JP2018091412A - ディファレンシャルギヤ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の小型・軽量化を達成しながら、ピニオンギヤのギヤ支持部での摩耗を低減すること。
【解決手段】デフケース7に固定されるピニオンシャフト8と、ピニオンシャフト8に回転可能に支持されるピニオンギヤ9,10と、ピニオンギヤ9,10に両側から噛み合うと共にドライブシャフト15,17がそれぞれに嵌合される第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12と、を備える。このディファレンシャルギヤ装置Dにおいて、ピニオンギヤ9,10のピニオンギヤ歯9b,10bが、ドライブシャフト15,17とは反対側に向けて外側に形成される。第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12のサイドギヤ歯11b,12bが、ドライブシャフト15,17に向けて内側に形成される。ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとを、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12の内側位置で互いに噛み合わせる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ピニオンシャフトに回転可能に支持されるピニオンギヤに両側から噛み合う第1サイドギヤ及び第2サイドギヤを備えるディファレンシャルギヤ装置に関する。
従来、デフケースに固定されるピニオンシャフトと、ピニオンシャフトに回転可能に支持されるピニオンギヤと、ピニオンギヤに両側から噛み合うと共にドライブシャフトが嵌合されるサイドギヤと、を備える。そして、ピニオンギヤのピニオンギヤ歯が、ドライブシャフトに向けて内側に形成され、サイドギヤのサイドギヤ歯が、ドライブシャフトとは反対側に向けて外側に形成される。この差動ギヤ構成により、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯とを、サイドギヤの外側位置で互いに噛み合わせるディファレンシャルギヤ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−11302号公報
しかしながら、従来装置にあっては、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯とが噛み合いながら動力を伝達するとき、ギヤ噛み合い力の分力として、ピニオンギヤにドライブシャフトと反対側(デフケース側)に向けたスラスト力が発生する。一方、デフケースが回転するときピニオンギヤには遠心力が発生する。このスラスト力と遠心力は同じ方向に発生するため、ピニオンギヤの外周面とデフケースの内周面との間には、2つの力を合わせた合力によって高い面圧が発生する。このため、ピニオンギヤのケース支持構造を、高い面圧を支持することが可能な構造にする必要があり、装置を小型・軽量化しようとしても限界がある。さらに、ピニオンギヤのケース支持部では、高い支持面圧を受けながら相対回転状態で接触干渉することにより摩耗が発生する、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、装置の小型・軽量化を達成しながら、ピニオンギヤのギヤ支持部での摩耗を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、デフケースに固定されるピニオンシャフトと、ピニオンシャフトに回転可能に支持されるピニオンギヤと、第1サイドギヤ及び第2サイドギヤと、を備える。
第1サイドギヤ及び第2サイドギヤは、ピニオンギヤに両側から噛み合うと共にドライブシャフトがそれぞれに嵌合される。
このディファレンシャルギヤ装置において、ピニオンギヤのピニオンギヤ歯が、ドライブシャフトとは反対側に向けて外側に形成される。
第1サイドギヤ及び第2サイドギヤのサイドギヤ歯が、ドライブシャフトに向けて内側に形成される。
ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯とを、第1サイドギヤ及び第2サイドギヤの内側位置で互いに噛み合わせる。
即ち、本発明者等は、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯との噛み合わせ位置が、サイドギヤ外側なのかサイドギヤ内側なのかによってピニオンギヤに発生するスラスト力の方向が変わることを知見した。
この点に着目し、デフケースの反対側に向けたスラスト力が発生するように、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯とを、第1サイドギヤ及び第2サイドギヤの内側位置で互いに噛み合わせるようにした。これにより、ピニオンギヤの支持面が、ケース支持面から内側支持面(シャフト支持面やギヤ支持面等)に移行する。そして、ピニオンギヤに作用する遠心力がスラスト力の反対方向になり、ピニオンギヤを支持する支持面圧が軽減される。
この結果、装置の小型・軽量化を達成しながら、ピニオンギヤのギヤ支持部での摩耗を低減することができる。
