JP2019013858A - 制御システム及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセスの運用に係る負担を低減することができる制御システム及び制御方法を提供する。【解決手段】制御演算部は、流入水に対するプロセスのモデルを用いて、入力変数として前記流入水の流入量、前記流入水の水質である流入水質及び前記プロセスの操作量から、出力変数として前記プロセスの管理指標及び前記プロセスからの放流水の水質である放流水質を演算し、前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットのうち、所定の制約条件を満たす前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットを定める。キャリブレーション部は、前記入力変数及び前記管理指標の測定値のそれぞれと前記放流水質の測定値との相関強度に基づいて前記入力変数に対する前記出力変数のむだ時間を算出し、前記入力変数に作用するむだ時間を、算出したむだ時間に変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、制御システム及び制御方法に関する。
従来から、下水処理の効率化を図るための下水処理プロセスモデルが提案されている。下水処理プロセスモデルには、例えば、活性汚泥モデル(ASM:Activated Sludge Model)等がある。ASMは、流入水質への変動に対応し、嫌気無酸素好気(AO:Anaerobic−Anoxic−Oxic)法等の下水処理方法における性能を十分に引き出すために国際水協会(IWA:International Water Association)が提案したモデルである。モデルにより算出されるプロセスの予測値は、設備設計、運転支援、予測制御等に利用される。
図9は、従来の下水処理システムの一例を示すブロック図である。図9に示す下水処理システムは、AO法による下水処理プロセスを制御対象とし、ASMに基づく制御を実行する。この下水処理プロセスでは、最初沈殿池P01では、流入した汚水に含まれている固形物を沈殿除去させる。嫌気槽P02には、最初沈殿池P01からの上澄み水が流入し、最終沈殿池P05から返送汚泥P10が返送される。ここで、微生物が処理水中の酢酸や酪酸を摂取しリン酸を処理水中に排出する。無酸素槽P03には、嫌気槽P02から処理水が流入し、好気槽後段P07から硝酸態窒素を含む返送水P08(硝化液)が返送される。無酸素槽P03では、微生物の呼吸により硝化液に含まれる硝酸と酸素を窒素に変化させ空中に放出する(脱窒)。好気槽P04では、無酸素槽P03からの処理水に対して曝気P13がなされ、曝気P13による溶存酸素と処理水中のアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変化させる(硝化)。また、好気槽P04において、微生物はリンを摂取し、最終沈殿池P05では、好気槽P04から流入した処理水からリンを摂取した微生物を含む活性汚泥が沈殿除去し(脱リン)、上澄み水を放出される(P06)。最終沈殿池P05から、沈殿した活性汚泥の一部が返送汚泥P10として嫌気槽P02に返送される。また、残りの活性汚泥は、余剰汚泥P11として系外に排出される(P06)。排出された余剰汚泥P11に対する処理設備、例えば、汚泥濃縮設備は、本プロセスには含まれない。
ASMは、下水処理の各機能(プロセス)毎に分割されたセルから構築される。非特許文献1に示すように、ASMは、セル毎に様々な形態の有機物、窒素、リン、関連する菌体量、沈殿物などを考慮したモデル演算が含まれる。また、プロセスの効率を維持するために、構築されたモデルは、下水処理プロセスの経年劣化、流入水質の経年変化等により、モデル演算に係るモデルパラメータを定期的に再調整する必要がある。
特開2017−91056号公報
片山尚樹、伊熊信男、浅野卓哉、"活性汚泥モデルの構築と活用について",横浜市環境科学研究所,横浜市環境科学研究所所報,第32号2008,p.120−129,2008.3
ASMを用いて下水処理プロセスを運用するためには、高い運用能力が求められる。例えば、モデルパラメータを再調整するために多くの時間と作業量を要する。他方、ASMでは、施設や流入水質の経年変化により初期導入時と同様の精度を維持できないことがある。例えば、モデルパラメータやむだ時間などが実際に運用されるプロセスに適合しなくなる。この場合、モデル予測値によるプロセスの制御ができなくなるため多くのコストや労力を費やしてもモデルによる予測制御が機能しない場合がある。このことは、ASMが十分に活用されない一因となりうる。そのため、下水処理設備がモデルによる予測制御に代え、流入水量による比例曝気風量制御などの簡易な処理で運用されることがある。そのような場合には、放流水質を一定以上の水質に維持するよう安全を見込んだ制御にならざるを得ない。そのため、曝気に係るエネルギーの消費量やそのコストが過剰になりがちであり、エネルギーやコストの低減を目的とした運転を行うことができなかった。また、モデルパラメータの再調整などの作業を、プラント運用業者、製造業者などの機関に委託すると定期的に多くのコストが発生する。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プロセスの運用に係る負担を低減することができる制御システム及び制御方法を提供する。
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、流入水に対するプロセスのモデルを用いて、入力変数として前記流入水の流入量、前記流入水の水質である流入水質及び前記プロセスの操作量から、出力変数として前記プロセスの管理指標及び前記プロセスからの放流水の水質である放流水質を演算し、前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットのうち、所定の制約条件を満たす前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットを定める制御演算部と、前記入力変数及び前記管理指標の測定値のそれぞれと前記放流水質の測定値との相関強度に基づいて前記入力変数に対する前記出力変数のむだ時間を算出し、前記入力変数に作用するむだ時間を、算出したむだ時間に変更するキャリブレーション部と、を備える制御システムである。
(2)本発明の他の態様は、(1)の制御システムであって、前記キャリブレーション部は、前記制御演算部が演算した前記放流水質の演算値が、前記放流水質の測定値に近づくように前記モデルのパラメータを変更する。
(3)本発明の他の態様は、(2)の制御システムであって、変更前後それぞれにおける前記モデルのパラメータを用いて算出された前記放流水質の演算値の前記放流水質の測定値に対する適合度を示す確認画面を出力する運転支援部を備える。
(4)本発明の他の態様は、(3)の制御システムであって、前記運転支援部は、前記管理指標を示す運転管理画面をさらに出力する。
(5)本発明の他の態様は、(1)から(4)のいずれかの制御システムであって、前記制御演算部は、現時点における操作量から所定の範囲内の操作量について前記放流水質を算出し、算出した放流水質が所定の水質基準値以上となる操作量のうち最小となる操作量を定める。
