JP2019010498A - 衣類の縫目拡張装置 - Google Patents

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文男 松本
Fumio Matsumoto
文男 松本
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耕一 引地
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Abstract

【課題】縁かがり縫い後に最少限の手間、時間で縫目をその全長に亘り確実、迅速かつ見栄え良く拡張することが可能で、仕上りの良い衣類の生産性向上が可能な衣類の縫目拡張装置を提供する。
【解決手段】縁かがり縫いによりJISの表記記号クラス500に分類される縫目Sが形成された生地部を縫目長手方向の両側に展開したとき、その両側の生地部UW,LWを挟んで縫目長手方向に向けて強制移送する左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rと、左右一対の生地部強制移送装置間の中央又は略中央位置に配置されて強制移送される衣類における縫目がその長手方向に沿って移動するようにガイドする縫目移動ガイド4と、縫目移動ガイドに沿って縫目が移動ガイドされる状態で左右の生地部が強制移送されるとき、該左右の生地部に縫目長手方向に対して直交する方向の引張り力fを付与して縫目をその長手方向に沿って順次拡張する縫目拡張機構5と、が備えられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、スポーツウェア、スパッツ、パンティストッキング、タイツ、ナイトウェアなどのように、重なり合った二枚の生地部の縁かがり縫いにより収縮状態の縫目が形成された衣類における前記二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開したとき、その展開した二枚の生地部の端縁が突き合わせ縫い状態となるように前記収縮状態の縫目を拡張するための使用される衣類の縫目拡張装置に関する。
対象衣類として、図13に示すスポーツウェアSWを例にとって説明すると、該スポーツウェアSWは、オーバーロックミシンを用いて、図13の矢印a,b,c,d,e,fで示す箇所に、JISの表記記号クラス500に分類される縫目Sが生地進行方向Y(図14参照)に沿って形成されるように縁かがり縫いを行うことにより作製される。JISの表記記号クラス500のうち、例えば、1本の針糸NTと上下2本のルーパ糸ULT、LLTとの計3本の糸で構成するJIS表記記号505に分類される縫目Sの構造は、図14に示すとおりであり、縁かがり縫い時に上下に重なりあっていた上部の生地部UWと下部の生地部LWとを縫目の長手方向に直交する方向、例えば左右に展開することにより、該左右の生地部UW,LWの端縁UWe、LWeが図15及び図16に示すような突き合わせ縫い状態となる。
上記のように、縁かがり縫い後に左右に展開される左右の生地部UW,LWの端縁UWe、LWeが突き合わせ縫い状態の縫目構造とすることにより、肌に接する衣類の裏面に縫目部分が突出することなく、生地部を平滑に縫い合わせて着用感を高めることが可能であるとともに、生地部の端縁を衣類の表面に露出させることなく、美観にも優れた衣類を得ることが可能である。
ところで、対象衣類が前述のスポーツウェアやパンティストッキングなどのように弾力性、伸縮性に富む生地素材を用いたものでは、針糸及びルーパ糸としてウーリー糸のような高伸度の糸が使用されることが多いために、縁かがり縫いによって形成されるJISの表記記号クラス505に分類の縫目が生地部の弾力性、伸縮性及び針糸、ルーパ糸の高伸度性の影響を受けて強い収縮状態となっており、縁かがり縫いした生地部を縫目の左右に展開して左右の生地部の端縁が図15及び図16に示す突き合わせ縫い状態となるように縫目を拡張するためには前記強い収縮状態にある縫目をその収縮力に対抗するに足りる強い引張り力が必要となる。
従来では、上記のような強い収縮状態にある縫目をその長手方向の全長に亘って拡張する作業が全面的に人手に委ねられていた。そのため、縫目を拡張するために二枚の生地部を両手で強く掴んで縫目の長手方向に対して直交する両方向に強い引張り力を付与しなければならず、膨大な作業労力(人力)を要する。また、一つの衣類の複数個所に縫目が形成されている場合や、縫目の長さが非常に長いような場合、それら複数あるいは長い縫目の全てを拡張するために多大な作業手間及び長時間を要することとなる。その結果、所定の衣類の生産性低下を招きやすく、また、縫目をその全長に亘って見栄え良く拡張して着用感及び仕上りの良い衣類を得ることがむずかしいという問題があった。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、縁かがり縫い後に、特別大きな作業労力を要することなく、また、最少限の手間、時間をかけるのみで、縫目をその全長に亘って確実かつ見栄え良く拡張することが可能で、着用感及び仕上りの良い衣類の生産性向上を達成することができる衣類の縫目拡張装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本第1発明に係る衣類の縫目拡張装置は、重なり合った二枚の生地部の縁かがり縫いにより収縮状態の縫目が形成された衣類における前記二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開したとき、その展開した二枚の生地部の端縁が突き合わせ縫い状態となるように前記収縮状態の縫目を拡張する衣類の縫目拡張装置であって、前記縁かがり縫いされた衣類における二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開した状態で前記縫目の位置を前記の直交する方向において位置決めする縫目位置決め部と、前記の直交する方向で前記縫目位置決め部の両側に配設されて前記展開された二枚の生地部を保持する一対の生地保持部と、前記縫目位置決め部による縫目の位置決め状態を保ったままで、前記一対の生地保持部に保持された前記二枚の生地部に前記縫目の長手方向に対して直交する方向の引張り力を付与することにより前記収縮状態の縫目をその長手方向の全長に亘り拡張する縫目拡張機構と、を具備することを特徴とする。
