JP2019004846A - 作業機及び作業機における作業装置の駆動装置 - Google Patents

作業機及び作業機における作業装置の駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】作業装置を動作させるための油圧アクチュエータが車体に装着物を装着する際の妨げになる等の不都合を生じさせない作業機及び作業機における作業装置の駆動装置を提供する。【解決手段】作業機は、車体と、前記車体に設けられた車輪と、前記車体と車輪の間に設けられた油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータの駆動によって動作する作業装置と、を備えている。作業機における作業装置の駆動装置は、作業機の車体と車輪の間に取り付け可能なブラケットと、前記ブラケットに取り付けられて前記作業機に装着される作業装置を動作させる油圧アクチュエータと、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、葉分け装置等の作業装置を備えた作業機、及び作業機における作業装置の駆動装置に関する。
従来、特許文献1に開示の作業機が知られている。
この作業機は、作業機(トラクタ)の前輪の前方に設けた2つの作業装置(分草装置)と、車体の前下部に支持された昇降アームと、昇降アームと作業装置とを連結するワイヤと、を備えている。そして、昇降アームを上方又は下方に回動させることにより、ワイヤを動かして作業装置を昇降するように構成されている。
特開2010−35440号公報
上記作業機では、昇降アームを回動させるための油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)が車体の前部に設けられる。そのため、車体の前部にバランスウエイト等の装着物を装着することができない等の不都合が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みて、作業装置を動作させるための油圧アクチュエータが車体に装着物を装着する際の妨げになる等の不都合を生じさせない作業機及び作業機における作業装置の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
本発明の一態様に係る作業機は、車体と、前記車体に設けられた車輪と、前記車体と車輪の間に設けられた油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータの駆動によって動作する作業装置と、を備えている。
好ましくは、前記車体と車輪の間に設けられた車輪支持体と、前記車輪支持体に取り付けられたブラケットと、を備え、前記油圧アクチュエータは、前記ブラケットに取り付けられている。
好ましくは、前記油圧アクチュエータは、油圧シリンダであり、前記作業装置は、前記油圧シリンダの駆動に伴って昇降する。
好ましくは、前記油圧シリンダは、車体幅方向の一方に設けられた第1油圧シリンダと、車体幅方向の他方に設けられた第2油圧シリンダと、を含み、前記第1油圧シリンダの動作と前記第2油圧シリンダの動作を連動させる連動機構を備えている。
好ましくは、前記油圧アクチュエータは、前記車体と前輪の間に設けられ、前記作業装置は、走行時に前記前輪の前方にある茎葉を前記前輪の車軸方向の一方及び他方に分ける葉分け装置である。
本発明の一態様に係る作業機における作業装置の駆動装置は、作業機の車体と車輪の間に取り付け可能なブラケットと、前記ブラケットに取り付けられて前記作業機に装着される作業装置を動作させる油圧アクチュエータと、を備えている。
上記作業機によれば、作業装置を動作させる油圧アクチュエータが車体と車輪の間に設けられているため、作業装置を動作させるための油圧アクチュエータが車体に装着物を装着する際の妨げになる等の不都合を生じさせない。
作業機の側面図である。 作業機の前部を示す平面図である。 左前輪と車体との間の拡大平面図である。 左前輪と車体との間を左前方から見て示す斜視図である。 作業機の前部を索体及び葉分け具を省略して示す平面図である。 ブラケット及び揺動体を幅方向外方から見た斜視図である。 ブラケット及び揺動体を幅方向内方から見た斜視図である。 ブラケット及び揺動体の平面図である。 ブラケット及び揺動体の底面図である。 作業機の前部を示す側面図である。 ブラケット、揺動体及び油圧シリンダを幅方向外方から見た斜視図である。 ブラケット、揺動体及び油圧シリンダの平面図である。 ブラケット、揺動体及び油圧シリンダの底面図である。 第1ブラケット、第1揺動体、第1油圧シリンダと、第2ブラケット、第2揺動体、第2油圧シリンダを左方から見た状態で示す図である。 車体左方の作業装置(第1葉分け装置)の昇降動作を説明する図である。 車体右方の作業装置(第2葉分け装置)の昇降動作を説明する図である。 連動機構を油圧回路と共に示す図である。 制御バルブ及び操作レバーの取付位置を示す部分斜視図である。 作業装置を上昇位置とした状態の作業機の側面図である。 作業装置を保持位置とした状態の作業機の側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、作業機1の一実施形態を示す側面図である。
本実施形態の場合、作業機1はトラクタである。そのため、以下、作業機1がトラクタ1であるとして説明する。但し、作業機1はトラクタに限定されず、他の農業機械(農業車両)や建設機械(建設車両)等であってもよい。
以下、トラクタ(作業機)1の運転席7に着座した運転者の前側(図1の左側)を前方、運転者の後側(図1の右側)を後方、運転者の左側(図1の手前側)を左方、運転者の右側(図1の奥側)を右方として説明する。また、作業機1の前後方向K1(図1参照)に直交する方向である水平方向K2(図2参照)を車体幅方向として説明する。また、トラクタ1の幅方向中央部から右部或いは左部へ向かう方向K3(図2参照)を幅方向外方、トラクタ1の右部或いは左部から幅方向中央部に近づく方向K4(図2参照)を幅方向内方として説明する。
図1に示すように、トラクタ1は、車体2と、車輪3と、作業装置4と、を備えている。
車体2は、車体フレーム5、ボンネット6、運転席7、ステアリングハンドル8等を有している。車体フレーム5は、車体2の前後方向に延びており、エンジン9等を支持している。ボンネット6は、車体2の前部に設けられ、エンジン9等を収容するエンジンルームを構成している。運転席7は、ボンネット6の後方に設けられている。ステアリングハンドル8は、運転席7の前方に設けられている。
