JP2018530587A - mRNAキャップ類似体およびmRNAキャッピングの方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、高レベルのキャッピング効率および転写ならびに向上した翻訳効率をもたらし得る、請求項1に定義される式(I)のキャップ類似体に関する。本開示は、キャップ類似体を調製し、このような類似体を含有するmRNA種を使用するのに有用な方法、ならびに新規なキャップ類似体を含有するキットにも関する。
【化1】

Description

本発明は、mRNAキャップ類似体およびmRNAキャッピングの方法に関する。
デオキシリボ核酸(DNA)におけるヌクレオチドの配列によってコードされる遺伝情報の発現は、相補的メッセンジャーリボ核酸(mRNA)の生合成を必要とする。真核細胞の核内で起こるこの転写事象の後、mRNAが細胞質に移行し、そこで、mRNAは、複雑でかつ高度に調節されたプロセスによってリボソームにロードされる。本明細書において、一連の3ヌクレオチドコドンとして示されるヌクレオチド配列は、元の遺伝子コードに対応するタンパク質を最終的に産生するアミノ酸の対応する配列に翻訳される。
細胞質に導入される外因性mRNAは、原理的に、リボソーム機構によって受け取られ得る(例えば、(非特許文献1)を参照)。mRNAが、排出されるタンパク質をコードする場合、修飾または外因性mRNAは、天然タンパク質から、抗体および細胞の内部および外部の治療活性を有し得る他の全体的に新規なタンパク質構築物へと、目的のタンパク質を産生するように身体の細胞機構に指令し得る。
ウォーレン(Warren)ら著、「合成修飾mRNA、細胞幹細胞を用いたヒト細胞の多能性および指示された分化の非常に効率的なリプログラミング(Highly Efficient Reprogramming to Pluripotency and Directed Differentiation of Human Cells with Synthetic Modified mRNA,Cell Stem Cell)」(2010)
タンパク質発現を行うための以前の方法には困難がある。ポリヌクレオチドの細胞内翻訳の調節に対処するための生物学的様式が当該技術分野において必要とされている。
本開示は、mRNAキャップ類似体ならびにそれを作製および使用する方法を提供する。本開示は、キャップ類似体を含有するmRNAも提供する。
一態様において、本開示は、以下の式(I):
の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を特徴とする。
上記の式(I)中、
が、
であり;
環Bが、修飾または非修飾グアニンであり;
環Bが、核酸塩基または修飾核酸塩基であり;
が、O、S(O)、NR24またはCR2526であり、ここで、pが、0、1、または2であり;
が、OまたはCRであり;
が、O、S(O)、CR、またはNRであり、ここで、nが、0、1、または2であり;
各−−−が、単結合であるかまたは存在せず、ここで、各−−−が単結合である場合、Yは、O、S(O)、CR、またはNRであり;各−−−が存在しない場合、Yはなしであり;
が、(OP(O)R(ここで、mが、0、1、または2である)、または−O−(CR4041−Q−(CR4243−であり、ここで、Qが、結合、O、S(O)、NR44、またはCR4546であり、rが、0、1、または2であり、uおよびvのそれぞれが、独立して、1、2、3または4であり;
が、ハロ、LNA、またはORであり;
が、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、Rは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルである場合、ハロ、OH、および1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換され;
各Rが、独立して、H、ハロ、C〜Cアルキル、OH、SH、SeH、またはBH であり;
、R、およびRのそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、COOH、シアノ、またはRS1であり、ここで、RS1が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシル、C(O)O−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NR3132、(NR313233、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS1が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、NR3132、(NR313233、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
10、R11、R12、R1314、およびR15のそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、NH、シアノ、NO、N、RS2、またはORS2であり、ここで、RS2が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NHC(O)−C〜Cアルキル、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS2が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、NR3132、(NR313233、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;あるいはR12が、R14と一緒にオキソであり、またはR13が、R15と一緒にオキソであり;
17、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、NH、シアノ、NO、N、RS3、またはORS3であり、ここで、RS3が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NHC(O)−C〜Cアルキル、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS3が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
24、R25、およびR26のそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
27およびR28のそれぞれが、独立して、HまたはOR29であり;またはR27およびR28が一緒に、O−R30−Oを形成し;
各R29が、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、R29は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルである場合、ハロ、OHおよび1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換され;
30が、ハロ、OHおよびC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキレンであり;
31、R32、およびR33のそれぞれが、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり;
40、R41、R42、およびR43のそれぞれが、独立して、H、ハロ、OH、シアノ、N、OP(O)R4748、または1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルであり、または1つのR41および1つのR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、C〜C10シクロアルキル、4員〜14員ヘテロシクロアルキル、C〜C10アリール、または5員〜14員ヘテロアリールを形成し、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールのそれぞれが、OH、ハロ、シアノ、N、オキソ、OP(O)R4748、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、C〜Cハロアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノのうちの1つ以上で任意に置換され;
44が、H、C〜Cアルキル、またはアミン保護基であり;
45およびR46のそれぞれが、独立して、H、OP(O)R4748、または1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルであり、
47およびR48のそれぞれが、独立して、H、ハロ、C〜Cアルキル、OH、SH、SeH、またはBH である。
本開示は、5’末端が式(I)の化合物を含むRNA分子(例えば、mRNA)も提供する。
RNA転写物をキャッピングするためのキットも提供される。キットは、式(I)の化合物およびRNAポリメラーゼを含む。キットは、ヌクレオチド、リボヌクレアーゼ阻害剤、酵素緩衝液、およびヌクレオチド緩衝液のうちの1つ以上も含み得る。
さらに別の態様において、本開示は、式(I)の化合物を合成する方法を提供する。
さらに別の態様において、本開示は、RNA分子(例えば、mRNA)をインビトロで合成する方法を提供する。この方法は、ポリヌクレオチド鋳型のRNAポリメラーゼの、1つ以上のRNAコピーへの転写をもたらす条件下で;RNAポリメラーゼの存在下で;非修飾もしくは修飾ATP、非修飾もしくは修飾CTP、非修飾もしくは修飾UTP、非修飾もしくは修飾GTP、式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩、およびポリヌクレオチド鋳型を反応させることを含んでもよく;それによって、RNAコピーの少なくとも一部が、式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を組み込んで、RNA分子(例えば、mRNA)を作製する。
さらに別の態様において、本開示は、化合物(例えば、キャップ類似体)または例えば、天然mRNAキャップおよび天然mRNAと比較して、向上したeIF4E結合親和性、向上した耐分解性、またはその両方を有するキャップ類似体を含有するポリヌクレオチドを提供する。
さらに、本明細書に記載される化合物または方法は、研究(例えば、インビトロRNA転写物と特定の酵素との相互作用の研究)および他の非治療目的に使用され得る。
特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において、文脈上特に明記されない限り、単数形は、複数形も含む。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料が、本発明の実施または試験に使用され得るが、好適な方法および材料が後述される。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参照文献は、参照により援用される。本明細書において引用される参照文献は、権利請求される発明に対する先行技術であると認められるわけではない。矛盾が生じる場合、定義を含む本明細書が優先される。さらに、材料、方法および実施例は、例示的なものであるに過ぎず、限定的であることは意図されていない。本明細書に開示される化合物の化学構造と名称との間に矛盾が生じる場合、化学構造が優先される。
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
無細胞翻訳アッセイ(「CFT:cell free translation」)から試験された様々な濃度のARCA(m7(3’−Om)GpppG)による、時間に対する相対蛍光単位(RFU:relative fluorescence unit)のプロットの図。 無細胞翻訳アッセイから試験された様々な濃度の化合物007−37による、時間に対する相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 無細胞翻訳アッセイから試験された様々な濃度の化合物005−1による、時間に対する相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 それぞれ、無細胞翻訳アッセイから試験された様々なキャップ類似体の濃度に対する正規化された相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 無細胞翻訳アッセイから試験された様々なキャップ類似体の濃度に対する正規化された相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 無細胞翻訳アッセイから試験された様々なキャップ類似体の濃度に対する正規化された相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 無細胞翻訳アッセイから試験された様々なキャップ類似体の濃度に対する正規化された相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 無細胞翻訳アッセイから試験された様々なキャップ類似体を有するmRNAによる、時間に対する正規化された相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 無細胞翻訳アッセイから試験された様々なキャップ類似体を有するmRNAによる、時間に対する正規化された相対蛍光単位(RFU)のプロットの図。 様々なキャップ類似体を有するmRNAを用いた細胞ベース発現アッセイ(HeLa)の24時間後に測定されたhEPOレベルのヒストグラムの図。図4Aにおいて、キャップ1は、m7GpppG(2’−Om)であり、ARCAは、m7(3’−Om)GpppGである。 様々なキャップ類似体を有するmRNAを用いた細胞ベース発現アッセイ(HeLa)の測定されたhEPOレベルのヒストグラムの図。図4Bにおいて、試験される全てのキャップ類似体は、キャップ1様であり、すなわち、pppG(2’−Om)の構造を含有する。 様々なキャップ類似体を有するmRNAを用いた無細胞翻訳アッセイの3時間後に測定されたhEPOレベルのヒストグラムの図であり;図5Aは、三リン酸キャップ(化合物005−10)を有するmRNAのものに対して、ホスホグリセロールキャップ(化合物008−7)を有するmRNAを用いて得られるキャッピングの%について正規化されたhEPOレベルを比較する。ホスホグリセロール−キャップ保有mRNAは、三リン酸類似体および/またはキャップ1と比較して、HeLa由来の無細胞系における優れた発現(ARCA1のものと同等)を示す。図5Aにおいて、「mod mRNA」は、RNA配列中の各ウリジンを置換するN1−メチルプソイドウリジンを含む修飾mRNAを指す。 キャッピングおよび各キャッピングされたmRNAの濃度に対して正規化された、様々なキャップ類似体を有するmRNAを用いた無細胞翻訳アッセイの結果を示す図(表13も参照)。 滞留時間に応じた、選択されたキャップについての無細胞翻訳アッセイの3時間後のmCitrine(レポータタンパク質)を示すグラフの図(表12および13も参照)。 滞留時間に応じた、選択されたキャップについての無細胞翻訳アッセイの3時間後のhEPO発現レベルを示すグラフの図(表12および13も参照)。 様々なキャップ類似体を有するmRNAを用いて、インビボ(マウス)で6時間後に測定されたhEPOレベルのヒストグラムの図(表15も参照)。 インビボで6時間後の様々なキャップ類似体を有するmRNAを用いたインビボ発現(マウス)に対する初代肝細胞における細胞ベースの発現を比較したグラフの図(表14〜15も参照)。 ヒト初代肝細胞における様々なキャップ類似体を有するmRNAの発現を、Hep3B細胞(レポータ:mCitrine)における発現と比較した一対のグラフの図。遅いオフレート(slow off−rate)のキャップ(化合物005−27)を有するmRNAの発現は、CD1由来の初代肝細胞において低いが、Hep3B HCC由来の悪性細胞において高いことが分かった。 初代肝細胞(CD1)におけるキャップ1または化合物005−27を有するmRNAの発現を、Hep3B(HCC)細胞(レポータ:mCitrine)における発現と比較した一連のグラフの図。
本開示は、新規なmRNAキャップ類似体、これらのキャップ類似体を作製するための合成方法、およびそれらの使用を提供する。本開示は、治療薬の開発に有利な特性を与える本明細書に開示されるキャップ類似体を組み込んだ新規なRNA分子(例えば、mRNA)も提供する。
mRNAは、5’−および3’−非翻訳領域(5’UTR、3’UTR)によって隣接されるオープンリーディングフレーム(ORF)、ポリ−アデノシン一リン酸尾部(ポリA)、およびキャップ構造を含有する逆方向N7−メチルグアノシンからなる。それは、対応するDNAより化学的にかつ酵素的に安定性が低いため、mRNAのリボソーム動員(ribosomal recruitment)の後のタンパク質産生は一時的である。さらに、mRNAは、標的タンパク質の産生のためにいわゆる「閉ループ」立体配座で存在しなければならない。活性な閉ループ立体配座の一部である一方、mRNAは、真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E:eukaryotic initiation factor 4E)に結合するキャップおよびポリA結合タンパク質(PABP:polyA−binding protein)を介して結合されたポリA尾部を介して、リボソーム機構と接触する。eIF4EおよびPABPは、骨格タンパク質eIF4Gを介して連結されて、活性ループを閉じる。mRNA環状形態の崩壊は、タンパク質産生の停止、最終的には、主に、酵素系DCP1/2のキャップ除去の作用およびまたはポリ−Aリボヌクレアーゼ(PARN:poly−A ribonuclease)に媒介される脱アデニル化(de−adenylation)によるmRNA自体の酵素分解につながる。例えば、リチャードJ.ジャクソン(Richard J.Jackson)ら著、「真核生物翻訳開始の機構およびその調節の原理(The mechanism of eukaryotic translation initiation and principles of its regulation)」、モレキュラー・セル・バイオロジー(Molecular Cell Biology)、第110巻、113〜127、2010を参照されたい。
キャップ構造は、全ての真核生物mRNAの重要な特徴である。それは、真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E)を介してリボソーム複合体によって認識される。5’−キャップ末端を欠くmRNAは、翻訳機構によって認識されず、標的タンパク質を産生することができない(例えば、コリン・エシェベリア・エイトケン(Colin Echeverria Aitken)、ジョンRロルシュ(Jon R Lorsch)著:「真核生物における翻訳開始の機構的な概説(A mechanistic overview of translation initiation in eukaryotes)」、ネイチャー・ストラクチュラル・アンド・モレキュラー・バイオロジー(Nature Structural and Molecular Biology)、第16巻、第6号、568〜576、2012を参照)。
転写過程で生成される粗メッセンジャーRNA(「一次転写物」)は、5’−三リン酸によって終端され、5’−三リン酸は、酵素RNA−トリホスファターゼの作用によってそれぞれの5’−二リン酸に変換される。次に、グアニリル−トランスフェラーゼは、末端の逆方向グアノシン一リン酸を、5’末端に結合し、末端の逆方向グアノシンのN7MTase媒介性N7−メチル化が、キャッピング過程を完了させる。
5’−キャップ構造は、タンパク質発現を制御する調節機構の一部である酵素分解を起こしやすい。これによれば、酵素系DCP1/2は、キャップ構造の第2および第3リン酸基の間のピロホスフェート加水分解を行って、5’−一リン酸基において終端するmRNAを残して、N7−メチル化グアノシン二リン酸部分を除去する。これは、今度は、エキソヌクレアーゼ切断をかなり起こしやすく、残っているオリゴマーの急速な減少につながる。例えば、R.パーカー(R.Parker)、H.ソン(H.Song)著:「酵素および真核生物代謝回転の制御(The Enzymes and Control of Eukaryotic Turnover)」、ネイチャー・ストラクチュラル・アンド・モレキュラー・バイオロジー(Nature Structural & Molecular Biology)、第11巻、121〜127、2004を参照されたい。
P1−N7−メチルグアノシン−P3−アデノシン−5’,5’−三リン酸(N7GpppA)と共結晶化された真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E)の高分解能X線結晶学的データは、一方の末端プリンおよび三リン酸部分と他方の受容体表面との間の密接な分子相互作用を示唆している。例えば、コウジ・トモオ(Koji Tomoo)ら著、「7−メチルグアノシン5’−三リン酸(m(7)GTP)−およびP(1)−7−メチルグアノシン−P(3)−アデノシン−5’,5’−三リン酸(m(7)GpppA)結合ヒト完全長真核生物翻訳開始因子4Eの結晶構造:C末端フレキシブル領域の生物学的重要性(Crystal structures of 7−methylguanosine 5’−triphosphate (m(7)GTP)− and P(1)−7−methylguanosine−P(3)−adenosine−5’,5’−triphosphate (m(7)GpppA)−bound human full−length eukaryotic initiation factor 4E: biological importance of the C−terminal flexible region)」.バイオケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)362(Pt 3):539〜544、2002を参照されたい。末端グアニンは、TRP56およびTRP102の2つの芳香族側鎖間に挟まれ、このπスタッキング相互作用は、N7−グアニンNH水素とGLU103との間の2つの水素結合によってさらに安定化される。最初の2つのリン酸基が、ARG112およびARG157ならびにLYS162の塩基性残基と、直接または水に媒介される水素結合を介して相互作用している。第3のリン酸基は、ARG112の塩基性残基と水素結合を形成する。簡潔に述べると、高分解能X線結晶学的データは、グアニンおよび三リン酸の両方が、タンパク質と直接接触し、キャッピングされたmRNAの結合効率に寄与することを示唆している。
グアニンおよび三リン酸を連結するリボース部分は、2つの主要なファーマコフォアを連結するヒンジを提供するだけでなく、主にリボースの絶対立体化学によって制御される空間的配向で自身を結合ポケットに提示もすることが考えられる。さらに、真核生物キャップ構造の三リン酸部分は、eIF4Eへの結合ならびにmRNAの安定性に重要な役割を果たす。さらに、本出願人は、特定のキャップ類似体を含有するRNA転写物が、意外にも、例えば、RP−HPLC(逆相HPLC)によって、より容易に精製されることを最近発見した。これらのキャップ類似体において、核酸塩基の少なくとも1つは、疎水性の1つ以上の官能基を含有する。理論に制約されることは意図しないが、mRNAキャップ上の疎水性官能基は、RNA分子の精製を向上させるのを助ける。したがって、本開示の別の態様は、この発見に少なくとも部分的に基づいて、精製の向上した特性、例えば、向上した収率、より容易な精製手順などを有する、キャップ類似体およびこのキャップ類似体と組み合わされたRNA(例えば、mRNA)を提供する。他の利点は、本明細書に開示されるキャップ類似体(またはRNA(例えば、mRNA))が、eIF4Eに対する向上した結合親和性、または向上した耐分解性を有することを含み得る。したがって、本開示は、リボース環におけるものなどの5’−キャップ構造における修飾(例えば、ピラン、ジオキサン、チオピランもしくはモルホリンなどの6員環構造によるリボース部分の置換またはリボース環自体の立体配座もしくは歪み(pucker)の変化)、三リン酸部分における修飾(例えば、スルホキシド(SO)、スルホン(SO)およびグリコールなどの親水性基による中心ホスフェートの置換)および核酸塩基における修飾(例えば、疎水性官能基を含むことによる)が、eIF4Eに対するキャップの結合親和性の影響を与えるであろうという仮定に少なくとも部分的に基づいている。改変された結合挙動に加えて、これらの化学修飾は、DCP1/2酵素系に対するこれらのキャップの親和性に影響を与え、それぞれのmRNAの安定性を潜在的に向上させる。これは、eIF4E−キャップタンパク質のためのこれらの構造のための新規な独特のSARの開発を可能にし、向上したeIF4E結合、および向上した耐分解性を有し、ひいては、向上した翻訳速度、「閉ループ」立体配座の長期の安定性および治療的価値のある標的タンパク質の向上した産生をもたらし得る、メッセンジャーRNAキャップをもたらす。また、本明細書に開示される特定のキャップ類似体を含有するRNA転写物は、意外にも、例えば、RP−HPLCによってより容易に精製される。その代わりにまたはそれに加えて、本明細書に開示されるキャップ類似体(またはRNA(例えば、mRNA))は、eIF4Eに対する向上した結合親和性、または向上した耐分解性を有し、ひいては、向上した翻訳速度、「閉ループ」立体配座の長期の安定性および治療的価値のある標的タンパク質の向上した産生をもたらし得る、天然キャップ(または天然RNA)またはキャップ類似体(または修飾RNA)に容易に変換可能である。
一態様において、本開示は、以下の式(I):
の化合物(例えば、キャップ類似体)またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を提供する。
上記の式(I)において、
が、
であり;
環Bが、修飾または非修飾グアニンであり;
環Bが、核酸塩基または修飾核酸塩基であり;
が、O、S(O)、NR24またはCR2526であり、ここで、pが、0、1、または2であり;
が、OまたはCRであり;
が、O、S(O)、CR、またはNRであり、ここで、nが、0、1、または2であり;
各−−−が、単結合であるかまたは存在せず、ここで、各−−−が単結合である場合、Yは、O、S(O)、CR、またはNRであり;各−−−が存在しない場合、Yはなしであり;
が、(OP(O)R(ここで、mが、0、1、または2である)、または−O−(CR4041−Q−(CR4243−であり、ここで、Qが、結合、O、S(O)、NR44、またはCR4546であり、rが、0、1、または2であり、uおよびvのそれぞれが、独立して、1、2、3または4であり;
が、ハロ、LNA、またはORであり;
が、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、Rは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルである場合、ハロ、OH、および1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換され;
各Rが、独立して、H、ハロ、C〜Cアルキル、OH、SH、SeH、またはBH であり;
、R、およびRのそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、COOH、シアノ、またはRS1であり、ここで、RS1が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシル、C(O)O−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NR3132、(NR313233、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS1が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、NR3132、(NR313233、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
10、R11、R12、R1314、およびR15のそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、NH、シアノ、NO、N、RS2、またはORS2であり、ここで、RS2が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NHC(O)−C〜Cアルキル、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS2が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、NR3132、(NR313233、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;あるいはR12が、R14と一緒にオキソであり、またはR13が、R15と一緒にオキソであり;
17、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、NH、シアノ、NO、N、RS3、またはORS3であり、ここで、RS3が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NHC(O)−C〜Cアルキル、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS3が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
24、R25、およびR26のそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
27およびR28のそれぞれが、独立して、HまたはOR29であり;またはR27およびR28が一緒に、O−R30−Oを形成し;
各R29が、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、R29は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルである場合、ハロ、OHおよび1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換され;
30が、ハロ、OHおよびC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキレンであり;
31、R32、およびR33のそれぞれが、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり;
40、R41、R42、およびR43のそれぞれが、独立して、H、ハロ、OH、シアノ、N、OP(O)R4748、または1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルであり、または1つのR41および1つのR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、C〜C10シクロアルキル、4員〜14員ヘテロシクロアルキル、C〜C10アリール、または5員〜14員ヘテロアリールを形成し、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールのそれぞれが、OH、ハロ、シアノ、N、オキソ、OP(O)R4748、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、C〜Cハロアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノのうちの1つ以上で任意に置換され;
44が、H、C〜Cアルキル、またはアミン保護基であり;
45およびR46のそれぞれが、独立して、H、OP(O)R4748、または1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルであり、
47およびR48のそれぞれが、独立して、H、ハロ、C〜Cアルキル、OH、SH、SeH、またはBH である。
式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩は、適用可能な場合、以下の特徴のうちの1つ以上を有し得る。
例えば、式(I)の化合物は、キャップ0(すなわち、m7GpppG)、キャップ1(すなわち、m7GpppG(2’−Om))、またはARCA(すなわち、m7(3’−Om)GpppG)を含まない。
例えば、Rが、OHまたはメトキシである場合、以下の5つの選択肢の少なくとも1つが適用される:(i)環Bが、グアニンまたは7−メチル−グアニンでない、(ii)
が、
である、(iii)
が、
であり、ここで、Xが、S(O)、NR24またはCR2526であり、ここで、pが、0、1、または2であり;またはR20、R21、R22、およびR23の少なくとも1つがHでない、(iv)Yが、−O−(CR4041−Q−(CR4243−である、または(v)R17がHでない。
例えば、化合物は、式(II):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩である。
例えば、
が、
である。
例えば、
が、
である。
例えば、
が、
である。
例えば、
が、
である。
例えば、
が、
である。
例えば、YがOである。
例えば、YがCRである。
例えば、Yが、存在する場合、Oである。
例えば、Yが、存在する場合、S、SO、またはSOである。
例えば、Yが、存在する場合、NRである。
例えば、Yが、存在する場合、CRである。
例えば、R、R、およびRのそれぞれが、独立して、−Q−Tである。
例えば、Qが結合である。
例えば、Qが非置換C〜Cアルキルリンカーである。
例えば、TがHである。
例えば、Tが、任意に置換されるC〜CアルキルまたはC〜C10アリールである。
例えば、Tが、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、非置換または置換直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、Tが、限定はされないが、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む、任意に置換されるC〜Cシクロアルキルである。
例えば、Tが、任意に置換されるフェニルである。
例えば、Tが、ハロ(例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)である。
例えば、Tが、任意に置換される4〜7員ヘテロシクロアルキル(例えば、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、およびモルホリニルなど)である。
例えば、Tが、任意に置換される5〜6員ヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルなど)である。
例えば、Tが、任意に置換されるC〜Cアルケニルである。
例えば、Tが、任意に置換されるC〜Cアルキニルである。
例えば、RおよびRのそれぞれが、独立して、H、OH、またはC〜Cアルキルである。
例えば、RがHである。
例えば、Rが、OH、ハロ、およびCOOHのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、Rが、NR3132または(NR313233で任意に置換されるC〜Cアルキルである。例えば、Rが、N(CHで置換されるエチルである。
例えば、Rが、ヒドロキシエチル、ブチル、カルボキシメチル、またはジメチルアミノエチルである。
例えば、Rが、非置換または置換C〜Cアルキニル、例えば、プロピン−3−イルである。
例えば、Rが、OH、ハロ、C〜Cアルキル、およびCOOHのうちの1つ以上で任意に置換されるベンジルである。
例えば、Rが、OH、ハロ、C〜Cアルキル、およびCOOHのうちの1つ以上で任意に置換されるヘテロアリールアルキル(例えば、−CH−トリアゾールまたは−CH−ピリジン)である。
例えば、R31、R32、およびR33のそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルである。
例えば、R10、R11、R12、R1314、およびR15のそれぞれが、独立して、−Q−Tである。
例えば、Qが結合である。
例えば、Qが非置換C〜Cアルキルリンカーである。
例えば、Tが、HまたはOHである。
例えば、TがNである。
例えば、Tがシアノである。
例えば、TがNOである。
例えば、TがNHである。
例えば、Tが、NHCO−C〜Cアルキル、例えば、NHCOCHである。
例えば、Tが、RS2またはORS2であり、ここで、RS2が、任意に置換されるC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜C10アリールである。
例えば、RS2が、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、非置換または置換直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、RS2が、非置換または置換C〜Cアルケニル、例えば、プロペン−3−イルである。
例えば、RS2が、非置換または置換C〜Cアルキニル、例えば、プロピン−3−イルである。
例えば、Tが、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、非置換または置換直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、Tが、限定はされないが、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む、任意に置換されるC〜Cシクロアルキルである。
例えば、Tが、任意に置換されるフェニルである。
例えば、Tが、ハロ(例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)である。
例えば、Tが、任意に置換される4〜7員ヘテロシクロアルキル(例えば、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、およびモルホリニルなど)である。
例えば、Tが、任意に置換される5〜6員ヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルなど)である。
例えば、R10、R11、R12、R1314、およびR15のそれぞれが、独立して、H、OH、ハロ、NH、シアノ、NO、N、C〜Cアルコキシル、ベンジル、またはハロで任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、R10およびR11のそれぞれがHである。
例えば、R12およびR13のそれぞれが、独立して、H、OH、ハロ、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシルである。
例えば、R12およびR13のそれぞれがHである。
例えば、R12およびR13のそれぞれが、独立して、OH、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシルである。
例えば、R12およびR13の一方がHであり、他方が、OH、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシルである。
例えば、R12がHであり、R13が、OHまたはC〜Cアルキルである。
例えば、R14およびR15のそれぞれがHである。
例えば、R12が、R14と一緒にオキソであり、R13が、R15と一緒にオキソである。
例えば、R10、R11、R12、R1314、およびR15の少なくとも1つが、Hでない。
例えば、R17が−Q−Tである。例えば、Qが結合である。例えば、Qが非置換C〜Cアルキルリンカーである。例えば、Tが、HまたはOHである。例えば、TがNである。例えば、Tがシアノである。例えば、TがNOである。例えば、TがNHである。
例えば、R17がHである。
例えば、R17がHでない。
例えば、R17が、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、非置換または置換直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。例えば、R17がメチルである。
例えば、
が、
である。
例えば、
が、
である。
例えば、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれが、独立して、−Q−Tである。
例えば、Qが結合である。
例えば、Qが非置換C〜Cアルキルリンカーである。
例えば、Tが、HまたはOHである。
例えば、TがNである。
例えば、Tがシアノである。
例えば、TがNOである。
例えば、TがNHである。
例えば、Tが、NHCO−C〜Cアルキル、例えば、NHCOCHである。
例えば、Tが、RS3またはORS3であり、ここで、RS3が、任意に置換されるC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、またはC〜C10アリールである。
例えば、RS3が、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、非置換または置換直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、RS3が、非置換または置換C〜Cアルケニル、例えば、プロペン−3−イルである。
例えば、RS3が、非置換または置換C〜Cアルキニル、例えば、プロピン−3−イルである。
例えば、Tが、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、非置換または置換直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、Tが、限定はされないが、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む、任意に置換されるC〜Cシクロアルキルである。
例えば、Tが、任意に置換されるフェニルである。
例えば、Tが、ハロ(例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)である。
例えば、Tが、任意に置換される4〜7員ヘテロシクロアルキル(例えば、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、およびモルホリニルなど)である。
例えば、Tが、任意に置換される5〜6員ヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルなど)である。
例えば、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれが、独立して、H、OH、ハロ、NH、シアノ、NO、N、C〜Cアルコキシル、ベンジル、またはハロで任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれが、独立して、H、シアノ、N、C〜Cアルキル、またはベンジルである。
例えば、R20およびR21の一方がHであり、R20の他方が、シアノ、NO、N、またはC〜Cアルキルである。
例えば、R20およびR21の両方がHである。
例えば、R20およびR27の少なくとも1つがHである。
例えば、R21およびR28の少なくとも1つがHである。
例えば、R22およびR23がそれぞれHである。
例えば、R22およびR23の一方がHであり、他方が、シアノ、NO、N、またはC〜Cアルキルである。
例えば、R20、R21、R22、およびR23の少なくとも1つがHでない。
例えば、R20、R21、R22、およびR23の少なくとも1つがHでなく、Yが(OP(O)Rである。
例えば、R20、R21、R22、およびR23の少なくとも1つがHでなく、Yが(OP(O)Rであり、ここで、各RがOHである。
例えば、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれがHである。
例えば、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれがHであり、Yが、−O−(CR4041−Q−(CR4243−である。
例えば、XがOである。
例えば、Xが、S、SO、またはSOである。
例えば、XがNR24である。
例えば、XがCR2526である。
例えば、R24がHである。
例えば、R24が、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、R25がHである。
例えば、R25が、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、R26がHである。
例えば、R26が、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む、直鎖状C〜Cまたは分枝鎖状C〜Cアルキルである。
例えば、R25およびR26のそれぞれがHである。
例えば、R27がHである。
例えば、R28がHである。
例えば、R27がOHである。
例えば、R28がOHである。
例えば、R27およびR28の両方がOHである。
例えば、R27がOR29である。
例えば、R28がOR29である。
例えば、R27およびR28の両方がOR29である。
例えば、R27およびR28の少なくとも1つがOR29である。
例えば、各R29が、独立して、Hである。
例えば、各R29が、独立して、C〜Cアルキル、例えば、メチルである。
例えば、各R29が、独立して、1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、各R29が、独立して、CHCHOCHである。
例えば、各R29が、独立して、CH(OCHCHOH)である。
例えば、各R29が、独立して、CH(OCHCHOCOCHである。
例えば、各R29が、独立して、非置換または置換C〜Cアルケニル、例えば、プロペン−3−イルである。
例えば、各R29が、独立して、非置換または置換C〜Cアルキニル、例えば、プロピン−3−イルである。
例えば、R27およびR28が、一緒にO−R30−Oを形成する。
例えば、R30が、OH、ハロ、およびC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキレンである。
例えば、R30が、−C(CH−、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、または−CHCH(CH−である。
例えば、Yが(OP(O)Rである。
例えば、mが0である。
例えば、mが1である。
例えば、mが2である。
例えば、Rが、ハロ(例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)である。
例えば、Rがフッ素である。
例えば、RがLNAである。
例えば、RがORである。
例えば、RがHである。
例えば、Rが、C〜Cアルキル、例えば、メチルである。
例えば、Rが、1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、Rが、CHCHOCHである。
例えば、Rが、CH(OCHCHOH)である。
例えば、Rが、CH(OCHCHOCOCHである。
例えば、Rが、非置換または置換C〜Cアルケニル、例えば、プロペン−3−イルである。
例えば、Rが、非置換または置換C〜Cアルキニル、例えば、プロピン−3−イルである。
例えば、少なくとも1つのRがHである。
例えば、少なくとも1つのRがOHである。
例えば、少なくとも1つのRが、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルまたはn−ヘキシル)である。
例えば、少なくとも1つのRがSHである。
例えば、少なくとも1つのRがSeHである。
例えば、少なくとも1つのRがBH である。
例えば、少なくとも1つのRが、ハロ、例えば、F、Cl、Br、またはIである。
例えば、各RがOHである。
例えば、Yが、−O−(CR4041−Q−(CR4243−である。
例えば、Yが、−OCHCH−である。
例えば、Yが、−OCHCH−Q−CHCH−である。
例えば、Yが、−O(CR4041u−1−CH(R41)−Q−CH(R43)−(CR4243v−1−である。
例えば、uが、1または2である。
例えば、uが3である。
例えば、uが4である。
例えば、vが、1または2である。
例えば、vが3である。
例えば、vが4である。
例えば、uが、vと同じである。
例えば、uが、vと異なる。
例えば、Qが結合である。
例えば、QがOである。
例えば、Qが、S、SO、またはSOである。
例えば、Qが、NR44、例えば、NHである。
例えば、QがCR4546である。
例えば、R41およびR43のそれぞれがHである。
例えば、R40およびR42のそれぞれがHである。
例えば、1つのR41および1つのR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、C〜Cシクロアルキル、5員〜8員ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールを形成し、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールのそれぞれは、OH、ハロ、シアノ、オキソ、C〜Cアルキル、またはC〜Cハロアルキルのうちの1つ以上で任意に置換される。
例えば、Yが、−OCH(R41)−Q−CH(R43)−である。例えば、R41およびR43のそれぞれがHである。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)を形成する。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、5員〜8員ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、およびモルホリニルなど)を形成する。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、フェニルを形成する。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、5員〜6員ヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルなど)を形成する。例えば、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールのそれぞれは、OH、OP(O)R4748(例えば、OP(O)(OH)またはOP(O)(F)(OH))、ハロ、シアノ、オキソ、C〜Cアルキル、またはC〜Cハロアルキルのうちの1つ以上で任意に置換される。
例えば、Yが、−OCH−CH(R41)−Q−CH(R43)−CH−である。例えば、R41およびR43のそれぞれがHである。例えば、R41およびR43のそれぞれが、OP(O)R4748、例えば、OP(O)(OH)である。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)を形成する。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、5員〜8員ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、およびモルホリニルなど)を形成する。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、フェニルを形成する。例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、5員〜6員ヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルなど)を形成する。例えば、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールのそれぞれは、OH、ハロ、シアノ、オキソ、OP(O)R4748(例えば、OP(O)(OH)またはOP(O)(F)(OH))、C〜Cアルキル、またはC〜Cハロアルキルのうちの1つ以上で任意に置換される。
例えば、R41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、1,3−シクロヘキシル、2,6−テトラヒドロピラニル、2,6−テトラヒドロピラニル、または2,5−チアゾリルを形成し、これらのそれぞれは、1つ以上のOHで任意に置換される。
例えば、R44がC〜Cアルキルである。
例えば、R44がHである。
例えば、R44が、アミン保護基(例えば、t−ブチルオキシカルボニル)である。
例えば、R45およびR46のそれぞれがHである。
例えば、R45およびR46の少なくとも1つが、OP(O)R4748、または1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、R47およびR48の少なくとも1つが、ハロ、例えば、F、Cl、BrまたはIである。
例えば、R47およびR48の少なくとも1つがOHである。
例えば、R45およびR46の一方がHであり、他方がOP(O)(OH)である。
例えば、R45およびR46の一方がHであり、他方がOP(O)(F)(OH)である。
例えば、R45およびR46の一方がHであり、他方が、1つ以上のOP(O)R4748、例えば、OP(O)(OH)で任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、R45およびR46のそれぞれが、独立して、1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、R45およびR46のそれぞれが、独立して、1つ以上のOP(O)(OH)、例えば、−CH−OP(O)(OH)で任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、R45およびR46のそれぞれが、独立して、1つ以上のOP(O)(F)(OH)、例えば、−CH−OP(O)(F)(OH)で任意に置換されるC〜Cアルキルである。
例えば、環Bが、
であり、ここで、Rが、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり、前記C〜Cアルキルは、ハロおよびシアノのうちの1つ以上でそれぞれ任意に置換される、フェニルおよびフェノキシルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換される;またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。
例えば、環Bが、
である。
例えば、環Bが、
である。
例えば、環Bが、
であり、ここで、Rが、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニル(例えば、プロペン−3−イル)である。
例えば、RおよびRの少なくとも1つがアミン保護基であり、他方がHである。
例えば、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、OH、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換される4〜12員ヘテロシクロアルキルを形成する。
例えば、4〜12員ヘテロシクロアルキルは、OHおよびハロから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されるフタリミジルである。例えば、4〜12員ヘテロシクロアルキルは、フタリミジルである。例えば、4〜12員ヘテロシクロアルキルは、テトラクロロフタリミジルである。
例えば、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、−N=CH−Rを形成し、ここで、Rが、OH、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されるフェニルである。
例えば、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、−N=N−Rを形成し、ここで、Rが、OH、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されるフェニルである。
例えば、Rが非置換フェニルである。
例えば、Rが、OH、ハロ、およびC〜Cアルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されるフェニルである。
例えば、Rが、1つ以上のOHで置換されるフェニルである。
例えば、RがHである。
例えば、RがC〜Cアルキルである。
例えば、RがNHである。
例えば、環Bが、
であり、ここで、tが、0、1、2、3、または4であり、Rのそれぞれが、独立して、OH、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、またはジ−C〜Cアルキルアミノである;またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。例えば、tが0である。例えば、tが4である。例えば、少なくとも1つのRが、ハロ(例えば、F、Cl、BrまたはI)である。
例えば、環Bが、
であり、ここで、tが、0、1、2、3、または4であり、Rのそれぞれが、独立して、OH、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、またはジ−C〜Cアルキルアミノである;またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。例えば、tが1である。例えば、少なくとも1つのRがOHである。
例えば、tが0である。
例えば、tが1である。
例えば、tが2である。
例えば、tが3である。
例えば、tが4である。
例えば、各Rが、ハロ(例えば、F、Cl、BrまたはI)である。
例えば、各RがClであり、tが4である。
例えば、各RがOHである。
例えば、少なくとも1つのRがOHである。
例えば、少なくとも1つのRが、ハロ(例えば、F、Cl、BrまたはI)である。
例えば、少なくとも1つのRがCOOHである。
例えば、少なくとも1つのRが、C(O)O−C〜Cアルキルである。
例えば、少なくとも1つのRが、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、またはジ−C〜Cアルキルアミノである。
例えば、Rのそれぞれが、独立して、OH、ハロ、C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、またはジ−C〜Cアルキルアミノである。
例えば、環Bが、
であり、ここで、RおよびRのそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルである。
例えば、Rが、Hまたはメチルである。
例えば、Rが、Hまたはメチルである。
例えば、RがC〜Cアルキルである。
例えば、Rがメチルである。
例えば、Rが、ハロおよびシアノのうちの1つ以上で置換されるフェノキシルで置換されるエチルである。
例えば、Rが、4−クロロフェノキシルエチル、4−ブロモフェノキシルエチル、または4−シアノフェノキシルエチルである。
例えば、Rが、C〜Cアルケニル(例えば、プロペン−3−イル)である。
例えば、環Bが、
であり、ここで、
が、NまたはN(R)であり;
が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロおよびシアノのうちの1つ以上でそれぞれ任意に置換される、C〜C10アリール、C〜C10アリールオキシル、5員〜10員ヘテロアリール、および5員〜10員ヘテロアリールオキシルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