実施例1のディファレンシャルギヤ装置が適用された車両用自動変速機ユニットの概略構成を示す断面図である。 実施例1のディファレンシャルギヤ装置における差動ギヤ詳細構成を示す断面図である。 比較例において動力伝達時にピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯の噛み合いで生じるスラスト力の支持作用を示す作用説明図である。 実施例1において動力伝達時にピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯の噛み合いで生じるスラスト力の支持作用を示す作用説明図である。 比較例と実施例1との対比によるディファレンシャルギヤ装置の径方向寸法の短縮によるコンパクト化作用を示す作用説明図である。
以下、本発明によるディファレンシャルギヤ装置を実現する最良の実施形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1におけるディファレンシャルギヤ装置は、自動変速機構や終減速ギヤ機構等をユニットケースに内蔵する車両用自動変速機ユニットに適用される。以下、実施例1の構成を、「車両用自動変速機ユニットの概略構成」、「ディファレンシャルギヤ装置の差動ギヤ詳細構成」に分けて説明する。
[車両用自動変速機ユニットの概略構成]
図1は、実施例1のディファレンシャルギヤ装置が適用された車両用自動変速機ユニットの概略構成を示す。以下、図1に基づいて車両用自動変速機ユニットの概略構成を説明する。
車両用自動変速機ユニットは、図1に示すように、ユニットケース1に内蔵される図外のトルクコンバータと、図外の自動変速機構と、終減速ギヤ機構Gと、ディファレンシャルギヤ装置Dと、を有する。
ここで、自動変速機構とは、2つのプーリとベルトによるベルト式無段変速機構、複数の遊星ギヤと変速締結要素を組み合わせた有段変速機構、等のように、電子制御/油圧制御によって変速比や変速段が自動的に変更される機構をいう。
終減速ギヤ機構Gは、図1に示すように、自動変速機構の出力側に配され、第1減速ギヤ2と、第2減速ギヤ3と、第3減速ギヤ4と、第4減速ギヤ5と、を有する。第1減速ギヤ2と第2減速ギヤ3とが噛み合って1段目減速ギヤ段を構成し、第3減速ギヤ4と第4減速ギヤ5とが噛み合って2段目減速ギヤ段を構成する。なお、第2減速ギヤ3と第3減速ギヤ4は、ユニットケース1に両端部が回転可能にベアリング支持される減速ギヤ軸6に設けられる。
ディファレンシャルギヤ装置Dは、図1に示すように、終減速ギヤ機構Gから入力される回転駆動力を左右の駆動輪に分ける位置に配され、旋回走行時等において、左右の駆動輪の差動回転を許容する機能を有する。このディファレンシャルギヤ装置Dは、デフケース7と、ピニオンシャフト8と、第1ピニオンギヤ9と、第2ピニオンギヤ10と、第1サイドギヤ11と、第2サイドギヤ12と、を有する。
デフケース7は、ユニットケース1に両端部が回転可能にローラベアリング等により支持され、終減速ギヤ機構Gの第3減速ギヤ4(ドライブギヤ)と噛み合う第4減速ギヤ5(リングギヤ)が外周位置に固定される。このデフケース7は、第4減速ギヤ5や駆動輪から回転駆動力を入力すると、ドライブ軸線DLを回転中心軸として回転駆動する。
ピニオンシャフト8は、ケース空間13の中心部位置を貫通して配され、デフケース7に対し固定ピン14により固定される。ピニオンシャフト8のシャフト中心軸線CLは、ドライブ軸線DLと直交する関係とされている。このピニオンシャフト8は、デフケース7と一体にドライブ軸線DLを回転中心軸として回転する。
第1ピニオンギヤ9は、ピニオンシャフト8の一端部(図1の上端部)に回転可能にベアリング支持され、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12と噛み合う。第2ピニオンギヤ10は、ピニオンシャフト8の他端部(図1の下端部)に回転可能にベアリング支持され、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12と噛み合う。
第1サイドギヤ11は、第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10に対して一方側(図1の左側)から噛み合うと共に第1ドライブシャフト15がスプライン嵌合される。第1サイドギヤ11が受けるギヤ噛み合い反力のドライブ軸線方向分力(図1の左方向分力)は、スラストベアリング16により受けられる。なお、第1ドライブシャフト15の第1サイドギヤ11と反対側の端部には、図外の駆動輪が装着される。
第2サイドギヤ12は、第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10に対して他方側(図1の右側)から噛み合うと共に第2ドライブシャフト17がスプライン嵌合される。第2サイドギヤ12が受けるギヤ噛み合い反力のドライブ軸線方向分力(図1の右方向分力)は、スラストベアリング18により受けられる。なお、第2ドライブシャフト17の第2サイドギヤ12と反対側の端部には、図外の駆動輪が装着される。
[ディファレンシャルギヤ装置の差動ギヤ詳細構成]
図2は、実施例1のディファレンシャルギヤ装置Dの差動ギヤ詳細構成を示す。以下、図2に基づいて差動ギヤ詳細構成を説明する。
第1ピニオンギヤ9は、ピニオンシャフト8のシャフト中心軸線CLを回転中心軸としてニードルベアリング19により回転可能に支持される。この第1ピニオンギヤ9は、第1ピニオン本体部9aと、第1ピニオンギヤ歯9bと、第1延設部9cと、第1外側平面9dと、第1内側平面9eと、を有する。
第1ピニオン本体部9aは、外側が小径で内側が大径の円錐形による構成であり、第1ピニオン本体部9aの外側円錐面には、第1ピニオンギヤ歯9bが形成される。
第1延設部9cは、第1ピニオン本体部9aと一体に延設形成された円筒状部分であり、第1ピニオン本体部9aからピニオンシャフト8に沿って両ドライブシャフト15,17に向かって内側方向に延びる。そして、第1延設部9cの端面位置を、ドライブ軸線DLの少し手前の位置とする。
