JP2019002968A - ロール部材、搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

ロール部材、搬送装置および画像形成装置 Download PDF

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Takashi Anzai
尭 安西
敏行 宮田
Toshiyuki Miyata
敏行 宮田
泰徳 藤本
Yasunori Fujimoto
泰徳 藤本
敬仁 千葉
Takahito Chiba
敬仁 千葉
啓佑 下城
Keisuke Shimojo
啓佑 下城
小西 正孝
Masataka Konishi
正孝 小西
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Abstract

【課題】回転軸の外周面の少なくとも一部にゴム層のみで構成されたロール部を設けたロール部材に比べて、ロール部が熱膨張しにくいロール部材等を提供する。【解決手段】ロール部材8Aは、回転軸81と、回転軸81の外周面の少なくとも一部に設けられる第1の層86と、第1の層86の外周面の少なくとも一部に設けられる第2の弾性層87とで構成されるロール部85とを備え、第1の層86は第2の弾性層87を構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料で構成されている。【選択図】図6

Description

この発明は、ロール部材、搬送装置および画像形成装置に関するものである。
従来、搬送ローラの熱膨張の低減や搬送ローラの熱膨張による用紙搬送速度の変化を少なくする技術としては、例えば、以下に例示する特許文献に記載されたものが知られている。
特許文献1には、排紙用ローラを鉄等の金属材から形成するとともに、その外表面を略Rz16μ以上の粗さに形成する画像形成装置の排紙構造が示されている。
特許文献2には、記録用紙に画像形成用に吐出されたインクを乾燥するインク乾燥部が、記録用紙を搬送ローラと従動ローラとの間に挟持して搬送する用紙搬送装置を備え、その用紙搬送装置における搬送ローラがインク乾燥部による加熱によってもその直径をほぼ維持し得る熱膨張率が低い材質から形成されていることが開示されている。また、特許文献2には、搬送ローラおよび従動ローラの回転軸として用いられるシャフトが熱膨張率の小さい材質で形成されることや、搬送ローラはエラストマー材質からなっていることも示されている。
また従来、画像形成装置におけるシート搬送部材に液状成分が浸透することに起因した膨潤によるシート搬送速度の変動を低減する技術としては、例えば、以下に例示する特許文献に記載されたものが知られている。
特許文献3には、画像形成装置におけるシート搬送部材として、液状成分が浸透する円筒状のシート搬送ロールと、そのシート搬送ロールの内側に配置されたシャフトと、そのシャフトとシート搬送ロールとの境界部に配置され且つ浸透した液状成分が貯留される貯留部を有するように構成されたシート搬送部材を備えた画像形成装置が示されている。また、特許文献3には、多数の貫通孔が形成された板材を円筒状に変形させて作製されたシャフトと、そのシャフトの外周に支持されたシート搬送ロールとを備えたシート搬送部材が示されている。
特開平10−127号公報 特許第3662145号公報 特開2007−279580号公報
この発明は、回転軸の外周面の少なくとも一部にゴム層のみで構成されたロール部を設けたロール部材に比べて、ロール部が熱膨張しにくいロール部材を提供するとともに、そのロール部材を用いた搬送装置および画像形成装置を提供するものである。
この発明(A1)のロール部材は、
回転軸と、
前記回転軸の外周面の少なくとも一部に設けられる第1の層と、前記第1の層の外周面の少なくとも一部に設けられる第2の弾性層とで構成されるロール部と、
を備え、
前記第1の層は、前記第2の弾性層を構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料で構成されているものである。
この発明(A2)のロール部材は、上記発明A1のロール部材において、前記第1の層が合成樹脂で構成されているものである。
この発明(A3)のロール部材は、上記発明A1又はA2のロール部材において、前記第1の層の厚さが前記第2の弾性層の厚さよりも厚いものである。
この発明(A4)のロール部材は、上記発明A1乃至A3のいずれかのロール部材において、前記第2の弾性層の軸方向の長さが前記第1の層の軸方向の長さよりも短いものである。
この発明(A5)のロール部材は、上記発明A1乃至A4のいずれかのロール部材において、前記第1の層および第2の弾性層で構成されるロール部は、その軸方向の長さが当該ロール部に接触して通過し得る被搬送材の最大通過幅よりも長くなるよう設けられているものである。
この発明(A6)のロール部材は、上記発明A1乃至A5のいずれかのロール部材において、回転動力が伝達されて回転駆動するよう使用されるものである。
また、この発明(B1)の搬送装置は、接触して回転するとともに被搬送材を挟んで搬送する2つのロール部材を備え、前記2つのロール部材の少なくとも一方が上記発明A1からA6のいずれかのロール部材で構成されているものである。
この発明(B2)の搬送装置は、上記発明(B1)の搬送装置において、前記2つのロール部材の少なくとも一方に回転動力を伝達する駆動装置を備え、前記駆動装置からの回転動力が伝達されて回転駆動するロール部材が請求項1乃至6のいずれかに記載のロール部材で構成されているものである。
さらに、この発明(C1)の画像形成装置は、上記発明A1からA5のいずれかのロール部材を備えているものである。
また、この発明(C2)の画像形成装置は、上記発明B1又はB2の搬送装置を備えているものである。
この発明(C3)の画像形成装置は、上記発明C1の画像形成装置において、前記ロール部材の下方側に加熱装置を有するものである。
この発明(C4)の画像形成装置は、上記発明C2の画像形成装置において、前記搬送装置の下方側に加熱装置を有するものである。
上記発明A1のロール部材によれば、回転軸の外周面の少なくとも一部にゴム層のみで構成されたロール部を設けたロール部材に比べて、ロール部が熱膨張しにくい。
上記発明A2のロール部材では、第1の層を合成樹脂以外の材料で構成するロール部材に比べて、コストの増加を抑制できる。
上記発明A3のロール部材では、第1の層の厚さが第2の弾性層の厚さと同じか又はそれよりも薄い関係にあるロール部材に比べて、ロール部がより確実に熱膨張しにくくなる。
上記発明A4のロール部材では、第2の弾性層の軸方向の長さが第1の層の軸方向の長さと同じであるロール部材に比べて、コスト増加を抑制できる。
上記発明A5のロール部材では、第1の層および第2の弾性層で構成されるロール部を回転軸の外周面に軸方向に間隔をあけて設けたロール部材に比べて、軸方向における熱の分布むらの発生を抑制でき、接触して通過する被搬送材を部分的に加熱してしまうことを抑制できる。
上記発明A6のロール部材では、回転軸の外周面の少なくとも一部にゴム層のみで構成されたロール部を設けたロール部材を回転駆動するように使用する場合に比べて、回転駆動時における周速度の変動を抑制できる。
上記発明B1の搬送装置によれば、2つのロール部材の双方が上記発明A1からA6のいずれかのロール部材で構成されていない搬送装置に比べて、搬送装置におけるロール部材の熱膨張による被搬送材に対する押し付け力の不要な増加を抑制することができる。
上記発明B2の搬送装置では、駆動装置からの回転動力が伝達されて回転駆動するロール部材が回転軸の外周面の少なくとも一部にゴム層のみで構成されたロール部を設けたロール部材である搬送装置に比べて、搬送装置におけるロール部材の熱膨張による被搬送材の搬送速度の変動を抑制することができる。
上記発明C1の画像形成装置によれば、上記発明A1からA5のいずれかのロール部材を採用しない画像形成装置に比べて、ロール部材のロール部の熱膨張に起因した被搬送材に関係する不具合の発生を抑制できる。
上記発明C2の画像形成装置によれば、上記発明B1又はB2の搬送装置を採用しない画像形成装置に比べて、搬送装置におけるロール部材のロール部の熱膨張に起因した被搬送材に関係する不具合の発生を抑制することができる。
