JP2019002449A - はすば歯車装置 - Google Patents

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頼田 浩
Hiroshi Yorita
浩 頼田
岳嗣 佐々木
Takeshi Sasaki
岳嗣 佐々木
健一朗 塚本
Kenichiro Tsukamoto
健一朗 塚本
一哉 荒川
Kazuya Arakawa
一哉 荒川
橋本 学
Manabu Hashimoto
橋本  学
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Abstract

【課題】第2はすば歯車の芯ずれや傾斜によって第3はすば歯車との間で噛み合い干渉が発生し、伝達効率が悪化したり耐久性が損なわれたりすることを抑制する。
【解決手段】第2はすば歯車14および第3はすば歯車のねじれ角β2、β3が、第2はすば歯車14の最大傾き角θkの1/2〜最大傾き角θkの範囲で互いに相違させられており、回転伝達時に生じるモーメントで第2はすば歯車14が傾斜させられた場合の噛み合い歯20、22の交差角度が最大傾き角θkの1/2以下に低減されるため、転がり軸受の径方向クリアランスに起因する第2はすば歯車14の芯ずれや傾斜に拘らず、第3はすば歯車との間の噛み合い干渉が抑制される。特に、本実施例ではβ2≒β3+θkで、最大傾き角θkだけ相違しているため、第2はすば歯車14が最大傾き角θkだけ傾斜させられた場合に、噛み合い歯20、22が略平行になり、噛み合い干渉が適切に抑制される。
【選択図】図4

Description

本発明ははすば歯車装置に係り、特に、3つの第1はすば歯車、第2はすば歯車、および第3はすば歯車が直列に連結されたはすば歯車装置の耐久性や伝達効率を向上させる技術に関するものである。
(a) 第1軸線まわりに回転駆動される第1はすば歯車と、(b) 前記第1軸線と平行な第3軸線まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車と、(c) 前記第1はすば歯車および前記第3はすば歯車の両方と噛み合わされるとともに、回転中心に挿通孔が設けられた第2はすば歯車と、(d) 前記第1軸線と平行な第2軸線と同軸に配設されて前記挿通孔内を挿通させられ、前記第2はすば歯車をその第2軸線まわりに回転可能に支持する支持軸と、を有し、(e) 前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達するはすば歯車装置が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、遊星歯車装置46の第2ピニオンギヤ56が第1はすば歯車、第1ピニオンギヤ52が第2はすば歯車、サンギヤ48が第3はすば歯車に相当し、第2はすば歯車に相当する第1ピニオンギヤ52は支持軸である第1ピニオン軸62によりニードル軸受66を介して回転自在に支持されている。
特開2014−13055号公報
しかしながら、このようなはすば歯車装置においては、ニードル軸受の径方向のクリアランス(遊び)に起因して第2はすば歯車が芯ずれして第3はすば歯車に接近したり第2軸線に対して傾斜したりして、第3はすば歯車との間のバックラッシが0になる噛み合い干渉が生じる可能性があった。歯打ち音を抑えるためにバックラッシを小さく設定すると、噛み合い干渉が発生する可能性が高くなる。また、歯幅が大きい程、傾斜によるバックラッシへの影響が大きくなる。このように第3はすば歯車との間で噛み合い干渉が生じると、伝達効率が著しく悪化するとともに、第1はすば歯車との間の噛み合い荷重の軸方向成分により第2はすば歯車に偏荷重が作用し、摩耗等により各部の耐久性が損なわれる恐れがある。