(6)本発明の他の態様は、(1)から(5)のいずれかの制御システムであって、前記操作量は、曝気における送風量であり、前記流入水質の指標は、濁度であり、前記管理指標は、溶存酸素濃度及びアンモニア性窒素濃度であり、前記放流水質の指標は、全窒素濃度、全リン濃度及び化学的酸素要求量の少なくともいずれかである。
(7)本発明の他の態様は、上述した制御方法であって、流入水に対するプロセスのモデルを用いて、入力変数として前記流入水の流入量、前記流入水の水質である流入水質及び前記プロセスの操作量から、出力変数として前記プロセスの管理指標及び前記プロセスからの放流水の水質である放流水質を演算し、前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットのうち、所定の制約条件を満たす前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットを定める制御演算過程と、前記入力変数及び前記管理指標の測定値のそれぞれと前記放流水質の測定値との相関強度に基づいて前記入力変数に対する前記出力変数のむだ時間を算出し、前記入力変数に作用するむだ時間を、算出したむだ時間に変更するキャリブレーション過程と、を有する。
本発明の一態様によれば、プロセスの運用に係る負担を低減することができる。より具体的には、簡易なモデルを用いることで精度の維持と運用に係る労力の低減を両立することができる。また、本発明の他の態様によれば、制約条件として放流水質を維持しながらエネルギー消費量やコストを低減することができる。さらに、本発明の他の態様によれば、放流水質の演算値や管理指標を表示して、ユーザによるプロセスの運用を効率的かつ的確にすることができる。
本実施形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る下水処理プロセスの構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る簡易モデルの構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るむだ時間変更処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係るモデルパラメータ変更処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る制御演算処理の一例を示すフローチャートである。 むだ時間の計算例を示す図である。 本実施形態に係るキャリブレーション確認画面の例を示す図である。 従来の下水処理システムの一例を示すブロック図である。
以下、図面を参照し、本発明に係る制御システム及びデータ処理方法の実施形態について説明する。
まず、本発明の実施形態に係る制御システムの一構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る制御システムCS1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る制御システムCS1は、監視制御部F02、データ保存部F03及びモデル予測制御部F04を備えるプロセス制御システムである。
監視制御部F02は、下水処理プロセスF01の状態を監視もしくは制御する。監視制御部F02には、下水処理プロセスからプロセス信号が逐次に(例えば、1〜15分間隔)入力され、入力されるプロセス信号をデータ保存部F03に記憶する。プロセス信号は、各時点において下水処理プロセスF01において計測されたプロセス値のセットを示す。
監視制御部F02には、モデル予測制御部F04からの設定値として下水処理プロセスF01への操作量が入力される。操作量は、本実施形態では、下水処理プロセスF01を構成する曝気における送風量に相当する。監視制御部F02は、操作量を示す制御信号を下水処理プロセスF01に出力する。監視制御部F02は、各時点における操作量のデータをプロセス値と対応付けてデータ保存部F03に記憶してもよい。
また、監視制御部F02は、各時点におけるプロセス値からなる時系列を示す監視画面を表示する表示部(ディスプレイ)を備えてもよい。監視画面には、さらに各時点における操作量からなる時系列が表されてもよい。
監視制御部F02は、下水処理プロセスF01の規模に応じて、監視パネル(盤)、PLC(Programmable Logic Controller)、SCADA(Supervisory Control and Data Aquisition)、DCS(Distributed Control System)などのいずれの形態で実現されてもよい。
下水処理プロセスF01は、図9に示す下水処理プロセスF01と同様の構成を有する。下水処理プロセスF01において取得されるプロセス値には、例えば、流入量、濁度、DO(Dissolved Oxygen,溶存酸素濃度)、NH(アンモニア態窒素濃度)、T−N(全窒素濃度)、T−P(全リン濃度)、COD(Chemical Oxigen Demand,化学的酸素要求量)などが含まれうる。そのうち、流入量は、下水処理プロセスF01に流入する流入水の単位時間当たりの流入量である。図2に示す例では、流入量P14は、最初沈殿池P01への流入口に設置されたセンサにより測定される。濁度は、処理水の濁り度合いを示す指標である。図2に示す例では、濁度P15は、嫌気槽前段P12に設置されたセンサにより計測される。この段階では、流入水に返送汚泥P10が加えられた処理水が測定対象となる。
DO、NH3は、下水処理プロセスF01の一工程である曝気の管理指標である。DOは、曝気により供給された酸素の酸素量から処理水中の微生物により消費された酸素量の差に相当する。NH3は、処理水に含まれる窒素化合物の分解により増加し、増加したNH3は曝気により供給された酸素と処理水中の微生物の活動により減少する。図2に示す例では、DO(P17)、NH3(P18)は、それぞれ好気槽P04に設置されたセンサにより測定される。
T−N、T−P、CODは、下水処理プロセスF01から放流される放流水の水質(放流水質)を示す指標である。T−Nは、放流水に含まれる窒素化合物全体の濃度である。T−Pは、放流水に含まれるリン酸化合物全体の濃度である。CODは、放流水中の被酸化性物質を酸化するために必要とする酸素量を示す。本実施形態に係る制御システムCS1では、T−N、T−P、CODのうち、いずれか1つが採用されてもよいし、そのうちの2つもしくは全部が採用されてもよい。図2に示す例では、放流水質としてT−N(P19)が、最終沈殿池P05からの放出口に設置されたセンサにより測定される。
データ保存部F03は、監視制御部F02から逐次に提供されるプロセスデータを記憶する記憶媒体を備える。従って、データ保存部F03には、各時刻におけるプロセス値と操作量を示すプロセスデータが累積される。データ保存部F03は、監視制御部F02とモデル予測制御部F04のいずれか一方と一体化されてもよい。
