JP2018528855A - P/金属−n−c型ハイブリッド触媒 - Google Patents

P/金属−n−c型ハイブリッド触媒 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの非貴金属遷移金属が共有結合された少なくとも1つの窒素ドープ炭素質マトリックスを備えるP/金属−N−Cハイブリッド触媒に関する。P/金属−N−Cハイブリッド触媒は、その質量に対して4.0%以下、好ましくは2.0%以下の少なくとも1つの部分的に酸化された貴金属遷移金属Pをさらに含む。本発明はまた、例えば高分子電解質膜を有する燃料電池のような装置含む電気化学装置に関する。

Description

本発明は、高分子電解質膜燃料電池(以下、「PEMFC」と略記する)などの各種エネルギー電気化学変換装置において、化学エネルギーから電気エネルギーを生成するハイブリッド触媒に関する。
最も高いエネルギー密度を有する電気化学変換装置においては、二酸素が酸化剤として使用される。これは、二酸素が空気中で利用可能であり、したがって、車両内または装置内に貯蔵しなくてもよいためである。二酸素は、これらのシステムにおいて、電気エネルギーの生成中に電気化学的に水に還元される。低温(すなわち、最高200℃)では、この複雑な電気化学反応は、許容可能な出力密度に達するために十分な触媒を必要とする。
本発明の文脈において、遷移金属は、不完全なサブシェルdを有するか、または不完全なサブシェルdを有するカチオンを与えることができる元素を意味する。したがって、国際純粋・応用化学連合(IUPAC)によっても提供されるこの定義は、すべてのランタニドおよびアクチニドを包含する。
本発明の文脈において、「金属−N−C型触媒」は、少なくとも1つの非貴金属遷移金属が共有結合で結合された窒素ドープ炭素質マトリックスを含む触媒を意味する。非貴金属遷移金属は、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、鉄およびコバルトから選択し得る。好ましくは、鉄およびコバルトからなる。したがって、Fe−N−C型触媒およびCo−N−C型触媒は、遷移金属として鉄およびコバルトをそれぞれ含む触媒である。非貴金属遷移金属は、これらの金属−N−C型触媒の活性部位を構成する。
本発明の文脈において、「P/金属−N−C型ハイブリッド触媒」は、少なくとも1つの貴金属遷移金属Pをさらに含む金属−N−C型触媒を意味する。貴金属遷移金属Pは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、金、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金およびセリウムから選択し得る。好ましくは、白金からなる。このようなハイブリッド触媒は、これらの貴金属遷移金属の少なくとも1つ、またはこれらの貴金属遷移金属の合金を含む。
現在までのところ、PEMFCのような種々の装置について考慮されているP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の触媒原理は、主として、白金のような貴金属遷移金属原子の酸素還元反応性にある。この点について、Gang Wuらの出版物(「Nitrogen−doped magnetic onion−like carbon as support for Pt particles in a hybrid cathod catalyst for fuel cells」, Journal of materials chemistry, Royal society of chemistry, GB, vol. 10, 2010, pages 3059−3068)には、このようなP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の例が記載されている。これらのP/金属−N−Cハイブリッド触媒は、同一の方法で合成されたがその後の貴金属Pの析出なしに合成された金属−N−C基準物質の触媒活性よりも高い触媒活性を特徴とする。このため、P/金属−N−C型ハイブリッド触媒を含むPEMFCカソードまたは非触媒材料上に担持された貴金属遷移金属粒子(例えば、白金)をベースとする非ハイブリッド触媒を含むPEMFCカソードは、電極1平方センチメートルあたりに一般に含まれる0.2〜0.4mgの、比較的高い重量の貴金属遷移金属を必要とする。例えば、PEMFC電池により生成された電力1kW当たり0.4gの重量の白金からなり得り、すなわち、100kWの出力を有する自動車用には、40gの白金からなり得る。
触媒活性が主に貴金属遷移金属原子に由来する上述した触媒の別の欠点は、燃料またはカソードで使用される空気から生じる得る相当数の化学物質による被毒である。例えば、白金表面は、一酸化炭素またはアンモニア(天然ガスから改質された二水素中に存在する)の存在下で、または、大気中において燃料電池および金属空気電池のカソードの酸化剤として見られるハロゲン化合物陰イオン(F、Cl、Br、I)の存在下で急速に被毒する。
さらに、貴金属遷移金属(例えば、白金)および現在のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒をベースとする非ハイブリッド触媒は、非選択的である。実際、二酸素の水への還元を触媒するだけでなく、過酸化水素の水への還元も触媒する。これにより、電気化学装置において、二酸素の水への還元の主な反応の間に少量で形成された過酸化水素の除去が可能になる。
貴金属遷移金属(例えば、白金)および現在のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒をベースとする非ハイブリッド触媒は、良好な電気化学的性能を有する。
しかしながら、貴金属遷移金属原子の反応性に基づく触媒原理のために、貴金属遷移金属(例えば、白金)または現在のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒をベースとする非ハイブリッド触媒を含む電極中の貴金属遷移金属の重量は高い。そして、原料のコストが高いために、これらの触媒の製造コストがかなり高くなる。また、貴金属遷移金属の欠乏およびその低い世界的な年間生産量(例えば、約200トンの白金が毎年生産される)が、PEMFCにより推進する車両の実現や、生産工程が多いモバイル電子デバイスのような他の一般向けの用途の実現に対する障害となっている。
このため、貴金属遷移金属またはP/金属−N−C型ハイブリッド触媒をベースとする非ハイブリッド触媒のための貴金属遷移金属の供給に関するこれらの欠点を考慮して、貴金属遷移金属が不足している一方で、十分に触媒的である別の触媒を開発する努力が追求されてきた。そこで、金属−N−C型触媒に着目した。
そして、ここ数年で、二酸素の電気化学的還元に使用される金属−N−C型触媒の合成および特性において大きな進歩があった。
しかし、このような触媒の活性および性能が、現在、電気化学装置の運転開始時に許容可能である場合、そのような触媒の耐久性は依然として非常に限定され、電気化学的システムの寿命が短くなる。実際、性能の低下は、電気化学装置のわずか数時間の運転後に既に観察可能であるが、これらの電極の技術的適用は、数百または数千時間の寿命を必要とする可能性がある。
よって、金属−N−C型触媒は耐久性が低く、特に、例えば、PEMFC、特にプロトン伝導性酸電解質を有するPEMFCにおいて、酸素の電気化学的還元に使用される場合、特に耐久性が低いという欠点を有する。
金属−N−C型触媒の分解メカニズムは、未だにほとんど知られていない。出願人の実験室における最近の研究によると、二酸素の水への電気化学的還元の間に生成される少量の過酸化水素が、電極の定常運転中の触媒の分解の大部分の起源であることが証明された。
実際、非選択的なP/金属−N−C型ハイブリッド触媒とは対照的に、金属−N−C型触媒は選択的であり、二酸素還元を触媒するのみで、過酸化水素の水への還元を触媒することはほとんど不可能である。
このため、二酸素の水への還元を触媒するために使用される金属−N−C型触媒を含む電気化学装置において、二酸素の水への還元中に並行して形成される過酸化水素は、電解質または電極中に蓄積され、(例えば、フェントン型反応を介して)非常に酸化性のラジカル種を形成するように、非貴金属遷移金属をベースとする活性部位に反応する。これらのラジカル種は、その後、電極に一体化された金属−N−C型触媒および/または高分子電解質を攻撃し、電気化学装置の寿命を大幅に短くする。
