JP2019013330A - 経口ゾンデの先端加工方法及びその加工方法で作られた経口ゾンデ - Google Patents

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哲司 石山
Tetsuji Ishiyama
哲司 石山
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Abstract

【課題】経口ゾンデの先端を安全な形態に簡易に加工することのできる加工方法を提供すること。【解決手段】細い樹脂製のチューブ11を有する経口ゾンデ10におけるチューブ11の先端11Tの加工方法であって、チューブ11に金属製の芯棒20を通す工程と、芯棒20を通したチューブ11の先端11Tを加熱用の熱板30に当接させる熱処理工程とを含み、熱処理工程では、チューブ11の先端11Tを軟化・熔融させつつ外側へカールさせる加工を行い、熱処理工程の後、チューブ11から芯棒20を抜き取る工程を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、経口ゾンデの先端加工方法に関する。
経口ゾンデは、細い管状の器具であり、マウスやラット等の実験動物に対して飼料や薬品等を経口投与するために用いられる。
経口ゾンデは、使用時に実験動物の食道や胃を傷つけたりすることがないように、従来より、先端部に種々の加工が施されている。一例として、特許文献1に開示された経口ゾンデは、管体4の先端部に、略球状をしたシリコン製の先玉6が取り付けられ、管体4の先端部が丸くて軟らかい構成とされている。
また、特許文献2には、先端部を丸味形状体とし、先部側壁に注出用細孔部を形設して成る導入管を有する経口ゾンデ(特許文献2の請求項1及び第1図参照)が開示されている。
さらに、非特許文献1には、PTFEチューブからなり、その先端にシリコン先玉が取り付けられた経口ゾンデが開示されている。
実開平1−104112号公報 実公昭63−24901号公報
fg-kikai.co.jp/disposable(DISPOSABLE経口ゾンデ)
従来の経口ゾンデは、その先端部に、シリコン製の先玉や丸味形状体が取り付けられ、ゾンデの先端が実験動物の食道や胃を傷つけることがないように工夫されている。しかし、先端部に別部材でできた先玉や丸味形状体を取り付けるため、その加工工程が煩雑である。そのため、より簡易な経口ゾンデの先端加工方法が望まれていた。
本発明は、経口ゾンデの先端を安全な形態に簡易に加工することのできる加工方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、細い樹脂製のチューブを有する経口ゾンデにおける前記チューブの先端の加工方法であって、前記チューブに金属製の芯棒を通す工程と、前記芯棒を通した前記チューブの先端を加熱用の熱板に当接させる熱処理工程とを含み、前記熱処理工程では、前記チューブの先端を軟化・熔融させつつ外側へカールさせる加工を行い、前記熱処理工程の後、前記チューブから前記芯棒を抜き取る工程を含むことを特徴とする、経口ゾンデの先端加工方法である。
請求項2記載の発明は、前記熱処理工程では、外側へカールしたチューブの先端をチューブの外周と一体化させて円い玉形状を作る加工を行うことを特徴とする、請求項1に記載の経口ゾンデの先端加工方法である。
請求項3記載の発明は、前記加熱用の熱板は、前記チューブの先端が当接する加熱面と、その加熱面の中央に穿設された前記芯棒を案内する孔とを備え、前記芯棒が前記案内孔に進入する一方、前記チューブの先端は前記加熱面に当接しながら外へカールされることを特徴とする、請求項1または2に記載の経口ゾンデの先端加工方法である。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の先端加工方法により作られた経口ゾンデである。
請求項5記載の発明は、細い樹脂製のチューブを有する経口ゾンデにおける前記チューブの先端の加工方法であって、前記チューブに金属製の芯棒を通す工程と、前記芯棒を通した前記チューブの先端を加熱用の熱板に当接させる熱処理工程とを含み、前記熱処理工程では、前記チューブの先端周縁を熱板に当接させて軟化させて丸める加工を行い、前記熱処理工程の後、前記チューブから前記芯棒を抜き取る工程を含むことを特徴とする、経口ゾンデの先端加工方法である。
