JP2019001535A - ケース蓋開閉具および複数のケースの蓋の開閉方法 - Google Patents

ケース蓋開閉具および複数のケースの蓋の開閉方法 Download PDF

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和宏 奥津
Kazuhiro Okutsu
和宏 奥津
桜井 修
Osamu Sakurai
修 桜井
克志 古澤
Katsushi Furusawa
克志 古澤
久美子 高岡
Kumiko Takaoka
久美子 高岡
真也 千野
Shinya Chino
真也 千野
洋輔 高野
Yosuke Takano
洋輔 高野
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Abstract

【課題】複数のケースへの薬の収容作業を容易にするケース蓋開閉具および複数のケースの蓋の開閉方法を提供する。
【解決手段】ケース蓋開閉具1は、ケース蓋Z3付きのケースZを複数設置可能なケース設置部2と、ケース設置部2に開閉可能に設けられた器具蓋部3とを備え、器具蓋部3は、ケース設置部2に回動可能に設けられた回動部材61と、回動部材61にスライド可能に設けられたスライド部材62とからなり、スライド部材62は、複数のケースZのケース蓋Z3に係止可能な爪部52を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケース蓋開閉具および複数のケースの蓋の開閉方法に関する。
従来、薬の飲み忘れや誤服用を防止するために、服用時刻になった場合に、服用時刻に飲むべき薬を供給する服薬支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の服薬支援装置では、服用時刻毎に飲むべき薬が、ケース(ピルケース)に収容されており、服用時刻になったときに、対応するケースが供給される。
特開2015−58081号公報
上記薬については、複数のケースの蓋を開閉してケースに収容させる作業が必要であり、服用回数が多いほど、使用するケースの数も多くなる。このため、ケースへの薬の収容作業が煩雑になる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数のケースへの薬の収容作業を容易にするケース蓋開閉具および複数のケースの蓋の開閉方法を提供することを目的とする。
本発明は、蓋付きのケースを複数設置可能なケース設置部と、前記ケース設置部に開閉可能に設けられた器具蓋部とを備え、前記器具蓋部は、前記ケース設置部に回動可能に設けられた第一の部材と、前記第一の部材にスライド可能に設けられた第二の部材とからなり、前記第二の部材は、複数の前記ケースの蓋に係止可能な爪部を備えることを特徴とする。
上記発明において、前記第一の部材若しくは前記第二の部材は、前記第二の部材のスライドに伴って前記ケースの蓋を押さえる押さえ部を備え、前記押さえ部は、前記爪部よりも、前記第一の部材の回動中心側に配置されていても良い。
また、上記発明において、樹脂製の前記ケースを開閉しても良い。
本発明は、開閉具のケース設置部に蓋付きのケースを複数設置し、前記ケース設置部に開閉可能に設けられた器具蓋部を構成する第一の部材を閉じた状態で、前記器具蓋部に備えるスライド可能な第二の部材を前記第一の部材に対してスライドさせて、前記第二の部材に備える爪部を複数の前記ケースの蓋に係止させ、前記器具蓋部を開けることで複数の前記ケースの蓋を開けることを特徴とする。
本発明に係るケース蓋開閉具は、蓋付きのケースを複数設置可能なケース設置部と、前記ケース設置部に開閉可能に設けられた器具蓋部とを備え、前記器具蓋部は、前記ケース設置部に回動可能に設けられた第一の部材と、前記第一の部材にスライド可能に設けられた第二の部材とからなり、前記第二の部材は、複数の前記ケースの蓋に係止可能な爪部を備えるので、第二の部材をスライドさせ、第二の部材の爪部を複数のケースの蓋に係止させて器具蓋部を開けるのに伴い、複数のケースの蓋を開けることができ、複数のケースへの薬の収容作業を容易にすることができる。
