JP2018526516A - 酢酸及び反応触媒の存在下でセルロースエーテルのエステルを調製するためのプロセス - Google Patents

酢酸及び反応触媒の存在下でセルロースエーテルのエステルを調製するためのプロセス Download PDF

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Abstract

エステル化セルロースエーテルを調製するためのプロセスは、セルロースエーテルを、酢酸の存在下で(i)脂肪族モノカルボン酸無水物もしくは(ii)ジカルボン酸無水物または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物とジカルボン酸無水物との組み合わせでエステル化するステップを含む。エステル化反応は、反応触媒である二酢酸アルカリ金属塩の存在下で行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースエーテルのエステルを調製するための改善されたプロセスに関する。
セルロースエーテルのエステル、それらの使用及びそれらを調製するためのプロセスは当該技術分野において一般的に既知である。セルロースエーテルの様々な既知のエステルは、フタル酸メチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸メチルセルロース、または酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの医薬剤形用の腸溶性ポリマーとして有用である。腸溶性ポリマーは、胃の酸性環境における溶解に耐性であるものである。このようなポリマーでコーティングされた剤形は、酸性環境において薬物を不活性化もしくは分解から保護するか、または薬物による胃の刺激を阻止する。
米国特許第4,226,981号及び公開された国際特許出願WO2014/031447及びWO2014/031448は、エステル化触媒として酢酸ナトリウムなどのアルカリカルボン酸塩、及び反応媒体として酢酸の存在下で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを無水コハク酸及び無水酢酸でエステル化することによって、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)などのセルロースエーテルの混合エステルを調製するためのプロセスを開示している。
典型的には、氷酢酸、無水酢酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、無水コハク酸、及び酢酸ナトリウムが単純に混合され、エステル化反応をもたらすために反応混合物を60℃〜110℃に加熱される。反応媒体として酢酸、及び反応触媒として酢酸ナトリウムが、低価格、反応媒体中での反応物の可溶性、及び副産物の最低限の形成などの周知の利点により、反応系で広く使用されている。しかしながら、反応媒体として酢酸、及び反応触媒として酢酸ナトリウムの使用は、不利益も有する。本特許出願の発明者らは、酢酸ナトリウムが酢酸に溶解されるとき、溶解熱が発生することを発見した。酢酸ナトリウムは、酢酸に容易に溶解する。よって、酢酸へ酢酸ナトリウムを添加すると、典型的には、酢酸ナトリウムが反応媒体中に均質に分配され得る前に、酢酸ナトリウムが酢酸に添加されるスポットで溶解熱が局所的に発生する。出願人は、1つ以上の無水物をセルロースエーテルと反応させるのに十分な熱が局所的に発生し得ることを発見した。酢酸ナトリウムの添加時の過剰な発熱は、混合するのが困難である粘性反応混合物中のホットスポットを含む、制御が不十分な温度の逸脱を引き起こし得る。反応混合物中のホットスポットは、架橋反応によるエステル置換レベルのバラツキ、及びHPMCASなどの生成されたエステル化セルロースエーテルの分子量のバラツキを引き起こし得る。
よって、セルロースエーテルのエステル化時に、反応混合物中のホットスポットの創出を最小化する方法を発見することが望ましいだろう。
意外にも、二酢酸ナトリウムが、セルロースエーテルをエステル化するための反応触媒として酢酸ナトリウムと同程度の効果があること、ならびに同等の条件下で酢酸ナトリウムの代わりに二酢酸ナトリウムが酢酸に溶解される場合、はるかに少ない熱が発生することがわかった。
したがって、本発明は、セルロースエーテルを、(i)脂肪族モノカルボン酸無水物もしくは(ii)ジカルボン酸無水物または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物とジカルボン酸無水物との組み合わせでエステル化するステップを含み、エステル化反応が酢酸及び二酢酸アルカリ金属塩の存在下で行われる、エステル化セルロースエーテルを調製するためのプロセスに関する。
