JP2019015450A - 冷温蔵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カートに設けられたシャッターが閉位置にあることを判定することが可能な冷温蔵装置を提供する。【解決手段】カート10と、ステーション30と、を備え、ステーション30は、熱交換室31と、ヒータ34と、蒸発器33Aを備える冷却装置37と、熱交換室31と貯蔵室11Bとを連通するダクト53と、温度センサ61Hと、循環ファン35Aと、制御部80と、を備え、断熱箱11Aは、天井壁部15の開口17Bを閉じる閉位置と開口17Bを開放する開位置との間で変位可能なシャッター18と、を備え、制御部80は、ヒータ34及び循環ファン35Aを動作させる加熱運転、又は冷却装置37及び循環ファン35Aを動作させる冷却運転を実行した際の温度センサ61Hの検知温度の温度変化に基づいて、シャッター18が閉位置にあるか否かを判定する判定処理を実行することに特徴を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、冷温蔵装置に関する。
従来、冷温蔵装置として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、ステーションとステーションに対して出し入れ可能なカートとを備えた冷温蔵装置が記載されている。ステーションには、蒸発器及びヒータが設けられ、カートに配された食品を冷却又は加熱することが可能となっている。また、カートは、貯蔵室を構成する断熱箱を備え、断熱箱に設けられた開口(吸込路又は吹出路)を開閉可能なシャッターを備えている。
特開2011−43310号公報
上記構成において、シャッターが閉位置にある状態では、ステーションと貯蔵室の間で空気の循環が起こらないことから、カート内の貯蔵物を冷却又は加熱することが困難となる。このため、冷温蔵装置の使用者に対してシャッターが閉位置にあることを判定することが可能な構成が求められている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、カートに設けられたシャッターが閉位置にあることを判定することが可能な冷温蔵装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷温蔵装置は、貯蔵室を構成する断熱箱を備えるカートと、前記カートが格納される格納室を有するステーションと、を備え、前記ステーションは、熱交換室と、前記熱交換室に設けられたヒータと、前記熱交換室に設けられた蒸発器を備える冷却装置と、前記熱交換室と前記貯蔵室とを連通するダクトと、前記熱交換室に設けられた温度センサと、前記熱交換室に設けられ、前記ダクトを介して、前記貯蔵室と前記熱交換室との間で空気を循環させることが可能な循環ファンと、前記ヒータ、前記冷却装置、前記循環ファンをそれぞれ制御することが可能な制御部と、を備え、前記断熱箱は、前記ダクトが接続される開口を有すると共に前記貯蔵室を構成する壁部と、前記開口を閉じる閉位置と前記開口を開放する開位置との間で変位可能なシャッターと、を備え、前記制御部は、前記ヒータ及び前記循環ファンを動作させる加熱運転、又は前記冷却装置及び前記循環ファンを動作させる冷却運転を実行した際の前記温度センサの検知温度の温度変化に基づいて、前記シャッターが前記閉位置にあるか否かを判定する判定処理を実行することに特徴を有する。
シャッターが開位置にある状態では、ダクトを介して貯蔵室と熱交換室との間で空気が循環する。これにより、ヒータによって生じた暖気又は蒸発器によって生じた冷気を貯蔵室に送ることができる。一方、シャッターが閉位置にある場合には、熱交換室の暖気又は冷気が貯蔵室に向かう事態が抑制される。このため、シャッターが閉位置にある場合に、加熱運転を実行した際には温度センサの検知温度は急激に上昇し、冷却運転を実行した際には温度センサの検知温度は急激に低下する。このため、熱交換室に設けられた温度センサの検知温度の温度変化に基づいてシャッターが閉位置にあることを判定することができる。
また、前記制御部は、前記判定処理において、前記冷却運転を実行した際の前記温度センサの検知温度が所定温度だけ低下する時間が所定時間以下である場合に前記シャッターが前記閉位置にあると判定するものとすることができる。シャッターが閉位置にある場合には、熱交換室の冷気が貯蔵室に向かう事態が抑制されるから、冷却運転を実行した際には温度センサの検知温度は急激に低下する。このため、温度センサの検知温度が所定温度だけ低下する時間が所定時間以下である場合にシャッターが閉位置にあると判定することができる。
