JP2018531714A - 真空掃除機の床ノズル - Google Patents

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Abstract

本発明は、ハウジング(3)と、真空掃除機(1)のファンと接続するために前記ハウジング(3)内に配置された吸引チャネル(4)とを有する真空掃除機(1)の床ノズル(2)に関し、吸引チャネル(4)がアクチュエータ(6)によって硬質床位置からカーペット床位置に、そしてその逆に変位可能である。床ノズル(2)を硬質床位置からカーペット床位置に、そしてその逆に変位させるための別の機構を有する床ノズル(2)を実現するために、吸引チャネル(4)がハウジング(3)に対して変位可能であることが提示される。
【選択図】図3

Description

本発明は、真空掃除機の床ノズルに関し、真空掃除機は、ハウジングと、真空掃除機のファンに接続するためにハウジング内に配置された吸引チャネルとを有し、吸引チャネルが、アクチュエータによって硬質床位置からカーペット床位置に、そしてその逆に変位可能である。
上述したタイプの床ノズルは公知である。これらは、ベースユニットのアタッチメントのように配置されるか、又は、真空掃除機とは別個の部品として配置されることができる。真空掃除機は、吸引専用又は吸引と拭きの双方用のいずれかで構成されている。真空掃除機は、ユーザにより手動で移動させるか、又は、例えば掃除ロボットとして自律走行させることができる。
多様な種類の床材において均一で最適な掃除の成果を確保するために、各種類の床に対して床ノズルを可逆的に調整することが知られている。例えば、硬質床に対する床ノズルの位置は、カーペット床又はカーペットに対する位置とは異なる。例えば、それらの位置は、吸引チャネルに繋がる吸引口と掃除対象面との間の距離が変更される点において異なる。硬質床位置においては、床ノズルは通常、例えば剛毛要素及び/又はシールリップ等のシール要素を介して掃除対象面上に起立し、それにより吸引口と掃除対象面との間の距離を形成し又は距離を大きくする。このことは、硬質床を擦ることを防止する。カーペット床位置においては、吸引口は通常、掃除対象面の近傍にあり、それにより吸引口とカーペット床又はカーペットとの間の距離が小さくなる。
例えば、特許文献1は、床ノズルを開示しており、それによれば床ノズル上に配置された剛毛ユニットが、床カバーリングのタイプに応じて変位する結果、床ノズルのハウジングもまた掃除対象面に対して同時に降下したり上昇したりする。剛毛ユニットはエアベローズと接続されており、エアベローズは、硬質床の場合に剛毛ユニットをハウジング外郭より外側に延在させると共に、カーペット床の場合は剛毛ユニットをハウジングの中に後退させる。エアベローズは、床カバーリングのタイプに応じて開いたり閉じたりするバルブを設けられ、それをトリガーとしてエアベローズが伸張したり収縮したりする。
国際公開第2011/007160号パンフレット
上述した従来技術から進展させるべく、本発明の目的は、硬質床位置からカーペット床位置に、そしてその逆に床ノズルを変位させるための別の機構を有する床ノズルを提供することである。特に、床ノズルを変位させるために必要な力が低減される。
上記の目的を達成するために、吸引チャネルがハウジングに対して変位可能であることが提示される。
本発明によれば、吸引チャネルをハウジングに対して変位させることによって、床ノズルが床カバーリングのタイプに対して調整される。従って従来技術とは異なり、吸引チャネルを動かすためにもはやハウジング自体が変位する必要がなく、従って特に、吸引チャネルにおける床上で終端する吸引口の面が、掃除対象面に対してより近くなる。これにより、硬質床位置からカーペット床位置に、そしてその逆に、潜在的により小さい力で変位することが可能となる。
好適には、ハウジングが上方及び/又は側方から吸引チャネルを囲んでいる。吸引口は、吸引チャネルの変位位置に応じて、必要であればハウジングを超えて下方に突出することができる。ハウジングがあるので、真空掃除機のユーザは、吸引チャネルの変位プロセスを見ることはできない。