第1外側平面9dは、第1ピニオン本体部9aの外面側に、両ドライブシャフト15,17に平行な面として形成される。この第1外側平面9dによってデフケース7の内面との間に所定のクリアランスt1(図1)が確保される。第1内側平面9eは、第1ピニオン本体部9aの内面側に、第1ピニオンギヤ歯9bから第1延設部9cまでの領域で両ドライブシャフト15,17と平行に延びる面である。
第2ピニオンギヤ10は、ピニオンシャフト8のシャフト中心軸線CLを回転中心軸としてニードルベアリング20により回転可能に支持される。この第2ピニオンギヤ10は、第1ピニオンギヤ9と同様の構成であり、第2ピニオン本体部10aと、第2ピニオンギヤ歯10bと、第2延設部10cと、第2外側平面10dと、第2内側平面10eと、を有する。
第2ピニオン本体部10aは、外側が小径で内側が大径の円錐形による構成であり、第2ピニオン本体部10aの外側円錐面には、第2ニオンギヤ歯10bが形成される。
第2延設部10cは、第2ピニオン本体部10aと一体に延設形成された円筒状部分であり、第2ピニオン本体部10aからピニオンシャフト8に沿って両ドライブシャフト15,17に向かって内側方向に延びる。そして、第2延設部10cの端面位置を、ドライブ軸線DLの少し手前の位置とする。
第2外側平面10dは、第2ピニオン本体部10aの外面側に、両ドライブシャフト15,17に平行な面として形成される。この第2外側平面10dによってデフケース7の内面との間に所定のクリアランスt2(図1)が確保される。第2内側平面10eは、第2ピニオン本体部10aの内面側に、第2ピニオンギヤ歯10bから第2延設部10cまでの領域で両ドライブシャフト15,17と平行に延びる面である。
第1延設部9cの端面と第2延設部10cの端面との間には、両端面がそれぞれ当接するリング状のワッシャ21が介装される。ワッシャ21の外周面は、第1延設部9cの外周面及び第2延設部10cの外周面と同一面上に形成される。即ち、第1延設部9c、第2延設部10c、ワッシャ21の同一外周面と、第1内側平面9e及び第2内側平面10eとによって、第1ドライブシャフト15及び第2ドライブシャフト17のシャフト端部を、第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10とドライブ軸線方向に重なる位置まで挿入するシャフト挿入空間22が形成される。
第1サイドギヤ11は、第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10に一側面から噛み合いながら、第1ドライブシャフト15のドライブ軸線DLを回転中心軸として第1ドライブシャフト15と一体に回転する。この第1サイドギヤ11は、第1サイドギヤ本体部11aと、第1サイドギヤ歯11bと、大径外周面11cと、小径外周面11dと、段差面11eと、スプライン歯11fと、を有する。
第1サイドギヤ歯11bは、第1サイドギヤ本体部11aのうち、ピニオンシャフト8に近い側が大径で遠い側が小径の円錐形凹部の内側円錐面に形成される。この第1サイドギヤ歯11bは、第1ピニオンギヤ歯9bと第2ピニオンギヤ歯10bに対し、傾斜角度を有する噛み合い歯面を介して直交状態で噛み合わせている。
大径外周面11cは、デフケース7の内面との間に所定のクリアランスを確保して形成される面で、大径外周面11cの外径(シャフト中心軸線CL方向の径)が差動ギヤ機構の最大径になる。小径外周面11dは、デフケース7の内面との間に所定のクリアランスを確保して形成される。段差面11eは、デフケース7の段差面との間にスラストベアリング16を介装する面である。スプライン歯11fは、第1ドライブシャフト15とスプライン嵌合する歯である。
第2サイドギヤ12は、第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10に一側面から噛み合いながら、第2ドライブシャフト17のドライブ軸線DLを回転中心軸として第2ドライブシャフト17と一体に回転する。この第2サイドギヤ12は、第2サイドギヤ本体部12aと、第1サイドギヤ歯12bと、大径外周面12cと、小径外周面12dと、段差面12eと、スプライン歯12fと、を有する。
第2サイドギヤ歯12bは、第2サイドギヤ本体部12aのうち、ピニオンシャフト8に近い側が大径で遠い側が小径の円錐形凹部の内側円錐面に形成される。この第2サイドギヤ歯12bは、第1ピニオンギヤ歯9bと第2ピニオンギヤ歯10bに対し、傾斜角度を有する噛み合い歯面を介して直交状態で噛み合わせている。
大径外周面12cは、デフケース7の内面との間に所定のクリアランスを確保して形成される面で、大径外周面12cの外径(シャフト中心軸線CL方向の径)が差動ギヤ機構の最大径になる。小径外周面12dは、デフケース7の内面との間に所定のクリアランスを確保して形成される。段差面12eは、デフケース7の段差面との間にスラストベアリング18を介装する面である。スプライン歯12fは、第2ドライブシャフト17とスプライン嵌合する歯である。
第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10と、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12とは、直交状態で噛み合わせる際のギヤ歯構成について説明する。
