JP2018532148A - 微小球を保持する膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、透明粒子を光学レンズとして用いることで超分解能ナノイメージングを実現する、新規な光学ナノイメージング方式に関する。具体的には、本発明は、微小球を保持する膜に関し、そのような膜、および超分解能ナノイメージングへのその応用にも関する。【解決手段】本発明のある態様によれば、互いに対向する第1の表面および第2の表面を有する膜が提供される。この膜は、その膜を貫通する開口部であって、微小球を保持するサイズに形成された開口部を有する。この膜において、その開口部はテーパ状であって、第1の表面上における開口部のサイズは、第2の表面上における開口部のサイズよりも大きい。【選択図】図3a

Description

本発明は、透明粒子を光学レンズとして用いることで超分解能ナノイメージングを実現する、新規な光学ナノイメージング方式に関する。具体的には、本発明は、微小球(microsphere)を保持する膜に関する。また本発明は、そのような膜、および超分解能ナノイメージングへのその応用にも関する。
光学顕微鏡(しばしば「光顕微鏡」とも呼ばれる)は、可視光とレンズ系とを用いて、小さい試料の像を拡大するタイプの顕微鏡である。光学顕微鏡は、最も古い設計の顕微鏡であり、現在の組み合わせの形は、おそらく17世紀に発明されたものである。光学顕微鏡は、基本的には非常に単純なものであり得るが、分解能と試料のコントラストとを向上させる目的で、現在では、複雑な設計のものが多数存在する。
光学顕微鏡に代わる、可視光を用いない顕微鏡としては、走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡とが挙げられる。透過された光を用いた非常に高い倍率では、点状の対象物は、回折環に取り囲まれた、不鮮明な(fuzzy)ディスクとして認識される。このようなディスクは「エアリーディスク」と呼ばれる。顕微鏡の分解能とは、互いに近接した位置にある2つのエアリーディスクを識別する能力であるといい得る。換言すれば、隣接する構造体の細部を明確かつ截然と示す、顕微鏡の能力のことである。このような回折の影響が、細部の分解能を制約する要因となる。回折パターンの範囲および大きさは共に、光の波長(λ)、対物レンズの製造に用いられた屈折性材料、および対物レンズの開口数(numerical aperture (NA))の影響を受ける。したがって、それを超えると対物レンズの視野内にある複数の点の分解が不可能になる限界(すなわち、いわゆる「回折限界」)が存在する。
光学顕微鏡の分解能をより一層向上させるべく、光学レンズのメーカー・研究者たちは、数世紀に亘り鋭意努力を続けてきた。従来の光学においては、アッベの回折限界により、分解能は入射波波長の半分に物理的に制約されるものと認識されてきたが、長年に亘る現代の技術開発の結果、分解能の限界に関して飛躍的進歩が達成された。中でも、最も有望なアプローチの1つとしては、サブ波長の表面形状(features)を透明な微小球を通して観察する方法が挙げられる。
この飛躍的進歩が、微小球イメージングの研究に対する広範な関心を生む結果となっている。これらの研究により、微小球の分解能が実証されている。一般に、微小球の機能は、与えられた試料の仮想像を、従来の光学顕微鏡によっても解像可能なサイズにまで拡大することである。微小球は、入射光をボケなく一点に集束させることが可能である。微小球を試料の表面上方に導入することにより、試料上のサブ波長の表面形状を集束光により照射し得、拡大された仮想像を人間の両目またはCCDにより形成し、獲得し得る。しかし現在の開発段階では、この技術の実験はほとんどの場合、それらの微小球を試料の上に直接載せて行われる。このようにすると様々な不都合が生じる。例えば、脆い試料が汚染されたり破壊されたりする危険性や、表面を走査することが不可能な点や、試料と微小球とを分離するのが困難な点や、最適な像面を実現することが困難な点などが指摘されよう。したがって、この分野の開発をさらに進め、実用に供し得るものとするためには、それらの微小球を試料の表面から離すことが不可欠である。
現状の粒子レンズナノイメージングは、実用化に際して、種々の基本的制約を免れ得ない。そのような制約としては、例えば、粒子レンズが対象物と直接接触することや、イメージングの速度が遅いことや、色収差により画像が歪むことなどがある。
したがって、改良された超分解能光学イメージングシステムが今求められている。
なお本願明細書において、一見したところ先行する文献を列挙したり、それについて議論したりしていても、必ずしも、その文献が技術水準または共通一般知識の一部であると認めたことにはならないことは理解されたい。
また本願明細書において参照するどの文献も、その全開示内容を参考のためここに援用する。
本発明は、微小球を超分解能イメージング用の光学素子として用いることにより、遠距離場(非近接場)におけるナノスケールの情報を復元する可能性をもたらす。本発明によるある適切な装置において、全内部反射を通じて光子を微小な透明球体内部で跳ね返らせることにより、入射光をその透明球体内にトラップさせ得る。共振により、増強されたエネルギーは、小さな窓を通してのみ出射する。この好ましい形態は、多数の興味ある用途に応用可能である。例えば、透明な微小球体が、効率のよいレーザキャビティを形成し得る。
