JP2018523072A - プロファイル部を有するコンプレッションリング - Google Patents

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    • F16J9/00Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
    • F16J9/12Details
    • F16J9/20Rings with special cross-section; Oil-scraping rings

Abstract

本発明は、接触面領域(4)、上側面(6)、下側面(8)及び内周面(10)を備えるピストンリング(2)に関する。接触面領域(4)は、その軸線方向高さで見て、互いに離間すると共に凸球面状に形成され、かつ上側頂点及び下側頂点(So; Su)が設けられたセクション(12,14)を含むプロファイル部を備える。頂点(So,Su)間には、深さ(Tn)を有する溝(16)が配置され、2つの頂点(So; Su)が、ピストンリング(2)における軸線方向の中央部(M)よりも下方に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ピストンリングにおける高さ方向の中央部よりも下方に2つの頂点を有するプロファイル部を含む摺動面領域を備えるコンプレッションリングに関する。
ピストンリング、特に、コンプレッションリングは、典型的には、内燃機関の第1ピストンリング溝(頂部)及び第2ピストンリング溝(中央部)に装着される。コンプレッションリングは、以下の機能特性を有する。
1.クランクケースを燃焼ガスに対してシールする。
2.余剰の潤滑油を掻き落とし、これによりシリンダ内壁に残留する潤滑油を可及的に僅かとして燃焼可能とする。
これらの機能を実現するために、接触面が球面状のリングが使用される。コンプレッションリングにおいて、燃焼ガスの大部分は、合口を介してのみならず、壁厚及び直径によってはリング下側面も介して、クランクケース方向に流れる。従来、このような流れは、主として、接触領域におけるピストンリング側面のみならず、ピストンリング溝側面における表面粗さ及び起伏により生じるものである。更に、温度の影響下でピストンリング溝に変形が生じて、やはりシール効果に悪影響を及ぼす可能性がある。
従来技術において、接触面上に最大接触点を有する対称的又は球面対称的なコンプレッションリングが既知である。この場合、ピストンリング溝側面及びピストンリング側面は、ピストンリングが周方向に規定の可動性を得られるよう、規定の表面粗さで形成される。通常、ピストンリング溝の起伏や、ピストンリング自体の起伏は考慮されない。
本発明は、請求項1に記載したとおり、ピストンリングにおける高さ方向の中央部よりも下方に2つの頂点を有するプロファイル部を有する接触面領域ピストンリングに関する。好適な実施形態は、従属請求項に記載したとおりである。
本発明に係るピストンリングは、接触面領域、上側面、下側面及び内周面を有する。接触面領域は、プロファイル部を有し、そのプロファイル部は、接触面領域の軸線方向高さで見て、互いに離間すると共に凸球面状に形成された上側頂点及び下側頂点を含む。この場合、上側セクションは上側頂点を有し、下側セクションは下側頂点を有する。頂点間には、深さを有する溝が配置されている。2つの頂点は、ピストンリングにおける軸線方向の中央部よりも下方に配置されている。
本明細書における用語「上側」とは、「燃焼室方向」又は「ピストンヘッド方向」を意味し、用語「下側」とは、「クランクケース方向」又は「ピストンスカート方向」を意味する。
