JP2018515798A - 携帯デジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システム - Google Patents

Abstract

携帯デジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムは、装置に固定するように構成されるシャーシと、選択的に展開可能な二重目的折畳み式ロッドであって、第１の短縮モードでは、装置の裏側にわたって該裏側の大部分を覆うように収納され、シャーシと共に、装置の側部または裏側にかかる機械的力を吸収するように機能し、第２の展開モードでは、シャーシから横断する方向に拡張するように機能することによって、ロッドの第１の端部が装置を支持するように構成され、第２の遠位端部がユーザの手に保持されるように構成されるロッドと、を含み、第２のモードで折畳み式ロッドを使用することで、ユーザが装置を位置決めし、ユーザが遠隔から使用することができる。

Description

関連出願の相互参照
２０１５年５月１９日に提出された米国仮特許出願第６２／１６３，４１５号に権利を主張する２０１５年６月１７日に提出された米国特許出願第１４／７４１，４８５号の部分継続出願であり、２０１５年１０月２６日に提出された米国特許出願第１４／７４１，４８５号に権利を主張する。上記出願は本明細書に参照として全文を組み込む。

本発明は、概して、移動通信装置用の支援装置に関し、特に、写真機能を有する携帯電話に関する。

携帯電話用の保護ケースは周知である。通常、保護ケースは、１または２の保護プラスチック／ゴム層を含み、電話の後面と側面を覆うように作製されることによって、落ちるまたはその他の形で機械的衝撃を被ることによって損傷を負うのを避けることができる。このようなケースは電話の体積やコストを増大させるが、比較的高額であり交換が面倒であるアイテムの損傷を防ぐという点で、こうした要因がありつつもケースが使用されている。

ごく最近では、携帯電話の高品質なデジタル写真の出現と、こうした装置の広範なインターネット接続性とに伴って、装置が自撮りに一般的に使用されるようになり、このようにして撮影される写真が他人と共有される、あるいは他の方法でインターネット上のソーシャルネットワーキングサイトにアップロードされる。

携帯電話の使用による自撮りの欠点は、人が電話を持つ範囲がユーザの腕の長さに限定されるため、結果として生じる写真が第三者（すなわち、写真内にいない人物）によって撮影される従来の写真に通常存在する光景の大部分が失われることである。

さらに、よくある状況として、風景や野生生物の写真を撮影する人は、たとえば、撮影対象の近くから写真を撮ろうとするが、事実上、腕の長さの距離で装置を持つために近づくことができない。特に、これは、従来の電話が通常は光学的ズーム機能ではなく、デジタルズームを有するために、携帯電話での写真撮影時に起こる問題である。デジタルズームが使用されるとき、結果的に生じる画像の粒像性が高まるため、所望するよりも画質が劣化する。

この問題を解決しようとして、いわゆる「自撮り棒」が開発されている。実質上、自撮り棒を使用することによって、ユーザは棒を持ち、ユーザが把持している端部から遠位で携帯電話を支持することができる。したがって、棒の長さに等しい距離分、有効な使用範囲が拡張される。必ずしも携帯電話を含まない撮影機器と共に使用されることを目的とした初期の拡張棒が、米国特許公開第２００４／０２２３７５２号および第２００７／０１７７８６６号に少なくとも部分的に記載されている。

しかしながら、自撮り棒が抱える周知の問題の１つは、かさばるために、持ち運ぶのに面倒なことである。

米国特許公開第２００７／００５３６８０号は、自撮り棒のかさ高性を緩和するのに有効なアプローチを提示するカメラ用の伸縮可能な拡張式グリップを開示しているが、記載されている「カメラ用グリップ」は、使用するためにカメラの他に携帯しなければならない製品である。このように別のアイテムを持つことは、別のアイテムに留意しておくべきあり、忘れたり無くしたりする可能性がある。

「折畳み式携帯電話ブームアーム」というタイトルの米国特許公開ＵＳ２０１５／００２９３５２号は、携帯電話ケースに装着される拡張式ブームアームに関する。概念上、この製品はｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｅｘｔｅｎｄａｐｉｃ．ｃｏｍ／で見られるＥｘｔｅｎｄａＰｏｃ ｉＰｈｏｎ５／５Ｓケースに類似している。