およびRのそれぞれが、独立して、H、C〜Cアルキルまたはアミン保護基であり、またはRおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、4〜12員ヘテロシクロアルキル、−N=CH−R、または−N=N−Rを形成し、ここで、Rがフェニルであり、4〜12員ヘテロシクロアルキルおよびRのそれぞれが、OH、ハロ、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
が、存在する場合、H、NH、またはC〜Cアルキルであり;またはRならびにRおよびRのうちの1つが、それらが結合する2つの窒素原子および2つの窒素原子を連結する炭素原子と一緒に、OH、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、およびC〜Cアルキニルのうちの1つ以上で任意に置換される5員または6員複素環を形成する、または
その立体異性体、互変異性体もしくは塩。
例えば、RおよびRのそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルである。
例えば、Rが、Hまたはメチルである。
例えば、Rが、Hまたはメチルである。
例えば、RおよびRの少なくとも1つでアミン保護基であり、他方がHである。
例えば、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、OH、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換される4〜12員ヘテロシクロアルキルを形成する。例えば、4〜12員ヘテロシクロアルキルは、OHおよびハロから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されるフタリミジルである。例えば、4〜12員ヘテロシクロアルキルは、フタリミジルである。例えば、4〜12員ヘテロシクロアルキルは、テトラクロロフタリミジルである。
例えば、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、−N=CH−Rを形成し、ここで、Rが、OH、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されるフェニルである。
例えば、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、−N=N−Rを形成し、ここで、Rが、OH、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されるフェニルである。
例えば、Rが非置換フェニルである。
例えば、Rが、OH、ハロ、およびC〜Cアルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されるフェニルである。
例えば、Rが、1つ以上のOHで置換されるフェニルである。
例えば、Rが、存在する場合、Hである。
例えば、Rが、存在する場合、NHである。
例えば、Rが、存在する場合、C〜Cアルキルである。
例えば、RならびにRおよびRのうちの1つが、それらが結合する2つの窒素原子および2つの窒素原子を連結する炭素原子と一緒に、OH、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、およびC〜Cアルキニルのうちの1つ以上で任意に置換される5員または6員複素環を形成する。例えば、複素環を形成しないRおよびRの他方が、存在しないか、H、またはC〜Cアルキルである。
例えば、環Bが、
であり、ここで、RおよびRのそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルである。例えば、Rが、Hまたはメチルである。例えば、Rが、Hまたはメチルである。
例えば、環Bが、
である。
例えば、XがNである。
例えば、XがN(R)である。
例えば、Rがメチルである。
例えば、Rが、ハロおよびシアノのうちの1つ以上で置換されるフェノキシルで置換されるエチルである。
例えば、Rが、4−クロロフェノキシルエチル、4−ブロモフェノキシルエチル、または4−シアノフェノキシルエチルである。
例えば、式(I)の化合物の1つのサブセットが、式(Ia1)、(Ia2)、(Ia3)、または(Ia4):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を含む。
例えば、式(I)の化合物の1つのサブセットが、式(Ib1)、(Ib2)、(Ib3)または(Ib4):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を含む。
例えば、式(I)の化合物の別のサブセットが、式(IIa1)、(IIa2)、(IIa3)、(IIa4)、(IIb1)、(IIb2)、(IIb3)または(IIb4):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を含む。
例えば、式(I)の化合物の別のサブセットが、式(IIc)、(IId)、(IIe)、または(IIf):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を含む。
例えば、式(I)の化合物の別のサブセットが、式(IIg):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を含み、ここで、R17がHでない。例えば、R17がメチルである。
例えば、式(I)の化合物の別のサブセットが、式(IIh):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を含む。例えば、Rが、ハロおよびシアノのうちの1つ以上で置換されるフェノキシルで置換されるエチルである。例えば、Rが、4−クロロフェノキシルエチル、4−ブロモフェノキシルエチル、または4−シアノフェノキシルエチルである。
例えば、式(I)の化合物の別のサブセットが、式(IIj):
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を含む。
実施形態において、式(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれか1つにおける変数は、適用可能である場合、式(I)について本明細書に定義されるとおりである。
実施形態において、式(I)、(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれかの化合物は、キャップ類似体である。実施形態において、式(I)、(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれかの化合物は、アンチリバースキャップ類似体(ARCA:anti−reverse cap analog)である。実施形態において、式(I)、(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれかの化合物は、5’末端においてRNA分子(例えば、mRNA)に組み込まれる。
さらに別の態様において、本開示は、化合物(例えば、キャップ類似体)または例えば、天然mRNAキャップおよび天然mRNAと比較して、向上したeIF4E結合親和性、向上した耐分解性、またはその両方を有するキャップ類似体を含有するポリヌクレオチドも提供する。本明細書において使用される際、koffは、解離相から計算されるオフレートであり、konは、結合相から計算されるオンレートであり;KまたはKは、koff/konの比率である結合親和性であり、滞留時間、τは、koffの逆数である。
実施形態において、向上したeIF4E結合親和性を有する化合物は、表面プラズモン共鳴(SPR:surface plasmon resonance)によって特徴付けられる真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E)と結合するとき、約2秒以上の滞留時間、τを有する。例えば、化合物のτは、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、50秒、75秒、80秒、90秒、100秒、またはそれ以上である。例えば、化合物は、1秒−1以下(例えば、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.08、0.06、0.04、0.02、または0.01秒−1以下)のeIF4E koffを有する。例えば、約2秒以上(例えば、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、50秒、75秒、80秒、90秒、100秒、またはそれ以上)のτを有する化合物は、式(I)、(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれかの化合物またはその誘導体もしくは類似体である。例えば、約2秒以上(例えば、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、50秒、75秒、80秒、90秒、100秒、またはそれ以上)のτを有する化合物は、表1〜2および5〜8に含まれるもののいずれか、ならびにその立体異性体、互変異性体および塩から選択される。
実施形態において、向上したeIF4E結合親和性を有する化合物は、表面プラズモン共鳴(SPR)によって特徴付けられるeIF4Eと結合するとき、天然キャップの滞留時間の少なくとも2倍の滞留時間、τを有する。例えば、化合物のτは、天然キャップのτの少なくとも3、4、5、6、7、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。例えば、天然キャップのτの少なくとも2倍(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、または100倍)のτを有する化合物は、式(I)、(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれかの化合物またはその誘導体もしくは類似体である。例えば、天然キャップのτの少なくとも2倍(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、または100倍)のτを有する化合物は、表1〜2および5〜8に含まれるもののいずれか、ならびにその立体異性体、互変異性体および塩から選択される。
実施形態において、向上したeIF4E結合親和性を有する化合物は、例えば、SPRを用いて、10μM以下のKまたはKを有する。例えば、化合物のKは、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.7、0.5、0.3、または0.1μM以下である。例えば、化合物は、10μM以下(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.7、0.5、0.3、または0.1μM以下)のeIF4E K、および約2秒以上(例えば、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、50秒、75秒、80秒、90秒、100秒、またはそれ以上)のτを有する。例えば、10μM以下(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.7、0.5、0.3、または0.1μM以下)のKを有する化合物は、式(I)、(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれかの化合物またはその誘導体もしくは類似体である。例えば、10μM以下(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.7、0.5、0.3、または0.1μM以下)のKを有する化合物は、表1〜2および5〜8に含まれるもののいずれか、ならびにその立体異性体、互変異性体および塩から選択される。
実施形態において、本明細書に開示される化合物(例えば、キャップ類似体)を有するRNA分子は、向上した耐分解性を有する。例えば、修飾RNA分子は、細胞環境中の対応する天然RNA分子の半減期の少なくとも1.2倍の半減期を有する。例えば、修飾RNA分子の半減期は、細胞環境中の対応する天然RNA分子の半減期の少なくとも1.5、2、3、4、5、6、7、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。例えば、修飾RNA分子は、式(I)、(Ia1)〜(Ia4)、(Ib1)〜(Ib4)、(IIa1)〜(IIa4)、(IIb1)〜(IIb4)、および(IIc)〜(IIj)のいずれかの化合物またはその誘導体もしくは類似体を有する。例えば、修飾RNA分子は、表1〜2および5〜8に含まれるもののいずれか、ならびにその立体異性体、互変異性体および塩から選択される化合物を有する。
本開示の代表的な化合物は、表1〜2および5〜8に列挙される化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、および塩を含む。表1において、Rが、H、ハロ、OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、またはアミノ酸の側鎖である。表1および2において、BおよびYが、式(I)に定義されるとおりであるかまたはそれぞれ表3および4に定義されるとおりである。
なお、下の表中に含まれる「or」は「または」の意を表す。
例えば、表1および2に列挙される化合物は、表3に列挙されるBを有し得るかもしくは有してもよく、または表4に列挙されるYを有し得るかもしくは有してもよく、または表3に列挙されるBおよび表4に列挙されるYの両方を有し得るかもしくは有してもよい。その代わりにまたはそれに加えて、表1〜2および5〜8に列挙される化合物は、式(I)に定義されるもの、例えば、非修飾もしくは修飾シトシンまたはウラシルのいずれかで置換されるB環を有し得るかもしくは有してもよい。別の例として、表1〜2および5〜8に列挙される化合物は、式(I)に定義されるもの、例えば、OCH、OCH(OCHCHOH)またはOCH(OCHCHOCOCHのいずれかで置換されるR(例えば、OH)を有し得るかもしくは有してもよい。
本明細書において使用される際、「LNA」または「ロックド核酸」という用語は、ヌクレオチドモノマーの2’Oと4’Cとの間のメチレン架橋を指し、それは、このような架橋をそれぞれ含有する、糖類似体、ヌクレオシド、ヌクレオチドモノマー、または核酸も指す。例えば、LNAは、以下の構造
、または国際公開第99/14226号パンフレットおよびコア(Kore)ら著、米国化学会誌(J.AM.CHEM.SOC.)2009、131、6364〜6365(これらのそれぞれの内容は、全体が参照により本明細書に援用される)に記載されるものを有する。
本明細書において使用される際、「核酸塩基」という用語は、窒素含有複素環部分を指し、これは、1つの核酸鎖を別の相補鎖に配列特異的に結合する水素結合に関与する核酸の部分である。最も一般的な天然核酸塩基は、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、およびウラシル(U)である。
「修飾核酸塩基」という用語は、核酸塩基を置換し得る部分を指す。修飾核酸塩基は、核酸塩基の空間的配置、電子的特性、またはいくつかの他の物理化学的特性を模倣し、1つの核酸鎖を別の鎖に配列特異的に結合する水素結合の特性を保持する。修飾核酸塩基は、融解挙動、細胞内酵素による認識、またはオリゴヌクレオチド二本鎖の活性に実質的に影響を与えずに、5つの天然塩基(ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、またはグアニン)のうちの少なくとも1つと塩基対合し得る。「修飾ヌクレオシド」または「修飾ヌクレオチド」という用語は、修飾核酸塩基および/または本明細書に開示される他の化学修飾、例えば、修飾糖、修飾リン原子架橋または修飾ヌクレオシド間結合を含む、ヌクレオシドまたはヌクレオチドを指す。
好適な核酸塩基の非限定的な例としては、限定はされないが、例えば、アシル保護基によって保護されるそれらのそれぞれのアミノ基を任意に有する、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、およびグアニン、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、2−フルオロウラシル、2−フルオロシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、2,6−ジアミノプリン、アザシトシン、2−チオウラシル、2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)、N8−(8−アザ−7−デアザアデニン)、ピリミジン類似体、例えば、プソイドシトシンおよびプソイドウラシルならびに他の修飾核酸塩基、例えば、8−置換プリン、キサンチン、またはヒポキサンチン(最後の2つは、天然の分解産物である)が挙げられる。例示的な修飾核酸塩基は、チウ(Chiu)およびラナ(Rana)著、RNA、2003、9、1034〜1048、リンバッハ(Limbach)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、1994、22、2183〜2196、およびレバンカー(Revankar)およびラオ(Rao)著、コンプリヘンシブ・ナチュラル・プロダクツ・ケミストリー(Comprehensive Natural Products Chemistry)、第7巻、313に開示されている。
以下の一般式によって表される化合物はまた、核酸塩基:
(ここで、RおよびXが、本明細書に定義されるとおりであり、
100およびR101のそれぞれが、独立して、H、C〜Cアルキル、またはアミン保護基(−C(O)R’など、ここで、R’が、あくまでも例として、メチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、またはフェノキシメチル基を含む、1〜15個の炭素原子を有する、脂肪族、アリール、アラルキル、アリールオキシルアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基から選択される任意に置換される直鎖状または分枝鎖状基である)であり、またはR100およびR101が、それらが結合されるN原子と一緒に、−N=CH−NR’R”を形成し、ここで、R’およびR”のそれぞれが、独立して、任意に置換される脂肪族、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり;またはR100およびR101が、それらが結合されるN原子と一緒に、4〜12員ヘテロシクロアルキル(例えば、OHおよびハロから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されるフタリミジル)、−N=CH−R103、または−N=N−R103(ここで、R103がフェニルである)を形成し、4〜12員ヘテロシクロアルキルおよびR103のそれぞれが、OH、オキソ、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
各R102が、独立して、H、NH、またはC〜Cアルキルであり;またはR102ならびにR100およびR101のうちの1つが、それらが結合する2つの窒素原子および2つの窒素原子を連結する炭素原子と一緒に、OH、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、およびC〜Cアルキニルのうちの1つ以上で任意に置換される5員または6員複素環を形成する)、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩として考えられる。例えば、複素環を形成しないR100およびR101の他方が、存在しないか、H、またはC〜Cアルキルである。
修飾核酸塩基は、フェニル環などの1つ以上のアリール環が加えられた拡張されたサイズの核酸塩基も含む。これらの拡張されたサイズの核酸塩基のいくつかの例が、以下に示されている。
「修飾糖」または「糖類似体」という用語は、糖を置換し得る部分を指す。修飾糖は、糖の空間的配置、電子的特性、またはいくつかの他の物理化学的特性を模倣する。
本明細書において使用される際、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」という用語は、同義的に使用され、内部のヌクレオチドホスホジエステル結合によって連結されるリボヌクレオチド(RNA)および2’−デオキシリボヌクレオチド(DNA)を含む、ヌクレオチドモノマーの一本鎖および二本鎖ポリマーまたはオリゴマーを指す。ポリヌクレオチドは、全体がデオキシリボヌクレオチド、全体がリボヌクレオチドまたはそれらのキメラ混合物から構成され得る。
本明細書において使用される際、「メッセンジャーRNA」(mRNA)という用語は、少なくとも1つの目的のペプチドまたはポリペプチドをコードし、翻訳されて、インビトロ、インビボ、インサイチュまたはエクスビボでコードされた目的のペプチドポリペプチドを生成することが可能な任意のポリヌクレオチドを指す。mRNAは、RNAポリメラーゼ酵素によってDNA配列から転写されており、リボソームと相互作用して、DNAによってコードされる遺伝情報を合成する。一般に、mRNAは、2つのサブクラス:プレ−mRNAおよび成熟mRNAに分類される。前駆体mRNA(プレ−mRNA)は、RNAポリメラーゼによって転写されたが、転写後プロセシング(例えば、5’キャッピング、スプライシング、編集、およびポリアデニル化)を経ていないmRNAである。成熟mRNAは、転写後プロセシングによって修飾(例えば、イントロンを除去するためにスプライシングおよびポリアデニル化)されており、リボソームと相互作用して、タンパク質合成を行うことができる。mRNAは、様々な方法によって組織または細胞から単離され得る。例えば、全RNA抽出は、細胞または細胞溶解物において行われ得、得られた抽出された全RNAは、(例えば、オリゴ−dTビーズを含むカラム上で)精製されて、抽出されたmRNAが得られる。
あるいは、mRNAは、無細胞環境中で、例えばインビトロ転写(IVT:in vitro transcription)によって合成され得る。本明細書において使用される際の「インビトロ転写鋳型」は、メッセンジャーRNA(mRNA)の生成のためのIVT反応に使用するのに好適なデオキシリボ核酸(DNA)を指す。ある実施形態において、IVT鋳型は、5’非翻訳領域をコードし、オープンリーディングフレームを含有し、3’非翻訳領域およびポリA尾部をコードする。IVT鋳型の具体的なヌクレオチド配列の組成および長さは、鋳型によってコードされる目的のmRNAに左右される。
「5’非翻訳領域(UTR:untranslated region)」は、タンパク質またはペプチドをコードしない開始コドン(すなわち、リボソームによって翻訳されるmRNA転写物の最初のコドン)から直接上流(すなわち、5’)のmRNAの領域を指す。
「3’非翻訳領域(UTR)」は、タンパク質またはペプチドをコードしない終止コドン(すなわち、翻訳の終結をシグナル伝達するmRNA転写物のコドン)から直接下流(すなわち、3’)のmRNAの領域を指す。
「オープンリーディングフレーム」は、開始コドン(例えば、メチオニン(ATG))から開始し、終止コドン(例えば、TAA、TAGまたはTGA)で終了するDNAの連続区画であり、タンパク質またはペプチドをコードする。
「ポリA尾部」は、複数の連続したアデノシン一リン酸を含有する3’UTRの下流、例えば、直接下流(すなわち、3’)のmRNAの領域である。ポリA尾部は、10〜300個のアデノシン一リン酸を含有し得る。例えば、ポリA尾部は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290または300個のアデノシン一リン酸を含有し得る。ある実施形態において、ポリA尾部は、50〜250個のアデノシン一リン酸を含有する。関連する生物学的環境(例えば、細胞内、インビボなど)において、ポリ(A)尾部は、例えば、細胞質において酵素分解からmRNAを保護するように機能し、転写終結、核からのmRNAの輸送、および翻訳を助ける。
したがって、ポリヌクレオチドは、ある実施形態において、(a)目的のポリペプチドをコードする連結ヌクレオシドの第1の領域;(b)5’非翻訳領域(UTR)を含む前記第1の領域に対して5’に位置する第1の末端領域;(c)前記第1の領域に対して3’に位置する第2の末端領域;および(d)尾部形成領域を含み得る。ポリヌクレオチドおよび核酸という用語は、本明細書において同義的に使用される。
ある実施形態において、ポリヌクレオチドは、約200〜約3,000個のヌクレオチド(例えば、200〜500、200〜1,000、200〜1,500、200〜3,000、500〜1,000、500〜1,500、500〜2,000、500〜3,000、1,000〜1,500、1,000〜2,000、1,000〜3,000、1,500〜3,000、または2,000〜3,000個のヌクレオチド)を含む。
本明細書に開示されるIVT mRNAは、mRNAとして機能し得るが、核酸ベースの治療法を用いた有効なポリペプチド生成の既存の問題を克服するのに役立つそれらの機能および/または構造設計特徴において野生型mRNAと区別される。例えば、IVT mRNAは、構造的に修飾されるかまたは化学的に修飾され得る。本明細書において使用される際、「構造的」修飾は、ヌクレオチド自体の実質的な化学修飾を伴わずに、ポリヌクレオチドにおいて、2つ以上の連結ヌクレオシドが、挿入、除去、重複、反転またはランダム化された修飾である。構造的修飾を行うために、化学結合が、必然的に、破壊され、改変されることになるため、構造的修飾は、化学的性質を有し、したがって、化学修飾である。しかしながら、構造的修飾は、ヌクレオチドの異なる配列をもたらす。例えば、ポリヌクレオチド「ATCG」は、「AT−5meC−G」に化学的に修飾され得る。同じポリヌクレオチドは、「ATCG」から「ATCCCG」に構造的に修飾され得る。この場合、ジヌクレオチド「CC」が、挿入されて、ポリヌクレオチドに構造的修飾をもたらしている。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドをコードするcDNAは、インビトロ転写(IVT)系を用いて転写され得る。この系は、典型的に、転写緩衝液、ヌクレオチド三リン酸(NTP:nucleotide triphosphate)、RNase阻害剤およびポリメラーゼを含む。NTPは、社内で製造されてもよく、供給業者から選択されてもよく、または本明細書に記載されるように合成され得る。NTPは、限定はされないが、天然および非天然(修飾)NTPを含む本明細書に記載されるものから選択され得る。ポリメラーゼは、限定はされないが、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼおよび突然変異体ポリメラーゼ、例えば、限定はされないが、ポリヌクレオチド(例えば、修飾核酸)を組み込むことが可能なポリメラーゼから選択され得る。本明細書において使用される際のTPは、三リン酸を表す。
実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含み得る。本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、例えば、本明細書に開示される5’末端mRNAキャップ部分における修飾に加えて、天然のまたは天然に存在するポリヌクレオチドからの様々な置換および/または挿入を含み得る。本明細書において使用される際、ポリヌクレオチドに言及するとき、「化学修飾」または、必要に応じて、「化学的に修飾される」という用語は、アデノシン(A)、グアノシン(G)、ウリジン(U)、チミジン(T)またはシチジン(C)リボ−またはデオキシリボヌクレオシドに関する修飾およびそれらの位置、パターン、パーセントまたは数のうちの1つ以上におけるヌクレオシド間結合を指す。一般に、本明細書において、これらの用語は、天然に存在する5’末端mRNAキャップ部分におけるリボヌクレオチド修飾を指すことは意図されていない。
修飾は、様々な異なる修飾であり得る。ある実施形態において、この領域は、1つ、2つ、またはそれ以上の(任意に異なる)ヌクレオシドまたはヌクレオチド修飾を含有し得る。ある実施形態において、細胞に導入された修飾ポリヌクレオチドは、非修飾ポリヌクレオチドと比較して、細胞内で減少した分解を示し得る。
本開示のポリヌクレオチドの修飾としては、限定はされないが、以下に詳細に列挙されるものが挙げられる。ポリヌクレオチドは、天然に存在する修飾、天然に存在しない修飾を含んでもよく、またはポリヌクレオチドは、天然に存在するおよび天然に存在しない修飾の両方を含み得る。
本開示のポリヌクレオチドは、例えば、糖、核酸塩基、またはヌクレオシド間結合に対する(例えば、連結しているホスフェートに対する/ホスホジエステル結合に対する/ホスホジエステル骨格に対する)任意の修飾を含み得る。ピリミジンまたはプリン核酸塩基の1つ以上の原子は、任意に置換されるアミノ、任意に置換されるチオール、任意に置換されるアルキル(例えば、メチルまたはエチル)、またはハロ(例えば、クロロまたはフルオロ)で置換(replaced)または置換(substituted)され得る。
特定の実施形態において、修飾(例えば、1つ以上の修飾)が、糖およびヌクレオシド間結合のそれぞれに存在する。本開示に係る修飾は、リボ核酸(RNA)のデオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)またはそのハイブリッド)への修飾であり得る。さらなる修飾が本明細書に記載される。
非天然修飾ヌクレオチドが、所望の機能または特性を得るために、鎖の合成中または合成後にポリヌクレオチドに導入され得る。修飾は、ヌクレオチド間系統、プリンまたはピリミジン塩基、または糖の上にあり得る。修飾は、化学合成またはポリメラーゼ酵素によって;鎖の末端にまたは鎖中の他の箇所に導入され得る。ポリヌクレオチドの領域のいずれかが化学的に修飾され得る。
本開示は、非修飾もしくは修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドならびにそれらの組合せを含むポリヌクレオチドを提供する。本明細書に記載される際、「ヌクレオシド」は、有機塩基(例えば、プリンまたはピリミジン)またはその誘導体(本明細書において「核酸塩基」とも呼ばれる)と組み合わせて、糖分子(例えば、ペントースまたはリボース)またはその誘導体を含有する化合物として定義される。本明細書に記載される際、「ヌクレオチド」は、リン酸基を含むヌクレオシドとして定義される。修飾ヌクレオチドは、本明細書に記載される任意の有用な方法によって(例えば、1つ以上の修飾または非天然ヌクレオシドを含むように、化学的に、酵素的に、または組み換えにより)合成され得る。ポリヌクレオチドは、連結ヌクレオシドの1つまたは複数の領域を含み得る。このような領域は、可変の骨格結合を有し得る。結合は、標準的なホスホジエステル結合であってもよく、その場合、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの領域を含み得る。塩基/糖またはリンカーの任意の組合せが、本開示のポリヌクレオチドに組み込まれ得る。
本開示の組成物、方法および合成方法に有用な、限定はされないが、化学修飾を含む、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)の修飾としては、限定はされないが、以下のものが挙げられる:2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン;2−メチルチオ−N6−メチルアデノシン;2−メチルチオ−N6−トレオニルカルバモイルアデノシン;N6−グリシニル(glycinyl)カルバモイルアデノシン;N6−イソペンテニルアデノシン;N6−メチルアデノシン;N6−トレオニルカルバモイルアデノシン;1,2’−O−ジメチルアデノシン;1−メチルアデノシン;2’−O−メチルアデノシン;2’−O−リボシルアデノシン(ホスフェート);2−メチルアデノシン;2−メチルチオ−N6イソペンテニルアデノシン;2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン;2’−O−メチルアデノシン;2’−O−リボシルアデノシン(ホスフェート);イソペンテニルアデノシン;N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン;N6,2’−O−ジメチルアデノシン;N6,2’−O−ジメチルアデノシン;N6,N6,2’−O−トリメチルアデノシン;N6,N6−ジメチルアデノシン;N6−アセチルアデノシン;N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン;N6−メチル−N6−トレオニルカルバモイルアデノシン;2−メチルアデノシン;2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン;7−デアザ−アデノシン;N1−メチル−アデノシン;N6、N6(ジメチル)アデニン;N6−シス−ヒドロキシ−イソペンテニル−アデノシン;α−チオ−アデノシン;2(アミノ)アデニン;2(アミノプロピル)アデニン;2(メチルチオ)N6(イソペンテニル)アデニン;2−(アルキル)アデニン;2−(アミノアルキル)アデニン;2−(アミノプロピル)アデニン;2−(ハロ)アデニン;2−(ハロ)アデニン;2−(プロピル)アデニン;2’−アミノ−2’−デオキシ−ATP;2’−アジド−2’−デオキシ−ATP;2’−デオキシ−2’−a−アミノアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−アジドアデノシンTP;6(アルキル)アデニン;6(メチル)アデニン;6−(アルキル)アデニン;6−(メチル)アデニン;7(デアザ)アデニン;8(アルケニル)アデニン;8(アルキニル)アデニン;8(アミノ)アデニン;8(チオアルキル)アデニン;8−(アルケニル)アデニン;8−(アルキル)アデニン;8−(アルキニル)アデニン;8−(アミノ)アデニン;8−(ハロ)アデニン;8−(ヒドロキシル)アデニン;8−(チオアルキル)アデニン;8−(チオール)アデニン;8−アジド−アデノシン;アザアデニン;デアザアデニン;N6(メチル)アデニン;N6−(イソペンチル)アデニン;7−デアザ−8−アザ−アデノシン;7−メチルアデニン;1−デアザアデノシンTP;2’フルオロ−N6−Bz−デオキシアデノシンTP;2’−OMe−2−アミノ−ATP;2’O−メチル−N6−Bz−デオキシアデノシンTP;2’−a−エチニルアデノシンTP;2−アミノアデニン;2−アミノアデノシンTP;2−アミノ−ATP;2’−a−トリフルオロメチルアデノシンTP;2−アジドアデノシンTP;2’−b−エチニルアデノシンTP;2−ブロモアデノシンTP;2’−b−トリフルオロメチルアデノシンTP;2−クロロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−チオメトキシアデノシンTP;2−フルオロアデノシンTP;2−ヨードアデノシンTP;2−メルカプトアデノシンTP;2−メトキシ−アデニン;2−メチルチオ−アデニン;2−トリフルオロメチルアデノシンTP;3−デアザ−3−ブロモアデノシンTP;3−デアザ−3−クロロアデノシンTP;3−デアザ−3−フルオロアデノシンTP;3−デアザ−3−ヨードアデノシンTP;3−デアザアデノシンTP;4’−アジドアデノシンTP;4’−炭素環アデノシンTP;4’−エチニルアデノシンTP;5’−ホモ−アデノシンTP;8−アザ−ATP;8−ブロモ−アデノシンTP;8−トリフルオロメチルアデノシンTP;9−デアザアデノシンTP;2−アミノプリン;7−デアザ−2,6−ジアミノプリン;7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン;7−デアザ−8−アザ−2−アミノプリン;2,6−ジアミノプリン;7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノプリン;2−チオシチジン;3−メチルシチジン;5−ホルミルシチジン;5−ヒドロキシメチルシチジン;5−メチルシチジン;N4−アセチルシチジン;2’−O−メチルシチジン;2’−O−メチルシチジン;5,2’−O−ジメチルシチジン;5−ホルミル−2’−O−メチルシチジン;リシジン;N4,2’−O−ジメチルシチジン;N4−アセチル−2’−O−メチルシチジン;N4−メチルシチジン;N4,N4−ジメチル−2’−OMe−シチジンTP;4−メチルシチジン;5−アザ−シチジン;プソイド−イソ−シチジン;ピロロ−シチジン;α−チオ−シチジン;2−(チオ)シトシン;2’−アミノ−2’−デオキシ−CTP;2’−アジド−2’−デオキシ−CTP;2’−デオキシ−2’−a−アミノシチジンTP;2’−デオキシ−2’−a−アジドシチジンTP;3(デアザ)5(アザ)シトシン;3(メチル)シトシン;3−(アルキル)シトシン;3−(デアザ)5(アザ)シトシン;3−(メチル)シチジン;4,2’−O−ジメチルシチジン;5(ハロ)シトシン;5(メチル)シトシン;5(プロピニル)シトシン;5(トリフルオロメチル)シトシン;5−(アルキル)シトシン;5−(アルキニル)シトシン;5−(ハロ)シトシン;5−(プロピニル)シトシン;5−(トリフルオロメチル)シトシン;5−ブロモ−シチジン;5−ヨード−シチジン;5−プロピニルシトシン;6−(アゾ)シトシン;6−アザ−シチジン;アザシトシン;デアザシトシン;N4(アセチル)シトシン;1−メチル−1−デアザ−プソイドシチジン;1−メチル−プソイドシチジン;2−メトキシ−5−メチル−シチジン;2−メトキシ−シチジン;2−チオ−5−メチル−シチジン;4−メトキシ−1−メチル−プソイドシチジン;4−メトキシ−プソイドシチジン;4−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドシチジン;4−チオ−1−メチル−プソイドシチジン;4−チオ−プソイドシチジン;5−アザ−ゼブラリン;5−メチル−ゼブラリン;ピロロ−プソイドシチジン;ゼブラリン;(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)シチジンTP;2,2’−アンヒドロ−シチジンTP塩酸塩;2’フルオロ−N4−Bz−シチジンTP;2’フルオロ−N4−アセチル−シチジンTP;2’−O−メチル−N4−アセチル−シチジンTP;2’O−メチル−N4−Bz−シチジンTP;2’−a−エチニルシチジンTP;2’−a−トリフルオロメチルシチジンTP;2’−b−エチニルシチジンTP;2’−b−トリフルオロメチルシチジンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトシチジンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロロシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオロシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−チオメトキシシチジンTP;2’−O−メチル−5−(1−プロピニル)シチジンTP;3’−エチニルシチジンTP;4’−アジドシチジンTP;4’−炭素環シチジンTP;4’−エチニルシチジンTP;5−(1−プロピニル)ara−シチジンTP;5−(2−クロロ−フェニル)−2−チオシチジンTP;5−(4−アミノ−フェニル)−2−チオシチジンTP;5−アミノアリル−CTP;5−シアノシチジンTP;5−エチニルara−シチジンTP;5−エチニルシチジンTP;5’−ホモ−シチジンTP;5−メトキシシチジンTP;5−トリフルオロメチル−シチジンTP;N4−アミノ−シチジンTP;N4−ベンゾイル−シチジンTP;プソイドシチジン;7−メチルグアノシン;N2,2’−O−ジメチルグアノシン;N2−メチルグアノシン;ワイオシン;1,2’−O−ジメチルグアノシン;1−メチルグアノシン;2’−O−メチルグアノシン;2’−O−リボシルグアノシン(ホスフェート);2’−O−メチルグアノシン;2’−O−リボシルグアノシン(ホスフェート);7−アミノメチル−7−デアザグアノシン;7−シアノ−7−デアザグアノシン;アーケオシン;メチルワイオシン;N2,7−ジメチルグアノシン;N2,N2,2’−O−トリメチルグアノシン;N2,N2,7−トリメチルグアノシン;N2,N2−ジメチルグアノシン;N2,7,2’−O−トリメチルグアノシン;6−チオ−グアノシン;7−デアザ−グアノシン;8−オキソ−グアノシン;N1−メチル−グアノシン;α−チオ−グアノシン;2(プロピル)グアニン;2−(アルキル)グアニン;2’−アミノ−2’−デオキシ−GTP;2’−アジド−2’−デオキシ−GTP;2’−デオキシ−2’−a−アミノグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−アジドグアノシンTP;6(メチル)グアニン;6−(アルキル)グアニン;6−(メチル)グアニン;6−メチル−グアノシン;7(アルキル)グアニン;7(デアザ)グアニン;7(メチル)グアニン;7−(アルキル)グアニン;7−(デアザ)グアニン;7−(メチル)グアニン;8(アルキル)グアニン;8(アルキニル)グアニン;8(ハロ)グアニン;8(チオアルキル)グアニン;8−(アルケニル)グアニン;8−(アルキル)グアニン;8−(アルキニル)グアニン;8−(アミノ)グアニン;8−(ハロ)グアニン;8−(ヒドロキシル)グアニン;8−(チオアルキル)グアニン;8−(チオール)グアニン;アザグアニン;デアザグアニン;N(メチル)グアニン;N−(メチル)グアニン;1−メチル−6−チオ−グアノシン;6−メトキシ−グアノシン;6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン;6−チオ−7−デアザ−グアノシン;6−チオ−7−メチル−グアノシン;7−デアザ−8−アザ−グアノシン;7−メチル−8−オキソ−グアノシン;N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン;N2−メチル−6−チオ−グアノシン;1−Me−GTP;2’フルオロ−N2−イソブチル−グアノシンTP;2’O−メチル−N2−イソブチル−グアノシンTP;2’−a−エチニルグアノシンTP;2’−a−トリフルオロメチルグアノシンTP;2’−b−エチニルグアノシンTP;2’−b−トリフルオロメチルグアノシンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオログアノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロログアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオログアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトグアノシンTP;2’−デオキシ−
2’−b−チオメトキシグアノシンTP;4’−アジドグアノシンTP;4’−炭素環グアノシンTP;4’−エチニルグアノシンTP;5’−ホモ−グアノシンTP;8−ブロモ−グアノシンTP;9−デアザグアノシンTP;N2−イソブチル−グアノシンTP;1−メチルイノシン;イノシン;1,2’−O−ジメチルイノシン;2’−O−メチルイノシン;7−メチルイノシン;2’−O−メチルイノシン;エポキシクエオシン;ガラクトシル−クエオシン;マンノシルクエオシン;クエオシン;アリルアミノ−チミジン;アザチミジン;デアザチミジン;デオキシ−チミジン;2’−O−メチルウリジン;2−チオウリジン;3−メチルウリジン;5−カルボキシメチルウリジン;5−ヒドロキシウリジン;5−メチルウリジン;5−タウリノメチル−2−チオウリジン;5−タウリノメチルウリジン;ジヒドロウリジン;プソイドウリジン;(3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン;1−メチル−3−(3−アミノ−5−カルボキシプロピル)プソイドウリジン;1−メチルプソイドウリジン;1−エチル−プソイドウリジン;2’−O−メチルウリジン;2’−O−メチルプソイドウリジン;2’−O−メチルウリジン;2−チオ−2’−O−メチルウリジン;3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン;3,2’−O−ジメチルウリジン;3−メチル−プソイド−ウリジンTP;4−チオウリジン;5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン;5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル;5,2’−O−ジメチルウリジン;5,6−ジヒドロ−ウリジン;5−アミノメチル−2−チオウリジン;5−カルバモイルメチル−2’−O−メチルウリジン;5−カルバモイルメチルウリジン;5−カルボキシヒドロキシメチルウリジン;5−カルボキシヒドロキシメチルウリジンメチルエステル;5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチルウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン;5−カルバモイルメチルウリジンTP;5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチルウリジン;5−メトキシカルボニルメチル−2−チオウリジン;5−メトキシカルボニルメチルウリジン;5−メチルウリジン)、5−メトキシウリジン;5−メチル−2−チオウリジン;5−メチルアミノメチル−2−セレノウリジン;5−メチルアミノメチル−2−チオウリジン;5−メチルアミノメチルウリジン;5−メチルジヒドロウリジン;5−オキシ酢酸−ウリジンTP;5−オキシ酢酸−メチルエステル−ウリジンTP;N1−メチル−プソイド−ウラシル;N1−エチル−プソイド−ウラシル;ウリジン5−オキシ酢酸;ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル;3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)−ウリジンTP;5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)−2−チオウリジンTP;5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)−2’−O−メチルウリジンTP;5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)ウリジンTP;5−プロピニルウラシル;α−チオ−ウリジン;1(アミノアルキルアミノ−カルボニルエチレニル)−2(チオ)−プソイドウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−2,4−(ジチオ)プソイドウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−4(チオ)プソイドウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−プソイドウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−2(チオ)−プソイドウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−2,4−(ジチオ)プソイドウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−4(チオ)プソイドウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−プソイドウラシル;1置換2(チオ)−プソイドウラシル;1置換2,4−(ジチオ)プソイドウラシル;1置換4(チオ)プソイドウラシル;1置換プソイドウラシル;1−(アミノアルキルアミノ−カルボニルエチレニル)−2−(チオ)−プソイドウラシル;1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)プソイドウリジンTP;1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)プソイド−UTP;1−メチル−プソイド−UTP;1−エチル−プソイド−UTP;2(チオ)プソイドウラシル;2’デオキシウリジン;2’フルオロウリジン;2−(チオ)ウラシル;2,4−(ジチオ)プソイドウラシル;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ−グアノシン;2’−アミノ−2’−デオキシ−UTP;2’−アジド−2’−デオキシ−UTP;2’−アジド−デオキシウリジンTP;2’−O−メチルプソイドウリジン;2’デオキシウリジン;2’フルオロウリジン;2’−デオキシ−2’−a−アミノウリジンTP;2’−デオキシ−2’−a−アジドウリジンTP;2−メチルプソイドウリジン;3(3アミノ−3カルボキシプロピル)ウラシル;4(チオ)プソイドウラシル;4−(チオ)プソイドウラシル;4−(チオ)ウラシル;4−チオウラシル;5(1,3−ジアゾール−1−アルキル)ウラシル;5(2−アミノプロピル)ウラシル;5(アミノアルキル)ウラシル;5(ジメチルアミノアルキル)ウラシル;5(グアニジニウムアルキル)ウラシル;5(メトキシカルボニルメチル)−2−(チオ)ウラシル;5(メトキシカルボニル−メチル)ウラシル;5(メチル)2(チオ)ウラシル;5(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル;5(メチル)4(チオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)−2(チオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)−2,4(ジチオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)−4(チオ)ウラシル;5(プロピニル)ウラシル;5(トリフルオロメチル)ウラシル;5−(2−アミノプロピル)ウラシル;5−(アルキル)−2−(チオ)プソイドウラシル;5−(アルキル)−2,4(ジチオ)プソイドウラシル;5−(アルキル)−4(チオ)プソイドウラシル;5−(アルキル)プソイドウラシル;5−(アルキル)ウラシル;5−(アルキニル)ウラシル;5−(アリルアミノ)ウラシル;5−(シアノアルキル)ウラシル;5−(ジアルキルアミノアルキル)ウラシル;5−(ジメチルアミノアルキル)ウラシル;5−(グアニジニウムアルキル)ウラシル;5−(ハロ)ウラシル;5−(1,3−ジアゾール−1−アルキル)ウラシル;5−(メトキシ)ウラシル;5−(メトキシカルボニルメチル)−2−(チオ)ウラシル;5−(メトキシカルボニル−メチル)ウラシル;5−(メチル)2(チオ)ウラシル;5−(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル;5−(メチル)4(チオ)ウラシル;5−(メチル)−2−(チオ)プソイドウラシル;5−(メチル)−2,4(ジチオ)プソイドウラシル;5−(メチル)−4(チオ)プソイドウラシル;5−(メチル)プソイドウラシル;5−(メチルアミノメチル)−2(チオ)ウラシル;5−(メチルアミノメチル)−2,4(ジチオ)ウラシル;5−(メチルアミノメチル)−4−(チオ)ウラシル;5−(プロピニル)ウラシル;5−(トリフルオロメチル)ウラシル;5−アミノアリル−ウリジン;5−ブロモ−ウリジン;5−ヨード−ウリジン;5−ウラシル;6(アゾ)ウラシル;6−(アゾ)ウラシル;6−アザ−ウリジン;アリルアミノ−ウラシル;アザウラシル;デアザウラシル;N3(メチル)ウラシル;プソイド−UTP−1−2−エタン酸;プソイドウラシル;4−チオ−プソイド−UTP;1−カルボキシメチル−プソイドウリジン;1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン;1−プロピニル−ウリジン;1−タウリノメチル−1−メチル−ウリジン;1−タウリノメチル−4−チオ−ウリジン;1−タウリノメチル−プソイドウリジン;2−メトキシ−4−チオ−プソイドウリジン;2−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン;2−チオ−1−メチル−プソイドウリジン;2−チオ−5−アザ−ウリジン;2−チオ−ジヒドロプソイドウリジン;2−チオ−ジヒドロウリジン;2−チオ−プソイドウリジン;4−メトキシ−2−チオ−プソイドウリジン;4−メトキシ−プソイドウリジン;4−チオ−1−メチル−プソイドウリジン;4−チオ−プソイドウリジン;5−アザ−ウリジン;ジヒドロプソイドウリジン;(±)1−(2−ヒドロキシプロピル)プソイドウリジンTP;(2R)−1−(2−ヒドロキシプロピル)プソイドウリジンTP;(2S)−1−(2−ヒドロキシプロピル)プソイドウリジンTP;(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)ara−ウリジンTP;(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)ウリジンTP;(Z)−5−(2−ブロモ−ビニル)ara−ウリジンTP;(Z)−5−(2−ブロモ−ビニル)ウリジンTP;1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−プソイド−UTP;1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)プソイドウリジンTP;1−(2,2−ジエトキシエチル)プソイドウリジンTP;1−(2,4,6−トリメチルベンジル)プソイドウリジンTP;1−(2,4,6−トリメチル−ベンジル)プソイド−UTP;1−(2,4,6−トリメチル−フェニル)プソイド−UTP;1−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)プソイド−UTP;1−(2−アミノ−エチル)プソイド−UTP;1−(2−ヒドロキシエチル)プソイドウリジンTP;1−(2−メトキシエチル)プソイドウリジンTP;1−(3,4−ビス−トリフルオロメトキシベンジル)プソイドウリジンTP;1−(3,4−ジメトキシベンジル)プソイドウリジンTP;1−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)プソイド−UTP;1−(3−アミノ−プロピル)プソイド−UTP;1−(3−シクロプロピル−プロパ−2−イニル)プソイドウリジンTP;1−(4−アミノ−4−カルボキシブチル)プソイド−UTP;1−(4−アミノ−ベンジル)プソイド−UTP;1−(4−アミノ−ブチル)プソイド−UTP;1−(4−アミノ−フェニル)プソイド−UTP;1−(4−アジドベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−ブロモベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−クロロベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−フルオロベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−ヨードベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−メタンスルホニルベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−メトキシベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−メトキシ−ベンジル)プソイド−UTP;1−(4−メトキシ−フェニル)プソイド−UTP;1−(4−メチルベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−メチル−ベンジル)プソイド−UTP;1−(4−ニトロベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−ニトロ−ベンジル)プソイド−UTP;1(4−ニトロ−フェニル)プソイド−UTP;1−(4−チオメトキシベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−トリフルオロメトキシベンジル)プソイドウリジンTP;1−(4−トリフルオロメチルベンジル)プソイドウリジンTP;1−(5−アミノ−ペンチル)プソイド−UTP;1−(6−アミノ−ヘキシル)プソイド−UTP;1,6−ジメチル−プソイド−UTP;1−[3−(2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオニル]プソイドウリジンTP;1−{3−[2−(2−アミノエトキシ)−エトキシ]−プロピオニル}プソイドウリジンTP;1−アセチルプソイドウリジンTP;1−アルキル−6−(1−プロピニル)−プソイド−UTP;1−アルキル−6−(2−プロピニル)−プソイド−UTP;1−アルキル−6−アリル−プソイド−UTP;1−アルキル−6−エチニル−プソイド−UTP;1−アルキル−6−ホモアリル−プソイド−UTP;1−アルキル−6−ビニル−プソイド−UTP;1−アリルプソイドウリジンTP;1−アミノメチル−プソイド−UTP;1−ベンゾイルプソイドウリジンTP;1−ベンジルオキシメチルプソイドウリジンTP;1−ベンジル−プソイド−UTP;1−ビオチニル−PEG2−プ