本発明に係る第1の実施形態のケース蓋開閉具の斜視図である。 ケース設置部に対して器具蓋部が閉じた状態を示す斜視図である。 器具蓋部が閉じた状態のケース蓋開閉具の右側面図である。 カバー体、押さえ部材及びピルケースを表す要部分解斜視図である。 ケース蓋開閉具を用いて複数のピルケースのケース蓋を開けるときの作用説明図である。 ケース蓋開閉具によりピルケースのケース蓋を開け始めるときの作用説明図である。 ピルケースのケース蓋が全開した状態を表す斜視図である。 ピルケースのケース蓋が全開した状態を表す右側面図である。 ケース蓋開閉具を用いて複数のピルケースの蓋を閉じるときの作用説明図である。 第2の実施形態のケース蓋開閉具によりピルケースの蓋を開け始めるときの作用説明図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ図1を基準にした方向として説明する。すなわち、ケース蓋開閉具1の前方をFR、向かって左側をLH、上方をUPとする。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態のケース蓋開閉具1の斜視図である。
ケース蓋開閉具1は、ピルケース(蓋付きのケース)Zを複数設置可能なケース設置部2と、ケース設置部2に開閉可能に設けられた器具蓋部3とを備える。
ケース設置部2は、左右方向に延びる浅底の容器状に形成されている。ケース設置部2は、底部11と、底部11の後端から立ち上げられた後壁部12と、底部11の前端から立ち上げられた前壁部13と、底部11の左右端から立ち上げられた左右一対の側壁部14、15とを備える。後壁部12と左右の側壁部14、15とは同一高さであり、前壁部13は、後壁部12よりも低い。底部11、後壁部12、前壁部13、および、側壁部14、15により、複数のピルケースZが収容される収容部16が形成される。収容部16には、後壁部12と前壁部13との間に前後方向に延びる仕切壁17が設けられている。本実施形態のケース設置部2には、6つの仕切壁17が形成されており、7つのピルケースZが設置可能に構成されている。1週間分の薬を7つのピルケースZに分けて収容することが可能である。なお、収容部16に設置されるピルケースZの数は7つに限定されず、2以上のピルケースZを設置可能であれば任意の数のピルケースZを設置可能とした構成が可能である。
側壁部14、15の後端部には、器具蓋部3が回動可能に支持される。器具蓋部3は、左右一対の側壁21、22を備える。側壁21、22には、円形状の基端部21a、22aが形成されている。基端部21a、22aには、それぞれ左右方向内側に突出した軸部21b(基端部21aの軸部21bのみ図示)が形成されている。各軸部21bは、ケース設置部2の側壁部14、15に設けられた図示しない孔に挿入される。これにより、基端部21a、22aが、側壁部14、15に対して左右の軸部21bを中心にして回動可能になる。以下、器具蓋部3の回動中心を符号L1で示す。
側壁21、22には、基端部21a、22aから延びる直線部21c、22cが形成されている。直線部21c、22cには、器具蓋部3の内面側の部分に、左右方向内側に突出した内側片21d、22dが形成されている。
図2は、ケース設置部2に対して器具蓋部3が閉じた状態を示す斜視図である。
側壁21、22には、基端部21a、22a間に、左右方向に延びる外プレート23が渡されて固定されている。外プレート23の前後方向の幅は、基端部21a、22aに対応して形成されている。側壁21、22の直線部21c、22cには、器具蓋部3の外面側の部分に、左右方向内側に突出した外側片21e、22eが形成されている。
左右の直線部21c、22c間には、板状のカバー体(蓋部本体)31が配置される。カバー体(蓋部本体)31は、上述した内側片21d(図1参照)と外側片21e、内側片22d(図1参照)と外側片22eにそれぞれ挟まれている。カバー体31の後端は、外プレート23に覆われる。カバー体31は、外プレート23と共に、ケース設置部2の全ての収容部16を上方から覆う大きさに形成されている。
本実施形態では、カバー体31が前後方向にスライド可能に支持される。すなわち、カバー体31は、直線部21c、22cと、内側片21d、22dと、外側片21e、22eと、外プレート23とによって案内されることにより、側壁21、22の直線部21c、22cに沿って前後方向にスライド可能となる。
図3は、図2の右側面図であり、ピルケースZがケース設置部2に設置された状態を示す。図4は、カバー体31と押さえ部材41とピルケースZの関係を表す模式図である。
