JP2018517809A - ガラス転移温度の高いポリマー製造用の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物 - Google Patents

ガラス転移温度の高いポリマー製造用の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物 Download PDF

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    • C08F222/10Esters
    • C08F222/12Esters of phenols or saturated alcohols
    • C08F222/14Esters having no free carboxylic acid groups, e.g. dialkyl maleates or fumarates

Abstract

本開示は、室温より高いガラス転移温度を有するポリマーを製造することができる1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物に関する。本開示は、また、ガラス転移温度60℃を呈する1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーに関する。本開示は、また、1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーのガラス転移温度を高める方法に関する。

Description

ガラス転移温度の高いポリマー製造用の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物、かかる組成物から製造されるポリマー組成物、及び1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーのガラス転移温度を高める方法を開示する。
1,1−二置換アルケン化合物は、接着剤、塗料、複合体等、多くの適用において用途を見出す。アルケンの二重結合に2つのエステル置換基を有する1,1−二置換アルケン化合物は、一般にメチレンマロネートとして知られている。これらの化合物は、19世紀から知られており、20世紀中期には、多くの研究者がこれらの化合物を研究した。D’Alelio US 2,330,033; Coover US 3,221,745及びUS 3,523,097; Halpern US 3,197,318;ならびにPonticello US 4,056,543及びUS 4,160,864を参照のこと。これらはすべて、すべての目的のため、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。この研究にもかかわらず、該1,1−二置換アルケン化合物は商品化されていない。開示されたこれら化合物の製造方法は、所望の生成物の安定性に悪影響を及ぼす多くの副生成物を生じ、このことが該化合物の合理的な使用を不可能にしている。さらに、該副生成物の一部及び出発物質は、所望の化合物から分離することが困難である。1,1−二置換アルケン化合物は、室温にて求核または塩基性開始種の存在下、穏和な条件下で急速に重合し、このことがそれらを有用にし、かつそれらの安定性に問題を呈する。該方法の問題及び該方法の生成物は、Malofskyらが該化合物及び方法を研究し、これら化合物をそれらの安定性に悪影響を及ぼす出発物質及び副生成物を含むことなく製造する方法を開発するまで、十分に理解されなかった。Malofskyらは、かかる化合物の安定性を向上させると同時に、要求に応じて室温で該化合物の硬化を促進する方法を開発した。Malofskyら、US 8,609,885; US 8,884,405; US2014/0329980;及びUS 2015/ 0073110を参照のこと。これらはすべて、すべての目的のため、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
Malofskyらの研究は、1,1−二置換アルケン化合物に様々な適用のための商業的関心をもたらした。多くの用途に対して、Malofskyらの特許及び出願で製造される1,1−二置換アルケン化合物は、有利な特性をもたらす。Malofskyらの特許及び出願で製造される1,1−二置換アルケン化合物の多くは、室温付近以下のガラス転移温度を呈する。低いガラス転移温度は多くの適用に対して有利であるものの、これら化合物の適用範囲を広げるためには、ガラス転移温度の高いポリマーを製造することができる1,1−二置換アルケン化合物及び組成物を開発することが望まれる。
従って、ガラス転移温度60℃、より好ましくは80℃超、さらにいっそう好ましくは100℃超、さらにいっそう好ましくは120℃超のポリマーを形成することが可能な1,1−二置換アルケン化合物が必要である。また、1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーのガラス転移温度を高める方法も必要である。
米国特許第2,330,033号明細書 米国特許第3,221,745号明細書 米国特許第3,523,097号明細書 米国特許第3,197,318号明細書 米国特許第4,056,543号明細書 米国特許第4,160,864号明細書 米国特許第8,609,885号明細書 米国特許第8,884,405号明細書 米国特許出願公開第2014/0329980号明細書 米国特許出願公開第2015/0073110号明細書
本開示は、室温より高いガラス転移温度を有するポリマーを製造することができる1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物に関する。本開示は、また、室温より高いガラス転移温度を呈する1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーに関する。本開示は、また、1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーのガラス転移温度を高める方法に関する。本明細書に開示するのは、各カルボニル基が独立して、直接結合またはヘテロ原子を介して該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する、当該1位の炭素原子に結合した2つのカルボニルを有する1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物であって、該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、アリール基、アラルキル基、1位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む該ヒドロカルビル基を1つ以上有し、重合可能であり、該組成物から製造されるポリマーがガラス転移(Tg)温度35℃超を呈するのに十分な量で該第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物である。いくつかの実施形態では、該組成物は、さらに、当該ヒドロカルビル基がガラス転移温度60℃未満を有するホモポリマーを生成する1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物を含む。いくつかの実施形態では、該1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物は、ガラス転移温度約30〜60℃未満またはそれ以下を有するホモポリマーを生成するヒドロカルビル基を含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、Tg60℃以上のポリマーを生成する。いくつかの実施形態では、該組成物は、該第一の1,1−二置換アルケン化合物を10重量パーセント以上含む。1,1−二置換アルケン化合物とは、中心炭素原子が別の炭素原子に二重結合してアルキレン基、例えば、エチレン基を形成している化合物である。該中心炭素原子は、さらに2つのカルボニル基に結合している。各カルボニル基は、直接結合またはヘテロ原子を介してヒドロカルビル基に結合している。該カルボニル基に結合した該ヒドロカルビル基に関しては、1位の炭素原子とは、直接結合またはヘテロ原子を介して該カルボニル基に結合した炭素原子を指す。該カルボニル基に結合した該ヒドロカルビル基に関しては、炭素原子の番号(例えば、2または3)は、カルボニル基への該直接結合またはカルボニル基に結合したヘテロ原子からの炭素原子の番号を指す。いくつかの実施形態において開示するのは、各カルボニル基が独立して、直接結合、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子によって該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有するとともに、該ヒドロカルビル基の1つ以上が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約10重量パーセント以上;ならびに、各カルボニル基が独立して、直接結合、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子によって該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する第二の1,1−二置換アルケン化合物であるとともに、該ヒドロカルビル基が、該第二の1,1−二置換アルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃未満を呈するように選択される、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物を約10重量パーセント以上含む組成物である。
かかる化合物は、式1または2で示される:
Figure 2018517809
式中:Rは、出現ごとに独立して、アリール基、アラルキル基、1位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含むヒドロカルビル基であり;Rは、出現ごとに独立して、それから製造されるホモポリマーがTg60℃未満を呈するヒドロカルビル基であり;R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり、Xは、ヘテロ原子または直接結合である。該1つ以上の1,1−二置換アルケン化合物の残余は、任意のその他の1,1−二置換アルケン化合物の1つ以上であり得る。
いくつかの実施形態では、該1つ以上の1,1−二置換アルケン化合物の残余は、Rに対応するヒドロカルビル基を含み、これは、該カルボニル炭素に直接連結されておらず、カルボニル炭素原子に連結されたヘテロ原子にも直接連結されていない、1つの第2級炭素原子もしくは第3級炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を含む。かかる他の化合物の例としては、式3に相当するものが挙げられる。
Figure 2018517809
かかる組成物はさらに、2つ以上の1,1−二置換アルケン化合物のコア単位を含み、各化合物のカルボニル基のうちの1つが多価のヒドロカルビル基に酸素原子を介して結合している1つ以上の化合物を含む場合があり、その場合、該組成物は重合時に架橋する。かかる化合物は、式4で表すことができる:
Figure 2018517809
式中、R’、R、R、及びXは上述した通りであり;Rは、出現ごとに独立して、多価の炭化水素基であり;aは出現ごとに独立して、1以上の整数であり;bは出現ごとに独立して、0以上の整数であるとともに、aとbの和は2以上であり、Rの価数は、aとbの和に等しい。
いくつかの実施形態では、該組成物は、少なくとも2つのヒドロカルビル基を有する1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む。かかる化合物は、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基である少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する。かかる化合物は、さらに、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、当該アリール基が直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合、もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルである少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する。いくつかの実施形態において開示するのは、該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基である少なくとも1つのヒドロカルビル基、ならびに第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたC1−8アルキルである少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する組成物である。
