JP2019009337A - プラズマ処理装置用電極板およびプラズマ処理装置用電極板の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置用電極板およびプラズマ処理装置用電極板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマエッチング処理によるエッチング量の均一性を高くすることができるプラズマ処理装置用電極板を提供する。
【解決手段】炭化ケイ素基板からなり、厚み方向に貫通する通気孔12を有するプラズマ処理装置用電極板10であって、通気孔12は、表面から0.5mm以内の領域Xにおける表面粗さRaをRaとし、前記表面から0.5mmを超える領域Yにおける表面粗さRaをRaとしたときに、下記の計算式(1)で定義される表面粗さ変動率が30%以下であることを特徴とするプラズマ処理装置用電極板。
表面粗さ変動率(%)=(Ra−Ra)の絶対値/Ra×100・・・(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置用電極板およびプラズマ処理装置用電極板の製造方法に関する。
半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置は、真空チャンバー内に、上下方向に対向配置された一対の電極が備えられている。一般に上側の電極には、プラズマ生成用のガスを通過させるための通気孔が形成されており、下側の電極は、架台となっており、ウェハなどの被処理基板が固定可能とされている。そして、上側電極の通気孔からプラズマ生成用のガスを下側電極に固定された被処理基板に供給しながら、その上側電極と下側電極間に高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、被処理基板にエッチング等の処理を行う構成とされている。
上記の構成のプラズマエッチング処理装置では、電極がエッチング処理時にプラズマの照射を受けることにより、徐々に消耗する。このため、電極の耐プラズマ性を向上させるために、電極の材料として炭化ケイ素を用いること、あるいは電極の表面に炭化ケイ素のコーティング層を設けることが検討されている。
特許文献1には、プラズマエッチング装置用電極(ガス吹き出し板)のプラズマ生成用のガスが噴き出す側の表面に、緻密質炭化ケイ素層を形成することが開示されている。この特許文献1には、炭化ケイ素緻密質炭化ケイ素層として、化学気相成長法(CVD法)により形成された炭化ケイ素層(CVD−SiC層)と、緻密な炭化ケイ素焼結体からなる焼結体層が挙げられている。
また、プラズマ処理装置用電極板にプラズマ生成用の通気孔を形成する方法としては、ドリル加工やレーザ加工が知られている。
特許文献2には、レーザ加工によってプラズマ処理装置用電極板に通気孔を形成する方法として、電極板の表面を粗面化する粗面化工程と、電極板の粗面化された表面に波長200nm〜600nmのレーザ光を照射して通気孔を形成する通気孔形成工程とを有し、レーザ光の焦点スポットを電極板の面方向に沿って旋回させることにより円形の照射エリアを形成し、この照射エリアを電極板の面方向に円運動させながら、レーザ光の焦点スポットを電極板の厚さ方向に移動させる方法が開示されている。
特開2005−285845号公報 特開2011−103456号公報
炭化ケイ素は、耐プラズマ性は高いが、硬度が高く難削材であり、また化学的に安定で化学エッチングしにくいことから、加工性・量産性の点で大きな障壁となっている。特にプラズマ処理装置用電極板において重要な通気孔の形成に際して、炭化ケイ素は硬度が高いため、通常加工に用いられるドリルでは数個の通気孔を形成した段階で折損してしまい、量産性が低い。また、ドリルで形成した通気孔は、加工ダメージ(マイクロクラック)が発生し易く、表面粗さRaが大きくなるおそれがある。プラズマ処理装置用電極板の基材がシリコンである場合は、フッ酸、硝酸、酢酸系の混酸を用いた化学エッチングによって、加工ダメージを除去でき、また通気孔の表面粗さRaを小さくすることが可能である。しかし、炭化ケイ素は化学エッチングしにくい。
このため、炭化ケイ素に対して通気孔を形成する方法としては、特許文献2に開示されているレーザ加工が有効である。しかしながら、レーザ加工で通気孔を形成すると、基板表面近傍の表面粗さRaが大きくなることがあった。通気孔の表面近傍の表面粗さRaが大きくなると、プラズマ形成用のガスの流量がばらつき易くなる。ガス流量のばらつきが大きくなると、プラズマエッチング処理による処理効率が変動し、エッチング量が不均一となるおそれがある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、プラズマエッチング処理によるエッチング量の均一性を高くすることができるプラズマ処理装置用電極板およびプラズマ処理装置用電極板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のプラズマ処理装置用電極板は、炭化ケイ素基板からなり、厚み方向に貫通する通気孔を有するプラズマ処理装置用電極板であって、前記通気孔は、表面から0.5mm以内の領域における表面粗さRaをRaとし、前記表面から0.5mmを超える領域における表面粗さRaをRaとしたときに、下記の計算式(1)で定義される表面粗さ変動率が30%以下であることを特徴としている。