車輪3は、車体2の前部に設けられた前輪3Fと、車体2の後部に設けられた後輪3Rとを有している。本実施形態の場合、前輪3Fがタイヤ式であり、後輪3Rがクローラ式であるが、前輪3Fと後輪3Rの両方がタイヤ式であってもよい。前輪3F及び後輪3Rは、車体3の右方と左方にそれぞれ設けられている。以下の説明において、車体3の右方と左方に設けられた前輪を区別する場合は、右前輪3FR、左前輪3FLと表記する。
トラクタ1の後部には、PTO軸と連結装置(いずれも図示略)が設けられている。PTO軸は、エンジン9からの動力をトラクタ1の外部に取り出して伝達するために用いられる。連結装置は、例えば3点リンク機構等から構成されており、圃場等に対して作業を行う作業機械を昇降可能に連結することができる。作業機械は、PTO軸から伝達される動力により駆動される。作業機械の種類は特に限定されないが、例えば、農作物の収穫を行う収穫機や農作物の根切りを行う根切り機等である。農作物は、例えば、玉ねぎやねぎ等である。
エンジン9の動力は、変速装置(図示略)で変速された後、フロントアクスル機構10
を介して前輪3Fに伝達される。図2〜図5に示すように、フロントアクスル機構10は、車軸ケース(デフケース)11、ギヤケース12、前輪ケース13、ホイールハブ14、車軸15を有している。
図2に示すように、車軸ケース11は、車体2の下部に取り付けられており、車体幅方向に延びている。車輪ケース11の車体幅方向の中央部は、車体2の下部に揺動可能に連結されている。車軸ケース11内には、ディファレンシャルギヤ及びアクスル軸が収容されている。ギヤケース12は、車軸ケース11の幅方向外方側の端部に固定されている。ギヤケース12内にはベベルギヤが収容されている。前輪ケース13は、ギヤケース12に対して縦軸回りに回動可能に連結されている。前輪ケース13内には前輪ギヤが収容されている。ホイールハブ14は、前輪ケース13の幅方向外方側の端部に車軸(ハブ軸)15を介して回転可能に支持されている。ホイールハブ14の幅方向外方側には前輪3Fが固定されている。
エンジン9の動力は、変速装置からディファレンシャルギヤに伝達され、アクスル軸を介してベベルギヤに伝達された後、前輪ギヤ等を介してハブ軸15に伝達される。これにより、ホイールハブ14と共に前輪3Fが回転する。
車軸ケース11には、ステアリングハンドル8の回動操作量に応じて伸縮するステアリングシリンダ(図示略)の一端部が取り付けられている。ステアリングシリンダの他端部は、タイロッド及びナックルアーム(いずれも図示略)を介して前輪ケース13に連結されている。ステアリングハンドル8を回動操作すると、ステアリングシリンダが伸縮し、当該伸縮動作に伴って前輪ケース13が縦軸回りに回動する。前輪ケース13が縦軸回りに回動することによって、前輪3Fが左方又は右方に回動する。これにより、ステアリングハンドル8の回動操作量に応じて、前輪3Fの切れ角を変化させることができる。
ギヤケース12、前輪ケース13、ホイールハブ14、車軸15は、車輪支持体16を構成している。車輪支持体16は、車体2と車輪3(前輪3F)との間に設けられている。車輪支持体16は、車軸ケース11のうち、車体2と車輪3(前輪3F)との間に位置する部分(以下、「車軸ケース端部」という)11aを含んでもよい。
図3〜図5に示すように、車輪支持体16には、後述する葉分け装置等の作業装置4を駆動する油圧アクチュエータ17が取り付けられている。例えば、油圧アクチュエータ17は、作業装置4を昇降する。本実施形態の場合、油圧アクチュエータ17は油圧シリンダであるため、以下、油圧アクチュエータ17が油圧シリンダ17であるとして説明する。但し、油圧アクチュエータは、油圧モータ等であってもよい。
油圧シリンダ17は、車体2と車輪3(前輪3F)の間に設けられたブラケット18に取り付けられている。つまり、油圧シリンダ17は、車輪支持体16にブラケット18を介して取り付けられている。ブラケット18は、車輪支持体16の前輪ケース13、ホイールハブ14、車軸ケース端部11aのいずれかに取り付けることができる。但し、ブラケット18は、ステアリングハンドル8の回動操作に伴って前輪3Fと共に動く部分(前輪ケース13、ホイールハブ14)に取り付けることが好ましい。本実施形態の場合、前輪ケース13にブラケット18が取り付けられており、当該ブラケット18に油圧シリンダ17が取り付けられている。
図3に示すように、前輪ケース13は、本体131と蓋体132とを有している。本体131は幅方向内方側に配置され、蓋体132は幅方向外方側に配置されている。前輪ケース13は、フランジ部13aを有している。フランジ部13aは、本体131に設けられたフランジ部131aと、蓋体132に設けられたフランジ部132aとから構成されている。図4に示すように、フランジ部131aとフランジ部132aは、ボルトB1とナットにより接続されている。フランジ部131a,132aには、周方向に並んだ複数の貫通孔(以下、「フランジ貫通孔」という)が形成されており、当該フランジ貫通孔にボルトB1が挿通されている。
図3、図4に示すように、ブラケット18は、前輪ケース13に取り付けられている。具体的には、ブラケット18は、前輪ケース13の上部(フランジ部13aの上部)にボルトB2とナットにより取り付けられている。
図5に示すように、ブラケット18は、第1ブラケット18Lと第2ブラケット18Rとを含む。第1ブラケット18Lは、車体幅方向の一方側(左側)に配置されている。第2ブラケット18Rは、車体幅方向の他方側(右側)に配置されている。詳しくは、第1ブラケット18Lは、車体2と左前輪3FLの間に配置されている。第2ブラケット18Rは、車体2と右前輪3FRの間に配置されている。
以下、ブラケット18の構成について説明するが、第1ブラケット18Lと第2ブラケット18Rは同じ構成であるため、区別する必要がある場合を除いて、第1ブラケット18Lと第2ブラケット18Rとをまとめて「ブラケット18」と表記して説明する。また、ブラケット18に関する方向は、ブラケット18を前輪ケース13に取り付けた状態を基準とし、図4の矢印Aの方向を車体幅方向、矢印Bの方向を幅方向内方、矢印Cの方向を幅方向外方として説明する。
図6〜図9に示すように、ブラケット18は、下部材19と上部材20とを有している。本実施形態の場合、下部材19と上部材20は別部材で構成されてボルト等により接続されているが、下部材19と上部材20を単一部材にて一体的に構成してもよい。
