JP2004108019A - 建設機械の作業腕及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対向配置される側部材16と、この側部材16の上側に設けた背部材17と、前記側部材16の下側に設けた腹部材18とからなる建設機械における箱型の作業腕において、前記作業腕を構成する側部材16に、その側部材16に作用する高応力箇所に相当する強度補強用の板部材20を、前記側部材16に作用する主応力に沿う溶接線21によって固定したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【産業上の利用分野】
本発明は建設機械の作業腕及びその製造方法に係り、更に詳しくは建設機械におけるアーム、ブーム等の作業腕の剛性を確保することができる建設機械の作業腕及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械におけるアーム、ブーム等の作業腕は、対向配置される側部材と、その上側に設けられる背部材と、前記側部材の下側に設けられる腹部材とで箱型の形状に構成されている。この種の作業腕においては、その側部材の強度を向上させるために、その側部材の側面全体に、補強用の板材を設けることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−3956号公報。(第2頁の段落番号5、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
建設機械における作業腕には、種々の応力が作用するため、その強度に耐えうるように必要な肉厚に形成することが必要であるが、このように構成すると、作業腕の重量が増加する。この作業腕の重量増加は、建設機械の作業性の低下及び建設機械の作業馬力の増加につながるので、作業腕の強度を維持しながらその軽量化を図ることが要求されている。
【0005】
本発明は、上述の事柄に基づいてなされたもので、作業腕の強度を維持しながらその軽量化を図ることができる建設機械の作業腕及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、第1の発明は、対向配置される側部材と、この側部材の上側に設けた背部材と、前記側板材の下側に設けた腹部材とからなる建設機械における箱型の作業腕において、前記作業腕を構成する側部材に、その側部材に作用する高応力箇所に相当する強度補強用の板部材を、前記側部材に作用する主応力に沿う溶接線によって固定したことを特徴とする建設機械の作業腕にある。
【0007】
また、第2の発明は、対向配置される側部材と、この側部材の上側に設けた背部材と、前記側部材の下側に設けた腹部材とからなる建設機械における箱型の作業腕において、前記作業腕を構成する側部材に、その側部材に作用する低応力箇所に相当する部分を欠如して高応力箇所に相当する部分を有する強度補強用の板部材を、前記側部材に作用する主応力に沿う溶接線によって固定したことを特徴とする建設機械の作業腕にある。
【0008】
更に、第3の発明は、第1及び第2の発明において、前記強度補強用の板部材は、深溶け込み溶接によって、前記側部材に固定したことを特徴とする建設機械の作業腕にある。
【0009】
また、第4の発明は、対向配置される側部材と、この側板部材の上側に設けた背部材と、前記側部材の下側に設けた腹部材とからなる箱型の建設機械の作業腕の製造方法において、前記作業腕を構成する側部材に作用する低応力箇所に相当する部分を欠如して高応力箇所に相当する部分を有する強度補強用の板部材を切り出し成形し、この強度補強用の板部材を前記前記作業腕を構成する側部材に、前記前記側部材に作用する主応力に沿う溶接線によって固定し、この側部材と、前記背部材と、前記腹部材とで箱型に形成したことを特徴とする建設機械の作業腕製造方法にある。
【0010】
更に、第5の発明は、第4の発明において、前記強度補強用の板部材は、深溶け込み溶接によって、前記側部材に固定したことを特徴とする建設機械の作業腕製造方法にある。
【0011】
また、第6の発明は、第1の発明乃第3の発明のいずれかに記載の作業腕を備えた建設機械にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の作業腕及びその製造方法の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は本発明の作業腕の一実施の形態を備えた油圧ショベルを示すもので、この図1において、1は油圧ショベルの本体、2は本体1の側部に設けた走行体、3は本体1上に旋回可能に搭載された旋回体、4は旋回体3に設けた旋回フレームである。この旋回フレーム4上には、運転室5、機械室6およびカウンタウエイト7等が設けられている。
【0013】
8は旋回フレーム4の前部に装着された多関節アームで、この多関節アーム8は、旋回フレーム4に俯仰動可能に設けたブーム9と、このブーム9の先端側に回動可能に設けたアーム10とで構成されている。11は多関節アーム8を構成するアーム10の先端に回動可能に設けた掘削バケットである。前述した多関節アーム8を構成するブーム9、アーム10および掘削バケット11を駆動するための装置は、旋回フレーム4とブーム9との間に設けたブーム操作用のシリンダ12と、ブーム9とアーム10との間に設けたアーム操作用のシリンダ13と、リンク14を介してアーム10と掘削バケット11との間に設けたバケット操作用のシリンダ15で構成されている。
【0014】
図2は本発明の作業腕を構成するブーム9の一実施の形態を拡大して示す正面図、図3はその主応力作用状態を説明するため正面図を示すもので、これらの図において、図1と同符号のものは同一部分である。図2に示されるブーム9の図2の右側は、その基端部で、左側は先端部である。このブーム9の主要部部分は、対向する側部材16,16と、この側部材16,16の上側に溶接で固定される背部材17と、前記側部材16,16の下側に溶接で固定される腹部材18とで構成されている。19は側部材16,16の長手方向の中間部に設けたピストンロッド連結部で、このピストンロッド連結部19には、前述したブーム操作用のシリンダ12のピストンロッドが連結される。
【0015】
20は側部材16の高応力箇所に該当する部分即ちピストンロッド連結部19の部分に固定された強度補強用の板部材である。
【0016】
21は板部材20を側部材16に溶接固定する溶接線で、この溶接線21は図3に示すブーム9に作用する主応力Mに沿うように少なくとも複数条に施される。この溶接線21は例えばレーザ溶接等による深溶け込み溶接で形成される。