両者とも以前の解決策よりは向上しているが、伸縮式アームの使用に基づくため、提供できる追加範囲は定義上、制限される。

携帯デジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムが提供され、該システムは、装置に固定するように構成されるシャーシと、選択的に展開可能な二重目的折畳み式ロッドであって、第１の短縮モードでは、該装置の裏側にわたって裏側の大部分を覆うように収納され、シャーシと共に、該装置の側部または裏側にかかる機械的力を吸収するように機能し、第２の展開モードでは、シャーシから横断する方向に拡張するように機能することによって、ロッドの第１の端部が該装置を支持するように構成され、第２の遠位端部がユーザの手に保持されるように構成されるロッドと、を含み、第２のモードで折畳み式ロッドを使用することで、ユーザが装置を位置決めし、ユーザが遠隔から使用することができる。

また、折畳み式ロッドは、第１の短縮モードでは、並列して略重複する共面構造をとるように構成される複数の平行な相互接続ロッド素子を含む。

さらに、相互接続ロッド素子は、第２の展開モードでは、並列して部分的に重複する共面構造をとるように構成される。

また、複数の相互接続ロッド素子のそれぞれは、長軸を有しており、少なくとも１つの他の隣接するロッド素子に平行な軸方向摺動ができるように構成される線状素子であり、短縮位置から折畳み式ロッドを拡張するには、第１の方向の軸方向摺動が必要であり、展開位置から短縮位置に折畳み式ロッドを収縮させるには、第１の方向と反対の第２の方向の軸方向摺動が必要である。

さらに、複数の相互接続ロッド素子は、装置に係合する第１の端部を終端とする第１の端部素子と、ユーザの手で保持される第２の端部を終端とする第２の端部素子と、第１の端部素子および第２の端部素子に接続される複数の相互接続中間素子と、を含む。

また、各ロッド素子がそれぞれ隣接しており、複数のロッド素子のうちの少なくとも１つに噛合係合し、該ロッド素子に沿って並列に摺動するように機能する。

さらに、各中間素子がそれぞれ隣接しており、複数のロッド素子のうちの２つに噛合係合し、該ロッド素子に沿って並列に摺動するように機能する。

また、各ロッド素子は、第１の方向において、隣接ロッド素子の側方に対向するように構成されるトラックと、第１の方向の反対の第２の方向において、隣接ロッド素子に向かって延在するように、トラックに対してロッド素子の反対側に形成されるリンク素子であって、１つのロッド素子のリンク素子が、隣接素子のトラックに沿って摺動可能に該トラックと係合するように構成されるリンク素子と、リンク素子が隣接素子のトラックから分離するのを防止するようにトラックの端部に設けられる停止素子と、を含む。

さらに、第１の端部素子は、折畳み式ロッドに対するシャーシおよび装置の角度調節を簡易化するように、複数の、好ましくは２以上の自由度を有するヒンジ構造を介して、シャーシに接続される。

