JP2019010819A - 積層発泡断熱シート、成形体及び積層発泡断熱シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層発泡断熱シート1は、鎖状オレフィン系樹脂を含有する非発泡層11と、鎖状オレフィン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含む発泡層12とが積層されてなり、発泡層12は、厚さ方向の単位厚さあたりの発泡体の平均個数が19.0個/mm以上である。
【選択図】図1
Description
非発泡層11は、鎖状オレフィン系樹脂を含有する。鎖状オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び超高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン及びブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン‐ブテン−1共重合体、エチレン‐オクテン−1共重合体及びプロピレン−ブテン−1共重合体などの共重合体が用いられる。これらの鎖状オレフィン系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。鎖状オレフィン系樹脂は、複数種を混合して用いることにより、イージーピール性(EP)を付与することもできる。これらの中でも、耐熱性及びヒートシール性に優れる観点から、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンが好ましく、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及びブロックポリプロピレンがより好ましく、ホモポリプロピレン及びランダムポリプロピレンが更に好ましい。
発泡層12は鎖状オレフィン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含有する。発泡層12の鎖状オレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び超高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン及びブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン‐ブテン−1−共重合体、エチレン‐オクテン−1−共重合体及びプロピレン−ブテン−1−共重合体などの共重合体が用いられる。これらの中でも、鎖状オレフィン系樹脂としては、耐熱性を付与する観点から、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及びブロックポリプロピレンが好ましく、ホモポリプロピレン及びランダムポリプロピレンがより好ましい。
積層発泡断熱シートは、十分な断熱性を得る観点から、非発泡層11と発泡層12とが、非発泡層11/発泡層12の順で積層された少なくとも2層の構成を含むことが好ましい。この場合、積層発泡断熱シートは、非発泡層11と発泡層12との積層比(非発泡層11:発泡層12)が、表面からのガス抜けの発生を防ぐ観点、及び十分な断熱性を得る観点から、1:2〜1:20の範囲であることが好ましく、1:3〜1:10がより好ましい。
(2) 非発泡層/発泡層/非発泡層
(3) 樹脂層(PA)/非発泡層/発泡層/非発泡層
(4) 樹脂層(PA)/樹脂層(EVOH)/非発泡層/発泡層/非発泡層
(5) 非発泡層/樹脂層(PA)/発泡層/非発泡層
(6) 非発泡層/樹脂層(PA)/樹脂層(EVOH)/発泡層/非発泡層
(7) 非発泡層/樹脂層(EVOH)/樹脂層(PA)/発泡層/非発泡層
(8) 非発泡層/樹脂層(PA)/樹脂層(EVOH)/樹脂層(PA)/発泡層/非発泡層
(9) 非発泡層/発泡層/樹脂層(PA)/樹脂層(EVOH)/樹脂層(PA)/発泡層/非発泡層
(10) 樹脂層(EVOH)/非発泡層/発泡層/非発泡層
(11) 樹脂層(PET)/非発泡層/発泡層/非発泡層
本実施の形態に係る積層発泡断熱シートの製造方法は、鎖状オレフィン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物中に発泡剤により発泡体を生成して発泡層を得る発泡層作製工程と、共押出により非発泡層と発泡層とを積層して積層発泡断熱シートを得る積層工程とを含む。この積層発泡断熱シートの製造方法においては、得られた積層発泡断熱シートを任意の条件で二次成形することにより、食品トレーなどの各種成形体を得ることが可能となる。
非発泡層としては、ランダムポリプロピレン(日本ポリプロ社製、MFR 3.5g/10分)を100質量%用いた。発泡層としては、ホモポリプロピレンA(日本ポリプロ社製、MFR 3.0g/10分)を70質量%と、環状ポリオレフィン(ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、ポリプラスチックス社製、MFR1.0g/10分、Tg138℃)を30質量%と、タルク(三福工業社製、タルク粒径19μm、濃度80%)を1.25質量%と、発泡剤A(永和化成工業社製、ポリスレンEE275F)を5質量%とをドライブレンドして用いた。非発泡層と発泡層とを単軸押出機を用いて、Tダイ法にて210℃で混練し、口金温度190℃で共押出成形した後、80℃のキャストロールで急冷製膜して積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
