以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
<作業機の全体構成>
先ず、作業機1の全体構成について説明する。
図40、図41は、本発明に係る作業機1を示す概略図であり、旋回作業機であるバックホーが例示されている。
作業機1は、機体(旋回台)2と、キャビン3と、走行装置4と、作業装置5とを備えている。以下、本発明の実施形態において、作業機1の運転席6に着座した運転者の前側(図41の左側)を前方、運転者の後側(図41の右側)を後方、運転者の左側(図41の手前側)を左方、運転者の右側(図41の奥側)を右方として説明する。また、前後方向K1(図41参照)に直交する方向である水平方向K2(図40参照)を機体幅方向として説明する。また、機体2の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって且つ機体2の幅方向の中心から離れる方向である。また、機体外方とは反対の方向を機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって且つ機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
機体2は、走行装置4の上方に旋回可能に支持されている。機体2は、旋回基板11とウエイト12とを有している。旋回基板11は、走行装置4のフレーム上に旋回ベアリングを介して支持されており、旋回モータの駆動により縦軸(上下方向の軸)回りに旋回する。ウエイト12は、機体2の後部に装着されている。
キャビン3は、機体2の左寄り且つ前部寄りの位置に搭載されている。キャビン3の内部には運転席6が設けられている。
機体2の後部には、原動機13、油圧ポンプ14、ファン23、オルタネータ24、コンプレッサ25、ラジエータ46等が配置されている。本実施形態の場合、原動機13は、エンジンであり、本実施形態ではディーゼルエンジンである。なお、原動機13は、例えばガソリンエンジン等のディーゼルエンジンとは異なるエンジンであってもよく、電動機であってもよい。原動機13は、出力軸(クランク軸、動力伝達軸)を機体幅方向(左方)に向けて設けられている。油圧ポンプ14は、原動機13の左方に配置されている。ファン23は、原動機13の右方に配置されている。オルタネータ24は、原動機13の右前部の上方に配置されており、バッテリに蓄電するための直流電力を出力する。コンプレッサ25は、原動機13の左前部の上方に配置されており、キャビン3内を冷却するエアコンの冷媒を圧縮する。ラジエータ46は、ファン23の右方に配置されており、ファン23の駆動によって冷却される。油圧ポンプ14、ファン23、オルタネータ24、コンプレッサ25は、原動機13の動力を受けて駆動する。
機体2の右部には、作動油タンク15、制御バルブ26、バッテリ(図示略)が配置されている。作動油タンク15には、機体2に設けられた油圧機器(後述する油圧シリンダ等)を作動させるための作動油が貯蔵されている。作動油タンク15に貯蔵された作動油は、油圧ポンプ14の駆動によって送給される。制御バルブ26は、前記油圧機器に対する作動油の供給を制御する。
走行装置4は、クローラ式の走行装置であって、機体2の右側と左側の下方にそれぞれ設けられている。走行装置4の前部にはドーザ装置16が設けられている。ドーザ装置16は、ドーザシリンダ37により駆動される。
機体2の前部には、支持ブラケット17が設けられている。支持ブラケット17には、スイングブラケット18が枢支されている。スイングブラケット18は、旋回基板11上に取り付けられたスイングシリンダ19の駆動により、縦軸回りに揺動可能である。スイングブラケット19には、作業装置5が取り付けられている。
図41に示すように、作業装置5は、ブーム8と、アーム9と、作業具10とを有している。本実施形態では、作業具10としてバケットが装着されているが、バケットに代えて或いは加えて、他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
さらに作業装置5は、これらブーム8等の駆動機構(油圧アクチュエータ)として、ブームシリンダ20と、アームシリンダ21と、作業具シリンダ22とを有している。ブームシリンダ20、アームシリンダ21、作業具シリンダ22、スイングシリンダ19、ドーザシリンダ37は、油圧シリンダにより構成されている。
ブーム8の基端部は、スイングブラケット18に第1横軸31を介して枢支されている。ブーム8は、ブームシリンダ20の伸縮により、第1横軸31回りに上下に揺動する。アーム9の基端部は、ブーム8の先端部に第2横軸(枢支軸)32を介して枢支されている。アーム9は、アームシリンダ21の伸縮により、第2横軸32回りに上下に揺動する。
作業具10は、アーム9の先端部に第3横軸33及びブラケット50を介して装着されている。ブラケット50には、第1リンク48の一端部が第4横軸34を介して枢支されている。第1リンク48の他端部には、第2リンク49の一端部が第5横軸35を介して枢支されている。第2リンク49の他端部は、アーム9の先端付近であって第3横軸33よりも基端側に、第6横軸36を介して枢支されている。第5横軸35には、作業具シリンダ22の先端部が枢支されている。作業具シリンダ22の基端部は、アーム9の基端側に設けられた後述する第3枢支部材29に枢支されている。作業具10は、作業具シリンダ22の伸縮によりスクイ・ダンプ動作する。
<ブームの全体構成>
次に、ブーム8の全体構成について説明する。
図1〜図3に示すように、ブーム8は、ブーム本体81と軸支部82とを有している。
ブーム本体81は、長さ方向(基端側から先端側に向かう方向)の中途部で上側に凸となるように屈曲している。つまり、ブーム本体81は、長さ方向の中途部に屈曲部81aを有している。また、ブーム本体81は、略四角筒状に形成されており、第1縦板8a、第2縦板8b、第1横板8c、第2横板8dを有している。
第1縦板8aは、機体幅方向の一方側に位置している。第2縦板8bは、機体幅方向の他方側に位置している。第1横板8cは、第1縦板8aと第2縦板8bとを上下方向の一端側で連結している。第2横板8dは、第1縦板8aと第2縦板8bとを上下方向の他端側で連結している。本実施形態の場合、第1縦板8aは右板、第2縦板8bは左板、第1横板8cは下板、第2横板8dは上板である。尚、ブーム8における方向は、図40、図41に示すブーム8がスイングしていない状態(ブーム8が前後方向に延びている状態)を基準としている。
図1、図2に示すように、軸支部82は、前軸支部83と後軸支部84とを含んでいる。図1、図41に示すように、前軸支部83には、第2横軸(枢支軸)32を介してアーム9の基端部が枢支される。後軸支部84は、第1横軸31を介してスイングブラケット18に枢支される。
前軸支部83及び後軸支部84は、例えば、鋳鋼等から形成されている。前軸支部83は、ブーム8の先端(前端)に位置している。具体的には、前軸支部83は、ブーム本体81の先端部に嵌め込まれて溶接により固定されている。後軸支部84は、ブーム8の基端(後端)に位置している。具体的には、後軸支部84は、ブーム本体81の基端部に嵌め込まれて溶接により固定されている。
図1〜図3に示すように、ブーム8には、第1枢支部材27と第2枢支部材28が設けられている。
第1枢支部材27は、ブーム本体81の長さ方向の中途部において、第1横板8cの外面(下面)に固定されている。詳しくは、第1枢支部材27は、ブーム本体81の屈曲部81aにおける第1横板8cの下面に固定されている。
図1、図41に示すように、第1枢支部材27には、ブームシリンダ20の一端部(先端部)が枢軸(第1枢軸)51を介して枢支されている。ブームシリンダ20の他端部(基端部)は、枢軸(第2枢軸)52を介してスイングブラケット18に枢支されている。
図2に示すように、第1枢支部材27は、右板27Rと左板27Lとを有している。右板27Rと左板27Lとは、機体幅方向に間隔をあけて対向して配置されている。右板27Rと左板27Lには、それぞれ枢支部(ボス)271が設けられている。枢支部271は、第1枢軸51の両端を支持する。これにより、枢支部271には、第1枢軸51を介してブームシリンダ20の一端部(先端部)が枢支される。
第2枢支部材28は、ブーム本体81の長さ方向の中途部において、第2横板8dの外面(上面)に固定されている。詳しくは、第2枢支部材28は、ブーム本体81の屈曲部81aの前方における第2横板8dの上面に固定されている。第2枢支部材28には、アームシリンダ21の一端部(基端部)が枢軸(第3枢軸)53を介して枢支されている。
第2枢支部材28は、右板28Rと左板28Lとを有している。右板28Rと左板28Lとは、機体幅方向に間隔をあけて対向して配置されている。右板28Rと左板28Lには、それぞれ第2枢支部(ボス)281が設けられている。第2枢支部281は、第3枢軸53の両端を支持する。これにより、第2枢支部281には、第3枢軸53を介してアームシリンダ21の一端部(基端部)が枢支される。
図1に示すように、ブーム8には、当該ブーム8の長さ方向に沿って複数本の油送管が固定されている。本実施形態では、複数本の油送管として、第1油送管56及び第2油送管57を備えている。第1油送管56は、作業具シリンダ22へと送る作動油を通す送り管と、作業具シリンダ22から戻る作動油を通す戻り管である。第1油送管56は、ブーム本体81の上面に沿って延設されている。第2油送管57は、ポート40へと送る作動油を通す送り管と、ポート40から戻る作動油を通す戻り管である。ポート40は、所謂サービスポートであり、上述した他の作業具を駆動する油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ホースを接続可能である。
第1油送管56の先端には、油圧ホース(第1油圧ホース)38の一端部が接続されている。第2油送管57の先端には、別の油圧ホース(第2油圧ホース)39の一端部が接続されている。第1油圧ホース38及び第2油圧ホース39は、ブーム8の基端側から先端側に延設されている。第1油圧ホース38の他端部は、作業具シリンダ22と接続されている。第2油圧ホース39の他端部は、サービスポート40と接続されている。
アーム9の基端側には、第3枢支部材29が設けられている。第3枢支部材29の後部には、枢軸(第4枢軸)54が支持されている。第4枢軸54には、アームシリンダ21の他端部(先端部)が枢支されている。第3枢支部材29の前部には、枢軸(第5枢軸)55が支持されている。第5枢軸55には、作業具シリンダ22の一端部(基端部)が枢支されている。
第3枢支部材29は、右板29Rと左板29Lとを有している。右板29Rと左板29Lとは、機体幅方向に間隔をあけて対向して配置されている。右板29Rは、第4枢軸54の一方側(右側)及び第5枢軸55の一方側(右側)を支持している。左板29Lは、第4枢軸54の他方側(左側)及び第5枢軸55の他方側(左側)を支持している。
<ブーム内部の補強構造>
次に、ブーム8内部の補強構造について説明する。以下の補強構造の説明において、便宜上、ブームシリンダ20を第1油圧シリンダ、アームシリンダ21を第2油圧シリンダとする。但し、後述する変更例に示すように、アームシリンダ21を第1油圧シリンダとし、ブームシリンダ20を第2油圧シリンダとすることもできる。
図3〜図6に示すように、ブーム8には補強板60が設けられている。補強板60は、前部補強板60Aと後部補強板60Bとを含んでいる。
先ず、図3〜図5に基づいて、前部補強板60Aについて説明する。
前部補強板60Aは、ブーム本体81の前方寄り位置(屈曲部81aの前方)において、ブーム本体81の内部に設けられている。図4に示すように、前部補強板60Aは、第1枢軸51及び第3枢軸53よりも前方(ブーム8の先端側)の位置に設けられている。
前部補強板60Aは、第1支持部61Aと、第2支持部62Aと、第1屈曲部63Aと、第2屈曲部64Aと、連結部65Aとを有している。第1支持部61A、第2支持部62A、第1屈曲部63A、第2屈曲部64A、連結部65Aは、1枚の金属板を折り曲げることにより一体に形成されている。
第1支持部61Aは板状であって、一方の面(下面)が第1横板8cの内面(上面)に当接している。第2支持部62Aは板状であって、一方の面(上面)が第2横板8dの内面(下面)に当接している。
第1支持部61Aと第2支持部62Aの両方又はいずれか一方は、溶接等によってブーム本体81の内面(第1横板8cの上面及び/又は第2横板8dの下面)に固定されている。例えば、第1支持部61Aは、当該第1支持部61Aの略全周(第1屈曲部63Aを含む)において、第1縦板8a、第2縦板8b、第1横板(下板)8cの内面に溶接されている。また、第2支持部62Aは、第1縦板8a及び第2縦板8bの内面に溶接されているが、第2横板(上板)8dの内面には溶接されていない。但し、第1支持部61Aと第2支持部62Aの溶接箇所は、この例には限定されない。
第1支持部61Aの幅(機体幅方向の長さ)は、第1枢支部材27の右板27Rの外面(左面)と左板27Lの外面(右面)との間の距離以上に設定されている。第2支持部62Aの幅(機体幅方向の長さ)は、第2枢支部材28の右板28Rの外面(左面)と左板28Lの外面(右面)との間の距離以上に設定されている。