モデル予測制御部F04は、データ保存部F03から読み出したプロセスデータから下水処理プロセスF01のモデルを生成する。また、モデル予測制御部F04は、生成したモデルを用いて、その時点におけるプロセス値である流入量、流入水質である濁度及び下水処理プロセスF01に対する操作量である送風量から管理指標であるDOならびにNH及び放流水質(例えば、T−N)を算出する。モデル予測制御部F04は、算出した操作量、管理指標及び放流水質のセットが所定の制約条件を満たし、かつ、コストを最小とする送風量、DO、NH及び放流水質のセットを定める。モデル予測制御部F04は、定めた送風量を設定値として監視制御部F02に出力し、管理指標であるDO、NH及び放流水質を運転支援部F08に出力する。モデル予測制御部F04は、モデル構築部F05と、自動キャリブレーション部F06と、制御演算部F07と、運転支援部F08と、を備える。
モデル構築部F05は、データ保存部F03に保存されたプロセスデータを用いて下水処理プロセスF01のモデルを構築する。本実施形態では、下水処理プロセスF01の機能を示すモデルとして、反応槽への流入水の流入量P14ならびに流入水質として濁度P15と、操作量として送風量P16が与えられているとき、反応槽における管理指標となるDO(P17)ならびにNH3(P18)と、目的値として放流水質(例えば、T−N)を算出する簡易モデルを仮定する(図3)。言い換えれば、図3に示す簡易モデルは、入力変数として流入量、流入水質及び操作量から、出力変数として管理指標及び放流水質を算出する数理モデルである。モデル構築部F05は、測定された流入量、濁度(流入水質)及び送風量(操作量)からモデルパラメータを用いて算出されるDOならびにNH3(管理指標)及び放流水質と、測定されたDO、NH3及び放流水質との差をそれぞれ少なく(最小化)するようにモデルパラメータのセットを算出する。モデルパラメータの算出において、例えば、特許文献1に記載のプラントモデル作成方法が利用可能である。また、モデル構築部F05は、測定された放流水質に対する、その他の変数のむだ時間を算出する。その他の変数は、前述の流入量、濁度、送風量、DO及びNH3である。ここで、モデル構築部F05は、各変数の時系列を遅延させた遅延時系列と放流水質の時系列との相関強度を遅延時間毎に算出し、相関強度が最も高くなる遅延時間をむだ時間として定める。
モデル構築部F05は、流入量、濁度、送風量にモデルパラメータを作用して、放流水質を算出する際、流入量、濁度、送風量をそれぞれのむだ時間に相当する時間を遅延させる。また、流入量、濁度、送風量にモデルパラメータを作用して、DOを算出する際、モデル構築部F05は、流入量、濁度、送風量のそれぞれのむだ時間からDOのむだ時間を差し引いて得られる差分時間を遅延させる。差分時間は、流入量、濁度、送風量のそれぞれのDOに対するむだ時間に相当する。また、流入量、濁度、送風量にモデルパラメータを作用してNH3を算出する際、モデル構築部F05は、流入量、濁度、送風量のそれぞれのむだ時間からNH3のむだ時間を差し引いて得られる差分時間を遅延させる。この差分時間は、流入量、濁度、送風量のそれぞれのNH3に対するむだ時間に相当する。従って、流入量、濁度及び送風量からDO、NH3及び放流水質を計算するためのモデル式が、算出されるモデルパラメータのセットとむだ時間のセットから構成される。モデル構築部F05は、算出したモデルパラメータのセットを示すモデル定義ファイルと、むだ時間のセットを示すむだ時間定義ファイルを制御演算部F07のモデル演算部F07aに出力する。従って、モデル構築部F05が構築するモデルがモデル演算部F07aに設定される。
自動キャリブレーション部F06は、設定された学習期間内のプロセス値を示すプロセスデータを用いてモデル演算部F07aに設定されるモデルのキャリブレーション(校正)を行う。学習期間は、例えば、運転支援部F08から通知される。自動キャリブレーション部F06は、むだ時間変更部F06aと、パラメータ変更部F06bと、を備える。
むだ時間変更部F06aは、データ保存部F03から学習期間内のプロセスデータを読み出し、読み出したプロセスデータを用いて放流水質に対する他の変数のそれぞれとむだ時間を算出する。他の変数は、前述の流入量、濁度、送風量、DO及びNH3が該当する。むだ時間を算出する手法は、モデル構築部F05がむだ時間を算出する手法と同様であってもよい。より具体的には、むだ時間変更部F06aは、各変数の学習期間内の時系列を遅延させた遅延時系列と放流水質のその期間内の時系列との相関強度を遅延時間毎に算出し、相関強度が最も高くなる遅延時間をむだ時間として定める。
むだ時間変更部F06aは、新たに定めたむだ時間が予め定めたむだ時間の設定範囲内であるか否かを判定する。むだ時間の設定範囲は、下水処理プロセスF01が正常に稼働しているときに期待される範囲であり、変数の測定点に応じて異なりうる。むだ時間は、その変数の測定点から放流水質の測定点までの処理水の移動時間に相当するため、通常正の値をとる。むだ時間変更部F06aは、各変数について定めたむだ時間がいずれも設定範囲内である場合、むだ時間のセットを示すむだ時間定義ファイルをモデル演算部F07aに出力する。この場合、モデル演算部F07aに設定されるむだ時間定義ファイルが、むだ時間変更部F06aから入力されるむだ時間定義ファイルに変更される。むだ時間変更部F06aは、各変数について定めたむだ時間がいずれかが設定範囲を超える場合、むだ時間のセットを示すむだ時間定義ファイルをモデル演算部F07aに出力しない。この場合、モデル演算部F07aに設定されるむだ時間定義ファイルは更新されない。むだ時間の計算例については、後述する。
パラメータ変更部F06bは、データ保存部F03から学習期間内のプロセスデータを読み出し、読み出したプロセスデータを用いて下水処理プロセスF01のモデルパラメータを算出する。パラメータ変更部F06bは、モデルパラメータを算出する手法は、モデル構築部F05がモデルパラメータを算出する手法と同様であってもよい。ここで、パラメータ変更部F06bは、学習期間内に測定された流入量ならびに濁度及び送風量からモデルパラメータを用いて算出されるDO、NH3及び放流水質と、学習期間内に測定されたDO、NH3及び放流水質との差をそれぞれ少なくするようにモデルパラメータのセットを算出する。
パラメータ変更部F06bは、流入量、濁度、送風量にモデルパラメータを作用して、放流水質を算出する際、流入量、濁度、送風量のそれぞれの放流水質に対するむだ時間に相当する時間を遅延させる。また、流入量、濁度、送風量にモデルパラメータを作用して、DOを算出する際、パラメータ変更部F06bは、流入量、濁度、送風量のそれぞれのDOに対するむだ時間に相当する時間を遅延させる。流入量、濁度、送風量にモデルパラメータを作用してNH3を算出する際、パラメータ変更部F06bは、流入量、濁度、送風量のそれぞれのNH3に対するむだ時間に相当する時間を遅延させる。これらのむだ時間として、むだ時間変更部F06aが算出した最新のむだ時間が用いられてもよい。