上記発明C3の画像形成装置では、ロール部材が加熱装置から上昇する熱で加熱された場合でも、そのロール部材のロール部の熱膨張に起因した被搬送材に関係する不具合の発生を抑制できる。
上記発明C4の画像形成装置では、搬送装置におけるロール部材が加熱装置から上昇する熱で加熱された場合でも、その搬送装置におけるロール部材のロール部の熱膨張に起因した被搬送材に関する変動を抑制することができる。
実施の形態1等に係る画像形成装置の構成を示す概要図である。 図1の画像形成装置における一部(定着装置付近に配置される排出搬送路等の搬送路)の一状態を拡大して示す概要図である。 図1の画像形成装置における一部の別の状態を示す概要図である。 両面の画像形成動作における搬送路と記録用紙の状態を示す概略図である。 実施の形態1に係る搬送装置の構成をほぼ水平の上方から見たときの状態で示す一部断面概略図である。 (a)は図5の搬送装置における駆動ロールの構成を軸方向と直交する鉛直面で切断したときの状態で示す概略断面図、(b)はその駆動ロールの構成を軸方向に沿う水平面で切断したときの状態で示す概略断面図である。 (a)は図5の搬送装置における従動ロールの構成を軸方向と直交する鉛直面で切断したときの状態で示す概略断面図、(b)はその従動ロールの構成を軸方向に沿う水平面で切断したときの状態で示す概略断面図である。 図5の搬送装置による記録用紙の搬送状態を示す一部断面概略図である。 (a)は実施の形態2に係る搬送装置における駆動ロールを構成するロール部材の構成を軸方向と直交する鉛直面で切断したときの状態で示す概略断面図、(b)は(a)のロール部材の構成を軸方向に沿う水平面で切断したときの状態で示す概略断面図である。 (a)は実施の形態3に係る搬送装置における駆動ロールを構成するロール部材の一構成例を軸方向と直交する鉛直面で切断したときの状態で示す概略断面図、(b)は(a)のロール部材の別の構成例を軸方向と直交する鉛直面で切断したときの状態で示す概略断面図である。 (a)は実施の形態3に係る搬送装置の構成をほぼ水平の上方から見たときの状態で示す一部断面概略図、(b)はその搬送装置による記録用紙の搬送状態を示す一部断面概略図である。 実施の形態3に係る搬送装置における駆動ロールを構成するロール部材のさらに別の構成例を軸方向と直交する鉛直面で切断したときの状態で示す概略断面図である。 (a)は実施の形態4に係る搬送装置における用紙送りロールを構成するロール部材の一構成例と記録用紙の最大通過幅を示す概要図、(b)はその用紙送りロールの別の構成例と記録用紙の最大通過幅を示す概要図である。 実施の形態5に係る搬送装置の構成等をほぼ水平の上方から見たときの状態で示す一部断面概略図である。 (a)は比較対象とする従来の駆動ロールを構成するロール部材の構成を軸方向と直交する鉛直面で切断したときの状態で示す概略断面図、(b)は(a)のロール部材の構成を軸方向に沿う水平面で切断したときの状態で示す概略断面図である。 図15の駆動ロール(ロール部材)を第3排出ロール対の駆動ロールとして用いた画像形成装置における記録用紙の搬送状態の一例を拡大して示す概要図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1から図3は、この発明の実施の形態1を示すものである。図1は実施の形態1に係る画像形成装置1の構成を示し、図2は図1の画像形成装置1における一部(定着装置付近に配置される排出搬送路等の搬送路の一部)の一状態を拡大して示し、図3は図2の別の状態を示している。
<画像形成装置の全体の構成>
画像形成装置1は、文字、写真、図形等からなる画像の情報に基づいて現像剤(トナー)で構成される画像を被搬送材の一例である記録用紙9に形成するものである。
また、画像形成装置1は、図1に示されるように、装置本体である筐体10の内部に、現像剤としてのトナーからなるトナー像を電子写真方式等により形成して記録用紙9に転写する作像装置2、所要の記録用紙9を収容するとともに作像装置2の転写位置に供給する給紙装置3、記録用紙9に転写されたトナー像を定着する定着装置4、ロール部材8A等を備えている。
筐体10は、構造部材、外装材等の各種部材で構成されている。また、この筐体10は、その上部に、画像が形成されて排出される記録用紙9を収容するための2つの排出収容部(第1排出収容部11および第2排出収容部12)が設けられている。
第1排出収容部11は、筐体10の第1排出口13の下方に設けられた傾斜面からなる収容面から構成されており、その第1排出口13から排出される記録用紙9を収容するようになっている。一方、第2排出収容部12は、筐体10の第2排出口14の下方に突出するよう設けられた傾斜面からなる板状の収容部材から構成されており、その第2排出口14から排出される記録用紙9を収容するようになっている。
作像装置2は、矢印Aで示す方向に回転駆動する感光ドラム21の周囲に、帯電装置22、露光装置23、現像装置24、転写装置25、清掃装置26等をこの順に配置して構成されている。
このうち、帯電装置22は、感光ドラム21の周面(像形成領域となる外周面部分)を所要の極性および電位に帯電させる接触帯電方式等の装置である。露光装置23は、感光ドラム21の帯電後の周面に、画像形成装置1に種々の方式で入力される画像情報(信号)に対応させた光(二点鎖線の矢印)を照射することにより静電潜像を形成する装置である。現像装置24は、現像剤としてのトナーを供給することにより感光ドラム21上の静電潜像を現像してトナー像にする装置である。転写装置25は、感光ドラム21上のトナー像を記録用紙9に静電的に転写させる接触転写方式等の装置である。清掃装置26は、感光ドラム21の周面に付着して残留するトナー等の不要物を除去して清掃する装置である。
給紙装置3は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の記録用紙9を積載板32上に積み重ねた状態で収容する用紙収容体31と、その用紙収容体31に収容される記録用紙9を1枚ずつ送り出す送出装置33等で構成されている。
用紙収容体31は、筐体10に対して引き出した状態にできるよう取り付けられており、その利用する態様に応じて複数装備される。記録用紙9としては、例えば、所定のサイズに裁断された普通紙、コート紙、厚紙等の記録媒体が使用される。
定着装置4は、導入口および排出口が設けられた筐体40の内部に、接触して回転する加熱用回転体41および加圧用回転体42等を配置して構成されている。
加熱用回転体41は、図1、図2等に示されるように、矢印で示す方向に回転駆動するとともに、周面温度が加熱手段43により加熱されて所要の温度に保持されるロール形態、ベルト形態等からなる加熱用の定着部材である。加圧用回転体42は、加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等からなる加圧用の定着部材である。また、定着装置4は、加熱用回転体41と加圧用回転体42とが接触する部分を、未定着のトナー像が転写された記録用紙9を通過させて所要の定着処理(加熱、加圧など)を行う定着処理部FNとしている。
<搬送路の構成>
また、画像形成装置1においては、図1に二点鎖線で示されるように、筐体10内に記録用紙9が搬送される主な搬送路Rtが設けられている。その主な搬送路Rtは、供給搬送路Rt1、中継搬送路Rt2、第1排出搬送路Rt3、第2排出搬送路Rt4、両面用搬送路Rt5等である。
供給搬送路Rt1は、給紙装置3の送出装置33と作像装置2の転写位置(感光ドラム21の転写装置25と対向する部位)との間をつなぐ搬送路である。この供給搬送路Rt1は、搬送ロール対35や図示しない複数の搬送案内部材で構成されている。このうち搬送ロール対35は、回転停止の状態で記録用紙9の搬送時における傾き姿勢を矯正する機能と上記転写のタイミングに合わせて回転して記録用紙9を転写位置に送り込む機能を有した所謂レジロール(レジストロール)対として構成されている。
中継搬送路Rt2は、作像装置2の転写位置と定着装置4の定着処理部との間をつなぐ搬送路である。この中継搬送路Rt2は、所要の搬送案内部材36で構成されている。
第1排出搬送路Rt3は、定着装置4の定着処理部と第1排出口13との間をつなぐ搬送路である。この第1排出搬送路Rt3は、第1排出ロール対51、第2排出ロール対52、複数の排出案内部材53,54,55、進路切替部材56等で構成されている。