また、本第2発明に係る衣類の縫目拡張装置は、重なり合った二枚の生地部の縁かがり縫いにより収縮状態の縫目が形成された衣類における前記二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開したとき、その展開した二枚の生地部の端縁が突き合わせ縫い状態となるように前記収縮状態の縫目を拡張する衣類の縫目拡張装置であって、前記縁かがり縫いされた衣類における二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開した状態で前記二枚の生地部を挟み保持して前記縫目の長手方向に向けて強制移送する一対の生地部移送装置と、前記一対の生地部移送装置間の中央又は略中央位置に配設されて前記衣類における縫目を位置決めするとともに、前記一対の生地部移送装置により前記二枚の生地部が強制移送されるとき、前記縫目がその長手方向に沿って移動するようにガイドする縫目位置決め移動ガイドと、前記縫目位置決め移動ガイドに沿って前記縫目が位置決めされ、かつ、移動ガイドされる状態で前記衣類における二枚の生地部が前記一対の生地部移送装置により強制移送されるとき、前記二枚の生地部に前記縫目の長手方向に対して直交する方向の引張り力を付与することにより前記収縮状態の縫目をその長手方向の全長に亘り拡張する縫目拡張機構と、を具備することを特徴とする。
上記のごとき特徴を有する本第1発明に係る衣類の縫目拡張装置によれば、縁かがり縫いによって縫目が形成された二枚の生地部を縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開した状態でその二枚の生地部の縫目の位置を縫目位置決め部で位置決めするとともに、展開した二枚の生地部を一対の生地保持部に保持させるようセットしたうえ、前記縫目位置決め部による縫目の位置決め状態を保ったままで、前記縫目拡張機構を動作させることにより、二枚の生地部に縫目の長手方向に対して直交する方向の引張り力が付与されて前記縫目を機械的、自動的に拡張することが可能である。したがって、縁かがり縫い後の二枚の生地部を展開してセットするといった最少限の手間と時間をかけるのみで、また、二枚の生地部を両手で強く掴んで縫目の長手方向に対して直交する両方向に強い引張り人力をかけるといった作業労力も要することなく、縫目をその全長に亘って確実、迅速に拡張して、生地部が着用感の高い平滑な裏面と美観に優れた表面とを有する衣類を得ることができる。特に、スポーツウェアやパンティストッキングなどのように弾力性、伸縮性に富む生地素材を用い、針糸及びルーパ糸としてウーリー糸のような高伸度の糸を使用して作製される関係から縫目が強い収縮状態となる衣類であっても、その縫目を確実、迅速かつ見栄え良く拡張して仕上りの良い衣類を生産することができるといった効果を奏する。
また、本第2発明に係る衣類の縫目拡張装置によれば、縁かがり縫いによって縫目が形成された二枚の生地部を縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開した状態でその二枚の生地部を一対の生地部移送装置に挟み保持させ、かつ、前記縫目が縫目位置決め移動ガイドに位置決めされるようにセットしたうえ、前記一対の生地部移送装置を駆動させることにより、当該一対の生地部移送装置による二枚の生地部の強制移送に伴い、前記縫目拡張機構の働きによって二枚の生地部に縫目の長手方向に対して直交する方向の引張り力が付与されて前記縫目を機械的、自動的かつ連続的に拡張することが可能である。したがって、本第1発明と同様に、縁かがり縫い後の二枚の生地部を展開してセットするといった最少限の手間と時間をかけるのみで、また、二枚の生地部を両手で強く掴んで縫目の長手方向に対して直交する両方向に強い引張り人力をかけるといった作業労力も要することなく、縫目をその全長に亘って確実、迅速に拡張して、生地部が着用感の高い平滑な裏面と美観に優れた表面とを有する衣類を得ることができる。特に、スポーツウェアやパンティストッキングなどのように弾力性、伸縮性に富む生地素材を用い、針糸及びルーパ糸としてウーリー糸のような高伸度の糸を使用して作製される関係から縫目が強い収縮状態となる衣類であっても、衣類を形成する二枚を生地部を縫目の長手方向に均等に強制移送しながら、その縫目を確実、迅速かつ見栄え良く拡張して仕上りの良い衣類の生産性向上を達成することができるといった効果を奏する。
本第1発明に係る衣類の縫目拡張装置において、前記一対の生地保持部は、前記の直交する方向で前記縫目位置決め部の両側に配設されて前記二枚の生地部を保持して該二枚の生地部を前記縫目の長手方向に向けて強制移送する一対の生地部移送装置から構成されていることが好ましい。
この場合は、縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開した二枚の生地部を一対の生地部移送装置に挟み保持させて縫目の長手方向に向けて均等かつ連続的に強制移送することが可能で、二枚の生地部が捩れたり、蛇行したりすることがなく、縫目をその全長にわたって仕上がり良く、また、能率よく拡張することができる。
また、本第1発明に係る衣類の縫目拡張装置において、前記位置決め部は、前記衣類における前記二枚の生地部が前記一対の生地部移送装置により前記縫目の長手方向に向けて移動されるとき、前記縫目が該縫目の長手方向に沿って移動するようにガイドする縫目移動ガイドを有することが好ましい。
この場合は、二枚の生地部間の縫目を位置決め部で位置決めした状態で生地を縫目の長手方向に向けて移送させた際に、縫目移動ガイドが縫目の長手方向に向けての移動をガイドしてくれるので、縫目拡張装置からの生地部、つまり、衣類の取り出しを容易かつスムーズに行うことができる。
また、本第1発明に係る衣類の縫目拡張装置において、前記縫目拡張機構は、前記衣類における前記縫目が前記縫目位置決め部により位置決めされた状態で前記一対の生地保持部により保持された二枚の生地部を、前記の直交する方向に強制移動させることにより前記引張り力を付与するように構成されているものであってもよい。
この場合は、例えば幼児用衣類のように縫目の長手方向の長さが短い縫目を拡張する際に好適に用いることが可能で、拡張機構は一対の生地保持部を前記直交する方向に強制移動させるだけの非常に単純なものでよく、縫目拡張機構を構造的に簡単かつ低コストに構成することができる。