本発明は、貴金属遷移金属ベースの非ハイブリッド触媒またはこれまでに知られているP/金属−N−C型ハイブリッド触媒に固有の欠点、および、上記で想起されたもの、すなわち、高価な原材料による製造コストや、1kWあたりに必要な大量の貴金属遷移金属や、電気化学装置に存在し得る相当数の化学物質による急速な被毒などの欠点をも有さない、経時的に安定的な新規のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を提供することにより、これらの金属−N−C型触媒に関する欠点を克服する。
本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を含む電極の性能は、PEMFCのカソードでの動作中、経時的に安定している。
本発明に係るP/金属−N−Cハイブリッド触媒は、これまでに知られている金属−N−C型触媒よりも高い耐久性を有する。
したがって、本発明の目的は、少なくとも1つの非貴金属遷移金属が共有結合される少なくとも1つの窒素ドープ炭素質マトリックスを備えたP/金属−N−C型ハイブリッド触媒であり、前記触媒はさらに、部分的に酸化され、かつ、重量パーセントがP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して4.0%以下、好ましくは2.0%以下である、少なくとも1つの貴金属遷移金属Pを備える。
本発明の文脈において、「部分的に酸化された貴金属遷移金属P」とは、平均酸化状態が0.5〜4.0、好ましくは0.5〜2.5である貴金属遷移金属Pを意味する。
本発明において、貴金属遷移金属Pの「平均酸化状態」とは、触媒中に存在する各貴金属P原子の酸化状態を合計し、次いで、この合計を触媒中に存在する貴金属P原子の総数で割ることによって得られたであろう値を意味する。
好ましくは、貴金属遷移金属Pの重量パーセントは、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して、0.1%〜4.0%、好ましくは0.2%〜2%である。
好都合には、貴金属遷移金属の重量パーセントは、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して0.2〜2.0%である。よって、これは、P/金属−N−C型ハイブリッド触媒1平方センチメートルあたり4ミリグラムが充填された電極について、電極1平方センチメートルあたり8〜80マイクログラムの貴金属遷移金属の量に相当する。電極1平方センチメートルあたり8〜80マイクログラムの貴金属遷移金属の量は、次世代のPEMFC用カソード触媒のために自動車産業が採用した閾値である、1平方センチメートルあたり0.1ミリグラムの白金の閾値よりも小さい。
よって、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒において、貴金属遷移金属の量は、以下のような従来技術の触媒に含まれる量よりもはるかに少ない:
− 金属形態の貴金属遷移金属を含むP/金属−N−C型ハイブリッド触媒(ハイブリッド触媒における貴金属遷移金属の金属形態は、ハイブリッド触媒の原料として使用された貴金属遷移金属塩が、ハイブリッド触媒の製造中に完全に還元されたという事実に起因する)、または
− 貴金属遷移金属または貴金属遷移金属と種々の遷移金属との金属合金(例えば、白金のPtM型合金(Mは、鉄、コバルトまたはニッケルのような遷移金属である))がベースとなる触媒であり、
このとき、酸素還元反応が貴金属遷移金属の表面で起こる。例えば、PtM型触媒では、金属原子の75%が白金原子からなる。これらの従来技術の触媒では、電気化学的活性は、白金のような貴金属遷移金属の電気化学的活性に固有のものである。
本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒における貴金属遷移金属の量を減少すると、統合されたPEMFCの総コストが約20〜30%低減する利点があり(このパーセンテージは貴金属遷移金属のコストに依存する)、これは、金属−N−C型触媒と比較して、本発明係る触媒のより高い耐久性を確保する。
例えば、白金の重量パーセントが1.0%である本発明に係るPt/Fe−N−Cハイブリッド触媒(すなわち、非貴金属遷移金属は鉄であり、貴金属遷移金属は白金である)は、PEMFCにおける少なくとも80時間の操作のあいだ完全に安定であり、エネルギー密度は、白金0.12g/kWであり、すなわち、目標閾値の白金0.1g/kWに近い。
本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒における二酸素還元のための最も活性な触媒部位に対応する非貴金属遷移金属原子は、窒素ドープ炭素質マトリックス上に原子状に散乱する。これらの触媒部位を、以後、「金属N活性部位」と呼ぶ。指数xは、中央の非貴金属遷移金属原子付近の第1配位圏に存在し、当該原子に化学結合によって結合された窒素原子の数を示し、指数yは、中央の遷移金属原子付近の第2配位圏に存在する炭素原子の数を示す。これらの炭素原子は、(i)金属付近の第1配位圏に順に属する少なくとも1つの窒素原子に化学結合によって結合されているか、または(ii)貴金属原子から(金属原子と(i)で定義した炭素原子との間の径方向距離に等しい)径方向距離に位置している。
窒素および/または炭素原子との化学結合によって安定化されたイオンの形態の原子レベルでの非貴金属原子の散乱(2つの非貴金属原子間の化学的または物理的結合がない)は、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の触媒活性を担う。この原子レベルでの散乱は、
− X線吸収分光法により実証することができ、この場合、鉄およびコバルトのような非貴金属遷移金属の金属粒子(金属のゼロ酸化状態)、金属炭化物、および金属酸化物に対する金属−金属相互作用に対応する信号は不在であり、
− 場合により、Fe−N−C触媒について、メスバウアー(Mossbauer)57Fe分光法により実証することができ、この場合、メスバウアースペクトル(Mossbauer spectrum)における鉄炭化物、鉄酸化物および金属鉄(ゼロ酸化状態)に特徴的な六重項および一重項は不在である。
窒素性炭素マトリックス内に原子ごとに散乱することに加えて、本発明の触媒中の非貴金属原子は、このマトリックスの部分ではなく、窒素性炭素マトリックスの表面に位置する。この金属イオンの表面配置は、「オペランド(operando)」のX線吸収分光法により確認することができ、すなわち、酸性電解質に浸漬し、電極に印加される一連の電気化学的ポテンシャル(触媒表面と電解質との間の電位差)に対応する金属−N−C触媒電極の一連のX線吸収スペクトルを測定することによって確認することができる。電極に印加された電気化学的ポテンシャルによる鉄の閾値付近のX線吸収スペクトルの修正と、等吸収点と呼ばれる点における異なるスペクトルの重なりとにより、金属N部位が窒素ドープ炭素マトリックスの表面に位置することが実証される。したがって、原子ごとの散乱および金属N部位の表面配置のおかげで、酸素還元触媒反応のための非貴金属原子の使用が最大化される。
しかし、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒では、非貴金属遷移金属原子の一部が、金属粒子または金属炭化物の形態で存在し得る。非貴金属遷移金属のこれらの結晶相は、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の出発成分である金属−N−C触媒の高温での合成中に、金属N活性部位と並行して生成し得る。
非貴金属遷移金属は、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、鉄およびコバルトから選択することができ、これらを単独でまたは組み合わせて、または非貴金属遷移金属の合金として選択し得る。好ましくは、鉄およびコバルトからなる。
貴金属遷移金属は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、金、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金およびセリウムから選択することができ、これらを単独でまたは組み合わせて、または少なくとも1つの貴金属遷移金属または非金属遷移金属との合金として選択し得る。好ましくは、白金からなる。