ソイドウリジンTP;1−ビオチニルプソイドウリジンTP;1−ブチル−プソイド−UTP;1−シアノメチルプソイドウリジンTP;1−シクロブチルメチル−プソイド−UTP;1−シクロブチル−プソイド−UTP;1−シクロヘプチルメチル−プソイド−UTP;1−シクロヘプチル−プソイド−UTP;1−シクロヘキシルメチル−プソイド−UTP;1−シクロヘキシル−プソイド−UTP;1−シクロオクチルメチル−プソイド−UTP;1−シクロオクチル−プソイド−UTP;1−シクロペンチルメチル−プソイド−UTP;1−シクロペンチル−プソイド−UTP;1−シクロプロピルメチル−プソイド−UTP;1−シクロプロピル−プソイド−UTP;1−エチル−プソイド−UTP;1−ヘキシル−プソイド−UTP;1−ホモアリルプソイドウリジンTP;1−ヒドロキシメチルプソイドウリジンTP;1−イソ−プロピル−プソイド−UTP;1−Me−2−チオ−プソイド−UTP;1−Me−4−チオ−プソイド−UTP;1−Me−α−チオ−プソイド−UTP;1−メタンスルホニルメチルプソイドウリジンTP;1−メトキシメチルプソイドウリジンTP;1−メチル−6−(2,2,2−トリフルオロエチル)プソイド−UTP;1−メチル−6−(4−モルホリノ)−プソイド−UTP;1−メチル−6−(4−チオモルホリノ)−プソイド−UTP;1−メチル−6−(置換フェニル)プソイド−UTP;1−メチル−6−アミノ−プソイド−UTP;1−メチル−6−アジド−プソイド−UTP;1−メチル−6−ブロモ−プソイド−UTP;1−メチル−6−ブチル−プソイド−UTP;1−メチル−6−クロロ−プソイド−UTP;1−メチル−6−シアノ−プソイド−UTP;1−メチル−6−ジメチルアミノ−プソイド−UTP;1−メチル−6−エトキシ−プソイド−UTP;1−メチル−6−エチルカルボキシレート−プソイド−UTP;1−メチル−6−エチル−プソイド−UTP;1−メチル−6−フルオロ−プソイド−UTP;1−メチル−6−ホルミル−プソイド−UTP;1−メチル−6−ヒドロキシアミノ−プソイド−UTP;1−メチル−6−ヒドロキシ−プソイド−UTP;1−メチル−6−ヨード−プソイド−UTP;1−メチル−6−イソ−プロピル−プソイド−UTP;1−メチル−6−メトキシ−プソイド−UTP;1−メチル−6−メチルアミノ−プソイド−UTP;1−メチル−6−フェニル−プソイド−UTP;1−メチル−6−プロピル−プソイド−UTP;1−メチル−6−tert−ブチル−プソイド−UTP;1−メチル−6−トリフルオロメトキシ−プソイド−UTP;1−メチル−6−トリフルオロメチル−プソイド−UTP;1−モルホリノメチルプソイドウリジンTP;1−ペンチル−プソイド−UTP;1−フェニル−プソイド−UTP;1−ピバロイルプソイドウリジンTP;1−プロパルギルプソイドウリジンTP;1−プロピル−プソイド−UTP;1−プロピニル−プソイドウリジン;1−p−トリル−プソイド−UTP;1−tert−ブチル−プソイド−UTP;1−チオメトキシメチルプソイドウリジンTP;1−チオモルホリノメチルプソイドウリジンTP;1−トリフルオロアセチルプソイドウリジンTP;1−トリフルオロメチル−プソイド−UTP;1−ビニルプソイドウリジンTP;2,2’−アンヒドロ−ウリジンTP;2’−ブロモ−デオキシウリジンTP;2’−F−5−メチル−2’−デオキシ−UTP;2’−OMe−5−Me−UTP;2’−OMe−プソイド−UTP;2’−a−エチニルウリジンTP;2’−a−トリフルオロメチルウリジンTP;2’−b−エチニルウリジンTP;2’−b−トリフルオロメチルウリジンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロウリジンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトウリジンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロロウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオロウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−チオメトキシウリジンTP;2−メトキシ−4−チオ−ウリジン;2−メトキシウリジン;2’−O−メチル−5−(1−プロピニル)ウリジンTP;3−アルキル−プソイド−UTP;4’−アジドウリジンTP;4’−炭素環ウリジンTP;4’−エチニルウリジンTP;5−(1−プロピニル)ara−ウリジンTP;5−(2−フラニル)ウリジンTP;5−シアノウリジンTP;5−ジメチルアミノウリジンTP;5’−ホモ−ウリジンTP;5−ヨード−2’−フルオロ−デオキシウリジンTP;5−フェニルエチニルウリジンTP;5−トリジュウテロ(Trideutero)メチル−6−ジュウテロ(deutero)ウリジンTP;5−トリフルオロメチル−ウリジンTP;5−ビニルaraウリジンTP;6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−プソイド−UTP;6−(4−モルホリノ)−プソイド−UTP;6−(4−チオモルホリノ)−プソイド−UTP;6−(置換−フェニル)−プソイド−UTP;6−アミノ−プソイド−UTP;6−アジド−プソイド−UTP;6−ブロモ−プソイド−UTP;6−ブチル−プソイド−UTP;6−クロロ−プソイド−UTP;6−シアノ−プソイド−UTP;6−ジメチルアミノ−プソイド−UTP;6−エトキシ−プソイド−UTP;6−エチルカルボキシレート−プソイド−UTP;6−エチル−プソイド−UTP;6−フルオロ−プソイド−UTP;6−ホルミル−プソイド−UTP;6−ヒドロキシアミノ−プソイド−UTP;6−ヒドロキシ−プソイド−UTP;6−ヨード−プソイド−UTP;6−イソ−プロピル−プソイド−UTP;6−メトキシ−プソイド−UTP;6−メチルアミノ−プソイド−UTP;6−メチル−プソイド−UTP;6−フェニル−プソイド−UTP;6−フェニル−プソイド−UTP;6−プロピル−プソイド−UTP;6−tert−ブチル−プソイド−UTP;6−トリフルオロメトキシ−プソイド−UTP;6−トリフルオロメチル−プソイド−UTP;α−チオ−プソイド−UTP;プソイドウリジン1−(4−メチルベンゼンスルホン酸)TP;プソイドウリジン1−(4−メチル安息香酸)TP;プソイドウリジンTP1−[3−(2−エトキシ)]プロピオン酸;プソイドウリジンTP1−[3−{2−(2−[2−(2−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸;プソイドウリジンTP1−[3−{2−(2−[2−{2(2−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸;プソイドウリジンTP 1−[3−{2−(2−[2−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸;プソイドウリジンTP 1−[3−{2−(2−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸;プソイドウリジンTP 1−メチルホスホン酸;プソイドウリジンTP 1−メチルホスホン酸ジエチルエステル;プソイド−UTP−N1−3−プロピオン酸;プソイド−UTP−N1−4−ブタン酸;プソイド−UTP−N1−5−ペンタン酸;プソイド−UTP−N1−6−ヘキサン酸;プソイド−UTP−N1−7−ヘプタン酸;プソイド−UTP−N1−メチル−p−安息香酸;プソイド−UTP−N1−p−安息香酸;ワイブトシン;ヒドロキシワイブトシン;イソワイオシン;ペルオキシワイブトシン;非修飾(undermodified)ヒドロキシワイブトシン;4−デメチルワイオシン;2,6−(ジアミノ)プリン;1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル:1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェンチアジン−1−イル;1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;1,3,5−(トリアザ)−2,6−(ジオキサ)−ナフタレン;2(アミノ)プリン;2,4,5−(トリメチル)フェニル;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ−シチジン;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ−アデニン;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ−ウリジン;2’−アミノ−2’−デオキシリボース;2−アミノ−6−クロロ−プリン;2−アザ−イノシニル;2’−アジド−2’−デオキシリボース;2’フルオロ−2’−デオキシリボース;2’−フルオロ−修飾塩基;2’−O−メチル−リボース;2−オキソ−7−アミノピリドピリミジン−3−イル;2−オキソ−ピリドピリミジン−3−イル;2−ピリジノン;3ニトロピロール;3−(メチル)−7−(プロピニル)イソカルボスチリル;3−(メチル)イソカルボスチリル;4−(フルオロ)−6−(メチル)ベンズイミダゾール;4−(メチル)ベンズイミダゾール;4−(メチル)インドリル;4,6−(ジメチル)インドリル;5ニトロインドール;5置換ピリミジン;5−(メチル)イソカルボスチリル;5−ニトロインドール;6−(アザ)ピリミジン;6−(アゾ)チミン;6−(メチル)−7−(アザ)インドリル;6−クロロ−プリン;6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェンチアジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェンチアジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(アザ)インドリル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェンチアジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキル−ヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェンチアジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(プロピニル)イソカルボスチリル;7−(プロピニル)イソカルボスチリル、プロピニル−7−(アザ)インドリル;7−デアザ−イノシニル;7−置換1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル;7−置換1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;9−(メチル)−イミジゾピリジニル;アミノインドリル;アントラセニル;ビス−オルト−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;ビス−オルト−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;ジフルオロトリル;ヒポキサンチン;イミジゾピリジニル;イノシニル;イソカルボスチリル;イソグアノシン;N2−置換プリン;N6−メチル−2−アミノ−プリン;N6−置換プリン;N−アルキル化誘導体;ナフタレニル;ニトロベンズイミダゾリル;ニトロイミダゾリル;ニトロインダゾリル;ニトロピラゾリル;ネブラリン;O6−置換プリン;O−アルキル化誘導体;オルト−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;オルト−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;オキソホルミシンTP;パラ−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;パラ−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;ペ
ンタセニル;フェナントラセニル(Phenanthracenyl);フェニル;プロピニル−7−(アザ)インドリル;ピレニル;ピリドピリミジン−3−イル;ピリドピリミジン−3−イル、2−オキソ−7−アミノ−ピリドピリミジン−3−イル;ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;ピロロピリミジニル;ピロロピリジニル;スチルベンジル;置換1,2,4−トリアゾール;テトラセニル;ツベルシジン;キサンチン;キサントシン−5’−TP;2−チオ−ゼブラリン;5−アザ−2−チオ−ゼブラリン;7−デアザ−2−アミノ−プリン;ピリジン−4−オンリボヌクレオシド;2−アミノ−リボシド−TP;ホルミシンA TP;ホルミシンB TP;ピロリジン(Pyrrolosine)TP;2’−OH−ara−アデノシンTP;2’−OH−ara−シチジンTP;2’−OH−ara−ウリジンTP;2’−OH−ara−グアノシンTP;5−(2−カルボメトキシビニル)ウリジンTP;およびN6−(19−アミノ−ペンタオキサノナデシル)アデノシンTP。
ある実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、上記の修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組合せを含む。
ある実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)における修飾核酸塩基は、プソイドウリジン(ψ)、2−チオウリジン(s2U)、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン、2−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロプソイドウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−プソイドウリジン、4−メトキシ−2−チオ−プソイドウリジン、4−メトキシ−プソイドウリジン、4−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、4−チオ−プソイドウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、5−メチルウリジン、5−メトキシウリジン、2’−O−メチルウリジン、1−メチル−プソイドウリジン(m1ψ)、1−エチル−プソイドウリジン(e1ψ)、5−メトキシ−ウリジン(mo5U)、5−メチル−シチジン(m5C)、α−チオ−グアノシン、α−チオ−アデノシン、5−シアノウリジン、4’−チオウリジン7−デアザ−アデニン、1−メチル−アデノシン(m1A)、2−メチル−アデニン(m2A)、N6−メチル−アデノシン(m6A)、および2,6−ジアミノプリン、(I)、1−メチル−イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7−デアザ−グアノシン、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ0)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ1)、7−メチル−グアノシン(m7G)、1−メチル−グアノシン(m1G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、2,8−ジメチルアデノシン、2−ゲラニルチオウリジン、2−リシジン、2−セレノウリジン、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)−5,6−ジヒドロウリジン、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)プソイドウリジン、3−メチルプソイドウリジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)−2’−O−メチルウリジンメチルエステル、5−アミノメチル−2−ゲラニルチオウリジン、5−アミノメチル−2−セレノウリジン、5−アミノメチルウリジン、5−カルバモイルヒドロキシメチルウリジン、5−カルバモイルメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−ゲラニルチオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−セレノウリジン、5−シアノメチルウリジン、5−ヒドロキシシチジン、5−メチルアミノメチル−2−ゲラニルチオウリジン、7−アミノカルボキシプロピル−デメチルワイオシン、7−アミノカルボキシプロピルワイオシン、7−アミノカルボキシプロピルワイオシンメチルエステル、8−メチルアデノシン、N4,N4−ジメチルシチジン、N6−ホルミルアデノシン、N6−ヒドロキシメチルアデノシン、アグマチン、環状N6−トレオニルカルバモイルアデノシン、グルタミル−クエオシン、メチル化非修飾ヒドロキシワイブトシン、N4,N4,2’−O−トリメチルシチジン、ゲラニル化5−メチルアミノメチル−2−チオウリジン、ゲラニル化5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、Q塩基、preQ0塩基、preQ1塩基、およびそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される。ある実施形態において、少なくとも1つの化学修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン、1−メチル−プソイドウリジン、1−エチル−プソイドウリジン、5−メチルシトシン、5−メトキシウリジン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAポリリボヌクレオチドなどのRNAポリリボヌクレオチド)は、上記の修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組合せを含む。ある実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、上記の修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組合せを含む。
ある実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)における修飾核酸塩基は、1−メチル−プソイドウリジン(m1ψ)、1−エチル−プソイドウリジン(e1ψ)、5−メトキシ−ウリジン(mo5U)、5−メチル−シチジン(m5C)、プソイドウリジン(ψ)、α−チオ−グアノシンおよびα−チオ−アデノシンからなる群から選択される。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチドは、限定はされないが、化学修飾を含む上記の修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組合せを含む。
ある実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、プソイドウリジン(ψ)および5−メチル−シチジン(m5C)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、1−メチル−プソイドウリジン(m1ψ)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、1−エチル−プソイドウリジン(e1ψ)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、1−メチル−プソイドウリジン(m1ψ)および5−メチル−シチジン(m5C)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、1−エチル−プソイドウリジン(e1ψ)および5−メチル−シチジン(m5C)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、2−チオウリジン(s2U)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、2−チオウリジンおよび5−メチル−シチジン(m5C)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、メトキシ−ウリジン(mo5U)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、5−メトキシ−ウリジン(mo5U)および5−メチル−シチジン(m5C)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、2’−O−メチルウリジンを含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、2’−O−メチルウリジンおよび5−メチル−シチジン(m5C)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、N6−メチル−アデノシン(m6A)を含む。ある実施形態において、ポリリボヌクレオチド(例えば、mRNAなどのRNA)は、N6−メチル−アデノシン(m6A)および5−メチル−シチジン(m5C)を含む。
ある実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、特定の修飾について均一に修飾される(例えば、完全に修飾され、配列全体にわたって修飾される)。例えば、ポリヌクレオチドは、1−メチル−プソイドウリジンで均一に修飾され得、これは、mRNA配列中の全てのウリジン残基が、1−メチル−プソイドウリジンで置換されることを意味する。同様に、ポリヌクレオチドは、上述されるものなどの修飾残基による置換によって、配列中に存在する任意のタイプのヌクレオシド残基について均一に修飾され得る。
修飾シトシンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、N4−アセチル−シチジン(ac4C)、5−メチル−シチジン(m5C)、5−ハロ−シチジン(例えば、5−ヨード−シチジン)、5−ヒドロキシメチル−シチジン(hm5C)、1−メチル−プソイドシチジン、2−チオ−シチジン(s2C)、および2−チオ−5−メチル−シチジンが挙げられる。
ある実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾ウリジンである。修飾ウリジンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、1−メチル−プソイドウリジン(m1ψ)、1−エチル−プソイドウリジン(e1ψ)、5−メトキシウリジン、2−チオウリジン、5−シアノウリジン、2’−O−メチルウリジンおよび4’−チオウリジンが挙げられる。
ある実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、7−デアザ−アデニン、1−メチル−アデノシン(m1A)、2−メチル−アデニン(m2A)、およびN6−メチル−アデノシン(m6A)が挙げられる。
ある実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7−デアザ−グアノシン、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ0)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ1)、7−メチル−グアノシン(m7G)、1−メチル−グアノシン(m1G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシンが挙げられる。
本開示のポリヌクレオチドは、分子の全長に沿って、部分的にまたは完全に修飾され得る。例えば、1つ以上または全てまたは所与のタイプのヌクレオチド(例えば、プリンまたはピリミジン、またはA、G、U、Cのいずれか1つ以上または全て)は、本発明のポリヌクレオチドにおいて、またはその所与の所定の配列領域において(例えば、ポリA尾部を含むかまたはそれを除くmRNAにおいて)均一に修飾され得る。ある実施形態において、本開示のポリヌクレオチドにおいて(またはその所与の配列領域において)全てのヌクレオチドXが、修飾ヌクレオチドであり、ここで、Xは、ヌクレオチドA、G、U、Cのいずれか1つ、または組合せA+G、A+U、A+C、G+U、G+C、U+C、A+G+U、A+G+C、G+U+CまたはA+G+Cのいずれか1つであり得る。
ポリヌクレオチドは、約1%〜約100%の修飾ヌクレオチド(全ヌクレオチド含量に対して、または1つ以上のタイプのヌクレオチド、すなわち、A、G、UまたはCのいずれか1つ以上に対して)またはその間の任意のパーセンテージ(例えば、1%〜20%、1%〜25%、1%〜50%、1%〜60%、1%〜70%、1%〜80%、1%〜90%、1%〜95%、10%〜20%、10%〜25%、10%〜50%、10%〜60%、10%〜70%、10%〜80%、10%〜90%、10%〜95%、10%〜100%、20%〜25%、20%〜50%、20%〜60%、20%〜70%、20%〜80%、20%〜90%、20%〜95%、20%〜100%、50%〜60%、50%〜70%、50%〜80%、50%〜90%、50%〜95%、50%〜100%、70%〜80%、70%〜90%、70%〜95%、70%〜100%、80%〜90%、80%〜95%、80%〜100%、90%〜95%、90%〜100%、および95%〜100%)を含有し得る。非修飾A、G、U、またはCの存在が任意の残りのパーセンテージを占めることが理解されよう。
ポリヌクレオチドは、最小で1%および最大で100%の修飾ヌクレオチド、またはその間の任意のパーセンテージ、例えば、少なくとも5%の修飾ヌクレオチド、少なくとも10%の修飾ヌクレオチド、少なくとも25%の修飾ヌクレオチド、少なくとも50%の修飾ヌクレオチド、少なくとも80%の修飾ヌクレオチド、または少なくとも90%の修飾ヌクレオチドを含有し得る。例えば、ポリヌクレオチドは、修飾ピリミジン、例えば、修飾ウラシルまたはシトシンを含有し得る。ある実施形態において、ポリヌクレオチド中のウラシルの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%が、修飾ウラシル(例えば、5−置換ウラシル)で置換される。修飾ウラシルは、単一の独自の構造を有する化合物で置換され得、または異なる構造(例えば、2、3、4つまたはそれ以上の独自の構造)を有する複数の化合物で置換され得る。ある実施形態において、ポリヌクレオチド中のシトシンの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%が、修飾シトシン(例えば、5−置換シトシン)で置換される。修飾シトシンは、単一の独自の構造を有する化合物で置換され得、または異なる構造(例えば、2、3、4つまたはそれ以上の独自の構造)を有する複数の化合物で置換され得る。
したがって、ある実施形態において、本発明のRNA分子は、5’UTR要素、任意にコドン最適化されたオープンリーディングフレーム、および3’UTR要素、ポリ(A)配列および/またはポリアデニル化シグナルを含み、ここで、RNAは、化学的に修飾されていない。
ある実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾ウラシルである。修飾ウラシルを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、プソイドウリジン(ψ)、ピリジン−4−オンリボヌクレオシド、5−アザ−ウリジン、6−アザ−ウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ウリジン(sU)、4−チオ−ウリジン(sU)、4−チオ−プソイドウリジン、2−チオ−プソイドウリジン、5−ヒドロキシ−ウリジン(hoU)、5−アミノアリル−ウリジン、5−ハロ−ウリジン(例えば、5−ヨード−ウリジンまたは5−ブロモ−ウリジン)、3−メチル−ウリジン(mU)、5−メトキシ−ウリジン(moU)、ウリジン5−オキシ酢酸(cmoU)、ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル(mcmoU)、5−カルボキシメチル−ウリジン(cmU)、1−カルボキシメチル−プソイドウリジン、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジン(chmU)、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジンメチルエステル(mchmU)、5−メトキシカルボニルメチル−ウリジン(mcmU)、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオ−ウリジン(mcmU)、5−アミノメチル−2−チオ−ウリジン(nmU)、5−メチルアミノメチル−ウリジン(mnmU)、5−メチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(mnmU)、5−メチルアミノメチル−2−セレノ−ウリジン(mnmseU)、5−カルバモイルメチル−ウリジン(ncmU)、5−カルボキシメチルアミノメチル−ウリジン(cmnmU)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(cmnmU)、5−プロピニル−ウリジン、1−プロピニル−プソイドウリジン、5−タウリノメチル−ウリジン(τmU)、1−タウリノメチル−プソイドウリジン、5−タウリノメチル−2−チオ−ウリジン(τmU)、1−タウリノメチル−4−チオ−プソイドウリジン、5−メチル−ウリジン(mU、すなわち、核酸塩基デオキシチミンを有する)、1−メチル−プソイドウリジン(mψ)、1−エチル−プソイドウリジン(e1ψ)、5−メチル−2−チオ−ウリジン(mU)、1−メチル−4−チオ−プソイドウリジン(mψ)、4−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、3−メチル−プソイドウリジン(mψ)、2−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロプソイドウリジン、5,6−ジヒドロウリジン、5−メチル−ジヒドロウリジン(mD)、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−ジヒドロプソイドウリジン、2−メトキシ−ウリジン、2−メトキシ−4−チオ−ウリジン、4−メトキシ−プソイドウリジン、4−メトキシ−2−チオ−プソイドウリジン、N1−メチル−プソイドウリジン、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン(acpU)、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acp ψ)、5−(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inmU)、5−(イソペンテニルアミノメチル)−2−チオ−ウリジン(inmU)、α−チオ−ウリジン、2’−O−メチル−ウリジン(Um)、5,2’−O−ジメチル−ウリジン(mUm)、2’−O−メチル−プソイドウリジン(ψm)、2−チオ−2’−O−メチル−ウリジン(sUm)、5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(mcmUm)、5−カルバモイルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(ncmUm)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチル−ウリジン(cmnmUm)、3,2’−O−ジメチル−ウリジン(mUm)、および5−(イソペンテニルアミノメチル)−2’−O−メチル−ウリジン(inmUm)、1−チオ−ウリジン、デオキシチミジン、2’−F−ara−ウリジン、2’−F−ウリジン、2’−OH−ara−ウリジン、5−(2−カルボメトキシビニル)ウリジン、および5−[3−(1−E−プロペニルアミノ)]ウリジンが挙げられる。
ある実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。修飾シトシンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、5−アザ−シチジン、6−アザ−シチジン、プソイドシチジン、3−メチル−シチジン(mC)、N4−アセチル−シチジン(acC)、5−ホルミル−シチジン(fC)、N4−メチル−シチジン(mC)、5−メチル−シチジン(mC)、5−ハロ−シチジン(例えば、5−ヨード−シチジン)、5−ヒドロキシメチル−シチジン(hmC)、1−メチル−プソイドシチジン、ピロロ−シチジン、ピロロ−プソイドシチジン、2−チオ−シチジン(sC)、2−チオ−5−メチル−シチジン、4−チオ−プソイドシチジン、4−チオ−1−メチル−プソイドシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドシチジン、1−メチル−1−デアザ−プソイドシチジン、ゼブラリン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、5−アザ−2−チオ−ゼブラリン、2−チオ−ゼブラリン、2−メトキシ−シチジン、2−メトキシ−5−メチル−シチジン、4−メトキシ−プソイドシチジン、4−メトキシ−1−メチル−プソイドシチジン、リシジン(kC)、α−チオ−シチジン、2’−O−メチル−シチジン(Cm)、5,2’−O−ジメチル−シチジン(mCm)、N4−アセチル−2’−O−メチル−シチジン(acCm)、N4,2’−O−ジメチル−シチジン(mCm)、5−ホルミル−2’−O−メチル−シチジン(fCm)、N4,N4,2’−O−トリメチル−シチジン(m Cm)、1−チオ−シチジン、2’−F−ara−シチジン、2’−F−シチジン、および2’−OH−ara−シチジンが挙げられる。
ある実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、2−アミノ−プリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−ハロ−プリン(例えば、2−アミノ−6−クロロ−プリン)、6−ハロ−プリン(例えば、6−クロロ−プリン)、2−アミノ−6−メチル−プリン、8−アジド−アデノシン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、1−メチル−アデノシン(mA)、2−メチル−アデニン(mA)、N6−メチル−アデノシン(mA)、2−メチルチオ−N6−メチル−アデノシン(msA)、N6−イソペンテニル−アデノシン(iA)、2−メチルチオ−N6−イソペンテニル−アデノシン(msA)、N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(ioA)、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(msioA)、N6−グリシニルカルバモイル−アデノシン(gA)、N6−トレオニルカルバモイル−アデノシン(tA)、N6−メチル−N6−トレオニルカルバモイル−アデノシン(mA)、2−メチルチオ−N6−トレオニルカルバモイル−アデノシン(msA)、N6,N6−ジメチル−アデノシン(m A)、N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(hnA)、2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(mshnA)、N6−アセチル−アデノシン(acA)、7−メチル−アデニン、2−メチルチオ−アデニン、2−メトキシ−アデニン、α−チオ−アデノシン、2’−O−メチル−アデノシン(Am)、N6,2’−O−ジメチル−アデノシン(mAm)、N6,N6,2’−O−トリメチル−アデノシン(m Am)、1,2’−O−ジメチル−アデノシン(mAm)、2’−O−リボシルアデノシン(ホスフェート)(Ar(p))、2−アミノ−N6−メチル−プリン、1−チオ−アデノシン、8−アジド−アデノシン、2’−F−ara−アデノシン、2’−F−アデノシン、2’−OH−ara−アデノシン、およびN6−(19−アミノ−ペンタオキサノナデシル)−アデノシンが挙げられる。
ある実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(mI)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4−デメチル−ワイオシン(imG−14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペルオキシワイブトシン(oyW)、ヒドロキシワイブトシン(OhyW)、非修飾ヒドロキシワイブトシン(OhyW)、7−デアザ−グアノシン、クエオシン(Q)、エポキシクエオシン(oQ)、ガラクトシル−クエオシン(galQ)、マンノシル−クエオシン(manQ)、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ)、アーケオシン(G)、7−デアザ−8−アザ−グアノシン、6−チオ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン、7−メチル−グアノシン(mG)、6−チオ−7−メチル−グアノシン、7−メチル−イノシン、6−メトキシ−グアノシン、1−メチル−グアノシン(mG)、N2−メチル−グアノシン(mG)、N2,N2−ジメチル−グアノシン(m G)、N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,7G)、N2,N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,2,7G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、1−メチル−6−チオ−グアノシン、N2−メチル−6−チオ−グアノシン、N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン、α−チオ−グアノシン、2’−O−メチル−グアノシン(Gm)、N2−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(mGm)、N2,N2−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m Gm)、1−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(mGm)、N2,7−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2,7Gm)、2’−O−メチル−イノシン(Im)、1,2’−O−ジメチル−イノシン(mIm)、2’−O−リボシルグアノシン(ホスフェート)(Gr(p))、1−チオ−グアノシン、O6−メチル−グアノシン、2’−F−ara−グアノシン、および2’−F−グアノシンが挙げられる。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチド、例えば、IVTポリヌクレオチドは、同じヌクレオシドタイプの全てもしくはいずれかの均一な化学修飾または同じヌクレオシドタイプの全てもしくはいずれかにおける同じ出発修飾の下方滴定(downward titration)のみによって生成される修飾の群、または全てのウリジンが、ウリジン類似体、例えば、プソイドウリジンで置換される場合などのランダムな組み込みを伴うことを除いて同じヌクレオシドタイプのいずれかの、測定されたパーセントの化学修飾を有し得る。別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、全ポリヌクレオチドを通してヌクレオシドタイプの2つ、3つ、または4つの均一な化学修飾を有し得る(例えば、全てのウリジンおよび全てのシトシンなどの両方が、同じように修飾される)。本開示のポリヌクレオチドが、化学的におよび/または構造的に修飾されるとき、ポリヌクレオチドは、「修飾ポリヌクレオチド」と呼ばれ得る。
本明細書において使用される際、「およそ」または「約」という用語は、1つ以上の対象の値に適用されるとき、記載される参照値と類似の値、ならびに含まれる値の集合または範囲を指す。特定の実施形態において、「およそ」または「約」という用語は、特に記載しない限りまたは文脈から別の解釈が明らかでない限り(ただし、このような数値が考えられる値の100%を超える場合を除く)、記載される参照値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下の値の両方向(超または未満)の範囲を指す。例えば、「約X」は、Xの±20%、±10%、±5%、±2%、±1%、±0.5%、±0.2%、または±0.1%の範囲の値を含み、ここで、Xは数値である。一実施形態において、「約」という用語は、記載される値の5%超または未満の範囲の値を指す。別の実施形態において、「約」という用語は、記載される値の2%超または未満の範囲の値を指す。別の実施形態において、「約」という用語は、記載される値の1%超または未満の範囲の値を指す。
本明細書において使用される際、「アルキル」、「C、C、C、C、CまたはCアルキル」または「C〜Cアルキル」は、C、C、C、C、CまたはC直鎖状(線状)飽和脂肪族炭化水素基およびC、C、CまたはC分枝鎖状飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。例えば、C〜Cアルキルは、C、C、C、C、CおよびCアルキル基を含むことが意図される。アルキルの例としては、1〜6個の炭素原子を有する部分、例えば、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチルまたはn−ヘキシルが挙げられる。
特定の実施形態において、直鎖状または分枝鎖状アルキルは、6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC〜C、分枝鎖についてはC〜C)を有し、別の実施形態において、直鎖状または分枝鎖状アルキルは、4個以下の炭素原子を有する。
本明細書において使用される際、「シクロアルキル」という用語は、3〜30個の炭素原子(例えば、C〜C10)を有する、飽和または不飽和非芳香族炭化水素単環または多環(例えば、縮合、架橋、またはスピロ環)系を指す。シクロアルキルの例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびアダマンチルが挙げられる。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、特に規定されない限り、1つ以上のヘテロ原子(O、N、S、またはSeなど)を有する、飽和または不飽和非芳香族3〜8員単環式、7〜12員二環式(縮合、架橋、またはスピロ環)、または11〜14員三環式環系(縮合、架橋、またはスピロ環)を指す。ヘテロシクロアルキル基の例としては、限定はされないが、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、イソインドリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、トリアゾリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、モルホリニル、テトラヒドロチオピラニル、1,4−ジアゼパニル、1,4−オキサゼパニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカニル、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカニル、1−オキサスピロ[4.5]デカニル、1−アザスピロ[4.5]デカニル、3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−イソベンゾフラン]−イル、7’H−スピロ[シクロヘキサン−1,5’−フロ[3,4−b]ピリジン]−イル、3’H−スピロ[シクロヘキサン−1,1’−フロ[3,4−c]ピリジン]−イルなどが挙げられる。
「任意に置換されるアルキル」という用語は、非置換アルキル、または炭化水素骨格の1つ以上の炭素における1つ以上の水素原子を置換する示される置換基を有するアルキルを指す。このような置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分を含み得る。
「アリールアルキル」または「アラルキル」部分は、アリールで置換されるアルキル(例えば、フェニルメチル(ベンジル))である。「アルキルアリール」部分は、アルキルで置換されるアリール(例えば、メチルフェニル)である。
本明細書において使用される際、「アルキルリンカー」は、C、C、C、C、CまたはC直鎖状(線状)飽和二価脂肪族炭化水素基およびC、C、CまたはC分枝鎖状飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。例えば、C〜Cアルキルリンカーは、C、C、C、C、CまたはCアルキルリンカー基を含むことが意図される。アルキルリンカーの例としては、1〜6個の炭素原子を有する部分、例えば、限定はされないが、メチル(−CH−)、エチル(−CHCH−)、n−プロピル(−CHCHCH−)、i−プロピル(−CHCHCH−)、n−ブチル(−CHCHCHCH−)、s−ブチル(−CHCHCHCH−)、i−ブチル(−C(CHCH−)、n−ペンチル(−CHCHCHCHCH−)、s−ペンチル(−CHCHCHCHCH−)またはn−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH−)が挙げられる。
「アルケニル」は、上記のアルキルと長さおよび可能な置換が類似しているが、少なくとも1つの二重結合を含有する不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」という用語は、直鎖状アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、および分枝鎖状アルケニル基を含む。
特定の実施形態において、直鎖状または分枝鎖状アルケニル基は、その骨格中に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC〜C、分枝鎖についてはC〜C)を有する。「C〜C」という用語は、2〜6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。「C〜C」という用語は、3〜6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。
「任意に置換されるアルケニル」という用語は、非置換アルケニル、または1つ以上の炭化水素骨格炭素原子における1つ以上の水素原子を置換する示される置換基を有するアルケニルを指す。このような置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分を含み得る。
「アルキニル」は、上記のアルキルと長さおよび可能な置換が類似しているが、少なくとも1つの三重結合を含有する不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖状アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、および分枝鎖状アルキニル基を含む。特定の実施形態において、直鎖状または分枝鎖状アルキニル基は、その骨格中に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC〜C、分枝鎖についてはC〜C)を有する。「C〜C」という用語は、2〜6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。「C〜C」という用語は、3〜6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。
「任意に置換されるアルキニル」という用語は、非置換アルキニル、または1つ以上の炭化水素骨格炭素原子における1つ以上の水素原子を置換する示される置換基を有するアルキニルを指す。このような置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分を含み得る。
他の任意に置換される部分(任意に置換されるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールなど)は、非置換部分および示される置換基の1つ以上を有する部分の両方を含む。例えば、置換ヘテロシクロアルキルは、1つ以上のアルキル基で置換されたもの、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルおよび2,2,6,6−テトラメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジニルを含む。
「アリール」は、芳香族性を有する基(「共役」を含む)、または少なくとも1つの芳香環を有し、環構造中にヘテロ原子を含有しない多環系を含む。例としては、フェニル、ベンジル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルなどが挙げられる。
「ヘテロアリール」基は、環構造中に1〜4個のヘテロ原子を有することを除いて、上で定義されるようなアリール基であり、「アリール複素環」または「複素環式芳香族」とも呼ばれ得る。本明細書において使用される際、「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子および1つ以上のヘテロ原子、例えば、1個または1〜2個もしくは1〜3個もしくは1〜4個もしくは1〜5個もしくは1〜6個のヘテロ原子、または例えば、窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、もしくは6個のヘテロ原子からなる、安定した5員、6員、もしくは7員単環式または7員、8員、9員、10員、11員もしくは12員二環式芳香族複素環を含むことが意図される。窒素原子は、置換または非置換であり得る(すなわち、NまたはNR、ここで、Rは、定義されるように、Hまたは他の置換基である)。窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意に酸化され得る(すなわち、N→OおよびS(O)、ここで、p=1または2である)。芳香族複素環中のSおよびO原子の総数が1以下であることに留意されたい。
ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンなどが挙げられる。
さらに、「アリール」および「ヘテロアリール」という用語は、多環式アリールおよびヘテロアリール基、例えば、三環式、二環式、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、インドリジンを含む。
多環式芳香環の場合、環の1つのみが、芳香族(例えば、2,3−ジヒドロインドール)である必要があるが、環の全てが、芳香族(例えば、キノリン)であってもよい。第2の環はまた、縮合または架橋され得る。
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環は、1つ以上の環位置(例えば、環形成炭素またはNなどのヘテロ原子)において、上述されるこのような置換基、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分で置換され得る。アリールおよびヘテロアリール基はまた、多環系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル、例えば、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)を形成するように、芳香族でない脂環式環または複素環と縮合または架橋され得る。
本明細書において使用される際、「炭素環」または「炭素環」は、所定の数の炭素を有する任意の安定した単環式、二環式または三環式環(そのいずれも、飽和、不飽和、または芳香族であり得る)を含むことが意図される。炭素環は、シクロアルキルおよびアリールを含む。例えば、C〜C14炭素環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を有する、単環式、二環式または三環式環を含むことが意図される。炭素環の例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルが挙げられる。例えば、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、および[4.4.0]ビシクロデカンおよび[2.2.2]ビシクロオクタンを含む架橋環も、炭素環の定義に含まれる。架橋環は、1つ以上の炭素原子が、2つの非隣接炭素原子を連結するときに生じる。一実施形態において、架橋環は、1つまたは2つの炭素原子である。架橋は、常に、単環式環を三環式環に変換することが留意される。環が架橋される場合、環について記載される置換基も、架橋上に存在し得る。縮合環(例えば、ナフチル、テトラヒドロナフチル)およびスピロ環も含まれる。
本明細書において使用される際、「複素環」または「複素環式基」は、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)を含有する任意の環構造(飽和、不飽和、または芳香族)を含む。複素環としては、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールが挙げられる。複素環の例としては、限定はされないが、モルホリン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、ピラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン、およびテトラヒドロフランが挙げられる。
複素環式基の例としては、限定はされないが、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル(isatinoyl)、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル(例えば、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾール5(4H)−オン、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル(oxindolyl)、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル(phenanthrolinyl)、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル(phenoxathinyl)、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルが挙げられる。
本明細書において使用される際の「置換」という用語は、示される原子の通常の原子価を超えず、置換が安定した化合物をもたらすことを条件として、示される原子におけるいずれか1つ以上の水素原子が、示される基から選択されるもので置換されることを意味する。置換基が、オキソまたはケト(すなわち、=O)である場合、原子における2つの水素原子が置換される。ケト置換基は、芳香族部分上に存在しない。本明細書において使用される際の環二重結合は、2つの隣接する環原子間に形成される二重結合(例えば、C=C、C=NまたはN=N)である。「安定した化合物」および「安定した構造」は、反応混合物からの有用な程度の純度になるまでの単離、および有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分に堅固な化合物を示すことが意図される。
置換基への結合が、環中の2つの原子を連結する結合を交差するように示される場合、このような置換基は、環中にいずれかの原子に結合され得る。置換基が、それを介してこのような置換基が所与の式の化合物の残りの部分に結合される原子を示さずに列挙される場合、このような置換基は、このような式中の任意の原子を介して結合され得る。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定した化合物をもたらす場合に限り、許容される。
任意の変数(例えば、R)が、化合物の任意の成分または式中で2回以上出現する場合、各出現時のその定義は、他の全ての出現時のその定義と無関係である。したがって、例えば、基が0〜2つのR部分を含有することが示される場合、この基は、2つ以下のR部分を含有してもよく、各出現時のRは、Rのこの定義と独立して選択される。また、置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定した化合物をもたらす場合に限り、許容される。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、−OHまたは−Oを有する基を含む。
本明細書において使用される際、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。「過ハロゲン化」という用語は、一般に、全ての水素原子がハロゲン原子で置換された部分を指す。「ハロアルキル」または「ハロアルコキシル」という用語は、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルまたはアルコキシルを指す。
「カルボニル」という用語は、酸素原子に二重結合で連結された炭素を含有する化合物および部分を含む。カルボニルを含有する部分の例としては、限定はされないが、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物などが挙げられる。
「カルボキシル」という用語は、−COOHまたはそのC〜Cアルキルエステルを指す。
「アシル」は、アシル基(R−C(O)−)またはカルボニル基を含有する部分を含む。「置換アシル」は、水素原子の1つ以上が、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分で置換されたアシル基を含む。
「アロイル」は、カルボニル基に結合されたアリールまたは複素環式芳香族部分を有する部分を含む。アロイル基の例としては、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシなどが挙げられる。
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」、および「チオアルコキシアルキル」は、酸素、窒素、または硫黄原子が1つ以上の炭化水素骨格炭素原子を置換した上述されるアルキル基を含む。
「アルコキシ」または「アルコキシル」という用語は、酸素原子に共有結合された置換および非置換アルキル、アルケニルおよびアルキニル基を含む。アルコキシ基またはアルコキシル基の例としては、限定はされないが、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシおよびペントキシ基が挙げられる。置換アルコキシ基の例としては、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分などの基で置換され得る。ハロゲン置換アルコキシ基の例としては、限定はされないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシおよびトリクロロメトキシが挙げられる。
「エーテル」または「アルコキシ」という用語は、2つの炭素原子またはヘテロ原子に結合された酸素を含有する化合物または部分を含む。例えば、この用語は、「アルコキシアルキル」を含み、これは、アルキル基に共有結合された酸素原子に共有結合されたアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。
「エステル」という用語は、カルボニル基の炭素に結合された酸素原子に結合された炭素またはヘテロ原子を含有する化合物または部分を含む。「エステル」という用語は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどのアルコキシカルボキシ基を含む。
「チオアルキル」という用語は、硫黄原子と連結されたアルキル基を含有する化合物または部分を含む。チオアルキル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分などの基で置換され得る。
「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」という用語は、硫黄原子に二重結合で連結された炭素を含有する化合物および部分を含む。
「チオエーテル」という用語は、2つの炭素原子またはヘテロ原子に結合された硫黄原子を含有する部分を含む。チオエーテルの例としては、限定はされないが、アルクチオ(alkthio)アルキル、アルクチオアルケニル、およびアルクチオアルキニルが挙げられる。「アルクチオアルキル」という用語は、アルキル基に結合された硫黄原子に結合されたアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を有する部分を含む。同様に、「アルクチオアルケニル」という用語は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が、アルケニル基に共有結合された硫黄原子に結合された部分を指し;アルクチオアルキニル」は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が、アルキニル基に共有結合された硫黄原子に結合された部分を指す。