第1屈曲部63Aは、第1支持部61Aから第2横板8d側に向かって屈曲している。第1屈曲部63Aは、第1横板8cを挟んで第1枢支部材27と重なる位置において第1横板8cの内面に近接している。詳しくは、図4に示すように、第1屈曲部63Aは、第1枢支部材27のブーム長さ方向の端部(前端部)27aと枢支部271の間であって且つ第1横板8cを挟んで第1枢支部材27の前部と重なる位置において第1横板8cの内面(上面)に近接している。
第1支持部61Aは、第1屈曲部63Aから第1横板8cの内面に沿って、枢支部271から離れる方向(第1枢軸51から離れる方向)に延設されている。また、第1支持部61Aは、第1屈曲部63Aから第1横板8cの内面に沿って、第2枢支部281から離れる方向(第3枢軸53から離れる方向)に向けて延設されている。具体的には、第1支持部61Aは、第1屈曲部63Aから第1横板8cの上面に沿って、前方(ブーム8の先端側)に延設されている。
図5に示すように、第1支持部61Aは、第1屈曲部63Aからの延設長さが機体幅方向において異なっている。具体的には、第1屈曲部63Aからの延設長さが最大となる部分(最大延設部)61aが機体幅方向の一方側と他方側にそれぞれ設けられており、第1屈曲部63Aからの延設長さが最小となる部分(最小延設部)61bが機体幅方向の中央に設けられている。最大延設部61aの延設端と最小延設部61bの延設端との間は、円弧状に形成されている。最大延設部61aは、第1横板8aを介して左板27L及び右板27Rと重なる位置において第1横板8cの内面に当接している。最小延設部61bは、左板27Lと右板27Rの間の位置において第1横板8cの内面に当接している。
第1支持部61Aの前端(最大延設部61aの延設端)は、第1枢支部材27の前端27aよりも前方に位置している。第1支持部61Aの後端(第1屈曲部63Aとの境界部)は、第1枢支部材27の前端27aよりも後方に位置している。つまり、第1枢支部材27の前端27aは、前後方向において第1支持部61Aの前端と後端の間に位置している。
第2屈曲部64Aは、第2支持部62Aから第1横板8c側に向かって屈曲している。第2屈曲部64Aは、第2横板8dを介して第2枢支部材28の前部と重なる位置において第2横板8dの内面に近接している。
図4に示すように、第2支持部62Aは、第2屈曲部64Aから第2横板8dの内面に沿って、枢支部271から離れる方向(第1枢軸51から離れる方向)に向けて延設されている。また、第2支持部62Aは、第2屈曲部64Aから第2横板8dの内面に沿って、第2枢支部281から離れる方向(第3枢軸53から離れる方向)に向けて延設されている。具体的には、第2支持部62Aは、第2屈曲部64Aから第2横板8dの下面に沿って、前方(ブーム8の先端側)に延設されている。
図5に示すように、第2支持部62Aは、第2屈曲部64Aからの延設長さが機体幅方向において異なっている。具体的には、第2屈曲部64Aからの延設長さが最大となる部分(最大延設部)62aが機体幅方向の一方側と他方側にそれぞれ設けられており、第2屈曲部64Aからの延設長さが最小となる部分(最小延設部)62bが機体幅方向の中央に設けられている。最大延設部62aの延設端と最小延設部62bの延設端との間は、円弧状に形成されている。最大延設部62aは、第2横板8dを介して左板28L及び右板28Rと重なる位置において第2横板8dの内面を支持している。最小延設部62bは、左板28Lと右板28Rの間の位置において第2横板8dの内面に当接している。
第2支持部62Aの前端(最大延設部62aの延設端)は、第2枢支部材28の前端28aよりも前方に位置している。第2支持部62Aの後端(第2屈曲部64Aとの境界部)は、第2枢支部材28の前端28aよりも後方に位置している。つまり、第2枢支部材28の前端は、前後方向において第2支持部62Aの前端と後端の間に位置している。
連結部65Aは、第1屈曲部63Aと第2屈曲部64Aとを連結している。連結部65Aは、第1支持部61Aから第2支持部62Aに向かうにつれて前方(ブーム8の先端側)に移行するように傾斜している。
第1屈曲部63Aと第2屈曲部64Aは、一方が鋭角状に屈曲し、他方が鈍角状に屈曲している。本実施形態では、第1屈曲部63Aが鋭角状に屈曲し、第2屈曲部64Aが鈍角状に屈曲している。
次に、図3、図4、図6に基づいて、後部補強板60Bについて説明する。
後部補強板60Bは、ブーム本体81の後方寄り位置(屈曲部81aの後方)において、ブーム本体81の内部に設けられている。図4に示すように、後部補強板60Bは、第1枢軸51及び第3枢軸53よりも後方(ブーム8の基端側)の位置に設けられている。
後部補強板60Bは、第1支持部61Bと、第2支持部62Bと、第1屈曲部63Bと、第2屈曲部64Bと、連結部65Bとを有している。第1支持部61B、第2支持部62B、第1屈曲部63B、第2屈曲部64B、連結部65Bは、1枚の金属板を折り曲げることにより一体に形成されている。
第1支持部61Bは板状であって、一方の面(下面)が第1横板8cの内面(上面)に当接している。第2支持部62Bは板状であって、一方の面(上面)が第2横板8dの内面(下面)に当接している。
第1支持部61Bと第2支持部62Bの両方又はいずれか一方は、溶接等によってブーム本体81の内面(第1横板8cの上面及び/又は第2横板8dの下面)に固定されている。
第1屈曲部63Bは、第1支持部61Bから第2横板8d側に向かって屈曲している。第1屈曲部63Bは、第1横板8aを介して第1枢支部材27の後部と重なる位置において第1横板8cの内面に近接している。
図4に示すように、第1支持部61Bは、第1屈曲部63Bから第1横板8cの内面に沿って、枢支部271から離れる方向(第1枢軸51から離れる方向)に向けて延設されている。具体的には、第1支持部61Bは、第1屈曲部63Bから第1横板8cの上面に沿って、後方(ブーム8の基端側)に延設されている。
図6に示すように、第1支持部61Bは、第1屈曲部63Bからの延設長さが機体幅方向において異なっている。具体的には、第1屈曲部63Bからの延設長さが最大となる部分(最大延設部)61cが機体幅方向の一方側と他方側にそれぞれ設けられており、第1屈曲部63Bからの延設長さが最小となる部分(最小延設部)61dが機体幅方向の中央に設けられている。最大延設部61cの延設端と最小延設部61dの延設端との間は、円弧状に形成されている。最大延設部61cは、第1横板8cを介して左板27L及び右板27Rと重なる位置において第1横板8cの内面に当接している。最小延設部61dは、左板27Lと右板27Rの間の位置において第1横板8cの内面に当接している。
第1支持部61Bの後端(最大延設部61aの延設端)は、第1枢支部材27の後端27bよりも後方に位置している。第1支持部61Bの前端(第1屈曲部63Bとの境界部)は、第1枢支部材27の後端27bよりも前方に位置している。つまり、第1枢支部材27の後端27bは、前後方向において第1支持部61Bの前端と後端の間に位置している。
第2屈曲部64Bは、第2支持部62Bから第1横板8c側に向かって屈曲している。第2屈曲部64Aは、第2横板8dの内面に近接している。
第2支持部62Bは、第2屈曲部64Bから第2横板8dの内面に沿って、枢支部271から離れる方向(第1枢軸51から離れる方向)に向けて延設されている。具体的には、第2支持部62Bは、第2屈曲部64Bから第2横板8dの下面に沿って、後方(ブーム8の基端側)に延設されている。
図6に示すように、第2支持部62Bは、第2屈曲部64Bからの延設長さが機体幅方向において異なっている。具体的には、第2屈曲部64Bからの延設長さが最大となる部分(最大延設部)62cが機体幅方向の一方側と他方側にそれぞれ設けられており、第2屈曲部64Bからの延設長さが最小となる部分(最小延設部)62dが機体幅方向の中央に設けられている。最大延設部62cの延設端と最小延設部62dの延設端との間は、円弧状に形成されている。
連結部65Bは、第1屈曲部63Bと第2屈曲部64Bとを連結している。連結部65Bは、第1支持部61Bから第2支持部62Bに向かうにつれて後方(ブーム8の基端側)に移行するように傾斜している。これにより、連結部65Aは、第1支持部61Aから第2支持部62Aに向かうにつれて前方に移行するように傾斜し、連結部65Bは、第1支持部61Bから第2支持部62Bに向かうにつれて後方に移行するように傾斜する構成となる。そのため、屈曲部81aの前方に配置された前部補強板60Aと、屈曲部81aの後方に配置された後部補強板60Bによって、ブーム8の全体の曲がり変形を効果的に防止することができる。
第1屈曲部63Bと第2屈曲部64Bは、一方が鋭角状に屈曲し、他方が鈍角状に屈曲している。本実施形態では、第1屈曲部63Bが鋭角状に屈曲し、第2屈曲部64Bが鈍角状に屈曲している。これにより、第1屈曲部63Aにおいて補強板60の強度が大きく向上するため、補強効果を高めることができる。また、第1屈曲部63Aと第2屈曲部64Aは、一方が鋭角状に屈曲し、他方が鈍角状に屈曲しているため、第1枢支部材27と第2枢支部材28とがブーム長さ方向において離れている場合でも、1つの補強板60によって、第1横板8c及び第2横板8dを効果的に補強できる。
尚、上述した実施形態では、第1横板8cが下板であって第2横板8dが上板であるが、第1横板8cが上板であって第2横板8dが下板であってもよい。この場合、上板の外面(上面)に固定された枢支部材が第1枢支部材27となり、下板の外面(下面)に固定された枢支部材が第2枢支部材28となる。また、アームシリンダ21が第1油圧シリンダとなり、ブームシリンダ20が第2油圧シリンダとなる。また、補強板60は、第1支持部61Aが上板の内面に当接し、第2支持部62Aが下板の内面に当接する構成となる。
また、上述した実施形態の場合、補強板60(前部補強板60A、後部補強板60B)は、第1支持部61A、第2支持部62A、第1屈曲部63B、第2屈曲部64B、連結部65Bを有するものであるが、補強板60は、少なくとも第1支持部61Aと第1屈曲部63Bとを有するものであればよい。つまり、補強板60は、略L字状に屈曲した板であってもよい。以下、前部補強板60Aが略L字状に屈曲した板である場合の変更例について説明する。後部補強板60Bについては説明を省略するが、前部補強板60Aと同様の変更例を採用することができる。
図7、図8は、前部補強板60Aが略L字状に屈曲した板である場合の変更例を示している。これらの変更例における前部補強板60Aは、第1支持部61Aと第1屈曲部63Aと第1延在部66Aから構成されている。
図7に示す変更例(第1変更例)では、第1横板8cが下板であって第2横板8dが上板である。第1変更例において、第1支持部61Aは、第1横板(下板)8cの内面(上面)に当接している。第1支持部61Aは、溶接等によって第1横板8cの内面に固定されている。第1屈曲部63Aは、第1支持部61Aから第2横板(上板)8d側に向かって屈曲し且つ第1横板8cを介して第1枢支部材27の前部と重なる位置において第1横板8cの内面に近接している。第1屈曲部63Aは、鋭角状に屈曲している。第1支持部61Aは、第1屈曲部63Aから第1横板8cの内面に沿って、枢支部271から離れる方向(第1枢軸51から離れる方向)に向けて延設されている。第1延在部66Aは、第1屈曲部63Aから第2横板8d側に向かって延びて第2横板8dの内面(下面)に当接している。第1延在部66Aは、第2横板8dの内面に溶接等によって接続されていてもよい。
図8に示す変更例(第2変更例)では、第1横板8cが上板であって第2横板8dが下板である。また、第1横板8cの外面(上面)に固定された枢支部材が第1枢支部材27であって第2横板8dの外面(下面)に固定された枢支部材が第2枢支部材28である。また、アームシリンダ21が第1油圧シリンダであってブームシリンダ20が第2油圧シリンダである。
第2変更例において、第1支持部61Aは、第1横板(上板)8cの内面(下面)に当接している。第1支持部61Aは、溶接等によって第1横板8cの内面に固定されている。第1屈曲部63Aは、第1支持部61Aから第2横板(下板)8d側に向かって屈曲し且つ第1横板8cを介して第1枢支部材27の前部と重なる位置において第1横板8cの内面に近接している。第1屈曲部63Aは、鈍角状に屈曲している。第1支持部61Aは、第1屈曲部63Aから第1横板8cの内面に沿って、第2枢支部281から離れる方向(第3枢軸53から離れる方向)に向けて延設されている。第1延在部66Aは、第1屈曲部63Aから第2横板8d側に向かって延びて第2横板8dの内面に当接している。第1延在部66Aは、第2横板8dの内面に溶接等によって接続されていてもよい。
<ブーム先端形状>
次に、図9〜図13に基づいてブーム8の先端形状について説明する。
ブーム8の先端側に設けられた前軸支部83は、第1軸受部85と、第2軸受部86と、接続部87とを有している。