いくつかの実施形態では、該組成物は、それから製造されるコポリマーのTgが60℃以上である1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約10モルパーセント以上含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、それから製造されるコポリマーのTgが80℃以上である該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を重量基準で約25モルパーセント以上含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、それから製造されるコポリマーのTgが100℃以上である該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約45モルパーセント以上含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、それから製造されるコポリマーのTgが120℃以上である該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約65モルパーセント以上含む。
いくつかの実施形態では、該組成物は、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物ならびに1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物を含み、純度95モルパーセント以上を呈し、類似の1,1−二置換アルカンが1モルパーセント以下、ジオキサン基を含む不純物が1モルパーセント以下、類似のヒドロキシアルキル基で置換されたアルケン基を有する任意の不純物が約1モルパーセント以下である。ここで、モルパーセントは、該1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づく。
いくつかの実施形態において開示するのは、当該組成物から製造されるコポリマーが次式に従って定められるガラス転移温度を呈する組成物である:
Tg=YW+V±15°
式中、Yは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物のモルパーセントであり;
Wは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物のTgマイナス該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Vは、該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Tgは℃で表される。
本明細書で開示されるモノマー組成物のいずれかから、例えば、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーを本明細書に開示する。1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物及び1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物から製造されるコポリマーを開示する。本開示はさらに、各カルボニル基が独立して、直接結合、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子によって該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有するとともに、該ヒドロカルビル基の1つ以上が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物約10重量パーセント以上;ならびに、各カルボニル基が独立して、直接結合、またはヘテロ原子によって該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する第二の1,1−二置換アルケン化合物であるとともに、該ヒドロカルビル基が、該第二の1,1−二置換アルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃未満を呈するように選択される、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物約10重量パーセント以上から製造されるポリマーに関する。該ポリマーは、2つ以上の1,1−二置換アルケン化合物のコア単位を含み、各化合物のカルボニル基のうちの1つが多価のヒドロカルビル基に酸素原子を介して結合している1つ以上の化合物を含む場合があり、この場合、該ポリマーは架橋される。該第二の1,1−二置換アルケンが、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、当該アリール基が直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルであるヒドロカルビル基を有するコポリマーを開示する。
いくつかの実施形態において開示するのは、該ヒドロカルビル基の少なくとも1つが、フェンチル、メンチル、イソボルニル、フルフリル、フェネチルまたはアダマンチル基を含む1つ以上の該第一の1,1−二置換アルケン化合物を重量基準で100モルパーセント含むポリマーであって、ガラス転移温度120℃以上を呈するポリマーである。いくつかの実施形態では、該ポリマーは、アリール基、アラルキル基、1位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む該ヒドロカルビル基を1つのみ有し、少なくとも1つの他のヒドロカルビル基が、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、当該アリール基が直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルである、該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む。これらのポリマーは、式1で表される化合物から製造され、R、R、R’、及びXのすべての実施形態を含む。
別の実施形態において開示するのは、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物と、重合開始剤とともに該組成物を重合させる条件下で接触させることを含む方法であって、得られるポリマーのガラス転移温度は、該1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物のホモポリマーのガラス転移温度よりも高い。いくつかの実施形態では、接触される化合物中に、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が約10モルパーセント以上含まれる。
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物であって、各カルボニル基が独立して、直接結合またはヘテロ原子によって該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有し、該ヒドロカルビル基の1つ以上は、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、フェネチル、2−フェニルプロピル、またはアダマンチルを含む。
本開示の組成物は、室温より高いガラス転移温度を有する1,1−二置換アルケン化合物に基づくポリマーを生成することが可能であり、いくつかの組成物は、ガラス転移温度約60℃以上を有するポリマーを生成し、いくつかの組成物は、ガラス転移温度約80℃以上を有するポリマーを生成し、いくつかの組成物は、ガラス転移温度約100℃以上を有するポリマーを生成し、いくつかの組成物は、ガラス転移温度約120℃以上を有するポリマーを生成する。本明細書で開示されるポリマーは、ガラス転移温度約60℃以上を呈し、いくつかのポリマーは、ガラス転移温度約80℃以上を呈し、いくつかのポリマーは、ガラス転移温度約100℃以上を呈し、いくつかのポリマーは、ガラス転移温度約120℃以上を呈する。本開示の方法は、所望の、または目標のガラス転移温度を有するポリマーをもたらすことができる、1,1−二置換アルケン化合物に基づく組成物の製造を容易にする。本開示の方法は、1,1−二置換アルケン化合物のポリマーを所望の、または目標のガラス転移温度を有するように調整することを可能にする。本発明の組成物及び方法は、例えば、より大きな構造的剛性及びモジュラスが望まれる接着剤及び塗料、高温曝露の可能性がある光ファイバー部品、樹脂、ならびに他の接着剤及び塗料への適用等のより幅広い適用において、1,1−二置換アルケン化合物の使用を促進する。
メチレンマロン酸フェンチルエチルに基づくポリマーのDSCトレースである。 メチレンマロン酸フェンチルエチルのTGAトレースである。 メチレンマロン酸フェニルプロピルエチル(PEMM)に基づくポリマーのDSCトレースである。 メチレンマロン酸フェニルプロピルエチル(PEMM)に基づくポリマーのTGAトレースである。 2−ベンゾイルアクリル酸エチル(EBAケトエステル)に基づくポリマーのDSCトレースである。 DEMMとF3Mの様々な比のコポリマーのDSCトレースであり、モノマー比率を変更することによってTgを調整することができることを示している。
詳細な説明
本明細書に含まれる説明及び例示は、本開示、その原理、及びその実際の適用を他の当業者に紹介することを目的とする。本開示に記載される特定の実施形態は、網羅的であることも本開示を限定することも目的としない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲とともにかかる特許請求の範囲が権利を有する対応特許の全範囲に準拠して定められるべきである。特許出願及び公開を含めたすべての論文ならびに参照文献の開示は、すべての目的のため、参照することによって組み込まれる。以下の特許請求の範囲から抜き出される他の組合せもまた可能であり、これらもまた、参照することによって本明細書に組み込まれる。
本開示は、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を用いた、要求に応じて周囲条件で硬化することができる硬化性組成物に関する。概して、本開示の組成物は、2つのカルボニル基を1位の炭素原子に有する1,1−二置換アルケン化合物を含み、該カルボニル基の一部にヒドロカルビル基が結合して、かかる第一の1,1−二置換アルケン化合物を含むポリマーのガラス転移温度を高める。これに関連して、該1位の炭素原子は、カルボニル基に結合した該アルケン基の炭素、すなわち、アルケンの1位の炭素原子を指す。該第一の1,1−二置換アルケン化合物は、該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を1つ以上有してよく、これが該第一の1,1−二置換アルケン化合物を含むポリマーのガラス転移温度を高める。基本的に、該第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物には、60℃以上の所望の、または目標のガラス転移温度を有するポリマーをもたらすために十分な量のかかる化合物が含まれる。
1,1−二置換アルケン化合物とは、中心炭素原子が別の炭素原子に二重結合してアルキレン基、例えば、エチレン基を形成している化合物である。該中心炭素原子は、さらに2つのカルボニル基に結合している。各カルボニル基は、直接結合またはヘテロ原子を介してヒドロカルビル基に結合している。該ヒドロカルビル基が該カルボニル基に直接結合を介して結合される場合、ケト基が形成される。該ヒドロカルビル基が該カルボニル基にヘテロ原子を介して結合される場合、エステル、アミド、またはチオエステルが形成される。好ましい実施形態では、該ヒドロカルビル基は、エステル基が形成されるように酸素原子を介して該カルボニル基に結合される。本明細書で有用な1,1−二置換アルケン化合物は、すべてエステル、アミド、もしくはチオエステル基、すべてケト基、またはそれらの混合を含み得る。すべてエステル基である化合物が、様々なかかる化合物の合成の柔軟性のために好ましい。