パラメータ変更部F06bは、算出したモデルパラメータのセットについて、それらを流入量、濁度、送風量に作用して算出される放流水質と、学習期間内に測定された放流水質との適合度を示す評価値を算出する。かかる評価値として、例えば、MAPE(Mean Absolute Percentage Error;平均絶対パーセント誤差)、相関係数R、決定係数R2などいずれかが利用可能である。MAPEは、その値が大きいほど適合度が低いことを示す。相関係数Rは、その値が大きいほど適合度が高いことを示す。決定係数R2は、その値が大きいほど適合度が高いことを示す。パラメータ変更部F06bは、算出した評価値が示す適合度が所定の適合度の閾値よりも高いとき、算出したモデルパラメータのセットを示すモデル定義ファイルをモデル演算部F07aに出力する。パラメータ変更部F06bは、算出した評価値が示す適合度が所定の適合度の閾値以下であるとき、算出したモデルパラメータのセットを示すモデル定義ファイルをモデル演算部F07aに出力しない。この場合、モデル演算部F07aに設定されるモデル定義ファイルは更新されない。モデルパラメータの算出方法の一例については、後述する。
なお、自動キャリブレーション部F06は、むだ時間定義ファイルとモデル定義ファイルの一方又は両方を変更するとき、運転支援部F08に自動キャリブレーション確認画面を表示させてもよい。自動キャリブレーション確認画面には、流入量、濁度、送風量に変更前のむだ時間もしくはモデルパラメータを作用して算出される放流水質の適合度と、変更後のむだ時間もしくはモデルパラメータを作用して算出される放流水質との適合度とを表す画面である。自動キャリブレーション確認画面の例については、後述する。
制御演算部F07は、モデル演算部F07aと、最適化演算部F07bと、切替部F07cと、を備える。
モデル演算部F07aには、モデル構築部F05もしくはパラメータ変更部F06bかモデル定義ファイルが入力され、モデル構築部F05もしくはむだ時間変更部F06aからむだ時間定義ファイルが入力される。モデル演算部F07aは、モデル定義ファイルが示すモデルパラメータのセットとむだ時間定義ファイルが示すむだ時間のセットから構成されるモデル式を用いて、現時点の流入量、濁度及び予め設定された操作範囲内の送風量から、放流水質、DO及びNH3を算出する。モデル演算部F07aは、現時点の流入量及び濁度を、データ保存部F03に記憶されたプロセスデータから読み出す。現時点とは、その時点までの最新の時点を意味し、その時点の時刻と厳密に一致していなくてもよい。操作範囲は、送風量として実現可能もしくは許容される送風量の下限から上限の範囲であればよい。また、操作範囲は、その時点における送風量を基準として所定の比率だけ低い値と曝気設備の最小出力のうちいずれか高い方を下限とし、その基準から所定の比率だけ高い値と最大出力のうちいずれか低い方を上限としてもよい。モデル演算部F07aは、送風量と、その送風量に基づいて算出した放流水質、DOならびにNH3を対応付けてなる演算値のセットを最適化演算部F07bに出力する。
最適化演算部F07bは、モデル演算部F07aから入力された演算値のセットのうち、予め設定された制約条件を満たす演算値のセットからコスト値を最小とする演算値のセットを定める。制約条件は、例えば、放流水質が所定の放流水質の基準値よりも良好な値であるという条件である。放流水質の指標がT−N、T−P又はCODである場合には、いずれもその値が小さいほど放流水質が良好であることを示す。制約条件には、さらにDOが所定のDOの基準値よりも良好な値(即ち、大きい値)である条件と、NH3が所定のNH3の基準値よりも良好な値(即ち、小さい値)である条件の一方又は両方が含まれてもよい。また、最適化演算部F07bは、曝気に係るコスト値として、例えば、送風量を用いることができる。最適化演算部F07bは、コスト値に代えて、その送風量を得るための消費エネルギー、エネルギーコスト(費用)ならびにCO排出量のいずれか、又はそれらの所定の組み合わせを用いて算出される指標値が用いられてもよい。最適化演算部F07bは、定めた演算値のセットに含まれる送風量を操作量として切替部F07cに出力し、そのセットに含まれるDOとNH3を管理指標として運転支援部F08に出力する。
切替部F07cは、最適化演算部から入力される操作量の出力先を、運転支援部F08から入力される操作信号に応じて監視制御部F02とするか、運転支援部F08とするかを切り替える。切替部F07cは、入力信号が自動設定を示す場合、入力された操作量を監視制御部F02に出力し、入力された操作量を設定値として運転支援部F08に出力する。
運転支援部F08は、ユーザによる下水処理プロセスF01の運転を支援するための機能を備える。運転支援部F08には、情報を表示するための表示部(図示せず、例えば、ディスプレイ)、操作入力部(図示せず、例えば、タッチセンサ、マウス、ボタン、等)と入出力可能に接続される。本実施形態では、運転支援部F08は、最適化演算部F07bから入力される管理指標の時系列を示す管理画面を表示部に出力し、管理画面を表示させる。最適化演算部F07bから切替部F07cを介して操作量が入力される場合には、運転支援部F08は、入力される操作量をさらに管理画面に含めて表示させてもよい。管理画面に接したユーザは、算出された操作量に対する管理指標に接することで算出される操作量の妥当性を判断することができる。管理画面には、管理指標であるDO、NH3それぞれの予め設定した基準値をさらに表示させてもよい。
また、運転支援部F08は、入力部から操作量の適用を示す操作信号を入力するとき、入力される操作量を監視制御部F02に出力する。運転支援部F08は、ユーザが指定した操作量を示す操作信号が入力されるとき、その操作量を設定値として監視制御部F02に出力してもよい。
その他、運転支援部F08は、操作信号によりキャリブレーション設定が指示されるとき、自動キャリブレーション確認画面を表示部に出力する。運転支援部F08は、学習期間を示す操作信号が入力されるとき、入力される操作信号を自動キャリブレーション部F06に出力する。また、運転支援部F08は、キャリブレーションによる変更前後のパラメータセットもしくはむだ時間の変更前後に基づいて算出される放流水質の時系列、上述の適合度の指標値を自動キャリブレーション確認画面に含めて表示部に出力してもよい。
(自動キャリブレーション)
次に、自動キャリブレーションの処理フローの例について説明する。自動キャリブレーションは、むだ時間変更処理とモデルパラメータ変更処理の一方又は両方を有する。
図4は、本実施形態に係るむだ時間変更処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS01)自動キャリブレーション部F06は、ユーザの操作に応じて運転支援部F08を介して学習期間が入力され、計算の実行が指示される。その後、ステップS11の処理に進む。
(ステップS11)むだ時間変更部F06aは、データ保存部F03から学習期間内のプロセスデータを取得する。その後、ステップS12の処理に進む。
(ステップS12)むだ時間変更部F06aは、流入量、濁度、送風量、DO及びNH3のそれぞれ変数について学習期間内の時系列を遅延させた遅延時系列と放流水質のその期間内の時系列との相関強度を遅延時間毎に計算する。むだ時間変更部F06aは、それぞれの相関強度が最も高くなる遅延時間をむだ時間として定める。その後、ステップS13の処理に進む。
(ステップS13)むだ時間変更部F06aは、計算結果である各変数のむだ時間が所定の設定範囲内の値であるか否かを確認する。その後、ステップS14の処理に進む。