例えば、第2はすば歯車の軸方向に隣接して小径のスラストワッシャが設けられる場合、その径寸法の差に応じて噛み合い荷重の軸方向成分が倍力(増力)され、過大なスラスト荷重がスラストワッシャに加えられて早期に摩耗したり損傷したりする可能性がある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、第2はすば歯車の芯ずれや傾斜によって第3はすば歯車との間で噛み合い干渉が発生し、伝達効率が悪化したり耐久性が損なわれたりすることを抑制することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、(a) 第1軸線まわりに回転駆動される第1はすば歯車と、(b) 前記第1軸線と平行な第3軸線まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車と、(c) 前記第1はすば歯車および前記第3はすば歯車の両方と噛み合わされるとともに、回転中心に挿通孔が設けられた第2はすば歯車と、(d) 前記第1軸線と平行な第2軸線と同軸に配設されて、前記挿通孔内を径方向に所定の遊びを有する状態で挿通させられ、前記第2はすば歯車をその第2軸線まわりに回転可能に支持する支持軸と、を有し、(e) 前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達するはすば歯車装置において、(f) 前記回転伝達時に前記第2はすば歯車および前記第3はすば歯車の互いに接する一対の噛み合い側歯面のねじれ角が、その回転伝達時に前記第2はすば歯車が前記第1はすば歯車から受ける噛み合い荷重および前記第3はすば歯車から受ける噛み合い反力によって生じるモーメントにより前記遊びによって定まる最大傾き角だけ前記第2軸線に対して傾斜させられた場合に、一対の噛み合い側歯面の相互間の交差角度が、前記ねじれ角が互いに等しい場合に比較して小さくなるように、前記最大傾き角の1/2〜最大傾き角の範囲で互いに相違させられていることを特徴とする。
すなわち、一対の噛み合い側歯面のねじれ角が互いに等しい場合、第2はすば歯車が第2軸線と平行な状態では一対の噛み合い側歯面の交差角度は0°すなわち互いに平行であるが、第2はすば歯車の傾斜に伴って交差角度は大きくなり、最大傾き角では交差角度も最大傾き角と同じ角度である。したがって、「ねじれ角が互いに等しい場合に比較して小さくなる」とは、第2はすば歯車が最大傾き角だけ傾斜させられた場合に、一対の噛み合い側歯面の相互間の交差角度がその最大傾き角よりも小さくなることを意味する。具体的には、例えばねじれ角の相違が最大傾き角と同じ場合、第2はすば歯車が第2軸線と平行な状態では一対の噛み合い側歯面の交差角度は最大傾き角と同じであるが、第2はすば歯車の傾斜に伴って交差角度は小さくなり、最大傾き角では交差角度が略0°の平行状態になる。また、ねじれ角の相違が最大傾き角の1/2の場合は、第2はすば歯車が第2軸線と平行な状態では一対の噛み合い側歯面の交差角度は最大傾き角の1/2であるが、第2はすば歯車の傾斜に伴って交差角度は小さくなり、互いに平行になった後は逆方向へ拡大し、最大傾き角では逆方向に最大傾き角の1/2の交差角度になる。なお、互いに噛み合う一対のはすば歯車のねじれ方向は互いに反対であり、この明細書では単にねじれ角と言った場合、ねじれ角の絶対値を意味している。
このようなはすば歯車装置においては、回転伝達時に第2はすば歯車および第3はすば歯車の互いに接する一対の噛み合い側歯面のねじれ角が、支持軸との間の遊びによって定まる最大傾き角の1/2〜最大傾き角の範囲で互いに相違させられており、回転伝達時に生じるモーメントで第2はすば歯車が傾斜させられた場合のその一対の噛み合い側歯面の交差角度が最大傾き角の1/2以下に低減されるため、支持軸との間の遊びに起因する第2はすば歯車の芯ずれや傾斜に拘らず、第3はすば歯車との間の噛み合い干渉が抑制される。これにより、噛み合い干渉を抑制しつつバックラッシを小さくできるとともに、噛み合い干渉に起因する伝達効率の悪化や、第1はすば歯車との噛み合い荷重の軸方向成分によって生じる偏荷重による摩耗等の耐久性の低下が抑制される。
