JP7209905B1 - 水処理システム、曝気量制御装置及び曝気量制御方法 - Google Patents

水処理システム、曝気量制御装置及び曝気量制御方法 Download PDF

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Abstract

水処理システム(100)は、被処理水の第1時点での水質測定値を取得する水質測定値取得部(50)と、予め被処理水の水質の時系列変化から、予め取得した水質情報の取得時の条件に応じた複数の水質変動パターンを取得する水質変動パターン取得部(40)と、水質変動パターン取得部(40)の水質変動パターンから第1時点の水質測定値の取得条件に整合する水質変動パターンを選択し、選択された水質変動パターンにより第1時点以降の流入水質値を推定する流入水質推定部(30)と、推定された流入水質値に基づき、第1時点以降の送風機(20)から反応槽(10)への曝気量の制御を行う制御部(60)と、を備えている。

Description

本願は、水処理システム、曝気量制御装置及び曝気量制御方法に関する。
有機物及び窒素を含む下水処理方式として、活性汚泥法がある。活性汚泥法とは、浄化機能をもつ微生物群(活性汚泥)を反応槽に蓄え、これと排水とを混合及び接触させつつ曝気することにより、排水中の汚濁物を酸化及び分解する方法である。この汚濁物を十分に浄化させるためには、適切な量の空気を生物反応槽に供給(曝気)する必要がある。また、反応槽での滞留時間は10時間程度と長いことから、流入水質(流入水中の汚濁物濃度)の変動に対応して曝気量を制御する必要がある。
これに対し、流入水質を連続的に測定できるセンサーを使って計測することで取得する、あるいは過去の時系列データからの推定を利用することにより、流入水質を用いて曝気量制御を実施することが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第6764487号公報 特開2005―125229号公報
特許文献1では、流入水を連続的に水質測定するために、アンモニア計、全窒素計、BOD計などの水質センサーを配置することで、高精度な測定を実現している。しかし、これらの計測器は高額であり、かつ高頻度で校正及び保守が必要なため、センサーの維持に多大な費用と労力を要する。
特許文献2では、水質制御の目標値を判定する際に、過去の時系列データに基づいて流入水質を予測している。しかし、計測した現在の流入水質が過去データを取得した時期の水質から変化している場合に、予測精度が低下する虞がある。
本願は、上記の課題を解決するための技術を開示するものであり、流入水質を連続的に測定するための計測器を多数使用しなくとも高精度に流入水質を推定し、流入水質の変動に応じて遅延なく必要な曝気量を供給することで、処理水質の変動を抑制可能な水処理システム、曝気量制御装置及び曝気量制御方法を得ることを目的としている。
本願に開示される水処理システムは、
反応槽に送風機から曝気を行って生物酸化による水処理を行う水処理システムにおいて、
前記反応槽に流入された被処理水の第1時点での水質測定値を取得する第1の水質測定値取得部と、
予め取得した被処理水の水質情報の時系列変化から、予め取得した前記水質情報の取得時の条件に応じた複数の水質変動パターンを取得する水質変動パターン取得部と、
前記水質変動パターン取得部が具備する前記複数の水質変動パターンから前記第1時点での水質測定値の取得時の条件に整合する一水質変動パターンを選択し、前記選択された一水質変動パターンと前記第1の水質測定値取得部で測定した前記第1時点での水質測定値とに基づいて、前記第1時点以降の流入水質値を推定する流入水質推定部と、
前記流入水質推定部で推定された流入水質値に基づき、前記第1時点以降の前記送風機の曝気量の制御を行う制御部と、を備えている。













本開示による水処理システムによれば、流入水質を連続的に測定できる測定器を使用しなくとも高精度に流入水質値を推定し、流入水質値の変動に応じて必要な曝気量を供給することで、処理水質値の変動を抑制しつつ過剰な曝気を削減できる。
実施の形態1に係る水処理システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る曝気量制御装置を示すブロック図である。 実施の形態1に係る流入水質変動パターンを説明するための図である。 実施の形態1に係る曝気量制御装置で選択された水質変動パターンの例を示す図である。 実施の形態1に係る曝気量制御装置の動作フローを示す図である。 実施の形態2に係る曝気量制御装置を示すブロック図である。 実施の形態2に係る曝気量制御装置で選択された水質変動パターンの例を示す図である。 実施の形態3に係る水処理システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1から3に係る流入水質推定部、曝気量制御装置のハードウエア構成図である。 実施の形態4に係る流入水質推論装置の構成を示す図である。 実施の形態4に係る流入水質推論装置の学習装置の構成を示す図である。 図11の学習装置を用いて、学習を行うフローチャートである。 実施の形態4に係る推論装置の構成を示す図である。 図13の推論装置を用いて、流入水質値の推論を行うフローチャートである。
