JP2018130517A - ミシンの生地移送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存のミシンにアタッチメントを付加する程度の低コスト改良を施すだけで、ラバー等が部分的又は全面的にコーティングあるいは貼り付けられた生地を縫製する場合で摩擦による抵抗を受けても確実且つスムーズに移送して仕上りのよい縫製品を得ることができるミシンの生地移送装置を提供する。【解決手段】針板2と、針1と、生地下面に作用して生地を縫製進行方向に間欠的に移送する生地下送り用送り歯5と、針板の上方に配置された押え金4と、を備えたミシンの生地移送装置であって、押え金の縫製進行方向に略直交する方向の左右両側外部に生地上面に作用して生地を、押え金下面で縫製進行方向に沿い針板に接触する長さ範囲に亘って移送する左右一対の生地上送り用ベルトが配設され、これら生地上送り用ベルトを生地下送り用送り歯に同期連動させかつ押え金の駆動昇降に連動して上下動させるベルト上下動駆動機構と、を備えている。【選択図】図4
Description
本発明は、Tシャツやスポーツシャツ等のように、前後の身頃地が先に縫い合わせられてループ状に加工された丸物生地の裾部のほつれ止めのための裾引き縫いなどを行う場合に用いられる、例えば2本針型式の横筒形二重環縫いミシンに代表されるミシンの生地移送装置に関する。
例えば、丸物生地の裾引き縫いに用いられる2本針型式の二重環縫いミシンは、丸物生地の縫製部分(端縁部を生地の裏面側に折り返し重ね合わせられた重ね合わせ生地部分)を所定の縫製進行方向に送り案内する針板と、縫製進行方向に直交する方向に並列配置されて前記針板に形成の針落ち部を通過するように上下動可能に構成された複数本(2本)の針と、前記針板の下部に配置されて針板上にセットされた生地の下面に作用して該生地を縫製進行方向に間欠的に強制移送する生地下送り用送り歯と、この下送り用送り歯に対向して前記針板の上方に駆動昇降可能に配置された押え金と、前記針の並列方向の一側部と他側部との間に亘って縫製進行方向に略直交する方向に進退動作可能なルーパと、を備えている。そして、前記生地下送り用送り歯の動作に伴い生地を針板の上面に沿い所定の縫製進行方向に間欠的に送りながら、2本の針の上下動により針板下に針糸ループを形成するとともに、これら針糸ループをルーパの進出により捉え、その捉えた針糸ループをルーパが保持するルーパ糸によりルーピングすることにより、丸物生地の縫製部分(重ね合わせ生地部分)の全周に二重環縫いの縫目を形成して裾引き縫いを行う。
上記のような構成を有する2本針型式の二重環縫いミシンにおける生地移送装置は、針板の下部に配置され、生地下面に作用して該生地を縫製進行方向に間欠的に強制移送する生地下送り用送り歯のみであって、該下送り用送り歯による強制移送時において生地の上面は、上昇位置にある押え金下面に摺接して移送されることになる。
したがって、縫製対象生地が、少なくともその縫製部分に装飾やデザイン、補強等のために、例えばラバー等の摩擦係数の大きい材料片を部分的又は全面的にコーティングあるいは貼り付けた生地である場合、前記下送り用送り歯による強制移送時に生地上面と押え金下面との間の摩擦による移送抵抗が非常に大きくなり、生地を所定通りのピッチで送ることができず縫製部分に余分な皺が寄ったり、縫製部分を真っ直ぐに送れず縫製部分が蛇行したりするなど生地送りに不具合が発生し、その結果、縫製品の見栄え及び品質低下につながるといった仕上り不良は避けられない。
したがって、縫製対象生地が、少なくともその縫製部分に装飾やデザイン、補強等のために、例えばラバー等の摩擦係数の大きい材料片を部分的又は全面的にコーティングあるいは貼り付けた生地である場合、前記下送り用送り歯による強制移送時に生地上面と押え金下面との間の摩擦による移送抵抗が非常に大きくなり、生地を所定通りのピッチで送ることができず縫製部分に余分な皺が寄ったり、縫製部分を真っ直ぐに送れず縫製部分が蛇行したりするなど生地送りに不具合が発生し、その結果、縫製品の見栄え及び品質低下につながるといった仕上り不良は避けられない。