表面粗さ変動率(%)=(Ra−Ra)の絶対値/Ra×100・・・(1)
このような構成とされた本発明のプラズマ処理装置用電極板は、通気孔の表面粗さ変動率が30%以下であり、通気孔の表面粗さRaの均一性が高いので、通気孔内を通るプラズマ生成用ガスの流量が均一となり易い。このため、本発明のプラズマ処理装置用電極板を用いることによって、プラズマ処理装置内にて生成するプラズマの量が安定する。したがって、本発明のプラズマ処理装置用電極板を用いることによって、プラズマエッチング処理によるエッチング量の均一性を高くすることができる。
また、本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法は、炭化ケイ素基材を用意する基材用意工程と、前記炭化ケイ素基材に、レーザ光を集光させた集光レーザ光を、前記集光レーザ光の焦点深度領域を前記炭化ケイ素基材の面方向に沿って旋回させることにより円形の照射エリアを形成させるとともに、前記炭化ケイ素基材の厚み方向に移動させながら照射することによって貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、を備え、前記貫通孔形成工程において、前記集光レーザ光の照射を、前記集光レーザ光の焦点深度領域が前記炭化ケイ素基材の表面から0.3mm以上0.8mm以下の範囲で上方となる位置から開始し、前記集光レーザ光の焦点深度領域が前記炭化ケイ素基材の表面に到達するまでの間は、前記集光レーザ光を前記円形の照射エリアの中心に向けて照射することを特徴としている。
このような構成とされた本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法によれば、前記貫通孔形成工程において、前記集光レーザ光の照射を、前記集光レーザ光の焦点深度領域が前記炭化ケイ素基材の表面から0.3mm以上0.8mm以下の範囲で上方となる位置から開始するので、集光レーザ光の照射開始時において、炭化ケイ素基材の表面に照射されるレーザ光のエネルギー量を抑えることができ、炭化ケイ素基材の表面温度が急激に上昇することを抑制することができる。また、前記集光レーザ光の焦点深度領域が前記炭化ケイ素基材の表面に到達するまでの間は、前記集光レーザ光を前記円形の照射エリアの中心に向けて照射するので、炭化ケイ素基材11aの表面が過剰に削られることを防止することができる。よって、上述のように、貫通孔(通気孔)の表面粗さ変動率が低く、通気孔内を通るプラズマ生成用ガスの流量が均一となり易く、プラズマエッチング処理によるエッチング量の均一性を高くすることができるプラズマ処理装置用電極板を得ることができる。
ここで、本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、前記集光レーザ光の出力を段階的もしくは連続的に上昇させることが好ましい。
この場合、集光レーザ光の出力を段階的もしくは連続的に上昇させることによって、集光レーザ光の照射開始時に、炭化ケイ素基材の表面に照射されるレーザ光のエネルギー量をより抑えることができるので、炭化ケイ素基材の表面温度が急激に上昇することがさらに抑制され、貫通孔の表面粗さ変動率をより確実に小さくすることが可能となる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、前記集光レーザ光を照射しながら、前記円形の照射エリアを前記炭化ケイ素基材の面方向に円運動させてもよい。
この場合は、集光レーザ光の照射エリアよりもサイズの大きい貫通孔を形成することが可能となる。
本発明によれば、プラズマエッチング処理によるエッチング量の均一性を高くすることができるプラズマ処理装置用電極板およびプラズマ処理装置用電極板の製造方法を提供することが可能となる。
本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の概略説明図であり、(a)は、斜視図であって、(b)は、(a)のb−b線断面図である。 本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板を用いたプラズマエッチング装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明する断面図である。 本実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法において有利に用いることができる集光レーザ光を説明する概念図である。 本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の製造方法における貫通孔形成工程を説明する断面図である。 従来のプラズマ処理装置用電極板の製造方法における貫通孔形成工程を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の製造方法において、集光レーザ光の照射エリアよりもサイズの大きい貫通孔を形成する方法を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の製造方法において、集光レーザ光の照射エリアよりもサイズの大きい貫通孔を形成する方法を説明する拡大平面図である。
