JP2019001582A - セフティリンク解除力の設定方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リニューアル工事において、既設のセフティリンクおよびそのリレージングキャリアをそのまま流用しながら、セフティリンク解除力を簡便に効率良く調整できるようにする。【解決手段】実施形態によるセフティリンク解除力設定方法によれば、セフティリンク20のロープ掴み部材を引き上げる力を発生する引張手段50をセフティリンク20と荷重計48に接続し、引張手段50によって力をセフティリンク20に加え、セフティリンク20の解除力を荷重計48によって直接測定し、セフティリンク20の解除力を変更後の調速機のロープ保持力を基準にして調整手段32により所要の値に調整・設定する。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、エレベータにおいて、乗りかごの非常止め装置を作動させるセフティリンク解除力の設定方法および装置に関する。
エレベータでは、乗りかごを非常停止させるシステムとして、調速機、セフティリンク、非常止め装置などから構成される非常停止システムが設けられている。調速機は、乗りかごの移動速度が設定されている所定の速度を超える異常速度になったときに調速機ロープを把持するようになっている。
セフティリンクは、乗りかごのかご枠や釣合おもり枠に設けられており、調速機ロープと非常止め装置を連結しているリンク機構であるが、調速機が調速機ロープを保持する力(以下、ロープ保持力という)を基準にして設定された所定の大きさの力(セフティリンク解除力という)以上の力が作用したときに、セフティリンクのロックが解除され、非常止め装置が作動するようになっている。
調速機には、ロールセフティ式、ディスク式、フライボール式など、形式の異なるものがある。エレベータの定格速度などに応じて、適用される調速機の種類は異なる場合がある。種類の異なる調速機では、ロープ保持力は異なる。
一般に、セフティリンク解除力は、通常運転による加減速や乗りかご内での乗客の跳びはねによる加振で誤動作しないように考慮した上で、調速機のロープ保持力の最小値の1/2以下の力に設定される設計思想になっている。
従来のセフティリンクでは、解除力を設定および調整できるように、リレージングキャリアと呼ばれるバネ部品が設けられている。このリレージングキャリアでは、バネ長を変えることで、セフティリンク解除力を基準範囲内に調整して設定することができる。この種のリレージングキャリアを有するセフティリンクは、例えば、特許文献1に記載されている。
ところで、既設のエレベータのリニューアル工事では、巻上機や調速機の交換が行われる一方で、かご枠や釣合おもり枠は、既存のものを流用する場合がある。その場合、かご枠や釣合おもりに取り付けられているセフティリンクや非常止め装置も既存のものを流用できるのが望ましい。
調速機を更新する場合、定格速度の変更などがあると、調速機の種類がリニューアル工事の前後で変わる場合がある。その場合、古い調速機と新しい調速機とでは、ロープ保持力の大きさが異なることになる。このため、既存のものが流用されているセフティリンク側では、セフティリンク解除力が新しい調速機のロープ保持力に合わなくなり、セフティリンク解除力の変更が必要となる。
特開2009−220898号公報
セフティリンク解除力を新しい調速機のロープ保持力に対応する値に設定するには、上述のように、セフティリンク解除力と、それに見合ったリレージングキャリアのバネ長を机上の計算により算出し、リニューアル工事現地にてリレージングキャリアのバネ長を調整することになる。
ところが、既存の古いセフティリンクによっては、バネ定数の誤差、経年変化やセフティリンクの据付誤差など、さまざまな誤差があるため、計算上求めたセフティリンク解除力には、実際のセフティリンク解除力からの乖離が生じてしまい、調整に手間取るという問題があった。
既設のリレージングキャリアを使った調整が難しい場合には、新しいリレージングキャリアに交換することになるが、エレベータによっては、リレージングキャリアが梁部に溶接固定されていることもあり、新規品への交換に費用、労力が掛かる問題があった。また、既設のエレベータでのリレージングキャリアの設置状況によっては、かご枠や釣合おもり枠の間の狭い場所に設置されていたりして、リレージングキャリアの交換が困難であることがある。
