JP2019015618A - ガス検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この種のガス検出装置は、感ガス体の表面に可燃性ガスのような還元性ガスが接触すると酸化還元作用によって感ガス体の抵抗値が減少するという性質を利用して、可燃性ガスを検出する。特許文献1に記載のガス検出装置は、感ガス体の温度や材料を適切に組み合わせることによって、不完全燃焼ガスと可燃性ガスとの両方を検出可能である。
しかし、駆動周期を長くすると検知間隔が長くなるので、ガス漏れが発生してから警報を発するまでの時間が長くなってしまう。一方、駆動周期を短くすると、電池の消耗が激しくなって、電池式ガス警報器としての実用性が低下してしまう。
また、検定規定では、警報器を入れた試験槽内の検出対象ガスの濃度を徐々に上昇させて、規定濃度範囲内で警報することが検査される。さらに、その後、槽内のガスを空気で置換した時に、警報動作が停止することが検査される。したがって、検知間隔が長すぎると、ガスが無くなったと判断するまでの時間が長くなり、そのため規定を満たさない可能性がある。
感ガス部は、検出対象ガスのガス濃度に応じて電気的特性が変化する。
加熱部は、検出対象ガスに対して感度を有する温度範囲に感ガス部を加熱する。
検出部は、電気的特性から検出対象ガスを検出する。
加熱制御部は、加熱部への印加電圧を制御する。
加熱制御部は、検出部からの検出結果に基づいて複数の印加電圧モードを互いに切り換える。
ガス検出報知部は、検出部によって検出対象ガスが検出されれば、ガス検出報知を行う。
複数の印加電圧モードは、予備検知モードと、検知遅れ回避モードと、本検知モードとを有している。
予備検知モードは、第1駆動周期を有する。
検知遅れ回避モードは、第1駆動周期より短い第2駆動周期を有し、予備検知モードから切り換え可能である。
本検知モードは、ガス検出報知部による報知動作と共にガス検出を行うモードであり、第1駆動周期より短い第3駆動周期を有している。本検知モードは、検知遅れ回避モードから切り換え可能である。
この装置では、予備検知モードの時は駆動周期が長いので、小電力消費である。予備検知モードから検知遅れ回避モードに切り換えられると、駆動周期が短くなることで時間当たり検知回数が増える。この結果、検知遅れ時間が短縮され、つまりガス応答性が高くなる。さらに、検知遅れ回避モードから本検知モードに切り換えられると、警報を発しつつガスの監視が行われる。本検知モードでは駆動周期が短いので、ガスが無くなった場合にそのことを短時間で検出できる。
この装置では、検出対象ガスの種類によって、検知点を適宜選択可能である。
この装置では、最初に大電力期間を設けることによって感ガス体を高温にすることで水分を飛ばすことができ、その結果、湿度が高い環境などであっても、感ガスセンサの検出精度が低下しない。従来では、湿度が高い環境などでは、常温で感ガス体の表面に水分が吸着してしまい抵抗値が下がることがあった。
一例として、高電圧印加期間が大電力期間と一致し、低電圧印加期間が小電力期間に一致する。他の例として、低電圧印加期間が大電力期間と一致し、高電圧印加期間が小電力期間に一致する。後者は、低電圧印加期間が高電圧印加期間より長い場合である。
この装置では、ガス発生の可能性があれば、予備検知モードから検知遅れ回避モードに切り換えられることで、小電力で駆動しつつ、ガス発生時の検知遅れを回避できる。
この装置では、ガス発生が確実であれば、検知遅れ回避モードから本検知モードに切り換えられることで、報知動作が行われる。また、ガスが無くなったときの検知遅れを回避できる。
この装置では、第2駆動周期を十分に短くすることで、検知遅れ回避モードでガス発生時の検知遅れを回避できる。
第2駆動周期は第3駆動周期と等しくてもよい。
この装置では、制御が簡単になると共に、第2駆動周期及び第3駆動周期を十分に短くすることで、検知遅れ回避モードでガス発生時の検知遅れを回避でき、さらに、本検知モードでガスが無くなった時の検知遅れを回避できる。
(1)ガス検出装置の概略構成
図1及び図2を用いて、ガス検出装置1を説明する。図1は、第1実施形態のガス検出装置のガスセンサの構成を示す概略図である。図2は、ガス検出装置の構成を示す概略回路図である。
