JP2019006940A - コークス炉の炉壁診断方法 - Google Patents

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徹郎 山下
明徳 吉岡
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明徳 吉岡
亮太 池▲崎▼
Ryota Ikezaki
亮太 池▲崎▼
精一朗 山同
Seiichiro Sando
精一朗 山同
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Atsushi Okada
淳 岡田
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Keiji Otsuka
啓司 大塚
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Abstract

【課題】 レーザー距離計などの光学機器を用いてコークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量を測定し、測定した体積変形量から炉壁の劣化及び老朽化の状態を判断してコークス炉の寿命を予測する。【解決手段】 本発明に係るコークス炉の炉壁診断方法は、コークス炉の炉体劣化を予測するコークス炉の炉壁診断方法であって、コークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量に基づいて炉体劣化を予測する。【選択図】 図2

Description

本発明は、コークス炉炭化室の炉壁診断方法に関し、詳しくは、レーザー距離計などの光学機器を用いてコークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量を測定し、測定した体積変形量から炉壁の劣化及び老朽化の状態を判断してコークス炉の寿命を予測する炉壁診断方法に関する。
コークス炉は、石炭をコークスに乾留するための多数の炭化室と、石炭加熱用の燃料ガスを燃焼するための多数の燃焼室とを交互に配列した構造を有する。炭化室に装入された石炭は、炭化室の両側の燃焼室内で燃焼する燃料ガスの燃焼熱によって加熱された炉壁(炭化室と燃焼室との隔壁)を介して伝達される熱により、約1000℃で約1日間程度加熱されて乾留し、コークスが生成される。生成したコークスは、押し出し機のラムビームによって炭化室から押し出しされる。このように、コークスは、炭化室への石炭装入から、生成したコークスの炭化室からの押し出しまでの一連の工程によって製造されている。
上記のように、コークス炉では、石炭装入から押し出しまでのサイクルを繰り返して行うので、炭化室の炉壁には石炭装入時のヒートショックや押し出し時の物理的負荷などが掛かり、稼働後30年以上を経過すると、炭化室の炉壁を構成する耐火煉瓦に亀裂、欠損、破孔などが発生する。炭化室の炉壁は珪石質煉瓦で構成されており、珪石質煉瓦は、800℃以上の高温域では熱膨張率がほぼ一定で温度による体積変化が少ないが、600℃以下の低温域では温度による膨張・収縮を伴い、スポーリングによって破壊するおそれがあるために、コークス炉は、機械設備のように一旦設備を完全に止めて補修を行うことができない。
したがって、コークス炉では、或る一定温度を保持したまま補修する熱間補修を行う必要があり、そのために、補修費用が高額になる。また、新規にコークス炉を建設する場合も非常に高額な設備投資となる。そのため、コークス炉の劣化予測や生産性予測を行うことは、高額な設備投資をする上での重要な判断材料となり、大きな意義を持つ。
そこで、コークス炉の炉壁状態を診断する手段が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、コークス炉の炭化室の窯口から挿入した撮影装置でコークスの押し出し毎に炉壁を撮影し、撮影された炉壁映像から、炭化室内の炉長方向複数位置に対応する炉壁画像を切り出し、切り出した炉壁画像を、コークス押し出しサイクル別に記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶された前回押し出し時の炉壁画像と、今回押し出し時に記憶された炉壁画像とをそれぞれ数値化し、同じ切り出し位置同士を比較することにより、両炉壁画像における画像の差分を計算し、この差分が、予め設定されている閾値を超えた場合に炉壁の異常として検出する、コークス炉の炉壁診断方法が提案されている。