したがって、これにより従来の光学顕微鏡と一体化されることにより、前述した問題を解決可能と考えられる、新規なレンズアセンブリチップが提供される。具体的には、そのレンズアセンブリチップは、薄い膜により保持された微小球を有する。これにより試料が汚染されたり、破壊されたりする問題を回避可能である。別の主要な効果としては、対物レンズと微小球との間に距離を設ければ、膜の上下方向位置を調整することにより、最適な像面を柔軟に検出可能であり、これにより、この実験的構成の性能を最適化できることが挙げられる。また、上記微小球と上記試料とは分離されているので、従来の顕微鏡上に設置されたステージを用いて試料を移動させるか、または膜の上に位置する微小球を移動させることにより、全表面の走査が実現可能である。加えて、製造コストも安く、組み立ても簡単であることから、本発明による設計は、商品化されている多数の顕微鏡と組み合わせて用いる有力な候補となり得る。
本発明による第1の態様によれば、互いに対向する第1の表面および第2の表面を有する膜が提供される。この膜は、その膜を貫通する開口部であって、微小球を保持するサイズに形成された開口部を有する。この膜において、上記開口部はテーパ状であって、上記第1の表面上における上記開口部のサイズは、上記第2の表面上における上記開口部のサイズよりも大きい。
ここで、「膜(membrane)」とは、上記微小球を支持し、保持するのに適した任意の薄いシート状材料のことをいう。この膜は、任意の適切な厚みを有していればよく、任意の適切な材料からなるものであればよい。したがって、互いに対向する第1および第2の表面は、それぞれ膜のどちら側の面であってもよい。この膜を貫通する開口部は、上記微小球を上記膜内に受け取り、保持することを可能にする、任意の穴、細孔、開口等であってもよい。
上記開口部の内部断面は、逆ピラミッド状であり得る。あるいは、上記開口部の内部断面は円錐台状であってもよい。
ある実施の形態において、上記膜における上記開口部はテーパ状である。すなわち、上記膜を貫通する穴のサイズは、一端から他端に向かって減少する。このような構成により、微小球を開口部の一端には挿入可能としつつ、その開口部を貫通させることは不可とし得る。したがって、微小球は開口部内に保持され得る。好ましくは、上記開口部は、4μmから50μmの間の直径を有する微小球を保持するサイズに形成され、上記第1の表面上の上記開口部のサイズは上記微小球の直径よりも大きく、上記第2の表面上の上記開口部のサイズは上記微小球の直径よりも小さい。別の実施の形態では、上記微小球の直径は、5μmから30μmの範囲内であってもよい。上記膜内の開口部は、任意の適切な方法により形成され得る。例えば、(化学的または機械的)エッチングにより形成されてもよいし、膜を打ち抜くことなどによって形成されてもよい。
ここでいう「微小球(microsphere)」とは、ミクロン台の直径を有する任意の微小な球体粒子を含む意味とする。本発明のある実施の形態において、上記微小球の直径は、約4μmから約10μmの範囲内であり得る。この用語は、マイクロ流体デバイスの基板上に用いられ得る、任意の微小球レンズアレイを備えるものとして用いてもよいし、あるいは、フォトニックナノジェットの長手方向寸法に相当する深さを有するマイクロ流体流路でナノサイズの対象物を搬送する、フォトニックナノジェット現象に基づく、光学的検出方法の一部として用いてもよい。微小球は、誘電体微小球であってもよい。本願明細書において、「微小球」を「粒子レンズ」と称することもあるが、それらは同じものを指し、相互に交換可能な名称とする。
好ましくは、試料の画像を形成するか、または試料の像を拡大する顕微鏡とともに用いる場合、その顕微鏡の対物レンズと、上記試料の表面との間に微小球が配置されたとき、上記開口部の中心軸と上記開口部の側面との間に形成される角度は、上記対物レンズの開口数よりも大きい。上記対物レンズの開口数は、それぞれの倍率について異なる。このような構成であるので、上記角度は、応用される画像形成システムにおける複数の対物レンズのうちの最高の開口数よりも大きくすることが推奨される。典型的には、大気雰囲気中でイメージングを行う場合、対物レンズの開口数は通常0.3から0.9の範囲内であり、これは17度から64度の範囲内の角度に相当する。したがって、ある実施の形態において、イメージング品質を最適化するためには、上記角度は64度よりも大きい。
本発明の一実施の形態において、上記膜の表面は、任意の適切な反射性材料で覆われる。そのような材料は、好ましくは金属である。より好ましくは、上記金属は、金、銀、クロム、アルミニウム、銅、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され得る。
好ましくは、上記膜の厚さは、上記微小球の直径以下である。
好ましくは、上記膜は、シリコン、シリカ、サファイア、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリ(エチレンテレフタレート)およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料からなる。