また、システムは、デジタル装置を動作させる遠隔配置制御を含む。

さらに、遠隔配置制御は、折畳み式ロッドの第２の遠位端部に搭載される。

本発明は、図面と併せて以下の詳細な説明を読むと、より十分に理解および認識されるであろう。

図１は、閉鎖位置における、本明細書により構成されるデジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムの後面等角図である。 図２は、部分開放位置における、図１に示すシステムの後面等角図である。 図３は、完全展開位置における、図１および２に示すシステムの前面等角図である。 図４Ａは、デジタル装置に搭載されたときの図１に示すシステムの後面図である。 図４Ｂは、デジタル装置に搭載されたときの図１に示すシステムの上面図である。 図４Ｃは、デジタル装置に搭載されたときの図１に示すシステムの側面図である。 図４Ｄは、デジタル装置に搭載されたときの図１に示すシステムの底面図である。 図５は、デジタル装置に搭載されたときの図２に示すシステムの図である。 図６Ａは、第１の完全展開位置における、デジタル装置を支持するときの図１〜５に示すシステム全体の図である。 図６Ｂは、完全拡張位置における、装置担持シャーシおよび二重目的折畳み式ロッドを備えたシステムの二重目的係合部材の装着を示す図である。 図６Ｃは、図６Ｂの一部の拡大図である。 図７Ａは、第２の完全展開位置における、デジタル装置を支持するときの図１〜５に示すシステム全体を示す。 図７Ｂは、完全拡張位置における、装置担持シャーシおよび二重目的折畳み式ロッドを備えたシステムの二重目的係合部材の装着を示す図である。 図７Ｃは、図７Ｂの一部の拡大図である。 図８Ａは、隣接ロッド素子に接続される単独のロッド素子を示す図である。 図８Ｂは、好適な回転防止係止機構を設けた図８Ａの接続部の拡大図である。 図９Ａは、一体型拡張および機械的保護システムと移動通信装置の基本的な相互作用動作要素のブロック図であり、デジタル装置が有線接続を介して動作させられる。 図９Ｂは、一体型拡張および機械的保護システムと移動通信装置の基本的な相互作用動作要素のブロック図であり、デジタル装置が無線接続を介して動作させられる。 図１０Ａは、図７Ａおよび７Ｂに示すシャーシの裏側を示すが、折畳み式ロッドを固定するために設けられたクリップを有する。 図１０Ｂは、図７Ａおよび７Ｂに示すシャーシの裏側を示すが、折畳み式ロッドを固定するために設けられたクリップを有する。 図１１は、予備バッテリを収容する折畳み式ロッドのハンドル部の概略図である。 図１２Ａは、短縮モードにおける、本明細書の別の実施形態により構成される、デジタル装置に搭載されたデジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムの後面図である。 図１２Ｂは、短縮モードにおける、本明細書の別の実施形態により構成される、デジタル装置に搭載されたデジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムの前面図である。 図１２Ｃは、短縮モードにおける、本明細書の別の実施形態により構成される、デジタル装置に搭載されたデジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムの左側面図である。 図１２Ｄは、短縮モードにおける、本明細書の別の実施形態により構成される、デジタル装置に搭載されたデジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムの右側面図である。 図１２Ｅは、短縮モードにおける、本明細書の別の実施形態により構成される、デジタル装置に搭載されたデジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムの底面図である。 図１３Ａは、中間拡張位置における、図１２Ａ〜１２Ｅに示すシステムの部分展開等角後面図である。 図１３Ｂは、図１３Ａに示すシステムのさらに別の展開図であり、ロッドの第１の端部のみが示されており、ロッドをシステムのシャーシに接続するヒンジ構造の詳細展開図である。 図１４Ａは、折畳み式ロッドの大部分の拡張後で、シャーシの位置決め前のシステムの後面図である。 図１４Ｂは、ロッドの完全な拡張とシャーシの展開後の図１４Ａの類似図である。 図１５は、図１４Ｂに類似するシステムの後面斜視図である。 図１６は、完全に展開したときのシステムの側断面図である。 図１７Ａは、完全に展開したときのシステムの別の側面図である。 図１７Ｂは、完全に展開したときのシステムの前面図である。

まず、図１〜５を参照すると、デジタルカメラおよび／またはビデオ装置または音声記録装置などの携帯デジタル装置１２用の一体型拡張および機械的保護システム１０（図４Ａ〜５）が説明されている。通常、デジタル装置は、これらの機能と、携帯電話に見られるような通信機能の両方を組み合わせるが、本システムの使用はそれに限定されない。

システム１０は、参照符号３０で示される選択的に展開可能な二重目的折畳み式ロッドと、参照符号６０で示されるシャーシとを含む。好ましくは、収納時にロッド３０を適所に固定するのを助けるとともに、拡張時にロッド３０上に装置１２およびシャーシ６０を支持するために、参照符号９０で示される二重目的係合部材も設けられる。