上記のような下送り用送り歯による強制移送時に生地上面と押え金下面との間の摩擦による移送抵抗を低減して確実且つ円滑な生地移送が行えるようにするために、押え金に代えて、針板上方で下送り用送り歯に対向する位置にローラ又は無端ベルト等の上送り用回転体を配置して該回転体をステップモータ等により駆動回転させることによって、この上送り用回転体と下送り用送り歯とにより生地を挟持して該生地を縫製進行方向に強制移送するように構成した生地移送装置が従来から提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ミシンベッドの内部の下送り用送り歯に代えて、下送り用無端ベルトを設けるとともに、針板の上方で前記下送り用無端ベルトに対向する位置には生地の上面に作用する上送り用無端ベルトを設け、これら上下の無端ベルトを各別に駆動可能として縫製部分を摩擦による移送抵抗なく確実且つスムーズに直線送りできるのはもとより、曲線送りも可能にした生地移送装置も従来から提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記特許文献1及び2に示した構成を有する従来のミシンにおける生地移送装置においては、生地を下送り用送り歯と上送り用回転体との間あるいは上下の無端ベルト間に挟んで強制移送することができるので、生地の縫製部分にラバー等の摩擦係数の大きい材料片が部分的又は全面的にコーティングあるいは貼り付けられた生地を縫製対象とする場合でも、生地の縫製部分を摩擦による移送抵抗のない状態で確実且つスムーズに送ることが可能であり、送りの不具合を発生せず見栄え及び品質のよい仕上がりの縫製品を得ることができる。
しかしながら、上記した従来の生地移送装置は、旧来から存在する(既存の)ミシンの基本的構造、すなわち、針板と針と生地押え金と下送り用送り歯とを備えている既存のミシンに対し、押え金に代えて、下送り用送り歯に対向する位置にローラ又は無端ベルト等の上送り用回転体を配置する、あるいは、下送り用送り歯に代えて、ミシンベット内に下送り用無端ベルトを設けるとともに、この下送り用無端ベルトの上方対向位置に上送り用無端ベルトを設けるといったように、既存の生地移送装置に止まらずミシンベッドの内部機構を含め周辺部分の構造も大幅に改造しなければならない。これは、新機種のミシンを設計・製作するのと変わらず、縫製者においては、既存のミシンを活用できないだけでなく、コスト的に高価な新機種のミシンを新たに購入し準備しなければならず、経済的負担が大きくなるという問題があった。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、既存のミシンを大幅に改造しなくても、既存のミシンにアタッチメントを付加する程度の低コスト改良を施すだけで、ラバー等の摩擦係数の大きい材料片が部分的又は全面的にコーティングあるいは貼り付けられた生地を縫製対象とする場合でも、生地の縫製部分を確実且つスムーズに移送して仕上りのよい縫製品を得ることができるミシンの生地移送装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るミシンの生地移送装置は、生地をセットし且つ該生地の所定の縫製進行方向への送りを案内する針板と、針糸を保持して前記針板に形成された針落ち部を通過するように上下動可能に構成された針と、前記針板の下部に配置されて該針板上にセットされた生地下面に作用して該生地を前記縫製進行方向に間欠的に強制移送する生地下送り用送り歯と、前記送り歯に対向して前記針板の上方に配置され生地を前記針板に押える下降位置と押え解除する上昇位置とに駆動昇降可能に構成された押え金と、を備えたミシンの生地移送装置であって、前記押え金の縫製進行方向に略直交する方向の左右両側外部には、前記針板上にセットされた生地上面に作用して該生地を、前記押え金下面で縫製進行方向に沿い前記針板に接触する長さ範囲に亘って強制移送する左右一対の生地上送り用ベルトが配設されており、この左右一対の生地上送り用ベルトを前記生地下送り用送り歯の動作に同期連動して間欠的に駆動動作させる上送り用ベルト駆動機構と、前記左右一対の生地上送り用ベルトを前記押え金の駆動昇降に連動して生地上面に接触又は離間させるように上下動させるベルト上下動駆動機構と、を備えていることを特徴とする。