図3において、ケース設置部2には、ピルケースZが設置される。本実施形態のピルケースZは、樹脂製である。本実施形態のピルケースZは一体成形されている。ピルケースZは、薬剤を収容可能なケース本体Z1と、ケース本体Z1の後部に設けられたリビングヒンジ部Z2と、リビングヒンジ部Z2を介してケース本体Z1に開閉可能に支持されたケース蓋Z3とを備える。ケース本体Z1の前部内側には、スナップフィット部Z1aが形成されている。スナップフィット部Z1aは、ケース蓋Z3の内面に形成された被係止部(不図示)に係止して、ケース蓋Z3を閉じた状態に保持する。ケース蓋Z3の前部外側には、前方に突出したリブZ3aが形成されている。リブZ3aは左右方向に延びている(図1参照)。なお、ピルケースZがケース設置部2に設置された際に、リビングヒンジ部Z2が、器具蓋部3の回動中心L1と同軸上又は回動中心L1の近傍に位置するようにケース設置部2が構成されている。
図3、図4において、器具蓋部3は、ピルケースZを押さえ付ける押さえ部材41を備える。押さえ部材41は、カバー体31よりも下方のピルケースZ側に配置される。押さえ部材41は、左右方向に延びる被支持部42を備える。被支持部42は、側壁21、22のそれぞれの前端部に支持される。被支持部42には、下方に突出する凸部42aが形成されている。凸部42aは、押さえ部材41の左右方向の幅全体に亘って形成されている。凸部42aは、器具蓋部3が閉じられているときに、ピルケースZのケース蓋Z3を押さえ付ける。被支持部42には、回動中心L1側に向かって延びる複数の延伸部43が形成されている(図1参照)。延伸部43は、各ピルケースZの設置位置毎に形成されている(図1参照)。
延伸部43の自由端側には、下方に突出する押さえ部44が形成されている。押さえ部44は、器具蓋部3が閉じたときに、ピルケースZのケース蓋Z3を押し付けるように突出している。押さえ部44は、凸部42aよりも回動中心L1側に配置される。詳しくは、押さえ部44の位置は、ピルケースZの前後方向の中央を通る中心線L2(図3参照)よりもリビングヒンジ部Z2側である。押さえ部44がケース蓋Z3を下方に押し付けると、ケース蓋Z3が下方に撓む。よって、押さえ部44がケース蓋Z3を押し付けるときには、ピルケースZ全体を上方に移動し難くできる一方で、押さえ部44から離間したケース蓋Z3のリブZ3a側の部分を浮き上がり易くできる。
図4において、各延伸部43の上面には、押さえ部44よりも被支持部42側に第一の凹部45が形成されている。また、延伸部43の上面には、押さえ部44よりも回動中心L1側に、第二の凹部46が形成されている。第一の凹部45と第二の凹部46に挟まれた部分により凸状部47が形成される。凸状部47は、押さえ部44の真上に形成される。
カバー体31の下部には、各延伸部43の位置毎に、下方に突出する凸部32が形成されている。図3には、凸部32が第一の凹部45に進入して、カバー体31がスライド範囲の前端の前端位置に移動した状態が図示されている。
図3において、カバー体31の前端部には、前方に突出する把持部51が形成されている。把持部51はユーザに把持されて器具蓋部3に回動力を付与可能な部分である。図2において、把持部51は、カバー体31の左右方向中央部に配置されている。把持部51の左右両側に対応して、ケース設置部2には右突出部2aと左突出部2bとが一体に形成されている。右突出部2a及び左突出部2bは、器具蓋部3を開ける際にユーザが手で押さえる部分である。右突出部2a及び左突出部2bは底部11(図1参照)に沿って形成され、把持部51の左右両側から上方に露出している。ここで、ユーザが左手で把持部51を把持した際には、右突出部2aを右手で押さえることが可能である。また、ユーザが右手で把持部51を把持した場合には、左突出部2bを左手で押さえることが可能である。すなわち、一方の手で把持部51を把持する場合に、器具蓋部3の回動の邪魔にならないように、他方の手で、右突出部2a及び左突出部2bのいずれか他方を押さえることが可能である。よって、器具蓋部3を回動させる際に、ケース設置部2が動きにくくなっている。