発泡層としてホモポリプロピレンAを60質量%と、環状ポリオレフィンを40質量%とタルクを1.25質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例1と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
発泡層として、ホモポリプロピレンB(日本ポリプロ社製、MFR 5.0g/10分)70質量%と、環状ポリオレフィンを30質量%と、タルクを1.25質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例1と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
非発泡層として、ランダムポリプロピレンを100質量%と、核剤(ソルビトール系造核剤、大日精化工業社製、PP系20%マスターバッチ)を2質量%とを用いたこと、発泡層として、ホモポリプロピレンC(日本ポリプロ社製、MFR 6.0g/10分)を70質量%と、環状ポリオレフィンを30質量%と、タルクを1.25質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例1と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
非発泡層として、ホモポリプロピレンA(日本ポリプロ社製、MFR 3.0g/10分)を100質量%用いたこと、発泡層としてホモポリプロピレンCを80質量%と、環状ポリオレフィンを20質量%と、タルクを1.25質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例1と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
発泡層として、ホモポリプロピレンCを70質量%と、環状ポリオレフィンを30質量%と、タルクを1.25質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例5と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
発泡層として、ランダムポリプロピレンを70質量%と、環状ポリオレフィンを30質量%と、タルクを1.25質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例5と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
発泡層として、ホモポリプロピレンAを100質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例5と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
発泡層として、ホモポリプロピレンAを70質量%と、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、MFR 30.0g/10分)を30質量%と、タルクを1.25質量%と、発泡剤Aを5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例5と同様にして積層発泡断熱シートを得た。得られた積層発泡断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
非発泡層として、ホモポリプロピレンD(日本ポリプロ社製、MFR 1.9g/10分)を100質量%用いたこと、及び発泡層を設けなかったこと以外は実施例5と同様にして発泡層を有しない断熱シートを得た。得られた断熱シートを下記条件により評価した。評価結果を下記表1に示す。
非発泡層を設けなかったこと、及び発泡層として、ホモポリプロピレンDを70質量%と、環状ポリオレフィンを30質量%と、タルクを1.25質量%と、発泡剤B(永和化成工業社製、ポリスレンEE405)を5質量%とをドライブレンドして用いたこと以外は実施例1と同様にして積層発泡断熱シートを得た。評価結果を下記表1に示す。
(1)発泡倍率
積層発泡断熱シートの寸法及び質量から算出した、積層発泡断熱シートのかさ密度、断面観察から算出した積層比、非発泡層の樹脂の密度を用いて、発泡層のみの密度を算出した。得られた発泡層の密度を用いて下記式(1)より発泡倍率を求めた。
発泡倍率=発泡層の樹脂組成物の密度/発泡層の密度 ・・・式(1)
○:発泡倍率が1.5倍以上5倍以下
×:発泡倍率が1.5未満又は5倍超え
断面観察写真から、幅方向に任意の測定位置を5箇所決定し、5箇所での厚さ方向の発泡体の個数をそれぞれ算出した。算出した各測定位置の厚さ方向の発泡体の個数の平均値を発泡体平均個数とした。発泡体平均個数は、発泡層全体に対する発泡体平均個数と、発泡層の単位厚みあたりの発泡層平均個数のそれぞれについて測定した。
・発泡層全体(個)
○:平均個数が6個以上
×:平均個数が6個未満
・単位厚み(個/mm)
○:平均個数が19.0個/mm以上
×:平均個数が19.0個/mm未満
TD断面観察写真から、測定対象となる発泡体10個を決定し、各発泡体の厚さ方向における直径を算出した。算出した各発泡体の直径の平均値を平均発泡径とした。
25℃の空気雰囲気下にて、JIS P8117に準拠して透気度を測定した。測定機
器としては、デジタル型王研式透気度試験機(透気度専用機、旭精工社製)を用いた。評価基準を以下に示す。
○:透気度が99999秒/dL(測定限界)
×:透気度が99999秒/dL未満