上記のごとき特徴を有する本発明に係るミシンの生地移送装置によれば、針板上にセットされた生地の縫製部分の下面に下送り用送り歯を、かつ、縫製部分の上面に左右一対の生地上送り用ベルトを作用させて、これら送り歯及びベルトを同期連動させて駆動することにより、生地の縫製部分を押え金下面に摺接させながらも強制移送することが可能である。したがって、縫製部分にラバー等の摩擦係数の大きい材料片が部分的又は全面的にコーティングあるいは貼り付けられた生地を縫製対象とする場合であっても、生地の縫製部分を押え金下面への摺接に伴い摩擦抵抗を受けながらも、送りの停滞等を招くことなく確実且つスムーズに移送することができ、送りの不具合を発生しないで見栄え及び品質のよい仕上がりの縫製品を得ることができる。
しかも、既存のミシンを大幅に改造することなく、既存のミシンが備えている基本的構造はそのまま残して、左右一対の生地上送り用ベルト、該上送り用ベルト駆動機構及びベルト上下動駆動機構といった各構成をアタッチメントとして付加する程度の簡単且つ低コスト改良を施すのみで、上述のような摩擦による移送抵抗が増大する生地を縫製対象とする場合において確実且つ円滑な生地移送機能を発揮するミシンの生地移送装置を提供することができるといった効果を奏する。
しかも、既存のミシンを大幅に改造することなく、既存のミシンが備えている基本的構造はそのまま残して、左右一対の生地上送り用ベルト、該上送り用ベルト駆動機構及びベルト上下動駆動機構といった各構成をアタッチメントとして付加する程度の簡単且つ低コスト改良を施すのみで、上述のような摩擦による移送抵抗が増大する生地を縫製対象とする場合において確実且つ円滑な生地移送機能を発揮するミシンの生地移送装置を提供することができるといった効果を奏する。
本発明に係るミシンの生地移送装置において、前記左右一対の生地上送り用ベルト間の中間位置で且つ前記押え金下面の縫製進行方向下流端部よりも後部位置には、前記押え金を通過した後の生地の縫製部中間上面に作用して該生地を更に縫製進行方向下流へ向けて強制移送する中間の生地上送り用ベルトが設けられていることが好ましい。
この場合は、左右一対の生地上送り用ベルトと生地下送り用送り歯とにより押え金下面への摺接に伴い摩擦抵抗を受けながらもスムーズに押え金下面の縫製進行方向下流端部にまで移送されてきた生地の縫製部中間上面に中間の生地上送り用ベルトが作用して、該縫製部中間を引き続き縫製進行方向下流へ引き出すように強制的に移送することができる。これにより、摩擦抵抗に大きい生地であってもその縫製部分をより確実且つスムーズに所定方向に移送することができる。
この場合は、左右一対の生地上送り用ベルトと生地下送り用送り歯とにより押え金下面への摺接に伴い摩擦抵抗を受けながらもスムーズに押え金下面の縫製進行方向下流端部にまで移送されてきた生地の縫製部中間上面に中間の生地上送り用ベルトが作用して、該縫製部中間を引き続き縫製進行方向下流へ引き出すように強制的に移送することができる。これにより、摩擦抵抗に大きい生地であってもその縫製部分をより確実且つスムーズに所定方向に移送することができる。
また、中間の生地上送り用ベルトを有するミシンの生地移送装置において、前記中間の生地上送り用ベルトと前記左右一対の生地上送り用ベルトとは、前記ベルト上下動駆動機構を介して一体的に上下動されるように構成されていことが好ましい。
この場合は、針板上に生地をセットしたり、縫製後の生地を針板上からリセットしたりする際、左右一対の生地上送り用ベルト及び中間の生地上送り用ベルトを単一のベルト上下動駆動機構を用いて一体的に上下動させることができ、機構の簡素化及び動作の合理化を図ることができる。
この場合は、針板上に生地をセットしたり、縫製後の生地を針板上からリセットしたりする際、左右一対の生地上送り用ベルト及び中間の生地上送り用ベルトを単一のベルト上下動駆動機構を用いて一体的に上下動させることができ、機構の簡素化及び動作の合理化を図ることができる。
また、本発明に係るミシンの生地移送装置において、前記上送り用ベルト駆動機構は、ミシン主軸に連動して正逆往復回転する駆動軸と、該駆動軸に連結された揺動レバーと、該揺動レバーにリンクを介して連係されたクラッチ板と、該クラッチ板を固定する一方向回転クラッチを介して一方向にのみ間欠的に駆動回転されるクラッチ軸と、このクラッチ軸に取り付けられた前記生地上送り用ベルト巻回用プーリとから構成されていることが好ましい。