本明細書で用いられる1つ以上のとは、少なくとも1つの、または1つより多い挙げられた成分が開示の通り使用され得ることを意味する。成分の残存含量とは、遊離の形態で含まれる、または別の材料と反応した成分、例えばポリマーの量を指す。通常、成分の残存含量は、該成分または組成物の製造に利用される材料から計算することができる。別の方法として、それは、既知の分析技術を利用して決定することができる。本明細書で用いられるヘテロ原子とは、窒素、酸素、及びイオウを意味し、より好ましくは、ヘテロ原子は窒素及び酸素を含み、酸素が最も好ましい。本明細書で用いられるヒドロカルビルとは、1つ以上の炭素原子骨格及び水素原子を含み、1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい基を指す。該ヒドロカルビル基がヘテロ原子を含む場合、該ヘテロ原子は、当業者に周知の1つ以上の官能基を形成してもよい。ヒドロカルビル基は、脂環式、脂肪族、芳香族、またはかかる部分の任意の組合せを含んでよい。該脂肪族部分は、直鎖でも分岐でもよい。該脂肪族及び脂環式部分は、1つ以上の二重結合及び/または三重結合を含んでよい。ヒドロカルビル基に含まれるのは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカリール、及びアラルキル基である。脂環式基は、環式部分と非環式部分の両方を含んでもよい。ヒドロカルビレンとは、2価以上のヒドロカルビル基または該記載のサブセットのいずれか、例えばアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アルカリーレン、及びアラルキレンを意味する。本明細書で用いられる価数とは、ヒドロカルビルまたはヒドロカルビレン基と別の基、例えば、カルボニル、酸素、窒素、またはイオウ基もしくは原子の間の共有結合を指す。本明細書で用いられる重量パーセントまたは重量部とは、特に断りのない限り、該組成物の重量を指すか、またはその重量基準である。
特に定義しない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解される意味を有する。以下の参考文献は、本開示で用いられる用語の多くの一般的な定義を当業者に提供する:Singleton et al., Dictionary of Microbiology and Molecular Biology (2nd ed. 1994); The Cambridge Dictionary of Science and Technology (Walker ed., 1988); The Glossary of Genetics, 5th Ed., R. Rieger et al. (eds.), Springer Verlag (1991);及びHale & Marham, The Harper Collins Dictionary of Biology (1991)。別段の規定がない限り、本明細書で用いられる以下の用語は、以下のそれらに与えられた意味を有する。
1,1−二置換アルケン化合物の好ましいクラスは、式4で表されるコア単位を有する化合物を指すメチレンマロネートである。
Figure 2018517809
用語「単官能」とは、コア単位を1つのみ有する1,1−置換アルケン化合物またはメチレンマロネートを指す。用語「二官能」とは、2つのコア単位の各々の1つの酸素原子間のヒドロカルビレン結合を介して結合した2つのコア単位を有する1,1−二置換アルケン化合物またはメチレンマロネートを指す。用語「多官能」とは、2つの隣接するコア単位の各々の1つの酸素原子間のヒドロカルビレン結合を介した鎖を形成する2つ以上のコア単位を有する1,1−二置換アルケン化合物またはメチレンマロネートを指す。用語「潜在性酸形成性不純物(latent acid−forming impuritiesまたはlatent acid−forming impurity)」とは、回収される1,1−二置換アルケン化合物またはメチレンマロネートとともに含まれる場合、時間とともに酸に変換される任意の不純物を指す。これらの不純物から生じる酸は、該1,1−二置換アルケン化合物の過度の安定化につながる傾向があり、それによって該化合物の全体的な品質と反応性を低下させる。用語「ケタール」とは、ケタール官能性を有する分子、すなわち、2つの−OR基に結合した炭素を含む分子を指し、この場合、Oは酸素であり、Rは任意のヒドロカルビル基、例えば、アルキル基を表す。本明細書で用いられる用語「安定化された」とは、例えば、「安定化された」1,1−二置換アルケン化合物またはそれを含む組成物という文脈において、該化合物(またはそれらの組成物)の、実質的に経時的に重合しない、実質的に経時的な硬化も、ゲル形成も、増粘も、さもなければ粘度増加もしない、及び/または、経時的な硬化速度の最小限の損失を実質的に示す(すなわち、硬化速度が維持される)性質を指す。本明細書で用いられる用語「保存期間」は、例えば、「保存期間」が改良された1,1−二置換アルケン化合物という文脈において、所定の期間、例えば、1ヶ月、6ヶ月、または1年以上であっても、安定化された該1,1−二置換アルケン化合物について言及する。
例示的なヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分岐鎖アルキル、直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、直鎖もしくは分岐鎖アルキニル、シクロアルキル、アルキル置換シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリールを含むとともに、該ヒドロカルビル基は、該ヒドロカルビル基の骨格に1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、また、該化合物または該化合物から製造されるポリマーの最終的な機能に悪影響を及ぼさない置換基で置換されてもよい。例示的な置換基としては、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、カルボキシ、アシルオキシ、及びスルホニル基が挙げられ;より好ましい置換基としては、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、及びヒドロキシル基が挙げられ、ハロ、アルキル、及びアルコキシがさらにいっそう好ましい。アルカリールとは、アリール基が結合したアルキル基を意味する。アラルキルとは、アルキル基が結合したアリール基を意味し、ジフェニルメチレンやプロピレン基等のアルキレン架橋アリール基を含む。アリールには、2つ以上の芳香環を含む基が含まれる。シクロアルキルには、架橋環を含めた2つ以上の環を含む基が含まれる。アルキル置換シクロアルキルとは、該シクロアルキル環に結合した1つ以上のアルキル基を有するシクロアルキル基を意味する。例示的なヒドロカルビル基は、C1−20ヒドロカルビル基である。骨格にヘテロ原子を備えた例示的なヒドロカルビル基は、1つ以上のアルキルエーテル基を有するアルキルエーテル、アルキレンオキシ基、ヘテロ原子を含むアリール基、ヘテロ原子を含むシクロアルキル基等である。好ましいアルキルエーテル基は、エトキシ、プロポキシ、及びブトキシである。かかる化合物は、好ましくは約1〜約100個のアルキレンオキシ基、より好ましくは約1〜約40個のアルキレンオキシ基、より好ましくは約1〜約10個のアルキレンオキシ基を含む。好ましくは、該ヒドロカルビル基は、C1−15直鎖または分岐鎖アルキル、C2−15直鎖または分岐鎖アルケニル、C5−18シクロアルキル、C6−24アルキル置換シクロアルキル、C4−18アリール、C4−20アラルキル、及びC4−20アラルキル基を含む。より好ましくは、該ヒドロカルビル基は、C1−8直鎖または分岐鎖アルキル、C5−12シクロアルキル、C6−12アルキル置換シクロアルキル、C4−18アリール、C4−20アラルキル、及びC4−20アルカリール基を含む。好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第3級ブチル、ヘキシル、エチルヘキシルが挙げられるが、メチル及びエチルがさらにいっそう好ましい。好ましいシクロアルキル基としては、シクロヘキシル及びフェンチルが挙げられる。好ましいアルキル置換シクロアルキレン基としては、メンチル及びイソボルニルが挙げられる。該カルボニル基に結合した最も好ましいヒドロカルビル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第3級ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、シクロヘキシル、フェンチル、メンチル、フェニルプロピル、フルフリル、フェネチル、アダマンチル、及びイソボルニルが挙げられる。
該1,1−二置換アルケン化合物は、すべての目的のためにこれらすべて、それらの全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、Malofskyら、US 8,609,885及び8,884,051;Malofskyら、WO 2013/059473、ならびにSullivanら、2015年7月31日出願の米国特許出願第14/814961号に開示の通りに製造することができる。いくつかの実施形態では、該1,1−二置換アルケンは、メチルまたはエチルであるが、好ましくはエチルのヒドロカルビル基が該カルボニル基に結合した1,1−二置換アルケンの形態で製造される。その後、該ヒドロカルビル基の1つ以上は、Sullivanら、2015年7月31日出願の米国特許出願第14/814961号に開示の方法によって置換される。例示的な1,1−二置換アルケン化合物は、上記に開示した式1、2、または3に相当する。
その存在がそれらから形成されるポリマーのTgを高める例示的なヒドロカルビル基としては、アリール基、アラルキル基、1位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基が挙げられる。特定の実施形態では、その存在がそれらから形成されるポリマーのTgを高めるヒドロカルビル基としては、環状テルペン、アルキル置換シクロアルキル、アダマンチル、フルフリル、第3級ブチル基、またはそれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、その存在がそれらから形成されるポリマーのTgを高めるヒドロカルビル基としては、フェンチル、メンチル、シクロヘキシル、2−フェニルプロピル、またはイソボルニル基が挙げられる。それらから形成されるポリマーのガラス転移温度を高める、該カルボニル基に1つ以上のヒドロカルビル基を有する例示的な1,1−二置換アルケンは、上記に示した式1及び2で示される。特定の実施形態では、該1,1−二置換アルケンの該ヒドロカルビル基の該置換基としては、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、カルボキシ、アシルオキシ、及びスルホニル基を挙げることが可能であり;より好ましい置換基としては、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、及びヒドロキシル基が挙げられ、ハロ、アルキル、及びアルコキシがさらにいっそう好ましい。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級であるC4−15分岐鎖アルキル、1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級であるC4−15分岐鎖アルケニル、C5−18シクロアルキル、C6−24アルキル置換シクロアルキル、C4−18アリール、C4−20アラルキル、またはC4−20アラルキル基である。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級であるC4−8分岐鎖アルキル、C5−12シクロアルキル、C6−12アルキル置換シクロアルキル、C4−18アリール、C4−20アラルキル、またはC4−20アルカリール基である。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、第3級ブチル、フェンチル、メンチル、シクロヘキシル、2−フェニルプロピル、フルフリル、アダマンチル、及びイソボルニルである。
