JP2019014612A - モノクロロスルファミン酸塩の水溶液の製造方法 - Google Patents

モノクロロスルファミン酸塩の水溶液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を簡便かつ効率よく連続的に製造可能な方法の提供。【解決手段】モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造する方法であって、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを混合すること、及び前記次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合点以降の温度の測定結果に基づいて、前記次亜塩素酸塩の水溶液及び前記スルファミン酸塩の水溶液の少なくとも一方の流量を調整することを含むモノクロロスルファミン酸塩の水溶液の製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造する方法に関する。
モノクロロスルファミン酸塩は、冷却水等の水系における抗菌処理、及びシアン等の有機物含有廃水の処理等の様々な処理に使用されている。モノクロロスルファミン酸塩は、通常、処理を行う現場において、次亜塩素酸塩とスルファミン酸塩とを反応させることによって用時調製されるのが好都合である。
一方、次亜塩素酸塩とスルファミン酸塩とを反応させるにあたり、これらの割合が適切ではないと、ジクロロスルファミン酸塩やトリクロロスルファミン酸塩が生成しそれらが連鎖的な分解反応分を起こし、それにより窒素ガスが発生したりすることが知られている。このため、モノクロロスルファミン酸塩水溶液を安全に製造するためには、スルファミン酸塩と次亜塩素酸塩とを適切な割合(例えば、スルファミン酸塩1モルに対して有効塩素濃度1モル等)で混合する必要がある。しかしながら、次亜塩素酸塩水溶液の有効塩素濃度は、保管環境等によって自然に減少することから、正確な濃度を随時把握することは非常に煩雑であり、また、定量ポンプの吐出量を制御することによって次亜塩素酸塩とスルファミン酸塩との混合割合を適切な範囲に制御することは困難である。
特許文献1には、次亜塩素酸塩水溶液とスルファミン酸塩水溶液との混合液の酸化還元電位を測定し、それにより次亜塩素酸塩水溶液の流量を調整して連続的にクロロスルファミン酸塩水溶液を製造する方法を開示する。しかしながら、酸化還元電位の測定は、煩雑であり、また、混合液に電極を直接接触させる必要があり簡便な方法であるとはいえない。
特公昭41−15116号
本開示は、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを反応させることによって、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を簡便かつ効率よく連続的に製造可能な方法を提供する。
本開示は、一態様において、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造する方法であって、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを混合すること、及び前記次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合点以降の温度の測定結果に基づいて、前記次亜塩素酸塩の水溶液及び前記スルファミン酸塩の水溶液の少なくとも一方の流量を調整することを含むモノクロロスルファミン酸塩の水溶液の製造方法に関する。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を簡便かつ効率よく連続的に製造することができる。
図1は、実施例で使用した測定装置の概略図を示す。
モノクロロスルファミン酸塩水溶液の合成は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩と、スルファミン酸ナトリウム等のスルファミン酸塩とを混合することにより行われる。次亜塩素酸ナトリウムとスルファミン酸ナトリウムとの反応により、モノクロロスルファミン酸ナトリウムが合成される。
NaClO+NH2SO3Na→NHClSO3Na+H2
次亜塩素酸ナトリウムとスルファミン酸ナトリウムとの混合割合が適切ではないと、ジクロロスルファミン酸塩やトリクロロスルファミン酸塩が生成しそれらが連鎖的な分解反応分を起こし、それにより窒素ガスが発生したりする。このため、この反応によりモノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造する場合、次亜塩素酸塩とスルファミン酸塩とを適切な割合で混合することが重要である。
本開示は、混合後の水溶液の温度を指標として、次亜塩素酸塩の水溶液及びスルファミン酸塩の水溶液の少なくとも一方の流量を調節することによって、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合比率を簡便に最適な比率とすることができるという知見に基づく。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを最適な混合比率で混合することができることから、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を効率よく製造することができる。本開示によれば、一又は複数の実施形態において、供給する次亜塩素酸塩の水溶液の有効塩素濃度が変動した場合であっても、最適な混合比率に容易に調整することができる。本開示によれば、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合による不都合な分解を抑制でき、また窒素ガスの発生を抑制することができる。本開示によれば、一又は複数の実施形態において、モノクロロスルファミン酸塩水溶液を、いつでも、どこでも、必要量のモノクロロスルファミン酸塩水溶液を安価にかつ容易に連続して製造することができる。