酢酸へ二酢酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウムを添加した際の、熱量測定値の結果を表す。 酢酸へ二酢酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウムを添加した際の、熱量測定値の結果を表す。
本発明のプロセスにおいて出発材料として使用されるセルロースエーテルは、本発明の文脈において無水グルコース単位として表される、β−1,4グルコシド結合D−グルコピラノース反復単位を有するセルロース骨格鎖を有する。本発明のプロセスにおいて出発材料として使用されるセルロースエーテルは好ましくは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。これは、本発明のプロセスにおいて利用されるセルロースエーテルにおいて、無水グルコース単位のセルロース骨格鎖のヒドロキシル基の少なくとも一部がアルコキシル基もしくはヒドロキシアルコキシル基、またはアルコキシル基とヒドロキシアルコキシル基との組み合わせにより置換されることを意味する。ヒドロキシアルコキシル基は典型的には、ヒドロキシメトキシル基、ヒドロキシエトキシル基、及び/またはヒドロキシプロポキシル基である。ヒドロキシエトキシル基及び/またはヒドロキシプロポキシル基が好ましい。典型的には、1または2種類のヒドロキシアルコキシル基がセルロースエーテルに存在する。好ましくは、1種類のヒドロキシアルコキシル基、より好ましくはヒドロキシプロポキシルが存在する。アルコキシル基は典型的には、メトキシル基、エトキシル基、及び/またはプロポキシル基である。メトキシル基が好ましい。
上に定義したセルロースエーテルの例示は、メチルセルロース、エチルセルロース、及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース;ならびにヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、及びヒドロキシブチルエチルセルロースなどのヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ならびにヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの2つ以上のヒドロキシアルキル基を有するものである。最も好ましくは、セルロースエーテルはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
無水グルコース単位のヒドロキシル基の、ヒドロキシアルコキシル基による置換度は、ヒドロキシアルコキシル基のモル置換であるMS(ヒドロキシアルコキシル)によって表される。MS(ヒドロキシアルコキシル)は、セルロースエーテルにおける無水グルコース単位当たりのヒドロキシアルコキシル基のモルの平均数である。ヒドロキシアルキル化反応中に、セルロース骨格鎖に結合されるヒドロキシアルコキシル基のヒドロキシル基は、アルキル化剤、例えばメチル化剤及び/またはヒドロキシルアルキル化剤によってさらにエーテル化されてもよいことを理解されたい。無水グルコース単位の同じ炭素原子位置に対する複数の後続のヒドロキシアルキル化エーテル化反応は側鎖をもたらし、複数のヒドロキシアルコキシル基はエーテル結合によって互いに共有結合され、全体として各側鎖はセルロース骨格鎖に対するヒドロキシアルコキシル置換基を形成する。
よって、用語「ヒドロキシアルコキシル基」は、MS(ヒドロキシアルコキシル)の文脈において、上に概説するように、1つのヒドロキシアルコキシル基または側鎖のいずれかを含む、ヒドロキシアルコキシル置換基の構成単位としてのヒドロキシアルコキシル基を指すように解釈されなければならず、2つ以上のヒドロキシアルコキシ単位はエーテル結合によって互いに共有結合される。この定義内では、ヒドロキシアルコキシル置換基の末端ヒドロキシル基がさらにアルキル化、例えばメチル化されるか否かは重要ではなく、アルキル化及び非アルキル化両方のヒドロキシアルコキシル置換基は、MS(ヒドロキシアルコキシル)の決定に関して含まれる。本発明のプロセスにおいて利用されるセルロースエーテルは一般的に、少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.08、より好ましくは少なくとも0.12、及び最も好ましくは少なくとも0.15のヒドロキシアルコキシル基のモル置換を有する。モル置換度は一般的に、1.00以下、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.70以下、及び最も好ましくは0.50以下である。