以下、本実施の形態について図を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について詳細に説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、図面において、装置の構成及び部材の形状を示す図は、あくまで装置及び部材の概略的な構成及び形状を示すものである。各図面において図示される各部材の相対的な大きさ及び相対的な位置は、必ずしも実際の部材間における大小関係及び位置関係を正確に表現するものではない。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る水処理システムについて図1から図5を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る水処理システムの構成を示す図、図2は、曝気量制御装置の構成を示す図である。図1において、水処理システム100は、被処理水を導入する流入部15、処理水を排出する流出部16及び内部に散気板11、12、13を具備する生物反応槽10と、各散気板11、12、13に空気を送る送風機20と、送風機20からの空気の量を調整する風量調節弁71、72、73と、風量調節弁71、72、73を制御するための曝気量を算出する目標曝気量算出部61、62、63と、目標曝気量算出部61、62、63で曝気量を算出するために流入水質値を推定する流入水質推定部30と、生物反応槽10に流入された被処理水の水質の測定値を取得し流入水質推定部30に送信する流入水質測定値取得部50と、流入水質の変動パターンを取得し流入水質推定部30へ送信する流入水質変動パターン取得部40と、を備えている。
なお、風量調節弁70(71、72、73)、目標曝気量算出部60(61、62、63)、流入水質推定部30、流入水質測定値取得部50及び流入水質変動パターン取得部40で曝気量制御装置は構成されている。また、風量調節弁、目標曝気量算出部は総称して示すときはそれぞれ風量調節弁70、目標曝気量算出部60と符号を付し、個々の部位を示すときはそれぞれ風量調節弁71、72、73、目標曝気量算出部61、62、63と符号を付して示す。
以下、各構成部位の詳細を説明する。
生物反応槽10は、内部に活性汚泥を蓄える反応槽である。送風機20から供給される空気は配管20aを通って散気板11、12、13から生物反応槽10内に供給される。
風量調節弁71、72、73は配管20aから散気板11、12、13にそれぞれ分岐した配管に1つずつ設置される。風量調節弁71、72、73の開度が調節されることによって、散気板11、12、13に供給される曝気量を個別に調節できる。
目標曝気量算出部61、62、63は散気板11、12、13から供給する曝気量の目標値を任意の周期ごとに算出し、信号線61a、62a、63aを介して曝気量の目標値を風量調節弁71、72、73に送信する。曝気量の目標値を算出する周期は1秒~5分程度の間が望ましいが、機場の特性に応じて任意に設定可能である。風量調節弁71、72、73は、散気板11、12、13から供給される曝気量が目標曝気量算出部61、62、63で算出した曝気量の目標値と等しくなるように、開度の調節を行う。なお、図1では散気板、風量調節弁、目標曝気量算出部をそれぞれ3つずつ備えた例を示しているがこの個数に限ることはない。生物反応槽10の規模及び機場の特性に応じて散気板、風量調節弁、目標曝気量算出部の個数は任意に変更可能である。
流入部15は生物反応槽10に被処理水が流入する配管又は水路である。流出部16は生物反応槽10で処理された処理水が生物反応槽10の外部へと流出する配管又は水路である。流入部15から流入された被処理水は生物反応槽10内で、曝気により供給される空気と活性汚泥に接することで被処理水中の汚濁物の酸化及び分解が促進され、処理水として流出されることになる。
次に、流入水質変動パターン取得部40について説明する。
流入水質変動パターン取得部40には、事前に取得した被処理水中の汚濁物濃度を取得時間に応じ時系列に並べた、汚濁物濃度の時間変動のパターンが入力され、保持される。汚濁物の種類は生物反応槽10の処理対象から1つ以上が選定される。例えば、BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)、COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)、アンモニア態窒素、全窒素、ケルダール窒素、全りん、りん酸態りん等がある。また、汚濁物の種類あるいは日時の特徴に応じて、複数の流入水質変動パターンを入力することができる。
図3は、流入水質変動パターン取得部40が取得する流入水質変動パターンについて説明するための図である。一般的な下水処理場では、1日の間で流入水質の変動に一定のパターンが見られる。変動パターンは機場ごとに異なり、住宅街に特徴的な朝方と夕方にピークが見られる変動パターンあるいはオフィス街に特徴的な日中のみピークが見られる変動パターン等がある。1、2時間間隔で1日の流入水をサンプリングし、水質を測定する、通日試験などを実施して1日の流入水質値の変動を事前に複数回取得し、ある時刻での流入水質値でその他の時刻の流入水質値を規格化する。
図3において、縦軸は任意の被処理水中の汚濁物濃度であり、ある日の午前9時の流入水質値を1として規格化した時の時間変化、すなわち水質の変動パターンの例である。上述したように、流入水質の変動パターンは処理区域の人々の活動パターンに依存するため、例えば平日と休日では流入水質の変動パターンは異なる可能性がある。そのため、平日と休日とに分けて流入水質の変動パターンを事前に取得し、図において実線で示された平日の流入水質変動パターン及び、破線で示された休日の流入水質変動パターンはそれぞれ流入水質変動パターン取得部40に入力される。