図3において、カバー体31の前部には爪部52が一体に支持されている。爪部52は、ケース設置部2に向けて突出し、回動中心L1側に屈曲したL字状に形成されている。爪部52は左右方向の全体に亘ってカバー体31に形成されている。よって、カバー体31が回動中心L1側にスライドした際に、ケース設置部2に設置された全てのピルケースZ(詳しくは、ケース蓋Z3のリブZ3a)に接触可能である。爪部52が下方に突出する突出量は、ピルケースZのリブZ3aの高さに設定されている。詳細には、カバー体31が回動中心L1側にスライドした場合に、爪部52の先端52aがリブZ3aの下面に接触して係止可能な突出量に設定されている。これにより、カバー体31が回動中心L1側にスライドした場合に、爪部52が、リブZ3aに係止してケース蓋Z3に上向きの力を作用させることが可能になる。
図1において、ケース設置部2において、側壁部14、15および仕切壁17には、前方上部に切り欠き14a、15a、17aが形成されている。切り欠き14a、15a、17aは、カバー体31がスライドする際に、爪部52と、側壁部14、15および仕切壁17との干渉を回避する部分である。切り欠き14a、15a、17aは爪部52のスライド範囲を含むように形成されている。
側壁21、22、外プレート23(図2参照)、押さえ部材41により、回動部材(第一の部材)61が構成される。また、カバー体31、把持部51、爪部52により、回動部材61に対してスライド可能なスライド部材(第2の部材)62が構成される。すなわち、器具蓋部3は、ケース設置部2に回動可能に設けられた回動部材61と、回動部材61にスライド可能に設けられたスライド部材62とから構成される。
次に、ケース蓋開閉具1を用いてピルケースZの蓋を開ける要領について説明をする。
図2において、ケース蓋開閉具1は、例えばテーブル(不図示)上に置かれる。器具蓋部3が閉じているときには、ユーザが把持部51を把持して、器具蓋部3を開けることが可能である。器具蓋部3を開けると、図1において、ケース設置部2の収容部16が外部に露出するため、ピルケースZをケース設置部2に設置可能となる。複数のピルケースZは、それぞれケース蓋Z3が閉じられた状態でケース設置部2に設置される。
図5は、ケース蓋開閉具1を用いて複数のピルケースZのケース蓋Z3を開けるときの作用説明図である。図5において、器具蓋部3が閉じられ、スライド部材62が前後方向のスライド範囲の前端位置に位置している状態を、符号Aを用いて示し、状態Aから器具蓋部3が全開するまでの各状態を、符号B〜Dを用いて示す。
図6は、ケース蓋開閉具1によりピルケースZのケース蓋Z3を開け始めるときの作用説明図である。図6では、図5の状態A〜Cにそれぞれ対応する状態を、符号A〜Cを用いて示す。したがって、以下では、図5の状態A〜Cをそれぞれ説明する際に、図6の状態A〜Cも共に説明する。
図5の状態Aでは、爪部52が、ピルケースZのリブZ3aの前方に位置する。このとき、図6の状態Aにおいて、スライド部材62の凸部32は第一の凹部45に進入している。
ユーザが把持部51を把持して、図5の状態Aから図5の状態Bに示すように、スライド部材62をスライド範囲の前端位置から回動中心L1側に移動させると、爪部52が、ピルケースZのケース蓋Z3のリブZ3aに係止する。爪部52が、ピルケースZのケース蓋Z3のリブZ3aに係止する際のスライド部材62の位置を、スライド部材62の係止位置とする。このようにスライド部材62を係止位置にスライドさせるときに、図6の状態Bに示すように、スライド部材62の凸部32は、延伸部43に沿って移動し、第一の凹部45から外れて凸状部47に乗り上げる。よって、係止位置では、凸部32は、凸状部47を下方に押し下げて延伸部43を下方に弾性変形させ、押さえ部44がケース蓋Z3を下方に押し付けて弾性変形させる。押さえ部44は、リビングヒンジ部Z2寄りの位置でケース蓋Z3を押し付けているため、ケース蓋Z3は、リビングヒンジ部Z2側では下方に撓む一方で、リブZ3a側では上方に浮き上がる方向に弾性変形する。すなわち、押さえ部44でケース蓋Z3を下方に押し付けることにより、ケース蓋Z3には開く力が作用する。
また、係止位置では、爪部52がリブZ3aの下部に接触しており、爪部52はリブZ3aを介してケース蓋Z3に上方への力を作用させる。このとき、ケース蓋Z3の上面は、凸部42aによって下方に押さえられている。よって、爪部52と凸部42aとによってケース蓋Z3が挟まれた状態で保持される。
