JP2019004869A - ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コクとキレのバランスに優れたビールテイスト飲料を提供すること。【解決手段】ビールテイスト飲料は、穀物由来成分を含有し、外観最終発酵度が90%以上であり、アミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mLである。【選択図】なし
Description
本発明は、ビールテイスト飲料及びその製造方法に関する。
ビールテイスト飲料には、コクとキレが求められる。一般に、コクを増大させると、キレが悪化する。従って、コクとキレのバランスに優れたビールテイスト飲料が求められている。
上記に関連して、特開2016−49号公報(特許文献1)には、麦由来成分と水溶性食物繊維を含有し、プリン体の含有量が1.1mg/100ml以下であり、クエン酸換算で325〜805.7ppmの酸味物質を含有しているビールテイスト飲料が記載されている。
また、特開2016−10405号公報(特許文献2)には、麦由来のエキス分が0.40g/100cm3以下であり、水溶性食物繊維を含有し、7〜23ppmのイソα酸を含有していることを特徴とするビールテイスト飲料が記載されている。
更に、特開2015−204847号公報(特許文献3)には、麦由来のエキス分が0.40g/100cm3以下であり、水溶性食物繊維を含有し、0.25〜1ppmのネオテーム、12〜16ppmのアセスルファムカリウム、又は5〜12ppmのスクラロースを含有していることを特徴とするビールテイスト飲料が記載されている。
上記に関連して、特開2016−49号公報(特許文献1)には、麦由来成分と水溶性食物繊維を含有し、プリン体の含有量が1.1mg/100ml以下であり、クエン酸換算で325〜805.7ppmの酸味物質を含有しているビールテイスト飲料が記載されている。
また、特開2016−10405号公報(特許文献2)には、麦由来のエキス分が0.40g/100cm3以下であり、水溶性食物繊維を含有し、7〜23ppmのイソα酸を含有していることを特徴とするビールテイスト飲料が記載されている。
更に、特開2015−204847号公報(特許文献3)には、麦由来のエキス分が0.40g/100cm3以下であり、水溶性食物繊維を含有し、0.25〜1ppmのネオテーム、12〜16ppmのアセスルファムカリウム、又は5〜12ppmのスクラロースを含有していることを特徴とするビールテイスト飲料が記載されている。
本発明の課題は、コクとキレのバランスに優れたビールテイスト飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の事項を含んでいる。
〔1〕穀物由来成分を含有するビールテイスト飲料であって、
外観最終発酵度が90%以上であり、
アミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mLである、ビールテイスト飲料。
〔2〕麦芽使用比率が、80%以上である、前記〔1〕に記載のビールテイスト飲料。
〔3〕糖質含量が、3.0g/100mL以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のビールテイスト飲料。
〔4〕アルコール度数が1〜10容量%である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
〔5〕更に、ホップを含有する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
〔6〕炭素源又は窒素源を含有する穀物由来成分の水溶液を調製する工程と、
前記水溶液に酵母を添加し、発酵させる工程と、
を有するビールテイスト飲料の製造方法であって、
前記発酵させる工程は、飲料中のアミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mLとなるように、前記水溶液を発酵させる工程を有し、
前記ビールテイスト飲料の外観最終発酵度が90%以上である、ビールテイスト飲料の製造方法。
〔7〕前記水溶液を調製する工程は、麦芽使用比率80%以上で、穀物由来成分の水溶液を調製する工程を有している、前記〔6〕に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
〔8〕前記水溶液の糖質含量を、3.0g/100mL以下になるように調整する工程を有する、前記〔6〕又は〔7〕に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
〔1〕穀物由来成分を含有するビールテイスト飲料であって、
外観最終発酵度が90%以上であり、
アミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mLである、ビールテイスト飲料。
〔2〕麦芽使用比率が、80%以上である、前記〔1〕に記載のビールテイスト飲料。
〔3〕糖質含量が、3.0g/100mL以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のビールテイスト飲料。
〔4〕アルコール度数が1〜10容量%である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
〔5〕更に、ホップを含有する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
〔6〕炭素源又は窒素源を含有する穀物由来成分の水溶液を調製する工程と、
前記水溶液に酵母を添加し、発酵させる工程と、
を有するビールテイスト飲料の製造方法であって、
前記発酵させる工程は、飲料中のアミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mLとなるように、前記水溶液を発酵させる工程を有し、
前記ビールテイスト飲料の外観最終発酵度が90%以上である、ビールテイスト飲料の製造方法。
〔7〕前記水溶液を調製する工程は、麦芽使用比率80%以上で、穀物由来成分の水溶液を調製する工程を有している、前記〔6〕に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
〔8〕前記水溶液の糖質含量を、3.0g/100mL以下になるように調整する工程を有する、前記〔6〕又は〔7〕に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
本発明によれば、コクとキレのバランスに優れたビールテイスト飲料及びその製造方法が提供される。
(ビールテイスト飲料)
本発明の実施態様に係るビールテイスト飲料は、コクとキレのバランスを楽しむための飲料である。コクとは、飲料を口に含んだときに感じる味の芳醇さ、ボディ感、飲み応えを言う。一方、キレとは、飲料を飲みこんだ後に後味が速やかに消える爽快感(すっきりさ)を言う。
本発明において、ビールテイスト飲料とは、アルコール度数や麦芽の使用の有無に関わらず、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有し、高い止渇感・ドリンカビリティーを有する飲料を意味する。ビールテイスト飲料には、ビールそのものも含まれる。
本発明の実施態様に係るビールテイスト飲料は、コクとキレのバランスを楽しむための飲料である。コクとは、飲料を口に含んだときに感じる味の芳醇さ、ボディ感、飲み応えを言う。一方、キレとは、飲料を飲みこんだ後に後味が速やかに消える爽快感(すっきりさ)を言う。
本発明において、ビールテイスト飲料とは、アルコール度数や麦芽の使用の有無に関わらず、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有し、高い止渇感・ドリンカビリティーを有する飲料を意味する。ビールテイスト飲料には、ビールそのものも含まれる。
本発明の実施態様に係るビールテイスト飲料は、穀物由来成分を含有する飲料であり、外観最終発酵度が90%以上であり、アミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mL以上である。本発明によれば、外観最終発酵度とアミノ酸濃度とが特定の範囲に調整されているため、コクとキレのバランスに優れたビールテイスト飲料を得ることができる。
ビールテイスト飲料は、炭素源又は窒素源を含有する穀物由来成分の水溶液を、酵母により発酵させることにより、得られるものである。炭素源を含有する穀物由来成分としては、例えば、麦(麦芽を含む)、米及びトウモロコシなどのデンプン質原料の糖化物や、液糖等が挙げられる。窒素源を含有する穀物由来成分としては、例えば、麦、大豆、エンドウ豆及びトウモロコシ等のタンパク質原料の分解物などが挙げられる。
ビールテイスト飲料は、炭素源又は窒素源を含有する穀物由来成分の水溶液を、酵母により発酵させることにより、得られるものである。炭素源を含有する穀物由来成分としては、例えば、麦(麦芽を含む)、米及びトウモロコシなどのデンプン質原料の糖化物や、液糖等が挙げられる。窒素源を含有する穀物由来成分としては、例えば、麦、大豆、エンドウ豆及びトウモロコシ等のタンパク質原料の分解物などが挙げられる。
好ましくは、ビールテイスト飲料は、穀物由来成分として麦芽由来成分を含む。ビールテイスト飲料における麦芽使用比率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。
尚、麦芽使用比率とは、水とホップを除く全原料に対する麦芽の割合(重量%)である。