次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを最適な混合比率で混合できているかどうか(モノクロロスルファミン酸塩の水溶液が効率よく製造できているかどうか)は、例えば、次亜塩素酸塩の有効塩素量に対する次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合液の有効塩素量から求める残留率で評価できる。残留率が、一又は複数の実施形態において、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上又は95%以上であれば最適な混合率で混合できているといえる。本開示によれば、一又は複数の実施形態において、混合液中の有効塩素の残留率を90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上又は95%以上に維持した状態で、モノクロロスルファミン酸塩水溶液を連続して製造することができる。
残留率は、次亜塩素酸塩水溶液及び混合水溶液の有効塩素濃度の測定値、並びにその時点での単位時間あたりのそれぞれの重量から算出できる。
残留率(%)={([混合液の有効塩素濃度(測定値w/w%)]×[単位時間当たりの混合液重量(測定値g)])÷([次亜塩素酸塩水溶液の有効塩素濃度(測定値w/w%)]×[単位時間当たりの次亜塩素酸塩水溶液重量(測定値g)])}×100
本開示は、一態様において、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造する方法(本開示の製造方法)に関する。本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを混合すること、及び前記次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合点以降の温度の測定結果に基づいて、前記次亜塩素酸塩の水溶液及び前記スルファミン酸塩の水溶液の少なくとも一方の流量を調整することを含む。
本開示において「連続的に製造する」こととしては、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを連続的に混合すること及び/又は断続的に継続して混合することによって、連続反応によりモノクロロスルファミン酸塩の水溶液を製造することをいう。「連続的に製造する」ことは、一又は複数の実施形態において、反応槽に、所定の量の次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを添加し、混合することによって製造すること、すなわち回分反応(バッチ式)及び半回分反応(セミバッチ式)による製造は含まない。
モノクロロスルファミン酸塩としては、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩とスルファミン酸塩との反応生成物であれば特に制限されない。モノクロロスルファミン酸塩としては、一又は複数の実施形態において、N−モノクロロスルファミン酸(NHCl−SO3H)塩等が挙げられる。塩としては、一又は複数の実施形態において、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属、カルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられる。
本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを混合することを含む。
次亜塩素酸塩の水溶液としては、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩を生成してスルファミン酸塩と反応しうる化合物を水に溶解することにより得られた水溶液、及び食塩水及び又は海水を電解槽で電気分解することによって得られる次亜塩素酸塩の水溶液等が挙げられる。次亜塩素酸塩としては、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸ナトリウム及び次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸のアルカリ金属塩;次亜塩素酸カルシウム及び次亜塩素酸マグネシウム等の次亜塩素酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。次亜塩素酸塩としては、一又は複数の実施形態において、工業的に入手しやすい点からは、次亜塩素酸ナトリウム及び次亜塩素酸カリウムが挙げられる。
スルファミン酸塩の水溶液としては、一又は複数の実施形態において、水中でスルファミン酸塩を生成して次亜塩素酸塩と反応しうる化合物を水に溶解することにより得られた水溶液等が挙げられる。スルファミン酸塩としては、一又は複数の実施形態において、スルファミン酸ナトリウム及びスルファミン酸カリウム等のスルファミン酸のアルカリ金属塩;メチルスルファミン酸、メチルスルファミン酸ナトリウム及びメチルスルファミン酸カリウム等のメチルスルファミン酸のアルカリ土類金属塩;フェニルスルファミン酸、フェニルスルファミン酸ナトリウム及びフェニルスルファミン酸カリウム等のフェニルスルファミン酸のアルカリ土類金属塩;メチルスルファミン酸アンモニウム、並びにフェニルスルファミン酸アンモニウムなどの有機スルファミン酸またはその塩が挙げられる。スルファミン酸塩としては、工業的に入手しやすい点からは、スルファミン酸ナトリウム及びスルファミン酸カリウムが挙げられる。
次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とは、一又は複数の実施形態において、配管(ライン)上で行うことが好ましい。混合は、特に限定されない一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩の水溶液を供給する配管(ライン)に、スルファミン酸塩の水溶液を添加するように行うことができる。