次に、図5の状態Cに示すように、係止位置において、ユーザが把持部51を把持して器具蓋部3を上方に回動させると、爪部52に係止されたリブZ3aを介してピルケースZ全体に上方への力が作用する。このとき、図6の状態Cに示すように、ケース蓋Z3のリビングヒンジ部Z2側は押さえ部44に押さえ付けられているので、ピルケースZはケース設置部2から離脱せずに保持される。一方で、ケース蓋Z3のリブZ3a側では、ケース蓋Z3の変形によって、ケース本体Z1のスナップフィット部Z1aからケース蓋Z3の被係止部が外れやすくなり、これに爪部52からケース蓋Z3に回動力が加わって、ケース蓋Z3が開けられる。
図6の状態B及び図6の状態Cにおいて、ユーザが把持部51を把持して器具蓋部3を上方に回動させるときには、把持部51には、回動中心L1側への押し込み力が作用し易く、爪部52が、ケース本体Z1と、変形によって撓んだケース蓋Z3との隙間に進入し易い。よって、爪部52がケース蓋Z3の下部に沿って移動し、スライド部材62が、スライド範囲の後端の後端位置に移動すると、爪部52と凸部43aとにより、ケース蓋Z3が挟まれて保持される。
また、スライド部材62が係止位置から後端位置に移動する場合には、図6の状態Cに示すように、凸部32は凸状部47から外れて第二の凹部46に移動する。よって、凸部32は、延伸部43を押し付けなくなるため、延伸部43が押し付けられる前の状態に戻る。したがって、押さえ部44によるピルケースZを押し付ける力が解除される。スライド部材62が後端位置に移動し、図6の状態Cから、さらに、図5の状態Dに示すように、把持部51を持ち上げて器具蓋部3を全開にすると、爪部52に係止された全部のピルケースZのケース蓋Z3が大きく開けられる。
上記のように、器具蓋部3を上方に開く動作と、器具蓋部3を開く途中に、把持部51を押してスライド部材62を後端位置まで移動させてピルケースZのケース蓋Z3に爪部52を係止する動作と、爪部52でケースZのケース蓋Z3を開く動作とを一連の動作とすることができる。
したがって、ケース蓋開閉具1により、全てのケースZのケース蓋Z3の開く動作をスムーズに且つ短時間で行うことができる。
図7は、ピルケースZのケース蓋Z3が全開した状態を表す斜視図である。図8は、ピルケースZのケース蓋Z3が全開した状態を表す右側面図である。
図7、図8に示すように、器具蓋部3が全開する際には、ケース載置部2の回動中心L1側の端部に設けられたストッパ部(不図示)に、器具蓋部3の基端部21a,22a側又は外プレート23(図2参照)側に設けられた当接部(不図示)が当たって器具蓋部3の全開状態が保持される。
上記したように、器具蓋部3を全開とすることで、複数のピルケースZのケース蓋Z3を開けることができるため、複数のピルケースZのケース蓋Z3を一つずつ開ける場合に比べて、ピルケースZのケース蓋Z3を開ける作業が容易になる。また、各ケース蓋Z3が大きく開くため、各ピルケースZへの薬の収容作業も容易となる。
器具蓋部3が全開された状態では、爪部52は、その重みで最も下降した後端位置に移動した状態にある。したがって、爪部52よるケース蓋Z3の係止状態が維持される。よって、ユーザは把持部51から手を放した状態で、開放されたケース本体Z1内に薬を配置可能である。
次に、ケース蓋開閉具1を用いて、薬を配置したピルケースZの蓋Z3を閉じるときの要領について説明をする。
図9は、ケース蓋開閉具1を用いて複数のピルケースZの蓋を閉じるときの作用説明図である。
図9の状態Aは、図5の状態D、図7および図8に対応する。図9の状態Aにおいて、ユーザは、把持部51を把持して器具蓋部3を前方に回動させ、器具蓋部3を閉じる。このとき、図9の状態Bに示すように、ユーザは、把持部51を上方に移動させ、スライド部材62を前端位置まで移動させる。スライド部材62が前端位置に移動した状態では、爪部52がケース蓋Z3から外れる。この状態で、図9の状態Cから状態Dに示すように、器具蓋部3が閉じられると、器具蓋部3の凸部42aがケース蓋Z3を下方に押さえ付ける。これによって、全てのピルケースZにおいて、ケース蓋Z3がケース本体Z1側に押されて、スナップフィット部Z1aがケース蓋Z3の被係止部に係止した状態となる。これで、全部のケース蓋Z3が閉じられ、各ピルケースZに薬を収容させる作業が完了する。
そして、把持部51を前端位置に移動させた状態で器具蓋部3を開けると、薬が収容されたピルケースZを取り外すことが可能となる。