請求項6記載の発明は、前記加熱用の熱板には、表面に開いた開口が奥に向かって徐々に狭まる円錐状のテーパ凹部と、さらに、テーパ凹部の奥に連設された芯棒の案内孔とを備え、前記チューブの先端の周縁は、前記テーパ凹部の傾斜面に当接して軟化・丸め加工がされることを特徴とする、請求項5に記載の経口ゾンデの先端加工方法である。
請求項7記載の発明は、請求項5または6に記載の先端加工方法により作られた経口ゾンデである。
本発明によれば、チューブの先端を加熱し、外側にカールさせて円く変形させる間、チューブには芯棒が通されているので、チューブの先端部分の内径が縮んだり、変形したりすることはない。また、チューブの先端に円い玉形状が形成されるので、チューブの先端は滑らかな円になり、引っ掛かる角や尖った突起などをなくすことができる。
また、この先端加工方法によれば、チューブの先端を加熱し、丸め加工を施す際に、チューブには芯棒が通されているので、チューブの先端部分の内径が縮んだり、変形することはなく、先端の外周縁を角が無くなるように丸めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る加工方法により加工された経口ゾンデ10の正面図である。 図2は、図1(B)の線II−IIに沿う断面図である。 図3(A)〜(D)は、チューブ11の先端11Tに先玉加工13を施すための加工工程を図解的に示す図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る加工方法により加工された経口ゾンデ40の正面図である。 図5は、図4(B)の線V−Vに沿う断面図である。 図6(A)〜(D)は、チューブ41の先端41Tに丸め加工43を施すための加工工程を図解的に示す図である。 図7(A)は、熱板50の一例を示す平面図であり、図7(B)は熱板50の断面図である。
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明をする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る加工方法により加工された経口ゾンデ10の正面図であり、経口ゾンデ10の先端部Bが部分拡大図で併描されている。また、図2は、図1(B)の線II−IIに沿う断面図である。
図1及び図2を参照して説明すると、経口ゾンデ10は、ポリウレタンやポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料で形成された細長いチューブ11を有する。チューブ11の外径、内径及び長さは、経口ゾンデ10の用途によって種々規格されているが、一例として、マウス用の経口ゾンデ10では、チューブ11の外径は0.90〜1.30mm程度、内径は0.50〜0.99mm程度、チューブ11の長さは250〜750mm程度である。
また、ラット用の経口ゾンデ10では、マウス用に比べてその寸法がやや大きい傾向にある。
チューブ11の一端(基端)には、連結部材12が取り付けられている。連結部材12は、経口ゾンデ10を注射器の先端に連結する際に用いられる部材である。
チューブ11の他端(先端)11Tには、先玉加工13が施されている。先玉加工13は、チューブ11の先端11Tを加熱して軟化・熔融し、外側へカールさせてチューブの外周と一体化した円い玉形状にする加工である。
チューブ11の先端11Tに先玉加工13が施されていると、チューブ11を実験動物の口から奥へ挿入する際に、チューブ11の先端11Tが食道や胃に引っかからず、傷つけたりすることがない。
図3は、チューブ11の先端11Tに先玉加工13を施すための加工工程を図解的に示す図である。図3を参照して、チューブ11の先端の加工方法について、具体的に説明をする。
まず、図3(A)を参照して、先端加工を施すチューブ11の基端側から一例としてステンレス鋼製の芯棒20を挿入する。
先端加工を施すチューブ11の基端には、連結部材12が取り付けられていてもよいし、連結部材12が取り付けられる前のチューブ11であってもよい。
チューブ11に挿入した芯棒20の先端は、チューブ11の先端11Tから一例としてamm突出させる。そして、その状態で、芯棒20が通されたチューブ11をクランプ21等によって固定する。チューブ11は、その先端11Tが垂直上方を向くように固定するのが望ましい。チューブ11の固定位置は、一例として、チューブ11の先端11Tから基端に向かって数10mm程度離れた位置であればよく、特に限定されるものではない。
熱板30は、熱伝導性の良い金属、たとえば真鍮製の加熱用の塊体であり、その内部にシーズヒーター、棒ヒーター等が配置され、電気的に所望の温度、たとえば80℃〜130℃程度に加熱される。