なお、平日と休日で流入水質変動パターンを分けるのは一例であり、処理区域の特徴に応じて、月、曜日、処理区域内の工場の稼働率などの指標を複数用いて流入水質変動パターンを分けてもよい。また、流入水質変動パターンは必ずしも1日単位である必要はなく、各機場の流入水質の変動周期に応じて、1分、1時間から1週間、1か月などパターンの期間を選定してよい。設定されたパターンの期間毎に流入水質変動パターンが流入水質変動パターン取得部40に入力される。すなわち、流入水質変動パターンが1日単位である場合は、流入水質変動パターン取得部40には1日毎に流入水質変動パターンが入力されることになる。
流入水質測定値取得部50には、流入部15又は生物反応槽10内の流入部15に近い領域でスポット的に流入水をサンプリングして測定された汚濁物濃度の瞬時値が、サンプリング日時と合わせて入力される。流入水質測定値取得部50に入力される汚濁物の種類は流入水質変動パターン取得部40に入力される汚濁物の種類と同一であることが望ましい。流入水質測定値取得部50に流入水質測定値を入力する方法はタブレット、マウス操作、キーボード操作、中央監視システムの画面入力等、いずれの方法であってもよい。
流入水質測定値取得部50に流入水質測定値を入力する頻度は任意であるが、より精度の高い流入水質推定を行うためには、流入水質変動パターン取得部40に入力される流入水質変動パターンの周期以下の頻度で流入水質測定値取得部50に流入水質測定値を入力するのが望ましい。例えば、流入水質変動パターン取得部40に入力される流入水質変動パターンが1日(24時間)単位である場合、流入水質測定値取得部50には1日に1回以上の頻度で測定値を入力するのが望ましい。
流入水質推定部30は、流入水質変動パターン取得部40から信号線40aを介して送信された流入水質変動パターンと、流入水質測定値取得部50から信号線50aを介して送信された流入水質の測定値とに基づいて、流入水質測定のサンプリング日時以降の流入水質値を推定する。流入水質推定部30で推定した流入水質値は信号線30aを介して目標曝気量算出部60に送信される。目標曝気量算出部60は流入水質推定部30で推定された流入水質値に基づいて、曝気量の目標値を算出する。
次に、流入水質推定部30の動作を説明する。流入水質推定部30は、サンプリング日時抽出部31、流入水質変動パターン選択部32、流入水質算出部33を備えている。サンプリング日時抽出部31は、流入水質測定値取得部50に入力された流入水質測定値のサンプリング日時の特徴を抽出し、流入水質変動パターン取得部40に保持されている流入水質変動パターンの日時の特徴と対応付けする。例えば、平日と休日に対応した流入水質変動パターンがそれぞれ流入水質変動パターン取得部40に入力されており、流入水質測定値取得部50にある平日の日の流入水質測定値が入力された場合、サンプリング日時抽出部31ではサンプリング日時の特徴として「平日」を抽出する。
流入水質変動パターン選択部32は、サンプリング日時抽出部31で抽出されたサンプリング日時の特徴に対応した流入水質の変動パターンを流入水質変動パターン取得部40に入力された流入水質変動パターンから選択する。例えば上記の例ではサンプリング日時の特徴として「平日」が抽出された場合、「平日」に対応した流入水質変動パターンを選択する。
流入水質算出部33では、流入水質変動パターン選択部32から送信された流入水質の変動パターンと流入水質測定値取得部50に入力された流入水質の測定値に基づいて、流入水質測定のサンプリング日時以降の流入水質値を算出する。すなわち、流入水質測定のサンプリング日時を第1時刻とすると第1時刻以降の流入水質値を算出する。
図4を用いて流入水質算出部33で算出される流入水質の推定値を説明する。例えば、流入水質変動パターン取得部40に1日単位の流入全窒素濃度の変動パターンが入力され、流入水質測定値取得部50に10月1日9時の流入全窒素濃度として25mg/Lが入力された場合、流入水質算出部33では、10月1日9時の測定値25mg/Lを起点に、1日後の10月2日9時までの間の各時刻における流入全窒素濃度の値を出力する。すなわち、図4において、実線で示す変動パターンが算出されたことになる。
例えば、サンプリング周期を8時間とし、次に10月1日17時に流入水質測定値が流入水質測定値取得部50から入力されると、同じ平日であるので、流入水質変動パターン選択部32ではパターンは変更されないが、入力された流入水質測定値に応じて1日後の10月2日9時までの間の各時刻における流入全窒素濃度の値に対し、再推定が実施される。同様に、さらに8時間後の10月2日1時に入力された流入水質測定値に対しても、再推定が実施されることになる。
ここで、流入水質算出部33に搭載される推定アルゴリズムは、流入水質変動パターンと流入水質測定値とをインプットとして、流入水質の時間変動を推定できる手法を採用すればどのような手法でもよく、例えば線形/非線形回帰モデル、機械学習、強化学習、深層強化学習、ディープラーニング、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、その他人工知能を用いた予測手法などがある。これら推定の対象となった流入水質変動パターンは学習された流入水質変動パターンとして流入水質変動パターン取得部40に入力することができる。
仮に流入水質変動パターン取得部40に1週間単位の流入全窒素濃度の変動パターンが入力された場合は、10月1日9時から10月8日9時までの各時刻における流入全窒素濃度を出力する。
以上のように、流入水質の変動パターンを事前に取得しているので、流入水質を連続的に測定できるセンサーを使用しなくてもよい。さらに流入水質測定値と組み合わせて流入水質測定のサンプリング日時以降の流入水質を推定することにより、サンプリング毎に流入水質推定の確度を向上させることが可能となる。