アクチュエータを稼動させることにより吸引チャネルがハウジングに対して変位可能、特に旋回可能であるように、吸引チャネルが、伝動装置を用いてアクチュエータと接続されることが提示される。このために、吸引チャネルがハウジング上に装着されており、例えば、床ノズルの走行輪の回転軸に対応する旋回軸上に変位可能に装着されている。硬質床位置では、吸引チャネルがハウジングの中に移動させられることが有利であり、それによって吸引口がハウジングの外郭から突出せず、又は少なくとも剛毛ユニットの面を超えて突出しないので、例えばどのように繊細な硬質床カバーリングも引っ掻くことができない。カーペット床位置では、少なくとも吸引口の端部領域がハウジングから外に出るように旋回すること、すなわちおそらくは剛毛ユニットの面を超えて旋回することが有利であり、それによって、吸引口がカーペット床上に載置される。吸引チャネルはアクチュエータを用いて変位させられ、その場合、アクチュエータを変位させ又は動かすと同時に吸引チャネルの変位も生じさせる、特に吸引チャネルの旋回軸周りの旋回も生じさせるように、吸引チャネルがハウジングと接続されている。ここで、床ノズルをカーペット床位置から硬質床位置に切り替えるために印加される力をできるだけ小さく維持するために、ハウジング上の吸引チャネルの旋回軸と、掃除対象面に接触することになる吸引口との間にできるだけ大きい距離を維持することが重要である。その結果、必要な力は、剛毛ユニット又は床ノズルハウジングを掃除対象面に対して実質的に垂直に変位させる場合に比べて、より小さくなる。さらに、そのタイプの伝動装置は、必要な力を変えることができる。これについては、後でより詳細に説明する。
アクチュエータがバネを設けられており、その復元力が吸引チャネルの好適位置の方に向けられていること、特に吸引チャネルがハウジングの中に変位した硬質床位置の方に向けられることがさらに先ず提示される。従って、アクチュエータが稼動していないときであっても、吸引チャネルは常に予め規定された位置にあり、特に好適位置にある。この好適位置は、基本的に、吸引チャネルの硬質床設定又はカーペット床設定のいずれかとすることができるが、好適位置は硬質床位置とすることが有利であり、その位置では吸引チャネルはハウジングの中に変位しており、従って吸引口はハウジングの外郭を超えて突出していない。もし突出したならば繊細な床カバーリングが損傷するおそれがある。硬質床位置では、床ノズルが、剛毛要素及び/又はシールリップにより起立することが有利であり、それによって床カバーリングと床ノズルのハウジングとの間に十分な距離が形成される。バネの復元力が、旋回機構の構造的条件及び吸引チャネルの重量に対して調整されることによって、アクチュエータが稼動していないときにバネの復元力のみによって吸引チャネルが床カバーリングから上昇し、ハウジングの中に変位することが有利である。
アクチュエータがエアベローズを有することが提示される。このエアベローズは、圧力により膨張し又は排気により収縮することができ、その際、エアベローズに接続された吸引チャネルが変位し、すなわち旋回する。エアベローズの直線運動がここでは吸引チャネルの旋回運動に変換される。エアベローズに替えて、アクチュエータがサーボモータ、ソレノイド等を有することもできる。上述したバネは、それぞれのアクチュエータに設けられることが有利である。例えばエアベローズの場合、これをエアベローズに同心状に配置された螺旋バネとすることができる。しかしながら、カーペット位置から硬質床位置への吸引チャネルの旋回を生じさせる十分なバネ変形を付与するようなその他のバネもまた可能である。
エアベローズがバルブを設けられていること、特に、掃除対象面のタイプに応じて稼動可能であるように吸引チャネルに配置されたバルブを設けられていることが提示される。バルブを稼動させることにより、エアベローズは、空気圧力を印加される又は排気されることによって膨張又は収縮する。このためにバルブが、ファンに接続されたエアチャネルに配置されていること、特に床ノズルの吸引チャネルに配置されていることが有利である。吸引チャネルは、いずれにしても真空掃除機のファンに接続されているので、バルブを開くことによりエアベローズは吸引チャネルを介して排気されることができ、それによりエアベローズを収縮させることによって吸引チャネルを掃除対象面上に降下させる。この位置が吸引チャネルのカーペット床位置に対応する。バルブが再び閉じられたとき、エアベローズが周囲の空気により通気され、そしてエアベローズに設けられたバネの復元力に補助されて膨張することが有利である。それによって吸引口が掃除対象面から上昇する。この位置が吸引チャネルの硬質床位置に対応する。
