JP2018531149A - 繊維束の非接触熱成形 - Google Patents

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Abstract

本開示は、毛細管透析装置の生産方法に関する。この方法は、中空繊維膜の束の非接触熱成形を含む。本開示は、中空繊維膜の束の非接触熱成形用の装置にも関する。

Description

本開示は、毛細管透析装置の生産方法に関する。この方法は、中空繊維膜の束の非接触熱成形を含む。本開示は、中空繊維膜の束の非接触熱成形用の装置にも関する。
米国特許第4341005(A)号は、中空繊維流体分取セルの生産方法を開示しており、この方法は、巻取りホイールの周囲にセルの長手方向壁の一連の片側セクションを配置することと、このセクションが満たされるか、またはわずかに過剰に満たされるまで、流体が充填された透過性中空繊維を巻取りホイールの周りに巻き取ることと、対合用の別の片側ケースを、ホイール上の繊維が充填された各セクションに重ねて配置し、セルのコアを組み立てることと、各セクションの間で経路を切断し、そこから流体を抜くことと、初期流体ポッティング化合物を繊維の経路の周りに入れ、ポッティング化合物を、セルのそれぞれの端部で繊維の周りに遠心鋳造することと、繊維をポッティング化合物の区域内のそれぞれの端部で切断して、繊維の中空コアを再度露出させることとを含む。
特開2003−062433号は、ポッティング剤を中空繊維膜に浸入させずに、中空繊維膜束端部のポッティングを効率的に実施できる中空繊維膜モジュールの製造方法を開示している。この製造方法では、中空繊維膜束は、その端部が円筒形のケースから突出するように円筒形のケースに挿入され、その端部は、圧潰封止されて、円筒形のケースの開口にポッティングされ、圧潰封止された部分は、その後切断される。
WO2004/086554A2は、非接触熱源を利用して中空繊維の先端を融解し、ポッティング材料が繊維に入ることを防止する、中空繊維膜フィルタを製造する方法および装置を開示している。加熱板が、束になった繊維の端部に向かい合う、すぐ近くの位置に動かされ、繊維束の面に近づけられて、束になったすべての繊維の端部を融解し、それらを封止する。
米国特許第4341005号明細書 特開2003−062433号公報 国際公開第2004/086554号
本開示は、中空繊維膜の束を備える毛細管透析装置の生産方法を提供する。この方法は、束の外周部に一続きの環状領域が形成されるように繊維束端部の外周部の繊維を一緒に融解することを含む。融解は、繊維束端部の周縁部を放射加熱することによって行われる。
開始位置の繊維束を含む、本開示による非接触熱成形用装置の一実施形態の斜視図である。 終了位置の中空繊維束を含む、図1の装置の細部の上面斜視図である。 本開示の方法の一ステップ、すなわち繊維束の一方の端部の熱成形を概略的に示す図である。 本開示の方法の一ステップ、すなわち繊維束の筒状フィルタケーシングへの移動を概略的に示す図である。 本開示の方法の一ステップ、すなわち繊維束の第2の端部の熱成形を概略的に示す図である。 熱成形された繊維束の端部の切断を概略的に示す図である。
毛細管透析装置の生産方法は、乾いた中空繊維を巻取りホイールに供給することと、ホイールを回転させることにより、中空繊維を巻取りホイールの外周部に配置されるスリーブ下側部分に巻き取ることとを含む。所望の繊維束の厚みまたは繊維束の大きさに達すると直ちに巻取りホイールは止められ、スリーブ上側部分が、スリーブ下側部分の上に配置され、そこで固定される。その後、中空繊維は、スリーブ(11)間で切断され、繊維束(10)を容れているスリーブ(11)は、巻取りホイールから取り外される。
本開示の方法では、繊維束(10)をスリーブ(11)から筒状フィルタケーシング(15)に移動する前に、一続きの環状領域(13)が繊維束(10)の外周部に形成されるように繊維束(10)の第1の端部の外周部の繊維が一緒に融解される(以後この工程は「熱成形」と呼ばれる)(図3a)。融解は、繊維束の第1の端部の周縁部の放射加熱によって行われる。熱成形ステップ中、熱放射源は繊維束(10)に接触しないので、方法は、本開示では「非接触熱成形」と呼ばれる。
一続きの環状領域(13)が繊維束(10)の外周部に形成されるということが、本開示の方法の特徴である。一続きの環状領域(13)で構成される束端面の区域の内側では、繊維は変化しないまま、すなわち繊維の端部は溶解されず、繊維は開口したままである。したがって、熱成形は、WO2004/086554A2で開示される方法などの従来技術の熱溶着方法、または繊維束の端面に円盤形の溶かされた領域を生み出す熱刃または熱線による繊維端部の熱溶着とは、明らかに異なる。
繊維束(10)の一続きの環状領域(13)により、繊維束(10)を筒状ケーシング(15)に移動することが簡単になる。束の外周部の繊維端部の位置が固定され、束の外周部から突出する繊維がないので、ねじれおよびループの形成が避けられる。さらに、移動ツール(14)は、外周部のすべての繊維に係合する必要はない。一続きの環状領域(13)の直径が、繊維束(10)の最初の直径より小さく、また筒状ケーシング(15)の内径よりも小さいとき、繊維束(10)を筒状ケーシング(15)に引き込むのに必要な力はより小さいので、移動はさらに容易になる。これは、ひいては繊維束の移動中に繊維が裂けるリスクを軽減する。両方の要素が、廃棄物の軽減につながる。
方法の一実施形態では、熱成形は、繊維束(10)の第2の端部でも実施される。放射源(17)を備える熱成形ツールは、繊維束(10)の第2の端部の外周部に、一続きの環状領域(18)を生み出す(図3c)。
方法の一実施形態では、繊維束(10)の直径は、熱成形中、一続きの環状領域(13、18)(熱成形された領域)において、その初期値の70から90%に低減される。
一実施形態では、熱成形方法によって生み出される一続きの環状領域(13、18)は、束の半径方向において0.1から1mm未満までの厚みを有し、束の長手(すなわち軸の)方向において2から20mmの長さを有する。