以下に、本発明の実施形態であるプラズマ処理装置用電極板およびプラズマ処理装置用電極板の製造方法について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板は、例えば、半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置の真空チャンバー内に備えられる一対の電極のうちの上側電極として用いられるものである。
図1は、本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の概略説明図であり、(a)は、斜視図であって、(b)は、(a)のb−b線断面図である。
図1において、プラズマ処理装置用電極板10は、円板状の炭化ケイ素基板11と、炭化ケイ素基板11の厚み方向に貫通する通気孔12を有する。通気孔12は、プラズマ生成用のガスを通過させるための孔であり、複数個形成されている。
炭化ケイ素基板11の厚みは、通常は、1mmを超え30mm以下の範囲である。炭化ケイ素基板11は、例えば、炭化ケイ素(SiC)の焼結体などからなる。炭化ケイ素焼結体は、SiC粉末単独の焼結体であってもよいし、SiC粉末と焼結助剤を含む混合物の焼結体であってもよい。焼結助剤の例としては、Y粉末、Al粉末およびAlN粉末を挙げることができる。これらの焼結助剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。焼結助剤の含有量は、3質量%以上10質量%以下の範囲にあることが好ましい。
通気孔12は、図1(b)に示すように、表面から0.5mm以内の領域(表面領域)Xにおける表面粗さRaをRaとし、表面から0.5mmを超える領域(中間領域)Yにおける表面粗さRaをRaとしたときに、上記の計算式(1)で定義される表面粗さ変動率が30%以下とされている。表面粗さ変動率が低いことは、通気孔12の表面領域Xと中間領域Yとにおいて、表面粗さRaのばらつきが小さく、均一性が高いことを意味する。本実施形態では、この表面粗さ変動率が30%以下と小さく、表面粗さRaの均一性が高いので、通気孔12内を通るプラズマ生成用ガスの流量が均一となる。表面粗さ変動率は、通常は1%以上である。
表面粗さ変動率の計算式(1)において分母となる表面粗さRaは、3.0μm以下であることが好ましい。表面粗さRaは、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.4μm以下、特に好ましくは0.25μm以下である。
ここで、通気孔12の表面粗さRaおよびRaは、通気孔12の内壁面の中心線表面粗さRaである。なお、中心線表面粗さRaは、通気孔12の厚さ方向に測定した値である。中心線表面粗さRaは、以下のようにして求められる値である。
まず、接触式測定装置を用いて、粗さ曲線を測定する。次いで、測定された粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線とで囲まれた領域の面積の総和を求める。そして、この面積の総和を測定長さで割った値(単位:μm)を、中心線平均粗さRaとする。なお、表面粗さRaの測定範囲は、中間領域Yの全範囲としてもよいが、中間領域Yの一部であってもよい。ただし、表面粗さRaの測定範囲は、0.5mmもしくはそれ以上とすることが好ましい。表面粗さRaの測定範囲は、通気孔12の表面から0.5mmを超えた直後から0.5mmの範囲(例えば、通気孔12の表面から0.51mm〜1.01mmの範囲)としてもよい。
通気孔12のアスペクト比(長さ/直径)は3以上であることが好ましい。通気孔12のアスペクト比が3以上であると、プラズマがプラズマ処理装置用電極板10の背面にまで到達しにくくなり、プラズマ処理装置用電極板10の背面に配置される部材(例えば、図2の冷却板61)の消耗を抑えることができる。また、プラズマ生成用のガスの逆流を防ぐためには、通気孔12のアスペクト比は50以下であることが好ましい。
図2は、本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板を用いたプラズマエッチング装置の一例を示す概略構成図である。