目標曝気量算出部60(61、62、63)では、流入水質推定部30で推定した流入水質値に基づいて、散気板11、12,13から供給する曝気量の目標値を算出する。目標曝気量算出部61、62、63で目標曝気量を演算する時刻に対応した流入水質推定値と連動して目標曝気量が算出される。例えば、次式(1)~(3)に基づいて算出される。
Qair1=K1×TN・・・(1)
Qair2=K2×TN・・・(2)
Qair3=K3×TN・・・(3)
ここで、Qair1、Qair2、Qair3は目標曝気量算出部61、62、63で算出される目標曝気量、TNは流入水質推定部30で推定された流入水質、K1、K2、K3は比例定数である。
式(1)~式(3)に基づいて目標曝気量を算出することにより、流入水質の変動に追従して曝気量を制御することが可能となる。これにより、制御遅れが抑制されることで処理後の水質の変動も抑制され良好な処理水質を得つつ、過剰な曝気量を削減することができる。なお、K1、K2、K3は全て等しい値とする必要はなく、散気板11、12、13の位置に応じて任意の値を設定可能である。特に、流入水質の変動の影響を極力抑えたい場合は、K1>K2>K3となるように各比例定数を設定することで、生物反応槽10の前段側で流入水質の変動を早めに抑制することができる。さらに、式(1)~式(3)は一例であり、流入負荷(流入汚濁物濃度×流入水量)に追従して曝気量を制御したい場合は流入水量の項を追加してよい。
次に、実施の形態1における曝気量制御装置の動作フローについて図5を用いて説明する。
予め、流入水質変動パターン取得部40に流入水質の変動パターンが入力されている。この状態から、曝気量制御装置の制御が開始する。
曝気量制御装置の動作フローには図に示すステップST1~ステップST6の6つのステップが存在する。曝気量制御が開始されると、このステップST1~ステップST6のフローが、ある時間間隔Δtで繰り返される。ここで、Δtは目標曝気量算出部60の目標曝気量の更新周期T以下の間隔で設定され、Δtは1秒から1分程度の範囲が望ましい。ただし、ステップST1~ステップST6を全て処理するのに要する時間よりも長い時間をΔtとして設定する必要がある。
まず、ステップST1において、時刻tが目標曝気量算出部60の目標曝気量の更新周期であるかどうか判定する。目標曝気量の更新周期Tが5分である場合には、5分間隔でステップST1はYesと判定される。ステップST1でYesの場合は次のステップST2へ進み、ステップST1でNoの場合はステップST5に進む。
ステップST2では、繰り返し間隔Δtの1周期前の時刻であるt―Δtから時刻tの間に流入水質測定値取得部50に流入水質の測定値が新たに入力されたかどうか判定する。流入水質測定値取得部50への流入水質の入力周期が1日である場合には、1日間隔でステップST2はYesと判定される。ステップST2がYesの場合は次のステップST3へ進み、ステップST2でNoの場合はステップST5に進む。
ここで、流入水質測定のため水をサンプリングしたのち水質測定を実施し、その結果が流入水質測定値取得部50に入力されることから、流入水質測定のためのサンプリングを実施した時刻は、時刻tよりも過去であることに注意する。例えば、流入水質測定のためのサンプリングを10月1日9時に実施し、そこから水質分析に1時間要したのち、流入水質測定値取得部50に10月1日9時の測定値が入力される場合、曝気量制御装置の動作フローにおける時刻tが10月1日10時に、10月1日9時の時点での流入水質測定値が入力されることになる。
次に、ステップST3では、流入水質推定部30において、流入水質測定のサンプリング日時以降の流入水質値を推定する。本実施の形態では、図4に示すように流入水質変動パターン取得部40に1日単位の流入水質変動パターンが入力されている例であるので、10月1日9時から10月2日9時までの流入水質値の変動が推定される。
次に、ステップST4では、時刻t―Δtにおいて記録されていた流入水質推定値を、ステップST3で推定された流入水質推定値に更新する。
ステップST5では、目標曝気量算出部61、62、63は時刻tでの流入水質推定値を参照する。本実施の形態では、時刻tが10月1日10時の場合、10月1日10時の流入水質推定値を参照する。
ステップST6では、ステップST5で参照した流入水質推定値及び式(1)~式(3)を用いて、各目標曝気量算出部61、62、63における時刻tでの目標曝気量を算出する。算出された目標曝気量は、信号線61a、62a、63aを介して風量調節弁71、72、73に送信され、各風量調節弁71、72、73は、目標曝気量となるように弁の開度を調整する。
図5の曝気量制御装置の動作フローでは、第1時刻である10月1日9時に生物反応槽10流入された被処理水の水質をサンプリングし、水質測定を行う。その後第2時刻である10月1日10時に、流入水質測定値取得部50は第1時刻の流入水質測定値を取得し、流入水質推定部30において、流入水質測定のサンプリング日時以降の流入水質を推定する。ここでは、流入水質測定値取得部50への水質測定値取得周期が1日であるので、第3時刻である10月2日9時に生物反応槽10に流入された被処理水の水質をサンプリングし、水質測定を行う。その後第4時刻である10月2日10時に、流入水質測定値取得部50は第3時刻の流入水質測定値を取得し、流入水質推定部30において、流入水質測定のサンプリング日時(第3時刻)以降の流入水質を推定する。このように流入水質のサンプリング、測定値の取得、流入水質の推定が繰り返される。なお、第3時刻は、第4時刻に第1時刻以降の流入水質測定値が取得できるように、サンプリングと測定値の決定が行われれば、10月2日9時より前であってもよい。10月2日9時に近い時間の方がより新しい流入水質測定値が入手できることは言うまでもない。