この場合は、高速回転するミシン主軸に連動して正逆往復回転する駆動軸の正逆往復回転を揺動レバー、リンク、クラッチ板及び一方向回転クラッチを介して一方向にのみ間欠回転するクラッチ軸に前記生地上送り用ベルトの巻回用ブーリを取り付けることによって、各生地上送り用ベルトを生地下送り用送り歯の送り動作に同期させて間欠的に駆動することが可能であり、例えばステッピングモータを用いて駆動する場合に比べて、前記生地上送り用ベルトを下送り用送り歯と同調した適正なタイミングで且つ高速に駆動制御することができる。
この場合は、高速回転するミシン主軸に連動して正逆往復回転する駆動軸の正逆往復回転を揺動レバー、リンク、クラッチ板及び一方向回転クラッチを介して一方向にのみ間欠回転するクラッチ軸に前記生地上送り用ベルトの巻回用ブーリを取り付けることによって、各生地上送り用ベルトを生地下送り用送り歯の送り動作に同期させて間欠的に駆動することが可能であり、例えばステッピングモータを用いて駆動する場合に比べて、前記生地上送り用ベルトを下送り用送り歯と同調した適正なタイミングで且つ高速に駆動制御することができる。
更に、本発明に係るミシンの生地移送装置において、前記ベルト上下動駆動機構は、前記各上送り用ベルトを一体的に保持するヨークをミシン本体に固定のヨーク取付台に対して昇降させるエアシリンダから構成されていることが好ましい。
この場合は、針板上に生地をセットしたり、縫製後の生地を針板上からリセットしたりする際、エアシリンダの作動により各上送り用ベルトを一体的に上下動させることができ、各上送り用ベルトを各別に上下動させる場合に比して、生地のセットやリセットのための操作を簡単化することができる。
この場合は、針板上に生地をセットしたり、縫製後の生地を針板上からリセットしたりする際、エアシリンダの作動により各上送り用ベルトを一体的に上下動させることができ、各上送り用ベルトを各別に上下動させる場合に比して、生地のセットやリセットのための操作を簡単化することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る2本針型式の横筒形二重環縫いミシン全体の斜視図、図2は同2本針型式の横筒形二重環縫いミシンの要部の拡大平面図、図3及び図4は図2のA−A線及びB−B線に沿った縦断面図である。
図1は本発明の実施の形態に係る2本針型式の横筒形二重環縫いミシン全体の斜視図、図2は同2本針型式の横筒形二重環縫いミシンの要部の拡大平面図、図3及び図4は図2のA−A線及びB−B線に沿った縦断面図である。
上記2本針型式の横筒形二重環縫いミシンMは、ミシン本体20の上部及び下部から左側方に向けてミシンアーム部21とミシンベッド部22とが互いに略平行に延設されている。ミシンアーム部21の内部には、ミシン主軸、縫製進行方向Yに対して略直交する方向に並列配置された左右2本の針1,1(図4参照)を上下に往復運動させる針駆動機構、生地の押え金4、該押え金4を上下に駆動昇降させる押え金昇降駆動機構やそれら各駆動機構への動力伝達機構等が組み込まれているが、それら駆動機構や動力伝達機構は周知のため、図示及び詳細な説明を省略する。
ミシンベッド部22の上面部には、針落ち位置を形成する針落ち溝部を有する針板2が固定されており、この針板2の下方部のミシンベッド部22内には、針板2上にセットされた生地W(詳細は後述する)の下面に接触作用して該生地Wを縫製進行方向Yに間欠的に強制移送する生地下送り用送り歯5、ルーパ糸を保持して前記針1,1の上下往複運動経路に略直交する左右方向に進退動作するルーパ、糸切り装置等が組み込まれている。ここで、ルーパ、糸切り装置、ルーパの進退動作機構の構成や動作等は周知のため、図示及び詳細な説明は省略する。
上記構成の2本針型式の二重環縫いミシンMには、前記した生地下送り用送り歯5の他に、生地Wの上面に作用して該生地Wを、縫製進行方向Yの下流へ向けて強制移送する左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rと中間の生地上送り用無端ベルト6Cとが設けられており、これら3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cと前記生地下送り用送り歯5とにより、二重環縫いミシンMの生地移送装置が構成されている。
