JP2019006886A - 着色樹脂粒子分散体及びインクジェットインク - Google Patents

着色樹脂粒子分散体及びインクジェットインク Download PDF

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Abstract

【課題】印刷物の耐擦過性及び発色性に優れ、分散体の収容容器内で異物の発生を防止する、着色樹脂粒子分散体を提供する。
【解決手段】色材及び固体樹脂を含む着色樹脂粒子と、ノニオン性界面活性剤と、非水系溶剤とを含む、着色樹脂粒子分散体である。ノニオン性界面活性剤は、例えば、水酸基を有するノニオン性界面活性剤である。また、ノニオン性界面活性剤は、例えば、非置換のアルキル基を有する第1ブロックと、水酸基を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明の一実施形態は、着色樹脂粒子分散体及びインクジェットインクに関する。
印刷用インクの色材としては、大別して染料と顔料がある。染料を用いる場合、発色が良いといった利点がある。また、染料は、顔料に比べ耐擦過性に優れるという利点がある。しかし、染料自体の耐水性及び耐マーカー性が低いという問題がある。一方、顔料は、画像濃度が高い、耐候性に優れるという利点があるが、染料に比べ耐擦過性が低いという問題がある。
これに対して、色材を樹脂で包含して着色樹脂粒子の形態とすることで、色材の持つ画像性に関する特徴をいかしつつ、耐擦過性とともに耐水性及び耐マーカー性にも優れるインクを提供する方法がある。ここで、樹脂としては、インクに耐擦過性、耐水性及び耐マーカー性を付与する特性を有することが望まれる。
特開2007−197632号公報(特許文献1)には、有機溶媒Aと、有機溶媒Aとほとんど相溶性がない有機溶媒Bとを使用して、有機溶媒Bと樹脂とを含む分散相及び有機溶媒Aを含む連続相からなる分散液とした後、分散液から減圧又は加熱により有機溶媒Bを除去することで、有機溶媒A中に高分子粒子が分散した高分子粒子分散物を製造することが提案されている。
すなわち、有機溶媒B中に有機溶媒Aに溶解しない樹脂を溶解させて内包させたものを、連続相となる有機溶媒A中に分散させ、その後有機溶媒Bを減圧又は加熱によって除去することにより、高分子粒子が有機溶媒A中に安定に分散した高分子粒子分散物を得ることが提案されている。
しかし、特許文献1の技術では、印刷物の発色性及び耐擦過性が十分に改善されない。
特開2015−134852号公報(特許文献2)には、色材、固体樹脂、及び酸性基を有する液体有機化合物を含む着色樹脂粒子とともに、塩基性分散剤及び非水系溶剤を含む着色樹脂粒子分散体が提案されている。これによれば、着色樹脂粒子に酸性基を有する液体有機化合物が含まれることで、発色性とともに印刷物の耐擦過性に優れる着色樹脂粒子分散体を提供することができる。
また、特開2015−134855号公報(特許文献3)には、色材、固体樹脂、及び塩基性基を有する液体有機化合物を含む着色樹脂粒子とともに、酸性分散剤及び非水系溶剤を含む着色樹脂粒子分散体が提案されている。
特開2007−197632号公報 特開2015−134852号公報 特開2015−134855号公報
着色樹脂粒子とともに非水系溶剤を含む分散体を、ポリプロピレンのような樹脂製品の収容容器に保存する際に、インクに異物が発生するという問題がある。
特許文献2では、酸性基を有する液体有機化合物を含む着色樹脂粒子を塩基性分散剤を含む非水系溶剤中に分散させるために、分散体の電荷バランスによって、収容容器内で異物が発生しやすい環境になる。特許文献3でも同様の問題がある。
本発明の一目的としては、印刷物の耐擦過性及び発色性に優れ、分散体の収容容器内で異物の発生を防止する、着色樹脂粒子分散体を提供することである。
一実施形態としては、色材及び固体樹脂を含む着色樹脂粒子と、ノニオン性界面活性剤と、非水系溶剤とを含む、着色樹脂粒子分散体である。
他の実施形態としては、上記の着色樹脂粒子分散体を含む、インクジェットインクである。
一実施形態によれば、印刷物の耐擦過性及び発色性に優れ、分散体の収容容器内で異物の発生を防止する、着色樹脂粒子分散体を提供することができる。また、着色樹脂粒子の粒子径、及び分散体の粘度を適正範囲とすることができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。以下の例示によって本発明が限定されることはない。
一実施形態による着色樹脂粒子分散体(以下、単に「分散体」という場合がある)は、色材及び固体樹脂を含む着色樹脂粒子と、ノニオン性界面活性剤と、非水系溶剤とを含む、ことを特徴とする。
これによって、印刷物の耐擦過性及び発色性に優れ、分散体の収容容器内で異物の発生を防止する、着色樹脂粒子分散体を提供することができる。また、着色樹脂粒子の粒子径、及び分散体の粘度を適正範囲とすることができる。
ポリプロピレンのような樹脂製品の収容容器に分散体を収容して保存する場合、分散体に異物が発生するという問題がある。
樹脂製品の収容容器内で分散体を保存すると、樹脂製品に含まれる微量の金属(カルシウム等)が分散体にコンタミネーションすることがある。この微量の金属は、顔料インクや油性インクでは問題にならないが、着色樹脂粒子を用いるインクでは異物の発生の原因になる可能性がある。
従来の技術では、特許文献1〜3のように着色樹脂粒子を非水系溶剤に分散するために塩基性分散剤や酸性分散剤等のイオン性分散剤が用いられる。この場合、着色樹脂粒子から非水系溶剤に樹脂成分が溶出すると、この樹脂成分がイオン性分散剤と作用して、イオン性の複合体が生成することがある。このイオン性の複合体が、上記した収容容器からの微量の金属と作用して錯体を形成し、さらにイオン性の複合体が架橋され、異物となって生成されると考えられる。
また、着色樹脂粒子に酸性基を有する液体有機化合物が含まれる場合には、電荷バランスのために非水系溶剤に塩基性分散剤を好ましく配合する。この場合、酸性基を有する液体有機化合物と塩基性分散剤との複合体には、アミノ基が過剰に存在し、上記した収容容器からの微量の金属と作用して、より多くの異物が発生する問題がある。
また、色材が固体樹脂に包含されて着色樹脂粒子が形成されることで、印刷物の発色性とともに耐擦過性を改善することができる。着色樹脂粒子に、酸性基を有する液体有機化合物または塩基性基を有する液体有機化合物がさらに含まれることで、印刷物に形成される樹脂塗膜を強化して、印刷物の耐擦過性をより改善することができる。なかでも、着色樹脂粒子に、酸性基を有する液体有機化合物がさらに含まれることで、着色樹脂粒子の粒子径を小さくし、分散体を低粘度化することができる。これは、インクジェットインクに適する特性である。
(着色樹脂粒子)
着色樹脂粒子は、色材及び固体樹脂を含む。着色樹脂粒子は、酸性基を有する液体有機化合物、塩基性基を有する液体有機化合物、またはこれらの組み合わせ(以下、単に「液体有機化合物」とも称する。)をさらに含んでもよい。以下、酸性基を有する液体有機化合物を「酸性化合物」とも記し、塩基性基を有する液体有機化合物を「塩基性化合物」とも記す。
この着色樹脂粒子は、色材と固体樹脂と選択的に液体有機化合物とが均一に混合されて、粒子形状となっていることが好ましい。
「固体樹脂」
固体樹脂としては、室温(23℃)で固体状の樹脂であることが好ましい。
固体樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、粒子形状を安定化するために、30℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上である。固体樹脂のガラス転移温度は、制限されないが、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは120℃以下である。
また、固体樹脂の溶融温度(Tm)としては、粒子形状を安定化させるために、30℃以上であることが好ましく、より好ましくは、40℃以上である。固体樹脂の溶融温度は、制限されないが、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下である。
固体樹脂の重量平均分子量としては、3000〜100000が好ましく、より好ましくは5000〜80000である。この範囲で、着色樹脂粒子の形状の安定性を高めることができる。また、着色樹脂粒子の製造工程において、固体樹脂を含む原料を溶剤により均一に混合することができ、結果として成分が均一な着色樹脂粒子を提供することができる。
ここで、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC法により、標準ポリスチレン換算により求めることができる。以下同じである。
固体樹脂としては、Hansenの溶解性パラメーター(HSP値)が22〜27MPa1/2であることが好ましい。また、固体樹脂は、分散項δdが13〜20、極性項δpが5〜12、水素結合項δhが10〜20であることが好ましい。この範囲とすることで、着色樹脂粒子分散体としてのインクが用紙に塗布される際に、着色樹脂粒子と非水系溶剤を速やかに分離させ、耐擦過性をより向上することができる。
溶解性パラメーターの算出方法を以下に説明する。本発明では、1967年にHansenが提唱した3次元溶解性パラメーターを用いる。
Hansenの溶解性パラメーターは、Hildebrandによって導入された溶解性パラメーターを分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの3成分に分割し、3次元空間で表したものである。分散項は、分散力による効果、極性項は、双極子間力による効果、水素結合項は、水素結合力の効果を示す。より詳細には、POLYMER HANDBOOK.FOURTH EDITION.(Editors.J.BRANDRUP,E.H.IMMERGUT,andE.A.GRULKE.)等に説明されている。
Hansenの溶解性パラメーターについては、下記に説明する通り、実験から求めることができる。
まず、分散項δd、極性項δp、水素結合項δhが既知である溶剤に対して対象物(固体樹脂等)の溶解性(10mass%)を調査する。次いで、対象物が溶解する溶剤の範囲に相当する分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの範囲(最小値と最大値)を求め、その中間の値(3次元溶解性パラメーターの範囲の中心の値)をその対象物の3次元溶解性パラメーターとする。つまり、良溶媒が内側、貧溶媒が外側にくる最大の直方体を考えて、その直方体の中心を対象物の溶解性パラメーター(HSP値)と定める。
分散項δd=(δdmax−δdmin)/2
極性項δp=(δpmax−δpmin)/2
水素結合項δh=(δhmax−δhmin)/2
HSP=δd+δp+δh
溶解性試験に供する溶剤は、溶解性パラメーター(HSP値)がなるべく異なる3次元空間上に位置するものを選択することが好ましい。
固体樹脂は、上記物性を備えるものを好ましく用いることができ、その種類は限定されない。