本開示の製造方法は、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合点以降の温度の測定結果に基づいて、次亜塩素酸塩の水溶液及びスルファミン酸塩の水溶液の少なくとも一方の流量を調整することを含む。本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、混合点以降の温度の測定結果に基づく流量の調整を行うことにより、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造することを含む。本開示において「混合点」としては、次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とが混合する箇所をいう。特に限定されない一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩の水溶液を供給する配管(ライン)に、スルファミン酸塩の水溶液を添加する形態の場合、スルファミン酸塩が添加される箇所をいう。
温度の測定は、一又は複数の実施形態において、混合液そのものの温度を測定してもよいし、混合液を送液する配管の外側で行ってもよい。測定箇所は、混合点以降であれば特に制限されるものではなく、一又は複数の実施形態において、混合点と、生成されたモノクロロスルファミン酸塩の水溶液を添加する設備との間(配管)等が挙げられる。測定箇所は、一又は複数の実施形態において、1箇所であってもよいし、2箇所以上であってもよい。
流量の調整は、一又は複数の実施形態において、温度の測定結果が、予め設定した温度範囲内となるように行うことが好ましい。本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、温度の測定結果と、予め設定した温度範囲とを対比することを含んでいてもよい。流量の調整としては、一又は複数の実施形態において、温度の測定結果が、予め設定した温度範囲内ではあるが範囲内において高めである又は予め設定した温度範囲よりも高いと判断した場合、次亜塩素酸塩の水溶液の流量を減少させるか、及び/又はスルファミン酸塩の水溶液の流量を増加させることが挙げられる。流量の調整としては、一又は複数の実施形態において、温度の測定結果が、予め設定した温度範囲内ではあるが範囲内において低めである又は予め設定した温度範囲よりも低いと判断した場合、次亜塩素酸塩の水溶液の流量を増加させるか、及び/又はスルファミン酸塩の水溶液の流量を減少させることが挙げられる。
温度範囲は、一又は複数の実施形態において、雰囲気温度等の反応条件等に応じて適宜決定できる。特に限定されない一又は複数の実施形態において、本開示の製造方法は、混合点以降の温度が55℃以下、54℃以下、53℃以下、52℃以下、51℃以下、50℃以下、30〜50℃、35〜50℃又は40〜50℃となるように流量の調整を行うことを含む。
本開示は、以下の、一又は複数の実施形態に関しうる;
〔1〕 モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造する方法であって、
次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを混合すること、及び
前記次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合点以降の温度の測定結果に基づいて、前記次亜塩素酸塩の水溶液及び前記スルファミン酸塩の水溶液の少なくとも一方の流量を調整することを含む、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液の製造方法。
〔2〕 前記次亜塩素酸塩が、次亜塩素酸ナトリウムである、〔1〕記載の製造方法。
〔3〕 前記スルファミン酸塩が、スルファミン酸ナトリウムである、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 前記混合点以降の温度の測定結果に基づく流量の調整を行うことにより、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造することを含む、〔1〕から〔3〕のいずれか一つに記載の製造方法。
〔5〕 前記混合点以降の温度が50℃以下となるように、前記流量の調整を行うことを含む、〔1〕から〔4〕のいずれか一つに記載の製造方法。
以下、実施例及び比較例を用いて本開示をさらに説明する。ただし、本開示は以下の実施例に限定して解釈されない。以下、特に言及がない限り「%」は、「w/w%」のことをいう。
[薬剤]
<40%スルファミン酸ナトリウム水溶液の調製>
30L容のホーローバットに、水道水7.88kgとスルファミン酸(日産化学株式会社製)6.52kgとを入れ、冷却・撹拌しながら48%水酸化ナトリウム水溶液(要薬品株式会社製)5.6kgを40℃以下の温度で添加し、40%スルファミン酸ナトリウム水溶液(比重(20℃):1.32)を20kg得た。
<次亜塩素酸ナトリウム水溶液の調製>
低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液(株式会社カネカ製)を5℃の冷蔵庫にて保管し、使用時にヨウ素滴定法(第五版 食品添加物公定書解説書 参照)に準じて有効塩素濃度(w/w%)を求め、室温にて使用した。
[試験例1]モノクロロスルファミン酸ナトリウム生成の確認試験
図1に示す装置を用いて、モノクロロスルファミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
図1の測定装置は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び40%スルファミン酸ナトリウム水溶液をそれぞれ収納可能な容器、定量ポンプ、温度計、及び最終受けバットを備える。次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び40%スルファミン酸ナトリウム水溶液を収納可能な容器はそれぞれ定量ポンプを介して配管と接続し、最終バットは、生成されたモノクロロスルファミン酸ナトリウム水溶液を収容可能なように配置されている。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び40%スルファミン酸ナトリウム水溶液を収納可能な容器は、それぞれ、台秤上に配置され、台秤により重量を測定することによって、正確な添加量(g/分)を即座に把握できる。温度計は、混合点(X)と最終受けバットとの間の配管であって、混合点(X点)から5m先の地点(Y点)に配管の外側に接触させて固定した。