下部材19は、縦板部191と横板部192とを有している。縦板部191と横板部192は、1枚の板材をL字状に折り曲げることにより一体に形成されている。以下、説明の便宜上、縦板部191と横板部192の境界線(折り曲げ線)L1(図6参照)に平行な方向を「基準方向」という。
縦板部191は、略逆三角形に形成されており、下部に境界線L1に対して傾斜する第1下縁191aと第2下縁191bを有している。第1下縁191aと第2下縁191bは、下方に向かうにつれて(境界線L1から離れるにつれて)次第に接近している。第1下縁191aは、上方に向けて凹む円弧状に形成されている。縦板部191は、第1貫通孔191cを有している。第1貫通孔191cは、第1下縁191aに沿って円弧状に複数(2つ)並んで設けられている。第1貫通孔191cは、ブラケット18を前輪ケース13に取り付けるために使用されるボルト挿通用の孔である。
横板部192は、縦板部191との境界線L1から幅方向内方に延設されている。横板部192の上面には、上部材20が接続されている。横板部192の下面には、第1軸支持部180が設けられている。第1軸支持部180は、中心軸が車体幅方向に延びる筒体であり、横板部192の下面に溶接等により固定されている。第1軸支持部180は、後述する第1軸24を回動可能に支持する。
下部材19は、第1開口部19aを有している。第1開口部19aは、縦板部191と横板部192に跨って設けられている。言い換えれば、第1開口部19aは、縦板部191と横板部192の境界線L1を含んで設けられている。第1開口部19aは、後述する揺動体22の外部材221の基準方向の動きを許容する大きさに形成されている。
上部材20は、第1板部201、第2板部202、第3板部203を有している。第1板部201は、横板部192の上面に重ねられてボルトB3とナットN1により接続されている。第2板部202は、第1板部201の内縁(幅方向内方側の縁)から上方に延設されている。第3板部203は、第2板部202の上縁から幅方向内方に延設されている。第2板部202及び第3板部203は、第1板部201及び下部材19よりも基準方向の一方(図8の矢印A方向)に長く形成されている。第2板部202の基準方向の一方側の端部には、油圧シリンダ17の一端側(基端側)を枢支する第1枢支軸204が設けられている。
上部材20は、第2開口部20aを有している。第2開口部20aは、第1板部201と第2板部202に跨って設けられている。言い換えれば、第2開口部20aは、第1板部201と第2板部202の境界線を含んで設けられている。第2開口部20aは、後述する揺動体22の内部材222の基準方向の動きを許容する大きさに形成されている。
図6〜図9に示すように、ブラケット18には揺動体22が取り付けられている。揺動体22は、後述する油圧シリンダ17の駆動に伴って揺動する。
図5に示すように、揺動体22は、第1揺動体22Lと第2揺動体22Rを含む。第1揺動体22Lは第1ブラケット18Lに取り付けられている。第2揺動体22Rは、第2
ブラケット18Rに取り付けられている。そのため、第1揺動体22Lは車体2と左前輪3FLの間に位置し、第2揺動体21Rは車体2と右前輪3FRの間に位置する。
以下、揺動体22の構成について説明するが、第1揺動体22Lと第2揺動体22Rは同じ構成であるため、区別する必要がある場合を除いて、第1揺動体22Lと第2揺動体22Rとをまとめて「揺動体22」と表記して説明する。
図6〜図9に示すように、揺動体22は、外部材221と、内部材222と、連結部223と、を有している。外部材221と内部材222は、車体幅方向に間隔をあけて対向している。外部材221は、内部材222に対して幅方向外方に配置されている。連結部223は、外部材221と内部材222とを連結している。
図6に示すように、外部材221は、下部位221aと、上部位221bと、下部位221aと上部位221bの間に形成された屈曲部221cを有している。内部材222は、外部材221と同形状であって、下部位222aと、上部位222bと、下部位222aと上部位222bの間に形成された屈曲部222cを有している。つまり、外部材221及び内部材222は、いずれも山形状(ヘの字状)に屈曲した部材である。屈曲部221c,222cの間には、車体幅方向に延びる第2軸25が設けられている。
揺動体22の下部位221a,222aの下端部(屈曲部221c,221bから離れた側の端部)は、第1軸支持部180に回転可能に支持された第1軸24に接続されている。詳しくは、外部材221の下部位221aの下端部は、第1軸24の幅方向外方側に接続されている。内部材222の下部位222aの下端部は、第1軸24の幅方向内方側に接続されている。
外部材221の下部位221aは、第1開口部19aを通って下方から上方に延びている。内部材222の下部位222aは、第2開口部20aを通って下方から上方に延びている。
揺動体22の上部位221b,222bの上端部(屈曲部221c,221bから離れた側の端部)付近には、後述する索体23の一端部を接続可能な第1索体接続部26が設けられている。第1索体接続部26は第2貫通孔26aを有している。第1索体接続部26の第2貫通孔26aには、索体23の一端部を係止可能な係止具28が取り付けられている。係止具28は、一部分が手動操作によって開閉可能な環状体であり、例えば、シャックル、開閉式フック、カラビナ等が使用される。但し、第2貫通孔26aに索体23の一端部を直接(係止具28を介さずに)接続してもよい。第2貫通孔26aから第2軸25までの距離は、第1軸24から第2軸25までの距離に比べて長く形成されている。
索体23は、チェーン、ワイヤ、ロープ、紐等である。図2、図10に示すように、本実施形態の場合、索体23はチェーンである。索体23は、一端側が揺動体22の第1索体接続部26に接続され、他端側が後述する作業装置4の第2索体接続部27に接続される。これにより、揺動体22と作業装置4が索体23により連結される。
図2に示すように、索体23は、第1索体23Lと第2索体23Rを含む。第1索体23Lは、第1揺動体22Lの第1索体接続部26に接続されている。第2索体23Rは。第2揺動体22Rの第1索体接続部26に接続されている。第1索体23Lと第2索体23Rは同じ構成であるため、区別する必要がある場合を除いて、第1索体23Lと第2索体23Rとをまとめて「索体23」と表記して説明する。また、説明の便宜上、揺動体22と索体23とを併せて「可動体21」と称する場合がある。