本明細書において使用される際、「アミン」または「アミノ」は、−NHを指す。「アルキルアミノ」は、−NHの窒素が少なくとも1つのアルキル基に結合された化合物の基を含む。アルキルアミノ基の例としては、ベンジルアミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、フェネチルアミノなどが挙げられる。「ジアルキルアミノ」は、−NHの窒素が2つのアルキル基に結合された基を含む。ジアルキルアミノ基の例としては、限定はされないが、ジメチルアミノおよびジエチルアミノが挙げられる。「アリールアミノ」および「ジアリールアミノ」はそれぞれ、窒素が少なくとも1つまたは2つのアリール基に結合された基を含む。「アミノアリール」および「アミノアリールオキシ」は、アミノで置換されたアリールおよびアリールオキシを指す。「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」または「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1つのアルキル基および少なくとも1つのアリール基に結合されたアミノ基を指す。「アルクアミノ(alkamino)アルキル」は、アルキル基にさらに結合された窒素原子に結合されたアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。「アシルアミノ」は、窒素がアシル基に結合された基を含む。アシルアミノの例としては、限定はされないが、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基が挙げられる。
「アミド」または「アミノカルボキシ」という用語は、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合された窒素原子を含有する化合物または部分を含む。この用語は、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合されたアミノ基に結合されたアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を含む「アルクアミノカルボキシ」基を含む。それは、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合されたアミノ基に結合されたアリールまたはヘテロアリール部分を含む「アリールアミノカルボキシ」基も含む。「アルキルアミノカルボキシ」、「アルケニルアミノカルボキシ」、「アルキニルアミノカルボキシ」および「アリールアミノカルボキシ」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分のそれぞれが、窒素原子に結合され、それが、今度は、カルボニル基の炭素に結合された部分を含む。アミドは、直鎖状アルキル、分枝鎖状アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環などの置換基で置換され得る。アミド基における置換基は、さらに置換され得る。
「アミン保護基」という用語は、アミンのための保護基を指す。アミン保護基の例としては、限定はされないが、フルオレニルメチルオキシカルボニル(「Fmoc」)、カルボキシベンジル(「Cbz」)、tert−ブチルオキシカルボニル(「BOC」)、ジメトキシベンジル(「DMB」)、アセチル(「Ac」)、トリフルオロアセチル、フタルイミド、ベンジル(「Bn」)、トリチル(トリフェニルメチル、Tr)、ベンジリデンアミン、トシル(Ts)が挙げられる。さらなるアミン保護基については、内容全体が参照により本明細書に援用される、ケミカル・レビューズ(Chem.Rev.)2009、109、2455〜2504も参照されたい。
窒素を含有する本開示の化合物は、酸化剤(例えば、3−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)および/または過酸化水素)による処理によってN−オキシドに転化されて、本開示の他の化合物を得ることができる。したがって、示され、権利請求される全ての窒素含有化合物は、原子価および構造が許す場合、示される化合物およびそのN−オキシド誘導体(N→OまたはN−Oとして示され得る)の両方を含むものと考えられる。さらに、他の場合には、本開示の化合物中の窒素は、N−ヒドロキシまたはN−アルコキシ化合物に転化され得る。例えば、N−ヒドロキシ化合物は、m−CPBAなどの酸化剤による親アミンの酸化によって調製され得る。示され、権利請求される全ての窒素含有化合物はまた、原子価および構造が許す場合、示される化合物およびそのN−ヒドロキシ(すなわち、N−OH)およびN−アルコキシ(すなわち、N−OR、ここで、Rは、置換または非置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、3〜14員炭素環または3〜14員複素環である)誘導体の両方を包含するものと考えられる。
本明細書において、化合物の構造式は、ある場合には、便宜上、特定の異性体を表すが、本開示は、幾何異性体、不斉炭素をベースとする光学異性体、立体異性体、互変異性体などの全ての異性体を含み、全ての異性体が、同じレベルの活性を有し得るわけではないことが理解される。さらに、式によって表される化合物の結晶多形が存在し得る。任意の結晶形態、結晶形態混合物、またはそれらの無水物もしくは水和物が、本開示の範囲に含まれることが留意される。
「異性」は、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の配列または空間におけるそれらの原子の配置が異なる化合物を意味する。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、互いに重なり合わない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体」または場合により光学異性体と呼ばれる。反対のキラリティの等量の個々の鏡像異性体を含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
4つの異なる置換基に結合された炭素原子は、「不斉中心」と呼ばれる。
「キラル異性体」は、少なくとも1つの不斉中心を有する化合物を意味する。2つ以上の不斉中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとしてまたはジアステレオマーの混合物として存在してもよく、「ジアステレオマー混合物」と呼ばれる。1つの不斉中心が存在する場合、立体異性体は、その不斉中心の絶対配置(RまたはS)によって特徴付けられ得る。絶対配置は、不斉中心に結合された置換基の空間における配置を指す。対象となる不斉中心に結合された置換基は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則にしたがって順位を付けられる(カーン(Cahn)ら著、アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Inter.Edit.)1966、5、385;errata 511;カーン(Cahn)ら著、アンゲヴァンテ・ケミー(Angew.Chem.)1966、78、413;カーン(Cahn)およびインゴルド(Ingold)著、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ(J.Chem.Soc.)1951(London)、612;カーン(Cahn)ら著、エクスペリエンティア(Experientia)1956、12、81;カーン(Cahn)著、ジャーナル・オブ・ケミカル・エデュケーション(J.Chem.Educ.)1964、41、116)。
「幾何異性体」は、二重結合またはシクロアルキルリンカー(例えば、1,3−シクロブチル)の周りの回転障害により存在するジアステレオマーを意味する。これらの配置は、名称中の接頭語シスおよびトランス、またはZおよびEによって区別され、これらの接頭語は、基が、カーン・インゴルド・プレローグ順位則にしたがって、分子における二重結合の同じ側または反対側にあることを示す。
本開示の化合物が、異なるキラル異性体または幾何異性体として示され得ることが理解されるべきである。化合物が、キラル異性体または幾何異性体を有する場合、全ての異性体が、本開示の範囲に含まれることが意図され、化合物の命名が、いずれの異性体も除外しないことも理解されるべきであり、全ての異性体が、同じレベルの活性を有し得るわけではないことが理解される。
さらに、本開示に記載される構造および他の化合物は、その全てのアトロプ異性体を含み、全てのアトロプ異性体が、同じレベルの活性を有し得るわけではないことが理解される。「アトロプ異性体」は、2つの異性体の原子が、空間内に異なって配置された立体異性体のタイプである。アトロプ異性体は、中心結合の周りのより大きな基の回転障害に起因する回転の制限により存在する。このようなアトロプ異性体は、典型的に、混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果として、所定の場合、2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能であった。
「互変異性体」は、平衡状態で存在する2つ以上の構造異性体の1つであり、ある異性体から別の異性体へと容易に転化される。この転化は、隣接する共役二重結合の入れ替えに伴う水素原子のホルマール移動をもたらす。互変異性体は、溶液中の互変異性体組の混合物として存在する。互変異性化が可能である溶液中で、互変異性体の化学平衡に到達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒およびpHを含むいくつかの要因に左右される。互変異性化によって相互に変換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。
可能な互変異性の様々なタイプのうち、2つが一般的に観察される。ケト−エノール互変異性では、電子および水素原子の同時シフトが起こる。環鎖互変異性は、糖鎖分子中のアルデヒド基(−CHO)が、同じ分子中のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応して、グルコースによって示される環式(環状)形態を与えられた結果として生じる。
一般的な互変異性体の対は、ケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、複素環におけるアミド−イミド酸互変異性(例えば、グアニン、チミンおよびシトシンなどの核酸塩基における)、イミン−エナミンおよびエナミン−エナミンである。ラクタム−ラクチム互変異性の例は、以下に示されるとおりである。
本開示の化合物が、異なる互変異性体として示され得ることが理解されるべきである。化合物が互変異性体を有する場合、全ての互変異性体が、本開示の範囲に含まれることが意図され、化合物の命名が、いずれの互変異性体も除外しないことも理解されるべきである。特定の互変異性体が、他の互変異性体より高いレベルの活性を有し得ることが理解されよう。
「結晶多形」、「多形」または「結晶形態」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が、異なる結晶充填配置(その全てが同じ元素組成を有する)で結晶化することができる結晶構造を意味する。異なる結晶形態は、通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度硬度、結晶形状、光学および電気的特性、安定性および溶解度を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の要因により、1つの結晶形態が優位になり得る。化合物の結晶多形は、異なる条件下での結晶化によって調製され得る。
本明細書に記載されるいずれかの式の化合物は、化合物自体、ならびに適用可能な場合、それらの塩、およびそれらの溶媒和物を含む。
例えば、塩は、本明細書に開示される化合物またはポリヌクレオチド(例えば、mRNA)におけるアニオンと正荷電基(例えば、アミノ)との間で形成され得る。好適なアニオンとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、サルフェート、ビサルフェート、スルファメート、ニトレート、ホスフェート、シトレート、メタンスルホネート、トリフルオロアセテート、グルタメート、グルクロネート、グルタレート、マレート、マレエート、スクシネート、フマレート、タートレート、トシレート、サリチレート、ラクテート、ナフタレンスルホネート、およびアセテート(例えば、トリフルオロアセテート)が挙げられる。好適なアニオンは、薬学的に許容できるアニオンを含む。「薬学的に許容できるアニオン」という用語は、薬学的に許容できる塩を形成するのに好適なアニオンを指す。同様に、塩はまた、本明細書に開示される化合物またはポリヌクレオチド(例えば、mRNA)におけるカチオンと負荷電基(例えば、カルボキシレート)との間で形成され得る。好適なカチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびアンモニウムカチオン、例えば、テトラメチルアンモニウムイオンが挙げられる。本明細書に開示される化合物およびポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、第四級窒素原子を含有する塩も含み得る。
さらに、本開示の化合物、例えば、化合物の塩は、水和もしくは非水和(無水)形態または他の溶媒分子との溶媒和物のいずれかとして存在し得る。水和物の非限定的な例としては、一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
「溶媒和物」は、化学量論量または非化学量論量のいずれかの溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶性固体状態における一定のモル比の溶媒分子を捕捉する傾向を有し、したがって、溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり;溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1つ以上の水分子と、水がその分子状態をHOとして保つ物質の1つの分子との組合せによって形成される。
本明細書において使用される際、「類似体」という用語は、別の化合物と構造的に類似しているが、組成がわずかに異なる化合物を指す(異なる元素の原子によるまたは特定の官能基の存在下における1つの原子の置換、または別の官能基による1つの官能基の置換など)。したがって、類似体は、機能および外観が参照化合物と類似しているかまたは同等であるが、構造または起源はそうではない化合物である。
本明細書に定義される際、「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有し、本明細書に記載される様々な基で置換される化合物を指す。例えば、式(I)によって表される化合物の全ては、リボース基が6員環状構造で置換された修飾mRNAキャップであり、共通のコアとして式(I)を有する。
「生物学的等価体(bioisostere)」という用語は、原子または原子団を、別の大まかに類似した原子または原子団と交換することから得られる化合物を指す。生物学的等価体置換の目的は、親化合物と類似した生物学的特性を有する新たな化合物を生成することである。生物学的等価体置換は、物理化学にまたはトポロジーに基づいてもよい。カルボン酸生物学的等価体の例としては、限定はされないが、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホネートおよびホスホネートが挙げられる。例えば、パタニ(Patani)およびラヴォア(LaVoie)著、ケミカル・レビューズ(Chem.Rev.)96、3147〜3176、1996を参照されたい。
本開示は、本発明の化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことが意図される。同位体は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として、限定はされないが、水素の同位体は、トリチウムおよびジュウテリウムを含み、炭素の同位体は、C−13およびC−14を含む。例えば、式(I)中の特定の変数(例えば、R〜R15のいずれか)が、Hまたは水素である場合、それは、水素またはジュウテリウムのいずれかであり得る。
以下の説明および特許請求の範囲の両方における冠詞(「a」、「an」、および「the」)の使用は、本明細書に特に示されない限り、または文脈上明らかに矛盾していない限り、単数および複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。「を含む(comprising)」、「を有する(having)」、「のものである(being of)」(「化学式のものである(being of a chemical formula)」など)、「を含む(including)」、および「を含有する(containing)」という用語は、特に断りのない限り、非限定用語(open terms)(すなわち、「限定はされないが、〜を含む」を意味する)として解釈されるべきである。さらに、「を含む(comprising)」または別のオープンエンド用語が実施形態において使用される場合は常に、同じ実施形態が、中間用語「から本質的になる(consisting essentially of)」または限定用語(closed term)「からなる(consisting of)」を用いてより狭く権利請求され得ることが理解されるべきである。
本明細書において使用される際、「A、B、またはCの1つ以上」、「1つ以上のA、B、またはC」、「A、B、およびCの1つ以上」、「1つ以上のA、B、およびC」などの表現は、同義的に使用され、これらは全て、A、B、および/またはC、すなわち、1つ以上のA、1つ以上のB、1つ以上のC、またはそれらの任意の組合せからなる群からの選択を指す。
本開示は、本明細書に記載される式のいずれかの化合物の合成のための方法を提供する。本開示は、実施例に示されるように、以下のスキームで表される様々な開示される化合物の合成のための詳細な方法も提供する。
本明細書全体にわたって、組成物が、特定の成分を有する、包含する、または含むと記載される場合、組成物はまた、記載される成分から本質的になるか、またはからなることが考えられる。同様に、方法またはプロセスが、特定のプロセス工程を有する、包含する、または含むと記載される場合、プロセスはまた、記載されるプロセス工程から本質的になるか、またはからなる。さらに、工程の順序または特定の動作を行う順序が、本発明が動作可能なままである限り、重要でないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上の工程または動作を同時に行うことができる。
本開示の合成方法は、様々な官能基を許容することができるため、様々な置換出発材料が使用され得る。この方法は、一般に、全プロセスの最後またはほぼ最後に所望の最終化合物を提供するが、いくつかの場合には、化合物をその薬学的に許容できる塩にさらに転化することが望ましいことがある。
本開示の化合物は、様々な方法で、市販の出発材料、文献において公知の化合物を用いて、または当業者に公知であるか、または本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであろう標準的な合成方法および手順を用いることによって、容易に調製される中間体から調製され得る。有機分子の調製ならびに官能基の変換および操作のための標準的な合成方法および手順は、関連する科学文献からまたは当該技術分野における標準的なテキストから得られる。いずれか1つまたはいくつかの資料に限定されないが、参照により本明細書に援用される、スミスM.B.(Smith,M.B.)、マーチJ.(March,J.)著、「マーチ最新有機化学:反応、機構、および構造(March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure)」、第5版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons):ニューヨーク(New York)、2001;グリーンT.W.(Greene,T.W.)、ワッツP.G.M.(Wuts,P.G.M.)著、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第3版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons):ニューヨーク(New York)、1999;R.ラロック(R.Larock)著、「総合有機変換(Comprehensive Organic Transformations)」、VCHパブリッシャー(VCH Publishers)(1989);L.フィーザー(L.Fieser)およびM.フィーザー(M.Fieser)著、「フィーザーおよびフィーザーの有機合成用試薬(Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)(1994);およびL.パケット(L.Paquette)編、「有機合成用試薬百科事典(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)(1995)などの古典的なテキストが、有用であり、当該技術分野において公知の有機合成の認識された参考テキストである。合成方法の以下の説明は、本開示の化合物の調製のための一般的手順を、限定するのではなく、例示するように設計される。
本明細書に記載される式のいずれかで表される本開示の化合物は、以下のスキーム1〜9に示される手順にしたがって、市販の出発材料または文献の手順を用いて調製され得る出発材料から調製され得る。スキーム中のR変数(例えば、Y、R20〜R23)は、特に規定されない限り、式(I)について本明細書に定義されるとおりである。
当業者は、本明細書に記載される反応シーケンスおよび合成スキーム中、保護基の導入および除去などの特定の工程の順序が変更され得ることに留意するであろう。
当業者は、特定の基が、保護基の使用による、反応条件からの保護を必要とし得ることを認識するであろう。保護基はまた、分子中の類似の官能基を区別するのに使用され得る。保護基の一覧およびこれらの基をどのように導入および除去するかは、グリーンT.W.(Greene,T.W.)、ワッツP.G.M.(Wuts,P.G.M.)著、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第3版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons):ニューヨーク(New York)、1999に見出される。
好ましい保護基としては、限定はされないが、以下のものが挙げられる:
ヒドロキシル部分については:TBS、ベンジル、THP、Ac
カルボン酸については:ベンジルエステル、メチルエステル、エチルエステル、アリルエステル
アミンについては:Fmoc、Cbz、BOC、DMB、Ac、Bn、Tr、Ts、トリフルオロアセチル、フタルイミド、ベンジリデンアミン
ジオールについては:Ac(×2)TBS(×2)、または一緒になる場合、アセトニド
チオールについては:Ac
ベンズイミダゾールについては:SEM、ベンジル、PMB、DMB
アルデヒドについては:ジ−アルキルアセタール、例えば、ジメトキシアセタールまたはジエチルアセチル。
本明細書に記載される反応スキームにおいて、複数の立体異性体が生成され得る。特定の立立体異性体が示されない場合、反応から生成され得る考えられる全ての立体異性体を意味するものと理解される。当業者は、反応が、1つの異性体を優先的に得るように最適化され得るか、または新たなスキームが、単一の異性体を生成するために考案され得ることを認識するであろう。混合物が生成される場合、分取薄層クロマトグラフィー、分取HPLC、分取キラルHPLC、または分取SFCなどの技術が、異性体を分離するのに使用され得る。
上記のスキーム1に示されるように、市販のグアノシン一リン酸(5−1)が、過ヨウ素酸ナトリウム酸化に供されて、ジアルデヒド(5−2)を生じ、それは、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元されて、それぞれのジオール5−3を生成し得る。遊離ヒドロキシルのいずれかにおけるそのモノトシル化(5−4)の後、環化を行って、ジオキサン5−6を生じる。同様に、ジオール5−3の徹底的なトシル化により、ビス−トシレート5−5が得られ、それは、硫化ナトリウムに曝露すると、求核トシレート置換および急速な分子内閉環を起こして、チオジオキサン5−8が得られる。5−6および5−8の両方が、pH=4.0で硫酸ジメチルを用いて、N7で選択的にメチル化されて、それぞれ5−7および5−9が得られる。
上記のスキーム2に示されるように、ジアルデヒド(5−2)は、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いて、メチルアミンで還元的にアミノ化され得る。次に、モルホリン5−10は、メチル化されて、5−11を生じる。
スキーム3は、6員最終キャップ:化合物1、8、および9の合成を示す。スキーム3に示されるように、一リン酸5−7、5−9、および5−11は、Zn2+触媒反応下で、グアノシンジホスフェートイミダゾリドと縮合される。最終化合物は、重炭酸トリエチルアンモニウムの勾配を用いたDEAEセファロース(Sepharose)イオン交換クロマトグラフィー、ジメチルヘキシルアンモニウム塩とのトリエチルアンモニウム塩の短C18カラム支援塩交換(salt swap)、および最後に、アセトンからの過塩素酸アンモニウム沈殿によって得られる。
上記のスキーム4に示されるように、市販の置換グアノシン(a)が、十分に確立されたヨシカワ(Yoshikawa)プロトコルを用いて、それぞれの5’−一リン酸(b)に転化される(例えば、マルセル・ホレンシュタイン(Marcel Hollenstein)著、「ヌクレオシド三リン酸−核酸の修飾のための構成単位(Nucleoside triphosphates−building blocks for modifications of nucleic acids)」、モレキュールズ(Molecules)、13569〜13591、2012を参照)。選択的N−7メチル化が、好適な条件下で、例えば、約4.0のpHで、硫酸ジメチルを用いて行われる。例えば、G.フェレンツ(G.Ferenc)、P.パダル(P.Padar)、J.スゾロメジャー(J.Szolomajer)、L.コバックス(L.Kovacs)著、「N−アルキル化グアニン誘導体(N−Alkylated guanine derivatives)」、カレント・オーガニック・ケミストリー(Current Organic Chemistry)、1005〜1135、2009を参照されたい。最終キャップ(d)は、(c)グアノシンジホスフェートイミダゾリドの亜鉛に媒介される縮合によって調製される。
上記のスキーム5に示されるように、市販のホスホロアミダイト(aa)が、酸性条件下で、適切なジオールH−Y−OH(例えば、エチレングリコール)と縮合される。ホスホロアミダイト対ジオールの初期比は、等モルであり、一置換P(III)エステルの形成が、LCMSによって監視される。添加が完了したことが分かると、さらなる1モル当量のホスホロアミダイト(aa)が加えられる。得られたビス−P(III)−ホスホジエステルは、tert−ブチルヒドロペルオキシドで酸化される。ジエチルアミンなどの塩基による処理は、シアノエチル基のβ−脱離を引き起こして、ビス−リン酸エステル(bb)を生じる。メチルアミンなどの求核塩基による処理は、アミド保護基の除去を引き起こして、(cc)を生じ、この後、フッ化物に媒介される2’−O−脱シリル化が続く。酸処理(TFA)により、全体的な脱保護を完了させ、最終的なビス−N−7−メチル化により、最終化合物(dd)が得られる。
上記のスキーム6は、ジヌクレオチドを合成するための代替的な手法を示す。これによれば、グアノシン(aa1)が、不安定な2’−3’−フェニルボロネート(bb1)に転化され、ビス−ホスホロアミダイト(ee)と縮合される。一次付加物(ff)が、それぞれのホスホトリエステル(gg)へと酸化され、保護基が、連続的に除去される。化合物は、イオン交換クロマトグラフィーによって精製され得、対称的N7−メチル化により、化合物(hh)が生成される。
上記のスキーム7に示されるように、グアノシン(a’)の糖におけるヒドロキシル基は、保護されて、化合物(b’)を生じ、その6−Oが、さらに保護されて、(c’)を生じる(PGまたは保護基は、ヒドロキシルまたはオキソのための任意の好適な保護基、例えば、4−クロロフェニル、ベンジルなどであり得る)。ナイトライト(例えば、亜硝酸ナトリウム)または亜硝酸が、化合物(c’)と反応して、ジアゾニウム化合物(d’)を形成し、この後、フェノールまたはフェノキシド(例えば、ナトリウムフェノキシド)との反応、およびその後の脱保護が続いて、最終化合物(e’)および(f’)が得られる。
上記のスキーム8に示されるように、ジアゾニウム化合物(g)(PGまたは保護基は、ヒドロキシルまたはオキソのための任意の好適な保護基、例えば、アセチル、アリルなどであり得る)。フェノールまたはフェノキシド(例えば、化合物h)が、ジアゾニウム化合物(g)と反応し、その後の脱保護が続いて、最終生成物(j)が得られる。例えば、Rが、本明細書に定義されるとおりであり、例えば、ハロまたはC〜Cアルキル(メチルなど)である。
上記のスキーム9は、本明細書に記載される化合物を合成するための手法を示す。ホスホロアミダイト(aaa)およびビス(2−シアノエチル)ホスフェート(bbb)が、結合されて、(ビス(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ)−ヒドロキシプロピル(シアノエチル)ホスフェート(ccc)を形成し、次に、それが、さらなる1モル当量のホスホロアミダイト(aaa)と結合されて、一次付加物(ddd)を生じる。dddの対称的N7−メチル化により、化合物008−7が生成される。化合物は、逆相クロマトグラフィーによって精製され得る。
当業者は、上記のスキームにおいて、特定の工程の順序が、交換可能であり得ることを認識するであろう。
本明細書に記載されるキャップ類似体は、インビトロ転写反応において5’キャッピングされたRNA分子の合成に使用される。転写反応におけるGTPの部分とのキャップ類似体の置換により、キャップ構造が、転写物の対応する部分へと組み込まれる。キャッピングされたmRNAは、一般に、網状赤血球溶解物および小麦胚芽インビトロ翻訳系中でより効率的に翻訳される。キャッピングされていないmRNAは容易に分解されるため、インビトロ転写物は、微量注入(microinjection)実験のためにキャッピングされることが重要である。キャップ類似体はまた、タンパク質合成の開始工程の高度に特異的な阻害剤として使用される。
したがって、別の態様において、本開示は、RNA分子をインビトロで合成する方法を提供する。この方法は、ポリヌクレオチド鋳型のRNAポリメラーゼの、1つ以上のRNAコピーへの転写をもたらす条件下で;RNAポリメラーゼの存在下で;非修飾もしくは修飾ATP、非修飾もしくは修飾CTP、非修飾もしくは修飾UTP、非修飾もしくは修飾GTP、式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩、およびポリヌクレオチド鋳型を反応させることを含んでもよく;これによって、RNAコピーの少なくとも一部が、式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を組み込んで、RNA分子を作製する。
RNA転写物をキャッピングするためのキットも提供される。キットは、式(I)の化合物およびRNAポリメラーゼを含む。キットは、ヌクレオチド、リボヌクレアーゼ阻害剤、酵素緩衝液、およびヌクレオチド緩衝液のうちの1つ以上も含み得る。
別の態様において、RNA分子は、転写後にキャッピングされ得る。例えば、組み換えワクシニアウイルスキャッピング酵素および組み換え2’−O−メチルトランスフェラーゼ酵素は、mRNAの5’末端ヌクレオチドとグアニンキャップヌクレオチドとの間の標準5’−5’−三リン酸結合を形成することができ、ここで、キャップグアニンは、N7メチル化を含有し、mRNAの5’末端ヌクレオチドは、2’−O−メチルを含有する。
さらに別の態様において、本開示は、5’末端が本明細書に開示される化合物(例えば、キャップ類似体)を含むRNA分子(例えば、mRNA)を提供する。例えば、RNA分子の5’末端は、式(III)、(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb1)、または(IIIb2):
の化合物を含み、式中、波線が、RNA分子の残りの部分への結合点を示す。
実施形態において、式(III)、(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb1)、または(IIIb2)における変数は、適用可能な場合、式(I)について本明細書に定義されるとおりである。
実施形態において、RNA分子は、mRNA分子である。
実施形態において、RNA分子は、インビトロ転写されたmRNA分子(IVT mRNA)である。
ある実施形態において、本開示のRNAおよびmRNAは、その5’末端キャップを除いて、天然RNAまたはmRNA分子のものと同じ配列および構造を有する非修飾RNAまたはmRNA分子である。他の実施形態において、本開示のRNAおよびmRNAは、本明細書に開示される5’末端キャップにおける修飾に加えて、本明細書に記載される少なくとも1つの化学修飾を含み得る。
一般に、目的のポリペプチドをコードするIVTポリヌクレオチド(例えば、IVT mRNA)の長さは、約30ヌクレオチド長を超える(例えば、少なくとも約35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,500、および3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000ヌクレオチドまたはそれらを超え、100,000ヌクレオチドを含むそれ以下である)。
ある実施形態において、IVTポリヌクレオチド(例えば、IVT mRNA)は、約30〜約100,000ヌクレオチド(例えば、30〜50、30〜100、30〜250、30〜500、30〜1,000、30〜1,500、30〜3,000、30〜5,000、30〜7,000、30〜10,000、30〜25,000、30〜50,000、30〜70,000、100〜250、100〜500、100〜1,000、100〜1,500、100〜3,000、100〜5,000、100〜7,000、100〜10,000、100〜25,000、100〜50,000、100〜70,000、100〜100,000、500〜1,000、500〜1,500、500〜2,000、500〜3,000、500〜5,000、500〜7,000、500〜10,000、500〜25,000、500〜50,000、500〜70,000、500〜100,000、1,000〜1,500、1,000〜2,000、1,000〜3,000、1,000〜5,000、1,000〜7,000、1,000〜10,000、1,000〜25,000、1,000〜50,000、1,000〜70,000、1,000〜100,000、1,500〜3,000、1,500〜5,000、1,500〜7,000、1,500〜10,000、1,500〜25,000、1,500〜50,000、1,500〜70,000、1,500〜100,000、2,000〜3,000、2,000〜5,000、2,000〜7,000、2,000〜10,000、2,000〜25,000、2,000〜50,000、2,000〜70,000、または2,000〜100,000ヌクレオチド)を含む。
ある実施形態において、本明細書に記載される核酸は、キメラポリヌクレオチドである。キメラポリヌクレオチド、またはRNA構築物は、IVTポリヌクレオチドと同様のモジュール組織(modular organization)を維持するが、キメラポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドに有用な特性を与える1つ以上の構造および/または化学修飾または改変を含む。したがって、本開示の修飾mRNA分子であるキメラポリヌクレオチドは、「キメラ修飾mRNA」または「キメラmRNA」である。キメラポリヌクレオチドは、サイズおよび/または化学修飾パターン、化学修飾位置、化学修飾パーセントまたは化学修飾数および上記のものの組合せが異なる部分または領域を有する。
実施形態において、本開示のRNAおよびmRNAは、多量体mRNA複合体の成分である。
別の態様において、本開示は、多量体mRNA複合体を生成する方法も提供する。ある実施形態において、多量体mRNA複合体は、加熱および段階的な冷却プロトコルによって形成される。例えば、多量体複合体に組み込むことが必要とされる5μMの各mRNAの混合物が、50mMの2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(トリス)pH7.5、150mMの塩化ナトリウム(NaCl)、および1mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有する緩衝液に入れられ得る。混合物は、5分間にわたって65℃に、5分間にわたって60℃に、2分間にわたって40℃に加熱され、次に、10分間にわたって4℃に冷却されて、多量体複合体が形成され得る。
実施形態において、本開示のRNAおよびmRNAは、実質的に非毒性かつ非変異原性である。
ある実施形態において、本開示のRNAおよびmRNAは、細胞に導入されるとき、天然ポリヌクレオチドと比較して、細胞内で減少した分解を示し得る。
本明細書に記載されるように、本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、好ましくは、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)が導入された細胞の自然免疫応答を実質的に誘導しない。誘導される自然免疫応答の特徴としては、1)炎症促進性サイトカインの発現の増加、2)細胞内PRR(RIG−I、MDA5、などの活性化、および/または3)タンパク質翻訳の終結または低減が挙げられる。
ある実施形態において、本明細書に開示される核酸は、目的のポリペプチドをコードする連結ヌクレオシドの第1の領域(例えば、コード領域)、第1の領域の5’末端に位置する第1のフランキング領域(例えば、5’−UTR)、第1の領域の3’末端に位置する第2のフランキング領域(例えば、3’−UTR)、少なくとも1つの5’−キャップ領域、および3’−安定化領域を含む。ある実施形態において、核酸またはポリヌクレオチドは、ポリ−A領域またはコザック配列(例えば、5’−UTRにおいて)をさらに含む。ある場合には、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドから切除されることが可能な1つ以上のイントロンヌクレオチド配列を含有し得る。ある実施形態において、ポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、mRNA)は、5’キャップ構造、鎖終止ヌクレオチド、ステムループ、ポリA配列、および/またはポリアデニル化シグナルを含み得る。ある実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの領域のいずれか1つは、少なくとも1つの改変ヌクレオシドを含む。例えば、3’−安定化領域は、改変ヌクレオシド、例えば、L−ヌクレオシド、逆方向チミジン、または2’−O−メチルヌクレオシドを含有してもよく、および/またはコード領域、5’−UTR、3’−UTR、またはキャップ領域は、改変ヌクレオシド、例えば、5−置換ウリジン(例えば、5−メトキシウリジン)、1−置換プソイドウリジン(例えば、1−メチル−プソイドウリジンまたは1−エチル−プソイドウリジン)、および/または5−置換シチジン(例えば、5−メチル−シチジン)を含み得る。
一般に、ポリヌクレオチドの最も短い長さは、ジペプチドをコードするのに十分なポリヌクレオチド配列の長さであり得る。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、トリペプチドをコードするのに十分である。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、テトラペプチドをコードするのに十分である。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、ペンタペプチドをコードするのに十分である。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、ヘキサペプチドをコードするのに十分である。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、ヘプタペプチドをコードするのに十分である。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、オクタペプチドをコードするのに十分である。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、ノナペプチドをコードするのに十分である。別の実施形態において、ポリヌクレオチド配列の長さは、デカペプチドをコードするのに十分である。
改変ポリヌクレオチド配列がコードすることができるジペプチドの例としては、限定はされないが、カルノシンおよびアンセリンが挙げられる。
ある場合には、ポリヌクレオチドは、30ヌクレオチドを超える長さである。別の実施形態において、ポリヌクレオチド分子は、35ヌクレオチドを超える長さである。別の実施形態において、長さは、少なくとも40ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも45ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも55ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも50ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも60ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも80ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも90ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも100ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも120ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも140ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも160ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも180ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも200ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも250ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも300ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも350ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも400ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも450ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも500ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも600ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも700ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも800ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも900ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1000ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1100ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1200ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1300ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1400ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1500ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1600ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1800ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも2000ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも2500ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも3000ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも4000ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも5000ヌクレオチド、または5000ヌクレオチド超である。
本明細書に開示される核酸およびポリヌクレオチドは、標準ヌクレオチドA(アデノシン)、G(グアノシン)、C(シトシン)、U(ウリジン)、またはT(チミジン)のいずれかを含む1つ以上の天然に存在する成分を含み得る。一実施形態において、(a)5’−UTR、(b)オープンリーディングフレーム(ORF)、(c)3’−UTR、(d)ポリA尾部、および(上記のa、b、cまたはd)の任意の組合せを含むヌクレオチドは全てまたは実質的に、天然に存在する標準ヌクレオチドA(アデノシン)、G(グアノシン)、C(シトシン)、U(ウリジン)、またはT(チミジン)を含む。
本明細書に開示される核酸およびポリヌクレオチドは、向上した安定性および/またはポリヌクレオチドが導入される細胞の自然免疫応答の実質的な誘導がないことを含む有用な特性を与える、本明細書に記載される1つ以上の改変成分(例えば、3’−安定化領域において)を含み得る。例えば、修飾(例えば、改変(altered)または改変(alternative))ポリヌクレオチドまたは核酸は、対応する非改変ポリヌクレオチドまたは核酸と比べて、ポリヌクレオチドまたは核酸が導入される細胞における減少した分解を示す。これらの改変種は、タンパク質産生の効率、ポリヌクレオチドの細胞内貯留、および/または接触される細胞の生存率を向上させることができるだけでなく、減少した免疫原性を有する。
ポリヌクレオチドおよび核酸は、天然に存在するものであってもまたは天然に存在しないものであってもよい。ポリヌクレオチドおよび核酸は、1つ以上の修飾(例えば、改変(altered)または改変(alternative))核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド、またはそれらの組合せを含み得る。本明細書に開示される核酸およびポリヌクレオチドは、核酸塩基、糖、またはヌクレオシド間結合(例えば、連結ホスフェート/ホスホジエステル結合/ホスホジエステル骨格)に対するものなどの、任意の好適な修飾または改変を含み得る。特定の実施形態において、改変(例えば、1つ以上の改変)は、核酸塩基、糖、およびヌクレオシド間結合のそれぞれに存在する。本開示に係る改変は、リボ核酸(RNA)のデオキシリボ核酸(DNA)(例えば、リボフラノシル環の2’−OHの2’−Hへの置換)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、またはそのハイブリッドへの改変であり得る。さらなる改変が、本明細書に記載される。
ポリヌクレオチドおよび核酸は、分子の全長に沿って均一に改変されても、または均一に改変されなくてもよい。例えば、1つ以上または全てのタイプのヌクレオチド(例えば、プリンまたはピリミジン、またはA、G、U、Cのいずれか1つ以上または全て)は、ポリヌクレオチドまたは核酸において、またはその所与の所定の配列領域において均一に改変されても、または均一に改変されなくてもよい。ある場合には、本開示のポリヌクレオチドにおいて(またはその所与の配列領域において)全てのヌクレオチドXが改変され、ここで、Xは、ヌクレオチドA、G、U、Cのいずれか1つ、または組合せA+G、A+U、A+C、G+U、G+C、U+C、A+G+U、A+G+C、G+U+CまたはA+G+Cのいずれか1つであり得る。
異なる糖改変および/またはヌクレオシド間結合(例えば、骨格構造)は、ポリヌクレオチドの様々な位置に存在し得る。ポリヌクレオチドの機能が実質的に低下されないように、ヌクレオチド類似体または他の改変が、ポリヌクレオチドの任意の位置に位置し得ることを、当業者は理解するであろう。改変はまた、5’末端または3’末端改変であり得る。ある実施形態において、ポリヌクレオチドは、3’末端に改変を含む。ポリヌクレオチドは、約1%〜約100%の改変ヌクレオチド(全ヌクレオチド含量に対して、または1つ以上のタイプのヌクレオチド、すなわち、A、G、UまたはCのいずれか1つ以上に対して)またはその間の任意のパーセンテージ(例えば、1%〜20%、1%〜25%、1%〜50%、1%〜60%、1%〜70%、1%〜80%、1%〜90%、1%〜95%、10%〜20%、10%〜25%、10%〜50%、10%〜60%、10%〜70%、10%〜80%、10%〜90%、10%〜95%、10%〜100%、20%〜25%、20%〜50%、20%〜60%、20%〜70%、20%〜80%、20%〜90%、20%〜95%、20%〜100%、50%〜60%、50%〜70%、50%〜80%、50%〜90%、50%〜95%、50%〜100%、70%〜80%、70%〜90%、70%〜95%、70%〜100%、80%〜90%、80%〜95%、80%〜100%、90%〜95%、90%〜100%、および95%〜100%)を含有し得る。A、G、U、またはCの存在が任意の残りのパーセンテージを占めることが理解されよう。
ポリヌクレオチドは、最小で1%および最大で100%の改変ヌクレオチド、またはその間の任意のパーセンテージ、例えば、少なくとも5%の改変ヌクレオチド、少なくとも10%の改変ヌクレオチド、少なくとも25%の改変ヌクレオチド、少なくとも50%の改変ヌクレオチド、少なくとも80%の改変ヌクレオチド、または少なくとも90%の改変ヌクレオチドを含有し得る。例えば、ポリヌクレオチドは、改変ピリミジン、例えば、改変ウラシルまたはシトシンを含有し得る。ある実施形態において、ポリヌクレオチド中のウラシルの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%が、改変ウラシル(例えば、5−置換ウラシル)で置換される。改変ウラシルは、単一の独自の構造を有する化合物で置換され得、または異なる構造(例えば、2、3、4つまたはそれ以上の独自の構造)を有する複数の化合物で置換され得る。ある実施形態において、ポリヌクレオチド中のシトシンの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%が、改変シトシン(例えば、5−置換シトシン)で置換される。改変シトシンは、単一の独自の構造を有する化合物で置換され得、または異なる構造(例えば、2、3、4つまたはそれ以上の独自の構造)を有する複数の化合物で置換され得る。
特定の実施形態において、細胞に導入されるRNA分子(例えば、mRNA)が細胞内で分解されるのが望ましいことがある。例えば、タンパク質産生の正確なタイミングが所望される場合、RNA分子の分解が好ましいことがある。したがって、ある実施形態において、本開示は、細胞内で指定の方法で作用させることが可能な分解ドメインを含有するRNA分子を提供する。
「ポリヌクレオチド」という用語は、その最も広い意味で、オリゴヌクレオチド鎖であるか、またはそれに組み込むことができる任意の化合物および/または物質を含む。本開示にしたがって使用するための例示的なポリヌクレオチドとしては、限定はされないが、本明細書に詳細に記載される、DNA、メッセンジャーmRNA(mRNA)を含むRNA、そのハイブリッド、RNAi誘導剤、RNAi剤、siRNA、shRNA、miRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、触媒DNA、三重らせん形成を誘導するRNA、アプタマー、ベクターなどのうちの1つ以上が挙げられる。ある実施形態において、ポリヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチド(すなわち、非天然mRNA分子)を有する1つ以上のメッセンジャーRNA(mRNA)を含み得る。
ある実施形態において、核酸(例えばmRNA)分子、それに関連する式、組成物または方法は、国際公開第2002/098443号パンフレット、国際公開第2003/051401号パンフレット、国際公開第2008/052770号パンフレット、国際公開第2009127230号パンフレット、国際公開第2006122828号パンフレット、国際公開第2008/083949号パンフレット、国際公開第2010088927号パンフレット、国際公開第2010/037539号パンフレット、国際公開第2004/004743号パンフレット、国際公開第2005/016376号パンフレット、国際公開第2006/024518号パンフレット、国際公開第2007/095976号パンフレット、国際公開第2008/014979号パンフレット、国際公開第2008/077592号パンフレット、国際公開第2009/030481号パンフレット、国際公開第2009/095226号パンフレット、国際公開第2011069586号パンフレット、国際公開第2011026641号パンフレット、国際公開第2011/144358号パンフレット、国際公開第2012019780号パンフレット、国際公開第2012013326号パンフレット、国際公開第2012089338号パンフレット、国際公開第2012113513号パンフレット、国際公開第2012116811号パンフレット、国際公開第2012116810号パンフレット、国際公開第2013113502号パンフレット、国際公開第2013113501号パンフレット、国際公開第2013113736号パンフレット、国際公開第2013143698号パンフレット、国際公開第2013143699号パンフレット、国際公開第2013143700号パンフレット、国際公開第2013/120626号パンフレット、国際公開第2013120627号パンフレット、国際公開第2013120628号パンフレット、国際公開第2013120629号パンフレット、国際公開第2013174409号パンフレット、国際公開第2014127917号パンフレット、国際公開第2015/024669号パンフレット、国際公開第2015/024668号パンフレット、国際公開第2015/024667号パンフレット、国際公開第2015/024665号パンフレット、国際公開第2015/024666号パンフレット、国際公開第2015/024664号パンフレット、国際公開第2015101415号パンフレット、国際公開第2015101414号パンフレット、国際公開第2015024667号パンフレット、国際公開第2015062738号パンフレット、国際公開第2015101416号パンフレット(これらのそれぞれの内容は、参照により本明細書に援用される)に記載される特徴を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
核酸塩基改変
改変ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、改変核酸塩基を含み得る。核酸の核酸塩基は、有機塩基、例えば、プリンまたはピリミジンまたはその誘導体である。核酸塩基は、標準塩基(例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、およびシトシン)であり得る。これらの核酸塩基は、向上した特性、例えば、ヌクレアーゼに対する耐性などの向上した安定性を有するポリヌクレオチド分子を提供するように、改変または完全に置換され得る。非標準または修飾塩基は、例えば、限定はされないが、アルキル、アリール、ハロ、オキソ、ヒドロキシル、アルキルオキシ、および/またはチオ置換を含む1つ以上の置換または修飾;1つ以上の縮合環または開環;酸化;および/または還元を含み得る。
改変ヌクレオチド塩基対形成は、標準アデニン−チミン、アデニン−ウラシル、またはグアニン−シトシン塩基対だけでなく、ヌクレオチドおよび/または非標準または改変塩基を含む改変ヌクレオチド間で形成される塩基対も包含し、ここで、水素結合供与体および水素結合受容体の構成が、非標準塩基と標準塩基との間、または2つの相補的非標準塩基構造間の水素結合を可能にする。このような非標準塩基対形成の一例は、改変ヌクレオチドイノシンおよびアデニン、シトシン、またはウラシル間の塩基対形成である。
ある実施形態において、核酸塩基は、改変ウラシルである。改変ウラシルを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、プソイドウリジン(ψ)、ピリジン−4−オンリボヌクレオシド、5−アザ−ウラシル、6−アザ−ウラシル、2−チオ−5−アザ−ウラシル、2−チオ−ウラシル(sU)、4−チオ−ウラシル(sU)、4−チオ−プソイドウリジン、2−チオ−プソイドウリジン、5−ヒドロキシ−ウラシル(hoU)、5−アミノアリル−ウラシル、5−ハロ−ウラシル(例えば、5−ヨード−ウラシルまたは5−ブロモ−ウラシル)、3−メチル−ウラシル(mU)、5−メトキシ−ウラシル(moU)、ウラシル5−オキシ酢酸(cmoU)、ウラシル5−オキシ酢酸メチルエステル(mcmoU)、5−カルボキシメチル−ウラシル(cmU)、1−カルボキシメチル−プソイドウリジン、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウラシル(chmU)、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウラシルメチルエステル(mchmU)、5−メトキシカルボニルメチル−ウラシル(mcmU)、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオ−ウラシル(mcmU)、5−アミノメチル−2−チオ−ウラシル(nmU)、5−メチルアミノメチル−ウラシル(mnmU)、5−メチルアミノメチル−2−チオ−ウラシル(mnmU)、5−メチルアミノメチル−2−セレノ−ウラシル(mnmseU)、5−カルバモイルメチル−ウラシル(ncmU)、5−カルボキシメチルアミノメチル−ウラシル(cmnmU)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオ−ウラシル(cmnmU)、5−プロピニル−ウラシル、1−プロピニル−プソイドウラシル、5−タウリノメチル−ウラシル(τmU)、1−タウリノメチル−プソイドウリジン、5−タウリノメチル−2−チオ−ウラシル(τmU)、1−タウリノメチル−4−チオ−プソイドウリジン、5−メチル−ウラシル(mU、すなわち、核酸塩基デオキシチミンを有する)、1−メチル−プソイドウリジン(mψ)、5−メチル−2−チオ−ウラシル(mU)、1−メチル−4−チオ−プソイドウリジン(mψ)、4−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、3−メチル−プソイドウリジン(mψ)、2−チオ−1−メチル−プソイドウリジン、1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドウリジン、ジヒドロウラシル(D)、ジヒドロプソイドウリジン、5,6−ジヒドロウラシル、5−メチル−ジヒドロウラシル(mD)、2−チオ−ジヒドロウラシル、2−チオ−ジヒドロプソイドウリジン、2−メトキシ−ウラシル、2−メトキシ−4−チオ−ウラシル、4−メトキシ−プソイドウリジン、4−メトキシ−2−チオ−プソイドウリジン、N1−メチル−プソイドウリジン、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウラシル(acpU)、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acp ψ)、5−(イソペンテニルアミノメチル)ウラシル(inmU)、5−(イソペンテニルアミノメチル)−2−チオ−ウラシル(inmU)、5,2’−O−ジメチル−ウリジン(mUm)、2−チオ−2’−O_メチル−ウリジン(sUm)、5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(mcmUm)、5−カルバモイルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(ncmUm)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチル−ウリジン(cmnmUm)、3,2’−O−ジメチル−ウリジン(mUm)、および5−(イソペンテニルアミノメチル)−2’−O−メチル−ウリジン(inmUm)、1−チオ−ウラシル、デオキシチミジン、5−(2−カルボメトキシビニル)−ウラシル、5−(カルバモイルヒドロキシメチル)−ウラシル、5−カルバモイルメチル−2−チオ−ウラシル、5−カルボキシメチル−2−チオ−ウラシル、5−シアノメチル−ウラシル、5−メトキシ−2−チオ−ウラシル、および5−[3−(1−E−プロペニルアミノ)]ウラシルが挙げられる。