無水グルコース単位当たりのアルコキシル基(メトキシル基など)によって置換されたヒドロキシル基の平均数は、アルコキシル基の置換度であるDS(アルコキシル)として表される。上に与えられたDSの定義において、用語「アルコキシル基によって置換されたヒドロキシル基」は、本発明内に、セルロース骨格鎖の炭素原子に直接結合されたアルキル化ヒドロキシル基だけではなく、セルロース骨格鎖に結合されたヒドロキシアルコキシル置換基のアルキル化ヒドロキシル基も含むように解釈されるものとする。本発明のプロセスにおいて出発材料として使用されるセルロースエーテルは好ましくは、少なくとも1.0、より好ましくは少なくとも1.1、さらにより好ましくは少なくとも1.2、最も好ましくは少なくとも1.4、及び具体的には少なくとも1.6のDS(アルコキシル)を有する。DS(アルコキシル)は、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.4以下、さらにより好ましくは2.2以下、及び最も2.05以下である。アルコキシル基の置換度及びヒドロキシアルコキシル基のモル置換度は、セルロースエーテルのヨウ化水素を用いたツアイゼル開裂、及び後続の定量ガスクロマトグラフィー分析により決定され得る(G.Bartelmus and R.Ketterer,Z.Anal.Chem.,286(1977)161−190)。最も好ましくは、本発明のプロセスにおいて利用されるセルロースエーテルは、DS(アルコキシル)に関して上に示される範囲内のDS(メトキシル)、及びMS(ヒドロキシアルコキシル)に関して上に示される範囲内のMS(ヒドロキシプロポキシル)を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明のプロセスにおいて出発材料として使用されるセルロースエーテルは、ウベローデに従って20℃の2.0重量%水溶液として測定されたとき、1.2〜200mPa・s、好ましくは1.8〜100mPa・s、より好ましくは2.4〜50mPa・s、具体的には2.5〜30mPa・sの粘度を有する。かかる粘度のセルロースエーテルは、より高い粘度のセルロースエーテルを部分脱重合プロセスに供することによって得ることができる。部分脱重合プロセスは、当該技術分野において周知であり、例えば、欧州特許出願第EP 1141029号、第EP 0210917号、第EP 1423433号、及び米国特許第4,316,982号に記載されている。あるいは、部分脱重合は、セルロースエーテルの生成中に、例えば、酸素または酸化剤の存在によって達成され得る。
セルロースエーテルは、(i)脂肪族モノカルボン酸無水物もしくは(ii)ジカルボン酸無水物または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物とジカルボン酸無水物との組み合わせと反応させる。脂肪族モノカルボン酸無水物は、無水酢酸、無水酪酸、及び無水プロピオン酸からなる群から選択されることが好ましい。無水酢酸は、最も好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物である。好ましいジカルボン酸無水物は、無水コハク酸、無水マレイン酸、及び無水フタル酸からなる群から選択される。好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は単独で使用され得るか、または好ましいジカルボン酸無水物は単独で使用され得るか、あるいは好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は好ましいジカルボン酸無水物と組み合わせで使用され得る。
脂肪族モノカルボン酸無水物及びジカルボン酸無水物が、セルロースエーテルをエステル化するために使用される場合、2つの無水物は、同時に、または相次いで別々に反応槽内に導入され得る。反応槽内に導入される各無水物の量は、最終生成物において得られる所望のエステル化度に応じて決定され、通常、エステル化による無水グルコース単位の所望のモル置換度の化学量論量の1〜10倍である。
脂肪族モノカルボン酸の無水物とセルロースエーテルの無水グルコース単位との間のモル比は一般的に、0.1/1以上、好ましくは0.3/1以上、より好ましくは0.5/1以上、最も好ましくは1/1以上、及び具体的には1.5/1以上である。脂肪族モノカルボン酸の無水物とセルロースエーテルの無水グルコース単位との間のモル比は一般的に、17/1以下、好ましくは10/1以下、より好ましくは8/1以下、最も好ましくは6/1以下、及び具体的には4/1以下である。
ジカルボン酸の無水物とセルロースエーテルの無水グルコース単位との間のモル比は、好ましくは0.01/1以上、より好ましくは0.04/1以上、及び最も好ましくは0.2/1以上である。ジカルボン酸の無水物とセルロースエーテルの無水グルコース単位との間のモル比は、好ましくは2.5/1以下、より好ましくは1.5/1以下、及び最も好ましくは1/1以下である。