ガスセンサ3は、半導体式ガスセンサからなり、検出対象ガスのガス濃度に応じて電気的特性(具体的には、抵抗値)が変化する。
検出部5は、ガスセンサ3の駆動中の抵抗値に基づいて、検出対象ガスを検出する。
ガスセンサ3は、図1に示すように、酸化第二スズ(SnO2)などの金属酸化物半導体を主成分とし、略球状に形成された、いわゆる焼結体型の感ガス体11(感ガス部の一例)を有している。感ガス体11内には、白金線からなり通電により発熱するヒータコイル13(加熱部の一例)と、貴金属線からなる検出電極15とが設けられている。ヒータコイル13は、検出対象ガスに対して感度を有する温度範囲になるように、感ガス体11を加熱する。
検出電極15は、直線状に形成されており、ヒータコイル13は、検出電極15の周囲に巻き回されたコイル状に形成されている。
感ガス体11の表面に還元性ガスからなる検出対象ガスが接触すると、酸化還元作用によって感ガス体11の抵抗値が減少する。したがって、ガス検出装置1は、感ガス体11の抵抗値から、検出対象ガスの濃度を検出できる。
駆動部7は、図2に示すように、制御部31(加熱制御部の一例)と、電池32と、スイッチング素子33とを有している。駆動部7は、制御部31にてスイッチング素子33を制御し、電池32からヒータコイル13に通電して感ガス体11を加熱することにより、ガスセンサ3を駆動する。
制御部31は、ヒータコイル13への印加電圧を制御する。制御部31は、消費電力を低減するために、所定の駆動周期でヒータをパルス通電して、高温期間と低温期間が交互に繰り返されるように制御する。制御部31は、処理部35からの検出結果に基づいて、パルス通電における複数の印加電圧モードを互いに切り換える(後述)。
電池32は、略一定電圧に安定化された直流電圧を出力する。電池32の正極の出力端は、ガスセンサ3の端子23に対し、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)からなるスイッチング素子33を介して電気的に接続されている。電池32の負極の出力端は、ガスセンサ3の端子25に対し、電気的に接続されている。つまり、電池32の一対の出力端には、スイッチング素子33を介してヒータコイル13が電気的に接続されている。
制御部31は、単位時間当たりに所定時間ずつヒータコイル13へ通電されるように、制御部31にて電池32からヒータコイル13への通電時間を制御することで、電力を調整し、感ガス体11の温度が目的とするヒータ電圧を印加したときと同じようになるようにしている。この構成では、駆動部7は、ヒータ電圧に応じたPWM制御によってスイッチング素子33のデューティ比を変化させることで、感ガス体11の温度を調節できる。
駆動部7は、安定化回路43を有している。安定化回路43は、電池32と制御部31との間に配置されている。安定化回路43は、電池電圧を、ヒータ以外の回路に所定電圧で安定させる。
検出部5は、感ガス体11の電気的特性から検出対象ガスを検出する。検出部5は、処理部35と、負荷抵抗37とを有している。
処理部35は、駆動周期のサンプリングタイミングごとにガス濃度を検出し、そのつど演算処理、警報判定処理を行う。
処理部35は、出力端35aと、入力端35bとを有している。出力端35aは、負荷抵抗37を介してガスセンサ3の端子25と電気的に接続されている。処理部35の入力端35bは、直接的にガスセンサ3の端子25と電気的に接続されている。処理部35は、ヒータコイル13に通電されている加熱期間において、出力端35aと、ガスセンサ3の端子27との間に所定の直流電圧を印加し、この状態で入力端35bに入力される電圧を検出電圧として検出する。つまり、検出部5は、直流電圧が負荷抵抗37と感ガス体11の抵抗成分とで分圧された電圧を、検出電圧として検出する。ここで、分圧前の直流電圧の大きさと、負荷抵抗37の抵抗値とは既知であるから、処理部35は、検出電圧の大きさはガスセンサ3の抵抗値(感ガス体11の抵抗成分の抵抗値)を表すことになる。したがって、検出部5は、検出電圧を検出することにより、ガスセンサ3の抵抗値を取得できる。