このうち第1排出ロール対51は、定着装置4の筐体40の排出口側に配置されるものであり、回転駆動する駆動ロール511と駆動ロール511に押し付けられて従動回転する従動ロール512とで構成されている。第2排出ロール対52は、第1排出口13に配置されるものであり、回転駆動する駆動ロール521と駆動ロール521に接触して従動回転する従動ロール522とで構成されている。
また、排出案内部材53は、定着後の記録用紙9を第1排出ロール対51にむけて案内する一対の部材である。排出案内部材54は、第1排出ロール対51から排出される記録用紙9を第2排出ロール対52にむけて案内する部材である。排出案内部材55は、進路切替部材56(の第1案内部56b)と協働して記録用紙9を第2排出ロール対52にむけて案内する部材である。
特に排出案内部材54は、図2や図3に示されるように、記録用紙9を第2排出ロール対52のある斜め横方向に屈曲させるよう案内する第1案内部54aと、記録用紙9を斜め上方に屈曲させるよう案内する第2案内部54bと、記録用紙9を両面用搬送路Rt5のある斜め下方に湾曲させるよう案内する第3案内部54cを有した形状になっている。この第1案内部54a、第2案内部54bおよび第3案内部54cは、そのいずれも排出ロール対の軸方向に間隔をあけて配置される複数の板状部材(リブ)の端部形状で構成されている。
さらに、進路切替部材56は、図2、図3等に示されるように、支持軸56aを中心にして両方向矢印で示すように回動して上方側の位置と下方側の位置のいずれか一方で停止する部材である。この進路切替部材56は、図2と図3に示されるように、第1案内部56bと第2案内部56cを有した形状になっている。第1案内部56bは、排出案内部材54の第1案内部54aと協働するとともに排出案内部材55と向き合うことにより第1排出搬送路Rt3の一部を形成する案内部である。第2案内部56cは、排出案内部材54の第2案内部54bと向き合って第2排出搬送路Rt4の一部を形成するとともに、排出案内部材54の第3案内部54cと協働して第2排出搬送路Rt4とつながる両面用搬送路Rt5の一部を形成する案内部である。
また、進路切替部材56は、第1排出搬送路Rt3を形成する場合は、図2に示されるように上方側の位置に回動して停止する。なお、進路切替部材56がこの位置にある場合は、第2排出搬送路Rt4と両面用搬送路Rt5が接続された状態になって第2排出搬送路Rt4の一部が形成される。
第2排出搬送路Rt4は、定着装置4の定着処理部と第2排出口14との間をつなぐ搬送路である。この第2排出搬送路Rt4は、第1排出搬送路Rt3の途中で分岐して延びる形態の搬送路になっており、第1排出搬送路Rt3の一部(排出案内部材53,54、進路切替部材56)と、第3排出ロール対57、第4排出ロール対58、複数の排出案内部材59等で構成されている。
このうち、進路切替部材56は、第2排出搬送路Rt4を形成する際には、図3に示されるように下方側の位置に回動して停止する。これにより、進路切替部材56は、その第2案内部56cと排出案内部材54の第2案内部54bと向き合って第1排出搬送路Rt3から分岐する第2排出搬送路Rt4の一部を形成する。
また、第3排出ロール対57は、図3に示されるように進路切替部材56の上方側の位置に配置されるものであり、正逆方向に回転駆動する駆動ロール571と駆動ロール571に押し付けられて従動回転する従動ロール572とで構成されている。第4排出ロール対58は、第2排出口14に配置されるものであり、回転駆動する駆動ロールと従動回転する従動ロールとで構成されている。
さらに、排出案内部材59は、記録用紙9を第3排出ロール対57にむけて案内する一対の部材である。
両面用搬送路Rt5は、図1に示されるように第2排出搬送路Rt4の途中(分岐部)と供給搬送路Rt1の途中(合流部)との間をつなぐ搬送路である。この両面用搬送路Rt5は、第2排出搬送路Rt4の途中で分岐して延びる形態の搬送路になっており、第2排出搬送路Rt4の一部(進路切替部材56、第3排出ロール対57、排出案内部材54、59)と、第1搬送ロール対61、第2搬送ロール対62、第3搬送ロール対63、図示しない複数の搬送案内部材等で構成されている。
このうち進路切替部材56は、両面用搬送路Rt5を形成する際には、第1排出搬送路Rt3の形成時と同様に、図3に示されるように上方側の位置に回動して停止する。これにより、進路切替部材56は、その第2案内部56cと排出案内部材54の第3案内部54cと向き合って第2排出搬送路Rt4の途中から分岐する両面用搬送路Rt5の一部を形成する。
また、第1から第3の搬送ロール対61〜63は、図1に示されるように両面用搬送路Rt5の上流側から所要の間隔をあけて配置されるものであり、そのいずれも回転駆動する駆動ロールとその駆動ロールに押し付けられて従動回転する従動ロールとで構成されている。
さらに、排出案内部材59の一部は、進路切替部材56の第2案内部56cと向き合って両面用搬送路Rt5の入口部分を形成する形状になっている。また、図示しない搬送案内部材としては、第3の搬送ロール対63を通過した後の記録用紙9を供給搬送路Rt1の搬送ロール対35の上流側手前位置で合流させるように湾曲させて搬送されるよう案内する部材が配置されている。
<画像形成装置による画像形成動作>
この画像形成装置1によれば、以下に説明するような画像の形成が行われる。
はじめに、記録用紙9の片面に画像を形成するときの片面の画像形成動作について説明する。
画像形成装置1では、図示しない制御部が上記片面の画像形成動作の要求指令を受けると、作像装置2、定着装置4等が始動する。
この際、まず作像装置2において、感光ドラム21が回転始動し、帯電装置22が感光ドラム21の周面を所定の極性および電位(本例ではマイナス極性)に帯電させた後、露光装置23が感光ドラム21の帯電した周面に画像情報に基づく露光を行って所要のパターンからなる静電潜像を形成する。続いて、現像装置24が、感光ドラム21の周面に形成された静電潜像にむけて所要の極性(本例ではマイナス極性)に帯電された現像剤であるトナーを供給して現像を行い、その静電潜像をトナー像として顕像化する。
しかる後、感光ドラム21は、回転してトナー像を転写装置25と対向する転写位置まで搬送する。一方、給紙装置3は転写のタイミングに合わせて作動し、送出装置33により記録用紙9を供給搬送路Rt1に送り出して作像装置2の転写位置まで供給する。そして、作像装置2の転写位置では、供給搬送路Rt1におけるレジロール対35により送り込まれた記録用紙9の片面に、転写装置25が感光ドラム21上のトナー像を主に静電的な作用により転写させる。また、清掃装置26が、この転写後の感光ドラム21の周面などを清掃して次の作像工程に備える。
続いて、作像装置2では、回転駆動する感光ドラム21がトナー像の転写された記録用紙9を中継搬送路Rt2に送り出して定着装置4にむけて搬送する。定着装置4では、その記録用紙9が回転駆動する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の定着処理部FNに導入されて通過させられる。この定着処理部FNを通過する際、その記録用紙9の片面にあるトナー像のトナーが加圧下で加熱溶融されることで記録用紙9に定着される。
最後に、定着が終了した後の記録用紙9は、第1排出収容部11と第2排出収容部12のいずれかに排出されて収容される。
第1排出収容部11に収容する場合は、図2に示されるように進路切替部材56が上方側の位置に回動して停止する。これにより、第1排出搬送路Rt3が形成される。
この場合、定着が終了した記録用紙9は、定着装置4の定着処理部FNから送り出されると、第1排出搬送路Rt3の上流側を形成する排出案内部材53により案内されて回転駆動する第1排出ロール対51に送られる。しかる後、その記録用紙9は、第1排出ロール対51に挟まれて搬送力を受けることにより、第1排出搬送路Rt3の下流側を主に形成する排出案内部材54(の第1案内部54a)と進路切替部材56(の第1案内部56b)とに案内されて回転駆動する第2排出ロール対52まで搬送される。
最後に、その記録用紙9は、第2排出ロール対52に挟まれて搬送力を受けることにより第1排出口13から排出され、最終的に第1排出収容部11に収容される。