好ましくは、貴金属遷移金属は、ナノ粒子の形態である。好都合には、ナノ粒子のサイズは、1nm〜10nm、好ましくは2nm〜4nm、さらに好ましくは1nm〜2nmである。
本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒は、貴金属遷移金属のナノ粒子においてナノ細孔(すなわち、20オングストローム未満の細孔)および/またはメソ細孔(すなわち、20〜500オングストロームの間のサイズを有する細孔)を含む。
異なる種類の細孔によって生成される比表面積は、300m−1より大きくてもよい。本発明の実施形態では、比表面積は、約100m−1と約1600m−1との間である。
貴金属遷移金属は、均質に散乱され、本発明に係るP/金属−N−C型触媒の金属N活性部位の近傍に位置してもよい。
本発明の文脈において、「の近傍に位置する」とは、代表的な非貴金属遷移金属ベースの触媒の中心(すなわち、金属N活性部位)を考慮すると、金属N活性部位に最も近い貴金属遷移金属粒子は、50nm未満、好ましくは20nm未満の距離に位置する。
部分的に酸化された貴金属遷移金属の粒子は、活性部位による二酸素の、触媒および電解質(例えば、水および二酸素)に対して無害な化合物への還元の間に生成されたラジカル種を、化学的に分解する。
この部分的に酸化された貴金属遷移金属粒子の触媒機能は、P/金属−N−C型ハイブリッド触媒または貴金属遷移金属ベースの非ハイブリッド触媒においてこれまで使用されている貴金属遷移金属粒子のそれとは異なる。
これらの関連技術の触媒では、貴金属遷移金属原子は、貴金属遷移金属粒子の内部で還元状態(すなわちゼロ酸化状態)であり、これは、二酸素の電気化学的還元および過酸化水素の電気化学的還元の両方のための電気触媒特性を与える。例えば、ゼロ酸化状態の金属白金は、過酸化水素の電気還元のための最も活性な触媒であることが知られている。
本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒では、
− 金属N活性部位により確保された二酸素電気還元の触媒機能を切り離し、
− 部分的に酸化された貴金属遷移金属粒子により確保されたラジカル種の化学分解の触媒機能を切り離すことにより、
貴金属遷移金属の量を従来技術の触媒のそれと比較して大幅に減少させることができる一方、二酸素還元における良好な触媒活性を維持しながら、本発明に係る触媒の良好な安定性を確保する。
また、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒は、貴金属遷移金属表面にとって毒であることが知られている化学物質(例えば、ハライドイオンおよび白金のための一酸化炭素)に対して感度が低く、さらには感度がない。これは、本発明に係る触媒中の貴金属遷移金属粒子の部分的に酸化された状態と、非貴金属遷移金属ベースの活性部位(すなわち、金属N活性部位)の、化学物質に対する既知の感度の欠如とによるものである。
本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒では、貴金属遷移金属は、電気化学装置の作動中の二酸素の還元のための金属N活性部位の安定剤として使用される。
このため、関連技術において知られているP/金属−N−C型ハイブリッド触媒とは異なり、本発明に係る触媒においては、それに含まれる貴金属遷移金属は、触媒の二酸素還元のための触媒活性に寄与しないが、触媒の非貴金属遷移金属ベースの活性部位(すなわち、金属N活性部位)を、経時的に、電気化学装置の動作中に保護する。二酸素を水に還元する触媒機能は、金属N活性部位によってのみ確保される。
また、貴金属遷移金属粒子の内部に位置する貴金属遷移金属原子がゼロ酸化状態にある、従来技術において知られている貴金属遷移金属ベースの非ハイブリッド触媒およびP/金属−N−C型ハイブリッド触媒とは異なり、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒では、それに含まれる貴金属遷移金属原子は部分的に酸化された状態にあり、これは貴金属遷移金属粒子の内部でさえもある。これにより、貴金属遷移金属をベースとする非ハイブリッド触媒または二酸素還元の関連技術において知られているP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の中に配置されている貴金属遷移金属の分光特性とは明らかに異なる貴金属遷移金属の分光特性が、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒に与えられる。この点について、本発明に係るPt/Fe−N−Cハイブリッド触媒中の白金原子周辺の化学的状態および構造的雰囲気を、白金の吸収閾値LでのX線吸収分光法により研究を行った。その結果は、以下の実験部分に詳述する。
本発明に係るP/金属−N−C系ハイブリッド触媒はまた、その製造方法に関する技術的特徴を有する。
このため、本発明は、
a) 金属−N−C型ハイブリッド触媒を提供する工程と、
b) 金属−N−C型ハイブリッド触媒を貴金属遷移金属Pの塩の少なくとも1つの溶液に含浸させて均質混合物を獲得する工程と、
c) 工程b)で得られた均質混合物に少なくとも1回の熱処理を施す工程と、を少なくとも含む製造方法によって得ることができるP/金属−N−C型ハイブリッド触媒に関する。熱処理は、0〜700℃、好ましくは100〜700℃の間の温度で、不活性または還元性(好ましくはわずかに還元性の)雰囲気中での加熱からなり、そして、貴金属遷移金属Pが部分的に酸化されている(言い換えると、金属塩として初期の酸化状態に関して部分的にのみ還元されている、または、最終的なハイブリッド触媒においてゼロより大きい平均酸化状態で部分的に酸化されている)P/金属−N−C型ハイブリッド触媒を獲得し、
貴金属遷移金属Pの塩の溶液の濃度は、貴金属遷移金属Pの重量パーセントが、工程c)の完了時に得られるP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して4.0%以下、好ましくは2.0%以下となるとなるように、所定の方法で選択される。
貴金属遷移金属塩の溶液の濃度は、貴金属遷移金属の重量パーセントが、工程c)の完了時に得られるP/金属−N−C型ハイブリッド触媒、すなわち本発明に係る触媒の重量に対して、0.1〜4.0重量%、好ましくは0.2〜2重量%となるように、選択し得る。
貴金属遷移金属の重量パーセントが上記の範囲内にある本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を得るための貴金属遷移金属塩の溶液の濃度の決定は、当業者の完全な範囲内にある。
実際、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒における貴金属遷移金属の所望の重量含量に合わせて、当業者は、何ら困難なく、貴金属遷移金属塩の溶液を所定の濃度(すなわち、適切な濃度)で調製するであろう。
工程a)で提供される金属−N−C型触媒は、熱分解プロセスまたは有機合成により獲得し得る。
例えば、有機合成は、炭素質マトリックスまたは任意の他の電子伝導性支持体の表面で非貴金属遷移金属ベースの大環状分子を共有結合的にグラフトすることによって、行ってもよい。
大環状分子は、環状巨大分子または巨大分子の環状部分、あるいは巨大分子として定義するには分子量が不十分であるが大きな環状構造(典型的には、15原子以上の周期)を有する有機分子または有機金属分子のいずれかである(巨大分子とは、少なくとも約1000個の原子を含む分子を意味する)。最も知られている合成有機金属大環状分子の中で、金属フタロシアニンおよび金属ポルフィリンが挙げられる。生物学に存在し、非貴金属遷移金属を含む大環状分子を含む分子の中で、ビタミンB12(CoN中心パターン付近のサイクル)、または、ヘム下部構造(ヘムは鉄ポルフィリンであり、FeN中心パターン付近に1サイクルの原子を含む)を含む金属タンパク質が挙げられる。
電気化学装置における使用に適した、部分的に炭酸化された、または、完全に非炭酸化された、電子伝導性支持体は、例えば、金属炭化物(炭化チタン、炭化タングステン)、酸化物(酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化モリブデン)である。これらの酸化物のいくつかは、低電子伝導体であるが、電子伝導性を高める第二金属元素でドープされてもよい。上述の酸化物をドープするために最も一般的に使用される金属の1つは、アンチモンである。