【0017】
次に、上述した本発明の作業腕を構成するブーム9の製造方法の一実施の形態及びその作用を説明する。まず、強度補強用の板部材20を所定の板材から切り出しする。次に、この切り出された強度補強用の板部材20を、予め用意された側部材16の高応力箇所に該当する部分に位置決めした後、複数の溶接線21を図3に示す主応力Mに沿うように施して、強度補強用の板部材20を、各側部材16の当該箇所に溶接固定する。次に、この側部材16の上側及び下側にそれぞれ背部材17、腹部材18を溶接することにより、箱型のブーム9を形成することができる。
【0018】
このように構成したことにより、側部材の高応力箇所に該当する部分に、強度補強用の板部材20を設けることができるので、当該箇所の肉厚が増加し、その箇所の強度を高めることができる。また、強度補強用の板部材20は、ブーム9に作用する主応力Mに沿うように施される溶接線21によって、側部材16に固定される。その結果、その自重の増加を抑えるながら、ブーム9の強度を高めることができる。
【0019】
なお、上述の実施の形態は、2枚の側部材16と、1枚の背部材17と、1枚の腹部材18とで箱型のブーム9に構成した場合について説明したが、各側部材16が例えば2分割、3分割状になっている場合にも、本発明を適用することができる。
【0020】
図4は本発明の作業腕を構成するアーム10の一実施の形態を拡大して示す正面図で、この図4において、図2と同符号のものは同一部分または相当する部分である。この実施の形態においては、その外周部に高応力が、その中心部に低応力が生じるので、その強度補強用の板部材20は、前述した側部材の中心部、即ち前述した低応力発生箇所に対応する部分に欠如部22を有する形状となる。
【0021】
そして、この強度補強用の板部材20は、前述した実施の形態と同様に、溶接線21によってアーム10を構成する側部材16に固定される。
【0022】
この実施の形態においても、前述した実施の形態と同様に、アーム10の自重の増加を抑えるながら、その強度を高めることができる。
【0023】
また、上記の実施の形態においては、本発明の装置を油圧ショベルに適用した場合について説明したが、他の建設機械の箱型の構造物にも適用することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の作業腕によれば、の自重の増加を抑えるながら、その強度を高めることができるので、この作業腕を備える機械の作業性を向上させることができるとともに、その機械の信頼性を高めることができる。
【0025】
また、本発明の製造方法によれば、強度補強用の板部材を予め側部材に溶接固定することができるので、この側部材と背部材と腹部材とによる箱型の作業腕の製作作業が容易である。
更に、本発明の作業腕を備えた建設機械によれば、作業腕の信頼性が向上するので、その建設機械の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業腕の一実施の形態を備えた油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】本発明の作業腕を構成するブームの一実施の形態を拡大して示す正面図である。
【図3】図2に示す本発明の作業腕を構成するブームの一実施の形態における主応力の作用状態を説明する正面図である。
【図4】本発明の作業腕を構成するアームの一実施の形態を拡大して示す正面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 走行体
3 旋回体
4 旋回フレーム
5 運転室
6 機械室
8 多関節アーム
9 ブーム
10 アーム
11 掘削バケット
12 ブームシリンダ
13 アームシリンダ
14 リンク
15 バケットシリンダ
16 側部材
17 背部材
18 腹部材
20 強度補強用の板部材
21 溶接線
Claims (6)
- 対向配置される側部材と、この側部材の上側に設けた背部材と、前記側板材の下側に設けた腹部材とからなる建設機械における箱型の作業腕において、前記作業腕を構成する側部材に、その側部材に作用する高応力箇所に相当する強度補強用の板部材を、前記側部材に作用する主応力に沿う溶接線によって固定したことを特徴とする建設機械の作業腕。
- 対向配置される側部材と、この側部材の上側に設けた背部材と、前記側部材の下側に設けた腹部材とからなる建設機械における箱型の作業腕において、前記作業腕を構成する側部材に、その側部材に作用する低応力箇所に相当する部分を欠如して高応力箇所に相当する部分を有する強度補強用の板部材を、前記側部材に作用する主応力に沿う溶接線によって固定したことを特徴とする建設機械の作業腕。
- 前記強度補強用の板部材は、深溶け込み溶接によって、前記側部材に固定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建設機械の作業腕。
- 対向配置される側部材と、この側板部材の上側に設けた背部材と、前記側部材の下側に設けた腹部材とからなる箱型の建設機械の作業腕の製造方法において、前記作業腕を構成する側部材に作用する低応力箇所に相当する部分を欠如して高応力箇所に相当する部分を有する強度補強用の板部材を切り出し成形し、この強度補強用の板部材を前記前記作業腕を構成する側部材に、前記前記側部材に作用する主応力に沿う溶接線によって固定し、この側部材と、前記背部材と前記腹部材とで箱型に形成したことを特徴とする建設機械の作業腕製造方法。
- 前記強度補強用の板部材は、深溶け込み溶接によって、前記側部材に固定したことを特徴とする請求項4に記載の建設機械の作業腕製造方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の作業腕を備えた建設機械。
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JP2011006837A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Kobe Steel Ltd | 油圧ショベルのアタッチメント |
CN103231213A (zh) * | 2013-04-19 | 2013-08-07 | 杭州凯尔达机器人科技股份有限公司 | 一种高空作业机械臂架的制造方法 |
JP2019011571A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 株式会社クボタ | 作業機 |
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