本発明に係るコンプレッションリングは、接触面領域に2つ以上の最大接触点又は2つ以上の最大接触線を有する。更に、これら接触点又は接触線は全て、軸線方向高さの中央部よりも下方に配置されている。この場合、上昇行程時における油膜上での浮動性に影響を及ぼすことなく、下降行程時の潤滑油掻き落とし効果が大幅に高まる。2つ以上のいわゆるピボット点又は頂点は、包絡曲面上に配置され、ピボット点が2つ設けられる場合にその両方の点は、接触線全体の要素であると共に、接触線における最大点であると見なされる。従ってこの場合、両方の頂点はシリンダ面に接触している。これにより、下降行程時に流体力学的影響が低下し、従ってピストンリングの浮動性が低下する。その結果、下降行程時に、掻き落とし効果が必然的に高まる。上側頂点の上方における球面状部により、上昇行程時には、従来のコンプレッションリングの場合と同様の流体力学的影響が及ぶ。
ピストンリングの例示的な実施形態において、上側頂点は、ピストンリングにおける全高の22%〜45%の範囲、好適には25%〜40%の範囲、更に好適には30%〜35%の範囲に配置されている。下側頂点は、ピストンリングにおける全高の0%〜20%の範囲、好適には5%〜18%の範囲、更に好適には10%〜15%の範囲に配置されている。
ピストンリングの更なる例示的な実施形態において、ピストンリングにおける上側エッジが上側頂点に対して有する上側深さは、下側エッジが下側頂点に対して有する下側深さよりも大きい。この点は、上側頂点からピストンリングの上側エッジまで延在する接触面領域の勾配が、下側頂点から下側エッジまで延在する接触面領域の勾配に比べて、より平坦で大きな距離に亘っていることと対応している。
ピストンリングの更なる実施形態において、ピストンリングは、上側頂点及び下側頂点間に配置された中間頂点が設けられると共に、凸球面状に形成された第3セクションを備える。この場合、中間頂点の半径方向寸法は、上側頂点及び/又は下側頂点の半径方向寸法よりも大きい。
ピストンリングの更なる実施形態において、ピストンリングの軸線方向と、上側頂点及び中間頂点間を結ぶ直線とのなす角度が、ピストンリングの軸線方向と、中間頂点及び下側頂点間を結ぶ直線とのなす角度に等しい。この場合、接触線により、実質的に同一の円錐面及び鏡面対称面が得られる。これにより、ピストンリングがピストンリング溝内でねじれを生じた場合でも、潤滑油を掻き落とすための2つ以上の最大接触点又は2つ以上の接触線がシリンダ内壁と常に接触している。この実施形態においては、ピストンリングがその上昇行程時のみならず下降行程時にも、同程度に傾斜することが想定されている。
ピストンリングがピストンリング溝内でねじれを生じた場合でも、油を掻き落とすための2つ以上の最大接触点又は2つ以上の接触線がシリンダ内壁と常に接触している。この実施形態においては、ピストンリングがその上昇行程時のみならず下降行程時にも、同程度に傾斜することが想定されている。
ピストンリングの更なる実施形態において、ピストンリングの軸線方向は、上側頂点及び中間頂点間を結ぶ直線と平行であり、ピストンリングの軸線方向と中間頂点及び下側頂点間を結ぶ直線との間に所定の角度が設けられている。この場合、上側における2つの接触線により、実質的に円筒面が得られ、下側における2つの接触線により、円錐面が得られる。この実施形態において、燃焼行程時のピストンの下降行程に際しては、燃焼ガスによってピストンリングがピストンリング溝下側面に対して押圧されるため、ピストンリングはピストンリング溝下側面に対して平坦に当接し、従って中間頂点及び上側頂点(又は各接触線)がシリンダ内壁に接触している。これに対して、吸気行程時のピストンの下降行程に際しては、混合気がシリンダ内に吸気されるため、ピストンリングは、ピストンリング溝上側面に対して当接しつつ傾斜するか又は正のねじれを生じ、従って僅かに傾斜した状態でピストンリング溝下側面に対して当接している。この場合、中間頂点及び下側頂点(又は各接触線)がシリンダ内壁に接触している。
ピストンリングがピストンリング溝内でねじれを生じた場合でも、潤滑油を掻き落とすための2つ以上の最大接触点又は2つ以上の接触線がシリンダ内壁と常に接触している。この実施形態においては、ピストンリングがその燃焼行程時の下降行程に際して、吸気行程時の下降行程とは異なるように傾斜することが想定されている。