以上のように本実施の形態1に係る水処理システムによれば、流入水質変動パターン取得部40に入力された流入水質変動パターンと、流入水質測定値取得部50に入力された流入水質測定値に基づいて流入水質推定部30において流入水質値を推定することによって、サンプリング日時による流入水質変動パターンの違いと直近の水質計測値の両者を反映した高精度な流入水質値の推定が可能となる。さらに、推定された流入水質値を使用して目標曝気量算出部61、62、63において目標曝気量を算出し、算出された目標曝気量に応じて各風量調節弁71、72、73を調整するので、制御遅れを抑制し流入水の水質値に応じた処理を行うことができ、良好な処理水質を得つつ、過剰な曝気量を削減することが可能となる。
従来、水質を測定する作業員と水処理システムの運転制御を行う作業員とが別々であり、水質結果を水処理システムの制御に反映するのに時間を要していたが、本実施の形態のように、推定された流入水質推定値を使用して水処理システムの制御を行うことで、水質に応じて制御が可能となる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2に係る水処理システムについて図6を用いて説明する。
図6は実施の形態2に係る水処理システムの曝気量制御装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1と異なるのは、流入水質推定部30に降雨影響判定部34を備えたことである。その他の構成は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
図6において、降雨影響判定部34は、流入水質測定値取得部50に入力された流入水質測定値が降雨の影響を受けているかどうか判定し、流入水質測定値取得部50に入力された流入水質測定値と降雨影響度合いとを流入水質算出部33に送信する。
降雨時は雨水により被処理水が希釈されるため、晴天時と比べて流入水中の汚濁物濃度が小さくなり、流入水質の推定精度が悪化する懸念がある。よって、流入水質測定値が降雨影響判定部34の内部に予め設定された判定閾値を下回る場合、降雨の影響度合いを算出する。なお、降雨の影響度合いの算出には、機場の対象処理区域内の雨雲レーダー等の気象情報を入手し、降雨の影響を判定した結果を用いてもよい。
降雨の影響度合いとは、雨水侵入水による流入水の希釈割合であり、式(4)により算出する。
希釈割合 = 1―Ssp_r/Ssp_ave・・・(4)
ここで、Ssp_rは降雨の影響がある日時でサンプリングされた流入水質測定値、Ssp_aveは晴天時における流入水質測定値の平均値である。流入水質測定値の平均値は同一のサンプリング日時における流入水質測定値を複数回取得し、その平均値を降雨影響判定部34に入力しておく。
次に、降雨影響判定部34で降雨の影響ありと判定された場合の流入水質算出部33で算出される流入水質の推定値について図7を用いて説明する。
例えば、流入水質変動パターン取得部40に1日単位の流入全窒素濃度の変動パターンが入力され、流入水質測定値取得部50に10月8日9時の流入全窒素濃度として5mg/Lが入力され、かつ降雨影響判定部34で「降雨の影響あり」と判定されたとする。この場合、流入水質算出部33では、10月8日9時の流入水質測定値5mg/Lを起点に、1日後の10月9日9時までの間の各時刻における流入全窒素濃度の値を出力する。ここで、雨水による希釈割合に応じて流入全窒素濃度の推定値は降雨影響が無い場合と比べて小さく、また流入水質値の変動幅も小さくなるように推定される。
図7における破線は、平日、晴天時すなわち降雨影響のない場合の推定流入全窒素濃度の変動パターンであるが、降雨影響判定部34から送信された希釈割合と流入水質測定値とから今後の変動が推定され、実線で示されたパターンを得ることができる。このように、降雨の影響がある日であっても正確に流入水質値を推定することができる。流入水質算出部33に搭載される推定アルゴリズムは、流入水質変動パターンと流入水質測定値、降雨による希釈割合をインプットとして、流入水質値の時間変動を推定できる手法を採用すればよく、例えば線形/非線形回帰モデル、機械学習、強化学習、深層強化学習、ディープラーニング、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、その他人工知能を用いた予測手法など実施の形態1と同様の方法を用いることができる。
目標曝気量算出部61、62、63では、流入水質推定部30で推定した流入水質値に基づいて、散気板11、12、13から供給する曝気量の目標値を算出する。目標曝気量算出部61、62、63で目標曝気量を演算する時刻に対応した流入水質推定値と連動して目標曝気量が算出される。一般に、降雨の影響がある場合は流入水中の汚濁物濃度が非常に小さいため、晴天時と同じ曝気量では過剰に曝気を供給することとなる。本実施の形態では、目標曝気量算出部61、62、63は降雨の影響が考慮された流入水質の推定値に基づいて目標曝気量を算出するため、流入水質の変動を抑制して処理水質を安定させるだけでなく、晴天時と比べて過剰な曝気をさらに抑制することができる。
以上のように実施の形態2によれば、流入水質推定部30において降雨影響判定部34で判定された降雨の影響度合いを用いて流入水質を推定するので、測定された流入水質値から通常の晴天時とは異なる流入水質変動パターンが予測される場合であっても高精度な流入水質値の推定が可能となる。さらに、降雨の影響を考慮した流入水質推定値を使用して目標曝気量算出部61、62、63において目標曝気量を算出し、算出された目標曝気量に応じて各風量調節弁71、72、73を調整するので、降雨時であっても流入水の水質に応じた処理を行うことができ、良好な処理水質を得つつ、過剰な曝気量を削減することが可能となる。
実施の形態3.