第1ピニオンギヤ9の第1ピニオンギヤ歯9b及び第2ピニオンギヤ10の第2ピニオンギヤ歯10bが、両ドライブシャフト15,17(ドライブ軸線DL)とは反対側に向けて外側に形成される。第1サイドギヤ11の第1サイドギヤ歯10b及び第2サイドギヤ12の第2サイドギヤ歯12bが、両ドライブシャフト15,17(ドライブ軸線DL)に向けて内側に形成される。そして、両ピニオンギヤ歯9b,10bと両サイドギヤ歯11b,12bとを、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12の内側位置で互いに噛み合わせている。
つまり、第1サイドギヤ歯11bと第2サイドギヤ歯12bは、第1ピニオンギヤ歯9bと第2ピニオンギヤ歯10bに対して内側傾斜角度を有する噛み合い歯面により両側から噛み合わせている。
ここで、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとの噛み合い歯面に沿って引かれる線をギヤ噛み合い軸線という。そして、第1サイドギヤ歯11bに対するギヤ噛み合い軸線GL1,GL1をドライブ軸線DLに向かって延ばしたときの交点を第1交点P1という。第2サイドギヤ歯12bに対するギヤ噛み合い軸線GL2,GL2をドライブ軸線DLに向かって延ばしたときの交点を第2交点P2という。このとき、第1交点P1は、第1サイドギヤ歯11bとピニオンギヤ歯9b,10bとの噛み合い中心位置をドライブ軸線DLに向かって延ばしたときの噛み合い交点G1よりも外側(駆動輪側)の位置になる内側傾斜角度θ(>90°)を有する。第2交点P2は、第2サイドギヤ歯12bとピニオンギヤ歯9b,10bとの噛み合い中心位置をドライブ軸線DLに向かって延ばしたときの噛み合い交点G2よりも外側(駆動輪側)の位置になる内側傾斜角度θ(>90°)を有する。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「比較例でのスラスト力発生作用」、「実施例1でのスラスト力発生作用」、「ディファレンシャル装置の特徴作用」に分けて説明する。
[比較例でのスラスト力発生作用]
図3は、比較例において動力伝達時にピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯の噛み合いで生じるスラスト力の支持作用を示す。以下、図3に基づいて比較例でのスラスト力発生作用を説明する。
ディファレンシャルギヤ装置において、図3に示すように、ピニオンギヤのピニオンギヤ歯が、ドライブシャフトに向けて内側に形成され、サイドギヤのサイドギヤ歯が、ドライブシャフトとは反対側に向けて外側に形成される。この差動ギヤ構成により、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯とを、サイドギヤの外側位置で互いに噛み合わせるものを比較例とする。
比較例のディファレンシャルギヤ装置にあっては、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯とが噛み合いながら動力を伝達するとき、図3の矢印Aで示す方向のギヤ噛み合い力が作用する。このとき、ピニオンギヤには、ギヤ噛み合い力の分力として、ドライブシャフトと反対側(デフケース側)に向けたスラスト力Fsが発生する。
一方、駆動源や駆動輪からの回転入力によりデフケースが回転するとき、ピニオンギヤには、質量と回転半径と回転角速度とに応じた遠心力Fcが発生する。このスラスト力Fsと遠心力Fcは、同じ方向に発生するため、ピニオンギヤの外周面とデフケースの内周面との間には、2つの力を合わせた合力によって高い面圧が発生する。
このため、ピニオンギヤのケース支持構造として、高い面圧を支持することが可能な構造にする必要があり、径方向(ピニオンシャフト方向)に大きくなり、ディファレンシャルギヤ装置を小型・軽量化しようとしても限界がある。例えば、ピニオンギヤのケース支持構造としては、図3に示すように、ピニオンギヤの外周面を凸球面形状とし、デフケースの内周面を凹球面形状とし、球面形状のスラストワッシャを介装させて接触面積を拡大するような構造になる。このようなケース支持構造にすると、2つのピニオンギヤの外周径が差動ギヤ機構の最大径になり、装置の小型・軽量化ができないばかりでなく、下記のような問題も加わる。
・ピニオンギヤとデフケースの接触面積が拡大するため、動力伝達時にディファレンシャルギヤ装置でのフリクショントルクが高くなり、動力性能が低下する。
・ピニオンギヤとデフケースとの接触面のそれぞれに球面加工を要するため、部品加工性が低下する。
・ピニオンギヤの外側円錐面をデフケースの内側円錐面に当接させた状態で組み立てるため、組立性が低下する。
さらに、ピニオンギヤのケース支持部では、高い支持面圧を受けながら相対回転状態で接触干渉することにより摩耗が発生する。車両用自動変速機ユニットの場合、ピニオンギヤやデフケースが摩耗すると、摩耗により生じる摩耗粉が変速機作動油に混入し、混入した摩耗粉が、コントロールバルブユニットに有する複数のスプールバルブのコンタミとなってしまう。
[実施例1でのスラスト力発生作用]
図4は、実施例1において動力伝達時にピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯の噛み合いで生じるスラスト力の支持作用を示す。以下、図4に基づいて実施例1でのスラスト力発生作用を説明する。
実施例1のディファレンシャルギヤ装置Dは、図4に示すように、ピニオンギヤ9,10のピニオンギヤ歯9b,10bが、両ドライブシャフト15,17とは反対側に向けて外側に形成される。サイドギヤ11,12のサイドギヤ歯11b,12bが、両ドライブシャフト15,17に向けて内側に形成される。この差動ギヤ構成により、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとを、サイドギヤ11,12の内側位置で互いに噛み合わせている。