ピストンリングの更なる実施形態において、上側頂点及び中間頂点間におけるセクションの輪郭は、中間頂点及び下側頂点間における輪郭に等しい。この場合、各輪郭は、頂点So,Sm,Suが必ずしも整列している必要がないため、互いに傾斜していてもよい。この実施形態により、一方では頂点So,Sm間の溝、他方では頂点So,Su間の溝による同一の流体力学的効果を利用することができる。頂点So,Sm間には第1上溝Noが配置され、頂点Sm,Su間には第2下溝Nuが配置されている。
ピストンリングの更なる実施形態において、接触面領域の少なくとも頂点には、摩耗保護層、例えばダイアモンドライクカーボン(DLC)層が設けられている。これは、頂点又は接触ラインがピストンリングの高さ方向において僅かな部分のみを構成し、従って当該部分に大きな面圧が生じることに関連して高い摩耗性が要求されるからである。適切な摩耗保護層が設けられていなければ、微細構造を有する頂点が早期に摩耗し、ピストンリングが従来の球面状ピストンリングに変形する。
ピストンリングの更なる実施形態において、球面状セクションは、接触面領域の軸線方向で見て、互いに非対称的に配置されている。これにより、非対称的に形成された従来のコンプレッションリングと同様に掻き落とし効果を高めることができる。
ピストンリングの更なる実施形態において、上側深さToは20〜40 μmの範囲、溝(Tn)深さは1〜5 μmの範囲、下側深さ(Tu)は5〜20 μmの範囲にある。3つの頂点So,Sm,Suを有する実施形態において、一方の頂点So,Sm間における溝の寸法は、他方の頂点Sm,Su間における溝の寸法と同一である。
ピストンリングの更なる例示的な実施形態において、リングが装着され、かつ無負荷状態の場合、上側頂点及び下側頂点(So,Su)は、同一の半径方向平面内又はシリンダ内壁に位置している。ピストンリングの他の実施形態において、リングが装着され、かつ無負荷状態の場合、上側頂点及び中間頂点(So,Sm)は、同一の半径方向平面内又はシリンダ内壁に位置している。
以下、本発明を個々の例示的な実施形態を示す略図に基づいて詳述する。
従来におけるコンプレッションリングを示す半径方向断面図である。 本発明に係るピストンリングの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係るピストンリングの他の実施形態を示す断面図である。 図3Aのピストンリングを負荷状態で示す断面図である。 本発明に係るピストンリングの更なる実施形態を示す断面図である。 図4Aのピストンリングを負荷状態で示す断面図である。
本明細書及び図面において、同一又は類似の要素及び構成要素には同一参照符号を付すものとする。
図1は、従来におけるコンプレッションリング20の半径方向断面図を示す。従来のコンプレッションリング20は、接触面領域4、上側面6、下側面8、並びに内周面10を有する。従来のコンプレッションリング20は、球面状に形成されると共に、頂点Sを備える接触面4を有し、その接触面4は、中央部Mを基準として、従来のコンプレッションリング20における全高Hの半分の高さ(1/2H)に配置されている。従来のコンプレッションリング20における接触面は、非対称的に形成されている。この場合、ピストンリングは、上昇行程時には油膜上を浮動するが、下降行程時には潤滑油をシリンダ内壁(図示せず)から掻き落とすことができる。図示の断面図は、接触面プロファイルを可能な限り明瞭に示すため、半径方向に切断された状態で短縮化して表されている。
図2は、本発明に係るピストンリング2の第1実施形態の断面図を示す。本発明に係るピストンリング2も、接触面領域4、上側面6、下側面8、並びに内周面10を有する。本発明に係るコンプレッションリング2は、球面状に形成された接触面領域4を有し、その接触面領域4上には、溝16を形成する凹部によって互いに分離された上側頂点So及び下側頂点Suが配置されている。上側頂点Soは上側接触面セクション12に配置され、下側頂点Suは下側接触面セクション14に配置されている。両方の頂点So, Suも、コンプレッションリング2における全高Hの半分の高さ1/2Hに位置する中央部Mよりも下方に配置されている。図示の実施形態においては、1つの頂点Sの代わりに、溝16によって互いに分離された上側頂点So及び下側頂点Suが設けられている。溝16は、ピストンリング2の潤滑作用及び掻き落とし効果を向上させる潤滑油残留蓄積部として機能する。図示の接触面領域4は、図1に示す従来のコンプレッションリング20と同様に非対称的な形状を有する。