特許文献2には、炉壁間距離測定手段を用いて、コークス炉炭化室の任意の高さにおける炉長方向複数位置の炉壁間距離をコークス製造毎に測定し、得られる実測炉壁間距離変位線のコークス製造回数の増加に伴う変化に基づいて、炉壁状態の変遷を診断する、コークス炉炭化室の診断方法が提案されている。
特許文献3には、炭化室炉壁の画像データから、炭化室の炉長方向各位置における炉壁の凹凸量を示す凹凸プロフィールを、炭化室の高さ位置別に複数生成し、複数の凹凸プロフィールから基準位置の変位の部分を抽出してこれらの差分をとることにより、基準位置が揃った凹凸プロフィールを得て、この基準位置が揃った凹凸プロフィールを炭化室の炉長方向において100mmピッチで分割し、分割した各区間において、当該凹凸プロフィールの値(凹凸量)の最小値を抽出し、その平均値を肌荒れ指数とする、コークス炉炭化室の壁面状態評価方法が提案されている。
また、特許文献4には、炭化室の炉壁のうちでコークス炉の建造時の熱間寸法に基づいた初期位置よりも張り出している張り出し部分を特定し、前記張り出し部分についての初期位置からの張り出し量を複数回測定して測定日時と張り出し量とからなるデータセットを複数把握し、測定日時と張り出し量との前記関係式に基づいて、前記張り出し部分の張り出し量が押し出しラムのラムヘッドに接触する日時を算出し、炭化室の使用可能期間を予測する、炭化室の使用可能期間予測方法が提案されている。
特開2009−57491号公報 特開2007−332382号公報 特開2012−87231号公報 特開2016−60867号公報
前述したように、コークス炉の寿命を予測することは、コークス炉の新設や老朽更新などの高額投資を判断する上で必要不可欠である。しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。
即ち、引用文献1〜3は、測定時点における炉壁の異常発生、具体的には、コークス押し出しの障害となる炉壁へのカーボン付着、炉壁破孔、炉壁の肌荒れなどは診断できるが、コークス炉の寿命を予測することはできない。
特許文献4は、炉壁のうちで初期位置よりも張り出している張り出し部分を特定し、この張り出し部分のうちで最も張り出し量の大きい部位が押し出しラムのラムヘッドに接触する日時を使用可能期限とする技術である。コークス炉の使用可能期限を、張り出し量が最も大きい一カ所の状態から推定しており、コークス炉の寿命予測という観点からは判定の対象範囲が少なく、適切な寿命判定は困難である。また、張り出し部分が押し出しラムのラムヘッドの通過位置でない場合には、判定そのものを行うことができない。
また、引用文献1〜4は、炉壁の体積変形量を用いてコークス炉炭化室の寿命を予測することは開示していない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、レーザー距離計などの光学機器を用いてコークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量を測定し、測定した体積変形量から炉壁の劣化及び老朽化の状態を判断してコークス炉の寿命を予測する、コークス炉の炉壁診断方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、研究及び検討を行った。その結果、炭化室炉壁の基準寸法に対する体積の変形量に着目した。つまり、コークスの押し出し性の悪化により操業が困難となる炭化室は、炉壁の基準寸法に対する体積変形量が或る閾値を超えているという特性があった。炉壁の体積変形量が大きいということは、炉壁煉瓦間のゆるみが大きく、石炭装入時のヒートショックや押し出し時の物理的な衝撃により、容易に炉壁が破孔して崩落する可能性があることを示している。特に、炉壁下部と炉底との間で煉瓦間のゆるみが発生すると、炉壁下部で広範囲な煉瓦崩落が起こる可能性がある。ここで、基準寸法とは、コークス炉建設時の熱間寸法である。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]コークス炉の炉体劣化を予測するコークス炉の炉壁診断方法であって、コークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量に基づいて炉体劣化を予測することを特徴とする、コークス炉の炉壁診断方法。