プラズマエッチング装置100は、図2に示すように、真空チャンバー40内の上側に本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板10(上側電極)が設けられるとともに、下側に上下動可能な架台(下側電極)50がプラズマ処理装置用電極板10と相互間隔をおいて平行に設けられる。この場合、上側のプラズマ処理装置用電極板10は絶縁体60により真空チャンバー40の壁に対して絶縁状態に支持されているとともに、架台50の上に、静電チャック51と、その周りを囲むシリコン製の支持リング52とが設けられており、静電チャック51上に支持リング52により周縁部を支持した状態でウエハ(被処理基板)70が載置されるようになっている。また、真空チャンバー40の上側には、エッチングガス供給管41が設けられ、このエッチングガス供給管41から送られてきたエッチングガスは、拡散部材42を経由した後、プラズマ処理装置用電極板10に設けられた通気孔12を通してウエハ70に向かって流され、真空チャンバー40の側部の排出口43から外部に排出される構成とされる。一方、プラズマ処理装置用電極板10と架台50との間には、高周波電源80により高周波電圧が印加されるようになっている。
また、プラズマ処理装置用電極板10の背面には、熱伝導性に優れるアルミニウム等からなる冷却板61が固定されている。この冷却板61にも、プラズマ処理装置用電極板10の通気孔12に連通するように、通気孔12と同じピッチで貫通孔62が形成されている。そして、プラズマ処理装置用電極板10は、背面が冷却板61に接触した状態でねじ止め等によってプラズマエッチング装置100内に固定される。
次に、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の製造方法を、図3を参照して説明する。
本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の製造方法は、炭化ケイ素基材11aを用意する基材用意工程と、炭化ケイ素基材11aに、レーザ光を集光させた集光レーザ光を照射することによって貫通孔を形成する貫通孔形成工程とを備えている。
(基材用意工程)
まず、図3(a)に示すように、炭化ケイ素基材11aを準備する。
炭化ケイ素基材11aは、例えば、ホットプレスを用いて作製することができる。具体的には、SiC粉末もしくはSiC粉末と焼結助剤とを含む混合物を、成形型に充填し、ホットプレスを用いて加圧焼成することによって作製することができる。
炭化ケイ素基材11aは、表面粗さRaが0.2μm以上30μm以下の範囲にあることが好ましい。表面粗さRaがこの範囲にあると、レーザ光の吸収効率が高くなり、後述の貫通孔形成工程の作業効率が向上する。炭化ケイ素基材11aの表面粗さRaが上記の範囲となるように、炭化ケイ素基材11aの表面に粗面化処理してもよい。粗面化処理としては、平面研削盤、ラップマシン、ポリッシングマシンを用いることができる。
(貫通孔形成工程)
貫通孔形成工程では、先ず、図3(b)に示すように、炭化ケイ素基材11aの一方の表面に集光レーザ光22を照射して窪み12aを形成する。レーザ光は一定の大きさに広がったビーム径を持つため、このまま炭化ケイ素基材11aに照射しても弱い加熱しかできない。このため、本実施形態では、レーザ光を集光させた集光レーザ光22を用いる。
図4は、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法において有利に用いることができる集光レーザ光を説明する概念図である。
レーザ光としては、図4(a)に示すように、レーザ光20をレンズ21で集光させた集光レーザ光22を用いることができる。集光レーザ光は、図4(b)に示すように、最もレーザ光が集光している焦点深度領域22a(ジャストフォーカス)を有し、その先に焦点深度領域22aから拡散したデフォーカス領域22bを有する。デフォーカス領域22b内には、エネルギー密度が高く、炭化ケイ素基材11aを加工可能な収束領域22cが存在する。
この集光したレーザ光が加工対象物の表面に照射されると、加工対象物がレーザ光を吸収して原子が激しく振動する現象が生じる。この原子の振動は発熱を伴い短時間に発熱する。この状態に続けて集光レーザ光の照射を行うと、加工対象物の発熱は増して熱伝導が起こり周りの温度も急激に上昇し、集光レーザ光が照射された部分から溶融を起こし始める。エネルギー密度が高い場合は、光吸収・光熱変換・圧縮膨張・溶発のプロセスをとるアブレーション加工となる。
集光レーザ光22は、集光レーザ光22の焦点深度領域22aを炭化ケイ素基材11aの面方向に沿って旋回させることにより円形の照射エリアを形成させるとともに、炭化ケイ素基材11aの厚み方向に移動させながら照射する。ここで、集光レーザ光22を用いて炭化ケイ素基材11aに窪み12aを形成する場合、エネルギー密度が最も高い領域(レーザ光が最も集光した領域)である焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面に当たるように、集光レーザ光22を照射することが、エネルギーの利用効率の観点としては好ましいと考えられる。しかしながら、集光レーザ光22の照射開示時において、焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面に当たるように集光レーザ光22を照射すると、焦点深度領域22aとデフォーカス領域22b内の収束領域22cのエネルギーが炭化ケイ素基材11aの表面に付与されて、炭化ケイ素基材11aが過剰に除去されることがある。