熱分解は、有機前駆体または有機金属前駆体および非貴金属遷移金属の塩の存在下において、不活性または還元性雰囲気中で行うことができる。
本発明の実施形態では、金属−N−C型触媒は、金属−N−C型触媒の前駆体をアルゴン下で1050℃で1時間にわたり熱分解した後に得られた。
熱分解プロセスまたは有機合成による金属−N−C型触媒の製造は、完全に当業者の範囲内にある。
工程b)は、周囲温度および大気圧下で行ってもよい。
好ましくは、工程b)において、貴金属遷移金属塩の溶液は、白金塩の溶液である。例えば、INTERCHIM社により市販され、水に溶解されている、99%の純度を有する式[Pt(NH]Cl2*HOの白金塩の溶液からなり得る。
本発明の実施形態では、工程c)の熱処理は、二水素と二窒素との混合物(例えば、モル%で表された5%の二水素および95%の二窒素)を含む雰囲気中で560℃で2時間にわたる加熱からなる。
本発明の実施形態では、工程c)の熱処理は、約300℃〜約600℃の間の温度で、約15分〜約2時間の間、電気加熱炉において行われる。
熱処理は、
− いわゆる「従来の」炉、すなわち抵抗の電気エネルギー散逸によって加熱される炉や
− 電磁波放射に基づく機能を有する炉(例えば、マイクロ波炉またはランプ炉)において行われる。
熱処理の十分な持続時間は、この工程c)を行うために選択された熱器具に合わせて決定される。
熱処理中、雰囲気は不活性(例えば、二窒素またはアルゴン)または還元、好ましくは僅かに還元(例えば、二水素、アンモニア、またはこれら2つの還元性ガスと不活性ガスとの混合物)される。
雰囲気が還元されており、不活性ガス(例えば、二窒素、アルゴン、ヘリウム)と還元ガス(例えば、二水素、メタン、プロパン、アセチレン)との混合物を含む場合、貴金属遷移金属塩の還元状態は、主に、混合ガス中に存在する還元性ガスのモル%によって制御される。
雰囲気が不活性である場合、塩還元状態は、雰囲気の性質以外の第2パラメータ、例えば熱分解温度および/または熱分解持続時間によって制御される。
好都合なことに、熱処理の間、雰囲気は、2モル%〜20モル%の還元性ガスを含む気体混合物からなり、貴金属遷移金属の塩を部分的に還元するのに必要な熱処理時間は、長すぎず(長すぎると、高コストになる)、かつ短すぎない(短すぎると、加熱装置、特に電気抵抗によって加熱される炉の短時間の制限により、問題がおこる)ようになっている。
0.5〜2.5の白金原子の平均酸化状態を有する部分的に酸化された白金ナノ粒子を含むPt/Fe−N−C型ハイブリッド触媒が得られる本発明の実施形態では、工程c)の熱処理のために使用される加熱装置は、THERMCRAFT社のスプリットヒンジ管炉(model Express−line, 1 heating area)と、直径約4cmの石英管と、石英ナセルとを備える。
Pt/Fe−N−C系ハイブリッド触媒前駆体の粉末(すなわち、Pt/Fe−N−C系ハイブリッド触媒中の白金の重量含量が1%となるように予めFe−N−C系触媒と混合した[Pt(NH)4]Cl*HO塩)は,石英ナセル内に堆積され、ナセルを含む石英管は、二窒素に接続される。
二窒素の流れによる石英管内の空気の排気の後、石英管とナセルとからなる管状炉(窒素ガス気流下の敷居)は、1分間当たり4℃の平均速度で560℃の温度まで加熱され、そして、モルパーセントで表すと5%の二水素と95%の二窒素とを含む気体混合物の流れの下、560℃の温度で2時間保持する。その後、管状炉を開き、石英管を加熱領域から取り出し、二窒素の気流下において、周囲温度で自然冷却する。
場合により、製造方法はさらに、工程c)の完了時に得られたP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を冷却する工程を含む。
製造方法が終了すると、比表面積が大きく、表面に貴金属遷移金属の粒子が析出したP/金属−N−C型ハイブリッド触媒が得られる。ハイブリッド触媒の大きな比表面積は、貴金属遷移金属の粒子が一体化されたミクロ細孔およびメソ細孔によって生成される。好ましくは、貴金属遷移金属粒子は、上述のナノ粒子からなる。
本発明はまた、上述のものとは若干異なる製造方法により得られるP/金属−N−C型ハイブリッド触媒に関し、当該製造方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i. 金属− N−C型触媒の前駆体と貴金属遷移金属Pの塩の少なくとも1つの溶液とを混合して均質混合物を獲得すること、および
ii. 工程i)で得られた均質混合物に少なくとも1回の熱処理を施すこと、を含み、熱処理は、不活性または還元性雰囲気中で500〜1100℃の温度での加熱を含み、そして、貴金属遷移金属Pが部分的に酸化されているP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を獲得し、
貴金属遷移金属Pの塩の溶液の濃度は、貴金属遷移金属Pの重量パーセントが、工程ii)の完了時に得られるP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して4.0%以下、好ましくは2.0%以下となるとなるように、所定の方法で選択される。
貴金属遷移金属塩の溶液の濃度は、貴金属遷移金属の重量パーセントが、本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して、0.1〜4.0重量%、好ましくは0.2〜2重量%となるように、所定の方法で選択し得る。
貴金属遷移金属の重量パーセントが上述したような間隔内に位置する本発明に係るP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を得るための貴金属遷移金属塩の濃度の決定は、当業者の範囲内である。
この第2製造方法の工程ii)の特徴は、上述の第1製造方法のものと同様であってよい。
本発明のもう一つの目的は、上述の本発明に係る少なくとも1つのP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を含む電気化学装置である。
好都合には、電気化学装置は、金属空気電池、低温で動作する燃料電池、例えばPEFMCから選択される。
本発明の実施形態では、電気化学装置は、カソードでの電気化学的反応が酸素還元からなる装置である。カソードは、脱分極性である。
本発明は、以下の詳細な説明からよりよく理解される。この詳細な説明は、添付図面を参照しており、非限定的な例として、本発明に係るP/Fe−N−C型ハイブリッド触媒から得られ、従来技術の触媒で得られたものと比較される実験結果を含んでいる。
6つの触媒についての回転ディスク電極における二酸素還元の分極曲線を示す。 Koutecky−Levich方程式を用いて、酸性電解質における二酸素の拡散による制限を補正するように曲線を補正した後の、図1に示された曲線の動的部分を示す。 試験された4つ触媒について、回転ディスク電極における過酸化水素の還元(電流iは0より小さい)および酸化(電流iは0より大きい)の分極曲線を示す。 試験した4つの触媒について、回転ディスク電極におけるプロトンの二水素への還元(電流iは0より小さい)および二水素のプロトンへの酸化(電流iは0より大きい)の分極曲線を示す。 試験した5つの触媒について、PEMFCにおける分極曲線を示す。 図6は、試験した5つの触媒について、0.5Vに設定したPEMFC電位を用いた時間の関数としての電流密度を示す。 膜のオーム抵抗を考慮した補正後の分極曲線と、試験した5つの触媒について、0.5VでPEMFCを50時間作動させた後の分極曲線とを示す。 試験した5つの触媒ついて、0.5VでのPEMFCの50時間の操作の前後で、0.8Vの電池における二酸素還元反応の活性を示す。 試験した触媒Eについて、0.5Vに設定したPEMFC電位を用いて200時間にわたる時間の関数としての電流密度を示す。 0.5Vの電位でのPEMFCの200時間の運転の前後で、試験された触媒Eの0.8Vに設定されたPEMFC電位での触媒活性を示す。 触媒CおよびEおよび白金金属シートの白金の吸収閾値L付近のX線吸収スペクトルを示す。 白金の吸収閾値L付近の図9のスペクトルの拡大図である。 本発明に係る触媒CおよびEの白金の微細構造(以下、「EXAFS」と略記する)におけるX線吸収信号のフーリエ変換のグラフであり、白金金属シートの白金に対するEXAFS信号のフーリエ変換と比較している。 一酸化炭素および金属白金粒子(粒子内がゼロ酸化状態の白金原子)を特徴付けるために知られている分子の電気化学的検出試験の曲線を示し、触媒Dを用いて0.5VでPEMFCを50時間試験した前後の曲線の比較を示す。 0.5Vで50時間の電池内での試験の前後における、触媒Dの白金の吸収閾値L付近のX線吸収スペクトルを示す。