尚、麦芽使用比率とは、水とホップを除く全原料に対する麦芽の割合(重量%)である。
(ホップの定義)
本発明で、ホップという場合は、ホップ毬花(毬果)より不要な部分を除去し、ルプリンの割合を高めた、ホップ加工物すなわちホップペレットを含み、さらに、ホップ毬花(毬果)から有用成分を二酸化炭素などで抽出したホップ抽出物すなわちホップエキスを包含する。
また、ビールテイスト飲料は、好ましくは、ホップ加工物または抽出物を含む。ホップ加工物または抽出物を含有させることにより、ホップ由来の香気や苦味を付与することができ、ビールテイスト飲料の嗜好性を高めることができる。
本発明で、ホップという場合は、ホップ毬花(毬果)より不要な部分を除去し、ルプリンの割合を高めた、ホップ加工物すなわちホップペレットを含み、さらに、ホップ毬花(毬果)から有用成分を二酸化炭素などで抽出したホップ抽出物すなわちホップエキスを包含する。
また、ビールテイスト飲料は、好ましくは、ホップ加工物または抽出物を含む。ホップ加工物または抽出物を含有させることにより、ホップ由来の香気や苦味を付与することができ、ビールテイスト飲料の嗜好性を高めることができる。
ビールテイスト飲料の外観最終発酵度は、上述の通り、90%以上である。好ましくは、外観最終発酵度は、110%以下である。より好ましくは、外観最終発酵度は、95%〜105%である。
尚、本発明において、外観最終発酵度とは、発酵前の液に含まれる全糖濃度のうち、酵母がアルコール発酵の栄養源として消費できる糖濃度の占める割合を意味する。
例えば、原材料として麦芽を用いたビールテイスト飲料の外観最終発酵度「Vs end」は、下記式1により、求めることができる。
(式1):Vs end (%) =100×(P-Es end)/P
ここで、式1中、「Es end」は、酵母が消費可能な残存糖分を酵母添加によって全て消費させた場合の、ビールテイスト飲料の外観エキスを示す。外観エキスは、例えば、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載されるように、下記式2によって求めることができる。
(式2):Es end = -460.234 + 662.649×SGEA-202.414×SGEA 2
ここで、式2において、SGEAは、ガス抜きビールテイスト飲料の比重である。
また、式1中、「P」は、原麦汁エキスであり、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載された方法により、求めることができる。
尚、原材料として麦芽以外の原料を用いたビールテイスト飲料の外観最終発酵度も、上述した方法に準じて、求めることができる。
また、外観エキス「Es end」は、原麦汁エキス「P」よりも大きな値になることがあるため、外観最終発酵度が100%を超える場合があることにも留意されたい。
外観最終発酵度は、例えば、糖化条件、原料を糖化させる際の酵素の使用有無、及び、原材料の種類や配合量などを調整することにより、制御することができる。例えば、糖化時間を長くすれば、酵母が使用する事ができる糖濃度を高めることができ、外観最終発酵度を高めることができる。
尚、本発明において、外観最終発酵度とは、発酵前の液に含まれる全糖濃度のうち、酵母がアルコール発酵の栄養源として消費できる糖濃度の占める割合を意味する。
例えば、原材料として麦芽を用いたビールテイスト飲料の外観最終発酵度「Vs end」は、下記式1により、求めることができる。
(式1):Vs end (%) =100×(P-Es end)/P
ここで、式1中、「Es end」は、酵母が消費可能な残存糖分を酵母添加によって全て消費させた場合の、ビールテイスト飲料の外観エキスを示す。外観エキスは、例えば、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載されるように、下記式2によって求めることができる。
(式2):Es end = -460.234 + 662.649×SGEA-202.414×SGEA 2
ここで、式2において、SGEAは、ガス抜きビールテイスト飲料の比重である。
また、式1中、「P」は、原麦汁エキスであり、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載された方法により、求めることができる。
尚、原材料として麦芽以外の原料を用いたビールテイスト飲料の外観最終発酵度も、上述した方法に準じて、求めることができる。
また、外観エキス「Es end」は、原麦汁エキス「P」よりも大きな値になることがあるため、外観最終発酵度が100%を超える場合があることにも留意されたい。
外観最終発酵度は、例えば、糖化条件、原料を糖化させる際の酵素の使用有無、及び、原材料の種類や配合量などを調整することにより、制御することができる。例えば、糖化時間を長くすれば、酵母が使用する事ができる糖濃度を高めることができ、外観最終発酵度を高めることができる。