また、前記制御部は、前記加熱運転中に、前記温度センサの検知温度が予め設定された設定温度になった際に前記ヒータを停止させるヒータ停止処理を実行し、前記判定処理において、前記ヒータ停止処理が実行された後の前記温度センサの検知温度が、前記ヒータ停止処理が実行された時点の前記温度センサの検知温度よりも所定温度以上高くなった場合に前記シャッターが前記閉位置にあると判定するものとすることができる。シャッターが閉位置にある場合には、ヒータを停止した後の余熱によって生じた熱交換室の暖気が貯蔵室に向かう事態が抑制されるから、温度センサの検知温度は急激に上昇する。このため、温度センサの検知温度が、ヒータ停止処理が実行された時点の温度センサの検知温度よりも所定温度以上高くなった場合にシャッターが閉位置にあると判定することができる。
また、前記制御部は、前記判定処理において、前記加熱運転を実行した際の前記温度センサの検知温度が所定温度だけ上昇する時間が所定時間以下である場合に前記シャッターが前記閉位置にあると判定するものとすることができる。シャッターが閉位置にある場合には、熱交換室の暖気が貯蔵室に向かう事態が抑制されるから、加熱運転を実行した際には温度センサの検知温度は急激に上昇する。このため、温度センサの検知温度が所定温度だけ上昇する時間が所定時間以下である場合にシャッターが閉位置にあると判定することができる。
また、報知部を備え、前記制御部は、前記判定処理において前記シャッターが前記閉位置にあると判定した場合に、前記報知部によって前記シャッターが前記閉位置にあることを報知する報知処理を実行するものとすることができる。報知処理によってシャッターが閉位置にある事態を使用者に報知することができる。
本発明によれば、カートに設けられたシャッターが閉位置にあることを判定することが可能な冷温蔵装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る冷温蔵装置の分解斜視図 冷温蔵装置を示す断面図(正面側から視た断面図) カート本体を示す平面図(シャッターが閉位置) シャッターの構成を示す断面図(図3のIV−IV線で切断した図に対応) 冷温蔵装置の電気的構成を示すブロック図 予冷運転時の制御部による処理を示すフローチャート 予冷運転時の温度センサの検知温度を示すグラフ 加熱運転時の制御部による判定処理を示すフローチャート ヒータ停止後の制御部による判定処理を示すフローチャート シャッターが開位置にある場合の温度センサの検知温度を示すグラフ シャッターが閉位置にある場合の温度センサの検知温度を示すグラフ
本発明の一実施形態を図1から図11によって説明する。本実施形態の冷温蔵装置1は、図1に示すように、カート10(断熱カート)と、カート10を出し入れ可能に格納するステーション30と、を備える。カート10は、貯蔵室11B(断熱室)を構成する断熱箱11Aを有するカート本体11と、トレイ40を収納するフレームカート20と、を備える。なお、このような冷温蔵装置1は、一般的に再加熱カートと呼ばれることがある。断熱箱11Aは前後両面が開放されており、断熱箱11Aには前後の開口をそれぞれ開閉する観音開き式の断熱扉12が取り付けられている。なお、図1では前側の開口の右側の断熱扉については図示を省略している。また、断熱箱11Aの底面にはキャスタ13が設けられている。
フレームカート20は、キャスタ22を設けた底板21の左右の側縁から金属製のフレーム23が立ち上げられた構造である。フレームカート20は、カート本体11内に前面側から出し入れ可能となっている。フレームカート20の左右方向の略中央部分には前後方向全域に亘って断熱製の仕切壁24が設けられている。仕切壁24は複数の単位仕切壁24Aを積み上げることで構成されている。トレイ40は前後両面から上下の単位仕切壁24Aの間を貫通しつつ複数段に亘って収納される。図2に示すように、フレームカート20がカート本体11内に収納されると仕切壁24によって貯蔵室11Bが左右に仕切られることにより、左側に冷温蔵室25Hが形成され、右側に冷蔵室25Cが形成される。
カート本体11の内側には左側の断熱壁に対して対向配置される形で左側インナーパネル14Aが設けられており、左側の断熱壁と左側インナーパネル14Aによって空気循環通路41が形成されている。また、図2では省略しているが、カート本体11の内側には右側の断熱壁に対して対向配置される形で右側インナーパネルが左側インナーパネル14Aと同様に設けられており、右側の断熱壁と右側インナーパネルとによって空気循環通路42が形成されている。左側インナーパネル14A及び右側インナーパネルには、カート本体11内に空気を流入させるための複数の孔14B(図1参照)が形成されている。