本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであって、調速機を交換するリニューアル工事において、既設のセフティリンクおよびそのリレージングキャリアをそのまま流用しながら、セフティリンク解除力を簡便に効率良く調整できるようにしたセフティリンク解除力の設定方法および装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るセフティリンク解除力の設定方法は、乗りかご及び釣合おもりの異常速度を検出する調速機と、前記乗りかご及び釣合おもりの梁部材に設けられ調速機ロープと調速機ロープ掴み部材を連結するセフティリンクと、前記乗りかご及び釣合おもりの梁部材に設けられ前記セフティリンクによって作動する非常止め装置を備え、前記セフティリンクは、予め設定された所定の力が前記ロープ掴み部材に作用したときにロックが解除され、その解除力を設定・調整可能な調整手段を有しているエレベータの調速機システムにおいて、前記セフティリンクの解除力を設定する方法であって、前記セフティリンクのロープ掴み部材を引き上げる力を発生する引張手段を前記セフティリンクと荷重計に接続し、前記引張手段によって力を前記セフティリンクに加え、前記セフティリンクの解除力を前記荷重計によって直接測定し、前記セフティリンクの解除力を変更後の調速機のロープ保持力を基準にして前記調整手段により所要の値に調整・設定することを特徴とするものである。
本発明が適用されるエレベータにおいて、乗りかごに設けられているセフティリンクを示す図である。 セフティリンクに設けられているリレージングキャリアを示す斜視図である。 リレージングキャリアの断面図である。 本発明の第1実施形態において、セフティリンクでの現状のセフティリンク解除力の大きさがどうなっているかを測定する方法を示す図である。 荷重計の吊り元となるブラケットを示す斜視図である。 ブラケットを上からみた図である。 荷重計の吊り元となるブラケットの変形例を示す斜視図である。 図7のブラケットを上からみた図である。 第2実施形態によるレバー治具を用いたセフティリンク解除力の測定方法を説明する図である。 レバー治具の構造を示す斜視図である。 レバー治具の変形例1を示す斜視図である。 レバー治具の変形例2を示す斜視図である。
以下、本発明によるセフティリンク解除力の設定方法の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明が適用されるエレベータにおいて、乗りかごに設けられているセフティリンクを示す図である。図1において、参照番号10はかご室を示す。かご室10を支持するかご枠は、上梁11、下梁12、縦枠13によって構成されている。参照番号14は、かごガイドレールを示している。
昇降路の頂部には、調速機16が設置されている。この調速機16のガバナシーブには、調速機ロープ18が巻き掛けられている。かご枠の上梁11には、セフティリンク20が配置されている。
セフティリンク20の一端部は、調速機ロープ掴み部材23を介して調速機ロープ18と連結されている。セフティリンク20は、調速機16に設けられたロープ掴み機構が調速機ロープ18を掴んだときに作動する。
かご枠の下梁12には、かごガイドレール14を挟み付けて乗りかごを非常停止させる非常止め装置19がそれぞれかごガイドレール14ごとに設けられている。非常止め装置19は、引き上げ棒29、30を介してセフティリンク20に連結されている。
次に、セフティリンク20の構成について詳細に説明する。
セフティリンク20は、それぞれ非常止め装置19を作動させる一対のレバー機構から構成されている。
調速機ロープ掴み部材23は、一方のレバー機構を構成しているプレート22の先端部に取り付けられている。このプレート22の他端部には、軸受23aに支持された回転軸27aが固着されている。そして、回転軸27aには、プレート22の長さ方向と直角なコンロッドレバー26aが固着されており、このコンロッドレバー26aは、回転軸27a回りにプレート22と一体で回動可能である。