図4、図5、図11〜図13に示すように、ブラケット18には、油圧シリンダ17が取り付けられる。図5に示すように、油圧シリンダ17は、第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rとを含む。第1油圧シリンダ17Lは、第1揺動体22Lを揺動させる。第2油圧シリンダ17Rは、第2揺動体22Rを揺動させる。第1油圧シリンダ17L及び第2油圧シリンダ17Rは、複動形(複動ピストン形)の油圧シリンダであって、同じ構成(仕様)のものが使用されている。
図5に示すように、第1油圧シリンダ17Lは、第1ブラケット18Lに取り付けられている。第2油圧シリンダ17Rは、第2ブラケット18Rに取り付けられている。これにより、油圧シリンダ17は、車体2と前輪3Fの間に設けられている。具体的には、第
1油圧シリンダ17Lは、車体2と左前輪3FLとの間に設けられている。第2油圧シリンダ17Rは、車体2と右前輪3FRとの間に設けられている。
従来の作業機(例えば、特許文献1に開示の作業機)では、油圧シリンダが車体の前部に設けられているものがあるが、本実施形態の作業機1では、油圧シリンダ17は、車体2の前部ではなく、車体2と前輪3Fの間に設けられている。これにより、車体2の前部にフロントウエイト等の装着物を装着する際に油圧シリンダ17が邪魔にならない。
次に、ブラケット18に対する油圧シリンダ17の取付構造について説明する。第1ブラケット18Lに対する第1油圧シリンダ17Lの取付構造と、第2ブラケット18Rに対する第2油圧シリンダ17Rの取付構造は、油圧シリンダ17の上下の向き(ポートの向き)が異なるのみで、実質的に同じである。従って、以下、第1ブラケット18Lに対する第1油圧シリンダ17Lの取付構造を示す図11〜図13に基づいて、ブラケット18に対する油圧シリンダ17の取付構造を説明する。
油圧シリンダ17の一端(シリンダチューブ173の基端)は、第2板部202に設けられた第1枢支軸204に枢支されている。これにより、油圧シリンダ17は、第1枢支軸204を支点として揺動可能である。油圧シリンダ17の他端(ロッド171の先端)は、揺動体22に接続されている。具体的には、油圧シリンダ17のロッド171の先端は、外部材221の屈曲部221cと内部材222の屈曲部222cとの間に設けられた第2軸25に枢支されている。これにより、ロッド171の伸縮に伴って、揺動体22が第1軸24を支点として揺動する。
図3に示すように、ブラケット18を車輪支持体16(前輪ケース13)に取り付けた状態において、油圧シリンダ17のロッド171の軸心方向(伸縮方向)D1は、車軸15の軸心方向(以下、「車軸方向」という)D2に対して直交する方向となる。
図4に示すように、ブラケット18は、前輪ケース13に取り付けることができる。具体的には、ブラケット18の第1貫通孔191c(図11参照)と前輪ケース13のフランジ貫通孔を重ねてボルトB2を挿通し、ボルトB2にナットを締結することにより、前輪ケース13に取り付けることができる。このとき、ブラケット18の円弧状の第1下縁部191aを前輪ケース13の外周面に沿わせて配置することにより、前輪ケース13に対するブラケット18の位置決めを容易に且つ正確に行うことができる。
ブラケット18を前輪ケース13に取り付けるために使用するボルトB2は、前輪ケース13のフランジ部131a,132aを締結するボルトB1と兼用することができる。つまり、ブラケット18とフランジ部131a,132aとは、同じボルトを使用して共締めすることができる。
また、ブラケット18を前輪ケース13に取り付ける際に使用するフランジ貫通孔(第1貫通孔191cと重ねてボルトB2を挿通するフランジ貫通孔)を変更することにより、前輪ケース13に対するブラケット18の取付位置を変更することができる。具体的には、ブラケット18の取付位置をフランジ部13aの周方向にずらすことができる。ブラケット18の取付位置をフランジ部13aの周方向にずらすことにより、油圧シリンダ17の傾斜角度(水平方向に対する傾斜角度)の調整を行うことができる。
図5、図14〜図16に示すように、ブラケット18を前輪ケース13に取り付けた状態において、第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rは、前後方向の向きが反対になる。具体的には、第1ブラケット18Lを左前輪3FLの前輪ケース13に取り付けた状態において、第1油圧シリンダ17Lは基端側が前方に位置し且つ先端側が後方に位置する。つまり、第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lは後方に向けて伸長する。また、第2ブラケット18Rを右前輪3FRの前輪ケース13に取り付けた状態において、第2油圧シリンダ17Rは基端側が後方に位置し且つ先端側が前方に位置する。つまり、第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rは前方に向けて伸長する。この第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rの向きは、後ほど説明する連動機構30による第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rの連動と関係している。
図4、図15に示すように、第1油圧シリンダ17Lは、前部が低く後部が高くなるように傾斜して設けられている。図3に示すように、第1油圧シリンダ17Lは、ブラケッ
ト18を前輪ケース13に取り付けた状態において、車軸15よりも前方に位置する。そのため、第1油圧シリンダ17Lを水平向きに設けると、ブラケット18から前方に延びる索体23と干渉する虞があるが、傾斜して設けることによって干渉を回避することができる。第2油圧シリンダ17Rは、車軸15よりも後方に位置するために索体23と干渉する虞がない。従って、第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rの両方について、索体23との干渉が回避できる。
トラクタ1は、第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rの動作を連動させる連動機構30を備えている。