本開示の方法では、熱成形は、放射加熱によって行われる。繊維束(10)端部の周縁部は、たとえばマイクロ波、UVまたはIRの放射を生じさせる適当な放射源(12、17)で照射される。方法の一実施形態では、熱成形を行うのにIR放射が使用される。
方法の一実施形態では、放射源(12、17)は、1000から2500W、たとえば1500から2000Wの幅の出力を有する。
方法の一実施形態では、繊維束(10)の端部の周縁部は、1秒から20秒の範囲の時間、たとえば3から15秒、特に5から10秒照射されて、一続きの環状領域(13、18)を生み出す。
繊維束(10)の第1の端部の熱成形が、図3aに概略的に示される。放射源(12)を備える熱成形ツールは、繊維束(10)の第1の端部の外周部に、一続きの環状領域(13)を生み出す。次いで繊維束(10)は、筒状フィルタケーシング(15)に移動される(図3b)。好ましい実施形態では、筒状フィルタケーシング(15)は、両方の端部にポッティングスリーブ(16)を備え付けられる。繊維束(10)の長さは、筒状ケーシング(15)の長さより長く、その結果、繊維束(10)の両方の端部は、移動後、筒状ケーシング(15)から突出する。特に、繊維束(10)の熱成形された領域(13)は、完全に筒状ケーシング(15)の外側にある。
方法の一実施形態では、移動は、ツール(14)、たとえば移動用の爪(transfer claw)によって実施される。ツール(14)は、筒状ケーシング(15)を通って伸び、中空繊維膜の束(10)の第1の端部の一続きの環状領域(13)に係合し、中空繊維膜の束(10)を筒状ケーシング(15)に引き込み、一続きの環状領域(13)全体を含む中空繊維膜の束(10)の第1の端部が、筒状ケーシング(15)から突出するまで引っ張り続ける。
方法の一実施形態では、熱成形は、繊維束(10)を筒状ケーシング(15)に移動した後、筒状ケーシング(15)から突出する繊維束(10)の第2の端部でも実施される(図3c)。放射源(17)を含む熱成形ツールは、繊維束(10)の第2の端部の外周部に、一続きの環状領域(18)を生み出す。
透析器生産方法の次の段階の前に、中空繊維膜の束(10)の筒状ケーシング(15)から突出する部分は、切断ツール(19)で切断され(図4)、次の段階は、繊維束(10)の端部をポッティング材料、たとえばポリウレタンに埋め込むことにより筒状ケーシング(15)の内側に端壁を形成することを含む。
方法の一実施形態では、繊維束(10)の端部は、熱成形ステップおよび移動ステップの後に、刃で切断される。方法の別の実施形態では、熱成形ステップおよび移動ステップの後に、熱刃または熱線で、繊維束の端部は切断され、繊維端部は熱溶着される。
繊維束(10)の熱成形された端部が切断されるとき、切断は一続きの断面を形成するが、そうでない場合は多数の小さい繊維片が発生する。したがって、熱成形は、パーティクルの発生、ならびに作業場および機器の汚染も軽減し、移動ステップおよび切断ステップが実施される区域において、必要とされるメンテナンスが少なくなる。
本開示は、中空繊維膜の束(10)の端部の外周部に一続きの環状領域(13、18)を形成する装置も提供する(「熱成形ツール」)。装置は、束(10)の前記端部の周縁部を照射するように構成された放射源(12、17)を備える。装置の一実施形態では、放射源(12、17)は、IR放射器である。装置の一実施形態は、オメガの形状を有するIR放射器を利用する。装置の一実施形態では、オメガは、30から130mmの範囲、たとえば60から100mmの内径を有する。適当なIR放射器の例には、Heraeus Noblelight GmbH(63801Kleinostheim、Germany)から入手可能なOmega Infrared Emittersが含まれる。特定の実施形態では、80mmの外径および1500Wの出力を有するOmega Infrared Emitterが使用される。
非接触熱成形を実施するための例示的な装置が、図1および2に示される。装置は、繊維束(10)を取り付けるためのトレー(2)を有する摺動キャリッジ(1)を備える。2つの部分で構成される(two−part)ヒートシンク(3)が提供されて、繊維束(10)の端部近傍の位置で繊維束(10)を囲む。装置は、垂直姿勢で固定的に取り付けられたオメガ形のIR放射器である放射源(12)を備える。IR放射器の中心は、トレー(2)上の繊維束(10)の長手方向軸に合わせられる。
繊維束(10)の外周部に一続きの環状領域を形成するために、まず繊維束(10)がトレー(2)に取り付けられ、ヒートシンク(3)から突出する5mmから20mmの長さ、たとえば5から15mm、たとえば5から10mm、または10から15mmの長さの部分を残して、ヒートシンク(3)は、繊維束(10)の端部近くに寄せて、繊維の束(10)の周りで閉じられる。ヒートシンク(3)は、繊維束(10)の突出しない部分を放射源(12)から発される放射から遮蔽するように構成される。
摺動キャリッジ(1)は、開始位置(図1に示される)から放射源(12)に近い終了位置(図2に示される)に動かされる。繊維束(10)の外周部の繊維は一緒に融解され、これによって繊維束の外周部に一続きの環状領域を形成する。この束は、3から15秒の範囲の時間、たとえば5から10秒、終了位置にとどまり、次いで摺動キャリッジ(1)が開始位置に戻り、ヒートシンク(3)が開かれ、繊維束(10)がトレー(2)から取り外される。束を筒状フィルタケーシング(15)に移動した後、この手順は繊維束(10)の他方の端部に対して繰り返され得る。
上記の特徴およびこれ以降述べられる特徴は、本発明の範囲から逸脱しない限り、特定の組合せだけでなく、他の組合せまたは単独でも使用され得ることが理解されよう。
1 摺動キャリッジ
2 トレー
3 ヒートシンク
10 中空繊維膜の束
11 スリーブ
12 第1の放射源
13 繊維束の熱成形された第1の端部
14 移動ツール
15 筒状フィルタケーシング
16 ポッティングスリーブ
17 第2の放射源
18 繊維束の熱成形された第2の端部
19 切断ツール(たとえば刃、熱刃、または熱線)