一方、第2排出収容部12に収容する場合は、図3に示されるように進路切替部材56が下方側の位置に回動して停止する。これにより、第2排出搬送路Rt4が形成される。
この場合、定着が終了した記録用紙9は、定着装置4の定着処理部FNから送り出されると、第1排出搬送路Rt3の上流側を形成する排出案内部材53により案内されて回転駆動する第1排出ロール対51に送られる。しかる後、その記録用紙9は、第1排出搬送路Rt3の分岐部で進路切替部材56(の第2案内部56c)に主に案内されて第2排出搬送路Rt4に送り込まれた後、排出案内部材59により案内された回転駆動する第3排出ロール対57に送られる。続いて、その記録用紙9は、第3排出ロール対57に挟まれて搬送力を受けることにより、第2排出搬送路Rt4の下流側を通して回転駆動する第4排出ロール対58まで搬送される。
最後に、その記録用紙9は、第4排出ロール対58に挟まれて搬送力を受けることにより第2排出口14から排出され、最終的に第2排出収容部12に収容される。
以上により、1枚の記録用紙9の片面に対して1色のトナーで構成される単色画像が形成され、片面の画像形成動作が終了する。複数枚の画像形成動作を実行する指令が出された場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。
次に、記録用紙9の表裏両面に画像を形成するときの両面の画像形成動作について説明する。
この場合は、上記片面の画像形成動作が同様に行われた後、片面に転写されたトナー像の定着が終了した後の記録用紙9が、図3や図4(a)に示されるように第2排出搬送路Rt4に一時的に送られる。この際、進路切替部材56は下方側の位置に回動して停止し、第2排出搬送路Rt4を形成している。図4(a)における符号9aは、この第2排出搬送路Rt4に送り込まれるときの記録用紙9の先端部を示している。
続いて、第2排出搬送路Rt4に送り込まれた記録用紙9は、図4(b)に例示するように、その後端部9bが第3排出ロール対57の直前まで搬送された時点で第3排出ロール対57の回転が停止し、その搬送も中断される。また、この搬送が停止されることに合わせて、図4(b)に例示するように、進路切替部材56が上方側の位置に回動して停止する。これにより、第2排出搬送路Rt4の途中から分岐する両面用搬送路Rt5が形成される。
しかる後、図4(c)に例示するように、第3排出ロール対57が逆方向に回転し始める。これにより、搬送が中断されていた記録用紙9は、その後端部9bを先頭にした状態で進路切替部材56(の第2案内部56c)と排出搬送部材54(の第3案内部54c)とに案内されて両面用搬送路Rt5に送り込まれる。
続いて、両面用搬送路Rt5に送り込まれた記録用紙9は、回転駆動する第1から第3の搬送ロール対61〜63を順次通過して搬送された後、供給搬送路Rt1の搬送ロール対35の手前位置に合流するよう送られる。これにより、記録用紙9は、供給搬送路Rt1に表裏面が反転した状態で送り込まれる。
最後に、その記録用紙9は、上記片面の画像形成動作の場合と同様に、転写のタイミングで作像装置2の転写位置に送り込まれて裏面にトナー像が転写された後、定着装置4に搬送されてトナー像の定着がなされる。しかる後、表裏両面に画像が形成された記録用紙9は、前述した場合と同様に、第1排出収容部11と第2排出収容部12のいずれかに排出されて収容される。
以上により、1枚の記録用紙9の片面(第1面)の反対面(第2面)に対して1色のトナーで構成される単色画像が形成され、両面の画像形成動作が終了する。
<搬送装置およびロール部材の構成>
また、画像形成装置1においては、第2排出搬送路Rt4に配置する第3排出ロール対57が図5に示す搬送装置7Aとして構成されている。
すなわち、搬送装置7Aは、図5に示されるように、第3排出ロール対57を構成する前述した駆動ロール571と従動ロール572を支持部材70に回転するように支持しているとともに、その駆動ロール571に駆動装置75から必要な回転動力を伝達するように構成されている。ここで、駆動装置75から駆動ロール571への回転動力の伝達は、図示しないギヤ列等の回転伝達機構を用いて行われている。また、駆動装置75は、回転動力として正逆の方向の回転動力を切り替えて発生できる構成になっている。
また、搬送装置7Aは、駆動ロール571と従動ロール572として、支持部材70に軸受71,72を介してそれぞれ回転自在に装着された回転軸81,82に、その軸方向Dに対して所定の間隔をあけて複数(本例では4つ)のロール部83,84をそれぞれ固定した状態で設けたロール部材8A,8Nを使用している。
そして、この搬送装置7Aにおいては、特に駆動ロール571のロール部材8Aとして、そのロール部83が、図6に示されるように回転軸81の外周面の一部に設けられる第1の層86と第1の層86の外周面に設けられる第2の弾性層87とで構成されるロール部85からなり、かつ、そのロール部85の第1の層86について第2の弾性層87を構成する材料よりも線膨張係数αが小さい材料で構成したロール部材を採用している。
実施の形態1では、ロール部材8Aを以下の材料を用いて構成している。
まず、ロール部85の第1の層86は、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂(線膨張係数α1≒0.5〜1.0×10-4/℃)を用いて構成した。また、ロール部85の第2の弾性層87は、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)等のゴム(線膨張係数α2≒2.0×10-4/℃)を用いて構成した。
一方、回転軸81は、ステンレス等の金属(線膨張係数α3≒0.1〜1.6×10-4/℃)を用いて構成した。
また、実施の形態1では、ロール部85における第1の層86の厚さd1が第2の弾性層87の厚さd2よりも厚い関係(d1>d2)になるよう構成されている。第1の層86の厚さd1は、例えば、第2の弾性層87の厚さd2の1.9倍以上の値にすることが好ましい。
実施の形態1では、第1の層86の厚さd1を3.5〜6.5mmの範囲内の値、第2の弾性層87の厚さd2を1.0〜4.0mmの範囲内の値に設定した。
ちなみに、実施の形態1では、ロール部85における第2の弾性層87の軸方向Dの長さL2が、第1の層86の軸方向Dの長さL1と同じ値(L2=L1)になるよう構成されている。
また、ロール部85のロール径K1(図5)は、そのいずれのロール部85についても、例えば、14〜15mmの範囲内の値に設定している。実施の形態1におけるロール部85のロール径K1は、従動ロール572のロール部材8Nにおけるロール部84のロール径K2よりも大きい値に設定されているが、特にこの条件に限定されるものでない。
さらに、ロール部材8Aは、例えば、次のような製法により製作される。はじめに、合成樹脂からなる第1の層86を射出成型法等の方法により必要な数だけ成形する。続いて、その成形された第1の層86の外周面に第2の弾性層87をゴムライニング等の方法により形成する。最後に、その第2の弾性層87が形成された第1の層86を回転軸81の所定の位置に接着して固定する。これにより、ロール部材8Aが得られる。
一方、この搬送装置7Aにおける従動ロール572を構成するロール部材8Nは、そのロール部84が、図7に示されるように回転軸82の外周面の一部に設けられる単層860のみで構成されるロール部であるロール部材を採用している。
このロール部材8Nにおけるロール部84を構成する単層860は、ロール部材8Aにおけるロール部85を構成する第1の層86と同じ合成樹脂を用いて形成されている。これは、換言すると、単層860は、ロール部材8Aにおけるロール部85の第2の弾性層87を構成する材料よりも線膨張係数αが小さい材料で構成されている。
従動ロール572を構成するロール部材8Nは、そのロール部84が他の層構造や材料にて構成されるロール部材を適用することも可能である。しかし、ロール部材8Nは、例えば熱膨張を抑制する観点からすると、本例のように駆動ロール571を構成するロール部材8Aにおけるロール部85の第2の弾性層87を構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料で構成される層からなるロール部85を有するものが好ましい。