図1に示すように、断熱箱11Aの天井壁部15(貯蔵室を構成する壁部)には複数の開口17A,17B,17C,17Dが形成されている。開口17Aは、図2に示すように、空気循環通路41の上方に形成されており、開口17Bは冷温蔵室25Hの上方に形成されている。また、開口17Cは冷蔵室25Cの上方に形成されており、開口17Dは空気循環通路42の上方に形成されている。また、開口17B,17Cはシャッター18(図3の破線参照)によって開閉可能となっている。
ステーション30は正面に開口された格納室30Aを有する略箱形をなしている。格納室30Aには、カート10が格納可能となっている。ステーション30の上部には機械室36が区画形成されている。機械室36には冷却装置37を構成する圧縮機38、凝縮器39、凝縮器ファン39Aなどが収容されている。図2に示すように、機械室36の下には熱交換室31と熱交換室32とが左右に並んで区画形成されている。熱交換室31は冷温蔵室25Hの上方に配されている。熱交換室31には蒸発器33A(冷却器)、ヒータ34、及び循環ファン35Aが収容されている。蒸発器33Aは冷却装置37の一部を構成するものである。
熱交換室32は冷蔵室25Cの上方に配されている。熱交換室32には蒸発器33B、及び、循環ファン35Bが収容されている。蒸発器33Bは冷却装置37の一部を構成するものである。蒸発器33A及び蒸発器33Bは、冷媒管や開閉弁(図示せず)を介して圧縮機38や凝縮器39と並列接続されており、冷却サイクルを構成するものとされる。制御部80(後述、図5参照)は開閉弁を切り替えることにより、蒸発器33A、33Bに対する冷媒の供給を制御することができる。これにより、制御部80は、蒸発器33Aと蒸発器33Bとが両方作動している状態、蒸発器33Aのみが作動している状態、及び蒸発器33Bのみが作動している状態を切り替えることができる。
また、熱交換室31には、冷温蔵室25Hの温度を検知する温度センサ61Hが配され、熱交換室32には、冷蔵室25Cの温度を検知する温度センサ61Cが配されている。なお、温度センサ61H(熱交換室に設けられた温度センサ)は、循環ファン35Aの吸入側に隣接する形で配され、循環ファン35Aによって吸入された冷温蔵室25Hの空気の温度を検知可能となっている。温度センサ61Cは、循環ファン35Bの吸入側に隣接する形で配され、循環ファン35Bによって吸入された冷蔵室25Cの空気の温度を検知可能となっている。また、熱交換室31には、循環ファン35Aの吐出側に隣接する形で、温度センサ62Hが設けられている。この温度センサ62Hは、循環ファン35Aによって冷温蔵室25Hに送られる空気の温度を検知可能となっている。
図2に示すように、熱交換室31,32の下方には、ダクト機構50が配されている。ダクト機構50は、4つのダクト52,53,54,55と、各ダクト52,53,54,55を保持するダクト保持部材51と、バネ部材56と、各ダクト52〜55を伸縮させるための操作レバー57(切替部)と、を備えている。熱交換室31,32と、貯蔵室11Bとは、ダクト52〜55を介して連通される構成となっている。
ダクト52,53は、熱交換室31から下方(貯蔵室11B側)に延びており、ダクト54,55は、熱交換室32から下方(貯蔵室11B側)に延びている。ダクト52〜55は、例えば、ゴム材で形成された蛇腹状の部材であり、上下方向に伸縮可能となっている。ダクト52〜55は、その上端において対応する熱交換室の底壁に固定されている。操作レバー57は、ステーション30の正面に設けられている。作業者は、操作レバー57を回動操作することで、操作レバー57に設けられたカム(図示せず)によってダクト保持部材51を押し下げることができる。図2に示すように、ダクト保持部材51が押し下げられた状態では、ダクト52〜55の全長が伸び、各ダクト52〜55の下端部がカート10の貯蔵室11B側に延びることで、各ダクト52〜55の下端部(ラッパ状の部分)が断熱箱11Aの天井壁部15の各開口17A〜17Dを囲むようにして天井壁部15に当接する。
これにより、ダクト52によって熱交換室31と空気循環通路41とが連通され、ダクト53によって熱交換室31と冷温蔵室25Hとが連通される。この結果、ダクト52,53を介して、熱交換室31と冷温蔵室25Hとの間で空気を循環させるための空気循環路が形成される。また、ダクト54によって熱交換室32と冷蔵室25Cとが連通され、ダクト55によって熱交換室32と空気循環通路42とが連通される。この結果、ダクト54,55を介して、熱交換室32と冷蔵室25Cとの間で空気を循環させるための空気循環路が形成される。
また、図2に示す状態から作業者が操作レバー57を反時計回りに回動操作すると、操作レバー57のカムによるダクト保持部材51の押圧が解除される結果、バネ部材56が弾性復帰することで、ダクト保持部材51が引き上げられる。これにより、ダクト52〜55が縮むことで、各ダクト52〜55の下端が天井壁部15から離間する。このように、本実施形態では、操作レバー57を操作することで、ダクト52〜55を伸縮させることができ、開口17A〜17Dに対するダクト52〜55の接続及び非接続を切り替えることができる。これにより、カート10に対してステーション30を出し入れする際に、ダクト52〜55とカート10とが干渉する事態を抑制することができる。