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による膜を備える装置が提供される。ここで、上記膜は、試料の画像を形成する目的で、顕微鏡の対物レンズと、上記試料の表面との間に上記微小球を位置決めするように構成された支持構造に結合される。
好ましくは、上記支持構造は、上記微小球を上記試料の表面上方の所定の距離に位置決めするように構成される。ある実施の形態において、上記所定の距離は、1μm未満の任意の距離である。
ある実施の形態において、上記支持構造は片持ち梁を備えるナノステージであり、上記微小球を保持する上記膜は、上記片持ち梁の遠位端に結合される。
別の実施の形態では、上記支持構造はフレームであって、上記フレームは、上記フレームの側面から上記フレームの内側空間へと延びる少なくとも1つのアームを備え、上記微小球を保持する上記膜は、上記少なくとも1つのアームに結合される。
ここで「フレーム」とは、内側空間を取り囲む境界または周縁を有する任意の構造を指すものとする。好ましくは、上記フレームは、上記フレームの互いに対向する側面のそれぞれから、上記フレームの上記内側空間へと延びる少なくとも1つのアームを備え、上記微小球を保持する上記膜は、上記互いに対向するアームの間に配置される。上記アームのそれぞれは複数のネジ山により上記フレームに取り付けられ得、上記複数のネジ山のネジ止め作用により、上記試料の表面上方の上記膜の位置を調整する。
ここで、上記支持構造は、上記微小球を、x軸方向、y軸方向、あるいはz軸方向に沿った任意の位置に位置決めするように構成される。この移動は、手動(例えばネジ山を手で回すこと)で行われてもよいし、制御ユニットにより行われてもよい。
本発明の第3の態様によれば、試料の画像を形成するシステムが提供される。このシステムは、(a)光学部品と、(b)請求項9から13のいずれか1つに記載の装置と、を備える。
ここで、「光学部品」とは、試料の画像を形成し、および/または試料の像を拡大するための任意の部品を指すものとする。そのような部品としては、例えば、顕微鏡の対物レンズが挙げられる。
本発明の第4の態様によれば、試料の画像を形成する方法が提供される。この方法は、(a)本発明の第1の態様による膜に微小球を保持することと、(b)上記微小球を上記試料の表面上方に位置決めすることと、(c)上記試料の表面に光を照射することにより、上記表面から反射された光が上記微小球を通して反射され、光学部品を通して集束されるようにすることと、(d)上記光を検出し、上記表面の像を形成することと、を有する。
好ましくは、上記微小球は、上記試料の上記表面上方、1μm未満の所定の距離に位置決めされる。
好適には、大気中における従来の顕微鏡のイメージング分解能限界(回折限界が原因で照明光波長の約半分となる)を克服するために、本発明によれば、独特の光学レンズとして作用する透明粒子を試料の表面に近接かつ非接触の状態で位置決めすることによる、新規な超分解能イメージング方式が提供される。大気中での光学ナノイメージングを実現すべく最適化された粒子レンズが設計され、実験の結果、50nmの分解能を示した。
さらに、顕微鏡観察実験においては、ほとんどの場合、微小球の位置を操作する能力も重要である。現行の方法は、複雑であり、大型の設備を必要とする。この問題を解決するために、本発明によれば、従来の光学顕微鏡の大半に組み込み可能であり、低コストかつ高効率に超分解能を実現する顕微鏡があらかじめ一体化された、場所を取らない、顕微鏡付属部品が実現される。
したがって、本発明によれば、以下の方法により、現行の技術が直面する問題が解決される。
1)粒子レンズホルダおよびそのナノ操作システムを、対象物との物理的接触を避けるように設計することにより、ユーザにやさしいナノスコープが構築される。
2)上記粒子レンズナノスコープは、照明光が広い範囲の波長を有することにより歪んだ画像の情報をフィルタリングにより除去するために、レーザ光源と結合される。このような照明光では、それぞれの波長において、画像が生成され、その画像はCCDカメラにより撮像される。これらの画像が互いにオーバーラップすることにより、CCD上で観察される複合画像を形成する。そのような複合画像は歪んでいる可能性があるが、レーザ光源を用いれば、波長範囲は狭くなるので、画質が向上する。
以下、本発明を十分に理解し、容易に実行可能なものとするために、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態のみをあくまで例示を目的として説明する。
図1(a)は粒子レンズナノスコープの物理的作用を示す図であり、図1(b)は撮像される50nm分解能画像を示す図であり、図1(c)は互いに異なる屈折率を有する複数の粒子レンズによる光エネルギー増強を示す図である。 図2(a)は、レンズホルダの単一の穴を示すSEM像であり、図2(b)は内側に微小球を有する穴を示すSEM像である。 図3(a)は、本発明の一実施の形態による微小球保持膜を示す断面図である。 図3(b)は、本発明の一実施の形態による装置を用いた、微小球援用ナノスコープの構成を示す図である。 図4(a)は、直径200nm、周期700nmを有するナノドットアレイからなる、LIL技術により製造された試料を示す図であり、図4(b)は、本発明の一実施の形態による、直径10μmの微小球により分解された像を示す図である。 図5(a)は、本発明の一実施の形態による装置を一体化した従来の光学顕微鏡の構成を示す全体像である。 図5(b)は、本発明の一実施の形態による装置を一体化した従来の光学顕微鏡の構成を示す全体像である。 図6はレンズアセンブリチップを示すSEM像である。図6(a)は内側に微小球を有する穴を、図6(b)は微小球を有さない穴を示す。 図7は、試料表面上の微小球の走査経路を示す図である。 図8は、微小球により得られた試料のSEM像および光学像を示す図である。 図9は、試料表面上方の微小球ナノスコープの走査プロセスを示す図であり、非接触イメージングモードを示す図である。