第1軸受部85は、機体幅方向の一方側(右側)において、ブーム本体81の先端から前方に向けて延設されている。第2軸受部86は、機体幅方向の他方側(左側)において、ブーム本体81の先端から前方に向けて延設されている。第1軸受部85は、第2横軸(枢支軸)32の一端側(右側)を支持している。第2軸受部86は、第2横軸32の他端側(左側)を支持している。
接続部87は、第1軸受部85と第2軸受部86とを接続している。詳しくは、接続部87は、第1軸受部85の内面(左面)の後部と、第2軸受部86の内面(右面)の後部とを接続している。別の言い方をすれば、第1軸受部85と第2軸受部86は、接続部87から二股状に分かれて前方に延設されている。
図9、図11、図12に示すように、接続部87の上面87aは、前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜面に形成されている。接続部87の上面87aには、下方に向けて(下面87b側に向けて)凹んだ第1凹部88が形成されている。言い換えれば、第1凹部88は、傾斜面である上面87aに形成されている。図11に示すように、第1凹部88は、ブーム8の基端側から先端側に向かう方向(前後方向)において凹んでいる。また、図12に示すように、第1凹部88は、第1軸受部85から第2軸受部86に向かう幅方向(機体幅方向)においても凹んでいる。
図11に示すように、第1凹部88が設けられていることにより、上面87aは、前後方向において、傾斜が大きい(急な)第1傾斜部87fと、傾斜が第1傾斜部87fよりも小さい(緩やかな)第2傾斜部87gが形成されている。第1傾斜部87f及び第2傾斜部87gは、いずれもブーム8の延伸方向(長さ方向)に対して傾斜している。
また、図12に示すように、上面87aは、機体幅方向において、一方側に他方に向かうにつれて低くなる第1湾曲面87hを有し、他方側に一方に向かうにつれて低くなる第2湾曲面87iを有し、中央に第1湾曲面87eと第2湾曲面87fとを連絡する平坦面87jを有する。
第1凹部88には、第1油圧ホース38を保持する保持部30が設けられている。図11、図12に示すように、保持部30は、第1凹部88の凹みの底部(最も凹んだ部分)に取り付けられている。具体的には、図11に示すように、保持部30は、前後方向において、第1傾斜部87fと第2傾斜部87gとの境界部に取り付けられている。また、図12に示すように、保持部30は、機体幅方向において、平坦面87jに設けられている。
保持部30は、基板30aと保持体30bとを有している。基板30aは、固定具(ボルト)30cによって第1凹部88に固定されている。図11〜図13に示すように、保持体30bは、第1油圧ホース38を上方から押さえる(上方への動きを規制する)ことによって第1凹部88の近傍位置に保持する。尚、本実施形態の場合、保持部30は、2本の油圧ホースを保持しているが、3本以上の油圧ホースを保持可能なものとしてもよい。
図10、図11に示すように、接続部87の下面87bは、ブーム8の延伸方向(長さ方向)に対して傾斜する傾斜面に形成されている。具体的には、下面87bは、前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜面に形成されている。当該傾斜面には、機体幅方向において上方に向けて(上面87a側に向けて)凹んだ第2凹部89が形成されている。図12に示すように、第2凹部89が設けられていることにより、下面87bは、機体幅方向において、一方側に他方に向かうにつれて低くなる第3湾曲面87kを有し、他方側に一方に向かうにつれて低くなる第4湾曲面87mを有し、中央に第3湾曲面87kと第4湾曲面87mとを連絡する平坦面87nを有する。
図11に示すように、接続部87の上面87aに形成された傾斜面の後端部87cは、接続部87の下面87bに形成された傾斜面の後端部87dよりも後方に位置している。言い換えれば、上面87aの傾斜角度(ブーム本体81の上面に対する傾斜角度)は、下面87bの傾斜角度(ブーム本体81の下面に対する傾斜角度)に比べて緩やかに形成されている。但し、上面87aの傾斜角度と下面87bの傾斜角度とを同じに形成してもよい。
図11に示すように、接続部87は、第1軸受部85と第2軸受部86との間の上下方向の中間付近において前方に延びている。接続部87の前端87eは、第2横軸(枢支軸)32の上端と前軸支部83の後端の上下方向の中点81Mとを結ぶ第1直線(仮想直線)L1の下方に位置している。また、接続部87の前端87eは、第2横軸32の下端と中点81Mとを結ぶ第2直線(仮想直線)L2の上方に位置している。また、接続部87の前端87eは、第2横軸32の軸心32Cと前軸支部83の後端の上下方向の中点81Mとを結ぶ第3直線(仮想直線)L3の下方に位置している。但し、接続部87の前端87eは、第3直線L3の下方ではなく、第3直線L3上に位置していてもよいし、第3直線L3よりも上方に位置していてもよい。
図11、図13に示すように、ブーム本体81の上面(第2横板8dの上面)に沿って前方に延設されてきた第1油圧ホース38は、保持部30に保持されることによって、接続部87の上面87aに沿って前方且つ下方(斜め前下方)へと案内される。接続部87の上面87aに沿って案内された第1油圧ホース38は、接続部87の前端87eと第2横軸32との間を通り、第3枢支部材29の左板29Lと右板29Rとの間に導かれた後、作業具シリンダ22と接続される。
尚、本実施形態の場合、接続部87の上面87aに沿って第1油圧ホース38を案内しているが、第1凹部88によって接続部87の上方に十分なスペースが確保されるため、第1油圧ホース38に加えて第2油圧ホース39も上面87aに沿って案内することができる。つまり、第2油圧ホース39は、前軸支部83の外方(機体外方)を通って配策することもできるし(図1参照)、接続部87の上面87aに沿って配策することもできる。また、本実施形態の場合、接続部87は上面87aと下面87bの両方に凹部を有しているが、上面87aと下面87bの少なくとも一方の面に凹部を有していればよい。つまり、上面87aのみに凹部を有する構成や、下面87bのみに凹部を有する構成としてもよい。
<カバーの支持構造>
図14、図15、図40に示すように、機体2の幅方向の一方側には、カバー41が設けられている。詳しくは、カバー41は、機体2の右部であってキャビン3の右方に設けられている、図40の仮想線に示すように、機体2の右前部を支点として上方且つ機体外方(右外方)に向けて開放可能である。カバー41の右後部には、作業者がカバー41を開放する際に把持することができる把持部41aが設けられている。
図15に示すように、カバー41は、作動油タンク15及び制御バルブ26の上方、右方及び前方を覆っている。作動油タンク15は、旋回基板11の右後部に搭載されている。作動油タンク15は、略直方体状であって、高さ方向が前後方向及び機体幅方向よりも長い。即ち、作動油タンク15は縦置きに配置されている。作動油タンク15の前面には、取付ブラケット46を介して制御バルブ26が取り付けられている。制御バルブ26は、複数のバルブを並べて一体化したバルブユニットであり、複数のバルブは高さ方向(上下方向)に並んで配置されている。即ち、制御バルブ26は縦置きに配置されている。
制御バルブ26を構成する複数のバルブは、スイングシリンダ19への作動油の供給を制御するスイング用制御バルブ、ブームシリンダ20への作動油の供給を制御するブーム用制御バルブ、アームシリンダ21への作動油の供給を制御するアーム用制御バルブ、作業具シリンダ22への作動油の供給を制御する作業具用制御バルブ、ドーザシリンダ37への作動油の供給を制御するドーザ用制御バルブ、旋回モータへの作動油の供給を制御する旋回用制御バルブ、走行装置4の走行モータへの作動油の供給を制御する走行用制御バルブ、前記油圧アタッチメントへの作動油の供給を制御するサービスポート用制御バルブ等である。
図15、図16に示すように、制御バルブ26の前方には、支持部材150が設けられている。支持部材150は、機体幅方向の一方側に設けられている。具体的には、支持部材150は、機体2の右前部に設けられている。支持部材150の上方及び右方(機体幅方向の一方側)及び前方は、カバー41により覆われている。
図16〜図19に示すように、支持部材150は、第1支持部材151と第2支持部材152とを含む。
図16に示すように、第1支持部材151は、基礎部材159を介して機体2に取り付けられている。基礎部材159は、ブラケット160と台板161とから構成されている。ブラケット160は、機体2に固定されている。具体的には、ブラケット160は、旋回基板11上にて前後方向に延びる縦リブ11aの機体外方側の側面(右面)に固定されている。台板161は、ブラケット160の上部にボルトで固定されており、機体外方(右方)に向けて延びている。台板161には、第1支持部材151が取り付けられている。
図17〜図19に示すように、第1支持部材151は、基板部151aと第1板部151bとを有している。
基板部151aは、台板161の上面に接続部材(ボルト)158により接続されており、後方(制御バルブ26側)に向けて延びている。図18、図19に示すように、基板部151aには第4穴151dが設けられている。第4穴151dは、前後方向の長さが機体幅方向の長さに比べて長く形成された長穴である。第4穴151dは、基板部151aを上下方向に貫通している。第4穴151dには接続部材158の挿入部(ねじ軸)159aが挿入されている。接続部材158の挿入部159aは、台板161に設けられた第5穴(ねじ穴)161aに螺合されている。
図18、図19に示すように、第1板部151bには第1穴151cが形成されている。第1穴151cは、第1板部151bを上下方向に貫通するねじ穴である。第1板部151bは、基板部151aの後部上面に溶接等により接続されており、基板部151aから後方に向けて延びている。本実施形態の場合、基板部151aと第1板部151bとを別々の部材から構成しているが、1つの部材から構成してもよい。
第1支持部材151の上面(基板部151aの上面)には、支持具162が固定されている。支持具162は、カバー41の開閉支点となる支点軸163を支持している。支点軸163は、旋回基板11の上面と略平行に(略水平に)配置されている。図5に示すように、支点軸163は、機体外方K3に向かうにつれて後方K4に移行する向きに延びている。支点軸163には、コイルばね164の一端側が固定されている。コイルばね164の他端側は、支持具162に固定されている。コイルばね164は、支点軸163を軸心回りの一方向(カバー41が閉じる方向)に付勢している。
図16に示すように、支点軸163には、揺動体165が取り付けられている。揺動体165は、支点軸163の軸心回りに揺動する。揺動体165は、支点軸取付部165a、延出部165b、取付板165cを有している。支点軸取付部165aは、支点軸163の一端側(機体外方側)に取り付けられている。延出部165bは、横延出部165b1と縦延出部165b2とを含む。横延出部165b1は、支点軸取付部165aから機体外方且つ後方に延びている。縦延出部165b2は、横延出部165b1の延出端から上方に延びている。取付板165cは、縦延出部165b2の上部と下部にそれぞれ固定されている。取付板165cは、ボルトによりカバー41の右前部の内面に取り付けられる。これにより、揺動体165にカバー41が取り付けられる。
カバー41を開放するときには、把持部41aを把持してカバー41の後部を持ち上げる。すると、カバー41の前部に固定された揺動体165が、略垂直に立ち上がった状態から前下方に向かうように支点軸163の軸心回りの他方向に揺動する。これにより、カバー41が前方且つ上方に向けて開放される(図40の仮想線参照)。カバー41を閉鎖するときには、カバー41の後部を押し下げることによって、揺動体165を後上方に向けて支点軸163の軸心回りの一方向に揺動させる。
図16に示すように、第1支持部材151の下面(第1板部151bの下面)には、取付軸155が固定されている。取付軸155には、ストッパ板156が当該取付軸155の軸心回りに回動可能に取り付けられている。ストッパ板156は、カバー41を開閉するときの回動範囲を規制する。図示していないが、ストッパ板156は長穴を有しており、当該長穴に支点軸取付部165aに設けられた突出軸が移動可能に挿入されている。当該突出軸は、揺体165の揺動に伴って長穴に沿って移動可能であり、当該移動可能な範囲(長穴の長さ)によってカバー41の回動範囲が規制されている。
図17、図18に示すように、第2支持部材152は、第1支持部材151に取り付けられている。第2支持部材152は、水平部(第2板部)152aと垂直部152bとを有する略L字状に形成されており、水平部152aが第1支持部材151に取り付けられている。水平部152aには、第2穴152cが形成されている。第2穴152cは、水平部152aを上下方向に貫通している。第2穴152cの数は、第1支持部材151に設けられた第1穴151cと同じであり、本実施形態では2つである。垂直部152bには、取付部152dが設けられている。図16に示すように、取付部152dには、切換バルブ170が取り付けられる。取付部152dは、取付穴152eを有しており、当該取付穴152eに挿入したボルトにより切換バルブ170が取り付けられる。図15に示すように、切換バルブ170の上方及び右方(機体幅方向の一方側)及び前方は、カバー41により覆われている。