(ステップS14)むだ時間変更部F06aは、各変数について定めたむだ時間がいずれも設定範囲内である場合、むだ時間を変更すると判定し(ステップS14 YES)、ステップS15の処理に進む。むだ時間変更部F06aは、各変数について定めたむだ時間のいずれかが設定範囲を超える場合、むだ時間を変更しないと判定し(ステップS14 NO)、図4の処理を終了する。
(ステップS15)むだ時間変更部F06aは、定めたむだ時間のセットを示すむだ時間定義ファイルをモデル演算部F07aに出力する。その後、図4の処理を終了する。
図5は、本実施形態に係るモデルパラメータ変更処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、ステップS01とステップS21〜S25の処理を有する。ステップS01が終了した後、ステップS21の処理に進む。なお、図4の処理が並行して実行される場合には、ステップS12(図4)の処理の後にステップS21の処理が開始されもよい。
(ステップS21)パラメータ変更部F06bは、データ保存部F03から学習期間内のプロセスデータを取得する。その後、ステップS22の処理に進む。
(ステップS22)パラメータ変更部F06bは、取得したプロセスデータから算出される管理指標及び放流水質と、取得したプロセスデータで示される管理指標及び放流水質との差がそれぞれ少なくなるようにモデルパラメータのセットを算出する。その後、ステップS23の処理に進む。
(ステップS23)パラメータ変更部F06bは、計算結果であるモデルパラメータのセットから算出される放流水質と、取得したプロセスデータで示される放流水質との適合度を算出する。その後、ステップS24の処理に進む。
(ステップS24)パラメータ変更部F06bは、算出した適合度が所定の閾値以下と判定するとき、モデルパラメータを変更すると判定し(ステップS24 YES)、ステップS25の処理に進む。パラメータ変更部F06bは、算出した適合度が所定の閾値よりも大きいと判定するとき、モデルパラメータを変更しないと判定し(ステップS24 NO)、図5に示す処理を終了する。
(ステップS25)パラメータ変更部F06bは、定めたモデルパラメータのセットを示すモデル定義ファイルをモデル演算部F07aに出力する。その後、図5に示す処理を終了する。
(制御演算)
次に制御演算の処理フローの一例について説明する。図6は、本実施形態に係る制御演算処理の一例を示すフローチャートである。
制御演算部F07は、図6に示す制御演算処理を一定時間(例えば、1〜15分)間隔で実行する。
(ステップS31)モデル演算部F07aは、現時点の流入量及び濁度を示すプロセスデータをデータ保存部F03から読み出す。その後、ステップS32の処理に進む。
(ステップS32)モデル演算部F07aは、自部に設定されたモデル定義ファイルが示すモデルパラメータのセットとむだ時間定義ファイルが示すむだ時間のセットからモデル式を構成する。むだ時間変更部F06aが、むだ時間を変更した場合には、変更後のむだ時間が用いられ、変更しない場合には、モデル構築部F05が生成した当初のむだ時間が用いられる。モデル演算部F07aが、モデルパラメータを変更した場合には、変更後のモデルパラメータが用いられ、変更しない場合には、モデル構築部F05が生成した当初のモデルパラメータが用いられる。モデル演算部F07aは、構成したモデル式を用いて、現時点の流入量、濁度及び予め設定された操作範囲内の送風量のそれぞれから、放流水質、DO及びNH3を算出する(モデル演算)。その後、ステップS33の処理に進む。
(ステップS33)最適化演算部F07bは、算出された流入量、濁度、送風量、DO、NH3、放流水質からなる演算値のセットのうち、予め設定された制約条件を満たす演算値のセットを選択する。そして、最適化演算部F07bは、選択した演算値のセットからコスト値を最小とする演算値のセットを最適な演算値のセットとして定める(最適化演算)。その後、ステップS34の処理に進む。その後、ステップS34の処理に進む。
(ステップS34)最適化演算部F07bは、最適化演算の成否を判定する。例えば、制約条件を満たす演算値のセットが存在する場合には、最適化演算部F07bは、最適化演算に成功と判定する。そのような演算値のセットが存在しない場合には、最適化演算部F07bは、最適化演算に失敗と判定する。最適化演算に成功と判定とする場合(ステップS34 YES)、ステップS35の処理に進む。最適化演算に失敗と判定とする場合(ステップS34 NO)、ステップS36の処理に進む。
(ステップS35)最適化演算部F07bは、自動設定がなされている場合には、最適な演算値のセットをなす送風量(操作量)を設定値として監視制御部F02に出力する。最適化演算部F07bは、手動設定がなされている場合には、その送風量を運転支援部F08に出力する。運転支援部F08においてユーザによる操作入力に応じて、送風量が監視制御部F02に設定されうる。また、最適化演算部F07bは、演算結果としてDOならびにNH3と、放流水質の演算値(予測値)とを運転支援部F08に出力する。その後、図6に示す処理を終了する。
(ステップS36)最適化演算部F07bは、新たに演算された演算値のセットを出力しない。従って、出力先となる運転支援部F08及び監視制御部F02では、前回出力された演算値のセットが保持される。その後、図6に示す処理を終了する。
(むだ時間)
次に、むだ時間の計算例について説明する。むだ時間変更部F06aは、各変数の学習期間内の時系列を遅延させた遅延時系列と放流水質のその期間内の時系列との相関強度を遅延時間毎に算出し、相関強度が最も高くなる遅延時間をむだ時間として定める。相関強度は、相関値の絶対値である。図7(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ流入量、濁度、NH3、送風量に対するT−Nの相関値を示す。図7(a)−(d)の縦軸、横軸は、それぞれ相関値、遅延時間(単位:h(時間))である。図7(a)−(d)に示す例では、相関値は24時間周期となる。
図7(a)に示す例では、流入量とT−Nとの相関値の最小値が−0.46となり、この最小値を与える遅延時間は13時間となる。また、流入量は、T−Nに対して負の相関をとるため、むだ時間変更部F06aは、算出した相関値の正負を反転した値を相関強度とする。むだ時間変更部F06aには、相関値の正負を反転させるか否かを算出対象の変数値の組毎に予め設定しておく。むだ時間変更部F06aは、その最大値をとる遅延時間である13時間をむだ時間として定める。
図7(b)に示す例では、濁度とT−Nとの相関値の最大値が0.50となり、この最大値を与える遅延時間は7時間となる。また、濁度は、T−Nに対して正の相関をとるため、むだ時間変更部F06aは、算出した相関値の正負を反転せずにそのまま相関強度とする。むだ時間変更部F06aは、その最大値をとる遅延時間である7時間をむだ時間として定める。
図7(c)に示す例では、NH3とT−Nとの相関値の最大値が0.80となり、この最大値を与える遅延時間は4時間となる。また、NH3は、T−Nに対して正の相関をとるため、むだ時間変更部F06aは、算出した相関値の正負を反転せずにそのまま相関強度とする。むだ時間変更部F06aは、その最大値をとる遅延時間である4時間をむだ時間として定める。
