JP2015129463A - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンスカートとシリンダ内周面との間の摺動抵抗を低減すると共に、ピストンの挙動を抑制することができ、特に高負荷時に有効となる内燃機関のピストンを提供する。【解決手段】ピストンの高さ方向においてピストンスカートの最大外径位置より反燃焼室側の断面が、ピストンピンに直交するピストン軸心面Xと該ピストン軸心面Xに対してピストンピン長さ方向に離間して位置するスカート脇部βとを通る単一楕円形状E2に対して、ピストンスカート24とシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面X上の中央部24fで略一致し、中央部24fとスカート脇部βとの中間部αにおいては径方向内側に凹む凹み部24gを有し、凹み部24gよりさらにスカート脇部β側では、単一楕円形状E2に再び戻るように形成されたことを特徴をする。【選択図】図6

Description

この発明は、燃焼室の一部を形成し、往復運動にて燃焼圧力を回転エネルギに変換するレシプロエンジンのピストンのような内燃機関のピストンに関し、特にピストンスカートのプロフィールの改良に関するものである。
一般に、レシプロエンジンのピストンは、燃焼室内の爆発圧力を受けてシリンダ内を高速で上下往復動し、このピストンの上下運動がコンロッドに伝えられて、クランクシャフトを回転させることで、往復運動が回転運動に変換される。
近年、自動車業界においては、エンジンの効率のよい燃焼をもって、燃費を改善しようという傾向がある。一方で、エンジンの燃費悪化の要因の一つとして、ピストンとシリンダとの摩擦による抵抗と、シリンダ内でのピストンの挙動(いわゆるピストンの水平移動や首振り挙動)による抵抗と、が挙げられる。
上記要因の対策として、ピストンとシリンダとの間の摩擦抵抗を低減するように、ピストンスカート部のシリンダとの接触面積を可及的小さくし、そのプロフィールを楕円形に形成したピストンスカート形状が知られている。
また、特許文献1には以下の技術内容が開示されている。
すなわち、該特許文献1によると、ピストンスカート上側(燃焼室側)では、スカート部の横断面がピストンピンと直交するスラスト、反スラスト方向に長径を持つ楕円に形成され、機関運転時は熱膨張によりこの楕円が真円に近付き、シリンダに接触する面積を増大させてピストンの姿勢を制御しており、ピストンが受ける燃焼圧力または慣性力によりスカート部がシリンダに押し付けられるスラスト側または反スラスト側において、この荷重が最も大きくなるピストンピンの側方領域(スカート部の上部)では、スカート部の横断面を真円に近付けることにより、シリンダの周方向について広い範囲で接触させ、面圧を十分に低減して焼き付き等を防止している。
また、ピストンスカート下側(反燃焼室側)では、スカート部をシリンダに押し付ける荷重が小さいピストンピンより下方の領域では、スカート部の楕円度を大きくすることにより、シリンダの周方向について狭い範囲で接触させ、スカート部における不要な接触面積を削減してピストンの摩擦損失を減らしている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来構造においては、スカート部における不要な接触面積を削減して、ピストンの摩擦損失を減らすという効果が得られるものの、エンジンの高負荷時ではスカート部の剛性の低い部分しかシリンダ内周面と接触していないため、ピストンの挙動抑制の面でその機能が不充分となってしまうという問題点が発生する。
特開平4−244672号公報
そこで、この発明は、ピストンスカートとシリンダ内周面との間の摺動抵抗を低減させることができると共に、ピストンの挙動を抑制することができ、特に高負荷時に有効となる内燃機関のピストンを提供することを目的とする。
この発明は、ピストンヘッドと、該ピストンヘッドから反燃焼室側に延びるピストンスカートと、該ピストンスカートに形成されピストンピンを支持するピンボスを有し、ピストンスカートのスラスト側および反スラスト側が樽形に形成されピンボス中心高さ位置より反燃焼室側にピストンスカート最大外径部が形成された内燃機関のピストンにおいて、ピストンの高さ方向において上記ピストンスカートの最大外径位置より反燃焼室側の断面が、ピストンピンに直交するピストン軸心面と該ピストン軸心面に対してピストンピン長さ方向に離間して位置するスカート脇部とを通る単一楕円形状に対して、ピストンスカートとシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面上の中央部で略一致し、上記中央部とスカート脇部との中間部においては径方向内側に凹む凹み部を有し、上記凹み部よりさらにスカート脇部側では、上記単一楕円形状に再び戻るように形成されたことを特徴とするものである。