図17に示すように、連動機構30は、制御バルブ31、操作具32、油送管33、油圧ポンプ34、タンク35を有している。本実施形態の場合、操作具32は、揺動により操作可能な操作レバー32である。油圧ポンプ34、タンク35は、ボンネット6内のエンジンルームに収容されている。
図18に示すように、制御バルブ31及び操作レバー32は、取付部材45を介して車体2に取り付けられる。取付部材45は、第1取付部材451と第2取付部材452とから構成されている。第1取付部材451と第2取付部材452は、ボルトB4により接続されている。但し、第1取付部材451と第2取付部材452とは、1枚の板により一体に形成してもよい。
第1取付部材451は、車体2に設けられたステップ36の右前部に取り付けられている。第2取付部材452は、第1取付部材451から斜め上後方に延びた後、屈曲して上方に延びている。第2取付部材452には、制御バルブ31及び操作レバー32が取り付けられている。制御バルブ31及び操作レバー32は、運転席の右前方であってステップ36の前部に設けられた操作ペダル(ブレーキペダル)37の上方に位置している。作業者は、運転席に着座した状態にて操作レバー32を揺動操作することができる。
図17に示すように、制御バルブ31は、作動油の出入口となる第1ポート311、第2ポート312、第3ポート313、第4ポート314を有している。制御バルブ31は、操作レバー32の揺動操作によって、第1ポート311と第2ポート312が連通し且つ第3ポート313と第4ポート314が連通した状態(第1状態)と、第1ポート311と第3ポート313が連通し且つ第2ポート312と第4ポート314が連通した状態(第2状態)とを切り換えることができる。
制御バルブ31は、第1油圧シリンダ17L及び第2油圧シリンダ17Rに対する作動油の供給を制御する。制御バルブ31は、操作レバー32の操作に基づいて第1状態と第2状態とが切り換わることによって、第1油圧シリンダ17L及び第2油圧シリンダ17Rに供給される作動油の流れを制御する(流れ方向を切り換える)。
図17に示すように、油送管33は、第1油圧ホース331、第2油圧ホース332、第3油圧ホース333、第4油圧ホース334、第5油圧ホース335を含んでいる。第1油圧ホース331は、一端部が油圧ポンプ34と接続され、他端部が制御バルブ31の第1ポート311と接続されている。第2油圧ホース332は、一端部が制御バルブ31の第2ポート312と接続され、他端部が第1油圧シリンダ17Lの基端側に設けられた第1基端側ポート17Laと接続されている。第3油圧ホース333は、一端部が第1油圧シリンダ17Lの先端側に設けられた第1先端側ポート17Lbと接続され、他端部が第2油圧シリンダ17Rの先端側に設けられた第2先端側ポート17Rbと接続されている。第4油圧ホース334は、一端部が第2油圧シリンダ17Rの基端側に設けられた第2基端側ポート17Raと接続され、他端部が制御バルブ31の第3ポート313と接続されている。第5油圧ホース335は、一端部が制御バルブ31の第4ポート314と接続され、他端部がタンク35と接続されている。
図14に示すように、第1油圧シリンダ17Lは、第1基端側ポート17La及び第1先端側ポート17Lbが上方を向くように第1ブラケット18Lに取り付けられる。第2油圧シリンダ17Rは、第2基端側ポート17Ra及び第2先端側ポート17Rbが下方を向くように第2ブラケット18Rに取り付けられる。これにより、連動機構30を構成するための油圧ホースの配策を容易に行うことができる。
図17において、操作レバー32を一方に揺動させて制御バルブ31を第1状態に切り換えたときの作動油の流れ方向を黒矢印で示し、操作レバー32を他方に揺動させて制御バルブ31を第2状態に切り換えたときの作動油の流れ方向を白矢印で示している。
制御バルブ31を第1状態に切り換えると、油圧ポンプ34の駆動に伴って、タンク35に貯蔵された作動油は、第1油圧ホース331を通って制御バルブ31の第1ポート311に入り、第2ポート312から第2油圧ホース332を通って第1基端側ポート17Laから第1油圧シリンダ17内に取り入れられる。これにより、第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lの基端部に設けられたピストン172Lが基端側から先端側へと移動し、ロッド171Lが伸長する。ピストン172Lの移動に伴って、作動油は第1油圧シリンダ17の第1先端側ポート17Lbから出て、第3油圧ホース333を通って第2先端側ポート17Rbから第2油圧シリンダ17内に取り入れられる。これにより、第2油圧シリンダ17のロッド171Rの基端部に設けられたピストン172Rが先端側から基端側へと移動し、ロッド171Rが短縮する。ピストン172Rの移動に伴って、作動油は第2油圧シリンダ17の第2基端側ポート17Raから出て、第4油圧ホース334を通って制御バルブ31の第3ポート313に入る。第3ポート313から制御バルブ31に入った作動油は、第4ポート314から出てタンク35に戻される。
制御バルブ31を第2状態に切り換えると、油圧ポンプ34の駆動に伴って、タンク35に貯蔵された作動油は、第1油圧ホース331を通って制御バルブ31の第1ポート311に入り、第3ポート313から第4油圧ホース334を通って第2基端側ポート17Raから第2油圧シリンダ17R内に取り入れられる。これにより、第2油圧シリンダ17Rのピストン172Rが基端側から先端側へと移動し、ロッド171Rが伸長する。ピストン172Rの移動に伴って、作動油は第2油圧シリンダ17Rの第2先端側ポート17Rbから出て、第3油圧ホース333を通って第1先端側ポート17Lbから第1油圧シリンダ17L内に取り入れられる。これにより、第1油圧シリンダ17Lのピストン172Lが先端側から基端側へと移動し、ロッド171Lが短縮する。ピストン172Lの移動に伴って、作動油は第1油圧シリンダ17Lの第1基端側ポート17Laから出て、第2油圧ホース332を通って制御バルブ31の第2ポート312に入る。第2ポート312から制御バルブ31に入った作動油は、第4ポート314から出てタンク35に戻される。