調速機ロープ12から離れている方の非常止め装置19を作動するレバー機構も同様に構成されている。この場合、軸受23bに支持されている回転軸27bには、コンロッドレバー26bが固着されており、このコンロッドレバー26bは、回転軸27b回りにプレート28と一体で回動可能である。このプレート28の先端には、非常止め装置19と繋がっている引き上げ棒30が連結している。
このようなセフティリンク20では、左右にあるレバー機構は、調速機ロープ18によって所定の大きさ以上の力が作用したときに、同期して動作するように、各コンロッドレバー26a、26bは、コンロッド24によって連結されている。
ここで、図1において、調速機16が調速機ロープ18を掴んで保持したときのロープ保持力とセフティリンク20のロックを解除させるセフティリンク解除力との関係について説明する。
通常の定速運転時には、調速機ロープ18は乗りかごと同じ速度で走行するので、調速機ロープ18からセフティリンク20に力はかからない。セフティリンク20は、ロックされた状態のまま、通常の運転が維持される。
もっとも、乗りかごが加減速する時、あるいは乗りかご内で乗客が飛び跳ねたりしたような時には、乗りかごから調速機ロープ18に力が加わり、そのセフティリンク20に作用することがある。
このような正常運転で不可避的に作用する力によって、セフティリンク20のロックが解除されないように、しかも安全のために適正な範囲で確実にロックが解除されるように、ロックを解除させるセフティリンク解除力はリレージングキャリア32によって設定および調整されるようになっている。
通常、セフティリンク解除力は、調速機16によるロープ保持力最小値の1/2以下の大きさの力に設定されている。
ここで、図2は、リレージングキャリア32を示す斜視図であり、図3は、リレージングキャリア32の断面図である。
リレージングキャリア32は、大きく分けると、楔部材36と、コイルバネ35と、鎖部材36を動かないように保持する軸部39と、から構成されている。
楔部材36の一端部には、セフティリンク20との連結プレート37が固着されている。連結プレート37には、セフティリンク20の回転軸27a(図1参照)が嵌合する穴38が形成されており、連結プレート37は回転軸27aに対して固定されるようになっている。また、コ字形のフレーム34の中に挿入されている楔部材36の他端部には、図3に示されるように、上下面にV字形の溝31a、31bが形成されている。溝31aには、軸部39の先端部39aが係合し、溝31bには受け部40が係合する。
軸部39は、コイルバネ35の弾性力によって先端部39aが楔部材36に押し付けられるように付勢されている。したがって、楔部材36は、軸部39の先端部39aと受け部40とによって挟まれた状態で動かないように保持されている。他方、セフティリンク20から楔部材36に力が加わり、コイルバネ35によって楔部材36に押し付ける力に抗してそれよりも大きな力で軸部39が押し戻されると、軸部39の先端部39aと溝31aとの係合が外れる。これによって、楔部材36は動けるようになって、セフティリンク20のロックが解除される。
ブラケット33の頂部には、調整ボルト42a、42bとナット43a、43bが設けられている。調整ボルト42a、42bをねじ込んで、コイルバネ35のバネ長を短くすると、軸部39を楔部材36に押し付ける力は増大し、逆にバネ長を長くすると、楔部材36を押し付ける力は減少する。これによって、セフティリンク解除力の調整を行うことができる。
次に、以上説明したセフティリンク20に適用される本実施形態によるセフティリンク解除力を設定する手順について、図4を参照しながら説明する。
本実施形態では、既設のエレベータのリニューアルにおいて、調速機は新しいものに交換されるが、かご枠にある既存のセフティリンク20はそのまま流用する場面が想定されている。新しい調速機は、交換前の調速機とは機種が異なり、ロープ保持力の大きさも変わった(増大した)ものとする。他方、セフティリンク20では、古い調速機に合った値にセフティリンク解除力が設定されたままである。そこで、調速機の交換に伴い、セフティリンク20では、新しい調速機のロープ保持力に対応するセフティリンク解除力に再設定する必要がある。
図4は、セフティリンク20での現状のセフティリンク解除力の大きさがどうなっているかを測定する方法を示す図である。