2つの頂点So及びSuは、ピストンリングが装着され、かつ無負荷状態の場合、シリンダ面又はシリンダ内面に接触している。
接触面領域の上側エッジが各頂点So,Suに対して有する深さToは、接触面領域の下側エッジにおける深さTuよりも大きい。ピストンリングは、この非対称的な形状により、図1に示す従来のピストンリング20と同様に、上昇行程時には油膜上を浮動し、下降行程時には潤滑油をシリンダ内壁18から掻き落とすことができる。頂点So,Su間における溝16の深さTnは、深さTo,Tuよりも小さい。2つの頂点So,Suは、ピストンリング2の装着状態では同じ半径方向寸法を有するため、各頂点So,Suはシリンダ内面18上における接触線を形成している。図2の断面図も、接触面プロファイルを可能な限り明瞭に示すため、半径方向に切断された状態で短縮化して表されている。図示の実施形態においては、ピストンリング2の側面6,8がピストンリング溝上側面又はピストンリング溝下側面に対して平坦に当接し、ピストンリング溝内で傾斜しないことが想定されている。
図示のコンプレッションリングは、その接触面上に2つ以上の最大接触点又は2つ以上の接触線を有する。更に、これら接触点又は接触線は全て、軸線方向高さにおける中央部Mよりも下方に配置されている。2つ以上のいわゆるピボット点又は頂点So,Suは、包絡曲面上に配置され、ピボット点が2つ設けられる場合にその両方の点は、接触面全体の要素であると共に、接触線における最大点であると見なされる。従ってこの場合、両方の頂点はシリンダ面に接触している。これにより、下降行程時に流体力学的影響が低下し、従ってピストンリングの浮動性が低下する。その結果、下降行程又は方向Koへの上昇行程又は圧縮行程時に、掻き落とし効果が必然的に高まる。上側頂点よりも上方における球面状部により、上昇行程時には、従来のコンプレッションリングの場合と同様の流体力学的影響が及ぶ。
図3Aは、本発明に係るピストンリング2の第2実施形態の断面図を示す。図示の実施形態の基本構造は、図2に示す実施形態に対応しているため詳細な説明については省略する。図示の実施形態においては、図2に示す溝16内に、中間頂点Smが更に配置されている。この場合、溝16は、上溝No及び下溝Nuに分割されている。中間頂点Smの半径方向寸法Rmは、上側頂点So及び下側頂点Suのそれぞれが有する同一半径方向寸法Ro,Ruよりも大きい。図3Aにおいて、Rm>Ro,Rm>Ru,Ro=Ruである。なお、等号及び不等号は、何れも製造及び測定分野における精度の通例に従う。図示の実施形態においては、ピストンリングの上昇行程Ko時のみならず下降行程時にも、ピストンリング溝内で均一かつ容易に傾斜することが想定されている。
図3Bは、図3Aのピストンリング2の構造による効果を明瞭に示す。図3Bにおいて、ピストンリングは、ピストンリング溝内にて、上昇行程Ko時のみならず下降行程又は吸気行程時にも僅かに傾斜している。実線は、ピストンリング2がその上昇行程時に、負のねじれを生じた状態を示し、上側頂点So及び中間頂点Smがシリンダ内壁に対して当接している。これに対して、破線Anは、ピストンの吸気行程又は下降行程時に、コンプレッションリングが僅かに正のねじれを生じた状態を示す。図示の実施形態においては、上昇行程時のみならず下降行程時にも、燃焼室からのガスをシールするために2つの接触線がシリンダ内壁と常に接触している。
図4Aは、本発明に係るピストンリング2の第3実施形態の断面図を示す。図示の実施形態の基本構造は、図3Aに示す実施形態に対応しており、半径方向寸法Ro,Rm,Ruの割り当てだけが異なっている。この場合、上側頂点So及び中間頂点Smは、それぞれ同一の半径方向寸法Ro,Rmを有する。下側頂点Suは、上側頂点So及び中間頂点Smの半径方向寸法Ro,Rmよりも小さな半径方向寸法Ruを有する。図4Aにおいて、Ro>Ru,Rm>Ru,Ro=Rmである。なお、等号及び不等号は、何れも製造及び測定分野における精度の通例に従う。