固体樹脂の具体例としては、アルキルフェノール樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン(メタ)アクリル系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド樹脂、ケトン樹脂、ロジン樹脂、酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、リン酸エステル化固体樹脂、硝酸エステル化固体樹脂、アルコキシ基含有固体樹脂、ポリシルセスキオキサン、メトキシシルセスキオキサン、エトキシシルセスキオキサン、これらの樹脂の誘導体等を挙げることができる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル樹脂及び/またはアクリル樹脂を意味し、メタクリル単位とアクリル単位とをそれぞれ単独で有する重合体とともに、メタクリル単位とアクリル単位とをともに有する共重合体を意味する。スチレン(メタ)アクリル系樹脂も同じである。
(メタ)アクリル系樹脂としては、メタクリル単位及び/またはアクリル単位を有する(メタ)アクリル樹脂の他、メタクリル単位及び/またはアクリル単位とともにその他の単位を有する共重合体を用いることができる。その他の単位としては、スチレン系単位、カルボン酸ビニル単位、α−オレフィン単位、ジエン系単位、エチレン性不飽和酸単位、エチレン性不飽和酸無水物単位、不飽和カルボン酸のモノアルキルエステル単位、スルホン酸単位、ニトリル、ピリジン、ピロリドン等の含窒素単位、エーテル系単位等を挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、公知の(メタ)アクリル単量体の重合によって得ることができる。
(メタ)アクリル単量体としては、(メタ)アクリル酸;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基が1〜22の炭化水素基である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香環を有する(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の2〜8の炭化水素基の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は2以上)のモノ(メタ)アクリレート;
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレンオキシド骨格を含む(メタ)アクリル酸のエステル;
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミドなどの含窒素単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル酸;
スルホエチルアクリレート、(メタ)アクリロキシベンゼンスルホン酸などの不飽和スルホン酸などが挙げられ、これらは2種類以上併用されてもよい。
また、(メタ)アクリル単量体以外の単量体(以下、その他の単量体という。)を併用できる。その他の単量体は、(メタ)アクリル単量体と共重合可能であればよく特に制限はないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、エチレン、プロピレン、ブテン−1等のα−オレフィン単量体、ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のエチレン性不飽和酸とその無水物、マレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステル、イタコン酸モノエステル等の不飽和カルボン酸のモノアルキルエステル、(メタ)アクリルニトリル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の含窒素不飽和単量体、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル及びビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル系単量体等が挙げられ、これらは2種類以上併用されてもよい。
スチレン単位を有する(メタ)アクリル系樹脂は、スチレン(メタ)アクリル系樹脂として好ましく用いることができる。この場合、スチレン単位と(メタ)アクリル単位の比率(モル比)は0:10から7:3であることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂の市販品としては、東亜合成株式会社製ARUFONシリーズの「UC−3000」;星光PMC株式会社製ハイロスーXシリーズの「TS−1315」、「RS−1190」等、スチレン(メタ)アクリル系樹脂の市販品としては、東亜合成株式会社製ARUFONシリーズの「UC−3920」、「UC−5041」;星光PMC株式会社製ハイロスーXシリーズの「VS−1047」、「VS−1291」等を用いることができる。
アルキルフェノール樹脂としては、ノボラック型アルキルフェノール樹脂及びレゾール型アルキルフェノール樹脂のいずれであってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
また、ロジン変性アルキルフェノール樹脂、アルコキシ基含有シラン変性アルキルフェノール樹脂等の編成アルキルフェノール樹脂を用いてもよい。
ポリビニルアルコールは、けん化度が0〜60であることが好ましく、また、重合度が10〜1000であることが好ましい。ポリビニルアルコールの市販品としては、例えば、日本酢ビ・ポバール製「JMR−8L」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂には、ポリビニルアルコール樹脂をブチルアルデヒドによってアセタール化して得られるポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂をホルムアルデヒドによってアセタール化して得られるポリビニルホルマール樹脂(ビニロン)を好ましく用いることができる。
ポリビニルブチラール樹脂の市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のエスレックBシリーズ「BL−2H」、「BL−10」、「BL−S」、「BM−1」、「BM−2」、「MN−6」、「BX−L」等;株式会社クラレ製のモビタールBシリーズ「16H」「20H」「30T」「30H」「30HH」「45M」「45H」等を用いることができる。
ポリビニルホルマール樹脂の市販品としては、例えば、JNC株式会社製のビニレックシリーズ「ビニレックK」、「ビニレックC」等;株式会社クラレ製のビニロン繊維等を用いることができる。
これらは単独でも、2種以上を合わせて用いてもよい。
セルロース系樹脂としては、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ニトロセルロース等を挙げることができる。
スチレンマレイン酸樹脂としては、スチレンと無水マレイン酸との共重合体である。また、スチレンマレイン酸樹脂としては、スチレンマレイン酸樹脂をエステル化して、カルボキシ基または水酸基を導入したエステル化物を用いることができる。
スチレンマレイン酸樹脂及びそのエステル化物の市販品としては、例えば、川原油化株式会社製SMAレジンシリーズ「SMA1440F」、「SMA1440」、「SMA17352」、「SMA2625」、「SMA3840」等のスチレンマレイン酸樹脂のエステル化物;
川原油化株式会社製SMAレジンシリーズ「SMA1000」、「SMA2000」、「SMA3000」等のスチレンマレイン酸樹脂等を用いることができる。
ポリアミド樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン4−6、共重合ナイロン等を用いることができる。
また、ポリアミド樹脂をアルコキシメチル化したアルコキシ基を有するポリアミド樹脂を用いることができる。
ポリアミド樹脂の市販品としては、例えば、株式会社T&K TOKA社製のトーマイドシリーズ、PAシリーズ、株式会社鉛市製ファインレジンシリーズ「FR−101」、「FR−104」、「FR−105」、「FR−301」等;ナガセケムテックス株式会社製のトレジンシリーズ「トレジンF−30K」、「トレジンEF−30T」等が挙げられる。
固体樹脂として芳香環含有樹脂を用いることで、色材である顔料と芳香環含有樹脂とのπ−π相互作用が期待できるため、顔料の分散性を高めることができる。芳香環含有樹脂としては、上記した中から、スチレン(メタ)アクリル系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等のスチレン系樹脂等を好ましく用いることができる。
上記した固体樹脂の配合量は、着色樹脂粒子全体に対し、10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上である。
一方、固体樹脂の配合量は、着色樹脂粒子全体に対し、70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以下である。
着色樹脂粒子には、本発明の効果を損なわない限り、上記した樹脂以外のその他の樹脂が含まれてもよい。その他の樹脂としては、後述する着色樹脂粒子分散体の製造方法で説明しているように、顔料分散剤や添加剤等がある。
「色材」
着色樹脂粒子に含まれる色材としては、顔料及び染料のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料、及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックが挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料の平均粒子径としては、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下である。これによって、分散相中での顔料の分散性を良好に保つことができ、また、最終的な着色樹脂粒子の粒子サイズを適正にすることができる。
染料としては、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができ、例えば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料、金属錯塩染料、造塩染料等を挙げることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料としては、具体的には、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン系染料、金属フタロシアニン系染料、トリアリールメタン染料、ローダミン染料、スルホローダミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、キノン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料、メチレンブルー等を挙げることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて用いてよい。