この実施形態では、調速機が作動して調速機ロープ18を保持し、セフティリンク20にセフティリンク解除力が加わる状況と同じ状況をチェーンブロック50で人為的に作り出している。そして、セフティリンク20のロックが解除されるときの荷重を荷重計48で測定して、その力の大きさをセフティリンク解除力としている。
図4に示されるように、かごガイドレール14には、ブラケット46を取り付け、これを吊り元としている。ブラケット46からはワイヤ49を介して荷重計48を吊り、さらに荷重計48の下にチェーンブロック50を吊り下げる。チェーンブロック50のフックは、ワイヤ51を介して調速機ロープ掴み部材23に連結されている。
ここで、図5は、荷重計48の吊り元となるブラケット46を示す斜視図で、図6は、ブラケット46を上からみた図である。
図5に示されるように、ブラケット46は、レールクリップ48を使用してかごガイドレール14に取り付けられる。ブラケット46には、荷重計48を吊るための吊り穴47が形成されている。かごガイドレール14にブラケット46を取り付けた状態では、荷重計48で正確な力を測定できるように、吊り穴47は、調速機ロープ掴み部材23の真上に位置するようになっている。
実際のセフティリンク解除力の測定は、次のようにして行われる。
作業員は、上梁11の上に乗って、チェーンブロック50の図示しないチェーンを手繰り、チェーンブロック50で調速機ロープ掴み部材23を引き上げる。調速機ロープ掴み部材23を介してセフティリンク20に作用する力は次第に大きくなる。やがて、チェーンブロック50で引き上げる力の大きさは、リレージングキャリア32のコイルバネ35が軸部39を楔部材36に押し付けている力の大きさを超えるに到る。
そして、この時点で、軸部39によって押さえ付けられていた楔部材36が外れるので、軸27aは回転しセフティリンク20が動作する。この時のコンロッドレバー26aの回動は、コンロッド24を介して他方のコンロッドレバー26bに伝達され、引き上げ棒29、30が同時に引き上げられ、非常止め装置19は作動する。
このようにして、セフティリンク20が動作した時点の力を荷重計50によって測定することで、実際のセフティリンク解除力の大きさを求めることができる。測定の結果、実際のセフティリンク解除力の大きさが新しく交換した調速機のロープ保持力に基づく基準範囲内にあるか否かを判断することができる。
実際のセフティリンク解除力が範囲外であった場合には、図2に示したリレージングキャリア32において、調整ボルト42a、42bによってコイルバネ35のバネ長を調節して、セフティリンク解除力を増減させながら調整を行うことになる。
このようにして、本実施形態によれば、既存のセフティリンク20の実際の解除力を正確かつ簡便に測定することができるので、調速機を新規品に交換した場合でも、既存のセフティリンク20およびリレージングキャリア32をそのまま流用して、交換後の調速機に合うようにセフティリンク解除力を調整・設定することができる。
(変形例)
図7は、荷重計50の吊り元となるブラケット46の変形例を示す斜視図で、図8は、ブラケット46を上からみた図である。
ブラケット46は、図5に示したものよりも、延長部47の分だけ長くなっており、この延長部47にはUボルト50が取り付けられている。図8に示されるように、調速機ロープ掴み部材23が連結されていない方の調速機ロープ18は、U字ボルト50の内側に引き込まれており、U字ボルト50によってロープの振れ止めが施されている。
調速機ロープ18は復路側と往路側とがあるが、調速機ロープ掴み部材23に連結されている方は振れにくいが、他方の調速機ロープ18は振れやすくなっている。したがって、ブラケット46を他方の調速機ロープ18まで延ばすようにすれば、振れ止めのブラケットとしても活用することができる。
なお、セフティリンク解除力の調整・設定が終わった後は、ブラケット46は振れ止め用のブラケットとして、かごガイドレール14に取り付けたままになる。
以上の説明では、ブラケット46は、かごガイドレール14に取り付ける例を説明したが、昇降路内のほかの構造物から吊り元を取れのであれば、かごガイドレール14に限定されるものではない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るセフティリンク解除力の設定方法について、図9、図10を参照して説明する。