図7(d)に示す例では、送風量とT−Nとの相関値の最大値が0.58となり、この最大値を与える遅延時間は5時間となる。また、送風量は、T−Nに対して正の相関をとるため、むだ時間変更部F06aは、算出した相関値の正負を反転せずにそのまま相関強度とする。むだ時間変更部F06aは、その最大値をとる遅延時間である5時間をむだ時間として定める。
なお、図7に示すむだ時間は、流入量、濁度、送風量、NH3の順に短くなる。この順序は、下水処理プロセスF01において、それぞれの測定点もしくは操作点を処理水が通過する順序に相当する。
(キャリブレーション確認画面)
次に、キャリブレーション確認画面の例について説明する。図8は、キャリブレーション確認画面の一例を示す図である。
図8に示す例では、キャリブレーション確認画面は、最上段において制御システムの名称である「3系」の文字と、2種類の設定欄と、4種類のボタンが配置されている。「学習期間」の文字に隣接した設定欄(学習期間設定欄)は、操作により学習期間を設定するための設定欄である。設定可能とする期間は、現時点までの間にプロセスデータが蓄積された期間であればよい。
「評価期間」の文字に隣接した設定欄(評価期間設定欄)は、操作により評価期間を設定するための設定欄である。評価期間とは、モデルの適合性を評価するために、モデルパラメータとむだ時間に基づく放流水質の計算期間を意味する。
「モデルパラメータ計算」の文字が付されたボタン(モデルパラメータ計算ボタン)は、押下によりモデルパラメータの計算を指示するためのボタンである。以下の説明では「押下」とは、操作信号によりその表示領域内の座標が指示されるという意味を含む。このボタンの枠が、他のボタンと異なる態様で表示されているのは、その時点において、モデルパラメータ計算ボタンが押下された状態であることを示す。
「むだ時間計算」の文字が付されたボタン(むだ時間計算ボタン)は、押下によりむだ時間の計算を指示するためのボタンである。その時点においては、むだ時間計算ボタンは押下されていない。むだ時間計算ボタンが押下されるとき、自動キャリブレーション部F06は、変数毎の相関値の時系列とむだ時間(図7)を含む画面を表示させてもよい。
「モデル更新」の文字が付されたボタン(モデル更新ボタン)は、押下により新たに計算されたモデルパラメータのセットとむだ時間のセットの一方又は両方の変更を指示するためのボタンである。その時点においては、モデル更新ボタンは、押下されていない。モデル更新ボタンが押下されるとき、むだ時間変更部F06aは、計算したむだ時間のセットを示すむだ時間定義ファイルをモデル演算部F07aに出力し、パラメータ変更部F06bは、計算したモデルパラメータのセットを示すモデル定義ファイルをモデル演算部F07aに出力する。なお、むだ時間変更部F06aは、ステップS15(図4)の処理を、モデル更新ボタンが押下された後に行ってもよい。同様に、パラメータ変更部F06bは、ステップS25(図5)の処理を、モデル更新ボタンが押下された後に行ってもよい。
キャリブレーション確認画面の上段の左方は、モデル調整前(モデルパラメータ変更前)における評価期間内のT−Nの実績値(測定値)と推定値(計算値)の時系列と、MAPEを示す。この例では、MAPEは、6.04%である。キャリブレーション確認画面の上段の右方は、各時刻における推定値、実績値をそれぞれ縦軸、横軸にプロットした散布図と、相関係数を示す。この例では、相関係数は、0.8448である。
キャリブレーション確認画面の下段の左方は、モデル調整後(モデルパラメータ変更後)における評価期間内のT−Nの実績値と推定値の時系列と、MAPEを示す。MAPEは、5.90%である。キャリブレーション確認画面の上段の右方は、各時刻における推定値、実績値をそれぞれ縦軸、横軸にプロットした散布図と、相関係数を示す。この例では、相関係数は、0.8485である。この画面に接したユーザは、新たにモデルパラメータを算出することで、適合度が高くなったことを確認することができる。
次に、モデル構築部F05、パラメータ変更部F06bが行うモデルパラメータの算出方法の例について説明する。特許文献1に記載のモデルパラメータの算出処理は、次のステップS51−S57を有する。
本実施形態では、DO、NH3、放流水質を目的変数として算出するため、モデル構築部F05、パラメータ変更部F06bは、例えば、次のベクトル値(1)〜(3)を構成する。(1)流入量、濁度、操作量及びDOからなるベクトル値、(2)流入量、濁度、操作量及びNH3からなるベクトル値、(3)流入量、濁度、操作量及び放流水質、からなるベクトル値。ベクトル値(1)には、流入量、濁度及び操作量のDOに対するむだ時間だけDOを算出しようとする時点(対象時点)からそれぞれ先行した時点の流入量、濁度及び操作量と、対象時点のDOとが含まれる。ベクトル値(2)には、流入量、濁度及び操作量のNH3に対するむだ時間だけ対象時点からそれぞれ先行した時点の流入量、濁度及び操作量と、対象時点のNH3とが含まれる。(3)において、流入量、濁度及び操作量の放流水質に対するむだ時間だけ先行した時点の流入量、濁度及び操作量と、対象時点の放流水質を用いる。モデル構築部F05、パラメータ変更部F06bは、各対象時点についてベクトル値(1)〜(3)のそれぞれについて、次のステップS51〜S57の処理を行う。以下、これらのベクトル値を、単にベクトル値と総称する。
(ステップS51)外れ値除去: 学習期間内の各ベクトル値xの平均値μと分散・共分散行列Vを算出する。そして、学習期間内の各時点のベクトル値xを平均値μと分散・共分散行列Vを用いて、平均値μからのマハラノビス距離D(x)を算出する(式(1))。
Figure 2019013858
式(1)において、Tは、ベクトル又は行列の転置を示す。V−1は、分散・共分散行列の逆行列を示す。
その後、0から正規化値までの確率分布としてχ2乗分布P(D)(式(2))を積分して得られる累積値を算出する。
Figure 2019013858
累積値が、所定の閾値TH0(例えば、0.95〜0.98)を超える累積値を与えるベクトル値を外れ値として除去する。そして、除去されずに残されたベクトル値を保存する。その後、ステップS52の処理に進む。
(ステップS52)クラスタリング: 保存されたベクトル値のセットを、例えば、混合ガウス分布モデル(GMM:Gaussian Mixture Model)を用いて各クラスタ内で共通の傾向やパターンを示す複数のクラスタに分類する。例えば、各クラスタ内のベクトル値の分布を近似する直線からのベクトル値のマハラノビス距離の平方和が全体として最小となるように分類される。ここで、分割して得られる領域の数が予め定めた最大分割数(例えば、8〜16)に達するまで、ベクトル値のセットが分布する領域を分割する処理を繰り返す。その後、ステップS53の処理に進む。
(ステップS53)主成分リスト生成: クラスタ毎に分類したベクトル値からなるプロセスデータXdataを平均値m、標準偏差sで正規化して得られる正規化データX’dataに対して主成分分析(PCA;Principal Component Analysis)を行い、主成分C’(C’1,C’2,…,C’n)と各主成分jの寄与率CR(j)を式(4)に従って算出する。主成分の順序を、寄与率CRの降順とする。
ここで、プロセスデータXdataは、式(3)のように表される。