そこで、本実施形態では、集光レーザ光22の照射を、集光レーザ光の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面から0.3mm以上0.8mm以下の範囲で上方となる位置から開始する。そして、集光レーザ光22の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面に到達するまでの間は、集光レーザ光22を円形の照射エリアの中心に向けて照射する。集光レーザ光22の照射をこのように行うことによって、表面粗さ変動率が低い通気孔を形成することが可能となる理由を図5と図6を参照しながら説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の製造方法における貫通孔形成工程を説明する断面図である。なお、図5において、符号23の矢印は、円形の照射エリアを表し、1点破線は、円形の照射エリアの中心を表す。
図5(a)は、集光レーザ光22の照射開始時の状態である。集光レーザ光22の照射開始時は、焦点深度領域22aの位置hが、炭化ケイ素基材11aの表面から0.3mm以上0.8mm以下の範囲の位置とされている。これにより、集光レーザ光22の照射開始時に、炭化ケイ素基材11aの表面に照射される集光レーザ光22は、デフォーカス領域22b内の収束領域22cの一部のみとなる。このため、炭化ケイ素基材11aの表面温度が急激に上昇することを抑制することができる。また、集光レーザ光22は円形の照射エリア23の中心に向けて照射されている。これにより、デフォーカス領域22b内の収束領域22cによって、炭化ケイ素基材11aの表面が過剰に削られることを防止することができる。
図5(b)は、集光レーザ光22の焦点深度領域22aを、炭化ケイ素基材11aの厚み方向に移動させた状態である。本実施形態では、集光レーザ光22の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面に到達するまでの間は、集光レーザ光22を円形の照射エリア23の中心に向けて照射する。これにより、集光レーザ光22のデフォーカス領域22b内の収束領域22cが、窪み12aの内壁面に照射されないので、窪み12aの表面が過剰に削られることを防止することができ、窪み12aの表面粗さRaを小さくすることができる。
図5(c)は、集光レーザ光22の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面に到達した状態である。集光レーザ光22の焦点深度領域22aが表面に到達した段階で、窪み12aの内壁面に集光レーザ光22の焦点深度領域22aが照射され、これによって窪み12aの内壁面の凹凸が削られて、窪み12aの表面粗さRaを小さくすることができる。
図5(d)は、集光レーザ光22の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面を超えて炭化ケイ素基材11aの厚み方向に移動させた状態である。集光レーザ光22の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面を超えた後は、集光レーザ光22の焦点深度領域22aが円形の照射エリア23を形成するように、集光レーザ光22の焦点深度領域22aを炭化ケイ素基材11aの面方向に沿って旋回させる。こうすることによって、表面粗さ変動率が低い窪み12aを形成することができる。
図6は、従来のプラズマ処理装置用電極板の製造方法における貫通孔形成工程を説明する断面図である。なお、図6において、符号23の矢印は、円形の照射エリアを表し、1点破線は、円形の照射エリアの中心を表す。
図6(a)は、集光レーザ光22の照射開始時の状態である。集光レーザ光22の照射開始時において、焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面に照射されている。また、集光レーザ光22は、焦点深度領域22aが円形の照射エリア23を形成するように照射されている。集光レーザ光22の照射開始時において、焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面に照射されることは、炭化ケイ素基材11aの表面に、焦点深度領域22aとデフォーカス領域22b内の収束領域22cのエネルギーが一時に付与される。このため、炭化ケイ素基材11aの表面温度が急激に上昇し、炭化ケイ素基材11aの表面が過剰に削れられて、窪み12aの内壁面の表面粗さRaが大きくなる。
図6(b)は、集光レーザ光22の焦点深度領域22aを、炭化ケイ素基材11aの厚み方向に移動させた状態である。集光レーザ光22の焦点深度領域22aを厚み方向に移動させると、炭化ケイ素基材11aに付与される集光レーザ光のエネルギーが徐々に分散する。このため過剰に削れられる炭化ケイ素基材11aの量が減少し、窪み12aの内壁面の表面粗さRaが徐々に小さくなる。