以下、実施の形態3に係る水処理システムについて図8を用いて説明する。
図8は実施の形態3に係る水処理システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1と異なるのは、生物反応槽10に流入した被処理水が生物反応槽10内での処理が終了した時点での汚濁物濃度を測定するための汚濁物濃度測定部80の濃度測定器を設けたことである。他の構成は、実施の形態1または2と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態3に係る汚濁物濃度測定部80は流入水質測定値取得部50とは異なる第2の水質測定値取得部に相当する。この汚濁物濃度測定部80は処理が終了した時点での汚濁物濃度を測定することが主たる役割であるため、その濃度測定器を生物反応槽10内の流出部16により近い位置に設置することが望ましい。あるいは、汚濁物濃度測定部80の濃度測定器は流出部16に設置してもよい。
濃度測定器の種類は生物反応槽10の処理対象から1つ以上選定される。例えば、BOD、COD、アンモニア態窒素、全窒素、ケルダール窒素、全りん、りん酸態りん等がある。汚濁物濃度測定部80は流入水質変動パターン取得部40及び流入水質測定値取得部50に入力する水質と同じ種類の濃度測定器を備える必要は必ずしもなく、処理水質として監視したい濃度測定器を選定して良い。
汚濁物濃度測定部80で測定された汚濁物濃度が、信号線80aを介して目標曝気量算出部61、62、63に送信される。目標曝気量算出部61、62、63は流入水質推定部30で推定された流入水質の推定値と、汚濁物濃度測定部80で測定された汚濁物濃度に基づいて、曝気量の目標値を算出する。
次に、目標曝気量算出部61、62、63での曝気量の目標値の算出方法について説明する。以下、流入水質変動パターン取得部40及び流入水質測定値取得部50に流入水全窒素濃度の変動パターン、流入水質測定値がそれぞれ入力され、汚濁物濃度測定部80が汚濁物濃度計としてアンモニア態窒素濃度計を備えている場合を例に説明する。
曝気量の目標値は流入水質推定部30で推定された流入水質値の変動に追従する制御と、汚濁物濃度測定部80で測定された汚濁物濃度がある目標水質と等しくなるように動作する制御(PI制御:比例積分制御)に基づいて決定される。具体例としては、以下に示す式(5)~式(7)に基づいて曝気量の目標値は決定される。なお、本実施の形態3における制御部の構成要素のうち、目標水質を設定する目標水質設定部については図示されてはいないが、目標曝気量算出部61、62、63に目標水質設定部が内蔵されており、作業者が外部から目標水質を設定することができる。
Qair1=K1×TN+Kp1×(NH4-NH4*)
+Ki1×Σ(NH4-NH4*)・・・(5)
Qair2=K2×TN+Kp2×(NH4-NH4*)
+Ki2×Σ(NH4-NH4*)・・・(6)
Qair3=K3×TN+Kp3×(NH4-NH4*)
+Ki3×Σ(NH4-NH4*)・・・(7)
ここで、Qair1、Qair2、Qair3は各目標曝気量算出部61、62、63で算出される目標曝気量、TNは流入水質推定部30で推定された流入水全窒素濃度の推定値、K1、K2、K3は比例定数、Kp1、Kp2、Kp3は比例ゲイン(定数)、Ki1、Ki2、Ki3は積分ゲイン(定数)、NH4は汚濁物濃度測定部80で測定されるアンモニア態窒素濃度、NH4*はアンモニア態窒素濃度の目標値である。また、Σは、式(5)~式(7)による曝気量の算出が開始されて以降の(NH4-NH4*)の測定値の合計を意味する。例えば、式(5)~式(7)に基づいた曝気量の算出が1分間隔で行われるケースを考えると、1時間後のΣ(NH4-NH4*)の値は、式(5)~式(7)による曝気量の算出を開始した直後からの1分ごとの(NH4-NH4*)の測定値60回分の合計値となる。
式(5)~式(7)の第一項は流入水質推定部30で推定された流入水全窒素濃度の推定値に対する比例制御であり、これにより流入水質の変動に追従して曝気量を制御することが可能となる。
式(5)~式(7)の第二項と第三項は汚濁物濃度測定部80で測定されたアンモニア態窒素濃度とアンモニア態窒素の目標値との差分に基づいたPI制御であり、これにより処理水質が目標値に対して一定となるように曝気量が制御されるため、必要な曝気量を過不足なく生物反応槽10に供給できる。なお、流入水質の推定値に対する比例定数(K1、K2、K3)、比例ゲイン(Kp1、Kp2、Kp3)、積分ゲイン(Ki1、Ki2、Ki3)は目標曝気量算出部61、62、63で全て等しい値とする必要はなく、散気板11、12、13の位置に応じて任意の値を設定可能である。特に、流入水質値の変動の影響を極力抑えたい場合は、K1>K2>K3となるように各比例定数を設定することで、生物反応槽10の前段側で流入水質値の変動を早めに抑制することができる。
また、処理水質値の変動を極力抑制したい場合はKp1<Kp2<Kp3、Ki1<Ki2<Ki3と設定することで、汚濁物濃度測定部80が設置されている場所に近い風量調節弁ほどPI制御の影響を強くすることができる。さらに、式(5)~(7)は一例であり、流入負荷(流入汚濁物濃度×流入水量)に追従して曝気量を制御したい場合は第一項に流入水量の項を追加してよい。
以上のように実施の形態3によれば、流入水質推定部30において推定した流入水質推定値と、汚濁物濃度測定部80で測定された汚濁物濃度を使用して目標曝気量算出部61、62、63において目標曝気量を算出することによって、流入水質を連続的に測定できるセンサーを使用しなくとも流入水質変動に対する曝気量の応答性を向上させて処理水質を一定に制御することができる。これにより処理水質値の変動を抑制して良好な処理水質を得つつ、過不足のない曝気供給により過剰な曝気量を削減することができる。
なお、上述の実施の形態1から3において、水処理システム100の流入水質推定部30及び目標曝気量算出部60は、ハードウエアの一例を図9に示すように、プロセッサ301と記憶装置302から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ301は、記憶装置302から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ301にプログラムが入力される。また、プロセッサ301は、演算結果等のデータを記憶装置302の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
実施の形態4.