実施の形態1では、ロール部材8Nのロール部84における単層860の軸方向Dの長さL3が、ロール部材8Aのロール部85における第1の層86の軸方向Dの長さL1と同じ値(L3=L1)になるよう構成されている。
また、ロール部84のロール径K2(図5)は、そのいずれのロール部84についても、例えば、12.9〜13.1mmの範囲内の値に設定している。なお、このロール部84のロール径K2は、駆動ロール751のロール部材8Aにおけるロール部85のロール径K1よりも小さい値(K2<K1)に設定されている。
<搬送装置およびロール部材の動作>
第3排出ロール対57を構成する搬送装置7Aは、前述した片面及び両面の画像形成動作において記録用紙9を第2排出搬送路Rt4を利用して搬送する際に少なくとも作動する(図3、図4(a)参照)。つまり、搬送装置7Aは、この搬送が行われる場合に、駆動ロール571が正方向等に回転駆動し、その駆動ロール571に接触する従動ロール572が従動して回転する。
そして、この第2排出搬送路Rt4を利用して搬送される記録用紙9は、図3等に示されるように、定着装置4の定着処理部FNから排出されて第1排出搬送路Rt3の上流側を兼ねる第1排出ロール対51を通過して、第2排出搬送路Rt4を構成する排出案内部材54(の第2案内部54b)と進路切替部材56(の第2案内部56c)との間となる搬送路を移動した後、搬送装置7Aにおいて回転駆動している駆動ロール571と従動ロール572の間に導入される。
続いて、記録用紙9は、図4(a)、図8等に示されるように、搬送装置7Aの回転駆動している駆動ロール571と従動ロール572に挟まれた状態で搬送力を受けながら通過し、第2排出搬送路Rt4の下流側にむけて継続して又は一時的に搬送される。
この際、搬送装置7Aにおける駆動ロール571と従動ロール572は、定着装置4の定着処理で加熱された状態にある記録用紙9が接触して通過することになるので、加熱されて熱膨張しやすい状態におかれる。この際、記録用紙9のトナー像の熱定着が行われた面(定着装置4の加熱用回転体41に接触した側の面)9cと直接触れることになる駆動ロール571の方が、従動ロール572よりも相対的に加熱されやすくなる。
しかし、搬送装置7Aは、駆動ロール571が前述したロール部85を有するロール部材8Aにより構成されていることから、例えば図15に例示するように回転軸81の外周面の少なくとも一部にゴム層870のみで構成されたロール部830を設けたロール部材800に比べて、熱膨張しにくい状態に保たれる。図15に例示するロール部材800におけるロール部830は、そのゴム層870の厚さd3が駆動ロール571におけるロール部85の2つの層86,87の厚さを合計した値(d1+d2)と同じであり、また、軸方向Dの長さL1が駆動ロール571におけるロール部85の長さL1と同じものである。
これにより、この第3排出ロール対57を構成する搬送装置7Aでは、駆動ロール571のロール部85が定着装置4を通過して搬送される複数枚の記録用紙9により連続して加熱されることがあっても、そのロール部85が熱膨張してロール径K1が大きくなることにより記録用紙9の搬送速度が変動する(増加する)ことが発生しにくくなる。
したがって、搬送装置7Aでは、定着装置4を通過した後の記録用紙9を連続して搬送するときであっても、記録用紙9の搬送速度が変動しにくくなる。
また、搬送装置7Aでは、駆動ロール571のロール部85がその最表面に第2の弾性層87を設けた構造になっている。このため、この搬送装置7Aによれば、第2の弾性層87がないロール部を備えた駆動ロール571に比べて、記録用紙9の搬送能力も良好に得られるようになり、記録用紙9を確実に搬送することができる。
また、この画像形成装置1では、図3に示されるように、特に第2排出搬送路Rt4が第1排出ロール対51と第3排出ロール対57との間で排出案内部材54が迫り出した状態で配置されることで少なくとも1回屈曲するような経路を形成するように構成されている。このため、例えば下流側に配置された第3排出ロール対57の搬送速度が熱膨張により増加する場合には、以下に説明する不具合が発生するおそれがある。
しかし、この画像形成装置1では、第3排出ロール対57が上記搬送装置7Aとして構成されていること(特にロール部材8Aの採用)により、その不具合の発生を抑制することもできる。
まず、画像形成装置1においては、第3排出ロール対57の搬送速度が駆動ロール571等の熱膨張により増加する前であれば、第2排出搬送路Rt4における第1排出ロール対51と第3排出ロール対57との間(実際には排出案内部材54)を通過するときの記録用紙9は、図16に二点鎖線で例示するように第2排出搬送路Rt4を1回湾曲するように曲がる経路にほぼ沿うように湾曲した状態になって移動する。この搬送状態は、第1排出ロール対51の搬送速度が第3排出ロール対57の搬送速度よりも少し遅い速度に設定されていることにも起因して生じる。
このため、このときの記録用紙9は、排出案内部材54に接触しないか又は軽く接触する程度で通過するよう搬送される。
ところが、第3排出ロール対57における駆動ロール571が熱膨張して記録用紙9の搬送速度が増加するようになると、第3排出ロール対57による記録用紙9の搬送量が第1排出ロール対51による記録用紙9の搬送量よりも相対的に多くなる。
このため、このときの記録用紙9は、図16に実線で例示するように、第1排出ロール対51と第3排出ロール対57との間における部分が第1排出ロール対51側で多く引っ張られて直線的な状態になろうとするので、第1排出ロール対51と第3排出ロール対57との間に迫り出した状態にある排出案内部材54の一部(例えば最も迫り出した角部54d)に押し付けられた状態で搬送されるようになる。
この結果、記録用紙9には、その排出案内部材54の一部に押し付けられて通過した部分に排出案内部材54との接触跡が筋状にできるという不具合が発生することがある。
このような不具合は、記録用紙9としてコート紙や厚紙(坪量が106g/m2以上の用紙)を使用する場合や、両面の画像形成動作を連続して行う場合などに発生しやすい傾向にある。また、この不具合は、両面の画像形成動作が連続して行われる場合にも発生しやすい傾向にある。しかも、この不具合が両面の画像形成動作における記録用紙9の第2面へのトナー像の定着が終了した後の排出時に発生した場合は、その記録用紙9の片面(第1面)に形成された画像に筋状の接触跡が形成されて画像欠陥になってしまう。
この点、画像形成装置1では、第3排出ロール対57の駆動ロール571が特にロール部材8Aで構成されているため、駆動ロール571(のロール部85)が熱膨張しにくく記録用紙9の搬送速度も変動しにくくなる。この結果、上述したような筋状の接触跡が形成されるという不具合の発生が抑制される。
また、上記搬送装置7Aでは、駆動ロール571のロール部材8Aにおけるロール部85の第2の弾性層87が合成樹脂で構成されているので、その第2の弾性層87が合成樹脂以外の材料(特に金属等の材料)で構成されているロール部材に比べると、コスト(材料費、製造費など)が増加することを抑制することができる。
さらに、上記搬送装置7Aでは、駆動ロール571のロール部材8Aにおけるロール部85の第1の層86の厚さd1が第2の弾性層87の厚さd2よりも厚い関係になっているので、第1の層86の厚さd1が第2の弾性層87の厚さd2と同じか又はそれよりも薄い関係にあるロール部材やそれを使用した搬送装置に比べて、定着装置4を通過した後の加熱された状態にある記録用紙9が通過しても、そのロール部材8Aにおけるロール部85がより確実に熱膨張しにくくなる。この結果、搬送装置7Aにおける記録用紙9の搬送速度の変動や上記不具合が発生することを、より確実に抑制することができる。
また、この画像形成装置1においては、駆動ロール571としてロール部材8Aを採用した搬送装置7Aの下方側に、加熱装置の一例である定着装置4が配置されている。このため、その搬送装置7Aひいてはロール部材8Aは、少なくとも画像形成動作中は、その定着装置4の加熱用回転体41から上昇して移動する熱で加熱され続ける状態になる。
しかし、その搬送装置7Aひいてはロール部材8Aは、定着装置4の加熱用回転体41から上昇する熱で加熱されることがあっても、そのロール部85が熱膨張しにくく、またロール部85の熱膨張に起因した記録用紙9の搬送速度の変動も発生しにくい。また、搬送装置7Aを用いた画像形成装置1では、その搬送装置7Aのロール部材8Aにおけるロール部85の熱膨張に起因したその他の不具合が発生することも抑制される。