図6(c)は、集光レーザ光22の焦点深度領域22aを、炭化ケイ素基材11aの厚み方向にさらに移動させた状態である。集光レーザ光22の焦点深度領域22aを厚み方向にさらに移動させると、炭化ケイ素基材11aに付与される集光レーザ光のエネルギーがさらに分散する。このため過剰に削れられる炭化ケイ素基材11aの量がさらに減少し、窪み12aの内壁面の表面粗さRaが徐々にさらに小さくなる。ただし、窪み12aの表面粗さ変動率は大きくなる。
本実施形態において、集光レーザ光22の焦点深度領域22aを、炭化ケイ素基材11aの面方向に沿って旋回させる方法としては、ビームローテータを用いることができる。
円形の照射エリアの直径(ビームローテータの回転直径)は、一般に0.05mm以上0.5mm以下の範囲である。ビームローテータの回転速度は、一般に1000rpm以上5000rpm以下の範囲である。また、集光レーザ光22のデフォーカス領域22bを、炭化ケイ素基材11aの厚み方向に移動させる送り速度は、一般に0.001mm/秒以上0.1mm/秒以下である。
炭化ケイ素基材11aに強い出力で、集光レーザ光22を照射すると、炭化ケイ素基材11aの表面が急激に加熱されて、過剰に蒸発するおそれがある。このため、本実施形態では、集光レーザ光22の出力を段階的もしくは連続的に上昇させている。例えば、最終的に照射する集光レーザ光の出力に対して1/10の出力、3/10の出力、5/10の出力、7/10の出力の順に、それぞれ5秒以上20秒以下の間隔で段階的に集光レーザ光22の出力を上昇させる。
以上のようにして、炭化ケイ素基材11aの一方の表面に窪み12aを形成した後、図3(c)(d)に示すように、炭化ケイ素基材11aの窪み12aが形成されていない他方の表面に集光レーザを照射して貫通孔(通気孔12)を形成する。集光レーザを照射する条件は、窪み12aを形成する際の条件と同じである。こうすることによって、窪み12aが形成されていない他方の表面から、表面領域の表面粗さRaが小さい貫通孔を形成できる。
以上のような工程により、本実施形態であるプラズマ処理装置用電極板が製造される。このプラズマ処理装置用電極板は、さらに、表面に化学気相成長法(CVD法)により炭化ケイ素層(CVD−SiC層)を形成し、次いでそのCVD−SiC層と炭化ケイ素基材とを貫通する通気孔を形成してもよい。
また、本実施形態であるプラズマ処理装置用電極板の製造方法では、さらに、集光レーザ光22を照射しながら、円形の照射エリア23を炭化ケイ素基材11aの面方向に円運動させてもよい。こうすることによって、照射エリアよりもサイズの大きい貫通孔を形成することができる。このサイズの大きい貫通孔の形成方法について、図7と図8を用いて説明する。
図7は、サイズの大きい貫通孔を形成する方法を説明する断面図である。図8は、サイズの大きい貫通孔を形成する方法を説明する平面図である。
図7(a)に示す炭化ケイ素基材11aに対して、図7(b)および図8に示すように集光レーザ光を照射しながら、照射エリア23を炭化ケイ素基材11aの面方向に円運動させることによって、内側に円筒部32が残った円環状の溝31を形成させることができる。次いで、図7(c)(d)に示すように、炭化ケイ素基材11aの円環状の溝31が形成されていない他方の表面から、集光レーザ光を照射しながら、照射エリア23を炭化ケイ素基材11aの面方向に円運動させることによって、円環状の貫通孔が形成され、内側の円筒部32が除去されて、照射エリア23よりもサイズの大きい貫通孔(通気孔12)が形成される。
以上のような構成とされた本実施形態であるプラズマ処理装置用電極板10によれば、通気孔12の表面粗さ変動率が30%以下とされ、通気孔12の表面粗さRaの均一性が高いので、通気孔12内を通るプラズマ生成用ガスの流量が均一となり易い。このため、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板10を用いることによって、プラズマ処理装置内にて生成するプラズマの量が安定する。したがって、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板10を用いることによって、プラズマエッチング処理によるエッチング量の均一性を高くすることができる。
また、本実施形態であるプラズマ処理装置用電極板の製造方法によれば、貫通孔形成工程において、集光レーザ光22の照射が、集光レーザ光22の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材11aの表面から0.3mm以上0.8mm以下の範囲で上方となる位置から開始されるので、集光レーザ光22の照射開始時に、炭化ケイ素基材11aの表面に照射されるレーザ光のエネルギー量を抑えることができ、炭化ケイ素基材11aの表面温度が急激に上昇することを抑制することができる。また、集光レーザ光22の焦点深度領域22aが炭化ケイ素基材の表面に到達するまでの間は、集光レーザ光22が円形の照射エリア23の中心に向けて照射されるので、炭化ケイ素基材11aの表面が過剰に削られることを防止することができる。よって、上述のように、貫通孔(通気孔12)の表面粗さ変動率が低く、通気孔12内を通るプラズマ生成用ガスの流量が均一となり易く、プラズマエッチング処理によるエッチング量の均一性を高くすることができるプラズマ処理装置用電極板10を得ることができる。