上述の内燃機関は往復運動(レシプロ)エンジンである。
上記構成によれば、上述の中央部とスカート脇部との中間部においては径方向内側に凹む凹み部を有するので、この凹み部の部分でピストンスカートとシリンダ内周面との間の接触面積が小さくなり、これによりピストンスカート、シリンダ内周面間の摺動抵抗を低下させることができる。
しかも、上記凹み部よりもさらにスカート脇部側では、ピストンスカート形状の断面が上記単一楕円形状に再び戻るように形成されているので、スカート脇部がピストンの挙動抑制部として作用し、これによりピストンの挙動を抑制して、挙動安定化を図ることができて、特に、内燃機関の高負荷時に有効である。
この発明の一実施態様においては、上記ピストンの高さ方向において、ピストンスカートの最大外径位置より燃焼室側の断面が、上記単一楕円形状に対して、ピストンスカートとシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面上の中央部で略一致し、上記中央部と上記スカート脇部との中央部においては、径方向外側に張り出す張り出し部を有し、上記張り出し部よりさらにスカート脇部側では、上記単一楕円形状に再び戻るように形成されたものである。
上記構成によれば、上述の中央部とスカート脇部との中央部においては、径方向外側に張り出す張り出し部を有するので、特に、上記中央部から張り出し部にかけて、ピストンスカートがシリンダ内周面に接触する接触面積が大きくなり、面圧を分散させることで、面圧を低くすることができる。よって、ピストンスカート、シリンダ内周面間の摺動抵抗の低減効果を確保することができる。
この発明によれば、ピストンの高さ方向においてピストンスカートの最大外径位置より反燃焼室側の断面が、ピストンピンに直交するピストン軸心面とスカート脇部とを通る単一楕円形状に対して、ピストンスカートとシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面上の中央部で略一致し、上記中央部とスカート脇部との中間部においては径方向内側に凹む凹み部を有し、上記凹み部よりさらにスカート脇部側では、上記単一楕円形状に再び戻るように形成されているので、ピストンスカートとシリンダ内周面との間の摺動抵抗を低減させることができると共に、ピストンの挙動を抑制することができ、特に、高負荷時に有効となる効果がある。
本発明の内燃機関のピストンを示す斜視図 当該ピストンの正面図 ピストンピンに直交するピストン軸心面に沿うピストンの断面図 ピストンピン中心線に沿うピストンの断面図 図2のA−A線に沿うピストンの燃焼室側の断面図 図2のB−B線に沿うピストンの反燃焼室側の断面図
ピストンスカートとシリンダ内周面との間の摺動抵抗の低減を図り、かつ、ピストンの挙動を抑制することができて、当該挙動による抵抗減少を図り、特に高負荷時においても有効になるという目的を、ピストンヘッドと、該ピストンヘッドから反燃焼室側に延びるピストンスカートと、該ピストンスカートに形成されピストンピンを支持するピンボスを有し、ピストンスカートのスラスト側および反スラスト側が樽形に形成されピンボス中心高さ位置より反燃焼室側にピストンスカート最大外径部が形成された内燃機関のピストンにおいて、ピストンの高さ方向において上記ピストンスカートの最大外径位置より反燃焼室側の断面が、ピストンピンに直交するピストン軸心面と該ピストン軸心面に対してピストンピン長さ方向に離間して位置するスカート脇部とを通る単一楕円形状に対して、ピストンスカートとシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面上の中央部で略一致し、上記中央部とスカート脇部との中間部においては径方向内側に凹む凹み部を有し、上記凹み部よりさらにスカート脇部側では、上記単一楕円形状に再び戻るように形成されるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、内燃機関としてのレシプロエンジンのピストンを示し、図1はその斜視図、図2は当該ピストンの正面図、図3はピストンピンに直交するピストン軸心面に沿うピストンの断面図、図4はピストンピン中心線に沿うピストンの断面図、図5は図2のA−A線に沿うピストンの燃焼室側(上側)の断面図、図6は図2のB−B線に沿うピストンの反燃焼室側(下側)の断面図である。