熱板30の下面31は加工面であり、その中心部に内径φ、深さbの円柱状の位置決め孔32が形成されている。加工面としての下面31は、この実施形態では平面とされている。しかし、加工面(下面31)は、緩く凹湾曲した曲面としてもよい。
芯棒20が通されたチューブ11の先端11Tは、熱板30の下面31の位置決め孔32に対向される。
次に、図3(B)を参照して、熱板30が下降され、チューブ11の先端11Tに熱板30の下面31が当接される。このとき、チューブ11の先端から突出した芯棒20の先端には、熱板30の下面31の位置決め孔32が係合される。
図3(C)を参照して、熱板30が二次下降される。ここで、二次下降とは、図3(B)に示すように、熱板30の下面31の位置決め孔32に芯棒20の先端が係合した状態から、芯棒20の先端が位置決め孔32の奥へと徐々に進入し、位置決め孔32の底に達するまで熱板30が下降されることである。二次下降では、熱板30の下面31に当接しているチューブ11の先端11Tは、熱板30で加熱されて軟化し、熔融しながら外側にカールして円く変形する。そして、芯棒20の先端が位置決め孔32の底に達した状態では、チューブ11の先端11Tは、(b−a)mmが外側にカールして円く変形し、変形した部分はチューブ11の外周面と一体化して、先端11Tに円い玉形状13が形成される。
次いで、図3(D)に示すように、熱板30が上昇され、芯棒20が通されたチューブ11のクランプが解除されて、芯棒20がチューブ11の基端側から抜き取られて、チューブ11の先端加工が完成する。
この先端加工方法によれば、チューブ11の先端11Tを加熱し、外側にカールさせて円く変形させる間、チューブ11には芯棒20が通されているので、チューブ11の先端11T部分の内径が縮んだり、変形したりすることはない。また、チューブ11の先端11Tに円い玉形状13が形成されるので、チューブ11の先端11Tは滑らかな円になり、引っ掛かる角や尖った突起などをなくすことができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る加工方法により加工された経口ゾンデ40の正面図であり、経口ゾンデ40の先端部Bが部分拡大図で併描されている。また、図5は、図4(B)の線V−Vに沿う断面図である。
図4及び図5を参照して説明すると、経口ゾンデ40は、細長い樹脂製のチューブ41を有する。チューブ41の材質や寸法等は、共に説明した経口ゾンデ10のチューブ11と同様である。
チューブ41の一端(基端)には、連結部材42が取り付けられている。連結部材42は、経口ゾンデ10を注射器の先端に連結する際に用いられる部材である。
チューブ41の他端(先端)41Tには、丸め加工43が施されている。丸め加工43は、チューブ41の先端41Tを加熱して軟化させ、いわゆる面取り様の加工を施して、先端41Tの外周縁の角を丸める加工である。
チューブ41の先端41Tに丸め加工43が施されていると、チューブ41を実験動物の口から奥へ挿入する際に、チューブ41の先端41Tが食道や胃に引っかからず、傷つけたりすることがない。
図6は、チューブ41の先端41Tに丸め加工43を施すための加工工程を図解的に示す図である。図6を参照して、チューブ41の先端加工方法について、具体的に説明をする。
まず、図6(A)を参照して、先端加工を施すチューブ41の基端側(図6(A)では上側)から、例えばステンレス鋼製の芯棒20を挿入する。先端加工を施すチューブ41の基端には、連結部材42が取り付けられていてもよいし、連結部材42が取り付けられる前のチューブ41であってもよい。
チューブ41に挿入した芯棒20の先端は、チューブ41の先端41Tからcmm(cは、一例として10mm)程度突出させる。そして、その状態で、芯棒20が通されたチューブ41をクランプ21等によって保持する。チューブ41は、その先端41Tが垂直下方を向くように保持される。その際、クランプ21等でチューブ41はしっかりと保持されるが、通された芯棒20はチューブ41に対して相対的に変位し得る程度の力で保持されてもよい。
図6(B)を参照して、熱板50を、保持されたチューブ41及び芯棒20の下方に対向させる。熱板50は、熱伝導性の良い金属、たとえば真鍮製の加熱用の塊体であり、その内部にシーズヒーター、棒ヒーター等が配置され、電気的に所望の温度、たとえば80℃〜130℃程度に加熱される。熱板50の上面51には、加工用の下向きテーパ凹部52が形成されており、テーパ凹部52の中心には、内径φ、深さd(d>c)の円柱状の案内孔53が形成されている。