この構成によって、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとが噛み合いながら動力を伝達するとき、図4の矢印Bで示す方向のギヤ噛み合い力が作用する。このとき、ピニオンギヤ9,10には、ギヤ噛み合い力の分力として、両ドライブシャフト15,17に向けた内側方向のスラスト力Fsが発生する。
即ち、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとが、サイドギヤ外側(比較例)を噛み合わせ位置とするのかサイドギヤ内側(実施例1)を噛み合わせ位置とするのかによって、ピニオンギヤ9,10に発生するスラスト力Fsの方向が変わる。このように、スラスト力Fsの発生方向が変わることで、ピニオンギヤ9,10の支持面が、ケース支持面(比較例)から内側支持面(実施例1)に移行する。
ここで、内側支持面とは、ギヤ支持面やシャフト支持面等のように、両ピニオンギヤ9,10の内側位置(ドライブ軸線DL側位置)に存在する支持面をいう。ギヤ支持面とは、実施例1のように、第1ピニオンギヤ9の第1延設部9cの端面と第2ピニオンギヤ10の第2延設部10cの端面とを互いに当接させることによる支持面をいう。シャフト支持面とは、図示していないがピニオンシャフト8に設けた段差面に1つ又は2つのピニオンギヤを支持させることによる支持面をいう。
一方、駆動源や駆動輪からの回転入力によりデフケース7が回転するとき、ピニオンギヤ9,10には、質量mと回転半径rと回転角速度ωに応じた遠心力Fc(=mrω2)が発生する。このスラスト力Fsと遠心力Fcは、異なる方向に発生するため、ピニオンギヤ9,10を支持する内側支持面の支持面圧が軽減される。例えば、Fs>Fcのときは、支持面圧が(Fs−Fc)になり、Fs≦Fcのときは、支持面圧がゼロになる。なお、Fs<Fcのときは、(Fc−Fs)による力がピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとの噛み合い位置で受けられる。
このように、ピニオンギヤ9,10に発生するスラスト力Fsの方向が変わることにより、ピニオンギヤ9,10とデフケース7との間には面圧が発生しない。さらに、ピニオンギヤ9,10を支持する内側支持面での支持面圧は、ピニオンギヤ9,10に遠心力Fcが発生することで軽減される。この結果、下記に列挙するようなメリットが得られることになる。
(a) ディファレンシャルギヤ装置Dの径方向のコンパクト化による車両用自動変速機ユニットの軽量化ができる。
(b) 軽量化による燃費向上を望めるし、コストダウンになる。
(c) ピニオンギヤとサイドギヤ間に発生するスラスト力の方向変更で、スラストワッシャを廃止することが可能である。
(d) ピニオンギヤとサイドギヤ間に発生するスラスト力の方向変更によりピニオンギヤの内側支持面の面圧が小さくなり、摩耗の不具合が防止できる。
(e) スラスト力による面圧が軽減されることで、フリクショントルクが低減され、動力性能を向上することができる。
(f) ピニオンギヤの凸球面加工を要さないことで、ピニオンギヤの加工性が向上する。
(g) 両ピニオンギヤの延設部(ボス部)が当たる状態で組み立てるので、組立性が向上する。
ここで、比較例と実施例1との対比によるディファレンシャルギヤ装置の径方向寸法の短縮によるコンパクト化作用を、図5に基づいて説明する。
比較例と実施例1との差動ギヤ機構において、第1サイドギヤと第2サイドギヤによる軸方向全長Lを同じ寸法にし、第1サイドギヤと第2サイドギヤのドライブシャフトをスプライン嵌合するシャフト差し込み径Rを同じ寸法にしたとする。
このとき、比較例の場合、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯とを、サイドギヤの外側位置で互いに噛み合わせる構成であるため、2つのピニオンギヤ間の距離が長くなり、ピニオンシャフトの長さSL1が長くなる。このため、比較例の差動ギヤ機構を内蔵するディファレンシャルギヤ装置は大型化する。
これに対し、実施例1の場合、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとを、サイドギヤ11,12の内側位置で互いに噛み合わせる構成である。このため、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10との間の距離が短くなり、ピニオンシャフト8の長さSL2(<SL1)が短くなる。従って、実施例1の差動ギヤ機構を内蔵するディファレンシャルギヤ装置Dは、図5から明らかなように、比較例に比べてコンパクト化を達成することが可能になる。
[ディファレンシャル装置の特徴作用]
実施例1では、第1ピニオンギヤ9、第2ピニオンギヤ10のピニオンギヤ歯9b,10bが、第1ドライブシャフト15及び第2ドライブシャフト17とは反対側に向けて外側に形成される。第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12のサイドギヤ歯11b,12bが、第1ドライブシャフト15及び第2ドライブシャフト17に向けて内側に形成される。ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとを、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12の内側位置で互いに噛み合わせる。
即ち、本発明者等は、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯との噛み合わせ位置が、サイドギヤ外側なのかサイドギヤ内側なのかによってピニオンギヤに発生するスラスト力の方向が変わることを知見した。