上述した通り、操作レバー32を操作して制御バルブ31の第1状態と第2状態とを切り換えることによって、第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rとを連動して動作させることができる。具体的には、制御バルブ31が第1状態に切り換えられると、第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lが伸長し、第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rが短縮する。制御バルブ31が第2状態に切り換えられると、第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lが短縮し、第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rが伸長する。
上述したように、連動機構30によって、第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rとを連動して動作させることができる。これにより、以下に説明する作業装置4の昇降動作を良好に行うことが可能となる。
以下、作業装置4について説明する。
図1、図2、図10に示すように、作業装置4は、前輪3Fの前方に装着されている。本実施形態の場合、作業装置4は、走行時に前輪3Fの前方にある茎葉を前輪3Fの車軸方向の一方及び他方に分ける葉分け装置である。本発明において、作業装置4は葉分け装置に限定されないが、以下の説明では作業装置4が葉分け装置4であるとして説明する。葉分け装置4は、例えば、畝間に横たわった玉ねぎ等の農作物の茎葉を、畝間で転動する前輪3Fに踏まれないように、畝間の左方と右方に分ける用途等に使用される。
図2に示すように、葉分け装置4は、第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rとを含む。第1葉分け装置4Lは、車体幅方向の一方(左方)に配置されている。第2葉分け装置4Rは、車体幅方向の他方(右方)に配置されている。第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rは同じ構成であるため、以下、区別する必要がある場合を除き、第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rとをまとめて「葉分け装置4」と表記して説明する。
以下、主に図1、図2、図5、図10に基づいて、葉分け装置4の構成について説明する。但し、葉分け装置4の構成は、必ずしも以下に説明する構成には限定されず、従来公知の葉分け装置の構成を採用することもできる。
図1、図2、図10に示すように、葉分け装置4は、支持アーム41と葉分け具42とを有している。
図5に示すように、支持アーム41は、第1部位411と第2部位412を有している。第1部位411と第2部位412とは一体的に形成されており、全体としてL字形を呈している。第1部位411は前後方向に延びており、第2部位412は車体幅方向に延びている。
第1部位411の基端(後端)には、支持部材43が設けられている。図5、図10に示すように、支持部材43は、ディスク部43aと軸部43bとを有している。ディスク部43aは、ボルトB5によって前輪3Fのホイール38の外面に着脱可能に取り付けられている。軸部43bは、ディスク部43aから幅方向外方に向けて突出している。軸部43bの軸心は、車軸15の軸心と同一軸線上に配置される。
第1部位411の一端(後端)には筒状部411aが設けられている。筒状部411aには、軸部43bが軸受を介して嵌め入れられている。筒状部411aは、軸部43bの軸心回りに回動可能となっている。第1部位411は、車軸方向と直交する方向(前方)に延びている。
図2、図5に示すように、第2部位412は、第1部位411の前端から屈曲して幅方向内方に延びている。図2、図10に示すように、第2部位412は、索体23の他端部を接続可能な第2索体接続部27を有している。第2索体接続部27は、第2部位412の幅方向内方側の端部に設けられている。図10に示すように、第2索体接続部27は第3貫通孔27aを有しており、当該第3貫通孔27aに索体23の他端部が接続される。第3貫通孔27aには、必要に応じて、第1索体接続部26に取り付けられるものと同様の係止具28を取り付けることができる。
図2、図10に示すように、第2部位412には、葉分け具42を接続可能な接続板44が設けられている。図5に示すように、接続板44は、車体幅方向に並んで設けられた複数の取付穴44aを有している。
図2、図10に示すように、葉分け具42は、基板421と、支持杆422と、葉分け体423と、葉分けガイド424と、葉分けローラ425と、を有している。
基板421は、支持アーム41に設けられた接続板44に対して着脱可能に接続されている。図2、図10に示すように、基板421はボルトB6とナットN2により接続板44と接続される。接続板44と基板421とが接続されることにより、支持アーム41と葉分け具42とが接続される。
接続板44と基板421とを接続する際に、機体幅方向に並んだ複数の取付穴44aを選択的に使用することができる。つまり、複数の取付穴44aのうちの選択した一部を、ボルトB6を挿通するための穴として使用することができる。複数の取付穴44aのうち、幅方向内方側に位置する穴を使用すると、葉分け具42を幅方向内方寄りの位置に設けることができる。幅方向外方側に位置する穴を使用すると、葉分け具42を幅方向外方寄りの位置に設けることができる。つまり、葉分け具42の位置を車体幅方向において調整することができる。これにより、畝幅に合わせて葉分け具42の位置(右の葉分け具と左の葉分け具との間隔)を調整することができる。
支持杆422は、一端部が基板421に接続されており、前方に向けて延びている。支持杆422の先端部には、葉分け体423が設けられている。葉分け体423は、前方から後方に向かうにつれて車体幅方向及び上下方向に拡がる略円錐状に形成されている。葉分け体423には、複数の棒体から構成される葉分けガイド424が固定されている。葉分けガイド424を構成する複数の棒体は、前方から後方に向かうにつれて車体幅方向及び上下方向に拡がるように配置されている。葉分けローラ425は、複数設けられており、基板421に固定された支持フレーム426に支持されている。葉分けローラ425は、円柱状であって軸心回りに回転可能である。複数の葉分けローラ425は、前方から後
方に向かうにつれて車体幅方向及び上下方向に拡がるように配置されている。
図15、図16に示すように、葉分け装置4の支持アーム41は、揺動体22及び索体23と共にリンク機構を構成している。当該リンク機構は、油圧シリンダ17と葉分け具42とを連結しており、油圧シリンダ17のロッドの伸縮(往復)動作を葉分け具42の昇降動作に変換する。