図3,図4に示すように、レシプロエンジンのピストン20は、アルミニウムまたはアルミ合金で形成されており、このピストン20はその一対のピンボス部21,21に剛性パイプ構造のピストンピン10を固定し、該ピストンピン10に軸受メタル11を介してコンロッド12(詳しくは、コネクティングロッド)上端のスモールエンド部12Sを取付けており、燃焼室内の爆発圧力をピストンヘッド22(いわゆるクラウン部)で受けてシリンダ内周面(つまり、シリンダボア部)を高速で上下動し、このピストン20の上下運動がコンロッド12に伝えられて、該コンロッド12下端のラージエンド部に連結された図示しないクランクシャフトを図3の矢印a方向に回転させることで、往復運動を回転運動に変換する。
図3に示すように、上述のピストン20はコンプレッションハイト部23とピストンスカート24とを有し、コンプレッションハイト部23の上部側外周面にはトップランド25、セカンドランド26、サードランド27がそれぞれ形成されており、上述のトップランド25とセカンドランド26との間には環状のトップリング溝28が凹設形成され、このトップリング溝28には、燃焼ガスやオイルをシールするためのコンプレッションリングとしてのトップリング(図示せず)が装着される。
また、セカンドランド26とサードランド27との間には環状のセカンドリング溝29が凹設形成され、このセカンドリング溝29には、コンプレッションリングとしてのセカンドリング(図示せず)が装着される。
さらに、サードランド27の直下部には環状のオイルリング溝30が凹設形成されており、このオイルリング溝30には、ピストンリングとしてのオイルリング(図示せず)が装着される。図3に示すように、該オイルリングで掻き落したオイルを逃がすために上述のオイルリング溝30底面とピストン内周面とを連通するように、複数のオイル戻し穴31が形成されている。
上述のピストンピン10はピストン20で受けた燃焼圧や各部の慣性力を、揺動するコンロッド12に伝達するもので、この実施例では、図4に示すように、ピストンピン10の保持には、その両端部をサークリップ13,13で保持するフルフロート式を採用している。
このため、ピストン20のピンボス部21には、ピストンピン10の両端部に対応して、上記サークリップ13を係入嵌合するための環状の凹溝32が形成されている。
一方で、図1に示すように、ピストンヘッド22には吸排気弁に対応してバルブリセス33が凹設形成されている(但し、他図においてはその図示を省略している)。この実施例では、吸気2弁、排気2弁に対応して、合計4つのバルブリセス33,33…を有するが、これに限定されるものではない。
また、図3に示すように、この実施例では、クランクシャフトの回転方向(矢印a参照)によりピストン20の図示左側がスラスト側に設定され、図示右側が反スラスト側に設定されるものである。
図1に示すように、上述のピストンスカート24は、スラスト側のスカート部24Aと、反スラスト側のスカート部24Bと、これらの一対のスカート部24A,24Bの両端からそれぞれ延びるスカート延長部24E,24Eとを備えている。
図2に示すように、上述のピストンスカート24はそのスラスト側(図2の左側)および反スラスト側(図2の右側)の何れもが樽形に形成されている。
すなわち、この実施例では、図2に示すように、ピストンピン穴34の直下部にピストンスカート24の最大外径部24MAXが形成されており、この最大外径部24MAXとピストンスカート上端24aとの径方向の間隔L2が約50μmに設定されており、最大外径部24MAXとピストンスカート下端24bとの径方向の間隔L1が約40μmに設定されている。つまり、L2>L1の関係式が成立するように樽形に形成されたものである。