本発明によれば、微小球粒子レンズを用いることにより、対象物を仮想像へと拡大した後、その拡大した仮想像を従来の顕微鏡で撮像することが可能になる。これにより、大気中でリアルタイムに画像のバイオ分子や材料のクラックの画像を形成する新しい機会が提供される。
ナノイメージングにおける回折限界の問題は、遠距離場においてはエバネッセント波が失われることに起因する。エバネッセント波は、対象物の高空間周波数サブ波長情報を有するが、距離が増加するにつれて指数関数的に減衰する。本発明は、微小球を超分解能イメージング用の光学素子として用いることにより、遠距離場におけるナノスケールの情報を復元する可能性をもたらす。本発明によるある適切な装置において、全内部反射を通じて光子を微小な透明球体の内側で跳ね返らせることにより、入射光をその透明球体内にトラップさせることができる。共振により、増強されたエネルギーは、小さな窓を通してのみ出射する。この好ましい形態は、多数の興味ある用途に応用可能である。例えば、透明な微小球は、効率のよいレーザキャビティを形成し得る。
本発明によれば、微小球(粒子レンズ)を従来の顕微鏡と結合することにより、50nmの分解能における飛躍的な技術的進歩が達成される。粒子レンズを遠距離場スーパーレンズとして用いることにより、白色照明下における50nm(λ/8)超分解能イメージングが実現される。微小球は、近接場画像情報を遠距離場へと伝達する最適な候補であることが示されている。これは回折限界に対処する際のキーポイントである。倍率はレンズの材料(屈折率)とサイズとに依存する。本発明によれば、光のエネルギーは、散逸することなく、微小な領域内に閉じ込められる。これは近接場走査型光学顕微鏡(near-field scanning optical microscope (NSOM))等の技術に比べて、はるかに優れた点である。本発明による適切な装置において、この粒子レンズナノスコープは、透過モードおよび反射モードの両方で動作可能であるので、大気中のウイルスや分子を生体内(in-vivo)で観察する際の自由度を高める。
図1aは、微小球(粒子レンズ)ナノスコープの物理的作用を示す図である。図1aにおいて、画像形成または像拡大の対象物である試料は、従来の顕微鏡の光学部品(例えば対物レンズ)の下のステージ上に載置される。ここで、複数の微小球が試料/対象物の表面上に載置される。図1bは、撮像される50nm分解能画像の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。図1cは、この粒子レンズナノイメージングの物理的作用が、光がその粒子レンズを透過する際の、近接場における光エネルギー増強に起因することを示す。本発明者たちが前回行った研究では、SiO粒子レンズ(光学領域における屈折率は1.4程度)を用いた。基本的には、より高い屈折率を有する新規な粒子レンズを設計することにより、視野の増強と集光スポットの小型化が実現される。これは、特に幾何学的光学近似により光線追跡を行う場合、2に近い屈折率を有する材料についていえることである。サファイア粒子レンズがその有力な候補(屈折率は1.8程度)となる。本発明によれば、これらの材料からなる粒子レンズは、現行のイメージング能力を20nmにまでさらに下げることができる。
2.0を超える屈折率を有する粒子レンズの設計が研究されている。それは近接場におけるそのエネルギー局在化が一層顕著であるからである。この新しいアプローチによれば、白色照明下に20nmの分解能が達成可能であることが示される。しかしこれには技術的な問題がある。図1cは、その焦点が球体内で縮小することを示す。したがって、この粒子レンズは、イメージング用途ではその焦点がレンズの外側になるように、一部が切り取られて部分球体となる。
一方、粒子レンズのサイズもまた、その集束を決定する要因となる。図2は、その内側に直径10μmの微小球を収めた、レンズホルダの単一の穴を示す。レンズのサイズと、その集束能力との関係を研究するために、20nmの分解能を有する粒子レンズナノスコープの設計および実験のガイドラインとして、理論的研究が広く行われている。本発明では、高等光学ではめったに研究されることのない、光学メソ領域(optical meso-field)において集束する光の物理的作用の事例が豊富に得られている。この独特の領域においては、エバネッセント波と伝搬波の両者が光学的な遠距離場と近接場との間に存在する。