好ましくは、Rは、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキニル、シクロアルキル、アルキル置換シクロアルキル、アリール、アラルキル、またはアルカリールであるとともに、該ヒドロカルビル基は、該ヒドロカルビル基の骨格に1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、また、該化合物または該化合物から製造されるポリマーの最終的な機能に悪影響を及ぼさない置換基で置換されてもよい。特定の実施形態では、かかる置換基としては、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、カルボキシ、アシルオキシ、及びスルホニル基を挙げることが可能であり;より好ましい置換基としては、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、及びヒドロキシル基が挙げられ、ハロ、アルキル、及びアルコキシがさらにいっそう好ましい。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を有するC1−15直鎖または分岐鎖アルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を有するC2−15直鎖または分岐鎖アルケニル、C5−18シクロアルキル、C6−24アルキル置換シクロアルキル、C4−18アリール、C4−20アラルキル、またはC4−20アルカリール基である。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を有するC1−8直鎖または分岐鎖アルキル、C5−12シクロアルキル、C6−12アルキル置換シクロアルキル、C4−18アリール、C4−20アラルキル、またはC4−20アルカリール基である。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第3級ブチル、ヘキシル、フェンチル、メンチル、シクロヘキシル、フェニルプロピル、またはイソボルニルである。好ましくは、R’は、水素、アルキル、またはアルキレン基である。好ましくは、R’は、水素またはC1−10アルキルもしくはアルキレンである。より好ましくは、R’は、水素またはC1−4アルキルもしくはアルキレンである。R’は、より好ましくは水素またはC1−4アルキルである。最も好ましくは、R’は水素である。R’が水素である実施形態では、該化合物は一般にメチレンマロネートと呼ばれる。
該重合性組成物において、それらから製造されるポリマーのガラス転移温度を高めないヒドロカルビル基は、任意の他のヒドロカルビル基でよい。いくつかの実施形態では、かかるヒドロカルビル基は、ホモポリマーにされた場合にガラス転移温度60℃未満、好ましくは約30℃〜約59℃を有するポリマーを生成することが望ましい場合がある。これらの基準を満たす例示的なヒドロカルビル基としては、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、当該アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルが挙げられる。いくつかの実施形態では、かかるヒドロカルビル基としては、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えた直鎖C1−8アルキル基、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えた直鎖C1−8アルケニル基、アルコキシ基、ポリアルキレンエーテル基等が挙げられる。特定の実施形態では、該ヒドロカルビル基は、メチルまたはエチルであり得る。いくつかの実施形態における式1〜3において、Rは、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、当該アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルである。いくつかの実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えた直鎖C1−8アルキル基、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えた直鎖C1−8アルケニル基、アルコキシ基、ポリアルキレンエーテル基等である。いくつかの実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態では、Xは、窒素、または酸素、イオウである。いくつかの実施形態では、Xは窒素または酸素である。いくつかの実施形態では、Xは酸素である。
該1,1−二置換アルケンは、両ヒドロカルビル基がヘテロ原子を介してカルボニル基に結合しているジエステル、ジアミド、ジチオエステル;両ヒドロカルビル基が直接結合でカルボニル基に結合しているジケトン;または、一方のヒドロカルビル基がヘテロ原子を介してカルボニル基に結合し、他方が直接結合で結合しているケトエステル、ケトアミド、もしくはケトチオエステル、またはそれらの組合せの形態であり得る。
その存在が1,1−二置換アルケンのコポリマーにおいて、製造されるポリマーのガラス転移温度を高めるものであり、第1級である1位の炭素原子または第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を含む第一の1,1−二置換アルケンを含む組成物を開示する。基本的に、コポリマーにおいて該第一の1,1−二置換アルケンの含有が、形成される該コポリマーのガラス転移温度を、該第二の1,1−二置換アルケンからのみ製造されるポリマーまたはコポリマーのガラス転移温度より高める。該カルボニル炭素の該ヒドロカルビル基は、該1,1−二置換1アルケンから製造されるポリマーのガラス転移温度(Tg)に影響を及ぼす。本明細書で用いられるTgは、約0.5〜20.0mgの試料の示差走査熱量測定を用いて測定することができる。試料を約10℃/分の速度で加熱し、その後約20℃/分の速度で冷却する。Tgを高めるためには、それらから製造されるコポリマーのガラス転移温度を高めるのに十分な量の1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンを重合性組成物に含める。Tgの上昇は、該第二の1,1−二置換アルケンから製造されるポリマーまたはコポリマーと比較する。該第一の1,1−二置換アルケンを含む組成物及び該第一の1,1−二置換アルケンを含む製造されたポリマーを開示する。本明細書に開示される組成物は、重合性組成物及び目標のTgを備えたポリマーの製造を可能にする。適切な1,1−二置換アルケン及びその量を選択することによって、それらから形成されるポリマーのガラス転移温度を制御することができる。該して、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンを100パーセント含む組成物が最も高いTgを備えたポリマーをもたらす。該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンは、得られるポリマーのTgを高めるヒドロカルビル基の1つ以上をカルボニル基上に有してよい。単官能の第一の1,1−二置換アルケンでは、得られるポリマーのTgを高める該カルボニル炭素上の該ヒドロカルビル基が片方または両方存在し得る。特定の実施形態では、得られるポリマーのTgを高める該第一の1,1−二置換アルケンの該カルボニル炭素上の該ヒドロカルビル基が片方のみ存在する場合があるが、これは、かかる化合物は得られるポリマーのTgに良い影響を及ぼし、かつ、かかる化合物は合成がより容易であるためである。それにもかかわらず、本明細書に開示される組成物は、得られるポリマーのTgを高める該カルボニル炭素上の該ヒドロカルビル基を両方備えた単官能の第一の1,1−二置換アルケンを含む場合がある。多官能の第一の1,1−二置換アルケンでは、得られるポリマーのTgを高める該ヒドロカルビル基が1つ以上すべてまで、当該カルボニル炭素上に存在してもよい。いくつかの実施形態では、該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物は、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基である少なくとも1つのヒドロカルビル基、ならびに第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、当該アリール基が直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、ポリアルキレンエーテルである少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する。いくつかの実施形態では、該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物は、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基である少なくとも1つのヒドロカルビル基、ならびに第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたC1−8アルキルである少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する。該第一の1,1−二置換アルケンがカルボニル基に結合した異なるヒドロカルビル基を有するいくつかの実施形態では、少なくとも1つのヒドロカルビル基が本明細書に開示されるTgを高める働きをし、他方はメチル基でもエチル基でもよく、いくつかの実施形態ではエチルでよい。該1,1−二置換アルケンはまた、2つ以上のコア単位及びアルケン基を有する多官能であることもできる。該多官能の1,1−二置換アルケンは、多価のヒドロカルビレンである多官能ポリオール残基によって連結された2つ以上の1,1−二置換アルケン基を含む。該多価のヒドロカルビレン基は、ポリオールの製造に用いることができる任意のヒドロカルビレンでよい。該多価のヒドロカルビレン基は、かかる多官能の1,1二置換−1−アルケンを含む1,1−二置換アルケンから製造されるポリマーのガラス転移温度に影響を及ぼすことができる。かかる基はまた、先の式中のRで示される。かかる多官能の1,1−二置換アルケンを含む混合物から製造されるポリマーのTgを高める多価のヒドロカルビレン基としては、1つ以上のアリーレン基、シクロアルキレン基、アラルキル基等を含むヒドロカルビレン基が挙げられる。特定の実施形態では、かかる多価のヒドロカルビレン基としては、ビスフェノールA残基(4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェニル)、ビスフェノールF残基(2,2’−メチレンジフェニル)、脂肪族ポリエステルポリオール残基、芳香族ポリエステルポリオール残基、アルカンジオール残基、シクロヘキシルジメタノール残基、ベンゼンジメタノール残基等が挙げられる。例示的な多官能の1,1−二置換アルケンは、上記に開示した式4で示される。
式4中では、好ましくはaとbの和は2〜約10であり、より好ましくは2〜約5である。例示的な実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、直鎖または分岐鎖アルキレン、直鎖または分岐鎖アルケニレン、シクロアルキレン、アルキル置換シクロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、またはアルカリーレンであるとともに、該ヒドロカルビレン基は、該ヒドロカルビレン基の骨格に1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、また、該化合物または該化合物から製造されるポリマーの最終的な機能に悪影響を及ぼさない置換基で置換されてもよい。例示的な置換基は、Rに関して有用であるとして開示されたものである。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、C1−15直鎖または分岐鎖アルキレン、C2−15直鎖または分岐鎖アルケニレン、C5−18シクロアルキレン、C6−24アルキル置換シクロアルキレン、C4−18アリーレン、C4−20アラルキレン、またはC4−20アルカリーレン基である。特定の実施形態では、Rは、出現ごとに独立して、C1−8直鎖または分岐鎖アルキレン、C5−12シクロアルキレン、C6−12アルキル置換シクロアルキレン、C4−18アリーレン、C4−20アラルキレン、またはC4−20アルカリーレン基である。
重合性組成物における多官能の1,1−二置換アルケンの存在は、それらから製造されるポリマーを架橋する働きをし得る。架橋は、得られるポリマーのガラス転移温度をさらに高め得る。いくつかの実施形態では、該多官能の1,1−二置換アルケンは、得られるポリマーのガラス転移温度を高めるのに十分な量で含まれる。いくつかの実施形態では、該多官能の1,1−二置換アルケンは、約1重量パーセント以上、より好ましくは約5重量パーセント以上、最も好ましくは約15重量パーセント以上含まれる。いくつかの実施形態では、該多官能の1,1−二置換アルケンは、100重量パーセント以下の量で含まれ得る。いくつかの実施形態では、該多官能の1,1−二置換アルケンは、約30重量パーセント以下または約15重量パーセント以下の量で含まれ得る。該多官能の1,1−二置換アルケンは、該第一の多官能の1,1−二置換アルケン、該第二の1,1−二置換アルケン、またはそれらの混合であり得る。該多官能の1,1−二置換アルケンが架橋剤として含まれるいくつかの実施形態では、それらは該第二の1,1−二置換アルケンである。