本発明の一実施例であるはすば歯車装置を説明する概略正面図で、噛み合い部E1、E2の拡大図を併せて示した図である。 図1の第2はすば歯車の側面図で、第1はすば歯車および第3はすば歯車の噛み合い歯(断面)を併せて示した図である。 図2の第2はすば歯車の軸線方向の断面図である。 図1のはすば歯車装置の第2はすば歯車を第3はすば歯車側から見た側面図で、それ等のはすば歯車のねじれ角β2、β3の相違を説明する図である。 図4に対応する第2はすば歯車の側面図で、第2はすば歯車が遊びに起因して最大傾き角θkだけ第2軸線C2に対して傾斜させられた状態を示した図である。 本発明の他の実施例を説明する図で、図4に対応する第2はすば歯車の側面図である。 従来のはすば歯車装置の図2に対応する第2はすば歯車の側面図で、第3はすば歯車との間で噛み合い干渉が発生した場合を説明する図である。 図7に対応する軸線方向の断面図で、第1はすば歯車との間の噛み合い荷重の軸方向成分F1sが倍力されてスラストワッシャに加えられることを説明する図である。
第1はすば歯車は例えば入力軸と一体的に第1軸線まわりに回転させられ、第3はすば歯車は例えば出力軸と一体的に第3軸線まわりに回転させられるように、それ等の入力軸や出力軸にスプライン等を介して相対回転不能に連結されるが、更に別のはすば歯車と噛み合わされて回転が伝達され、或いは回転を伝達する場合でも良い。第2はすば歯車の挿通孔と支持軸との間には、例えば転がり軸受が配設され、第2はすば歯車はその転がり軸受を介して径方向に所定の遊びを有する状態で支持軸によって第2軸線まわりに回転自在に支持されるが、軸受メタル等の滑り軸受を介して支持することもできるし、スプライン嵌合を介して相対回転不能に支持軸に連結し、支持軸と共に第2軸線まわりに回転可能に支持することもできるなど、径方向に所定の遊びを有する状態で支持する種々の支持態様が可能である。転がり軸受としては、例えば針状ころ軸受(ニードル軸受)やころ軸受が用いられるが、ボールベアリング等を用いることも可能である。
一対の噛み合い側歯面のねじれ角は、最大傾き角の1/2〜最大傾き角の範囲で互いに相違させられるが、回転伝達時には、第2はすば歯車は最大傾き角まで傾斜させられる可能性が高いため、その最大傾き角だけ傾斜させられた状態で一対の噛み合い側歯面が略平行になるように、最大傾き角と略同じ角度だけ互いに相違させることが望ましい。各部の寸法誤差や組付誤差等を考慮すると、最大傾き角と完全に一致させる必要はなく、最大傾き角の10%程度上下にずれても差し支えない。最大傾き角の1/2〜最大傾き角の範囲の上下限値についても、最大傾き角の10%程度の上下のずれを含む。なお、最大傾き角は、支持軸と第2はすば歯車との間の遊びから幾何学的乃至は実験的に求められる角度で、例えば弾性変形を有しない剛体として求めることもできる。
一対の噛み合い側歯面のねじれ角の相違は、互いに等しい本来のねじれ角に対して何れか一方の噛み合い側歯面のねじれ角のみを変更しても良いが、一対の噛み合い側歯面の両方のねじれ角を変更することも可能である。また、第2はすば歯車および第3はすば歯車の噛み合い歯のねじれ角を互いに相違させても良いが、噛み合い側歯面のみを相違させても良い。
第1はすば歯車、第2はすば歯車、および第3はすば歯車が何れも外歯のはすば歯車で、第1軸線〜第3軸線の位置関係が、軸線方向から見た正面視において、それ等の軸線を結ぶ中心線(line of centres )が第2軸線を頂点として60°〜150°の範囲内の角度で折れ曲がり、且つ第2軸線を頂点とする内角側(角度が小さい側)において第2はすば歯車の回転方向の下流側に第3軸線が位置するように定められている場合、第1はすば歯車から第2はすば歯車に加えられる噛み合い荷重と、第3はすば歯車から第2はすば歯車に加えられる噛み合い反力とにより、その第2はすば歯車には第3はすば歯車に対して接近する方向成分を有する芯ずれ力が作用する。