また、前記3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cを前記生地下送り用送り歯5の動作(循環動作)に同期連動させて間欠的に駆動動作する上送り用ベルト駆動機構16及びこれら3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cを前記押え金4の駆動昇降に連動して生地W上面に接触させた状態と生地W上面から上方に離間させた状態とに切り替えるべく上下動させるベルト上下動駆動機構15が備えられている。
前記左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rは、図2及び図3に明示されているように、前記押え金4に対して縫製進行方向Yに略直交する方向の左右両側外部に配置されている。これら左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rは、前記押え金4の下面4aが縫製進行方向Yに沿い前記針板2に接触する長さ範囲Lに亘って生地Wの上面を強制移送し、前記押え金4の下面4aの縫製進行方向Y下流端よりも後方部では生地Wの上面から順次斜め後方上方に離れていくように張設されている。
一方、前記中間の生地上送り用無端ベルト6Cは、図2及び図4に明示されているように、前記左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6R間の中間位置に配置されている。この中間の生地上送り用無端ベルト6Cは、その送り先端部が前記押え金4の下面4aの縫製進行方向Y下流端よりも少し後部寄り位置に位置しており、前記押え金4を通過した後の生地Wの縫製部上面に作用して該生地Wを更に縫製進行方向Yに向けて掻き出し状態で強制移送するように構成されている。
また、前記左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rは、左右一対の支持台7L,7Rの縫製進行方向Y上流端部に軸支された小径プーリ8L,8Rとそれよりも縫製進行方向Yの下流上方部においてヨーク9に支承されたクラッチ軸10に取り付けられた大径プーリ11L,11Rとの間に亘って巻回張設されている。一方、前記中間の生地上送り用無端ベルト6Cは、前記左右一対のうち左の支持台7Lに連結部材12を介して連結固定された中間支持台7Cの縫製進行方向Y上流端部に軸支された小径プーリ8Cとそれよりも縫製進行方向Yの下流上方部において前記クラッチ軸10に取付けられた大径プーリ11Cとの間に亘って巻回張設されている。
前記3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cを前記押え金4の駆動昇降に連動して生地W上面に接触させた状態と生地W上面から上方に離間させた状態とに切り替えるベルト上下動駆動機構15は、前記ヨーク9をミシンアーム部21(ミシン本体20)に固定のヨーク取付台13に対して上下スライドガイド14を介して駆動昇降させるように前記ヨーク9と前記ヨーク取付台13との間に架設したエアシリンダから構成されている。
また、前記3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cを前記生地下送り用送り歯5の動作に同期連動させて間欠的に駆動動作する上送り用ベルト駆動機構16は、前記ミシンアーム部21内のミシン主軸に連動して正逆往復回転する駆動軸30と、該駆動軸30に連結されて往復揺動する揺動レバー31と、該揺動レバー31にリンク32を介して連係されたクラッチ板33と、該クラッチ板33の一端側にネジ止め固定される一方向回転クラッチ34によって一方向にのみ間欠的に駆動回転される前記クラッチ軸10及びこのクラッチ軸10に取り付けた各生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cの巻回用の大径プーリ11L,11R,11Cとから構成されている。