第1実施形態では、チェーンブロック50を用いてセフティリンク20を作動させていたが、この第2実施形態では、てこの原理を利用したレバー治具を利用してセフティリンク20を作動させ、セフティリンク解除力を測定するようにしている。
図9は、第2実施形態によるレバー治具を用いたセフティリンク解除力の測定方法を説明する図であり、図10は、レバー治具の構造を示す斜視図である。なお、図9、図10において、第1実施形態の図4と同一の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
レバー治具は、腕部55と連結プレート56とから構成されている。連結プレート56には穴57が形成され、軸27aが嵌合するようになっている。連結プレート56にはリブ58a、58bが形成され、連結プレート56はリブ58a、58bでセフティリンク20のプレート22を挟むように取り付けられる。連結プレート56と反対側の腕部55の端部には、穴59が形成され、この穴59に引っ掛けるようにしてワイヤ61を介して荷重計48が取り付けられている。
実際のセフティリンク解除力の測定は、次のようにして行われる。
作業員は、上梁11の上に乗って、荷重計48を手で持って押し下げる。
すると、腕部55が調速機ロープ掴み部材23に近い方の回転軸27aを支点とする梃子として働き、調速機ロープ掴み部材23を引き上げることになる。この腕部55の場合、回転軸27aからの腕部55の長さL1は、調速機ロープ掴み部材23から回転軸27aまでの長さL2に比べて数倍長く(梃子のリバー比に対応する分だけ長く)設定されている。やがて、レバー治具で調速機ロープ掴み部材23を引き上げる力の大きさは、セフティリンク解除力を超え、その時点でセフティリンク20が作動する。この時点の力を荷重計48によって測定することで、実際のセフティリンク解除力の大きさを測ることができる。
測定の結果、実際のセフティリンク解除力の大きさが新しく交換した調速機のロープ保持力に基づく基準範囲内にあるか否かを判断することができる。実際のセフティリンク解除力が範囲外であった場合には、図2に示したリレージングキャリア32において、調整ボルト42a、42bで調整すればよい。
このようにして、本実施形態によれば、既存のセフティリンク20実際の解除力を正確かつ簡便に測定することができるので、調速機を新規品に交換した場合でも、既存のセフティリンク20およびリレージングキャリア32をそのまま流用して、交換後の調速機に合うようにセフティリンク解除力を調整・設定することができる。
(変形例1)
次に、図11は、本実施形態で用いたレバー治具の変形例1を示す斜視図である。この変形例1によるレバー治具では、連結プレート56のリブ58a、58bにそれぞれジャッキボルト60、61を設けている。セフティリンク20のプレート22では、エレベータによっては、幅が異なる場合があり、プレート22の幅寸法に応じたレバー治具を用意する必要がある。この変形例1のように、リブ58a、58bにジャッキボルト60、61を設ければ、ジャッキボルト60、61を締め付けて固定できるので、プレート20の幅寸法の違いを吸収して、共通に使用することができる。
(変形例2)
次に、図12は、本実施形態で用いたレバー治具の変形例2を示す斜視図である。この変形例2では、荷重計48を腕部55に接続する複数の穴64が一定の間隔で腕部55の長さ方向に配列している。そして、各穴64には、回転軸27aからの距離を示す目盛り60が付されている。この場合、任意の位置にある穴64に荷重計48を接続することができ、しかも、目盛り60を有するためにレバー比による解除力の算出か容易になる利点がある。なお、目盛り60については、距離を表す替わりに、図9において、回転軸27aから調速機ロープ掴み部材23の取り付け位置までの距離L2に対する、回転軸27aから各穴64までの距離L1の倍率を目盛りにしてよい。これにより、さらに容易にレバー比による解除力の算出は容易になる。
以上、第1実施形態、第2実施形態について、かご枠に設けられたセフティリンク20について、解除力の調整・設定を行う例を説明したが、釣合おもり枠に設置されるセフティリンクについても全く同様にして、解除力の調整・設定を行うことができる。
以上、本発明に係るセフティリンク解除力の設定方法および装置について、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