以下の実験を実施し、従来技術で知られている貴金属遷移金属をベースとする触媒に関する本発明に係る3つのハイブリッド触媒の特性および性能を比較した。
試験した触媒の技術的特徴は以下の通りであった:
− 触媒A:Fe−N−C型触媒、すなわち鉄原子が共有結合した窒素ドープ炭素質マトリックスからなる触媒
− 触媒B:以下に詳述する熱処理を施した触媒A。この処理は、触媒Bの比表面積を、触媒Aのものと比較して増加させる効果を有していた。この触媒Bは、白金を含まないFe−N−C「基準」触媒であった。
− 触媒C:触媒Aの後官能化後に得られた本発明に係る第1触媒。後官能化は、触媒Bのものと同じ熱処理を含むが、還元された金属白金塩がさらに存在する。触媒C中の白金の重量含有率は、触媒Cの全重量に対して0.5%であった。
− 触媒D:触媒Aの後官能化後に得られた本発明に係る第2触媒。後官能化は、触媒Bのものと同じ熱処理を含むが、部分的に還元された白金塩がさらに存在する。触媒D中の白金の重量含有率は、触媒Dの全重量に対して1.0%であった。
− 触媒E:触媒Aの後官能化後に得られた本発明に係る第3触媒。後官能化は、触媒Bのものと同じ熱処理を含むが、部分的に還元された白金塩がさらに存在する。
− 触媒E中の白金の重量含有率は、触媒Eの全重量に対して2.0%であった。
− 触媒F:Pt/C型市販触媒、すなわち、炭素質マトリックスを含み、白金ナノ粒子が合成された触媒。白金の重量パーセントは、触媒Fの全重量に対して46%であった。この触媒は、日本の会社Tanaka Kikinzokuによって市販されている。
Fe−N−C型触媒Aの前駆体は、以下からの遊星ミルで製造されている:
− BASF社から商品名Basolite(登録商標)Z1200(以下、「ZIF−8」と略記する)で市販されている、式ZnN12の、Zn(II)カチオンおよびメチルイミダゾレート配位子を含む結晶化多孔質ハイブリッド固体、
− Fe(II)塩、すなわち水和していない酢酸鉄、
− Fe(II)イオンのための第2窒素配位子、すなわち1,10−フェナントロリン。
鉄塩およびフェナントロリンのZIF−8の乾燥粉末を所望の割合に秤量し、次いで酸化ジルコニウムるつぼに入れた。粉砕前の触媒前駆体は1重量%の鉄を含有し、ZIF−8上のフェナントロリンの重量比は20/80であった。その後、直径5mmの酸化ジルコニウム100ボールを、密封されたるつぼに加え、FRITSCH社からPulverisette 7 Premium(登録商標)の商品名で市販されている遊星ミルに配置した。400rpmの速度で30分間の4サイクルを行い、粉末を混合した。得られた触媒A前駆体を1050℃で1時間熱分解して、触媒Aを得た。
本発明に係るハイブリッド触媒C〜Eは、以下のようにして得られた。
300mgの触媒Aを、白金塩の溶液、すなわち、水に溶解された、INTERCHIM社から市販されている、純度99%の式[Pt(NH] Cl2*HOの白金塩の溶液で含浸させた。
これを行うために、触媒C〜Eの各々について、合計550μLの白金塩溶液を100μLの部分ごとに触媒粉末上に注ぎ、それに応じて得られた混合物を乳鉢に100μLずつ注いだ。含浸の終わりに、得られた混合物は、白金塩溶液によるFe−N−C型触媒Aの細孔の完全な充填の特徴であるわずかに濁った態様を示した。
上述した触媒C〜Eの含量を得るために、白金塩溶液の濃度を適宜調整した。
このようにして得られた含浸サンプルを、オーブンにおいて80℃の空気で2時間乾燥させた。
この乾燥が完了して得られた粉末は、石英管に順に入れられた石英ナセルに配置した。このセットを管状炉に導入して、二水素と二窒素の混合物(モルパーセントで表すと、二水素5%および二酸化窒素95%)を含む大気において、560℃で2時間加熱する熱処理を施した。
その後、熱処理の完了後、粉末を二窒素雰囲気下で冷却した。
触媒Bは、白金塩溶液が含浸されていないが、上述のものと同様の熱処理および冷却工程を施した触媒Aから調整した。
触媒A〜Eの比表面積は、二窒素吸着およびBrunauer−Emmett−Teller方程式による吸着等温線の分析によって決定した。
以下の表1に、二窒素吸着により測定さらた触媒A〜Eの比表面積と、触媒Aの表面積に対する触媒B〜Eの表面積増加率、言い換えると、上述の熱処理の後の表面積の増加率とを明示する。
表1に見られるように、熱処理により触媒の表面積がかなり増加し、白金の量は触媒B(白金なし)によって示されるように表面積の増加に大きな影響を及ぼさないことに留意されたい。よって、二水素/二窒素下での熱処理のみが、触媒の表面積の増加を誘発した。
触媒A〜Eを含む触媒膜を、以下の方法で回転ディスク電極の上に堆積した。
触媒インクを、触媒10mgと、DuPont社により市販されているNafion(登録商標)溶液(アルコールベースの溶液に分散したNafion(登録商標)ポリマー5重量%)108μLと、API France社により市販されている純度99%のエタノール300μLと、超純水36μLと、を用いて調製した。触媒インクを、超音波浴中で少なくとも30分間均質化した。その後、このインク7μLを、光沢カーボン製の直径5mmのディスク上に堆積させ、触媒負荷が800μg/cmの触媒膜を有する回転ディスク電極を得た。
試験した各電極について、総触媒負荷は800μg/cmであった。
よって、電極における白金含量は、
− 触媒Cは4μg/cmであり、
− 触媒Dは8μg/cmであり、
− 触媒Eは16μg/cmであった。
触媒Fを含む電極に関して、この電極における白金負荷は20μg/cmであった。これを行うために、1.4mgの触媒Fを超音波処理によって3mLの水に分散させ、20μLをガラス状カーボン電極先端に付着させ、空気下で乾燥させた。
回転ディスク電極を含む電気化学素子はさらに、
− ガラス電池と、
− HClO4を0.1mol/Lの濃度で含むpH1の酸性電解質と、
− カーボン対電極と、
− 別の区画(この区画は、ガラス焼結体によって主コンパートメントに電解的に接続されている)に浸漬され、同じ電解質を含むが飽和した水素を含む白金ワイヤーで構成された水素基準電極(以下、「HRE」と略記する)と、
− Princeton Applied Research社によりVersastat(登録商標)の商品名で市販されているポテンシオスタット(potentiostat)と、を備えていた。
回転ディスク電極を含む装置の実験条件は以下の通りであった:
− 周囲温度、
− 電極の回転速度:1600rpm、
− HREに対して0.05〜1.1Vの20ボルタンメトリーサイクルを行い、回転ディスク電極をクリーニングした。
その後、ボルタンメトリーサイクルを、HREに対して0.2〜1.0Vで、窒素飽和電解質中および二酸素中の走査速度10mV/sで行った。二窒素下で測定された曲線を、二酸素下で測定された曲線から差し引き、非ファラデー電流(すなわち、容量性電流のような二酸素還元に関係しない電流)を除去した。 また、曲線を、電解質の抵抗降下(この装置では約20オームの抵抗)に合わせて補正されている。
図1には、回転ディスク電極から得られた二酸素の還元の分極曲線と、試験された触媒A〜Fによる分極曲線とが示されている。
図1の曲線は、二酸素の還元のための最良の触媒が触媒Fであることを示している。実際、酸素還元反応の反応速度は約0.9−1.0VHREで示されている。
より低い電位では、触媒Fの曲線は、二酸素還元の電気化学的反応速度に関係しない電流のプラトーを示すが、
i) 電解質に溶解した二酸素の最大可能拡散流(これは電極の回転速度に依存する)と、
ii) 二酸素還元反応(二酸素の本質的な水への還元だけでなく、数%の二酸素分子の、水の代わりの過酸化物への還元)に対する触媒の選択性と、により定義される。
触媒Aは、約−150mVでより負の電位に向かってシフトする酸素還元反応の分極曲線の動的部分を有する。これは、反応速度が減少することを意味する。それにもかかわらず、低電位での拡散限界電流は、触媒Fの拡散限界電流に近く、それにより、触媒Aに対する二酸素還元反応の生成物が本質的に水であることが示される。