図3aは、本発明の一実施の形態による微小球粒子レンズを支持し、保持する膜を示す。膜5は、シリコン、シリカ、サファイア、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリ(エチレンテレフタレート)およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から構成され得る。具体的には、膜5は互いに対向する2つの表面(すなわち第1の表面10および第2の表面15)を有する。あるいは、第1の表面10および第2の表面15は、単に膜5の上面および下面であってもよい。開口部20が膜5を貫通して設けられ、微小球25を保持するサイズに形成される。膜5の断面図から分かるように、開口部20はテーパ状である。すなわち、第1の表面10上における開口部のサイズは、第2の表面15上における開口部のサイズよりも大きい。この構成により、開口部20は微小球25を受け取り、保持することができる。ある実施の形態において、開口部20の断面は逆ピラミッド状である。別の実施の形態では、開口部20の断面は円錐台状である。
本発明の一実施の形態では、微小球の直径は、4μmから50μmの範囲内にあってもよい。このような構成では、開口部20は、好ましくは、そのような微小球を受け取り保持するサイズに形成され得る。すなわち、第1の表面10上の開口部20のサイズは微小球25の直径よりも大きく、第2の表面15上の開口部20のサイズは微小球25の直径よりも小さい。膜5の厚さは、微小球25の直径以下であってもよい。
試料30の画像を形成する目的で、顕微鏡の対物レンズと、試料30の表面との間に微小球が配置されたとき、開口部20の中心軸(図面には示されていないが、入射光と平行に伸びる軸)と開口部20の側面(開口部20の傾斜した側面)との間に形成される角度は、対物レンズの開口数よりも大きい。試料30は、ステージ35上に配置され得る。
膜5の表面は、反射層40で覆われてもよい。例えば、膜5の表面を金属層で覆ってもよい。任意の適切な金属を用いればよいが、ある実施の形態では、金属材料として、金、銀、クロム、アルミニウム、銅、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを用いてもよい。
本発明によれば、実用に供する粒子レンズナノスコープを開発する目的で、非接触モードで上記粒子レンズを操作し、試料表面からのその距離を調整するように、動的光学制御システムが構成される。粒子レンズのサイズは典型的には数ミクロンである。したがって、粒子レンズと、図3aに示す対象物との間の距離を精度よく制御することが非常に重要である。本発明では、粒子レンズホルダは、複数の逆ピラミッドをシリコンウエハ表面にエッチングにより形成した後、金属層で被覆し、その後、粒子レンズをウエハ上に載せることで製造される。次に、レンズアセンブリをナノ位置決めステージ上に設置し、対象物の鮮明な像を得る焦点合わせを可能とすべく、レンズ位置の微調整を柔軟に行う。試料は、XYZピエゾステージ上に載置され得る。このステージにより、試料と粒子レンズとの間に距離を保つことができる。試料は、その全表面の画像を形成する目的で走査される。
本発明の別の態様によれば、膜5は、試料30の画像が形成される際に、顕微鏡45の対物レンズと、試料30の表面との間に微小球5を位置決めするように構成された支持構造に結合され得る。この支持構造により、微小球を試料30の表面上方の所定の距離に位置決めすることが可能になる。具体的な実施の形態において、所定の距離は1μm未満である。
図3bに示すように、支持構造はブリッジまたは片持ち梁55を備えるナノステージ50であり得、微小球25を保持する膜5は、片持ち梁55の遠位端60に結合される。ナノステージ50により、片持ち梁55をx軸方向、y軸方向およびz軸方向に移動させることが可能になる。
別の実施の形態では、図5bに示すように、支持構造は従来の光学顕微鏡と一体であってもよい。その場合、支持構造はフレーム65を備える。フレーム65は、フレーム65の側面からフレーム65の内側空間Aへと延びる少なくとも1つのアーム70を備え、微小球25を保持する膜5は少なくとも1つのアーム70に結合される。図5bに示すように、フレーム65は、フレーム65の互いに対向する側面のそれぞれから、フレーム65の内側空間Aへと延びる少なくとも1つのアーム70を備え、微小球25を保持する膜5は、互いに対向するアーム70の間に配置される。これらのアームは金属製であり得る。したがってこれらのアーム70は、膜5をx軸方向、y軸方向またはz軸方向の任意の位置に移動させること(3次元の移動)を可能にする。
図5aは、そのような一体型顕微鏡の斜視図を示す。
支持構造は、金属製アーム70を介して対物レンズの鏡筒に安定して取り付け可能であり、試料30と対物レンズ45との間に配置可能である。これにより、遠距離場の超分解能イメージングが実現可能となる。これにより、遠距離場の超分解能イメージングが実現可能となる。ある実施の形態では、微小球25を保持する膜5は、4本の薄い金属製バー70により保持される。微小球25がフレーム65内で移動できる範囲は狭い。x軸方向、y軸方向およびz軸方向における膜5の移動を精度よく制御する電気制御器がこのチップ(膜5)に連結される。この設計により、微小球25と試料30とを相対的に意のままに移動させることが可能になる。これはイメージングプロセスに有益である。微小球25と対物レンズ45との位置合わせが完了した後、試料30の位置を調整することにより、試料30表面の走査を実行可能である。これにより、関心領域の像を高い分解能で形成可能となる。