切換バルブ170は、三方切換弁から構成されている。切換バルブ170は、油圧機器(例えば、油圧アタッチメント等)に対する作動油供給路の状態を切り換えるバルブである。本実施形態の場合、切換バルブ170は、所謂サードラインバルブであって、切り換え操作により作動油を制御バルブ26を介さずに作動油タンク15に戻すことを可能とするバルブである。但し、切換バルブ170は、サードラインバルブ以外のバルブであってもよい。
図16に示すように、切換バルブ170は、入口ポート171、第1出口ポート172、第2出口ポート173、操作ハンドル174を有している。切換バルブ170は、操作ハンドル174を操作することにより、入口ポート171から導入された作動油の行き先を、第1出口ポート172とする第1状態と、第2出口ポート173とする第2状態とに切り換えることができる。
入口ポート171には、第3油圧ホース175が接続されている。第3油圧ホース175は、油圧機器(例えば、油圧アタッチメント等)と接続されており、当該油圧機器からの作動油を作動油タンク15に戻すための戻り油路を構成している。第1出口ポート172には、第4油圧ホース176が接続されている。第4油圧ホース176は、制御バルブ26の入口ポートに接続されている。第2出口ポート173には、第5油圧ホース177が接続されている。第5油圧ホース177は、作動油タンク15に接続されている。
操作ハンドル174を第1状態に切り換えると、第3油圧ホース175を通って入口ポート171から導入された作動油は、第1出口ポート172から出て第4油圧ホース176を通って制御バルブ26に入る。操作ハンドル174を第2状態に切り換えると、入口ポート171から導入された作動油は、第2出口ポート173から出て第5油圧ホース177を通って、制御バルブ26に入ることなく作動油タンク15に戻る。
図17、図18に示すように、第1支持部材151と第2支持部材152とは接続部材178により接続される。接続部材178は、第1穴151c及び第2穴152cに挿入される挿入部178aを有している。本実施形態の場合、接続部材178はボルトであり、挿入部178aはボルトのねじ軸である。
接続部材178による第1支持部材151と第2支持部材152との接続(第1支持部材151への第2支持部材152の取り付け)は、第2支持部材152の水平部(第2板部)152aを第1支持部材151の第1板部151bの上方(又は下方)に重ねて行われる。具体的には、第1穴151cと第2穴152cとを重ねて、接続部材178の挿入部178aを第2穴152cに挿入し、挿入部178aをねじ穴である第1穴151cに螺合することにより行われる。尚、第1穴151cをねじ穴ではない貫通穴とし、当該貫通穴に挿入した挿入部178aにナットを螺合することによって、第1支持部材151と第2支持部材152とを接続する構成としてもよい。
支持部材150は、第1支持部材151と第2支持部材152とを接続部材178により接続した(サブアッシした)後、機体2に対して組み付けることができる。
第1支持部材151及び第2支持部材152の少なくとも一方は、位置調整部153を有している。位置調整部153は、第1支持部材151と第2支持部材152の相対位置を調整可能とする。別の言い方をすれば、位置調整部153は、第1支持部材151に対する第2支持部材152の位置を調整可能とする。
位置調整部153は、第1支持部材151に設けられた第1穴151cと、第2支持部材152に設けられた第2穴152cの少なくともいずれか一方の穴を含む。当該穴(第1穴151c及び第2穴152cの少なくともいずれか一方の穴)は、接続部材178の挿入部178aの外径に対して遊び隙間(クリアランス)を有する大きさに形成されている。つまり、挿入部178aの外径に対して遊び隙間を有する大きさに形成された穴が、位置調整部153に含まれる。本実施形態の場合、第1穴151cがねじ穴であるため、第2穴152cを遊び隙間を有する大きさに形成している(つまり、第2穴152cが位置調整部153に含まれる)が、第1穴151cをねじ穴ではない貫通穴とする場合(ナットを使用する場合)、第1穴151cと第2穴152cのいずれか一方又は両方を、挿入部178aの外径に対して遊び隙間を有する大きさに形成することができる。この場合、第1穴151cと第2穴152cのいずれか一方又は両方が位置調整部153に含まれる。
第1穴151c及び/又は第2穴152cを遊び隙間を有する大きさに形成する方法は、例えば、円形穴の直径(内径)を挿入部178aの外径よりも大きくする方法や、穴の形状を長穴等の円形以外の形状とする方法が挙げられる。本実施形態の場合、後者の方法を採用している。具体的には、第1穴151cをねじ穴とし、2つの第2穴152cの一方を長穴としている。
第1穴151cと第2穴152cの数は、1つであってもよいが複数であることが好ましい。第1穴151cと第2穴152cの数が複数である場合、少なくともいずれか1つ以上の穴を、遊び隙間を有する大きさに形成すればよい。本実施形態の場合、2つの第2穴152cのうちの一方の第2穴152c1が、遊び隙間を有する大きさに形成されている。また、第1穴151c及び第2穴152cの数が複数である場合、複数の穴は機体幅方向に並べて形成することが好ましい。本実施形態の場合、2つの第1穴151cが機体幅方向に並んで形成されており、2つの第2穴152cも機体幅方向に並んで形成されている。
以下、図19を参照して、位置調整部153の作用について説明する。
図19は、2つの第1穴151cをねじ穴に形成し、2つの第2穴152cのうちの一方(機体内方側)の穴152c1を遊び隙間CL1を有する大きさに形成した場合を示している。第2穴152c1は、機体幅方向に比べて前後方向が長い長穴に形成されている。図19において、実線は第2穴152c1の後部が第1穴151cに重なっている状態を示し、仮想線は第2穴152c1の前部が第1穴151cに重なっている状態を示している。接続部材178の挿入部178aの外径は第1穴151cの内径に重なっており、挿入部178aと第2穴152c1との間に遊び隙間CL1が形成されている。このように遊び隙間CL1が形成されていることによって、第1穴151cに対する第2穴152c1の位置を、実線位置から仮想線位置にずらすことができる。つまり、第1支持部材151に対する第2支持部材152の位置を調整することができる。具体的には、第1板部151bに対する第2板部152cの回転移動を許容することができる。
尚、図示していないが、2つの第2穴152cの両方を長穴に形成することにより、第1板部151bに対する第2板部152cの直線移動も許容することができる。つまり、遊び隙間CL1は、第1支持部材151に対する第2支持部材152の回転移動を許容するものであってもよいし、直線移動を許容するものであってもよいし、両方の移動を許容するものであってもよい。第1支持部材151に対する第2支持部材152の移動は、回転移動であっても直線移動であっても、機体幅方向(機体外方又は機体内方)への移動を含むことが好ましい。
図16に示すように、第1支持部材151にはカバー41の開閉支点となる支点軸163が取り付けられている。また、第2支持部材152には切換バルブ170が取り付けられている。そのため、第1支持部材151と第2支持部材152の相対位置を調整することによって、支点軸163と切換バルブ170の相対位置を調整することができる。
第1支持部材151は、第2位置調整部154を有している。第2位置調整部154は、機体2に対する第1支持部材151の位置を調整可能とする。具体的には、第2位置調整部154は、基礎部材159(台板161)に対する第1支持部材151の位置を調整可能とする。
第2位置調整部154は、第1支持部材151に設けられた第4穴151dを含む。
第1支持部材151と基礎部材159(台板161)とを接続する接続部材158は、第4穴151d及び第5穴161aに挿入される挿入部158aを有している。上述の通り、本実施形態の場合、接続部材158はボルトであり、挿入部158aはボルトのねじ軸である。また、第4穴151dは長穴であり、第5穴161aはねじ穴である。
図20に示すように、接続部材158の挿入部158aと第4穴151dとの間には、遊び隙間CL2が形成されている。言い換えれば、第2位置調整部154を構成する第4穴151dは、挿入部(ねじ軸)158aの外径に対して遊び隙間を有する大きさに形成されている。図20において、実線は第4穴151dの後部がねじ穴161aに重なっている状態を示し、仮想線は第4穴151dの前部がねじ穴161aに重なっている状態を示している。挿入部158aと第4穴151dとの間には遊び隙間CL2が形成されている。このように遊び隙間CL2が形成されていることによって、ねじ穴161aに対する第4穴151dの位置を、実線位置から仮想線位置にずらすことができる。つまり、遊び隙間CL2を利用することにより、ねじ穴161aに対する第4穴151dの位置を調整することができる。これにより、基礎部材159に対する第1支持部材151の位置を調整することができる。そのため、機体2に対する支点軸163の位置及びカバー41の位置を調整することができる。
尚、図20に示す例では、第2位置調整部154は、基礎部材159に対する第1支持部材151の位置調整を直線移動により行うものであるが、直線移動による調整に代えて或いは加えて、回転移動による調整を可能としてもよい。移動方向の変更は、基板部151aに設けられた第4穴151dの形状や大きさの変更により実現できる。
<ボンネットの係止構造>
図21、図22、図40に示すように、機体2の後部にはボンネット43が設けられている。ボンネット43は、機体2に対して開閉可能に設けられており、原動機13の後方を覆っている。
図21〜図23に示すように、ボンネット43は、旋回基板11の後部に立設された支持脚70により支持されている。支持脚70は、第1脚71、第2脚72、第3脚73、第4脚74、支持台75から構成されている。第1脚71は、原動機13の右前方に立設されている。第2脚72は、原動機13の左前方に立設されている。第3脚73は、原動機13の右後方に立設されている。第4脚74は、原動機13の左後方に立設されている。第1脚71及び第2脚72の上部は、後方に向けて屈曲している。第3脚73及び第4脚74の上部は、前方に向けて屈曲している。支持台75は、機体幅方向に延設されており、第1脚71の上部、第2脚72の上部、第3脚73の上部、第4脚74の上部を接続している。
図23、図24に示すように、第4脚74には、ボンネット43の回動支点を構成する回動支持部材44が取り付けられている。回動支持部材44は、第1固定部44a、第2固定部44b、可動部44c、支軸44dを有している。第1固定部44aは、第4脚74の後面に固定されている。第2固定部44bは、ボンネット43の左方に設けられた第2カバー42の内面に固定されている。可動部44cは、平面視にて略U字状に屈曲されている。可動部44cの一端部は、支軸44dを介して固定部44aに接続されている。可動部44cの他端部は、取付板44eを介してボンネット43の左部の内面に固定されている。支軸44dは上下方向に延びている。これにより、図24、図25に示すように、可動部44cは、支軸44d回りに前方又は後方に回動可能である。より詳しくは、可動部44cが支軸44d回りに後方に回動することによって、ボンネット43は後方に向けて回動して開放される(図25参照)。可動部44cが支軸44d回りに前方に回動することによって、ボンネット43は前方に向けて回動して閉鎖される(図24参照)。
図22〜図25に示すように、ボンネット43の機体幅方向の一方側(左部)には、係止片80が設けられている。係止片80は、平面視にて鉤状に湾曲したフックから構成されている。図22、図26等に示すように、係止片80は、ボンネット43に設けられた収容カバー77から前方(ボンネット43から離れる方向)に向けて突出している。係止片80の収容カバー77からの突出部分(前端部)は、後述する受け部材90の係止軸925に係止される。
図26に示すように、係止片80の後端部は、収容カバー77に収容された操作板78に固定されている。操作板78は、収容カバー77に縦軸79を介して回動可能に支持されている。図28に示すように、操作板78を縦軸79回りに回動させることによって、係止片80が操作板78と一体的に縦軸79回りに回動する。図21に示すように、操作板78は、ボンネット43の後面に露出しており、当該後面から手動で回動操作することができる。
図26に示すように、収容カバー77の前面下部には、第1板96が固定されている。第1板96には、第2板97がボルト98により取り付けられている。尚、第1板97と第2板97とは1つの部材から構成してもよい。第2板97には、挿入板95が固定されている。挿入板95は、一方面を上方に向けて、他方面を下方に向けて配置されており、ボンネット43から離れる方向に延びている。挿入板95は、係止片80の下方に位置している。挿入板95は、後述する受け部材90のスリット923に挿入される。