なお、器具蓋部3を全開位置から閉じる際に、スライド部材62が後端位置に移動している状態で器具蓋部3を閉じることも可能である。この場合には、器具蓋部3を閉じる前(例えば、器具蓋部3が鉛直となった位置よりも手前側に傾いた位置にあるとき)に、あるいは閉じた後に、把持部51を手前に引き、スライド部材62を前端位置に移動させる。これにより、爪部52をケース本体Z1とケース蓋Z3との間から引き出し、更に、器具蓋部3に下方の力を付与すると、凸部42aでケース蓋Z3を下方に押し付けてピルケースZのケース蓋Z3を閉じることができる。
上記のように、器具蓋部3を手前に倒す動作と、器具蓋部3を倒す途中に、把持部51を引いてスライド部材62を前端位置に移動させてピルケースZのケース蓋Z3から爪部52の係止を解除する動作と、把持部51に下方向の力を作用させてケースZのケース蓋Z3を完全に閉じる動作とを一連の動作とすることができる。
更には、器具蓋部3を閉じた後に、薬が収容されたピルケースZを取り外すために再び器具蓋部3を開ける動作も一連の動作とすることができる。
したがって、ケース蓋開閉具1により、ケースZのケース蓋Z3の閉じる動作及びケース蓋Z3の閉じた後にピルケースZを取り出す動作をスムーズに且つ短時間で行うことができる。
以上の図1及び図3で説明したように、本発明を適用した第1の実施形態によれば、ケース蓋開閉具1は、ケース蓋Z3付きのピルケースZを複数設置可能なケース設置部2と、ケース設置部2に開閉可能に設けられた器具蓋部3とを備える。ここで、器具蓋部3は、ケース設置部2に回動可能に設けられた回動部材61と、回動部材61にスライド可能に設けられたスライド部材62とからなる。スライド部材62は、複数のピルケースZのケース蓋Z3に係止可能な爪部52を備える。これにより、第二の部材としてのスライド部材62をスライドさせ、スライド部材62の爪部52を複数のケースとしてのピルケースZの蓋としてのケース蓋Z3に係止させて器具蓋部3を開けるのに伴い、複数のピルケースZのケース蓋Z3を開けることができ、複数のピルケースZへの薬の収容作業を容易にすることができる。
また、第1の実施形態では、回動部材61は、スライド部材62のスライドに伴ってピルケースZのケース蓋Z3を押さえる押さえ部44を備える。この押さえ部44は、爪部52よりも、回動部材61の回動中心L1側に配置されている。これにより、回動部材61の回動中心L1側に位置する押さえ部44でピルケースZのケース蓋Z3を押え付けながら爪部52をピルケースZのケース蓋Z3に係止させることで、ピルケースZがケース設置部2から離脱することを防止しながらピルケースZのケース蓋Z3を開けることが可能になる。
また、第1の実施形態では、樹脂製のピルケースZが開閉される。よって、ピルケースZが樹脂製でない場合に比べて、押さえ部44がケース蓋Z3を押さえた場合に、ケース蓋Z3を撓ませ易く、複数のケースを開け易くすることができる。
本発明に係る複数のケースの蓋の開閉方法は、ケース蓋開閉具1のケース設置部2にケース蓋Z3付きのピルケースZを複数設置し、ケース設置部2に開閉可能に設けられた器具蓋部3を構成する回動部材61を閉じた状態で、器具蓋部3に備えるスライド可能なスライド部材62をスライドさせて、スライド部材62に備える爪部52を複数のピルケースZのケース蓋Z3に係止させ、器具蓋部3を開けることで複数のピルケースZのケース蓋Z3を開ける。これにより、スライド部材62をスライドさせ、スライド部材62の爪部52を複数のピルケースZのケース蓋Z3に係止させて器具蓋部3を開けるのに伴い、複数のピルケースZのケース蓋Z3を開けることができ、複数のピルケースZへの薬の収容作業を容易にすることができる。
<第2の実施形態>
以下の説明では、第1の実施形態で説明した構成要素と同一の構成に要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、第2の実施形態のケース蓋開閉具81によりピルケースZのケース蓋Z3を開け始めるときの作用説明図である。図10では、図6の状態A〜Cに対応する状態を、符号A〜Cを用いて示す。
ケース蓋開閉具81は、ピルケース(蓋付きのケース)Zを複数設置可能なケース設置部2と、ケース設置部2に開閉可能に設けられた器具蓋部83とを備える。
器具蓋部83は、左右一対の側壁21、22と、カバー体(蓋部本体)84と、押さえ部材85とを備える。