以下、実施の形態4に係る水処理システムについて図10から14を用いて説明する。本実施の形態においては、実施の形態1から3に示した流入水質推定部30を機械学習装置搭載により構成した流入水質推論装置について説明する。
図10は、本実施の形態4に係る水処理システムの流入水質推論装置400の構成を示す図で、学習装置410と推論装置420を備える。流入水質推論装置400は流入水質推定部30であってもよい。以下、流入水質値を推論する手順を「学習フェーズ」と実際に推論を行う「活用フェーズ」に分けて説明する。
<学習フェーズ>
図11は学習装置410の構成を示す図である。学習装置410は、データ取得部411、モデル生成部412および学習済モデル記憶部413を備える。
図12は、学習装置410を用いて学習フェーズを実行する処理手順を示すフローチャートである。
データ取得部411は、入力データとして汚濁物の種類と濃度のデータb1および測定日時のデータb2を流入水質測定値取得部50から取得し、両者を組み合わせて時系列の学習用データとする(ステップST101)。
モデル生成部412は、データ取得部411から出力される学習用データに基づいて、流入水質の変動を学習する(ステップST102)。すなわち、一定期間の複数個のある汚濁物の濃度の時系列データから、例えば、日別(平日あるいは休日)、汚濁部の種類別の水質変動を学習して水質変動パターンである学習済モデル414を生成する。学習済モデル414の生成を行う学習には、例えば線形/非線形回帰モデル、機械学習、強化学習、深層強化学習、ディープラーニング、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、その他人工知能を用いた予測手法などを用いればよい。
モデル生成部412は、以上のような学習を実行することで学習済モデル414を生成して出力し、学習済モデル記憶部413は、モデル生成部412から出力された学習済モデル414を記憶する(ステップST103)。
<活用フェーズ>
図13は推論装置420の構成を示す図である。推論装置420は、データ取得部421および推論部422を備える。
図14は、推論装置420を用いて流入水の水質値を推論する、活用フェーズを実行する処理手順を示すフローチャートである。
データ取得部421は、入力データとして流入水質測定値取得部50から汚濁物の水質測定データb11および流入水質変動パターン選択部32で選択された流入水質変動パターンb12を取得する(ステップST111)。
推論部422は、学習済モデル414を利用して流入水質の変動を推論する。すなわち、この学習済モデル414にデータ取得部で取得したある時点の新しい汚濁物の水質測定データb11および選択された流入水質変動パターンb12を入力する(ステップST112)ことで、それ以降の水質変動値を高精度で推論し、推論装置420から出力することができる(ステップST113)。
推論された流入水質値の結果は目標曝気量算出部60に出力される(ステップST114)。
推論部422には、データ取得部421から入力された流入水質測定値取得部50から汚濁物の水質測定データb11および流入水質変動パターン選択部32で選択された流入水質変動パターンb12が入力されるが、流入水質変動パターン選択部32で選択された流入水質変動パターンb12は参照データとしてあればよく、なくてもよい。流入水質測定値取得部50から取得する汚濁物の水質測定データb11には、水質測定データには測定時の日時、汚濁物の種類等水質情報が付されており、学習済データへの適用が可能であるためである。
なお、上述では、実施の形態1に対応した例で説明したが、流入水質推論装置400に入力されるデータに降雨情報を含めることで、実施の形態2に対応した降雨時の流入水質推論装置400を構築できることは言うまでもない。
また、実施の形態3についても適用できることは言うまでもない。
推論装置420を流入水質推定部30とし、学習装置410及び学習済モデル記憶部413は実施の形態1から3の流入水質推定部30の外付けであってもよいし、図10で示したように流入水質推論装置400として一体化されていてもよい。
なお、流入水質推論装置400のハードウエアの一例は図9で示した構成と同様に、プロセッサと記憶装置とから構成されるので説明は省略する。プロセッサは、プログラムを実行することにより、流入水質推論装置400の学習装置410、推論装置420の具備する各機能を実現する。
実施の形態1から4の流入水質変動パターン取得部40に入力されるパターンは、学習済モデルを用いた流入水質変動パターンを用いてもよい。
本実施の形態4では、モデル生成部412で学習した学習済モデル414を用いて流入水質の推論結果を出力するものとして説明したが、他の外部から学習済モデルを取得し、この学習済モデルに基づいて流入水質の推論結果を出力するようにしてもよい。
また、本実施の形態4では学習フェーズと活用フェーズに分けて記載したが、先に学習フェーズを実施し、その後、活用フェーズを実施してもよいし、双方並行して実施しても良い。双方並行して実施する場合は、データ取得数など何らかの学習完了の閾値を設け、学習が未完了な間は学習のみを実施し、学習完了後は、双方並行して実施すればよい。
以上のように、実施の形態4によれば、実施の形態1の効果に加え、汚濁物の種類と濃度のデータb1および測定日時のデータb2を流入水質測定値取得部50から取得し、両者を組み合わせて時系列の学習データとして学習済モデルを生成し、この学習済モデルにある時点の新しい現在の汚濁物の水質測定データb11および選択された流入水質変動パターンb12を入力することで、以降の水質変動値を高精度で推論可能となるので、その結果をもとに、より精度の高い曝気量制御を行うことが可能となる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