該1,1−二置換アルケン化合物は、好ましくは、それが重合できるように十分高純度となる方法を用いて製造される。該1,1−二置換アルケン化合物の純度は、該1,1−二置換アルケン化合物の70モルパーセント以上、好ましくは80モルパーセント以上、より好ましくは90モルパーセント以上、さらにいっそう好ましくは95モルパーセント以上、最も好ましくは99モルパーセント以上が重合過程でポリマーに変換されるように十分高くてよい。該1,1−二置換アルケン化合物の純度は、該1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づいて、好ましくは、約85モルパーセント以上、より好ましくは約90モルパーセント以上、さらにいっそう好ましくは約93モルパーセント以上、さらにいっそう好ましくは約95モルパーセント以上、さらにいっそう好ましくは約97モルパーセント以上、最も好ましくは約99モルパーセント以上である。該1,1−二置換アルケン化合物が類似の1,1−二置換アルカン不純物を含む場合、それは好ましくは約10モルパーセント以下、より好ましくは約1モルパーセント以下であるべきである。ジオキサン基を含む任意の不純物の濃度は、該1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づいて、好ましくは、約2モルパーセント以下、より好ましくは約1モルパーセント以下、さらにいっそう好ましくは約0.2モルパーセント以下、最も好ましくは約0.05モルパーセント以下である。類似のヒドロキシアルキル基で置換されたアルケン基を有する(例えば、該アルケンの水とのマイケル付加によって)任意の不純物の合計濃度は、該1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づいて、好ましくは約3モルパーセント以下、より好ましくは約1モルパーセント以下、さらにいっそう好ましくは0.1モルパーセント以下、最も好ましくは約0.01モルパーセント以下である。好ましい1,1−二置換アルケン化合物は、反応生成物または中間反応生成物(例えば、ホルムアルデヒド源及びマロン酸エステルの反応生成物または中間反応生成物)を蒸留する段階1段以上(例えば2段以上)を含む工程によって製造される。挙げられた純度を有する該1,1−二置換アルケンは、それらから製造されるポリマーのガラス転移温度に良い影響を及ぼす。
組成物のガラス転移温度は、下記式に基づいて予測することができる。
Tg=YW+V±15°
式中、Yは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物の重量パーセントであり;
Wは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物のTgマイナス該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Vは、該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Tgは℃で表される。本明細書に開示される、コポリマーのTgを高めるために任意の実施形態で用いられる第一の1,1−二置換アルケン化合物は、目標のTgより高い、そのホモポリマーのTgを呈する必要がある。このことは、この式を利用する場合に認識することが重要である。分子量、多官能モノマーの量、含まれる不純物量、多分散度、立体規則性、及び該ポリマー鎖のパッキングを含めた多くの他の要因が、該1,1−二置換アルケンから製造されるポリマーのガラス転移温度に影響を及ぼす可能性がある。この理由から、本明細書に開示される通りに決定することができる実際のガラス転移は、該式によって予測されるよりも約15℃低い場合も高い場合もある。
本明細書に含まれる開示は、重合性組成物またはポリマーが所望のガラス転移温度を呈するように調整する方法を提供する。該第一及び第二の1,1−二置換アルケン、それぞれの相対量、及び架橋剤として含まれる多官能の1,1−二置換の量を選択することによって目標のガラス転移温度が達成され得る。一般に、多官能の1,1−二置換アルケンが約5〜約15重量パーセント含まれる場合、当該ガラス転移温度は約10〜約15℃高くなる。この理解が多くの新たなモノマー組成物及びポリマーの製造を可能にする。いくつかの実施形態では、該重合性組成物は、それから製造されるコポリマーのTgが60℃以上である、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約10モルパーセント以上含む。製造されるコポリマーのTgが60℃以上であるいくつかの実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約1モルパーセント以上、または約10モルパーセント以上含まれ得る。かかる実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約90モルパーセントまで含まれ得る。いくつかの実施形態では、該重合性組成物は、それから製造されるコポリマーのTgが80℃以上である、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約25モルパーセント以上含む。製造されるコポリマーのTgが80℃以上であるいくつかの実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約1モルパーセント以上、または約10モルパーセント以上含まれ得る。かかる実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約75モルパーセントまで含まれ得る。いくつかの実施形態では、該重合性組成物は、それから製造されるコポリマーのTgが100℃以上である、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約45モルパーセント以上含む。製造されるコポリマーのTgが100℃以上であるいくつかの実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約1モルパーセント以上、または約10モルパーセント以上含まれ得る。かかる実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約55モルパーセントまで含まれ得る。いくつかの実施形態では、該重合性組成物、すなわち、それから製造されるコポリマーのTgが120℃以上である、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約65モルパーセント以上含む組成物。製造されるコポリマーのTgが120℃以上であるいくつかの実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約1モルパーセント以上、または約10モルパーセント以上含まれ得る。かかる実施形態では、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が約35モルパーセントまで含まれ得る。これらの組成物から製造される新たなポリマーを開示する。
いくつかの実施形態では、新たな重合性組成物及びそれらからなるポリマーは、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、シクロヘキシル、フェネチル、ベンジル、第3級ブチル、2−フェニルプロピル、及び、またはアダマンチルを含む1つ以上のヒドロカルビル基を含む1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む。これらの第一の1,1−二置換アルケン化合物から製造されるホモポリマーは、高いガラス転移温度を呈する。メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、シクロヘキシル、フェネチル、ベンジル、第3級ブチル、2−フェニルプロピル、及び、またはアダマンチルを含む1つ以上のヒドロカルビル基を含む1つ以上の1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物、ならびに1つ以上の多官能の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物を開示するとともに、該1つ以上の多官能の1,1−二置換アルケンは、1つ以上の第一の多官能の1,1−二置換アルケン、1つ以上の第二の多官能の1,1−二置換アルケン、またはそれらの混合である。
本明細書に開示するのは、各カルボニル基が独立して、直接結合、またはヘテロ原子によって該カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する、1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む複数の新たな組成物であって、該ヒドロカルビル基の1つ以上が、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、フェネチル、2−フェニルプロピル、またはアダマンチルを含み、該1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンは、式1または2の1つに相当する。
Figure 2018517809
式中:Rは、出現ごとに独立して、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、フェネチル、2−フェニルプロピル、またはアダマンチルであり;R、X、及びR’は先に開示した通りである。同様に開示するのは、これら第一の1,1−二置換アルケンから製造されるポリマー、これら第一の1,1−二置換アルケンから製造されるホモポリマー、ならびにこれら第一の1,1−二置換アルケン及び多官能の第一の1,1−二置換アルケン、多官能の第二の1,1−二置換アルケン、またはそれらの混合物であり得る多官能の1,1−二置換アルケンから製造されるポリマーである。
本明細書に開示される1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を、本明細書に開示される1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物と、重合開始剤とともに該組成物を重合させる条件下で接触させることを含む方法を開示するとともに、得られるポリマーのガラス転移温度は、該1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物のホモポリマーのガラス転移温度よりも高い。いくつかの実施形態では、該第一の1,1−二置換アルケン化合物は約10モルパーセント以上含まれる。本方法は、本明細書に開示される任意の組成物で利用することができる。
本明細書に開示される重合性組成物は、該組成物をフリーラジカル重合条件またはアニオン重合条件に供することによって重合させることができる。フリーラジカル重合条件は、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,458,956号に開示されるように、当業者には周知である。特定の実施形態では、該重合性組成物は、アニオン重合条件に供される。該重合性組成物は、任意のアニオン重合開始剤または任意の求核物質に接触される。該1,1−二置換アルケンは高度に求電子性であるため、任意の求核物質との接触でアニオン重合を開始することができる。アニオン重合は、ポリマー鎖の末端部分が求核性であり、それらが接触する任意の未反応の1,1−二置換アルケンと反応するため、一般にリビング重合と呼ばれる。従って、該重合性組成物は、すべての利用可能な未反応の1,1−二置換アルケンが重合するまで、または、該重合混合物がクエンチ段階に供されるまで持続する。クエンチ段階では、該混合物は、該重合鎖の末端を止め、さらなる重合を停止させる酸と接触される。該重合は、周囲条件に応じて、周囲温度、すなわち、約20〜35℃等の任意の合理的な温度で進むことができる。該重合は、塊状、すなわち、溶媒や分散剤なしでも、溶媒や分散剤中でも行うことができる。