図22〜図25に示すように、機体2には、ボンネット43を閉じたときに係止片80が係止される受け部材90が設けられている。受け部材90は、支持脚70に取り付けられている。係止片80が受け部材90に係止されることにより、ボンネット43の閉鎖状態が維持される。
図26、図27、図29、図30に示すように、受け部材90は、第1受け部材91と第2受け部材92とを含む。
第1受け部材91は、機体2の右後部に立設された第3脚73の後面に取り付けられている。図29、図30に示すように、第1受け部材91は、第1取付部911と第2取付部912とを有している。第1取付部911と第2取付部912とは、1枚の板を略直角に折り曲げることにより形成されている。第1取付部911は、一方面が前方を向き且つ他方面が後方を向いている。第2取付部912は、一方面が左方を向き且つ他方面が右方を向いている。
図30に示すように、第1取付部911は、ボルト99によって第3脚73の後面に取り付けられる。第2取付部912には、第2受け部材92が取り付けられる。図27、図29に示すように、第2取付部912は、後方に向けて突出する突出部912a,912bを有している。突出部912aは、第1受け部材91の上部に設けられている。突出部912bは、第1受け部材91の下部に設けられている。突出部912a,912bには、それぞれ第1穴91aが形成されている。つまり、第1穴91aは、第2取付部912の上部と下部にそれぞれ形成されている。
図26、図30等に示すように、第2受け部材92は、平板状であって、一方面が左方を向き且つ他方面が右方を向いている。第2受け部材92は、後方に向けて(機体2側からボンネット43側に向けて)延設されている。第2受け部材92は、取付部921、係止部922、スリット923を有している。取付部921は、第2受け部材92の上部と下部に設けられており、第1受け部材91の第2取付部912に取り付けられる。各取付部921には第2穴92aが形成されている。第2穴92aの数は、第1受け部材91に設けられた第1穴91aの数と同じであり、本実施形態の場合は2つである。
図26、図29、図30に示すように、第1受け部材91と第2受け部材92とは接続部材94により接続される。接続部材94は、ボルト94a、ナット94b、ワッシャ94cを有している。接続部材94による第1受け部材91と第2受け部材92との接続(第1受け部材91への第2受け部材92の取り付け)は、第2受け部材92の取付部921の一方面(左面)を第1受け部材91の第2取付部912の他方面(右面)に重ねて行われる。具体的には、第1穴91aと第2穴92aとワッシャ94cとを重ねて、ボルト94aのねじ軸94dを挿入し、当該ねじ軸94dにナット94bを螺合することにより行われる。以下、ねじ軸94dを挿入部94dという。
図26、図30に示すように、第2受け部材92の係止部922は、凹部924と係止軸925とを有している。
凹部924は、第2受け部材92の後縁(ボンネット43側の縁)を、前方に向けて(ボンネット43側から機体2側に向けて)切り欠いて形成されている。凹部924は、略矩形状に形成されており、上縁924a、下縁924b、前縁924cを有している。上縁924aと下縁924bは、互いに平行に前後方向に延びている。前縁924cは、上下方向に延びており、上縁924aの前部と下縁924bの前部とを繋いでいる。
係止軸925は、円柱状の軸であって、凹部924の後側(ボンネット43側)において上下方向に延びている。図30に示すように、係止軸925は、第2受け部材92の他方面(右面)に溶接等により固定されている。係止軸925の上部は、凹部924の上縁924aの後部上方に固定されている。係止軸925の下部は、凹部924の下縁924bの後部下方に固定されている。凹部924の内縁(上縁924a、下縁924b、前縁924c)と係止軸925は、係止片80の先端が挿入される略矩形状の空間926を形成している。
図28に示すように、係止軸925及び縦軸79は、ボンネット43を閉じたときに、第2受け部材92の延設方向と平行な方向(前後方向)に並んで配置される。図28において、係止軸925及び縦軸79の並び方向を一点鎖線Lで示している。
図27、図28に示すように、係止部922には係止片80が係止される。具体的には、係止部922の係止軸925に対して係止片80が係止される。係止片80が係止軸925に係止されることにより、ボンネット43の閉鎖状態を維持することができる。受け部材90に対する係止片80の係止を解除することにより、ボンネット43を開放することができる。
受け部材90に対する係止片80の係止及び係止の解除は、操作板78を操作することによって行うことができる。具体的には、図28に示すように、操作板78を揺動させることによって、係止片80が操作軸79を支点として回動する。係止片80を前方に回動させると、係止軸925に対する係止が解除された状態(仮想線参照)から係止された状態(実線参照)に切り換わる。一方、係止片80を前方に回動させると、係止片80が係止軸925に係止された状態(実線参照)から、係止が解除された状態(仮想線参照)に切り換わる。図27においては、係止片80が係止軸925に係止された状態を仮想線で示し、係止が解除された状態を実線で示している。図31に示すように、係止軸925に対する係止片80の係止が解除されると、ボンネット43を開放することが可能となる。
図26、図27、図29、図30に示すように、係止部922の下方には、スリット923が設けられている。スリット923は、ボンネット43側(後側)から機体2側(前側)に向けて切り込まれている。スリット923は、ボンネット43側が機体2側よりも幅広に形成されている。具体的には、図30に示すように、スリット923は、幅が広くなった拡張部923aをボンネット43側に有している。拡張部923aは、スリット923の後部に設けられており、後方に向かうにつれて次第に幅が広くなるように形成されている。
図27、図28に示すように、ボンネット43を閉じた状態において、スリット923に挿入板95が挿入される。挿入板95は、ボンネット43を閉じた状態において、ボンネット43の振動を抑制する機能を有する。また、挿入板95がスリット923に挿入されることにより、係止片80が係止軸925に対して適切な位置(係止可能な位置)に確実に案内される。拡張部923aは、挿入板95をスリット923へ挿入する際のガイドとして機能する。挿入板95は、ボンネット43を開放すると、スリット923に挿入された状態(図28参照)から離脱した状態(図31参照)に移行する。
第1受け部材91及び第2受け部材92の少なくとも一方は、調整部93を有している。調整部93は、第1受け部材91と第2受け部材92の相対位置を調整可能とする。別の言い方をすれば、調整部93は、第1受け部材91に対する第2受け部材92の位置を調整可能とする。図29、図30に示すように、調整部93は、上側調整部93Aと下側調整部93Bとを含む。上側調整部93Aは、係止部922の上方に設けられている。下側調整部93Bは、係止部922の下方に設けられている。スリット923は、上側調整部93Aと下側調整部93Bの間に位置している。
調整部93(上側調整部93A、下側調整部93B)は、第1受け部材91に設けられた第1穴91aと、第2受け部材92に設けられた第2穴92aの少なくともいずれか一方の穴を含む。当該穴(第1穴91a及び第2穴92aの少なくともいずれか一方の穴)は、ボルト94aの挿入部94dの外径に対して遊び隙間(クリアランス)を有する大きさに形成されている。つまり、挿入部94dの外径に対して遊び隙間を有する大きさに形成された穴が、調整部93に含まれる。この遊び隙間は、上下方向及び前後方向において、第1受け部材91に対する第2受け部材92の移動を許容する。
第1穴91a及び/又は第2穴92aを遊び隙間を有する大きさに形成する方法は、円形穴の直径(内径)を挿入部94dの外径よりも大きくする方法や、穴の形状を長穴等の円形以外の形状とする方法が挙げられる。本実施形態の場合、前者の方法を採用している。具体的には、第1穴91a及び第2穴92aを円形穴とし、第1穴91aの内径を第2穴92aの内径よりも大きくし且つ挿入部94dの外径に対して遊び隙間を有する大きさに形成している。
図32に示すように、本実施形態の場合、第1穴91aと第2穴92aのうち、第1穴91aを挿入部94dの外径に対して遊び隙間CL3を有する大きさに形成している。図32において、挿入部94dの外径は第1穴91aの内径に重なっており、挿入部94dと第1穴91aとの間に遊び隙間CL3が形成されている。この場合、挿入部94dに対する第1穴91aの位置を調整することができる。これにより、遊び隙間CL3を利用して、第1受け部材91に対する第2受け部材92の位置を調整することができる。図32(b)に示す第1受け部材91に対する第2受け部材92の位置を基準位置とした場合、図32(a)は第2受け部材92の位置を基準位置よりも後方(ボンネット43側)にずらした状態、図32(c)は第2受け部材92の位置を基準位置よりも前方(機体2側)にずらした状態を示している。このように、第1受け部材91に対する第2受け部材92の位置を前方又は後方に調整することができる。また、図示していないが、第1受け部材91に対する第2受け部材92の位置を上方又は下方に調整することもできる。
ここで、第1受け部材91は機体2に固定されており、第2受け部材92には係止部922が設けられている。そのため、第1受け部材91に対する第2受け部材92の位置を調整することによって、機体2における係止部922の位置を調整することができる。これにより、ボンネット43に設けられた係止片80に対する係止部922の位置を調整することができる。
また、第1受け部材91及び機体2の少なくとも一方は、第1受け部材91と機体2の相対位置を調整可能とする第2調整部を有している。第2調整部は、第1部材91の第1取付部911に設けられた穴と、支持脚70の第3脚73に設けられた穴の少なくともいずれか一方の穴を含む。これらの穴は、第1受け部材91を第3脚73に取り付けるための穴であり、図30に示すボルト99のねじ軸が挿通される穴である。
第1取付部911に設けられた穴と、第3脚73に設けられた穴の少なくともいずれか一方の穴は、ボルト99のねじ軸の外径に対して遊び隙間(クリアランス)を有する大きさに形成されている。つまり、ボルト99のねじ軸の外径に対して遊び隙間を有する大きさに形成された穴が、第2調整部に含まれる。この遊び隙間は、上下方向及び左右方向において、機体2に対する第1受け部材91の移動を許容する。
<ベルトテンション調整装置>
図33は、原動機13を出力軸(クランク軸、動力伝達軸)側から見た図である。図34は、原動機13を上方から見た図である。
原動機13の出力軸13aには、駆動プーリ101が取り付けられている。駆動プーリ101は、出力軸13aの軸心方向に並ぶ2つのベルト溝を有している。2つのベルト溝には、それぞれ無端状(ループ状)のベルト(後述する第1ベルト104と第2ベルト107)が巻き掛けられている。
駆動プーリ101の上方には、ファンプーリ102が設けられている。ファンプーリ102には、ファン23が接続されている(図33ではファン23は不図示)。ファンプーリ102の前方には、オルタネータ24の入力プーリ103が設けられている。駆動プーリ101、ファンプーリ102、入力プーリ103の回転軸は、互いに平行に配置されている。駆動プーリ101、ファンプーリ102、入力プーリ103は、出力軸13a側から見て三角形状に配置されている。駆動プーリ101、ファンプーリ102、入力プーリ103に亘って、ベルト(第1ベルト)104が掛け渡されている。原動機13の出力軸13aからの動力は、駆動プーリ101から第1ベルト104を介してファンプーリ102と入力プーリ103に伝達される。これにより、原動機13の駆動によって、ファン23及びオルタネータ24が駆動される。
駆動プーリ101の上方且つ後方には、従動プーリ105が設けられている。従動プーリ105は、コンプレッサ(被駆動機器)25に設けられた入力プーリである。駆動プーリ101の上方であって従動プーリ105の前方には、テンションプーリ106が設けられている。駆動プーリ101、従動プーリ105、テンションプーリ106の各回転軸は、互いに平行に配置されている。駆動プーリ101、従動プーリ105、テンションプーリ106は、出力軸13a側から見て三角形状に配置されている。駆動プーリ101、従動プーリ105、テンションプーリ106に亘って、ベルト(第2ベルト)107が掛け渡されている。第2ベルト107は、出力軸(動力伝達軸)13aの回転駆動力をコンプレッサ(被駆動機器)25に伝達する。第2ベルト107のテンションは、ベルトテンション調整装置100によって調整することができる。
以下、主に図35〜図39に基づいて、ベルトテンション調整装置100の構成について説明する。
ベルトテンション調整装置100は、支軸108と、ブラケット110と、回動部材120と、回転操作機構130と、を備えている。