上記複数のアーム70は複数のネジ山75によりフレームに取り付けられ、これらのネジ山のネジ止め作用により、試料30の表面上方の膜5の位置を調整する。
次に動作方法について説明する。膜の寸法およびその端部は、異なる複数の対物レンズ45間の切り替えに干渉しないように特別に設計される。微小球25を試料30の垂直方向上方に配置するために、4本の薄い金属製バー70が膜25の各端部に接続されることで、微小球25の位置を精度よく制御する。微小球25をy軸方向に移動させるためには、それらの金属製バー70が、ナノステージから与えられる機械的な力により水平方向に動かされることにより、ネジ山75を回転させ得る。微小球25はまた、フレーム65の下層80に沿って金属製バー70を動かすことにより、x軸方向にも移動可能である。下層80もまた、電気制御器により制御される。いったんレンズアセンブリチップを顕微鏡へと取り付けると、フレーム65の表面層85の位置が固定されるが、フレーム65の下層のz軸方向位置は依然調整可能である。微小球25のz軸方向位置は、フレーム65の下層80と表面層85との間の間隙を微調整することにより制御される。
光学的超分解能イメージングを行う際には、レンズアセンブリチップを従来の光学顕微鏡に一体化した後、ユーザは、膜5が対物レンズ45の直下にないか確かめる必要がある。これは、微小球25が通常のイメージングプロセスに干渉しないか確かめる必要があるからである。次のステップは、試料30を顕微鏡の台(load)の上に載置することである。
低倍率対物レンズから徐々に高倍率対物レンズへと切り替えるやり方は、従来のイメージングプロセスと同様である。唯一の違いは、ユーザが関心領域を特定し、対物レンズを切り替えた後に生じる。このとき、微小球25を保持する薄膜5が、電気制御器により、対物レンズ45と試料30との間の間隙の中にゆっくりと挿入される。微小球25が関心領域の真上にあることを確認した後、z軸方向の移動を制御することにより、微小球25の焦点面を調整可能であり、これにより最適な画像を獲得可能である。このようにして、拡大された画像がコンピュータにより記録されるが、その画像はオリジナルの光学顕微鏡の分解能限界を超えている。またこのレンズアセンブリチップは、電気的にも手動ででも制御可能であるので、個々のニーズに合わせて自由に動かすことが可能になる。3次元(x、yおよびz)による基本的移動は、この薄型チップの機能性を保証するように行われるべきである。像面を確実に撮像可能とするためには、膜の最大移動幅は、z軸方向において1μm未満であるとよい。さらに多くの次元が利用可能な場合、実験における異なる複数の要件を満たすように、このチップを傾けたり、回転させたりしてもよい。そのような要件としては例えば、ステージの較正や、微小球と試料との間の平行度等が挙げられる。
このような構成であるので、この膜およびその支持構造を、従来の顕微鏡と併せて用いることにより、対象物または試料の画像を形成する、またはその像を拡大するシステムが提供される。したがって、要約すれば、本発明によれば、試料の画像を形成する方法が提供される。この方法は、(a)膜5に微小球25を保持することと、(b)微小球25を試料30の表面上方に位置決めすることと、(c)試料30の表面に光を照射することにより、表面から反射された光が微小球25を通して反射され、光学部品(例えば対物レンズ45)を通して集束されるようにすることと、(d)光を検出し、試料30の像または試料30の表面の像を形成することと、を有する。
本発明によれば、粒子レンズの収差に起因する画像歪の問題に対処するために、粒子レンズナノスコープを、レーザ光源や短波長LED光源と結合してもよい。入射光ビームは、従来の顕微鏡レンズと粒子レンズとを透過した後、対象物を照射する。粒子レンズは対象物の拡大された仮想像を形成する。その像は顕微鏡のレンズで収集される(collected)。
図4には、ナノスコープを用いたイメージングの実験結果が示される。直径200nm、周期700nmのナノドットアレイを有するようにパターン化された試料が観察される。微小球下の画像には、約6倍の倍率で顕著な向上が見られる。
本発明によれば、レーザが、エッジにおける画像情報の歪をフィルタリングにより除去する。したがって、PMTが中央部の画像情報のみを収集する。これにより、対象物の表面を走査することにより、200nmの分解能を有する高画質画像を得ることができる。また、従来の走査型レーザ共焦点顕微鏡(scanning laser confocal microscope (SLCM))を用いて波長408nmの光で照射した場合、微小球による直接の光学的超分解能イメージングが25nmに達し得ることが報告されている。
2D画像の分解能向上にとどまらず、このレーザ粒子レンズナノスコープを用いた、3Dイメージングの研究も行われる。ナノステージの調整を通して粒子レンズの位置を精度良く微調整することにより、レーザビームを試料における異なる複数の層に集束させ、一連の2D高分解能画像を得ることができる。本発明によれば、画像復元を通してこれらの2D画像を結合することにより、3D画像が得られる。