ロッド３０がいわゆる「自撮り棒」のように、ユーザから遠くに支持装置１２を拡張するために使用されているとき（図６Ａ〜７Ｃ）、ロッド３０は第１の端部３２で二重目的係合部材９０に接続され、第２の自由端３４で通常はユーザの手によって保持される（図１、２、６Ａ、７Ａ）。

次に、簡単に図９Ａおよび９Ｂを参照すると、装置１２がユーザから離れてロッド３０の第２の端部３４で支持されるとき、装置１２は、適切な有線接続またはＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）ボタンなどの無線スイッチ３３’（図９Ｂ）を介して装置１２に接続される適切なセレクタまたはスイッチ３３（図９Ａ）を使用して始動される。スイッチ３３が図９Ａに示すような有線スイッチである場合、当該技術においてほぼ既知であるように、ロッド３０の第２の端部３４に配置される。しかしながら、スイッチ３３’が図９Ｂに示す無線スイッチである場合、ユーザが持つロッド３０の第２の端部３４に搭載することができる、あるいは別個に携帯することができる。

さらに別の実施形態では、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈスイッチは、ユーザの近傍で、予め許可された追加の人物によって担持される携帯装置のＢｌｕｅｔｏｏｔｈ機能として実装することができる。

未使用時、ロッド３０は係合部材９０から分離される。次いで、ロッドは縮められるか折り畳まれて、後述するように、シャーシ６０の後ろの収納位置に配置された後、二重目的係合部材９０によって固定される。後述するように、ロッド３０は最小限の空間を占めるにもかかわらず、小径でありつつ強固に製造される。したがって、ロッドはシャーシ６０の後パネル６４の大半を覆うように収納されるため、パネルと協働して、装置１２に相当量の機械的保護を提供する。

ロッド３０は、最小体積をとるように小型軽量で、最小サイズおよび最大長を可能とするように頑丈かつ容易に展開可能に形成される。この目的で、ロッドは、好ましくは、径が８ｍｍ以下の一連の小径素子３６から成る。好ましくは、それらの素子は３Ｄ印刷工程で製造されて、多方向カーボンファイバを混合したＰＬＡおよび／またはＡＢＳで形成される。好適な実施形態によると、システム１０がＳａｍｓｕｎｇ Ｇａｌａｘｙ Ｓ６（登録商標）またはｉＰｈｏｎｅ６（登録商標）などの携帯電話と共に使用されるように製造される場合、完全に取り付けられたときのロッド３０の長を８０ｃｍ超とすることができる。

コンパクトな折畳み収納を可能にするように、強靱な弾性コード３８がロッド素子３６の内部を延在する。しかしながら、いったん係合部材９０が開放され、ロッド３０が解放されれば、弾性コードがロッド３０の長に沿って張力をかけて、全素子３６が締付け力から解放され、コード３８によって整合され、軸方向に共に引っ張られ、相互に端部と端部が噛み合う。その結果、ロッド３０が完全に展開して、上記のように使用準備が整う。

携帯電話は、ホルダに収納されているときでも利用可能でなければならない各種機能を有する。たとえば、動作スイッチ、ファインダ、イヤフォンジャック、パワーポートなどである。したがって、必要に応じて、システム１０が装置１２に取り付けられているときでもこれらの機能に簡便にアクセスできるように、適切な開口部６６がシャーシ６０内の周縁６２と後パネル６４の両方に形成される。さらに、図面に示すように、ロッド素子３６は、ロッド３０がシャーシ６０の裏に収納されているときに上記の機能を邪魔せず、簡便にそれらの機能を利用できるように、特定のサイズで形成される。よって、図１および４Ａに示すように、本例では、ロッド素子３６’が残りの素子３６よりも短い。

シャーシ６０は、周縁６２が４つの縁に沿って装置１２を把持および保護し、後パネル６４が既知の携帯電話ホルダと略同様に装置１２の後部にかぶさるように形成される。したがって、これらの機能は、図面に明示する以外には、当業者にとって周知であるため本明細書では再度具体的に説明しない。

