JP6524262B2 - ガラス転移温度の高いポリマー製造用の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物 - Google Patents
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Description
Tg=Y*W+V±15°
式中、Yは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物のモルパーセントであり;
Wは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物のTgマイナス該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Vは、該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Tgは℃で表される。
本明細書に含まれる説明及び例示は、本開示、その原理、及びその実際の適用を他の当業者に紹介することを目的とする。本開示に記載される特定の実施形態は、網羅的であることも本開示を限定することも目的としない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲とともにかかる特許請求の範囲が権利を有する対応特許の全範囲に準拠して定められるべきである。特許出願及び公開を含めたすべての論文ならびに参照文献の開示は、すべての目的のため、参照することによって組み込まれる。以下の特許請求の範囲から抜き出される他の組合せもまた可能であり、これらもまた、参照することによって本明細書に組み込まれる。
Tg=Y*W+V±15°
式中、Yは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物の重量パーセントであり;
Wは、該第一の1,1−二置換アルケン化合物のTgマイナス該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Vは、該第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Tgは℃で表される。本明細書に開示される、コポリマーのTgを高めるために任意の実施形態で用いられる第一の1,1−二置換アルケン化合物は、目標のTgより高い、そのホモポリマーのTgを呈する必要がある。このことは、この式を利用する場合に認識することが重要である。分子量、多官能モノマーの量、含まれる不純物量、多分散度、立体規則性、及び該ポリマー鎖のパッキングを含めた多くの他の要因が、該1,1−二置換アルケンから製造されるポリマーのガラス転移温度に影響を及ぼす可能性がある。この理由から、本明細書に開示される通りに決定することができる実際のガラス転移は、該式によって予測されるよりも約15℃低い場合も高い場合もある。
複数の重合性組成物を以下の手順に従って重合させる。テトラヒドロフラン(THF)(9.0g)及びメチレンマロネートモノマー(1.0g)を丸底フラスコまたはHDPEボトルに充填する。通常、モノマーの重合率100%が達成されるべき場合、10%ポリマー溶液が望ましい。所望に応じて他の比率を用いてもよい。適切なサイズの磁気攪拌子をこのフラスコに入れ、この混合物を磁気攪拌プレート上で5分間攪拌する。テトラメチルグアニジン(TMG)のTHF中1%溶液をこの攪拌下のモノマー溶液を含むフラスコに加える。活性化剤の量は、活性化剤対モノマーモル比1:1000で表すことができる。所望の反応速度及び最終的なポリマーの分子量に応じて、他の比率を用いてもよい。この反応を室温で1時間続ける。より高いモノマー/ポリマーの濃度(溶媒中10wt%超)または高い分子量増加については、溶液の粘度は、分子量が増加するにつれて明白に高くなる。分子量の増加を重合の進行の指標として観察する場合、適切な時間間隔で試料を特性評価(例えば、GPC)のために取り出す。重合の終了時、TFA数滴をこの溶液に加え、この反応をクエンチする。得られる溶液をメタノール中で沈殿させる。この沈殿を室温の真空炉で乾燥させる。所望のポリマーが白色粉体として得られる。
Claims (20)
- 各カルボニル基が独立して、直接結合または酸素原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有するとともに、前記ヒドロカルビル基の1つ以上が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を10重量パーセント以上;ならびに、各カルボニル基が独立して、直接結合または酸素原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する第二の1,1−二置換アルケン化合物であるとともに、前記ヒドロカルビル基が、前記第二の1,1−二置換アルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃未満を呈するように選択される、1つ以上の前記第二の1,1−二置換アルケン化合物を10重量パーセント以上含む組成物であって、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物が前記第二の1,1−二置換アルケン化合物と異なるものであり、前記組成物から製造されるポリマーが、ガラス転移温度35℃超を呈する、前記組成物。
- 前記第二の1,1−二置換アルケンが、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基が直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルであるヒドロカルビル基を有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンが、式1または2、
式中:R1は、出現ごとに独立して、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含むヒドロカルビル基であり;R2は、出現ごとに独立して、式3のアルケンから製造される製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃未満を呈するように選択されるヒドロカルビル基であり;R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり、Xは、酸素原子または直接結合である、請求項1に記載の組成物。 - R2が、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、前記Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルである、請求項3に記載の組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基である少なくとも1つのヒドロカルビル基、ならびに、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基が直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、ポリアルキレンエーテルである少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物ならびに前記1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が、それぞれ純度95モルパーセント以上を呈し、1,1−二置換アルカン1モルパーセント以下、ジオキサン基を含む不純物1モルパーセント以下、ヒドロキシアルキル基で置換されたアルケン基を有する任意の不純物1モルパーセント以下を有し、ここで、モルパーセントは、前記1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づく、請求項1に記載の組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、シクロヘキシル、フェネチル、ベンジル、第3級ブチル、2−フェニルプロピル、及び、またはアダマンチルを含む1つ以上のヒドロカルビル基を含む、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、さらに、式:
式中:R1は、出現ごとに独立して、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含むヒドロカルビル基であり;