特定の実施形態によれば、適切な重合開始剤は、概して、選択された重合性組成物との接触時に実質的に重合を開始することができる任意の物質から選択することができる。特定の実施形態では、周囲条件で、かつ熱や放射線からの外部エネルギーを必要とすることなく重合を誘導することができる重合開始剤を選択することが有利であり得る。該重合性組成物が1つ以上の1,1−二置換アルケン化合物を含む実施形態では、アニオン重合を開始することが可能なほとんどの求核性開始剤を含めた多種多様な重合開始剤を利用することができる。例示的な開始剤としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン、ハロゲン化物(ハロゲン含有塩)、金属酸化物、及びかかる塩や酸化物を含む混合物が挙げられる。かかる塩に対する例示的なアニオンとしては、ハロゲン、アセテート、ベンゾエート、イオウ、カーボネート、シリケート等に基づくアニオンが挙げられる。かかる化合物を含む混合物は、天然でも合成でもよい。1,1−二置換アルケン化合物に対する例示的な重合開始剤の具体的な例としては、ガラスビーズ(二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、及び酸化カルシウムなどの様々な酸化物の混合)、セラミックビーズ(様々な金属、非金属、及び半金属材料からなる)、粘土鉱物(ヘクトライト粘土及びベントナイト粘土等)、ならびにケイ酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及び炭酸カルシウム等のイオン性化合物を挙げることができる。他の重合開始剤もまた、特定のプラスチック(例えば、ABS、アクリル、及びポリカーボネートプラスチック)ならびにガラス繊維含侵プラスチックを含めて適切であり得る。かかる重合性組成物に対するさらなる適切な重合開始剤は、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0073110号にも開示されている。いくつかの実施形態では、該重合開始剤は、該1,1−二置換アルケンの重合に適合する任意のカプセル化方法を用いてカプセル化してもよい。いくつかの実施形態では、該カプセル化開始剤(活性化剤)は、すべての目的のためにその全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、Stevensonら、2015年5月29日出願の特許出願第14/725,532号に開示の通りでよい。
重合は、当該重合混合物をアニオン重合停止剤と接触させることによって止めることができる。いくつかの実施形態では、該アニオン重合停止剤は酸である。いくつかの実施形態では、該重合混合物を弱酸性、好ましくはpH7未満、より好ましくは約6未満を有するようにするのに十分な量の酸を利用することが望ましい。例示的なアニオン重合停止剤としては、例えば、鉱酸、例えば、メタンスルホン酸、硫酸、及びリン酸ならびにカルボン酸、例えば、酢酸及びトリフルオロ酢酸が挙げられる。
該重合性組成物は、溶媒や分散剤の非存在下である塊状でも、溶液中やエマルション中でも重合され得る。塊状重合は、本明細書に開示される他の原料のいずれかを含み得る重合性組成物を適切な基材及び活性化剤と接触させ、該組成物を重合させることによって行うことができる。
該重合性組成物は、乳化重合によって製造され得る。例えば、該重合性組成物は、すべての目的のためにその全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、Stevensonら、2015年7月1日に出願の米国特許出願第14,789,178号に開示の方法によって製造してもよい。Stevensonらに開示されるのは、約25重量パーセント以上の液体担体、界面活性剤(例えば、乳化剤)、及び1つ以上の1,1−二置換アルケンを含む1つ以上のモノマーを含む混合物を攪拌し、該液体担体中で該1つ以上のモノマーのミセルを形成し;該ミセル中の該モノマーの少なくとも1つと活性化剤を反応させて該1つ以上のモノマーのアニオン重合を開始させ;該1つ以上のモノマーをアニオン重合させる段階を含む方法である。該重合方法は、好ましくは、連続相(例えば、液体担体を含む連続相)全体に分配されたモノマー(例えば、1,1−二置換アルケン化合物)を含むミセルまたは不連続相を有するエマルションを形成するための1つ以上の界面活性剤を含む。該界面活性剤は、乳化剤、消泡剤、または湿潤剤でよい。該界面活性剤は好ましくは、安定なエマルションが該モノマー及び液体担体を含む系を混合または別の方法で攪拌することによって形成されるように十分な量で含まれる。本明細書の開示に従う界面活性剤には、エマルションの安定性を向上させるため(すなわち、液体担体相における分散相の安定性を向上させるため)の1つ以上の界面活性剤が含まれる。該界面活性剤及び/または界面活性剤量は、好ましくは、該界面活性剤の層で該モノマーミセルのすべてが覆われるように選択される。該界面活性剤としては、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、またはそれらの任意の組合せが挙げられ得る。該界面活性剤は、好ましくは、重合過程でアニオン界面活性剤を含まない。好ましい界面活性剤(例えば、乳化剤)の一例は、エトキシレート、例えば、エトキシ化ジオールである。例えば、該界面活性剤は、エトキシ化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを含み得る。該界面活性剤は、ポリ(アルキレングリコール)を含み得る。好ましい界面活性剤の別の例は、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)コポリマーである。好ましい界面活性剤の別の例は、アルコール、エトキシ化アルコール、またはその両方を含めた界面活性剤である。例えば、該界面活性剤は、CARBOWET(登録商標)138ノニオン界面活性剤(アルキルアルコール、ポリエチレングリコール、エトキシ化C9−C11アルコールを含む)を含み得る。好ましい界面活性剤の別の例は、ソルビタン、ソルビトール、またはポリオキシアルケンを含めた界面活性剤である。例えば、該界面活性剤は、ソルビタンモノパルミテート(ノニオン界面活性剤)を含み得る。好ましい界面活性剤の他の例としては、分岐ポリオキシエチレン(12)ノニルフィニルエーテル(nonylphynyl ether)(IGEPAL(登録商標)CO−720)及びポリ(エチレングリコール)ソルビトールヘキサオレエート(PEGSH)が挙げられる。該界面活性剤量(例えば、該乳化剤量)は、好ましくは、該モノマー及び後のポリマー粒子を実質的にカプセル化する層を形成するのに十分なものである。界面活性剤量は、好ましくは、当該不連続相が約10mm以下、約1mm以下、約300μm以下、または約100μm以下の径を有するのに十分なものである。該界面活性剤量は、好ましくは、当該不連続相が約0.01μm以上、約0.1μm以上、約1μm以上、約10μm以上、または約50μm以上の径を有するのに十分なものである。該界面活性剤の濃度は、該エマルションの合計重量に基づいて、約0.001重量パーセント以上、好ましくは、約0.01重量パーセント以上、より好ましくは約0.1重量パーセント以上、最も好ましくは約0.5重量パーセント以上であり得る。該界面活性剤の濃度は、該エマルションの合計重量に基づいて、約15重量パーセント以下、好ましくは、約10重量パーセント以下、より好ましくは約6重量パーセント以下、最も好ましくは約3重量パーセント以下であり得る。該界面活性剤の該モノマー及びポリマーの合計重量に対するエマルション中での重量比(例えば、重合過程の終わりで)は、好ましくは約0.0001以上、より好ましくは約0.002以上、さらにいっそう好ましくは約0.005以上、最も好ましくは約0.01以上である。該界面活性剤の該モノマー及びポリマーの合計重量に対するエマルション中での重量比(例えば、重合過程の終わりで)は、好ましくは約5以下(すなわち、約5:1以下)、より好ましくは約1以下、さらにいっそう好ましくは約0.5以下、最も好ましくは約0.1以下である。該液体担体は好ましくは水である。該重合過程は、エマルション形成用の少なくとも該界面活性剤及び該担体流体を含む混合物に、せん断力または超音波処理を加える段階を含んでよい。例えば、該過程は、エマルションを形成するための該混合物の攪拌または別の方法で動揺させることを含んでよい。
本明細書に開示される重合性組成物は、アニオン重合過程によって溶液中で重合され得る。いくつかの実施形態では、該重合性組成物は、すべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる、Palsuleら、2015年7月28日出願の米国特許出願第14810741号に開示の方法を利用して重合され得る。Palsuleらに開示の過程によれば、該過程は、1つ以上の1,1−二置換アルケンと溶媒を混合し;活性化剤を添加し;該活性化剤と該1つ以上の1,1−二置換アルケンを反応させて該1つ以上の1,1−二置換アルケンのアニオン重合を開始させ;該1つ以上の1,1−二置換アルケンをアニオン重合させてポリマーを形成する段階を含む。該溶液重合過程における該モノマーの濃度は、重合後、該溶液が流動することができるように十分低くてよい。該モノマーの濃度が高すぎる場合、該溶液が重合過程の終了時に過度に粘稠になり、該溶液の取り扱いが困難になる場合がある。該溶液重合過程における該モノマーの濃度は、該重合過程が効率的であるように十分高くてよい。該1つ以上のモノマーは、好ましくは、該溶媒とモノマーの合計重量に基づいて、約0.5重量パーセント以上、より好ましくは約2重量パーセント以上、さらにいっそう好ましくは約5重量パーセント以上、最も好ましくは約8重量パーセント以上の濃度で含まれる。該1つ以上のモノマーは、約90重量パーセント以下、好ましくは約75重量パーセント以下、より好ましくは約50重量パーセント以下、さらにいっそう好ましくは約30重量パーセント以下、最も好ましくは約20重量パーセント以下の濃度で含まれ得る。該モノマーが複数回添加される場合(例えば、連続及び/または逐次モノマー添加)、該1つ以上のモノマーの量は、モノマーの添加が完了した時点で存在するモノマーならびに該モノマーのポリマー及び副生成物の合計量を指すと理解される。該重合過程には、該モノマー及び溶媒が単相を形成するように選択される1つ以上の溶媒が含まれる。好ましくは、該溶媒は該重合過程で該溶液重合系の他の成分と化学的に反応しない。例えば、該溶媒は、好ましくは、該モノマーと反応しない。別の例として、該溶媒は、好ましくは、該活性化剤と反応しない。好ましい溶媒は、有機溶媒または有機溶媒混合物である。かかる溶媒または溶媒混合物は、通常、反応温度(複数可)で(例えば、活性化中及び/または重合中、液体状態である。該重合温度での該溶媒(例えば、有機溶媒)及び該モノマーの圧力は、過度の圧力による反応器の破壊の危険を低減または取り除くように、十分低いものとする。例えば、該重合温度での該溶媒の、該モノマーの、またはその両方の分圧は、約500トル以下、約200トル以下、約50トル以下、または約5トル以下でよい。該溶媒は、該モノマーとマイケル付加によって反応し得るいずれの溶媒も実質的にまたは完全に含まないものであることが望ましい場合がある。しかしながら、該重合反応が十分に速いように反応条件を選択することによって、該溶媒重合過程においてかかるモノマーを使用することが可能になる場合がある。例えば、モノマーの供給速度、反応温度、モノマーの種類、及びpH等のパラメータを選択することによって、アルコール等のプロトン性溶媒を含むまたはそれからなる溶媒を使用することが可能になる場合がある。該溶液重合は、該1,1−二置換アルケン含有化合物のアニオン重合を開始することが可能な活性化剤を用いて開始することができる。該溶媒及び/または該モノマーの1つ以上(例えば、該1,1−二置換アルケン化合物)は、さらに他の成分を含んで、重合条件に供する前に該モノマーを安定化させたり、所望の使用のために最終的なポリマーの特性を調整したりしてもよい。重合反応の前に、1つ以上の阻害剤を加えて該モノマーの反応を低下させたり、抑制したりしてもよい。かかる阻害剤は、該モノマーのアニオン重合、該モノマーのフリーラジカル重合、該モノマーと他の分子(例えば、水)間の反応、またはそれらの任意の組合せを抑制するのに有効であり得る。
本開示の重合過程は、少なくとも該モノマー及び該溶媒または担体を含む混合物にせん断力を加える段階を含んでよい。例えば、該過程は、溶液もしくはエマルションを形成するため、沈殿したポリマーを分散または除去するため、温度勾配を制御するため、またはそれらの任意の組合せのため、該混合物の攪拌または別の方法で動揺させることを含んでよい。該重合過程は、好ましくは、該溶媒の分圧が概して低い反応温度を含む。例えば、該溶媒及び/または該モノマーの分圧は約400トル以下、約200トル以下、約100トル以下、約55トル以下、または約10トル以下でよい。該反応温度は、好ましくは約80℃以下、より好ましくは約70℃以下、さらにいっそう好ましくは約60℃以下、さらにいっそう好ましくは約55℃以下、さらにいっそう好ましくは約45℃以下、さらにいっそう好ましくは約40℃以下、最も好ましくは約30℃以下である。該反応温度は、通常、該溶媒または液体担体及び該モノマーが液体状態であるのに十分高いものである。例えば、該反応温度は、約−100℃以上、約−80℃以上、約−30℃以上、または約10℃以上である。1,1−二置換アルケン化合物を重合する際、該溶液の初期pHが約7以下、約6.8以下、約6.6以下、または約6.4以下であるように、1つ以上の酸化合物を該溶液、該モノマー、またはその両方に加えることが望ましい場合がある。該重合過程は、該重合反応の完了前に停止させても、該重合反応の完了まで続けてもよい。好ましくは、該重合反応が実質的に完了するように、該反応速度は十分に大きく、及び/または該反応時間は十分に長い。