また、本第1発明及び本第2発明に係る衣類の縫目拡張装置において、前記一対の生地部移送装置が、それぞれ移送面を互いに対向させて配置された一組の移送装置から構成されていることが好ましい。
この場合は、縁かがり縫い後、縫目の両側に展開された二枚の生地部がそれぞれ一組の移送装置の対向する移送面間に挟み保持されて移送されることになるため、二枚の生地部を確実かつ均等に所定方向に強制移送することが可能となり、一層仕上りのよい衣類を得ることができる。
また、本第1発明及び本第2発明に係る衣類の縫目拡張装置において、前記一組の生地部強制移送装置は、それぞれ移送面を互いに対向させて配置された一組の無端ベルトから構成され、そのうち一方の無端ベルトが駆動モータに連動連結されて駆動回転式に構成されているとともに、他方の無端ベルトは従動回転式に構成されていることが好ましい。
この場合は、縁かがり縫い後、縫目の両側左右に展開された二枚の生地部が対向配置された一対の無端ベルト間に挟まれた状態で、一方の無端ベルトの駆動回転に伴い他方の無端ベルトを従動回転させながら強制移送されることになるため、二枚の生地部には殆ど移送抵抗がかからず、これら二枚の生地部をスムーズに強制移送させて所定の縫目拡張機能を確実かつ円滑に発揮させることが可能である。
また、本第2発明に係る衣類の縫目拡張装置において、前記縫目拡張機構は、前記一対の生地部移送装置による移送面に対して移送方向の上流側から下流側にかけて漸次離間するように傾斜したカム面を前記縫目位置決め移動ガイドに形成して構成されているものであってもよい。
この場合は、縁かがり縫い後、縫目の両側に展開された一対の生地部が、前記一対の生地部移送装置によって強制移送される際、その移送方向の下流側にいくに従って次第に引張り力を漸増させることが可能であるため、特に、強力な収縮状態にある縫目に対しても生地部に無理な力をかけることなく、縫目を確実、スムーズに拡張することができる。
特に、前記縫目位置決め移動ガイドに形成の傾斜カム面は、その傾斜角度が調節可能に構成されていることが望ましい。
この場合は、生地素材の弾力性、伸縮性及び使用する糸の伸度によって異なる縫目の収縮状態に応じて前記傾斜カム面の傾斜角度を調節することにより、いかなる収縮状態の縫目を対象とする場合でも、該縫目をその全長に亘って確実かつ安定的に拡張することができる。
更に、本第1発明及び本第2発明に係る衣類の縫目拡張装置において、前記縁かがり縫いにより形成される縫目が、JISの表記記号クラス500に分類されるものであることが好ましい。
この場合は、縁かがり縫いにより形成される縫目がJISの表記記号クラス500に分類されるものであって、例えば、JIS表記記号505のような針糸の張力が低い(又は緩い)状態の縫目であるならば、上記の縫目拡張を一層確実かつ安定的に行うことができる。
本発明の第一実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置全体の斜視図である。 同上衣類の縫目拡張装置全体の左側面図である。 同上衣類の縫目拡張装置の要部の左側面図である。 同上衣類の縫目拡張装置の要部の拡大斜視図である。 同上衣類の縫目拡張装置の要部で一部を省略した拡大斜視図である。 同上衣類の縫目拡張装置による縫目拡張動作状態を説明する要部の拡大平面図である。 本発明の第二実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置による縫目拡張動作状態を説明する要部の拡大平面図である。 本発明の第三実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置による縫目拡張動作状態を説明する要部の拡大平面図である。 本発明の第四実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置による縫目拡張動作状態を説明する要部の拡大平面図である。 本発明の第五実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置の要部の斜視図である。 本発明の第五実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置による縫目拡張動作状態を説明する要部の拡大平面図である。 本発明の第六実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置であって、(a),(b),(c)は縫目拡張動作状態を説明する要部の側面図である。 縁かがり縫いによってJISの表記記号クラス500に分類される縫目が形成される衣類の一例としてのスポーツウェアの斜視図である。 JIS表記記号505に分類される縫目の構造を示す要部の拡大斜視図である。 縁かがり縫いした生地部を縫目の左右に展開したときの縫目の構造を生地表面側から見た要部の拡大平面図である。 同上縁かがり縫いした生地部を縫目の左右に展開したときの縫目の構造を生地裏面側から見た要部の拡大平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明の第一実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置全体の斜視図、図2は同上衣類の縫目拡張装置全体の左側面図、図3は同上衣類の縫目拡張装置の要部の左側面図、図4は同上衣類の縫目拡張装置の要部の拡大斜視図、図5は同上衣類の縫目拡張装置の要部で一部を省略した拡大斜視図である。
上記衣類の縫目拡張装置Mは、水平基台1上に略垂直姿勢に固定設置された側面視が逆コの字形状の枠フレーム2と、該枠フレーム2の下側水平フレーム部2Lの前端部付近に固定の支持台8の上部に配設されて、オーバーロックミシンを用いてJISの表記記号クラス505に分類される縫目S(図14参照)が形成されるよう縁かがり縫いされた後の衣類における前記縫目Sの縫目長手方向に対して直交する方向の両側、つまり、水平面でいう左右両側に展開される左右二枚の生地部UW、LWを上下から保持して、前記縫目Sの長手方向に向けて矢印Y方向に強制移送する左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rと、これら左右一対の生地部強制移送装置3L,3R間の中央又は略中央位置に配置されて、左右の生地部UW、LWの縫目Sを位置決めして、移送される衣類における前記縫目Sが該縫目Sの長手方向に沿って移動するようにガイドする縫目移動ガイド4と、前記衣類が前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rにより強制移送されるとき、前記縫目Sをその長手方向に沿って順次拡張する縫目拡張機構5と、を備えている。