しかしながら、特に図７Ａおよび７Ｂに示すように、後パネル６４の外向き側６８は、ロッド３０が収納のために折り畳まれるときにロッド素子３６と係合するように構成される。一実施形態によると、ここでは隆起として示される位置決め素子７０が設けられ、該素子７０は、ロッド３０が折り畳まれるときに、素子７０間にロッド素子３６を収容するように動作して、後パネル６４に対するロッド素子３６の横方向移動を防止する。

簡単に図１０Ａおよび１０Ｂを参照すると、本実施形態では、ロッド素子３６を間に把持して、ロッド素子を単に位置決めするだけでなく、シャーシ６０の後側に固定するように、クリップなどの固定素子１７０を設けることもできる。概略的に示すクリップ１７０は、ロッド素子３６をシャーシ６０の裏に固定する１つの可能な方法を示しているに過ぎず、同じことを実行する等価の方法を含むことを意図すると理解される。

二重目的係合部材９０は、適切なヒンジ構造９２によってシャーシ６０に接続される。図示する実施形態では、この部材は、シャーシ６０の幅と略等しい中央部９４と、第１の端部９６と、第２の端部９８と、を有する略細長のＵ状留め構造をとる。係合部材９０は、シャーシ６０の後側に当てて、収納時に折り畳まれたロッド３０をぴったりと収容するように形成される。

短い端部９６、９８は、それぞれ特定のタスクを有する。第１の端部９６は、ヒンジ９２によってシャーシ６０の側部に形成される適切なフランジ部９３に接続されるだけでなく、第１の成形開口部９６’が形成される。係合部材９０がヒンジ９２の周囲で閉鎖され、第２の端部９８がシャーシ６０と一体的に形成される固定素子１００に対して係止されるため、第２の端部９８は、シャーシ６０の後パネル６４に対してロッド３０を固定する際に機能する自由端である。係合部材９０とシャーシ６０は、特定量の弾性を備えた高強度材料で形成されるため、係合部材９０は、単に第２の端部９８の自由縁を把持して、外方へ固定素子１００を超えて屈曲させるだけで開放される。もしくは、係合部材９０をロッド３０の周りに係止するその他の任意の適切な方法を採用してもよい。

第１の成形開口部９６’は、ロッド３０の自由端と係合し、図６Ａ〜６Ｃに示すように、装置１２を支持するように形成される。ロッド３０の自由端部は、図６Ｃに示すように、第１の成形開口部９６’に挿入されるべく構成された雄係止部材４０を終端とする。雄係止部材４０の半径はロッド素子３６の残りの部分の半径よりも小さいため、４２に示す限定肩部を形成する。図示するように、第１の成形開口部９６’と雄係止部材４０の径はほとんど等しいため、限定肩部４２が縁部開口部９６’に接するまで、係止部材４０は開口部９６’を円滑に通過することができる。

ただし、ロッド３０を中心にした装置１２の回転を防止することによって、ロッド３０を介して保持されるときに装置１２の位置を完全に制御する必要がある。したがって、一般的に、係止部材４０は、限定肩部４２に隣接して、放射方向に配向された係止突出部４４に形成されており、成形開口部９６’に隣接して連通する対応切欠き４６に挿入されて、係止係合するように構成される。突出部４４が切欠き４６と係合すると、係合部材９０、ひいてはシャーシ６０と装置１２がロッド３０を中心に回転するのが防止されると理解される。

好適な実施形態によると、係合部材９０の第１の端部９６は、単に第１の成形開口部９６’にロッド３０を係合させることによって装置を支持する。

別の実施形態では、係合部材９０の第２の端部９８に第２の成形開口部９８’が設けられ、第２の成形開口部９８’が開口部９６’と共軸に並べられるが、ロッド素子３６の径とほぼ等しい径を有する。装置１２がこのようにロッド３０に搭載されると、図７Ａ〜７Ｃに示すように、ロッド素子３６は、係合部材９０の第２の端部と第１の端部との間の間隙を通って中央部９４と平行に延在するように、第２の開口部９８’を完全に通過する。図示するように、本実施形態では、雄係止部材４０は、図６Ａ〜６Ｃを参照して図示および説明したように、しかしながら、締め具状の係合部材９０の内部から、第１の成形開口部９６’に挿入されて係止される。このように、ロッド３０は、シャーシ６０と装置１２を２点で支持するように機能するため、さらに大きな安定性を提供し、第１の係合部９６を幾分薄肉化することができる。