ある実施形態において、核酸塩基は、改変シトシンである。改変シトシンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、5−アザ−シトシン、6−アザ−シトシン、プソイドシチジン、3−メチル−シトシン(m3C)、N4−アセチル−シトシン(ac4C)、5−ホルミル−シトシン(f5C)、N4−メチル−シトシン(m4C)、5−メチル−シトシン(m5C)、5−ハロ−シトシン(例えば、5−ヨード−シトシン)、5−ヒドロキシメチル−シトシン(hm5C)、1−メチル−プソイドシチジン、ピロロ−シトシン、ピロロ−プソイドシチジン、2−チオ−シトシン(s2C)、2−チオ−5−メチル−シトシン、4−チオ−プソイドシチジン、4−チオ−1−メチル−プソイドシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−プソイドシチジン、1−メチル−1−デアザ−プソイドシチジン、ゼブラリン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、5−アザ−2−チオ−ゼブラリン、2−チオ−ゼブラリン、2−メトキシ−シトシン、2−メトキシ−5−メチル−シトシン、4−メトキシ−プソイドシチジン、4−メトキシ−1−メチル−プソイドシチジン、リシジン(k2C)、5,2’−O−ジメチル−シチジン(m5Cm)、N4−アセチル−2’−O−メチル−シチジン(ac4Cm)、N4,2’−O−ジメチル−シチジン(m4Cm)、5−ホルミル−2’−O−メチル−シチジン(f5Cm)、N4,N4,2’−O−トリメチル−シチジン(m42Cm)、1−チオ−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−(3−アジドプロピル)−シトシン、および5−(2−アジドエチル)−シトシンが挙げられる。
ある実施形態において、核酸塩基は、改変アデニンである。改変アデニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、2−アミノ−プリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−ハロ−プリン(例えば、2−アミノ−6−クロロ−プリン)、6−ハロ−プリン(例えば、6−クロロ−プリン)、2−アミノ−6−メチル−プリン、8−アジド−アデニン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、1−メチル−アデニン(m1A)、2−メチル−アデニン(m2A)、N6−メチル−アデニン(m6A)、2−メチルチオ−N6−メチル−アデニン(ms2m6A)、N6−イソペンテニル−アデニン(i6A)、2−メチルチオ−N6−イソペンテニル−アデニン(ms2i6A)、N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデニン(io6A)、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデニン(ms2io6A)、N6−グリシニルカルバモイル−アデニン(g6A)、N6−トレオニルカルバモイル−アデニン(t6A)、N6−メチル−N6−トレオニルカルバモイル−アデニン(m6t6A)、2−メチルチオ−N6−トレオニルカルバモイル−アデニン(ms2g6A)、N6,N6−ジメチル−アデニン(m62A)、N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデニン(hn6A)、2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデニン(ms2hn6A)、N6−アセチル−アデニン(ac6A)、7−メチル−アデニン、2−メチルチオ−アデニン、2−メトキシ−アデニン、N6,2’−O−ジメチル−アデノシン(m6Am)、N6,N6,2’−O−トリメチル−アデノシン(m62Am)、1,2’−O−ジメチル−アデノシン(m1Am)、2−アミノ−N6−メチル−プリン、1−チオ−アデニン、8−アジド−アデニン、N6−(19−アミノ−ペンタオキサノナデシル)−アデニン、2,8−ジメチル−アデニン、N6−ホルミル−アデニン、およびN6−ヒドロキシメチル−アデニンが挙げられる。
ある実施形態において、核酸塩基は、改変グアニンである。改変グアニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4−デメチル−ワイオシン(imG−14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペルオキシワイブトシン(o2yW)、ヒドロキシワイブトシン(OHyW)、非修飾ヒドロキシワイブトシン(OHyW)、7−デアザ−グアニン、クエオシン(Q)、エポキシクエオシン(oQ)、ガラクトシル−クエオシン(galQ)、マンノシル−クエオシン(manQ)、7−シアノ−7−デアザ−グアニン(preQ0)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアニン(preQ1)、アーケオシン(G+)、7−デアザ−8−アザ−グアニン、6−チオ−グアニン、6−チオ−7−デアザ−グアニン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアニン、7−メチル−グアニン(m7G)、6−チオ−7−メチル−グアニン、7−メチル−イノシン、6−メトキシ−グアニン、1−メチル−グアニン(m1G)、N2−メチル−グアニン(m2G)、N2,N2−ジメチル−グアニン(m22G)、N2,7−ジメチル−グアニン(m2,7G)、N2、N2,7−ジメチル−グアニン(m2,2,7G)、8−オキソ−グアニン、7−メチル−8−オキソ−グアニン、1−メチル−6−チオ−グアニン、N2−メチル−6−チオ−グアニン、N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアニン、N2−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2Gm)、N2,N2−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m22Gm)、1−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(m1Gm)、N2,7−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2,7Gm)、2’−O−メチル−イノシン(Im)、1,2’−O−ジメチル−イノシン(m1Im)、1−チオ−グアニン、およびO−6−メチル−グアニンが挙げられる。
ヌクレオチドの改変核酸塩基は、独立して、プリン、ピリミジン、プリンまたはピリミジン類似体であり得る。例えば、核酸塩基は、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、またはヒポキサンチンの改変であり得る。別の実施形態において、核酸塩基は、例えば、塩基の天然および合成誘導体も含むことができ、このような誘導体は、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ(例えば、8−ブロモ)、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ、特に、5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、デアザグアニン、7−デアザグアニン、3−デアザグアニン、デアザアデニン、7−デアザアデニン、3−デアザアデニン、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、イミダゾ[1,5−a]1,3,5トリアジノン、9−デアザプリン、イミダゾ[4,5−d]ピラジン、チアゾロ[4,5−d]ピリミジン、ピラジン−2−オン、1,2,4−トリアジン、ピリダジン;または1,3,5トリアジンを含む。ヌクレオチドが、略語A、G、C、TまたはUを用いて示される場合、各文字は、代表的な塩基および/またはその誘導体を指し、例えば、Aは、アデニンまたはアデニン類似体、例えば、7−デアザアデニン)を含む。
糖における改変
ヌクレオシドが、核酸塩基と組み合わせて糖分子(例えば、5−炭素または6−炭素糖、例えば、ペントース、リボース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、またはそのデオキシ誘導体)を含む一方、ヌクレオチドは、ヌクレオシドおよびリン酸基または別の基(例えば、ボラノホスフェート、チオホスフェート、セレノホスフェート、ホスホネート、アルキル基、アミデート、およびグリセロール)を含むヌクレオシドである。ヌクレオシドまたはヌクレオチドは、標準的な種、例えば、標準核酸塩基、糖、および、ヌクレオチドの場合、リン酸基を含むヌクレオシドまたはヌクレオチドであり得、または1つ以上の改変成分を含む改変ヌクレオシドまたはヌクレオチドであり得る。例えば、改変ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、ヌクレオシドまたはヌクレオチドの糖において改変され得る。ある実施形態において、改変ヌクレオシドまたはヌクレオチドは、構造:
を含む。式II’、III’、IV’およびV’のそれぞれにおいて、
mおよびnのそれぞれが、独立して、0〜5の整数であり、
UおよびU’のそれぞれが、独立して、O、S、N(Rnu、またはC(Rnuであり、ここで、nuが、0〜2の整数であり、各Rが、独立して、H、ハロ、または任意に置換されるアルキルであり;
1’、R2’、R1”、R2”、R、R、R、R、およびRのそれぞれが、独立して、存在する場合、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、任意に置換されるアルキル、任意に置換されるアルコキシ、任意に置換されるアルケニルオキシ、任意に置換されるアルキニルオキシ、任意に置換されるアミノアルコキシ、任意に置換されるアルコキシアルコキシ、任意に置換されるヒドロキシアルコキシ、任意に置換されるアミノ、アジド、任意に置換されるアリール、任意に置換されるアミノアルキル、任意に置換されるアミノアルケニル、任意に置換されるアミノアルキニルであるか、または存在せず;ここで、Rと、R1’、R1”、R2’、R2”、またはRのうちの1つ以上との組合せ(例えば、R1’およびRの組合せ、R1”およびRの組合せ、R2’およびRの組合せ、R2”およびRの組合せ、またはRおよびRの組合せ)が、一緒に結合して、任意に置換されるアルキレンまたは任意に置換されるヘテロアルキレンを形成することができ、それらが結合される炭素と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリル(例えば、二環式、三環式、または四環式ヘテロシクリル)を提供し;ここで、Rと、R1’、R1”、R2’、またはR2”のうちの1つ以上との組合せ(例えば、R1’およびRの組合せ、R1”およびRの組合せ、R2’およびRの組合せ、またはR2”およびRの組合せ)が、一緒に結合して、任意に置換されるアルキレンまたは任意に置換されるヘテロアルキレンを形成することができ、それらが結合される炭素と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリル(例えば、二環式、三環式、または四環式ヘテロシクリル)を提供し;ここで、Rと、R1’、R1”、R2’、R2”、R、またはRのうちの1つ以上との組合せが、一緒に結合して、任意に置換されるアルキレンまたは任意に置換されるヘテロアルキレンを形成することができ、それらが結合される炭素と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリル(例えば、二環式、三環式、または四環式ヘテロシクリル)を提供し;m’およびm”のそれぞれが、独立して、0〜3(例えば、0〜2、0〜1、1〜3、または1〜2)の整数であり;
、Y、およびYのそれぞれが、独立して、O、S、Se、−NRN1−、任意に置換されるアルキレン、または任意に置換されるヘテロアルキレンであり、ここで、RN1が、H、任意に置換されるアルキル、任意に置換されるアルケニル、任意に置換されるアルキニル、任意に置換されるアリールであるか、または存在せず;
各Yが、独立して、H、ヒドロキシ、チオール、ボラニル、任意に置換されるアルキル、任意に置換されるアルケニル、任意に置換されるアルキニル、任意に置換されるアルコキシ、任意に置換されるアルケニルオキシ、任意に置換されるアルキニルオキシ、任意に置換されるチオアルコキシ、任意に置換されるアルコキシアルコキシ、または任意に置換されるアミノであり;
各Yが、独立して、O、S、Se、任意に置換されるアルキレン(例えば、メチレン)、または任意に置換されるヘテロアルキレンであり;
Bが、修飾または非修飾のいずれかの核酸塩基である。ある実施形態において、2’−ヒドロキシ基(OH)は、いくつかの異なる置換基で修飾または置換され得る。2’−位における例示的な置換としては、限定はされないが、H、アジド、ハロ(例えば、フルオロ)、任意に置換されるC1〜6アルキル(例えば、メチル);任意に置換されるC1〜6アルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ);任意に置換されるC6〜10アリールオキシ;任意に置換されるC3〜8シクロアルキル;任意に置換されるC6〜10アリール−C1〜6アルコキシ、任意に置換されるC1〜12(ヘテロシクリル)オキシ;糖(例えば、リボース、ペントース、または本明細書に記載されるいずれか);ポリエチレングリコール(PEG)、−O(CHCHO)CHCHOR(ここで、Rが、Hまたは任意に置換されるアルキルであり、nが、0〜20(例えば、0〜4、0〜8、0〜10、0〜16、1〜4、1〜8、1〜10、1〜16、1〜20、2〜4、2〜8、2〜10、2〜16、2〜20、4〜8、4〜10、4〜16、および4〜20)の整数である);「ロックド」核酸(LNA)(ここで、2’−ヒドロキシが、C1〜6アルキレンまたはC1〜6ヘテロアルキレン架橋によって、同じリボース糖の4’−炭素に連結され、例示的な架橋は、メチレン、プロピレン、エーテル、またはアミノ架橋を含んでいた);本明細書に定義されるアミノアルキル;本明細書に定義されるアミノアルコキシ;本明細書に定義されるアミノ;および本明細書に定義されるアミノ酸が挙げられる。
一般に、RNAは、酸素を有する5員環である糖基リボースを含む。例示的な非限定的な改変ヌクレオチドとしては、リボース中の酸素の置換(例えば、S、Se、またはメチレンもしくはエチレンなどのアルキレンによる);二重結合の付加(例えば、リボースを、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルで置換するために);リボースの環縮小(例えば、シクロブタンまたはオキセタンの4員環を形成するために);リボースの環拡大(例えば、アンヒドロヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニル、およびモルホリノ(ホスホロアミデート骨格も有する)などの、さらなる炭素またはヘテロ原子を有する6員または7員環を形成するために);多環式形態(例えば、トリシクロおよび「ロックされていない(unlocked)」形態、例えば、グリコール核酸(GNA)(例えば、R−GNAまたはS−GNA、ここで、リボースは、ホスホジエステル結合に結合されたグリコール単位で置換される)、トレオース核酸(TNA、ここで、リボースは、α−L−トレオフラノシル−(3’→2’)で置換される)、およびペプチド核酸(PNA、ここで、2−アミノ−エチル−グリシン結合が、リボースおよびホスホジエステル骨格を置換する)が挙げられる。
ある実施形態において、糖基は、リボース中に対応する炭素と反対の立体化学配置を有する1つ以上の炭素を含有する。したがって、ポリヌクレオチド分子は、糖として、例えば、アラビノースまたはL−リボースを含有するヌクレオチドを含み得る。
ある実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオシドを含み、ここで、糖は、L−リボース、2’−O−メチル−リボース、2’−フルオロ−リボース、アラビノース、ヘキシトール、LNA、またはPNAである。
ヌクレオシド間結合における改変
改変ヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合(例えば、ホスフェート骨格)において改変され得る。本明細書において、ポリヌクレオチド骨格に関して、「ホスフェート」および「ホスホジエステル」という語句は、同義的に使用される。骨格リン酸基は、酸素原子の1つ以上を、異なる置換基で置換することによって改変され得る。
改変ヌクレオチドは、本明細書に記載される別のヌクレオシド間結合による非改変ホスフェート部分の大規模な(wholesale)置換を含み得る。改変リン酸基の例としては、限定はされないが、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェート、ボラノリン酸エステル、ホスホン酸水素、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、ホスホン酸アルキルまたはアリール、およびホスホトリエステルが挙げられる。ホスホロジチオエートは、硫黄によって置換される両方の非結合酸素を有する。ホスフェートリンカーはまた、窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)、および炭素(架橋メチレン−ホスホネート)による結合酸素の置換によって改変され得る。
改変ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、ボラン部分(BH)、硫黄(チオ)、メチル、エチル、および/またはメトキシによる非架橋酸素の1つ以上の置換を含み得る。非限定的な例として、同じ位置(例えば、アルファ(α)、ベータ(β)またはガンマ(γ)位置)における2つの非架橋酸素が、硫黄(チオ)およびメトキシで置換され得る。
ホスフェート部分(例えば、α−チオホスフェート)のα位置における酸素原子の1つ以上の置換は、非天然ホスホロチオエート骨格結合によってRNAおよびDNAに安定性(例えば、エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼに対して)を与えるために提供される。ホスホロチオエートDNAおよびRNAは、増加したヌクレアーゼ耐性を有するため、細胞環境においてより長い半減期を有する。
リン原子を含有しないヌクレオシド間結合を含む、本開示にしたがって用いられ得る他のヌクレオシド間結合が、本明細書に記載される。
内部リボソーム侵入部位
ポリヌクレオチドは、内部リボソーム侵入部位(IRES:internal ribosome entry site)を含有し得る。IRESは、単独のリボソーム結合部位として作用し得るか、またはmRNAの複数のリボソーム結合部位の1つとして作用し得る。2つ以上の機能性リボソーム結合部位を含有するポリヌクレオチドは、リボソームによって独立して翻訳されるいくつかのペプチドまたはポリペプチドをコードし得る(例えば、多シストロン性mRNA)。ポリヌクレオチドがIRESを備えている場合、任意に、第2の翻訳可能領域がさらに提供される。本開示にしたがって使用され得るIRES配列の例としては、限定はされないが、ピコルナウイルス(例えば、FMDV:picornavirus)、ペストウイルス(CFFV:pest virus)、ポリオウイルス(PV:polio virus)、脳心筋炎ウイルス(ECMV:encephalomyocarditis virus)、口蹄疫ウイルス(FMDV:foot−and−mouth disease virus)、C型肝炎ウイルス(HCV:hepatitis C virus)、ブタコレラウイルス(CSFV:classical swine fever virus)、マウス白血病ウイルス(MLV:murine leukemia virus)、サル免疫不全ウイルス(SIV:simian immune deficiency virus)またはコオロギ麻痺ウイルス(CrPV:cricket paralysis virus)に由来するものが挙げられる。
5’−UTR
5’−UTRは、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)とのフランキング領域として提供され得る。5’−UTRは、ポリヌクレオチドに見られるコード領域に対して相同的または異種であり得る。複数の5’−UTRが、フランキング領域に含まれてもよく、同じかまたは異なる配列のものであり得る。フランキング領域の任意の部分(皆無を含む)は、コドン最適化されてもよく、独立して、コドン最適化の前および/または後に、1つ以上の異なる構造的または化学的改変を含有し得る。
米国仮特許出願第61/775,509号明細書の表21、ならびに米国仮特許出願第61/829,372号明細書の表21および表22(これらは、参照により本明細書に援用される)示されるのは、本開示の改変ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の開始および終止部位の一覧である。表21において、各5’−UTR(5’−UTR−005〜5’−UTR 68511)は、その天然または野生型(相同性)転写物に対するその開始および終止部位によって同定される(ENST;ENSEMBLデータベースに使用される識別番号)。
ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の1つ以上の特性を改変するために、改変ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)のコード領域と異種の5’−UTRが操作され得る。次に、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、細胞、組織または生物に投与され得、タンパク質レベル、局在化、および/または半減期などの結果が、測定されて、異種5’−UTRが改変ポリヌクレオチド(mRNA)に対して与え得る有益な効果を評価し得る。A、T、CまたはGを含む1つ以上のヌクレオチドが末端に付加されるかまたは除去された5’−UTRの変異体が用いられ得る。5’−UTRはまた、コドン最適化されてもよく、または本明細書に記載される任意の方法で改変され得る。
5’−UTR、3’−UTR、および翻訳エンハンサーエレメント(TEE:Translation Enhancer Element)
ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRは、少なくとも1つの翻訳エンハンサーエレメントを含み得る。「翻訳エンハンサーエレメント」という用語は、ポリヌクレオチドから産生されるポリペプチドまたはタンパク質の量を増加させる配列を指す。非限定的な例として、TEEは、転写プロモータと開始コドンとの間に位置し得る。5’−UTRにおける少なくとも1つのTEEを有するポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、5’−UTRにおけるキャップを含み得る。さらに、少なくとも1つのTEEは、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRに位置して、キャップ依存性またはキャップ非依存性の翻訳を行い得る。
一態様において、TEEは、限定はされないが、キャップ依存性またはキャップ非依存性の翻訳などのポリヌクレオチドの翻訳活性を促進し得るUTRにおける保存エレメントである。これらの配列の保存は、ヒトを含む14種についてパネック(Panek)ら(ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、2013、1〜10)によって既に示されている。
1つの非限定的な例では、公知のTEEは、Gtxホメオドメインタンパク質の5’−リーダにあり得る(チャペル(Chappell)ら著、米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)101:9590〜9594、2004(そのTEEは、参照により本明細書に援用される)。
別の非限定的な例では、TEEは、米国特許出願公開第2009/0226470号明細書において配列番号1〜35として、米国特許出願公開第2013/0177581号明細書において配列番号1〜35として、国際特許公開番号国際公開第2009/075886号パンフレットにおいて配列番号1〜35として、国際特許公開番号国際公開第2012/009644号パンフレットにおいて配列番号1〜5、および7〜645として、国際特許公開番号国際公開第1999/024595号パンフレットにおいて配列番号1として、米国特許第6,310,197号明細書において配列番号1として、および米国特許第6,849,405号明細書において配列番号1として開示されており、これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される。
さらに別の非限定的な例では、TEEは、内部リボソーム侵入部位(IRES)、HCV−IRESまたはIRESエレメント、例えば、限定はされないが、米国特許第7,468,275号明細書、米国特許出願公開第2007/0048776号明細書および同第2011/0124100号明細書および国際特許公開番号国際公開第2007/025008号パンフレットおよび国際公開第2001/055369号パンフレット(これらのそれぞれのIRES配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるものであり得る。IRESエレメントとしては、限定はされないが、チャペル(Chappell)ら.(米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)101:9590〜9594、2004)およびチョウ(Zhou)ら(PNAS 102:6273〜6278、2005)によって、ならびに米国特許出願公開第2007/0048776号明細書および同第2011/0124100号明細書および国際特許公開番号国際公開第2007/025008号パンフレット(これらのそれぞれのIRES配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるGtx配列(例えば、Gtx9−nt、Gtx8−nt、Gtx7−nt)が挙げられる。
「翻訳エンハンサーポリヌクレオチド」は、本明細書に例示されるか、および/または当該技術分野において開示される(例えば、米国特許第6,310,197号明細書、同第6,849,405号明細書、同第7,456,273号明細書、同第7,183,395号明細書、米国特許出願公開第20090/226470号明細書、同第2007/0048776号明細書、同第2011/0124100号明細書、同第2009/0093049号明細書、同第2013/0177581号明細書、国際特許公開番号国際公開第2009/075886号パンフレット、国際公開第2007/025008号パンフレット、国際公開第2012/009644号パンフレット、国際公開第2001/055371号パンフレット、国際公開第1999/024595号パンフレット、ならびに欧州特許第2610341号明細書および同第2610340号明細書(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)を参照)特定のTEEの1つ以上またはそれらの変異体、相同体または機能的誘導体を含むポリヌクレオチドである。特定のTEEの1つまたは複数のコピーが、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)に存在し得る。翻訳エンハンサーポリヌクレオチドにおけるTEEは、1つ以上の配列セグメントにおいて構成され得る。配列セグメントは、本明細書に例示される特定のTEEの1つ以上を保有することができ、各TEEは、1つ以上のコピーに存在する。複数の配列セグメントが、翻訳エンハンサーポリヌクレオチドに存在する場合、それらは、相同的または異種であり得る。したがって、翻訳エンハンサーポリヌクレオチドにおける複数の配列セグメントは、本明細書に例示される特定のTEEの同一または異なるタイプ、特定のTEEのそれぞれの同一または異なる数のコピー、および/または各配列セグメント内のTEEの同一または異なる構成を保有し得る。
ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、国際特許公開番号国際公開第1999/024595号パンフレット、国際公開第2012/009644号パンフレット、国際公開第2009/075886号パンフレット、国際公開第2007/025008号パンフレット、国際公開第1999/024595号パンフレット、欧州特許出願公開第2610341号明細書および同第2610340号明細書、米国特許第6,310,197号明細書、同第6,849,405号明細書、同第7,456,273号明細書、同第7,183,395号明細書、ならびに米国特許出願公開第2009/0226470号明細書、同第2011/0124100号明細書、同第2007/0048776号明細書、同第2009/0093049号明細書、および同第2013/0177581号明細書(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に記載される少なくとも1つのTEEを含み得る。TEEは、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRに位置し得る。
ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、米国特許出願公開第2009/0226470号明細書、同第2007/0048776号明細書、同第2013/0177581号明細書および同第2011/0124100号明細書、国際特許公開番号国際公開第1999/024595号パンフレット、国際公開第2012/009644号パンフレット、国際公開第2009/075886号パンフレットおよび国際公開第2007/025008号パンフレット、欧州特許出願公開第2610341および同第2610340号明細書、米国特許第6,310,197号明細書、同第6,849,405号明細書、同第7,456,273号明細書、同第7,183,395号明細書(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるTEEと少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%の同一性を有する少なくとも1つのTEEを含み得る。
ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18 少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55または60超のTEE配列を含み得る。ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRにおけるTEE配列は、同じかまたは異なるTEE配列であり得る。TEE配列は、1回、2回、または3回超反復される、ABABAB、AABBAABBAABB、もしくはABCABCABC、またはその変形などのパターンであり得る。これらのパターンにおいて、各文字、A、B、またはCは、ヌクレオチドレベルで異なるTEE配列を表す。
ある場合には、5’−UTRは、2つのTEE配列を隔てるスペーサを含み得る。非限定的な例として、スペーサは、15ヌクレオチドスペーサおよび/または当該技術分野において公知の他のスペーサであり得る。別の非限定的な例として、5’−UTRは、5’−UTRにおいて少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、または10回以上反復されるTEE配列−スペーサモジュールを含み得る。
他の場合には、2つのTEE配列を隔てるスペーサは、限定はされないが、miR配列(例えば、miR結合部位およびmiRシード)などの、本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の翻訳を調節し得る、当該技術分野において公知の他の配列を含み得る。非限定的な例として、2つのTEE配列を隔てるのに使用される各スペーサは、異なるmiR配列またはmiR配列の成分(例えば、miRシード配列)を含み得る。
ある場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRにおけるTEEは、米国特許出願公開第2009/0226470号明細書、同第2007/0048776号明細書、同第2013/0177581号明細書および同第2011/0124100号明細書、国際特許公開番号国際公開第1999/024595号パンフレット、国際公開第2012/009644号パンフレット、国際公開第2009/075886号パンフレットおよび国際公開第2007/025008号パンフレット、欧州特許出願公開第2610341号明細書および同第2610340号明細書、ならびに米国特許第6,310,197号明細書、同第6,849,405号明細書、同第7,456,273号明細書、および同第7,183,395号明細書(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に開示されるTEE配列を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または99%超含み得る。別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRにおけるTEEは、米国特許出願公開第2009/0226470号明細書、同第2007/0048776号明細書、同第2013/0177581号明細書および同第2011/0124100号明細書、国際特許公開番号国際公開第1999/024595号パンフレット、国際公開第2012/009644号パンフレット、国際公開第2009/075886号パンフレットおよび国際公開第2007/025008号パンフレット、欧州特許出願公開第2610341号明細書および同第2610340号明細書、ならびに米国特許第6,310,197号明細書、同第6,849,405号明細書、同第7,456,273号明細書、および同第7,183,395号明細書(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に開示されるTEE配列の5〜30ヌクレオチド断片、5〜25ヌクレオチド断片、5〜20ヌクレオチド断片、5〜15ヌクレオチド断片、5〜10ヌクレオチド断片を含み得る。
いくつかの場合には、本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRにおけるTEEは、チャペル(Chappell)ら(米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)101:9590〜9594、2004)およびチョウ(Zhou)ら(PNAS 102:6273〜6278、2005)、ウェレンシーク(Wellensiek)ら(「ヒトキャップ非依存性翻訳促進エレメントのゲノムワイドプロファイリング(Genome−wide profiling of human cap−independent translation−enhancing elements)」、ネイチャー・メソッズ(Nature Methods)、2013;DOI:10.1038/NMETH.2522)によって開示される補足表1および補足表2(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に開示されるTEE配列を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または99%超含み得る。別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRにおけるTEEは、チャペル(Chappell)ら(米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)101:9590〜9594、2004)およびチョウ(Zhou)ら.(PNAS 102:6273〜6278、2005)、ウェレンシーク(Wellensiek)ら(「ヒトキャップ非依存性翻訳促進エレメントのゲノムワイドプロファイリング(Genome−wide profiling of human cap−independent translation−enhancing elements)」、ネイチャー・メソッズ(Nature Methods)、2013;DOI:10.1038/NMETH.2522)によって開示される補足表1および補足表2(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に開示されるTEE配列の5〜30ヌクレオチド断片、5〜25ヌクレオチド断片、5〜20ヌクレオチド断片、5〜15ヌクレオチド断片、5〜10ヌクレオチド断片を含み得る。
ある場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRに使用されるTEEは、限定はされないが、米国特許第7,468,275号明細書および国際特許公開番号国際公開第2001/055369号パンフレット(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるものなどのIRES配列である。
ある場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRに使用されるTEEは、米国特許出願公開第2007/0048776号明細書および同第2011/0124100号明細書および国際特許公開番号国際公開第2007/025008号パンフレットおよび国際公開第2012/009644号パンフレット(これらのそれぞれの方法は、参照により本明細書に援用される)に記載される方法によって同定され得る。
ある場合には、本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRに使用されるTEEは、米国特許第7,456,273号明細書および同第7,183,395号明細書、米国特許出願公開第2009/0093049号明細書、および国際公開番号国際公開第2001/055371号パンフレット(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に記載される転写調節エレメントであり得る。転写調節エレメントは、限定はされないが、米国特許第7,456,273号明細書および同第7,183,395号明細書、米国特許出願公開第2009/0093049号明細書、および国際公開番号国際公開第2001/055371号パンフレット(これらのそれぞれの方法は、参照により本明細書に援用される)に記載される方法などの、当該技術分野において公知の方法によって同定され得る。
さらに他の場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRに使用されるTEEは、米国特許第7,456,273号明細書および同第7,183,395号明細書、米国特許出願公開第2009/0093049号明細書、および国際公開番号国際公開第2001/055371号パンフレット(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるポリヌクレオチドまたはその部分である。
本明細書に記載される少なくとも1つのTEEを含む5’−UTRは、限定はされないが、ベクター系またはポリヌクレオチドベクターなどの単シストロン性配列に組み込まれ得る。非限定的な例として、ベクター系およびポリヌクレオチドベクターは、米国特許第7,456,273号明細書および同第7,183,395号明細書、米国特許出願公開第2007/0048776号明細書、同第2009/0093049号明細書および同第2011/0124100号明細書、ならびに国際特許公開番号国際公開第2007/025008号パンフレットおよび国際公開第2001/055371号パンフレット(これらのそれぞれのTEE配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるものを含み得る。
本明細書に記載されるTEEは、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’−UTRおよび/または3’−UTRに位置し得る。3’−UTRに位置するTEEは、5’−UTRに位置するか、および/または5’−UTRへの組み込みについて記載されるTEEと同じかおよび/または異なり得る。
ある場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の3’−UTRは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18 少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55または60超のTEE配列を含み得る。本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の3’−UTRにおけるTEE配列は、同じかまたは異なるTEE配列であり得る。TEE配列は、1回、2回、または3回超反復される、ABABAB、AABBAABBAABB、もしくはABCABCABC、またはその変形などのパターンであり得る。これらのパターンにおいて、各文字、A、B、またはCは、ヌクレオチドレベルで異なるTEE配列を表す。
一例において、3’−UTRは、2つのTEE配列を隔てるスペーサを含み得る。非限定的な例として、スペーサは、15ヌクレオチドスペーサおよび/または当該技術分野において公知の他のスペーサであり得る。別の非限定的な例として、3’−UTRは、3’−UTRにおいて少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、または10回以上反復されるTEE配列−スペーサモジュールを含み得る。
他の場合には、2つのTEE配列を隔てるスペーサは、限定はされないが、本明細書に記載されるmiR配列(例えば、miR結合部位およびmiRシード)などの、本開示のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の翻訳を調節し得る、当該技術分野において公知の他の配列を含み得る。非限定的な例として、2つのTEE配列を隔てるのに使用される各スペーサは、異なるmiR配列またはmiR配列の成分(例えば、miRシード配列)を含み得る。
さらに他の場合には、miR配列および/またはTEE配列の組み込みは、ステムループ領域の形状を変化させ、これは、翻訳を増加および/または減少させ得る(例えば、ケデ(Kedde)ら著、「p27−3’UTRにおけるプミリオ誘導のRNA構造スイッチは、miR−221およびmiR−22接近性を制御する(A Pumilio−induced RNA structure switch in p27−3’UTR controls miR−221およびmiR−22 accessibility)」.ネイチャー・セル・バイオロジー(Nature Cell Biology).2010を参照)。
ステムループ
ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、限定はされないが、ヒストンステムループなどのステムループを含み得る。ステムループは、約25または約26ヌクレオチド長のヌクレオチド配列、例えば、限定はされないが、国際特許公開番号国際公開第2013/103659号パンフレット(その配列番号7〜17は、参照により本明細書に援用される)に記載される配列番号7〜17であり得る。ヒストンステムループは、コード領域に対して3’側に(例えば、コード領域の3’末端に)位置し得る。非限定的な例として、ステムループは、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの3’末端に位置し得る。ある場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、2つ以上のステムループ(例えば、2つのステムループ)を含む。ステムループ配列の例は、国際特許公開番号国際公開第2012/019780号パンフレットおよび国際公開第201502667号パンフレット(これらのステムループ配列は、参照により本明細書に援用される)に記載される。ある場合には、ポリヌクレオチドは、ステムループ配列CAAAGGCTCTTTTCAGAGCCACCA(配列番号5)を含む。他の場合には、ポリヌクレオチドは、ステムループ配列CAAAGGCUCUUUUCAGAGCCACCA(配列番号6)を含む。
ステムループは、ポリヌクレオチドの第2の末端領域に位置し得る。非限定的な例として、ステムループは、第2の末端領域の非翻訳領域(例えば、3’−UTR)内に位置し得る。
ある場合には、限定はされないが、ヒストンステムループを含むmRNAなどのポリヌクレオチドが、3’−安定化領域(例えば、少なくとも1つの鎖終止ヌクレオシドを含む3’−安定化領域)の付加によって安定化され得る。理論に制約されることは意図しないが、少なくとも1つの鎖終止ヌクレオシドの付加は、ポリヌクレオチドの分解を減速させ得るため、ポリヌクレオチドの半減期を増加させることができる。
他の場合には、限定はされないが、ヒストンステムループを含むmRNAなどのポリヌクレオチドは、オリゴ(U)の付加を防止および/または阻害することができるポリヌクレオチドの3’−領域に対する改変によって安定化され得る(例えば、国際特許公開番号国際公開第2013/103659号パンフレットを参照)。
さらに他の場合には、限定はされないが、ヒストンステムループを含むmRNAなどのポリヌクレオチドは、3’−デオキシヌクレオシド、2’,3’−ジデオキシヌクレオシド3’−O−メチルヌクレオシド、3’−O−エチルヌクレオシド、3’−アラビノシド、および当該技術分野において公知であるか、および/または本明細書に記載される他の改変ヌクレオシドにおいて終端するオリゴヌクレオチドの付加によって安定化され得る。
ある場合には、本開示のポリヌクレオチドは、ヒストンステムループ、ポリ−A領域、および/または5’−キャップ構造を含み得る。ヒストンステムループは、ポリ−A領域の前および/または後にあり得る。ヒストンステムループおよびポリ−A領域配列を含むポリヌクレオチドは、本明細書に記載される鎖終止ヌクレオシドを含み得る。
他の場合には、本開示のポリヌクレオチドは、ヒストンステムループおよび5’−キャップ構造を含み得る。5’−キャップ構造は、限定はされないが、本明細書に記載されるか、および/または当該技術分野において公知のものを含み得る。
ある場合には、保存ステムループ領域は、本明細書に記載されるmiR配列を含み得る。非限定的な例として、ステムループ領域は、本明細書に記載されるmiR配列のシード配列を含み得る。別の非限定的な例では、ステムループ領域は、miR−122シード配列を含み得る。
いくつかの場合には、保存ステムループ領域は、本明細書に記載されるmiR配列を含んでもよく、TEE配列も含み得る。
ある場合には、miR配列および/またはTEE配列の組み込みは、ステムループ領域の形状を変化させ、これは、翻訳を増加および/または減少させ得る(例えば、カデ(Kedde)ら著、「p27−3’UTRにおけるプミリオ誘導のRNA構造スイッチは、miR−221およびmiR−22接近性を制御する(A Pumilio−induced RNA structure switch in p27−3’UTR controls miR−221およびmiR−22 accessibility)」.ネイチャー・セル・バイオロジー(Nature Cell Biology).2010(全体が参照により本明細書に援用される)を参照)。
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのヒストンステムループおよびポリ−A領域またはポリアデニル化シグナルを含み得る。少なくとも1つのヒストンステムループおよびポリ−A領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチド配列の非限定的な例は、国際特許公開番号国際公開第2013/120497号パンフレット、国際公開第2013/120629号パンフレット、国際公開第2013/120500号パンフレット、国際公開第2013/120627号パンフレット、国際公開第2013/120498号パンフレット、国際公開第2013/120626号パンフレット、国際公開第2013/120499号パンフレットおよび国際公開第2013/120628号パンフレット(これらのそれぞれの配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されている。いくつかの場合には、ヒストンステムループおよびポリ−A領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、国際特許公開番号国際公開第2013/120499号パンフレットおよび国際公開第2013/120628号パンフレット(これらの両方の配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるポリヌクレオチド配列などの病原体抗原またはその断片をコードし得る。他の場合には、ヒストンステムループおよびポリ−A領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、国際特許公開番号国際公開第2013/120497号パンフレットおよび国際公開第2013/120629号パンフレット(これらの両方の配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるポリヌクレオチド配列などの治療用タンパク質をコードし得る。ある場合には、ヒストンステムループおよびポリ−A領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、国際特許公開番号国際公開第2013/120500号パンフレットおよび国際公開第2013/120627号パンフレット(これらの両方の配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるポリヌクレオチド配列などの腫瘍抗原またはその断片をコードし得る。他の場合には、ヒストンステムループおよびポリ−A領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、国際特許公開番号国際公開第2013/120498号パンフレットおよび国際公開第2013/120626号パンフレット(これらの両方の配列は、参照により本明細書に援用される)に記載されるポリヌクレオチド配列などのアレルゲン性抗原または自己免疫自己抗原をコードし得る。
ポリ−A領域
ポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、mRNA)は、ポリA配列および/またはポリアデニル化シグナルを含み得る。ポリA配列は、全体的にまたは大部分が、アデニンヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体から構成され得る。ポリA配列は、核酸の3’非翻訳領域に隣接して位置する尾部であり得る。
RNAプロセシングの間、アデノシンヌクレオチド(ポリ−A領域)の長鎖は、通常、分子の安定性を高めるために、メッセンジャーRNA(mRNA)分子に加えられる。転写の直後、転写物の3’末端が切断されて、3’−ヒドロキシを解放する。次に、ポリ−Aポリメラーゼが、アデノシンヌクレオチドの鎖をRNAに加える。ポリアデニル化と呼ばれるこのプロセスは、長さが100〜250残基であるポリ−A領域を加える。
独自のポリ−A領域の長さは、本開示の改変ポリヌクレオチドにいくつかの利点を与え得る。
一般に、本開示のポリ−A領域の長さは、少なくとも30ヌクレオチド長である。別の実施形態において、ポリ−A領域は、少なくとも35ヌクレオチド長である。別の実施形態において、長さは、少なくとも40ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも45ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも55ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも60ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも70ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも80ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも90ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも100ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも120ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも140ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも160ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも180ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも200ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも250ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも300ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも350ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも400ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも450ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも500ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも600ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも700ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも800ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも900ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1000ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1100ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1200ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1300ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1400ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1500ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1600ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1700ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1800ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも1900ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも2000ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも2500ヌクレオチドである。別の実施形態において、長さは、少なくとも3000ヌクレオチドである。
ある場合には、ポリ−A領域は、本明細書に記載される改変ポリヌクレオチド分子において、80ヌクレオチド、120ヌクレオチド、160ヌクレオチド長であり得る。
他の場合には、ポリ−A領域は、本明細書に記載される改変ポリヌクレオチド分子において、20、40、80、100、120、140または160ヌクレオチド長であり得る。
ある場合には、ポリ−A領域は、改変ポリヌクレオチド全体の長さに対して設計される。この設計は、改変ポリヌクレオチドのコード領域の長さ、改変ポリヌクレオチド(mRNAなど)の特定の特徴もしくは領域の長さに基づいて、または改変ポリヌクレオチドから発現される最終産物の長さに基づいて行われ得る。改変ポリヌクレオチドの任意の特徴(例えば、ポリ−A領域を含むmRNA部分以外)と比べて、ポリ−A領域は、さらなる特徴より長さが10、20、30、40、50、60、70、80、90または100%長くなり得る。ポリ−A領域はまた、それが属する改変ポリヌクレオチドの一部として設計され得る。これに関して、ポリ−A領域は、構築物の全長または構築物の全長からポリ−A領域を引いたものの10、20、30、40、50、60、70、80、または90%以上であり得る。
いくつかの場合には、ポリ−A結合タンパク質のためのポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の操作結合部位および/または共役が、発現を促進するのに使用され得る。操作結合部位は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の局所微小環境のリガンドの結合部位として動作し得るセンサー配列であり得る。非限定的な例として、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、ポリ−A結合タンパク質(PABP)およびその類似体の結合親和性を改変するために、少なくとも1つの操作結合部位を含み得る。少なくとも1つの操作結合部位の組み込みは、PABPおよびその類似体の結合親和性を増加させ得る。