[2]コークス炉の炉体劣化を予測するコークス炉の炉壁診断方法であって、コークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量と該体積変形量の速度とから、前記炉壁の将来の体積変形量を求め、求めた将来の体積変形量に基づいて炉体劣化を予測することを特徴とする、コークス炉の炉壁診断方法。
[3]前記体積変形量を時系列順にA、A、A、・・・、An−1、Aとし、A−A間、A−A間、・・・、An−1−A間の挙動を、それぞれB、B、・・・、Bn−1とし、最新の測定点AとBからBn−1までの結果とを用いて、将来の測定点An+1における体積変形量を予測することを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載のコークス炉の炉壁診断方法。
本発明によれば、炭化室炉壁の基準寸法に対する体積変形量に基づいて炉体劣化を予測するので、精度良くコークス炉の劣化を予測することが実現される。その結果、操業面及び経済面で効果的な積み替えや補修の長期計画を策定することが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
コークス炉の斜視図である。 基準寸法に対する炭化室炉壁の凹凸のプロフィールの一例を示す図である。 或るコークス炉における炉壁の体積変形量のヒストグラムの一例を示す図である。 過去に測定した炉壁の体積変形量と時間経過との近似直線を示す図である。 同一炭化室における過去の測定点の炉壁体積変形量を時系列順に並べ、将来の測定点の炉壁体積変形量を予測する例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1はコークス炉の斜視図である。コークス炉1は、蓄熱室が複数並べられて構成される蓄熱部2、及び、該蓄熱部2の上部に炭化室3と燃焼室4とを複数有し、炭化室3と燃焼室4とは炉壁(図示せず)で隔てられ、交互に隣接して配置されている。炭化室3及び燃焼室4の上を、装炭車5がコークス炉1の長手方向L(複数の炭化室3及び燃焼室4が並ぶ方向)に沿って走行する。炭化室3の上壁には、炭化室3の炉長方向S(平面形状を矩形とするコークス炉1の短い辺側の方向)に沿って装入孔(図示せず)が複数形成されており、この装入孔を通じて装炭車5から、石炭が炭化室3に装入される。炭化室3の炉長方向Sの両端部には窯口3aが設けられており、窯口3aは脱着可能なコークス炉蓋(図示せず)で覆われている。炭化室3の一方の窯口3a側には押し出し機6が配置され、他方の窯口3a側にはガイド車7が配置され、押し出し機6及びガイド車7が長手方向Lに沿って走行する。
炭化室3では、装入された石炭が乾留されてコークスとなる。石炭を乾留してコークスとするには、蓄熱部2の各蓄熱室から燃料ガスを燃焼室4に供給して燃焼させ、燃料ガスの燃焼熱を燃焼室4に隣接する炭化室3に伝えて炭化室3を加熱する。燃焼室4での燃焼熱が炉壁を介して隣接する炭化室3に伝わり、炭化室3の温度が上昇して石炭が乾留される。乾留が終わった後に、窯口3aのコークス炉蓋を開放し、押し出し機6の押し出しラム(図示せず)を炭化室3に挿入し、押し出しラムで、石炭の乾留で得られたコークスを炭化室3から押し出し、押し出し機6の反対側にあるガイド車7でコークスを受け止める。ガイド車7の下側には、蓄熱部2の前を長手方向Lに沿って走行可能な消火車8が配置されており、ガイド車7から消火車8がコークスを受ける。次いで、消火車8は、コークスを所定の場所まで移動する。
コークス炉1の操業は、炭化室3への石炭の装入、及び、炭化室3からのコークスの押し出しを繰り返して行う。操業を行っているうちに、炭化室3の炉壁が損耗し、変形していく。
本発明では、炭化室3の押し出し機6側またはガイド車7側の炉前に、レーザー距離計などの光学機器(図示せず)を設置し、この光学機器によって、例えばレーザー光を炉壁面に照射して、炭化室炉壁面の基準寸法(基準面)に対する変位を測定し、炉壁面の凹凸を検出する。炉壁面の基準寸法に対する変位の測定は、例えば、刊行物1(刊行物1;特開2013−82909号公報)に記載されるレーザー式3次元形状測定装置を用いた炉壁形状測定方法を用いることで行うことができる。ここで、基準寸法は、コークス炉建設時の熱間寸法とする。測定の際に、炭化室3の炉壁に石炭由来の灰分(アッシュ)やカーボンが付着していると正確な値が測定できないので、注意しなければならない。