10:生物反応槽、 11、12、13:散気板、 15:流入部、 16:流出部、 20:送風機、 20a:配管、 30:流入水質推定部、 30a:信号線、 31:サンプリング日時抽出部、 32:流入水質変動パターン選択部、 33:流入水質算出部、 34:降雨影響判定部、 40:流入水質変動パターン取得部、 40a:信号線、 50:流入水質測定値取得部、 50a:信号線、 60、61、62、63:目標曝気量算出部、 61a、62a、63a:信号線、 70、71、72、73:風量調節弁、 80:汚濁物濃度測定部、 80a:信号線、 100:水処理システム、 301:プロセッサ、 302:記憶装置、 400:流入水質推論装置、 410:学習装置、 411:データ取得部、 412:モデル生成部、 413:学習済モデル記憶部、 414:学習済モデル、 420:推論装置、 421:データ取得部、 422:推論部。

Claims (8)

  1. 反応槽に送風機から曝気を行って生物酸化による水処理を行う水処理システムにおいて、
    前記反応槽に流入された被処理水の第1時点での水質測定値を取得する第1の水質測定値取得部と、
    予め取得した被処理水の水質情報の時系列変化から、予め取得した前記水質情報の取得時の条件に応じた複数の水質変動パターンを取得する水質変動パターン取得部と、
    前記水質変動パターン取得部が具備する前記複数の水質変動パターンから前記第1時点での水質測定値の取得時の条件に整合する一水質変動パターンを選択し、前記選択された一水質変動パターンと前記第1の水質測定値取得部で取得した前記第1時点での水質測定値とに基づいて、前記第1時点以降の流入水質値を推定する流入水質推定部と、
    前記流入水質推定部で推定された流入水質値に基づき、前記第1時点以降の前記送風機の曝気量の制御を行う制御部と、
    を備えた水処理システム。
  2. 第2の水質測定値取得部を備え、前記第2の水質測定値取得部は前記反応槽で処理された処理水の水質測定値を取得し、
    前記制御部は、さらに前記第2の水質測定値取得部で取得された前記処理水の水質測定値に基づき前記第1時点以降の前記送風機の曝気量の制御を行う、請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記流入水質推定部は、
    予め被処理水の水質情報の時系列変化を学習用データとして取得するデータ取得部と、前記学習用データを用いて、前記水質情報の取得時の条件に応じた時系列変化である複数の前記水質変動パターンを推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部とを備えた学習装置と、前記学習済モデルを用い、前記第1の水質測定値取得部で取得された被処理水の第1時点での水質測定値から前記第1時点以降の流入水質値を推論する推論装置とを備えた、請求項1または2に記載の水処理システム。
  4. 反応槽に送風機から曝気を行って生物酸化による水処理を行う水処理システムに用いられる曝気量制御装置であって、
    前記反応槽に流入された被処理水の第1時点での水質測定値を取得する第1の水質測定値取得部と、
    予め取得した被処理水の水質情報の時系列変化から、予め取得した前記水質情報の取得時の条件に応じた複数の水質変動パターンを取得する水質変動パターン取得部と、
    前記水質変動パターン取得部が具備する前記複数の水質変動パターンから前記第1時点での水質測定値の取得時の条件に整合する一水質変動パターンを選択し、前記選択された一水質変動パターンと前記第1の水質測定値取得部で取得した前記第1時点での水質測定値とに基づいて、前記第1時点以降の流入水質値を推定する流入水質推定部と、
    前記流入水質推定部で推定された流入水質値に基づき、前記第1時点以降の前記送風機から前記反応槽に供給する目標曝気量を算出する目標曝気量算出部と、を備えた曝気量制御装置。
  5. 前記第1の水質測定値取得部は、第1時点以降の第2時点に前記反応槽に流入された被処理水の水質測定値を取得し、
    前記流入水質推定部は、
    前記第1の水質測定値取得部で取得された前記第2時点での水質測定値の取得日時に対応して、前記水質変動パターン取得部から前記水質変動パターンを選択し、前記第2時点以降の流入水質値を推定する、請求項4に記載の曝気量制御装置。
  6. 前記流入水質推定部は、
    前記第1の水質測定値取得部で取得された水質測定値が降雨の影響を受けているか判定する降雨影響判定部を備え、
    前記降雨影響判定部で影響ありとされた場合、前記水質変動パターン取得部から選択された前記水質変動パターンと降雨影響度合いとに基づいて、前記第1時点以降の流入水質値を推定する、請求項4または5に記載の曝気量制御装置。
  7. 第2の水質測定値取得部を備え、前記第2の水質測定値取得部は前記反応槽で処理された処理水の水質測定値を取得し、
    前記目標曝気量算出部は、前記流入水質推定部で推定された流入水質値及び前記第2の水質測定値取得部で取得された前記処理水の水質測定値に基づき、前記送風機から前記反応槽に供給する目標曝気量を算出する、請求項4から6のいずれか1項に記載の曝気量制御装置。
  8. 反応槽に送風機から曝気を行って生物酸化による水処理を行う水処理システムに用いられる曝気量制御方法であって、
    予め前記反応槽に流入される被処理水の水質情報の時系列変化から、予め取得した前記水質情報の取得時の条件に応じた複数の水質変動パターンを取得する水質変動パターン取得工程と、
    前記反応槽に流入された被処理水の第1時点での水質測定値を取得する水質測定値取得工程と、
    前記水質変動パターン取得工程で取得した複数の前記水質変動パターンから前記第1時点での水質測定値の取得条件に整合する一水質変動パターンを選択し、前記選択された一水質変動パターンと前記水質測定値取得工程で取得した前記第1時点での水質測定値とに基づいて、前記第1時点以降の流入水質値を推定する流入水質推定工程と、
    前記流入水質推定工程で推定された流入水質値に基づき、前記第1時点以降の前記送風機から前記反応槽に供給する目標曝気量を算出する目標曝気量算出工程と、を備えた曝気量制御方法。
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