具体的には、出力部41は、処理部35に電気的に接続されている。出力部41は、例えば発光ダイオードやブザー、リレーなどを含んでいる。これにより、検出部5は、検出対象ガスの検出結果に応じて出力部41を制御し、発光ダイオードの点灯状態を変化させたり、ブザーやスピーカに警報音を出力させたりして、検出結果をユーザに通知する。本実施形態では、検出部5は、検出対象ガスの濃度が所定濃度以上と判定すると警報を発生する。警報状態にある検出部5が、検出対象ガスの濃度が所定濃度未満と判定すると、警報を解除する。また、検出部5は、検出対象ガスの濃度を提示するように構成されていてもよい。
マイコン49の各要素の機能は、一部又は全てが、マイコン49を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、マイコン49の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
マイコン49には、図示しないが、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
処理部35には、温度センサ47が接続されている。温度センサ47はガスセンサ3の近傍に配置されている。これにより検出された抵抗値は、温度補正して判定に用いられる。
図3を用いて、ガス検出装置1の概略動作を説明する。図3は、ガス検出装置の動作を示す概略フローチャートである。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、各装置の動作は、制御部から各装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
ステップS3では、検知遅れ回避モードが実行される。具体的には、制御部31が検知遅れ回避モードを実行し、処理部35がその結果を検出する。この結果、検出対象ガスの検出遅れが生じにくくなる。
ステップS5では、ガス漏れ警報が発生される。具体的には、処理部35が出力部41を制御して警報を発生させる。
ステップS7では、第3条件が満たされたか否かが判断される。具体的には、処理部35が、検出結果から第3条件が満たされたか否かを判断する。第3条件は、ガス濃度低下条件である。YesであればプロセスはステップS8に移行し、NoであればプロセスはステップS5に戻る。つまり、本検知モードから予備検知モードに戻るのは、ガス濃度が十分低下したと判断された場合である。
ステップS8では、警報が解除される。具体的には、処理部35が出力部41を制御して警報を停止させる。
図4〜図7を用いて、予備検知モード、検知遅れ回避モード、及び本検知モードを説明する。図4は、ガス検出装置の予備検知モード、検知遅れ回避モード、本検知モードのタイミングチャートである。図5は、予備検知モードのタイミングチャートである。図6は、検知遅れ回避モードのタイミングチャートである。図7は、本検知モードのタイミングチャートである。
予備検知モード、検知遅れ回避モード、及び本検知モードは、各々、一周期が高電圧印加期間(高温期間)と低電圧又は無電圧印加期間(低温期間)とを有している。そのため、検出対象ガスの種類によって、検知点を適宜選択可能である。ただし、以下の例ではメタン等の燃焼ガスを高電圧印加期間で検知する例を説明する。
予備検知モードは、図5に示すように、一周期は、加熱期間T1aと、非加熱期間T1bとを有している。加熱期間T1aでは、目的とするヒータ電圧をV1として感ガス体11を例えば約400度に加熱する。非加熱期間T1bでは、目的とするヒータ電圧を0Vとして感ガス体11を加熱しない。ヒータ電圧V1は例えば0.65Vであり、加熱期間T1aは例えば0.10秒であり、非加熱期間T1bは例えば49.90秒である。
検出部5がガスセンサ3の抵抗値を取得するサンプリングタイミングは、加熱期間T1aの最後の点P1である。すなわち、パルス通電の最終タイミングでガス検知(センサ抵抗値の測定)を行っている。
検知遅れ回避モードでは、図6に示すように、一周期は、加熱期間T2aと、非加熱期間T2bとを有している。加熱期間T2aでは、目的とするヒータ電圧をV2として感ガス体11を例えば約400度に加熱する。非加熱期間T2bでは、目的とするヒータ電圧を0Vとして感ガス体11を加熱しない。ヒータ電圧V2は例えば0.65Vであり、加熱期間T2aは例えば0.10秒であり、非加熱期間T2bは例えば1.90秒である。