また、染料は、着色樹脂粒子の耐水性の観点から、油溶性染料であることが好ましい。より好ましくは金属錯塩染料である。
色材は、着色樹脂粒子全体に対して、呈色性及び成分の均一性の観点から、0.1〜50質量%で配合されることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%である。
「液体有機化合物」
着色樹脂粒子には、酸性基を有する液体有機化合物(酸性化合物)、塩基性基を有する液体有機化合物(塩基性化合物)、またはこれらの組み合わせ(総称して液体有機化合物)が含まれてもよい。酸性化合物及び塩基性化合物のうち一方を着色樹脂分散体に含ませることが好ましい。
液体有機化合物を添加することで、印刷物の発色性とともに耐擦過性をより向上させることができる。これは、液体有機化合物によって、色材と固体樹脂とをより均一に安定して配合して、印刷物の樹脂皮膜をより強化することが可能になるからである。
また、固体樹脂に、酸価が低く耐水性が高い樹脂を用いる場合、耐擦過性が低下することがあるが、この固体樹脂とともに液体有機化合物を含むことで、耐水性とともに耐擦過性を向上させることができる。
また、液体有機化合物は、着色樹脂粒子分散体の製造工程において、油中油型エマルションの安定性を維持するために配合することができる。
特に、酸性化合物が着色樹脂粒子に含まれることで、着色樹脂粒子の粒子径を小さくすることができ、また、分散体を低粘度化することができる。これは、インクジェットインクに適する特性である。また、着色樹脂粒子に酸性化合物が含まれても、非水系溶剤中にノニオン性界面活性剤が添加されるため、収容容器内での異物の発生を防止することができる。
ここで、酸性基を有する液体有機化合物(酸性化合物)としては、23℃で液体状であり酸性基を有する有機化合物である。
また、塩基性基を有する液体有機化合物(塩基性化合物)としては、23℃で液体状であり塩基性基を有する有機化合物である。
液体有機化合物の融点としては、室温で液体状を維持するために、23℃以下であることが好ましく、より好ましくは15℃以下である。また、液体有機化合物の有機構造を構成する炭素原子は2個以上であることが好ましい。
酸性化合物は、酸性化合物を非水系溶剤に溶解させるときに、酸性化合物の濃度が高くなるほど酸化還元電位(ORP)値が高くなるものであることが好ましい。
例えば、酸性化合物を溶解可能な溶媒に酸性化合物を溶解させる際に、酸性化合物を0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、酸性化合物を5.0質量%溶解させたときのORP値が高い値を示すものであることが好ましい。
また、酸性化合物をメタノールに5.0質量%溶解させたときのORP値は200mV以上であることが好ましく、より好ましくは300mV以上である。
一方、酸性化合物に酸性基とともに塩基性基が含まれる場合は、このORP値が高くなる傾向を示す範囲内であれば、塩基性基が含まれていても、酸性化合物として用いることができる。なお、酸性化合物は、塩基性基を含まないことがより好ましい。
ここで、酸化還元電位(ORP値)は、作用電極に白金銀電極、参照電極に銀/塩化銀電極を用いて、測定温度23℃で、各種材料の溶液に作用電極及び参照電極を挿入して測定したものである。酸化還元電位は、一例として、ポータブルpHメータ「pH−208」にORP電極「ORP−14」(ともに、株式会社FUSO製)を用いて測定することができる。以下同じである。
酸性化合物の溶解性パラメーターとしては、Hansenの溶解性パラメーター(HSP値)が22〜27MPa1/2であることが好ましい。また、酸性化合物は、分散項δdが13〜20、極性項δpが5〜12、水素結合項δhが10〜20であることが好ましい。この範囲とすることで、着色樹脂粒子の各成分をより均一に配合することができて、粒子形状が安定化され経時安定性をより向上することができるととともに、発色性、耐擦過性をより向上することができる。
酸性化合物の酸性基としては、リン酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、硝酸エステル基、亜リン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸基等を挙げることができる。これらは、1分子中に1種、または2種以上組み合わせて含まれてもよい。酸性基は、酸性化合物1分子中に2個以上有することが好ましい。
酸性化合物は、オリゴマー、ポリマー、低分子量化合物のいずれであってもよい。
オリゴマーまたはポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を用いることができる。また、これらの樹脂を構成するモノマーまたはオリゴマーの共重合体を用いてもよい。
酸性基としては、オリゴマーまたはポリマーを構成するモノマーに由来して、各構成単位の主鎖または側鎖に酸性基が結合して導入されていてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体等を挙げることができる。この場合、カルボキシ基がアクリル酸の割合に応じて導入される。また、(メタ)アクリル酸エステルとアシッド・ホスホキシ・(メタ)アクリレートの共重合体等を挙げることができる。この場合、リン酸基が導入される。
また、酸性基としては、オリゴマーまたはポリマーをリン酸エステル化して導入されていてもよい。この場合、水酸基の位置及び割合に応じてリン酸基が導入される。オリゴマーまたはポリマーの両末端に水酸基を有する場合、オリゴマーまたはポリマーの両末端にリン酸基が導入されて、合計2個のリン酸基を有する。
酸性化合物がオリゴマーまたはポリマーである場合は、重量平均分子量が500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
酸性化合物としてのオリゴマーまたはポリマーの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンリン酸エステル等のポリオキシアルキルのリン酸エステル、ポリエーテルポリエステルリン酸エステル等のリン酸エステル化合物;アルキルポリホスホン酸;カルボキシ基含有(メタ)アクリルポリマー等を挙げることができる。これらは、単独で、または複数種を併用してもよい。
酸性化合物としては、リン酸エステル、硫酸エステル、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等の低分子化合物を用いてもよい。
酸性化合物は、酸価を持つことが好ましい。酸性化合物の酸価は、好ましくは30mgKOH/g以上であり、より好ましくは60mgKOH/g以上であり、一層好ましくは90mgKHO/g以上である。
ここで、酸価は、不揮発分1g中の全酸性成分を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数である。以下同じである。
中でも、リン酸基、ホスホン酸基、リン酸エステル基及びカルボキシ基のうち1種以上を有する液体有機化合物であることが好ましく、リン酸基が特に好ましい。また、酸性化合物の両末端にリン酸基を有するものが一層好ましい。
市販されているもののなかから、酸性化合物として用いることができるものとしては、例えば、ビックケミー・ジャパン社製「DISPERBYK102、110、111」(いずれも商品名)、巴工業社製「TEGODisper655」、EFKA社製「Efka6230」、キレスト株式会社製「PH−210」、東亞合成株式会社製「ARUFON UC3510」、ユニケミカル株式会社製「CM294P」等を挙げることができる。
「DISPERBYK111」は、エチレングリコールとポリカプロラクトンのブロック共重合体のリン酸エステル化合物であり、共重合体の両末端にリン酸基を有する。
「CM294P」は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体のリン酸エステル化合物であり、共重合体の両末端にリン酸基を有する。
「ARUFON UC3510」は、アクリル酸エステルとアクリル酸の共重合体であり、カルボキシ基を複数有する。
「キレストPH210」は、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸であり、2個のホスホン酸基を有する低分子量化合物である。
酸性化合物は、着色樹脂粒子全体に対して、0.1〜50質量%で配合されることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%である。これによって、着色樹脂粒子の成分の均一性及び安定性を維持する一方で、その他の原料への作用を防ぐことができる。
塩基性化合物は、塩基性化合物を非水系溶剤に溶解させるときに、塩基性化合物の濃度が高くなるほど酸化還元電位(ORP)値が低くなるものであることが好ましい。一方、塩基性化合物に塩基性基とともに酸性基が含まれる場合は、このORP値が低くなる傾向を示す範囲内であれば、酸性基が含まれていても、塩基性化合物として用いることができる。なお、塩基性化合物には、酸性基が含まれないことが好ましい。
一実施形態では、塩基性化合物を非水系溶剤としてメタノール等の高極性有機溶剤に溶解させる場合のORP値が低くなることが望ましい。
塩基性化合物のORP値は、0mV未満であることが好ましい。塩基性化合物が塩基性基とともに酸性基を有する場合のORP値は、0〜200mVであることが好ましい。
ここで、酸化還元電位(ORP値)は、上記した酸性化合物と同様に測定することができる。
塩基性化合物の溶解性パラメーターとしては、Hansenの溶解性パラメーター(HSP値)が22〜27MPa1/2であることが好ましい。また、塩基性化合物は、分散項δdが13〜20、極性項δpが5〜12、水素結合項δhが10〜20であることが好ましい。この範囲とすることで、着色樹脂粒子の各成分をより均一に配合することができて、粒子形状が安定化され経時安定性をより向上することができるととともに、発色性、耐擦過性をより向上することができる。
塩基性化合物の塩基性基としては、例えばアミノ基、イミノ基、ピリジル基等を挙げることができる。アミノ基は、非置換のアミノ基、1個又は2個の水素原子が置換された置換基を有するアミノ基のいずれであってもよい。また、塩基性化合物の塩基性基としては、ウレタン結合やアミド結合等を有する窒素含有の官能基を挙げることができる。また、ウレタン結合やアミド結合等の窒素含有の構成単位が塩基性化合物に導入されていてもよい。
これらは、1分子中に1種、または2種以上組み合わせて含まれてもよい。塩基性基は、塩基性化合物1分子中に2個以上有することが好ましい。
塩基性化合物は、オリゴマー、ポリマー、低分子量化合物のいずれであってもよい。
塩基性基としては、オリゴマーまたはポリマーを構成するモノマーに由来して、各構成単位の主鎖または側鎖に塩基性基が結合して導入されていてもよい。
また、塩基性基としては、オリゴマーまたはポリマーのアルキルアンモニウム塩やアミン塩等として導入されていてもよい。
塩基性化合物がオリゴマーまたはポリマーである場合は、重量平均分子量が500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