触媒Bは、熱処理された触媒Aに相当し、その表面積が増加した。触媒Bの活性は、触媒Aの活性よりも約50mVだけ高く、触媒Fの活性よりも約100mVだけ低い。曲線の動態は、0〜−2mA/cmの範囲にある。その拡散限界電流は、触媒Fの拡散限界電流と等しく、それにより、二酸素の水への実質的な還元が示される。
0〜−2mA/cmの触媒B〜Eの曲線の部分(すなわち、動態)のほぼ重なり合いを考慮すると、本発明に係る3つのハイブリッド触媒C〜Eは、基準触媒Bとほぼ同じである二酸素還元反応の活性を有する。
これは、本発明に係る触媒C〜Eの二酸素還元反応触媒機能は、熱処理によって得られたFe−N−C触媒の触媒表面にのみ存在し、かつ、熱処理の実施前に添加された白金塩には存在しないことを示す。
以下の表2は、触媒A〜Eについて、異なる電位(すなわち、0.8VHRE、0.85VHREおよび0.9VHRE)での触媒の重量当たりの活性を示す。
表2に見られるように、触媒Aの活性と触媒B〜Eの活性とを比較すると、熱処理が触媒の活性を3〜4倍増加させる効果を有することがわかる。この触媒の活性の増加は、表1の結果を用いて上述した熱処理の後に触媒の表面積の増加と相関される。
図2は、Koutecky−Levich方程式を用いて、二酸素の拡散による制限を補正するように曲線を補正した後の、図1に示された曲線の動的部分を表す。
二酸素反応の反応速度は、電流と電気化学的ポテンシャルとの間の指数法則、すなわち半対数スケールEHRE vs log(i)上の直線によって決定される。
図2は、
− 曲線同士の傾きが類似していることを示し、これは、二酸素還元反応のメカニズムが異なる触媒について類似していることを意味する。しかし、
− 反応速度が異なることも示しており、例えば、0.9V vs HREでの所与の電気化学的ポテンシャルでの電流密度を収集することによって、二酸素還元反応の活性を定量化することができる:触媒Fについては約6mA/cm、触媒Bについては0.2mA/cm、触媒C〜Eについて0.2〜0.3mA/cmの間である。
この二酸素還元反応の活性の正確な定量化は、本発明に係る触媒C〜E中の白金が二酸素還元反応に対して活性でないことを示す。実際に、基準触媒B対して、本発明に係る触媒C〜Eの活性の顕著な増加はない。
しかし、本発明に係る触媒C〜Eにおける白金の含量が低い(すなわち、0.5, 1または2%)にもかかわらず、本発明に係る触媒C〜Eにおける白金粒子の構造が触媒Fにおけるものと同じであれば(すなわち、ゼロ酸化状態の金属白金ナノ粒子)、触媒Bの活性に対する本発明に係る触媒C〜Eの活性の増加が観察されたであろう。
実際、触媒Fを含む電極は20μg/cmの白金を含有し、触媒Eを含む電極はほぼ等量の白金、すなわち16μg/cmを含有し、これは、これら2つの触媒における白金ナノ粒子のサイズが類似していることを考慮しており、二酸素還元反応の類似の活性が、これらの2つの触媒EおよびFの間で観察されたであろう。しかし、このようにはならなかった。
これは、本発明に係るハイブリッド触媒C〜Eに含まれる白金は、二酸素還元反応には活性ではないことを示す。その構造は、触媒Fに含まれる金属白金の構造とは異なる。
上述した触媒を実施する回転ディスク電極の同様の実験技術を用いて、過酸化水素還元反応の反応速度を研究した。
図3は、回転ディスク電極における過酸化水素減少の分極曲線を示す。
これらの実験において、回転ディスク電極を含む装置の実験条件は以下の通りであった:
− 0.1mol/Lの濃度で二窒素飽和され、3ミリmol/Lの濃度の過酸化水素を含むHClO4を含有するpH1の酸性電解質、
− 周囲温度、
− 電極の回転速度:1600rpm。
図3の曲線に見られるように、触媒Fは非常に活性であることがわかる:
− 過酸化水素の水への電気化学的還元反応の場合、これは負の電流を考慮しており、また、
− 過酸化水素の二酸素への電気化学的酸化の場合、これは正の電流を考慮しており、
ゼロ電流電位は0.9〜0.95V vs HREであり、これは還元された白金表面の特徴である。
逆に、触媒A、BおよびDは、過酸化水素の還元および酸化反応に対してほとんど活性がない。これは、活性部位が鉄をベースとする触媒の特徴である。
よって、図3の曲線はまた、本発明に係る触媒が含むプラチナ構造が、触媒Fの構造のように金属白金からなるものではないことを明確に示す。本発明に係る触媒中に存在する白金は、二酸素還元反応中に生成される少量の過酸化水素の電気化学的還元に寄与しない。
その後、本発明に係る触媒中に存在する白金の第3触媒機能、すなわち二水素の電気化学的酸化を研究した。実際に、PEMFCでは、低流量の二水素は、アノードとカソードとを分離する高分子膜を通過する。膜を通って拡散した二水素は、カソードの二酸素と化学的に反応して、・OHおよび・OOHのような極めて酸化性のラジカル種を形成し得る。これらのラジカル種は、膜または触媒を攻撃し得る。
そこで、同じ回転ディスク電極の実験技術を用いて、二水素のプロトンHへの酸化の反応速度と、プロトンH+の二水素への還元の反応速度を研究した。
図4は、回転ディスク電極におけるプロトン還元および二水素酸化の分極曲線を示す。
回転ディスク電極を含む装置の実験条件は以下の通りであった:
− 0.1mol/Lの濃度でHClO4を含有するpH1の二水素飽和酸性電解質、
− 周囲温度、
− 電極の回転速度:1600rpm。
図4の曲線に示すように、
− カソードで触媒Fを使用する場合、膜を介した拡散によりアノードからカソードに到達する少量の二水素が直ちに電気酸化されてプロトンとなり、
− 触媒Aはこの反応に対して完全に不活性である(図4の曲線Aを参照)。この触媒はむしろ二水素と二酸素との化学反応を促進して、フリーラジカルを生成する。
図4において、本発明に係る触媒Eの曲線は、二水素酸化の無限反応速度に対応する理論曲線(計算された曲線を参照)とほぼ重なり合っており、つまり、実験的に観測可能な唯一の損失は、電解質中に溶解した二水素の電極への拡散のためであり、反応速度は拡散よりもはるかに速いので、反応速度はこの実験方法によって定量化することができない。
図4の曲線によると、本発明に係るハイブリッド触媒の白金構造が二水素酸化反応に対して活性であり、これは図4の正の電流を考慮しており、また、プロトンの二水素への還元に対しても活性であり、これは図4の負の電流を考慮している。
図4に見られるように、触媒Aは二水素還元およびプロトン酸化反応に対して完全に不活性である。二水素およびプロトンに対するこの不活性は、Fe−N−CおよびCo−N−C型触媒のファミリーの既知の特性である。
本発明に係るハイブリッド触媒C〜Eは、白金含量の増加に伴い、二水素およびプロトンH+に対する触媒活性の比例的増加を示す。これは、プラチナの重量含量がそれぞれ1%および2%である、本発明に係る触媒DおよびEのPEFMCで観察されるより良好な安定化に関連し得る。実際、触媒A〜EもPEMFCで試験されている。このより良好な安定化を以下に詳述する。
カソードの触媒のみ(すなわち、試験された触媒A〜E)が変化するアノード−膜−カソードアセンブリのPEMFCにおける初期分極曲線を図5に示す。
この曲線は、電流密度の関数としてのPEMFCの電位差「カソード・レス・アノード(cathode less anode)」を示し、これを補正し膜のオーム抵抗を考慮する。
カソード触媒インクは、当該触媒20mgおよび、15−20重量%の水と、326μLのエタノールと、272μLの脱イオン水とを含有する5重量%のNafion(登録商標)の溶液652μLを混合することによって調整された。インキを、ボルテックススターラーで15分毎に交互に超音波をかけ機械的に撹拌することにより、合計1時間かけて均質化した。
その後、405μLの触媒インクを、「SGL Group − The Carbon Company」社によりSIGRACET(登録商標)S10−BCの商品名で市販されている4.84cmの表面積を有する炭素組織の微孔質層に連続的に堆積させて、触媒負荷が4mg/cmであるカソードを得た。
カソードは、90℃の真空オーブン内に1時間配置して、乾燥させた。
アノードは、白金負荷が0.5mg/cmであり、同じ炭素組織の微孔質層、すなわちSigracet S10−BC上に予め堆積されたPt/C型市販触媒を含んでいた。
アノード−膜−カソードアセンブリは、DuPont社により商品名Nafion(登録商標)NRE−211で市販されている膜のいずれか一方の側のアノードおよびカソードの4.48cmを、135℃で2分間ホットプレスすることによって調製した。