第2の実施形態では、側壁21、22、外プレート23、カバー体84により回動部材(第一の部材)71が構成される。また、押さえ部材85、把持部51、爪部52により、回動部材71に対してスライド可能なスライド部材(第二の部材)72が構成される。よって、第2の実施形態の器具蓋部83は、ケース設置部2に回動可能に設けられた回動部材71と、回動部材71にスライド可能に設けられたスライド部材72とから構成される。
第2の実施形態では、カバー体84は、側壁21、22(図2参照)および外プレート23(図2参照)に固定支持されている。
また、内側片21d、22d(図1参照)が押さえ部材85のスライド範囲に応じた長さに形成されている。押さえ部材85の被支持部42は、内側片21d、22dおよびカバー体84に挟まれて配置される。これにより、被支持部42が、側壁21、22の直線部21c、22cに沿ってスライド可能に支持される。
把持部51および爪部52は、押さえ部材85の前端部に一体的に形成されている。押さえ部材85が前端位置にある場合に、カバー体84の凸部32が、第二の凹部46に嵌る。
第2の実施形態のケース蓋開閉具81では、スライド部材72を、図10の状態Aで示す前端位置と、図10の状態Bで示す係止位置と、図10の状態Cで示す後端位置との間で移動させる際に、回動部材71のカバー体84に対して、押さえ部材85がスライドする。これにより、凸部32に対して、第一の凹部45、凸状部47、第二の凹部46を一体に移動させることが可能である。したがって、第2の実施形態では、回動部材71とスライド部材72の構成部材が異なるが、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
以上説明したように、本発明を適用した第2の実施の形態によれば、スライド部材72は、スライド部材72のスライドに伴って、回動部材71の凸部32に押されてピルケースZのケース蓋Z3を押さえ付ける押さえ部44を備える。この押さえ部44は、爪部52よりも、回動部材61の回動中心L1側に配置されている。したがって、第2の実施形態でも、ピルケースZがケース設置部2から離脱することを防止するとともに、回動中心L1側でケース蓋Z3を撓ませることにより、回動中心L1から離れた爪部52側ではケース蓋Z3に開く方向の力を作用させることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
各実施形態では、薬が収容されるピルケースを開閉する構成を説明したが、本発明のケース蓋開閉具1を、貴金属などの小物や、調味料など、薬以外のケースの開閉に適用することは当然可能である。
ピルケースZは樹脂製の構成を説明したが、金属製の構成も可能である。金属性のケースの場合には、例えば、リビングヒンジ部Z2に代えて、軸によるヒンジにしてピルケースを開閉させる構成が可能である。
1、81 ケース蓋開閉具
2 ケース設置部
3、83 器具蓋部
44 押さえ部
52 爪部
61、71 第一の部材
62、72 第二の部材
L1 回動中心
Z ケース
Z3 蓋

Claims (4)

  1. 蓋付きのケースを複数設置可能なケース設置部と、前記ケース設置部に開閉可能に設けられた器具蓋部とを備え、
    前記器具蓋部は、前記ケース設置部に回動可能に設けられた第一の部材と、前記第一の部材にスライド可能に設けられた第二の部材とからなり、
    前記第二の部材は、複数の前記ケースの蓋に係止可能な爪部を備えることを特徴とするケース蓋開閉具。
  2. 前記第一の部材若しくは前記第二の部材は、前記第二の部材のスライドに伴って前記ケースの蓋を押さえる押さえ部を備え、
    前記押さえ部は、前記爪部よりも、前記第一の部材の回動中心側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のケース蓋開閉具。
  3. 樹脂製の前記ケースを開閉することを特徴とする請求項1又は2に記載のケース蓋開閉具。
  4. 開閉具のケース設置部に蓋付きのケースを複数設置し、前記ケース設置部に開閉可能に設けられた器具蓋部を構成する第一の部材を閉じた状態で、前記器具蓋部に備えるスライド可能な第二の部材を前記第一の部材に対してスライドさせて、前記第二の部材に備える爪部を複数の前記ケースの蓋に係止させ、前記器具蓋部を開けることで複数の前記ケースの蓋を開けることを特徴とする複数のケースの蓋の開閉方法。
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