ビールテイスト飲料中におけるアミノ酸濃度は、上述の通り、アミノ態窒素(A−N)として10〜20mg/100mLである。
好ましくは、アミノ酸濃度は、アミノ態窒素(A−N)として10〜15mg/100mLである。
特に好ましい態様は、麦芽使用比率が80%以上であり、外観最終発酵度が95%以上、105%未満であり、アミノ酸濃度がアミノ態窒素(A−N)として10〜20mg/100mLである態様であり、更にこの場合において、アミノ酸濃度がアミノ態窒素(A−N)とし10〜15mg/100mLであることが最も好ましい。
尚、A−Nとは、アミノ態窒素の濃度[mg/100mL]を意味し、例えばニンヒドリン法(ビール酒造組合:ビール分析法、8.18(1990))により分析することができる。
アミノ酸濃度は、例えば、使用する原料の種類、原材料仕込工程、および、発酵工程における発酵条件などを制御することにより、調整することができる。例えば、原材料仕込工程において、麦芽などの原材料に含まれるたんぱく質の分解時間を長くすれば、タンパク質の分解が促進され、アミノ酸濃度を増大させることができる。また、発酵工程において、酵母濃度を高めたり、発酵温度を上げれば、酵母によるアミノ酸の消費量が大きくなり、アミノ酸濃度を低下させることができる。
好ましくは、アミノ酸濃度は、アミノ態窒素(A−N)として10〜15mg/100mLである。
特に好ましい態様は、麦芽使用比率が80%以上であり、外観最終発酵度が95%以上、105%未満であり、アミノ酸濃度がアミノ態窒素(A−N)として10〜20mg/100mLである態様であり、更にこの場合において、アミノ酸濃度がアミノ態窒素(A−N)とし10〜15mg/100mLであることが最も好ましい。
尚、A−Nとは、アミノ態窒素の濃度[mg/100mL]を意味し、例えばニンヒドリン法(ビール酒造組合:ビール分析法、8.18(1990))により分析することができる。
アミノ酸濃度は、例えば、使用する原料の種類、原材料仕込工程、および、発酵工程における発酵条件などを制御することにより、調整することができる。例えば、原材料仕込工程において、麦芽などの原材料に含まれるたんぱく質の分解時間を長くすれば、タンパク質の分解が促進され、アミノ酸濃度を増大させることができる。また、発酵工程において、酵母濃度を高めたり、発酵温度を上げれば、酵母によるアミノ酸の消費量が大きくなり、アミノ酸濃度を低下させることができる。
本発明において、糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。
ビールテイスト飲料における糖質含量は、3.0g/100ml以下であることが好ましく、2.0g/100ml以下であることがより好ましい。近年、健康志向の高まりを受け、低糖質のビールテイスト飲料の需要が増えている。しかしながら、ビールテイスト飲料の糖質含量を減らすと、コクが失われ、水っぽい味感を与える製品になりやすい。これに対して、本実施態様によれば、外観最終発酵度及びアミノ酸濃度が調整されているため、糖質含量が3.0g/100ml以下であっても十分なコクを付与することができる。
尚、本発明において、「コクキレ感」とは、コクとキレの最適なバランスのことである。
ビールテイスト飲料のアルコール度数は、好ましくは1〜10容量%、より好ましくは4〜6容量%である。尚、本発明において、アルコール度数とは、エタノール濃度を示す。
ビールテイスト飲料における糖質含量は、3.0g/100ml以下であることが好ましく、2.0g/100ml以下であることがより好ましい。近年、健康志向の高まりを受け、低糖質のビールテイスト飲料の需要が増えている。しかしながら、ビールテイスト飲料の糖質含量を減らすと、コクが失われ、水っぽい味感を与える製品になりやすい。これに対して、本実施態様によれば、外観最終発酵度及びアミノ酸濃度が調整されているため、糖質含量が3.0g/100ml以下であっても十分なコクを付与することができる。
尚、本発明において、「コクキレ感」とは、コクとキレの最適なバランスのことである。
ビールテイスト飲料のアルコール度数は、好ましくは1〜10容量%、より好ましくは4〜6容量%である。尚、本発明において、アルコール度数とは、エタノール濃度を示す。
本発明のビールテイスト飲料は、必要に応じて、食物繊維、pH調整剤、苦味料、酸味料、甘味料、香料等の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の含有量については、これらの添加剤について、慣用されている量を採用すればよい。
(ビールテイスト飲料の製造方法)