支軸108は、テンションプーリ106の上方且つ左方に設けられており、テンションプーリ106の回転軸106aと別位置において回転可能に支持されている。支軸108は、回転軸106aと平行であって、一端側がテンションプーリ106側(右方)に配置され、他端側がテンションプーリ106側と反対側(左方)に配置されている。支軸108は、ブラケット110に回転可能に支持されている。
図33、図34に示すように、ブラケット110は、原動機13の上方に配置されている。図35、図36に示すように、ブラケット110は、第1主部材111、第2主部材112、第1副部材113、第2副部材114、第3副部材115を有している。第1主部材111、第2主部材112、第1副部材113、第2副部材114、第3副部材115は、溶接等により接続されて一体化されている。
第1主部材111は、前後方向(出力軸13aと直交する方向)に延びる板状の部材であって、一方面が右方を向き、他方面が左方を向いている。図33〜図35に示すように、第1主部材111は、一端側(前端側)がコンプレッサ25の上方に位置し、他端側(後端側)がテンションプーリ106の上方且つ左方に位置している。図35、図36に示すように、第1主部材111は、一端側に第1貫通孔110aを有し、他端側に第2貫通孔110bを有している。
図36に示すように、第2主部材112は、上部位112aと、前部位112bと、後部位112cとを有している。上部位112a、前部位112b、後部位112cは、1枚の帯状板を折り曲げることにより一体に形成されている。上部位112aは、第1主部材111の他方面(左面)に接続されて前後方向に延びている。前部位112bは、上部位112aの前部から屈曲して下方に延びる縦部と、当該縦部の下端部から屈曲して前方に延びる横部を有している。前部位112bの縦部には、第3貫通孔110cが設けられている。前部位112bの横部には、第4貫通孔110dが設けられている。後部位112cは、上部位112aの後部から屈曲して下方に延びる縦部と、当該縦部の下端部から屈曲して前方に延びる横部を有している。後部位112cの横部には、第5貫通孔110eが設けられている。
第1副部材113は、機体幅方向(左右方向)に延びている。第1副部材113の一端側(左側)は、下方に向けて屈曲されて第1主部材111の他方面(左面)に接続されている。第1副部材113の他端側(左側)には、第6貫通孔110fが設けられている。図35、図37に示すように、第1副部材113には、コンプレッサ25に接続される配管を保持するためのクランプ136が取り付けられる。
第2副部材114は、中間部114aと、右部位114bと、左部位114cを有している。中間部114aは、第2主部材112の前部位112bに接続されて機体幅方向に延びている。右部位114bは、中間部114aの一端(右端)から屈曲して前方に延びている。左部位114cは、中間部114aの他端(左端)から屈曲して前方に延びている。右部位114bと左部位114cには、第7貫通孔110gが設けられている。
第3副部材115は、板状の部材であって、一方面が右方を向き、他方面が左方を向いている。第3副部材115は、第2主部材112の上部位112aに接続されている。図35に示すように、第3副部材115の一方面(右面)は、上部位112aを挟んで第1主部材111の他方面(左面)と対向している。第3副部材115は、第8貫通孔110hと長穴115aを有している。長穴115aは、支軸108の上方に位置し、支持軸108を中心とする円弧状に形成されている。
図35、図36に示すように、ブラケット110は、固定部116と、支持部117と、挿入部118と、を有している。
固定部116は、コンプレッサ25に固定される第1固定部116Aと、原動機13に固定される第2固定部116Bとを含んでいる。第1固定部116Aは、第1貫通孔110a、第3貫通孔110c、第7貫通孔110gを含んでいる。第1固定部116Aは、第1貫通孔110a、第3貫通孔110c、第7貫通孔110gにボルトを挿通し、当該ボルトをコンプレッサ25に設けられた雌ねじ部に螺合することによって、コンプレッサ25に固定される。第2固定部116Bは、第4貫通孔110d、第5貫通孔110e、第6貫通孔110fを含んでいる。第2固定部116Bは、第4貫通孔110d、第5貫通孔110e、第6貫通孔110fにボルトを挿通し、当該ボルトを原動機13に設けられた雌ねじ部に螺合することによって、原動機13に固定される。
支持部117は、支軸108を回転可能に支持する。図35に示すように、支持部117は、機体幅方向(テンションプーリの回転軸106aの軸心方向)に延びる筒体から構成されている。支持部117を構成する筒体は、第1主部材111の第2貫通孔110bと第3副部材115の第8貫通孔110hとに嵌め入れられて固定されており、支軸108は当該筒体を貫通している。支軸108の両端は、筒体(支持部)117から突出している。
図35に示すように、挿入部118は、第3副部材115の上部(長穴115aの上方)を貫通している。挿入部118は、ボルト118aのねじ軸から構成されており、当該ねじ軸は第3副部材115を貫通して後述する可動部材131の案内孔131aに挿入されている。ボルト118aのねじ軸にはナット118bが螺合されている。
回動部材120は、支軸108とテンションプーリ106とを連結するとともに、支軸108の回転に伴ってテンションプーリ106の駆動プーリ101及び従動プーリ105に対する相対位置を変化させる。具体的には、回動部材120は、支軸108の回転に伴ってテンションプーリ106を移動させる。図35、図37に示すように、回動部材120は、第1部位121と第2部位122とを有している。第1部位121は、支軸108の一端側(右側)に取り付けられている。具体的には、支軸108の一端側が第1部位121を貫通し、当該貫通部分に形成された雄ねじにナット123が螺合されている。第2部位122は、第1部位121から下方に延びている。第2部位122は、テンションプーリ106の回転軸106aを回転可能に支持している。
支軸108に第1部位121が取り付けられているため、第1部位121は支軸108の回転に伴って回転する。第2部位122は、第1部位121の回転に伴って支軸108を中心として回動する。そして、第2部位122がテンションプーリ106の回転軸106aを支持しているため、テンションプーリ106は第2部位122と共に回動する。つまり、テンションプーリ106は、支軸108の回転に伴って当該支軸108を中心として回動する。テンションプーリ106の回動方向は、支軸108の回転方向に応じて定まる。
回転操作機構130は、支軸108を軸心回りに回転させる機構である。
図35〜図37に示すように、回転操作機構130は、可動部材131と操作部132とを有している。
可動部材131は、板状の部材であって、一方面が右方を向き、他方面が左方を向いている。可動部材131は、支軸108の軸心方向から見て扇形状を呈している。図36、図37に示すように、可動部材131は、支軸108の他端側(左側)に取り付けられている。これにより、可動部材131は、支軸108と共に回転可能である。図35等に示すように、可動部材131の一方面(右面)は、第3副部材115の他方面(左面)に当接(又は近接)している。
可動部材131は、案内孔131aを有している。案内孔131aは、支軸108を中心とした円弧状に形成されている。案内孔131aと長穴115aとは、共に支軸108を中心とした円弧状に形成されているが、支軸108からの距離(円弧の曲率半径)が異なっている。具体的には、案内孔131aは、長穴115aの上方(支軸108から離れた側)に位置している。
図35〜図37に示すように、案内孔131aには、ブラケット110の挿入部118(ボルト118aのねじ軸)が挿入されている。挿入部118は、可動部材131の支軸108回りの回転に伴って案内孔131a内にて位置を変化させる。詳しくは、可動部材131が支軸108回りに回転すると、ブラケット110に取り付けられた挿入部118は移動しないが、可動部材131と共に案内孔131aが移動することにより、案内孔131a内にて挿入部118の位置が変化する。案内孔131aと挿入部118は、ブラケット110に対する可動部材131の動き方向及び動き範囲を規制する規制機構を構成し、当該規制機構は回転操作機構130の一部を構成する。
操作部132は、可動部材131を支軸108と共に回転させるために操作される。言い換えれば、操作部132を操作することによって、可動部材131は支軸108と共に回転する。図34、図35、図37に示すように、操作部132は、支軸108の他端側(テンションプーリ106側と反対側)に設けられている。図35〜図37に示すように、操作部132は、第1固定部材133と、第2固定部材134と、調整機構135と、を有している。
第1固定部材133は、可動部材131に固定されている。第1固定部材133は、支軸108と案内孔131aの間(支軸108の上方であって案内孔131aの下方)に設けられている。本実施形態の場合、第1固定部材133は、ボルト133aとナット133bとから構成されている。ボルト133aは、頭部が可動部材131の他方面側(左側)に配置され、ねじ軸が可動部材131を貫通している。ナット133bは、可動部材131の一方面側(右側)においてボルト133aのねじ軸に螺合されている。ナット133bは、第3副部材115の長穴115a内に配置されており、可動部材131の回転に伴って長穴115aに沿って移動可能である。図36に示すように、第1固定部材133は、貫通孔133cを有している。貫通孔133cは、ボルト133aの頭部に設けられている。
第2固定部材134は、ブラケット110に固定されている。具体的には、第2固定部材134は、ブラケット110の第3副部材115に固定されている。本実施形態の場合、第2固定部材134はボルト134aとナット134bとから構成されている。ボルト134aは、頭部がブラケット110の第3副部材115の他方面側(左側)に配置され、ねじ軸が第3副部材115を貫通している。ナット134bは、第3副部材115の一方面側(右側)においてボルト134aのねじ軸に螺合されている。図36に示すように、第2固定部材134は、貫通孔134cを有している。貫通孔134cは、ボルト134aの頭部に設けられている。
調整機構135は、第1固定部材133と第2固定部材134との間の距離を調整可能な機構である。図36、図37に示すように、調整機構135は、雄ねじ部材135aと、雌ねじ部材(ナット)135bと、ロック部材135cと、を有している。
雄ねじ部材135aは、一端側(前側)が第1固定部材133に固定され、他端側(後側)が第2固定部材134に挿通されている。詳しくは、雄ねじ部材135aの一端側は、第1固定部材133の貫通孔133cに挿入されて固定されている。雄ねじ部材135aの他端側は、第2固定部材134の貫通孔134cに挿通されており、貫通孔134c内を移動可能である。雌ねじ部材(ナット)135bは、雄ねじ部材135aの他端側において、第2固定部材134に当接し且つ雄ねじ部材135aに螺合されている。これにより、雄ねじ部材135aを回転させると、雄ねじ部材135aが貫通孔134cの孔軸方向に沿って前進又は後退する。
ロック部材135cは、雄ねじ部材135aに螺合されたナットであり、雌ねじ部材135bの緩みを防止するロックナットとして機能する。ロック部材135cは、雌ねじ部材135bの他端側(後側)において、雌ねじ部材135bに当接し且つ雄ねじ部材135aに螺合されている。つまり、ロック部材135cと第2固定部材134との間に、雌ねじ部材135bが挟まれている。ロック部材135cを雌ねじ部材135b側に向けて締め付けることによって、雌ねじ部材135bを固定する(回転をロックする)ことができる。
以下、主に図37〜図39に基づいて、ベルトテンション調整装置100の作用(動作)について説明する。
先ず、第2ベルト107のテンションを増加させる(第2ベルト107を張る)場合の動作について説明する。図37、図38において、動作前の状態が実線で示され、動作後の状態が仮想線で示されている。第2ベルト107のテンションを増加させる場合、操作部132の雌ねじ部材135bを正方向(矢印A方向)に回転させる。この正方向は、雌ねじ部材135bを締め付ける方向である。雌ねじ部材135bを正方向に回転させると、雄ねじ部材135aが一方向(矢印B方向)に移動する。雄ねじ部材135aが一方向(後方)に移動すると、雄ねじ部材135aによって可動部材131に固定された第1固定部材133が引っ張られ、可動部材131が支軸108と共に正方向(矢印C方向)に回転する。支軸108が正方向に回転すると、回動部材120の第2部位122が、支軸108を中心として正方向(矢印D方向)に回動する。この第2部位122の回動に伴って、テンションプーリ106が支軸108を中心として正方向(矢印E方向)に回動する。これにより、第2ベルト107のテンションが増加する(第2ベルト107が張る)。