検出部5がガスセンサ3の抵抗値を取得するサンプリングタイミングは、加熱期間T2aの最後の点P2である。
本検知モードでは、図7に示すように、一周期は、加熱期間T3aと、非加熱期間T3bとを有している。加熱期間T3aでは、目的とするヒータ電圧をV3として感ガス体11を例えば約400度に加熱する。非加熱期間T3bでは、目的とするヒータ電圧を0Vとして感ガス体11を加熱しない。ヒータ電圧V3は例えば0.65Vであり、加熱期間T3aは例えば0.10秒であり、非加熱期間T3bは例えば9.90秒である。
検出部5がガスセンサ3の抵抗値を取得するサンプリングタイミングは、加熱期間T3aの最後の点P3である。
以上に述べたように駆動周期T2は駆動周期T3より短い。そのため、駆動周期T2を十分に短くすることで、検知遅れ回避モードではガス発生時の検知遅れを回避できる。
図8を用いて、ガス検出装置1の詳細動作を説明する。図8は、第1実施形態のガス検出装置の動作を示す詳細フローチャートである。なお、下記の説明における数値は例であって、それらに限定されることはない。
なお、以下の説明では、ガス検出装置1は、電池式メタン警報器である。
ステップS101では、電源投入が実行される。
ステップS103では、Rs1/Rs2≦1(絶対値検知)又はRs1/Rs1’≦0.7(相対値検知)が満たされるか否かが判断される。これらが、予備検知モードから検知遅れ回避モードに移行する条件(ガス発生可能性条件)である。Rs1は、予備検知モードの現在のセンサ抵抗値である。Rs2は、予備検知モードから検知遅れ回避モードに移行する判定値である。Rs1’は、予備検知モードの2周期前のセンサ抵抗値である。
ステップS105では、検知遅れ回避モードに入ってから90秒以内か否かが判断される。YesであればプロセスはステップS106に移行し、NoであればプロセスはステップS103に戻る(予備検知モードに戻る)。つまり、検知遅れ回避モードに移行してから90秒経過しても本検知モードに移行しないことが、検知遅れ回避モードから予備検知モードに戻る1つめの条件である。
ステップS107では、ガス漏れ警報が発報される。
ステップS108では、本検知モード実行される。
ステップS110では、警報解除が実行される。
ステップS111では、Rs3/Rs4>2.2が満たされたか否かが判断される。YesであればプロセスはステップS112に移行し、NoであればプロセスはステップS105に移行する。
ステップS113では、回数カウント数=5か否かが判断される。YesであればプロセスはステップS103に戻る(予備検知モードに戻る)。つまり、5回連続してRs3/Rs4>2.2が満たされることが、検知遅れ回避モードから予備検知モードに戻る2つめの条件である。NoであればプロセスはステップS105に戻る。
ステップS114では、Rs3/Rs3’≧1.1が満たされたか否かが判断される。Rs3’は、本検知モードの2周期前のセンサ抵抗値である。YesであればプロセスはステップS115に移行し、NoであればプロセスはステップS107に戻る。
ステップS116では、回数カウント数=2が満たされたか否かが判断される。YesであればプロセスはステップS110に移行し(予備検知モードに移行し)、NoであればプロセスはステップS107に戻る。つまり、Rs3/Rs3’≧1.1が2回連続満たされることが、本検知モードから予備検知モードに移行する条件の2つ目である。
第1実施形態では、駆動周期T3は駆動周期T2と異なっており、具体的には駆動周期T2より長かった。しかし、本検知モードの駆動周期は検知遅れ回避モードの駆動周期と等しくてもよい。
図9〜図11を用いて、そのような実施形態として、第2実施形態を説明する。図9は、第2実施形態のガス検出装置の予備検知モード、検知遅れ回避モード、本検知モードのタイミングチャートである。図10は、予備検知モードのタイミングチャートである。図11は、検知遅れ回避モード及び本検知モードのタイミングチャートである。
ただし、以下の説明におけるガス検出装置1は、電池式LP警報器である。