また、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、集光レーザ光22の出力を段階的もしくは連続的に上昇させることによって、集光レーザ光22の照射開始時に炭化ケイ素基材11aの表面に照射されるレーザ光のエネルギー量をより抑えることができる。これにより、炭化ケイ素基材11aの表面温度が急激に上昇することがさらに抑制され、貫通孔の表面粗さ変動率をより確実に小さくすることが可能となる。
さらに、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、集光レーザ光22を照射しながら、円形の照射エリア23を炭化ケイ素基材11aの面方向に円運動させることによって、集光レーザ光22の照射エリアよりもサイズの大きい貫通孔を形成することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、プラズマ処理装置用電極板10を円板状としたが、プラズマ処理装置用電極板10の形状には特に制限はなく、角板状としてもよい。
また、本実施形態では、炭化ケイ素基板11は、炭化ケイ素の焼結体としたが、化学気相成長法(CVD法)により形成された炭化ケイ素基板であってもよく、また炭化ケイ素焼結体などの表面に、化学気相成長法(CVD法)により形成された炭化ケイ素層(CVD−SiC層)を形成した積層体などであってもよい。
さらに、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法では、貫通孔形成工程において、炭化ケイ素基材11aの一方の表面に集光レーザ光22を照射して窪み12aを形成した後、炭化ケイ素基材11aの窪み12aが形成されていない他方の表面に集光レーザ光22を照射して貫通孔(通気孔12)を形成しているが、炭化ケイ素基材11aの一方の表面に集光レーザ光22を照射して貫通孔を形成してもよい。
また、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、集光レーザ光22の出力を段階的もしくは連続的に上昇させるものとして説明したが、集光レーザ光22の出力は段階的もしくは連続的に上昇させなくてもよい。
以下に、本発明の作用効果を、実施例により説明する。
[本発明例1]
SiC粉末(純度:99.9質量%、平均粒子径:0.2μm)を用意した。用意したSiC粉末を成形型に充填し、ホットプレスを用いて2000℃、40MPaの条件で加圧焼成した。得られた焼結体を研磨加工して、直径300mm、厚み10mmの円板状のSiC焼結体基材を作製した。
作製したSiC焼結体基材を、レーザ加工機(レーザ光波長:355nm)に配置した。そして、下記の条件にて、集光レーザ光を、SiC焼結体基材の面方向に沿って旋回させることにより円形の照射エリアを形成させながら、厚み方向に深さ5mmの窪みを3個形成した。なお、集光レーザ光は、図5に示すように、集光レーザ光の焦点深度領域がSiC焼結体基材の表面に到達するまでの間は、集光レーザ光を円形の照射エリアの中心に向けて照射した。
集光レーザ光の出力:10W/秒
集光レーザ光の照射開始時の焦点深度領域の位置:SiC焼結体基材の表面から0.50mm上方
ビームローテータの回転直径:0.1mm
ビームローテータの回転数:2000rpm
周波数:7kHz
送り:0.01mm/秒
次いで、SiC焼結体基材を裏返して、レーザ加工機に配置した。そして、窪みを形成した位置に対向する位置にて、上記の条件にてレーザ加工して、貫通孔(通気孔)を形成し、プラズマ処理装置用電極板を製造した。
[本発明例2]
レーザ光の出力を、照射開始直後から5秒までの間は1W/秒、照射開始5秒から10秒までの間は3W/秒、照射開始10秒から15秒までの間は5W/秒、照射開始15秒から20秒までの間は7W/秒、照射開始20秒以降は10W/秒として、段階的に上昇させたこと以外は、本発明例1と同様にして、プラズマ処理装置用電極板を製造した。
[比較例1]
集光レーザ光の照射開示時の焦点深度の位置を、SiC焼結体基材の表面から0.25mm上方としたこと以外は、本発明例1と同様にして、プラズマ処理装置用電極板を製造した。
[比較例2]
集光レーザ光の照射開示時の焦点深度領域の位置を、SiC焼結体基材の表面から0mmとしたこと以外は、本発明例1と同様にして、プラズマ処理装置用電極板を製造した。
[評価]
本発明例1、2および比較例1、2にて製造したプラズマ処理装置用電極板について、貫通孔の表面粗さRaと、エッチングの均一性を下記の方法により評価した。その結果を、レーザ加工の条件(レーザ出力とレーザの焦点深度の位置)と共に表1に示す。
(貫通孔の表面粗さRa)
プラズマ処理装置用電極板の貫通孔を、厚さ方向に沿って半分に割り、厚さ方向における割った貫通孔の内壁面の表面粗さRaを測定した。表面粗さRaとしては、電極表面の一方の表面から0〜0.5mmの領域(表面領域)の表面粗さRaと、その表面から0.51mm〜1.01mmの領域(中間領域)の表面粗さRaを測定した。表面粗さRaは、プラズマ処理装置用電極板に作成した3個の通気孔についてそれぞれ測定した。表1に記載した表面粗さRaは貫通孔の、その3個の通気孔についてそれぞれ測定した表面粗さRaの平均値である。