葉分け装置4(支持アーム41、葉分け具42)は、油圧シリンダ17の駆動に伴って昇降する。以下、図15、図16に基づいて、油圧シリンダ17の駆動に伴う葉分け装置4の昇降動作について説明する。図15は、第1油圧シリンダ17L、第1揺動体22L、第1索体23Lの動作を示している。図16は、第2油圧シリンダ17R、第2揺動体22R、第2索体23Rの動作を示している。
先ず、図15に基づいて、第1油圧シリンダ17L、第1揺動体22L、第1索体23Lの動作について説明する。図15において、実線は第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lが短縮している状態を示し、仮想線はロッド171Lが伸長している状態を示している。
第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lが短縮した状態では、支持アーム41は下降している。この状態では、支持アーム41に取り付けられた葉分け具42は地面Gに当接(又は近接)している(図1、図10参照)。つまり、第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lが短縮した状態では、第1葉分け装置4L(支持アーム41、葉分け具42)は下降しており、葉分け作業が可能な状態となっている。
第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lを伸長させると、揺動体22は第1軸24を支点として後方に向けて回動する。つまり、揺動体22は、実線位置から仮想線位置まで回動する。これにより、揺動体22に設けられた第1索体接続部26が後方に移動するため、索体23が後方に向けて引っ張られ、支持アーム41が軸部43bの軸心回りの一方向(上方)に回動して上昇する。これにより、支持アーム41に取り付けられた葉分け具42が上昇し、葉分け具42は地面Gから離れて上昇する(図19参照)。このように、第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lを伸長させることにより、第1葉分け装置4L(支持アーム41、葉分け具42)を上昇させることができる。以下、便宜上、図19に示した葉分け装置4の位置を「上昇位置」という。
次に、図16に基づいて、第2油圧シリンダ17R、第2揺動体22R、第2索体23Rの動作について説明する。図16において、実線は第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rが伸長している状態を示し、仮想線はロッド171Rが短縮している状態を示している。
第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rが伸長した状態では、支持アーム41は下降している。この状態では、支持アーム41に取り付けられた葉分け具42は地面Gに当接(又は近接)している。つまり、第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rが伸長した状態では、葉分け装置4(支持アーム41、葉分け具42)は下降しており、葉分け作業が可能な状態となっている。
第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rを短縮させると、揺動体22は第1軸24を支点として後方に向けて回動する。つまり、揺動体22は、実線位置から仮想線位置まで回動する。これにより、揺動体22に設けられた第1索体接続部26が後方に移動するため、索体23が後方に向けて引っ張られ、支持アーム41が軸部43bの軸心回りの一方向(上方)に回動して上昇する。これにより、支持アーム41に取り付けられた葉分け具42が上昇し、葉分け具42は地面Gから離れて上昇する。このように、第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rを短縮させることにより、第2葉分け装置4R(支持アーム41、葉分け具42)を上昇させることができる。
第1油圧シリンダ17Lのロッド171Lの伸長による第1葉分け装置4Lの上昇位置と、第2油圧シリンダ17Rのロッド171Rの短縮による第2葉分け装置4Rの上昇位置は、同じ高さとなるように設定されている。
上述したように、油圧シリンダ17(第1油圧シリンダ17L,第2油圧シリンダ17R)を駆動することにより、葉分け装置4(第1葉分け装置4L,第2葉分け装置4R)
を昇降させることができる。また、連動機構30によって、第1油圧シリンダ17Lの伸長と第2油圧シリンダ17Rの短縮、及び、第1油圧シリンダ17Lの短縮と第2油圧シリンダ17Rの伸長を連動させることができる。
ここで、図14〜図16に示すように、第1油圧シリンダ17Lと第2油圧シリンダ17Rは、前後方向の向きが反対であるため、第1油圧シリンダ17Lの伸長と第2油圧シリンダ17Rの短縮によって、第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rを共に上昇させることができる。また、第1油圧シリンダ17Lの短縮と第2油圧シリンダ17Rの伸長によって、第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rを共に下降させることができる。その結果、第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rの昇降動作を連動させることができる。つまり、第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rとを同期させて昇降させることができる。
また、油圧シリンダ17及び可動体21(揺動体22、索体23)がブラケット18に取り付けられ、ブラケット18が車輪支持体16(具体的には前輪ケース13)に取り付けられているため、ステアリングハンドル8の回動操作に伴って、油圧シリンダ17及び可動体21が前輪3Fと共に動く。これにより、ステアリングハンドル8を回動操作して前輪3Fを左右に動かしたときに、車体2の左方(第1油圧シリンダ17L側)と右方(第2油圧シリンダ17R側)とで、第1索体接続部26と第2索体接続部27との間の距離に差が生じにくい。そのため、トラクタ1を右又は左に旋回させた場合でも、第1葉分け装置4Lと第2葉分け装置4Rを略同じ高さとなるように昇降させることができる。