上述した空気循環路が形成されている状態で循環ファン35Aが回転すると、冷温蔵室25H内の空気がダクト53を通じて熱交換室31に吸い込まれる。熱交換室31に吸い込まれた空気は、蒸発器33Aによって冷却され(又はヒータ34によって加熱され)、ダクト52から空気循環通路41に送り込まれる。空気循環通路41に送り込まれた空気は左側インナーパネル14Aに形成されている複数の孔から冷温蔵室25Hに流入する。このように、本実施形態では、循環ファン35Aの動作によって、ダクト52,53を介して、冷温蔵室25Hと熱交換室31との間で空気を循環させることができる。
また、上述した空気循環路が形成されている状態で循環ファン35Bが回転すると、冷蔵室25C内の空気がダクト54を通じて熱交換室32に吸い込まれる。熱交換室32に吸い込まれた空気は蒸発器33Bによって冷却され、ダクト55から空気循環通路42に送り込まれる。空気循環通路42に送り込まれた空気は右側インナーパネルに形成されている複数の孔から冷蔵室25Cに流入する。このように、本実施形態では、循環ファン35Bの動作によって、ダクト54,55を介して、冷蔵室25Cと熱交換室32との間で空気を循環させることができる。
次に、シャッター18の構成について、図3及び図4によって説明する。シャッター18は、図3及び図4に示すように、略方形状をなす板材とされ、断熱箱11Aの天井壁部15に対して下方から重なる形で配されている。シャッター18には、開口17B,17Cとほぼ同じ形状のシャッター側開口18B,18Cが形成されている。また、シャッター18は、左右方向の両端部において、天井壁部15に設けられた一対のガイドレール16,16に対して、それぞれ取り付けられており、シャッター18は、前後方向(図3の上下方向)に沿ってスライド移動が可能な構成となっている。これにより、シャッター18は、開口17B,17Cを閉じる閉位置(図3に示す位置)と、開口17B,17Cとシャッター側開口18B,18Cとがそれぞれ重なる開位置(図4に示す位置)の間で変位可能となっている。つまり、シャッター18が開位置にある状態では、開口17B,17Cが開放された状態となっている。なお、閉位置においては、図3に示すように、シャッター側開口18B,18Cが開口17B,17Cに対して後側(図3の上側)に配される。
また、シャッター18の後端部には、ピン19が形成されている。ピン19は、天井壁部15に形成された長手状の貫通孔15Aを通じて、天井壁部15の上方に突出されている。図4に示すように、ステーション30の奥壁30Bの内面には、ブラケット71が前側(図4の左側)に突出する形で設けられている。ブラケット71は、ピン19と同じ高さに配されており、左右方向(図4の紙面貫通方向)においてピン19と同じ位置に配されている。使用者が、ステーション30の格納室30Aにカート10を格納する際には、カート10を前方から格納室30Aに差し入れる。この時、ブラケット71の前端部によってピン19は後側から押圧される。これにより、閉位置にあるシャッター18が開位置に変位する構成となっている。つまり、ピン19及びブラケット71は、カート10が格納室30Aに格納されることに連動して、閉位置にあるシャッター18を開位置に変位させるシャッター変位機構26を構成するものとされる。
また、ブラケット71には、カート10が正規の格納位置に格納されたことを検知するカート検知部70が取り付けられている。カート10が正規の格納位置に格納されると、カート検知部70の当接部72がカート10(断熱箱11A)の上部に押されることで、カート検知部70がオンとなる。なお、カート10の正規の格納位置とは、ダクト52〜55の下方に、対応する開口17A〜17Dがそれぞれ配される位置のことである。
次に、冷温蔵装置1の電気的構成について説明する。図5に示すように、冷温蔵装置1は、制御部80を備える。制御部80には、操作部81A、表示部81B、温度センサ61C,61H,62H、循環ファン35A,35B、ヒータ34、冷却装置37(より具体的には圧縮機38、凝縮器ファン39Aや開閉弁)、計時部64、記憶部63、カート検知部70、ダクト検知部60が電気的に接続されている。なお、ダクト検知部60は、ダクト52〜55が伸長状態(図2の天井壁部15に当接した状態)であるか否かを検知するものであり、例えば磁気近接センサなどによって構成されている。