次に、第2ベルト107のテンションを減少させる(第2ベルト107を緩める)場合の動作について説明する。図37、図38において、動作前の状態が仮想線で示され、動作後の状態が実線で示されている。第2ベルト107のテンションを減少させる場合、操作部132の雌ねじ部材135bを逆方向(矢印Aと反対方向)に回転させる。この逆方向は、雌ねじ部材135bを緩める方向である。雌ねじ部材135bを逆方向に回転させると、雄ねじ部材135aが他方向(矢印Bと反対方向)に移動する。雄ねじ部材135aが他方向(前方)に移動すると、雄ねじ部材135aによって可動部材131に固定された第1固定部材133が押され、可動部材131が支軸108と共に逆方向(矢印C方向と反対方向)に回転する。支軸108が逆方向に回転すると、回動部材120の第2部位122が、支軸108を中心として逆方向(矢印Dと反対方向)に回動する。この第2部位122の回動に伴って、テンションプーリ106が支軸108を中心として逆方向(矢印Eと反対方向)に回動する。これにより、第2ベルト107のテンションが減少する(第2ベルト107が緩む)。
上述したように、雌ねじ部材135bを締め付ける方向に回転させると第2ベルト107が張り、雌ねじ部材135bを緩める方向に回転させると第2ベルト107が緩む。そのため、操作(雌ねじ部材の締め付け又は緩め)と操作に基づく結果(ベルトの張り又は緩み)とが作業者の感覚と一致しやすい。
上記実施形態のベルトテンション調整装置100によれば、テンションプーリ106を移動させて、第2ベルト107のテンションを調整することができる。従って、コンプレッサ(被駆動機器)25を移動させずに、第2ベルト107のテンションを調整することができる。
尚、上述した実施形態においては、ベルトテンション調整装置100は、第2ベルト107のテンションを調整する装置であるが、第1ベルト104のテンションを調整する装置であってもよい。この場合、オルタネータ24に従動プーリ105を設けて、当該従動プーリ105と駆動プーリ101とテンションプーリ106とに亘って第1ベルト104を巻き掛け、ベルトテンション調整装置100によりテンションプーリ106を移動可能とする構成が採用できる。
また、ベルトテンション調整装置100は、コンプレッサ25、オルタネータ24以外の被駆動機器(例えば、油圧ポンプ等)に原動機13の動力を伝達するベルトに対しても適用可能である。つまり、ベルトテンション調整装置100は、原動機13の動力をベルト伝動により受けて駆動する被駆動機器のプーリに巻き掛けられるベルトに対して幅広く適用可能である。
上述した実施形態の作業機1によれば、以下の効果を奏する。
作業機1は、第1横板8cの内面に沿って配置され、且つ第1横板8cに当接する第1支持部61A,61Bと、第1支持部61A,61Bにおける第1横板8cを介して第1枢支部材27と重なる位置から第2横板8d側に向かって屈曲する第1屈曲部63A,63Bを有する補強板60と、を備えている。
この構成によれば、高い強度を有する部分である第1屈曲部63A,63Bが第1横板8cを介して第1枢支部材27と重なる位置において第1横板8cの内面に近接する。これにより、ブーム8を強固に補強できるため、第1油圧シリンダ20から作用する荷重(推力)に起因する第1枢支部材27の変形(具体的には、左板27Lと右板27Rとの間が広がる変形あるいは狭まる変形)を抑制できる。その結果、第1油圧シリンダ20の推力に起因する第1枢支部材27の変形によって第1枢支部材27の端部に生じる応力集中を緩和することができる。また、ブーム8が補強板60により強固に補強されることで、ブーム8やアーム9等から構成される作業装置5に作用する外力によって第1枢支部材27の端部に生じる応力集中も緩和することができる。
また、第1屈曲部63Aは、第1枢支部材27におけるブーム長さ方向の端部と枢支部271との間の位置に第1横板8cを介して重なる位置において第1横板8cの内面に近接し、第1支持部61A,61Bは、第1屈曲部63A,63Bから第1横板8cの内面に沿って枢支部271から離れる方向に向けて延設されている。
この構成によれば、応力集中が生じやすい位置である、第1横板8cにおける、第1枢支部材27のブーム長さ方向の端部と枢支部271との間に重なる位置に、第1屈曲部63A,63Bが近接するため、第1枢支部材27の端部に生じる応力集中を効果的に緩和することができる。また、第1支持部61Aが、応力集中が生じやすい側である、第1屈曲部63A,63Bから第1横板8cの内面に沿って枢支部271から離れる方向に向けて延設されているため、第1枢支部材27の端部に生じる応力集中をより効果的に緩和することができる。
また、補強板60は、第2横板8dの内面に沿って配置され、且つ第2横板8dに当接する第2支持部62A,62Bと、第2支持部62A,62Bから第1横板8c側に向かって屈曲する第2屈曲部64A,64Bと、第1屈曲部63A,63Bと第2屈曲部64A,64Bとを連結する連結部65A,65Bと、を有している。
この構成によれば、補強板60の強度を第2屈曲部64A,64Bによって高めることができる。また、補強板60によって第1横板8cと第2横板8dとが補強されることで、ブーム8をより効果的に補強することができる。
また、第1油圧シリンダ20とは異なる第2油圧シリンダ21と、第2横板8cの外面に固定され且つ第2油圧シリンダ21の一端を枢支する第2枢支部281を有する第2枢支部材28と、を備え、第2屈曲部64Aは、第2枢支部材28と重なる位置において第2横板8dの内面に近接している。
この構成によれば、高い強度を有する部分である第2屈曲部64Aが第2横板8dを介して第2枢支部材28と重なる位置において第2横板8dの内面に近接する。これにより、第2横板8dを強固に補強できるため、第2油圧シリンダ21から作用する荷重(推力)に起因する第2枢支部材28の変形(具体的には、左板28Lと右板28Rとの間が広がる変形あるいは狭まる変形)を抑制できる。その結果、第2油圧シリンダ21の推力に起因する第2枢支部材28の変形によって第2枢支部材28の端部に生じる応力集中を緩和することができる。また、第2横板8dが強固に補強されることで、ブーム8やアーム9等から構成される作業装置5に作用する外力によって第2枢支部材28の端部に生じる応力集中も緩和することができる。
また、第2支持部62Aは、第2屈曲部64Aから第2横板8dの内面に沿って第2枢支板281から離れる方向に向けて延設されている。
この構成によれば、第2支持部62Aが、応力集中が生じやすい側である、第2屈曲部64Aから第2横板8dの内面に沿って第2枢支板281から離れる方向に向けて延設されているため、第2枢支部材28の端部に生じる応力集中を効果的に緩和することができる。
また、補強板60を、第1横板8cを介して第1枢支部材27におけるブーム長さ方向の前部と重なる位置と、第1横板8cを介して第1枢支部材27におけるブーム長さ方向の後部と重なる位置とにそれぞれ備えている。
この構成によれば、第1横板8cにおける第1枢支部材27の前部と重なる位置及び第1枢支部材27の後部と重なる位置の両方を、補強板60によって補強することができるため、第1枢支部材27の端部に生じる応力集中をより効果的に緩和することができる。
作業機1は、機体2と、機体2に基端側が枢支され且つ先端側に枢支部(前枢支部)83を有するブーム8と、軸支部83に枢支軸(第2横軸)32を介して枢支されたアーム9と、を備え、軸支部83は、枢支軸32の一端側を支持する第1軸受部85と、枢支軸32の他端側を支持する第2軸受部86と、第1軸受部85と第2軸受部86とを接続し且つ上面87a及び下面87bの少なくとも一方の面に他方の面側に向けて凹んだ第1凹部88が形成された接続部87とを有する。
この構成によれば、油圧ホースを案内するためのスペースを確保するために接続部97をブーム8の上面87a側又は下面87b側に偏重させて配置する必要がないので、接続部87をブーム8の上下方向の中間付近に設けることができる。そのため、ブーム8の先端部(前軸支部83)に機体2の旋回方向の捩り力が作用したときに第1軸受部85及び第2軸受部86の根元に生じる応力集中を緩和し、捩り力に対するブーム8の先端部の強度を充分に確保できる。また、強度を確保できることによって、先端部(前軸支部83)の肉厚を薄くすることができ、ブーム8の軽量化が可能となる。
また、ブーム8の基端側から先端側に延設された油圧ホースを備え、第1凹部88には油圧ホースを保持する保持部30が設けられている。
この構成によれば、油圧ホースの保持部30を第1凹部88に設けることにより、保持部30を設ける場合であっても接続部87をブーム8の上下方向の中間付近に設けることができる。これにより、第1軸受部85及び第2軸受部86の根元に生じる応力集中を適切に緩和できる。
また、ブーム8は、ブーム本体81と、当該ブーム本体81の先端に装着された枢支部(前枢支部)83とを有し、接続部87の前端87eは、枢支軸32の上端と軸支部83の後端の上下方向の中点Mとを結ぶ第1直線L1の下方であって、且つ、枢支軸32の下端と中点Mとを結ぶ第2直線L2の上方に位置している。
この構成によれば、接続部87の前端87eが、軸支部83の上下方向の略中心に位置するため、ブーム8の先端部(前枢支部)に捩り力が作用したときに第1軸受部85及び第2軸受部86の根元に応力集中が発生することが防止できる。
また、接続部87における前記一方の面は、前記ブームの延伸方向に対して傾斜した傾斜面に形成され、第1凹部88は傾斜面に設けられている。
この構成によれば、第1凹部88が傾斜面に設けられていることにより、接続部87の上方又は下方に油圧ホースを案内するためのスペースを確実に確保することができる。
また、接続部87における前記他方の面は、前記ブームの延伸方向に対して傾斜した傾斜面に形成されている。
この構成によれば、接続部87の上面と下面とが傾斜面となることにより、接続部87が上下方向にて対称に近い形状となる、そのため、第1軸受部85及び第2軸受部86の根元に生じる応力集中の発生を効果的に防止することができる。
また、接続部87における前記他方の面には、前記一方の面側に向けて凹んだ第2凹部89が形成されている。
この構成によれば、接続部87の上面と下面に凹部が形成されることにより、接続部87が上下方向にてより対称に近い形状となる。そのため、応力集中の発生を効果的に防止することができる。
また、接続部87における前記一方の面に形成された傾斜面の後端部87cは、接続部87における前記他方の面に形成された傾斜面の後端部87dよりも後方に位置している。
この構成によれば、接続部87の一方の面(上面87a)の傾斜角度が他方の面(下面87b)の傾斜角度に比べて緩やかとなるため、油圧ホースを上面87aに沿って緩やかに傾斜させながら円滑に案内することができる。
作業機1の支持部材150は、カバー41の開閉支点となる支点軸163を支持する第1支持部材151と、第1支持部材151に取り付けられ且つ切換バルブ170の取付部152dを有する第2支持部材152と、を含み、第1支持部材151及び第2支持部材152の少なくとも一方は、第1支持部材151と第2支持部材152の相対位置を調整可能とする位置調整部153を有している。
この構成によれば、位置調整部153によって第1支持部材151と第2支持部材152の相対位置を調整することができるため、第1支持部材151に支持されたカバー41の支点軸163と第2支持部材152に取り付けられた切換バルブ170の相対位置を調整することができる。これにより、カバー41が切換バルブ170に接続された油圧ホース等と干渉することを容易に防止できる。
より詳しく説明すると、カバー41は、油圧ホース(第4油圧ホース176、第5油圧ホース177等)や他の部材との干渉を回避するために、取り付け位置(支点軸162の位置)を調整しなければならない場合がある。支点軸163と切換バルブ170とが同一の部材(1つの部材)に取り付けられている場合、カバー41の位置を調整するために支点軸163を移動させると、同時に切換バルブ170も移動してしまう。つまり、支点軸163と切換バルブ170との相対位置を変化させることができない。そのため、カバー41と切換バルブ170に接続された油圧ホースが干渉している場合、カバー41の位置を調整しても干渉を解消することができないという不都合が生じる。
本実施形態の場合、支点軸163と切換バルブ170とが別々の部材(第1支持部材151と第2支持部材152)に取り付けられており、第1支持部材151に対する第2支持部材152の位置を調整可能である。そのため、支点軸163と切換バルブ170の相対位置を変化させることができ、上述した不都合が生じない。
また、第1支持部材151と第2支持部材152とを接続する接続部材178を備え、第1支持部材151には第1穴151cが形成され、第2支持部材152には第2穴152cが形成され、接続部材178は、第1穴151c及び第2穴152cに挿入される挿入部178aを有し、位置調整部153は、第1穴151cと第2穴152cの少なくともいずれか一方の穴を含み、当該穴は挿入部178aの外径に対して遊び隙間を有する大きさに形成されている。
この構成によれば、接続部材178によって第1支持部材151と第2支持部材152とを接続しつつ、遊び隙間を利用して第1支持部材151と第2支持部材152の相対位置を調整可能とすることができる。