さらに、複数の異なるポリヌクレオチド(例えば、mRNA)が、ポリ−A領域の3’末端における改変ヌクレオチドを用いて、3’末端を介してPABP(ポリ−A結合タンパク質)に一緒に連結され得る。トランスフェクション実験は、関連する細胞株において行うことができ、タンパク質産生は、トランスフェクションから12時間、24時間、48時間、72時間、および7日後にELISAによってアッセイすることができる。非限定的な例として、トランスフェクション実験は、少なくとも1つの操作結合部位の付加の結果としての、PABPまたはその類似体に対する結合親和性の影響を評価するのに使用され得る。
いくつかの場合には、ポリ−A領域は、翻訳開始を調節するのに使用され得る。理論に制約されることは意図しないが、ポリ−A領域は、PABPを動員し、これは、翻訳開始複合体と相互作用することができるため、タンパク質合成に不可欠であり得る。
ある場合には、ポリ−A領域はまた、3’−5’−エキソヌクレアーゼ消化から保護するために、本開示において使用され得る。
ある場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、ポリA−Gカルテット(Quartet)を含み得る。G−カルテットは、DNAおよびRNAの両方においてGリッチ配列によって形成され得る4つのグアノシンヌクレオチドの環状水素結合アレイである。この実施形態において、G−カルテットは、ポリ−A領域の末端に組み込まれている。得られたポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、様々な時点で、安定性、タンパク質産生および半減期を含む他のパラメータについてアッセイされ得る。ポリA−Gカルテットが、120ヌクレオチドのポリ−A領域のみを用いて見られるタンパク質産生の少なくとも75%に相当するタンパク質産生をもたらすことが発見されている。
ある場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、ポリ−A領域を含んでもよく、3’−安定化領域の付加によって安定化され得る。ポリ−A領域を含むポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、5’−キャップ構造をさらに含み得る。
他の場合には、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、ポリ−A−Gカルテットを含み得る。ポリ−A−Gカルテットを含むポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、5’−キャップ構造をさらに含み得る。
ある場合には、ポリ−A領域またはポリ−A−Gカルテットを含むポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を安定させるのに使用され得る3’−安定化領域は、限定はされないが、国際特許公開番号国際公開第2013/103659号パンフレット(そのポリ−A領域およびポリ−A−Gカルテットは、参照により本明細書に援用される)に記載されるものであり得る。他の場合には、本開示に使用され得る3’−安定化領域としては、3’−デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’−デオキシウリジン、3’−デオキシシトシン、3’−デオキシグアノシン、3’−デオキシチミン、2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、例えば、2’,3’−ジデオキシアデノシン、2’,3’−ジデオキシウリジン、2’,3’−ジデオキシシトシン、2’,3’−ジデオキシグアノシン、2’,3’−ジデオキシチミン、2’−デオキシヌクレオシド、またはO−メチルヌクレオシドなどの鎖終止ヌクレオシドが挙げられる。
他の場合には、限定はされないが、ポリA領域またはポリ−A−Gカルテットを含むmRNAなどのポリヌクレオチドは、オリゴ(U)の付加を防止および/または阻害することができるポリヌクレオチドの3’−領域に対する改変によって安定化され得る(例えば、国際特許公開番号国際公開第2013/103659号パンフレットを参照)。
さらに他の場合には、限定はされないが、ポリ−A領域またはポリ−A−Gカルテットを含むmRNAなどのポリヌクレオチドは、3’−デオキシヌクレオシド、2’,3’−ジデオキシヌクレオシド3’−O−メチルヌクレオシド、3’−O−エチルヌクレオシド、3’−アラビノシド、および当該技術分野において公知であるか、および/または本明細書に記載される他の改変ヌクレオシドにおいて終端するオリゴヌクレオチドの付加によって安定化され得る。
鎖終止ヌクレオシド
核酸は、鎖終止ヌクレオシドを含み得る。例えば、鎖終止ヌクレオシドは、それらの糖基の2’および/または3’位において脱酸素化されたヌクレオシドを含み得る。このような種としては、3’−デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’−デオキシウリジン、3’−デオキシシトシン、3’−デオキシグアノシン、3’−デオキシチミン、および2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、例えば、2’,3’−ジデオキシアデノシン、2’,3’−ジデオキシウリジン、2’,3’−ジデオキシシトシン、2’,3’−ジデオキシグアノシン、および2’,3’−ジデオキシチミンが挙げられる。
本明細書に記載されるRNAおよび多量体核酸複合体は、治療剤として使用され得るか、または治療用mRNAである。本明細書において使用される際、「治療用mRNA」という用語は、治療用タンパク質をコードするmRNAを指す。治療用タンパク質は、疾患を治療し、または疾患の兆候および症状を改善するために、宿主細胞または対象において様々な効果を媒介する。例えば、本明細書に記載されるRNAまたは多量体構造は、動物またはヒト対象に投与され得、ここで、RNAは、インビボで翻訳されて、それを必要とする対象において治療用ペプチドを産生する。したがって、ヒトおよび他の哺乳動物における疾患または病態の治療または予防のための組成物、方法、キット、および試薬が本明細書において提供される。本開示の活性治療剤は、本明細書に開示されるRNA(例えば、mRNA)、mRNAまたはmRNAから翻訳されたポリペプチドを含有する細胞、mRNAから翻訳されたポリペプチド、mRNAまたはそれから翻訳されたポリペプチドを含有する細胞と接触された細胞、本明細書に記載されるmRNAを含有する細胞を含有する組織、および本明細書に記載されるmRNAを含有する細胞を含有する組織を含有する器官を含む。
別の態様において、本開示は、分解(例えば、エキソヌクレアーゼに媒介される分解)から本明細書に開示されるRNA(例えば、RNA転写物)を保護するのに有用な方法および組成物、例えば、米国特許出願公開第20150050738A1号明細書および国際公開第2015023975A1号パンフレット(これらのそれぞれの内容は、全体が参照により本明細書に援用される)に記載される方法および組成物を提供する。
ある実施形態において、保護されたRNAは、細胞の外部に存在する。ある実施形態において、保護されたRNAは、細胞内に存在する。ある実施形態において、タンパク質および/またはRNAレベルを、標的化した方法で、転写後に改変するのに有用な方法および組成物が提供される。ある実施形態において、本明細書に開示される方法は、標的化RNAの分解またはプロセシングを低減または防止することを含み、それによって、標的化RNAの定常状態レベルを上昇させる。ある実施形態において、本明細書に開示される方法は、さらにまたはその代わりに、標的化RNAの翻訳を増加させるか、または転写を増加させることを含んでもよく、それによって、RNAのレベルおよび/またはタンパク質レベルを、標的化した方法で上昇させる。
特定のRNA分解が、エキソヌクレアーゼによって媒介されることが認識される。ある実施形態において、エキソヌクレアーゼは、その3’末端および/または5’末端からRNAを破壊し得る。理論に制約されることは意図しないが、ある実施形態において、一方もしくは両方の末端またはその付近でRNAとハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(オリゴ)とRNAを接触させ、それによって、RNAの安定性および/またはレベルを高めることによって、RNAの一方または両方の末端が、エキソヌクレアーゼ酵素活性から保護され得るものと考えられる。本明細書に開示されるように、一方もしくは両方の末端またはその付近でRNAを標的にすることによって、RNAの安定性および/またはレベルを高める能力は、一つには、内部切断によってRNAを破壊することが可能な(例えば、細胞内の)エンドヌクレアーゼの存在のために意外である。さらに、ある実施形態において、細胞内では、(例えば、5’末端プロセシングエキソヌクレアーゼと比較して)例えば、3’末端プロセシングエキソヌクレアーゼが優位であり得るため、安定化するRNAまたは上昇するRNAレベルで、5’標的化オリゴヌクレオチドが、単独で(例えば、3’標的化オリゴヌクレオチドと組み合わせずに、または偽環状化(pseudocircularization)オリゴヌクレオチドに関して)有効であることは意外である。しかしながら、ある実施形態において、3’標的化オリゴヌクレオチドは、標的RNAを安定させるために、5’標的化オリゴヌクレオチドと組み合わせて、または単独で使用される。
ある実施形態において、本明細書において提供される方法は、RNAの5’および/または3’領域でハイブリダイズすることによってRNAを安定させるオリゴヌクレオチドの使用を含む。ある実施形態において、RNAとハイブリダイズすることによってRNAの分解を防止または阻害するオリゴヌクレオチドは、本明細書において「安定化オリゴヌクレオチド」と呼ばれ得る。ある例において、このようなオリゴヌクレオチドは、RNAとハイブリダイズし、エキソヌクレアーゼに媒介される分解を防止または阻害する。エキソヌクレアーゼに媒介される分解の阻害は、限定はされないが、エキソヌクレアーゼによって特定のRNAの分解の範囲を減少させることを含む。例えば、一本鎖RNAのみをプロセシングするエキソヌクレアーゼは、RNAの一部を、オリゴヌクレオチドがRNAとハイブリダイズする領域まで切断し得るが、これは、エキソヌクレアーゼが、二本鎖領域を有効にプロセシングする(例えば、通過する)ことができないためである。したがって、ある実施形態において、RNAの特定の領域を標的にするオリゴヌクレオチドの使用が、エキソヌクレアーゼによるRNAの分解の範囲をその領域までに制御することを可能にする。
例えば、RNAの末端でハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(オリゴ)の使用は、その末端から一本鎖RNAのみをプロセシングするエキソヌクレアーゼによる分解を減少させるかまたはなくし得る。例えば、RNAの5’末端でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの使用は、5’から3’方向に一本鎖RNAをプロセシングするエキソヌクレアーゼによる分解を減少させるかまたはなくし得る。同様に、RNAの3’末端でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの使用は、3’から5’方向に一本鎖RNAをプロセシングするエキソヌクレアーゼによる分解を減少させるかまたはなくし得る。ある実施形態において、オリゴが、RNAの5’および3’領域の両方においてハイブリダイズするとき、より低い濃度のオリゴが、使用され得る。ある実施形態において、RNAの5’および3’領域の両方においてハイブリダイズするオリゴは、(例えば、エキソヌクレアーゼによる)分解からRNAの5’および3’領域を保護する。ある実施形態において、RNAの5’および3’領域の両方においてハイブリダイズするオリゴは、偽環状(pseudo−circular)RNA(例えば、環から突出するポリA尾部の領域を有する環状化RNA)を生成する。ある実施形態において、偽環状RNAは、非偽環状RNAより高い効率で翻訳される。
ある態様において、本明細書に開示される合成RNA(例えば、細胞に送達される合成RNA)を安定させるための方法が提供される。ある実施形態において、この方法は、合成RNAの5’領域および合成RNAの3’領域に結合し、合成RNAに結合されると、合成RNAとともに環状化生成物を形成する1つ以上のオリゴヌクレオチドと合成RNAを接触させることを含む。ある実施形態において、合成RNAは、細胞の外部で1つ以上のオリゴヌクレオチドと接触される。ある実施形態において、この方法は、環状化生成物を細胞に送達することをさらに含む。
本発明のある態様において、細胞内でタンパク質の発現を増加させるための方法が提供され、この方法は、細胞を、タンパク質をコードする環状化合成RNAに送達することを含み、ここで、細胞内でのタンパク質の合成は、細胞への環状化RNAの送達の後に増加される。ある実施形態において、環状化合成RNAは、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。ある実施形態において、細胞を、タンパク質をコードする環状化合成RNAに送達することを含む方法が提供され、ここで、細胞内でのタンパク質の合成は、細胞への環状化合成RNAの送達の後に増加される。ある実施形態において、環状化合成RNAは、一本鎖の共有結合的に閉環状のRNAである。ある実施形態において、一本鎖の共有結合的に閉環状のRNAは、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。ある実施形態において、環状化合成RNAは、5’末端および3’を有するRNAを合成し、5’および3’末端を一緒にライゲートすることによって形成される。ある実施形態において、環状化合成RNAは、(例えば、インビトロ転写または人工的な(非天然の)化学合成によって)合成RNAを生成し、合成RNAの5’領域および合成RNAの3’領域に結合し、合成RNAに結合されると、合成RNAとともに環状化生成物を形成する1つ以上のオリゴヌクレオチドと合成RNAを接触させることによって形成される。
本発明のある態様において、RNA転写物の少なくとも5連続ヌクレオチドと相補的な相補性の領域を含むオリゴヌクレオチドが提供され、ここで、相補性の領域の3’末端におけるヌクレオチドが、RNA転写物の転写開始部位の10ヌクレオチド以内のヌクレオチドと相補的である。ある実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合または少なくとも1つの架橋ヌクレオチドによって連結されるヌクレオチドを含む。ある実施形態において、オリゴヌクレオチドは、8〜80、8〜50、9〜50、10〜50、8〜30、9〜30、10〜30、15〜30、9〜20、8〜20、8〜15、または9〜15ヌクレオチド長である。ある実施形態において、オリゴヌクレオチドは、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80ヌクレオチド長以上である。
本発明のある態様において、RNA転写物の少なくとも5連続ヌクレオチドとそれぞれ相補的である、相補性の2つの領域を含むオリゴヌクレオチドが提供され、ここで、相補性の第1の領域の3’末端におけるヌクレオチドは、RNA転写物の転写開始部位の100ヌクレオチド以内のヌクレオチドと相補的であり、相補性の第2の領域は、RNA転写物の3’末端の300ヌクレオチド以内で終端するRNA転写物の領域と相補的である。
本明細書に開示されるRNA(例えば、mRNA)分子の安定性を高めるためのいくつかの例示的なオリゴヌクレオチド設計スキームが、本明細書において想定される。RNAの3’末端を標的にするオリゴヌクレオチドに関して、少なくとも2つの例示的な設計スキームが想定される。第1のスキームとして、オリゴヌクレオチドは、ポリA尾部の前で、RNAの3’末端に相補的であるように設計される。第2のスキームとして、オリゴヌクレオチドは、RNAの3’末端に相補的であるように設計され、オリゴヌクレオチドは、RNAのポリA尾部にハイブリダイズする5’ポリ−T領域を有する。
RNAの5’末端を標的にするオリゴヌクレオチドに関して、少なくとも3つの例示的な設計スキームが想定される。スキーム1では、オリゴヌクレオチドは、RNAの5’末端に相補的であるように設計される。スキーム2では、オリゴヌクレオチドは、RNAの5’末端に相補的であるように設計され、窪んだ末端を有するRNA−オリゴ二本鎖を生成するように3’オーバーハングを有する。このスキームにおいて、オーバーハングは、1つ以上のCヌクレオチド、例えば、2つのCであり、これは、5’メチルグアノシンキャップと潜在的に相互作用し、キャップをさらに安定させ得る。オーバーハングはまた、潜在的に、別のタイプのヌクレオチドであり得、Cに限定されない。スキーム3では、オリゴヌクレオチドは、5’RNAキャップを安定させるために、ループ領域を含むように設計される。例は、5’RNAキャップまたはオリゴを安定させるために、ループを有するオリゴを示す。さらに別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、RNAの5’および3’末端の両方に結合して、偽環状化RNAを生成するように設計される。例えば、RNAの5’および3’領域に結合するLNAミックスマー(mixmer)オリゴが、オリゴに媒介されるRNA偽環状化を達成することができる。
上述されるように設計されるオリゴヌクレオチドは、米国特許出願公開第20150050738A1号明細書および国際公開第2015023975A1号パンフレット(これらのそれぞれの内容は、全体が参照により本明細書に援用される)に概説される方法を用いて、mRNA安定性を高めることによって、RNAを上方制御するその能力について試験され得る。
本明細書に記載されるmRNAを用いて、細胞集団においてポリペプチドを産生するように、合成ポリヌクレオチド(例えば、本明細書に開示される修飾mRNA)の翻訳を誘導する方法が提供される。このような翻訳は、インビボ、エクスビボ、培養下、またはインビトロで行われ得る。細胞集団は、本開示のキャップ類似体およびポリペプチドをコードする翻訳可能領域を組み込んだポリヌクレオチドを含有する有効量の組成物と接触される。この集団は、ポリヌクレオチドが、細胞集団の1つ以上の細胞に局在化されて、ポリペプチドが、ポリヌクレオチドから細胞に翻訳されるような条件下で接触される。
本明細書に開示されるポリヌクレオチドの組成物の有効量は、少なくとも部分的に、標的組織、標的細胞型、投与手段、ポリヌクレオチドの物理的特性(例えば、修飾ヌクレオシドのサイズ、および範囲)、および他の決定要因に基づいて提供される。一般に、組成物の有効量は、細胞内の効率的なタンパク質産生、好ましくは、対応する天然ポリヌクレオチドを含有する組成物より効率的なタンパク質産生をもたらす。増加した効率は、増加した細胞トランスフェクション(すなわち、ポリヌクレオチドでトランスフェクトされた細胞のパーセンテージ)、ポリヌクレオチドからの増加したタンパク質翻訳、減少したポリヌクレオチド分解(例えば、RNA分子からのタンパク質翻訳の増加した持続時間によって実証される)、または宿主細胞の減少した自然免疫応答または向上した治療的有用性によって実証され得る。
本開示の態様は、それを必要とする哺乳動物対象においてポリペプチドのインビボ翻訳を誘導する方法に関する。この方法では、本開示のキャップ類似体およびポリペプチドをコードする翻訳可能領域を有する本開示のポリヌクレオチドを含有する有効量の組成物が、本明細書に記載される送達方法を用いて、対象に投与される。ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシドも含有し得る。ポリヌクレオチドが、対象の1つまたは複数の細胞に局在化され、目的のポリペプチドが、ポリヌクレオチドから細胞に翻訳されるような量でおよび他の条件下で、ポリヌクレオチドは提供される。ポリヌクレオチドが局在化される細胞、または細胞が存在する組織は、1回または2回以上のポリヌクレオチド投与により標的化され得る。
本開示の他の態様は、本開示のRNA分子を含有する細胞の、哺乳動物対象への移植に関する。薬学的に許容できる担体中での細胞の製剤化と同様に、局所移植(例えば、局所または皮下投与)、器官送達または全身注射(例えば、静脈注射または吸入)などの、哺乳動物対象への細胞の投与が、当業者に公知である。本開示のRNA分子を含有する組成物は、筋内内、動脈内、腹腔内、静脈内、鼻内、皮下、内視鏡、経皮、または髄腔内投与のために製剤化される。ある実施形態において、組成物は、徐放のために製剤化される。
治療剤が投与される対象は、疾患、障害、または有害な状態に罹患しているか、またはそれらを発症するリスクがある。臨床診断、バイオマーカレベル、ゲノムワイド関連解析(GWAS:genome−wide association study)、および当該技術分野において公知の他の方法を含み得る、これらに基づいて、対象を特定、診断、および分類する方法が提供される。
特定の実施形態において、本開示の投与されたRNA分子は、ポリペプチドが翻訳される細胞に実質的に存在しない機能活性を与える1つ以上のポリペプチドの産生を指令する。例えば、欠落した機能活性は、天然での酵素、構造、または遺伝子調節活性であり得る。
他の実施形態において、本開示の投与されたRNA分子は、1つ以上のポリペプチドが翻訳される細胞に実質的に存在しないポリペプチド(または複数のポリペプチド)を置換する1つ以上のポリペプチドの産生を指令する。このような非存在は、コード遺伝子またはその調節経路の遺伝子突然変異に起因し得る。他の実施形態において、本開示の投与されたRNA分子は、1つ以上のポリペプチドが翻訳される細胞中に存在するポリペプチド(または複数のポリペプチド)の量を補足するように、1つ以上のポリペプチドの産生を指令する。あるいは、翻訳されたポリペプチドは、細胞の表面に存在するか、または細胞から分泌される内因性タンパク質の活性に拮抗するように機能する。通常、内因性タンパク質の活性は、例えば、改変された活性または局在化をもたらす内因性タンパク質の突然変異のため、対象にとって有害である。さらに、翻訳されたポリペプチドは、細胞の表面に存在するか、または細胞から分泌される生物学的部分の活性に直接もしくは間接的に拮抗する。拮抗される生物学的部分の例としては、脂質(例えば、コレステロール)、リポタンパク質(例えば、低比重リポタンパク)、ポリヌクレオチド、炭水化物、または小分子毒素が挙げられる。
本明細書に記載される翻訳されたタンパク質は、細胞内、おそらく核などの特定のコンパートメント内での局在化のために操作されるか、または細胞からの分泌または細胞の細胞膜への転位のために操作される。
本明細書に記載されるように、本開示の本開示のRNA分子の有用な特徴は、外因性RNAに対する細胞の自然免疫応答を低減、回避、防止するかまたはなくす能力である。細胞または細胞の集団における免疫応答の滴定、低減または排除を行う方法が提供される。ある実施形態において、翻訳可能領域、本開示のキャップ類似体、および任意に少なくとも1つの修飾ヌクレオシドを含む第1の用量の第1の外因性RNAを含有する第1の組成物と細胞を接触させ、第1の外因性ポリヌクレオチドに対する細胞の自然免疫応答のレベルを決定する。続いて、第2の用量の第1の外因性ポリヌクレオチドを含む第2の組成物と細胞を接触させるが、第2の用量は、第1の用量と比較して、より少ない量の第1の外因性ポリヌクレオチドを含有する。あるいは、第1の用量の第2の外因性ポリヌクレオチドと細胞を接触させる。第2の外因性ポリヌクレオチドは、本開示のキャップ類似体を含有してもよく、これは、第1の外因性ポリヌクレオチドと同じかまたは異なり得、あるいは、第2の外因性ポリヌクレオチドは、本開示のキャップ類似体を含有しなくてもよい。細胞を第1の組成物および/または第2の組成物と接触させる工程は、1回以上反復され得る。さらに、細胞内のタンパク質産生(例えば、タンパク質翻訳)の効率が、任意に決定され、目標のタンパク質産生効率が達成されるまで反復して、細胞は、第1および/または第2の組成物で再度トランスフェクトされ得る。
欠失タンパク質活性を置換するか、または異常タンパク質活性を解消することによって、欠失または異常タンパク質活性によって特徴付けられる疾患の症状を治療または予防するための方法も本明細書において提供される。ウイルスDNAベクターと比較して、非天然mRNAの導入後のタンパク質産生の開始が急速であるため、本開示の化合物およびRNAは、敗血症、脳卒中、および心筋梗塞などの急性疾患を治療する際に特に有利である。さらに、本開示の非天然mRNAの転写調節が欠如していることは、タンパク質産生の正確な滴定が達成可能である点で有利である。多くの疾患は、欠失した(または適切なタンパク質機能が起こらないほど実質的に減少した)タンパク質活性によって特徴付けられる。このようなタンパク質は、存在しないことがあるか、非常に少ない量で存在し、または本質的に非機能性である。本開示は、本明細書において提供される本開示のRNA分子を含有するポリヌクレオチドまたは細胞ベースの治療薬を導入することによって、対象におけるこのような病態または疾患を治療するための方法を提供し、ここで、本開示のRNA分子は、対象の標的細胞から欠失したタンパク質活性に代わるタンパク質をコードする。
機能不全または異常タンパク質活性によって特徴付けられる疾患としては、限定はされないが、癌および増殖性疾患、遺伝性疾患(例えば、嚢胞性線維症)、自己免疫疾患、糖尿病、神経変性疾患、心血管疾患、および代謝性疾患が挙げられる。本開示は、本開示のRNA分子または本明細書において提供されるRNA分子を含有する細胞ベースの治療薬を導入することによって、対象におけるこのような病態または疾患を治療するための方法を提供し、ここで、本開示のRNA分子は、対象の細胞中に存在する異常タンパク質活性に拮抗するか、またはこれを解消するタンパク質をコードする。
機能不全タンパク質の具体例としては、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR:cystic fibrosis transmembrane conductance regulator)遺伝子のミスセンスまたはナンセンス突然変異体であり、これらは、それぞれ、CFTRタンパク質の機能不全または非機能性タンパク質変異体を産生し、これが嚢胞性線維症を引き起こす。
したがって、有効量のCTFRポリペプチドが細胞中に存在するような条件下で、機能性CFTRポリペプチドをコードする翻訳可能領域を有する本開示のRNA分子と対象の細胞を接触させることによって、哺乳動物対象の嚢胞性線維症を治療する方法が提供される。好ましい標的細胞は、肺などの上皮細胞であり、投与方法は、標的組織を考慮して決定され;すなわち、肺送達の場合、RNA分子は、吸入による投与のために製剤化される。
別の実施形態において、本開示は、対象の細胞集団に、ソルチリン(ゲノム研究により最近特性決定されたタンパク質)をコードする非天然mRNA分子を導入し、それによって、対象の脂質異常症を改善することによって、対象の脂質異常症を治療するための方法を提供する。SORT1遺伝子は、トランス・ゴルジ網(TGN:trans−Golgi network)膜貫通タンパク(ソルチリンと呼ばれる)をコードする。遺伝学研究により、5人の個体のうち1人が、SORT1遺伝子の1p13遺伝子座に一塩基ヌクレオチド多型、rs12740374を有し、これにより、個体は、低レベルの低比重リポタンパク(LDL:low−density lipoprotein)および超低比重リポタンパク(VLDL:very−low−density lipoprotein)を有しやすくなることが示された。約30%の人に存在するマイナー対立遺伝子の各コピーは、LDLコレステロールを8mg/dL改変する一方、集団の約5%に存在するマイナー対立遺伝子の2つのコピーは、LDLコレステロールを16mg/dL減少させる。マイナー対立遺伝子の保有者は、心筋梗塞のリスクが40%低いことも示された。マウスにおける機能性インビボ研究により、マウス肝臓組織におけるSORT1の過剰発現が有意に低いLDL−コレステロールレベル(80%も低い)をもたらしたこと、およびSORT1のサイレンシングにより、LDLコレステロールが約200%増加したことが示される(ムスヌルK(Musunuru K)ら著、「非コード変異体から1p13コレステロール遺伝子座でのSORT1を介した表現型へ(From noncoding variant to phenotype via SORT1 at the 1p13 cholesterol locus)」.ネイチャー(Nature)2010;466:714〜721)。
本開示の方法は、インビボ、エクスビボ、または培養下での細胞集団へのポリヌクレオチド送達を促進し得る。例えば、複数の宿主細胞(例えば、酵母または哺乳類細胞などの真核細胞)を含有する細胞培養物が、本明細書に開示されるRNA分子を含有する組成物と接触される。この組成物は、一般に、トランスフェクション試薬または宿主細胞へのRNA取り込みの効率を高める他の化合物も含有する。本開示のRNAは、対応する天然ポリヌクレオチドと比べて、細胞集団における向上した保持を示し得る。例えば、本開示のRNAの保持は、対応するポリヌクレオチドの保持より高い。ある実施形態において、それは、天然ポリヌクレオチドの保持より少なくとも約50%、75%、90%、95%、100%、150%、200%または200%超高い。このような保持の利点は、本開示のRNAを用いた1回のトランスフェクションによって達成され得るか、または反復回数のトランスフェクション後に得られる。
ある実施形態において、本開示のRNAは、1つ以上のさらなるポリヌクレオチドとともに標的細胞集団に送達される。このような送達は、同時であってもよく、または本開示のRNAは、1つ以上のさらなるポリヌクレオチドの送達の前に送達される。さらなる1つ以上のポリヌクレオチドは、本開示のRNA分子または天然ポリヌクレオチドであり得る。本開示のRNAの最初の存在が、細胞集団の自然免疫応答を実質的に誘導しないこと、さらに、自然免疫応答が、天然ポリヌクレオチドのその後の存在によって活性化されないことが理解される。これに関して、標的細胞集団に存在することが所望されるタンパク質が、天然ポリヌクレオチドから翻訳される場合、本開示のRNA自体は、翻訳可能領域を含有しなくてもよい。
本開示は、非天然mRNAから生成されるタンパク質も提供する。
本開示は、任意に、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わされた、本明細書に開示されるRNA分子または多量体構造の医薬組成物を提供する。本開示は、任意に、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わされた、本明細書に開示されるRNA分子または多量体構造から生成されるタンパク質の医薬組成物も提供する。医薬組成物は、任意に、1つ以上のさらなる活性物質、例えば、治療および/または予防活性物質を含み得る。本開示の医薬組成物は、滅菌および/または発熱性物質フリーであり得る。薬剤の製剤化および/または製造についての一般的な考察は、例えば、「レミントン:薬学の科学および実施(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott Williams & Wilkins)、2005(全体が参照により本明細書に援用される)に見出される。
医薬組成物は、任意に、1つ以上のさらなる治療活性物質を含み得る。ある実施形態によれば、それを必要とする対象に送達される1つ以上のタンパク質をコードする、本開示のRNAを含む医薬組成物を投与する方法が提供される。ある実施形態において、組成物は、ヒトに投与される。本開示の趣旨では、「活性成分」という語句は、一般に、ポリヌクレオチド(例えば、送達されるポリヌクレオチドをコードするmRNA)、多量体構造、タンパク質、本明細書に記載されるタンパク質コードまたはタンパク質含有複合体およびそれらの塩を指す。
本明細書において提供される医薬組成物の説明は、主に、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に関するが、このような組成物は、一般に、あらゆる種類の動物への投与に好適であることが当業者によって理解されよう。
組成物を様々な動物への投与に好適にするための、ヒトへの投与に好適な医薬組成物の修飾は、十分に理解されており、通常の獣医学薬理学者は、もしあれば単なる通常の実験を用いて、このような修飾を設計および/または実施することができる。医薬組成物の投与が想定される対象としては、限定はされないが、ヒトおよび/または他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス、および/またはラットなどの商業的に価値のある哺乳動物を含む哺乳動物;および/またはニワトリ、アヒル、ガチョウ、および/または七面鳥などの商業的に価値のある鳥類を含む鳥類が挙げられる。
本明細書に記載される医薬組成物の製剤は、薬理学分野において公知であるかまたは今後開発される任意の方法によって調製され得る。一般に、このような調製方法は、活性成分を、賦形剤および/または1つ以上の他の補助成分と結合させる工程と、次に、必要に応じておよび/または望ましい場合、生成物を、所望の単回または複数回投与単位に成形および/または包装する工程とを含む。
本開示に係る医薬組成物は、単一単位用量、および/または複数の単一単位用量として、調製、包装、および/または大量販売され得る。本明細書において使用される際、「単位用量」は、所定の量の活性成分を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与され得る活性成分の投与量、および/またはこのような投与量の好都合な割合、例えば、このような投与量の2分の1またはもしくは3分の1に等しい。
本開示に係る医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容できる賦形剤、および/または任意のさらなる成分の相対量は、治療対象の属性(identity)、サイズ、および/または状態に応じて、さらには、組成物が投与される経路に応じて変化する。例として、組成物は、0.1%〜100%(w/w)、例えば、0.1%〜99%、0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、または少なくとも80%(w/w)の活性成分を含み得る。
本開示のポリヌクレオチドおよび多量体構造は、(1)安定性を高め;(2)細胞トランスフェクションを増加させ;(3)(例えば、デポー製剤からの)持続放出または遅延放出を可能にし;(4)生体内分布を改変し(例えば、特定の組織または細胞型を標的にする);(5)インビボで、コードされたタンパク質の翻訳を増加させ;および/または(6)インビボで、コードされたタンパク質の放出プロファイルを改変するために、1つ以上の賦形剤を用いて製剤化され得る。あらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、防腐剤などの従来の賦形剤に加えて、本開示の賦形剤としては、限定はされないが、リピドイド(lipidoid)、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、多量体構造でトランスフェクトされた細胞、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣体およびそれらの組合せが挙げられる。
ある実施形態において、本開示の核酸(例えば、mRNA、またはIVT mRNA)および多量体核酸分子(例えば、多量体mRNA分子)は、1つ以上のリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子を用いて製剤化され得る。一実施形態において、核酸または多量体核酸分子医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP:lipid nanoparticle)を含む。ある実施形態において、脂質ナノ粒子は、MC3ベースの脂質ナノ粒子である。
脂質ナノ粒子によって封入されるポリヌクレオチドの数は、約1ポリヌクレオチド〜約100ポリヌクレオチドの範囲である。ある実施形態において、脂質ナノ粒子によって封入されるポリヌクレオチドの数は、約50〜約500ポリヌクレオチドの範囲である。ある実施形態において、脂質ナノ粒子によって封入されるポリヌクレオチドの数は、約250〜約1000ポリヌクレオチドの範囲である。ある実施形態において、脂質ナノ粒子によって封入されるポリヌクレオチドの数は、1000を超える。
脂質ナノ粒子によって封入される多量体分子の数は、約1多量体分子〜約100多量体分子の範囲である。ある実施形態において、脂質ナノ粒子によって封入される多量体分子の数は、約50多量体分子〜約500多量体分子の範囲である。ある実施形態において、脂質ナノ粒子によって封入される多量体分子の数は、約250多量体分子〜約1000多量体分子の範囲である。ある実施形態において、脂質ナノ粒子によって封入される多量体分子の数は、1000多量体分子を超える。
一実施形態において、ポリヌクレオチドまたは多量体構造は、脂質−ポリカチオン複合体中で製剤化され得る。脂質−ポリカチオン複合体の形成は、当該技術分野において公知の方法によって行われ得る。非限定的な例として、ポリカチオンは、カチオン性ペプチドまたはポリペプチド、例えば、限定はされないが、ポリリジン、ポリオルニチンおよび/またはポリアルギニンを含み得る。別の実施形態において、ポリヌクレオチドまたは多量体構造は、限定はされないが、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの非カチオン性脂質をさらに含み得る脂質−ポリカチオン複合体中で製剤化され得る。
リポソーム製剤は、限定はされないが、カチオン性脂質成分の選択、カチオン性脂質飽和の程度、PEG化の性質、全ての成分の比率およびサイズなどの生物物理学的パラメータによって影響され得る。センプレ(Semple)ら(センプレ(Semple)ら著、ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotech.)2010 28:172〜176(全体が参照により本明細書に援用される))による一例では、リポソーム製剤は、57.1%のカチオン性脂質、7.1%のジパルミトイルホスファチジルコリン、34.3%のコレステロール、および1.4%のPEG−c−DMAから構成される。別の例として、カチオン性脂質の組成の変更により、siRNAが様々な抗原提示細胞により有効に送達され得る(バシャ(Basha)ら著、モレキュラー・セオリー(Mol Ther).2011 19:2186〜2200(全体が参照により本明細書に援用される))。ある実施形態において、リポソーム製剤は、約35〜約45%のカチオン性脂質、約40%〜約50%のカチオン性脂質、約50%〜約60%のカチオン性脂質および/または約55%〜約65%のカチオン性脂質を含み得る。ある実施形態において、リポソーム中のmRNAに対する脂質の比率は、約5:1〜約20:1、約10:1〜約25:1、約15:1〜約30:1および/または少なくとも30:1であり得る。
ある実施形態において、脂質ナノ粒子(LNP)製剤中のPEGの比率は、増加または減少されてもよく、および/またはPEG脂質の炭素鎖長は、LNP製剤の薬物動態および/または生体内分布を改変するためにC14からC18まで変更され得る。非限定的な例として、LNP製剤は、カチオン性脂質、DSPCおよびコレステロールと比較して、約0.5%〜約3.0%、約1.0%〜約3.5%、約1.5%〜約4.0%、約2.0%〜約4.5%、約2.5%〜約5.0%および/または約3.0%〜約6.0%の脂質モル比の、PEG−c−DOMG(R−3−[(ω−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル)]−1,2−ジミリスチルオキシ(プロピル−3−アミン)(本明細書においてPEG−DOMGとも呼ばれる)を含有し得る。別の実施形態において、PEG−c−DOMGは、限定はされないが、PEG−DSG(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG−DMG(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール)および/またはPEG−DPG(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)などのPEG脂質で置換され得る。カチオン性脂質は、限定はされないが、DLin−MC3−DMA、DLin−DMA、C12−200およびDLin−KC2−DMAなどの、当該技術分野において公知の任意の脂質から選択され得る。
一実施形態において、本明細書に開示されるポリヌクレオチドまたは多量体構造は、少なくとも1つの脂質を含み得るナノ粒子中で製剤化される。脂質は、限定はされないが、DLin−DMA、DLin−K−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG−DMG、PEG化脂質およびアミノアルコール脂質から選択され得る。別の態様において、脂質は、限定はされないが、DLin−DMA、DLin−D−DMA、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMAおよびアミノアルコール脂質などのカチオン性脂質であり得る。アミノアルコールカチオン性脂質は、米国特許出願公開第20130150625号明細書(全体が参照により本明細書に援用される)に記載されるか、および/またはそれに記載される方法によって作製される脂質であり得る。非限定的な例として、カチオン性脂質は、2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,2Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(米国特許出願公開第20130150625号明細書中の化合物1);2−アミノ−3−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(米国特許出願公開第20130150625号明細書中の化合物2);2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−[(オクチルオキシ)メチル]プロパン−1−オール(米国特許出願公開第20130150625号明細書中の化合物3);および2−(ジメチルアミノ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(米国特許出願公開第20130150625号明細書中の化合物4);またはその任意の薬学的に許容できる塩もしくは立体異性体であり得る。
脂質ナノ粒子製剤は、典型的に、脂質、特に、イオン性カチオン性脂質、例えば、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、またはジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)を含み、中性脂質、ステロールおよび粒子凝集を減少させることが可能な分子、例えば、PEGまたはPEG修飾脂質をさらに含む。
一実施形態において、脂質ナノ粒子製剤は、約20〜60%のカチオン性脂質:5〜25%の中性脂質:25〜55%のステロール;0.5〜15%のPEG−脂質のモル比で、(i)2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される少なくとも1つの脂質;(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPEおよびSMから選択される中性脂質;(iii)ステロール、例えば、コレステロール;および(iv)PEG−脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMAから本質的になる。
一実施形態において、製剤は、モル基準で約25%〜約75%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、例えば、モル基準で約35〜約65%、約45〜約65%、約60%、約57.5%、約50%または約40%を含む。
一実施形態において、製剤は、モル基準で約0.5%〜約15%の中性脂質、例えば、モル基準で約3〜約12%、約5〜約10%または約15%、約10%、または約7.5%を含む。例示的な中性脂質としては、限定はされないが、DSPC、POPC、DPPC、DOPEおよびSMが挙げられる。一実施形態において、製剤は、モル基準で約5%〜約50%のステロール(例えば、モル基準で約15〜約45%、約20〜約40%、約40%、約38.5%、約35%、または約31%を含む。例示的なステロールは、コレステロールである。一実施形態において、製剤は、モル基準で約0.5%〜約20%のPEGまたはPEG修飾脂質(例えば、モル基準で約0.5〜約10%、約0.5〜約5%、約1.5%、約0.5%、約1.5%、約3.5%、または約5%を含む。一実施形態において、PEGまたはPEG修飾脂質は、2,000Daの平均分子量のPEG分子を含む。他の実施形態において、PEGまたはPEG修飾脂質は、2,000Da未満、例えば、約1,500Da、約1,000Da、または約500Daの平均分子量のPEG分子を含む。例示的なPEG修飾脂質としては、限定はされないが、PEG−ジステアロイルグリセロール(PEG−DMG)(本明細書においてPEG−C14またはC14−PEGとも呼ばれる)、PEG−cDMAが挙げられる。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で25〜75%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、0.5〜15%の中性脂質、5〜50%のステロール、および0.5〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で35〜65%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、3〜12%の中性脂質、15〜45%のステロール、および0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で45〜65%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、5〜10%の中性脂質、25〜40%のステロール、および0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で約60%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、約7.5%の中性脂質、約31%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で約50%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、約10%の中性脂質、約38.5%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で約50%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、約10%の中性脂質、約35%のステロール、約4.5%または約5%のPEGまたはPEG修飾脂質、および約0.5%の標的化脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で約40%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、約15%の中性脂質、約40%のステロール、および約5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で約57.2%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、およびジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、約7.1%の中性脂質、約34.3%のステロール、および約1.4%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
一実施形態において、本明細書に開示される製剤は、モル基準で約57.5%の、PEG−cDMAであるPEG脂質(PEG−cDMAは、レイズ(Reyes)ら(ジャーナル・オブ・コントロールド・リリース(J.Controlled Release)、107、276〜287(2005)(その内容は、全体が参照により本明細書に援用される)においてさらに説明される)から選択されるカチオン性脂質、約7.5%の中性脂質、約31.5%のステロール、および約3.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
好ましい実施形態において、脂質ナノ粒子製剤は、約20〜70%のカチオン性脂質:5〜45%の中性脂質:20〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比の;より好ましくは、20〜60%のカチオン性脂質:5〜25%の中性脂質:25〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比の脂質混合物から本質的になる。
特定の実施形態において、脂質のモル比は、約50/10/38.5/1.5(mol%カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG、PEG−DSGまたはPEG−DPG)、57.2/7.1134.3/1.4(mol%カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DPPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−cDMA)、40/15/40/5(mol%カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、50/10/35/4.5/0.5(mol%カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DSG)、50/10/35/5(カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、40/10/40/10(mol%カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)、35/15/40/10(mol%カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)または52/13/30/5(mol%カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)である。
例示的な脂質ナノ粒子組成物およびそれを作製する方法は、例えば、センプレ(Semple)ら著、(2010)ネイチャー・バイオテクノロジー(Nat.Biotechnol.)28:172〜176;ジャヤラマ(Jayarama)ら著、(2012)、アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、51:8529−8533;およびマイヤー(Maier)ら著、(2013)モレキュラー・セラピー(Molecular Therapy)21、1570〜1578(これらのそれぞれの内容は、全体が参照により本明細書に援用される)に記載されている。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、PEG脂質および構造脂質を含んでもよく、任意に、非カチオン性脂質を含み得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約40〜60%のカチオン性脂質、約5〜15%の非カチオン性脂質、約1〜2%のPEG脂質および約30〜50%の構造脂質を含み得る。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約1.5%のPEG脂質および約38.5%の構造脂質を含み得る。さらに別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約2.5%のPEG脂質および約32.5%の構造脂質を含み得る。一実施形態において、カチオン性脂質は、限定はされないが、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMAおよびL319などの、本明細書に記載される任意のカチオン性脂質であり得る。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子製剤は、4つの成分の脂質ナノ粒子であり得る。脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質および構造脂質を含み得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約40〜60%のカチオン性脂質、約5〜15%の非カチオン性脂質、約1〜2%のPEG脂質および約30〜50%の構造脂質を含み得る。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約1.5%のPEG脂質および約38.5%の構造脂質を含み得る。さらに別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約2.5%のPEG脂質および約32.5%の構造脂質を含み得る。一実施形態において、カチオン性脂質は、限定はされないが、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMAおよびL319などの、本明細書に記載される任意のカチオン性脂質であり得る。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質および構造脂質を含み得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−KC2−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DOMGおよび約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DOMGおよび約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DMGおよび約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。さらに別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質L319、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約2.5%のPEG脂質PEG−DMGおよび約32.5%の構造脂質コレステロールを含む。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドまたは多量体分子(例えば、多量体mRNA分子)は、約10〜約100nm、例えば、限定はされないが、約10〜約20nm、約10〜約30nm、約10〜約40nm、約10〜約50nm、約10〜約60nm、約10〜約70nm、約10〜約80nm、約10〜約90nm、約20〜約30nm、約20〜約40nm、約20〜約50nm、約20〜約60nm、約20〜約70nm、約20〜約80nm、約20〜約90nm、約20〜約100nm、約30〜約40nm、約30〜約50nm、約30〜約60nm、約30〜約70nm、約30〜約80nm、約30〜約90nm、約30〜約100nm、約40〜約50nm、約40〜約60nm、約40〜約70nm、約40〜約80nm、約40〜約90nm、約40〜約100nm、約50〜約60nm、約50〜約70nm 約50〜約80nm、約50〜約90nm、約50〜約100nm、約60〜約70nm、約60〜約80nm、約60〜約90nm、約60〜約100nm、約70〜約80nm、約70〜約90nm、約70〜約100nm、約80〜約90nm、約80〜約100nmおよび/または約90〜約100nmの直径を有する脂質ナノ粒子中で製剤化され得る。
一実施形態において、脂質ナノ粒子は、約10〜500nmの直径を有し得る。一実施形態において、脂質ナノ粒子は、100nm超、150nm超、200nm超、250nm超、300nm超、350nm超、400nm超、450nm超、500nm超、550nm超、600nm超、650nm超、700nm超、750nm超、800nm超、850nm超、900nm超、950nm超または1000nm超の直径を有し得る。ある実施形態において、カチオン性脂質ナノ粒子は、50〜150nmの平均直径を有する。ある実施形態において、カチオン性脂質ナノ粒子は、80〜100nmの平均直径を有する。
一実施形態において、組成物は、MC3、コレステロール、DSPCおよびPEG2000−DMG、緩衝液クエン酸三ナトリウム、スクロースおよび注射用の水を含む、脂質ナノ粒子中で製剤化される、本明細書に記載されるポリヌクレオチドまたは多量体ポリヌクレオチドを含み得る。非限定的な例として、組成物は、2.0mg/mLの薬剤物質(例えば、多量体ポリヌクレオチド)、21.8mg/mLのMC3、10.1mg/mLのコレステロール、5.4mg/mLのDSPC、2.7mg/mLのPEG2000−DMG、5.16mg/mLのクエン酸三ナトリウム、71mg/mLのスクロースおよび約1.0mLの注射用の水を含む。
医薬製剤は、薬学的に許容できる賦形剤をさらに含んでもよく、このような賦形剤は、本明細書において使用される際、所望の特定の剤形に合わせて、あらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、防腐剤、固体結合剤、および潤滑剤を含む。「レミントンの薬学の科学および実施(Remington’s The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、A.R.ジェンナロ(A.R.Gennaro)(リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott,Williams & Wilkins)、メリーランド州バルチモア(Baltimore,MD)、2006;参照により本明細書に援用される)には、医薬組成物を製剤化するのに使用される様々な賦形剤およびその公知の調製技術が開示されている。任意の従来の賦形剤媒体が、何らかの望ましくない生物学的作用を生み出すか、または医薬組成物のいずれかの他の成分と有害な形で相互作用することなどによって、物質またはその誘導体と不適合である場合を除いて、その使用は、本開示の範囲内であると考えられる。
ある実施形態において、薬学的に許容できる賦形剤は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%純粋である。ある実施形態において、賦形剤は、ヒトへの使用および獣医学用途のために承認されている。ある実施形態において、賦形剤は、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)によって承認されている。ある実施形態において、賦形剤は、医薬品グレードである。ある実施形態において、賦形剤は、米国薬局方(USP:United States Pharmacopoeia)、欧州薬局方(EP:European Pharmacopoeia)、英国薬局方(British Pharmacopoeia)、および/または国際薬局方(International Pharmacopoeia)の基準を満たしている。