レーザー距離計によって測定された基準寸法に対する炭化室炉壁の凹凸のプロフィールの一例を図2に示す。図2に示すように、炉壁には張り出している部位と凹んでいる部位とが存在する。図2では、押し出し機側から0〜8m間の炭化室炉壁の凹凸のプロフィールの一例として示しているが、炉壁診断には炉長方向全長の炭化室炉壁の凹凸のプロフィールを測定する。
炭化室3の炉壁面の変遷を診断するために、一定期間毎に測定することが好ましい。但し、基準寸法に対する炉壁の変位量は、1日程度経過してもほとんど変化しない可能性があり、したがって、測定の間隔期間を2週や1月と定め、定めた間隔期間が経過した毎に、変位量を測定してもよい。変位量が大きい炭化室3では、測定の間隔期間を、例えば1週間などに短くしてもよい。
得られた炉壁面変位のプロフィールから炉壁の体積変形量を抽出する。炉壁の体積変形量を抽出する方法として、以下の4つの方法がある。
1つ目の方法は、基準寸法に対して張り出している部位のみを炉壁の体積変形量とし、基準寸法に対して凹んでいる部位は体積変形量に計上しない方法である。2つ目の方法は、基準寸法に対して張り出している部位を「正の値」で表示し、凹んでいる部位を「負の値」で表示し、張り出している部位と凹んでいる部位の両方を合計して、その合計値を炉壁の体積変形量とする方法である。この場合は、張り出している部位の変位量と凹んでいる部位の変位量とが同一の場合は、抽出される体積変形量はゼロとなる。3つ目の方法は、基準寸法に対して張り出している部位も凹んでいる部位も「正の値」で表示し、その合計値を炉壁の体積変形量とする方法である。4つ目の方法は、基準寸法に対して凹んでいる部位のみを炉壁の体積変形量とし、張り出している部位は体積変形量に計上しない方法である。
抽出された各炭化室の体積変形量を用いて、コークス炉1毎に、図3に示す炉壁の体積変形量のヒストグラムを作成する。図3は、基準寸法に対して張り出している部位のみを炉壁の体積変形量として炉壁の体積変化量を求めた図である。因みに、図3によれば、図3の測定対象となったコークス炉1には、炉壁の体積変形量が0.18mを超えた炭化室3が21室存在することがわかる。
炉壁が崩壊した炭化室や押し出し負荷が高く操業が困難な炭化室では、炉壁の体積変形量が大きい傾向があるので、実績を用いて体積変形量の閾値を設け、閾値以上で稼働している炭化室3は或る一定の確率で稼働不可能になると予想することができる。
将来の炉壁の体積変形量は、図4に示すように、過去に測定した炉壁の体積変形量の推移から近似直線を用いて体積変形量と時間経過との関係式、つまり体積変形量の速度を求め、求めた関係式から算出することができる。尚、図4は、過去に測定した炉壁の体積変形量と時間経過との近似直線を示す図である。
また、将来の体積変形量を予測する方法として、測定した炉壁の体積変形量を時系列順にA、A、A、・・・、An−1、Aとし、且つ、A−A間、A−A間、・・・、An−1−A間の挙動を、それぞれB、B、・・・、Bn−1とし、最新の測定点Aと、BからBn−1までの結果と、を用いて、将来の測定点An+1における体積変形量を予測することもできる。この場合は、最新の測定点Aから将来の測定点An+1までの期間は過去のBからBn−1までと同様の挙動をすると仮定して、将来の測定点An+1における体積変形量を予測する。つまり、各測定点間の期間及びその期間における体積変形量の変化量に基づいて将来の測定点An+1における体積変形量を予測する。
具体的には、例えば、B〜Bn−1をそれぞれの測定点間の体積変形量の傾きとしたとき、最新の測定点Aから将来の測定点An+1までの期間で、B〜Bn−1が同等の確率で起こると仮定し、B〜Bn−1のそれぞれを(n−1)で除算した値の合計値の傾きで測定点Aから測定点An+1に至るとして、将来の測定点An+1における炉壁の体積変形量を予測する。
炉壁の体積変形量を測定する場合に、体積変形量を測定する位置をガイド車側の炉壁、特に、窯口から1〜7m間を対象とすることが好ましい。この部位は、コークス押出時にコークスと接触する時間が長く、炉壁の損耗が激しく、従来、大半の炭化室の寿命はこの部位に律速されているからである。
以上説明したように、本発明に係るコークス炉の炉壁診断方法によれば、コークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量に基づいて炉体劣化を予測するので、精度良くコークス炉の劣化を予測することが実現される。