塩基性化合物としては、例えば、変性ポリウレタン、塩基性基含有ポリ(メタ)アクリレート、塩基性基含有ポリエステル、ポリエステルアミン、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウム塩、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、脂肪酸アミン塩等を挙げることができる。これらは、単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
塩基性化合物は、塩基価を持つことが好ましい。塩基性化合物の塩基価は、好ましくは10mgKOH/g以上であり、より好ましくは40mgKOH/g以上であり、一層好ましくは70mgKOH/g以上である。
ここで、塩基価は、不揮発分1gに含まれる全塩基性成分を中和するのに必要な塩酸と当量の水酸化カリウムのミリグラム数である。以下同じである。
市販されているもののなかから、塩基性化合物として用いることができるものとしては、例えば、日本ルーブルゾール株式会社製「ソルスパース71000」(ポリエチレンイミン系化合物、塩基価77mgKOH/g)、「ソルスパース20000」(塩基価32mgKOH/g);
ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK109」(塩基価140mgKOH/g)、「DISPERBYK116」(塩基価65mgKOH/g)、「DISPERBYK2155」(塩基価48mgKOH/g)、「DISPERBYK9077」(塩基価48mgKOH/g)等を用いることができる。
塩基性化合物は、着色樹脂粒子全体に対して、0.1〜50質量%で配合されることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%である。これによって、着色樹脂粒子の成分の均一性及び安定性を維持する一方で、その他の原料への作用を防ぐことができる。
着色樹脂粒子において、上記した色材、固体樹脂、酸性化合物、塩基性化合物、可塑剤は、それぞれ、非水系溶剤に対する溶解度が、23℃で3g/100g以下であることが好ましく、より好ましくは23℃で1g/100g以下であり、一層好ましくは0.5g/100g以下である。さらに好ましくは、着色樹脂粒子分散体の配合割合において、着色樹脂粒子に含まれる各成分は非水系溶剤に実質的に溶解しないものである。これによって、着色樹脂粒子の各成分が非水系溶剤へ溶解することを防いで、着色樹脂粒子の形状安定性を維持することができる。また、着色樹脂粒子分散体を製造する際に、固体樹脂及び色材を含む分散相の合一を防いで、油中油型エマルションの安定性をより高めることができる。結果として、着色樹脂粒子の成分をより均一にすることができる。
着色樹脂粒子の平均粒子径は、10μm以下程度であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが一層好ましい。記録媒体の種類に応じて着色樹脂粒子の平均粒子径を適宜調整してもよく、例えば、コート紙を用いた印刷物の発色を向上するとともに定着性を向上させるためには、この平均粒子径は50〜300nm程度であることが好ましく、普通紙を用いた印刷物の裏抜け抑制の観点から、さらに100〜200nmであることが好ましい。
ここで、着色樹脂粒子の平均粒子径は、動的散乱方式による体積基準の平均粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布計「nano partica SZ−100(株式会社堀場製作所製)」等を用いて測定することができる。以下同じである。
(着色樹脂粒子分散体)
着色樹脂粒子分散体は、上記した着色樹脂粒子とともに、非水系溶剤及びノニオン性界面活性剤を含む。非水系溶剤及びノニオン性界面活性剤については、後述の着色樹脂粒子分散体の製造方法で説明する通りである。非水系溶剤としては、着色樹脂粒子を分散可能である溶剤であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、非水系溶剤中で着色樹脂粒子の分散性を改善させる作用を備えることが好ましい。
着色樹脂分散体において、着色樹脂粒子は分散体全体に対し1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。これによって、インクとして呈色性にすぐれ、溶剤量を低減して乾燥性を高めることができる。
一方、着色樹脂粒子は分散体全体に対し50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。これによって、分散性及び保存安定性を高めることができる。
(着色樹脂粒子分散体の製造方法)
以下、着色樹脂粒子分散体の製造方法の一例について説明する。なお、一実施形態による着色樹脂粒子分散体は、以下の製造方法で製造されたものに限定されない。
着色樹脂粒子分散体の製造方法は、化学的方法、物理化学的方法に大別される。化学的手法としては、界面重縮合法、界面反応法(in situ重合法)、液中硬化皮膜法(オリフィス法)などが挙げられる。物理化学的手法としては、液中乾燥法(水中乾燥法、油中乾燥法)、コアセルベーション法、融解分散冷却法などが挙げられる。
一実施形態による着色樹脂粒子分散体は、例えば、上記の物理化学的方法を用いて製造可能であり、特に、液中乾燥法を好ましく用いることができ、油中油型エマルションの油中乾燥法を特に好ましく用いることができる。
油中油型エマルションの油中乾燥法を用いることで、上記した各成分を用いて、平均粒子径が小さくかつ、粒子径分布が狭い着色樹脂粒子を製造することが可能であり、また、粘度が低い着色樹脂粒子分散体を製造することが可能である。これによって、特に、インクジェット吐出に適するインクを得ることができ、さらに、耐擦過性に優れるインクジェットインクを得ることできる。
油中油型エマルションの油中乾燥法を用いた着色樹脂粒子分散体は、ノニオン性界面活性剤及び非水系溶剤(以下、連続相の非水系溶剤を溶剤Aと称することがある。)を少なくとも含む相を連続相とし、色材、固体樹脂、選択的に液体有機化合物及び非水系溶剤(以下、分散相の非水系溶剤を溶剤Bと称することがある。)を少なくとも含む相を分散相とし、この連続相中に分散相が分散した油中油(O/O)型エマルションを作製し、これから分散相のうち溶剤Bを除去して得ることができる。
油中油型エマルションを安定して作製するために、溶剤Bは、溶剤Aに対して溶解度が低いことが好ましい。また、溶剤Bを除去するために、溶剤Bは、溶剤Aに対して沸点が低いことが好ましい。
油中油型エマルションを安定して作製するために、ノニオン性界面活性剤は、溶剤Bよりも溶剤Aに対する溶解度が高いことが好ましい。また、着色樹脂粒子の形状を安定させるために、色材、固体樹脂、及び選択的に液体有機化合物はそれぞれ溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いことが好ましい。
「連続相」
連続相としては、溶剤Aとノニオン性界面活性剤とを含む。溶剤Aは、着色樹脂粒子分散体の非水系溶剤としてそのまま用いることができる。
溶剤Aは、後述するノニオン性界面活性剤、溶剤B、固体樹脂、選択的に液体有機化合物との関係性を満たすように、各種非水系溶剤から適宜選択して用いることができる。
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用することもできる。なお、一実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTG株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;
ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
これらの中でも、溶剤Aとして、非極性有機溶剤が好ましく、より好ましくはナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の炭化水素溶剤である。
溶剤Aは、Hansenの溶解性パラメーター(HSP値)が14〜18MPa1/2であることが好ましい。また、溶剤Aは、分散項δdが12〜20、極性項δpが0〜4、水素結合項δhが0〜4であることが好ましい。
溶剤Aの溶解性パラメーターが上記範囲であるとともに、着色樹脂粒子の酸性化合物及び固体樹脂の溶解性パラメーターが上記範囲であることで、着色樹脂粒子の溶媒Aに対する分散安定性を向上することができる。また、着色樹脂粒子分散体を用いて印刷する際に、用紙上で着色樹脂粒子と非水系溶剤の分離をより促進することができ、着色樹脂粒子の用紙への定着性をより高めて、耐擦過性をより向上することができる。
着色樹脂粒子分散体には、ノニオン性界面活性剤が含まれることが好ましい。ノニオン性界面活性剤は、非水系溶剤中に溶解ないし分散して、分散体中の着色樹脂粒子表面に吸着して、着色樹脂粒子の分散安定性を高める作用を備えることが好ましい。
好ましくは、ノニオン性界面活性剤は、溶剤Bに対する溶解度が23℃で3g/100g以下であり、より好ましくは0.5g/100g以下である。また、好ましくは、ノニオン性界面活性剤は、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g以上であり、より好ましくは5g/100g以上である。さらに好ましくは、油中油型エマルションの配合割合において、溶剤Aにノニオン性界面活性剤が実質的に全て溶解ないし分散し、溶剤Bにノニオン性界面活性剤が実質的に溶解しないように、ノニオン性界面活性剤が選択される。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、エーテル型界面活性剤、エステル型界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド型界面活性剤、高分子型界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルポリマー等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤には、水酸基を有するノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。より好ましいノニオン性界面活性剤は、非置換のアルキル基を有する親油基と、水酸基を有する親水基とを有する界面活性剤である。この場合、親油基を有する第1ブロックと、水酸基を有する親水基を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体であることがより好ましい。
この親油基のアルキル基は、炭素数1〜30であることが好ましく、より好ましくは5〜25であり、さらに好ましくは炭素数8〜22である。
ノニオン性界面活性剤に含まれる水酸基は、水素結合などの弱い相互作用によって、着色樹脂粒子を構成する色材及び固体樹脂に結合するため、油中油型エマルションの作製時に乳化性が良好になると考えられる。特に、着色樹脂粒子に酸性化合物または塩基化合物が含まれる場合には、ノニオン性界面活性剤に含まれる水酸基が酸性化合物または塩基性化合物と相互作用して、より効果を得ることができる。