本発明のプロセスにおいて利用されるセルロースエーテルの無水グルコース単位のモル数は、DS(アルコキシル)及びMS(ヒドロキシアルコキシル)からの置換無水グルコース単位の平均分子量を計算することによって、出発材料として使用されるセルロースエーテルの重量から決定することができる。
エステル化反応は、エステル化触媒として、二酢酸ナトリウムまたは二酢酸カリウムなどの二酢酸アルカリ金属塩の存在下で行われる。二酢酸ナトリウムは、化学式NaH(Cを有する。二酢酸アルカリ金属塩の量は一般的に、セルロースエーテルの100重量部当たり、20〜200重量部の二酢酸アルカリ金属塩である。モル比[二酢酸アルカリ金属塩/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は、典型的には、少なくとも0.3:1、少なくとも0.4:1であることが好ましく、少なくとも1.0:1であることがより好ましく、少なくとも1.5:1であることがさらにより好ましく、及び少なくとも1.9:1であることが最も好ましい。モル比[二酢酸アルカリ金属塩/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は一般的に、最大10:1、好ましくは最大5:1、より好ましくは最大3.8:1、さらにより好ましくは最大3.5:1、及び最も好ましくは最大3.0:1である。反応混合物に二酢酸アルカリ金属塩を溶解すると、等モル量の酢酸アルカリ金属塩及び酢酸が形成される。
セルロースエーテルのエステル化は、酢酸の存在下で行われる。酢酸は、反応希釈剤として作用する。反応希釈剤は、ベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサン、またはテトラヒドロフランのような芳香族または脂肪族溶媒、あるいはジクロロメタンもしくはジクロロメチルエーテルのようなハロゲン化C−C誘導体などの、室温で液体であり、セルロースエーテルと反応しない、少量の他の溶媒または希釈剤を含み得るが、酢酸の量は一般的に、反応希釈剤の総量に基づいて、50パーセントを超える、好ましくは少なくとも75パーセント、及びより好ましくは少なくとも90パーセントであるべきである。最も好ましくは、反応希釈剤は酢酸からなる。
モル比[酢酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は一般的に、少なくとも0.7:1、少なくとも1.2:1であることが好ましく、少なくとも1.5:1であることがより好ましく、少なくとも2:1であることがさらにより好ましく、及び少なくとも3:1であることが最も好ましい。モル比[酢酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は一般的に、最大70:1、好ましくは最大60:1、より好ましくは最大20:1、さらにより好ましくは最大15:1、及び最も好ましくは最大12:1である。これらのモル比は、反応混合物への二酢酸アルカリ金属塩の添加後の酢酸の量に関連し、すなわち、それらは、二酢酸アルカリ金属塩の添加時に反応混合物中に形成される酢酸の量を含む。
反応混合物は一般的に、反応を完了するのに十分な時間、つまり、典型的には2〜25時間、より典型的には2〜8時間にわたって、60℃〜110℃、好ましくは70〜100℃に加熱される。出発材料であるセルロースエーテルは、必ずしも酢酸に可溶であるわけではないが、特にセルロースエーテルの置換度が比較的小さい場合、酢酸中にのみ分散され得るか、または酢酸によってのみ膨張し得る。エステル化反応は、かかる分散されたまたは膨張したセルロースエーテルであっても行うことができ、エステル化反応が進行するにつれて、反応下のセルロースエーテルは一般的に、酢酸に溶解し、最終的に均質な反応混合物をもたらす。
エステル化反応の完了後、反応生成物は、米国特許第4,226,981号、国際特許出願第WO2005/115330号、または欧州特許出願第EP0 219 426号などに記載される、既知の方法において、例えば反応混合物を大量の水に接触させることにより、反応混合物から沈殿され得る。本発明の好ましい実施形態では、反応生成物は、粉末の形態でエステル化セルロースエーテルを生成するために、第WO2013/148154号として公開された国際特許出願第PCT/US13/030394号に記載されるように反応混合物から沈殿される。
本発明のプロセスに従い、(i)脂肪族一価アシル基及び/または(ii)式−C(O)−R−COOA(式中、Rは二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aは水素またはカチオンである)の基を有するエステル化セルロースエーテルが生成される。カチオンは、好ましくは、NH などのアンモニウムカチオン、またはナトリウムもしくはカリウムイオン、より好ましくはナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンである。最も好ましくは、Aは水素である。脂肪族一価アシル基は、好ましくは、アセチル、プロピオニル、及びn−ブチリルまたはi−ブチリルなどのブチリルからなる群から選択される。