これにより、第2はすば歯車が第3はすば歯車に対して接近する方向の芯ずれが生じ易くなり、第2はすば歯車が第2軸線に対して傾斜させられることにより、第2はすば歯車と第3はすば歯車との間のバックラッシが0になる噛み合い干渉が発生する可能性が高くなるが、本発明が適用されることにより噛み合い干渉が抑制され、伝達効率の悪化や耐久性の低下が抑制される。第2軸線を頂点とする角度が60°未満になると第2はすば歯車に作用する芯ずれ力が小さくなり、第2軸線を頂点とする角度が150°を超えると芯ずれ力の方向が第3軸線に向かう方向から大きくずれるが、60°未満や150°超の場合でも第2はすば歯車が第3はすば歯車に対して接近する方向へ芯ずれする可能性があるため、本発明が同様に適用され得る。なお、第2はすば歯車の回転方向の下流側に第3軸線が位置する動力伝達状態が可能であれば、逆方向へ回転する動力伝達状態があっても差し支えない。
第1はすば歯車、第2はすば歯車、および第3はすば歯車は、例えば何れも外歯のはすば歯車にて構成されるが、第1はすば歯車および第3はすば歯車の何れか一方が内歯のリングギヤであっても良い。また、第1軸線〜第3軸線は、例えばケース等によって一定の位置に定められるが、ダブルピニオン型の遊星歯車装置のように第1軸線がサンギヤ或いはリングギヤの中心軸線で、その第1軸線まわりに回転可能に配設されるキャリアに第2軸線および第3軸線が設定されても良い。同様に、第3軸線がサンギヤ或いはリングギヤの中心軸線で、その第3軸線まわりに回転可能に配設されるキャリアに第1軸線および第2軸線が設定されても良い。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例であるはすば歯車装置10を説明する概略正面図で、噛み合い部E1、E2の拡大図を併せて示した図である。このはすば歯車装置10は、車両用動力伝達装置等に用いられるもので、第1軸線C1まわりに回転可能に配設された第1はすば歯車12と、第1軸線C1と平行な第2軸線C2まわりに回転可能に配設された第2はすば歯車14と、第1軸線C1と平行な第3軸線C3まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車16とを備えており、第2はすば歯車14は第1はすば歯車12および第3はすば歯車16の両方と噛み合わされている。これ等のはすば歯車12、14、16は、何れも軸線まわりに捩じれた噛み合い歯18、20、22を外周部に備えている外歯のはすば歯車で、それ等の噛み合い歯18、20、22が互いに噛み合わされて回転を伝達する。また、第1軸線C1〜第3軸線C3は、例えばケース等によって一定の位置に定められるが、ダブルピニオン型の遊星歯車装置のように第1軸線C1がサンギヤの中心軸線で、その第1軸線C1まわりに回転可能に配設されるキャリアに第2軸線C2および第3軸線C3が設定されても良い。すなわち、第1はすば歯車12がサンギヤで、第2はすば歯車14および第3はすば歯車16が、それぞれキャリアに配設された第1ピニオンおよび第2ピニオンであっても良い。
第1はすば歯車12は、第1軸線C1と同軸に配設された入力軸24にスプライン等を介して相対回転不能に連結されており、入力軸24を介して回転動力が伝達されて、入力軸24と一体的に第1軸線C1まわりに回転駆動される。第3はすば歯車16は、第3軸線C3と同軸に配設された出力軸26にスプライン等を介して相対回転不能に連結されており、出力軸26と一体的に第3軸線C3まわりに回転させられて、その出力軸26を介して回転動力を出力する。すなわち、入力軸24から第1はすば歯車12に伝達された回転は、第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16に伝達され、更に第3はすば歯車16から出力軸26に出力される。例えば第1はすば歯車12が矢印Aで示すように右まわりに回転駆動されると、第2はすば歯車14は矢印Bで示すように左まわりに回転させられ、第3はすば歯車16は矢印Cで示すように右まわりに回転させられる。
