、製造後のチップLEDにおける封止樹脂の厚さを、ダム状構造体3の高さによって規定される均一な厚さにすることができる。
引き続き、液状樹脂6を硬化させる。こうして樹脂厚が均一なチップLEDを製造することができる。
ブルーシート7を剥がして、必要に応じてハンダ付け用Snメッキ等を行う。
その後、図6に示す如く、ダム状構造体3の中央10を目安として、カットライン11に沿ってダイシングして分割すれば、図7に示すチップLEDが完成する。
図7(a)、(b)は、この実施形態の製造方法で製造したチップLEDを発光面から見た概略構造を表すものであって、(a)は封止樹脂6の2辺がダム状構造体3で囲まれた構造、(b)は封止樹脂6の4辺がダム状構造体3で囲まれた構造である。7(c)は、この実施形態の製造方法で製造したチップLEDの金属パターン9を含む概略断面図である。
なお、図1〜図7(b)において、チップのワイヤや基板の金属パターン等の表示は省略している。
上述した工程で製造したこの実施形態のチップLEDは図7に示す如く、スルーホール2のLEDチップ4の側面がドライフィルムレジストのダム状構造体3で覆われ、封止樹脂6の少なくとも2辺(図7(a))、または4辺(図7(b))がダム状構造体3で囲まれた構造を呈している。
4辺にダム状構造体3が存在している構造(図7(b))は、用途により、非常に有用である。チップLEDはプリント配線基板13上に複数個配置されることが多い。この場合、横に漏れた光14は、隣の点灯していないLEDが点灯しているように見えるので問題となる。
これを図8の例で説明する。図8(a)は従来のチップLEDである。図に示す如く点灯した光12は横方向14にも進む。このため隣の点灯していないLEDも薄く点灯しているように見える。
図8(b)は、この実施形態で製造したチップLEDである。横方向の光14はドライフィルムレジストによるダム状構造体3で遮られているので、上述した問題が発生しない。
なお、図5(a)および図6(a)において、ドライフィルムレジストによるダム状構造体3の下のスルーホール2等が透けているかの如く図示しているが、分かり易くするためであり、実際は見えない。
(実施の形態2)
実施の形態1で説明したチップLEDの製造方法が白色チップLEDに適用された場合の一例を説明する。
チップLEDの樹脂封止は一般的にエポキシ樹脂で行われているが、白色LEDは青色発光のチップを使用するので、エポキシ樹脂封止は適さない。このため液状のシリコーン系の樹脂を使用する。
シリコーン系樹脂としては、一般のシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂等がある。これらを総称して、以下、シリコーン系樹脂と呼ぶ。
この実施形態での白色系LEDの製造は、シリコーン系樹脂に蛍光体を混ぜて使用する。代表的な蛍光体としてYAG系、サイアロン系、CASN系、PFS系等がある。また、必要に応じて、樹脂にシリカ等の拡散剤を混ぜる。
このようにして準備した液状のシリコーン系樹脂を使用する点以外は実施の形態1と同様にして白色チップLEDを製造することができる。
すなわち、カラスエポキシ基板に形成されているスルーホールの一方の側をドライフィルムレジストからなるダム状構造体によって塞ぎ、ガラスエポキシ基板を用いたLED用組立て基板を準備する。このガラスエポキシ基板にLEDチップをボンディングし、チップボンディング済みのカラスエポキシ基板の裏側にブルーシートを貼り付け、必要ならば、樹脂止め枠を設置し、樹脂止め枠で囲んだ中に、ダム状構造体の高さを超える程度に上述した液状のシリコーン系樹脂を流し込む。ここで、必要ならば、適宜、樹脂の脱泡を行う。ダム状構造体を超えた余分な液状樹脂をダム状構造体に沿って掻き取り、液状樹脂を硬化させ、ダム状構造体の中央を目安としてダイシングして分割し、樹脂厚が均一な白色チップLEDを製造する。
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが本発明はかかる実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
1 ガラスエポキシ基板
2 スルーホール
3 ドライフィルムレジストからなるダム状構造体
4 LEDチップ
5 樹脂止め枠
6 封止樹脂
7 ブルーシート
8 スキージ
9 ガラスエポキシ基板上の金属パターン
10 チップLEDに分割するカットラインの断面図示
11 LEDチップ側平面図から見たカットライン
12 LEDチップの表面方向の光
13 プリント配線基板
14 LEDチップの横方向への光

Claims (5)

  1. 複数のスルーホールが所定の配列状態で形成されているガラスエポキシ基板上に複数のLEDチップをボンディングし、樹脂封止後、前記スルーホールの部分をダイシングして個々のLEDに分割してチップLEDを製造する方法であって、
    前記樹脂封止工程の前に、前記ガラスエポキシ基板の、前記LEDチップが搭載される側の表面における前記スルーホールの開口部をダム状構造体によって塞ぐ工程、
    前記樹脂封止を液状樹脂によって行う工程、
    前記液状樹脂による樹脂封止工程後、前記ダム状構造体を超えている余分な前記液状樹脂を前記ダム状構造体に沿って掻き取る工程、
    前記液状樹脂が硬化した後、前記スルーホールの上の前記ダム状構造体をダイシングすることにより個々のLEDに分割する工程
    を備えているチップLEDの製造方法。
  2. 前記ダム状構造体がドライフィルムレジストによって形成されている請求項1記載のチップLEDの製造方法。
  3. チップLEDにおける封止樹脂のカラスエポキシ基板上にボンディングされているLEDチップの側から見た2辺又は4辺が、前記LEDチップからの発光を遮る構造体で囲まれているチップLED。
  4. 前記封止樹脂の厚さが前記構造体の高さによって規定される均一な厚さである請求項3記載のチップLED。
  5. 前記構造体がドライフィルムレジストによって形成されている請求項3又は4記載のチップLED。
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