この点に着目し、デフケース7の反対側に向けたスラスト力Fsが発生するように、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとを、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12の内側位置で互いに噛み合わせるようにした。これにより、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10の支持面が、ケース支持面から内側支持面であるギヤ支持面に移行する。そして、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10に作用する遠心力Fcがスラスト力Fsの反対方向になり、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10を支持する支持面圧が軽減される。
この結果、装置の小型・軽量化を達成しながら、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10のギヤ支持部での摩耗が低減される。
実施例1では、ピニオンギヤ9,10は、外側が小径で内側が大径の円錐形によるピニオン本体部9a,10aの外側円錐面にピニオンギヤ歯9b,10bが形成される。第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12は、ピニオンシャフト8に近い側が大径で遠い側が小径の円錐形凹部の内側円錐面にサイドギヤ歯11b,12bが形成される。サイドギヤ歯11b,12bは、ピニオンギヤ歯9b,10bに対して内側傾斜角度θを有する噛み合い歯面により両側から噛み合わせる。
例えば、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12の内側位置で噛み合わせる態様としては、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯との噛み合い歯面をドライブ軸線DLに平行な歯面とし、シャフト中心軸線CL方向に対向して噛み合わせる態様がある。しかし、この場合、噛み合い力がそのままスラスト力になり、スラスト力が大きくなる。さらに、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯との噛み合い歯面をドライブ軸線DLに平行な歯面であるため、ピニオンギヤ歯とサイドギヤ歯の歯面加工が困難である。
これに対し、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bの噛み合い歯面が、内側傾斜角度θを有する傾斜歯面であるため、噛み合い力の分力がスラスト力Fsとなり、スラスト力Fsが軽減される。さらに、ピニオンギヤ歯9b,10bは傘歯車構造であり、サイドギヤ歯11b,12bもピニオンシャフト8に向かって開いた歯になるため、歯面加工も容易になる。
実施例1では、第1ピニオンギヤ9は、第1ピニオン本体部9aからピニオンシャフト8に沿って内側方向に延びる第1延設部9cを有し、第2ピニオンギヤ10は、第2ピニオン本体部10aからピニオンシャフト8に沿って内側方向に延びる第2延設部10cを有する。ここで、“内側方向”とは、ドライブ軸線DLに向かう方向をいう。
即ち、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10に加わるスラスト力Fsにより、両ピニオンギヤ9,10は互いに近づく方向へ力が作用する。これに対し、第1延設部9cと第2延設部10cが互いに当接することで、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10におけるピニオンシャフト8の内側軸方向への移動が規制される。なお、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10におけるピニオンシャフト8の外側軸方向への移動は、サイドギヤ歯11b,12bとの噛み合いにより規制される。
従って、新たに固定具等を用いたり、新たにピニオンシャフト8への加工を要したりすることなく、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10がスラスト力Fsにより移動することが防止される。
実施例1では、第1延設部9cの端面と第2延設部10cの端面との間に、両端面がそれぞれ当接するワッシャ21を介装する。
即ち、旋回走行シーン等において、第1ドライブシャフト15と第2ドライブシャフト17の回転速度が異なるときは、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10は、両ドライブシャフト15,17の差動を吸収するように相対回転する。このとき、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10の相対回転に対しワッシャ21を介装することで、相対回転時の摩耗が低減される。
実施例1では、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10は、第1ピニオン本体部9aと第2ピニオン本体部10aの外面側に、ドライブ軸線DLに平行な第1外側平面9dと第2外側平面10dをそれぞれ有する。
即ち、比較例の場合は、ピニオンギヤの外周面を球面形状に形成する必要があるため、加工工数を要して生産性が低いし、ピニオンギヤがサイドギヤの外径より外側に出っ張ることで、ピニオンシャフトのシャフト中心軸線方向における寸法が長くなる。