図9〜図11を用いて、予備検知モード、検知遅れ回避モード、及び本検知モードを説明する。図9は、ガス検出装置の予備検知モード、検知遅れ回避モード、本検知モードのタイミングチャートである。図10は、予備検知モードのタイミングチャートである。図11は、検知遅れ回避モード及び本検知モードのタイミングチャートである。
図9(a)に、予備検知モードを示している。予備検知モードでは、図10に示すように、一周期は、加熱期間T1a’と、非加熱期間T1b’とを有している。加熱期間T1a’では、目的とするヒータ電圧をV4として感ガス体11を例えば約400度に加熱する。非加熱期間T1b’では、目的とするヒータ電圧を0Vとして感ガス体11を加熱しない。ヒータ電圧V4は例えば0.70Vであり、加熱期間T1a’は例えば0.07秒であり、非加熱期間T1b’は例えば49.93秒である。
検出部5がガスセンサ3の抵抗値を取得するサンプリングタイミングは、加熱期間T1a’の最後の点P4である。
検知遅れ回避モードでは、図11に示すように、一周期は、第1加熱期間T2a’と、第2加熱期間T2b’と、非加熱期間T2c’とを有している。第1加熱期間T2a’では、目的とするヒータ電圧をV5として感ガス体11を例えば約400度に加熱する。第2加熱期間T2b’では、目的とするヒータ電圧をV6として感ガス体11を例えば約300度に加熱する。非加熱期間T2c’では、目的とするヒータ電圧を0Vとして感ガス体11を加熱しない。第1加熱期間T2a’は例えば0.07秒であり、ヒータ電圧V5は例えば0.65Vであり、第2加熱期間T2b’は例えば0.10秒であり、ヒータ電圧V6は例えば0.45Vであり、非加熱期間T2c’は例えば1.83秒である。なお、検出部5がガスセンサ3の抵抗値を取得するサンプリングタイミングは、第2加熱期間T2b’の最後の点P5である。
この場合、最初に大電力期間を設けることによって感ガス体11を高温にすることで水分を飛ばすことができ、その結果、湿度が高い環境などであっても、ガスセンサ3の検出精度が低下しにくい。従来では、常温で感ガス体の表面に水分が吸着した場合は、感ガス体の抵抗値が下がることがあった。
本検知モードでは、図11に示すように、一周期は、第1加熱期間T2a’と、第2加熱期間T2b’と、非加熱期間T2c’とを有している。第1加熱期間T2a’では、目的とするヒータ電圧をV5として感ガス体11を例えば約400度に加熱する。第2加熱期間T2b’では、ヒータ電圧をV6として感ガス体11を加熱する。ヒータ電圧V6はヒータ電圧V5より低く、そのためセンサの抵抗変化率が増えることで、検知精度が向上する。非加熱期間T2c’では、目的とするヒータ電圧を0Vとして感ガス体11を加熱しない。第1加熱期間T2a’は例えば0.07秒であり、ヒータ電圧V5は例えば0.65Vであり、第2加熱期間T2b’は例えば0.10秒であり、ヒータ電圧V6は例えば0.45Vであり、非加熱期間T2c’は例えば1.83秒である。
なお、検出部5がガスセンサ3の抵抗値を取得するサンプリングタイミングは、第2加熱期間T2b’の最後の点P5である。
また、この実施形態では、検知遅れ回避モードと本検知モードにおいて、第1加熱期間T2a’と第2加熱期間T2b’とを設けることで、ガス検出精度を高くしている。
なお、一周期が大電力期間とその後の小電力期間とを含む構成は、検知遅れ回避モード、本検知モード、及び予備検知モードのいずれに適用されてもよいし、いずれか1つ、いずれか2つ、又は3つ全てに適用されてもよい。これは第1実施形態及び他のいずれの実施形態においても当てはまる。
上記第1及び第2実施形態は、下記の構成及び機能を共通に有している。
ガス検出装置(例えば、ガス検出装置1)は下記の構成を備えている。
感ガス部(例えば、感ガス体11)は、検出対象ガスのガス濃度に応じて電気的特性が変化する。
加熱部(例えば、ヒータコイル13)は、検出対象ガスに対して感度を有する温度範囲に感ガス部を加熱する。
検出部(例えば、検出部5)は、電気的特性から検出対象ガスを検出する。
加熱制御部(例えば、制御部31)は、加熱部への印加電圧を制御する。
加熱制御部は、検出部からの検出結果に基づいて複数の印加電圧モードを互いに切り換える。
ガス検出報知部(例えば、出力部41)は、検出部によって検出対象ガスが検出されれば、ガス検出報知を行う。
複数の印加電圧モードは、予備検知モードと、検知遅れ回避モードと、本検知モードとを有している。