制御部80は、例えばCPUを主体に構成され、記憶部63は、例えばROMやRAMなどによって構成されている。制御部80は、記憶部63に記憶されたプログラムを実行することで、制御部80に接続された表示部81B、循環ファン35A,35B、ヒータ34、冷却装置37(ひいては蒸発器33A,33B)の動作をそれぞれ制御することが可能となっている。なお、制御部80及び記憶部63は、例えば、機械室36内に配置された電装箱内に収容されているが、これに限定されない。
また、図1に示すように、ステーション30の前壁部には、タッチパネル81(より詳しくはタッチパネル付き液晶パネル)が設けられている。タッチパネル81は、操作部81A及び表示部81B(報知部)を構成するものとされる。作業者は、タッチパネル81に表示されるスイッチを操作することで、冷温蔵装置1の運転に関する操作や各種設定(例えば、調理完了時刻や目標温度などの入力)、及び運転履歴の確認などを行うことができる。計時部64(内蔵時計)は、現在時刻を計時するものとされ、制御部80は、計時部64の現在時刻に基づいて、各機器の制御を行うことが可能となっている。
本実施形態の冷温蔵装置1において、制御部80は、所定の運転コースに基づいて、各機器(ヒータ34、冷却装置37、循環ファン35A,35B)の制御を行う。制御部80は、温度センサ61H,61Cによる検知温度が予め設定された設定温度となるように、各機器(ヒータ34、冷却装置37、循環ファン35A及び循環ファン35Bなど)の制御を行う。運転コースとしては、例えば、予冷運転、チルド運転、加熱運転等を例示することができる。なお、制御部80は、冷却装置37が備える開閉弁の開閉切替や、圧縮機38のオンオフ切替を行うことで、蒸発器33A,33Bの作動又は非作動を制御する。
チルド運転とは、冷蔵室25C及び冷温蔵室25Hをチルド冷蔵する運転であり、制御部80は、蒸発器33A,33B、循環ファン35A及び循環ファン35Bを動作させる。加熱運転とは、冷蔵室25Cを保冷し、冷温蔵室25Hを加熱する運転であり、制御部80は、蒸発器33Aの動作を停止させ、ヒータ34、蒸発器33B、循環ファン35A及び循環ファン35Bを動作させる。また、予冷運転とは、加熱運転後、次の食事を入れる前に空の状態の貯蔵室11B内を冷やすための運転であり、制御部80は、蒸発器33A,33B、循環ファン35A及び循環ファン35Bを動作させる。
本実施形態において、シャッター変位機構26が故障した場合などには、シャッター18が閉位置にある状態でステーション30にセットされることがあり、その場合には、冷温蔵室25Hと熱交換室31との間、及び冷蔵室25Cと熱交換室32との間で空気を循環させることができない。このため、制御部80は、シャッター18が閉位置にあるか否かを判定する判定処理を実行する機能を有している。なお、ステーション30は、その高さ(格納室30Aの高さ)を調整可能な構成となっているが、高さ調整が正しく行われていない場合には、ピン19がブラケット71に対して当接しない事態が考えられ、その場合もシャッター18が閉位置にある状態でステーション30にセットされてしまう。また、シャッター18が開位置にある場合でも、トレイ40に設置された食札などによって、熱交換室31,32と貯蔵室11Bの間の空気循環路(例えばステーション30に設けられた図示しないフィルタなど)が部分的に塞がれることによって、シャッター18が閉じている場合と同様の現象が起こり得る。
制御部80は、温度センサ61H,62Hの検知温度の温度変化に基づいて、シャッター18が閉位置にあるか否かを判定する判定処理と、シャッター18が閉位置にあることを報知する報知処理と、を実行する。判定処理は、加熱運転及び予冷運転(冷却運転の一例)を実行した際にそれぞれ実行される。
図6に予冷運転中における判定処理のフローチャートを示す。また、予冷運転中における温度センサ61Hの検知温度と時間推移の一例を図7に示す。図7に示す横軸は、予冷運転の開始時刻を基準(0分)とした時間であり、縦軸は、温度センサ61Hの検知温度である。また、図7においては、シャッター18が開位置にある状態(正常状態)の検知温度に符号K1を付し、シャッター18が閉位置にある状態の検知温度に符号H1を付している。予冷運転では、熱交換室31,32で生じた冷気が貯蔵室11Bに向かうことから、温度センサ61Hの温度が低下していく。図7の符号H1に示すように、予冷運転中において、シャッター18が閉位置にある場合には、熱交換室31の冷気が冷温蔵室25Hに向かい難くなり、冷気が熱交換室31に留まり易くなるから、温度センサ61Hの検知温度は正常状態(図7の符号K1参照)と比べて急激に低下する。