式−C(O)−R−COOAの好ましい基は、
−C(O)−CH−CH−COOHもしくは−C(O)−CH−CH−COONaなどの−C(O)−CH−CH−COOA、
−C(O)−CH=CH−COOHもしくは−C(O)−CH=CH−COONaなどの−C(O)−CH=CH−COOA、または
−C(O)−C−COOHもしくは−C(O)−C−COONaなどの−C(O)−C−COOAである。
式−C(O)−C−COOAの基において、カルボニル基及びカルボキシル基は、好ましくは、オルト位置に配置される。
好ましいエステル化セルロースエーテルは、
i)HPMCXY及びHPMCX(式中、HPMCはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAP)、酢酸マレイン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAM)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、もしくは酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCA)などの、XはA(酢酸塩)であるか、またはXはB(酪酸塩)であるか、またはXはPr(プロピオン酸塩)であり、YはS(コハク酸塩)であるか、またはYはP(フタル酸塩)であるか、またはYはM(マレイン酸塩)である)、あるいは
ii)フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース(HPCAS)、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMCPrS)、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース(HEHPCPrS)、及び酢酸コハク酸メチルセルロース(MCAS)である。
酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)は、最も好ましいエステル化セルロースエーテルである。
エステル化セルロースエーテルは、上にさらに示されるDS(メトキシル)及びMS(ヒドロキシアルコキシル)を有する。本発明のプロセスに従い生成されたエステル化セルロースエーテルは、0(ゼロ)、または好ましくは少なくとも0.05、より好ましくは少なくとも0.10、最も好ましくは少なくとも0.15、及び具体的には少なくとも0.20の、アセチル基、プロピオニル基、またはブチリル基などの脂肪族一価アシル基の置換度を有する。脂肪族一価アシル基の置換度は一般的に、最大1.75、好ましくは最大1.50、より好ましくは最大1.25、及び最も好ましくは最大1.00である。エステル化セルロースエーテルは一般的に、0(ゼロ)または好ましくは少なくとも0.05、より好ましくは少なくとも0.10の、スクシノイルなどの式−C(O)−R−COOAの基の置換度を有する。スクシノイルなどの式−C(O)−R−COOAの基の置換度は一般的に、最大1.6、好ましくは最大1.30、より好ましくは最大1.00、最も好ましくは最大0.70、及び具体的には最大0.60である。i)脂肪族一価アシル基の置換度と、ii)式−C(O)−R−COOAの基の置換度との合計は0よりも大きい。これは一般的に、少なくとも0.10、好ましくは少なくとも0.20、より好ましくは少なくとも0.30、及び最も好ましくは少なくとも0.40である。この合計は一般的に、最大1.9、好ましくは最大1.55、より好ましくは最大1.15、及び具体的には最大1.00である。
酢酸及びコハク酸エステル基の含量は、“Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550”に従い決定される。報告された値は、揮発物に対して補正される(上記のHPMCAS各条のセクション「乾燥減量」に記載されるように決定される)。本方法は、プロピオニル基、ブチリル基、フタリル基、及び他のエステル基の含量を決定するために、アナログ方法で使用され得る。
エステル化セルロースエーテル中のエーテル基の含量は、“Hypromellose”,United States Pharmacopeia and National Formulary,USP 35,pp3467−3469に記載されるのと同じ方法で決定される。
上の分析により得られたエーテル基及びエステル基の含量は、以下の式に従い、個々の置換基のDS値及びMS値に変換される。この式は、他のセルロースエーテルエステルの置換基のDS及びMSを決定するために、アナログ方法で使用され得る。