Figure 2019013858
式(3)において、nは、変数の個数を示す。Iは、クラスタリングされたクラスタの個数、即ち最大分割数を示す。
Figure 2019013858
式(4)において、λjは、第j主成分の固有値を示す。この固有値は、第j主成分の分散を示す。その後、ステップS54の処理に進む。
(ステップS54)累積寄与率算出: 各主成分jについて、式(5)に示すように第1主成分C’1の寄与率CR(1)から第j主成分C’jの寄与率CR(j)までの和を累積寄与率CCR(j)として算出する。その後、ステップS55の処理に進む。
Figure 2019013858
(ステップS55)主成分破棄: 累積寄与率CCR(j)が所定の累積寄与率の閾値TH1(例えば、0.95〜0.98)に満たない主成分を破棄する。これにより、寄与率CRの高い主成分が破棄され、破棄されずに残された寄与率が相対的に低い主成分を主成分リストに記憶する。その後、ステップS56の処理に進む。
(ステップS56)特性式算出: 残されたk個の主成分C’(C’,C’,…,C’)を法線ベクトルとする平面の方程式を特性式として算出する。算出される特性式は、式(6)のように表される。
Figure 2019013858
式(6)において、c’k,1〜c’k,nは、第k主成分の第1〜第n次元の成分を示す。x’〜x’nは、正規化されたベクトル値の第1〜第n次元の成分を示す。
生成されるモデルでは、寄与率が低い主成分を法線ベクトルとする平面に多くのプロセス値が多く分布する。生成される特性式は、右辺を0とする制約条件式の形をとる。例えば、設備における入出力関係式の他、各種の物質の収支などの相関関係式、その他、不明な物理関係を示す関係式を含みうる。従って、生成される特性式により、下水処理プロセスF01に設置された特性が示される。
生成された特性式は正規化されているため、各ベクトル値xの平均値、分散・共分散を用いて、式(7)に示すように生成された特性式を逆正規化して実量に戻した特性式に変換する。
Figure 2019013858
式(7)において、ck,1〜ck,nは、それぞれc’k,1〜c’k,nに標準偏差sで除算して算出される。m〜mは、それぞれ平均値mの第1〜第n成分を示す。bは、−ck,1・m〜−ck,n・mの総和である。
そして、変換した特性式から、目的変数としてDO、NH3(管理指標)又は放流水質を左辺に移項し、その他の項を右辺に移項してなる、これらの目的変数を算出するためのモデル式を得る。得られたモデル式において、流入水量、濁度(流入水質)及び送風量(操作量)にそれぞれ作用されるパラメータが上述のモデルパラメータに相当する。
なお、モデル演算に基づいて算出される目的変数と測定された目的変数との適合度が、所定の適合度の閾値よりも低い場合には、さらに領域分割数を1多くして(インクリメント)、上述したモデル式の算出を繰り返してもよい。また、各目的変数間で特性式が複数個存在する場合には、特性式間で直交性が維持されるように制約条件を定めてもよい。制約条件として、例えば、各変数の上限値及び下限値、モデル誤差などのいずれか又はそれらの組み合わせを定める。
以上に説明したように、本実施形態に係る制御システムCS1は、制御演算部F07と自動キャリブレーション部F06を備える。制御演算部F07のモデル演算部F07aは、流入水に対するプロセスのモデルを用いて、入力変数として流入水の流入量、流入水の水質である流入水質及びプロセスの操作量から、出力変数としてプロセスの管理指標及びプロセスからの放流水の水質である放流水質を演算する。また、制御演算部F07の最適化演算部F07bは、操作量及び操作量に対する出力変数のセットのうち、所定の制約条件を満たす操作量及び操作量に対する出力変数のセットを定める。自動キャリブレーション部F06のむだ時間変更部F06aは、入力変数及び管理指標の測定値のそれぞれと放流水質の測定値との相関強度に基づいて入力変数に対する出力変数のむだ時間を算出し、入力変数に作用するむだ時間を、算出したむだ時間に変更する。
この構成により、流入量と流入水質から、プロセスの操作量、管理指標及び放流水質を定めるために、流入量、流入水質及びプロセスの操作量に対して管理指標及び放流水質を定める簡易モデルが利用可能である。さらに、プロセスからの測定値に基づいてむだ時間が更新されるため、施設や流入水質の経年変化による出力変数の精度の低下の要因となるむだ時間の変化が補償される。そのため、出力変数の精度の低下を低減するともに、モデルの調整に係る作業量を軽減することができる。従って、プロセスのモデルの有用性が向上するので、プロセスの運用コストが低減する。
また、自動キャリブレーション部F06のパラメータ変更部F06bは、制御演算部F07が演算した前記放流水質の演算値が放流水質の測定値に近づくように、モデルパラメータを変更する。
この構成により、入力変数の測定値から演算される放流水質が、現実のプロセスから測定される放流水質に近似するので、演算される放流水質の精度を維持することができる。
また、制御システムCS1は、変更前後それぞれにおけるモデルパラメータを用いて算出された放流水質の演算値の放流水質の測定値に対する適合度を示す確認画面としてキャリブレーション確認画面を出力する運転支援部F08を備える。
この構成により、ユーザは、変更前後それぞれにおけるモデルパラメータに係る適合度を比較することができる。そのため、ユーザは、モデルパラメータの変更の可否を容易に判定できる。従って、ユーザによるモデルの運用能率や、モデルの的確性を向上することができる。
また、運転支援部F08は、演算された管理指標を示す運転管理画面を出力する。
この構成により、ユーザは、演算された管理指標に接することでプロセスに対する操作の効果を把握することができる。そのため、ユーザは、操作量の変更の要否や、操作量の調整量を容易に判定できる。従って、ユーザによるモデルの運用能率や、モデルの的確性を向上することができる。
また、最適化演算部F07bは、現時点における操作量から所定の範囲内の操作量について放流水質を算出し、算出した放流水質が所定の水質基準値以上となる操作量のうち最小となる操作量を定める。
この構成により、放流水質を所定の水質基準値以上としながら、操作量を極力小さくすることができる。そのため、プロセスへの操作量の増加に伴う消費エネルギー量、エネルギーコスト、エネルギーの消費により生じる二酸化炭素の排出量を低減することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
上述した例では、主に操作量が曝気における送風量であり、流入水質の指標は、濁度であり、管理指標は、DO及びNH3である場合を例にしたが、これには限られない。
例えば、操作量は、送風量に代えて、曝気設備に供給する電力量、曝気設備のモータの出力などであってもよい。また、操作量は、流入水に対するプロセスにおける操作を実現するために入力されるエネルギーに係る量であればよい。例えば、プロセスにおける操作が撹拌である場合には、操作量は、撹拌設備に供給する電力量、撹拌設備のモータの出力などであってもよい。管理指標は、その操作により増加もしくは減少する物質の量であればよい。例えば、プロセスにおける操作が撹拌である場合には、管理指標は、撹拌により減少するリン酸態リン濃度であればよい。