第2はすば歯車14の回転中心には挿通孔30が設けられており、第2はすば歯車14は、挿通孔30内を挿通させられた支持軸32により転がり軸受34を介して第2軸線C2まわりに回転自在に支持されている。図2は第2はすば歯車14の側面図で、第1はすば歯車12および第3はすば歯車16の噛み合い歯18、22の断面を併せて示した図であり、図3は図2の第2はすば歯車14の軸線方向の断面図である。これ等の図において、支持軸32には、第2はすば歯車14の軸方向に隣接して第4はすば歯車38が一体に設けられており、それ等の第2はすば歯車14と第4はすば歯車38との間には、両者の相対回転抵抗を低減するためにスラストワッシャ36が介在させられている。第4はすば歯車38は第2はすば歯車14よりも小径(1/2以下)であり、スラストワッシャ36の外径は、第4はすば歯車38の外径よりも僅かに大きい寸法で第2はすば歯車14の外径よりも十分に小さい。
第2はすば歯車14は、外周部に噛み合い歯20を有する円板部40と、円板部40の内周側に回転中心(第2軸線C2と同じ)と同心に一体に設けられた円筒部42とを備えており、その円筒部42の内周面が挿通孔30で、その挿通孔30と支持軸32の外周面との間の環状空間に転がり軸受34が配設されている。円筒部42の一端部、すなわちスラストワッシャ36側の端部の外径は、そのスラストワッシャ36の外径と略同じで、円筒部42の内径すなわち挿通孔30の径寸法は、第4はすば歯車38の外径と略同じである。転がり軸受34は、円筒状の内輪44、多数のころ46、および保持器48等を備えており、内輪44は支持軸32に嵌合されている。この転がり軸受34は、例えばころ46として針状ころが用いられる針状ころ軸受(ニードル軸受)で、径方向に所定のクリアランス(遊び)を有する。
ここで、前記第1軸線C1、第2軸線C2、および第3軸線C3の位置関係は、図1に示す軸線方向から見た正面視において、第1軸線C1と第2軸線C2とを結ぶ直線である第1中心線Lc1と、第2軸線C2と第3軸線C3とを結ぶ直線である第2中心線Lc2とが、第2軸線C2を頂点として60°〜150°の範囲内(実施例では約90°)の角度で折れ曲がり、且つ第2軸線C2を頂点とする内角側(図1における左側の角度範囲)において第2はすば歯車14の回転方向の下流側に第3軸線C3が位置するように定められている。この場合、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14を介して第3はすば歯車16へ動力が伝達される動力伝達時には、第3はすば歯車16の回転抵抗に基づいて、第1はすば歯車12と第2はすば歯車14との噛み合い部E1では、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14に対して噛み合い荷重F1が加えられ、第2はすば歯車14と第3はすば歯車16との噛み合い部E2では、第3はすば歯車16から第2はすば歯車14に対して噛み合い反力F2が加えられる。これ等の噛み合い荷重F1および噛み合い反力F2により、第2はすば歯車14には、それ等の合力である芯ずれ力Faが作用し、その芯ずれ力Faに基づいて第2はすば歯車14は転がり軸受34の径方向クリアランス分だけ第3はすば歯車16に対して接近させられる可能性がある。また、これ等の噛み合い荷重F1および噛み合い反力F2により、第2はすば歯車14には図2における右まわり方向のモーメントが作用するが、転がり軸受34により受け止められて転がり性能が適切に維持されるとともに、軸方向成分は互いに相殺されてスラストワッシャ36に過大なスラスト荷重が加えられる恐れはない。