10…かご室、11…上梁、12…下梁、14…かごガイドレール、16…調速機、18…調速機ロープ、19…非常止め装置、20…セフティリンク、22…プレート、23…調速機ロープ掴み部材、24…コンロッド、26a、26b…コンロッドレバー、27a、27b…回転軸、28…プレート、29、30…引き上げ棒、31a、31b…溝、32…リレージングキャリア、33…ブラケット、35…コイルバネ、36…楔部材、37…連結プレート、38…穴、39…軸部、40…受け部、42a、42b…調整ボルト、46…ブラケット、47…吊り穴、48…荷重計、49…ワイヤ、50…チェーンブロック、51…ワイヤ、52…レールクリップ、53…Uボルト、55…腕部、56…連結プレート

Claims (7)

  1. 乗りかご及び釣合おもりの異常速度を検出する調速機と、
    前記乗りかご及び釣合おもりの梁部材に設けられ調速機ロープと調速機ロープ掴み部材を連結するセフティリンクと、
    前記乗りかご及び釣合おもりの梁部材に設けられ前記セフティリンクによって作動する非常止め装置を備え、
    前記セフティリンクは、予め設定された所定の力が前記ロープ掴み部材に作用したときにロックが解除され、その解除力を設定・調整可能な調整手段を有しているエレベータの調速機システムにおいて、前記セフティリンクの解除力を設定する方法であって、
    前記セフティリンクのロープ掴み部材を引き上げる力を発生する引張手段を前記セフティリンクと荷重計に接続し、
    前記引張手段によって力を前記セフティリンクに加え、前記セフティリンクの解除力を前記荷重計によって直接測定し、
    前記セフティリンクの解除力を変更後の調速機のロープ保持力を基準にして前記調整手段により所要の値に調整・設定することを特徴とするセフティリンク解除力の設定方法。
  2. 前記荷重計と前記引張手段である揚重器とを吊るための吊り元となるブラケットを昇降路内に配置し、前記揚重器により前記調速機ロープ掴み部材を引き上げ、前記荷重計で前記解除力を測定することを特徴とする請求項1に記載のセフティリンク解除力の設定方法。
  3. 前記ブラケットには、調速器ロープ用の触れ止めが取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のセフティリンク解除力の設定方法。
  4. 前記引張手段には、前記調速機ロープ掴み部材に加える手動による引張力を拡大して伝達するレバー治具を前記セフティリンクに取り付けて用いることを特徴とする請求項1に記載のセフティリンク解除力の設定方法。
  5. 前記レバー治具の腕部には、前記荷重計を接続可能な複数の接続部が設けられ、前記接続部がレバー比の目盛りをなすことを特徴とする請求項4に記載のセフティリンク解除力の設定方法。
  6. 前記セフティリンクの解除力の調整手段は、コイルバネの弾性力によってセフティリンクをロックする楔部材を保持し、解除力を超える力が作用したときに前記楔部材が外れるリレージングキャリアからなり、前記コイルバネのバネ長を調整することにより、解除力を調整・設定できることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセフティリンク解除力の設定方法。
  7. 乗りかご及び釣合おもりの異常速度を検出する調速機と、
    前記乗りかご及び釣合おもりの梁部材に設けられ調速機ロープと調速機ロープ掴み部材を連結されるセフティリンクと、
    前記乗りかご及び釣合おもりの梁部材に設けられ前記セフティリンクによって作動する非常止め装置を備え、
    前記セフティリンクは、予め設定された所定の力が前記ロープ掴み部材に作用したときにロックが解除され、その解除力を設定・調整可能な調整手段を有しているエレベータの調速機システムにおいて、前記セフティリンクの解除力を測定する装置であって、
    前記セフティリンクに接続され、前記セフティリンクのロープ掴み部材を引き上げる力を発生する引張手段と、
    前記引張手段と接続される荷重計と、を備えることを特徴とするセフティリンク解除力の測定装置。
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