図6(a)および図6(b)に示すように、直径10μmの微小球25が、同じ直径を有して形成された穴の中に配置される。微小球25のエッジが開口部20の側壁と密着していることが分かる。摩擦力により、微小球25は開口部20内に定着しており、膜5と共に移動可能である。4μmから50μmの範囲内の直径を有する、異なる複数の微小球を光学顕微鏡イメージング実験で適用可能である。微小球25がその直径と同一の寸法を有する開口部20内にトラップされることにより、輸送時や、イメージングのための移動時に確実に安定化させることが可能になる。異なる複数の試料のイメージングに関しては、ここで設計されたレンズアセンブリチップを用いて、反射モードおよび透過モードの両方を利用可能である。本発明によれば、市販されている従来の光学顕微鏡の大半を、100nmよりも小さい分解能を有するナノスコープへと高い自由度でアップグレード可能である。これにより、分解能の顕著な向上が比較的安価に実現可能となる。
この構想を検証するために、微細な表面形状を74nmのサイズで分解する能力を有する、高屈折率微小球25を用いた遠距離場超分解能イメージングを実際に行った。微小球の屈折率は、約20μmの直径で1.9である。より高い分解能を実現するためには、微小球および大気間の屈折率比は1.4程度であるのが望ましい。それぞれ異なる屈折率を有する複数の微小球を慎重に選ぶ必要がある。また、微小球の直径は、分解能および視野にも影響を及ぼすことにも留意されたい。この実地実験では、微小球はガラス基板上に配置され、3次元ナノステージにより制御される。光学顕微鏡は、白色照明を用いた、従来の直立顕微鏡である。この実地実験では反射モードを用いる。図7に示すように、微小球を、試料表面上方の設計された経路に沿って動かす。したがって、大型の試料の場合でも、微細な分解能が実現可能である。
この光学顕微鏡の超分解能を実証するために、設計された表面形状を有する複数の試料を作成する。図8(a)に示すように、この実験では、98nmのサイズおよび74nmもの微小なサイズを有する、異なる複数の構造を適用する。微小球を試料表面の上方約2μmに配置すると、図8(b)に示すように鮮明な画像が観察され得る。試料上の微細な表面形状が、微小球ナノイメージングを通して明確に識別可能となる。この実験によれば、微小球を対物レンズと試料との間に配置することにより、高い分解能が達成可能であることが実証できる。さらに重要なことに、この微小球は試料と接触していない。したがって、イメージングプロセスを通して、微小球を自由に移動させ、自由度の高い走査を実現することが可能になる。またこれにより試料を汚染から守ることにもなる。
微小球ナノスコープの走査モードを実地検証する目的で、図7に示すように設計された移動を記録し、図9のようなビデオチップを示す。微小球はガラス基板により担持し、試料表面上方に配置する。移動速度および試料上方の距離は、ナノステージにより制御可能である。最適な観察窓は、微小球の中心に位置する。そこでは、球面収差の最小になるからである。移動の最小幅は、ナノステージにより決定される。このような設定で高い性能を得るためには、移動幅は1μm未満であることが好ましい。
要約すると、本発明は、微小球を援用して50nmの構造体を観察し得る、新規なナノスコープを実現可能とする。さらに、試料と微小球との間に間隙を設けることにより、この非物理的接触モードイメージング方法によれば、さまざまな効果が得られる。例えば、脆い試料が破損することは無く(すなわち生体試料にやさしく)、最適な焦点面が検出可能であり、全表面を高速に走査することが可能になるとともに、(共焦点顕微鏡やNSOMと比べて)分解能を高め、コストを大幅に低減したレーザ光源も実現可能である。
従来の光学顕微鏡には、回折限界が入射波波長の約半分になるという問題がある。その結果、達成可能な分解能は、最高でも200nm程度であった。これに対して、本発明は、光学顕微鏡の超分解能を高い自由度で実現する手段を提供するものであり、これにより100nm未満の分解能(25nmにも達し得る)を達成可能とする。現行の方法によれば、このような分解能を達成するには高いコストと厳しい条件が必要になるが、本発明を実用に供することにより、製造コストを低減し、実験の手順を簡素化することが可能になる。これらもまた本発明の主要な効果に含まれる。
その他の主要な特徴としては、次のようなものが挙げられる。
・ 微小球(粒子レンズ)を従来の顕微鏡と結合することによる、光学的超分解能ナノイメージング方式の実現。
・ 光学レンズとして作用する微小球(粒子レンズ)が、試料表面に近接してはいるが、物理的には接触していないモードで位置決めされること。
・ 試料から距離を置いて位置決めされた微小球を制御するように設計されたレンズアセンブリが提供されること。
・ 粒子レンズアセンブリをナノ位置決めステージ上に設置することにより、対象物の鮮明な像を得る焦点合わせを実現する、レンズ位置の微調整を高い自由度で行うこと。
・ 粒子レンズナノスコープは、白色光源、LED光源またはレーザ光源のいずれにも結合可能であること。
・ 入射光ビームは従来の顕微鏡レンズおよび粒子レンズを透過した後、対象物を照射すること。粒子レンズは対象物の拡大された仮想像を形成し、その像が顕微鏡レンズにより収集されること。