<実験方法>
次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び40%スルファミン酸ナトリウム水溶液の一方の流量を固定し、他方の流量を変動させて、配管の温度とA点混合水の有効塩素濃度(w/w%)ならびにその時点での両水溶液の添加量(g/分)とを測定した(雰囲気温度:25℃)。温度、有効塩素濃度、及び添加量の測定は、流量を変化させた2分後のタイミングで行った。なお、激しい反応を防止するため、最終受けバットには予め100kgの希釈水を入れておいた。
有効塩素濃度と添加量の測定値より求めた混合液の有効塩素量(g)がその時点で同様にして求めた次亜塩素酸ナトリウム水溶液の有効塩素量(g)に近い(90%以上)と、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と40%スルファミン酸ナトリウム水溶液とを最適な比率で混合できている(モノクロロスルファミン酸を効率よく製造できている)といえる。よって、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び40%スルファミン酸ナトリウム水溶液の両添加量と次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び混合液の両有効塩素濃度(測定値)から下記式より有効塩素の残留率(%)を求めた。それらの結果を下記表1に示す。
残留率(%)={([混合液の有効塩素濃度(測定値w/w%)]×[単位時間当たりの混合液重量(測定値g)])÷([次亜塩素酸塩水溶液の有効塩素濃度(測定値w/w%)]×[単位時間当たりの次亜塩素酸塩水溶液重量(測定値g)])}×100
<有効塩素濃度の測定方法>
有効塩素濃度(w/w%)の測定は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及びA点から柄杓により採取した混合液を用いて、ヨウ素滴定法により測定した。次に具体的な測定手順を示す。
(1)200mL容三角フラスコに20%硫酸を駒込ピペットで約10mL、純水を約50mL、ヨウ化カリウム約1gを加え、混合溶解する。
(2)試料の適量(残留塩素として0.05g前後)を有効数字4ケタの重量精度でビーカーに計りとる。
(3)上記ビーカーの内容物を(1)の三角フラスコに投入し、ビーカーの洗浄水も加えて、混合する(無色だったヨウ素アニオンが酸化され褐色のヨウ素(I2)となる)。この時、pHが酸性でなければ、20%硫酸をさらに添加する。
(4)ビュレットを用いて0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。溶液の褐色が消える点を終点とする。0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1mLが有効塩素0.00355gに相当する。
(5)空試験として純水10mLで(1)〜(4)と同じ操作をする。
(6)上記(1)〜(5)の測定後、下記式より有効塩素濃度(w/w%)を算出する。
有効塩素濃度(X、w/w%)={(a−b)×f×0.00355÷V}×100
X:有効塩素濃度(w/w%)
a:滴定に要した0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液(mL)
b:空試験に要した0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液(mL)
f:0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
V:試料重量(g)
表1に示すように、配管の温度が、例えば、55℃以上といった高温になると、有効塩素の残留率が90%を下回ることが確認できた。次亜塩素酸ナトリウムとスルファミン酸ナトリウムとの比率が適切でない場合、特に次亜塩素酸ナトリウムの比率が高くなると連鎖的な分解反応が生じ、その結果、有効塩素の残留率が低下するとともに、目的であるモノクロロスルファミン酸ナトリウムが十分に効率よく製造することができない。有効塩素の残留率が90%以上、好ましくは95%以上であれば、効率よく製造することが確認されている。上記の表1に示すように、混合点後の温度を55℃以下、好ましくは50℃以下になるように流量を調整することによって、有効塩素の残留率を95%以上に維持することができ、モノクロロスルファミン酸ナトリウムを効率的に連続して製造できるといえる。

Claims (5)

  1. モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造する方法であって、
    次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液とを混合すること、及び
    前記次亜塩素酸塩の水溶液とスルファミン酸塩の水溶液との混合点以降の温度の測定結果に基づいて、前記次亜塩素酸塩の水溶液及び前記スルファミン酸塩の水溶液の少なくとも一方の流量を調整することを含む、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液の製造方法。
  2. 前記次亜塩素酸塩が、次亜塩素酸ナトリウムである、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記スルファミン酸塩が、スルファミン酸ナトリウムである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記混合点以降の温度の測定結果に基づく流量の調整を行うことにより、モノクロロスルファミン酸塩の水溶液を連続的に製造することを含む、請求項1から3のいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 前記混合点以降の温度が50℃以下となるように、前記流量の調整を行うことを含む、請求項1から4のいずれか一つに記載の製造方法。
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