また、ノニオン性界面活性剤に含まれる水酸基は、メタノール等の溶剤Bに対して高い親和性を有していることも良好な乳化性に寄与すると考えられる。
このようなノニオン性界面活性剤には、非置換のアルキル基と、少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されているヒドロキシアルキル基とを含むヒドロキシアルキル(メタ)アクリルポリマーを用いることができる。
例えば、非置換のアルキル基を含むアルキル(メタ)アクリル単位を有する第1ブロックと、少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されているヒドロキシアルキル基を含むヒドロキシアルキル(メタ)アクリル単位を有する第2のブロックとを有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーであることが好ましい。
さらに、非置換のアルキル基を含むアルキル(メタ)アクリル単位を有する第1ブロックと、非置換のアルキル基を含むアルキル(メタ)アクリル単位、及び少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されているヒドロキシアルキル基を含むヒドロキシアルキル(メタ)アクリル単位を有する第2のブロックとを有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーであることが好ましい。
第2ブロックのSP値は、9〜13(cal/cm1/2であることが好ましい。
ここで、第2ブロックのSP値は、Fedors法によって算出した各構成モノマーのSP値のモル分率平均値から求めることができる。
具体的に、SP値は、Fedorsの提唱した下記式(1)から算出した値である。
δ=[Σ(ΔE1)/Σ(ΔV1)]1/2・・・式(1)
ΔE1:各単位官能基当たりの凝集エネルギー
ΔV1:各単位官能基当たりの分子容
以下に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーについて詳しく説明する。
ここで、「(メタ)アクリルブロックポリマー」は、メタクリルブロックポリマー及びアクリルブロックポリマーを意味するものであり、メタクリル単位、アクリル単位を単独で含むものの他、メタクリル単位及びアクリル単位をともに含む共重合体をも含む。
このヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーによれば、非置換のアルキル基部分が溶剤親和性を示し、水酸基部分が着色樹脂粒子親和性を示すため、着色樹脂粒子の分散性を高めることができる。また、油中油型エマルション作製時の乳化安定性を高めることもできる。ブロックポリマーであるため、非置換のアルキル基部分が局在化して、非置換のアルキル基部分が溶剤側に配向しやすくなり、溶剤親和性をより高めることができる。
第1ブロックのアルキル基としては、直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式であってもよい。
第1ブロックのアルキル基は、炭素数1〜30であることが好ましく、溶剤親和性の観点から、より好ましくは炭素数5〜25であり、さらに好ましくは炭素数8〜22である。
第1ブロックのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル基、へプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2-エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、デシル基;
ウンデシル基(C11)、ドデシル基(C12)、イソデシル基(C12)、トリデシル基(C13)、テトラデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキサデシル基(セチル基)(C16)、ヘプタデシル基(C17)、オクタデシル基(ステアリル基)(C18)、イソステアリル基(C18)、ノナデシル基(C19)、エイコシル基(C20)、ベヘニル基(C21)、ペンタエイコシル基(C25);
シクロヘキシル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基は、第1ブロックに1種、または2種以上組み合わせて含まれてもよい。
第2ブロックは、少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されているヒドロキシアルキル基を有することが好ましい。
このヒドロキシアルキル基は、直鎖又は分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式であってもよい。
このヒドロキシアルキル基は、炭素数1〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、さらに好ましくは炭素数2又は3である。
ヒドロキシアルキル基としては、例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、グリセロール基等を挙げることができる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第2ブロックは、ヒドロキシアルキル基を有する単位とともに、非置換のアルキル基を有する単位をさらに含んでもよい。
第2ブロックの非置換のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式であってもよい。
第2ブロックの非置換のアルキル基は、炭素数1〜30であることが好ましく、より好ましくは炭素数5〜25であり、さらに好ましくは炭素数8〜22である。
第2ブロックの非置換のアルキル基は、上記した第1ブロックの非置換のアルキル基の具体例の中から選択することができる。
第1ブロックと第2ブロックとのモル比としては、20:80〜90:10であることが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30である。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーは、第1ブロックと第2ブロックとがそれぞれ1個ずつ結合したブロック共重合体であってもよく、また、第1ブロックと第2ブロックとが複数個で交互に結合したブロック共重合体であってもよい。
第1ブロックの全単位に対し非置換のアルキル基を有する単位は50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは55モル%以上であり、さらに好ましくは60モル%以上である。第1ブロックは溶剤親和性を高めるために、非置換のアルキル基を有する単位によって主に構成されることが好ましい。
第1ブロックの全単位に対し水酸基を有する単位は10モル%未満であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下であり、さらに好ましくは1モル%以下であり、実質的に含まれないことがより好ましい。これによって、第1ブロックにアルキル基部分を局在化して溶剤親和性を高めることができる。
第2ブロックの全単位に対しヒドロキシアルキル基を有する単位は5モル%以上であることが好ましく、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上である。これによって、水酸基部分によって着色樹脂粒子との親和性を高めることができる。
一方、第2ブロックの全単位に対しヒドロキシアルキル基を有する単位は好ましくは95モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは85モル%以下である。これによって、ノニオン性(メタ)アクリルブロックポリマーの着色樹脂粒子への配向性を適正にして、着色樹脂粒子の適当な分散性を得ることができる。
第2ブロックの全単位に対し非置換のアルキル基を有する単位は5〜95モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜90モル%であり、さらに好ましくは15〜80モル%である。第2ブロックには非置換のアルキル基を有する単位が含まれなくてもよい。
第1ブロック及び第2ブロックには、それぞれの単位が有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基以外の非イオン性のその他の基が含まれてもよい。その他の基としては、ベンジル基、フェニル基等を挙げることができる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーの好ましい一例としては、非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)(以下、モノマー(A)とも記す。)を含むモノマー混合物aのブロックAと、ヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(B)(以下、モノマー(B)とも記す。)を含むモノマー混合物bのブロックBとのブロック共重合体である。
非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート;
ドデシル(メタ)アクリレート(C12)、イソドデシル(メタ)アクリレート(C12)、セチル(メタ)アクリレート(C16)、ステアリル(メタ)アクリレート(C18)、イソステアリル(メタ)アクリレート(C18)、ベヘニル(メタ)アクリレート(C21);
シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、アルキル基の炭素数は8〜22である。これらは、モノマー混合物aに複数種が含まれていてもよい。
ヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(B)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリセリル等が挙げられる。これらは、モノマー混合物bに複数種が含まれていてもよい。
モノマー混合物a及びbには、それぞれ、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記のモノマー(A)及びモノマー(B)以外の、これらと共重合しうるモノマー(C)が含まれてもよい。モノマー(C)は、非イオン性であることが好ましい。
このモノマー(C)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;α−オレフィン等が挙げられる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