このため、予冷運転時において、温度センサ61Hの検知温度の低下速度が所定値以上である場合には、シャッター18が閉位置にあると判定することができる。具体的には、制御部80は、図6に示すように、予冷運転(ステップS11)を開始した後、温度センサ61Hの検知温度が所定温度T12だけ低下する時間(温度低下時間T1)が所定時間T2以下である場合にシャッター18が閉位置にあると判定する(判定処理、ステップS12)。例えば、制御部80は、温度センサ61Hの検知温度が20℃(第1所定温度)から5℃(第2所定温度)まで低下する(所定温度T12=15℃)際の時間が10分以下である場合に、シャッター18が閉位置にあると判定するが、ここで例示した温度、及び時間は一例であり、これらの数値に限定されない。
また、制御部80は、シャッター18が閉位置にあると判定した場合(ステップS12がYES)には、表示部81Bを作動させて報知処理(ステップS13)を行う。報知処理においては、制御部80は、例えば「庫内温度の異常を検出しました」という警告メッセージを表示部81B(タッチパネル81)に表示すると共に、その異常の原因として考えられる事項を使用者に提示するメッセージを表示部81Bに表示する。表示部81Bに表示されるメッセージとしては「加熱中に扉を開けませんでしたか?」、「カートは正しくセットされていますか?」、「フィルタに食札などがついていませんか?」、「カートのシャッターが閉じていませんか?」などの文言を例示することができる。なお、上記庫内温度とは、冷温蔵室25H内の温度である。
図8及び図9に加熱運転中における判定処理のフローチャートを示す。図8は、ヒータ34動作中の温度変化に基づく判定処理を示すものであり、図9は、ヒータ34停止後の温度変化に基づく判定処理を示すものである。また、加熱運転における温度センサ61H,62Hの検知温度と時間推移の一例を図10,図11に示す。図10,図11に示す横軸は、加熱運転の開始時刻を基準(0分)とした時間であり、縦軸は、温度センサ61H又は温度センサ62Hの検知温度である。図10においては、シャッター18が開位置にある状態(正常状態)の温度センサ61Hの検知温度に符号K2を付し、温度センサ62Hの検知温度に符号K3を付している。また、図11においては、シャッター18が閉位置にある状態の温度センサ61Hの検知温度に符号H2を付し、温度センサ62Hの検知温度に符号H3を付している。また、図10においては、ヒータ34の動作波形(電力)を符号A1で示し、図11においては、ヒータ34の動作波形(電力)を符号A2で示す。
加熱運転では、温度センサ61Hの検知温度が設定温度に達した時点又は温度センサ62Hの検知温度が設定温度に達した時点でヒータ34が停止する。なお、温度センサ62Hは、冷温蔵室25Hに向かう暖気の温度を測定する機能を担っており、制御部80は温度センサ62Hの検知温度に基づいてヒータ34を停止することで、高温の空気が冷温蔵室25Hに向かう事態を抑制し、冷温蔵室25Hの食器等を保護することができる。なお、図10では、温度センサ62Hの検知温度が200℃になった時点でヒータ34が停止した場合を例示している。また、制御部80は、温度センサ61Hの検知温度が設定温度(例えば115℃)になるようにヒータ34のオンオフを繰り返す。
ここで、シャッター18が閉位置にある状態(図11参照)では、熱交換室31と冷温蔵室25Hの間の空気循環路が形成されることがないから、ヒータ34によって生じた暖気が冷温蔵室25Hに向かう事態が抑制され、熱交換室31の温度が正常状態(図10参照)に比べて上昇し易くなる。このため、本実施形態では、制御部80は、加熱運転中(ヒータ34動作中)の温度センサ61Hの検知温度の上昇速度又は温度センサ62Hの検知温度の上昇速度に基づいて、シャッター18が閉位置にあるか否かを判定する。具体的には、制御部80は、図8に示すように、加熱運転(ステップS21)を開始した後、温度センサ61Hの検知温度が所定温度T13だけ上昇する時間(温度上昇時間T3)が所定時間T4以下である場合、又は温度センサ62Hの検知温度が所定温度T14だけ上昇する時間(温度上昇時間T5)が所定時間T6以下である場合にシャッター18が閉位置にあると判定する(判定処理、ステップS22)。
制御部80は、温度センサ61Hの検知温度が、例えば30℃から80℃まで上昇する(所定温度T13=50℃)際の温度上昇時間T3が5分(所定時間T4)以下である場合に、シャッター18が閉位置にあると判定する。また、制御部80は、温度センサ62Hの検知温度が、例えば100℃から150℃まで上昇する(所定温度T14=50℃)際の温度上昇時間T5が2分(所定時間T6)以下である場合に、シャッター18が閉位置にあると判定する。なお、上記温度及び時間は一例であり、これに限定されない。そして、制御部80は、シャッター18が閉位置にあると判定した場合(ステップS22がYES)には、予冷運転時と同様に表示部81Bを作動させて、報知処理(ステップS23)を行う。