バルブは、自動的に稼動可能であることが好適である。例えば、バルブが制御装置に流体的に接続されており、制御装置が現在の掃除対象面のタイプに応じてバルブを稼動させる。このために、床ノズルは、床センサを有することができ、床センサは掃除対象面のタイプを検知して計測結果を制御装置に伝送する。それに対応して制御装置がバルブの稼動を制御する。例えば、床センサは、対応する画像処理ソフトウェアを備えたカメラチップ、超音波センサ、触覚センサ、接点スイッチ等である。バルブは、計測結果に応じて稼動する。ここでは機械的手段によって特に簡易に、又は電気的若しくは磁気的手段によっても稼動を生じさせることができる。好適には稼動が自動的に生じることによって、床ノズルのユーザがバルブを手動で切り替える必要がない。しかしながら、ユーザが手動で(例えばフットスイッチにより)バルブを稼動させることによってエアベローズの通気又は排気を開始することも同様に可能である。
床ノズルの伝動装置は、ハウジングに変位可能に配置されたガイドリンクを有し、それに対して吸引チャネルの係合要素が係合する。例えばエアベローズであるアクチュエータと吸引チャネルとの間にガイドリンクを挿入することにより、旋回に必要な力を、特にカーペット床位置から硬質床位置に旋回するための力を、大きく低減することができる。その結果、旋回に必要なアクチュエータを小さくすることができ、例えばより小さい直径をもつエアベローズや、より低い出力のサーボモータ等を用いることができる。一方ではこのことがアクチュエータの構造設計をより小規模とすることができ、そのことが全体として床ノズルの軽量化と小型化に寄与する。吸引チャネルとガイドリンクとは、吸引チャネルの係合要素を用いて連結され、その係合要素はガイドリンク内に係合し、ガイドリンクが変位すると係合要素もハウジングに対して変位する。ガイドリンクは、吸引チャネルがカーペット床位置から硬質床位置に上昇するための対応する傾斜をもつガイド面を有し、それに沿って吸引チャネルの係合要素がスライド可能である。ここでは、例えばアクチュエータに設けられたスプリングの復元力と組み合わされたアクチュエータの復帰動作によって、ガイドリンクの傾斜と連係して、吸引チャネルが掃除対象面から上昇させられる。その傾斜により係合要素が掃除対象面から連続的に離れることによって、吸引チャネルもまた上昇することとなる。吸引チャネルもまた床ノズルのハウジングに旋回可能に装着されているので、てこの作用により克服されるべき力が低減される。
ガイドリンクは、通常の吸引動作中の床ノズルの向きにおける掃除対象面に対して実質的に平行に変位可能であること有利である。その結果、ガイドリンクが実質的に水平に変位可能であることによって、ガイドリンクを変位させるために印加される力が最小限とされる。従ってアクチュエータは、水平方向において、ガイドリンクを自身の方に引き寄せ、又は、膨張中に自身から離れるように押すことが有利である。
ガイドリンクは、アクチュエータに向かう変位方向において係合要素にとって下り坂となるガイド面を有することによって、係合要素が、通常の吸引動作中の床ノズルの位置における掃除対象面に向かって変位することができる。ここでは、床ノズルハウジングに対する係合要素の動作において、係合要素が実質的に掃除対象面に対して垂直に変位する、すなわちガイドリンクの変位方向に対して実質的に垂直に変位することが有利である。例えば、ガイド面は、ガイドリンクに形成された長孔により設けることができ、その中に係合要素が係合する。従って、係合要素は一方ではガイドリンクと連結され、他方ではハウジングガイドと接続される。ガイドリンクが変位したとき、係合要素が上り坂又は下り坂のガイド面に沿って移動することによって、ハウジングガイドの内側における係合要素の垂直変位を生じさせる。これが同時に、吸引チャネルの所望する垂直変位を生じさせる。