上述したように、ユーザがロッド３０を使用して装置１２を保持しているとき、装置１２とロッドとの間で回転が生じないことが望ましい。したがって、いったん組み付けられれば、ロッド素子３６は、長軸に対する相対回転が防止される位置で係止されなければならない。

次に、図２、８Ａ、８Ｂを参照すると、このような不所望の回転を防止するため、ロッド素子３６は、いったん相互に係合すれば噛み合うように形成される。各ロッド素子３６には、本実施形態では、異なる第１の端部５０と第２の端部５２が設けられる。

第１の端部５０は、一連の円鋸歯状突起が形成される、あるいは、歯５４と切欠き５６が交互に形成される。各ロッド素子３６の第２の端部５２には、図６Ｃを参照して図示し上述した雄係止部材４０に類似する雄係止部材４０’（図２）が設けられる。したがって、係止部材４０’は、ロッド素子３６の残りの部分の径よりも小さいために、４２’に示す限定肩部を形成する。第１の端部５０の端部開口部５０’（図２に最も良く示す）と雄係止部材４０’（図２）の各径はほぼ等しいため、限定肩部４２’が歯５４に接するまで、係止部材４０’は開口部５０’を円滑に通過することができる。

ただし、２つの相互に係合するロッド素子３６間の相対回転を防止するため、通常、係止部材４０’は、限定肩部４２’に隣接して、放射方向に配向された係止突出部４４’に形成されており、切欠き５６のいずれかに挿入され係止係合するように構成される。上述のように、ロッド３０が展開のために解放されると、隣接するロッド素子３６は弾性コード３８の力を印加されてまっすぐにされ、各隣接対のロッド素子３６の隣接する第１の端部５０と第２の端部５２がコード３８の力を受け一緒に引っ張られる。したがって、２つの隣接するロッド素子３６の完全な非回転係合を達成するのに必要なのは、雄係止部材４０’の係止突出部４４’が、対向する第１の端部５０の切欠き５６のいずれかと係合することである。

上述するように、ロッド素子３６は中空であるため軽量であり、ロッド３０が取り付けられて完全に展開されるとき雄雌噛合係合するのに適する。しかしながら、一実施形態によると、図１１を参照すると、ロッド３０が展開されるときにハンドルとして機能するロッド素子３６は、ロッド素子３６の中空内部に嵌合するように適切に構成された再充電可能な予備バッテリ１３４を収容する役目も果たすことができる。上記予備バッテリ用に一般的に知られるように操作すると、バッテリ１３４の露出端は通常、簡易に充電できるようにマイクロＵＳＢポート１３５と、デジタル装置１２などの電気装置を充電するＵＳＢポート１３７と、を有する。

次に、図１２Ａ〜１２Ｅを参照すると、本明細書の別の実施形態により構成される携帯デジタル装置１２用の一体型拡張および機械的保護システム２１０が、短縮モードで示されている。システム２１０は、図１〜１１と併せて本明細書で図示し説明したシステム１０との差異に関してのみ、ここで説明する。

システム２１０は、装置１２を固定するように構成されるシャーシ２６０と、選択的に展開可能な二重目的折畳み式ロッド２３０とを含む。ロッド２３０は、第１の短縮モードでは、シャーシ２６０の裏側２６１（図１３Ａ〜１６）に収納されると共に、装置１２の裏側の大半部分を覆うように機能する。シャーシ２６０と共に、ロッド２３０は、装置１２の側部および裏側に向かう機械力を吸収するように機能する。

次に、図１３Ａおよび１３Ｂを参照すると、第２の展開モードでは、ロッド２３０がシャーシ２６０から横断方向に拡張するように構成されることによって、ロッド２３０の第１の端部２３２が装置１２を支持し、第２の遠位端２３４がユーザの手に保持されるように構成される。図１７Ａに示すように、第２のモードでは、折畳み式ロッド２３０が拡張することで、装置１２をユーザから遠い位置で使用することができる。