R2は、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、前記Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、ポリアルキレンまたはエーテルであり;
R3は、出現ごとに独立して、多価の炭化水素基であり;
R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり;
Xは、酸素原子または直接結合であり;
aは、出現ごとに独立して、1以上の整数であり;
bは、出現ごとに独立して、0以上の整数であるとともに、aとbの和は2以上であり、R3の価数は、aとbの和に等しい、前記組成物。 - 請求項1に記載の組成物であって、前記組成物から製造されるコポリマーが次式:
Tg=Y*W+V±15°
に従って定められるガラス転移温度を呈するとともに、式中、
Yは、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物のモルパーセントであり;
Wは、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物のTgマイナス前記第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Vは、前記第二の1,1−二置換アルケン化合物のTgであり;
Tgは℃で表される、前記組成物。 - 各カルボニル基が独立して、直接結合または酸素原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有するとともに、前記ヒドロカルビル基の1つ以上が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含む1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物10重量パーセント以上;ならびに、各カルボニル基が独立して、直接結合または酸素原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有する第二の1,1−二置換アルケン化合物であるとともに、前記ヒドロカルビル基が、前記第二の1,1−二置換アルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度60℃以下を呈するように選択される、1つ以上の前記第二の1,1−二置換アルケン化合物10重量パーセント以上から製造されるコポリマーを含む組成物であって、前記第一の1,1−二置換アルケン化合物が前記第二の1,1−二置換アルケン化合物と異なるものであり、前記組成物から製造されるポリマーが、ガラス転移温度35℃超を呈する、前記組成物。
- 請求項10に記載の組成物であって、前記第二の1,1−二置換アルケンが、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基が直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルであるヒドロカルビル基を有するコポリマーを含む、前記組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケンが、式1または2
式中:R1は、出現ごとに独立して、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含むヒドロカルビル基であり;R2は、出現ごとに独立して、式3のアルケンから製造されるホモポリマーがガラス転移温度35℃以下を呈するように選択されるヒドロカルビル基であり;R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり、Xは、酸素原子または直接結合である、請求項11に記載の組成物。 - R2が、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、前記Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルである、請求項12に記載の組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基である少なくとも1つのヒドロカルビル基、ならびに、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基が直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、直接結合もしくは酸素原子から3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルである少なくとも1つのヒドロカルビル基を有する、請求項10に記載の組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物ならびに前記1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物が、それぞれ純度95モルパーセント以上を呈し、1,1−二置換アルカン1モルパーセント以下、ジオキサン基を含む不純物1モルパーセント以下、ヒドロキシアルキル基で置換されたアルケン基を有する任意の不純物1モルパーセント以下を有し、モルパーセントは、前記1,1−二置換アルケン化合物の合計モルに基づいており、前記ポリマーが、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量2000〜3,000,000ダルトン及び多分散度1.01〜10を呈する、請求項10に記載の組成物。
- 前記1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物が、メンチル、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、シクロヘキシル、フェネチル、ベンジル、第3級ブチル、イソプロピル、2−フェニルプロピル、またはアダマンチルを含む1つ以上のヒドロカルビル基を含む、請求項10に記載の組成物。
- 請求項12に記載の組成物であって、さらに、式:
式中:R1は、出現ごとに独立して、アリール基、アラルキル基、1位もしくは2位の炭素原子に結合したアリール基を備えたアルカリール基、シクロアルキル基、1位もしくは2位の炭素原子にシクロアルキル基を備えたアルキル基、または1位の炭素原子が第3級であるか、1位及び2位の炭素原子が第2級である分岐アルキル基を含むヒドロカルビル基であり;
R2は、出現ごとに独立して、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルキル、第1級である1位の炭素原子もしくは第2級である1位の炭素原子及び第1級である2位の炭素原子を備えたアルケニル、アリール基がXから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合しているアルカリール、前記Xから3位以上の炭素原子である炭素原子に結合したシクロアルキル基を備えたアルキル基、またはポリアルキレンエーテルであり;
R3は、出現ごとに独立して、多価の炭化水素基であり;
R’は、出現ごとに独立して、ヒドロカルビルまたは水素であり;
Xは、酸素原子または直接結合であり;
aは、出現ごとに独立して、1以上の整数であり;
bは、出現ごとに独立して、0以上の整数であるとともに、aとbの和は2以上であり、R3の価数は、aとbの和に等しい、前記組成物。 - 1つ以上の第一の1,1−二置換アルケン化合物を含む組成物であって、各カルボニル基が独立して、直接結合または酸素原子によって前記カルボニル基に結合したヒドロカルビル基を有し、前記ヒドロカルビル基の1つ以上が、フェンチル、イソボルニル、フルフリル、フェネチル、2−フェニルプロピル、またはアダマンチルを含む、前記組成物。
- 前記第一の1,1−二置換アルケン化合物の1つ以上から製造されるホモポリマーを含む、請求項18に記載の組成物。
- 請求項10に記載の組成物の製造方法であって、1つ以上の前記第一の1,1−二置換アルケン化合物を、1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物と、重合開始剤とともに前記組成物を重合させる条件下で接触させることを含み、得られるポリマーのガラス転移温度が、前記1つ以上の第二の1,1−二置換アルケン化合物のホモポリマーのガラス転移温度よりも高いものである、前記方法。
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