さらに、伝動装置が、アクチュエータにより一体的に変位可能な旋回軸上に旋回可能に接続された2つの伝動要素を有することが提示される。第1の伝動要素は一方では旋回軸に、他方では吸引チャネルに接続されており、第2の伝動要素は一方では旋回軸に、他方ではハウジングに接続されている。この構成は、リンク機構の構造に対応する。前述した通り、吸引チャネルは、伝動装置によりハウジング及びアクチュエータと旋回可能に接続されている。2つの伝動要素は共通の旋回軸の周りで旋回可能であり、同時にこの旋回軸は、アクチュエータを稼動させことにより変位可能である。この変位中、第1の伝動要素及び第2の伝動要素は、互いに対して相対的に旋回する。なぜなら、第2の伝動要素における旋回軸とは反対側に位置する端部領域が床ノズルハウジングに接続される一方、第1の伝動要素における旋回軸とは反対側の端部領域が吸引チャネルに接続されているからである。アクチュエータが硬質床位置からカーペット床位置に変位するとき、旋回軸がアクチュエータに向かって変位することが有利であり、その場合2つの伝動要素がハサミのように互いに離れるように旋回し、吸引チャネルに接続された第1の伝動要素が吸引チャネルを掃除対象面の方に向かって旋回させる。それに対して、アクチュエータがカーペット床位置から硬質床位置に稼動するとき、伝動要素の旋回軸はアクチュエータから離れるように変位し、それによって2つの伝動要素が旋回軸の周りで互いの方に向かって旋回し、そして、吸引チャネルの端部領域が床ノズルハウジングの方に向かって変位する。この実施形態でもアクチュエータを、エアベローズ、サーボモータ、ソレノイド等とすることができる。
最後に、本発明は、伝動装置がラックピニオンギア又はギアドライブである第3の実施形態を提示する。例えば、ここではアクチュエータがラックに接続されることができ、そのラックは1又は複数のピニオン及び別のラックを介して吸引チャネルに接続される。アクチュエータが稼動するときラックが変位し、1又は複数のピニオンが回転することによって、今度はラックが、吸引チャネルを掃除対象面の方に、又は、掃除対象面から離れる方に旋回させる。1又は複数のラック及び1又は複数のピニオンの歯数を変えることにより、吸引チャネルの移動のためにアクチュエータにより印加される力を低減する伝達比を設定することができる。この実施形態でもアクチュエータを、エアベローズ、ソレノイド、サーボモータ等とすることができる。
図1は、床ノズルを有する真空掃除機である。 図2は、第1の実施形態による床ノズルの硬質床位置における縦断面である。 図3は、カーペット床位置における図2の床ノズルである。 図4は、第2の実施形態による床ノズルの硬質床位置における縦断面である。 図5は、カーペット床位置における図4の床ノズルである。 図6は、第3の実施形態による床ノズルの硬質床位置における縦断面である。 図7は、カーペット床位置における図6の床ノズルである。
以下、実施例の実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、床ノズル2を有する真空掃除機1を例示している。真空掃除機1は、アップライト型真空掃除機として構成されている。床ノズル2は、真空掃除機1のベースユニットから取外し可能な別個のアタッチメントとして構成されている。汎用的方式で、真空掃除機は、掃除対象面から吸引物を除去するために使用可能なファン(図示せず)を有する。このために、ファンは吸引エアフローを生成する。吸引エアフローは、床ノズル2及び真空掃除機1の吸引チャネル4を通して流れる。
吸引チャネル4は、床側において、面E内に延在する吸引口23に開口する。
図2は、本発明による床ノズル2の第1の実施形態を示す。床ノズル2は、吸引チャネル4が配置されているハウジング3を有する。吸引チャネル4は、ハウジング3に対して変位可能である。特に、吸引チャネル4は、吸引口23が掃除対象面に近づくように、又は吸引口23が掃除対象面から離れるように変位可能である。
図2に関して述べた実施形態では、吸引チャネル4が、ハウジング3に旋回可能に装着されており、ここでは例えば、床ノズル2の走行輪21の車軸22上に装着されている。ハウジング3の下面はシール要素5を有し、それらのシール要素5は床ノズル2の通常の吸引位置において掃除対象面と接触することになる。例えば、シール要素5は、ここでは剛毛要素とシールリップであり、それらは床ノズル2の硬質床位置では、掃除対象面上に設置される。シール要素5は、ハウジング3と堅固に接続されている。吸引チャネル4の自由端領域は、シール要素5同士の間に形成された床ノズル2の吸引口23に繋がっている。吸引チャネル4が真空掃除機1のファンに流体的に接続されることによって、掃除対象面上に存在する吸引物を吸引チャネル4を通して真空掃除機1の集塵室に搬送することができる。