一方、第2はすば歯車14および第3はすば歯車16の噛み合い歯20、22のねじれ角β2、β3は、図4に示すように互いに相違している。図4は、第2軸線C2および第3軸線C3が一致するように、第2はすば歯車14を第3はすば歯車16側から見た側面図であり、両者のねじれ角β2およびβ3をそのまま比較することができる。本実施例では、図1に示す回転伝達時に前記噛み合い荷重F1および噛み合い反力F2によって生じるモーメントにより、第2はすば歯車14は、転がり軸受34の径方向クリアランス(遊び)の範囲で図5に矢印Dで示すように回転し、第2軸線C2に対して傾斜させられる。図5は、転がり軸受34の径方向クリアランスによって定まる最大傾き角θkだけ第2軸線C2に対して傾斜させられた場合である。上記ねじれ角β2およびβ3は、このように第2はすば歯車14が最大傾き角θkだけ第2軸線C2に対して傾斜させられた場合に、噛み合い歯20、22の相互間の交差角度が、ねじれ角β2およびβ3が互いに等しい場合に比較して小さくなるように、次式(1) に示すように、ねじれ角β2が最大傾き角θkの1/2〜最大傾き角θkの範囲でねじれ角β3よりも大きくされる。本実施例では、第2はすば歯車14が最大傾き角θkだけ第2軸線C2に対して傾斜させられた場合に、噛み合い歯20、22の相互間の交差角度が0°すなわち互いに略平行になるように、次式(2) に示すように、第2はすば歯車14のねじれ角β2が、第3はすば歯車16のねじれ角β3よりも最大傾き角θkだけ大きい角度とされている。なお、各部の寸法誤差や組付誤差等により、最大傾き角θkの10%程度大きかったり小さかったりしても良い。
β3+(1/2)θk≦β2≦β3+θk ・・・(1)
β2≒β3+θk ・・・(2)
これにより、図4に示すように第2はすば歯車14が第2軸線C2と平行な状態では、噛み合い歯20、22が最大傾き角θkと略同じ交差角度で相互に傾斜させられるが、回転伝達時に図5に示すように第2はすば歯車14が第2軸線C2に対して最大傾き角θkだけ傾斜させられると、噛み合い歯20、22は交差角度が略0°の平行状態となり、第2はすば歯車14と第3はすば歯車16との間のバックラッシ50(図1参照)が0になる噛み合い干渉が抑制される。本実施例では、第2はすば歯車14の回転方向における噛み合い歯20の前側歯面20fおよび後側歯面20rは互いに略平行で、何れのねじれ角も噛み合い歯20と同じねじれ角β2である。第3はすば歯車16の回転方向における噛み合い歯22の前側歯面22fおよび後側歯面22rも互いに略平行で、何れのねじれ角も噛み合い歯22と同じねじれ角β3である。そして、噛み合い歯20の前側歯面20fおよび噛み合い歯22の後側歯面22rが、回転伝達時に互いに接する一対の噛み合い側歯面に相当する。
図7および図8は、上記ねじれ角β2およびβ3が互いに等しい従来のはすば歯車装置100の場合で、第2はすば歯車14が、噛み合い荷重F1および噛み合い反力F2によるモーメントにより第2軸線C2に対して最大傾き角θkだけ傾斜させられると、噛み合い歯20、22が最大傾き角θkと同じ交差角度で相互に傾斜させられるため、バックラッシ50が0になる噛み合い干渉が生じ易くなる。第3はすば歯車16の歯幅が第2はすば歯車14の歯幅よりも小さい本実施例では、噛み合い歯22の両端のエッジ22a、22bが第2はすば歯車14の噛み合い歯20の歯面20f、20rに食い込み易くなる。第2はすば歯車14の歯幅が第3はすば歯車16の歯幅よりも小さい場合は、第2はすば歯車14の噛み合い歯20の両端のエッジが第3はすば歯車16の噛み合い歯22の歯面22f、22rに食い込み易くなる。噛み合い干渉が発生すると、第2はすば歯車14および第3はすば歯車16の噛み合い歯20、22の歯面20fと22r、或いは歯面20rと22fの接触(食い込み)による摺動抵抗やこじりによって回転抵抗が大きくなり、伝達効率が著しく損なわれる。また、噛み合い反力F2が小さくなるため、第1はすば歯車12との噛み合い荷重F1の軸方向成分F1sにより第2はすば歯車14に偏荷重が作用して耐久性が損なわれる恐れがある。すなわち、第2はすば歯車14と第3はすば歯車16との噛み合い干渉により噛み合い反力F2が略0になると、その噛み合い干渉部位を支点として第1はすば歯車12との噛み合い部E1に噛み合い荷重F1が作用することにより、その噛み合い荷重F1の軸方向成分F1sが、第2はすば歯車14の軸方向に隣接して配設されたスラストワッシャ36との径寸法の差に応じて倍力されて、そのスラストワッシャ36に過大なスラスト荷重F1s*が加えられ、早期に摩耗したり損傷したりする恐れがある。