この実施形態は、ピストンの下降行程時に、最大の掻き落とし効果が得られるよう構成されている。即ち、図示のピストンリングは、吸気行程(An)時の下降行程に際してのみならず燃焼行程(Ar)時の下降行程に際しても、潤滑油をシリンダ内壁18から掻き落とす。図示の実施形態において、ピストンリング2の下測面8は、燃焼行程Ar時にピストンリング溝内でピストンリング溝下側面に対して平坦に当接し、吸気行程時にピストンリング溝内で均一かつ容易に傾斜することが想定されている。
図4Bは、図4Aのピストンリング2の構造による効果を明瞭に示す。図4bにおいて、ピストンリングは、異なる圧力条件により、吸気行程An時の下降行程に際してのみピストンリング溝内で僅かに正のねじれを生じるよう傾斜している。これに対して、燃焼行程時のピストンの下降行程に際しては、燃焼ガスの過剰圧力により、ピストンリング下側面がピストンリング溝下側面に対して押圧される。
図4Bに破線で示すように、吸気行程An時の下降行程に際しては、ピストンリング2が僅かに正のねじれを生じた状態で、プロファイル部の中間頂点Sm及び下側頂点Suがシリンダ内壁に対して当接している。これに対して、実線Arで示すように、燃焼行程時のピストンの下降行程に際しては、コンプレッションリングが平坦でねじれを生じていない。図示の実施形態におけるピストンリングのプロファイルにより、吸気行程An時の下降行程に際してのみならず燃焼行程時の下降行程に際しても、燃焼室からのガスをシールすると共に、潤滑油をシリンダ内壁(破線参照)から掻き落とすために2つの接触線がシリンダ内壁と常に接触している。
図示のコンプレッションリングは、リングがねじれを生じた場合でも、その接触面上に2つ以上の最大接触点又は2つ以上の接触線を常に有する。これら接触線は全て、ピストンリングにおける軸線方向高さの中央部Mよりも下方に配置されている。ピストンリングは、頂点So,Sm,Su領域において球面状に形成され、各頂点So,Sm,Suの間には上溝No及び下溝Nuが形成されている。好適には、上溝No及び下溝Nuは、同一の形状又はプロファイルを有する。更に好適には、溝No,Nuは、非対称的なコンプレッションリングにおける掻き落とし効果をより高める非対称的な形状又はプロファイルを有する。この場合、特に、溝の上側面はより急峻に形成され、溝の下側面はより平坦に形成される。その結果、下降行程時に流体力学的影響が低下し、従ってピストンリングの浮動性が低下する。これにより、下降行程時の掻き落とし効果は、上昇行程時の掻き落とし効果よりも高まる。
明細書の記載を簡潔にするため、特許請求の範囲に記載されたピストンリングにおける全ての組み合わせの個別的な説明は省略されているが、実施形態における特徴の組み合わせから想定可能な何れの組み合わせも、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
2 ピストンリング(コンプレッションリング)
4 接触面領域
6 上側面
8 下側面
10 内周面
12 上側セクション
14 下側セクション
18 シリンダ内面
20 ピストンリング
Ko 圧縮行程
An 吸気行程
Ar 燃焼行程
H 高さ
L 上昇行程
M 中央部
N 溝
No 上溝
Nu 下溝
P プロファイル部
Rm 中間頂点の半径
Ro 上側頂点の半径
Ru 下側頂点の半径
S 頂点
Sch 切断線
Sm 中間頂点
So 上側頂点
Su 下側頂点
Tn 溝の深さ
To 上側エッジの深さ
Tu 下側エッジの深さ

Claims (11)

  1. 接触面領域(4)、上側面(6)、下側面(8)及び内周面(10)を備えるピストンリング(2)であって、前記接触面領域(4)がプロファイル部を備え、該プロファイル部が、その軸線方向高さで見て、互いに離間すると共に上側頂点及び下側頂点(So; Su)を有する凸球面状のセクション(12,14)を含み、前記頂点(So,Su)間に、深さ(Tn)を有する溝(16)が配置され、前記2つの頂点(So; Su)が、前記ピストンリング(2)における軸線方向の中央部(M)よりも下方に配置されているピストンリング。