この他、画像形成装置1においては、搬送装置7Aにおける従動ロール572として、ロール部84が合成樹脂の単層860で構成されているロール部材8N(図7)を適用している。ここで、仮に従動ロール572のロール部84が熱膨張した場合は、その従動ロール572の駆動ロール571(のロール部85)に対する押し付け力が増加し、例えば記録用紙9に従動ロール572の押し付け跡がついてしまうおそれがある。これに対して上記搬送装置7Aにおいては、従動ロール572として上記構成のロール部材8Nを適用していることから、従動ロール572としてゴム層870のみで構成されたロール部83を設けたロール部材800(図15)を採用した搬送装置に比べて、従動ロール572自体も熱膨張しにくくなる。この結果、この搬送装置7Aによれば、その従動ロール572のロール部84が熱膨張したことに起因した従動ロール572のロール部84による記録用紙9の押し付け跡も発生しにくくなる。
[実施の形態2]
図9は、実施の形態2に係るロール部材8Bを示している。
このロール部材8Bは、第1の層86を回転軸81と同じ金属材料で構成したロール部85Bに変更した以外は、実施の形態1に係るロール部材8Aと同じ構成からなるものである。このため、図9においてロール部材8Aと共通する構成部分には、同じ符号等を付している。
このロール部材8Bは、実施の形態1に係るロール部材8Aと同様に、その第1の層86Bが第2の弾性層87を構成する材料(ゴム材料)よりも線膨張係数αが小さい材料(金属材料)で構成したロール部材になっている。
また、このロール部材8Bは、実施の形態1に係るロール部材8Aの場合と同様に、第3排出ロール対57を構成する搬送装置7Aにおける一方の駆動ロール571として適用することができる。
このときのロール部材8Bにおけるロール部85Bは、その第1の層86Bの厚さd4と第2の弾性層87の厚さd5について、その合計値(d4+d5)が実施の形態1に係るロール部材8Aにおけるロール部85の2つの層86,87の厚さを合計した値(d1+d2)と同じ値になるよう設定されている。このときの厚さd4と厚さd5は、d4>d5の大小関係にある。また、そのロール部85Bは、軸方向Dの長さL1が実施の形態1に係るロール部材8Aにおけるロール部85の長さL1と同じ値に設定されている。
ちなみに、ロール部材8Bは、例えば、次のような製法により製作される。
はじめに、回転軸81及び第1の層86Bを構成する金属材料を用い、切削加工等の方法により、所定の位置に第1の層86Bを削り出すとともに回転軸81を削り出す。この際、金属材料が第1の層86Bの外径と同じ直径の円柱棒である場合は、その金属材料に対して回転軸81を削り出す作業を行えばよい。続いて、その各第1の層86Bの外周面に第2の弾性層87をゴムライニング等の方法により形成する。これにより、ロール部材8Bが得られる。
なお図9では回転軸81と第1の層86Bとの境界に識別する観点から便宜上実線を付しているが、上述したように回転軸81と第1の層86Bを切削して形成した場合にはその実線部分が存在しなくなる。
そして、このロール部材8Bは、実施の形態1に係るロール部材8Aの場合とほぼ同様に、そのロール部85Bが加熱されることがあっても、例えば図15に例示するように回転軸81の外周面の少なくとも一部にゴム層870のみで構成されたロール部83を設けたロール部材800に比べて、熱膨張しにくい状態に保たれる。
また、このロール部材8Bを第3排出ロール対57の駆動ロール571として適用した搬送装置7Aは、ロール部材8Bにおけるロール部85Bの熱膨張に起因した記録用紙9の搬送速度の変動が発生しにくくなる。しかも、この搬送装置7Aも、駆動ロール571のロール部85Bがその最表面に第2の弾性層87を設けた構造になっているので、記録用紙9の搬送能力が良好に得られ、記録用紙9を確実に搬送することができる。
また、上記搬送装置7Aでは、駆動ロール571のロール部材8Bにおけるロール部85Bの第1の層86Bが金属の材料で構成されているので、実施の形態1に係るロール部材8Aにおけるロール部85の第2の弾性層87のように合成樹脂で構成されている場合に比べて、コストが少し増加するが、上記したように金属の線膨張係数が合成樹脂の線膨張係数よりも小さい関係にあるので、より熱膨張しにくい状態に保たれて記録用紙9の搬送速度も変動しにくくなる。
さらに、上記搬送装置7Aを備えた画像形成装置1においても、その駆動ロール571が特にロール部材8Bで構成されているため、駆動ロール571(のロール部85)が熱膨張しにくく記録用紙9の搬送速度も変動しにくくなる。この結果、実施の形態1で既述したような筋状の接触跡が形成されるという不具合の発生が抑制される。
[実施の形態3]
図10は、実施の形態3に係るロール部材8C,8Dを示している。
このロール部材8Cは、図10(a)に示されるように、第2の弾性層87Cの軸方向の長さL4を第1の層86の長さL1よりも短くしたロール部85Cに変更した以外は、実施の形態1に係るロール部材8Aと同じ構成からなるものである。ロール部材8Cにおける第1の層86は、第2の弾性層87Cを構成する材料(ゴム材料)よりも線膨張係数αが小さい材料(合成樹脂材料)で構成されている。
また、ロール部材8Dは、図10(b)に示されるように、第2の弾性層87Dの軸方向の長さL5を第1の層86Bの長さL1よりも短くしたロール部85Dに変更した以外は、実施の形態2に係るロール部材8Bと同じ構成からなるものである。ロール部材8Dにおける第1の層86Bは、第2の弾性層87Dを構成する材料(ゴム材料)よりも線膨張係数αが小さい材料(合成樹脂材料)で構成されている。
さらに、このロール部材8C,8Dはいずれも、図11(a)に示されるように、実施の形態1に係るロール部材8Aや実施の形態2に係るロール部材8Bの場合とほぼ同様に、第3排出ロール対57を構成する搬送装置7Aにおける一方の駆動ロール571として適用することができる。
このときのロール部材8Cにおけるロール部85Cは、その第1の層86の厚さd6と第2の弾性層87Cの厚さd7について、その合計値(d6+d7)が実施の形態1に係るロール部材8Aにおけるロール部85の2つの層86,87の厚さを合計した値(d1+d2)と同じ値になるよう設定されている。このときの厚さd6,d7は、d6>d7の大小関係にある。
また、ロール部材8Dにおけるロール部85Dは、その第1の層86Bの厚さd8と第2の弾性層87Dの厚さd9について、その合計値(d8+d9)が実施の形態1に係るロール部材8Aにおけるロール部85の2つの層86,87の厚さを合計した値(d1+d2)と同じ値になるよう設定されている。このときの厚さd8,d9も、d8>d9の大小関係にある。
さらに、ロール部材8Cにおけるロール部85Cとロール部材8Dにおけるロール部85Dはいずれも、その軸方向Dの長さL1がロール部85の長さL1と同じ値に設定されている。
そして、このロール部材8C,8Dはいずれも、実施の形態1に係るロール部材8Aや実施の形態2に係るロール部材8Bの場合とほぼ同様に、そのロール部85C,85Dが加熱されることがあっても、例えば図15に例示するように回転軸81の外周面の少なくとも一部にゴム層870のみで構成されたロール部83を設けたロール部材800に比べて、熱膨張しにくい状態に保たれる。
また、このロール部材8C,8Dはいずれも、第2の弾性層87C,87Dの長さL4,L5が第1の層86,86Bの長さL1よりも短くなるよう構成されているので、例えば第2の弾性層の軸方向の長さが第1の弾性層の軸方向の長さと同じであるロール部材に比べて、熱膨張とコスト増加の抑制ができる。
また、このロール部材8C,8Dを第3排出ロール対57の駆動ロール571としてそれぞれ適用した搬送装置7Aはいずれも、図11(b)に示されるように、その駆動ロール571におけるロール部85C,85Dが加熱されることがあっても、ロール部材8Cにおけるロール部85Cやロール部材8Dにおけるロール部85Dのそれぞれの熱膨張に起因した記録用紙9の搬送速度の変動が発生しにくくなる。しかも、この搬送装置7Aはいずれも、駆動ロール571のロール部85C,85Dがその最表面に第2の弾性層87C,87Dをそれぞれ設けた構造になっているので、記録用紙9の搬送能力が良好に得られ、記録用紙9を確実に搬送することができる。