続いて、本実施態様に係るビールテイストの製造方法の一例について説明する。本実施態様に係るビールテイスト飲料の製造方法は、炭素源又は窒素源を含有する穀物由来成分の水溶液を調製する工程と、この水溶液に酵母を添加し、発酵させる工程とを有している。以下に、各工程について詳細に説明する。
続いて、本実施態様に係るビールテイストの製造方法の一例について説明する。本実施態様に係るビールテイスト飲料の製造方法は、炭素源又は窒素源を含有する穀物由来成分の水溶液を調製する工程と、この水溶液に酵母を添加し、発酵させる工程とを有している。以下に、各工程について詳細に説明する。
まず、穀物原料から、酵母によって利用され得る炭素源又は窒素源を含有する水溶液を調製する。
例えば、主原料として麦芽を用いる場合には、主原料としての麦芽の粉砕物と、副原料である米やコーンスターチ等のデンプン質に温水を加えて混合・加温し、主に麦芽の酵素を利用してデンプン質を糖化させる。得られた糖化液を濾過した後、ホップを加えて煮沸する。煮沸後、ワールプールと呼ばれる槽でホップ粕等の沈殿物を除去する。沈殿物の除去後、熱交換器(プレートクーラー)により冷却する。これにより、発酵用の水溶液が得られる。
一方、麦芽を使用せずにビールテイスト飲料を得る場合には、炭素源を含有する液糖、麦芽以外の窒素源含有材料(例えば、大豆、エンドウ豆及びトウモロコシ等のタンパク質原料の分解物)、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製する。当該液糖溶液を、煮沸し、ホップ粕等の沈殿物を除去して冷却する。これにより、発酵用の水溶液が得られる。
例えば、主原料として麦芽を用いる場合には、主原料としての麦芽の粉砕物と、副原料である米やコーンスターチ等のデンプン質に温水を加えて混合・加温し、主に麦芽の酵素を利用してデンプン質を糖化させる。得られた糖化液を濾過した後、ホップを加えて煮沸する。煮沸後、ワールプールと呼ばれる槽でホップ粕等の沈殿物を除去する。沈殿物の除去後、熱交換器(プレートクーラー)により冷却する。これにより、発酵用の水溶液が得られる。
一方、麦芽を使用せずにビールテイスト飲料を得る場合には、炭素源を含有する液糖、麦芽以外の窒素源含有材料(例えば、大豆、エンドウ豆及びトウモロコシ等のタンパク質原料の分解物)、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製する。当該液糖溶液を、煮沸し、ホップ粕等の沈殿物を除去して冷却する。これにより、発酵用の水溶液が得られる。
続いて、得られた水溶液に、酵母を接種して発酵させる。この際、アミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mL以上となるように、発酵させる。発酵後、濾過を行い、目的のビールテイスト飲料が得られる。
<実験例>
麦芽25Kgを糖化し、76℃で酵素失活を行った。得られた液(麦汁)を濾過した。
濾過後、麦汁を煮沸釜に入れ、200Lになるように水を加えた。その後、ホップを100g添加した。ホップの添加後、70分間煮沸し、180Lの麦汁を得た。その後、湯を加え200Lになるように液量を再調整した後、ワールプール(旋回分離槽)で固液分離した。固液分離後、熱交換器によって麦汁を冷却した。冷却後、麦汁に酵母を添加し発酵させた。発酵後の液は濾過にて清澄化し、1.2倍希釈後に容器に充填した。
麦芽25Kgを糖化し、76℃で酵素失活を行った。得られた液(麦汁)を濾過した。
濾過後、麦汁を煮沸釜に入れ、200Lになるように水を加えた。その後、ホップを100g添加した。ホップの添加後、70分間煮沸し、180Lの麦汁を得た。その後、湯を加え200Lになるように液量を再調整した後、ワールプール(旋回分離槽)で固液分離した。固液分離後、熱交換器によって麦汁を冷却した。冷却後、麦汁に酵母を添加し発酵させた。発酵後の液は濾過にて清澄化し、1.2倍希釈後に容器に充填した。
上記の方法により、例1,4,7及び10に係るビールテイスト飲料を得た。尚、例1,4,7における飲料においては、アミノ酸の含有量がアミノ態窒素A−Nとして10mg/100mLとなり、かつ、外観最終発酵度が83%、90%、100%となるように、糖化及び発酵工程を調整した。また、例10に係る飲料においては、アミノ酸の含有量がアミノ態窒素A−Nとして5mg/100mLとなり、かつ、外観最終発酵度が100%となるように、糖化及び発酵工程を調整した。
更に、例1,4,7に係る飲料に、アミノ酸としてグルタミンを添加し、アミノ酸の濃度(アミノ態窒素A−N濃度)が異なる例2,3,5,6,8,9の飲料を得た。
更に、例1,4,7に係る飲料に、アミノ酸としてグルタミンを添加し、アミノ酸の濃度(アミノ態窒素A−N濃度)が異なる例2,3,5,6,8,9の飲料を得た。
例1〜10に係る飲料の麦芽使用比率、糖質含量、及びアルコール度数は、表1に記載される通りであった。