医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容できる賦形剤としては、限定はされないが、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、表面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、滑沢剤、および/または油が挙げられる。このような賦形剤は、任意に、医薬製剤に含まれ得る。カカオ脂および坐薬ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料、および/または芳香剤などの賦形剤は、製剤者の判断にしたがって、組成物中に存在し得る。
他の成分
ナノ粒子組成物は、前の部分に記載されるものに加えて、1つ以上の成分を含み得る。例えば、ナノ粒子組成物は、ビタミン(例えば、ビタミンAもしくはビタミンE)またはステロールなどの1つ以上の疎水性小分子を含み得る。
ナノ粒子組成物は、1つ以上の透過性促進剤(permeability enhancer)分子、炭水化物、ポリマー、表面改質剤(surface altering agent)、または他の成分も含み得る。透過性促進剤分子は、例えば、米国特許出願公開第2005/0222064号明細書に記載される分子であり得る。炭水化物は、単糖類(例えば、グルコース)および多糖類(例えば、グリコーゲンならびにその誘導体および類似体)を含み得る。
ポリマーが、ナノ粒子組成物に含まれてもよく、および/またはナノ粒子組成物を封入または部分的に封入するのに使用され得る。ポリマーは、生分解性および/または生体適合性であり得る。ポリマーは、限定はされないが、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、およびポリアリレートから選択され得る。例えば、ポリマーとしては、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−コ−グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−カプロラクトン−コ−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−PEO−コ−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−PPO−コ−D,L−ラクチド)、ポリシアノアクリル酸アルキル、ポリウレタン、ポリ−L−リジン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリアルキレンテレフタレート、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、例えば、ポリ(酢酸ビニル)、ポリハロゲン化ビニル、例えば、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化セルロース、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸のポリマー、例えば、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)ならびにそれらのコポリマーおよび混合物、ポリジオキサノンおよびそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリオキサミン、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、炭酸トリメチレン、ポリ(N−アクリロイルモルホリン)(PAcM)、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)(PMOX)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOZ)、およびポリグリセロールが挙げられる。
表面改質剤としては、限定はされないが、アニオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えば、ジメチルジオクタデシル−アンモニウムブロミドなどのカチオン性界面活性剤)、糖または糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコール、およびポロキサマー)、粘液溶解剤(例えば、アセチルシステイン、オオヨモギ、ブロメライン、パパイン、クサギ属の木(clerodendrum)、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルゾリン、チモシンβ4、ドルナーゼアルファ、ネルテネキシン、およびエルドステイン)、およびDNases(例えば、rhDNase)が挙げられる。表面改質剤は、ナノ粒子内に、および/またはナノ粒子組成物の表面に(例えば、コーティング、吸着、共有結合、または他のプロセスによって)配置され得る。
ナノ粒子組成物は、1つ以上の官能化脂質も含み得る。例えば、脂質は、適切な反応条件下でアジドに曝露されると、環化付加反応を起こし得るアルキン基で官能化され得る。特に、脂質二重層は、膜透過、細胞認識、またはイメージングを促進するのに有用な1つ以上の基で、この方法で官能化され得る。ナノ粒子組成物の表面はまた、1つ以上の有用な抗体と結合され得る。標的化された細胞送達、イメージング、および膜透過に有用な官能基およびコンジュゲートは、当該技術分野において周知である。
これらの成分に加えて、本開示のナノ粒子組成物は、医薬組成物に有用な任意の物質を含み得る。例えば、ナノ粒子組成物は、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤または補助成分、例えば、限定はされないが、1つ以上の溶媒、分散媒、希釈剤、分散助剤、懸濁助剤、造粒助剤、崩壊剤、充填剤、滑剤、液体ビヒクル、結合剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、緩衝剤、滑沢剤、油、防腐剤、および他の種を含み得る。ワックス、バター、着色剤、コーティング剤、香味料、および芳香剤などの賦形剤も含まれ得る。薬学的に許容できる賦形剤は、当該技術分野において周知である(例えば、「レミントンの薬学の科学および実施(Remington’s The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、A.R.ジェンナロ(A.R.Gennaro);リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott,Williams & Wilkins)、メリーランド州バルチモア(Baltimore,MD)、2006を参照)。
希釈剤の例としては、限定はされないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、トウモロコシデンプン、粉砂糖、および/またはそれらの組合せが挙げられる。造粒剤および分散剤は、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木製品、天然海綿、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、ナトリウムカルボキシメチルデンプン(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファでんぷん(スターチ1500)、微結晶性デンプン、水不溶性でんぷん、カルシウムカルボキシメチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム(VEEGUM)(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、および/またはそれらの組合せからなる非限定的な一覧から選択され得る。
表面活性剤および/または乳化剤としては、限定はされないが、天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド性粘土(例えばベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびビーガム(VEEGUM)(登録商標)[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールステアレート、モノステアリン酸グリセリル、およびプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[トゥイーン(TWEEN)(登録商標)20]、ポリオキシエチレンソルビタン[トゥイーン(TWEEN)(登録商標)60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[トゥイーン(TWEEN)(登録商標)80]、ソルビタンモノパルミテート[スパン(SPAN)(登録商標)40]、ソルビタンモノステアレート[スパン(SPAN)(登録商標)60]、ソルビタントリステアレート[スパン(SPAN)(登録商標)65]、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート[スパン(SPAN)(登録商標)80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[ミルジ(MYRJ)(登録商標)45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびソルトール(SOLUTOL)(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、クレモフォール(CREMOPHOR)(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[ブリジ(BRIJ)(登録商標)30])、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニック(PLURONIC)(登録商標)F 68、ポロキサマー(POLOXAMER)(登録商標)188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウム、および/またはそれらの組合せが挙げられる。
結合剤は、デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびデンプンペースト);ゼラチン;(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然および合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルガム、ガティガム、イサポール皮(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム(VEEGUM)(登録商標))、およびカラマツアラビノガラクタン);アルギン酸塩;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;ワックス;水;アルコール;およびそれらの組合せ、または任意の他の好適な結合剤であり得る。
防腐剤の例としては、限定はされないが、酸化防止剤、キレート剤、抗菌防腐剤、抗真菌防腐剤、アルコール性防腐剤、酸性防腐剤、および/または他の防腐剤が挙げられる。酸化防止剤の例としては、限定はされないが、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および/または亜硫酸ナトリウムが挙げられる。キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、および/またはエデト酸三ナトリウムが挙げられる。抗菌防腐剤の例としては、限定はされないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、および/またはチメロサールが挙げられる。抗真菌防腐剤の例としては、限定はされないが、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、および/またはソルビン酸が挙げられる。アルコール性防腐剤の例としては、限定はされないが、エタノール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸塩、および/またはフェニルエチルアルコールが挙げられる。酸性防腐剤の例としては、限定はされないが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、および/またはフィチン酸が挙げられる。他の防腐剤の例としては、限定はされないが、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロキシムメシレート、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、グリダント・プラス(GLYDANT PLUS)(登録商標)、フェノニップ(PHENONIP)(登録商標)、メチルパラベン、ジャーマル(GERMALL)(登録商標)115、ジャーマル(GERMABEN)(登録商標)II、ネオロン(NEOLONE)(商標)、カトン(KATHON)(商標)、および/またはユーキシル(EUXYL)(登録商標)が挙げられる。
緩衝剤の例としては、限定はされないが、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、d−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ラクトビオン酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、第二リン酸カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、リン酸水酸化カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、アミノ−スルホン酸緩衝液(例えばHEPES)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱性物質除去蒸留水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、および/またはそれらの組合せが挙げられる。滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの組合せからなる非限定的な群から選択され得る。
油の例としては、限定はされないが、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、クロスグリの種子、ルリヂサ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、ヒマシ、シナモン、カカオ脂、ココナッツ、タラの肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ヒョウタン、ブドウの種子、ハシバミの実、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイの実、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、マロー、マンゴーの種子、メドウフォームの種子、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種子、ナタネ、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サスクアナ(sasquana)、セイボリー、サジー、ゴマ、シアバター、シリコーン、ダイズ、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチバー、クルミ、および小麦胚芽油ならびにステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、シメチコン、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、および/またはそれらの組合せが挙げられる。
製剤のさらなるおよび代替的な例
ナノ粒子組成物は、脂質成分および1つ以上のさらなる成分、例えば、治療剤を含み得る。ナノ粒子組成物は、1つ以上の特定の用途または標的のために設計され得る。ナノ粒子組成物の要素は、特定の用途または標的に基づいて、および/または有効性、毒性、費用、使用の容易さ、入手可能性、または1つ以上の要素の他の特徴に基づいて選択され得る。同様に、ナノ粒子組成物の特定の製剤は、例えば、要素の特定の組合せの有効性および毒性に応じて、特定の用途または標的のために選択され得る。
本開示のナノ粒子組成物の脂質成分は、例えば、式(I)で表される脂質、リン脂質(不飽和脂質、例えば、DOPEまたはDSPCなど)、PEG脂質、および構造脂質を含み得る。脂質成分の要素は、特定の割合で提供され得る。
ある実施形態において、ナノ粒子組成物の脂質成分は、式(I)で表される脂質、リン脂質、PEG脂質、および構造脂質を含む。特定の実施形態において、ナノ粒子組成物の脂質成分は、約30mol%〜約60mol%の式(I)の化合物、約0mol%〜約30mol%のリン脂質、約18.5mol%〜約48.5mol%の構造脂質、および約0mol%〜約10mol%のPEG脂質を含み、ただし、総mol%は、100%を超えない。ある実施形態において、ナノ粒子組成物の脂質成分は、約35mol%〜約55mol%の式(I)の化合物、約5mol%〜約25mol%のリン脂質、約30mol%〜約40mol%の構造脂質、および約0mol%〜約10mol%のPEG脂質を含む。特定の実施形態において、脂質成分は、約50mol%の前記化合物、約10mol%のリン脂質、約38.5mol%の構造脂質、および約1.5mol%のPEG脂質を含む。別の特定の実施形態において、脂質成分は、約40mol%の前記化合物、約20mol%のリン脂質、約38.5mol%の構造脂質、および約1.5mol%のPEG脂質を含む。ある実施形態において、リン脂質は、DOPEまたはDSPCであり得る。他の実施形態において、PEG脂質は、PEG−DMGであり得、および/または構造脂質は、コレステロールであり得る。
ナノ粒子組成物は、1つ以上の特定の用途または標的のために設計され得る。例えば、ナノ粒子組成物は、RNAなどの治療剤を、哺乳動物の身体における特定の細胞、組織、器官、またはそれらの系もしくは群に送達するように設計され得る。ナノ粒子組成物の生理化学的特性は、特定の身体上の標的に対する選択性を高めるために改変され得る。例えば、粒径が、様々な器官の開窓(fenestration)のサイズに基づいて調節され得る。ナノ粒子組成物に含まれる治療剤はまた、1つまたは複数の所望の送達標的に基づいて選択され得る。例えば、治療剤は、特定の適応症、病態、疾患、または障害のために、および/または特定の細胞、組織、器官、またはそれらの系もしくは群への送達(例えば、局所的または特異的送達)のために選択され得る。特定の実施形態において、ナノ粒子組成物は、目的のポリペプチドを生成するように細胞内で翻訳されることが可能な目的のポリペプチドをコードするmRNAを含み得る。このような組成物は、特定の器官に特異的に送達されるように設計され得る。特定の実施形態において、組成物は、哺乳動物の肝臓に特異的に送達されるように設計され得る。
ナノ粒子組成物中の治療剤の量は、ナノ粒子組成物のサイズ、組成、所望の標的および/または用途、または他の特性ならびに治療剤の特性に左右され得る。例えば、ナノ粒子組成物に有用なRNAの量は、RNAのサイズ、配列、および他の特性に左右され得る。ナノ粒子組成物中の治療剤および他の要素(例えば、脂質)の相対量も変化し得る。ある実施形態において、ナノ粒子組成物中の治療剤に対する脂質成分のwt/wt比は、約5:1〜約60:1、例えば、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、および60:1であり得る。例えば、治療剤に対する脂質成分のwt/wt比は、約10:1〜約40:1であり得る。好ましい実施形態において、wt/wt比は、約20:1である。ナノ粒子組成物中の治療剤の量は、例えば、吸収分光法(例えば、紫外−可視分光法)を用いて測定され得る。
ある実施形態において、ナノ粒子組成物は、1つ以上のRNAを含み、1つ以上のRNA、脂質、およびそれらの量は、特定のN:P比をもたらすように選択され得る。組成物のN:P比は、RNA中のリン酸基の数に対する1つ以上の脂質中の窒素原子のモル比を指す。一般に、より低いN:P比が好ましい。1つ以上のRNA、脂質、およびそれらの量は、約2:1〜約30:1、例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、22:1、24:1、26:1、28:1、または30:1のN:P比をもたらすように選択され得る。特定の実施形態において、N:Pは、約2:1〜約8:1であり得る。他の実施形態において、N:P比は、約5:1〜約8:1である。例えば、N:P比は、約5.0:1、約5.5:1、約5.67:1、約6.0:1、約6.5:1、または約7.0:1であり得る。例えば、N:P比は、約5.67:1であり得る。
物理的特性
ナノ粒子組成物の特性は、その成分に左右され得る。例えば、構造脂質としてコレステロールを含むナノ粒子組成物は、異なる構造脂質を含むナノ粒子組成物と異なる特性を有し得る。同様に、ナノ粒子組成物の特性は、その成分の絶対量または相対量に左右され得る。例えば、より高いモル分率のリン脂質を含むナノ粒子組成物は、より低いモル分率のリン脂質を含むナノ粒子組成物と異なる特性を有し得る。特性はまた、ナノ粒子組成物の調製の方法および条件に応じて変化し得る。
ナノ粒子組成物は、様々な方法によって特性決定され得る。例えば、顕微鏡法(例えば、透過電子顕微鏡法または走査電子顕微鏡法)が、ナノ粒子組成物の形態およびサイズ分布を調べるのに使用され得る。動的光散乱または電位差測定法(例えば、電位差滴定法)が、ゼータ電位を測定するのに使用され得る。動的光散乱はまた、粒径を決定するのに用いられ得る。ゼータサイザーナノZS(Zetasizer Nano ZS)(マルバーン・インスツルメンツ社、英国ウスターシャー州マルバーン(Malvern Instruments Ltd,Malvern,Worcestershire,UK))などの機器がまた、ナノ粒子組成物の複数の特性、例えば、粒径、多分散指数、およびゼータ電位を測定するのに使用され得る。
本開示のナノ粒子組成物の平均サイズは、数10nm〜数100nmであり得る。例えば、平均サイズは、約40nm〜約150nm、例えば、約40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、または150nmであり得る。ある実施形態において、ナノ粒子組成物の平均サイズは、約50nm〜約100nm、約50nm〜約90nm、約50nm〜約80nm、約50nm〜約70nm、約50nm〜約60nm、約60nm〜約100nm、約60nm〜約90nm、約60nm〜約80nm、約60nm〜約70nm、約70nm〜約100nm、約70nm〜約90nm、約70nm〜約80nm、約80nm〜約100nm、約80nm〜約90nm、または約90nm〜約100nmであり得る。特定の実施形態において、ナノ粒子組成物の平均サイズは、約70nm〜約100nmであり得る。特定の実施形態において、平均サイズは、約80nmであり得る。他の実施形態において、平均サイズは、約100nmであり得る。
本開示のナノ粒子組成物は、比較的均一であり得る。多分散指数は、ナノ粒子組成物の均一性、例えば、ナノ粒子組成物の粒径分布を示すのに使用され得る。小さい(例えば、0.3未満)多分散指数は、一般に、狭い粒径分布を示す。本開示のナノ粒子組成物は、約0〜約0.25、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、または0.25の多分散指数を有し得る。ある実施形態において、ナノ粒子組成物の多分散指数は、約0.10〜約0.20であり得る。
ナノ粒子組成物のゼータ電位は、組成物の運動電位を示すのに使用され得る。例えば、ゼータ電位は、ナノ粒子組成物の表面電荷を表し得る。比較的低い電荷(正電荷か負電荷かにかかわらず)を有するナノ粒子組成物が一般に望ましいが、これは、より高度に帯電した種は、細胞、組織、および体内の他の要素と不必要に相互作用し得るためである。ある実施形態において、本開示のナノ粒子組成物のゼータ電位は、約−10mV〜約+20mV、約−10mV〜約+15mV、約−10mV〜約+10mV、約−10mV〜約+5mV、約−10mV〜約0mV、約−10mV〜約−5mV、約−5mV〜約+20mV、約−5mV〜約+15mV、約−5mV〜約+10mV、約−5mV〜約+5mV、約−5mV〜約0mV、約0mV〜約+20mV、約0mV〜約+15mV、約0mV〜約+10mV、約0mV〜約+5mV、約+5mV〜約+20mV、約+5mV〜約+15mV、または約+5mV〜約+10mVであり得る。
治療剤の封入の効率は、提供される初期の量と比べた、調製後に封入されるかまたは他の形でナノ粒子組成物と結合された治療剤の量を表す。封入効率は、高いのが望ましい(例えば、ほぼ100%)。封入効率は、例えば、1つ以上の有機溶媒または洗浄剤でナノ粒子組成物を分解する前および後のナノ粒子組成物を含有する溶液中の治療剤の量を比較することによって測定され得る。蛍光が、溶液中の遊離治療剤(例えば、RNA)の量を測定するのに使用され得る。本開示のナノ粒子組成物では、治療剤の封入効率は、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。ある実施形態において、封入効率は、少なくとも80%であり得る。特定の実施形態において、封入効率は、少なくとも90%であり得る。
本明細書に開示されるナノ粒子組成物は、任意に、1つ以上のコーティングを含み得る。例えば、ナノ粒子組成物は、コーティングを有するカプセル、フィルム、または錠剤において製剤化され得る。本開示の組成物を含むカプセル、フィルム、または錠剤は、任意の有用なサイズ、引張り強さ、硬度、または密度を有し得る。
本明細書において使用される際、「治療すること」または「治療する」は、疾患、病態、または障害に対処するための患者の管理およびケアを表し、疾患、病態または障害の症状または合併症を軽減し、または疾患、病態または障害をなくすための、本開示の活性成分の投与を含む。「治療する」という用語は、インビトロの細胞または動物モデルの処理も含み得る。
本開示の活性成分はまた、関連する疾患、病態または障害を予防するために使用可能または使用されてもよく、またはこのような目的に適した候補を特定するために使用可能または使用されてもよい。本明細書において使用される際、「予防すること」、「予防する」、または「から保護すること」は、このような疾患、病態または障害の症状または合併症の発症を低減するかまたはなくすことを表す。
本明細書において使用される際、「併用療法」または「連携療法」は、本開示の活性成分、および少なくとも第2の薬剤を、これらの治療剤の相互作用から有益な効果を得ることを目的とした特定の治療計画の一環として投与することを含む。組合せの有益な効果としては、限定はされないが、治療剤の組合せから得られる薬物動態または薬力学的相互作用が挙げられる。
「医薬組成物」は、対象への投与に好適な形態の本開示の活性成分を含有する製剤である。一実施形態において、医薬組成物は、バルクまたは単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器における単一のポンプまたはバイアルを含む、様々な形態のいずれかである。単位用量の組成物中の活性成分(例えば、開示される化合物またはその塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体の製剤)の量が、有効量であり、関連する具体的な治療に応じて変化する。当業者は、患者の年齢および状態に応じて、投与量に日常的な変化を加えることが必要となる場合があることを理解するであろう。投与量はまた、投与経路に左右される。経口、経肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔、舌下、胸腔内、髄腔内、経鼻などを含む様々な経路が考えられる。本開示の活性成分の局所または経皮投与のための剤形としては、粉剤、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ剤および吸入剤が挙げられる。一実施形態において、活性化合物は、滅菌条件下で、薬学的に許容できる担体と、および必要とされる任意の防腐剤、緩衝液、または噴射剤と混合される。
本明細書において使用される際、「薬学的に許容できる」という語句は、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適であり、妥当なリスク・ベネフィット比に見合う、化合物、アニオン、カチオン、材料、組成物、担体、および/または剤形を指す。
「薬学的に許容できる賦形剤」は、一般に安全で、非毒性であり、かつ生物学的にも他の観点からも有害でない、医薬組成物を調製するのに有用な賦形剤を意味し、獣医学用途ならびにヒトの薬剤用途のために許容できる賦形剤を含む。本明細書および特許請求の範囲に使用される際の「薬学的に許容できる賦形剤」は、1つおよび2つ以上のこのような賦形剤を含む。
本開示の医薬組成物は、その意図される投与経路と適合するように製剤化される。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、および経粘膜投与が挙げられる。非経口、皮内、または皮下適用に使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:滅菌希釈剤、例えば、注射用の水、生理食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液またはリン酸緩衝液、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張度を調整するための薬剤。pHは、酸または塩基、例えば、塩酸または水酸化ナトリウムで調整され得る。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチックで作製された、アンプル、使い捨て注射器または複数回投与バイアルに封入され得る。
本開示の活性成分は、化学療法治療に現在使用されている周知の方法の多くにおいて、対象に投与され得る。例えば、癌の治療のために、本開示の活性成分は、腫瘍に直接注入され、血流もしくは体腔に注入され、または経口投与され、またはパッチ剤により皮膚を通して適用され得る。選択される用量は、有効な治療を構成するのに十分であるが、許容できない副作用を引き起こすほど高くないようにすべきである。病状(例えば、癌、前癌など)および患者の健康状態は、好ましくは、治療中および治療後の妥当な期間にわたって注意深く監視されるべきである。
本明細書に開示されるポリヌクレオチド(例えば、RNAまたはmRNA)または多量体構造の「有効量」は、少なくとも部分的に、標的組織、標的細胞型、投与手段、ポリヌクレオチドの物理的特性(例えば、修飾ヌクレオシドのサイズ、および範囲)および多量体構造の他の成分、および他の決定要因に基づく。一般に、RNAまたは多量体構造の有効量は、好ましくは、同じかもしくはほぼ同じペプチドをコードする対応する非修飾ポリヌクレオチドを含有する組成物より効率的な、または多量体構造の部分ではない分離したmRNAより効率的な、細胞内での誘導または増加されたペプチド生成を提供する。増加したペプチド生成は、増加した細胞トランスフェクション(すなわち、多量体構造でトランスフェクトされた細胞のパーセンテージ)、ポリヌクレオチドからの増加したタンパク質翻訳、減少した核酸分解(例えば、修飾ポリヌクレオチドからのタンパク質翻訳の増加した持続時間によって実証される)、または宿主細胞における改変されたペプチド生成によって実証され得る。
本開示のmRNAは、限定はされないが、生物製剤、抗体、ワクチン、治療用タンパク質もしくはペプチド、細胞透過性ペプチド、分泌タンパク質、細胞膜タンパク質、細胞質もしくは細胞骨格タンパク質、細胞内膜結合タンパク質、核タンパク質、ヒトの疾患に関連するタンパク質、標的化部分、または治療適応症が特定されているが、それでもなお、研究および発見の分野において有用性を有するヒトゲノムによってコードされたタンパク質を含む、いくつかの標的カテゴリーのいずれかから選択される目的のポリペプチドをコードするように設計され得る。「治療用タンパク質」は、細胞に投与されたとき、治療、診断、および/または予防効果を有し、および/または所望の生物学的および/または薬理学的効果を引き起こすタンパク質を指す。
本明細書において使用される際の「治療有効量」という用語は、特定された疾患または病態を治療、改善、または予防するような、または検出可能な治療または阻害作用を示すような医薬品の量を指す。効果は、当該技術分野において公知の任意のアッセイ方法によって検出され得る。対象のための正確な有効量は、対象の体重、サイズ、および健康状態;病態の性質および程度;および投与のために選択される治療薬または治療薬の組合せに左右される。所与の状況の治療有効量は、臨床医の技能および判断の範囲内の日常的な実験によって決定され得る。好ましい態様において、治療される疾患または病態は、癌である。別の態様において、治療される疾患または病態は、細胞増殖性疾患である。
いずれの化合物についても、治療有効量は、最初に、例えば、腫瘍細胞の細胞培養アッセイにおいて、または動物モデル、通常、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、もしくはブタにおいて推定され得る。動物モデルはまた、適切な濃度範囲および投与経路を決定するのに使用され得る。次に、このような情報を用いて、ヒトへの投与のための有用な用量および投与経路を決定することができる。治療/予防有効性および毒性、例えば、ED50(集団の50%に治療的に有効な用量)およびLD50(集団の50%に致死的な用量)が、細胞培養物または実験動物において標準的な薬学的手順によって決定され得る。毒性と治療効果との間の用量比が、治療指数であり、それは、比率、LD50/ED50として表され得る。より大きい治療指数を示す医薬組成物が好ましい。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性、および投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。
投与量および投与は、十分なレベルの活性薬剤を提供するように、または所望の効果を維持するように調整される。考慮され得る要因としては、病状の重症度、対象の全体的な健康、対象の年齢、体重、および性別、食習慣、投与の時間および頻度、複合薬、反応感度、および治療に対する耐性/反応が挙げられる。長時間作用性医薬組成物は、具体的な製剤の半減期およびクリアランス率に応じて、3〜4日毎、毎週、または2週間に1回投与され得る。
特定の実施形態において、本開示に係る組成物は、所望の治療、診断、予防、またはイメージングを得るために、1日に1回以上、1日当たり対象の体重の約0.0001mg/kg〜約100mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.005mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.005mg/kg、約0.05mg/kg〜約0.5mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約40mg/kg、約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、または約1mg/kg〜約25mg/kgを送達するのに十分な投与量レベルで投与され得る。所望の投与量は、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、3日毎、毎週、隔週、3週間毎、または4週間毎に送達され得る。特定の実施形態において、所望の投与量は、複数回の投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、またはそれ以上の投与)を用いて送達され得る。複数回の投与が用いられる場合、本明細書に記載されるものなどの分割投与計画が使用され得る。
本開示の活性成分を含有する医薬組成物は、一般的に公知の方法で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製(dragee−making)、粉末化(levigating)、乳化、封入、取り込み(entrapping)、または凍結乾燥プロセスによって製造され得る。医薬組成物は、賦形剤および/または活性化合物を薬学的に使用され得る製剤へと処理するのを容易にする補助剤を含む1つ以上の薬学的に許容できる担体を用いて、従来の方法で製剤化され得る。当然ながら、適切な製剤化は、選択される投与経路に応じて決まる。
注射使用に好適な医薬組成物は、滅菌水溶液(水溶性である場合)または滅菌注射用溶液または分散体の即時調製のための分散体および滅菌粉末を含む。静脈内投与では、好適な担体としては、生理食塩水、静菌水、クレモフォールEL(Cremophor EL)(商標)(BASF、ニュージャージー州パーシッパニー(Parsippany,N.J.))またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、無菌でなければならず、容易な注射針通過性(syringeability)が存在する程度まで流動性であるべきである。それは、製造および貯蔵の条件下で安定していなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されていなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性が、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散体の場合、所要の粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌および抗真菌薬、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって行われ得る。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば、糖、マンニトールおよびソルビトールなどの多価アルコール、および塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチンを組成物中に含むことによってもたらされ得る。
滅菌注射用溶液は、必要に応じて、上に列挙される成分の1つまたはそれらの組合せを含む適切な溶媒中に所要の量で活性化合物を組み込んだ後、ろ過滅菌を行うことによって調製され得る。一般に、分散体は、塩基性分散媒および上に列挙されるものからの所要の他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に、活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、予め滅菌ろ過された溶液から活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる。
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または可食性の薬学的に許容できる担体を含む。それらは、ゼラチンカプセルに封入されるか、または錠剤へと圧縮され得る。経口治療用投与のために、活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ、錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用され得る。経口組成物はまた、洗口液として使用するために流体担体を用いて調製され得、ここで、流体担体中の化合物は、経口で適用され、口の中をゆすいで、吐き出されるかまたは飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/または補助材料が、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分、または類似の性質の化合物:結合剤、例えば、微結晶性セルロース、トラガカントガムまたはゼラチン;賦形剤、例えば、デンプンまたはラクトース、崩壊剤、例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、またはトウモロコシデンプン;潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステロート(Sterotes);流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;甘味料、例えば、スクロースまたはサッカリン;または香味剤、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香味料のいずれかを含有し得る。
吸入による投与では、本開示の活性成分は、好適な噴射剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含有する加圧容器またはディスペンサ、または噴霧器からのエアロゾルスプレーの形態で送達される。
全身投与はまた、経粘膜または経皮手段によるものであり得る。経粘膜または経皮投与では、透過されるバリアに適した浸透剤が、製剤に使用される。このような浸透剤は、当該技術分野において一般に公知であり、例えば、経粘膜投与の場合、洗浄剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻腔用スプレーまたは坐剤の使用によって行われ得る。経皮投与では、活性化合物は、当該技術分野において一般に公知であるように、軟膏、サルブ(salve)、ゲル、またはクリームへと製剤化される。
薬学的に許容できる賦形剤、剤形、キット、投与経路、および治療方法のさらなる例が、国際公開第2015051173号パンフレットおよび国際公開第2015051169号パンフレット(これらのそれぞれの内容は、全体が参照により本明細書に援用される)に見出される。
本明細書において使用される全てのパーセンテージおよび比率は、特に示されない限り、重量基準である。本発明の他の特徴および利点は、様々な実施例から明らかである。提供される実施例は、本発明を実施するのに有用な様々な成分および方法を例示する。実施例は、権利請求される本発明を限定するものではない。本開示に基づいて、当業者は、本発明を実施するのに有用な他の成分および方法を特定し、用いることができる。
本明細書に記載される合成スキームにおいて、化合物は、分かりやすくするために1つの特定の構造で描かれていることがある。このような特定の構造は、本発明を、1つまたは別の異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体に限定するものと解釈されるものではなく、それは、異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体の混合物を除外しないが;所与の異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体が、別の異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体より高いレベルの活性を有し得ることが理解されよう。
本明細書に開示され、または上述される方法によって設計、選択および/または最適化される、化合物(キャップ類似体を含む)およびポリヌクレオチドは、生成された後、化合物が生物学的活性を有するかどうかを決定するために、当業者に公知の様々なアッセイを用いて特性決定され得る。例えば、これらの分子は、予測される活性、例えば、結合活性および/または結合特異性、および安定性をそれらが有するかどうかを決定するために、限定はされないが、タンパク質産生アッセイ(例えば、無細胞翻訳アッセイまたは細胞ベース発現アッセイ)、分解アッセイ、細胞培養アッセイ(例えば、腫瘍細胞の)、動物モデル(例えば、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタ)、および後述されるアッセイを含む従来のアッセイによって特性決定され得る。
さらに、ハイスループットスクリーニングが、このようなアッセイを用いた分析を迅速にするために使用され得る。結果として、当該技術分野において公知の技術を用いて、本明細書に記載される分子を活性について迅速にスクリーニングすることが可能になり得る。ハイスループットスクリーニングを行うための一般的な方法は、例えば、デブリン(Devlin)著(1998)「ハイスループットスクリーニング(High Throughput Screening)」、マルセル・デッカー(Marcel Dekker);および米国特許第5,763,263号明細書に記載されている。ハイスループットアッセイは、限定はされないが、後述されるものを含む1つ以上の様々なアッセイ技術を使用することができる。
本明細書において引用される全ての刊行物および特許文献は、それぞれのこのような刊行物または文献が、具体的にかつ個別に参照により本明細書に援用されているように示されているかのように参照により本明細書に援用される。刊行物および特許文献の引用は、いずれも関連する先行技術であると承認することを意図されておらず、その内容または日付について承認するものでもない。本発明は、明細書として記載されているが、当業者は、本発明が、様々な実施形態で実施され得ること、および上記の説明および以下の実施例が、例示のためのものであり、以下に続く特許請求の範囲を限定するものではないことを認識するであろう。
(実施例)
実施例1:本開示の化合物の合成
化合物006−1の合成
工程1:((2S,6R)−6−(2−アミノ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)−4−メチルモルホリン−2−イル)メチル二水素ホスフェート(5−10)の合成
水(25mL)中のグアノシン一リン酸(5−1、1.02g、2.5mmol)の撹拌溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(0.53g、2.5mmol)を加え、混合物は、室温で1時間撹拌させた。水(0.26mL、3.0mmol)中40%のメチルアミンを加え、撹拌を30分間続けた。混合物は、0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.24g、6.25mmol)を2回に分けて加えた。2時間撹拌した後、pHは、酢酸で7に調整した。混合物は、水(200mL)に注ぎ、ろ過し、アセトニトリル/10mMの重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウムで溶離する150G C18カラムに注入した。所望の画分は、組み合わせて、部分的に濃縮し、一晩凍結乾燥させて、表題化合物(1.02g、66%の収率)を得た。
H NMR(DO、400MHz)d 7.96(s,1H)、5.78(d,1H)、4.20(s,1H)、3.89(m,2H)、3.23(d,1H)、2.88(m,1H)、2.50(s,3H)、2.41(t,2H);MS(m/z)359[M−H]
工程2:2−アミノ−7−メチル−9−((2R,6S)−4−メチル−6−((ホスホノオキシ)メチル)モルホリン−2−イル)−6−オキソ−6,9−ジヒドロ−1H−プリン−7−イウム(5−11)の合成
水(100mL)中の((2S,6R)−6−(2−アミノ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)−4−メチルモルホリン−2−イル)メチル二水素ホスフェート(5−10、1.02g、1.65mmol)は、撹拌し、pHは、酢酸で4.0に調整した。硫酸ジメチル(1.09mL、11.5mmol)は、1mL/時の速度でシリンジポンプを用いて撹拌混合物に加えた。5NのNaOHは、pHを4.0に維持するために25uLずつの分量で混合物に加えた。反応は、LC/MSによって監視し、25%完了していることが分かった。硫酸ジメチル(1.09mL、11.5mmol)は、1時間にわたって混合物に再度加えた。3回目の分量の硫酸ジメチル(1.09mL、11.5mmol)は、pHを4.0に維持しながら加えた。塩化メチレン(100mL)を加え、有機層を廃棄した。水層は、塩化メチレン(100mL)で2回目に抽出した。次に、水は、アセトニトリル/10mMの重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウムで溶離する150G C18カラムに注入した。所望の画分は、組み合わせて、部分的に濃縮し、一晩凍結乾燥させて、表題化合物(0.6g、72%の収率を得た。MS(m/z)373[M−H]
工程3:2−アミノ−9−((2R,6S)−6−((((((((((2R,3S,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−4−メチルモルホリン−2−イル)−7−メチル−6−オキソ−6,9−ジヒドロ−1H−プリン−7−イウム(006−1)の合成
火炎乾燥した500mLの丸底フラスコに、トルエン(200mL)中の2−アミノ−7−メチル−9−((2R,6S)−4−メチル−6−((ホスホノオキシ)メチル)モルホリン−2−イル)−6−オキソ−6,9−ジヒドロ−1H−プリン−7−イウム(5−11、0.285g、0.56mmol)およびImGDP(0.303g、0.56mmol)を加えた。スラリーは、ロータリーエバポレータ(rotovap)で濃縮乾固した。窒素下で、固体に、DMF(12mL)および塩化亜鉛(0.77g、5.6mmol)を加えた。混合物を16時間撹拌した後、黄色のスラリーは、水(300mL)で希釈し、0.5MのEDTA(18.5mL、6.32mmol)を加えた。pHは、NHOHで6.1に調整し、次に、水で1Lに希釈した。混合物は、ろ過し、水/酢酸トリエチルアンモニウム(pH6.1)で溶離するセファロース(Sepharose)カラムに注入した。所望の画分は、組み合わせて、アセトニトリル/10mMの重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウムで溶離する100G C18カラムに注入して、塩交換を行った。組み合わされた画分は、部分的に濃縮し、一晩凍結乾燥させて、表題化合物(0.112g、19%の収率)を得た。
H NMR(DO、400MHz)d 8.00(s,1H)、5.74(d,1H)、5.65(d,1H)、4.63(m,1H)、4.48(m,1H)、4.36(m,1H)、4.24(m,5H)、4.05(s,3H)、3.33(d,1H)、3.04(d,1H)、2.45(s,3H)、2.35(m,2H);31P NMR(DO、400MHz)d −10.83(d,1H)、−10.95(d,1H)、−22.71(t,1H);MS(m/z)798[M−H].
化合物006−3、006−5、および006−26〜006−29の合成
表6Aおよび6Bに列挙される化合物006−3、006−5、および006−26〜006−29は、化合物006−1について上述されるのと同様の方法で合成した。
化合物006−28は、化合物006−1について上述されるのと同様の方法で合成したが、ここで、トリアゾール基は、銅触媒ヒュスゲン環化付加を用いてN−プロパルギル−グアノシン一リン酸段階で形成された。
N−ベンジル−モルホリン中間体のN−アルキル化が、硫酸ジメチルの代わりにDMSO中の4−クロロフェノキシエチルブロミドを用いて行われたことを除いて、化合物006−29は、化合物006−1について上述されるのと同様の方法で合成した。MS(m/z)1013.6[M−H].
化合物006−34の合成
工程1
上記のピラン化合物は、日本化学会欧文誌(Bulletin of the Chemical Society of Japan)、40(4)、1009−1011;1967に記載されるように調製した。
工程2
1NのNaOH中の(2R,3R,4S,5R,6R)−2−(アセトキシメチル)−6−(2,6−ジクロロ−9H−プリン−9−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテートは、6時間にわたって還流させた。溶液は、室温に冷まし、pHは、酢酸で7.0に調整した。次に、水は、アセトニトリル/10mMの重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウムで溶離する150G C18カラムに注入した。所望の画分は、組み合わせて、部分的に濃縮した。残っている水は、一晩凍結乾燥させて、2−クロロ−9−((2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンを得た。
工程3
EtOH中の2−クロロ−9−((2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オンに、EtOH中2.0MのNH3を加えた。得られた溶液は、150℃で12時間加熱した。翌日、溶液は、室温に冷まし、濃縮した。
工程4
リン酸化は、POClを用いて行った。
工程5
N7メチル化は、pH4.0で、標準的な硫酸ジメチル手順にしたがって行った。
工程6
目標の化合物は、化合物006−1の合成において記載されるように、ImGDPとの標準的な縮合によって調製した。
化合物007−1の合成
工程1:2’−C−メチルグアノシンモノホスフェートトリエチルアミン塩(6−2)の合成
2’−C−メチルグアノシン(6−1、0.5g、1.7mmol)は、8mLのトリメチルホスフェートに溶解させ、窒素下で0℃に冷却した。オキシ塩化リン(0.25mL、2.6mmol)は、45分間にわたって滴下して加え、得られた反応混合物は、0℃で1時間撹拌した。さらなる0.12mLのオキシ塩化リンは、滴下して加え、得られた反応混合物は、0℃でさらに1時間撹拌した。反応物は、4.0mLの水の添加によってクエンチし、生成物は、弱アニオン交換フラッシュクロマトグラフィー(バイオタージ・アイソルート(Biotage Isolute)NH2、0〜100%の1.0Mの重炭酸トリエチルアンモニウム/水)によって単離して、表題化合物を白色の固体(0.69g、61%の収率)として得た。
工程2:2’−C−メチル−N7−メチルグアノシンモノホスフェートジメチルヘキシルアンモニウム塩(6−3)の合成
2’−C−メチルグアノシンモノホスフェートトリエチルアミン塩(6−2、0.69g、1.45mmol)は、13mLの水に溶解させ、氷酢酸の添加によってpH4に調整した。硫酸ジメチル(0.96mL、10.15mmol)は、90分間にわたって滴下して加え、得られた反応混合物は、周囲温度で撹拌した。反応は、必要に応じて、5Nの水酸化ナトリウムの添加によってpH4に維持した。LCMSによって決定した際に出発材料が消費されるまで(3時間)、撹拌を続けた。完了したら、15mLのクロロホルムを加え、水層を分離し、10mLのクロロホルムで3回洗浄した。得られた水層を濃縮した。得られた粗残渣は、水に溶解させ、逆相フラッシュクロマトグラフィー(バイオタージ(Biotage)、C18カラム、2〜40%のアセトニトリル/10mMの重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウム)によって精製して、表題化合物を白色の固体(0.59g、78%の収率)として得た。
工程3:化合物007−1の合成
2’−C−メチル−N7−メチルグアノシンモノホスフェートジメチルヘキシルアンモニウム塩(6−3、0.34g、0.66mmol)およびグアノシンジホスフェートイミダゾリド(0.43g、0.79mmol)は、窒素下で、火炎乾燥した丸底フラスコ中で、10mLのDMFに溶解させた。塩化亜鉛(0.9g、6.6mmol)を加え、得られた反応混合物は、周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物に、水(30mL)中のEDTA(2.3g、7.9mmol)を含有する溶液を加えた後、pH7に達するまで炭酸水素ナトリウムを加えた。粗反応混合物は、凍結乾燥によって濃縮し、所望の生成物は、分取HPLC(フェノメネックス・ルナ(Phenomenex Luna)250×10mm、10mMの重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウム/アセトニトリル)によって単離して、表題化合物を白色の固体(0.041g、6%の収率)として得た。
H NMR(DO)δ 1.03(3H,s)、3.16−3.21(1H,m)、3.61(1H,s)、4.06(3H,s)、4.15−4.26(6H、m)、4.46(2H,m)、4.62(1H,t)、5.75(1H,d)、5.86(1H,s)、7.97(1H,s).
化合物007−37の合成
工程1
窒素下で、DMSO(2.5mL)中の2’Me−GMP(0.5mmol)に、1−(2−ブロモエトキシ)−4−クロロベンゼン(5mmol、10当量)を加えた。混合物は、5時間にわたって55Cに加熱した。溶液は、室温に冷まし、ジエチルエーテル(50mL)および水(50mL)を加えた。次に、水層は、DMHA/ACNで溶離する150G C18カラムに注入した。所望の画分は、組み合わせて、部分的に濃縮した。残っている水は、一晩凍結乾燥させて、50mgの2−アミノ−7−(2−(4−シクロフェノキシ)エチル)−9−((2S,3S,4S,5S)−3,4−ジヒドロキシ−3−メチル−5−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−6−オキソ−6,9−ジヒドロ−1H−プリン−7−イウムを得た。MS(m/z)529.8[M−H]
工程2
化合物007−37は、グアノシンジホスフェートイミダゾリドを用いて、化合物007−1について上述されるのと同様の方法で調製した。MS(m/z)956.7[M−H]
化合物008−1の合成
工程1:ビス−リン酸エステル(7−2)の合成
アセトニトリル(20mL)中の7−1(1.0g、0.94mmol)およびエチレングリコール(0.0263mL、0.47mmol)の溶液に、アセトニトリル中の1H−テトラゾール(0.45Mの溶液、3.14mL、1.41mmol)を3分間にわたって滴下して加えた。20℃で1.5時間撹拌した後、反応混合物は、<−20℃に冷却し、n−デカン中のt−ブチルヒドロペルオキシド(5.5Mの溶液、0.514mL、2.83mmol)で5分間にわたって処理した。反応混合物は、一晩、20℃に温めた。反応物は、HO(Milli Qグレード、60mL)、続いてジクロロメタン(60mL)でクエンチした。水層は、有機層から分離し、ジクロロメタン(60mL×2)で抽出した。組み合わされた有機層は、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、焼結ガラス漏斗に通してろ過し、30℃で、減圧下で濃縮して、淡黄色油(1.8g)を得た。生成物は、ジクロロメタンからジクロロメタン中8%のメタノールへの勾配で溶離するカラムクロマトグラフィー(25gのシリカゲル)によって精製した。生成物含有画分は、組み合わせて、30℃で、減圧下で濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体(449mg、47%の収率)として得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d6)−0.49(s,6H、2 CH−Si)、0.03(s,6H、2 CH−Si)、0.79(s,18H、2 tBu−Si)、1.14(s,12H、2 MeCH)、2.71(m,2H、2 CHMe)、2.81(m,4H、2 CHCN)、3.17(m,2H、2 H−3’)、3.61(m,4H、2 H−5’)、3.70 & 3.73(2s、12H、4 O CH)、3.91(m,2H、2 H−2’)、3.99(m,4H、2 OCHCHCN)、4.82(s,4H、2 OCHAr)、4.85(m,2H、2 H−4’)、6.06(d,2H、2 H−1’)、6.87−8.21(m,34H、8 Ar)、11.56(br s、2H、2 NH−1)、11.81(s,2H、2 H−8);31P NMR(161MHz、DO)δ 1.01.