また、制御部80は、ヒータ34停止後の温度センサ61Hの温度変化に基づいて判定処理を行う。シャッター18が閉位置にある状態ではヒータ34停止後の余熱によって生じた暖気が冷温蔵室25Hに向かうことがないから、正常状態(図10参照)と比べて熱交換室31の温度がより上昇し易くなる。このため、ヒータ34を停止した後(より詳しくはヒータ34が停止してから次にヒータ34が動作するまでの間)の温度センサ61Hの検知温度に基づいてシャッター18が閉位置にあるか否かを判定することができる。具体的には、制御部80は、図9に示すように、加熱運転が開始(ステップS31)した後、温度センサ61Hの検知温度T7が設定温度T8になった場合(ステップS32がYES)にヒータ34の動作を停止する(ヒータ停止処理、ステップS33)。
その後、制御部80は、ヒータ停止処理が実行された後の温度センサ61Hの検知温度T9が、ヒータ停止処理が実行された時点の温度センサ61Hの検知温度T10よりも所定温度T11以上高くなった場合にシャッター18が閉位置にあると判定する(判定処理、ステップS34)。例えば、制御部80は、ヒータ停止処理が実行された後の温度センサ61Hの検知温度T9が、ヒータ停止処理が実行された時点の温度センサ61Hの検知温度T10(図11では119℃)よりも10℃(T11)以上高くなった場合(図11のT15参照)にシャッター18が閉位置にあると判定する。なお、上記温度及び時間は一例であり、これに限定されない。また、ヒータ停止処理が実行された時点の温度センサ61Hの検知温度T10の代わりにヒータ34の設定温度T8を用いてもよい。そして、制御部80は、シャッター18が閉位置にあると判定した場合(ステップS34がYES)には、表示部81Bを作動させて、報知処理(ステップS35)を行う。
なお、制御部80は、ヒータ34の制御に関しては、温度センサ61H,62Hの検知温度について、例えば、0.2秒(サンプリング時間=0.2秒)ごとに取得した5つの測定値の平均値を用いて制御を行っている。また、制御部80は、冷却装置37の制御に関しては、温度センサ61H,62H,61Cの検知温度について、例えば、2秒(サンプリング時間=2秒)ごとに取得した5つの測定値の平均値を用いて制御を行っている。また、表示部81Bには、温度センサ61H,62H,61Cで取得した検知温度をそれぞれ表示することが可能となっている。制御部80は、表示部81Bの表示に関しては、温度センサ61H,62H,61Cについて、例えば、2秒ごとに取得した5つの測定値を平均した値を用いて表示を行っている。つまり、表示部81Bについては10秒ごとに温度表示が更新される。
上記のように、ヒータ34の制御に関しては、温度センサ61H,62Hの検知温度のサンプリング時間をより小さくすることで、ヒータ34の制御、特に上述のヒータ停止処理後の判定処理の精度をより高くすることができる。また、表示部81Bの表示については、ヒータ34の制御と比べて、サンプリング時間を大きくすることで、表示部81Bの表示が忙しなく切り替わる事態を抑制でき、使用者が温度表示を確認し易くなる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態において、シャッター18が開位置にある状態では、ダクト52〜55を介して貯蔵室11Bと熱交換室31,32との間で空気が循環する。これにより、ヒータ34によって生じた暖気又は蒸発器33A,33Bによって生じた冷気を貯蔵室20Aに送ることができる。一方、シャッター18が閉位置にある場合には、熱交換室31の暖気又は冷気が貯蔵室20Aに向かう事態が抑制される。このため、シャッター18が閉位置にある場合に、加熱運転を実行した際には温度センサ61H,62Hの検知温度は急激に上昇し、冷却運転を実行した際には温度センサ61Hの検知温度は急激に低下する。このため、熱交換室31に設けられた温度センサ61H,62Hの検知温度の温度変化に基づいてシャッター18が閉位置にあることを判定することができる。
具体的には、シャッター18が閉位置にある場合には、熱交換室31の冷気が貯蔵室11Bに向かう事態が抑制されるから、冷却運転を実行した際には温度センサ61Hの検知温度は急激に低下する。このため、温度センサ61Hの検知温度が所定温度だけ低下する時間が所定時間以下である場合にシャッター18が閉位置にあると判定することができる。
また、シャッター18が閉位置にある場合には、ヒータ34を停止した後の余熱によって生じた熱交換室31の暖気が貯蔵室11Bに向かう事態が抑制されるから、温度センサ61Hの検知温度は急激に上昇する。このため、温度センサ61Hの検知温度が、ヒータ停止処理が実行された時点の温度センサ61Hの検知温度よりも所定温度以上高くなった場合にシャッター18が閉位置にあると判定することができる。