前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rは、図2〜図5に明示されているように、それぞれ移送面を上下に対向して配置された上下一対を一組とする移送装置としての上下一対の無端ベルト3LU,3LL、3RU,3RLから構成されている。第一実施の形態では、上下一対の無端ベルト3LU,3LL、3RU,3RLから構成される生地部強制移送装置3L,3Rが、左右二枚の生地部UW、LWを保持する左右一対の生地保持部であり、図6に示すように、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rは、左右二枚の生地部UW、LWの縫目Sの長手方向、即ち、後に詳述する当該縫目Sの位置決めをするための位置決め部となる縫目移動ガイド4に対して左右対称又は略左右対称位置に配置されている。前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rのいずれも上部の無端ベルト3LU,3RUは、前記枠フレーム2の中間垂直フレーム部2Mに固定支持された駆動モータ6に中継用伝動ベルト7を介して連動連結されて駆動回転式に構成されている一方、下部の無端ベルト3LL,3RLは、非駆動で上部の無端ベルト3LU,3RUとの間に生地部を挟んで移送するときに移送面が同一方向へ向けて移動するような従動回転式に構成されている。
尚、左右の生地部UW、LWを保持するとは、挟む、或いは押えるなどして左右の生地部UW、LWを保持することを意味する。
また、前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rのうち上部の無端ベルト3LU,3RUは、図1〜図3に明示されているように、前記枠フレーム2の上側水平フレーム部2Uの前端部に固定の上下スライドレール9に沿って上下に昇降可能に支持された昇降部材10の下部に装着されており、該昇降部材10がシリンダ11を介してスライドレール9に沿って駆動昇降されることにより、図2に示すように、前記上部の無端ベルト3LU,3RUの各移送面を下部の無端ベルト3LL,3RLの各移送面に接近させて衣類の左右二枚の生地部を挟んで強制移送する状態と、図3に示すように、前記(矢印X方向)に抜き出し可能とする状態と、に切替可能に構成されている。
前記縫目移動ガイド4は、図4及び図5に明示されているように、二枚の板状部材4a,4aを左右に間隔を隔てて互いに平行に配置することで、該二枚の板状部材4a,4a間に前記衣類における縫目Sを落とし込み保持して縫目Sの移動をガイドする縫目移動ガイド溝部4bが形成されている。この縫目移動ガイド4は、前記二枚の板状部材4a,4aの略水平下辺部を前記固定の支持台8の上面に固定することにより、前記左右一対の生地部強制移送装置3L及び3R間の中央又は略中央位置に配置されている。該縫目移動ガイド4における縫目移動ガイド溝部4bは、縫目Sを落とし込み保持させることにより、縫目Sの位置決めを行う縫目位置決め部を構成している。
また、前記縫目移動ガイド4には、図3及び図5に最も明瞭に示されているように、前記二枚の板状部材4a,4aの上辺部それぞれに前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rによる略水平な移送面に対して前記移送方向Yの上流側から下流側にかけて漸次上方に離れるように、つまり、前記移送方向Yの下流側ほど漸次高くなるように傾斜したカム面5a,5aが形成されている。このカム面5a,5aは、衣類が保持された保持面に対して当該保持面と離間した位置に形成されているので、カム面5a,5aと保持面のそれぞれの面の高さ位置が異なっている。尚、カム面5a,5aとは、曲面または傾斜面、或いはその両方からなる面を意味するものとする。この縫目移動ガイド4におけるカム面5a,5aが、前記衣類を前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rにより強制移送するとき、カム面5a,5aと生地部強制移送装置3L,3Rにより保持された前記衣類の保持面との面間隔が前記移送方向Yの下流側ほど漸次離間することによって、左右二枚の生地部に縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力を付与して前記縫目Sをその長手方向に沿って順次拡張する縫目拡張機構5を構成している。
また、該縫目拡張機構5を構成するカム面5a,5aの最大高さを調節可能とするために前記縫目移動ガイド4は、その略水平下辺部の前記固定の支持台8への固定位置を上下に変更可能に構成されている。これは、生地素材の弾力性、伸縮性及び使用する糸の伸度によって異なる縫目Sの収縮状態に応じてカム面5a,5aの最大高さを調節することにより、いかなる収縮状態の縫目Sを対象とする場合でも、該縫目Sをその全長に亘って確実かつ安定的に拡張することができるように工夫されたものである。
なお、いかなる収縮状態の縫目Sを対象とする場合でも、該縫目Sをその全長に亘って確実かつ安定的に拡張することができるようにするための手段として、前記カム面5a,5aの傾斜角度を調節可能に構成してもよい。
次に、上記のように構成された第一実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置Mを用いて、オーバーロックミシンを用いた縁かがり縫いによってJISの表記記号クラス505に分類される図14に示すような収縮状態の縫目Sが形成された衣類、例えば、図13に示すスポーツウェアSWにおける各縫目Sを拡張する動作について説明する。