炭化室のガイド車側の炉前に設置したレーザー距離計によって測定した、図2に示すような炭化室炉壁の凹凸のプロフィールを用いて、基準寸法に対して張り出している部位のみに基づいて、ガイド車側の炉長方向1〜7m及び炉高方向0〜4mの範囲で各炭化室の炉壁における体積変形量を算出した。得られた各炭化室の体積変形量から、図3に示すような炉壁の体積変形量のヒストグラムを得た。
得られた体積変形量のヒストグラムにおいて、体積変形量が0.18mを超える炭化室では、そのうちの20%がその時点で稼働不可能であった。
この結果から、基準寸法に対する体積変形量が0.18mを超えた炉壁を有する炭化室のうちの20%は、稼働不可能になると推定することができた。つまり、体積変形量の閾値として0.18mを設定することで、コークス炉の稼働を予測できることがわかった。
将来の炉壁の体積変形量については、図4に示すように、同一炭化室の過去の炉壁体積変形量から炉壁体積変形量の近似直線を求め、求めた近似直線に基づいて、当該炭化室の将来の炉壁の体積変形量を推測した。推測した炉壁の体積変形量から、将来の炉壁の体積変形量のヒストグラムを作成し、炉壁の体積変形量が0.18mの閾値を超える炭化室の20%が稼働不可能になると予測した。
図4の「y=0.0026x−3.466」なる式は、yが炉壁の体積変形量(m)で、xが時間の経過(月単位)であり、2014年4月1日を第1回目の測定日とし、その後に行った2回の測定結果とを合わせた合計3回の測定結果に基づいて求めた近似直線である。
炭化室のガイド車側の炉前に設置したレーザー距離計によって測定した、炭化室炉壁の凹凸のプロフィールを用いて、基準寸法に対して張り出している部位のみに基づいて、ガイド車側の炉長方向1〜7m及び炉高方向0〜4mの範囲で各炭化室の炉壁における体積変形量を算出した。得られた各炭化室の体積変形量から炉壁の体積変形量のヒストグラムを得た。
同一炭化室の過去の測定点の炉壁体積変形量を、図5に示すように、時系列順に、A、A、A、Aとして並べ、A−A間、A−A間、A−A間の挙動を、それぞれB、B、Bとした。ここで、B、B、Bは、それぞれの測定点間における単位期間あたりの炉壁体積変形量の傾きとした。つまり、Bに「(A−A間の期間)/(単位期間)」を乗算すれば、A−A間における炉壁の体積変形量となる。尚、図5は、同一炭化室における過去の測定点の炉壁体積変形量を時系列順に並べ、将来の測定点の炉壁体積変形量を予測する例を示す図である。
将来の測定点Aにおける炉壁の体積変形量を推定するにあたり、最新の測定点Aから将来の測定点Aに至るまで、B、B、Bと同一の挙動が過去と同一の確率で起こる仮定し、最新の測定点Aから将来の測定点Aに至るまでの期間をTとしたとき、「(B+B+B)×(T/(単位期間))×(1/3)」で算出される値を最新の測定点Aの体積変形量に加え、その値を、将来の測定点Aにおける炉壁の体積変形量とした。
推測した炉壁の体積変形量から、将来の炉壁の体積変形量のヒストグラムを作成し、炉壁の体積変形量が0.18mの閾値を超える炭化室の20%が稼働不可能になると予測した。
1 コークス炉
2 蓄熱部
3 炭化室
3a 窯口
4 燃焼室
5 装炭車
6 押し出し機
7 ガイド車
8 消火車

Claims (3)

  1. コークス炉の炉体劣化を予測するコークス炉の炉壁診断方法であって、
    コークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量に基づいて炉体劣化を予測することを特徴とする、コークス炉の炉壁診断方法。
  2. コークス炉の炉体劣化を予測するコークス炉の炉壁診断方法であって、
    コークス炉炭化室の炉壁における基準寸法に対する体積変形量と該体積変形量の速度とから、前記炉壁の将来の体積変形量を求め、求めた将来の体積変形量に基づいて炉体劣化を予測することを特徴とする、コークス炉の炉壁診断方法。
  3. 前記体積変形量を時系列順にA、A、A、・・・、An−1、Aとし、A−A間、A−A間、・・・、An−1−A間の挙動を、それぞれB、B、・・・、Bn−1とし、最新の測定点AとBからBn−1までの結果とを用いて、将来の測定点An+1における体積変形量を予測することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のコークス炉の炉壁診断方法。
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