要するに、上記ピストン20は、ピストンヘッド22と、該ピストンヘッド22から反燃焼室側に延びるピストンスカート24と、該ピストンスカート24に形成されピストンピン10を支持するピンボス部21を有し、ピストンスカート24のスラスト側および反スラスト側が樽形に形成されピンボス中心高さ位置より反燃焼室側にピストンスカート24の最大外径部24MAXが形成されたものである。
なお、図2では上記樽形構造が明白になるように誇大して図示している。また、上記各径方向の間隔L2,L1の数値は、一例であって、これに限定されるものではない。
図5はピストン20の高さ方向において、上記ピストンスカート24の最大外径部24MAXの位置よりも燃焼室側(上側)の断面(図2のA−A線矢視断面図)を示し、ピストンピン10(ピストンピン中心線Y参照)に直交するピストン軸心面Xと該ピストン軸心面Xに対してピストンピン長さ方向に離間して位置するスカート脇部βとを通る単一楕円形状E1に対して、当該断面が、ピストンスカート24とシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面X上の中央部24cで略一致し、この中央部24cとスカート脇部βとの中間部αにおいては、径方向外側に張り出す張り出し部24dを有しており、該張り出し部24dよりもさらにスカート脇部β側では、上述の単一楕円形状E1に再び戻るように形成されている。
上述の張り出し部24dの張り出し量はミクロン単位に設定されている。
ここで、ピストン軸中心(図2に示すピストン軸中心を上下方向に通るピストン中心線Z参照)と、ピストン軸心面Xとが交わる交点を「O」とし、この交点Oにおいてピストン軸心面Xとの成す角度θを30°以上、45°未満、好ましくは、30°以上、35°未満に設定した時、当該角度θの位置をスカート脇部βとし、θ/2の位置を中間部αとしている。
上述の中央部24cとスカート脇部βとの中間部αにおいて、図5に点線で示す単一楕円形状E1に対し、径方向外側に張り出す張り出し部24dを有することで、特に上述の中央部24cから張り出し部24dにかけて、ピストンスカート24がシリンダ内周面に接触する接触面積が大きくなり、面圧を分散させることで、面圧を低くすることができ、これにより、ピストンスカート24とシリンダ内周面との間の摺動抵抗の低減効果を確保するように構成したものである。
図5において細線Cは真円を示すものである。また、図5において、上述の中央部24cから張り出し部24dにかけては、なだらかに変位し、同様に、張り出し部24dからスカート脇部βにかけても、なだらかに変位するものである。さらに、図5では張り出し部24dの構造が明白となるように誇大して図示している。
図5に示すように、上記角度θよりも開角が大きくなるピストンスカート24の周方向端部24eにおいて、ピストンスカート24の肉厚が最大で、剛性が高く、スカート脇部βの肉厚は周方向端部24eに次いで厚肉に形成されており、その剛性も高く、中央部24cにおいて肉厚が最小となる。上述の張り出し部24dが形成された中間部αの肉厚は、中央部24cの肉厚よりも大きく、かつ周方向端部24eの肉厚よりも小さくなるように設定されている。
図5において図示左側のスラスト側と、図示右側の反スラスト側とでは肉厚の差異があるものの、単一楕円形状E1に対するピストンスカート24の断面形状(プロフィール)は同等に形成されている。なお、反スラスト側(図5の右側)においてはシリンダ内周面とピストンスカート24の中央部24cとの間にミクロン単位の微小隙間を形成してもよい。また、図5からも明らかなように、ピストンピン中心線Yは上記交点Oに対してスラスト側に微小距離だけオフセットしている。さらに、上述の単一楕円形状E1は、ピストンピン中心線Yと直交するスラスト、反スラスト方向に長径を有し、ピストン軸心面X上に焦点をもつ楕円である。なお、図中、POはピストンピン中心を示す。
図6はピストンピン20の高さ方向において上記ピストンスカート24の最大外径部24MAXの位置よりも反燃焼室側(下側)の断面(図2のB−B線矢視断面図)を示し、ピストンピン10(ピストンピン中心線Y参照)に直交するピストン軸心面Xと該ピストン軸心面に対してピストンピン長さ方向に離間して位置するスカート脇部βとを通る単一楕円形状E2に対して、当該断面が、ピストンスカート24とシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面X上の中央部24fで略一致し、この中央部24fとスカート脇部βとの中間部αにおいては、径方向内側に凹む凹み部24gを有しており、該凹み部24gよりもさらにスカート脇部β側では、上述の単一楕円形状E2に再び戻るように形成されている。