モノマー混合物a及びモノマー混合物bにおいて、モノマー(A)、モノマー(B)、選択的にモノマー(C)の配合割合は、それぞれ最終製品であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを構成する各単位の割合に応じて、適宜設定することができる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーの合成方法の一例としては、まず、第1段階で、モノマー(A)を含むモノマー混合物a及びモノマー(B)を含むモノマー混合物bのうち一方を重合して一方のブロックを得て、第2段階で、この第1ブロックの存在下で、他方のモノマー混合物を重合して、一方のブロックの端部に他方のブロックをつなげて重合させ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーを得ることができる。
以下、第1段階としてモノマー(A)を含むモノマー混合物aを重合してブロックAを重合した後に、第2段階としてモノマー(B)を含むモノマー混合物bを添加してブロックAの末端部からブロックBを重合し、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーを合成する方法について説明する。なお、モノマーの種類により異なるが、ブロックBを先に重合してから、ブロックAを重合することも可能である。
まず、第1段階において、モノマー(A)を含むモノマー混合物aは、公知のラジカル重合により重合することができるが、精密重合の一種であるリビングラジカル重合することが好ましい。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。必要に応じて加熱して重合反応を行うことで、重合反応を促進することができる。加熱温度としては、例えば40〜130℃内で、好ましくは80〜130℃内で適宜調製することができる。
重合開始剤としては、AIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル))等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂株式会社製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。
重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加してもよい。
第2段階において、精密重合の一種であるリビング重合方法によってヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーを重合することが好ましい。上記した例では、合成したブロックAとともに、モノマー(B)を含むモノマー混合物bをリビング重合することにより、ブロックポリマーを作製することができる。なお、ブロックBを先に重合してから、モノマー(A)を含むモノマー混合物aをリビング重合してもよい。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーを得るため、リビング重合方法のうちリビングラジカル重合を利用することが好ましい。リビングラジカル重合には、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシドラジカルを用いるリビングラジカル重合(NMP)、可逆的付加開裂型連鎖移動重合(RAFT重合)などが知られており、いずれの方法も使用可能であるがRAFT重合によって重合を行うことがより好ましい。
RAFT重合は、重合開始剤と可逆的付加開裂型連鎖移動剤(以下、RAFT剤と呼ぶ。)を用いることを特徴とし、ラジカル重合にリビング性を与えることのできる方法である。
RAFT剤としては、ジチオエステルやジチオカルバメート、トリチオカルボナート、キサンタート等のチオカルボニルチオ化合物を用いることができる。市販品としては、例えば、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタノン酸(アルドリッチ社製「722995」)、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート(アルドリッチ社製「723037」)等を好ましく用いることができる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーの分子量(重量平均分子量)は、特に限定されないが、インクジェットインクとして用いる場合には、インクの吐出性の観点から3000〜100000程度であることが好ましく、5000〜50000程度であることがより好ましい。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルブロックポリマーのうち、モノマー(A)を含むモノマー混合物aから重合されたブロックA部分の重量平均分子量は、1000〜60000程度であることが好ましく、3000〜30000程度であることがより好ましい。これによって、ブロックA部分の溶剤親和性をより適した範囲にすることができる。
連続相中のノニオン性界面活性剤は、エマルションの安定性及び着色樹脂粒子の分散性の観点から、連続相全体に対し0.1〜15質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
溶剤Bの除去後、ノニオン性界面活性剤は、着色樹脂粒子分散体全体に対し0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。この範囲で、異物の発生を防止するとともに、着色樹脂粒子の分散性を改善することができる。
連続相には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、表面張力調整剤、消泡剤等のその他の任意成分を添加してもよい。
「分散相」
分散相としては、溶剤Bと色材と固体樹脂と選択的に液体有機化合物とを含む。
溶剤Bは、上記した溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g以下であり、溶剤Aよりも沸点が低いものであることが好ましい。
溶剤Bとしては、好ましくは極性有機溶剤であり、より好ましくは低級アルコール系溶剤である。低級アルコール系溶剤としては、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール等を挙げることができる。さらに好ましくは、炭素数4以下の低級アルコール系溶剤である。
溶剤Bのその他の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を挙げることができ、さらに、上記した溶剤A、ノニオン性界面活性剤及び樹脂との関係性を満たすものを適宜選択して用いることができる。
これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用することができる。
溶剤Bの溶剤Aに対する溶解度は23℃で3g/100g以下であることが好ましく、より好ましくは、23℃で1g/100g以下であり、さらに好ましくは0.5g/100g以下であり、一層好ましくは、実質的に溶解しないことである。
溶剤Bと溶剤Aとの沸点の差は、10℃以上であることが好ましく、より好ましくは20℃以上であり、更に好ましくは、50℃以上である。この場合、石油系炭化水素溶剤等の混合溶剤の場合、50%留出点を沸点とする。また、溶剤Bの沸点は、100℃以下であることが好ましく、より好ましくは90℃以下である。一方、溶剤Bの沸点の下限値は、溶剤Bが−20〜90℃の範囲で液状であれば特に制限されない。
溶剤Bは、Hansenの溶解性パラメーター(HSP値)が18〜30MPa1/2であることが好ましく、より好ましくは20〜30MPa1/2である。また、溶剤Bは、分散項δdが14〜17、極性項δpが5〜15、水素結合項δhが5〜25であることが好ましく、より好ましくは、分散項δdが14〜17、極性項δpが5〜15、水素結合項δhが15〜25である。
溶剤Bの溶解性パラメーターが上記範囲であることで、溶剤Aに対して溶解性が低く、かつ、着色樹脂粒子及び固体樹脂をそれぞれ溶解させる能力を有することができる。着色樹脂粒子及び固体樹脂の溶解性パラメーターとしては、上記範囲のものであれば、溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対して不溶性で分散安定性を得ることができる。
また、溶剤Aが炭化水素系溶剤であり、溶剤Bが炭素数4以下のアルコール系溶剤であることが好ましい。炭化水素系溶剤の好ましい例としては、ナフテン、パラフィン、イソパラフィン等であり、炭素数4以下のアルコール系溶剤の好ましい例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等であり、より好ましくはメタノールである。
色材としては、顔料及び染料のいずれであってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。顔料及び染料の詳細については上記した通りである。
色材は、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g以下であることが好ましく、より好ましくは1g/100g以下であり、さらに好ましくは0.5g/100g以下である。一層好ましくは、油中油型エマルションの配合割合において、溶剤Aに色材が実質的に溶解しないように、色材が選択される。
好ましくは、色材は、溶剤Aよりも溶剤Bに対する親和性が高いことで、分散相中で溶剤Bに固体樹脂とともに色材が溶解ないし分散し、着色樹脂粒子分散体を安定して提供することができる。
染料である場合は、溶剤Bに対する染料の溶解度が23℃で0.5g/100g以上であることが好ましく、より好ましくは1g/100g以上である。さらに好ましくは、油中油型エマルションの配合割合において、溶剤Bに染料が実質的に全て溶解するように、染料が選択される。
分散相中の色材は、染料及び顔料の総量として、分散相全体に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%であり、一層好ましくは2〜20質量%である。これによって、溶剤Bへの溶解性または分散性を安定にすることができる。
溶剤Bの除去後、色材の含有量としては、染料及び顔料の総量として、着色樹脂粒子分散体全体に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%であり、一層好ましくは2〜20質量%である。これによって、着色樹脂粒子の呈色を適正にして、形状を安定化することができる。
色材に顔料を用いる場合は、分散相中、すなわち溶剤B中で顔料を安定して分散させるために、分散相に顔料分散剤をさらに含ませてもよい。
顔料分散剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤のいずれを用いてもよく、エマルションのその他成分に応じて適宜選択すればよい。また、顔料分散剤は、高分子量化合物及び低分子量化合物のいずれを用いてもよい。
顔料分散剤は、溶剤Bに対する溶解度が溶剤Aに対する溶解度よりも高いことが好ましく、例えば、溶剤Bに対する溶解度が23℃で3g/100g以上であることが好ましく、より好ましくは5g/100g以上である。さらに好ましくは、油中油型エマルションの配合割合において、溶剤Bに顔料分散剤が実質的に全て溶解し、溶剤Aに顔料分散剤が実質的に溶解しないように、顔料分散剤が選択される。