折畳み式ロッド２３０は複数の平行な相互接続ロッド素子２３６を含み、該ロッド素子は、特に図１２Ａに示すように第１の短縮モードでは並列して略重複する共面構造をとり、特に図１７Ａに示すように第２の展開モードでは並列して部分的に重複する共面構造をとるように構成される。

図示されるように、複数の相互接続ロッド素子２３６はそれぞれ、長軸２３７を有する線状素子であり（図１２Ａおよび１３Ａ）、少なくとも１つの他の隣接ロッド素子２３６と平行に軸方向に摺動するように構成される。ロッド素子２３６を第１の方向に軸方向摺動させると、折畳み式ロッド２３０が短縮位置から拡張し、ロッド素子２３６を第１の方向と反対の第２の方向に軸方向摺動させると、折畳み式ロッドが収縮することが理解されるだろう。

次に、図１３Ａおよび１３Ｂを参照すると、複数のロッド素子２３６のうち、第１の端部素子２３６ａは装置１２と係合するため、ロッド３０の第１の端部２３２を終端とし、第２の端部素子２３６ｂはユーザの手によって保持されるためロッド３０の第２の端部２３４を終端とし、複数の相互接続中間素子２３６ｃは第１の端部素子２３６ａと第２の端部素子２３６ｂに接続される。

本例では、ロッド素子２３６ａ、２３６ｂ、２３６ｃ（特段明記しない限り、参照符号２３６がこれらの種類のロッド素子のそれぞれを示す）はそれぞれ、第１の方向で外向きに対向し、隣接するロッド素子２３６の側方に対向するトラック２３７を含むように形成される。また、リンク素子２３９が、隣接するロッド素子２３６に向かって第１の方向と反対の第２の方向に側方で延在するように、トラックに対してロッド素子２３６の反対側に形成される。

図示するように、ロッド素子２３６はそれぞれ、隣接するトラック２３７に沿ってリンク素子２３９と係合することによって、１またはそれ以上のロッド素子２３６と連結して並列に摺動係合する。本例では、この摺動連結構造は、断面が自由端２４１で幅広となるようにリンク素子２３９を設けることによって達成され、幅広部２４１は、トラック２３７の対応幅広内側部２４３内を摺動して、有効に２４３内にとどめられるように構成される。しかしながら、ロッド３０の拡張中、リンク素子２３９が係合したトラック２３７から滑り出て、個々のロッド素子２３６が結果的に分離するのを防ぐように、阻止部材２４５がさらに設けられて、ロッド素子２３６の端部２４６に固定される。

当業者であれば、拡張したときの折畳み式ロッド２３０の長は、ロッド素子２３６の長と数の関数であり、材料強度を有する素子２３６の強度の関数でもあると理解されるであろう。一例では、ロッド２３０の長さは７１ｃｍであり、その各種部品は、トラック２３７であればアルミニウム、リンク素子２３９であればプラスチック（グラスファイバと結合したナイロン）、阻止部材２４５であればプラスチック（ＡＢＳ）などの各種材料で作製される。しかしながら、これは単なる１例であり、他の好適な材料も使用することができる。

次に、簡単に図１６、１７Ａ、１７Ｂを参照すると、ロッド２３０の第１の端部素子２３６は、複数の自由度を有するヒンジ構造２９２を介してシャーシ２６０に接続され、シャーシ２６０および装置１２の互いに対しての所望の角度位置、通常は図示されるとおり、ユーザに対面し自撮りが行える略後方位置を取れるように構成される。ただし、別の角度から、および／またはユーザがシステム２１０を使用せずに撮影できるよりも近い距離から対象の写真を撮るため、ロッド２３０を使おうとするときには、別の位置を所望することもできると考えられる。

一実施形態によると、ヒンジ構造２９２は玉継ぎ手型の構造であってもよい。しかしながら、図１３Ｂの展開図と図１４Ａおよび１４Ｂは、自由度が２つの単純な構造を示しており、一対の相互に直交するジョイントによって、ロッド２３０が第１の軸２９４（図１４Ａ）を中心に第１の矢印２９３（図１４Ｂ）で示す第１の方向に回転した後、図１７Ｂに示すように、第２の軸２９６を中心に第２の矢印２９５で示す第２の方向に回転することができ、第１の軸と第２の軸は相互に直交している。