まず、JISの表記記号クラス505に分類される縫目Sが形成されたスポーツウェアSWの生地部で、縫目形成時には上下に重ね合わせられていた上下二枚の生地部UWとLWとを縫目Sの左右両側に展開した上、前記縫目Sを前記縫目移動ガイド4における縫目移動ガイド溝部4bに落とし込み保持させて位置決めするとともに、左右両側に展開した生地部UW,LWの先端部が前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rにおける上下一対の無端ベルト3LU,3LL、3RU,3RLの対向移送面間に挟み保持されるようにセットする。
この状態で、前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの駆動を開始することによって、図6に示すように、前記縫目Sが縫目移動ガイド4の縫目移動ガイド溝部4bに沿って移動ガイドされる状態で、前記左右の生地部UW,LWが左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rにより矢印Y方向に強制移送される。
そして、左右の生地部UW、LWの強制移送に伴い、該左右の生地部UW、LWで前記縫目Sの左右両脇に位置する生地部分が、前記移送方向Yの下流側に至るほど漸次高くなるように傾斜したカム面5a,5a(縫目拡張機構5)に乗り上げるように移動することによって、左右二枚の生地部UW,LWには縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力f,fが付与される。この引張り力f,fは移送方向Yの下流側ほど大きくなり、これによって、前記縫目Sが自動的かつ連続的に順次拡張されて前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rを通過後には、左右二枚の生地部UW,LWの端縁UWe、LWeが図15及び図16に示すような突き合わせ縫い状態となり、着用感の高い平滑な裏面と美観に優れた表面とを有するスポーツウェアSWに仕上げることが可能となる。
上記のように、第一実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置Mは、縁かがり縫い後の生地部を縫目Sの長手方向に対して直交する左右両側に展開してセットするといった最少限の手間と時間をかけるのみで、また、人力にて強い引張り力をかけるといった作業労力も要することなく、縫目Sをその全長に亘って確実、迅速に拡張して、生地部が着用感の高い平滑な裏面と美観に優れた表面とを有する衣類を得ることができる。特に、スポーツウェアSWやパンティストッキングなどのように弾力性、伸縮性に富む生地素材を用い、針糸及びルーパ糸としてウーリー糸のような高伸度の糸を使用して作製されることが多い関係から縫目Sが強い収縮状態となる衣類であっても、その縫目Sを自動的に確実、迅速かつ均一に拡張することができる。
また、第一実施の形態のように、前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rが、それぞれ移送面を上下に対向して配置された上下一対の移送装置としての上下一対の無端ベルト3LU,3LL、3RU,3RLから構成されている場合は、縁かがり縫い後、左右両側に展開された二枚の生地部UW,LWがそれぞれ上下一対の無端ベルト3LU,3LL、3RU,3RLの上下対向移送面間に挟まれて強制移送されることになるため、左右二枚の生地部UW,LWを確実かつ均等に所定方向に強制移送することが可能で、縫目Sを左右に均一に拡張し、一層仕上りのよい衣類を得ることができる。
また、第一実施の形態に示すように、縫目拡張機構5として、縫目移動ガイド4に左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rによる移送面に対して移送方向の上流側から下流側にかけて漸次上方に離れるように、つまり、移送方向Yの下流側ほど漸次高くなるように傾斜したカム面5a,5aを形成して構成する場合は、左右一対の生地部強制移送装置3L,3R間の中央又は略中央位置に固定的に配置される縫目移動ガイド4に傾斜カム面を形成するだけで、縫目拡張機能を発揮させることが可能であり、縫目拡張機構5を構造的に非常に簡単かつ低コストに構成することができる。
更に、第一実施の形態に示すように、前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rを構成する上下一対の無端ベルト3LU,3LL、3RU,3RLのうち、上部の無端ベルト3LU,3RUを、駆動モータ6に連動連結させて駆動回転式に構成する一方、下部の無端ベルト3LL,3RLは、非駆動で上部の無端ベルト3LU,3RUとの間に生地部を挟んで移送するときに移送面が同一方向へ向けて移動するような従動回転式に構成する場合は、縁かがり縫い後、左右両側に展開された二枚の生地部UW,LWが対向配置された一対の無端ベルト間に挟まれた状態で、上部の無端ベルト3LU,3RUの駆動回転に伴い下部の無端ベルト3LL,3RLを従動回転させながら強制移送されることになるため、左右の生地部UW,LWには殆ど移送抵抗がかからず、強制移送に伴う所定の縫目拡張機能を確実かつ円滑に発揮させることが可能である。
次に、本発明の第二実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置について説明する。
第二実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置は、図7に示すように、前記縫目移動ガイド4は移送方向Yに沿って直線的な形状とする一方、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの強制移送経路を移送方向Yの下流部側ほど前記縫目移動ガイド4に対して漸次離間するように平面視において略逆ハの字形状に、すなわち、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの左右一端部間3LA,3LAの距離D1と、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの左右他端部間3LB,3LBの距離D2が、D1<D2となるように形成している。この場合は、D1<D2の関係に設定された左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rが左右二枚の生地部UW、LWを保持する左右一対の生地保持部を構成するとともに、前記縫目拡張機構5も兼ねて構成する。その他の構成は、第一実施の形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