PEMFCを用いた実験は、蛇行型の形態のガス分配チャネルを含む市販の単一セル燃料電池(Fuel Cell Technologies社)において実施され、実験室内でPEMFC試験ベンチを使用し、電池の電位と、Biologic社の50Aアンプに接続された同社の市販ポテンシオスタットで生成された電流とを制御することにより実施された。
実験条件は以下の通りであった:
− 電池温度:80℃、
− ガス:85℃の温度で100%まで加湿された二水素および二酸素、
− アノードの入口およびカソードの入口における1バールのガスの相対圧力、
− 加湿された二酸素および二水素の50〜70cm3/minutesのガス流、
− 分極曲線は0.5mV.s−1の走査速度で記録された。
図5に示すように、触媒B〜Eの初期分極曲線は、ほぼ同一であることに留意されたい。実際、小さな差異は、触媒の合成における再現性誤差、および/または、アノード−膜−カソードアセンブリの調製における再現性誤差によるものである。
最初、触媒B〜Eは触媒Aよりも性能が優れており、触媒B〜Eの0.5Vにおける初期電流密度は触媒Aの初期電流密度よりも約150mA/cmだけ高い。これは、触媒B〜Eが熱処理を受けたという事実により説明される。よって、これは、金属−N−C型触媒に対する熱処理の影響を示す。
カソードでの二酸素還元反応のための本発明に係るハイブリッド触媒C〜Eの中期安定性を試験するために、PEMFCの電位差を0.5Vに設定し、電流密度を50時間にわたって測定した。この時間は、基準Fe−N−C触媒、すなわち触媒Bの性能の低下を観察するのに十分である。
図6は、50時間で0.5Vに設定されたPEMFC電位に対する時間の関数としての電流密度を表す。
図6に示すように、再現性のある方法で、Fe−N−C触媒(触媒AおよびB)は、PEFMCの最初の運転時間中に活性であり、その後、性能の経時的で連続的な低下を示す(3〜6時間後に観察された最大値に対して約20〜25%の電流損失)。
白金を添加すると、0.5Vでの初期性能は増加しないが、ハイブリッド触媒が安定する(ハイブリッド触媒Cでは傾斜が緩やかであり、本発明に係るハイブリッド触媒DおよびEでは50時間にわたって観察可能な傾斜はない)。
このことは、本発明に係るハイブリッド触媒中の白金粒子が、金属−N−C触媒を効果的に安定化するのに十分高い含量で好都合に存在すべきであることを示す。本発明に係るハイブリッド触媒Cは、低い白金含量(すなわち0.5%)のために完全に安定ではない。これは、このハイブリッド触媒における鉄ベースの触媒部位と最も近い白金粒子との間の非常に大きな平均距離に関連している可能性がある。
図7は、PEMFCを0.5Vで50時間にわたって操作した後に測定した、膜のオーム抵抗を考慮に入れて補正した分極曲線を示す。
図7に見られるように、低電位では、触媒DおよびEに対応する分極曲線は、50時間試験後の方が50時間試験前よりも良好であることに留意されたい。これは、カソード中の種(二酸素、水、陽子)の輸送特性の改善によるものであるが、0.8Vでの触媒活性は、後述の図8に示すように、変更されないか、またはほとんど変更されない。
図8aは、50時間試験前後のPEMFCにおける0.8Vでの二酸素還元反応の活性を表す。
測定値の再現性誤差を考慮すると、触媒B〜Eの二酸素還元反応の初期活性はほぼ同じである。
また、各触媒について、二酸化窒素還元反応の最終活性は、ハイブリッド触媒C〜Eの白金含量が増加するにつれて、初期活性にますます近づくことに留意されたい。これは、本発明に係るハイブリッド触媒が含む低い白金含量が、それらの非貴金属遷移金属ベースの活性部位を安定化させる効果を有することを示す。
図8bは、200時間にわたって試験した触媒Eの、PEMFC電位を0.5Vに設定した時間(時間で表した)の関数としての電流密度(i)を表す。図8bは、50時間にわたって観察された安定化(図6)が、200時間などのより長い時間にわたっても有効であることを示している。図8bの曲線および図6の曲線Eに見られるように、0.5Vでの最終性能もまた、50時間試験後に観察されたものに類似していることに留意されたい。
図8cは、PEMFCの200時間の運転の前後に、試験された触媒EのPEMFC電位を0.8V(電流密度をP/金属−N−C型触媒Eの総負荷で割ったもの)に設定した触媒活性を表す。電気化学的活性測定の不確実性(20%程度の範囲で)を考えると、初期活性および最終活性は非常に類似していることに留意されたい。このことは、本発明に係る触媒中の部分的に酸化された白金が、長期間にわたってFe−N−C触媒を安定化させることができることを示しており、また、0.5Vでの試験中に白金が還元(活性化)されなかったことを示す。逆に、200時間後に活性の顕著な増加が観察されそうだが、そうではない。
図9は、本発明に係るハイブリッド触媒CおよびEの白金原子の、11562eVにおける白金の吸収閾値L付近のX線吸収スペクトル(「X線吸収端部構造(X−ray Absorption Near Edge Structure)」を意味する「XANES」として知られている)を、白金原子が金属形態である白金金属シートの白金の吸収閾値L付近のXANESスペクトルと比較しながら示す。図9は、白金の閾値Lより数eV低いXANESスペクトルから、この閾値より50eV高いXANESスペクトルまでを表す。
白金金属シートでは、白金原子はゼロ酸化状態を有し、面心立方晶構造を有する(すなわち、各白金原子は12個の隣接白金原子を有する)。白金ベースの非ハイブリッド触媒または従来のPt /金属−N−C型ハイブリッド触媒に存在する白金構造の金属白金ナノ粒子のXANESスペクトルは、白金金属シートのそれと非常に類似している。
図10は、白金の吸収閾値L、すなわち11562eVでの図9のスペクトルを拡大したものを示す。
吸収スペクトルのXANES部分は、ここでは白金であるX線吸収体原子付近の局所的秩序の特徴である。したがって、図9および図10によれば、白金原子付近の原子種および原子数は、本発明に係るハイブリッド触媒と従来技術の触媒との間で、基本的に異なる。
本発明に係る触媒と白金金属シートとの間の白金スペクトルの差異を考慮すると、本発明に係る触媒が含む白金は、金属形態の白金構造を有さない(すなわち、面心立方構造)。特に、11562〜11565eVの間で、本発明に係る触媒のスペクトルは、白金金属シートのスペクトルに対して0.5〜1.0eVだけ正に移動していることに留意されたい。この白金金属シートに対して0.5〜1.0eVの正の移動は、本発明に係るPt/Fe−N−C型ハイブリッド触媒に位置する白金原子の1.1〜2.3の平均酸化状態に相当する。
よって、本発明に係るハイブリッド触媒の白金原子の平均酸化状態は、白金金属シートの白金の場合のようにゼロに等しくない。したがって、白金塩前駆体は、本発明に係る触媒の製造中、すなわち、二水素および一窒素気体混合物の下での熱処理の間に完全には還元されなかった。
図11は、本発明に係るハイブリッド触媒CおよびEの白金の微細構造におけるX線吸収分光実験のフーリエ変換(すなわち、「拡張X線吸収微細構造(Extended X−ray Absorption Fine Structure )」を意味する「EXAFS」と略記される実験)のグラフであり、白金金属シートの白金に対するEXAFS信号のフーリエ変換と比較している。
この分析により、EXAFS信号(k χ(R))の振幅をプロットすることができ、この信号は、吸収体白金原子と隣接する原子との間の距離の関数として、各白金原子付近の隣接する原子の平均数に依存する。
図11は、本発明のハイブリッド触媒の白金原子付近の長距離の構造も、金属面心立方構造の白金原子の構造とは非常に異なることを示している。
実際、図11に見られるように、本発明に係る触媒の白金の配位数は、白金金属シートの白金の配位数よりも低いことに留意されたい。
所与の白金原子に最も近い白金原子に対応する距離である、2.5オングストロームの径方向距離で観測されるEXAFS信号は、白金金属シートの面心立方構造を有する金属白金よりも本発明に係る触媒の白金の方が実際には低い。このことは、他の白金原子による白金の配位数が、本発明の触媒において、配位数が12である白金の面心立方構造よりもはるかに小さいことを示す。
また、本発明に係るPt/Fe−N−C型ハイブリッド触媒について1.5Aで観測されるEXAFS信号は、白金−炭素白金−窒素結合、すなわち、白金金属シートの白金の面心立方構造に存在しない結合に起因する可能性がある。