当業者であれば、本発明が単に非限定的な例として先に示し説明した内容に限定されないことを理解するであろう。発明の範囲は、以下の請求項によってのみ定義される。

Claims (12)

1. 携帯デジタル装置用の一体型拡張および機械的保護システムであって、
   装置に固定するように構成されるシャーシと、
   選択的に展開可能な二重目的折畳み式ロッドであって、第１の短縮モードでは、前記装置の裏側にわたって該裏側の大部分を覆うように収納され、前記シャーシと共に、前記装置の側部または裏側にかかる機械的力を吸収するように機能し、第２の展開モードでは、前記シャーシから横断する方向に拡張するように機能することによって、前記ロッドの第１の端部が前記装置を支持するように構成され、第２の遠位端部がユーザの手に保持されるように構成されるロッドと、を含み、
   前記第２のモードで前記折畳み式ロッドを使用することで、ユーザが前記装置を位置決めし、ユーザが遠隔で使用することができる、システム。
2. 前記折畳み式ロッドは、前記第１の短縮モードでは、並列して略重複する共面構造をとるように構成される複数の平行な相互接続ロッド素子を含む、請求項１に記載のシステム。
3. 前記相互接続ロッド素子は、前記第２の展開モードでは、並列して部分的に重複する共面構造をとるように構成される、請求項２に記載のシステム。
4. 前記複数の相互接続ロッド素子のそれぞれは、長軸を有しており、少なくとも１つの他の隣接するロッド素子に平行な軸方向摺動ができるように構成される線状素子であり、前記短縮位置から前記折畳み式ロッドを拡張するには、第１の方向の軸方向摺動が必要であり、前記展開位置から前記短縮位置に前記折畳み式ロッドを収縮させるには、前記第１の方向と反対の第２の方向の軸方向摺動が必要である、請求項３に記載のシステム。
5. 前記複数の相互接続ロッド素子は、
   前記装置に係合する前記第１の端部を終端とする第１の端部素子と、
   ユーザの手で保持される前記第２の端部を終端とする第２の端部素子と、
   前記第１の端部素子および前記第２の端部素子に接続される複数の相互接続中間素子と、を含む、請求項４に記載のシステム。
6. 前記各ロッド素子がそれぞれ隣接しており、前記複数のロッド素子のうちの少なくとも１つに噛合係合し、該ロッド素子に沿って並列に摺動するように機能する、請求項５に記載のシステム。
7. 前記各中間素子がそれぞれ隣接しており、前記複数のロッド素子のうちの２つに噛合係合し、該ロッドに沿って並列に摺動するように機能する、請求項６に記載のシステム。
8. 前記各ロッド素子は、
   第１の方向において、隣接ロッド素子の側方に対向するように構成されるトラックと、
   前記第１の方向の反対の第２の方向において、隣接ロッド素子に向かって延在するように、前記トラックに対して前記ロッド素子の反対側に形成されるリンク素子であって、１つのロッド素子の前記リンク素子が、隣接素子の前記トラックに沿って摺動可能に該トラックと係合するように構成されるリンク素子と、
   前記リンク素子が前記隣接素子の前記トラックから分離するのを防ぐように前記トラックの端部に設けられる停止素子と、を含む、請求項７に記載のシステム。
9. 前記第１の端部素子は、前記折畳み式ロッドに対する前記シャーシおよび前記装置の所望の角度調節を簡易化するように、複数の自由度を有するヒンジ構造を介して前記シャーシに接続される、請求項５に記載のシステム。
10. 前記ヒンジ構造は、２以上の自由度を有する、請求項９に記載のシステム。
11. 前記デジタル装置を動作させる遠隔配置制御をさらに含む、請求項１に記載のシステム。
12. 前記遠隔配置制御は、前記折畳み式ロッドの前記第２の遠位端部に搭載される、請求項１０に記載のシステム。