Claims (15)

  1. 筒状ケーシング(15)の中に配置された中空繊維膜の束(10)を備える毛細管透析装置の生産方法であって、中空繊維膜の束(10)を筒状ケーシング(15)に移動する前に、中空繊維膜の束(10)の外周部の繊維を一緒に融解することにより中空繊維膜の束(10)の第1の端部の外周部に一続きの環状領域(13、18)を形成することを含み、一続きの環状領域(13、18)で構成される束端面の区域の内側の繊維は変化しないままであり、融解が、照射によって行われる、方法。
  2. 一続きの環状領域(13、18)が、0.1から1mm未満までの半径方向の厚みを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 一続きの環状領域(13、18)が、束(10)の長手方向において2から15mmの長さを有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 繊維束(10)の直径が、一続きの環状領域(13、18)において、その初期値の70から90%に低減される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ツール(14)が、筒状ケーシング(15)を通って伸び、中空繊維膜の束(10)の第1の端部の一続きの環状領域(13)に係合し、中空繊維膜の束(10)を筒状ケーシング(15)に引き込み、一続きの環状領域(13)全体を含む中空繊維膜の束(10)の第1の端部が筒状ケーシング(15)から突出するまで引っ張り続けることによって、移動が行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 中空繊維膜の束(10)の筒状ケーシング(15)への移動の後に、第2の一続きの環状領域(13、18)が、中空繊維膜の束(10)の第2の端部の外周部に形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 移動後に、中空繊維膜の束(10)の両方の端部が筒状ケーシング(15)から突出し、その後、中空繊維膜の束(10)の筒状ケーシング(15)から突出する部分が切断される、請求項5または6に記載の方法。
  8. 中空繊維膜の束(10)の筒状ケーシング(15)から突出する部分の切断と同時に、中空繊維膜の束(10)の繊維の端部が熱溶着される、請求項7に記載の方法。
  9. 切断および熱溶着が、熱刃または熱線で実施される、請求項8に記載の方法。
  10. 束(10)の端部の周縁部を照射するように構成された放射源(12、17)を備える、中空繊維膜の束(10)の前記端部の外周部に一続きの環状領域(13、18)を形成する装置。
  11. 放射源(12、17)が、IR放射器である、請求項10に記載の装置。
  12. 放射源(12、17)が、UV放射器である、請求項10に記載の装置。
  13. 放射源(12、17)が、マイクロ波放射器である、請求項10に記載の装置。
  14. 放射源が、オメガの形状である、請求項10から12のいずれか一項に記載の装置。
  15. 放射源(12、17)が、1000から2500Wの範囲の出力を有する、請求項10から14のいずれか一項に記載の装置。
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