なお、前記左右一対の支持台7L,7Rと前記ヨーク9に連なる突出部9l,9rとの間には、前記左右一対の支持台7L,7R及び左の支持台7Lに連結固定された中間支持台7Cを前記クラッチ軸10を中心として下方へ揺動付勢するバネ35L,35Rが介在されており、これによって、前記左及び中間の生地上送り用無端ベルト6L,6Cは前記パネ35Lにより、また、右の生地上送り用無端ベルト6Rは前記バネ35Rにより縫製進行方向Yの上流側端部が生地Wの上面に弾性的に接触するように構成されている。
次に、上記のように構成された本実施の形態に係る2本針型式の横筒形二重環縫いミシンMを用いて、Tシャツの裾部など丸物生地Wの裾引き縫いを行う縫製動作について説明する。
なおここでは、縫製対象として、図5に示すように、Tシャツの裾部の縫製部分W2に装飾やデザイン、補強等のために、例えば摩擦係数の大きいラバー片Rを部分的にコーティングした丸物生地Wを用いる場合について説明する。
まず、前記押え金4の押え解除する位置への駆動上昇に連動して収縮動作するエアシリンダ15を介して前記3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cを上方へ移動させる。この状態において、丸物生地Wの裾部で、生地端縁部を生地裏面側に折返して重ね合わせた重ね合わせ生地部分(縫製部分)W2を針板2上にセットしたのち、前記押え金4を駆動下降させると共に、前記エアシリンダ15の伸長動作により前記3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cを下方へ移動させて、それらの縫製進行方向Yの上流端部を丸物生地Wの縫製部分W2の上面に接触させる。
この状態で、横筒形二重環縫いミシンMの回転作動を開始することにより、丸物生地Wの縫製部分W2が該縫製部分W2の下面に作用する生地下送り用送り歯5と上面に作用する押え金4及び左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rとによって縫製進行方向Yに向けて間欠的に強制移送されるとともに、ミシンMの回転作動に伴う左右の針1,1の上昇下降動作、ルーパの進退動作等の一連の縫製動作により、丸物生地Wの縫製部分(重ね合わせ生地部分)W2の全周に、図6に示すような二重環縫いの縫目Aを形成する裾引き縫いが行われる。
上記のような裾引き縫い時において、丸物生地Wの縫製部分W2は、下面に下送り用送り歯5を、かつ、上面に左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rを作用させて、これら送り歯5及び無端ベルト6L,6Rを同期連動させて駆動することにより、縫製部分W2の上面を押え金4の下面4aに摺接させながらも強制移送することが可能である。
それゆえ、縫製部分W2に摩擦係数の大きいラバー片Rが部分的にコーティングされた丸物生地Wを縫製対象とする場合であっても、該丸物生地Wの縫製部分W2を押え金下面4aに摺接させて摩擦抵抗を受けながらも、縫製部分W2を確実且つスムーズに縫製進行方向Y下流に移送することができ、送りの不具合を発生せず見栄え及び品質のよい仕上がりの縫製品を得ることができる。
さらに、左右一対の生地上送り用無端ベルト6l,6rと生地下送り用送り歯5とにより押え金下面4aの縫製進行方向下流端部にまで移送されてきた縫製部分W2は、該縫製部分W2の中間上面に作用する中間の生地上送り用無端ベルト6Cによって引き続き縫製進行方向下流へ引き出すように強制的に移送されることになり、縫製部分W2を所定の裾引き縫いが完了するまで移送停滞などの送り不具合を生じることなく確実、円滑且つ安定よく移送することができる。
また、既存のミシンを大幅に改造することなく、既存のミシンが備えている基本的構成、すなわち、針板2、針1,1、生地押え金4、下送り用送り歯5、ミシンベッド部22の内部機構などはそのまま残して、3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6C、該上送り用ベルト駆動機構16及びベルト上下動駆動機構15といった各構成をアタッチメントとして既存ミシンに付加する程度の簡単且つ低コスト改良を施すのみで、上述のような摩擦による移送抵抗が増大する生地を縫製対象とする場合においても確実且つ円滑な生地移送機能を発揮するミシンの生地移送装置を得ることができる。