吸引チャネル4は、図示された硬質床位置からカーペット床位置に変位可能である。吸引チャネル4の旋回動作は、アクチュエータ6と、アクチュエータ6を吸引チャネル4に接続する伝動装置7を用いて開始される。図示の実施形態では、アクチュエータ6がエアベローズ9であり、そして伝動装置7がガイドリンク10である。エアベローズ9がガイドリンク10に堅固に接続されることによって、エアベローズ9が排気又は膨張すると、ガイドリンク10がエアベローズ9に向かって又はエアベローズ9から離れるように変位する。ガイドリンク10は、ガイド面12を有する長孔を備えている。図示においては、ガイド面12が左から右に傾斜して延在し、それに沿って吸引チャネル4の係合要素11がスライドすることができる。加えて、係合要素11がハウジング3の中で直線的に案内され、それにより係合要素11はガイドリンク10の変位に対して実質的に垂直方向に上下に移動可能である。エアベローズ9にはバネ8が設けられ、その復元力は、ガイドリンク10に向かって、すなわちエアベローズ9の膨張状態の方に作用する。
エアベローズ9は、バルブ(図示せず)を設けられており、それによりエアベローズ9は通気され又は排気されることができる。このバルブは、その開位置においてエアベローズ9と吸引チャネル4との間に流体的接続を形成することが有利である。例えば、バルブを作動させるためにユーザがスイッチにより手動で稼動させるか、又は、現在の掃除対象面のタイプを認識する床検知手段の評価及び制御装置によりバルブを自動的に稼動させる。
図3は、カーペット床位置における床ノズルを示す。ここではエアベローズ9が収縮している結果、図の紙面内のガイドリンク10もまた右に変位している。このカーペット床位置では、係合要素11がガイドリンク10の内側左下に向かって移動したことによって、吸引口23と繋がる端部領域をもつ吸引チャネル4が、ハウジング3から掃除対象面に向かって変位している。エアベローズ9に設けられたバネ8は、この位置ではその復元力に抗して圧縮されている。
本発明のこの実施形態では、真空掃除機1のユーザ又は自動床検知手段のいずれかが掃除対象面のタイプを認知し、そして掃除対象面を最適に掃除するために、床ノズル2が硬質床位置又はカーペット床位置のいずれかになるようにバルブを制御する。吸引口23が掃除対象面から離れて上がっている硬質床位置は、寄木細工、床板、タイル等の硬質床に特に適している。カーペット床位置は、カーペット床、カーペット等に特に適している。
エアベローズに設けられたバネ8の復元力は、床ノズル2の吸引チャネル4を常に硬質床位置に保持し、その場合、吸引口23は掃除対象面から離れて上昇している。従って、真空掃除機1のユーザが硬質床を移動する場合、硬質床位置は変更されず維持される。しかしながら、真空掃除機1がカーペット又はカーペット床の上に誘導されると、直ちにユーザ又は自動床検知手段が掃除対象面の変化を認知し、そしてバルブを開かせることによって、エアベローズ9が例えば吸気に曝された吸引チャネル4を通して排気される。その結果、エアベローズ9は収縮し、そのガイドリンク10に隣接する端部領域がバネ8の復元力に抗して走行輪21の方に、すなわち図の右側に移動する。ガイドリンク10はエアベローズ9に接続されているので、それに対応してガイドリンク10もまた右側に、すなわち走行輪21の方に変位させられる。ガイドリンク10の変位は、ここでは実質的に水平方向に生じる。吸引チャネル4の係合要素11はガイドリンク10内に係合しており、係合要素11はガイド面12の傾斜を下方に移動することによって鉛直方向に、すなわちガイドリンク10の変位方向に対して垂直に掃除対象面の方に変位する。これにより同時に吸引チャネル4が掃除対象面に向かって降下させられ、シール要素5が掃除対象面に係合しなくなるまで吸引チャネル4の自由端領域がハウジング3の外側に旋回する。このカーペット床位置では、掃除機能は、吸引チャネル4の幾何学的形状により基本的に決定される。
真空掃除機1のユーザが、その後続いてカーペット床から硬質床へと出て行く場合、吸引チャネル4が床ノズル2のハウジング3の方に戻るように変位することによって、シール要素5が再び掃除対象面と接触するようになり、硬質床を、床ノズル2の吸引口23又はハウジング3による損傷から保護する。床ノズル2をカーペット床位置から硬質床位置に切り替えるために、真空掃除機1のユーザ又は床検知手段の評価及び制御装置がエアベローズ9のバルブを閉じることによって、エアベローズ9は再び通気され、バネ8の復元力に補助されて膨張する。その結果、ガイドリンク10も同時にエアベローズ9により再び押しやられ、すなわち図の左側に押される。吸引チャネル4の係合要素11が、ガイドリンク10のガイド面12の傾斜を上方に移動することによって、吸引チャネル4が同時に鉛直方向に上昇する。この硬質床位置では、シール要素5がハウジング3を掃除対象面から離している。