また、ブラケット18が車輪支持体16に取り付けられているため、索体23は、車体2と車輪3(前輪3F)との間を通って前方に延び、車体2の前方を横切らない。そのため、葉分け装置4を昇降させたときに、車体2と索体23とが干渉することがなく、車体2に傷が付くことが防止できる。
図20に示すように、トラクタ1は、葉分け装置4を上述した上昇位置よりも更に上昇させた位置(以下、「保持位置」という)に保持することができる。葉分け装置4を保持位置とする場合、第1索体接続部26と第2索体接続部27との間の索体23の長さを短くする調整を行う。具体的には、索体23の全長の一部分を使用して第1索体接続部26と第2索体接続部27とを接続し、索体23の残りの部分は接続に使用しない。例えば、索体23として、15個の環状体が連結されたチェーンを使用した場合、10個の環状体のうちの5個を使用して第1索体接続部26と第2索体接続部27とを接続し、残りの10個の環状体は接続に使用しない。索体23としてチェーンを使用した場合、チェーンのどの位置にある環状体を係止具に係止するかを選択する(係止する環状体を変える)ことで、索体23の長さを調整する作業を容易に行うことができる。また、接続に使用しない部分のチェーンは、コンパクトに変形(丸める等)できるため、邪魔になりにくい。
図20に示すように、葉分け装置4を保持位置とすることによって、トラクタ1の前後方向の長さが短くなるため、トラクタ1の格納や搬送が容易となる。葉分け装置4が保持位置にあるとき、葉分け装置4の前端部は、前後方向において車体2の前端と同位置又は前端よりも後方にあることが好ましいが、車体2の前端よりも少し前方にあってもよい。
葉分け装置4は、支持アーム41のディスク部43aと前輪3Fのホイール38との接続、及び、索体23と第2索体接続部27との接続を解除することにより、トラクタ1から取り外すことができる。そのため、取り外しが容易であり、取り付けも容易に行うことができる。また、葉分け装置4を取り外す際に、ブラケット18、油圧シリンダ17、可動体21(揺動体22、索体23)は取り外す必要がないため、葉分け装置4の取り外しを容易に行うことができる。また、ブラケット18、油圧シリンダ17、可動体21は、車体2と車輪3(前輪3F)の間に設けられているため、取り外さなくとも邪魔にならず、葉分け作業の度に着脱する必要がない。
従来は、葉分け装置4の取り付け取り外しが困難であったため、葉分け装置4を取り付けたトラクタ1は、葉分け作業用の専用機として使用せざるを得なかった。これに対して、本実施形態の場合、葉分け装置4の取り付け取り外しが容易であるため、葉分け作業を行わないときには、葉分け装置4を取り外してトラクタ1を他の用途に使用することがで
き、トラクタ1の汎用性を高めることができる。
図1に示すように、作業装置4が葉分け装置4である場合、前輪3Fの後方に後部葉分け装置50を設けることができる。
後部葉分け装置50は、昇降部51と後部葉分け具52とを有している。昇降部51は、車体フレーム5に対して昇降可能に設けられている。後部葉分け具52は、昇降部51に取り付けられており、昇降部51の昇降に伴って昇降する。後部葉分け装置50を下降させて、トラクタ1の走行時に地面に当接させることにより、畝間に横たわった玉ねぎ等の茎葉を、前輪3Fの後方において畝間の左方と右方に分けることができる。これにより、畝間に横たわった玉ねぎ等の葉茎が、後輪3Rに踏まれることを防止できる。
作業機(トラクタ)1における作業装置(葉分け装置)4の駆動装置60は、トラクタ1の車体2と車輪3(前輪3F)の間に取り付け可能なブラケット18と、ブラケット18に取り付けられてトラクタ1に装着される作業装置4を動作させる油圧アクチュエータ17と、を備えている。作業装置4、ブラケット18、油圧アクチュエータ17の構成は、上述した通りであるため、説明を省略する。また、駆動装置60は、上述した構成の可動体21を備えることができる。
駆動装置60は、既存のトラクタ1に取り付けて使用することができる。例えば、駆動装置60のブラケット18を既存のトラクタ1の車輪支持体16に取り付け、葉分け装置4の支持アーム41をトラクタ1の前輪3Fに取り付け、駆動装置60の索体23を葉分け装置4の支持アーム41と接続して使用することができる。これにより、上記実施形態の作業機(トラクタ)1を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 作業機(トラクタ)
2 車体
3 車輪
4 作業装置(葉分け装置)
16 車輪支持体
17 油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)
17L 第1油圧シリンダ
17R 第2油圧シリンダ
18 ブラケット
30 連動機構
60 駆動装置

Claims (6)

  1. 車体と、
    前記車体に設けられた車輪と、
    前記車体と車輪の間に設けられた油圧アクチュエータと、
    前記油圧アクチュエータの駆動によって動作する作業装置と、
    を備えた作業機。
  2. 前記車体と車輪の間に設けられた車輪支持体と、
    前記車輪支持体に取り付けられたブラケットと、
    を備え、
    前記油圧アクチュエータは、前記ブラケットに取り付けられている請求項1に記載の作業機。
  3. 前記油圧アクチュエータは、油圧シリンダであり、
    前記作業装置は、前記油圧シリンダの駆動に伴って昇降する請求項1又は2に記載の作業機。
  4. 前記油圧シリンダは、
    車体幅方向の一方に設けられた第1油圧シリンダと、
    車体幅方向の他方に設けられた第2油圧シリンダと、
    を含み、
    前記第1油圧シリンダの動作と前記第2油圧シリンダの動作を連動させる連動機構を備えている請求項3に記載の作業機。
  5. 前記油圧アクチュエータは、前記車体と前輪の間に設けられ、
    前記作業装置は、走行時に前記前輪の前方にある茎葉を前記前輪の車軸方向の一方及び他方に分ける葉分け装置である請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業機。
  6. 作業機の車体と車輪の間に取り付け可能なブラケットと、
    前記ブラケットに取り付けられて前記作業機に装着される作業装置を動作させる油圧アクチュエータと、
    を備えている作業機における作業装置の駆動装置。
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