これに対し、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10の外周面を第1外側平面9dと第2外側平面10dにするため、球面形状に形成する比較例に比べ生産性が高くなる。さらに、球面形状に形成するよりピニオンシャフト8のピニオン軸線CLの方向における寸法が比較例に比べて短くなり、装置の小型化が図られる。
次に、効果を説明する。
実施例1におけるディファレンシャルギヤ装置Dにあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) デフケース7に固定されるピニオンシャフト8と、ピニオンシャフト8に回転可能に支持されるピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ9、第2ピニオンギヤ10)と、ピニオンギヤに両側から噛み合うと共にドライブシャフト(第1ドライブシャフト15、第2ドライブシャフト17)がそれぞれに嵌合される第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12と、を備える。
このディファレンシャルギヤ装置Dにおいて、ピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ9、第2ピニオンギヤ10)のピニオンギヤ歯9b,10bが、ドライブシャフト(第1ドライブシャフト15、第2ドライブシャフト17)とは反対側に向けて外側に形成される。
第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12のサイドギヤ歯11b,12bが、ドライブシャフト(第1ドライブシャフト15、第2ドライブシャフト17)に向けて内側に形成される。
ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bとを、第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12の内側位置で互いに噛み合わせる。
このため、装置の小型・軽量化を達成しながら、ピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ9、第2ピニオンギヤ10)のギヤ支持部での摩耗を低減することができる。
(2) ピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ9、第2ピニオンギヤ10)は、外側が小径で内側が大径の円錐形によるピニオン本体部9a,10aの外側円錐面にピニオンギヤ歯9b,10bが形成される。
第1サイドギヤ11及び第2サイドギヤ12は、ピニオンシャフト8に近い側が大径で遠い側が小径の円錐形凹部の内側円錐面にサイドギヤ歯11b,12bが形成される。
サイドギヤ歯11b,12bは、ピニオンギヤ歯9b,10bに対して内側傾斜角度θを有する噛み合い歯面により両側から噛み合わせる。
このため、(1)の効果に加え、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bの歯面加工の容易性を確保しながら、ピニオンギヤ歯9b,10bとサイドギヤ歯11b,12bの噛み合いによる動力伝達時にスラスト力Fsを軽減することができる。
(3) ピニオンギヤとして、ピニオンシャフト8の一端部と他端部のそれぞれに回転可能に支持される第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10とを有する。
第1ピニオンギヤ9は、第1ピニオン本体部9aからピニオンシャフト8に沿って内側方向に延びる第1延設部9cを有する。
第2ピニオンギヤ10は、第2ピニオン本体部10aからピニオンシャフト8に沿って内側方向に延びる第2延設部10cを有する。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、新たに固定具等を用いたり、新たにピニオンシャフト8への加工を要したりすることなく、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10がスラスト力Fsにより移動することを防止することができる。
(4) 第1延設部9cの端面と第2延設部10cの端面との間に、両端面がそれぞれ当接するワッシャ21を介装する。
このため、(3)の効果に加え、第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10により差動を吸収する相対回転時において、第1延設部9cと第2延設部10cの摩耗を低減することができる。
(5) ピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ9、第2ピニオンギヤ10)は、ピニオン本体部(第1ピニオン本体部9a、第2ピニオン本体部10a)の外面側に、ドライブ軸線DLに平行な外側平面(第1外側平面9d、第2外側平面10d)を有する。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、ピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ9、第2ピニオンギヤ10)の生産性を高くすることができると共に、ディファレンシャルギヤ装置Dの小型化を図ることができる。
以上、本発明のディファレンシャルギヤ装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ピニオンギヤとして、ピニオンシャフト8の一端部と他端部のそれぞれに回転可能に支持される第1ピニオンギヤ9と第2ピニオンギヤ10とを有する例を示した。しかし、ピニオンギヤとしては、ピニオンシャフトの一端部のみに1つのピニオンギヤを有する例であっても良い。