分散相に酸性化合物または塩基性化合物を含ませる場合には、これらの中から顔料分散性を備えるものを用いることで、顔料の分散安定性を改善することができる。
顔料分散剤として使用可能な酸性化合物の市販例としては、ビックケミー・ジャパン社製「DISPERBYK102、110、111」(いずれも商品名)、巴工業社製「TEGODispers655」、EFKA社製「Efka6230」等が挙げられる。これらはいずれも溶剤Bに対する溶解性が良好である。
また、顔料分散剤には、上記した塩基性化合物のなかから顔料分散性を備えるものを用いてもよい。
顔料分散剤として使用可能な塩基性化合物の市販例としては、ルーブリゾール社製「ソルスパース71000」、ビックケミー・ジャパン社製「DISPERBYK9077」等が挙げられる。これらはいずれも溶剤Bに対する溶解性が良好である。
分散相中の顔料分散剤の配合量は、適宜設定できるが、顔料分散性の観点から、質量比で、顔料1部に対し0.05〜2.0部程度であることが好ましく、0.1〜1.0部であることがより好ましく、0.2〜0.5部であることがさらに好ましい。
固体樹脂としては、室温(23℃)で固体状の樹脂であることが好ましい。詳細については、上記した通りである。
この固体樹脂は、油中油型エマルションによって着色樹脂粒子を製造する場合は、溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いものであることが好ましい。
固体樹脂の溶剤Bに対する溶解度は23℃で10g/100g以上であることが好ましく、より好ましくは20g/100g以上である。また、固体樹脂の溶剤Aに対する溶解度は23℃で3g/100g以下であることが好ましく、より好ましくは1g/100g以下であり、さらに好ましくは0.5g/100g以下である。一層好ましくは、固体樹脂は、油中油型エマルションの配合割合において、溶剤Bに実質的に全て溶解し、溶剤Aに実質的に溶解しないものである。
分散相全量に対する固体樹脂の含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%であり、一層好ましくは2〜25質量%である。これによって、溶剤Bへの固体樹脂の溶解性を適正にして、着色樹脂粒子の成分をより均一にすることができる。
溶剤B除去後の着色樹脂粒子分散体全量に対する固体樹脂の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。これによって、着色樹脂粒子の呈色を適正にして、形状を安定化することができる。
固体樹脂と色材の質量比は、(固体樹脂の質量)/(色材の質量)≧0.5であることが好ましい。この範囲で、連続相と分散相とを混合及び攪拌したときに、乳化安定性に優れた油中油型エマルションを提供することができ、結果として着色樹脂粒子の形状安定性や分散安定性を改善することができる。
分散相には、液体有機化合物が含まれてもよい。この液体有機化合物の詳細については上記した通りである。
液体有機化合物は、特に制限されないが、溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いことが好ましい。液体有機化合物の溶剤Bに対する溶解度は23℃で1g/100g以上であることが好ましく、より好ましくは2g/100g以上である。また、液体有機化合物の溶剤Aに対する溶解度は23℃で3g/100g以下であることが好ましく、より好ましくは1g/100g以下であり、さらに好ましくは0.5g/100g以下である。一層好ましくは、液体有機化合物は、油中油型エマルションの配合割合において、溶剤Bに実質的に全て溶解し、溶剤Aに実質的に溶解しないものである。
分散相全量に対する液体有機化合物の含有量は、0.1〜25質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。これによって、エマルションをより安定化することができる。
溶剤B除去後の着色樹脂粒子分散体全量に対する液体有機化合物の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。これによって、耐擦過性をより高めることができる。
液体有機化合物と色材の質量比は、(液体有機化合物の質量)/(色材の質量)≧0.5であることが好ましい。この範囲で、連続相と分散相とを混合及び攪拌したときに、乳化安定性に優れた油中油型エマルションを提供することができる。
液体有機化合物には、酸性化合物及び塩基性化合物のいずれを用いてもよい。
分散相には、本発明の効果を損なわない範囲で、消泡剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、架橋剤、可塑剤等のその他の任意成分を添加してもよい。
「分散体の製造方法」
着色樹脂粒子分散体の製造方法としては、特に限定されず、上記した連続相中に上記した分散相が分散した油中油型エマルションを作製し、この油中油型エマルションから、分散相中の非水系溶剤Bを除去することで調製することができる。
例えば、連続相及び分散相は、それぞれ、上記した各成分を混合して作製することができる。その後、連続相に分散相を滴下しながら混合及び攪拌することで、連続相に分散相を分散させることができる。このとき、混合及び攪拌は、超音波ホモジナイザーを用いて行うことができる。得られた油中油型エマルションから減圧及び/または加熱により非水系溶剤Bを除去することができる。このとき、減圧及び/または加熱の程度は、非水系溶剤Bが除去されるが、非水系溶剤Aは残るように制御する。
他の方法では、連続相及び分散相を構成する全ての成分を混合、攪拌することで、各成分の溶解性のバランスから、連続相の成分と分散相の成分とが分離することで、連続相中に分散相が分散した油中油型エマルションを作製することができる。
色材に顔料を用いる場合は、分散相中での顔料の分散方法としては、ボールミル、ビーズミル、超音波、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の一般的な湿式分散機を用いることができる。
また、油中油型エマルションの連続相と分散相との質量比は、40:60〜95:5の範囲で調製することができる。非水系溶剤Bの添加量は、油中油型エマルション全体に対し、5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。また、非水系溶剤Bの除去量は、配合された非水系溶剤B全量であることが望ましいが、配合された非水系溶剤B全量に対し90質量%以上であればよい。
着色樹脂粒子分散体において、着色樹脂粒子の平均粒子径は、上記した通りであることが好ましい。
着色樹脂粒子の平均粒子径は、連続相に配合されるノニオン性分散剤の量、または、分散相に配合される不揮発分の量等を調整して制御することができる。また、分散相に酸性化合物を配合することで、着色樹脂粒子の平均粒子径をより小さく制御することが可能である。
(インク)
一実施形態によるインクとしては、上記した着色樹脂粒子分散体を含むインクである。このインクは、インクジェット印刷、オフセット印刷、孔版印刷、グラビア印刷、電子写真方式印刷等の印刷インク全般として用いることができる。特に、分散安定性が良好であるため、インクジェットインクとして用いることが好ましい。
インクジェットインクとして用いる場合、着色樹脂粒子分散体をそのまま用いることも可能であり、また、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲内で、当該分野において通常用いられている各種添加剤を含ませることができる。例えば、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。また、着色樹脂粒子分散体を上記した非水系溶剤で希釈してもよい。
インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、9mPa・s以下であることが一層好ましい。
インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから一実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
一実施形態において、記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。塗工印刷用紙は、普通紙、インクジェット用コート紙と比較して紙表面の空隙が少ないため、インクの浸透が遅く、インク成分が紙表面に留まりやすい。
本発明の一連の実施形態を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
[1]色材及び固体樹脂を含む着色樹脂粒子と、ノニオン性界面活性剤と、非水系溶剤とを含む、着色樹脂粒子分散体。
[2]前記ノニオン性界面活性剤は、水酸基を有するノニオン性界面活性剤である、[1]に記載の着色樹脂粒子分散体。
[3]前記ノニオン性界面活性剤は、非置換のアルキル基を有する第1ブロックと、水酸基を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体である、[1]に記載の着色樹脂粒子分散体。
[4]前記ノニオン性界面活性剤は、非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリル単位を有する第1ブロックと、少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリル単位を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体である、[1]に記載の着色樹脂粒子分散体。
[5]前記ノニオン性界面活性剤は、非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリル単位を有する第1ブロックと、非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリル単位、及び少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリル単位を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体である、[1]に記載の着色樹脂粒子分散体。
[6]前記着色樹脂粒子が、酸性基を有する液体有機化合物、または塩基性基を有する液体有機化合物をさらに含む、[1]から[5]のいずれかに記載の着色樹脂粒子分散体。
[7][1]から[6]のいずれかに記載の着色樹脂粒子分散体を含む、インクジェットインク。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に説明のない限り、「%」は「質量%」を示す。
<ノニオン性界面活性剤の合成>
表1に、ノニオン性界面活性剤を構成するモノマー成分の組成を示す。このノニオン性界面活性剤は、マクロ連鎖移動剤を使用した可逆的付加−開裂連鎖移動(RAFT)重合法にて合成した。
表中に示す第2ブロックのSP値は、Fedors法によって算出した各構成モノマーのSP値のモル分率平均値から求めた。
表2にマクロ連鎖移動剤の処方を示す。