・ 試料と微小球との間に間隙を設けることにより、この非物理的接触モードイメージング方法によれば、脆い試料が破損することは無く(すなわち生体試料にやさしく)、最適な焦点面が検出可能であり、全表面を高速に走査することが可能になるとともに、分解能を高め、コストを大幅に低減した、白色光源、LED光源またはレーザ光源が実現可能であること。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、設計または構成の細部については、本発明の範囲から外れることなく、さまざまな変形や改変を施すことが可能であることは、当該技術の通常の知識を有する者には理解可能であろう。

Claims (21)

  1. 互いに対向する第1の表面および第2の表面を有する膜であって、
    前記膜を貫通し、微小球を保持するサイズに形成された開口部を有する、膜において、
    前記開口部はテーパ状であって、前記第1の表面上における前記開口部のサイズは、前記第2の表面上における前記開口部のサイズよりも大きい、膜。
  2. 試料の画像を形成する目的で、顕微鏡の対物レンズと、前記試料の表面との間に前記微小球が配置されたとき、前記開口部の中心軸と前記開口部の側面との間に形成される角度は、前記対物レンズの開口数よりも大きい、請求項1に記載の膜。
  3. 前記角度は64度よりも大きい、請求項2に記載の膜。
  4. 前記開口部の内部断面は円錐台状である、請求項1から3のいずれか1つに記載の膜。
  5. 前記膜の表面は金属で覆われている、請求項1から4のいずれか1つに記載の膜。
  6. 前記金属は、金、銀、クロム、アルミニウム、銅、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されるいずれか1つである、請求項5に記載の膜。
  7. 前記開口部は、4μmから50μmの範囲内の直径を有する微小球を保持するサイズに形成され、前記第1の表面上の前記開口部のサイズは前記微小球の直径よりも大きく、前記第2の表面上の前記開口部のサイズは前記微小球の直径よりも小さい、請求項1から6のいずれか1つに記載の膜。
  8. 前記膜の厚さは前記微小球の直径以下である、請求項7に記載の膜。
  9. 前記膜は、シリコン、シリカ、サファイア、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリ(エチレンテレフタレート)およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料からなる、請求項1から8のいずれか1つに記載の膜。
  10. 請求項1から9のいずれか1つに記載の膜を備える装置であって、
    前記膜は、前記試料の画像を形成する目的で、顕微鏡の対物レンズと、前記試料の表面との間に前記微小球を位置決めするように構成された支持構造に結合される、装置。
  11. 前記支持構造は、前記微小球を前記試料の表面上方の所定の距離に位置決めするように構成される、請求項10に記載の装置。
  12. 前記所定の距離は1μm未満である、請求項10または11に記載の装置。
  13. 前記支持構造は片持ち梁を備えるナノステージであり、前記微小球を保持する前記膜は、前記片持ち梁の遠位端に結合される、請求項10から12のいずれか1つに記載の装置。
  14. 前記支持構造はフレームであって、前記フレームは、前記フレームの側面から前記フレームの内側空間へと延びる少なくとも1つのアームを備え、前記微小球を保持する前記膜は前記少なくとも1つのアームに結合される、請求項10から12のいずれか1つに記載の装置。
  15. 前記フレームは、前記フレームの互いに対向する側面のそれぞれから、前記フレームの前記内側空間へと延びる少なくとも1つのアームを備え、前記微小球を保持する前記膜は、前記互いに対向するアームの間に配置される、請求項14に記載の装置。
  16. 前記アームのそれぞれは複数のネジ山により前記フレームに取り付けられ、前記複数のネジ山のネジ止め作用により、前記試料の前記表面上方の前記膜の位置を調整する、請求項15に記載の装置。
  17. 前記支持構造は、前記微小球を、x軸方向、y軸方向、あるいはz軸方向に沿った任意の位置に位置決めするように構成される、請求項10から16のいずれか1つに記載の装置。
  18. 試料の画像を形成するシステムであって、
    (a)光学部品と、
    (b)請求項10から17のいずれか1つに記載の装置と、
    を備える、システム。
  19. 試料の画像を形成する方法であって、
    (a)請求項1から9のいずれか1つに記載の膜に微小球を保持することと、
    (b)前記微小球を前記試料の表面上方に位置決めすることと、
    (c)前記試料の表面に光を照射することにより、前記表面から反射された光が前記微小球を通して反射され、光学部品を通して集束されるようにすることと、
    (d)前記光を検出し、前記表面の像を形成することと、
    を有する、方法。
  20. 前記微小球は、前記試料の前記表面上方、1μm未満の所定の距離に位置決めされる、請求項19に記載の方法。
  21. 実質的に、上記実施例のいずれか1つ、または添付図面のいずれか1つを参照して本願明細書中で既に記載したとおりの膜、装置、システムあるいは方法。
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