慣例では、重量パーセントは、全ての置換基を含む、セルロース反復単位の総重量に基づいた平均重量パーセントである。メトキシル基の含量は、メトキシル基(すなわち、−OCH)の質量に基づいて報告される。ヒドロキシアルコキシル基の含量は、ヒドロキシプロポキシル(すなわち、−O−CHCH(CH)−OH)などのヒドロキシアルコキシル基(すなわち、O−アルキレン−OH)の質量に基づいて報告される。脂肪族一価アシル基の含量は、−C(O)−Rの質量に基づいて報告され、式中、Rは、アセチル(−C(O)−CH)などの一価脂肪族基である。式−C(O)−R−COOHの基の含量は、スクシノイル基(すなわち、−C(O)−CH−CH−COOH)の質量などの基の質量に基づく。
エステル化セルロースエーテルは一般的に、20℃の0.43重量%水性NaOH中2.0重量%エステル化セルロースエーテル溶液として測定されたとき、最大200mPas、好ましくは最大100mPas、より好ましくは最大50mPas、さらにより好ましくは最大30mPas、最も好ましくは最大10mPas、及び具体的には最大5mPasの粘度を有する。一般的に、粘度は、20℃の0.43重量%水性NaOH中2.0重量%エステル化セルロースエーテル溶液として測定されたとき、少なくとも1.2mPas、典型的には少なくとも1.8mPas、及びより典型的には少なくとも2.4mPasである。2.0重量%エステル化セルロースエーテル溶液は、“Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550”に記載されるように調製され、続いてDIN51562−1:1999−01(January 1999)に従いウベローデ粘度測定が行われる。
ここで本発明のいくつかの実施形態が以下の実施例においてより詳細に記載される。
別途記載のない限り、全ての部及びパーセントは重量に基づく。実施例において、以下の試験手順が使用される。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)試料の粘度
HPMC試料の粘度は、20℃±0.1℃の2.0重量%水溶液として測定された。2.0重量%HPMC水溶液は、米国薬局方(USP 35、“Hypromellose”、3467−3469頁)に従い調製され、DIN51562−1:1999−01(January 1999)に従いウベローデ粘度測定が行われた。
酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)の粘度
0.43重量%水性NaOH中2.0重量%HPMCAS溶液は、“Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550”に記載されるように調製され、続いてDIN51562−1:1999−01(January 1999)に従い、20℃でウベローデ粘度測定が行われた。
HPMCAS及びHPMCPのエーテル及びエステル基の含量
HPMCAS及びHPMCP中のエーテル基の含量は、“Hypromellose”,United States Pharmacopeia and National Formulary,USP 35,pp3467−3469に記載されるのと同じ方法で決定された。
アセチル基でのエステル置換(−CO−CH)、スクシノイル基でのエステル置換(−CO−CH−CH−COOH)、及びフタリル基でのエステル置換(−CO−C−COOH)は、Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550”に従い決定された。エステル置換に関して報告された値は、揮発物に関して補正された(上記のHPMCAS各条のセクション「乾燥減量」に記載されるように決定された)。
酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)の生成
比較実施例A
氷酢酸(885.2g)、固体無水コハク酸(84.6g)、及び無水酢酸(371.4g)を、Ekato式の壁スクレーパ/インペラ二重攪拌機を装備した1ガロン(3.8リットル)のガラス製ジャケット付反応器に添加した。粉末形態の固体酢酸ナトリウム(「微粉酢酸ナトリウム」、435.5g)及びHPMC(乾燥基準の計算で500.8g)が添加された時点で攪拌しながら、このスラリーを約50℃に加熱した。反応物を添加するために漏斗を使用し、反応器壁を氷酢酸(230.0g)で洗浄した。ゆえに、反応混合物中の氷酢酸の結果として得られる総重量は、1115.2gであった。HPMCは、1.90のメトキシル基での置換度、DS、0.24のヒドロキシプロポキシル基でのモル置換、MSHP、及び20℃で2%水溶液として測定されたとき、約3mPa・sの粘度を有した。HPMCは、Methocel E3 LV PremiumセルロースエーテルとしてThe Dow Chemical Companyから市販されている。