また、第1支持部材151は、第1穴151cが設けられた第1板部151bを有し、第2支持部材152は、第2穴152cが設けられ且つ第1板部151bの上方又は下方に重ねられた第2板部152aを有し、遊び隙間は、第1板部151bに対する第2板部152aの回転移動を許容する。
この構成によれば、第1板部151bに対する第2板部152aの回転移動が許容されることにより、支点軸163に対する切換バルブ170の平面視位置を回転移動によって容易に調整することができる。
また、機体2に固定され且つ第1支持部材151が取り付けられた基礎部材159と、基礎部材159に対する第1支持部材151の位置を調整可能とする第2位置調整部154と、を備えている。
この構成によれば、第2位置調整部154によって第1支持部材151の機体2に対する位置を調整することができる。これにより、第1支持部材151に対する第2支持部材152の位置調整に加えて、機体2に対する第1支持部材151の位置調整が可能となる。つまり、制御バルブ26と接続される切換バルブ170と、カバー41の開閉支点となる支点軸163の位置とを独立して調整することができる。
また、支持部材150は、機体2の幅方向の一方側に配置され、カバー41は、支持部材150の上方及び機体幅方向の一方側を覆い、遊び隙間は、第1支持部材151に対する第2支持部材152の機体幅方向の移動を許容する。
この構成によれば、第1支持部材151に対して第2支持部材152を機体内方に移動させることができる。そのため、支軸163に対して切換バルブ170を機体内方に移動させて、切換バルブ170に接続された油圧ホース等とカバー41との干渉を回避することができる。
また、作動油を収容する作動油タンク15と、油圧機器に対する作動油の供給を制御する制御バルブ26とを備え、切換バルブ170は、油圧機器と接続される入口ポート171と、制御バルブ26と接続される第1出口ポート172と、作動油タンク15と接続される第2出口ポート173と、入口ポート171から導入された作動油の行き先を第1出口ポート172と第2出口ポート173のいずれか一方に切り換え可能な操作ハンドル174と、を有している。
この構成によれば、切換バルブ170が、切り換え操作により作動油を制御バルブ26を介さずに作動油タンク15に戻すことを可能とする所謂サードラインバルブである場合において、当該サードラインバルブに接続された油圧ホースとカバー41との干渉を回避できる。
作業機1は、機体2と、機体2に対して開閉可能に設けられたボンネット43と、ボンネット43に設けられた係止片80と、機体2に設けられ且つボンネット43を閉じたときに係止片80が係止される係止部922を有する受け部材90と、を備え、受け部材90は、機体2に固定された第1受け部材91と、係止部922を有し且つ第1受け部材91に接続された第2受け部材92と、を含み、第1受け部材91及び第2受け部材92の少なくとも一方は、第1受け部材91と第2受け部材92の相対位置を調整可能とする調整部93を有している。
この構成によれば、第1受け部材91と第2受け部材92の相対位置を調整することによって、機体2に対する係止部922の位置を調整することができる。これにより、ボンネット43に設けられた係止片80に対する係止部922の位置を調整することができ、係止部922に対する係止片80の係り代を調整することが可能となる。そのため、ボンネット43に設けられた係止片80を機体2に設けられた受け部材90の係止部922に対して確実に係止することができる。その結果、ボンネット43や受け部材90等の寸法誤差や組立誤差に起因して生じる不具合(製造ラインにおいてボンネット43を閉められなくなる、使用中に振動によってボンネット43が開く等の不具合)を防止することができる。
また、第1受け部材91と第2受け部材92を接続する接続部材94を備え、第1受け部材91には第1穴91aが形成され、第2受け部材92には第2穴92aが形成され、接続部材94は、第1穴91a及び第2穴92aに挿入される挿入部94dを有し、調整部93は、第1穴91a及び第2穴92aの少なくともいずれか一方の穴を含み、当該穴は挿入部94dの外径に対して遊び隙間CL3を有する大きさに形成されている。
この構成によれば、接続部材94によって第1受け部材91と第2受け部材92とを接続しつつ、遊び隙間CL3を利用して第1受け部材91と第2受け部材92の相対位置を調整可能とすることができる。
また、遊び隙間CL3は、上下方向及び前後方向において第1受け部材91に対する第2受け部材92の移動を許容する。
この構成によれば、係止片80に対する係止部922の位置の調整の自由度が高くなる。そのため、ボンネット43や受け部材90等の寸法誤差や組立誤差に起因して生じる不都合をより確実に防止することができる。
また、第1受け部材91及び機体2の少なくとも一方は、第1受け部材91と機体2の相対位置を調整可能とする第2調整部を有している。
この構成によれば、第1受け部材91と第2受け部材92との相対位置の調整に加えて、機体2と第1受け部材91との相対位置の調整が可能となる。そのため、係止片80に対する係止部922の位置の調整を、上下方向、前後方向、左右方向において行うことが可能となる。
また、第2受け部材92は、ボンネット43側から機体2側に向けて切り込まれたスリット923を有し、ボンネット43には、一方面が上方を向き且つ他方面が下方を向くように配置されると共に、ボンネット43を閉じたときスリット923に挿入される挿入板95が設けられている。
この構成によれば、ボンネット43を閉じた状態で、挿入板95の動きがスリット923により規制されることにより、ボンネット43の振動を抑制することができる。また、ボンネット43を閉じるときに、ボンネット43に設けられた挿入板95が第2受け部材92のスリット923に挿入されることによって、ボンネット43が受け部材90に対して正確に位置決めされる。そのため、係止片80を係止部922に対して確実に係止することが可能となる。また、一方面が上方を向き且つ他方面が下方を向くように配置された挿入板95を、スリット923に挿入する構成としたことにより、第2受け部材92及び挿入板95が上下方向にコンパクトな構成となって他の部材と干渉することが防止できる。
また、調整部93は、第1受け部材91の上部に設けられた上側調整部93Aと、第1受け部材91の下部に設けられた下側調整部93Bと、を有し、係止部922及びスリット923は、上側調整部93Aと下側調整部93Bの間に設けられている。
この構成によれば、上側調整部93Aと下側調整部93Bの2つの調整部によって、第1受け部材91に対する第2受け部材92の位置を高い精度で確実に調整することができる。また、2つの調整部の間に係止部922及びスリット923が設けられていることによって、係止部922の位置を正確に調整することができる。
また、係止部922は、ボンネット43側から機体2側に向けて切り欠かれた凹部924と、凹部924のボンネット43側において上下方向に延びる円柱状の係止軸925と、を有し、係止片80は係止軸925に係止されるフックから構成されている。
この構成によれば、係止片80を構成するフックを、凹部924と係止軸925との間に形成される空間に挿入することによって、係止片80を係止軸925に対して確実且つ容易に係止することができる。また、係止軸925が円柱状であることによって、係止軸925に対する係止片80の係止と離脱を繰り返し実行しても、係止軸915の摩耗が生じにくく、長期間にわたって確実な係止が可能となる。
また、係止片80を回動可能に支持する縦軸79を備え、第2受け部材92は、機体2側からボンネット43側に向けて延設され、係止軸925及び縦軸79は、ボンネット43を閉じたときに、第2受け部材92の延設方向と平行な方向(前後方向)に並んで配置されている。
この構成によれば、係止軸925に対する係止片80の係止を、引っ掛かり易く且つ外れにくい係止とすることができる。詳しくは、図28において、縦軸79が係止軸925に対して右方(一点鎖線Lより上方)にずれた場合、係止片80は係止軸925に対して引っ掛かり易いが外れ易くなる。縦軸79が係止軸925に対して左方(一点鎖線Lより下方)にずれた場合、係止片80は係止軸925に対して外れにくいが引っ掛かりにくくなる。本実施形態によれば、係止軸925と縦軸79とが適切な位置関係に並ぶことで、引っ掛かり易く且つ外れにくい係止となる。
ベルトテンション調整装置100は、動力伝達軸(出力軸13a)に取り付けられた駆動プーリ101と、被駆動機器(コンプレッサ25)に設けられた従動プーリ105と、テンションプーリ106と、駆動プーリ101と従動プーリ105とテンションプーリ106とに亘って掛け渡され、前記動力伝達軸の回転駆動力を前記被駆動機器に伝達する無端状のベルト(第2ベルト)107と、ベルトのテンションを調整するテンション調整機構とを備え、テンション調整機構は、回転可能に支持された支軸108と、支軸108を軸心回りに回転させる回転操作機構130と、支軸108とテンションプーリ106とを連結するとともに、支軸108の回転に伴ってテンションプーリ106の駆動プーリ101及び従動プーリ105に対する相対位置を変化させる回動部材120と、を備えている。
この構成によれば、被駆動機器(コンプレッサ25)を動かさずに、ベルト(第2ベルト)107のテンションを調整することができる。そのため、ベルトのテンション調整時において、被駆動機器に接続される配線等が移動して他の部材に干渉することが防がれる。また、被駆動機器を移動させるための空間を確保する必要がない。また、機器25を移動させる必要がないため、小さい力で第2ベルト107のテンションを調整することができる。また、回動部材120を回動させる際に生じる力(捩り力)を、支軸108の回転によって受けることができるため、捩り力に起因する変形や破損が生じにくい。
また、回転操作機構130は、支軸108に取り付けられた可動部材131と、可動部材131を回動させることより支軸108を回転させる操作部132と、可動部材132の回動範囲を規制する規制機構と、を有している。
この構成によれば、操作部132によって、可動部材131を回動させることで支軸108を回転させることができるため、第2ベルト107のテンション調整のための操作が容易である。また、可動部材132の回動範囲が規制機構によって規制されるため、第2ベルト107のテンション調整を適正な範囲で行うことができる。
また、被駆動機器に固定された固定部116と、支軸108を回転可能に支持する支持部117と、を有するブラケット110を備え、規制機構は、可動部材131に形成された支軸108を中心とする円弧状の案内孔131aと、ブラケット110に設けられ、案内孔131aに挿入されると共に可動部材131の回転に伴って案内孔131a内にて位置を変化させる挿入部118と、を有している。
この構成によれば、案内孔131aと挿入部118によって、ブラケット110に対する可動部材131の動き方向及び動き範囲を正確に且つ確実に規制することができる。これにより、可動部材131を支軸108の回転に伴って円滑に且つ正確に回転させることができる。
また、支軸108は、テンションプーリ106の回転軸と平行であって、一端側がテンションプーリ106側に配置され、他端側がテンションプーリ106側と反対側に配置され、操作部132は、支軸108の他端側に設けられている。
この構成によれば、操作部132が支軸108の他端側(テンションプーリ106側と反対側)に配置されているため、テンションプーリ106側に配置される他の機器(ラジエータ46等)が操作部132を操作する際の妨げとならず、操作部132の操作性に優れる。
また、操作部132は、可動部材131に固定された第1固定部材133と、ブラケット110に固定された第2固定部材134と、第1固定部材133と第2固定部材134との間の距離を調整可能な調整機構135と、を有する。
この構成によれば、調整機構135によって第1固定部材133と第2固定部材134との間の距離を調整することによって、可動部材131の第1固定部材133に固定された部位と、ブラケット110の第2固定部材134が固定された部位との距離を変化させることができる。これにより、調整機構135による直線動作(第1固定部材133と第2固定部材134との間の距離の調整)を、ブラケット110に対する可動部材131の回転動作に変換することができる。
また、調整機構135は、一端側が第1固定部材133に固定され且つ他端側が第2固定部材134に挿通された雄ねじ部材135aと、他端側において第2固定部材134に当接し且つ雄ねじ部材135aに螺合された雌ねじ部材135bと、を有する。
この構成によれば、雌ねじ部材135bを回転させることによって、雄ねじ部材135aを雌ねじ部材135bに対して進退させることができる。これにより、第1固定部材133と第2固定部材134との間の距離の調整を容易に行うことができる。つまり、雌ねじ部材135bを回転させるという簡単な操作で、可動部材131をブラケット110に対して回転させることができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。