さらに、縫製部分W2に摩擦係数の大きいラバー片Rを部分的にコーティングしたり、貼り付けたりしていない一般的な生地を縫製対象とする場合は、前記3本の生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cを生地上面に接触しないように上方に離間移動させる一方、押え金4を下降させることにより、下送り用送り歯5による縫製部分W2の移送時に生地上面を押え金4の下面4aに摺接させて、通常の縫製動作を行うように用いることも可能である。
なお、上記実施の形態においては、中間の生地上送り用無端ベルト6Cの送り先端部が前記押え金4の下面4aの縫製進行方向Y下流端よりも少し後部寄り位置に位置されて、前記押え金4を通過した後の生地Wの縫製部上面に作用して該生地Wを更に縫製進行方向Yに向けて掻き出し状態で強制移送するように構成したが、前記中間の生地上送り用無端ベルト6Cを、その送り先端部が左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rの送り終端部に対して縫製進行方向Yで一部ラップするように構成してもよい。
この場合は、前記左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rと生地下送り用送り歯5とにより間欠的に強制移送されてくる縫製部分W2を中間の生地上送り用無端ベルト6Cの送り先端部に滞りなくスムーズに移行させることが可能で、送りの不具合の発生を一層確実に回避することができる。
この場合は、前記左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rと生地下送り用送り歯5とにより間欠的に強制移送されてくる縫製部分W2を中間の生地上送り用無端ベルト6Cの送り先端部に滞りなくスムーズに移行させることが可能で、送りの不具合の発生を一層確実に回避することができる。
また、本発明の生地移送装置としては、左右一対の生地上送り用無端ベルト6L,6Rのみから構成されたものでよく、前中間の生地上送り用無端ベルト6Cは設けなくてもよい。
また、上記実施の形態においては、生地上送り用無端ベルト6L,6R,6Cの駆動機構として、ミシン主軸に連動する一方向回転クラッチ機構を使用したものについて説明したが,これに限らず、ステッピングモータを用いて駆動させるものであってもよい。
さらに、上記実施の形態では、2本針型式の横筒形二重環縫いミシンに適用したが、本縫いミシンなどに適用してもよく、また、上送り機構付きの二重環縫いミシンや本縫いミシンに適用してもよい。
1 針
2 針板
4 押え金
4a 押え金下面
5 生地下送り用送り歯
6L,6R,6C 生地上送り用無端ベルト
9 ヨーク
10 クラッチ軸
11L,11R,11C ベルト巻回用大プーリ
13 ヨーク取付台
15 ベルト上下動駆動機構
16 上送り用ベルト駆動機構
30 駆動軸
31 揺動レバー
32 リンク
33 クラッチ板
34 一方向回転クラッチ
M 二重環縫いミシン
W 縫製生地(丸物生地)
W2 縫製部分
Y 縫製進行方向
2 針板
4 押え金
4a 押え金下面
5 生地下送り用送り歯
6L,6R,6C 生地上送り用無端ベルト
9 ヨーク
10 クラッチ軸
11L,11R,11C ベルト巻回用大プーリ
13 ヨーク取付台
15 ベルト上下動駆動機構
16 上送り用ベルト駆動機構
30 駆動軸
31 揺動レバー
32 リンク
33 クラッチ板
34 一方向回転クラッチ
M 二重環縫いミシン
W 縫製生地(丸物生地)
W2 縫製部分
Y 縫製進行方向
Claims (5)
- 生地をセットし且つ該生地の所定の縫製進行方向への送りを案内する針板と、針糸を保持して前記針板に形成された針落ち部を通過するように上下動可能に構成された針と、前記針板の下部に配置されて該針板上にセットされた生地下面に作用して該生地を前記縫製進行方向に間欠的に強制移送する生地下送り用送り歯と、前記送り歯に対向して前記針板の上方に配置され生地を前記針板に押える下降位置と押え解除する上昇位置とに駆動昇降可能に構成された押え金と、を備えたミシンの生地移送装置であって、