スラリーを攪拌しながら88℃に加熱した。薄いスラリーをこの温度で3時間攪拌した。次いで、0.2時間を超えて水(1000g)を添加することによって、反応混合物を反応停止させた。反応停止させた反応混合物の一部を、高剪断力を用いて過剰な水中で沈殿させた。単離された湿潤ケーキを真水で洗浄し、次いで60℃で乾燥させて固体HPMCASを得た。
比較実施例B
微粉酢酸ナトリウムの代わりに粒状酢酸ナトリウムを使用し、以下の表1に列記されるように反応物のいくつかの量が若干異なったことを除いて、比較実施例Aの手順を繰り返した。
実施例1
氷酢酸の初期量が885.2gではなく645.0gであったこと、及び微粉酢酸ナトリウムの代わりに二酢酸ナトリウム粉末(「微粉二酢酸ナトリウム」)を使用したことを除いて、比較実施例Aの手順を繰り返した。二酢酸ナトリウムが等モル量の酢酸ナトリウム及び酢酸を有するように、氷酢酸の初期投与量は、最終反応混合物が比較実施例A及びBと同じ酢酸レベルを有するように選択された。
反応物を添加するために漏斗を使用し、比較実施例Aにあるように反応器壁を氷酢酸(230.2g)で洗浄した。反応物の重量における僅かな偏差が、以下の表1に列記されている。比較実施例A及びBのように固体HPMCASを達成した。
実施例2
微粉酢酸ナトリウムの代わりに二酢酸ナトリウム粉末(「微粉二酢酸ナトリウム」)を使用したことを除いて、比較実施例Aの手順を繰り返した。
比較熱量測定I
各々が240ml(250g)の体積を有する3つの等しい氷酢酸の試料を、機械撹拌機で攪拌される、絶縁された蓋付きビーカー中で22℃に平衡化させた。第1のビーカーに100gの微粉二酢酸ナトリウムを添加し、第2のビーカーに100gの微粉酢酸ナトリウムを添加し、第3のビーカーに100gの粒状酢酸ナトリウムを添加した。
個々のビーカーへの微粉二酢酸ナトリウム、微粉酢酸ナトリウム(粉末酢酸ナトリウム)、及び粒状酢酸ナトリウムの添加時の氷酢酸の温度対時間が、図1に例示されている。図1の矢印は、微粉二酢酸ナトリウム、微粉酢酸ナトリウム、及び粒状酢酸ナトリウムの添加時点を示す。図1に例示されるように、微粉酢酸ナトリウムまたは粒状酢酸ナトリウムの添加時に急激な温度上昇が生じる。それとは対照的に、二酢酸ナトリウムの添加時には、温度上昇がほとんど観察されていない。
比較熱量測定II
微粉二酢酸ナトリウム、微粉酢酸ナトリウム、及び粒状酢酸ナトリウムの添加前に、3つの等体積の氷酢酸を80℃に平衡化させることを除いて、比較熱量測定Iを繰り返す。個々のビーカーへの微粉二酢酸ナトリウム、微粉酢酸ナトリウム、及び粒状酢酸ナトリウムの添加時の氷酢酸の温度対時間が、図2に例示されている。図2の矢印は、微粉二酢酸ナトリウム、粒状酢酸ナトリウム、及び微粉酢酸ナトリウムの添加時点を示す。図2に例示されるように、微粉酢酸ナトリウムまたは粒状酢酸ナトリウムの添加時に著しい温度上昇が生じる。それとは対照的に、二酢酸ナトリウムの添加時には、温度低下でさえ観察される。
HPMCAS生成などのセルロースエーテルをエステル化するための反応混合物中において、酢酸への酢酸ナトリウム添加時の発熱は、図1及び2に例示されるように、混合するのが困難である粘性反応混合物中のホットスポットを含む、制御が不十分な温度の逸脱を引き起こし得る。局所的ホットスポットは、エステル化反応を局所的に加速し、架橋反応によるエステル置換レベルのバラツキ、及び生成されるエステル化セルロースエーテルの分子量のバラツキを引き起こし得る。増加した架橋は、HPMCAS生成物中に不溶性粒子をもたらし得る。
図1及び2に例示される結果は、酢酸への二酢酸ナトリウムなどの二酢酸アルカリ金属塩の添加が、セルロースエーテルをエステル化するための反応混合物中にホットスポットをもたらさないことを示す。酢酸の初期温度に応じて、二酢酸ナトリウムの添加時に穏やかな適度な温度上昇のみ、またはさらには温度低下が観察される。温度低下は、局所的な過剰反応が回避され、僅かな冷却は、反応時間の僅かな増加により調節され得るため、エステル置換レベルのバラツキを生じず、生成物の品質に悪影響を与えない。
以下の表1及び2の結果は、HPMCASなどのエステル化セルロースエーテルは、酢酸アルカリ金属塩と同じ方法で、触媒として二酢酸アルカリ金属塩を使用することによって生成され得ることを例示する。表2に列記されているエステル置換は、平均的な置換であるということに留意されたい。局所的なホットスポットの影響は、列記されるエステル置換からは認識できない。