特に、第2はすば歯車14の円筒部42の外径およびスラストワッシャ36の外径が第4はすば歯車38の外径よりも大きく、第4はすば歯車38から外周側へ突き出しているとともに、円筒部42の内径が第4はすば歯車38の外径と略同じである場合、過大なスラスト荷重F1s*によってスラストワッシャ36が変形する可能性がある。また、噛み合い干渉によってエッジ22a、22bが第2はすば歯車14の噛み合い歯20の歯面20f、20rに食い込むと、第2はすば歯車14の軸方向の逃げが阻止されて、過大なスラスト荷重F1s*がスラストワッシャ36に一層確実に加えられる。
このように本実施例のはすば歯車装置10においては、第2はすば歯車14および第3はすば歯車16の噛み合い歯20、22のねじれ角β2、β3、すなわち回転伝達時に互いに接する前側歯面20f、後側歯面22rのねじれ角β2、β3が、第2はすば歯車14の最大傾き角θkの1/2〜最大傾き角θkの範囲で互いに相違させられており、回転伝達時に生じるモーメントで第2はすば歯車14が傾斜させられた場合の噛み合い歯20、22の交差角度が最大傾き角θkの1/2以下に低減されるため、転がり軸受34の径方向クリアランスに起因する第2はすば歯車14の芯ずれや傾斜に拘らず、第3はすば歯車16との間の噛み合い干渉が抑制される。特に、本実施例ではβ2≒β3+θkで、最大傾き角θkだけ相違しているため、第2はすば歯車14が最大傾き角θkだけ傾斜させられた場合に、噛み合い歯20、22が略平行になり、噛み合い干渉が適切に抑制される。
これにより、噛み合い干渉を抑制しつつバックラッシ50を小さくできるとともに、噛み合い干渉に起因する伝達効率の悪化や、第1はすば歯車12との噛み合い荷重F1の軸方向成分F1sによって生じる偏荷重による摩耗等の耐久性の低下が抑制される。すなわち、図7、図8に示す従来のはすば歯車装置100において、第2はすば歯車14と第3はすば歯車16との間で噛み合い干渉が生じると、第2はすば歯車14の軸方向に隣接して配設されたスラストワッシャ36との径寸法の差に応じて、噛み合い荷重F1の軸方向成分F1sが倍力されて過大なスラスト荷重F1s*がスラストワッシャ36に加えられるとともに、第2はすば歯車14の円筒部42の外径が第4はすば歯車38の外径よりも大きく、且つ円筒部42の内径が第4はすば歯車38の外径と略同じであるため、過大なスラスト荷重F1s*によってスラストワッシャ36が損傷したり早期に摩耗したりする恐れがあるが、噛み合い干渉が抑制されることにより損傷や摩耗が適切に抑制される。
また、第1はすば歯車12、第2はすば歯車14、および第3はすば歯車16が何れも外歯のはすば歯車で、第1軸線C1〜第3軸線C3の位置関係が、軸線方向から見た正面視において、第2軸線C2を頂点として60°〜150°の範囲内の角度で折れ曲がり、且つ第2はすば歯車14の回転方向の下流側に第3軸線C3が位置するように定められているため、第1はすば歯車12から第2はすば歯車14に加えられる噛み合い荷重F1と、第3はすば歯車16から第2はすば歯車14に加えられる噛み合い反力F2とにより、その第2はすば歯車14には第3はすば歯車16に対して接近する方向成分を有する芯ずれ力Faが作用し、第2はすば歯車14が第3はすば歯車16に対して接近する方向の芯ずれが生じ易くなるとともに、モーメントにより第2はすば歯車14が傾斜され易くなる。このため、その芯ずれおよび傾斜により噛み合い干渉が一層生じ易くなるが、ねじれ角β2がねじれ角β3よりも最大傾き角θkだけ大きくされ、回転伝達時に噛み合い歯20、22が略平行になることにより、噛み合い干渉が適切に抑制されて伝達効率の悪化や耐久性の低下が抑制される。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は前記図4に対応する側面図で、このはすば歯車装置60は、第2はすば歯車14の噛み合い歯62が前記噛み合い歯20と相違し、噛み合い歯62の前側歯面62fのねじれ角β2fと後側歯面62rのねじれ角β2rとが異なる場合である。そして、第3はすば歯車16の噛み合い歯22の後側歯面22rと接する前側歯面62fのねじれ角β2fは、前記実施例のねじれ角β2と同様に、最大傾き角θkの1/2〜最大傾き角θkの範囲で第3はすば歯車16のねじれ角β3よりも大きく、例えば次式(3) に示すように最大傾き角θkだけ大きくされる。後側歯面62rのねじれ角β2rは、図示しない第1はすば歯車12の噛み合い歯18のねじれ角と同じ角度とされる。