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態を示し、連結機構が伝動装置7として設けられている。この実施形態においても、アクチュエータ6がエアベローズ9である。連結機構は、第1の伝動要素14と第2の伝動要素15を有し、それらは、共通の旋回軸13に旋回可能に装着されている。その一方で旋回軸13は、エアベローズ9の膨張又は排気が旋回軸13も変位させるようにベローズ9と接続されている。第1の伝動要素14は、旋回軸13の反対側の端部領域にて床ノズル2のハウジング3と定位置で接続されている。第2の伝動要素15における旋回軸13の反対側の端部領域は、吸引チャネル14に配置されている。
図4は、再び床ノズルの硬質床位置を示し、一方、図5はカーペット床位置を示す。吸引チャネル4を硬質床位置からカーペット床位置とするために、エアベローズ9が上述したように排気される。これによりエアベローズ9の長さが縮小することによって、エアベローズ9に接続された旋回軸13がエアベローズ9の方に、すなわち図の右側に移動させられる。この結果、旋回軸13に接続された伝動要素14、15は互いに旋回して離れ、その場合、第1の伝動要素14において旋回軸13とは反対側に位置する端部領域の定位置装着部が、第2の伝動要素15に配置された吸引チャネル4を変位させる。この変位が掃除対象面に向かって行われることによって、吸引口23が掃除対象面と最終的に接触するまでハウジング3から外側に変位すると共にシール要素5を掃除対象面から上昇させ、それにより床ノズル2の吸引口23及び走行輪21のみが掃除対象面と接触することになる。このカーペット床位置は、図5に示されている。そこから硬質床位置に戻るために、エアベローズ9に設けられたバルブが再び閉じられる。これによりエアベローズ9が通気される結果、エアベローズ9が膨張し、伝動装置7の旋回軸13がエアベローズ9から離れる方向に変位する。2つの伝動要素14、15がここで再びハサミのように互いに対して旋回し、その結果、吸引チャネル4が上昇する。吸引チャネル4が旋回し続けると、シール要素5が再び掃除対象面と接触するようになる。最終位置すなわち硬質床位置において、吸引口23がここで再び床ノズル2のハウジング3の中に完全に収容される。
図6及び図7は、本発明の第3の実施形態を示し、この場合、伝動装置7がラックピニオンギアとして構成されている。アクチュエータはここでもまたエアベローズ9であり、バルブを介して通気又は排気されることができる。伝動装置7は、エアベローズ9に接続された第1のラック17と、第1のラック17に接続された第1のピニオン19と、第1のピニオン19よりも歯数の少ない第2のピニオン20と、第2のピニオン20及び吸引チャネル4に接続された第2のラック18とを有する。2つのラック17、18は、互いに垂直に配置されており、第1のラック17は水平方向に配置され、第2のラック18は鉛直方向に配置されている。従って、エアベローズ9の水平運動が第2のラック18の鉛直運動に変換され、最終的に吸引チャネル4が掃除対象面の方に旋回することとなる。
本発明のこの実施形態では、エアベローズが、図6に示す硬質床位置から開始して再び排気され、その結果、第1のラック17が図において右側に、すなわち走行輪21の方に変位する。これにより、第1及び第2のピニオン19、20が反時計回りに回転し、それが今度は第2のラック18を鉛直下方に、すなわち掃除対象面の方に変位させる。第1のピニオン19と第2のピニオン20の間の伝達比が、吸引チャネル4を変位させるために印加される力を低減するので、極めて容易に吸引チャネル4を変位させることができる。ここでも吸引チャネル4は、吸引口23がシール要素5の自由端部領域の間に延在する面を超えて突出する点まで変位させられ、それによって床ノズル2は吸引口23及び走行輪21のみによってカーペット床上に起立する。真空掃除機1がカーペット床を離れて再び硬質床に移動した場合、エアベローズ9に設けられたバルブが再び閉じられ、エアベローズ9が再び通気されることにより膨張し、それによって伝動装置7が反対方向に稼動し、吸引口23が再び掃除対象面から上昇する。