さらに、本特許出願の発明者は、二酢酸ナトリウムが、酢酸ナトリウムよりも貯蔵安定性があることを発見した。酢酸ナトリウム粉末が3日間以上外気に触れて貯蔵された場合、湿気の吸収により50重量%を超えて増加し、外見は堅くなり、その流動性を失った。二酢酸ナトリウムに対しては、重量の増加が観察されなかった。3日間以上外気に触れて貯蔵された場合であっても、自由に流動する粉末のままであった。これは、本発明のプロセスを容易にした。
フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)の生成
比較実施例C
Ekato式の壁スクレーパ/インペラ二重攪拌機を装備した1ガロン(3.8リットル)のガラス製ジャケット付反応器に、氷酢酸(1150.1g)を添加した。この溶液を、HPMC(乾燥基準の計算で215.7g)、固体無水フタル酸(368.2g)、及び粒状形態の固体酢酸ナトリウム(「粒状酢酸ナトリウム」、246.3g)が添加された時点で約45℃に加熱した。HPMCは、1.90のメトキシル基での置換度、DS、0.24のヒドロキシプロポキシル基でのモル置換、MSHP、及び20℃で2%水溶液として測定されたとき、約3mPa・sの粘度を有した。HPMCは、Methocel E3 LV PremiumセルロースエーテルとしてThe Dow Chemical Companyから市販されている。
スラリーを攪拌しながら88℃に加熱した。薄いスラリーをこの温度で4時間攪拌した。次いで、0.2時間を超えて水(300g)を添加することによって、反応混合物を反応停止させた。反応停止させた反応混合物の一部を、高剪断力を用いて過剰な水中で沈殿させた。単離された湿潤ケーキを真水で洗浄し、次いで60℃で乾燥させて固体HPMCPを得た。
実施例3
氷酢酸の初期量が1150.1gではなく972.6gであったこと、及び微粉酢酸ナトリウムの代わりに二酢酸ナトリウム粉末(「微粉二酢酸ナトリウム」)を使用したことを除いて、比較実施例Cの手順を繰り返した。二酢酸ナトリウムが等モル量の酢酸ナトリウム及び酢酸を有するように、氷酢酸の初期投与量は、最終反応混合物が比較実施例Cと同じ酢酸レベルを有するように選択された。
反応物の重量における僅かな偏差が、以下の表3に列記されている。比較実施例Cのように固体HPMCPを達成した。

Claims (10)

  1. エステル化セルロースエーテルを調製するためのプロセスであって、セルロースエーテルを、(i)脂肪族モノカルボン酸無水物もしくは(ii)ジカルボン酸無水物または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物とジカルボン酸無水物との組み合わせでエステル化するステップを含み、前記エステル化反応が酢酸及び二酢酸アルカリ金属塩の存在下で行われる、プロセス。
  2. 前記二酢酸アルカリ金属塩が二酢酸ナトリウムである、請求項1に記載のプロセス。
  3. モル比[酢酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]が、[1.2:1]〜[20:1]である、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. モル比[酢酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]が、[1.5:1]〜[12:1]である、請求項3に記載のプロセス。
  5. モル比[二酢酸アルカリ金属塩/セルロースエーテルの無水グルコース単位]が、[0.4:1]〜[5:1]である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. モル比[二酢酸アルカリ金属塩/セルロースエーテルの無水グルコース単位]が、[1.0:1]〜[3.8:1]である、請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記セルロースエーテルが、ウベローデに従って20℃の2.0重量%水溶液として測定されたとき、1.8〜100mPa・sの粘度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記セルロースエーテルが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記脂肪族モノカルボン酸無水物が、無水酢酸、無水酪酸、及び無水プロピオン酸からなる群から選択され、前記ジカルボン酸無水物が、無水コハク酸、無水マレイン酸、及び無水フタル酸からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、無水コハク酸及び無水酢酸でエステル化されて酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを生成する、請求項8または9に記載のプロセス。

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