β2f≒β3+θk ・・・(3)
本実施例においても、回転伝達時に互いに接する第2はすば歯車14の前側歯面62fおよび第3はすば歯車16の後側歯面22rのねじれ角β2f、β3が、最大傾き角θkの1/2〜最大傾き角θkの範囲で互いに相違させられており、回転伝達時に生じるモーメントで第2はすば歯車14が傾斜させられた場合の前側歯面62fと後側歯面22rとの交差角度が最大傾き角θkの1/2以下に低減されるため、転がり軸受34の径方向クリアランスに起因する第2はすば歯車14の芯ずれや傾斜に拘らず、第3はすば歯車16との間の噛み合い干渉が抑制されるなど、前記実施例と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、60:はすば歯車装置 12:第1はすば歯車 14:第2はすば歯車 16:第3はすば歯車 20f:前側歯面(噛み合い側歯面) 22r:後側歯面(噛み合い側歯面) 30:挿通孔 32:支持軸 34:転がり軸受 62f:前側歯面(噛み合い側歯面) C1:第1軸線 C2:第2軸線 C3:第3軸線 F1:噛み合い荷重 F2:噛み合い反力 β2:第2はすば歯車のねじれ角 β2f:前側歯面のねじれ角 β3:第3はすば歯車のねじれ角

Claims (1)

  1. 第1軸線まわりに回転駆動される第1はすば歯車と、
    前記第1軸線と平行な第3軸線まわりに回転可能に配設された第3はすば歯車と、
    前記第1はすば歯車および前記第3はすば歯車の両方と噛み合わされるとともに、回転中心に挿通孔が設けられた第2はすば歯車と、
    前記第1軸線と平行な第2軸線と同軸に配設されて、前記挿通孔内を径方向に所定の遊びを有する状態で挿通させられ、前記第2はすば歯車を該第2軸線まわりに回転可能に支持する支持軸と、
    を有し、前記第1はすば歯車から前記第2はすば歯車を介して前記第3はすば歯車に回転を伝達するはすば歯車装置において、
    前記回転伝達時に前記第2はすば歯車および前記第3はすば歯車の互いに接する一対の噛み合い側歯面のねじれ角が、該回転伝達時に前記第2はすば歯車が前記第1はすば歯車から受ける噛み合い荷重および前記第3はすば歯車から受ける噛み合い反力によって生じるモーメントにより前記遊びによって定まる最大傾き角だけ前記第2軸線に対して傾斜させられた場合に、該一対の噛み合い側歯面の相互間の交差角度が、前記ねじれ角が互いに等しい場合に比較して小さくなるように、該最大傾き角の1/2〜該最大傾き角の範囲で互いに相違させられている
    ことを特徴とするはすば歯車装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112728011A (zh) * 2020-12-25 2021-04-30 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 一种用于对构斜齿轮传动性能测试的齿轮传动结构

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CN112728011A (zh) * 2020-12-25 2021-04-30 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 一种用于对构斜齿轮传动性能测试的齿轮传动结构

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