25℃の空気雰囲気下にて、JIS K 6767に準拠して、引張強度を測定した。試験片としては、幅15mm、初期長40mmの短冊形試験片を用いた。評価基準を以下に示す。
○:引張強度が10MPa以上
×:引張強度が10MPa未満
測定試料を10mm角に切り出して厚さをマイクロメータで測定し、グラファイトスプレーにて黒化処理した後、キセノンフラッシュ法(NETZSCH社製、型式:LFA447 nanoflash)を用いて熱拡散率を評価した。得られた熱拡散率の値を寸法及び質量から計算したかさ密度と、示差走査型熱量計(Perkin Elmer社製DSC Pyris1)で測定した比熱との積から熱伝導率を求めた。評価基準を以下に示す。
○:熱伝導率が0.1W/m・K以下
×:熱伝導率が0.1W/m・K超
積層発泡断熱シートの断面観察写真から、発泡層内に発泡体による空孔が積層発泡断熱シートの厚さ方向及び主面の面内方向に均一に形成されているか目視評価を行った。評価基準を以下に示す。
○:空孔が発泡層の厚さ方向及び面内方向のいずれにも均一に形成されている。
×:空孔が発泡層の厚さ方向及び面内方向の少なくとも一方に不均一に形成されている部分がある。
ランダムポリプロピレン:日本ポリプロ社製、MFR 3.5g/10分
ホモポリプロピレンA:日本ポリプロ社製、MFR 3.0g/10分
ホモポリプロピレンB:日本ポリプロ社製、MFR 5.0g/10分
ホモポリプロピレンC:日本ポリプロ社製、MFR 6.0g/10分
ホモポリプロピレンD:日本ポリプロ社製、MFR 1.9g/10分
環状ポリオレフィン:ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、ポリプラスチックス社製、MFR1.0g/10分、Tg138℃
タルク:三福工業社製、タルク粒径19μm、濃度80%
発泡剤A:永和化成工業社製、ポリスレンEE275F
発泡剤B:永和化成工業社製、ポリスレンEE405
核剤:ソルビトール系造核剤、大日精化工業社製、PP系20%マスターバッチ
ポリカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、MFR 30.0g/10分
11,11−1,11−2 非発泡層
12 発泡層
Claims (15)
- 鎖状オレフィン系樹脂を含有する非発泡層と、鎖状オレフィン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含む発泡層とが積層されてなり、
前記発泡層は、厚さ方向の単位厚さあたりの発泡体の平均個数が19.0個/mm以上であることを特徴とする、積層発泡断熱シート。 - 発泡倍率が1.5倍以上5.0倍以下である、請求項1に記載の積層発泡断熱シート。
- 前記発泡層は、鎖状オレフィン系樹脂と環状オレフィン系樹脂との重量比(鎖状オレフィン系樹脂:環状オレフィン系樹脂)が、85:15〜50:50である、請求項1又は請求項2に記載の積層発泡断熱シート。
- 前記発泡層は、未架橋樹脂を主成分とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の積層発泡断熱シート。
- 前記非発泡層は、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の積層発泡断熱シート。
- 前記非発泡層と前記発泡層とが共押出されてなる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の積層発泡断熱シート。
- 熱伝導率が0.1W/m・K以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の積層発泡断熱シート。
- 前記非発泡層と前記発泡層とが、非発泡層/発泡層の順で積層された少なくとも2層を含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の積層発泡断熱シート。
- 前記非発泡層と前記発泡層との積層比(非発泡層/発泡層)が、1:2〜1:20である、請求項8に記載の積層発泡断熱シート。
- さらに、前記非発泡層及び前記発泡層とは異なる樹脂層が少なくとも1層積層されてなり、前記樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂及びエチレン酢酸ビニル系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の積層発泡断熱シート。
- 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の積層発泡断熱シートが成形されてなることを特徴とする、成形体。
- 包装体である、請求項11に記載の成形体。
- 食品トレーである、請求項11に記載の成形体。
- 鎖状オレフィン系樹脂を含む非発泡層と、鎖状オレフィン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含む発泡層とが積層されてなる積層発泡断熱シートの製造方法であって、
鎖状オレフィン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物中に発泡剤により発泡体を生成して前記発泡層を得る発泡層作製工程と、
共押出により前記非発泡層と発泡層とを積層して積層発泡断熱シートを得る積層工程とを含むことを特徴とする、積層発泡断熱シートの製造方法。 - さらに、前記積層発泡断熱シートを成形して成形体を得る成形工程を含む、請求項14に記載の積層発泡断熱シートの製造方法。
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