なお、表1には、表面領域:Raおよび中間領域:Raと、その差(Ra−Ra)と、表面粗さ変動率[(Ra−Ra)/Ra×100]を示した。
(エッチング量の均一性)
プラズマ処理装置用電極板とウエハ(直径:152mm)とを、プラズマエッチング装置にセットした。なお、ウエハとしては、表面にCVD法によりSiO層(厚み:1mm)を形成したものを用いた。また、ウエハのSiO層上の一部に予めマスキングテープを貼り付けた。
次いで、チャンバー内圧力:10−1Torr、ガス流量比:90sccmCHF+4sccmO+150sccmHe、高周波電力:300W、エッチング処理時間:1.0分間の条件で、ウエハに対してプラズマエッチング処理を行った。
プラズマエッチング処理後、ウエハをプラズマエッチング装置から取り出して、マスキングテープを剥がし取った。マスキングテープを剥がし取った部分を基準として、エッチング処理によって削られたウエハのSiO層の深さを測定した。そして最も深くエッチングされた所の深さをAとし、最も浅くエッチングされた所の深さをBとして、下記の式よりエッチング量の均一性を算出した。なお、エッチング量の均一性は、0に近いほど均一性が高いことを表す。
エッチング均一性(%)=(A−B)/B×100
Figure 2019009337
本発明例1、2の結果から、集光レーザ光の照射開始時の焦点深度領域の位置を本発明の範囲とし、集光レーザ光の焦点深度領域がSiC焼結体基材の表面に到達するまでの間は、集光レーザ光を円形の照射エリアの中心に向けて照射することによって、表面粗さ変動率が30%以下の貫通孔を形成することが可能となることが確認された。また、その表面粗さ変動率が30%以下の貫通孔を有するSiC焼結体基材をプラズマ処理装置用電極板として用いることによって、エッチングの均一性が高くなることが確認された。
これに対して、比較例1、2の結果から、集光レーザ光の照射開始時の焦点深度領域の位置が本発明の範囲よりも低いと、表面粗さ変動率が30%以下の貫通孔を形成することが困難となることが確認された。また、その表面粗さ変動率が30%を超える貫通孔を有するSiC焼結体基材をプラズマ処理装置用電極板として用いると、エッチングの均一性が大きく低下することが確認された。
10 プラズマ処理装置用電極板
11 炭化ケイ素基板
11a 炭化ケイ素基材
12 通気孔
12a 窪み
20 レーザ光
21 レンズ
22 集光レーザ光
22a 焦点深度領域
22b デフォーカス領域
22c 収束領域
23 照射エリア
31 溝
32 円筒部
40 真空チャンバー
41 エッチングガス供給管
42 拡散部材
43 排出口
50 架台(下側電極)
51 静電チャック
52 支持リング
60 絶縁体
61 冷却板
62 貫通孔
70 ウエハ(被処理基板)
80高周波電源
100 プラズマエッチング装置

Claims (4)

  1. 炭化ケイ素基板からなり、厚み方向に貫通する通気孔を有するプラズマ処理装置用電極板であって、
    前記通気孔は、表面から0.5mm以内の領域における表面粗さRaをRaとし、前記表面から0.5mmを超える領域における表面粗さRaをRaとしたときに、下記の計算式(1)で定義される表面粗さ変動率が30%以下であることを特徴とするプラズマ処理装置用電極板。
    表面粗さ変動率(%)=(Ra−Ra)の絶対値/Ra×100・・・(1)
  2. 炭化ケイ素基材を用意する基材用意工程と、
    前記炭化ケイ素基材に、レーザ光を集光させた集光レーザ光を、前記集光レーザ光の焦点深度領域を前記炭化ケイ素基材の面方向に沿って旋回させることにより円形の照射エリアを形成させるとともに、前記炭化ケイ素基材の厚み方向に移動させながら照射することによって貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、を備え、
    前記貫通孔形成工程において、前記集光レーザ光の照射を、前記集光レーザ光の焦点深度領域が前記炭化ケイ素基材の表面から0.3mm以上0.8mm以下の範囲で上方となる位置から開始し、前記集光レーザ光の焦点深度領域が前記炭化ケイ素基材の表面に到達するまでの間は、前記集光レーザ光を前記円形の照射エリアの中心に向けて照射することを特徴とするプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
  3. 前記集光レーザ光の出力を段階的もしくは連続的に上昇させることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
  4. さらに、前記集光レーザ光を照射しながら、前記円形の照射エリアを前記炭化ケイ素基材の面方向に円運動させることを特徴とする請求項2または3に記載のプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
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