また、上述の簡易モデルでは、流入量、流入水質として濁度及び操作量として送風量を入力変数とし、管理指標としてのDOならびにNH3及び放流水質としてT−Nを出力変数とする場合を例にしたが、これには限られない。モデルで扱われる入力変数、出力変数として扱われる変数がより多くても、少なくてもよい。例えば、操作量として送風量に対して、最終沈殿池P05から嫌気槽P02に返送される返送汚泥の返送量がさらに加わってもよい。管理指標としてDOとNH3のいずれか一方が省略されてもよい。放流水質として、T−NにさらにT−P、COD、ORP(Oxidation Reduction Potential)、pH(potential Hydrogen)が、プロセスから入力される測定値(センサ入力)として加えられてもよい。
また、モデル構築部F05、パラメータ変更部F06b及びモデル演算部F07aは、プロセスにおける入力変数と出力変数との関係を示すモデルとして、上述した簡易モデルに代えて、簡易モデルを直列にして形成される多段のモデルを用いてもよい。例えば、嫌気槽P02への返送汚泥の返送量を操作量とする第1モデルと、第1モデルからの出力変数を入力変数とし、好気槽P04における曝気の送風量を操作量とする第2モデルとを直列にしたモデルが用いられてもよい。
また、かかるモデルは、A2O法が採用された下水処理プロセスに限らず、その他の方式、例えば、嫌気好気(AO:Anaerobic−Oxic)法、嫌気硝化内生脱窒法(AOAO:Anaerobic−Oxic−Anoxic−Oxic)法などが採用された下水処理プロセスに応用されてもよい。
なお、制御システムCS1において、監視制御部F02を備える監視装置と、データ保存部F03ならびにモデル予測制御部F04を備えるモデル予測制御装置は、それぞれ別個の装置として実現されてもよい。また、モデル予測制御部F04は、監視制御部F02とデータ保存部F03と一体化して制御装置として実現されてもよい。さらに、モデル予測制御部F04から運転支援部F08が省略され、運転支援部F08が別個の運転支援装置として実現されてもよい。
また、モデル演算部F07aが、初期のモデルパラメータのセットを示すモデル定義ファイルと、むだ時間のセットを示すむだ時間定義ファイルを取得できれば、モデル構築部F05が省略されてもよい。例えば、モデル演算部F07aは、プロセスデータに基づいて算出したモデルパラメータのセットを示すモデル定義ファイルと、むだ時間のセットを示すむだ時間定義ファイルを系外に設置されたサーバ装置から取得してもよい。
各装置は、コンピュータで実現されてもよい。その場合、それぞれの制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPU等の演算処理回路により実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、各装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上述したコンピュータシステムは、ネットワークを介して相互に各種のデータを送受信可能とするクラウドコンピューティングシステムの構成要素であるコンピューティングリソースとして構成されていてもよい。
また、上各装置の一部、又は全部は、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現されてもよい。各装置の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
CS1…制御システム、F01…下水処理プロセス、F02…監視制御部、F03…データ保存部、F05…モデル構築部、F06…自動キャリブレーション部、F06a…むだ時間変更部、F06b…パラメータ変更部、F07…制御演算部、F07a…モデル演算部、F07b…最適化演算部、F07c…切替部、F08…運転支援部

Claims (7)

  1. 流入水に対するプロセスのモデルを用いて、入力変数として前記流入水の流入量、前記流入水の水質である流入水質及び前記プロセスの操作量から、出力変数として前記プロセスの管理指標及び前記プロセスからの放流水の水質である放流水質を演算し、
    前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットのうち、所定の制約条件を満たす前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットを定める制御演算部と、
    前記入力変数及び前記管理指標の測定値のそれぞれと前記放流水質の測定値との相関強度に基づいて前記入力変数に対する前記出力変数のむだ時間を算出し、前記入力変数に作用するむだ時間を、算出したむだ時間に変更するキャリブレーション部と、を備える
    制御システム。
  2. 前記キャリブレーション部は、
    前記制御演算部が演算した前記放流水質の演算値が、前記放流水質の測定値に近づくように前記モデルのパラメータを変更する
    請求項1に記載の制御システム。
  3. 変更前後それぞれにおける前記モデルのパラメータを用いて算出された前記放流水質の演算値の前記放流水質の測定値に対する適合度を示す確認画面を出力する運転支援部
    を備える請求項2に記載の制御システム。
  4. 前記運転支援部は、
    前記管理指標を示す運転管理画面をさらに出力する
    請求項3に記載の制御システム。
  5. 前記制御演算部は、
    現時点における操作量から所定の範囲内の操作量について前記放流水質を算出し、算出した放流水質が所定の水質基準値以上となる操作量のうち最小となる操作量を定める
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の制御システム。
  6. 前記操作量は、曝気における送風量であり、
    前記流入水質の指標は、濁度であり、
    前記管理指標は、溶存酸素濃度及びアンモニア性窒素濃度であり、
    前記放流水質の指標は、全窒素濃度、全リン濃度及び化学的酸素要求量の少なくともいずれかである
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制御システム。
  7. 制御システムにおける制御方法であって、
    流入水に対するプロセスのモデルを用いて、入力変数として前記流入水の流入量、前記流入水の水質である流入水質及び前記プロセスの操作量から、出力変数として前記プロセスの管理指標及び前記プロセスからの放流水の水質である放流水質を演算し、
    前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットのうち、所定の制約条件を満たす前記操作量及び前記操作量に対する出力変数のセットを定める制御演算過程と、
    前記入力変数及び前記管理指標の測定値のそれぞれと前記放流水質の測定値との相関強度に基づいて前記入力変数に対する前記出力変数のむだ時間を算出し、前記入力変数に作用するむだ時間を、算出したむだ時間に変更するキャリブレーション過程と、を有する
    制御方法。
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