該モノマーのポリマーへの重合率は、約30重量パーセント以上、約60重量パーセント以上、約90重量パーセント以上、約95重量パーセント以上、または約99重量パーセント以上でよい。モノマーのポリマーへの重合率は、約100重量パーセント以下でよい。
該重合性組成物は、さらに他の成分を含んで、重合条件に供する前に該組成物を安定化させたり、所望の使用のために最終的なポリマーの特性を調整したりしてもよい。例えば、特定の実施形態では、適切な可塑剤を反応性組成物に含めることができる。例示的な可塑剤は、例えば、直鎖及び分岐鎖アルキルフタレート、例えば、ジイソノニルフタレート、ジオクチルフタレート、及びジブチルフタレート、トリオクチルホスフェート、エポキシ可塑剤、トルエンスルファミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、セバケート、例えば、ジメチルセバケート、ヒマシ油、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、ならびにトルエン等を含めた接着剤系のレオロジー特性を改良するために用いられるものである。Solutia Inc.(ミズーリ州セントルイス)製の部分水添テルペンであるHB−40等の市販の可塑剤もまた適切であり得る。
例えば、1つ以上の染料、顔料、強化剤、耐衝撃性改良剤、レオロジー調整剤、天然または合成ゴム、充填剤、補強剤、増粘剤、乳白剤、阻害剤、蛍光マーカー、熱劣化抑制剤、耐熱性付与剤、界面活性剤、湿潤剤、または安定剤を重合系に含めることができる。例えば、それぞれ塩化ビニルターポリマー(塩化ビニル、酢酸ビニル、及びジカルボン酸を様々な重量百分率で含む)及びジメチルセバケート等の増粘剤及び可塑剤を用いて、系の粘度、弾性、及び堅牢性を改良することができる。特定の実施形態では、かかる増粘剤及び他の化合物を用いて、重合系の粘度を約1〜3cPsから約30,000cPs以上まで増加させることができる。
特定の実施形態によれば、安定剤を該重合性組成物に含めて、保存期間を延長及び向上させることならびに自然重合を防止することができる。一般に、1つ以上のアニオン重合安定剤及びまたはフリーラジカル安定剤が該組成物に添加され得る。アニオン重合安定剤は、一般に、該組成物または成長中のポリマー鎖から塩基及び求核試薬を捕捉する求電子性化合物である。アニオン重合安定剤の使用によって、さらなるポリマーの連鎖成長を止めることができる。例示的なアニオン重合安定剤は、酸であり、例示的な酸は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸等である。例示的な安定剤としては、液相安定剤(例えば、メタンスルホン酸(「MSA」))、及び気相安定剤(例えば、トリフルオロ酢酸(「TFA」))が挙げられる。フリーラジカル安定剤としては、好ましくは、フェノール化合物(例えば、4−メトキシフェノール、すなわち、ヒドロキノンモノメチルエーテル(「MeHQ」)及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT))が挙げられる。1,1−二置換アルケンに対する安定剤のパッケージは、各々参照することによって組み込まれる、米国特許第8,609,885号及び米国特許第8,884,051号に開示されている。さらなるフリーラジカル重合阻害剤は、米国特許第6,458,956号に開示され、参照することによって本明細書に組み込まれる。一般に、最小量のみの安定剤が必要とされ、特定の実施形態では、約100万分の150部以下のみが含まれ得る。特定の実施形態では、例えば、アニオン安定剤(MSA)及びフリーラジカル安定剤(MeHQ)のブレンド等、複数の安定剤のブレンドを含めることができる。該1つ以上のアニオン重合安定剤は、早期重合を防止するのに十分な量で含まれる。好ましくは、該アニオン重合安定剤は、当該組成物の重量に基づいて約100万分の0.1部以上、より好ましくは約100万分の1重量部以上、最も好ましくは約100万分の5重量部以上の量で含まれる。好ましくは、該アニオン重合安定剤は、当該組成物の重量に基づいて約100万分の1000重量部以下、より好ましくは約100万分の500重量部以下、最も好ましくは約100万分の100重量部以下の量で含まれる。該1つ以上のフリーラジカル安定剤は、早期重合を防止するのに十分な量で含まれる。好ましくは、該フリーラジカル重合安定剤は、当該組成物の重量に基づいて約100万分の1部以上、より好ましくは約100万分の5重量部以上、最も好ましくは約100万分の10重量部以上の量で含まれる。好ましくは、該フリーラジカル重合安定剤は、当該組成物の重量に基づいて約100万分の5000重量部以下、より好ましくは約100万分の1000重量部以下、最も好ましくは約100万分の500重量部以下の量で含まれる。
本明細書に開示される重合性組成物及びポリマーを利用することができ、多くの適用であり得る。例示的な適用としては、接着剤、封止剤、塗料、光ファイバー部品、エレクトロニクス用ポッティング及び封入材料、その他のシステムの原料としての樹脂及びプレポリマー等が挙げられる。
該重合性組成物は、高速反応性、室温または低温反応性、調整可能なレオロジー特性等を含めた多くの有利な特性を呈する。該重合性組成物から製造されるポリマーは、例えば、高ガラス転移温度、高分解温度、高耐熱性、高スチフネス及びモジュラス、良好な剛性率等を含めた多くの有利な特性を呈する。
一般に硬化性組成物に用いられる他の成分を本発明の組成物に用いてもよい。かかる材料は当業者には周知であり、紫外線安定剤及び酸化防止剤等を含み得る。本発明の組成物は、当技術分野で既知の耐久性安定剤もまた含んでよい。耐久性安定剤として好ましいのは、アルキル置換フェノール、ホスファイト、セバケート、及びシンナメートである。
以下の実施例を、本発明を例示するために提供するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。特に断らない限り、すべての部及び百分率は重量基準である。
重合過程
複数の重合性組成物を以下の手順に従って重合させる。テトラヒドロフラン(THF)(9.0g)及びメチレンマロネートモノマー(1.0g)を丸底フラスコまたはHDPEボトルに充填する。通常、モノマーの重合率100%が達成されるべき場合、10%ポリマー溶液が望ましい。所望に応じて他の比率を用いてもよい。適切なサイズの磁気攪拌子をこのフラスコに入れ、この混合物を磁気攪拌プレート上で5分間攪拌する。テトラメチルグアニジン(TMG)のTHF中1%溶液をこの攪拌下のモノマー溶液を含むフラスコに加える。活性化剤の量は、活性化剤対モノマーモル比1:1000で表すことができる。所望の反応速度及び最終的なポリマーの分子量に応じて、他の比率を用いてもよい。この反応を室温で1時間続ける。より高いモノマー/ポリマーの濃度(溶媒中10wt%超)または高い分子量増加については、溶液の粘度は、分子量が増加するにつれて明白に高くなる。分子量の増加を重合の進行の指標として観察する場合、適切な時間間隔で試料を特性評価(例えば、GPC)のために取り出す。重合の終了時、TFA数滴をこの溶液に加え、この反応をクエンチする。得られる溶液をメタノール中で沈殿させる。この沈殿を室温の真空炉で乾燥させる。所望のポリマーが白色粉体として得られる。
EBAケトエステルモノマーの重合を、アルミニウム製パン内で、モノマーに対して1:100比のTMG開始剤を加えることによって、無攪拌下、塊状で行う。重合は、ゲル化によってさらなる分子量の増加が不可能になるまで進行する。ポリマーをメタノール中で沈殿させ、真空炉で熱を用いずに乾燥させる。低分子量オリゴマーや不純物が比較的少ない後のポリマーをGPC及びDSC分析に用いる。
重合性組成物の1,1−二置換アルケン及び本開示の方法で製造されるポリマーのガラス転移温度を表1に示す。ガラス転移温度は、TA Instrumentsの示差走査熱量計Q2000を用い、加熱速度10℃/分を用いたDSCプロットによって決定する。分解プロファイルは、TA Instrumentsの熱重量分析計(TGA)Model Q 50を用い、加熱速度10℃/分を用いて得た。
Figure 2018517809
図1は、ガラス転移温度175℃を示すメチレンマロン酸フェンチルエチル(FEMM)に基づくポリマーのDSCトレースである。図2は、95%重量損失に対して分解温度238℃を示すFEMMのTGAトレースである。このポリマーの数平均分子量は293Kであり、重量平均分子量は888Kである。図3は、Tg62℃を示すメチレンマロン酸フェニルプロピルエチル(PEMM)のDSCトレースである。図4は、95%重量損失に対して分解温度284℃を示すPEMMのTGAトレースである。このポリマーの数平均分子量は74.5Kであり、重量平均分子量は450Kである。
EBAケトエステルモノマーからなるポリマーは、数平均分子量14,000及び重量平均分子量は32,000Kを呈する。このポリマーのDSCトレースは、Tg99℃を示す。
DEMMとF3Mのランダムコポリマーを、DEMMとF3Mの供給量を変化させて製造する。図6は、各種供給量のDEMMとF3Mの3つのランダムコポリマーのTgを示す。このコポリマーのTgは、供給中に過度に存在するポリマーに応じて、当該ホモポリマーのTg側に移動する。供給中2つモノマー比50:50に関しては、当該コポリマーのTgは、2つのホモポリマーのTgの幅のほぼ中央である。
これら組成物の、高Tgのポリマー形成を促進するモノマーの添加による機械的特性の改良は、引張せん断試験を行うことによって確認する。冷間圧延鋼製パネル上、エタノール中0.1wt%のピルビン酸ナトリウムの開始剤溶液。溶媒の蒸発分離後、このパネルの表面はアニオン重合される状態になっている。100%DEMM、100%FEMM、50:50DEMM+FEMM、及び75:25FEMM+DEMMモノマーをその後、予め開始剤で処理された鋼表面に塗布し、それらをアニオン重合させて接着結合部を形成する。これらの表面を室温で72時間硬化させる。完全硬化後の引張せん断接着強さの結果は、以下の表2に要約され得る。
Figure 2018517809
これらの結果は、フェンチル、メンチル、2−フェニルプロピル、ジシクロヘキシル等の基の組み込みが、このポリマー組成物のガラス転移温度(Tg)を、メチレンマロン酸ジエチル(Tg=30℃)またはメチレンマロン酸ジメチル(Tg=55℃)と比較して高めることを示している。同様に、性能の相乗効果は、高Tgポリマーを製造することが可能なモノマーと、DEMM等の低Tgモノマーを共重合させることによって得ることができ、機械的特性の改良をもたらす。
本明細書で用いられる重量部は、具体的に言及される組成物の100重量部を指す。上記出願に記載の任意の数値には、任意の低い方の値と任意の高い方の値の間に少なくとも2つの単位の分離があるという条件で、1単位ずつ、低い方の値から上限値までのすべての値が含まれる。例として、成分の量またはプロセス変数、例えば、温度、圧力、時間等の値が、例えば、1〜90、好ましくは20〜80、より好ましくは30〜70と述べられている場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32等の値が本明細書に明白に列挙されていると意図される。1未満の値に関しては、1単位は適宜0.0001、0.001、0.01、または0.1であると見なされる。これらは、具体的に意図されるものの例でしかなく、列挙される最低値及び最高値の間の数値のすべての可能な組合せが、同じような方法で本出願に明白に述べられていると見なされるべきである。特に断りのない限り、すべての範囲は、両端点及びこれら端点間のすべての数を含む。範囲に関連する「約」または「およそ」の使用は、該範囲の両端に適用する。従って、「約20〜30」は、少なくとも該特定の端点を含めて、「約20〜約30」を含めることを意図する。組合せを説明するための用語「consisting essentially of(〜から本質的になる)」は、特定された要素、原料、成分、または段階、ならびに該組合せの基本的及び新規な特徴に実質的に影響しないその他の要素、原料、成分、または段階を含むものとする。本明細書の要素、原料、成分、または段階の組合せを説明するための用語「comprising(含む)」または「including(含む)」の使用は、該要素、原料、成分、または段階から本質的になる実施形態も企図する。複数の要素、原料、成分、または段階は、単一の統合された要素、原料、成分、または段階によって与えられる場合がある。代替的に、単一の統合された要素、原料、成分、または段階が、別々の複数の要素、原料、成分、または段階に分けられる場合がある。要素、原料、成分、または段階を説明するための開示「a」または「one」はさらなる要素、原料、成分、または段階を排除することを意図しない。

Claims (23)