また、シャッター18が閉位置にある場合には、熱交換室31の暖気が貯蔵室11Bに向かう事態が抑制されるから、加熱運転を実行した際には温度センサ61Hの検知温度は急激に上昇する。このため、温度センサ61Hの検知温度が所定温度だけ上昇する時間が所定時間以下である場合にシャッター18が閉位置にあると判定することができる。
また、表示部81Bを備え、制御部80は、判定処理においてシャッター18が閉位置にあると判定した場合に、表示部81Bによってシャッター18が閉位置にあることを報知する報知処理を実行する。報知処理によってシャッター18が閉位置にある事態を使用者に報知することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、報知部として、タッチパネルの表示部を例示したが、これに限定されない。報知部としてブザーやランプなどを用いてもよく、ブザー音やランプの点灯によって、シャッター18が閉位置にあることを報知してもよい。
(2)シャッター18の判定処理における各所定温度や各所定時間は、上述したものに限定されず、適宜設定可能である。シャッター18の判定処理における各所定温度や各所定時間は、シャッター18が開位置にある状態と閉位置にある状態でそれぞれ試験を行い、その試験結果に基づいて決定することができる。
(3)上記実施形態では、冷却運転中、ヒータ動作中、ヒータ停止後にそれぞれ判定処理を行う構成を例示したが、判定処理は、冷却運転中、ヒータ動作中、ヒータ停止後のうち、いずれかの状態のみで行ってもよい。
1…冷温蔵装置、10…カート、11A…断熱箱、11B…貯蔵室、15…天井壁部(壁部)、17B…開口、18…シャッター、30…ステーション、30A…格納室、31…熱交換室、33A…蒸発器、34…ヒータ、35A…循環ファン、37…冷却装置、53…ダクト、61H…温度センサ、80…制御部、81B…表示部(報知部)

Claims (5)

  1. 貯蔵室を構成する断熱箱を備えるカートと、
    前記カートが格納される格納室を有するステーションと、を備え、
    前記ステーションは、
    熱交換室と、
    前記熱交換室に設けられたヒータと、
    前記熱交換室に設けられた蒸発器を備える冷却装置と、
    前記熱交換室と前記貯蔵室とを連通するダクトと、
    前記熱交換室に設けられた温度センサと、
    前記熱交換室に設けられ、前記ダクトを介して、前記貯蔵室と前記熱交換室との間で空気を循環させることが可能な循環ファンと、
    前記ヒータ、前記冷却装置、前記循環ファンをそれぞれ制御することが可能な制御部と、を備え、
    前記断熱箱は、
    前記ダクトが接続される開口を有すると共に前記貯蔵室を構成する壁部と、
    前記開口を閉じる閉位置と前記開口を開放する開位置との間で変位可能なシャッターと、を備え、
    前記制御部は、
    前記ヒータ及び前記循環ファンを動作させる加熱運転、又は前記冷却装置及び前記循環ファンを動作させる冷却運転を実行した際の前記温度センサの検知温度の温度変化に基づいて、前記シャッターが前記閉位置にあるか否かを判定する判定処理を実行する冷温蔵装置。
  2. 前記制御部は、
    前記判定処理において、
    前記冷却運転を実行した際の前記温度センサの検知温度が所定温度だけ低下する時間が、所定時間以下である場合に前記シャッターが前記閉位置にあると判定する請求項1に記載の冷温蔵装置。
  3. 前記制御部は、
    前記加熱運転中に、前記温度センサの検知温度が予め設定された設定温度になった際に前記ヒータを停止させるヒータ停止処理を実行し、
    前記判定処理において、
    前記ヒータ停止処理が実行された後の前記温度センサの検知温度が、前記ヒータ停止処理が実行された時点の前記温度センサの検知温度よりも所定温度以上高くなった場合に前記シャッターが前記閉位置にあると判定する請求項1又は請求項2に記載の冷温蔵装置。
  4. 前記制御部は、
    前記判定処理において、
    前記加熱運転を実行した際の前記温度センサの検知温度が所定温度だけ上昇する時間が、所定時間以下である場合に前記シャッターが前記閉位置にあると判定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷温蔵装置。
  5. 報知部を備え、
    前記制御部は、
    前記判定処理において前記シャッターが前記閉位置にあると判定した場合に、前記報知部によって前記シャッターが前記閉位置にあることを報知する報知処理を実行する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷温蔵装置。
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