この第二実施の形態の場合も上記第一実施の形態と同様に、縁かがり縫い後、左右に展開された左右二枚の生地部UW,LWが左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rによって強制移送される際、その移送方向の下流部側にいくに従って縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力f,fを漸増させることが可能であるため、特に、強力な収縮状態にある縫目Sに対しても生地部UW、LWに無理な力をかけることなく、縫目Sを確実、スムーズに拡張することができる。この第二実施の形態の場合の縫目Sの拡張幅は、D2−D1である。
次に、第三実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置について説明する。
第三実施形態に係る衣類の縫目拡張装置は、図8に示すように、前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rを、移送方向Yにおいて前後二つの移送装置F3L,F3RとR3L,R3Rとに分割する。そのうち、前部の分割移送装置F3L,F3Rは前記縫目移動ガイド4と共に移送方向Yに沿って直線的な形状として互いに平行に配置する一方、後部の分割移送装置R3L,R3Rは、その移送経路が移送方向Yの下流部側ほど前記縫目移動ガイド4に対して漸次離間するように平面視において略逆ハの字形状に、すなわち、左右一対の生地部強制移送装置R3L,R3Rの左右一端部間R3LA,R3LAの距離D1と、左右一対の生地部強制移送装置R3L,R3Rの左右他端部間R3LB,R3LBの距離D2が、D1<D2となるように形成されている。この場合は、前後二つの移送装置F3L、F3RとR3L,R3Rが左右二枚の生地部UW、LWを保持する左右一対の生地保持部を構成するとともに、D1<D2の関係に設定された後部の分割移送装置R3L,R3Rが前記縫目拡張機構5を構成する。その他の構成は、第一実施の形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
この第三実施の形態の場合も上記第一及び第二実施の形態と同様に、左右二枚の生地部UW,LWが左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rのうち、後部の分割移送装置R3L,R3Rによって強制移送される際、その移送方向の下流部側にいくに従って縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力f,fを漸増させることが可能で、強力な収縮状態にある縫目Sに対しても生地部に無理な力をかけることなく、縫目を確実、スムーズに拡張することができる。この第三実施の形態の場合の縫目Sの拡張幅は、D2−D1である。
次に、第四実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置について説明する。
第四実施形態に係る衣類の縫目拡張装置は、図9に示すように、前記第二実施の形態と同様に、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの強制移送経路を移送方向Yの下流部側ほど前記縫目移動ガイド4に対して漸次離間するように平面視において略逆ハの字形状に、すなわち、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの左右一端部間3LA,3LAの距離D1と、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの左右他端部間3LB,3LBの距離D2が、D1<D2となるように形成している一方、縫目移動ガイド4は、移送方向Yに沿って直線状に長く備えられてなく、左右二枚の生地部UW,LWの縫目Sの位置決めを行うために移送方向Yで短い縫目位置決め部分のみが備えられている。この場合は、D1<D2の関係に設定された左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rが左右二枚の生地部UW、LWを保持する左右一対の生地保持部を構成するとともに、前記縫目拡張機構5も兼ねて構成している。その他の構成は、第一実施の形態と同一であり、縫目拡張動作は、第二実施の形態の場合とほぼ同様であるため、それらの詳細な説明は省略する。
次に、第五実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置について説明する。
第五実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置は、図10及び図11に示すように、左右二枚の生地部UW、LWを保持する左右一対の生地保持部として上下一対の無端ベルト3L1U,3L1L、3R1U,3R1Lから成る生地部移送装置3L1,3R1が非駆動回転式に構成されている一方、これら左右一対の非駆動回転式生地部移送装置3L1,3R1の横外側位置それぞれに、駆動モータ6L,6Rに連動連結されて左右二枚の生地部UW、LWを縫目Sの長手方向に向けて矢印Y方向に強制移送するための左右一対の生地部強制移送装置3L2、3R2が設けられている。その他の構成は、第一実施の形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
この第五実施の形態の場合は上記第一実施の形態と同様に、縁かがり縫い後、左右に展開された左右二枚の生地部UW,LWが左右一対の生地部移送装置3L1,3R1に保持された状態で生地部強制移送装置3L2,3R2によって強制移送される際、該左右二枚の生地部UW、LWで前記縫目Sの左右両脇に位置する生地部分が、前記移送方向Yの下流側に至るほど漸次高くなるように傾斜したカム面5a,5a(縫目拡張機構5)に乗り上げるように移動することに伴い、左右二枚の生地部UW,LWに縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力f,fを付与させることが可能であるため、特に、強力な収縮状態にある縫目Sに対しても生地部に無理な力をかけることなく、縫目Sを確実、スムーズに拡張することができる。