上述の凹み部24gの凹み量はミクロン単位に設定されている。
ここで、上述の交点Oにおいてピストン軸心面Xとの成す角度θを30°以上、45°未満、好ましくは、30°以上、35°未満に設定した時、当該角度θの位置をスカート脇部βとし、θ/2の位置を中間部αとしている点は、上述同様である。
上述の中央部24fとスカート脇部βとの中間部αにおいて、径方向内側に凹む凹み部24gを有することで、この凹み部24gの部分でピストンスカート24とシリンダ内周面との間の接触面積を小さくし、これにより、ピストンスカート24とシリンダ内周面との間の摺動抵抗を低下させ、さらに、凹み部24gよりもさらにスカート脇部β側では、ピストンスカート形状の断面が上述の単一楕円形状E2に再び戻るように形成することで、当該スカート脇部βをピストン20の挙動抑制部として作用させ、これにより、ピストン20の挙動を抑制するように構成したものである。
図6においても細線Cは真円を示すものである。また、図6において、上述の中央部24fから凹み部24gにかけては、なだらかに変位し、同様に、凹み部24gからスカート脇部βにかけても、なだらかに変位するものである。さらに、図6においても、凹み部24gの構造が明白となるように誇大して図示している。
図6に示すように、上記角度θよりも開角が大きくなるピストンスカート24の周方向端部24hにおいて、ピストンスカート24の肉厚が最大で、剛性が高く、スカート脇部βの肉厚は周方向端部24hに次いで厚肉に形成されており、その剛性も高く、中央部24fにおいて肉厚が最小となる。
図6において図示左側のスラスト側と、図示右側の反スラスト側とでは、肉厚の差異があるものの、単一楕円形状E2に対するピストンスカート24の断面形状(プロフィール)は同等に形成されている。なお、反スラスト側においてはシリンダ内周面とピストンスカート24の中央部24fとの間にミクロン単位の微小隙間を形成してもよい。また、図6からも明らかなように、ピストンピン中心線Yは上記交点Oに対してスラスト側に微小距離だけオフセットしている。さらに、上述の単一楕円形状E2は、ピストンピン中心線Yと直交するスラスト、反スラスト方向に長径を有し、ピストン軸心面X上に焦点をもつ楕円である。
上述の角度θが30度未満になると、ピストンスカート幅が狭小になることに起因して、ピストン20の挙動が大きくなり、逆に、上述の角度θが45度を超過すると、ピストンスカート24とシリンダ内周面との摩擦抵抗が大きくなるので、該角度θは30°以上、45°未満、好ましくは、30°以上、35°未満に設定するものである。
このように、上記実施例の内燃機関のピストンは、ピストンヘッド22と、該ピストンヘッド22から反燃焼室側に延びるピストンスカート24と、該ピストンスカート24に形成されピストンピン10を支持するピンボス部21を有し、ピストンスカート24のスラスト側および反スラスト側が樽形に形成されピンボス中心高さ位置より反燃焼室側にピストンスカート24の最大外径部24MAXが形成された内燃機関のピストンにおいて、ピストン20の高さ方向において上記ピストンスカート24の最大外径位置より反燃焼室側の断面が、ピストンピン10に直交するピストン軸心面Xと該ピストン軸心面に対してピストンピン長さ方向に離間して位置するスカート脇部βとを通る単一楕円形状E2に対して、ピストンスカート24とシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面X上の中央部24fで略一致し、上記中央部24fとスカート脇部βとの中間部αにおいては径方向内側に凹む凹み部24gを有し、上記凹み部24gよりさらにスカート脇部β側では、上記単一楕円形状E2に再び戻るように形成されたものである(図2,図3,図6参照)。
この構成によれば、図6に示すように、上述の中央部24fとスカート脇部βとの中間部αにおいては径方向内側に凹む凹み部24gを有するので、この凹み部24gの部分でピストンスカート24とシリンダ内周面との間の接触面積が小さくなり、これによりピストンスカート24、シリンダ内周面間の摺動抵抗を低下させることができる。