  2. 請求項1に記載のピストンリング(2)であって、前記上側頂点(So)が、前記ピストンリング(2)における全高(H)の22〜45%の範囲、好適には25〜40%の範囲、更に好適には3035%の範囲に配置され、前記下側頂点(Su)が、前記ピストンリング(2)における全高(H)の0〜20%の範囲、好適には5〜18%の範囲、更に好適には10〜15%の範囲に配置されていることを特徴とするピストンリング。
  3. 請求項1又は2に記載のピストンリング(2)であって、該ピストンリング(2)における上側エッジ(18)の前記上側頂点(So)に対する上側深さ(To)が、前記下側エッジ(20)の前記下側頂点(Su)に対する下側深さ(Tu)よりも大きいことを特徴とするピストンリング。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のピストンリング(2)であって、前記上側頂点(So)及び前記下側頂点(So)間に配置された中間頂点(Sm)を有する、凸球面状の第3セクションを更に含み、前記中間頂点(Sm)の半径方向寸法が、前記上側頂点(So)及び/又は前記下側頂点(Su)の半径方向寸法よりも大きいことを特徴とするピストンリング。
  5. 請求項4に記載のピストンリング(2)であって、該ピストンリング(2)の軸線方向と、前記上側頂点(So)及び前記中間頂点(Sm)間を結ぶ直線とのなす角度が、前記ピストンリング(2)の軸線方向と、前記中間頂点(Sm)及び前記下側頂点(Su)間を結ぶ直線とのなす角度に等しいことを特徴とするピストンリング。
  6. 請求項4に記載のピストンリング(2)であって、前記上側頂点(So)及び前記中間頂点(Sm)間を結ぶ直線が、前記ピストンリング(2)の軸線方向と平行であり、前記ピストンリング(2)の軸線方向と、前記中間頂点(Sm)及び前記下側頂点(Su)間を結ぶ直線とのなす角度が、1〜6角度分、好適には2〜5角度分、更に好適には3〜4角度分であることを特徴とするピストンリング。
  7. 請求項4〜6の何れか一項に記載のピストンリング(2)であって、前記上側頂点(So)及び前記中間頂点(Sm)間における前記セクションの輪郭が、前記中間頂点(Sm)及び前記下側頂点(Su)間における輪郭に等しいことを特徴とするピストンリング。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のピストンリング(2)であって、前記接触面領域(4)の少なくとも前記頂点(So,Sm,Su)に、例えばダイアモンドライクカーボン(DLC)よりなる摩耗保護層が設けられていることを特徴とするピストンリング。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のピストンリング(2)であって、前記凸球面状のセクションが、前記接触面領域の軸線方向(H)で見て、互いに非対称的に配置されていることを特徴とするピストンリング。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載のピストンリング(2)であって、前記上側深さ(To)が20〜40 μmの範囲、前記溝(Tn)深さが1〜5 μmの範囲、前記下側深さ(Tu)が5〜20 μmの範囲にあることを特徴とするピストンリング。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載のピストンリング(2)であって、前記上側頂点及び前記下側頂点(So,Su)が、同一の半径方向平面内に位置し、又は前記上側頂点及び前記中間頂点(So,Sm)が、同一の半径方向平面内に位置していることを特徴とするピストンリング。
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