前記押え金の縫製進行方向に略直交する方向の左右両側外部には、前記針板上にセットされた生地上面に作用して該生地を、前記押え金下面で縫製進行方向に沿い前記針板に接触する長さ範囲に亘って強制移送する左右一対の生地上送り用ベルトが配設されており、
この左右一対の生地上送り用ベルトを前記生地下送り用送り歯の動作に同期連動して間欠的に駆動動作させる上送り用ベルト駆動機構と、前記左右一対の生地上送り用ベルトを前記押え金の駆動昇降に連動して生地上面に接触又は離間させるように上下動させるベルト上下動駆動機構と、を備えている
ことを特徴とするミシンの生地移送装置。 - 前記左右一対の生地上送り用ベルト間の中間位置で且つ前記押え金下面の縫製進行方向下流端部よりも後部位置には、前記押え金を通過した後の生地の縫製部中間上面に作用して該生地を更に縫製進行方向の後方へ向けて強制移送する中間の生地上送り用ベルトが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のミシンの生地移送装置。 - 前記中間の生地上送り用ベルトと前記左右一対の生地上送り用ベルトとは、前記ベルト上下動駆動機構を介して一体的に上下動されるように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のミシンの生地移送装置。 - 前記上送り用ベルト駆動機構は、ミシン主軸に連動して正逆往復回転する駆動軸と、該駆動軸に連結された揺動レバーと、該揺動レバーにリンクを介して連係されたクラッチ板と、該クラッチ板を固定する一方向回転クラッチを介して一方向にのみ間欠的に駆動回転されるクラッチ軸と、このクラッチ軸に取り付けられた前記生地上送り用ベルト巻回用プーリとから構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のミシンの生地移送装置。 - 前記ベルト上下動駆動機構は、前記各上送り用ベルトを一体的に保持するヨークをミシン本体に固定のヨーク取付台に対して昇降させるエアシリンダから構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のミシンの生地移送装置。
Priority Applications (3)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2017043272A JP2018130517A (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | ミシンの生地移送装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018130517A true JP2018130517A (ja) | 2018-08-23 |
Family
ID=63190863
Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115045050A (zh) * | 2022-07-12 | 2022-09-13 | 广东智能体科技有限公司 | 一种服装生产用的埋夹机器人 |
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- 2017-02-16 JP JP2017043272A patent/JP2018130517A/ja active Pending
- 2017-12-29 CN CN201711475221.4A patent/CN108442043A/zh active Pending
-
2018
- 2018-01-08 TW TW107100652A patent/TW201840923A/zh unknown
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115045050A (zh) * | 2022-07-12 | 2022-09-13 | 广东智能体科技有限公司 | 一种服装生产用的埋夹机器人 |
Also Published As
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---|---|
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