  1. 各カルボニル基が独立して、直接結合、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有するとともに、前記ヒドロカルビル基の1つ以上が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約10重量パーセント以上;ならびに、各カルボニル基が独立して、直接結合またはヘテロ原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する第二の1,1−二置換アルケン化合物であるとともに、前記ヒドロカルビル基が、前記第二の1,1−二置換アルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃未満を呈するように選択される、1つ以上の前記第二の1,1−二置換アルケン化合物を約10重量パーセント以上含む組成物であって、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物が前記第二の1,1−二置換アルケン化合物と異なるものであり、前記組成物から製造されるポリマーが、ガラス転移温度35℃超を呈する、前記組成物。
  2. 各カルボニル基が独立して、直接結合、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有するとともに、前記ヒドロカルビル基の1つ以上が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物約10重量パーセント以上;ならびに、各カルボニル基が独立して、直接結合またはヘテロ原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する第二の1,1−二置換アルケン化合物であるとともに、前記ヒドロカルビル基が、前記第二の1,1−二置換アルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃以下を呈するように選択される、1つ以上の前記第二の1,1−二置換アルケン化合物約10重量パーセント以上から製造されるコポリマーを含む組成物であって、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物が前記第二の1,1−二置換アルケン化合物と異なるものであり、前記組成物から製造されるポリマーが、ガラス転移温度35℃超を呈する、前記組成物。
  3. 前記第二の1,1−二置換アルケンが、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基が直接結合、酸素原子、窒素原子、もしくはイオウ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくはヘテロ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルであるヒドロカルビル基を有する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンが、式1または2:
    Figure 2018517809
    の1つに相当し、前記1つ以上の第二の1,1−二置換アルケンが、式3:
    Figure 2018517809
    に相当し、
    式中:Rは、出現ごとに独立して、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含むヒドロカルビル基であり;Rは、出現ごとに独立して、式3のアルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃未満を呈するように選択されるヒドロカルビル基であり;R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり、Xは、ヘテロ原子または直接結合である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. が、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、前記Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基である少なくとも1つのヒドロカルビル基、ならびに、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基が直接結合、酸素原子、窒素原子、もしくはイオウ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合、酸素原子、窒素原子、もしくはイオウ原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、ポリアルキレンエーテルである少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物ならびに前記1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が、それぞれ純度95モルパーセント以上を呈し、類似の1,1−二置換アルカン1モルパーセント以下、ジオキサン基を含む不純物1モルパーセント以下、類似のヒドロキシアルキル基で置換されたアルケン基を有する任意の不純物約1モルパーセント以下を有し、ここで、モルパーセントは、前記1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づく、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、シクロヘキシル、フェネチル、ベンジル、第3級ブチル、2−フェニルプロピル、及び、またはアダマンチルを含む1つ以上のヒドロカルビル基を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物であって、さらに、式:
    Figure 2018517809
    に相当する、2つ以上の1,1−二置換アルケン化合物のコア単位を含む1つ以上の多官能の1,1−二置換アルケン化合物を含むとともに、
    式中:Rは、出現ごとに独立して、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含むヒドロカルビル基であり;
    は、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、前記Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、ポリアルキレンまたはエーテルであり;
    は、出現ごとに独立して、多価の炭化水素基であり;
    R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり;
    Xは、ヘテロ原子または直接結合であり;
    aは、出現ごとに独立して、1以上の整数であり;
    bは、出現ごとに独立して、0以上の整数であるとともに、aとbの和は2以上であり、Rの価数は、aとbの和に等しい、前記組成物。
  10. 1つ以上の多官能の1,1−二置換アルケン化合物を約1重量パーセント以上含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物であって、前記組成物から製造されるコポリマーが次式:
    Tg=YW+V±15°
    に従って定められるガラス転移温度を呈するとともに、式中、
    Yは、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物のモルパーセントであり;
    Wは、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物のTgマイナス前記第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
    Vは、前記第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
    Tgは℃で表される、前記組成物。
  12. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物ならびに前記1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が、それぞれ純度95モルパーセント以上を呈し、類似の1,1−二置換アルカン1モルパーセント以下、ジオキサン基を含む不純物1モルパーセント以下、類似のヒドロキシアルキル基で置換されたアルケン基を有する任意の不純物約1モルパーセント以下を有し、モルパーセントは、前記1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づいており、前記ポリマーが、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量約2000〜約3,000,000ダルトン及び多分散度約1.01〜10を呈する、請求項2〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約10モルパーセント以上含むとともに、それらから製造されるコポリマーのTgが60℃以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約25モルパーセント以上含むとともに、それらから製造されるコポリマーのTgが80℃以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンを約45モルパーセント以上含むとともに、それらから製造されるコポリマーのTgが100℃以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を約65モルパーセント以上含むとともに、それらから製造されるコポリマーのTgが120℃以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記ポリマーが、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量約2000〜約3,000,000ダルトン及び多分散度約1.01〜10を呈する、請求項2〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物であって、各カルボニル基が独立して、直接結合、ヘテロ原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有し、前記ヒドロカルビル基の1つ以上が、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、フェネチル、2−フェニルプロピル、またはアダマンチルを含む、前記組成物。
  19. 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンが、式1または2
    Figure 2018517809
    の1つに相当し、
    式中:Rは、出現ごとに独立して、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、フェネチル、2−フェニルプロピル、またはアダマンチルであり;
    は、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、前記Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルであり;
    R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり、Xは、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、または直接結合である、請求項18に記載の組成物。
  20. 請求項18または19に記載の1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物から製造されるポリマーを含む組成物。
  21. 1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物から製造されるホモポリマーを含む、請求項20に記載の組成物。
  22. 請求項10に記載の組成物の製造方法であって、1つ以上の前記第一の1,1−二置換アルケン化合物を、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物と、重合開始剤とともに前記組成物を重合させる条件下で接触させることを含み、得られるポリマーのガラス転移温度が、前記1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物のホモポリマーのガラス転移温度よりも高いものである、前記方法。
  23. 前記第一の1,1−二置換アルケン化合物が約10モルパーセント以上含まれる、請求項22に記載の方法。
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