しかも、上記凹み部24gよりもさらにスカート脇部β側では、ピストンスカート形状の断面が上記単一楕円形状E2に再び戻るように形成されているので、スカート脇部βがピストン20の挙動抑制部として作用し、これによりピストン20の挙動を抑制することができて、特に、内燃機関の高負荷時に有効である。
この発明の一実施形態においては、上記ピストン20の高さ方向において、ピストンスカート24の最大外径部24MAXの位置より燃焼室側の断面が、上記単一楕円形状E1に対して、ピストンスカート24とシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面X上の中央部24cで略一致し、上記中央部24cとスカート脇部βとの中央部αにおいては、径方向外側に張り出す張り出し部24dを有し、上記張り出し部24dよりさらにスカート脇部β側では、上記単一楕円形状E1に再び戻るように形成されたものである(図2,図3,図5参照)。
この構成によれば、図5に示すように、上述の中央部24cとスカート脇部βとの中央部αにおいては、径方向外側に張り出す張り出し部24dを有するので、特に、上記中央部24cから張り出し部24dにかけて、ピストンスカート24がシリンダ内周面に接触する接触面積が大きくなり、面圧を分散させることで、面圧を低くすることができる。よって、ピストンスカート24、シリンダ内周面間の摺動抵抗の低減効果を確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のピンボスは、実施例のピンボス部21に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては図示の便宜上、フラットヘッド(平面型)のピストンヘッドを例示したが、これはコンケイブヘッド(凹面型)やコンベックスヘッド(凸頭型)であってもよく、また、上記実施例のピストンはディーゼルエンジンのピストンにも採用できる。さらに、アルミ製のシリンダライナを用いるレシプロエンジンのピストンにおいては、ピストンスカート24の表面に鉄メッキ層や鉄コーティングを形成して、アルミ同士の接触を防止すべく構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、燃焼室の一部を形成し、往復運動にて燃焼圧力を回転エネルギに変換するレシプロエンジンのピストンのような内燃機関のピストンについて有用である。
10…ピストンピン
20…ピストン
21…ピンボス部(ピンボス)
22…ピストンヘッド
24…ピストンスカート
24c,24f…中央部
24d…張り出し部
24g…凹み部
24MAX…最大外径部
α…中間部
β…スカート脇部
E1,E2…単一楕円形状
X…ピストン軸心面

Claims (2)

  1. ピストンヘッドと、該ピストンヘッドから反燃焼室側に延びるピストンスカートと、該ピストンスカートに形成されピストンピンを支持するピンボスを有し、
    ピストンスカートのスラスト側および反スラスト側が樽形に形成されピンボス中心高さ位置より反燃焼室側にピストンスカート最大外径部が形成された内燃機関のピストンにおいて、
    ピストンの高さ方向において上記ピストンスカートの最大外径位置より反燃焼室側の断面が、
    ピストンピンに直交するピストン軸心面と該ピストン軸心面に対してピストンピン長さ方向に離間して位置するスカート脇部とを通る単一楕円形状に対して、
    ピストンスカートとシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面上の中央部で略一致し、
    上記中央部とスカート脇部との中間部においては径方向内側に凹む凹み部を有し、
    上記凹み部よりさらにスカート脇部側では、上記単一楕円形状に再び戻るように形成された
    内燃機関のピストン。
  2. 上記ピストンの高さ方向において、ピストンスカートの最大外径位置より燃焼室側の断面が、
    上記単一楕円形状に対して、ピストンスカートとシリンダ内周面とが接触し得るピストン軸心面上の中央部で略一致し、
    上記中央部と上記スカート脇部との中央部においては、径方向外側に張り出す張り出し部を有し、
    上記張り出し部よりさらにスカート脇部側では、上記単一楕円形状に再び戻るように形成された
    請求項1記載の内燃機関のピストン。
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