工程2:化合物008−1の合成
7−2(0.31g、0.154mmol)およびメタノールアンモニア(2Mの溶液、5mL、10.0mmol)の溶液は、20℃で4時間撹拌し、20℃で、減圧下で濃縮して、油を得た。油は、アセトニトリル(6mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、20℃で、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(0.064mL、0.391mmol)で処理した。3時間後、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(0.192mL、1.173mmol)を20℃で反応混合物に加え、混合物は、20℃で3日間撹拌した。反応混合物に、8分間にわたって20℃で、トリフルオロ酢酸(0.015mL、0.195mmol)および1−ドデカンチオール(0.103mL、0.409mmol)を加えた。反応混合物は、2日間にわたって20℃で撹拌した。1−ドデカンチオール(0.052mL)、続いてトリフルオロ酢酸(0.345mL)を反応混合物に加え、混合物は一晩撹拌した。1日後、反応物は、HO(Milli Qグレード、15mL)およびジクロロメタン(10mL)でクエンチした。水層は、有機層から分離し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。組み合わされた有機層は、10mMの重炭酸N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム緩衝液(pH7.5)から10mMの重炭酸N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム緩衝液(pH7.5)中30%のアセトニトリルで溶離するカラムクロマトグラフィー(50g C18カラム)によって精製した。生成物含有画分は、組み合わせて、減圧下で濃縮して、表題化合物(197mg)を得た。
H NMR(400MHz、DO)δ 0.84(s,9H、3 Me(CHN)、1.29(s,)1.29(m,18H、3 MeCHCHCHCHCHN)、1.67(m,6H、3 CHCHN)、2.84(s,18H、3 MeN)、3.09(m,6H、3 NCH)、3.98−4.18(m,4H、2 H−5)、4. 24(m,2H、2 H−2’)、4.43(m,2H、2 H−3’)、4.71(m,2H、2 H−2’)、5.80(d,2H、2 H−1’)、7.97(s,2H、2 H−8);31P NMR(161MHz、DO)δ 1.03.
化合物008−2の合成
工程1:
アセトニトリル(4ml)中の4Å分子篩を含有する火炎乾燥した丸底フラスコに、2’−tBDシリル−3’−DMT−グアノシン(n−IPr−PAC)−5’−CEDホスホロアミダイト(0.3g、0.28mmol)、続いてジエチレングリコール(0.03ml、0.31mmol)を加えた。次に、1H−テトラゾール(アセトニトリル中0.45M、0.14ml、0.06mmol)を加え、得られた反応混合物は、31P NMRがホスホロアミダイトの消失を示すまで(3日間)、N下で、周囲温度で撹拌した。tert−ブチルヒドロペルオキシド(デカン中5.5M、0.11ml、0.6mmol)を加え、得られた反応混合物は、N下で、周囲温度で一晩撹拌した。次に、反応物は、ろ過し、濃縮して、粗生成物を得て、それをさらに精製せずに使用した。31P NMR(CDCN)δ 139.9(1P)、140.3(1P)。
工程2:
THF(5ml)中の工程1からの生成物(0.28mmol)を含有する懸濁液に、メチルアミン(THF中2M、1.4ml、2.8mmol)を加えた。得られた反応混合物は、31P NMRが出発材料の消費を示し、LCMSがn−イソプロピル−PAC保護基の除去を示すまで(24時間)、N下で、周囲温度で撹拌した。反応物は、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機物を濃縮して、粗生成物を得て、それをさらに精製せずに使用した。31P NMR(CDCN)δ −1.22(2P)。
工程3:
THF(4ml)中の工程2からの生成物(0.28mmol)を含有する溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M、3ml、3mmol)を加えた。得られた反応混合物は、LCMSが2’シリル保護基の除去を示すまで(16時間)、N下で、周囲温度で撹拌した。反応物は、水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機物を濃縮して、粗生成物を得て、それをさらに精製せずに使用した。
工程4:
THF(3ml)中の工程3からの生成物(0.28mmol)を含有する溶液に、トリフルオロ酢酸(0.35ml、4.5mmol)、続いて1−デカンチオール(0.22ml、0.9mmol)を加えた。得られた反応混合物は、周囲温度で一晩撹拌し、次に、減圧下で濃縮した。得られた粗材料は、弱アニオン交換カラムクロマトグラフィー(セファロース(Sepharose)、0〜100%の1Mの重炭酸トリエチルアンモニウム/水)によって精製して、0.117gの所望の生成物を白色の固体として得た。
工程5:
工程4において得られた生成物(0.117g、0.11mmol)は、水に溶解させ、pHは、氷酢酸の添加によって4に調整した。硫酸ジメチル(0.16ml、1.7mmol)は、90分間にわたって滴下して加え、pHは、5MのNaOHの添加によって4.0〜4.1に維持した。添加の後、反応物は、さらに30分間撹拌し、次に、水で900mlまで希釈した。生成物は、弱アニオン交換カラムクロマトグラフィー(セファロース(Sepharose)、0〜100%の1Mの重炭酸トリエチルアンモニウム/水)によって精製して、生成物をトリエチルアンモニウム塩として得た。次に、トリエチルアンモニウム塩は、逆相クロマトグラフィー(イスコ(Isco)、C18、0〜40%の10mMの重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウム/アセトニトリル)によってジメチルヘキシルアンモニウム塩に転化した。最後に、生成物は、過塩素酸アンモニウム/アセトンによる沈殿によってアンモニウム塩に転化した。H NMR(DO)δ 3.67(4H、s)、3.94(4H、bs)、4.03(6H、s)、4.15(2H,m)、4.30(2H,bs)、4.38(2H,m)、4.57(2H,m)、5.94(2H,m)。31P NMR(DO)δ 0.32(2P,s).
化合物008−25は、化合物008−2について上述されるのと同様の方法で合成した。
化合物008−25:
化合物008−7の合成:
工程1(2R,3R,4R,5R)−2−((((2−((ビス(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ)−3−ヒドロキシプロポキシ)(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(2−イソブチルアミド−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルビス(2−メチルプロパノエート)(008−7C)の合成。
撹拌子および窒素入口アダプタを備えた250mLの一口丸底フラスコに、27mLのCHCN(K=2743ppm)中の(2R,3R,4R,5R)−2−((((2−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ)メチル)−5−(2−イソブチルアミド−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルビス(2−メチルプロパノエート)(008−7A)[3.37g、4.86mmol、1当量]を充填した。3Å分子篩をフラスコに加えた。1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−ヒドロキシプロパン−2−イルビス(2−シアノエチル)ホスフェート(008−7B)[1.91g、4.86mmol、1当量]は、CHCNと2回共沸し、30mLのCHCNに溶解させ、反応フラスコに加えて、1507ppmの最終的なK読み取り値を得た。フラスコに、1H−テトラゾール[11.87mL 0.5M、5.34mmol、1.1当量]を充填して、5分後、濁った白色の混合物を得た。45分後、LCMSは、出発グアノシン類似体の完全な消費を示し、その時点で、フラスコは、氷水浴中で0℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド[1.77mL 5.5M、9.72mmol、2当量]を充填した。反応混合物は、室温で15時間撹拌し、15時間後、LCMSは、中間体の消費を示した。ろ過および回転蒸発による濃縮により、6.1gの黄色の懸濁液を得て、それは、5%のMeOH/DCMを用いたシリカゲル(80g)におけるカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物含有画分の濃縮により、3.7g(76%)の保護された中間体、(2R,3R,4R,5R)−5−{[(2−{[ビス(2−シアノエトキシ)ホスホリル]オキシ}−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]プロポキシ(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ]メチル}−2−[2−(2−メチルプロパンアミド)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]−4−[(2−メチルプロパノイル)オキシ]オキソラン−3−イル2−メチルプロパノエートを、粘性の無色油として得た。撹拌子および窒素入口アダプタを備えた500mLの一口丸底フラスコに、(2R,3R,4R,5R)−5−{[(2−{[ビス(2−シアノエトキシ)ホスホリル]オキシ}−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]プロポキシ(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ]メチル}−2−[2−(2−メチルプロパンアミド)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]−4−[(2−メチルプロパノイル)オキシ]オキソラン−3−イル2−メチルプロパノエート[3.6g、3.6mmol、1当量]および100mLのDCMを充填した。次に、フラスコに、BFエーテラート[0.89mL、7.19mmol、2当量]を充填し、直ぐに、無色溶液がオレンジ色に変化した。6分後、LC/MSは、出発材料の消費をほとんど示さなかったため、さらなる当量のBFエーテラートを加えた。さらなる当量(合計で4.0当量)を、合計50分間の反応時間の後に加えた。80分後、LC/MSは、出発材料の完全な消費を示し、その時点で、反応混合物は、100mLの5%のNaHCO(水溶液)で中和し、5分間撹拌した。濁った薄いオレンジ色の混合物中の水層および有機層は、500mLの分液漏斗を用いて分離した。水層は、さらなる100mLのDCMで逆抽出した。組み合わされた有機層は、回転蒸発によって濃縮し、0〜10%のMeOH/DCMを用いたシリカゲル(80g)におけるカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.15gの(2R,3R,4R,5R)−2−((((2−((ビス(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ)−3−ヒドロキシプロポキシ)(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(2−イソブチルアミド−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルビス(2−メチルプロパノエート)(008−7C)を36%の収率で得た。31P NMR(DO)δ −2.1(1P)、δ −2.3(1P);MS(m/z)885[M−H].
工程2:化合物008−7の合成
撹拌子および窒素入口アダプタを備えた250mLの一口丸底フラスコに、12mLのMeCN中の(2R,3R,4R,5R)−2−({[(2−シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル]オキシ}メチル)−5−[2−(2−メチルプロパンアミド)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]−4−[(2−メチルプロパノイル)オキシ]オキソラン−3−イル2−メチルプロパノエート(008−7A)[1.64g、2.36mmol、1.8当量]を充填し、約48時間にわたって4Å分子篩上で撹拌した(K<1000ppm)。(2R,3R,4R,5R)−5−{[(2−{[ビス(2−シアノエトキシ)ホスホリル]オキシ}−3−ヒドロキシプロポキシ(2−シアノエトキシ)ホスホリル)オキシ]メチル}−2−[2−(2−メチルプロパンアミド)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]−4−[(2−メチルプロパノイル)オキシ]オキソラン−3−イル2−メチルプロパノエート(008−7C)[1.15g、1.3mmol、1当量]は、4mLのMeCNに溶解させ、反応フラスコに加えて、<800ppmの最終的なK読み取り値を得た。フラスコに、1H−テトラゾール[2.88mL 0.5M、1.3mmol、1当量]を充填して、5分後、濁った白色の混合物を得た。45分後、LCMSは、出発グアノシン類似体の完全な消費を示し、その時点で、フラスコは、氷水浴中で0℃に冷却し、tert−ブチルヒドロペルオキシド[0.47mL 5.5M、2.59mmol、2当量]を充填した。反応混合物は、室温で一晩撹拌し、15時間までに、LCMSは、中間体の消費を示した。ろ過および回転蒸発による濃縮により、黄色の懸濁液を得て、それは、5%のMeOH/DCMを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製して、520mgの保護された中間体(すなわち、全ての保護基を有する中間体)を27%の収率で得た。
撹拌子および窒素入口アダプタを備えた100mLの一口丸底フラスコに、0.52gの出発材料、9mLのMeCN、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン[0.78mL、5.22mmol、15当量]を充填した。1時間後、淡褐色の反応混合物は、濃縮乾固し、8.5mLの水に取り込んだ。溶液は、メチルアミン[2.61mL 2M、5.22mmol、15当量]および2.6mLの水酸化アンモニウムに加え、60℃で2時間撹拌し、次に、室温に冷まし、DMHA緩衝液/CANで溶離するC18カラムに充填した。所望の画分は、部分的に濃縮し、一晩凍結乾燥させて、150mgの完全に脱保護された中間体[1,3−ビス({[(2R,3S,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−オキソ−1H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシオキソラン−2−イル]メトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル}オキシ)プロパン−2−イル]オキシホスホン酸(008−7D)を50%の収率で得た。
250mLの一口丸底フラスコに、[1,3−ビス({[(2R,3S,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−オキソ−1H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシオキソラン−2−イル]メトキシ(ヒドロキシ)ホスホリル}オキシ)プロパン−2−イル]オキシホスホン酸[0.15g、0.17mmol、1当量]および20mLの水を充填した。溶液は、AcOHでpH=4.0に調整した。硫酸ジメチル[1.25mL、13.04mmol、75当量]は、5MのNaOH(水溶液)の7uLの添加によってpHを4.0に保ちながら、シリンジポンプを介して2時間にわたって5uLずつの分量で加えた。LCMSは、完全なジメチル化を示した。反応混合物は、500mLの水で希釈し、400mLのDCMで2回抽出した。水相は、1Mの重炭酸トリエチルアンモニウム緩衝液に合わせて、pH=7.8に調整した。粗混合物は、セファロース(Sepharose)カラムに注入した。生成物含有画分は、組み合わせて、60mLの100mMのDMHA緩衝液と混合し、150g C18カラムに注入した。所望の画分は、部分的に濃縮し、次に、一晩凍結乾燥させた。130mgのジメチル化生成物(008−7)が、83%の収率で得られた。31P NMR(DO)δ 0.9(1P)、δ 0.1(1P)、δ− 0.8(1P);MS(m/z)891.2[M−H]
化合物008−3の合成
工程1
アセトニトリル(100ml)中のグアノシン(10.0g、35.3mmol)を含有する懸濁液に、硫酸ナトリウム(12.5g、88.3mmol)、続いてフェニルボロン酸(4.52g、37.0mmol)を加えた。得られた反応混合物は、加熱還流させ、NMRがグアノシンの完全な転化を示すまで(3時間)、N下で撹拌した。反応混合物は、周囲温度に冷まし、生成物は、ろ過によって単離して、11.1gの白色の固体を得て、それをさらに精製せずに使用した。
工程2:
ジクロロメタン(60ml)中のチオジエタノール(0.75g、6.1mmol)を含有する溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(3.2ml、18.3mmol)を加え、反応物は、0℃に冷却した。2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(2.8ml、12.8mmol)は、15分間にわたって滴下して加えた。得られた反応混合物は、周囲温度に温め、N下で撹拌した。2時間後、反応物は、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機物は、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。生成物は、さらに精製せずに使用した。
工程3:
DMF(15ml)中の工程1(0.71g、1.92mmol)および工程2からの生成物(0.5g、0.96mmol)を含有する溶液に、5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール(0.1g、0.72mmol)を加えた。得られた反応混合物は、31P NMRが所望の生成物への転化を示すまで(3時間)、N下で、周囲温度で撹拌した。反応混合物は、減圧下で濃縮し、さらに精製せずに使用した。
工程4:
THF(20ml)中の工程3からの生成物(1.92mmol)を含有する溶液に、tert−ブチルヒドロペルオキシド(0.7ml、3.84mmol)を加えた。得られた反応混合物は、周囲温度で16時間撹拌した。DBU(2.9ml、19.2mmol)を加え、反応物は、さらに16時間撹拌した。反応混合物は、減圧下で濃縮し、900mlの水に取り込んだ。生成物は、弱アニオン交換クロマトグラフィー(セファロース(Sepharose)、0〜100%の1Mの重炭酸トリエチルアンモニウム/水)によって精製した。
工程5:
この化合物は、化合物008−2を合成する工程5と同様の方法で調製した。
化合物008−26〜008−29は、化合物008−3について上述されるのと同様の方法で合成した。
化合物008−26:
化合物008−27:
化合物008−28:
化合物008−29:
実施例2:インビトロ転写(IVT)によるmRNAの合成
標的mRNAは、本明細書に記載されるIVT反応プロトコル−同時転写(Cotranscriptional)キャッピングにしたがって調製する。
材料は、表9にまとめられている。
1.キャップが10倍過剰でGに付加された状態で、A:U:C:Gの比率は、1:1:1:0.1〜1:1:1:1で変動する。
2.T7RNAポリメラーゼが、水を除く他の成分の後に加えられる。
3.水が、100uLの総反応体積になるまで加えられる。
4.混合物が、十分に混合され、1分間にわたって卓上遠心分離機において遠沈される。
5.混合物が、37℃で4時間インキュベートされる。
6.2.5uLのRNaseフリーDNaseIが加えられる。
7.混合物が、37℃で45分間インキュベートされる。
この実施例に記載されるように、A、U、C、およびGのそれぞれは、非修飾および修飾NTPの両方を含む。IVT反応が完了した後、混合物は、膜精製(メガクリア(MegaClear)または同等物)、およびオリゴdT(Oligo dT)を用いて清浄化する。試料濃度は、分光光度計を用いて測定し、分解は、バイオアナライザを用いて定量する。
実施例3:表面プラズモン共鳴(SPR)を用いたeIF4Eへの結合親和性
アッセイ手順の概要
センサーチップSA(GEヘルスケア(GE Healthcare))は、ビアコア3000(Biacore 3000)機器にドッキングさせる。表面を洗浄した後、タンパク質eIF4E(伸長開始因子4E(Elongation Initiation Factor 4E)、HNAVIpeptTEVeIF4E 32−217(ビオチン化された);pbCPSS1560)は、既に固定化されたストレプトアビジンタンパク質に非共有結合的に捕捉する。
一連の化合物濃度は、増加する濃度で連続的に固定化タンパク質に注入する。相互作用モデルは、実験トレースに全体的に当てはめて、KまたはK(結合親和性;単位:M)および場合によりkon(オンレート、結合相から計算される;単位:M−1−1)およびkoff(オフレート、解離相から計算される;単位:秒−1)の決定を可能にする。
方法
センサーチップの準備
センサーチップ(SAD500lまたはSA)は、ビアコア3000(Biacore 3000)機器にドッキングさせ、50mMのNaOH、1MのNaClで洗浄する。タンパク質eIF4Eは、泳動用緩衝液(running buffer)(50mMのHEPES、150mMのKCl、10mMのMgCl、2mMのTCEP)中で約1μMになるまで希釈した。希釈されたタンパク質溶液は、300〜600秒間にわたって注入した。典型的な捕捉レベルは、5000〜6000RUであった。
試験化合物は、ddHOまたはDMSO中で、10mMになるまで溶解させた。100μMのストックは、泳動用緩衝液(50mMのHEPES、150のmMのKCl、10mMのMgCl)中での100倍の希釈によって調製した。アッセイは、1%のDMSOを用いてまたは用いずに行った。
データは、ジーンデータ(GeneData)において分析した。得られたセンサーグラムおよび定常状態適合を見ることによって、曲線当てはめを、受け入れるかまたは拒絶した。
アッセイ検証
eIF4Eタンパク質は、上記の手順にしたがって捕捉し、一連の7−メチル(m7)グアノシンホスフェート化合物(m7GMP、m7GDP、m7GTP)ならびにトリホスフェート鎖(m7GTPG)の後に追加のグアノシン残基を有する化合物を、用量反応において注入した。アッセイは、DMSOを用いておよび用いずに、泳動用緩衝液を用いて検証した。m7GTPについての表面活性およびKが、DMSOによって影響されないことが分かった。表面が非常に安定している(6週間を超える連続使用が、表面活性の5〜10%の低下をもたらした)ことも分かった。さらに、新たに捕捉されたタンパク質がゆっくりと安定して、新たに捕捉されたタンパク質に注入された化合物の解離相中の陰性反応(negative response)をもたらす。
表10は、本開示の特定の化合物についての結果を含む。
実施例4:動力学的無細胞インビトロ翻訳アッセイおよびキャップ競合アッセイ
インビトロ翻訳アッセイは、遊離化合物としてまたはキャップされたmRNAの一体部分として、新たなキャップ類似体の性能を評価するために、製造業者の指示にしたがって、HeLa1ステップ結合型IVTキット(HeLa 1−step coupled IVT kit)(サーモフィッシャー・サイエンティフィック、マサチューセッツ州ウォルサム(ThermoFisher Scientific,Waltham,MA))を用いて行った。eIF4Eタンパク質に対する親和性を有するキャップ類似体は、無細胞翻訳においてタンパク質合成速度を低下させ得る。さらに、このようなキャップ類似体を含有するRNA(「キャップ−modRNA」)は、無細胞翻訳においてタンパク質合成の異なる有効性を示す。
キャップ構造、選択されたリボース単位および/または塩基のいずれかに化学修飾を有する、eGFPおよびmCitrine−デグロンの修飾RNA(「modRNA」)は、滅菌ヌクレアーゼフリー水で、5uL中500ngの最終量になるまで希釈した。この体積は、20uLの新たに調製されたHeLa溶解物に加えた。インビトロ翻訳反応は、プレートリーダサイテーション3(Cytation 3)(バイオテック、バーモント州ウィヌースキー(BioTek,Winooski,VT))の内部で、30℃で、粘着蛍光適合性シール(self−adhesive fluorescence−compatible seal)(バイオラッド、カリフォルニア州ハーキュリーズ(BioRad,Hercules,CA))で覆われた標準的な96ウェル丸底プレート(コーニング、ニューヨーク州コーニング(Corning,Corning,NY))において行った。
反応ごとの蛍光信号は、時間の経過とともに増大し、タンパク質合成の発生と比例すると考えられる。各無細胞翻訳反応は、以下の設定で120〜180分間にわたって監視した:eGFPタンパク質−ex.485nm、em.515nm、ゲイン80;mCitrine−デグロンタンパク質−ex.515、em.545、ゲイン70または80。読み取りヘッドの高さは、プレートの1mm上に設定し、試料につき17秒ごとに1回の読み取り速度に設定した。様々なキャップを有するmodRNAの結果が、図3A〜3Bに示される。この試験では、様々なキャップ(例えば、ARCAまたは本明細書に開示されるキャップ類似体)を有するmodRNAのそれぞれは、RNA配列中の各ウリジンを置換する1−メチル−プソイドウリジン、およびRNA配列中の各シチジンを置換する5−メチルシチジンも含む。
競合アッセイでは、無細胞翻訳反応の総体積は、水または水中の希釈された遊離キャップ類似体のいずれかの添加によって、27.8uLに増加させた。遊離キャップ類似体のストック濃度は、1mMであった。水中の2倍の希釈で、濃度を連続的に減少させた。無細胞翻訳反応の後、modRNA(例えば、eGFPをコードするm7GpppG(2’−Om)キャッピングmRNA(すなわち、キャップ1が先端に付いたmRNA))および希釈されたキャップ類似体を組み合わせて、滴定曲線は、100uM、50uM、25uM、12.5uM、6.25uM、3.12uMおよび0uMの遊離キャップ類似体の最終濃度を有していた。この試験に使用されるキャップ類似体は、参照材料として働く市販品(トリリンク、カリフォルニア州サンディエゴ(TriLink,San Diego,CA))または本明細書に開示される化合物のいずれかであった。小分子キャップ類似体が、K依存的に、「閉ループ」の組み立てを妨げることが仮定されている。
無細胞翻訳反応において蛍光信号が、安定したプラトーに達した後、その絶対値を統計分析プログラム(グラフパッド・ソフトウェア、カリフォルニア州ラホヤ(GraphPad Software,La Jolla,CA))に移し、製造業者の指示にしたがう設定で、曲線当てはめまたはIC50計算を得た。
キャップ競合アッセイからの結果は、図1A〜1Cおよび2A〜2Dに示される。この試験では、使用されるmodRNAのそれぞれが、RNA配列中の各ウリジンを置換する1−メチル−プソイドウリジン、およびRNA配列中の各シチジンを置換する5−メチルシチジンを含む。さらに、表11は、本開示の特定の化合物のIC50値を含む。
また、無細胞翻訳アッセイは、特に規定されない限り、RNA配列中の各ウリジンを置換する5−メトキシウリジンを含むmodRNAを用いて行った。結果が、図5A〜5Bおよび6A〜6B、ならびに表12および13に示される。表12は、無細胞翻訳アッセイの3時間後の測定されたmCitrineレベルを開示する。
表13は、無細胞翻訳アッセイの3時間後のhEPOレベルを開示する。
実施例5:細胞ベース発現アッセイ
細胞ベース発現アッセイは、後述されるプロトコルにしたがって行った。
1)1日目:96ウェルプレートのウェル当たり100uLの培地中20K細胞で、Hela/Vero/BJ−線維芽細胞を播種する。
2)2日目:トランスフェクション
・mCherry/deg mCitrineにおいて250ng/rxn;ナノルック(nanoLuc)において25ng/rxnをトランスフェクトする。
・96ウェルプレートにおいて、ナノルック(nanoLuc)mRNAを10ng/uLに希釈する。
・工場のプレートから直接mCherry/deg mCitrine試料を排除する。ナノルック(NanoLuc)と同じプレートマップを使用する。
・リポフェクタミン(Lipofectamine)/オプティメン(Optimem)を15分間インキュベートし、70uLをマスターミックスプレートの各ウェルに加える。
・10uLのmRNA(ウェル当たり)を、70uLのL2K/オプティメン(Optimem)混合物に加える。
・さらに15分間にわたって、L2K/オプティメン(Optimem)混合物とともにmRNAをインキュベートする。
・20uLのmRNA混合物を、細胞プレートの各ウェルに加える。
3)3日目:アッセイ(発現については24時間;サイトカインについては48時間):
・mCherry:
−100uLのPBS1×で洗浄する。
−読み取りのために100uLのPBSを加える。
−シナジー(Synergy)において読み取る:
プログラム:励起:585、蛍光:615、ゲイン:100における蛍光エンドポイント。
・デグロンmCitrine
−100uLのPBS1×で洗浄する。
−読み取りのために100uLのPBSを加える。
−励起:510;蛍光:540、ゲイン:100で、シナジー(Synergy)において読み取る。
・ナノルック(NanoLuc):
−100uLのPBS1×で洗浄する。
−100uLのGlo溶解緩衝液1×を加える。
−シナジー(Synergy)において読み取る。
プログラム:ゲイン115(既定値)における発光。
4)4日目のアッセイ(IFN−bアッセイ):
・ヴェリキン(VeriKine)ヒトインターフェロンβELISAキット(#41410−2、PBLバイオサイエンス(PBL Biosciences))を使用する。
・キットのプロトコルにしたがう。
細胞ベース発現アッセイ(hEPO、HeLa)からの結果が、図4Aおよび4Bに示され、ヒト初代肝細胞における細胞ベース発現からの結果が、表14に列挙される。この試験では、様々なキャップ(例えば、キャップ1、ワクシニア(Vaccinia)−キャップ1、ARCAまたは本明細書に開示されるキャップ類似体)を有するmRNAのそれぞれは、hEPO−UM(RNA配列中の天然に存在するヌクレオシドを含む)、hEPO−CPU(RNA配列中の各ウリジンを置換する1−メチルプソイドウリジンおよび各シチジンを置換する5−メチルシチジンを含む)、およびhEPO−PU(RNA配列中の各ウリジンを置換する1−メチルプソイドウリジンを含む)を除いて、RNA配列中の各ウリジンを置換する5−メトキシウリジンも含む。図4Aに示されるように、化合物006−1または006−5キャッピングmRNAの細胞ベース発現は、キャップ1およびARCAの両方を上回る。以下の表14は、キャップ1を有するmRNAと比較した、様々なキャップを有する修飾mRNAを用いた正規化された発現レベルを示し、この表中、化合物008−7を有するmRNAが、最後から2番目のグアノシンの2’−OHにおいてメチル化されていない(キャップ0様)一方、全ての他のキャップは、キャップ1様であり、すなわち、pppG(2’−Om)の構造を含有する。
実施例6:インビボ発現アッセイ
hEPOをコードするmRNAは、本開示のキャップ類似体を同時転写的に組み込んで、上記の実施例2に記載される方法にしたがって合成した。実施例5の試験と同様に、様々なキャップ(例えば、キャップ1、ARCA、または本明細書に開示されるキャップ類似体)を有するmRNAのそれぞれは、RNA配列中の各ウリジンを置換する5−メトキシウリジンも含む。合成されたmRNAのMC3ベース脂質ナノ粒子(LNP)製剤を生成し、0.05mg/kgのボーラス投与で、CD−1マウス(n=3)に静脈内投与した。hEPOのレベルは、注入の6時間後、24時間後、または48時間後の時点で試験した。図7は、注入の6時間後に測定された正規化されたhEPOレベルを示す。以下の表15も参照されたい。この表中、化合物008−7を有するmRNAが、最後から2番目のグアノシンの2’−OHにおいてメチル化されていない(キャップ0様)一方、全ての他のキャップは、キャップ1様であり、すなわち、pppG(2’−Om)の構造を含有する。
本発明は、本発明の趣旨または本質的な特徴から逸脱せずに、他の特定の形態において実施され得る。したがって、上記の実施形態は、あらゆる点で、本明細書に記載される本発明に対する限定ではなく例示であると見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内の全ての変更が、本発明に包含されることが意図される。

Claims (64)

  1. 式(I):
    (式中、
    が、
    であり;
    環Bが、修飾または非修飾グアニンであり;
    環Bが、核酸塩基または修飾核酸塩基であり;
    が、O、S(O)、NR24またはCR2526であり、ここで、pが、0、1、または2であり;
    が、OまたはCRであり;
    が、O、S(O)、CR、またはNRであり、ここで、nが、0、1、または2であり;
    各−−−が、単結合であるかまたは存在せず、ここで、各−−−が単結合である場合、Yは、O、S(O)、CR、またはNRであり;各−−−が存在しない場合、Yはなしであり;
    が、(OP(O)R(ここで、mが、0、1、または2である)、または−O−(CR4041−Q−(CR4243−であり、ここで、Qが、結合、O、S(O)、NR44、またはCR4546であり、rが、0、1、または2であり、uおよびvのそれぞれが、独立して、1、2、3または4であり;
    が、ハロ、LNA、またはORであり;
    が、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、Rは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルである場合、ハロ、OH、および1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換され;
    各Rが、独立して、H、ハロ、C〜Cアルキル、OH、SH、SeH、またはBH であり;
    、R、およびRのそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、COOH、シアノ、またはRS1であり、ここで、RS1が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシル、C(O)O−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NR3132、(NR313233、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS1が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、NR3132、(NR313233、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
    10、R11、R12、R1314、およびR15のそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、NH、シアノ、NO、N、RS2、またはORS2であり、ここで、RS2が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NHC(O)−C〜Cアルキル、NR3132、(NR313233、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS2が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、NR3132、(NR313233、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;あるいはR12が、R14と一緒にオキソであり、またはR13が、R15と一緒にオキソであり、
    17、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれが、独立して、−Q−Tであり、ここで、Qが、結合、またはハロ、シアノ、OHおよびC〜Cアルコキシのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルリンカーであり、Tが、H、ハロ、OH、NH、シアノ、NO、N、RS3、またはORS3であり、ここで、RS3が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、NHC(O)−C〜Cアルキル、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり、RS3が、ハロ、OH、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、および5員または6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
    24、R25、およびR26のそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
    27およびR28のそれぞれが、独立して、HまたはOR29であり;またはR27およびR28が一緒に、O−R30−Oを形成し;
    各R29が、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、R29は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルである場合、ハロ、OHおよび1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意に置換されるC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換され;
    30が、ハロ、OHおよびC〜Cアルコキシルのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキレンであり;
    31、R32、およびR33のそれぞれが、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール、4〜12員ヘテロシクロアルキル、または5員または6員ヘテロアリールであり;
    40、R41、R42、およびR43のそれぞれが、独立して、H、ハロ、OH、シアノ、N、OP(O)R4748、または1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルであり、または1つのR41および1つのR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、C〜C10シクロアルキル、4員〜14員ヘテロシクロアルキル、C〜C10アリール、または5員〜14員ヘテロアリールを形成し、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールのそれぞれが、OH、ハロ、シアノ、N、オキソ、OP(O)R4748、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、C〜Cハロアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノのうちの1つ以上で任意に置換され;
    44が、H、C〜Cアルキル、またはアミン保護基であり;
    45およびR46のそれぞれが、独立して、H、OP(O)R4748、または1つ以上のOP(O)R4748で任意に置換されるC〜Cアルキルであり、
    47およびR48のそれぞれが、独立して、H、ハロ、C〜Cアルキル、OH、SH、SeH、またはBH である)
    の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。
  2. 環Bが、
    であり、ここで、
    が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロおよびシアノのうちの1つ以上でそれぞれ任意に置換される、C〜C10アリール、C〜C10アリールオキシル、5員〜10員ヘテロアリール、および5員〜10員ヘテロアリールオキシルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
    およびRのそれぞれが、独立して、H、C〜Cアルキル、またはアミン保護基であり、またはRおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、4〜12員ヘテロシクロアルキル、−N=CH−R、または−N=N−Rを形成し、ここで、Rがフェニルであり、前記4〜12員ヘテロシクロアルキルおよびRのそれぞれが、OH、ハロ、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
    が、H、NH、またはC〜Cアルキルであり;またはRならびにRおよびRの1つが、それらが結合する2つの窒素原子および前記2つの窒素原子を連結する炭素原子と一緒に、OH、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、およびC〜Cアルキニルのうちの1つ以上で任意に置換される5員または6員複素環を形成する、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。
  3. およびRのそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり、またはRおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、フタリミジルまたは−N=N−Rを形成し、ここで、Rがフェニルであり、前記フタリミジルおよびRのそれぞれが、OHおよびハロから選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、RがHである、請求項2に記載の化合物。
  4. 環Bが、
    であり、ここで、tが、0、1、2、3、または4であり、Rのそれぞれが、独立して、OH、ハロ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、またはジ−C〜Cアルキルアミノである、請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。
  5. 環Bが、
    であり、ここで、RおよびRのそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
  6. 環Bが、
    であり、ここで、
    が、NまたはN(R)であり;
    が、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、またはC〜Cアルキニルであり、これらのそれぞれは、ハロおよびシアノのうちの1つ以上でそれぞれ任意に置換される、C〜C10アリール、C〜C10アリールオキシル、5員〜10員ヘテロアリール、および5員〜10員ヘテロアリールオキシルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
    およびRのそれぞれが、独立して、H、C〜Cアルキル、またはアミン保護基であり、またはRおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒に、4〜12員ヘテロシクロアルキル、−N=CH−R、または−N=N−Rを形成し、ここで、Rがフェニルであり、4〜12員ヘテロシクロアルキルおよびRのそれぞれが、OH、ハロ、オキソ、C〜Cアルキル、COOH、C(O)O−C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cアルコキシル、アミノ、モノ−C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
    が、存在する場合、H、NH、またはC〜Cアルキルであり;またはRならびにRおよびRのうちの1つが、それらが結合する2つの窒素原子および前記2つの窒素原子を連結する炭素原子と一緒に、OH、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、およびC〜Cアルキニルのうちの1つ以上で任意に置換される5員または6員複素環を形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。
  7. およびRのそれぞれが、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり、Rが、存在する場合、Hである、請求項6に記載の化合物。
  8. が、
    である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. が、存在する場合、O、S(O)、またはNRであり、ここで、Rが、H、ベンジル、またはOH、ハロ、NR3132、(NR313233、およびCOOHのうちの1つ以上で任意に置換されるC〜Cアルキルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. が、存在する場合、CRであり、ここで、RおよびRのそれぞれが、独立して、H、OH、またはC〜Cアルキルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 10、R11、R12、R1314、およびR15のそれぞれが、独立して、H、OH、ハロ、NH、シアノ、NO、N、C〜Cアルコキシル、ベンジル、またはハロで任意に置換されるC〜Cアルキルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. 10およびR11のそれぞれがHである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. 12およびR13のそれぞれが、独立して、H、OH、ハロ、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 12およびR13のそれぞれがHである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 12およびR13のそれぞれが、独立して、OH、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  16. 12およびR13の一方がHであり、他方が、OH、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 12がHであり、R13が、OHまたはC〜Cアルキルである、請求項16に記載の化合物。
  18. 14およびR15のそれぞれがHである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
  19. 12が、R14と一緒にオキソであり、R13が、R15と一緒にオキソである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  20. がOである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
  21. がCRであり、ここで、RおよびRのそれぞれが、独立して、H、OH、またはC〜Cアルキルである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
  22. が、
    である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
  23. 17、R20、R21、R22、およびR23のそれぞれが、独立して、H、OH、ハロ、NH、シアノ、NO、N、C〜Cアルコキシル、ベンジル、またはハロで任意に置換されるC〜Cアルキルである、請求項1〜7および22のいずれか一項に記載の化合物。
  24. (i)R20およびR21の一方がHであり、R20の他方が、シアノ、NO、N、またはC〜Cアルキルである、または(ii)R20およびR21の両方がHである、または(iii)R20およびR27の少なくとも1つがHである、または(iv)R21およびR28の少なくとも1つがHである、請求項1〜7および22〜23のいずれか一項に記載の化合物。
  25. 22およびR23がそれぞれHである、請求項1〜7および22〜24のいずれか一項に記載の化合物。
  26. 22およびR23の一方がHであり、他方が、シアノ、NO、N、またはC〜Cアルキルである、請求項1〜7および22〜24のいずれか一項に記載の化合物。
  27. がOである、請求項1〜7および22〜26のいずれか一項に記載の化合物。
  28. がS(O)である、請求項1〜7および22〜26のいずれか一項に記載の化合物。
  29. がNR24であり、ここで、R24が、Hまたはメチルである、請求項1〜7および22〜26のいずれか一項に記載の化合物。
  30. がCR2526であり、ここで、R25およびR26のそれぞれがHである、請求項1〜7および22〜26のいずれか一項に記載の化合物。
  31. がメチルである、請求項2〜30のいずれか一項に記載の化合物。
  32. が、ハロおよびシアノのうちの1つ以上で置換されるフェノキシルで置換されるエチルである、請求項2〜30のいずれか一項に記載の化合物。
  33. が、4−クロロフェノキシルエチル、4−ブロモフェノキシルエチル、または4−シアノフェノキシルエチルである、請求項32に記載の化合物。
  34. がNである、請求項5〜33のいずれか一項に記載の化合物。
  35. がN(R)であり、ここで、Rがメチルである、請求項5〜33のいずれか一項に記載の化合物。
  36. が、−OCHCH−または−OCHCH−Q−CHCH−である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の化合物。
  37. が、−O(CR4041u−1−CH(R41)−Q−CH(R43)−(CR4243v−1−であり、ここで、uおよびvのそれぞれが、独立して、1または2である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の化合物。
  38. 41およびR43のそれぞれがHであり、またはR41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、C〜Cシクロアルキル、5員〜8員ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールを形成し、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、または5員〜6員ヘテロアリールのそれぞれは、OH、ハロ、シアノ、オキソ、C〜Cアルキル、またはC〜Cハロアルキルのうちの1つ以上で任意に置換される、請求項37に記載の化合物。
  39. 41およびR43が、それらが結合される炭素原子およびQと一緒に、1,3−シクロヘキシル、2,6−テトラヒドロピラニル、2,6−テトラヒドロピラニル、または2,5−チアゾリルを形成し、これらのそれぞれは、1つ以上のOHで任意に置換される、請求項38に記載の化合物。
  40. が、O、S(O)、またはNHである、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物。
  41. がCR4546であり、ここで、R45およびR46のそれぞれがHであり、またはR45およびR46の一方がHであり、他方が、OP(O)(OH)またはOP(O)(F)(OH)であり、またはR45およびR46のそれぞれが、独立して、1つのOP(O)(OH)で任意に置換されるC〜Cアルキルである、請求項1〜39のいずれか一項に記載の化合物。
  42. が(OP(O)Rであり、ここで、mが、1または2である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の化合物。
  43. がOHである、請求項42に記載の化合物。
  44. 27およびR28のそれぞれが、独立して、OR29であり、R20、R21、R22、およびR23の少なくとも1つがHでない、請求項42に記載の化合物。
  45. 式(II):
    のものである、請求項1〜44のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩。
  46. が、
    である、請求項45に記載の化合物。
  47. が、
    である、請求項45に記載の化合物。
  48. が、H、または1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意にさらに置換されるC〜Cアルコキシルで任意に置換されるC〜Cアルキルである、請求項1〜47のいずれか一項に記載の化合物。
  49. が、Hまたはメチルである、請求項1〜48のいずれか一項に記載の化合物。
  50. が、CH(OCHCHOH)またはCH(OCHCHOCOCHである、請求項1〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  51. 29のそれぞれが、独立して、H、または1つ以上のOHまたはOC(O)−C〜Cアルキルで任意にさらに置換されるC〜Cアルコキシルに任意に置換されるC〜Cアルキルである、請求項1〜50のいずれか一項に記載の化合物。
  52. 29のそれぞれが、独立して、H、メチルまたはCH(OCHCHOH)、またはCH(OCHCHOCOCHである、請求項1〜51のいずれか一項に記載の化合物。
  53. 17が、Hまたはメチルである、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  54. 表1〜2および5〜8の化合物のいずれかから選択される、請求項1に記載の化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体および塩。
  55. のいずれかから選択される、請求項1に記載の化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体および塩。
  56. 前記化合物が、表面プラズモン共鳴(SPR)によって特徴付けられる真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E)と結合するとき、約10秒以上の滞留時間を有する、請求項1〜55のいずれか一項に記載の化合物。
  57. 5’末端が請求項1〜56のいずれか一項に記載の化合物を含むRNA分子。
  58. 5’末端が、式(III):
    (式中、波線が、結合点を示す)の化合物を含む、請求項57に記載のRNA分子。
  59. 前記RNA分子が、細胞環境中の対応する天然RNA分子の半減期の少なくとも1.2倍の半減期を有する、請求項57または58に記載のRNA分子。
  60. RNA転写物をキャッピングするためのキットであって、請求項1〜56のいずれか一項に記載の化合物と、RNAポリメラーゼとを含むキット。
  61. ヌクレオチドをさらに含む、請求項60に記載のキット。
  62. リボヌクレアーゼ阻害剤をさらに含む、請求項60または61に記載のキット。
  63. 緩衝液をさらに含む、請求項60〜62のいずれか一項に記載のキット。
  64. 請求項57に記載のRNA分子をインビトロで合成するための方法であって、ポリヌクレオチド鋳型のRNAポリメラーゼの、1つ以上のRNAコピーへの転写をもたらす条件下で;前記RNAポリメラーゼの存在下で;非修飾もしくは修飾ATP、非修飾もしくは修飾CTP、非修飾もしくは修飾UTP、非修飾もしくは修飾GTP、請求項1〜56のいずれか一項に記載の化合物またはその立体異性体もしくは塩、および前記ポリヌクレオチド鋳型を反応させることを含み;それによって、前記RNAコピーの少なくとも一部が、請求項1〜56のいずれか一項に記載の化合物またはその立体異性体もしくは塩を組み込んで、請求項57に記載のRNA分子を作製する方法。
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