得られた例1〜10係るビールテイスト飲料について、5名のパネリストにより、「キレ」、「コク」及び「コクキレのバランス」ついて官能検査を行った。いずれの検査項目も、5名のパネリストの平均値を結果とした。
「コク」及び「キレ」については、下記の評価基準を用いて、7段階で評価した。
7:大変強い
6:強い
5:やや強い
4:普通
3:やや弱い
2:弱い
1:大変弱い
すなわち、「キレ」については、点数が低いものほどキレがなく、点数が高いものほどキレがあることを示す。「コク」については、点数が低いものほどコクがなく、点数が高いものほどコクがあることを示す。
7:大変強い
6:強い
5:やや強い
4:普通
3:やや弱い
2:弱い
1:大変弱い
すなわち、「キレ」については、点数が低いものほどキレがなく、点数が高いものほどキレがあることを示す。「コク」については、点数が低いものほどコクがなく、点数が高いものほどコクがあることを示す。
「コクキレのバランス」については、下記の評価基準を用いて、7段階で評価した。
7:大変良い
6:良い
5:やや良い
4:普通
3:やや悪い
2:悪い
1:大変悪い
すなわち、「コクキレのバランス」については、点数が低いほどコクとキレのバランスが悪く嗜好性が劣り、点数が高いほどコクとキレのバランスが優り嗜好性に優れることを示す。
7:大変良い
6:良い
5:やや良い
4:普通
3:やや悪い
2:悪い
1:大変悪い
すなわち、「コクキレのバランス」については、点数が低いほどコクとキレのバランスが悪く嗜好性が劣り、点数が高いほどコクとキレのバランスが優り嗜好性に優れることを示す。
表1に示されるように、麦芽使用比率が80%以上である例1乃至例10の飲料においては、外観最終発酵度が上がるにつれ、コクキレのバランスが良いアミノ酸濃度(A−N)が高くなる傾向にあった。
外観最終発酵度が90%〜95%未満の範囲にある場合(例4乃至例6)には、アミノ酸濃度(A−N)が10〜15mg/100mLの範囲にある場合に、特に良好なコクキレバランスが得られた。
外観最終発酵度が95%〜105%の範囲にある場合(例7乃至例10)には、アミノ酸濃度(A−N)が10〜20mg/100mLの範囲にある場合に特に良好なコクキレバランスが得られ、10〜15mg/100mLの範囲にある場合に最も良好なコクキレバランスが得られた。
外観最終発酵度が90%〜95%未満の範囲にある場合(例4乃至例6)には、アミノ酸濃度(A−N)が10〜15mg/100mLの範囲にある場合に、特に良好なコクキレバランスが得られた。
外観最終発酵度が95%〜105%の範囲にある場合(例7乃至例10)には、アミノ酸濃度(A−N)が10〜20mg/100mLの範囲にある場合に特に良好なコクキレバランスが得られ、10〜15mg/100mLの範囲にある場合に最も良好なコクキレバランスが得られた。
Claims (8)
- 穀物由来成分を含有するビールテイスト飲料であって、
外観最終発酵度が90%以上であり、
アミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mLである、ビールテイスト飲料。 - 麦芽使用比率が、80%以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
- 糖質含量が、3.0g/100mL以下である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
- アルコール度数が1〜10容量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
- 更に、ホップを含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
- 炭素源又は窒素源を含有する穀物由来成分の水溶液を調製する工程と、
前記水溶液に酵母を添加し、発酵させる工程と、
を有するビールテイスト飲料の製造方法であって、
前記発酵させる工程は、飲料中のアミノ酸濃度が、アミノ態窒素(A−N)として、10〜20mg/100mLとなるように、前記水溶液を発酵させる工程を有し、
前記ビールテイスト飲料の外観最終発酵度が90%以上である、ビールテイスト飲料の製造方法。 - 前記水溶液を調製する工程は、麦芽使用比率80%以上で、穀物由来成分の水溶液を調製する工程を有している、請求項6に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
- 前記水溶液の糖質含量を、3.0g/100mL以下になるように調整する工程を有する、請求項6又は7に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
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