特に、上記第五実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置は、左右二枚の生地部UW,LWを保持する左右一対の非駆動回転式生地部移送装置3L1,3R1の横外側位置に左右二枚の生地部UW、LWを縫目Sの長手方向に向けて矢印Y方向に強制移送するための左右一対の生地部強制移送装置3L2、3R2を配置した構成であるため、左右二枚の生地部UW,LWが広幅の場合にこれら広幅の生地部UW,LWを安定よく移送することが可能であるため、所期の縫目拡張機能を確実に発揮させることができる。
次に、第六実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置について説明する。
第六実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置は、図12に示すように、生地載置台20上に左右二枚の生地部UW,LWを縫目Sの長手方向に対して直交する方向の両側に展開した状態で前記縫目Sを落とし込み保持して該縫目Sの位置を位置決めする縫目位置決め部4としての溝部4bが形成されているとともに、前記生地載置台20の上部には、一対の生地保持部を兼用するリンク形式の縫目拡張機構5が図示省略のシリンダを介して駆動昇降自在に設けられている。
前記リンク式の縫目拡張機構5は、X型に配置された二本の可動リンク15A,15Bとこれら二本の可動リンク15A,15Bをそれらの下端部同士が互いに接離するように揺動させる動作指示リンク15Cと前記二本の可動リンク15A,15Bの下端部にそれぞれ枢支連結された一対の生地押え部材15U,15Lとから構成されている。
この第六実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置の場合は、図12の(a)に示すように、前記縫目拡張機構5を生地載置台20の上方に上昇させた状態で、縁かがり縫い後の左右二枚の生地部UW,LWを左右両側に展開して縫目Sを縫目位置決め部4の溝4b内に落し込み保持させる。次いで、図12の(b)に示すように、前記縫目拡張機構5を下降させて一対の生地押え部材15U,15Lにより左右二枚の生地部UW,LWを生地載置台20の上面に押し付けて左右二枚の生地部UW,LWを固定保持する。この状態で、図12の(c)に示すように、動作指示リンク15Cを介して二本の可動リンク15A,15Bを互いに離間する方向に揺動させることにより、左右二枚の生地部UW,LWに縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力f,fを付与させることが可能であるため、強力な収縮状態にある縫目Sに対しても生地部UW,LWに無理な力をかけることなく、縫目Sを確実、スムーズに拡張することができる。
また、この第六実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置は、一回の拡張動作によって拡張される縫目長手方向の単位拡張幅が前記一対の生地押え部材15U,15Lの縫目長手方向の幅寸法に制約されて一定であるため、例えば幼児用衣類のように縫目の長手方向の長さが前記一対の生地押え部材15U,15Lの縫目長手方向の幅寸法より短い縫目を拡張する際に好適に用いることが可能である。一方、前記一対の生地押え部材15U,15Lの縫目長手方向の幅寸法よりも長い縫目Sを対象とする場合は、左右二枚の生地部UW,LWを縫目長手方向に沿って前記単位拡張幅に相当する単位長さ毎に順送りしながら、上記の縫目拡張動作を繰り返すことによって長い縫目Sであっても拡張することが可能である。
次に、上記第一乃至第六実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置以外の他の実施の形態に係る衣類の縫目拡張装置について、図示は省略するが、簡単に説明する。
その一つは、第六実施の形態の場合とほぼ同様に、縁かがり縫い後の左右二枚の生地部UW,LWを左右両側に展開して縫目Sを縫目位置決め部4の溝4b内に落し込み保持させるとともに、左右二枚の生地部UW,LWを生地載置台20の上面に押圧し固定する。この状態で、溝4bの上方から該溝4b内の縫目Sに向けて棒状部材を強制下降移動させることにより、縫目Sを更に溝4b内の下方深くに押し込んで左右二枚の生地部UW,LWに縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力f,fを付与させ、これによって、強力な収縮状態にある縫目Sを確実、スムーズに拡張するように構成してもよい。
また、上記した各実施の形態では、前記左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rによる生地部の移送経路が水平又は略水平に形成されたものについて説明したが、生地部の移送経路が鉛直又は略鉛直に形成されたものであっても、また、上下方向に傾斜した状態に形成されたものであってもよい。
さらに、上記した第一乃至第五実施の形態では、縫目拡張機構5が、縫目移動ガイド4の上辺部に移送方向Yの下流側ほど漸次高くなるように傾斜させて形成したカム面5a,5aから構成されたものや、左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rの強制移送経路を移送方向Yの下流部側ほど前記縫目移動ガイド4に対して漸次離間するように平面視において略逆ハの字形状に形成して構成されたものについて説明したが、これ以外に、左右の生地部UW、LWが左右一対の生地部強制移送装置3L,3Rにより強制移送されるとき、それら左右の生地部UW、LWに縫目Sの長手方向に対して直交する方向の引張り力を付与することが可能な構成、例えば、多連式ローラ等を使用した縫目拡張機構を採用してもよい。
3L,3R 一対の生地部強制移送装置(一対の生地保持部)
3LU,3RU 上部の無端ベルト
3LL,3RL 下部の無端ベルト
4 縫目位置決め移動ガイド
4b 溝部(縫目位置決め部)
5a,5a 傾斜カム面(縫目拡張機構)
6 駆動モータ
M 衣類の縫目拡張装置
SW スポーツウエァ(衣類)
UW,LW 左右の生地部
UWe,LWe 生地部端縁
W1e,W2e 線状縫製端縁部