実施例1では、第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10として、ピニオンシャフト8に沿って内側方向への移動を規制する移動規制構造として、第1延設部9cと第2延設部10cによる例を示した。しかし、ピニオンギヤの内側方向への移動規制構造としては、ピニオンシャフトに段差構造を設けたり、ピニオンシャフトに位置規制リングを設けたりするような例であっても良い。
実施例1では、第1ピニオンギヤ9及び第2ピニオンギヤ10として、第1ピニオン本体部9a及び第2ピニオン本体部10aの外面側に、ドライブ軸線DLに平行な第1外側平面9d及び第2外側平面10dを有する例を示した。しかし、第1ピニオンギヤ及び第2ピニオンギヤとしては、第1ピニオン本体部及び第2ピニオン本体部の外面側に、デフケースの内面形状と合致させた外側曲面を有する例であっても良い。
実施例1では、本発明のディファレンシャルギヤ装置を、自動変速機構や終減速ギヤ機構等をユニットケースに内蔵する車両用自動変速機ユニットに適用する例を示した。しかし、本発明のディファレンシャルギヤ装置は、手動変速機構や終減速ギヤ機構等をユニットケースに内蔵する車両用手動変速機ユニット、4輪駆動車の前後輪へ駆動力を分けるトランスファユニット等に対しても適用することができる。さらに、車両の左右駆動輪の間に配される単体のディファレンシャルギヤ装置に対しても適用できる。要するに、ピニオンシャフトと、ピニオンギヤと、第1サイドギヤ及び第2サイドギヤと、を備えるディファレンシャルギヤ装置であれば適用できる。
D ディファレンシャルギヤ装置
7 デフケース
8 ピニオンシャフト
9 第1ピニオンギヤ(ピニオンギヤ)
9a 第1ピニオン本体部
9b 第1ピニオンギヤ歯
9c 第1延設部
9d 第1外側平面
9e 第1内側平面
10 第2ピニオンギヤ(ピニオンギヤ)
10a 第2ピニオン本体部
10b 第2ピニオンギヤ歯
10c 第2延設部
10d 第2外側平面
10e 第2内側平面
11 第1サイドギヤ
11a 第1サイドギヤ本体部
11b 第1サイドギヤ歯
11f スプライン歯
12 第2サイドギヤ
12a 第2サイドギヤ本体部
12b 第2サイドギヤ歯
15 第1ドライブシャフト
17 第2ドライブシャフト
21 ワッシャ
CL シャフト中心軸線
DL ドライブ軸線

Claims (5)

  1. デフケースに固定されるピニオンシャフトと、
    前記ピニオンシャフトに回転可能に支持されるピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤに両側から噛み合うと共にドライブシャフトがそれぞれに嵌合される第1サイドギヤ及び第2サイドギヤと、
    を備えるディファレンシャルギヤ装置において、
    前記ピニオンギヤのピニオンギヤ歯が、前記ドライブシャフトとは反対側に向けて外側に形成され、
    前記第1サイドギヤ及び第2サイドギヤのサイドギヤ歯が、前記ドライブシャフトに向けて内側に形成され、
    前記ピニオンギヤ歯と前記サイドギヤ歯とを、前記第1サイドギヤ及び第2サイドギヤの内側位置で互いに噛み合わせる
    ことを特徴とするディファレンシャルギヤ装置。
  2. 請求項1に記載されたディファレンシャルギヤ装置において、
    前記ピニオンギヤは、外側が小径で内側が大径の円錐形によるピニオン本体部の外側円錐面に前記ピニオンギヤ歯が形成され、
    前記第1サイドギヤ及び第2サイドギヤは、前記ピニオンシャフトに近い側が大径で遠い側が小径の円錐形凹部の内側円錐面に前記サイドギヤ歯が形成され、
    前記サイドギヤ歯は、前記ピニオンギヤ歯に対して内側傾斜角度を有する噛み合い歯面により両側から噛み合わせる
    ことを特徴とするディファレンシャルギヤ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたディファレンシャルギヤ装置において、
    前記ピニオンギヤとして、前記ピニオンシャフトの一端部と他端部のそれぞれに回転可能に支持される第1ピニオンギヤと第2ピニオンギヤとを有し、
    前記第1ピニオンギヤは、第1ピニオン本体部から前記ピニオンシャフトに沿って内側方向に延びる第1延設部を有し、
    前記第2ピニオンギヤは、第2ピニオン本体部から前記ピニオンシャフトに沿って内側方向に延びる第2延設部を有する
    ことを特徴とするディファレンシャルギヤ装置。
  4. 請求項3に記載されたディファレンシャルギヤ装置において、
    前記第1延設部の端面と前記第2延設部の端面との間に、両端面がそれぞれ当接するワッシャを介装する
    ことを特徴とするディファレンシャルギヤ装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一項に記載されたディファレンシャルギヤ装置において、
    前記ピニオンギヤは、ピニオン本体部の外面側に、ドライブ軸線に平行な外側平面を有する
    ことを特徴とするディファレンシャルギヤ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112639334A (zh) * 2019-01-21 2021-04-09 日立安斯泰莫株式会社 差速装置用齿轮和差速装置

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