図12は、一酸化炭素の電気化学的検出試験の曲線を示す。一酸化炭素は、金属白金粒子(粒子内がゼロ酸化状態の白金原子)を特徴付けるために知られている分子である。従来、一酸化炭素は、電気化学分野において用いられ、還元された白金ベースの触媒の表面を定量化する。
一酸化炭素は、まず、カソードにおいて気体の形態で電池システムに注入される。一酸化炭素分子は、還元された白金表面に強く吸着し、その表面全体を1つの層で覆う。その後、吸着されていない過剰の一酸化炭素ガスを、二窒素である不活性ガスを用いてカソードからパージする。還元された白金に吸着された一酸化炭素の一層のみが、カソードに残る。(このときのカソードの電位は約0Vに制御され、一酸化炭素の早すぎる酸化を避ける。)
その後、吸着された一酸化炭素の量は、一酸化炭素を電気化学的に脱着させること(酸化形態で脱離する一酸化炭素の電気化学的酸化)により、また、 カソードの電気化学的ポテンシャルを0Vから1Vまで累進的に増加させることにより、定量化される。
ボルタモグラムにおける一酸化炭素の酸化ピーク以下の、表面積に対応する電荷は、吸着された一酸化炭素の量、すなわち、触媒中の還元された白金の表面積に正比例する。この一酸化炭素の酸化ピークの位置は、水素基準電極に対して約0.8Vである。
図12は、触媒Dを用いて0.5VでPEMFCを50時間試験した前後の曲線の比較を示す。
より具体的には、図12では、
− 「初期」と記された曲線は、カソードにおける一酸化炭素および二窒素の注入後に決定されたボルタモグラムを表す。
− 「ブランク」と記された曲線は、二窒素のみの注入後(よって、一酸化炭素の注入はなし)に決定されたボルタモグラムを表す。
− 「50時間後」と記された曲線は、カソードにおける一酸化炭素およびに窒素の注入し、次いでPEMFCにおける0.5Vで50時間の機能試験を実施した後に決定されたボルタモグラムを表す。
図12は、触媒Dについての一酸化炭素の電気化学的酸化に対応する信号を、電池における50時間試験の前でも後でも示していない。実際、「初期」と記された曲線は、「ブランク」と記された曲線と完全に重なり合っている。これは、一酸化炭素分子が、本発明に係るハイブリッド触媒の白金に吸着していないことを実証する。これは予想外であり、白金粒子の異なる構造と、本発明に係る触媒における表面の異なる条件とによって説明される。これは、二酸素還元のための白金の不活性と相関する。
図12は、触媒D中に存在する白金への一酸化炭素の吸着がないことを示している。酸化ピーク(すなわち、0〜1Vの電気化学的ポテンシャルの増加中の正の電流ピークによって示される、白金に潜在的に吸着される一酸化炭素の酸化)が存在しないことにより、白金は初期において一酸化炭素を吸着することができないことが示される。これは、本発明に係る触媒中の白金の部分的酸化状態によって説明される。0.5Vでの電池での50時間の運転の後、白金はまだ一酸化炭素を吸着することができず、これにより、白金が電池における試験中に還元されなかったことが実証される。
図13は、0.5Vの電池での50時間にわたる試験の前後での、触媒Dの白金原子の11562eVにおける白金の吸収閾値L付近のX線吸収スペクトル(すなわち、「XANES」スペクトル)を示す。スペクトルの重ね合わせは、触媒D中の白金の配位および平均酸化状態が電池における試験中に変化しなかったことを示している。したがって、白金は、試験を通して酸素還元反応に対して不活性であるが、FeN型鉄の触媒部位を安定化させる。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの非貴金属遷移金属が共有結合される少なくとも1つの窒素ドープ炭素質マトリックスを備えたP/金属−N−C型ハイブリッド触媒であって、
    部分的に酸化され、かつ、重量パーセントがP/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して4.0%以下、好ましくは2.0%以下である、少なくとも1つの貴金属遷移金属Pを備える
    ことを特徴とする、P/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  2. 前記貴金属遷移金属Pは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、金、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金およびセリウムから選択され、これらを単独でまたは組み合わせて、または少なくとも1つの貴金属遷移金属または非金属遷移金属との合金として選択される
    ことを特徴とする、請求項1に記載のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  3. 前記非貴金属遷移金属は、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、鉄およびコバルトから選択され、これらを単独でまたは組み合わせて、または非貴金属遷移金属の合金として選択される
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  4. 前記貴金属遷移金属Pは、平均酸化状態が0.5〜4.0、好ましくは0.5〜2.5である
    ことを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1つに記載のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  5. 前記貴金属遷移金属Pの重量パーセントは、前記P/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して、0.1%〜4.0%、好ましくは0.2%〜2%である
    ことを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか1つに記載のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  6. 前記貴金属遷移金属Pは、ナノ粒子の形態である
    ことを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか1つに記載のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  7. 前記貴金属遷移金属の前記ナノ粒子においてナノ細孔および/またはメソ細孔を含む
    ことを特徴とする、請求項6に記載のP/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  8. a) 金属−N−C型ハイブリッド触媒を提供する工程と、
    b) 前記金属−N−C型ハイブリッド触媒を貴金属遷移金属Pの塩の少なくとも1つの溶液に含浸させて均質混合物を獲得する工程と、
    c) 工程b)で得られた前記均質混合物に少なくとも1回の熱処理を施す工程と、
    を少なくとも含む製造方法によって得ることができるP/金属−N−C型ハイブリッド触媒であって、
    前記熱処理は、0〜700℃、好ましくは100〜700℃の間の温度で、不活性または還元性(好ましくはわずかに還元性の)雰囲気中での加熱からなり、そして、前記貴金属遷移金属Pが部分的に酸化されているP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を獲得し、
    前記貴金属遷移金属Pの塩の溶液の濃度は、前記貴金属遷移金属Pの重量パーセントが、工程c)の完了時に得られる前記P/金属−N−C型ハイブリッド触媒の重量に対して4.0%以下、好ましくは2.0%以下となるとなるように、所定の方法で選択される
    ことを特徴とする、P/金属−N−C型ハイブリッド触媒。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の少なくとも1つのP/金属−N−C型ハイブリッド触媒を含む電気化学装置。
  10. 金属空気電池、低温で動作する燃料電池、好ましくは高分子電解質膜燃料電池から選択される
    ことを特徴とする、請求項9に記載の電気化学装置。
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