Y 強制移送方向
f 引張り力

Claims (13)

  1. 重なり合った二枚の生地部の縁かがり縫いにより収縮状態の縫目が形成された衣類における前記二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開したとき、その展開した二枚の生地部の端縁が突き合わせ縫い状態となるように前記収縮状態の縫目を拡張する衣類の縫目拡張装置であって、
    前記縁かがり縫いされた衣類における二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開した状態で前記縫目の位置を前記の直交する方向において位置決めする縫目位置決め部と、
    前記の直交する方向で前記縫目位置決め部の両側に配設されて前記展開された二枚の生地部を保持する一対の生地保持部と、
    前記縫目位置決め部による縫目の位置決め状態を保ったままで、前記一対の生地保持部に保持された前記二枚の生地部に前記縫目の長手方向に対して直交する方向の引張り力を付与することにより前記収縮状態の縫目をその長手方向の全長に亘り拡張する縫目拡張機構と、
    を具備することを特徴とする衣類の縫目拡張装置。
  2. 前記一対の生地保持部は、前記の直交する方向で前記縫目位置決め部の両側に配設されて前記二枚の生地部を保持して該二枚の生地部を前記縫目の長手方向に向けて強制移送する一対の生地部移送装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の衣類の縫目拡張装置。
  3. 前記一対の生地部移送装置は、それぞれ移送面を互いに対向させて配置された一組の移送装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の衣類の縫目拡張装置。
  4. 前記一組の移送装置は、それぞれ移送面を互いに対向させて配置された一組の無端ベルトから構成され、そのうち一方の無端ベルトがモータに連動連結されて駆動回転式に構成されているとともに、他方の無端ベルトは従動回転式に構成されている
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の衣類の縫目拡張装置。
  5. 前記位置決め部は、前記衣類における前記二枚の生地部が前記一対の生地部移送装置により前記縫目の長手方向に向けて強制移送されるとき、前記縫目が該縫目の長手方向に沿って移動するようにガイドする縫目移動ガイドを有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の衣類の縫目拡張装置。
  6. 前記縫目拡張機構は、前記衣類における前記縫目が前記縫目位置決め部により位置決めされた状態で前記二枚の生地部を前記一対の生地保持部に保持させて該二枚の生地部を前記の直交する方向に強制移動させることにより前記引張り力を付与するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の衣類の縫目拡張装置。
  7. 前記縁かがり縫いにより形成される縫目が、JISの表記記号クラス500に分類されるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の衣類の縫目拡張装置。
  8. 重なり合った二枚の生地部の縁かがり縫いにより収縮状態の縫目が形成された衣類における前記二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開したとき、その展開した二枚の生地部の端縁が突き合わせ縫い状態となるように前記収縮状態の縫目を拡張する衣類の縫目拡張装置であって、
    前記縁かがり縫いされた衣類における二枚の生地部を前記縫目の長手方向に対して直交する方向の両側に展開した状態で前記二枚の生地部を挟み保持して前記縫目の長手方向に向けて強制移送する一対の生地部移送装置と、
    前記一対の生地部移送装置間の中央又は略中央位置に配設されて前記衣類における縫目を位置決めするとともに、前記一対の生地部移送装置により前記二枚の生地部が強制移送されるとき、前記縫目がその長手方向に沿って移動するようにガイドする縫目位置決め移動ガイドと、
    前記縫目位置決め移動ガイドに沿って前記縫目が位置決めされ、かつ、移動ガイドされる状態で前記衣類における二枚の生地部が前記一対の生地部移送装置により強制移送されるとき、前記二枚の生地部に前記縫目の長手方向に対して直交する方向の引張り力を付与することにより前記収縮状態の縫目をその長手方向の全長に亘り拡張する縫目拡張機構と、
    を具備することを特徴とする衣類の縫目拡張装置。
  9. 前記一対の生地部移送装置は、それぞれ移送面を互いに対向させて配置された一組の移送装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の衣類の縫目拡張装置。
  10. 前記一組の移送装置は、それぞれ移送面を互いに対向させて配置された一組の無端ベルトから構成され、そのうち一方の無端ベルトがモータに連動連結されて駆動回転式に構成されているとともに、他方の無端ベルトは従動回転式に構成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の衣類の縫目拡張装置。
  11. 前記縫目拡張機構は、前記一対の生地部移送装置による移送面に対して移送方向の上流側から下流側にかけて漸次離間するように傾斜したカム面を前記縫目位置移動ガイドに形成して構成されている
    ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の衣類の縫目拡張装置。
  12. 前記縫目位置決め移動ガイドに形成の傾斜カム面は、その傾斜角度が調節可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載の衣類の縫目拡張装置。
  13. 前記縁かがり縫いにより形成される縫目が、JISの表記記号クラス500に分類されるものである
    ことを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の衣類の縫目拡張装置。
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