1 真空掃除機
2 床ノズル
3 ハウジング
4 吸引チャネル
5 シール要素
6 アクチュエータ
7 伝動装置
8 バネ
9 エアベローズ
10 ガイドリンク
11 係合要素
12 ガイド面
13 旋回軸
14 第1の伝動要素
15 第2の伝動要素
16 ラックピニオンギア
17 第1のラック
18 第2のラック
19 第1のピニオン
20 第2のピニオン
21 走行輪
22 車軸
23 吸引口
E 平面

Claims (10)

  1. 真空掃除機(1)の床ノズル(2)であって、ハウジング(3)と、前記真空掃除機(1)のファンに接続するために前記ハウジング(3)の内側に配置された吸引チャネル(4)とを有し、前記吸引チャネル(4)はアクチュエータ(6)により硬質床位置からカーペット床位置に、又はその逆に変位可能である、前記床ノズル(2)において、
    前記吸引チャネル(4)が前記ハウジング(3)に対して変位可能であることを特徴とする床ノズル。
  2. 前記アクチュエータ(6)を稼動させることにより前記吸引チャネル(4)が前記ハウジング(3)に対して変位可能であるように、特に旋回可能であるように、前記吸引チャネル(4)が伝動装置(7)を介して前記アクチュエータ(6)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の床ノズル(2)。
  3. 前記アクチュエータ(6)がバネ(8)を設けられており、前記バネ(8)の復元力が、前記吸引チャネル(4)の好適位置の方に向けられていること、特に前記吸引チャネル(4)が前記ハウジング(3)の中に変位した、前記吸引チャネル(4)の硬質床位置の方に向けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の床ノズル(2)。
  4. 前記アクチュエータ(6)がエアベローズ(9)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の床ノズル(2)。
  5. 前記エアベローズ(9)がバルブを設けられており、特に前記吸引チャネル(4)に配置されたバルブを設けられており、前記バルブは掃除対象面のタイプに応じて稼動可能であり、特に自動的に稼動可能であることを特徴とする請求項4に記載の床ノズル(2)。
  6. 前記伝動装置(7)が、前記ハウジング(3)に変位可能に配置されたガイドリンク(10)を有し、前記ガイドリンク(10)内に前記吸引チャネル(4)の係合要素(11)が係合することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の床ノズル(2)。
  7. 前記ガイドリンク(10)が、通常の吸引動作中の前記床ノズル(2)の向きにおける掃除対象面に対して実質的に平行に変位可能であることを特徴とする請求項6に記載の床ノズル(2)。
  8. 前記ガイドリンク(10)が、前記アクチュエータ(6)の方に向かう変位方向において前記係合要素(11)にとって下り坂となるガイド面(12)を有し、それにより前記係合要素(11)が、通常の吸引動作中の前記床ノズルの位置における掃除対象面の方に変位可能であることを特徴とする請求項6又は7に記載の床ノズル(2)。
  9. 前記伝動装置(7)が、前記アクチュエータ(6)により一体的に変位可能である旋回軸(13)に旋回可能に接続された2つの伝動要素(14、15)を有し、第1の伝動要素(14)が一方では前記旋回軸(13)に接続されると共に他方では前記吸引チャネル(4)に接続され、かつ、第2の伝動要素(15)が一方では前記旋回軸(13)に接続されると共に他方では前記ハウジング(3)と接続されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の床ノズル(2)。
  10. 前記伝動装置(7)が、一方では前記吸引チャネル(4)に接続されると共に他方では前記アクチュエータ(6)と接続されるラックピニオンギア(16)又はギアドライブであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の床ノズル(2)。
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