図6(B)に示すように、クランプ21等によって保持されたチューブ41及び芯棒20が熱板50に向けて下降され(あるいは、熱板50が上昇されてもよい。)、芯棒20の先端(下端)は案内孔53内に挿入され、その先端(下端)が案内孔53の底に達する。このとき、案内孔53の深さがdmmで、芯棒20の先端がチューブ41の先端41Tからcmm突出しているとすれば、チューブ41の先端41Tの外周縁は、下向きテーパ凹部52の斜面54に接する状態となる。そこで、この状態から、クランプ21等によってチューブ41を0.3〜1.0mm程押し下げると、チューブ41の先端41Tの外周縁はテーパ凹部52の斜面54に押し付けられ、斜面54から加わる熱によって軟化して外周縁の角が丸くなり、いわゆる面取りがなされる。
その後、図6(C)に示すように、クランプ21等で保持されたチューブ41及び芯棒20が上昇される。
そして、芯棒20がチューブ41の基端側から抜き取られると、チューブ41の先端41Tに丸め加工43が施された経口ゾンデ40が得られる。
この先端加工方法も、チューブ41の先端41Tを加熱し、丸め加工43を施す際に、チューブ41には芯棒20が通されているので、チューブ41の先端41T部分の内径が縮んだり、変形することはなく、先端の外周縁を角が無くなるように丸めることができる。
図7は、熱板50の一例を示す平面図(図7(A))及び断面図(図7(B))である。
熱板50の上面51には、たとえば2種類のチューブ先端加工用のテーパ凹部52A,52Bがそれぞれ複数個ずつ配置形成されていてもよい。
いずれのテーパ凹部52A,52Bも、傾き角60度で縮径するテーパ凹部となっている。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内で種々の変更が可能である。
10、40 経口ゾンデ
11、41 チューブ
11T、41T 先端
12、42 連結部材
13 先玉加工
20 芯棒
21 クランプ
30、50 熱板
31 下面
32 位置決め孔
43 丸め加工
51 上面
52、52A、52B テーパ凹部
53 案内孔
54 斜面

Claims (7)

  1. 細い樹脂製のチューブを有する経口ゾンデにおける前記チューブの先端の加工方法であって、
    前記チューブに金属製の芯棒を通す工程と、
    前記芯棒を通した前記チューブの先端を加熱用の熱板に当接させる熱処理工程とを含み、
    前記熱処理工程では、前記チューブの先端を軟化・熔融させつつ外側へカールさせる加工を行い、
    前記熱処理工程の後、前記チューブから前記芯棒を抜き取る工程を含むことを特徴とする、経口ゾンデの先端加工方法。
  2. 前記熱処理工程では、外側へカールしたチューブの先端をチューブの外周と一体化させて円い玉形状を作る加工を行うことを特徴とする、請求項1に記載の経口ゾンデの先端加工方法。
  3. 前記加熱用の熱板は、前記チューブの先端が当接する加熱面と、その加熱面の中央に穿設された前記芯棒を案内する孔とを備え、
    前記芯棒が前記案内孔に進入する一方、前記チューブの先端は前記加熱面に当接しながら外へカールされることを特徴とする、請求項1または2に記載の経口ゾンデの先端加工方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の先端加工方法により作られた経口ゾンデ。
  5. 細い樹脂製のチューブを有する経口ゾンデにおける前記チューブの先端の加工方法であって、
    前記チューブに金属製の芯棒を通す工程と、
    前記芯棒を通した前記チューブの先端を加熱用の熱板に当接させる熱処理工程とを含み、
    前記熱処理工程では、前記チューブの先端周縁を熱板に当接させて軟化させて丸める加工を行い、
    前記熱処理工程の後、前記チューブから前記芯棒を抜き取る工程を含むことを特徴とする、経口ゾンデの先端加工方法。
  6. 前記加熱用の熱板には、表面に開いた開口が奥に向かって徐々に狭まる円錐状のテーパ凹部と、さらに、テーパ凹部の奥に連設された芯棒の案内孔とを備え、
    前記チューブの先端の周縁は、前記テーパ凹部の傾斜面に当接して軟化・丸め加工がされることを特徴とする、請求項5に記載の経口ゾンデの先端加工方法。
  7. 請求項5または6に記載の先端加工方法により作られた経口ゾンデ。
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