表2に示す成分割合にしたがって、連鎖移動剤、開始剤、モノマー、非水系溶剤を混合した。混合物をナスフラスコに添加し、窒素ガスをパージした後に密栓した。混合物を80℃に加熱し、撹拌しながら24時間重合を行って、マクロ連鎖移動剤を合成した。
表3にノニオン性界面活性剤の処方を示す。
表3に示す成分割合にしたがって、表2に示すマクロ連鎖移動剤、開始剤、モノマー、非水系溶剤を混合した。混合物をナスフラスコに添加し、窒素ガスをパージした後に密栓した。混合物を80℃に加熱し、撹拌しながら24時間重合を行って、ノニオン性界面活性剤を合成した。
各表に示す成分は、以下の通りである。
メタクリル酸ステアリル:東京化成工業株式会社製。
メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル:和光純薬工業株式会社製。
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル:和光純薬工業株式会社製。
2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート:SIGMA ALDRICH社製)。
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル):和光純薬工業株式会社製。
アイソパーM:イソパラフィン系炭化水素系溶剤、エクソンモービル社製。
<インクの作製>
表4にエマルション(溶剤B除去前)の組成を示し、表5にインク(溶剤B除去後)の組成を示す。各表に示すノニオン性界面活性剤1〜5は、上記で得られたものである。各表において、顔料分散剤等に揮発分が含まれる場合は、各成分の全体量とともに有効成分量をカッコ内に併せて示す。
表4に示す成分割合にしたがって、溶剤A、分散剤、溶剤B、色材、固体樹脂、液体有機化合物(酸性化合物または塩基性化合物)を混合した。超音波分散機を用いて、この混合物からO/O型エマルションを作製した。エバポレーターを用いて、O/O型エマルションから溶剤Bを除去することによって、着色樹脂粒子分散体を作製した。溶剤Bの除去率は、ほぼ100質量%であった。この着色粒子分散体をそのままインクとして用いた。
インク全量に対する着色樹脂粒子分(色材、固体樹脂、酸性化合物または塩基性化合物)の合計量を求め、表5に併せて示す。
各表に示す成分は、以下の通りである。
塩基性分散剤:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース11200」、有効成分50%、塩基価37KOHmg/g。
メタノール:炭素数1のアルコール系溶剤、和光純薬工業株式会社製。
カーボンブラック:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製「MONARCH800」。
金属錯塩染料:オリヱント化学工業株式会社製「ValifastBlack3830」。
スチレンアクリルポリマー:東亞合成株式会社製「ARUFON UC3920」、(重量平均分子量:Mw)15500。
BYK111:2個のリン酸基を有する液体有機化合物(共重合体の両末端にリン酸基を有するリン酸エステル化合物)、ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPER BYK111」、酸価129mgKOH/g、有効成分95.0%。
S71000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース71000」、塩基価78mgKOH/g、有効成分100%。
上記Mwは、重量平均分子量を示す。
溶剤Bであるメタノールは、溶剤Aである炭化水素系溶剤(アイソパーM)に対する溶解度が23℃で0.4g/100gである。また、メタノールの沸点は64.7℃であり、アイソパーMの50%留出点はおよそ234℃である。
ノニオン性界面活性剤1〜5、塩基性分散剤は、それぞれ、表4に示す連続相の配合割合で溶剤Aに溶解し、溶剤Bに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。
色材は、それぞれ、表4に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解ないし分散し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。
固体樹脂は、表4に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であり、水に対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。
酸性化合物及び塩基性化合物は、表4に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。
<評価>
上記した各インクを用いて、以下の各評価を行った。結果を表5に併せて示す。
(耐擦過性)
上記した各インクをライン式インクジェットプリンター「オルフィスX9050」(理想科学工業株式会社製)に装填し、上質コート紙「オーロラコート」(日本製紙株式会社製)に、ベタ画像を印刷して、印刷物を得た。印刷は、解像度300×300dpiにて、1ドット当りのインク量が42plの吐出条件で行った。なお、「オルフィスX9050」は、ライン型インクジェットヘッドを使用し、主走査方向(ノズルが並んでいる方向)に直交する副走査方向に用紙を搬送して印刷を行うシステムである。
印刷後24時間放置後に、印刷物のベタ画像部分を指で強く5回擦った時の状態を目視で観察し、耐擦過性を次の基準で評価した。
A:画像のはがれがほとんど確認されないレベル。
B:画像のはがれが確認されるが実際の使用上問題ないレベル。
C:画像のはがれが顕著であり実際の使用上問題あるレベル。
(発色性)
上記した耐擦過性と同様にして印刷物を得た。印刷後24時間放置後の塗膜の濃度を目視にて観察して、発色性を次の基準で評価した。
A:画像が均一かつ、十分な濃度が得られている。
B:画像は均一であるが、濃度が薄い。
C:画像が不均一かつ濃度が薄い。
(異物)
上記した各インクをポリプロピレン製容器に入れて23℃で1週間保存した。保存後、インク1mlをミリポア製Isoporeフィルター(2μm)に通し、フィルター残渣を光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。フィルター残渣に、長径10μm以上の塊が観察された場合に、異物が存在すると判断した。
A:異物が存在しない。
C:異物が存在する。
(着色樹脂粒子の平均粒子径)
上記した各インクについて、インク中に分散している着色樹脂粒子の粒子径を、動的光散乱式粒度分布計「nano partica SZ−100(株式会社堀場製作所製)」を用いて測定した。着色樹脂粒子の粒子径を以下の基準で評価した。
A:粒子径が200nm以下である。
B:粒子径が200超過〜300nm未満である。
C:粒子径が300nm以上である。
(インクの粘度)
インクの粘度は、23℃における粘度であり、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製レオメータAR−G2(コーン角度2°、直径40mm)で測定し、次の基準で評価した。
A:インク粘度が9mPa・s以下。
B:インク粘度が9超過〜13mPa・s以下。
C:インク粘度が13超過〜15mPa・s未満。
D:インク粘度が15mPa・s以上。
上記表5に示す通り、各実施例のインクは、いずれの評価も良好であり、また、着色樹脂粒子の平均粒子径及びインクの粘度も適正な範囲であった。
実施例1〜5では、各種ノニオン性界面活性剤1〜5を用いており、各評価結果が良好であり、特に異物の発生を防止することができた。
比較例1は、ノニオン性界面活性剤ではなく塩基性分散剤を用いており、異物の発生を防止することができなかった。
実施例のノニオン性界面活性剤1〜5は、長鎖アルキル基を有する第1セグメントと、水酸基を有する第2セグメントとを有する分散剤である。
実施例1のノニオン性界面活性剤1は、第2セグメントがヒドロキシプロピル基から構成され、粒子径及びインク粘度が良好であった。
実施例2のノニオン性界面活性剤2は、第2セグメントにおいてヒドロキシプロピル基とステアリル基が50:20(モル比)であり、粒子径をより小さくすることができた。
実施例3及び4では、ノニオン性界面活性剤3及び4の順で、実施例2のノニオン性界面活性剤2よりもヒドロキシプロピル基の割合が小さくなっており、粒子径が大きくなり、インク粘度が上昇した。
実施例5のノニオン性界面活性剤5は、第2セグメントにヒドロキシエチル基が導入され、各評価結果が良好であった。
実施例6は、染料インクであり、良好な結果が得られた。
実施例7は、実施例2及び実施例8に対し液体有機化合物を用いていないが、十分な評価結果が得られた。実施例2及び実施例8のように酸性化合物又は塩基性化合物を用いることで、耐擦過性をより改善することができた。さらに、実施例2のように酸性化合物を用いることで、粒子径及びインク粘度をより改善することができた。

Claims (7)

  1. 色材及び固体樹脂を含む着色樹脂粒子と、ノニオン性界面活性剤と、非水系溶剤とを含む、着色樹脂粒子分散体。
  2. 前記ノニオン性界面活性剤は、水酸基を有するノニオン性界面活性剤である、請求項1に記載の着色樹脂粒子分散体。
  3. 前記ノニオン性界面活性剤は、非置換のアルキル基を有する第1ブロックと、水酸基を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体である、請求項1に記載の着色樹脂粒子分散体。
  4. 前記ノニオン性界面活性剤は、非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリル単位を有する第1ブロックと、少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリル単位を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体である、請求項1に記載の着色樹脂粒子分散体。
  5. 前記ノニオン性界面活性剤は、非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリル単位を有する第1ブロックと、非置換のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリル単位、及び少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリル単位を有する第2ブロックとを有するブロック共重合体である、請求項1に記載の着色樹脂粒子分散体。
  6. 前記着色樹脂粒子が、酸性基を有する液体有機化合物、または塩基性基を有する液体有機化合物をさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の着色樹脂粒子分散体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の着色樹脂粒子分散体を含む、インクジェットインク。
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