予備検知モードは、第1駆動周期(例えば、駆動周期T1、駆動周期T1’)を有する。
検知遅れ回避モードは、第1駆動周期より短い第2駆動周期(例えば、駆動周期T2、駆動周期T2’)を有し、予備検知モードから切り換え可能である。
本検知モードは、ガス検出報知部による報知動作と共にガス検出を行うモードであり、第1駆動周期より短い第3駆動周期(例えば、駆動周期T3、駆動周期T2’)を有している。本検知モードは、検知遅れ回避モードから切り換え可能である。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
現在のセンサ抵抗値をRsとし、1周期前のセンサ抵抗値をRs’とした場合に、Rs/Rs’<0.7となれば、検出対象ガスによる急激な抵抗値変化があったとして警報を発生するようにしてもよい。この場合、センサ抵抗値が警報設定値を現時点では下回っていなくても、今後は下回ると予測したことになる。警報発生後には、警報を2周期維持して、センサ抵抗値が警報設定値を上回れば、検出対象ガスが周囲に存在しないと判断して警報を解除する。この実施例は第1及び第2実施形態とは別に又は組み合わせて実行可能である。
ガスセンサの種類は半導体式ガスセンサに限定されない。接触燃焼式、電気化学式であってもよい。
測定対象ガスの種類は特に限定されない。メタン、プロパンなどの可燃性ガスでもよいし、一酸化炭素のような不完全燃焼ガスであってもよい。
第1及び第2実施形態では、駆動周期の低温期間の印加電圧を0Vにしていたが、印加電圧を例えば0.2Vといった低電圧にしてもよい。
第1及び第2実施形態では、検知点(検出のための直流電圧印加のタイミング)は、高温期間の最後に1回だけであったが、高温期間の途中であってもよいし、回数も複数回でもよい。
3 :ガスセンサ
5 :検出部
7 :駆動部
11 :感ガス体
13 :ヒータコイル
15 :検出電極
31 :制御部
32 :電池
33 :スイッチング素子
34 :カバー
35 :処理部
37 :負荷抵抗
41 :出力部
43 :安定化回路
45 :入力線
47 :温度センサ
49 :マイコン
Claims (7)
- 検出対象ガスのガス濃度に応じて電気的特性が変化する感ガス部と、
前記検出対象ガスに対して感度を有する温度範囲に前記感ガス部を加熱する加熱部と、
前記電気的特性から前記検出対象ガスを検出する検出部と、
前記加熱部への印加電圧を制御する加熱制御部と、
前記検出部によって前記検出対象ガスが検出されれば、ガス検出報知を行うガス検出報知部と、を備え、
前記加熱制御部は、前記検出部からの検出結果に基づいて複数の印加電圧モードを互いに切り換え、
前記複数の印加電圧モードは、
第1駆動周期を有する予備検知モードと、
前記第1駆動周期より短い第2駆動周期を有し、前記予備検知モードから切り換え可能な検知遅れ回避モードと、
前記ガス検出報知部による報知動作と共にガス検出を行うモードであり、前記第1駆動周期より短い第3駆動周期を有しており、前記検知遅れ回避モードから切り換え可能な本検知モードと、を有する、
ガス検出装置。 - 前記予備検知モード、前記検知遅れ回避モード、及び前記本検知モードは、各々、一周期内が高電圧印加期間、低電圧印加期間及び無電圧印加期間の少なくとも2つを有する、請求項1に記載のガス検出装置。
- 前記第1駆動周期、前記第2駆動周期及び前記第3駆動周期の少なくとも1つは、大電力期間と、前記大電力期間の後の小電力期間とを含む、請求項1に記載のガス検出装置。
- 前記予備検知モードから前記検知遅れ回避モードへの切換条件は、前記検出結果がガス発生可能性条件を満たした場合である、請求項1〜3のいずれかに記載のガス検出装置。
- 前記検知遅れ回避モードから前記本検知モードへの切換条件は、前記検出結果がガス発生確実条件を満たした場合である、請求項1〜4のいずれかに記載のガス検出装置。
- 前記第2駆動周期は前記第3駆動周期より短い、請求項1〜5のいずれかに記載のガス検出装置。
- 前記第2駆動周期は前記第3駆動周期と等しい、請求項1〜5のいずれかに記載のガス検出装置。
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