また、上記搬送装置7Aはいずれも、駆動ロール571のロール部85Cにおける第1の層86が合成樹脂で構成されており、また駆動ロール571のロール部85Dにおける第1の層86Bが金属の材料で構成されているので、実施の形態1に係るロール部材8Aにおけるロール部85の第2の弾性層87のように合成樹脂で構成されている場合に比べて、コストが少し増加するが、上記したように金属の線膨張係数が合成樹脂の線膨張係数よりも小さい関係にあるのでより熱膨張しにくい状態に保たれる。
さらに、上記搬送装置7Aを備えた画像形成装置1では、その駆動ロール571が特にロール部材8C,8Dで構成されているため、駆動ロール571のロール部85C,85Dがいずれも熱膨張しにくく、それにより記録用紙9の搬送速度も変動しにくくなる。この結果、実施の形態1等で既述したような筋状の接触跡が形成されるという不具合の発生が抑制される。
なお、ロール部材8Dは、例えば図12に示されるように、(上記第2の弾性層87Dに代えて)複数(本例では3つ)に分割された第2の弾性層87Eを第1の層86Bの外周面にその軸方向Dに所要の間隔をあけた状態で設けてなるロール部85Eを備えたロール部材とすることも可能である。
また、ロール部材8Cについても、例えば、(上記第2の弾性層87Cに代えて)複数に分割された第2の弾性層を第1の層86の外周面にその軸方向Dに所要の間隔をあけた状態で設けてなるロール部を備えたロール部材とすることも可能である。
[実施の形態4]
図13は、実施の形態4に係るロール部材8G,8Hを示している。
このロール部材8G,8Hは、例えば、図2や図3に示されるように画像形成装置1における排出案内部材54の案内角部に回転自在に設けられる用紙送りロール(コロ)65として使用されるものである。実施の形態4における用紙送りロール65は、排出案内部材54における第1案内部54aと第2案内部54bの境界となる角部に、そのロール部の一部を突出させた状態で設けられている。ちなみに、このような用紙送りロール65は、対向するロール部材等の回転体を有しない、搬送装置として扱うことが可能である。
このロール部材8G,8Hにて構成される用紙送りロール65(搬送装置)は、画像形成装置1における第2排出搬送路Rt4を利用して記録用紙9が搬送される場合、その記録用紙9が第2排出搬送路Rt4の一部を構成する排出案内部材54の上記案内角度に接近した状態で搬送されるときに、その記録用紙9を回転し得る用紙送りロール65に接触させて移動させるものである。これにより、そのときの記録用紙9が排出案内部材54の上記案内角度に接触して通過することを回避できるようになっている。
このときの用紙送りロール65は、駆動装置から回転動力をうけて回転駆動するものでなく、そのロール部に搬送中の記録用紙9が触れて通過すると、その記録用紙9の通過移動の量や速度に応じて回転する(連れ回る)ようになっている。
そして、図13(a)に示す用紙送りロール65としてのロール部材8Gは、図示しない支持部材や排出案内部材54の一部に回転自在に設けられる回転軸88と、その回転軸88の外周面の一部に間隔をあけて設けられる複数の第1の層86とその各第1の層86の外周面に設けられる第2の弾性層87とで構成される複数のロール部89とを備え、かつ、そのロール部89の第1の層86について第2の弾性層87を構成する材料よりも線膨張係数αが小さい材料で構成したロール部材である。
ここで、回転軸88は、実施の形態1等における回転軸81等と同様に金属材料で構成されている。ロール部89は、実施の形態1におけるロール部85や、実施の形態2におけるロール部85Bや、実施の形態3におけるロール部85C,85D,85Eのいずれかと同様に構成されている。
このようなロール部材8Gからなる用紙送りロール65(搬送装置)を使用した場合は、その用紙送りロール65が定着装置4で加熱された状態にある記録用紙9が接触して通過することで加熱されることがあっても、そのロール部材8Gにおけるロール部89が実施の形態1〜3におけるロール部85,85B,85C〜85Eの場合とほぼ同様に、熱膨張しにくい。
また、このロール部材8Gからなる用紙送りロール65(搬送装置)は、その下方側に加熱装置の一例である定着装置4が配置されていることから、少なくとも画像形成動作中は、その定着装置4の加熱用回転体41から上昇して移動する熱で加熱され続ける状態になるが、その加熱によっても熱膨張しにくい。
以上により、用紙送りロール65のロール部材8Gにおけるロール部89が熱膨張することに起因してロール部89のロール径K4が増加することで記録用紙9の送り方向が変動することを抑制することができる。また、このときの用紙送りロール65による記録用紙9の送り方向の変動が抑制されることにより、その記録用紙9の搬送される経路を変動させてしまうおそれも抑制される。
また、図13(b)に示す用紙送りロール65としてのロール部材8Hは、図示しない支持部材や排出案内部材54の一部に回転自在に設けられる回転軸88と、その回転軸88の外周面の一部に連続した状態で設けられる第1の層86とその第1の層86の外周面に設けられる第2の弾性層87とで構成される複数のロール部89Bとを備え、かつ、そのロール部89Bの第1の層86について第2の弾性層87を構成する材料よりも線膨張係数αが小さい材料で構成したロール部材である。
ここで、回転軸88は、実施の形態1等における回転軸81等と同様に金属材料で構成されている。また、ロール部89Bは、実施の形態1におけるロール部85や、実施の形態2におけるロール部85Bや、実施の形態3におけるロール部85C,85D,85Eのいずれかと同様に構成されている。また、ロール部89Bの軸方向Dの長さL6は、そのロール部89Bに接触して通過し得る記録用紙9の最大通過幅Wmaxよりも長くなる関係(L6>Wmax)になるよう設けられている。ちなみに、ロール部89Bが実施の形態3におけるロール部85C,85D,85Eのいずれかと同様に構成される場合は、その第1の層86(86b)の長さL1(=L6)が記録用紙9の最大通過幅Wmaxよりも長くなる関係であれば、第2の弾性層87C(87D,87E)の長さL4(L5等)については、第1の層86(86b)の長さL1(=L6)や記録用紙9の最大通過幅Wmaxよりも短い関係であっても構わない。
このようなロール部材8Hからなる用紙送りロール65(搬送装置)を使用した場合は、その用紙送りロール65が定着装置4で加熱された状態にある記録用紙9が接触して通過することで加熱されることがあっても、そのロール部材8Hにおけるロール部89Bが実施の形態1〜3におけるロール部85,85B,85C〜85Eの場合とほぼ同様に、熱膨張しにくい。
また、このロール部材8Hからなる用紙送りロール65(搬送装置)も、その下方側に加熱装置の一例である定着装置4が配置されていることから、少なくとも画像形成動作中は、その定着装置4の加熱用回転体41から上昇して移動する熱で加熱され続ける状態になるが、その加熱によっても熱膨張しにくい。
以上により、用紙送りロール65のロール部材8Hにおけるロール部89Bが熱膨張することに起因してロール部89Bのロール径K4が増加することで記録用紙9の送り方向が変動することを抑制することができる。
特にロール部材8Hからなる用紙送りロール65(搬送装置)を使用した場合は、上記ロール部材8Gからなる用紙送りロール65(搬送装置)を使用した場合に比べて、記録用紙9の(再)加熱むらの発生を抑制することができる。
まず、用紙送りロール65(搬送装置)は、記録用紙9が連続して接触して通過すると、その用紙送りロール65のロール部(89)が加熱されて蓄熱された状態になり、その後に用紙送りロール65のロール部(89)に接触して通過する記録用紙9を再び加熱するようになる。
この場合、ロール部材8Gからなる用紙送りロール65(搬送装置)を使用した場合は、図13(a)に示すように、複数のロール部89が回転軸88に間隔をあけて設けられていることから、そのロール部材8Gに接触して通過する記録用紙9は、ロール部89に接触して通過する片面部分91が接触加熱されて再加熱される一方で、ロール部89が存在しない部分(回転軸88のみの部分)を通過する片面部分92がロール部89に接触しない分だけほとんど再加熱されなくなる。この結果、ロール部材8Gに接触して通過する記録用紙9は、その片面の全域において加熱むらが発生することがある。
このような加熱むらが発生した記録用紙9は、例えば、その片面部分91の領域に形成された画像とその片面部分92の領域に形成された画像部との間で光沢度にむらが生じてしまう等の不具合が生じる。
これに対して、ロール部材8Hからなる用紙送りロール65(搬送装置)を使用した場合は、図13(b)に示すように、そのロール部89Bが記録用紙9の最大通過幅Wmaxよりも長くなる長さL6で設けられているので、そのロール部材8Hに接触して通過する記録用紙9はそのロール部89Bが片面全域に接触して再加熱するようになり、その片面全域において加熱むらが発生することが抑制される。したがって、この場合は、加熱むらが発生した記録用紙9の場合において起こり得る上記不具合の誘発を抑制することができる。
[実施の形態5]
図14は、実施の形態5に係る搬送装置7Bを示している。
この搬送装置7Bは、第3排出ロール対57の駆動ロール571として実施の形態4におけるロール部材8Hを適用して変更した以外は実施の形態1〜3に係る搬送装置7Aと同じ構成からなるものである。
つまり、搬送装置7Bにおける駆動ロール571は、そのロール部89Bの長さL7がそのロール部89Bに接触して通過し得る記録用紙9の最大通過幅Wmaxよりも長くなる関係(L7>Wmax)になるよう設けられている。
このロール部材8Hを第3排出ロール対57の駆動ロール571として適用した搬送装置7Bは、その駆動ロール571におけるロール部89Bが定着装置4で加熱された状態にある記録用紙9により加熱されることがあっても、ロール部材8Hにおけるロール部89Bが熱膨張しにくく、その熱膨張に起因した記録用紙9の搬送速度の変動も発生しにくくなる。しかも、この搬送装置7Bにおいても、駆動ロール571のロール部89Bがその最表面に第2の弾性層(87)を設けた構造になっているので、記録用紙9の搬送能力が良好に得られ、記録用紙9を確実に搬送することができる。
また、この搬送装置7Bにおいては、その駆動ロール571におけるロール部89Bが上記記録用紙9により加熱されて蓄熱された状態になって、その後に搬送される記録用紙9をロール部89Bに再加熱することがあっても、その記録用紙9の片面全域をむらなく再加熱することができる。
[他の実施の形態]
実施の形態1〜3、5では、ロール部材8A〜8D,8Hを第3排出ロール対57の駆動ロール571として適用した構成例を示したが、そのロール部材8A〜8D,8Hはこれに限定されず、他のロール対の少なくとも一方のロールに適用することができる。
例えば、ロール部材8A〜8D,8Hは、第3排出ロール対57の駆動ロール571および従動ロール572の双方に適用してもよい。
また、加熱された状態にある記録用紙9が通過して熱膨張の発生を回避すべき他のロール対の少なくとも一方のロールに適用するとよい。その他のロール対としては、例えば、第1排出ロール対51等が挙げられる。また、給紙装置3に記録用紙9を乾燥させるための加熱を行う加熱装置の一例である乾燥装置が併設されている場合は、その給紙装置3から乾燥装置で乾燥加熱された記録用紙9を画像が形成される部位まで搬送する搬送ロール対の少なくとも一方のロールに適用することもできる。
なお、ロール部材8A〜8D,8Hを適用する搬送装置における一対のロール部材は、駆動装置から回転動力を受けて回転駆動するものでなく、搬送されて移動する記録用紙9がロール対の間に導入されて通過することで連れ回るものであっても構わない。
また、ロール部材8A〜8D,8Hは、画像形成装置1における記録用紙9を搬送する搬送装置7A,7Bに適用することに限らず、記録用紙9以外の被搬送材を挟んで搬送する2つのロール部材を備えた搬送装置における当該2つのロール部材の少なくとも一方のロール部材として適用することもできる。
この場合、被搬送材は、2つのロール部材の間に挟んで搬送することができるものであればよいが、その搬送装置に至る前に加熱された状態で搬送されることもあるものである。また、この場合の搬送装置は、2つのロール部材の少なくとも一方が手前の位置で加熱された状態で搬送される被搬送部材による加熱や、その下方側に配置される加熱装置から上昇する熱による加熱を受けることで熱膨張することを回避することが要求されるものであることが好ましい。
この他、このロール部材8A〜8D,8Hやそのロール部材を用いた搬送装置を備えた画像形成装置は、実施の形態1〜5で例示した単色のトナーからなる単色画像を形成する形式のものに限らず、他の形式の画像形成装置であってもよい。
他の形式の画像形成装置としては、例えば、複数色のトナーを組み合わせてなる多色(カラー)画像を形成する形式の画像形成装置、インク滴を吐出して画像を形成する形式の画像形成装置等が挙げられる。複数色のトナーを組み合わせてなる多色画像を形成する形式の画像形成装置の場合は、実施の形態1等における作像装置2について、例えば複数色のトナー像を形成する複数の作像装置と、その各作像装置で形成される各色のトナー像を転写により一次的に保持して記録用紙9に再転写するまで搬送する中間転写装置とで構成すればよい。
1 …画像形成装置
7A,7B…搬送装置
8A,8B,8C,8D,8G,8H…ロール部材
9 …記録用紙(被搬送材の一例)
81,88…回転軸
85,85B,85C,85D…ロール部
86,86B…第1の層
87,87C,87D,87E…第2の弾性層
571…駆動ロール(2つのロール部材の一方のロール部材)
572…従動ロール(2つのロール部材の他方のロール部材)
D …軸方向
d1,d4,d6,d8…第1の層の厚さ
d2,d5,d7,d9…第2の弾性層の厚さ
L1…第1の層の軸方向の長さ
L2,L4,L5…第2の弾性層の軸方向の長さ
Wmax…最大通過幅

Claims (12)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸の外周面の少なくとも一部に設けられる第1の層と、前記第1の層の外周面の少なくとも一部に設けられる第2の弾性層とで構成されるロール部と、
    を備え、
    前記第1の層は、前記第2の弾性層を構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料で構成されているロール部材。
  2. 前記第1の層が合成樹脂で構成されている請求項1に記載のロール部材。
  3. 前記第1の層の厚さが前記第2の弾性層の厚さよりも厚い請求項1又は2に記載のロール部材。
  4. 前記第2の弾性層の軸方向の長さが前記第1の層の軸方向の長さよりも短い請求項1乃至3いずれかに記載のロール部材。
  5. 前記第1の層および第2の弾性層で構成されるロール部は、その軸方向の長さが当該ロール部に接触して通過し得る被搬送材の最大通過幅よりも長くなるよう設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載のロール部材。
  6. 回転動力が伝達されて回転駆動するよう使用される請求項1乃至5のいずれかに記載のロール部材。
  7. 接触して回転するとともに被搬送材を挟んで搬送する2つのロール部材を備え、
    前記2つのロール部材の少なくとも一方が請求項1乃至6のいずれかに記載のロール部材で構成されている搬送装置。
  8. 前記2つのロール部材の少なくとも一方に回転動力を伝達する駆動装置を備え、
    前記駆動装置からの回転動力が伝達されて回転駆動するロール部材が請求項1乃至6のいずれかに記載のロール部材で構成されている請求項7の搬送装置。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載のロール部材を備えている画像形成装置。
  10. 請求項7又は8に記載の搬送装置を備えている画像形成装置。
  11. 前記ロール部材の下方側に加熱装置を有する請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 前記搬送装置の下方側に加熱装置を有する請求項10に記載の画像形成装置。
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